JP5915128B2 - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Description
トナー像を形成するための現像剤に含まれるトナーは、目的とする画像に応じて選択される。例えば、金属光沢のごとき輝きを有する画像を形成する場合、光輝性のトナーが用いられる。
また、特許文献2には、着色剤が薄片状無機結晶基質上に二酸化チタンからなる薄膜を被覆させた顔料である銀色トナーが開示されている。
請求項1の発明は、光輝性を有する顔料粒子及び結着樹脂を含み、ベタ画像を形成した場合に、該画像に対し変角光度計により入射角−45°の入射光を照射した際に測定される受光角+30°での反射率Aと受光角−30°での反射率Bとの比(A/B)が2以上100以下であり、テトラヒドロフラン溶解成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定による分子量分布がメインピークと該メインピークよりも高分子量側に少なくとも1つのピーク又はショルダーを有する静電荷像現像用トナー。
請求項2の発明は、前記テトラヒドロフラン溶解成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定による分子量分布が、メインピークを分子量7000以上20000以下の範囲に有し、分子量100000以上の範囲に前記メインピーク以外の少なくとも1つのピーク又はショルダーを有し、分子量100000以上1000000以下の範囲に分布するものの質量割合が7%以上20%以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
請求項3の発明は、前記テトラヒドロフラン溶解成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定による分子量分布が、メインピークを分子量8000以上19000以下の範囲に有する請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
請求項4の発明は、前記トナーの平均最大厚さCよりも平均円相当径Dが長く、かつ、前記トナーの厚さ方向の断面を観察した場合に、該トナーの断面における長軸方向と前記顔料粒子の長軸方向との角度が−30°以上+30°以下となる顔料粒子の数が観察される全顔料粒子のうち60%以上である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
請求項5の発明は、前記平均最大厚さCと前記平均円相当径Dとの比(C/D)が0.001以上0.5以下である請求項4に記載の静電荷像現像用トナー。
請求項6の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
請求項7の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、画像形成装置に脱着されるトナーカートリッジ。
請求項8の発明は、請求項6に記載の静電荷像現像剤を収容し、像保持体上に形成された静電荷像を前記静電荷像現像剤によりトナー像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に脱着されるプロセスカートリッジ。
請求項9の発明は、像保持体と、前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、前記像保持体上に形成された前記静電荷像を請求項6に記載の静電荷像現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、前記像保持体上に形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、前記記録媒体上に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、を備える画像形成装置。
請求項2の発明によれば、テトラヒドロフラン溶解成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定において前記分子量分布を満たさない場合に比べ、ハーフトーン画像を連続形成しても、十分な光輝性を有し、微細な画像欠損の発生が抑制される静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項3の発明によれば、前記メインピークの分子量が8000以上19000以下の範囲外である場合に比べ、特に低密度画像において十分な光輝性を有する静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項4の発明によれば、前記トナーの平均最大厚さCと平均円相当径Dとの関係、又は、前記トナーの厚さ方向の断面における長軸方向と前記顔料粒子の長軸方向との角度の関係を満たさない場合に比べ、ハーフトーン画像を連続形成しても、十分な光輝性を有し、微細な画像欠損の発生が抑制される静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項5の発明によれば、前記平均最大厚さCと前記平均円相当径Dとの比(C/D)が0.001以上0.5以下の範囲外である場合に比べ、ハーフトーン画像を連続形成しても、十分な光輝性を有し、微細な画像欠損の発生が抑制される静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項6、7、8、9の発明によれば、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを適用しない場合に比べ、ハーフトーン画像を連続形成しても、十分な光輝性を有し、微細な画像欠損の発生が抑制される静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(以下、適宜「トナー」と称する。)は、光輝性を有する顔料粒子及び結着樹脂を含み、ベタ画像を形成した場合に、該画像に対し変角光度計により入射角−45°の入射光を照射した際に測定される受光角+30°での反射率Aと受光角−30°での反射率Bとの比(A/B)が2以上100以下であり、テトラヒドロフラン溶解成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定による分子量分布がメインピークと該メインピークよりも高分子量側に少なくとも1つのピーク又はショルダーを有する光輝性トナーである。
このメカニズムは定かでないが、以下のように推測される。
しかし、本実施形態に係るトナーでは、低分子量側のメインピークを有することで定着時に金属顔料を十分に配向させうる溶融性を有しつつ、メインピークよりも高分子量側にサブピーク又はショルダーを有する分子量分布を有することで孤立トナーのオフセットが抑制されるため、ハーフトーン画像を連続形成しても、十分な光輝性を有するとともに、微細な画像欠損の発生が抑制されると考えられる。
ベタ画像を形成した場合に、該画像に対し変角光度計により入射角−45°の入射光を照射した際に測定される受光角+30°での反射率Aと受光角−30°での反射率Bとの比(A/B)が2以上であることは、入射光が入射する側(角度−側)への反射よりも入射する側とは反対側(角度+側)への反射率が大きいこと(2倍以上)を表し、即ち入射した光の乱反射が抑制されていることを表す。入射した光が様々な方向へ反射する乱反射が生じた場合、その反射光を目視にて確認すると色がくすんで見える。そのため、上記比(A/B)が2未満である場合、その反射光を視認しても光沢が確認できず光輝性に劣る。
一方、上記比(A/B)が100を超えると、反射光を視認し得る視野角が狭くなり過ぎ、正反射光成分が大きいために見る角度によって黒っぽく見えてしまう。また、上記比(A/B)が100を超えるトナーは、製造も困難である。
上記比(A/B)は、例えば乳化凝集法によりトナーを作製する際の撹拌回転数および溶融合一工程の温度で制御される。
本実施形態において変角光度計による測定の際には、入射角を−45°とするが、これは光沢度の広い範囲の画像に対して測定感度が高いためである。
また、受光角を−30°および+30°とするのは、光輝感のある画像と光輝感のない画像を評価するのに最も測定感度が高いためである。
(1)トナーの平均最大厚さCよりも平均円相当径Dが長い。
(2)トナーの厚さ方向の断面を観察した場合に、トナーの該断面における長軸方向と顔料粒子の長軸方向との角度が−30°以上+30°以下となる顔料粒子の数が、観察される全顔料粒子のうち60%以上である。
本実施形態に係るトナーは、その平均最大厚さCよりも平均円相当径Dが長いことが好ましい。具体的には、平均最大厚さCと平均円相当径Dの比(C/D)が0.001以上0.500以下の範囲にあることがより好ましく、0.010以上0.200以下の範囲が更に好ましく、0.050以上0.100以下の範囲が特に好ましい。
上記平均最大厚さCと平均円相当径Dの比(C/D)が0.001以上であることにより、トナーの強度が確保され、画像形成の際における応力による破断が抑制され、顔料が露出することによる帯電の低下、その結果発生するカブリが抑制される。一方、上記比(C/D)が0.500以下であることにより、優れた光輝性が得られる。
トナーを平滑面にのせ、振動を掛けてムラのないように分散する。1000個のトナーについて、カラーレーザ顕微鏡「VK−9700」(キーエンス社製)により1000倍に拡大して最大の厚さCと上から見た面の円相当径Dを測定し、それらの算術平均値を求めることにより算出する。なお、円相当径は、各々の粒子に対して、2次元画像の面積から同一の面積を有する円の直径として算出される。
図2に示すごとく、トナー2が厚さLよりも円相当径が長い扁平状であると、画像形成の現像工程や転写工程において、トナーが像保持体や中間転写体、記録媒体等に移動する際、このトナーの電荷を最大限打ち消すように移動する傾向にあるため、記録媒体等に付着する面積が最大となるようトナーが並ぶと考えられる。即ち、最終的にトナーが転写される記録媒体上において、扁平状のトナーはその扁平な面側が記録媒体表面と相対するように並ぶと考えられる。また、画像形成の定着工程においても、定着する際の圧力によって、扁平状のトナーはその扁平な面側が記録媒体表面と相対するように並ぶと考えられる。
そのため、このトナー中に含有される鱗片状の顔料粒子のうち上記(2)に示される「トナーの断面における長軸方向と顔料粒子の長軸方向との角度が−30°以上+30°以下となる」との要件を満たす顔料粒子は、面積が最大となる面側が記録媒体表面と相対するように並ぶと考えられる。こうして形成された画像に対し光を照射した場合には、入射光に対して乱反射する顔料粒子の割合が抑制されるため、前述の比(A/B)の範囲が達成されるものと考えられる。
トナーをビスフェノールA型液状エポキシ樹脂と硬化剤を用いて包埋したのち、切削用サンプルを作製する。次にダイヤモンドナイフを用いた切削機(本実施形態においては、LEICAウルトラミクロトーム(日立テクノロジーズ社製)を使用)を用いて−100℃の下、切削サンプルを切削し、観察用サンプルを作製する。この観察用サンプルを透過型電子顕微鏡(TEM)により倍率5000倍前後でトナー粒子の断面を観察する。観察された1000個のトナーについて、トナーの断面における長軸方向と顔料粒子の長軸方向との角度が−30°以上+30°以下となる顔料粒子の数を、画像解析ソフトを用いて数えその割合を計算する。
上記顔料粒子の数が60%以上であることにより優れた光輝性が得られる。
本実施形態に係るトナーは、テトラヒドロフラン(適宜「THF」と記す。)溶解成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(適宜「GPC」と記す。)測定による分子量分布がメインピークと該メインピークよりも高分子量側に少なくとも1つのピーク又はショルダーを有する。
本実施形態に係るトナーは、上記分子量分布がメインピークのほかに、該メインピークよりも高分子量側に少なくとも1つのピーク又はショルダーを有することで、孤立トナーのオフセットの発生が抑制され、微細な画像欠損の発生が抑制されると考えられる。
本実施形態に係るとはーは、前記GPC測定におけるメインピークの分子量が7000以上であることで画像定着時における孤立トナーのオフセットの発生が効果的に抑制され、一方、20000以下であることで十分に金属顔料を配向させ、十分な光輝性が発現される。特に画像密度が低い場合にも特に十分な光輝性を発現させる観点から、前記GPC測定におけるメインピークの分子量範囲は、8000以上19000以下がより望ましく、9000以上17000以下がさらに望ましく、10000以上15000以下が特に望ましい。
また、前記GPC測定においてメインピークよりも高分子量側のピーク又はショルダーを分子量100000以上の範囲に有することで、画像定着時における孤立トナーのオフセットの発生が効果的に抑制される。かかる観点から、上記メインピーク以外のピーク又はショルダーは、分子量150000以上1100000以下の範囲にあることがより望ましく、250000以上800000以下の範囲にあることがさらに望ましい。
なお、メインピークよりも高分子量側のピーク又はショルダーの数は、1個以上3個以下が望ましい。
さらに、画像密度がより低い場合には、ピーク又はショルダーの分子量に加えて、高分子量領域に含まれる成分の存在割合が光輝性発現のために重要となる。分子量100000以上1000000以下の範囲に分布を有するものの質量割合が7%以上であることで、孤立トナーのオフセット起因の画像荒れによる光輝性の低下が抑制され、20%以下であることで、画像密度が低い場合でも十分に金属顔料を配向させ、十分な光輝性が発現される。
前記GPC測定において分子量100000以上1000000以下の範囲に分布を有するものの質量割合は、より望ましくは10%以上15%以下である。
一方、結着樹脂がスチレンアクリルの場合、樹脂作製時の反応開始剤・連鎖移動剤の量により分子量を制御し、アルキル鎖長の長い(望ましくは炭素数が10以上)架橋剤の添加量を調整することにより所望の分子量分布が得られる。
本実施形態に係るトナーに含まれる光輝性を有する顔料粒子としては、例えば、以下のものが用いられる。アルミニウム、黄銅、青銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛などの金属粉末、酸化チタンや黄色酸化鉄を被覆した雲母、硫酸バリウム、層状ケイ酸塩、層状アルミニウムのケイ酸塩などの被覆薄片状無機結晶基質、単結晶板状酸化チタン、塩基性炭酸塩、酸オキシ塩化ビスマス、天然グアニン、薄片状ガラス粉、金属蒸着された薄片状ガラス粉など、光輝性を有するものならば特に制限はない。中でも高い光輝性が得られるアルミニウムがより好ましく用いることができる。
本実施形態に係るトナーに含まれる結着樹脂としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のエチレン系樹脂;ポリスチレン、α−ポリメチルスチレン等のスチレン系樹脂;ポリメチルメタアクリレート、ポリアクリロニトリル等の(メタ)アクリル系樹脂;ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂およびこれらの共重合樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂を用いることが望ましい。
以下においては、特に好ましく用いられるポリエステル樹脂について説明する。
前記多価カルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類;無水マレイン酸、フマール酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類が挙げられ、これらの多価カルボン酸が1種または2種以上用いられる。
これら多価カルボン酸の中でも、芳香族カルボン酸を用いることが好ましく、また良好なる定着性を確保するために架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)を併用することが好ましい。
これら多価アルコールの中でも、芳香族ジオール類、脂環式ジオール類が好ましく、このうち芳香族ジオールがより好ましい。また、より良好なる定着性を確保するため、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジオールとともに3価以上の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)を併用してもよい。
本実施形態に係るトナーには、必要に応じて離型剤を含有してもよい。離型剤としては、例えば、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン等のパラフィンワックス;シリコーン樹脂;ロジン類;ライスワックス;カルナウバワックス;等が挙げられる。これらの離型剤の融解温度は、50℃以上100℃以下が望ましく、60℃以上95℃以下がより望ましい。
トナー中の離型剤の含有量は、0.5質量%以上15質量%以下が望ましく、1.0質量%以上12質量%以下がより望ましい。
本実施形態に係るトナーには、上記した成分以外にも、更に必要に応じて内添剤、帯電制御剤、無機粉体(無機粒子)、有機粒子等の種々の成分を添加してもよい。
本実施形態に係るトナーを製造する方法としては、前記GPC測定による分子量分布を制御するため、分子量が異なる複数の樹脂をそれぞれ適量用いてトナー粒子を作製する方法が挙げられる。本実施形態に係るトナーは、湿式法や乾式法など公知の方法により作製されるが、特に湿式法で製造することが好ましい。該湿式法としては、溶融懸濁法、乳化凝集法、溶解懸濁法等が挙げられ、中でも特に、乳化凝集法にて製造することが好ましい。
例えば、結着樹脂がポリエステルの場合、複合樹脂粒子分散液の調整には粒径制御の観点から転相乳化法を用いることが好ましい。
転相乳化に用いる溶剤の量は樹脂の溶融粘度により、中和剤の量は樹脂の酸価により調整する。中和剤を添加することによって、乳化の際のpHを中性に調節し、得られるポリエステル樹脂分散液の加水分解が防止される。
また、分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子挙げられる。
樹脂粒子の大きさとしては、その平均粒子径(体積平均粒径)は1.0μm以下が好ましく、60nm以上300nm以下の範囲であることがより好ましく、さらに好ましくは150nm以上250nm以下の範囲である。60nm未満では、樹脂粒子が分散液中で安定な粒子となるため、該樹脂粒子の凝集が困難となる場合がある。また1.0μmを超えると、樹脂粒子の凝集性が向上しトナー粒子を作製することが容易となるが、トナーの粒子径分布が広がってしまう場合がある。
まず、顔料粒子を準備し、該顔料粒子と結着樹脂とを溶剤に分散・溶解して混合する。これを転相乳化やせん断乳化により水中へ分散することにより、樹脂で被覆された光輝性の顔料粒子を形成する。ここにその他の組成物(例えば離型剤、シェル用樹脂等)を添加し、さらに凝集剤を添加し、攪拌しながら温度を樹脂のガラス転移温度(Tg)の近くまで上昇させ、凝集粒子を形成する。
前記無機金属塩としては、特に、アルミニウム塩およびその重合体が好適である。
最後に粒子安定化のためにアルカリ性にした後、温度をトナーのガラス転移温度(Tg)以上融解温度(Tm)以下まで上昇させ、凝集粒子を合一させる。この合一工程において、より低温(例えば60℃以上80℃以下)で合一させることで、材料の再配置に伴う移動を小さくし、顔料の配向性が保たれ、前記(2)の要件を満たすトナーが得られる。
本実施形態においては、トナー粒子の表面に流動化剤や助剤等の外添剤を添加処理してもよい。外添剤としては、表面を疎水化処理したシリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、カーボンブラック等の無機粒子やポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂等のポリマー粒子等、公知の粒子が使用される。
本実施形態に係るトナーは、そのまま一成分現像剤として用いてもよいし、キャリアと混合して二成分現像剤として用いてもよい。
図3は、本実施形態に係るトナーが適用された現像装置を含む画像形成装置の構成の一例を概略的に示している。
本実施形態に係る画像形成装置100は、定められた方向に回転する像保持体としての感光体ドラム20、感光体ドラム20を帯電する帯電装置21と、帯電した感光体ドラム20上に静電潜像Zを形成する潜像形成装置としての例えば露光装置22と、感光体ドラム20上に形成された静電潜像Zをトナー像として可視像化する現像装置30と、感光体ドラム20上に形成されたトナー像を被転写体である記録紙28に転写する転写装置24と、感光体ドラム20上の残留トナーを清掃するクリーニング装置25、及び記録紙28上に転写されたトナー像を定着する定着装置26を備えている。
電荷注入ロール34の回転方向については選定して差し支えないが、トナーの供給性および電荷注入特性を考慮すると、電荷注入ロール34は、現像ロール33との対向部にて同方向で且つ周速差(例えば1.5倍以上)をもって回転し、電荷注入ロール34と現像ロール33とに挟まれる領域にトナー40を挟み、摺擦しながら電荷を注入する態様が好ましい。
作像プロセスが開始されると、先ず、感光体ドラム20の表面が帯電装置21により帯電され、露光装置22が帯電された感光体ドラム20上に静電潜像Zが書き込まれ、現像装置30によって前記静電潜像Zがトナー像として可視像化される。しかる後、感光体ドラム20上のトナー像は転写部位へと搬送され、転写装置24が被転写体である記録紙28に感光体ドラム20上のトナー像が静電的に転写される。感光体ドラム20上の残留トナーはクリーニング装置25にて清掃される。転写後、定着装置によって記録紙28上のトナー像が定着され、画像が得られる。
なお、本実施形態では、定着温度は150℃以上200℃以下が望ましく、定着圧力は1.5kg/cm2以上5.0kg/cm2以下が望ましい。
図4は、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。本実施形態に係るプロセスカートリッジは、前述の本実施形態に係るトナーを収容し、該トナーを保持して搬送するトナー保持体を備える。
・ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物:469部
・ビスフェノールAエチレンオキシド付加物:137部
・テレフタル酸:152部
・フマル酸:75部
・ジブチル錫オキサイド:4部
・ドデセニルコハク酸:114部
なお、樹脂の軟化温度はフローテスター(島津製作所製、CFT−5000)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出し、試料の半量が流出した温度とした。
モノマー成分の添加量、樹脂抜き出し時の軟化温度を表1のように変更した以外は結着樹脂1と同様にして、結着樹脂2乃至20を得た。
・結着樹脂1:141部
・結着樹脂6:159部
・メチルエチルケトン:174部
・イソプロパノール:47部
・10質量%アンモニア水溶液:10.6部
複合樹脂粒子分散液1の体積平均粒径は168nm、固形分濃度は30.6%であった。
混合する結着樹脂の種類及び量、メチルエチルケトン、イソプロパノール、アンモニア水の量を下記表2のように変更した以外は複合樹脂粒子分散液1と同様にして、複合樹脂粒子分散液2乃至25、および、樹脂粒子分散液1を得た。
・パラフィンワックスHNP9(日本精蝋(株)製):500部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK):50部
・イオン交換水:1700部
・アルミニウム顔料(昭和アルミパウダー(株)製、2173EA):100部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR):1.5部
・イオン交換水:900部
・複合樹脂粒子分散液1:450部
・離型剤分散液:50部
・光輝性顔料粒子分散液:220部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):1.40部
その後、層流を形成するための2枚パドルの攪拌翼を用いた攪拌装置、および温度計を備えた重合釜に原料分散液を移し、攪拌回転数を873rpmにしてマントルヒーターにて加熱し始め、54℃にて凝集粒子の成長を促進させた。またこの際、0.3Nの硝酸や1Nの水酸化ナトリウム水溶液で原料分散液のpHを2.2乃至3.5の範囲に制御した。上記pH範囲で2時間ほど保持し、凝集粒子を形成した。
その後、凝集粒子を融合させるために0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8.0に上げた後、67.5℃まで昇温させた。
光学顕微鏡で凝集粒子が融合したのを確認した後、67.5℃で保持したまま0.3mol/Lの硝酸を添加してpHを6.0まで下げ、1時間後に加熱を止め、1.0℃/分の降温速度で冷却した。その後20μmメッシュで篩分し、水洗を繰り返した後、真空乾燥機で乾燥してトナー粒子を得た。得られたトナー1の体積平均粒子径は12.2μmであった。
用いる複合樹脂粒子分散液、樹脂粒子分散液、凝集中撹拌回転数、合一温度を下記表3のように変更した以外はトナー1と同様にして、トナー2乃至35を作製した。
・結着樹脂1:211部
・結着樹脂6:239部
・アルミニウム顔料(昭和アルミパウダー(株)製、2173EA):22部
・パラフィンワックスHNP9(日本精蝋(株)製):15.6部
得られたトナーについて、「比(A/B)」、「トナーの平均最大厚さCと平均円相当径Dの比(C/D)」、「トナーの厚さ方向への断面を観察した場合に、観察される全顔料粒子のうち、トナーの該断面における長軸方向と顔料粒子の長軸方向との角度が−30°以上+30°以下となる顔料粒子の数(以下、「±30°範囲の顔料粒子の数」と記す。)」を、前述の方法により測定した。
試料となる現像剤を、富士ゼロックス(株)社製DocuCentre−III C7600の現像器に充填し、記録紙(OKトップコート+紙、王子製紙(株)社製)上に、定着温度190℃、定着圧力4.0kg/cm2にて、トナー載り量が4.5g/cm2のベタ画像、および、画像密度60%、30%のハーフトーン画像を形成する。
JIS K 5600−4−3:1999「塗料一般試験方法−第4部:塗膜の視覚特性−第3節:色の目視比較」に準じた色観察用照明(自然昼光照明)下で目視にて光輝性を評価した。評価は、粒子感(キラキラと輝く光輝性の効果)、光学的効果(見る角度による色相の変化)を評価し、下記段階とした。2以上が実際に使用可能なレベルである。
5:粒子感と光学的効果が調和している。
4:やや粒子感、光学的効果がある。
3:普通の感覚
2:ぼけた感じがする
1:全く粒子感、光学的効果がない。
4 顔料粒子
10 記録紙
12 ベタ画像
20 感光体ドラム
21 帯電装置
22 露光装置
24 転写装置
25 クリーニング装置
28 記録紙
30 現像装置
31 現像ハウジング
32 現像用開口
33 現像ロール
34 電荷注入ロール
40 トナー
107 感光体(像保持体)
108 帯電ローラ
111 現像装置(現像手段)
112 転写装置
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
115 定着装置(定着手段)
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(被転写体)
Z 静電潜像
Claims (9)
- 光輝性を有する顔料粒子及び結着樹脂を含み、ベタ画像を形成した場合に、該画像に対し変角光度計により入射角−45°の入射光を照射した際に測定される受光角+30°での反射率Aと受光角−30°での反射率Bとの比(A/B)が2以上100以下であり、テトラヒドロフラン溶解成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定による分子量分布がメインピークと該メインピークよりも高分子量側に少なくとも1つのピーク又はショルダーを有する静電荷像現像用トナー。
- 前記テトラヒドロフラン溶解成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定による分子量分布が、メインピークを分子量7000以上20000以下の範囲に有し、分子量100000以上の範囲に前記メインピーク以外の少なくとも1つのピーク又はショルダーを有し、分子量100000以上1000000以下の範囲に分布するものの質量割合が7%以上20%以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記テトラヒドロフラン溶解成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定による分子量分布が、メインピークを分子量8000以上19000以下の範囲に有する請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナーの平均最大厚さCよりも平均円相当径Dが長く、かつ、前記トナーの厚さ方向の断面を観察した場合に、該トナーの断面における長軸方向と前記顔料粒子の長軸方向との角度が−30°以上+30°以下となる顔料粒子の数が観察される全顔料粒子のうち60%以上である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記平均最大厚さCと前記平均円相当径Dとの比(C/D)が0.001以上0.5以下である請求項4に記載の静電荷像現像用トナー。
- 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
- 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、画像形成装置に脱着されるトナーカートリッジ。
- 請求項6に記載の静電荷像現像剤を収容し、像保持体上に形成された静電荷像を前記静電荷像現像剤によりトナー像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に脱着されるプロセスカートリッジ。
- 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
前記像保持体上に形成された前記静電荷像を請求項6に記載の静電荷像現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、
前記像保持体上に形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、
前記記録媒体上に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
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