JP4872609B2 - 静電荷像現像用キャリア、並びに、これを用いた静電荷像現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤カートリッジ、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

静電荷像現像用キャリア、並びに、これを用いた静電荷像現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤カートリッジ、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、例えば電子写真法、静電記録法等により形成される静電潜像を二成分現像剤により現像する際に用いられる静電荷像現像用キャリア、並びに、これを用いた静電荷像現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤カートリッジ、画像形成装置、及びプロセスカートリッジに関する。
電子写真法など静電潜像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々の分野で利用されている。電子写真法においては、帯電、露光工程により感光体上に静電潜像を形成し、トナーを含む現像剤で静電潜像を現像し、転写、定着工程を経て可視化される。
ここで用いられる現像剤には、トナーとキャリアからなる二成分現像剤と、磁性トナーなどのようにトナー単独で用いられる一成分現像剤とがある。その中でも二成分現像剤は、キャリアが現像剤の攪拌・搬送・帯電などの機能を分担し、現像剤として機能分離されているため、制御性がよいなどの特徴があり、現在広く用いられている。特に、樹脂被覆を施したキャリアを用いる現像剤は、帯電制御性が優れ、環境依存性の改善が比較的容易である。
トナー像を定着する方式としては加熱ローラーや加熱フィルムによる加熱定着方式があるが、加熱ローラー方式は、熱効率が良く高速定着が可能であることから広く用いられている。
この定着方式の問題として、加熱ローラー表面と溶融状態のトナー像が加圧下で接触する為、トナー像の一部が加熱ローラーに付着し、付着したトナーが再転写されて複写画像を汚染する、所謂オフセット現象がある。
この現象を防止することを目的に加熱ローラー表面をトナーに対する離型性に優れたシリコンゴムやフッ素樹脂で形成し、更にその表面にシリコーンオイル等の離型性液体を供給する方法がとられている。
この方法はトナーのオフセット現象を防止する点では極めて有効であるが、オフセット防止液を供給するための装置が必要になる等の問題がある。これは、小型化、軽量化と逆の方向であり、また、オフセット防止液が加熱されて蒸発して不快臭を与えることや、機内の汚染を生じることがある。
このような問題を改善する為に、トナーの粘度を限定する方法(特開平1−133065号公報、同2−161466号公報、同2−100059号公報、同3−229265号公報)、トナーに離型性のある樹脂等のワックスを含有させる方法(特公昭52―3304号公報)、ワックスの溶融粘度を限定する方法(特開平3−260659号公報、同3−122660号公報)、ワックスドメインの径とワックスのトナー表面での存在率を限定する方法(特開平7−84398号公報)、ワックスドメイン形状を限定する方法(特開平6−161145号公報)等が提案されている。
また、現像方法としては、古くはカスケード法などが用いられていたが、現在は現像剤搬送単体として磁気ロールを用いる磁気ブラシ法が主流である。
現在主流の二成分現像法においては、一般に十分な画像濃度を確保するために、すなわち現像領域に十分な現像剤を供給するために、現像スリーブ周速を感光体周速より速く設定する方法が一般的に用いられている。
しかしながら反面、現像スリーブと感光体間の相対速度差に起因する現像ディフェクト、例えば、ベタ画像後端抜け、ハーフトーンおよびベタ画像が混在する場合におけるベタ画像先端とハーフトーン境界部でのハーフトーン画像後端抜け等が発生することが知られている。
これらの画像抜けは、現像プロセスにおいて現像接触部領域でのトナーの移動に起因する現像剤層電位変化量が潜像構造に依存すること、さらに速度差を設けて現像する場合、実際に現像が行われる領域においては現像すべき潜像の直前の電界履歴をうけた現像剤により現像が行われるため、潜像構造の不連続点、例えば、ベタ画像と非画像部の境界やハーフトーンとベタ画像境界部においてこれらディフェクトが顕著になるものと考えられる。
これらのディフェクトの抑制を目的として、例えば特公平7−31422号公報に開示されているように、ベタ画像後端抜け改善のためにキャリア抵抗を低く押さえることが提案されている。一方上記ディフェクト改善のために現像剤またはキャリアー抵抗を下げた場合、下げすぎると現像実効電極の極端な感光体への近接効果のためトナーの感光体への供給能力の低下および潜像リーク発生による所謂ブラシマークが発生する。
従って従来より、例えば、特公平5−40309号公報、特公平6−29992号公報、特公平7−31422号公報等に開示されているように、キャリア層抵抗の下限値の提案がなされている。
現像剤層の抵抗は、一般にキャリアの抵抗とキャリア上のトナーの被覆率によってほぼ決定される。さらに通常現像剤抵抗は電場依存性を有するために、特に、多種潜像レベルが連続的に混在する場合の多いフルカラー画像において、上述の現像ディフェクトを避ける為に、キャリアの抵抗とキャリア上のトナーの被覆率を制御する必要がある。
しかし、長期にわたり現像を繰り返すと、現像剤中キャリアの劣化により、或はキャリア表面へのトナー成分凝着により、キャリアの帯電能力が減少してくる。すると、画像濃度を一定にする場合は現像電位が一定であるため、徐々に現像剤のキャリア上のトナーの被覆率が減少してくる。そのためフルカラー画像においては画像濃度が変動したり、かぶりが発生してししまい、本問題はまだ十分に改善されていない。
そこで、特開昭59−104664号公報には、メタクリル酸シクロアルキルエステルの重合体や、該樹脂とスチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル等との共重合体で被覆されたキャリアが提案され、耐湿性に優れ、劣化しにくいキャリアが得られることが記載されている。しかし、該樹脂は芯材への接着性が悪く、長期使用の間に被覆層が芯材から剥離して芯材が露出し、上記のように帯電能力が低下する問題がある。
一方、例えば特開平9−269614号公報のようにマトリックス樹脂中に樹脂微粒子と、導電性微粉末とを分散含有せしめた樹脂を、芯材上に有するキャリアが提案されている。このように導電粉を樹脂中に含有せしめたキャリアにおいては、その樹脂層が磨耗剥離した場合、樹脂中に導電粉が分散された樹脂微粉が剥れ、感光体上に付着あるいはクリーナーをすりぬけることで帯電器に付着する。その場合導電粉を含有する樹脂粉は絶縁体ではないために、潜像作成前に感光体に帯電器で均一な帯電を形成することができなくなったり、帯電器で印加した電界がリークすることで、レーザーなどで画像を書き込むような反転現像の場合は見かけ上潜像を作像したようになるためトナーが現像され黒点となり、逆にアナログ機のように背景部が露光するような正転現像の場合にはトナーが現像されず白点を生じてしまう。そのため、経時に渡ってキャリア上の樹脂磨耗を抑制することは重要である。
さらに近年では高画質を安定的に提供するために、現像によって消費されるトナーといっしょにキャリアを追加し、現像機内のキャリアを少しずつ入れ替えることにより帯電量の変化を抑制し画像濃度を安定化する現像装置(いわゆるトリクル現像装置)が特公平2−21591号公報に開示されている。この場合、キャリアは初期現像機内に有するものだけでなく、トナー消費に伴い新しいキャリアが補充されるようになる。そのため、初期現像機内に有したキャリアだけでなく追加されたキャリア中の樹脂も剥れるために、より一層磨耗剥離に対する課題は大きくなってくる。
そこで特開平7−114219号公報では、芯材粒子と被覆樹脂の密着性を向上させるため、残存する界面活性剤が、被覆樹脂全体に対して5〜1000PPMである脂環式メタクリル酸エステル単量体と鎖式メタクリル酸エステル単量体との共重合体を用いるキャリアが提案されている。しかし、鎖式メタクリル酸エステル成分は芯材粒子との密着性を向上させる反面、水との親和性が高いために、夏場環境のような高温高湿下では現像剤の電荷が漏洩し、帯電量が低下してしまうことにより、過剰なトナー量を現像したり、カブリを発生してしまう。
特開平1−133065号公報 特開平2−161466号公報 特開平2−100059号公報 特開平3−229265号公報 特公昭52―3304号公報 特開平3−260659公報 特開平3−122660公報 特開平7−84398公報 特開平6−161145公報 特公平7−31422公報 特公平5−40309公報 特公平6−29992公報 特公平7−31422公報 特開昭59−104664公報 特開平9−269614公報 特公平2−21591号公報 特開平7−114219公報
上記のような現像ディフェクトを抑制するために、キャリア抵抗およびキャリア上のトナー被覆率を長期間制御できるキャリアが求められている。しかし上記のように、耐湿性にすぐれた樹脂被覆キャリアにおいては、被覆樹脂層の剥離、および温度や湿度等の環境変化に伴う帯電量変化、の両方を同時に抑制することが困難であった。
そこで本発明は、上記従来の諸問題に鑑み、温度や湿度等の環境依存性が少ないとともに、被覆樹脂層が剥離しにくく、長期にわたり安定的に画像形成を行うことができる、静電荷像現像用キャリア、並びに、これを用いた静電荷像現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤カートリッジ、画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
上記課題は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、
<1> 下記式(1)を満たす芯材と、前記芯材の表面を被覆する被覆樹脂層と、を有し、前記被覆樹脂層は、脂環基を有する熱可塑性樹脂として、脂環基を有する重合性単量体とアミノ基含有アクリル系重合性単量体とを含む重合性単量体の共重合体であって、共重合体全体を100重量部としたときにおける前記アミノ基含有アクリル系重合性単量体の含有量が0.1重量部以上10.0重量部以下である共重合体を含むことを特徴とする静電荷像現像用キャリアである。
式(1):3.5≦A/a≦7.0
[ここで、Aは前記芯材のBET比表面積(単位:m/g)、aは前記芯材の球形換算比表面積(単位:m/g)を示し、前記球形換算比表面積aは、前記芯材の体積平均粒径をd(単位:μm)、前記芯材の真比重をρ(単位:無次元)とした時、a=6/(d×ρ)で表される。]
<2> 前記脂環基を有する重合性単量体は、シクロヘキシルメタクリレートであることを特徴とする<1>に記載の静電荷像現像用キャリアである。
<3> 前記被覆樹脂層は、導電粉を含むことを特徴とする<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用キャリアである。
<4> トナーと、<1>乃至<3>のいずれか1つに記載の静電荷像現像用キャリアと、を含むことを特徴とする静電荷像現像用現像剤である。
<5> 画像形成装置に脱着可能であり、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための現像剤を収納し、前記現像剤は、<4>に記載の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする静電荷像現像用現像剤カートリッジである。
<6> 少なくとも、静電潜像保持体と、前記静電潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、前記静電潜像保持体表面上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着手段と、を備え、前記現像剤が、<4>に記載の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成装置である。
<7> 前記現像手段は、前記現像剤を収容するための現像剤収容容器と、前記現像剤を前記現像剤収容容器に供給するための現像剤供給手段と、前記現像剤収容容器内に収容されている前記現像剤の少なくとも一部を、排出するための現像剤排出手段と、を備えることを特徴とする<6>に記載の画像形成装置である。
<8> <4>に記載の静電荷像現像用現像剤を収納すると共に、静電潜像保持体表面上に形成された静電潜像を前記静電荷像現像用現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、静電潜像保持体、前記静電潜像保持体を帯電する帯電手段、及び前記静電潜像保持体表面上に残存したトナーを除去するためのクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一種と、を備え、画像形成装置に脱着可能であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
本発明によれば、温度や湿度等の環境依存性が少ないとともに、被覆樹脂層が剥離しにくく、長期にわたり安定的に画像形成を行うことができる、静電荷像現像用キャリア、並びに、これを用いた静電荷像現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤カートリッジ、画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
[1]静電荷像現像用キャリア
本発明の静電荷像現像用キャリア(以下、キャリアと略す場合がある)は、芯材と、芯材の表面を被覆する被覆樹脂層を有している。また被覆樹脂層は、「脂環基を有する熱可塑性樹脂」を含み、芯材は、下記式(1)を満たす。
但し、本発明において、被覆樹脂層は、脂環基を有する熱可塑性樹脂として、脂環基を有する重合性単量体とアミノ基含有アクリル系重合性単量体とを含む重合性単量体の共重合体であって、共重合体全体を100重量部としたときにおける前記アミノ基含有アクリル系重合性単量体の含有量が0.1重量部以上10.0重量部以下である共重合体を含むものが適用される。
式(1):3.5≦A/a≦7.0
上記式(1)中、Aは前記芯材のBET比表面積(単位:m/g)、aは前記芯材の球形換算比表面積(単位:m/g)を示し、前記球形換算比表面積aは、前記芯材の体積平均粒径をd(単位:μm)、前記芯材の真比重をρ(単位:無次元)とした時、a=6/(d×ρ)で表される。
またBET比表面積は、BET方式によって求められる単位質量あたりの比表面積であり、球形換算比表面積aは、芯材粒子を完全平滑球体と仮定した場合における単位質量あたりの比表面積である。
したがって、(A/a)の値は芯材粒子表面の凹凸をあらわす。すなわち、(A/a)の値が大きいほど芯材粒子表面の凹凸が大きく、逆に(A/a)の値が小さいほど芯材粒子表面が滑らかとなる。
この構成により、本発明の静電荷像現像用キャリアでは、温度や湿度等の環境依存性が少ないとともに、被覆樹脂層が剥離しにくく、長期にわたり安定的に画像形成を行うことができる。この理由は、以下のように推測される。
二成分現像剤においてはトナーとキャリアが摩擦帯電により生じた電荷がトナー表面とキャリア表面に生ずる。トナーは絶縁性が高いため、高温高湿下においても十分に生じた電荷を保持できるが、キャリアは高画質化の目的で半導電性に抵抗が制御されているため、キャリア表面に生じた電荷が高温高湿下で漏洩しやすい。そのため、生じた電荷を漏洩させないことが、高温高湿下での帯電量を低下させない、つまり環境依存性を少なくすることとなる。
また高温高湿下の電荷漏洩は、キャリア表面の被覆樹脂層が環境中の水分を吸着し、その吸着水分を介在して発生電荷が気中放電するためでもあると考えられる。
そのため本発明者らは、その被覆樹脂層表面に水分が吸着しづらくするため、被覆樹脂層中に「脂環基を有する熱可塑性樹脂」を用いることが非常に適していることを見出した。詳細な理由は明らかではないが、被覆樹脂層中に有する脂環部分が水分を保持しづらいだけでなく、熱可塑性樹脂をもちいることで、芯材を被覆するための樹脂を有機溶剤中に溶解させたものと芯材とを混合および脱溶媒するようなコーティング工程において、樹脂中の脂環基が表面に配向しながら溶剤が除去されていき、完成したキャリアの表面も脂環基が配向された状態で固定化可能となり、いっそう雰囲気水分を保持しづらくなるからと考えられる。またこれは、溶剤を用いずに、加熱することにより芯材表面に樹脂を固定化する製造方法においても同様のことが言える。
しかし、長期にわたり画像形成を行う際に、現像剤が現像手段内において攪拌され続けると、被覆樹脂層として用いられる「脂環基を有する樹脂」は芯材表面との密着性が大きくないために、キャリア表面の被覆樹脂層が剥離するという問題が生じる。
そこで、芯材粒子表面に適度な凹凸をつけることで、芯材粒子表面の表面積を拡大すると同時に、芯材粒子表面の凹部に樹脂を染み込ませ、被覆樹脂層と芯材粒子表面との引っかかりを加える効果、すなわちアンカー効果を被覆樹脂層に付与することができるようになる。これにより、被覆樹脂層の環境依存性などの良好な特性を損なうことなく、被覆樹脂層の剥離を抑制することが可能となる。
芯材の(A/a)が3.5よりも小さい場合、被覆樹脂層と芯材粒子との引っかかり、すなわち芯材粒子表面凹凸による樹脂へのアンカー効果が小さく、現像機攪拌などにより、被覆樹脂層の剥離が生じ、その剥離した樹脂粉(キャリア樹脂剥がれ粉)は帯電的にトナーと逆極性のため、感光体潜像の背景部に現像される。
逆に芯材の(A/a)が7.0より大きいと、芯材粒子内部に細孔が存在するようになり、樹脂が芯材内部に染み込んでしまうため、キャリア表面に芯材が露出し、キャリア抵抗が低くなりすぎ、現像電界が注入することによって、キャリアスペントが生じるようになってしまう。
以上のことから、本発明のキャリアは、キャリア表面における被覆樹脂層に「脂環基を有する熱可塑性樹脂」が含まれており、かつ、芯材が上記式(1)を満たすため、高温高湿下で帯電量が低下することなく、高温高湿下と低温低湿下との帯電量差が小さい(すなわち、環境依存性が少ない)。それに加えて、芯材粒子との密着性があまり大きくない脂環基を有する樹脂を被覆樹脂層に用いても、被覆樹脂層の剥離を抑制し、長期間の現像機内攪拌に耐えることができるため、白点や黒点のようなディフェクトを防止するとともに、高画質画像を長期にわたって安定的に提供することができる。
特に、被覆樹脂層中に導電粉を含有することで抵抗を調整するキャリアでは、さらに著しい電荷漏洩が生ずるため、この漏洩を抑制することはさらに重要である。またトナーが結晶性樹脂を含有する場合、トナーの発生電荷量も少なくなるため、よりいっそう電荷漏洩を抑制する必要がある。したがってこのような場合、被覆樹脂層表面に水分が吸着しにくく環境依存性が少ない、本発明のキャリアを用いることが特に有効である。
特に、カーボンブラックなどをキャリア中の導電粉として用いた場合、被覆樹脂層の剥離が起こると黒色のキャリア樹脂剥がれ粉が生じるため、カブリとなって認識されてしまう。透明あるいは白色の導電粉を用いたとしても、キャリア樹脂剥がれ粉によって機内汚染を生じ、露光部を汚染し精細な潜像を形成できなくなったり、帯電器を汚染し感光体を均一に帯電することができず、白点や黒点を生じるようになったりする。したがってこのような場合、被覆樹脂層が剥離しにくい本発明のキャリアを用いることが特に有効である。
また、現像機内にトナーとキャリアからなる二成分現像剤が収容され、現像機から定期的あるいは連続的に二成分現像剤の一部を排出する一方、トナーとキャリアを現像機へ供給する現像方式(以下、トリクル方式と称する場合がある。)を用いる画像形成方法においては特に、トナー消費に応じて新しいキャリアが現像機中に供給されることとなるため、被覆樹脂層が剥離しやすいキャリアを用いると、キャリア樹脂剥がれ粉が現像機中に蓄積されることとなる。この場合、導電粉を含んだキャリア樹脂剥がれ粉が現像剤中トナーに付着することにより、現像電界がそのキャリア樹脂剥がれ粉を通してトナーへ注入される。すると電界が注入されたトナーは感光体上の背景部にかぶりとして現像されてしまう。そのためこのような場合においても、被覆樹脂層の剥離を抑制することが非常に重要となり、本発明のキャリアを用いることが特に有効である。
さらに、例えばトナーが5wt%以上の結晶性樹脂を含有する場合、高温高湿下においてトナーの帯電量が低い。したがってこのような場合においても、帯電量の環境依存性が少ない本発明のキャリアを用いることが特に有効である。
以下、各組成成分について説明する。
<芯材>
本発明のキャリアに用いられる芯材は、上記の通り、上記式(1)を満たす。また芯材は、下記式(2)を満たすことが好ましく、下記式(3)を満たすことがより好ましい。
式(2):3.5≦A/a≦6.0
式(3):3.5≦A/a≦5.0
芯材の(A/a)が3.5よりも小さいと、被覆樹脂層と芯材粒子との引っかかり、すなわち芯材粒子表面凹凸による樹脂へのアンカー効果が小さいため、被覆樹脂層の剥離が生じる。また芯材の(A/a)が7.0よりも大きいと、樹脂が芯材内部に染み込んでしまうためキャリア表面に芯材が露出し、キャリア抵抗が低くなりすぎてしまう。
本発明における芯材のBET比表面積Aは、以下の方法により測定する。
測定装置として、BET比表面積計(SA3100、ベックマンコールター社製)を用い、測定試料である多孔質窒化ケイ素微粉末を0.1g精秤し、サンプルチューブに入れた後、脱ガス処理し、多点法の自動測定により得られた数値を、芯材のBET比表面積Aとする。
また芯材の球形換算比表面積aは、下記式(4)で表される。
式(4):a=6/(d×ρ)
ここで、dは芯材の体積平均粒径(単位:μm)、ρは芯材の真比重(単位:無次元)を示す。
球形換算比表面積aは、芯材粒子を完全平滑球体と仮定した場合における、単位質量あたりの比表面積であるため、以下のようにして導出することができる。
芯材の体積平均粒径をd(μm)とすると、芯材粒子1個の表面積S(m)および体積V(m)は、下記式(5)および(6)で表される。
式(5):S=4π×{(d/2)×10−6
式(6):V=(4/3)×π×{(d/2)×10−6
また、芯材の真比重をρ(無次元)とすると、芯材の密度はρ×10(g/m)で表され、芯材粒子1個の質量M(g)は下記式(7)で表される。
式(7):M=V×ρ×10=(1/6)πρd×10−12
よって上記の通り、球形換算比表面積aは単位質量あたりの表面積であるから、下記式(8)のようにして、上記式(4)が導かれる。
式(8):a=S/M=6/(d×ρ)
芯材の体積平均粒径dは、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を用いて測定する。得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径dとする
また芯材の真比重ρは、ルシャテリエ比重瓶を用い、JIS−K−0061の5−2−1に準拠して真比重を測定する。操作は次の通りに行う。
(1)ルシャテリエ比重瓶に約250mlのエチルアルコールを入れ、メニスカスが目盛りの位置にくるように調整する。
(2)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2℃になったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る。(精度0.025mlとする)
(3)試料を約100g量り取り、その質量をW(g)とする。
(4)量り取った試料を比重瓶に入れ泡を除く。
(5)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2℃になったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る。(精度0.025mlとする)
(6)下記式により真比重を算出する。
D=W/(L2−L1)
ρ=D/0.9982
上記式中、Dは試料の密度(20℃)(g/cm3)、ρは試料の真比重(20℃)、Wは試料の見かけの質量(g)、L1は試料を比重瓶に入れる前のメニスカスの読み(20℃)(ml)、L2は試料を比重瓶に入れた後のメニスカスの読み(20℃)(ml)、0.9982は20℃における水の密度(g/cm3)である。
芯材の材料としては、上記条件を満足すれば、とくに制限は無い。具体的には例えば、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属;これらの磁性金属とマンガン、クロム、希土類等との合金;及びフェライト、マグネタイト等の磁性酸化物;等があげられるが、磁気ブラシ法を用いる観点からは、キャリアが磁性キャリアであることが望ましいため、芯材の材料も磁性材料であることが望ましい。特に、本発明に好適に用いられる芯材としては、表面均一化が容易で帯電性が安定するため、フェライト粒子が好ましい。
芯材は、造粒、焼結により形成されるが、前処理として、微細に粉砕することが好ましい。粉砕方法は特に問わず、公知の粉砕方法に従って粉砕等することができ、具体的には例えば、乳鉢、ボールミル、ジェットミル等を挙げる事ができる。前処理での最終的な粉砕状態は、材質等によって異なるが、体積平均粒径が2μm以上10μm以下であることが好ましい。2μm未満では、所望の粒径を得ることができない場合があり、10μmを超えると、粒径が大きくなり過ぎるか、あるいは円形度が小さくなってしまう場合がある。
また、焼結温度は従来の場合よりも低く抑えることが好ましく、具体的には、用いる材質によって異なるが、500℃以上1200℃以下が好適であり、600℃以上1000℃以下がより好適である。焼結温度が500℃未満であると、キャリアとして必要な磁力が得られない場合があり、1200℃を超えると、結晶成長が速く、内部構造の不均一化が起こりやすくなり、クラック、ひびが入りやすくなる。
焼結温度を低く抑えるために、焼結工程では、仮焼結を段階的に行うことが好ましい。そのため、全体の焼結にかける時間は長くすることが好ましい。
芯材の体積平均粒径は、10μm以上500μm以下が好ましく、より好ましくは20μm以上150μm以下であり、更に好ましくは30μm以上100μm以下である。芯材の体積平均粒径が10μm未満であると、静電荷像現像用現像剤に用いた場合にトナー・キャリア間の付着力が高くなり、トナーの現像量が減少する場合がある。一方、500μmを超えると、磁気ブラシが荒くなり、きめ細かい画像が形成され難くなる場合がある。
芯材の磁力は、1000エルステッドにおける飽和磁化が50emu/g以上であることが好ましく、より好ましくは60emu/g以上である。飽和磁化が50emu/gより弱いとキャリアがトナーと共に、感光体上に現像されてしまう場合がある。
磁気特性の測定としての装置は振動試料型磁気測定装置VSMP10−15(東英工業社製)を用いる。測定試料は内径7mm、高さ5mmのセルに詰めて前記装置にセットする。測定は印加磁場を加え、最大1000エルステッドまで掃引する。ついで、印加磁場を減少させ、記録紙上にヒステリシスカーブを作製する。カーブのデータより、飽和磁化、残留磁化、保持力を求める。本発明においては、飽和磁化は1000エルステッドの磁場において測定された磁化を示す。
芯材の体積電気抵抗(体積抵抗率)は、10Ω・cm以上109.5Ω・cm以下の範囲であることが好ましく、10Ω・cm以上10Ω・cm以下の範囲であることがより好ましい。体積電気抵抗が10Ω・cmより小さいと、繰り返し複写によって、現像剤中のトナー濃度が減少した際に、キャリアへ電荷が注入され、キャリア自体が現像されてしまう可能性がある。一方、体積電気抵抗が109.5Ω・cmより大きくなると、際立ったエッジ効果や擬似輪郭等、画質に悪影響を及ぼす場合がある。
上記芯材の体積電気抵抗(Ω・cm)は以下のように測定する。なお、測定環境は、温度20℃、湿度50%RHとする。
20cm2の電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象物を1〜3mm程度の厚さになるように平坦に載せ、層を形成する。この上に前記同様の20cm2の電極板を載せ層を挟み込む。測定対象物間の空隙をなくすため、層上に載置した電極板の上に4kgの荷重をかけてから層の厚み(cm)を測定する。層の上下の両電極には、エレクトロメーターおよび高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が103.8V/cmとなるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)を計算する。測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)の計算式は、下記式に示す通りである。
式:R=E×20/(I−I0)/L
上記式中、Rは測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)、Eは印加電圧(V)、Iは電流値(A)、I0は印加電圧0Vにおける電流値(A)、Lは層の厚み(cm)をそれぞれ表す。また、20の係数は、電極板の面積(cm2)を表す。
<被覆樹脂層>
本発明のキャリアに用いられる被覆樹脂層は、上記の通り、「脂環基を有する熱可塑性樹脂」を含む。「脂環基を有する熱可塑性樹脂」は、脂環基および熱可塑性を有していれば特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができる。また「脂環基を有する熱可塑性樹脂」は、結果として得られた樹脂に熱可塑性があれば、「脂環基を有するモノマー」の単独重合体であっても良いし、「脂環基を有するモノマー」と「その他のモノマー」との共重合体であっても良い。
「脂環基を有するモノマー」としては、具体的には例えば、シクロプロピルアクリレート、シクロブチルアクリレート、シクロペンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロプロピルメタクリレート、シクロブチルメタクリレート、シクロペンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、およびこれらの誘導体などの脂環基含有アクリル系モノマー;ノルボルネン樹脂を構成するモノマー;ポリカーボネート樹脂を構成するモノマー;脂環基を有するポリエステル樹脂を構成するモノマー;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸モノマー;1,3−シクロヘキサンジメタノール等のジオールモノマー;などが挙げられるが、その中でも特に脂環基含有アクリル系モノマーが好ましく、さらにその中でも特にシクロヘキシルメタクリレートが分子構造的に安定であるため好ましい。
「その他のモノマー」としては、具体的には例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、ジエチルアミノメチルメタクリレート、ジメチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルフォリン等のアミノ基含有アクリル系モノマーやそれらの誘導体等を含む窒素含有アクリル系モノマー;その他のアクリル系モノマー;ポリエチレン及びポリプロピレンなどのオレフィン樹脂を構成するモノマー;ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル及びポリビニルケトン等のポリビニル系樹脂及びポリビニリデン系樹脂を構成するモノマー;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品を構成するモノマー;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素系樹脂を構成するモノマー;ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素-ホルムアルデヒド樹脂(ユリア樹脂)、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリアミド樹脂等のアミノ樹脂を構成するモノマー;エポキシ樹脂を構成するモノマー;等のそれ自体の公知の樹脂を構成するモノマーが挙げられる。その中でも特に、窒素含有アクリル系モノマーが好ましい。キャリアが電荷を保持しやすくなるからである。さらにその中でも特に、アミノ基含有アクリル系モノマーがより好ましく、ジメチルアミノエチルメタクリレートがさらに好ましい。
共重合体の重合比としては、共重合体全体を100重量部としたときにおける「その他のモノマー」の含有量が、0.1重量部以上10.0重量部以下であることが好ましく、0.3重量部以上5.0重量部以下であることがより好ましく、0.5重量部以上3.0重量部以下であることがさらに好ましい。「その他のモノマー」の含有量が10.0重量部より多いと、高温高湿下におけるキャリア表面の樹脂被覆層の水分吸着量が多くなり、現像剤電荷の気中放電が発生してしまうことがあり、0.1重量部より少ないと、電荷の発生能力が減少する為、現像剤の帯電量が低下していく傾向があるためだからである。
共重合体におけるモノマーの組み合わせは、シクロヘキシルメタクリレートと窒素含有アクリル系モノマーが好ましく、シクロヘキシルメタクリレートとジメチルアミノエチルメタクリレートがより好ましい。この組み合わせにより、被覆樹脂層の芯材への密着性の向上と共に、環境依存性を少なく抑えつつ、帯電性も向上させることができる。加えて、上記特定の芯材を適用することで、シクロヘキシルメタクリレートと窒素含有アクリル系モノマーとをモノマー成分として含む共重合体が芯材内部に入り込まないようにすることができるため、キャリア表面に芯材粒子が露出してしまうことにより、そこに現像バイアスが注入されて生じるキャリアスペントを防止することができる。
また、シクロヘキシルメタクリレートと窒素含有アクリル系モノマー(特に、ジメチルアミノエチルメタクリレート)の共重合体における重合比は、共重合体全体を100重量部としたときにおける窒素含有アクリル系モノマーの含有量が、0.5重量部以上5重量部以下であることが最も好ましい。
被覆樹脂層には、抵抗を制御するためなどの目的で、必要に応じて導電粉を含んでも良い。
導電粉として具体的には例えば、金、銀、銅等の金属粒子;カーボンブラック;ケッチェンブラック;アセチレンブラック;酸化チタン、酸化亜鉛等の半導電性酸化物粒子;酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム粉末等の表面を酸化スズ、カーボンブラック、金属等で覆った粒子;などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
導電粉としては、製造安定性、コスト、導電性等が良好である点で、カーボンブラック粒子が好ましい。
カーボンブラックの種類としては、特に制限はないが、DBP吸油量が50〜250ml/100g程度であるカーボンブラックが、製造安定性に優れて好ましい。
導電粉の体積平均粒径は、0.5μm以下のものが好ましく、より好ましくは0.05μm以上0.5μm以下であり、更に好ましくは、0.05μm以上0.35μm以下である。体積平均粒径が0.5μmより大きいと、導電粉が被覆樹脂層から脱落しやすく、安定した帯電性が得られなくなる可能性がある。
導電粉の体積平均粒径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)を用いて測定する。
測定法としては、界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液50ml中に測定試料を2g加え、超音波分散機(1,000Hz)にて2分間分散して、試料を作製し、測定する。
得られたチャンネルごとの体積平均粒径を、体積平均粒径の小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均粒径とする。
導電粉の体積電気抵抗は、10Ω・cm以上1011Ω・cm以下であることが好ましく、10Ω・cm以上10Ω・cm以下がより好ましい。
また導電粉の体積電気抵抗は、芯材の体積電気抵抗と同様にして測定する。
導電粉の含有量は、被覆樹脂層全体に対し、1容量%以上50容量%以下が好ましく、3容量%以上20容量%以下がより好ましい。含有量が20容量%より大きいと、キャリア抵抗の低下を招き、現像像へのキャリア付着などにより画像欠損を引き起こす場合がある。一方、含有量が1容量%より小さいと、キャリアが絶縁化され、現像時、キャリアが現像電極として働きにくくなり、特に黒のベタ画像を形成した際にエッジ効果が出る等、ソリッド画像の再現性が劣る場合がある。
また被覆樹脂層は、他に樹脂粒子を含有しても良い。樹脂粒子としては、例えば、熱可塑性樹脂粒子、熱硬化性樹脂粒子等があげられる。これらの中でも、比較的硬度を上げることが容易な観点から熱硬化性樹脂が好ましく、トナーに負帯電性を付与する観点からは、N原子を含有する含窒素樹脂による樹脂粒子が好ましい。なお、これらの樹脂粒子は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂粒子の体積平均粒径としては、例えば、0.1μm以上2.0μm以下が好ましく、より好ましくは0.2μm以上1.0μm以下である。樹脂粒子の平均粒径が0.1μm未満であると、被覆樹脂層における樹脂粒子の分散性が非常に悪くなる可能性があり、一方、2.0μmを越えると、被覆樹脂層から樹脂粒子の脱落が生じ易く、本来の効果を発揮しなくなることがある。
樹脂粒子の体積平均粒径は、導電粉の体積平均粒径と同様な測定を行うことによって求めることができる。
樹脂粒子の含有量は、被覆樹脂層全体に対し、1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1質量%以上30質量%以下、更に好ましくは1質量%以上20質量%以下である。樹脂微粒子の含有率が1質量%よりも少ないと、樹脂粒子の効果が発現しない場合があり、50質量%を超えると、被覆樹脂層からの脱落が生じ易く、安定した帯電性が得られない場合がある。
被覆樹脂層を芯材表面に形成する方法としては、特に制限はないが、例えば、導電粉と、脂環基含有アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等と、を溶剤中に含む被膜形成用液を用いる方法などが挙げられる。
例えば、芯材を被膜形成用液に浸漬する浸漬法、被膜形成用液を芯材の表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被膜形成用液と混合し溶剤を除去するニーダーコーター法、等が挙げられる。これらの中でも、本発明においては、ニーダーコーター法が好ましい。
被膜形成用液に用いる溶剤としては、樹脂のみを溶解することが可能なものであれば、特に制限はなく、それ自体公知の溶剤の中から選択することができる。具体的には例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;などが挙げられる。
被覆樹脂層中に樹脂粒子が分散されている場合において、その厚み方向及びキャリア表面の接線方向に、樹脂粒子が均一に分散しているため、キャリアを長期間使用して被覆樹脂層が摩耗したとしても、常に未使用時と同様な表面形成を保持でき、トナーに対し、良好な帯電付与能力を長期間にわたって維持することができる。
また、被膜樹脂層に導電粉が分散されている場合においては、その厚み方向及びキャリア表面の接線方向に、導電粉が均一に分散しているため、キャリアを長期間使用して被膜樹脂層が摩耗したとしても、常に未使用時と同様な表面形成を保持でき、キャリア劣化を長期間防止することができる。
なお、被膜樹脂層に樹脂粒子と導電粉とが分散されている場合において、上述の効果を同時に奏する事ができる。
また被覆樹脂層は、単層に限られず、2層以上の構成であってもよい。
本発明のキャリア中における被覆樹脂層の全含有量は、芯材100重量部に対し、0.5重量部以上10重量部以下の範囲が好ましく、さらに好ましくは1重量部以上5重量部以下、さらに好ましくは1重量部以上3重量部以下である。被覆樹脂層の含有量が0.5重量部より少ないと、芯材粒子の表面露出が多すぎるため、現像電界が注入しやすくなる可能性がある。また被覆樹脂層の含有量が10重量部より大きいと、被覆樹脂層から遊離する樹脂粉が多くなり、初期から現像剤中に剥がれたキャリア樹脂粉が含有されるようになってしまう可能性がある。
被覆樹脂層による芯材表面の被覆率は80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、100%に近ければ近いほど好ましい。被覆率が80%未満の場合には、長期に渡って使用した場合にキャリアへの電荷注入が発生し、電荷注入が起こったキャリアが感光体上へ移行し、画像上に白抜けが発生してしまう場合がある。
なお、被覆樹脂層の被覆率は、XPS測定により求めることができる。XPS測定装置としては、日本電子製、JPS80を使用し、測定は、X線源としてMgKα線を用い、加速電圧を10kV、エミッション電流を20mVに設定して実施し、被覆樹脂層を構成する主たる元素(通常は炭素)と、芯材を構成する主たる元素(例えば芯材がマグネタイトなどの酸化鉄系材料の場合は鉄および酸素)とについて測定する(以下、芯材が、酸化鉄系である場合を前提に説明する)。ここで、炭素についてはC1sスペクトルを、鉄についてはFe2p3/2スペクトルを、酸素についてはO1sスペクトルを測定する。
これらの各々の元素のスペクトルに基づいて、炭素(A)、酸素(A)、鉄(AFe)の元素個数(A+A+AFe)を求めて、得られた炭素、酸素、鉄の元素個数比率より下記式(9)に基づいて、芯材単体、および、芯材を被覆樹脂層で被覆した後(キャリア)の鉄量率を求め、続いて、下記式(10)により被覆率を求めた。
式(9):鉄量率(atomic%)=AFe/(A+A+AFe)×100
式(10):被覆率(%)={1−(キャリアの鉄量率)/(芯材単体の鉄量率)}×100
なお、芯材として、酸化鉄系以外の材料を用いる場合には、酸素の他に芯材を構成する金属元素のスペクトルを測定し、上述の式(9)や式(10)に準じて同様の計算を行えば被覆率を求めることができる。
各被覆樹脂層の平均膜厚は、0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以上〜3.0μm以下であり、更に好ましくは0.1μm以上〜1.0μm以下である。被覆樹脂層の平均膜厚が0.1μmよりも薄いと、長時間使用時に被覆樹脂層剥離による抵抗低下が発生したり、キャリアの粉砕を充分に制御し難くなる場合がある。一方、被覆樹脂層の平均膜厚が10μmを超えると、飽和帯電量に達するまでの時間がかかる場合がある。
被覆樹脂層の平均膜厚(μm)は、芯材の真比重をρ(無次元)、芯材の体積平均粒径をd(μm)、被覆樹脂層の平均比重をρ、芯材100重量部に対する被覆樹脂層の全含有量をW(重量部)とすると、下記式(11)以下のようにして求めることができる。
式(11):平均膜厚(μm)=[キャリア1個当たりの被覆樹脂量(導電粉等の添加物もすべて含む)/キャリア1個当たりの表面積]÷被覆樹脂層の平均比重
=[4/3π・(d/2)・ρ・W]/[4π・(d/2)]÷ρ
=(1/6)・(d・ρ・W/ρ
<キャリアの特性>
キャリアの体積平均粒径は、15μm以上50μm以下が好ましく、更に好ましくは25μm以上40μm以下である。キャリアの体積平均粒径が15μmより小さいと、キャリア汚染が悪化する可能性がある。またキャリアの体積平均粒径が50μmより大きいと、攪拌によるトナー劣化が顕著となる可能性がある。
キャリアの体積平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を用いて測定する。
得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径とする。
また、キャリアの形状係数SF1は、100以上145以下であることが好ましい。高画質と現像剤の攪拌効率を両立するためである。
なお、キャリアの形状係数SF1は、下記式(12)により求められる値を意味する。
式(12):SF1=100π×(ML)/(4×A)
ここで、MLはキャリア粒子の最大長、Aはキャリア粒子の投影面積である。なお、キャリア粒子の最大長と投影面積は、スライドガラス上にサンプリングしたキャリア粒子を光学顕微鏡により観察し、ビデオカメラを通じて画像解析装置(LUZEX III、NIRECO社製)に取り込んで、画像解析を行うことにより求めたものである。この際のサンプリング数は100個以上で、その平均値を用いて、式(12)に示す形状係数を求める。
キャリアの飽和磁化は、40emu/g以上であることが好ましく、50emu/g以上であることがより好ましい。
磁気特性の測定としての装置は振動試料型磁気測定装置VSMP10−15(東英工業社製)を用いる。測定試料は内径7mm、高さ5mmのセルに詰めて前記装置にセットする。測定は印加磁場を加え、最大1000エルステッドまで掃引する。ついで、印加磁場を減少させ、記録紙上にヒステリシスカーブを作製する。カーブのデータより、飽和磁化、残留磁化、保持力を求める。本発明においては、飽和磁化は1000エルステッドの磁場において測定された磁化を示す。
キャリアの体積電気抵抗は、1×10Ω・cm以上1×1015Ω・cm以下の範囲に制御されることが好ましく、1×10Ω・cm以上1×1014Ω・cm以下の範囲であることがより好ましく、1×10Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下の範囲であることがさらに好ましい。
キャリアの体積電気抵抗が1×1015Ω・cmを超える場合、高抵抗になり、現像時に現像電極として働きにくくなるため、特にベタ画像部でエッジ効果が出るなど、ソリッド再現性が低下する場合がある。一方、1×10Ω・cm未満の場合、低抵抗になるため、現像剤中のトナー濃度が低下した時に現像ロールからキャリアへ電荷が注入し、キャリア自体が現像されてしまう不具合が発生しやすくなる場合がある。
またキャリアの体積電気抵抗は、芯材の体積電気抵抗と同様にして測定を行う。
[2]静電荷像現像用現像剤
本発明の静電荷像現像用現像剤は、少なくともトナーと、本発明の静電荷像現像用キャリアを含む。以下、本発明の静電荷像現像用現像剤(以下、現像剤と略す場合がある)について説明する。
トナーとしては、特に制限はなく、公知のトナーを用いることができる。トナーとしては例えば、結着樹脂と着色剤を有する着色トナーを挙げることができる。その他にも、結着樹脂と赤外線吸収剤を有する赤外線吸収トナーなどを用いることも可能である。
結着樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα-メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体又は共重合体等が挙げられる。これらの中でも特に代表的な結着樹脂としては、例えばポリスチレン、スチレン-アクリル酸アルキル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体、ポリスチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン等が挙げられる。
また結晶性の結着樹脂としては、結晶性を持つ樹脂であれば特に制限はなく、具体的には、結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ビニル系樹脂が挙げられるが、定着時の紙への接着性や帯電性、及び好ましい範囲での融点調整の観点から結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。また、適度な融点をもつ脂肪族系の結晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。
前記結晶性ビニル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸ベヘニル等の長鎖アルキル、アルケニルの(メタ)アクリル酸エステルを用いたビニル系樹脂が挙げられる。尚、本明細書において、”(メタ)アクリル”なる記述は、”アクリル”および”メタクリル”のいずれをも含むことを意味するものである。
一方前記結晶性ポリエステル樹脂は、酸(ジカルボン酸)成分とアルコール(ジオール)成分とから合成されるものであり、本発明において、「酸由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を指し、「アルコール由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を指す。本発明において、「結晶性ポリエステル樹脂」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものを指す。また、前記結晶性ポリエステル主鎖に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が50質量%以下の場合、この共重合体も結晶性ポリエステルと呼ぶ。
−酸由来構成成分−
前記酸由来構成成分は、脂肪族ジカルボン酸が望ましく特に直鎖型のカルボン酸が望ましい。直鎖型のカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸、など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられる。中でも、炭素数6から10のものが結晶融点や帯電性の観点から好ましい。結晶性を高めるためには、これら直鎖型のジカルボン酸を、酸構成成分の95mol%以上用いることが好ましく、98mol%以上用いることがより好ましい。
その他のモノマーとしては、特に限定は無く、例えば、高分子データハンドブック:基礎編」(高分子学会編:培風館)に記載されているようなモノマー成分である、従来公知の2価又のカルボン酸と、2価のアルコールがある。これらのモノマー成分の具体例としては、2価のカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の二塩基酸、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記酸由来構成成分としては、前述の脂肪族ジカルボン酸由来構成成分のほか、スルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分等の構成成分が含まれているのが好ましい。
前記スルホン酸基を持つジカルボン酸は、顔料等の色材の分散を良好にできる点で有効である。また樹脂全体を水に乳化或いは懸濁して、トナー母粒子を微粒子に作製する際に、スルホン酸基があれば、後述するように、界面活性剤を使用しないで乳化或いは懸濁が可能である。このようなスルホン基を持つジカルボン酸としては、例えば、2−スルホテレフタル酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、スルホコハク酸ナトリウム塩等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でも、コストの点で、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩等が好ましい。前記スルホン酸基を持つジカルボン酸の含有量は0.1から2.0mol%であることが好ましく、0.2から1.0mol%であることが好ましい。含有量が2mol%よりも多いと、帯電性が悪化する。尚、本発明において「構成mol%」とは、ポリエステル樹脂における各構成成分(酸由来構成成分、アルコール由来構成成分)をそれぞれ1単位(mol)したときの百分率を指す。
−アルコール由来構成成分−
アルコール構成成分としては脂肪族ジアルコールが望ましく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ドデカンジオール、1,12−ウンデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、などが挙げられ、中でも炭素数6から10のものが結晶融点や帯電性の観点から好ましい。結晶性を高めるためには、これら直鎖型のジアルコールを、アルコール構成成分の95mol%以上用いることが好ましく、98mol%以上用いることがより好ましい。
その他の2価のジアルコールとしては、例えば、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド又は(及び)プロピレンオキシド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調製等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価のアルコールや、ベンゼントリカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステル、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど3価のアルコールも使用することができる。
前記ポリエステル樹脂は、前記のモノマー成分の中から任意の組合せで、例えば、重縮合(化学同人)、高分子実験学(重縮合と重付加:共立出版)やポリエステル樹脂ハンドブック(日刊工業新聞社編)等に記載の従来公知の方法を用いて合成することができ、エステル交換法や直接重縮合法等を単独で、又は組み合せて用いることができる。前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のmol比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、直接重縮合の場合は通常1/1程度、エステル交換法の場合は、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールなど真空下で脱留可能なモノマー過剰に用いる場合が多い。前記ポリエステル樹脂の製造は、通常、重合温度180〜250℃の間でおこなわれ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーとそのモノマーと重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と供に重縮合させるとよい。
前記ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物、亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物、亜リン酸化合物、リン酸化合物、及び、アミン化合物等が挙げられ、具体的には、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。この中で、帯電性の観点からスズ系触媒、チタン系触媒が好ましく、中でも、ジブチルスズオキシドが好ましく用いられる。
本発明の結晶性ポリエステル樹脂の融点は50〜120℃であり、好ましくは60〜110℃である。融点が50℃より低いとトナーの保存性や、定着後のトナー画像の保存性が問題となる。また、120℃より高いと、従来のトナーに比べて十分な低温定着が得られない。
尚、本発明において、前記結晶性ポリエステル樹脂の融点の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時のJIS K−7121に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めることができる。尚、結晶性の樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、本発明においては、最大のピークをもって融点とみなす。
着色剤としては、特に制限はないが例えば、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デユポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・ブルー15:1、ピグメント・ブルー15:3等が挙げられる。
またトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含むことができる。その際、特にカラートナー等に用いる場合には、色調に影響を与えない無色又は淡色の帯電制御剤が好ましい。その帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯体;サルチル酸もしくはアルキルサルチル酸の金属錯体もしくは金属塩;等を用いることが好ましい。またトナーは、低分子量プロピレン、低分子量ポリエチレン、ワックス等のオフセット防止剤等、その他の公知の成分を含むこともできる。
ワックスは例えば、次のようなものが挙げられる。パラフィンワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体等である。誘導体とは酸化物、ビニルモノマーとの重合体、グラフト変性物を含む。この他に、アルコール、脂肪酸、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、エステルワックス、酸アミド等も利用できる。
またトナーは、内部に無機酸化物微粒子を添加しても良い。無機酸化物微粒子としては例えば、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO2、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等を例示することができる。これらのうち、特にシリカ微粒子、チタニア微粒子が好ましい。酸化物微粒子の表面は、必ずしも予め疎水化処理されている必要はないが、疎水化処理されていてもよい。疎水化処理されていると、内部の無機微粒子の一部がトナー表面に露出した場合においても、帯電の環境依存性およびキャリア汚染性を、効果的に少なく抑えることができる。
疎水化処理は、疎水化処理剤に無機酸化物を浸漬等することにより行うことができる。疎水化処理剤としては特に制限はないが、例えば、シランカップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。これらの中でもシランカップリング剤が好適に挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えばクロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれかのタイプを使用することも可能である。具体的には、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシピロピルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
疎水化処理剤の量としては、無機酸化物微粒子の種類等により異なり一概に規定することはできないが、通常無機酸化物微粒子100重量部に対して、5〜50重量部程度が好ましい。
またトナーは、無機酸化物微粒子をトナー表面に添加する事もできる。トナー表面に添加される無機酸化物微粒子としては、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO2、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等を例示することができる。これらのうち、特にシリカ微粒子、チタニア微粒子が好ましい。酸化物微粒子は、表面が予め疎水化処理されていることが望ましい。この疎水化処理によりトナーの粉体流動性改善のほか、帯電の環境依存性、キャリア汚染性を効果的に少なく抑えることができる。
疎水化処理は、上記と同様に、疎水化処理剤に無機酸化物を浸漬等することにより行うことができる。疎水化処理剤としては特に制限はないが、例えば、シランカップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。これらの中でもシランカップリング剤が好適に挙げられる。
前記シランカップリング剤としては、例えばクロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれかのタイプを使用することも可能である。具体的にはメチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシピロピルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
疎水化処理剤の量としては、上記と同様に、無機酸化物微粒子の種類等により異なり一概に規定することはできないが、通常無機酸化物微粒子100重量部に対して、5〜50重量部程度が好ましい。
トナーの粒度分布については、4μm以下の粒径のトナー粒子が、全トナー粒子数の6〜25個数%であることが好ましく、より好ましくは、6〜16個数%である。4μm以下の粒径のトナー粒子が6個数%未満であると、微小なドット再現性や粒状性に寄与する粒子が少なく、有効な粒径であるがゆえに選択的に消費されるため、繰り返し複写を行うと現像に寄与しにくい粒径のトナーが現像機中へ滞留してしまうため、次第に画質が悪化する場合がある。一方、25個数%を越えると、トナーの流動性が悪化するため、現像剤の搬送性が低下し、現像性に悪影響を及ぼす懸念がある。
また、16μm以上の粒径のトナー粒子は、1.0体積%以下であることが好ましい。1.0体積%より大きいと、細線再現性や階調性に悪影響を及ぼすだけでなく、転写時、16μm以上の粗粉トナーがトナー層中に介在することによって、感光体と転写体の静電的付着状態を妨げる働きをするため、転写効率の低下、ひいては画質の低下を招く恐れがある。
また、トナーの体積平均粒径が、5〜9μmであることが好ましく、高画質を再現するためには上述した粒度分布の好ましい範囲と両立していることが望ましい。体積平均粒径5μm未満であると、トナーの流動性が悪化するばかりでなく、キャリアから十分な帯電能を付与されにくくなるため、背景部へのカブリが生じたり、濃度再現性が低下しやすくなったりする場合がある。体積平均粒径が9μmを越えると、先述したキャリアの特性を十分発揮できず、微細なドットの再現性、階調性、粒状性の改善効果が乏しくなる場合がある。
従って、上述したトナーの粒度分布および体積平均粒径を有することによって、写真や絵画、パンフレット等の画像面積の大きく、濃度階調がある原稿の繰り返し複写においても微細な潜像のドットに対して、忠実な再現性が期待できる。
トナーの粒度分布および体積平均粒径は、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用いて測定する。電解液としては、ISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用する。
具体的な測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に、測定試料を0.5〜50mg加え、これを前記電解液100〜150ml中に添加する。この測定試料を懸濁させた電解液を超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザーII型により、アパーチャー径が100μmのアパーチャーを用いて、粒径が2.0〜60μmの範囲の粒子の粒度分布を測定する。測定する粒子数は50,000である。
測定された粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小径側から累積分布を描き、累積50%となる粒径を体積平均粒径と定義する。
トナーの製造方法は、一般に使用されている混練粉砕法や湿式造粒法等を利用することができる。ここで、湿式造粒法としては、懸濁重合法、乳化重合法、乳化重合凝集法、ソープフリー乳化重合法、非水分散重合法、in−situ重合法、界面重合法、乳化分散造粒法、凝集・合一法等を用いることができる。
混練粉砕法で本発明のトナーを作製するには、結着樹脂、必要に応じて着色剤やその他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により充分混合し、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に、赤外線吸収剤、酸化防止剤等を分散又は溶解せしめ、冷却固化後粉砕及び分級を行ってトナーを得ることができる。
湿式造粒法によりトナー粒子を作製した場合には、トナー粒子の形状係数は110〜135の範囲であることが好ましい。
ここで上記トナー粒子の形状係数は、キャリアの形状係数SF1と同様にして求められる。
本発明の現像剤における、トナーとキャリアの混合重量比としては、トナー重量/キャリア重量が0.01以上0.3以下が好ましく、0.03以上0.2以下がより好ましい。
本発明の現像剤は、予め現像手段(現像剤収容容器)内に収容される現像剤としてはもちろんのこと、例えばトリクル現像方式などに利用される供給用現像剤としても適用することができる。
[3]静電荷像現像用現像剤用カートリッジ、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
次に、本発明の静電荷像現像用現像剤用カートリッジ(以下、カートリッジと略す場合がある)について説明する。本発明のカートリッジは、画像形成装置に脱着可能であり、少なくとも、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための現像剤を収納し、現像剤が既述した本発明の現像剤であることを特徴とする。
従って、カートリッジの脱着が可能な構成を有する画像形成装置において、本発明の現像剤を収納した本発明のカートリッジを利用することにより、温度や湿度等の環境依存性が少ないとともに、被覆樹脂層が剥離しにくく、長期にわたり安定的に画像形成を行うことができる。
ここで本発明のカートリッジは、特にトリクル現像方式の画像形成装置に用いる場合、本発明の現像剤を収納するカートリッジであっても良いし、トナーを単独で収納するカートリッジと本発明のキャリアを単独で収納するカートリッジとを別体としたものであってもよい。
本発明の画像形成装置は、静電潜像保持体と、静電潜像保持体表面上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、静電潜像を現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に前記トナー像を定着する定着手段とを少なくとも備え、現像剤が既述した本発明の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする。
従って、本発明の現像剤を用いた本発明の画像形成装置を利用することにより、温度や湿度等の環境依存性が少ないとともに、被覆樹脂層が剥離しにくく、長期にわたり安定的に画像形成を行うことができる。
なお、本発明の画像形成装置は、上記のような静電潜像保持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段と、を少なくとも含むものであれば特に限定はされないが、その他必要に応じてクリーニング手段や除電手段等を含んでいていても良い。
また現像手段は、本発明の現像剤を収容するための現像剤収容容器と、現像剤を現像剤収容容器に供給するための現像剤供給手段と、現像剤収容容器内に収容されている現像剤の少なくとも一部を、排出するための現像剤排出手段とを備える構成、すなわち、トリクル現像方式を採用しても良い。
ここで、現像剤収容容器に供給するための現像剤(供給用現像剤)は、トナー・キャリア混合重量比が、トナー重量/キャリア重量≧2であることが好ましく、より好ましくは重量比がトナー重量/キャリア重量≧3であり、さらに好ましくはトナー重量/キャリア重量≧5以上である。
このようなトリクル現像方式を用いる場合、被覆樹脂層が剥離しやすい樹脂被覆キャリアを用いると、もともと現像剤収容容器にある現像剤における被覆樹脂層の剥離が起こるだけでなく、現像剤供給手段から現像剤収容容器に随時供給される現像剤における被覆樹脂層の剥離も起こることとなり、トリクル現像方式を用いない場合に比べて、キャリア樹脂剥がれ粉による影響が大きくなる。
しかし、本発明の現像剤を用いた本発明の画像形成装置を利用すれば、本発明の現像剤における樹脂被覆層が剥離しにくく、トリクル現像方式を用いても上記問題が生じにくいため、環境依存性を少なく抑えつつ、かつ、長期にわたり安定的に画像形成を行うことができる。
本発明のプロセスカートリッジは、本発明の現像剤を収納すると共に、画像形成装置に脱着可能であり、現像手段を備え、かつ、静電潜像保持体、帯電手段、及びクリーニング手段から選択される少なくとも一種を備えることを特徴とする。また、本発明のプロセスカートリッジは、その他必要に応じて、除電手段等のその他の部材を含んでいても良い。
したがって、プロセスカートリッジの脱着が可能な構成を有する画像形成装置において、本発明を収容した本発明のプロセスカートリッジを利用することにより、温度や湿度等の環境依存性が少ないとともに、被覆樹脂層が剥離しにくく、長期にわたり安定的に画像形成を行うことができる。
以下、本発明のカートリッジ、画像形成装置、及びプロセスカートリッジについて、図面を用いて具体的に説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の好適な一実施形態(第一実施形態)の基本構成を概略的に示す断面図である。図1に示す画像形成装置は、本発明のカートリッジを備えた構成となっている。
図1に示す画像形成装置10は、静電潜像保持体12、帯電手段14、静電潜像形成手段16、現像手段18、転写手段20、クリーニング手段22、除電手段24、定着手段26、カートリッジ28を備える。
なお、現像手段18中およびカートリッジ28中に収納される現像剤は、本発明の現像剤である。
また図1は便宜上、本発明の現像剤を収納した現像手段18およびカートリッジ28を一つずつ備えた構成のみを図示しているが、例えばカラー画像形成装置の場合などは、画像形成装置に応じた数の現像手段18およびカートリッジ28を備えた構成をとることも可能である。
図1示す画像形成装置は、カートリッジ28の着脱が可能な構成を有する画像形成装置であり、カートリッジ28は、現像剤供給管30を通して現像手段18に接続されている。よって画像形成を行う際は、カートリッジ28の中に収納されている本発明の現像剤が、現像剤供給菅30を通して現像手段18に供給されることにより、長期間にわたり、本発明の現像剤を用いた画像を形成することができる。また、カートリッジ28の中に収納されている現像剤が少なくなった場合には、このカートリッジ28を交換することができる。
静電潜像保持体12の周囲には、静電潜像保持体12の回転方向(矢印A方向)に沿って順に、静電潜像保持体12表面を均一に帯電させる帯電手段14、画像情報に応じて静電潜像保持体12表面に静電潜像を形成させる静電潜像形成手段16、形成された静電潜像に本発明の現像剤を供給する現像手段18、静電潜像保持体12表面に当接し静電潜像保持体12の矢印A方向への回転に伴い矢印B方向に従動回転することができるドラム状の転写手段20、静電潜像保持体12表面に当接するクリーニング装置22、静電潜像保持体12表面を除電する除電手段24が配置されている。
静電潜像保持体12と転写手段20との間は、矢印C方向と反対側から不図示の搬送手段により矢印C方向に搬送される記録媒体50が挿通可能である。静電潜像保持体12の矢印C方向側には加熱源(不図示)を内蔵した定着手段26が配置され、定着手段26には圧接部32が設けられている。また、静電潜像保持体12と転写手段20との間を通過した記録媒体50は、この圧接部32を矢印C方向へと挿通可能である。
静電潜像保持体12としては、例えば感光体または誘電記録体等が使用できる。
感光体としては例えば、単層構造の感光体または多層構造の感光体等を用いることができる。また感光体の材質としては、セレンやアモルファスシリコン等の無機感光体や、有機感光体等が考えられる。
帯電手段14としては、例えば、導電性または半導電性のローラー、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触帯電装置、コロナ放電を利用したコロトロン帯電やスコロトロン帯電などの非接触型の帯電装置等、公知の手段を使用することができる。
静電潜像形成手段16としては、露光手段の他に、トナー像を記録媒体表面の所望の位置に形成しうるような信号を形成できるような、従来公知のいずれの手段を使うこともできる。
露光手段としては、例えば、半導体レーザー及び走査装置の組み合わせ、光学系からなるレーザー走査書き込み装置、あるいは、LEDヘッドなど、従来公知の露光手段を使用することができる。均一で、解像度の高い露光像を作るという好ましい態様を実現させるためには、レーザー走査書き込み装置またはLEDヘッドを使うことが好ましい。
転写手段20としては、具体的には例えば、電圧を印加した導電性または半導電性のローラー、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いて、静電潜像保持体12と記録媒体50との間に電界を作り、帯電したトナーの粒子からなるトナー像を転写する手段や、コロナ放電を利用したコロトロン帯電器やスコロトロン帯電器などで記録媒体50の裏面をコロナ帯電して、帯電したトナーの粒子からなるトナー像を転写する手段など、従来公知の手段を使用することができる。
また転写手段20として、二次転写手段を用いることもできる。すなわち、図示しないが二次転写手段は、トナー像を一旦中間転写体に転写した後、中間転写体から記録媒体50にトナー像を二次転写する手段である。
クリーニング手段22としては例えば、クリーニングブレード、クリーニングブラシなどが挙げられる。
除電手段24としては例えば、タングステンランプ、LEDなどが挙げられる。
定着手段26としては、例えば加熱ロールと加圧ロールとからなるような加熱加圧によりトナー像を定着する熱定着器や、フラッシュランプ等による光照射によりトナー像を加熱して定着する光定着器などが利用できる。
加熱ロールまたは加圧ロール等のロール表面を形成する材料は、トナーを付着させない目的で、例えばトナーに対して離型性の優れた材料、シリコンゴムやフッ素系樹脂などであることが好ましい。この際、シリコーンオイル等の離型性液体を、ロール両面に塗布しないことが望ましい。離型性液体は、定着ラチチュードを広くすることに対しては有効であるが、定着される記録媒体に転移する為、画像形成された印刷物にベトツキが生じ、テープを貼れないことやマジックで文字を書き加えられないこと等の問題が生じる可能性がある。この問題は、記録媒体としてOHPなどのフィルムを用いる場合により顕著となる。また離型性液体は、定着画像表面の荒さをスムーズにすることが困難であるため、記録媒体としてOHPフィルムを用いる場合に特に重要となる画像透明性が低下する要因にもなる場合がある。しかし、トナーにワックス(オフセット防止剤)を含む場合には、十分な定着ラチチュードを示すので、定着ロールに塗布されるシリコーンオイル等の離型性液体は必要無い。
記録媒体50としては、特に制限はなく、普通紙や光沢紙等をはじめとする従来公知のものが利用できる。また記録媒体は、基材と基材上に形成された受像層を有するものを利用することもできる。
次に、画像形成装置10を用いた画像形成について説明する。まず、静電潜像保持体12の矢印A方向への回転に伴い、帯電手段14により静電潜像保持体12表面を帯電し、帯電された静電潜像保持体12表面に静電潜像形成手段16により画像情報に応じた静電潜像を形成し、この静電潜像が形成された静電潜像保持体12表面に、静電潜像の色情報に応じて現像手段18から本発明の現像剤Pを供給することによりトナー像を形成する。
次に、静電潜像保持体12表面に形成されたトナー像は、静電潜像保持体12の矢印A方向への回転に伴い、静電潜像保持体12と転写手段20との接触部に移動する。この際、接触部を、記録媒体50が、不図示の用紙搬送ロールにより矢印C方向に挿通され、静電潜像保持体12と転写手段20との間に印加された電圧により、静電潜像保持体12表面に形成されたトナー像が接触部にて記録媒体50表面に転写される。
トナー像を転写手段20に転写した後の静電潜像保持体12の表面は、クリーニング手段22のクリーニングブレードによって残留しているトナーが除去され、除電手段24により除電される。
このようにしてトナー像がその表面に転写された記録媒体50は、定着手段26の圧接部32に搬送され、圧接部32を通過する際に、内蔵された加熱源(不図示)によってその圧接部32の表面が加熱された定着手段26によって加熱される。この際、トナー像が記録媒体50表面に定着されることにより画像が形成される。
図2は、本発明の画像形成装置の他の好適な一実施形態(第二実施形態)の基本構成を概略的に示す断面図である。図2に示す画像形成装置は、本発明の現像剤(供給用現像剤)を、現像手段内にある現像剤収容容器へ現像剤供給手段により適宜供給すると共に、現像剤収容容器に収容されている現像剤の少なくとも一部を、現像剤排出手段により適宜排出する、トリクル現像方式を採用した構成となっている。
本発明の実施形態に係る画像形成装置100は、図2に示すように、矢印aで示すように、時計回り方向に回転する静電潜像保持体110と、静電潜像保持体110の上方に、静電潜像保持体110に相対して設けられ、静電潜像保持体110の表面を負に帯電させる帯電手段120と、帯電手段120により帯電した静電潜像保持体110の表面に、現像剤(トナー)で形成しようとする画像を書き込んで静電潜像を形成する静電潜像形成手段130と、静電潜像形成手段130の下流側に設けられ、静電潜像形成手段130で形成された静電潜像にトナーを付着させて静電潜像保持体110の表面にトナー像を形成する現像手段140と、静電潜像保持体110に当接しつつ矢印bで示す方向に走行するとともに、静電潜像保持体110の表面に形成されたトナー像を転写するエンドレスベルト状の中間転写ベルト150と、中間転写ベルト150にトナー像を転写した後の静電潜像保持体110の表面を除電して、表面に残った転写残トナーを除去し易くする除電手段160と、静電潜像保持体110の表面を清掃して前記転写残トナーを除去するクリーニング手段170とを備える。
帯電手段120、静電潜像形成手段130、現像手段140、中間転写ベルト150、除電手段160、及びクリーニング手段170は、静電潜像保持体110を囲む円周上に、時計周り方向に配設されている。
中間転写ベルト150は、内側から、張架ローラ150A、150B、バックアップローラ150C、及び駆動ローラ150Dによって緊張され、保持されるとともに、駆動ローラ150Dの回転に伴い矢印bの方向に駆動される。中間転写ベルト150の内側における静電潜像保持体110に相対する位置には、中間転写ベルト150を正に帯電させて中間転写ベルト150の外側の面に静電潜像保持体110上のトナーを吸着させる1次転写ローラ151が設けられている。中間転写ベルト150の下方における外側には、記録媒体Pを正に帯電させて中間転写ベルト150に押圧することにより、中間転写ベルト150に形成されたトナー像を記録媒体P上に転写する2次転写ローラ152がバックアップローラ150Cに対向して設けられている。
中間転写ベルト150の下方には、さらに、2次転写ローラ152に記録媒体Pを供給する記録媒体供給装置153と、2次転写ローラ152においてトナー像が形成された記録媒体Pを搬送しつつ、前記トナー像を定着させる定着手段180とが設けられている。
記録媒体供給装置153は、1対の搬送ローラ153Aと、搬送ローラ153Aで搬送される記録媒体Pを2次転写ローラ152に向かって誘導する誘導スロープ153Bと、を備える。一方、定着手段180は、2次転写ローラ152によってトナー像が転写された記録媒体Pを加熱・押圧することにより、前記トナー像の定着を行う1対の熱ローラである定着ローラ181と、定着ローラ181に向かって記録媒体Pを搬送する搬送コンベア182とを有する。
記録媒体Pは、記録媒体供給装置153と2次転写ローラ152と定着手段180とにより、矢印cで示す方向に搬送される。
中間転写ベルト150の近傍には、さらに、2次転写ローラ152において記録媒体Pにトナー像を転写した後に中間転写ベルト150に残ったトナーを除去するクリーニングブレードを有する中間転写体クリーニング手段154が設けられている。
以下、現像手段140について詳細に説明する。現像手段140は、現像領域で静電潜像保持体110に対向して配置されており、例えば、負(−)極性に帯電するトナー及び正(+)極性に帯電するキャリアからなる2成分現像剤を収容する現像剤収容容器141を有している。現像剤収容容器141は、現像剤収容容器本体141Aとその上端を塞ぐ現像剤収容容器カバー141Bとを有している。
現像剤収容容器本体141Aはその内側に、現像ロール142を収容する現像ロール室142Aを有しており、現像ロール室142Aに隣接して、第1攪拌室143Aと第1攪拌室143Aに隣接する第2攪拌室144Aとを有している。また、現像ロール室142A内には、現像剤収容容器カバー141Bが現像剤収容容器本体141Aに装着された時に現像ロール142表面の現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材145が設けられている。
第1攪拌室143Aと第2攪拌室144Aとの間には仕切り壁141Cにより仕切られており、図示しないが、第1攪拌室143A及び第2攪拌室144Aは仕切り壁141Cの長手方向(現像装置長手方向)両端部に連通部が設けられて連通しており、第1攪拌室143A及び第2攪拌室144Aによって循環攪拌室(143A+144A)を構成している。
そして、現像ロール室142Aには、静電潜像保持体110と対向するように現像ロール142が配置されている。現像ロール142は、図示しないが磁性を有する磁性ロール(固定磁石)の外側にスリーブを設けたものである。第1攪拌室143Aの現像剤は磁性ロールの磁力によって現像ロール142の表面上に吸着されて、現像領域に搬送される。また、現像ロール142はそのロール軸が現像剤収容容器本体141Aに回転自由に支持されている。ここで、現像ロール142と静電潜像保持体110とは、逆方向に回転し、対向部において、現像ロール142の表面上に吸着された現像剤は、静電潜像保持体110の進行方向と同方向から現像領域に搬送するようにしている。
また、現像ロール142のスリーブには、不図示のバイアス電源が接続され、所定の現像バイアスが印加されるようになっている(本実施の形態では、現像領域に交番電界が印加されるように、直流成分(DC)に交流成分(AC)を重畳したバイアスを印加)。
第1攪拌室143A及び第2攪拌室144Aには現像剤を攪拌しながら搬送する第1攪拌部材143(攪拌・搬送部材)及び第2攪拌部材144(攪拌・搬送部材)が配置されている。第1攪拌部材143は、現像ロール142の軸方向に伸びる第1回転軸と、回転軸の外周に螺旋状に固定された攪拌搬送羽根(突起部)とで構成されている。また、第2攪拌部材144も、同様に、第2回転軸及び攪拌搬送羽根(突起部)とで構成されている。なお、攪拌部材は現像剤収容容器本体141Aに回転自由に支持されている。そして、第1攪拌部材143及び第2攪拌部材144は、その回転によって、第1攪拌室143A及び第2攪拌室144Aの中の現像剤は互いに逆方向に搬送されるように配設されている。
そして、第2攪拌室144Aの長手方向一端側には、供給用トナー及び供給用キャリアを含む供給用現像剤を第2攪拌室144Aへ適宜供給するための現像剤供給手段146の一端が連結されており、現像剤供給手段146の他端には、供給用現像剤を収容している現像剤カートリッジ147が連結されている。また、第2攪拌室144Aの長手方向一端側には、収容している現像剤を適宜排出するための現像剤排出手段148の一端も連結されており、現像剤排出手段148の他端には図示しないが排出した現像剤を回収する現像剤回収容と連結されている。
このように現像手段140は、現像剤カートリッジ147から現像剤供給手段146を経て供給用現像剤を現像手段140(第2攪拌室144A)へ適宜供給し、古くなった現像剤を現像剤排出手段148から適宜排出する、所謂トリクル現像方式(現像剤の帯電性能の低下を防止して現像剤交換のインターバルを延ばすために、現像装置内に供給用現像剤(トリクル現像剤)を徐々に供給する一方で、過剰になった(劣化したキャリアを多く含む)劣化現像剤を排出しながら現像を行う現像方式である)を採用している。
ここで本実施形態では、本発明の供給用現像剤を収容している現像剤カートリッジ147を用いる構成を一例として挙げたが、現像剤カートリッジ147は、供給用トナーを単独で収納するカートリッジと本発明の供給用キャリアを単独で収納するカートリッジとを別体としたものであっても良い。
次に、クリーニング手段170について詳細に説明する。クリーニング手段170は、ハウジング171と、ハウジング171から突出するように配設されるクリーニングブレード172を含んで構成されている。クリーニングブレード172は、静電潜像保持体110の回転軸の延在方向に延びる板状のものであって、静電潜像保持体110における1次転写ローラ151による転写位置より回転方向(矢印a方向)下流側で且つ、除電手段160によって除電される位置より回転方向下流側に、先端部(以下、エッジ部という)が圧接されるように設けられている。
クリーニングブレード172は、静電潜像保持体110が所定方向(矢印a方向)に回転することによって、1次転写ローラ151により記録媒体Pに転写されずに静電潜像保持体110上に保持されている未転写残留トナーや記録媒体Pの紙粉等の異物を、堰き止めて静電潜像保持体110から除去する。
また、ハウジング171内の底部には、搬送部材173が配設されており、ハウジング171における搬送部材173の搬送方向下流側にはクリーニングブレード172により除去されたトナー粒子(現像剤)を現像手段140へ供給するための供給搬送手段174の一端が連結されている。そして、供給搬送手段174の他端は現像剤供給手段146へ合流するように連結されている。
このようにクリーニング手段170は、ハウジング171の底部に設けられた搬送部材173の回転に伴い、供給搬送手段174を通じて未転写残留トナー粒子を現像手段140(第2攪拌室144A)へと搬送し、収容されている現像剤(トナー)とともに攪拌搬送して再利用するトナーリクレームを採用している。
図3は、本発明の画像形成装置の他の好適な一実施形態(第三実施形態)の基本構成を概略的に示す断面図である。図3に示す画像形成装置は、本発明のプロセスカートリッジを備えた構成となっている。
図3に示す画像形成装置200は、画像形成装置本体(図示せず)に脱着可能に配設されるプロセスカートリッジ210と、静電潜像形成手段216と、転写手段220と、定着手段226とを備えている。
プロセスカートリッジ210は、静電潜像形成のための開口部211Aが設けられた筐体211内に静電潜像保持体212と共に、その周囲に帯電手段214、現像手段218、及びクリーニング手段222を取り付けレール(図示せず)により組み合わせて一体化したものである。なお、プロセスカートリッジ210は、これに限られず、現像手段218と、静電潜像保持体212、帯電手段214、及びクリーニング手段222からなる群から選ばれる少なくとも一種と、を備えていれば良い。
一方、静電潜像形成手段216は、プロセスカートリッジ210の筐体211の開口部211Aから静電潜像保持体212に静電潜像形成可能な位置に配置されている。また、転写手段220は静電潜像保持体212に対向する位置に配置されている。
静電潜像保持体212、帯電手段214、静電潜像形成手段216、現像手段218、転写手段220、クリーニング手段222、定着手段226、及び記録媒体250における個々の詳細については、上記図1の画像形成装置10における静電潜像保持体12、帯電手段14、静電潜像形成手段16、現像手段18、転写手段20、クリーニング手段22、定着手段26、及び記録媒体50と同様である。
また図3の画像形成装置200を用いた画像形成についても、上記図1の画像形成装置10を用いた画像形成と同様である。
以下、実施例を交えて本発明を詳細に説明するが、以下に示す実施例のみに本発明は限定されるものではない。
[測定方法]
<BET比表面積の測定方法>
測定装置として、BET比表面積計(SA3100、ベックマンコールター社製)を用い、測定試料である多孔質窒化ケイ素微粉末を0.1g精秤し、サンプルチューブに入れた後、脱ガス処理し、多点法の自動測定により得られた数値を、芯材のBET比表面積Aとする。
<芯材の体積平均粒径の測定方法>
芯材の体積平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を用いて測定する。得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径とする
<芯材の真比重の測定方法>
また芯材の真比重は、ルシャテリエ比重瓶を用い、JIS−K−0061の5−2−1に準拠して真比重を測定する。操作は次の通りに行う。
(1)ルシャテリエ比重瓶に約250mlのエチルアルコールを入れ、メニスカスが目盛りの位置にくるように調整する。
(2)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2℃になったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る。(精度0.025mlとする)
(3)試料を約100g量り取り、その質量をW(g)とする。
(4)量り取った試料を比重瓶に入れ泡を除く。
(5)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2℃になったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る。(精度0.025mlとする)
(6)次式により真比重を算出する。
D=W/(L2−L1)
ρ=D/0.9982
式中、Dは試料の密度(20℃)(g/cm3)、ρは試料の真比重(20℃)、Wは試料の見かけの質量(g)、L1は試料を比重瓶に入れる前のメニスカスの読み(20℃)(ml)、L2は試料を比重瓶に入れた後のメニスカスの読み(20℃)(ml)、0.9982は20℃における水の密度(g/cm3)である。
<磁気特性の測定方法>
磁気特性の測定としての装置は振動試料型磁気測定装置VSMP10−15(東英工業社製)を用いる。測定試料は内径7mm、高さ5mmのセルに詰めて前記装置にセットする。測定は印加磁場を加え、最大1000エルステッドまで掃引する。ついで、印加磁場を減少させ、記録紙上にヒステリシスカーブを作製する。カーブのデータより、飽和磁化、残留磁化、保持力を求める。本発明においては、飽和磁化は1000エルステッドの磁場において測定された磁化を示す。
<芯材、導電粉、キャリアの体積電気抵抗の測定方法>
上記芯材、導電粉、キャリアの体積電気抵抗(Ω・cm)は以下のように測定する。なお、測定環境は、温度20℃、湿度50%RHとする。
20cm2の電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象物を1〜3mm程度の厚さになるように平坦に載せ、層を形成する。この上に前記同様の20cm2の電極板を載せ層を挟み込む。測定対象物間の空隙をなくすため、層上に載置した電極板の上に4kgの荷重をかけてから層の厚み(cm)を測定する。層の上下の両電極には、エレクトロメーターおよび高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が103.8V/cmとなるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)を計算する。測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)の計算式は、下記式に示す通りである。
式:R=E×20/(I−I0)/L
上記式中、Rは測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)、Eは印加電圧(V)、Iは電流値(A)、I0は印加電圧0Vにおける電流値(A)、Lは層の厚み(cm)をそれぞれ表す。また、20の係数は、電極板の面積(cm2)を表す。
<導電粉および樹脂粒子における体積平均粒径の測定方法>
導電粉および樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)を用いて測定する。
測定法としては、分散液となっている状態の試料を固形分で約2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して、約40mlにする。これをセルに適当な濃度になるまで投入し、2分待って、セル内の濃度がほぼ安定になったところで測定する。
得られたチャンネルごとの体積平均粒径を、体積平均粒径の小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均粒径とする。
<被覆率の測定方法>
被覆樹脂層の被覆率は、XPS測定により求めることができる。XPS測定装置としては、日本電子製、JPS80を使用し、測定は、X線源としてMgKα線を用い、加速電圧を10kV、エミッション電流を20mVに設定して実施し、被覆樹脂層を構成する主たる元素(通常は炭素)と、芯材を構成する主たる元素(例えば芯材がマグネタイトなどの酸化鉄系材料の場合は鉄および酸素)とについて測定する(以下、芯材が、酸化鉄系である場合を前提に説明する)。ここで、炭素についてはC1sスペクトルを、鉄についてはFe2p3/2スペクトルを、酸素についてはO1sスペクトルを測定する。
これらの各々の元素のスペクトルに基づいて、炭素(A)、酸素(A)、鉄(AFe)の元素個数(A+A+AFe)を求めて、得られた炭素、酸素、鉄の元素個数比率より下記式(9)に基づいて、芯材単体、および、芯材を被覆樹脂層で被覆した後(キャリア)の鉄量率を求め、続いて、下記式(10)により被覆率を求めた。
式(9):鉄量率(atomic%)=AFe/(A+A+AFe)×100
式(10):被覆率(%)={1−(キャリアの鉄量率)/(芯材単体の鉄量率)}×100
なお、芯材として、酸化鉄系以外の材料を用いる場合には、酸素の他に芯材を構成する金属元素のスペクトルを測定し、上述の式(9)や式(10)に準じて同様の計算を行えば被覆率を求めることができる。
被覆樹脂層の平均膜厚(μm)は、芯材の真比重をρ(無次元)、芯材の体積平均粒径をd(μm)、被覆樹脂層の平均比重をρ、芯材100重量部に対する被覆樹脂層の全含有量をW(重量部)とすると、下記式(11)以下のようにして求めることができる。
式(11):平均膜厚(μm)=[キャリア1個当たりの被覆樹脂量(導電粉等の添加物もすべて含む)/キャリア1個当たりの表面積]÷被覆樹脂層の平均比重
=[4/3π・(d/2)・ρ・W]/[4π・(d/2)]÷ρ
=(1/6)・(d・ρ・W/ρ
<キャリアの体積平均粒径の測定方法>
キャリアの体積平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を用いて測定する。
得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径とする。
<トナーの体積平均粒径の測定方法>
トナーの体積平均粒径は、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用いて測定する。電解液としては、ISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用する。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に、測定試料を0.5〜50mg加え、これを前記電解液100〜150ml中に添加する。この測定試料を懸濁させた電解液を超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザーII型により、アパーチャー径が100μmのアパーチャーを用いて、粒径が2.0〜60μmの範囲の粒子の粒度分布を測定する。測定する粒子数は50,000である。
測定された粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し体積について小径側から累積分布を描き、累積50%となる粒径を体積平均粒径と定義する。
<形状係数の求め方>
形状係数SF1は、下記式(12)により求められる。
式(12):SF1=100π×(ML)/(4×A)
ここで、MLは粒子の最大長、Aは粒子の投影面積である。粒子の最大長と投影面積は、スライドガラス上にサンプリングした粒子を光学顕微鏡により観察し、ビデオカメラを通じて画像解析装置(LUZEX III、NIRECO社製)に取り込んで、画像解析を行うことにより求めることができる。この際のサンプリング数は100個以上で、その平均値を用いて、式(12)に示す形状係数を求める。
<樹脂のガラス転移点の測定方法>
樹脂のガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量計(島津製作所社製:DSC−50)を用い、昇温速度3℃/分の条件下で測定を行い、吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度をガラス転移点とした。
[芯材の製造]
<芯材Aの製造>
芯材Aの製造は、以下のようにして行った。
Fe:70重量部、MnO:22重量部、Mg(OH):7重量部を混合し、湿式ボールミルで30時間混合/粉砕してスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて850℃、7時間の仮焼成1を行った。こうして得られた仮焼成1物を、湿式ボールミルで2時間粉砕し、体積平均粒径を2.1μmとした後、更にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて910℃、6時間の仮焼成2を行った。こうして得られた仮焼成2物を、湿式ボールミルで5時間粉砕し、体積平均粒径を5.4μmとした後、更にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、電気炉を用いて温度905℃で12時間の本焼成を行った。解砕工程、分級工程を経て体積平均粒径33.8μmの芯材Aを調製した。BET=0.224であった。
得られた芯材Aの特性は、表1の通りである。
<芯材Bの製造>
芯材Bの製造は、以下のようにして行った。
Fe:70重量部、MnO:22重量部、Mg(OH):7重量部を混合し、湿式ボールミルで30時間混合/粉砕してスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて850℃、7時間の仮焼成1を行った。こうして得られた仮焼成1物を、湿式ボールミルで2時間粉砕し、体積平均粒径を2.1μmとした後、更にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて910℃、6時間の仮焼成2を行った。こうして得られた仮焼成2物を、湿式ボールミルで5.5時間粉砕し、体積平均粒径を5.0μmとした後、更にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、電気炉を用いて温度950℃で15時間の本焼成を行った。解砕工程、分級工程を経て体積平均粒径30.6μmの芯材Bを調製した。BET=0.149であった。
得られた芯材Bの特性は、表1の通りである。
<芯材Cの製造>
芯材Cの製造は、以下のようにして行った。
Fe:70重量部、MnO:22重量部、Mg(OH):7重量部を混合し、湿式ボールミルで30時間混合/粉砕してスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて850℃、7時間の仮焼成1を行った。こうして得られた仮焼成1物を、湿式ボールミルで2時間粉砕し、体積平均粒径を2.1μmとした後、更にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて910℃、5時間の仮焼成2を行った。こうして得られた仮焼成2物を、湿式ボールミルで5時間粉砕し、体積平均粒径を5.3μmとした後、更にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、電気炉を用いて温度850℃で10時間の本焼成を行った。解砕工程、分級工程を経て体積平均粒径35.6μmの芯材Cを調製した。BET=0.255であった。
得られた芯材Cの特性は、表1の通りである。
<芯材Dの製造>
芯材Dの製造は、以下のようにして行った。
Fe:70重量部、MnO:22重量部、Mg(OH):7重量部を混合し、湿式ボールミルで30時間混合/粉砕してスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて850℃、7時間の仮焼成1を行った。こうして得られた仮焼成1物を、湿式ボールミルで2.5時間粉砕し、体積平均粒径を2.0μmとした後、更にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて910℃、5時間の仮焼成2を行った。こうして得られた仮焼成2物を、湿式ボールミルで6時間粉砕し、体積平均粒径を4.9μmとした後、更にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、電気炉を用いて温度950℃で17時間の本焼成を行った。解砕工程、分級工程を経て体積平均粒径36.0μmの芯材Dを調製した。BET=0.111であった。
得られた芯材Dの特性は、表1の通りである。
<芯材Eの製造>
芯材Eの製造は、以下のようにして行った。
Fe:70重量部、MnO:22重量部、Mg(OH):7重量部を混合し、湿式ボールミルで30時間混合/粉砕してスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて850℃、7時間の仮焼成1を行った。こうして得られた仮焼成1物を、湿式ボールミルで2時間粉砕し、体積平均粒径を2.1μmとした後、更にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて910℃、5時間の仮焼成2を行った。こうして得られた仮焼成2物を、湿式ボールミルで4.5時間粉砕し、体積平均粒径を5.8μmとした後、更にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、電気炉を用いて温度840℃で10時間の本焼成を行った。解砕工程、分級工程を経て体積平均粒径37.6μmの芯材Eを調製した。BET=0.288であった。
得られた芯材Eの特性は、表1の通りである。
Figure 0004872609
[被覆樹脂層の材料となる樹脂の製造]
<樹脂Aの製造>
樹脂Aの製造は、以下のようにして行った。
メタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメタクリレート):297質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(ジメチルアミノエチルメタクリレート):3質量部、ベンゼン:300質量部、アゾビスイソブチロニトリル:0.6質量部を混合し、60℃に加熱しで6時間振とうし重合する。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂Aを得た。得られた樹脂は、重量平均分子量Mw=110,000、ガラス転移温度102℃、体積電気抵抗1016であった。
得られた樹脂Aの組成及び特性は、表2の通りである。
<樹脂Bの製造>
樹脂Bの製造は、以下のようにして行った。
メタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメタクリレート):270質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(ジメチルアミノエチルメタクリレート):30質量部、ベンゼン:300質量部、アゾビスイソブチロニトリル:0.6質量部を混合し、60℃に加熱しで6時間振とうし重合する。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂Bを得た。得られた樹脂は、重量平均分子量Mw=115,000、ガラス転移温度100℃、体積電気抵抗1016であった。
得られた樹脂Bの組成及び特性は、表2の通りである。
<樹脂Cの製造>
樹脂Cの製造は、以下のようにして行った。
メタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメタクリレート):299.1質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(ジメチルアミノエチルメタクリレート):0.9質量部、ベンゼン:300質量部、アゾビスイソブチロニトリル:0.6質量部を混合し、60℃に加熱しで6時間振とうし重合する。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂Cを得た。得られた樹脂は、重量平均分子量Mw=105,000、ガラス転移温度102℃、体積電気抵抗1016であった。
得られた樹脂Cの組成及び特性は、表2の通りである。
<樹脂Dの製造>
樹脂Dの製造は、以下のようにして行った。
メタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメタクリレート):240質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(ジメチルアミノエチルメタクリレート):60質量部、ベンゼン:300質量部、アゾビスイソブチロニトリル:0.6質量部を混合し、60℃に加熱しで6時間振とうし重合する。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂Dを得た。得られた樹脂は、重量平均分子量Mw=100,000、ガラス転移温度95℃、体積電気抵抗1016であった。
得られた樹脂Dの組成及び特性は、表2の通りである。
<樹脂Eの製造>
樹脂Eの製造は、以下のようにして行った。
メタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメタクリレート):299.55質量部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(ジメチルアミノエチルメタクリレート):0.45質量部、ベンゼン:300質量部、アゾビスイソブチロニトリル:0.6質量部を混合し、60℃に加熱しで6時間振とうし重合する。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂Eを得た。得られた樹脂は、重量平均分子量Mw=113,000、ガラス転移温度101℃、体積電気抵抗1016であった。
得られた樹脂Eの組成及び特性は、表2の通りである。
<樹脂Fの製造>
樹脂Fの製造は、以下のようにして行った。
メタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメタクリレート):297質量部、メタクリル酸メチル(メチルメタクリレート):3質量部、ベンゼン:300質量部、アゾビスイソブチロニトリル:0.6質量部を混合し、60℃に加熱しで6時間振とうし重合する。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂Fを得た。得られた樹脂は、重量平均分子量Mw=90,000、ガラス転移温度101℃、体積電気抵抗1016であった。
得られた樹脂Fの組成及び特性は、表2の通りである。
<樹脂Gの製造>
樹脂Gの製造は、以下のようにして行った。
メタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメタクリレート):297質量部、メタクリル酸:3質量部、ベンゼン:300質量部、アゾビスイソブチロニトリル:0.6質量部を混合し、60℃に加熱しで6時間振とうし重合する。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂Gを得た。得られた樹脂は、重量平均分子量Mw=85,000、ガラス転移温度95℃、体積電気抵抗1016であった。
得られた樹脂Gの組成及び特性は、表2の通りである。
<樹脂Hの製造>
樹脂Hの製造は、以下のようにして行った。
メタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメタクリレート)300質量部、ベンゼン300質量部、アゾビスイソブチロニトリル0.6質量部を混合し、60℃に加熱しで6時間振とうし重合する。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂Hを得た。得られた樹脂は、重量平均分子量Mw=120,000、ガラス転移温度105℃、体積電気抵抗1016であった。
得られた樹脂Hの組成及び特性は、表2の通りである。
<樹脂Iの製造>
樹脂Iの製造は、以下のようにして行った。
メタクリル酸メチル(メチルメタクリレート):240質量部、スチレン:60質量部、ベンゼン:300質量部、アゾビスイソブチロニトリル:0.6質量部を混合し、60℃に加熱しで6時間振とうし重合する。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、7倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂Fを得た。得られた樹脂は、重量平均分子量Mw=78,000、ガラス転移温度99℃、体積電気抵抗1016であった。
得られた樹脂Iの組成及び特性は、表2の通りである。
Figure 0004872609
[キャリアの製造]
<キャリアAの製造(実施例1)>
・芯材A:100重量部
・トルエン:20重量部
・樹脂A:3重量部
・カーボンブラック(VXC−72;キャボット社製):0.3重量部
上記材料のうち、樹脂Aをトルエンにて希釈したのち、カーボンブラックを加え、ホモジナイザーで5分間攪拌し、樹脂溶液を作成した。本樹脂溶液と芯材Aとを真空脱気型ニーダーに入れ、80℃で30分間攪拌した後、減圧してトルエンを除去して、該フェライト粒子表面上に被膜を形成して、キャリアAを得た。
<キャリアBの製造(実施例2)>
樹脂Aの代わりに樹脂Bを用いた以外は、キャリアAと同様にしてキャリアBを得た。
<キャリアCの製造(実施例3)>
樹脂Aの代わりに樹脂Cを用いた以外は、キャリアAと同様にしてキャリアCを得た。
<キャリアDの製造(参考例4)>
樹脂Aの代わりに樹脂Dを用いた以外は、キャリアAと同様にしてキャリアDを得た。
<キャリアEの製造(実施例5)>
樹脂Aの代わりに樹脂Eを用いた以外は、キャリアAと同様にしてキャリアEを得た。
<キャリアFの製造(参考例6)>
樹脂Aの代わりに樹脂Fを用いた以外は、キャリアAと同様にしてキャリアFを得た。
<キャリアGの製造(参考例7)>
樹脂Aの代わりに樹脂Gを用いた以外は、キャリアAと同様にしてキャリアGを得た。
<キャリアHの製造(参考例8)>
樹脂Aの代わりに樹脂Hを用いた以外は、キャリアAと同様にしてキャリアHを得た。
<キャリアIの製造(比較例1)>
樹脂Aの代わりに樹脂Iを用いた以外は、キャリアAと同様にしてキャリアIを得た。
<キャリアJの製造(比較例2)>
・芯材A:100重量部
・トルエン:20重量部
・タケネートD110N:3重量部
・カーボンブラック(VXC−72;キャボット社製):0.3重量部
上記材料のうち、タケネートD110Nをトルエンにて希釈したのち、カーボンブラックを加え、ホモジナイザーで5分間攪拌し、樹脂溶液を作成した。本樹脂溶液と芯材Aとを真空脱気型ニーダーに入れ、80℃で30分間攪拌した後、減圧してトルエンを除去して、該フェライト粒子表面上に被膜を形成した。さらに純水を50重量部加えた後、150℃の乾燥機に3時間入れ、芯材表面の樹脂を十分に硬化し(硬化した樹脂を「樹脂J」とする)、キャリアJを得た。
<キャリアKの製造(実施例9)>
芯材Aの代わりに芯材Bを用いた以外は、キャリアAと同様にしてキャリアKを得た。
<キャリアLの製造(実施例10)>
芯材Aの代わりに芯材Cを用いた以外は、キャリアAと同様にしてキャリアLを得た。
<キャリアMの製造(比較例3)>
芯材Aの代わりに芯材Dを用いた以外は、キャリアAと同様にしてキャリアMを得た。
<キャリアNの製造(比較例4)>
芯材Aの代わりに芯材Eを用いた以外は、キャリアAと同様にしてキャリアNを得た。
<キャリアPの製造(比較例5)>
芯材Aの代わりに芯材Dを用い、樹脂Aの代わりに樹脂Iを用いた以外は、キャリアAと同様にしてキャリアPを得た。
[トナーの製造]
<トナーaの製造>
・ポリエステル樹脂(ビスフェノールAと1,3―プロパンジオールの共重合体、Mw=60,000) : 77部
・植物系ワックス(カルナバワックス) : 6部
・芳香族炭化水素共重合石油樹脂:7部
・SiO粒子(R972;日本アエロジル製) : 5部
・ピグメントブルー15:3 : 5部
上記各成分をヘンシェルミキサーで充分予備混合を行い、2軸型ロールミルにより溶融混練し、冷却後ジェットミルにより微粉砕を行い、さらに風力式分級機で2回分級を行い、平均粒径6.5μm、4μm以下の粒径のトナー粒子数15個数%、16μm以上の粒径のトナー粒子0.7体積%のトナー粒子(シアントナー)を製造した。
この粒子100部と、外添剤としてBET比表面積100m/gの疎水性酸化チタン微粒子0.5部と40nmの疎水性シリカ微粒子をヘンシェルミキサーにて混合してトナー粒子aを調整した。
[現像剤の製造]
上記において製造したキャリア(キャリアA〜P)を93重量部と、上記において製造したトナーaを7重量部とを、それぞれ混合し現像剤を得た。
また、上記トナーaを80重量部と、上記キャリア(キャリアA〜P)を20重量部とを、電子写真プリンター(DocuCentreColor a450、富士ゼロックス(株)製)用の空カートリッジに入れ、ふたをした後、手で10回振盪し、供給用現像剤を得た。
[評価方法]
これらの現像剤及び供給用現像剤を用いて、電子写真複写機/プリンター複合機(DocuCentreColor 400CP富士ゼロックス(株)製)にて、以下のような方法により、現像性、カブリ、画質、帯電器へのキャリア樹脂粉汚染による電位ムラの評価を高温高湿環境(30℃、80%RH)及び低温低湿環境(10℃、10%RH)にて行った。
<現像性、カブリ、画質、帯電ロールへのキャリア樹脂粉付着による電位ムラ評価>
それぞれの環境下にて、5cm×2cmのソリッドパッチを現像させ、感光体表面の現像トナー画像を、テープ表面の粘着性を利用して転写し、その質量(W1)を測定し、現像性を評価した。また、同様に感光体表面の背景部をテープ表面の粘着性を利用して転写し紙(J紙:富士ゼロックスオフィスサプライ社製)表面に貼り付け、目視によりカブリ、黒点を評価した。
さらに帯電ロールの電位を測定し、その帯電ムラを測定した。また、上記テスト時感光体カブリについて目視で確認した。
<現像性の評価基準>
○:W1が4.5g/m2以上
△:W1が4.0以上4.5g/m2未満
×:W1が4.0g/m2未満
<カブリ/画質評価基準>
○:目視上カブリ無し
×:カブリ有り
×:黒点有り
<帯電ムラの評価基準>
○:帯電ロールに帯電ムラ無し
△:帯電ロールに帯電ムラは見られるが、画質上は問題無し
×:帯電ロールに帯電ムラがあり、現像像も目視でムラが観察される
これらの評価終了後、それぞれの環境で、像密度1%の画像:像密度7%の画像=1:1となるように連続プリントを10000枚行った後に、再度上記現像性、カブリ、画質、帯電ロールへのキャリア樹脂粉付着による電位ムラを評価した。
結果を表3に示す。
Figure 0004872609
これらの結果から分かるように、本実施例では、比較例に比べ、温度や湿度等の環境依存性(特に、高温高湿環境と低温低湿環境との帯電量差)が少ないとともに、被覆樹脂層が剥離しにくく、長期にわたり安定的に画像形成を行うことができる。
本発明の画像形成装置の好適な一実施形態(第一実施形態)の基本構成を概略的に示す断面図である。 本発明の画像形成装置の他の好適な一実施形態(第二実施形態)の基本構成を概略的に示す断面図である。 本発明の画像形成装置の他の好適な一実施形態(第三実施形態)の基本構成を概略的に示す断面図である。
符号の説明
10、100、200・・・画像形成装置
12、110、212・・・静電潜像保持体
14、120、214・・・帯電手段
16、130、216・・・静電潜像形成手段
18、140、218・・・現像手段
141・・・現像剤収容容器
146・・・現像剤供給手段
148・・・現像剤排出手段
20、220・・・転写手段
152・・・2次転写ローラ
26、180、226・・・定着手段
28、147・・・カートリッジ
210・・・プロセスカートリッジ

Claims (8)

  1. 下記式(1)を満たす芯材と、
    前記芯材の表面を被覆する被覆樹脂層と、を有し、
    前記被覆樹脂層は、脂環基を有する熱可塑性樹脂として、脂環基を有する重合性単量体とアミノ基含有アクリル系重合性単量体とを含む重合性単量体の共重合体であって、共重合体全体を100重量部としたときにおける前記アミノ基含有アクリル系重合性単量体の含有量が0.1重量部以上10.0重量部以下である共重合体を含むことを特徴とする静電荷像現像用キャリア。
    式(1):3.5≦A/a≦7.0
    [ここで、Aは前記芯材のBET比表面積(単位:m/g)、aは前記芯材の球形換算比表面積(単位:m/g)を示し、前記球形換算比表面積aは、前記芯材の体積平均粒径をd(単位:μm)、前記芯材の真比重をρ(単位:無次元)とした時、a=6/(d×ρ)で表される。]
  2. 前記脂環基を有する重合性単量体は、シクロヘキシルメタクリレートであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用キャリア。
  3. 前記被覆樹脂層は、導電粉を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用キャリア。
  4. トナーと、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用キャリアと、を含むことを特徴とする静電荷像現像用現像剤。
  5. 画像形成装置に脱着可能であり、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための現像剤を収納し、
    前記現像剤は、請求項4に記載の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする静電荷像現像用現像剤カートリッジ。
  6. 少なくとも、静電潜像保持体と、
    前記静電潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、
    前記静電潜像保持体表面上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    前記静電潜像を現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
    前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着手段と、を備え、
    前記現像剤が、請求項4に記載の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
  7. 前記現像手段は、
    前記現像剤を収容するための現像剤収容容器と、
    前記現像剤を前記現像剤収容容器に供給するための現像剤供給手段と、
    前記現像剤収容容器内に収容されている前記現像剤の少なくとも一部を排出するための現像剤排出手段と、を備えることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 請求項4に記載の静電荷像現像用現像剤を収納すると共に、静電潜像保持体表面上に形成された静電潜像を前記静電荷像現像用現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、
    静電潜像保持体、前記静電潜像保持体を帯電する帯電手段、及び前記静電潜像保持体表面上に残存したトナーを除去するためのクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一種と、を備え、
    画像形成装置に脱着可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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