JP2015114459A - 現像剤、補給用現像剤、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

現像剤、補給用現像剤、及びプロセスカートリッジ Download PDF

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雅之 石井
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雅之 石井
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Abstract

【課題】本発明は、安定した帯電付与能を有し、低温定着性を有する現像剤を提供することを目的とする。【解決手段】トナーとキャリアとからなる現像剤であって、前記トナーは、温度28℃、相対湿度80%環境下での体積固有抵抗値LogRが9.5(Log(Ω・cm))以上10.5(Log(Ω・cm))以下であり、前記キャリアは、芯材の表面に被覆層を有し、該被覆層は、トナーに負帯電を付与する物質を含む複数層からなり、その厚み方向、芯材表面に向かって前記トナーに負帯電を付与する物質の濃度が増加するように形成され、更にキャリアの最表面となる被覆層にはトナーに正帯電を付与する物質が含有されてなることを特徴とする現像剤。【選択図】なし

Description

本発明は、現像剤、補給用現像剤、及びプロセスカートリッジに関する。
近年、トナーには、出力画像の高品質化のための小粒径化、及び耐高温オフセット性、省エネルギー化のための低温定着性、並びに製造後の保管時や運搬時における高温高湿に耐えうる耐熱保存性が要求されている。
安定した分子量分布のトナーバインダーを製造し、低温定着性及び耐高温オフセット性を両立させるための、熟成工程を有するトナーの製造方法が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。また、高いレベルの低温定着性を得る目的で、結晶性ポリエステル樹脂を含む樹脂、及び離型剤を含有し、樹脂とワックスが互いに非相溶で海島状の相分離構造を有するトナーが提案されている(例えば、特許文献3参照)。また、結晶性ポリエステル樹脂、離型剤及びグラフト重合体を含有するトナーが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
これらの提案の技術は、結晶性ポリエステル樹脂が非晶質ポリエステル樹脂に比べて急速に溶融するため低温定着化を成し得る。しかし、海島状の相分離構造における島にあたる結晶性ポリエステル樹脂がトナー中に存在することによる定着以外の作像工程における課題とその対策にかかわる課題と対策は充分明らかになっていないのが現状である。特に小粒径の結晶性ポリエステルを含有するトナーでは、非晶質ポリエステル樹脂に比べて帯電制御材料、顔料等の材料が分散しにくくトナー体積抵抗が低い、かつ樹脂自体が電荷保持性能が低いためトナーの電荷保持能力が低いなど、結晶性ポリエステルに起因する帯電性能の低下(現像時、転写時の画質悪化)が顕著であり、これらは近年の高画質への要求を満たす上では必須の技術課題といえる。
発明者らの検討の結果、結晶性ポリエステルを含有する低抵抗のトナーと低抵抗キャリアの組み合わせた現像剤において、長時間印刷機で使用した後に現像剤の帯電量の低下(経時帯電量低下)が発生しやすく、特に高温高湿条件化でその低下が著しく、トナー飛散などの不具合を生じることがわかった。
従来から、長時間使用した現像剤の帯電性能経時劣化による帯電量の低下は課題とされてきた。また高温高湿条件の帯電量は低湿度条件のそれより低いことも同様である。しかし結晶性ポリエステルを含有する低抵抗のトナーと低抵抗のキャリアからなる現像剤では、こうした従来の知見から予測できない不具合として、低湿条件では使用初期の現像剤と長時間使用後の現像剤はほぼ同等の帯電量を示すが、高温高湿環境では両者の差が顕著になることを見出した。
この原因として一般的な知見からキャリアへのトナースペント、あるいはキャリアのコート層削れが考えられるが、結晶性ポリエステルを含有する低抵抗のトナーと低抵抗のキャリアにおいて高温高湿環境でのみ経時帯電量低下が顕著に現れる理由は明らかでない。
本発明は上記課題を解消し、安定した帯電付与能を有し、低温定着性を有する現像剤を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。
トナーとキャリアからなる現像剤であって、
前記トナーは、温度28℃、相対湿度80%環境下での体積固有抵抗値LogRが9.5(Log(Ω・cm))以上10.5(Log(Ω・cm))以下であり、
前記キャリアは、芯材の表面に被覆層を有し、該被覆層は、トナーに負帯電を付与する物質を含む複数層からなり、その厚み方向、芯材表面に向かって前記トナーに負帯電を付与する物質の濃度が増加するように形成され、更にキャリアの最表面となる被覆層にはトナーに正帯電を付与する物質が含有されてなる
ことを特徴とする現像剤。
本発明によると、従来低抵抗のトナーにおける課題であった低抵抗、低電荷保持性に起因する現像剤の帯電量低下という不具合が解決され、優れた帯電性能、低温定着性、耐高温オフセット性を有する現像剤を提供することができる。
本発明のキャリアの体積固有抵抗を測定する際に用いられるセルを示す図である。 トナーの帯電量の測定方法を示す図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の現像剤は、トナーとキャリアからなる現像剤であって、前記トナーは、温度28℃、相対湿度80%環境下での体積固有抵抗値LogRが9.5(Log(Ω・cm))以上10.5(Log(Ω・cm))以下であり、前記キャリアは、芯材の表面に被覆層を有し、該被覆層は、トナーに負帯電を付与する物質を含む複数層からなり、その厚み方向、芯材表面に向かって前記トナーに負帯電を付与する物質の濃度が増加するように形成され、更にキャリアの最表面となる被覆層にはトナーに正帯電を付与する物質が含有されてなる。
(トナーについて)
トナー体積固有抵抗値
鋭意検討の結果、現像剤として安定した帯電性能を発揮するには、温度28[℃]、相対湿度80[%]の環境下における体積固有抵抗値LogRが9.5〜10.5[Log(Ω・cm)]であるトナーと、前記特定のキャリアからなることが必要であることを見出した。トナーは、高温高湿環境における体積固有抵抗値LogRが9.5〜10.5[Log(Ω・cm)]であることが必要である。前記体積固有抵抗値LogRが9.5Log(Ω・cm)未満の場合は、前記キャリアとの組み合わせで帯電保持することができず、必要な帯電量を確保することができない。また、10.5Log(Ω・cm)を超える値となると、低温定着性が損なわれる。
トナーの、温度28[℃]、相対湿度80[%]の環境下における体積固有抵抗値LogRが9.5〜10.5[Log(Ω・cm)]となるには、トナーが結晶性ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナーにおいては、結晶性ポリエステル樹脂の抵抗が低い上、十分に結晶化していない状態ではさらに抵抗が下がる。このため、結晶性ポリエステル樹脂を含むトナーの体積固有抵抗はそれを含まない場合に比べて体積固有抵抗が低くなる。結晶性ポリエステル樹脂を含有することにより、前記体積固有抵抗値は10.5Log(Ω・cm)以下とすることができる。また、結晶性ポリエステル樹脂の含有量を調整することにより、前記体積固有抵抗値を9.5〜10.5[Log(Ω・cm)]とすることができる。
本発明の現像剤においては、トナーは、低温定着性と耐熱保存性を両立するため、融点50℃以上70℃以下の結晶性ポリエステル樹脂をトナー全結着樹脂100質量部に対し50質量部以下含有することが特に好ましい。
これより、前記トナーの示差走査熱量計(DSC)により測定される接線法ガラス転移温度が45℃以上65℃以下、昇温1回目の融解熱の最大ピーク温度が55℃以上80℃以下の範囲にあり、且つ、該最大ピークの融解熱量が4J/g以上14J/g以下とすることができる。
前記接線法ガラス転移温度を45℃以上とすることにより高温条件化でトナーブロッキングが生じることがなく、65℃以下とすることにより低温定着性が優れる。
最大ピーク温度は実質的に結晶性ポリエステルの融点を意味しこの温度が低いほどトナーの地温定着性が優れる。しかし、55℃未満ではトナーの保存性が劣ることがあり、80℃を超えると低温定着性が劣ることがある。該最大ピークの融解熱量については大きいほど結晶性ポリエステルの含有量が多いことおよび結晶化していることを意味する。これについては下限値未満では結晶化不足による保存性悪化、上限値を超えると結晶性ポリエステル含有量が多すぎるために組成不均一などの問題を生じうる恐れがある。
(キャリアについて)
本発明のキャリアは、芯材の表面に被覆層を有し、該被覆層は、トナーに負帯電を付与する物質を含む複数層からなり、その厚み方向、芯材表面に向かって前記トナーに負帯電を付与する物質の濃度が増加するように形成され、更にキャリアの最表面となる被覆層にはトナーに正帯電を付与する物質が含有されてなる。
前記トナーに負帯電を付与する物質が、シランカップリング剤であり、前記キャリアは、芯材の表面にシランカップリング剤による被覆層を、その上に、シランカップリング剤とトナーに正帯電を付与する物質とシリコーン樹脂とを含む被覆層を有することが好ましい。
芯材の表面をシランカップリング剤によって被覆した後、シランカップリング剤とトナーに正帯電を付与する物質とシリコーン樹脂とを含む被覆層(以下、コート層とも称す)により被覆したキャリアであることが好ましい。
更に前記コート層は導電性微粒子を含有することが好ましく、前記芯材の算術平均粗さRaは0.6μm〜0.9μmであり、前記コート層の、導電性微粒子を除く樹脂部分の平均膜厚が0.1μm〜0.5μmであることが好ましい。前記算術平均粗さRaは、前記コート層の平均厚み以上とすることにより、後述する種々の効果を得ることができる。
キャリア芯材へのシランカップリング剤被覆
本発明においてキャリアは、芯材の表面をシランカップリング剤によって被覆した後、前記コート層により被覆されたキャリアであることが好ましく、該コート層は導電性微粒子を含むことがより好ましい。
本発明においては芯材表面を高い帯電性を有する被覆層で覆うことを目的としている。
トナーに負帯電を付与する物質としては、シランカップリング剤が好ましく、アミノシランカップリング剤を用いることが特に好ましい。
一般的に、金属材料であり、かつ表面に凹凸を有する芯材表面にコート樹脂を塗布する場合、コート樹脂の塗布ムラ、はがれが生じやすい。しかしながら、芯材表面にシランカップリング剤を被覆することで、凹凸部表面にコート樹脂が均一かつ強固に塗布されコート樹脂が芯材表面から剥がれること(剥離)を防止することができる。
本発明では、芯材表面をトナーに負帯電を付与する物質を含む層で被覆し、その上にシリコーン樹脂層(電荷調整剤としてのトナーに正帯電を付与する物質とトナーに負帯電を付与する物質、抵抗調整剤としての導電性微粒子を含有)を設けることが特に好ましく、その厚み方向、芯材表面に向かって前記トナーに負帯電を付与する物質濃度が増加するように形成されている。
キャリア表面被覆層が削れることで、キャリアの抵抗は下がること等によって帯電付与能力が下がることに対し、本発明に係るキャリアでは、芯材表面に向かって前記トナーに負帯電を付与する物質濃度が増加することにより、削れるに伴い表面に露出するトナーに負帯電を付与する物質がより多く露出するので、帯電付与能力を維持または増加させる機能を持たせている。
また、芯材表面をトナーに負帯電を付与する物質を含む層で被覆し、その上に前記シリコーン樹脂層を設け、芯剤表面を高帯電付与の層にすることで、理由は不明だが、安定した帯電性を付与する効果が大きくなる。また、トナーに負帯電を付与する物質の濃度勾配を持たせることができる。
また、トナーに負帯電を付与する物質としてシランカップリング剤を用いることにより、シリコーン層と芯剤(金属酸化物)を密着接着させることができる。
上記構成により、低抵抗トナーの使用、シリコーン樹脂層が使用による磨耗といった、帯電量の変化が生じやすい条件下でも帯電量変化が抑制されていると推定される。
トナーに正帯電を付与する物質とトナーに負帯電を付与する物質の併用
本発明では、キャリアの帯電付与能力(トナーへの負帯電付与能力)のために、前述のトナーに負帯電を付与する物質のほか、トナーに正帯電を付与する物質を被覆層に加えることが好ましい。トナーに正帯電を付与する物質としては、フッ素を含有する物質が好ましく、フルオロアルキルシランが特に好ましい。フルオロアルキルシランはシランカップリングによる架橋剤としての機能を有すると同時に、フルオロアルキル基の極性が、キャリアの帯電付与能力(トナーへの正帯電付与能力)を有するためである。
本発明に係るキャリアは、芯材上にトナーに負帯電を付与する物質からなる層、その上にトナーに負帯電を付与する物質およびトナーに正帯電を付与する物質を含有するシリコーン樹脂層を有するものであることが好ましい。
発明者らは、トナーに負帯電を付与する物質による正帯電性を有するシリコーン樹脂層中に、逆帯電性(負帯電性)を有する物質を適量加えることで、本発明の低抵抗トナーの帯電能力低下を防止することができることを見出した。このため本発明の現像剤は長時間現像機内で使用した場合にキャリアのシリコーン樹脂層の削れにより負帯電付与能力が低下しにくい。
トナーに負帯電を付与する物質を含有するキャリア被覆樹脂層中に、トナーに正帯電を付与する物質を加えることで、帯電量の低下が抑制されるメカニズムは不明であるが、シリコーン樹脂層下部(芯材側)方向にトナーに負帯電を付与する物質濃度が高まりトナーに正帯電を付与する物質濃度が低下する濃度分布であることから、キャリアの正帯電、負帯電付与能力のバランスが適宜変化することで、現像剤の帯電量が維持されていると推定する。
キャリア芯材の算術平均粗さRa及びコート層の厚み
本発明に係るキャリアでは、芯材の算術平均粗さRaが0.6μm以上0.9μm以下であることが好ましい。凹凸度合いが大きい芯材を用いてキャリアを形成させることにより、スペントトナーの掻き取り作用が働く。その結果、前述のトナースペントの発生を抑制することができる。
しかしながら、凸部と凹部とでは、後のコート層の塗布の容易さが異なる。そのため、平滑な芯材に較べて、コート層膜厚が不均一になることがある。凸部では、摩擦力や衝撃力が集中するため、膜削れや芯材露出が起こる。さらに、芯材露出が進行する場合、電気的な導通路ができるためキャリア抵抗が急激に低下する。それにより、画像形成時にキャリア付着、トナーへの帯電付与能力低下が発生する等の不具合が発生することがある。Raが0.6μm未満の場合、上記のような凹凸の存在による効果が現れにくい。また、Raが0.9μmより大きい場合、表面の不均一さが顕著となり、流動性が悪化することがある。
さらに、一般的に、Raがコート層の平均厚みを超えると、スペントトナーの掻き取り作用はより大きくなるが、コート膜厚が薄いため上述の凸部の膜剥がれが大きくなる。つまり、耐スペント性と耐膜削れ性の両立は困難となり易い。従って、前記算術平均粗さRaは、前記コート層の平均厚み以上とすることが好ましい。
なお、ここで言う算術平均粗さRaとは、JIS B 0601(1994年度版)に準じて測定されるものである。概略を述べると、キャリア50個について、超深度カラー3D形状測定顕微鏡(VK−9500、キーエンス社製)を用い、倍率3000倍で粒子表面12×12μmの範囲を観察する。観察したコア表面の3次元形状から、粗さ曲線を求め、該粗さ曲線の測定値と平均線までの偏差の絶対値を合計し、平均することで求める。この時、算術平均粗さRaを求める際の基準長さは10μmであり、カットオフ値は、0.8mmである。
本発明において、キャリアのコート層は、導電性微粒子を含有し、導電性微粒子を除く樹脂部分の平均膜厚が0.1〜0.5μmであることが好ましい。キャリアの被覆層抵抗の制御が可能でありかつ、フィラー効果による被覆層の強度維持の観点から好ましい数値範囲である。平均膜厚が0.1μm未満であると、樹脂層が剥離しやすくなり、0.5μmを超えると、樹脂層は磁性体でないため、キャリア抵抗の調整が不十分となることがある。
製造したキャリアの、コート層の厚みh(μm)は、透過型電子顕微鏡(TEM(倍率二千倍)、を用いて、キャリア断面を観察し、キャリア表面を覆うコート層の厚みを測定した。具体的には、キャリア断面における任意の50点の、芯材表面からコート層表面までの距離を測定し、測定値の平均を求め、厚みh(μm)とした。
キャリアの体積固有抵抗
本発明のキャリアの温度23℃、相対湿度55%環境下での体積固有抵抗としては、1×107Ω・cm以上1×1017Ω・cm以下であることが好ましい。さらにより好ましい範囲は1×109Ω・cm以上1×1012Ω・cmである。体積固有抵抗が1×107Ω・cm未満であると、非画像部でキャリア付着が発生することがあり、1×1017Ω・cmを超えると、エッジ効果が許容できないレベルになることがある。また、体積固有抵抗が1×107Ω・cm未満であると、本発明のトナーとの組み合わせで現像剤放置時に電荷の掲示劣化が生じうることがあり、1×1012Ω・cmを超えると、本発明のトナーとの組み合わせで撹拌初期の帯電量の立ち上がりが小さくなることがある。また、前述のようにキャリアとして体積固有抵抗が1×109Ω・cm以上1×1012Ω・cmのものを用いることで、帯電量が短時間で立ち上がることができる。
一般に、キャリアの体積固有抵抗は、芯材粒子上のコート層の抵抗調整(導電性微粒子の添加等)及び膜厚の制御によって可能である。具体的には、コート層の樹脂100質量部に対する、導電性の微粒子含有量は、5〜200質量部であることが好ましい。導電性微粒子の添加量が5質量部未満の場合、コート層の強度が低くなる場合があり、また、キャリア抵抗の調整が不十分となることがある。一方、導電性微粒子の添加量が200質量部を超える場合、導電性微粒子が脱離し易くなり、キャリアの体積固有抵抗が変化しやすくなることがある。
なお、体積固有抵抗は、図1に示すセルを用いて測定することができる。
具体的には、まず、表面積2.5cm×4cmの電極(1a)及び電極(1b)を、0.2cmの距離を隔てて収容したフッ素樹脂製容器(2)からなるセルに、キャリア又はトナー(3)を充填し、落下高さ1cm、タッピングスピード30回/分で、10回のタッピングを行なう。次に、測定条件の下1時間放置し、その後に以下のように測定する。電極(1a)及び(1b)の間に1000Vの直流電圧を印加して30秒後の抵抗値r[Ω]を、ハイレジスタンスメーター4329A(横河ヒューレットパッカード社製)を用いて測定し、下記[数式1]から、体積固有抵抗[Ω・cm]を算出することができる。
r×(2.5×4)/0.2・・・[数式1]
なお本発明中のトナーの体積固有抵抗値は、上記[数式1]により算出された値のLogを取った値で議論している。
次に本発明のトナーを構成する材料について説明する。
本発明のトナーは、結着樹脂として結晶性ポリエステル樹脂、及び非晶質ポリエステル樹脂を含有し、さらに着色剤を含有することが好ましい。
(結晶性ポリエステル樹脂)
結晶性ポリエステル樹脂は、例として、アルコール成分として炭素数2〜12の飽和脂肪族ジオール化合物、特に1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1、8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、およびこれらの誘導体と、少なくとも酸性分として二重結合(C=C結合)を有する炭素数2〜12のジカルボン酸、もしくは、炭素数2〜12の飽和ジカルボン酸、特にフマル酸、1,4−ブタン二酸、1,6−ヘキサン二酸、1、8−オクタン二酸、1,10−デカン二酸、1,12−ドデカン二酸およびこれらの誘導体を用いて合成される結晶性ポリエステルが好ましい。
中でも、吸熱ピーク温度と吸熱ショルダー温度の差をより小さくする点で、特に1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1、8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオールのいずれか一種類のアルコール成分と、フマル酸、1,4−ブタン二酸、1,6−ヘキサン二酸、1、8−オクタン二酸、1,10−デカン二酸、1,12−ドデカン二酸のいずれか一種類のジカルボン酸成分のみで構成されることが好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂の酸価は、紙と樹脂との親和性の観点から、目的とする低温定着性を達成するためにはその酸価が5mgKOH/g以上、より好ましくは10mgKOH/g以上であることが好ましく、一方、ホットオフセット性を向上させるには45mgKOH/g以下のものであることが好ましい。
更に、結晶性ポリエステル樹脂の水酸基価については、所定の低温定着性を達成し、かつ良好な帯電特性を達成するためには0〜50mgKOH/g、より好ましくは5〜50mgKOH/gのものが好ましい。
本発明の結晶性ポリエステル樹脂の分子構造は、溶液や固体によるNMR測定の他、X線回折、GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができるが、簡便には赤外線吸収スペクトルにおいて、965±10cm-1もしくは990±10cm-1にオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有するものを例としてあげることができる。
分子量については、上記の分子量分布がシャープで低分子量のものが低温定着性に優れ、分子量が低い成分が多いと耐熱保存性が悪化するという観点から、鋭意検討した結果、o−ジクロロベンゼンの可溶分のGPCによる分子量分布で、横軸をlog(M)、縦軸を質量%で表わした分子量分布図のピーク位置が3.5〜4.0の範囲にあり、ピークの半値幅が1.5以下であり、重量平均分子量(Mw)で3000〜30000、数平均分子量(Mn)で1000〜10000、Mw/Mnが1〜10であることが好ましい。更には、重量平均分子量(Mw)で5000〜15000、数平均分子量(Mn)で2000〜10000、Mw/Mnが1〜5であることが好ましい。
(結晶性高分子材料に添加可能な他の物性制御用成分)
また、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性、軟化点および耐ホットオフセット性、等を制御する方法として、ポリエステル合成時にアルコール成分にグリセリン等の3価以上の多価アルコールや、酸成分に無水トリメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸を追加して縮重合を行なった非線状ポリエステルなどを設計、使用するなどの方法が挙げられる。
(結晶性の有無の判別方法)
本発明の結晶性ポリエステル樹脂は以下の方法で結晶性の判別を行った。
結晶性の有無は、結晶解析X線回折装置(X’Pert Pro MRD フィリッップス社)により確認することができる。以下測定方法を記す。
まず、対象試料を乳鉢によりすり潰し試料粉体を作製し、得られた試料粉体を試料ホルダーに均一に塗布する。その後、回折装置内に試料ホルダーをセットし、測定を行い、回折スペクトルを得る。
得られた回折ピークに20°<2θ<25°の範囲に得られたピークのうち最もピーク強度が大きいピークのピーク半値幅が2.0以下である場合結晶性を有すると判断した。
以下にX線回折の測定条件を記す。
〔測定条件〕
Tension kV: 45kV
Current: 40mA
MPSS
Upper
Gonio
Scanmode: continuos
Start angle : 3°
End angle : 35°
Angle Step:0.02°
Lucident beam optics
Divergence slit : Div slit 1/2
Difflection beam optics
Anti scatter slit: As Fixed 1/2
Receiving slit : Prog rec slit
(非晶質ポリエステル樹脂)
前記非晶質ポリエステル樹脂は、多価アルコール成分と、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸成分とを用いて得られる。
なお、本発明において非晶質ポリエステル樹脂とは、上記のごとく、多価アルコール成分と、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸成分とを用いて得られるものを指し、ポリエステル樹脂を変性したもの、例えば、プレポリマー、及びそのプレポリマーを架橋及び/又は伸長反応させて得られる樹脂は前記非晶質ポリエステル樹脂には属さない。
前記多価アルコール成分としては、例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、水添ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価カルボン酸成分としては、例えば、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸等のジカルボン酸;ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸;トリメリット酸、ピロメリット酸;それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜8)エステル等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記非晶質ポリエステル樹脂の分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分子量が低すぎる場合、トナーの耐熱保存性、現像器内での攪拌等のストレスに対する耐久性に劣る場合があり、分子量が高すぎる場合、トナーの溶融時の粘弾性が高くなり低温定着性に劣る場合がある。低温定着性と耐ホットオフセット性を両立させ定着温度幅を広げるため、前記非晶性ポリエステル樹脂として、高分子量体と低分子量体を併用することが好ましい。
これらのことから、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定において、重量平均分子量(Mw)は3,000〜100,000、数平均分子量(Mn)は1,000〜5,000、Mw/Mnは1.0〜4.0であることが好ましい。
さらには、重量平均分子量(Mw)は5,000〜100,000、数平均分子量(Mn)は1,500〜5,000、Mw/Mnは1.0〜3.5であることが好ましい。
前記非晶質ポリエステル樹脂の酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1mgKOH/g〜50mgKOH/gが好ましく、5mgKOH/g〜30mgKOH/gがより好ましい。前記酸価が、1mgKOH/g以上であることにより、トナーが負帯電性となりやすく、さらには、紙への定着時に、紙とトナーの親和性が良くなり、低温定着性を向上させることができる。前記酸価が、50mgKOH/gを超えると、帯電安定性、特に環境変動に対する帯電安定性が低下することがある。
前記非晶質ポリエステル樹脂の水酸基価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5mgKOH/g以上であることが好ましい。
前記非晶質ポリエステル樹脂の接点法ガラス転移温度(Tg)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、Tgが低すぎる場合、トナーの耐熱保存性、現像器内での攪拌等のストレスに対する耐久性に劣る場合があり、Tgが高すぎる場合、トナーの溶融時の粘弾性が高くなり低温定着性に劣る場合があることから、20℃〜65℃が好ましく、45℃〜60℃がより好ましい。
また、前記非晶質ポリエステル樹脂のフローテスター1/2流出開始温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80℃〜150℃が好ましい。
前記非晶質ポリエステル樹脂の含有量としては、本発明では実質的に主成分として非晶質ポリエステルを含んでいることが好ましいため、50質量%以上含有する。より好ましくは60質量%以上90質量%未満である。
前記含有量が、50質量%未満であると、トナー中の結晶性ポリエステル、顔料、離型剤等のトナー内部で分散状態で存在する各材料の分散性が悪化し、低温定着性、耐熱保存性の悪化、画像のかぶり、乱れを生じる。前記含有量が、前記より好ましい範囲であると、高画質、高安定、低温定着性、耐高温高湿性の全てに優れる点で有利である。
尚、トナーにおける非晶質ポリエステル樹脂の含有量は、トナーを製造する際の材料の組成により求めることができる。また、トナー製造時の材料組成が明確でない場合、本発明での非晶質ポリエステル樹脂の含有量は例えば以下の方法で求めることが出来る。トナー50質量部、メチルエチルケトン50質量部を23℃で1時間マグネットスターラーで充分撹拌しトナー溶解液を得る。得られたトナー溶解液をメンブレンフィルターによりろ過し、ろ液を150℃1時間加熱し、過熱前後の質量変化から、ろ液中の固形分濃度を算出する。得られたろ液の固形分を非晶質ポリエステル樹脂の含有量として求める事ができる。
前記非晶質ポリエステル樹脂の分子構造は、溶液や固体によるNMR(Nuclear Magnetic Resonance)測定の他、X線回折、GC/MS(Gas Chromatograph Mass Spectrometer)、LC/MS(Liquid Chromatograph Mass Spectrometer)、IR(Infrared Spectroscopy)測定などにより確認することができる。簡便には赤外線吸収スペクトルにおいて、965±10cm-1及び990±10cm-1にオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有しないものを非晶質ポリエステル樹脂として検出する方法が挙げられる。
(結晶性/非結晶性ポリエステル樹脂の配合比)
本発明における結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性ポリエステル樹脂の配合比(質量比)は、後者50質量%以上に対し、前者を50質量%以下配合されることが好ましく、後者55質量%〜97質量%に対し、前者を3質量%〜45質量%配合されることがより好ましく、後者80質量%〜95質量%に対し、前者を5質量%〜20質量%配合されることが、特に好ましい。結晶性ポリエステル樹脂の量がこれより少ないと低温定着性が劣ることあり、また、これより多いと耐定着オフセット性、耐熱保存性に劣るとことが多い。
(着色剤)
前記トナーの着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラセンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトポン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15質量%、好ましくは3〜10質量%である。
本発明で用いる着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。
マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
このマスターバッチは、マスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練してマスターバッチを得ることができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。
また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを、樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も、着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
(離型剤)
前記トナーは離型剤を含有することができる。
離型剤は、融点が50〜120℃のワックスであることが好ましい。
このようなワックスは、定着ローラとトナー界面の間で離型剤として効果的に作用することができるため、定着ローラにオイル等の離型剤を塗布しなくても高温耐オフセット性を向上させることができる。
なお、ワックスの融点は、示差走査熱量計であるTG−DSCシステムTAS−100(理学電機社製)を用いて、最大吸熱ピークを測定することにより求められる。
離型剤としては、以下に示す材料を用いることができる。
ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。
また、これらの天然ワックス以外の離型剤としては、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。
さらに、1,2−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子である、ポリメタクリル酸n−ステアリル、ポリメタクリル酸n−ラウリル等のポリアクリレートのホモポリマー又はコポリマー(例えば、アクリル酸n−ステアリルーメタクリル酸エチル共重合体等)等の側鎖に長鎖アルキル基を有する結晶性高分子も離型剤として用いることができる。
離型剤の使用量は、一義的に限定されるものではないが、好ましくはトナーに対して2〜20質量%が好ましい。
(帯電制御剤)
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。
帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。
具体的には、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
帯電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5質量部の範囲がよい。10質量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
これらの帯電制御剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後溶解分散させることもできるし、もちろん有機溶剤に直接溶解、分散する際に加えてもよいし、トナー表面にトナー粒子作製後固定化させてもよい。
(外添剤)
本発明のトナーは、流動性や現像性、帯電性を補助するために外添剤を含有してもよい。
外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5nm〜2μmであることが好ましく、特に5nm〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。
この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5質量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0質量%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような流動化剤は、表面処理を行なって、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。
例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01μmから1μmのものが好ましい。
(測定法)
<酸価>
前記トナーの酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、低温定着性(定着下限温度)、ホットオフセット発生温度等を制御する点から、0.5mgKOH/g〜40mgKOH/gであることが好ましい。前記酸価が、0.5mgKOH/g未満であると、製造時の塩基による分散安定性を向上させる効果が得られなくなったり、前記プレポリマーを用いた場合に伸長反応及び/又は架橋反応が進行しやすくなったりして、製造安定性が低下することがある。前記酸価が、40mgKOH/gを超えると、前記プレポリマーを用いた場合に伸長反応及び/又は架橋反応が不十分となり、耐高温オフセット性が低下することがある。
<ガラス転移温度(Tg)>
前記トナーのガラス転移温度(Tg)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、示差走査熱量測定(DSC)において昇温一回目に算出されるガラス転移温度(Tg1st)が、45℃以上65℃以下であることが好ましく、45℃以上50℃以下であることがより好ましい。これにより、低温定着性、耐熱保存性及び高耐久性を得ることができる。前記Tg1stが、45℃未満であると、現像機内でのブロッキングや感光体へのフィルミングが発生することがあり、65℃を超えると、低温定着性が低下することがある。
また、前記トナーの示差走査熱量測定(DSC)において昇温二回目に算出されるガラス転移温度(Tg2nd)は、10℃以上30℃未満であることが好ましい。前記Tg2ndが10℃未満であると、印刷物の画像ブロッキング性の悪化、現像機内でのブロッキングや感光体へのフィルミングが発生することがあり、30℃以上であると、低温定着性が低下することがある。
更に、前記トナーの昇温一回目におけるガラス転移温度Tg1stと、昇温二回目におけるガラス転移温度Tg2ndの差が10℃以上30℃未満であることが好ましい。Tg1stとTg2ndの差が10℃未満であると、結晶性ポリエステルの非晶質ポリエステルに対する軟化効果が低く、低温定着性が充分発揮されない場合がある。また、Tg1stとTg2ndの差が30℃以上であると、結晶性ポリエステルが定着後に再結晶化しずらくなり、印刷物のブロッキング性が悪化する場合がある。
尚、示差走査熱量測定における昇温一回目に算出されるガラス転移温度(Tg1st)及び昇温二回目に算出されるガラス転移温度(Tg2nd)の詳細については後述する。
<体積平均粒径>
前記トナーの体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、画質の観点から小粒径であることが好ましく4μm以上6μm以下であることが好ましい。また、個数平均粒径に対する体積平均粒径の比は1.2以下であることが好ましい。また、体積平均粒径が2μm以下である成分を1個数%以上10個数%以下含有することが好ましい。
(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定方法)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定による結晶性ポリエステル樹脂、及び非晶質ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、例えば以下のような手段で測定できる。
<測定条件>
・ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定装置:GPC−8220GPC(東ソー社製)
・カラム:TSKgel SuperHZM―H 15cm 3連(東ソー社製)
・温度:40℃
・溶媒:オルトジクロロベンゼン
・流速:0.35ml/min
・試料:0.15%の試料を0.4ml注入
・試料の前処理:対象試料をオルトジクロロベンゼンに0.15質量%で溶解後0.2μmフィルターで濾過し、その濾液を試料として用いる。前記試料溶液を100μl注入して測定する。
試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDのStd.No S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580を用いた。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
<<融点、及びガラス転移温度(Tg)の測定方法>>
本発明におけるトナー、及び各材料の融点、ガラス転移温度(Tg)は、例えば、DSCシステム(示差走査熱量計)(「DSC−60」、島津製作所社製)を用いて測定することができる。
具体的には、対象試料の発熱ピーク温度、融点、ガラス転移温度は、下記手順により測定できる。
まず、対象試料約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、0℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱する。その後、150℃から降温速度10℃/minにて0℃まで冷却させ、更に昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、島津製作所社製)を用いてDSC曲線を計測する。
得られるDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラム『吸熱ショルダー温度』を用いて、一回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温一回目におけるガラス転移温度を求めることができる。また、『吸熱ショルダー温度』を用いて、二回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温二回目におけるガラス転移温度を求めることができる。
また、得られるDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラム『吸熱ピーク温度』を用いて、一回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温一回目における融点を求めることができる。また、『吸熱ピーク温度』を用いて、二回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温二回目における融点を求めることができる。
本発明では、対象試料としてトナーを用いた際の一回目昇温時におけるガラス転移温度をTg1st、同二回目昇温時におけるガラス転移温度をTg2ndとする。本発明において、接点法ガラス転移温度は前記Tg1stをいう。
また本発明では、各構成成分の二回目昇温時における融点、Tgを各対象試料の融点、Tgとする。
<<粒度分布の測定方法>>
前記トナーの体積平均粒径(D4)と個数平均粒径(Dn)、その比(D4/Dn)は、例えば、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)等を用いて測定することができる。本発明ではコールターマルチサイザーIIを測定装置として使用した。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100mL〜150mL中に分散剤として界面活性剤(好ましくはポリオキシエチレンアルキルエーテル(非イオン性の界面活性剤))を0.1mL〜5mL加える。ここで、電解水溶液とは1級塩化ナトリウムを用いて1質量%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2mg〜20mg加える。試料を懸濁した電解水溶液は、超音波分散器で約1分間〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(D4)、個数平均粒径(Dn)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm未満;2.52μm以上3.17μm未満;3.17μm以上4.00μm未満;4.00μm以上5.04μm未満;5.04μm以上6.35μm未満;6.35μm以上8.00μm未満;8.00μm以上10.08μm未満;10.08μm以上12.70μm未満;12.70μm以上16.00μm未満;16.00μm以上20.20μm未満;20.20μm以上25.40μm未満;25.40μm以上32.00μm未満;32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上40.30μm未満の粒子を対象とする。
次に本発明のキャリアを構成する材料について説明する。
(トナーに負帯電を付与する物質)
前述のとおり、芯材表面にトナーに負帯電を付与する物質を含む層を形成した後に、トナーに負帯電を付与する物質とトナーに正帯電を付与する物質と導電性微粒子とシリコーン樹脂とを含有するコート層を形成することが好ましい。これにより、芯材とコート樹脂と導電性微粒子を強固に接着することができる。また、フィラーの脱離が生じにくくなる。
本発明のキャリアに使用されるトナーに負帯電を付与する物質としては、限定されないが、接着性及びトナー帯電量調整の観点から、シランカップリング剤好ましく、以下に示すアミノシランカップリング剤を使用することがより好ましい。
このため前記芯材表面に形成されるトナーに負帯電を付与する物質を含む層に使用するアミノシランカップリング剤の量としては、芯材の質量に対して0.01〜5質量%であることが好ましい。
2N(CH2)3Si(OCH3)3 (MW179.3)、
2N(CH2)3Si(OC25)3 (MW221.4)、
2NCH2CH2CH2Si(CH3)2(OC25) (MW161.3)、
2NCH2CH2CH2Si(CH3)(OC25)2 (MW191.3)、
2NCH2CH2NHCH2Si(OCH3)3 (MW194.3)、
2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Si(CH3)(OCH3)2 (MW206.4)、
2NCH2CH2NHCH2CH2CH2Si(OCH3)3 (MW224.4)、
(CH3)2NCH2CH2CH2Si(CH3)(OC25)2 (MW219.4)、
(C49)2NC36Si(OCH3)3 (MW291.6)
などが挙げられる。
さらに、コート層のトナー帯電量を調整する観点から、芯材表面のシランカップリング層とは別に、後述するコート層にこれらのシランカップリング剤を含有させても良い。これらのシランカップリング剤を適量(全コート樹脂100質量部に対して0.1〜7質量部が好ましく、より好ましくは0.2〜5質量部)含有させることが有効である。
(トナーに正帯電を付与する物質)
本発明で用いられるトナーに正帯電を付与する物質としては、フッ素を含有する物質であることが好ましく、フルオロアルキルシランがより好ましい。フルオロアルキルシランとしては、以下に示すフルオロアルキル基を有するアルコキシラン、クロロシラン等が挙げられる。このうち腐食性などの観点からアルコキシランが好ましい。前記コート層は、これらのフルオロアルキルシラン剤を適量(全コート樹脂100質量部に対して0.1〜3質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜2質量部)含有させることが有効である。また、本発明では、コート層はトナーに正帯電を付与する物質としてフルオロアルキルシランを、トナーに負帯電を付与する物質としてアミノシランカップリング剤を用いることも可能であり、好ましい。
CF3CH2CH2Si(OMe)3 MW=218.1
CF3(CF2)5CH2CH2Si(OMe)3 MW=468.1
CF3(CF2)7CH2CH2Si(OMe)3 MW=568.1
CF3(CF2)7CH2CH2SiMe(OMe)2 MW=552.1
CF3CH2CH2SiMe(OMe)2 MW=202.2
CF3CH2CH2Si(OMe)3 MW=218.2
CF3COOCH2CH2CH2Si(OMe)3 MW=276.3
CF3CH2CH2SiCl3 MW=231.6
CF3CH2CH2SiMeCl2 MW=211.1
CF3(CF2)3CH2CH2SiCl3 MW=381.5
CF3(CF2)3CH2CH2SiMeCl2 MW=361.1
CF3(CF2)5CH2CH2SiCl3 MW=481.6
CF3(CF2)CH2CH2SiCl3 MW=581.6
CF3(CF2)7CH2CH2SiMeCl2 MW=561.1
(コート層)
前記コート層としては、シラノール基及び/又は加水分解によりシラノール基を生成することが可能である官能基、を有するシリコーン樹脂を含むことが好ましい。加水分解によりシラノ−ル基を生成することが可能な官能基としては、例えば、アルコキシ基やシリコン原子に結合するハロゲノ基などの陰性基が挙げられる。シラノール基及び/又は加水分解によりシラノ−ル基を生成することが可能である官能基を有するシリコーン樹脂は、下記で説明する共重合体の架橋成分又はシラノール基に変化した状態の架橋成分と重縮合することができる。また、下記で説明する共重合体にシリコーン樹脂成分を含有させることにより、得られるキャリアのトナースペント性を向上させることができる。
シラノール基及び/又は加水分解によりシラノ−ル基を生成することが可能な官能基を有するシリコーン樹脂は、下記一般式(1)で示される、繰り返し単位のいずれか1つを含有することが好ましい。
Figure 2015114459
ここで、上記一般式(1)中、A1は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メトキシ基、炭素数1〜4の低級アルキル基又はアリール基(フェニル基、トリル基など)である。また、A2は炭素数1〜4のアルキレン基又はアリーレン基(フェニレン基など)である。
一般式(1)中のアリール基の炭素数は、通常6〜20であり、好ましくは6〜14である。アリール基は、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)だけでなく、ナフタレン、フェナントレン及びアントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基を使用することができる。さらに、ビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基を使用することができる。なお、アリール基は、他の置換基により置換して使用しても良い。
一般式(1)中のアリーレン基の炭素数は、通常6〜20であり、好ましくは6〜14である。アリーレン基は、ベンゼン由来のアリーレン基(フェニレン基)だけでなく、ナフタレン、フェナントレン及びアントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基を使用することができる。さらに、ビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基を使用することができる。なお、アリーレン基は、他の置換基で置換して使用してもよい。
本発明に使用できるシリコーン樹脂の市販品としては、特に限定されない。具体的には、KR251、KR271、KR272、KR282、KR252、KR255、KR152、KR155、KR211、KR216、KR213(以上、信越シリコーン社製)、AY42−170、SR2510、SR2400、SR2406、SR2410、SR2405、SR2411(東レ・ダウコーニング株式会社製又は東レ・シリコーン社製)等が挙げられる。
上述のシリコーン樹脂の中でも、メチルシリコーン樹脂を使用することが、好ましい。メチルシリコーン樹脂を使用することで、低トナースペント性に優れ、帯電量の環境変動が小さいキャリアを作製できることができる。
シリコーン樹脂の重量平均分子量としては、通常1,000〜100,000であり、好ましくは1,000〜30,000である。シリコーン樹脂の重量平均分子量が100,000より大きい場合、塗布液の粘度が高いため、均一な塗膜を形成できないことがある。また、硬化後にコート層の密度が低くなることがある。また、シリコーン樹脂の重量平均分子量が1,000より小さい場合、硬化後のコート層が脆くなることがある。
シリコーン樹脂の含有比率としては、コート層固形分全量に対して、通常5質量%〜80質量%であり、好ましくは10質量%〜60質量%である。シリコーン樹脂の含有比率が5質量%より少ない場合、トナースペント性などのシリコーン樹脂を添加する効果が得られないことがある。また、シリコーン樹脂の含有比率が80質量%より多い場合、コート層の靭性が不足するため、膜剥がれが起こりやすくなる場合がある。
また、本発明のコート層は、シラノール基及び/又は加水分解性官能基を有するシリコーン樹脂以外の樹脂も含有しても良い。本発明のコート層に使用できる他の樹脂としては、特に限定されないが、アクリル樹脂、アミノ樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体のターポリマー等のフルオロターポリマー、シラノール基又は加水分解性官能基を有さないシリコーン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は1種類単独で使用しても良く、2種類以上を併用して使用しても良い。上記樹脂の中でも、芯材粒子及び導電性微粒子との密着性が強く、脆性が低いことから、アクリル樹脂が好ましい。
また、前記コート層は、一般式(2)で表される繰り返し単位を有するモノマー成分と、一般式(3)で表される繰り返し単位を有するモノマー成分とを、ラジカル共重合して得られる共重合体を有する樹脂を使用することが好ましい。
Figure 2015114459
Figure 2015114459
一般式(2)における、R1、(CH2)m、R2に関する詳細は下記に示す。
1:水素原子又はメチル基、(CH2)m:炭素原子数1〜8のメチレン基、エチレン基、プロピレン基及びブチレン基等のアルキレン基、
2:炭素原子数1〜4の、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等の脂肪族炭化水素基、である。また、複数のR2はそれぞれ同一でも良く、異なっていても良い。
前記共重合体に対する、一般式(2)で表される繰り返し単位を有するモノマー成分の比率としては、通常10〜90モル%であり、より好ましくは30〜70モル%である。一般式(2)で表される繰り返し単位を有するモノマー成分は、側鎖にメチル基を有するトリス(トリメチルシロキシ)シランを有する。そのため、前記共重合体に対する比率が90モル%を超えると、表面エネルギーが小さくなり、トナー中の樹脂成分やワックス成分などの付着が少なくなる場合がある。また、架橋反応が十分に進行せず、靭性が不足すると共に、芯材と樹脂層の接着性が低下し、キャリア被膜の耐久性が悪くなることがある。一方、前記共重合体に対する比率が10モル%未満の場合、トナー成分の付着が急増することがある。
一般式(2)で表される繰り返し単位を有するモノマー成分の具体的な構造式としては、下記の構造式のものが例示される。下記の構造式中、Meはメチル基、Etはエチル基、Prはプロピル基である。
CH2=CMe−COO−C36−Si(OSiMe3)3
CH2=CH−COO−C36−Si(OSiMe3)3
CH2=CMe−COO−C48−Si(OSiMe3)3
CH2=CMe−COO−C36−Si(OSiEt3)3
CH2=CH−COO−C36−Si(OSiEt3)3
CH2=CMe−COO−C48−Si(OSiEt3)3
CH2=CMe−COO−C36−Si(OSiPr3)3
CH2=CH−COO−C36−Si(OSiPr3)3
CH2=CMe−COO−C48−Si(OSiPr3)3
等である。
一般式(2)で表される繰り返し単位を有するモノマー成分の製造方法は、特に限定されない。例えば、トリス(トリアルキルシロキシ)シランを白金触媒の存在下にアリルアクリレートまたはアリルメタクリレートと反応させる方法などが挙げられる。他にも、特開平11−217389号公報に記載されている、カルボン酸と酸触媒の存在下で、メタクリロキシアルキルトリアルコキシシランとヘキサアルキルジシロキサンとを反応させる方法などにより得られる。
一般式(3)における、R4、(CH2)n、R5、R6に関する詳細は下記に示す。
4:水素原子又はメチル基、(CH2)n:炭素原子数1〜8のメチレン基、エチレン基、プロピレン基及びブチレン基等のアルキレン基、
5:炭素原子数1〜4の、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等の脂肪族炭化水素基、複数あるR5は、それぞれ同一でも良く、異なっていても良い。
6:炭素数1〜8のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基など)又は炭素数1〜4のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基)、である。
前記共重合体に対する、一般式(3)で表されるモノマー成分の比率としては、好ましくは10〜90モル%であり、より好ましくは30〜70モル%である。一般式(3)であらわされるモノマー成分の比率が10モル%未満の場合、得られるキャリアの靭性が低くなることがある。一方、90モル%を超える場合、得られるキャリアが脆くなり、膜剥がれが発生しやすくなることがある。また、湿度依存性などの環境特性が悪化することがある。加水分解した架橋成分がシラノール基として多数残存するため、環境特性が悪化すると考えられる。
一般式(3)で表されるモノマー成分としては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリトキシプロピルトリ(イソプロペキシ)シラン、3−アクリロキシプロピルトリ(イソプロペキシ)シランなどが挙げられる。
一般式(2)で表されるモノマー成分と、一般式(3)で表されるモノマー成分とに加え、さらに、一般式(4)で表されるモノマー成分を加えて共重合体を製造しても良い。
Figure 2015114459
一般式(4)における、R6、及びR7は以下に該当するものを示す。
6:水素原子又はメチル基、
7:炭素原子数1〜4のアルキル基、である。
一般式(4)で表されるモノマー成分を加える場合、一般式(2)で表されるモノマー成分の比率は、10〜40モル%であり、一般式(3)で表されるモノマー成分は、10〜40モル%であり、一般式(4)で表されるモノマー成分は30〜80モル%であることが好ましい。また、一般式(3)で表されるモノマー成分と一般式(4)で表されるモノマー成分との合計比率は、60モル%〜90モル%であることが好ましい。
一般式(4)で表されるモノマー成分を加えることにより、得られるコート樹脂膜が可撓性を有する。また、芯材とコート層との接着性が良好になる。しかしながら、一般式(4)で表されるモノマー成分が、30モル%未満の共重合体を使用する場合、十分な接着性が得られないことがある。また、80モル%よりも大きい場合、一般式(2)で表されるモノマー成分及び一般式(3)で表されるモノマー成分のいずれか一方が10モル%以下となる。そのため、キャリア被膜の撥水性、硬さ及び可撓性を両立させることが難しい場合がある。
一般式(4)で表されるモノマー成分の前駆体としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルが挙げられる。具体的には、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、3−(ジメチルアミノ)プロピルメタクリレート、3−(ジメチルアミノ)プロピルアクリレートなどが挙げられる。上記化合物の中では、アルキルメタクリレートを使用することが好ましく、特にメチルメタクリレートが好ましい。また、上記化合物は、1種類を単独で使用しても良く、2種類以上の混合物を使用しても良い。
コート樹脂を架橋することにより、キャリアの耐久性を向上させる方法としては、特許第3691115号公報に例示される方法などがある。具体的には、磁性粒子表面を末端にビニル基を有するオルガノポリシロキサンとヒドロキシル基、アミノ基、アミド基及びイミド基からなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有するラジカル共重合性単量体との共重合体を、イソシアネート系化合物により架橋させた熱硬化性樹脂で被覆したキャリアが開示されている。しかしながら、この方法では、コート樹脂膜の剥がれ、削れにおいて十分な耐久性を得ることができない。前述の共重合体をイソシアネート系化合物により架橋させた熱硬化性樹脂の場合、共重合体中のイソシアネート化合物と反応する単位質量当りの官能基が少ない。すなわち、架橋点において、2次元又は3次元的な緻密な架橋構造を形成することが出来ないからと考えられる。そのため、このキャリアを長時間使用すると、被膜の耐磨耗性が小さいため被膜剥がれ、削れなどが生じ易く、十分な耐久性が得られない。
コート樹脂膜の剥がれ、削れが生じると、キャリアの抵抗が低下するため、画像品質の変化やキャリア付着が起こる。また、現像剤の流動性を低下させ、汲み上げ量の低下を引き起こすため、画像濃度低下、トナー飛散の原因となる。
本発明の一実施形態に係る共重合体樹脂は、樹脂単位質量当たりの、二官能又は三官能の架橋可能な官能基が多い。また、さらに、この共重合体樹脂を架橋させた樹脂を含むため、得られるコート被膜の靭性が高く削れ難く、高耐久性のキャリアが得られる。
また、本発明の架橋構造はシロキサン結合により達成される。一般的に、シロキサン結合による架橋は、イソシアネート化合物による架橋より、結合エネルギーが大きく、熱ストレスに対しても安定している。すなわち、経時安定性に優れたキャリアが得られる。
本発明の一実施形態に係るコート樹脂は、アクリル樹脂を含むことが好ましい。アクリル樹脂としては、ガラス転移点が20〜100℃であることが好ましく、25〜80℃がより好ましい。アクリル樹脂は適度な弾性を有しており、現像剤を摩擦帯電させる際の、トナーとキャリアの摩擦又はキャリア同士の摩擦による衝撃を吸収することができる。また、コート層及び導電性微粒子の劣化を防止できる。
また、本発明のコート樹脂は、アクリル樹脂とアミノ樹脂とを架橋させた樹脂を含有することが好ましい。これにより、コート樹脂が適度な弾性を有し、かつ、コート層同士の融着を抑制することができる。
アミノ樹脂としては、特に限定されないが、キャリアの帯電付与能力を向上させることができるため、メラミン樹脂又はベンゾグアナミン樹脂が好ましい。また、メラミン樹脂及び/又はベンゾグアナミン樹脂を併用して使用することも、キャリアの帯電付与能力を制御できるため、好ましい。
アミノ樹脂と架橋し得るアクリル樹脂としては、ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基を有するものが好ましく、この中でもヒドロキシル基を有するものがさらに好ましい。ヒドロキシル基を有するアクリル樹脂を使用することで、芯材粒子や導電性微粒子との密着性をさらに向上させることができる。また、導電性微粒子の分散安定性も向上させることができる。使用するアクリル樹脂は、水酸基価が10mgKOH/g以上であることが好ましく、20mgKOH/g以上であることがさらに好ましい。
シラノール基及び/又は加水分解性官能基を有するシリコーン樹脂等の、コート層中の架橋成分の縮合反応を促進するために、下記の触媒を使用しても良い。触媒としては、チタン系触媒、スズ系触媒、ジルコニウム系触媒及びアルミニウム系触媒を使用できる。この中でも、チタン系触媒を使用することが好ましく、チタンアルコキシド系触媒又はチタンキレート系触媒を使用することがより好ましい。チタンアルコキシド系触媒又はチタンキレート系触媒は、前述の架橋成分に由来するシラノール基の縮合反応を促進する効果が高い。また、触媒が失活しにくいという特長を有する。
チタンアルコキシド系触媒の例としては、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)(Ti(O−i−C37)2(C693)2)等が挙げられ、チタンキレート系触媒の例としては、チタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)(Ti(O−i−C37)2(C6143N)2)等が挙げられる。
本発明の一実施形態のコート層は、トナーに負帯電を付与する物質とトナーに正帯電を付与する物質と導電性微粒子とシラノール基及び/又は加水分解性官能基を有するシリコーン樹脂と、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)触媒に加え、必要に応じて、その他の樹脂を含むコート層用組成物を用いて、芯材粒子の表面にトナーに負帯電を付与する物質を含む層を形成した後に、形成することができる。具体的には、コート層用組成物でトナーに負帯電を付与する物質を含む層を形成した芯材粒子を被覆しながら、シラノール基を縮合させることにより形成することができる。また、コート層用組成物で被覆した後に、シラノール基を縮合させても良い。コート層用組成物で被覆しながら、シラノール基を縮合させる方法としては、特に限定されないが、熱、光等を付与しながら、コート層用組成物でトナーに負帯電を付与する物質を含む層を形成した芯材粒子を被覆する方法等が挙げられる。また、コート層用組成物でトナーに負帯電を付与する物質を含む層を形成した芯材粒子を被覆した後に、シラノール基を縮合させる方法としては、特に限定されないが、コート層用組成物で芯材粒子を被覆した後に加熱する方法等が挙げられる。
(コート層強度及び膜厚)
本発明においては、前記コート層用組成物をトナーに負帯電を付与する物質を含む層を形成した芯材に被覆した後、使用する芯材粒子のキューリー点未満の温度、好ましくは100〜350℃、より好ましくは150〜250℃の温度で熱処理することにより、縮合による架橋反応が促進される。熱処理温度が100℃より低い場合、縮合による架橋反応が十分に進行しないことがある。一方、熱処理温度が350℃より高い温度場合、樹脂層が削れやすくなることがある。
(導電性微粒子)
本発明のキャリアのコート層は、基体及び導電性被膜層からなる導電性微粒子を含むことが好ましい。導電性微粒子を含むことにより、キャリアの抵抗を調整でき、また、コート層の強度を向上させることができる。すわなち、導電性微粒子は、シラノール基及び/又は加水分解性官能基を有するシリコーン樹脂を加熱処理して得られた樹脂で被覆されたキャリアの抵抗を調整する。また、アルミナ系基体の表面に導電性被覆層を有する導電性微粒子が存在することで、キャリアの体積固有抵抗を調節機能が高くなり、さらに、前述の表面エネルギーが小さく強靭な共重合体との親和性と相俟って、長期間キャリア抵抗や現像剤の汲み上げ量が変化せず、画像濃度の変化を防止でき、長期にわたって高品質な画像を形成できるキャリアを作製できる。
トナーの外添剤で使用する材料と、導電性微粒子の基体の材料とは、帯電能力の点から電気陰性度が離れていることが好ましい。トナーの外添剤として一般的に使用されるシリカや酸化チタンは電気陰性度が大きく負帯電性が大きい。そのため、導電性微粒子の基体は電気陰性度の小さい基体を用いることにより、帯電能力が大きくなり、負帯電トナーを使用する場合には好ましい。基体として、電気陰性度の小さいアルミナを用いる場合は長期間安定して帯電を維持でき高品質な画像を形成できる。しかしながら、アルミナ以外の酸化チタン等の電気陰性度が大きい基体を用いる場合は、使用初期には優れた帯電調節機能を有するが、長期間の使用により帯電能力が維持できず、画像品質が低下することがある。
アルミナとしては、αアルミナ、βアルミナ及びγアルミナを使用することができ、その平均粒径は0.1μm〜0.5μmであることが好ましく、より好ましくは0.15μm〜0.3μmである。また、アルミナの比表面積は、通常5〜30m2/gが好ましい。導電性被覆層としては、二酸化スズ又は二酸化スズ及び酸化インジウムを含むことが好ましい。二酸化スズ又は二酸化スズ及び酸化インジウムを含む導電性被覆層を使用することで、基体表面を均一に被覆することができる。そのため、基体の影響を受けずに良好な導電性が得られる。特に、導電性被覆層が二酸化スズを使用する場合は、抵抗調節能に優れ、また、安価であるため、好ましい。
導電性被覆層として二酸化スズを使用する場合、導電性微粒子に対する二酸化スズの割合が、4質量%以上80質量%以下であることが好ましく、30質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。二酸化スズの含有量が4質量%未満の場合、導電性微粒子の体積固有抵抗が高くなり、導電性微粒子の添加量が多くなるため、キャリア粒子表面から脱離しやすくなることがある。また、二酸化スズの含有量が80質量%を超える場合、導電性微粒子の体積固有抵抗低を下げる効果が飽和し、効率が悪く、また、不均一になることがある。
導電性被覆層として二酸化スズ及び酸化インジウムを使用する場合、二酸化スズの含有量は2質量%以上7質量%以下であり、酸化インジウムの含有量は15質量%以上40質量%以下であることが好ましい。
導電性微粒子の平均一次粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、キャリア断面を観察し、キャリア表面を覆う被覆層内の導電性微粒子径を測定し、その平均値からを求めた。より具体的には、前記キャリア断面から任意の10点の導電性微粒子の短径を測定し、測定値の平均を求め平均一次粒径とした。
導電性粒子の添加量は、芯材に対して3〜8質量%であることが好ましい。導電性粒子の添加量が3質量%未満であると、キャリアの体積固有抵抗を調整する効果が不十分となることがある。一方、導電性粒子の添加量が8質量%を超えると、導電性微粒子を保持することが難しく、キャリアの表面層が破壊されることがある。
(芯材粒子)
本発明のキャリアの芯材としては、磁性体であれば、特に限定されないが、例えば、鉄、コバルト等の強磁性金属;マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;各種合金や化合物;及び、前記磁性体を樹脂中に分散させた樹脂粒子等が挙げられる。これらの中でも、環境面への配慮から、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Mn−Mg−Sr系フェライト等が好ましい。
本発明において、芯材粒子は、重量平均粒径Dwが20〜65μmの範囲にあることが好ましく、20〜45μmであることがより好ましい。重量平均粒径が65μmよりも大きい場合、潜像に対してトナーが忠実に現像されず、ドット径のバラツキが大きくなり粒状性が低下することがある。また、トナー濃度が高い場合、地汚れしやすくなることがある。
なお、キャリア付着とは、静電潜像の画像部又は地肌にキャリアが付着する現象を指す。静電潜像の画像部又は地肌の電界が強いほどキャリア付着が起こり易い。画像部は、トナー現像されることにより電界が弱められるため、一般的には、地肌部に比べてキャリア付着は起こり難い。
本発明において、キャリア、キャリア芯材及びトナーなどの重量平均粒径とは、個数基準で測定された粒子の粒径分布に基づいて算出されたものであり、次の式1で表される。
Dw=(1/Σ(nD3))*(Σ(nD4))・・・(式1)
式中、Dは各チャネルに存在する粒子の代表粒径(μm)を示し、nは各チャネルに存在する粒子の総数を示す。なお、チャネルとは、粒径分布図における粒径範囲を測定幅単位に分割するための長さを示すもので、本発明においては、2μmの等分長さ(粒径分布幅)を採用した。また、各チャネルに存在する粒子の代表粒径としては、各チャネルに保存する粒子粒径の下限値を採用した。
(キャリアの形状及び磁化)
前述のように本発明では、芯材として算術平均粗さRaが0.6〜0.9μmという凹凸度合いの大きな芯材を用いたキャリアを用いることが好ましい。そして、前記アミノシランカップリング剤とトナーに正帯電を付与する物質とシリコーン樹脂とを含む被覆層で芯材表面を被覆することにより、シリコーン樹脂を有するコート層を均一に平均膜厚が0.1〜0.5μmとなるように形成することが好ましい。また、算術平均粗さRaは、コート層の平均厚み以上であることが好ましく、主として、芯材の形状によってキャリアの形状を制御している。このため、キャリアの形状、具体的には、キャリアのRaと芯材のRaはほぼ同じ値となる。ただし、キャリアの抵抗を下げるために導電性フィラー量を多く含有させた場合には、キャリアのRaが小さくなる場合がある。
コートキャリアの芯材Raについては、コート層を溶剤等で溶解除去、もしくはコート層を燃焼させることにより除去すれば芯材のRaを計測することができる。
本発明のキャリアは、1kOe(106/4π[A/m])の磁場における磁化が、40〜90Am2/kgであることが好ましい。この磁化が40Am2/kg未満の場合、画像にキャリアが付着することがある。一方、この磁化が90Am2/kgを超える場合、画像カスレが発生することがある。
(二成分現像剤)
本発明のキャリアに対して、トナーを加え、静電潜像現像剤として使用できる。また、補給用現像剤とし、現像装置内の余剰の現像剤を排出しながら画像形成を行う画像形成装置に適用することで、長期に渡って安定した画像品質を有する画像を形成できる。すなわち、現像装置内の劣化したキャリアと、補給用現像剤中の劣化していないキャリアとを入れ替えることで、帯電量を安定に保ち、安定した画像が得られる。本方式は、特に高画像面積印字時に効果を有する。高画像面積印字時のキャリアの劣化は、キャリアへのトナースペントによるキャリア帯電能力低下が主な原因である。しかしながら、本方式を用いることで、高画像面積時において、キャリアの補給量も多くなる。そのため、劣化したキャリアが入れ替わる頻度が高くなり、長期間に渡って安定した画像を得られる。
現像剤中のキャリアの混合比率は、キャリアとトナーの質量比が88:12〜97:3となることが好ましい。
補給用現像剤中のキャリアの混合比率は、キャリア1質量部に対して、通常トナーが2〜50質量部であり、5〜12質量部であることが好ましい。キャリア1質量部に対してトナーが2質量部未満の場合、キャリア供給過多となり現像装置中のキャリア濃度が高くなりすぎるため、トナーの帯電量が増加することがある。トナーの帯電量が上がることにより、現像能力が下がり画像濃度が低下することがある。また、キャリア1質量部に対してトナーが50質量部を超える場合、現像剤中のキャリア割合が少なく、画像形成装置中のキャリアの入れ替わりが少ないため、キャリア劣化に対する新しいキャリアの入れ替わりの効果が低くなることがある。
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、前記静電潜像担持体をクリーニングするクリーニング手段とが一体に支持され、画像形成装置本体に着脱可能であり、前記現像手段が、本発明の現像剤を用いる。
図3に、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す。本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像担持体20、帯電手段32、本発明の現像剤を収納する現像手段40、クリーニング手段としてのクリーニングブレード61を少なくとも有するクリーニング手段を一体に支持する。また、画像形成装置本体に着脱自在である。本発明においては、上述したプロセスカートリッジを、複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能な構成とすることも可能である。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。なお、「部」は、
質量部を表す。
(トナーの製造)
(結晶性ポリエステルの製造例)
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに、1,10−デカン二酸2300g、1、8−オクタンジオール2530g、ハイドロキノン4.9gを入れ、180℃で10時間反応させた後、200℃に昇温して3時間反応させ、さらに8.3kPaにて2時間反応させ、DSC測定における接点法Tgは65℃、融点ピーク温度は70℃、Mw10000、Mn3000、Mw/Mn=3.3の結晶性ポリエステル樹脂A1を得た。結晶性ポリエステル樹脂A1の結晶解析X線回折装置により、回折ピーク20°<2θ<25°の範囲に得られたピークのうち最もピーク強度が大きいピークのピーク半値幅は0.5であった。
(非晶質ポリエステル樹脂の製造例)
非晶質ポリエステル樹脂B−H1およびB−L1は、表1に示した組成物4000gを、温度計、攪拌器、コンデンサーを備えた容量5Lの4つ口丸底フラスコ内に入れ、このフラスコをマントルヒーターにセットし、4gのジブチルスズオキシドを加えて昇温し、温度を220℃に保って8時間反応させたのち、8.3kPaにて所定の軟化点に達するまで反応させ各ポリエステルを得た。
表1に各ポリエステルB−H1およびB−L1の成分を示し、表2にそれらの物性値を示す。
なお、表中に示したBPA/EOは、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(2.2モル付加物)を示し、BPA/POは、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(2.2モル付加物)を示す。
Figure 2015114459
Figure 2015114459
(トナーの製造例1)
結晶性ポリエステル樹脂A1 20部
非結晶性ポリエステル樹脂B−H1 20部
非結晶性ポリエステル樹脂B−L1 60部
サリチル酸Zr塩(保土ヶ谷化学TN−105) 1部
脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス(Tg:83℃) 7部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 13部
上記のトナー構成材料をヘンシェルミキサー中で十分撹拌混合した後、2軸押出し機にて溶融混練した。混錬条件については、混練物を低温(混練物が溶融状態になる範囲での最低温度)の状態で混錬を行うべく、混錬機の温度設定を行った結果、混練機出口での混錬品の温度が120℃となるよう混錬機の温度設定を行った。次にこの混練物をホソカワミクロン社製APパルペライザーを用いて粒経1mm以下に粗粉砕し、続いてターボ工業社製ターボミルを用いて微粉砕し重量平均粒径6.5μmのトナー母体を得た。得られたトナー母体を分級し疎水性シリカ(平均一次粒径20nm、かさ密度0.15mg/cm2)0.5質量%と酸化チタン0.3質量%を添加混合し、最終的なトナーとした。トナーの温度28℃、相対湿度80%環境下での体積固有抵抗値LogRは10.1LogΩ・cm、昇温1回目の融解熱の最大ピーク温度は68℃、該最大ピークの融解熱量は7J/g、接線法ガラス転移温度は53℃であった。
(トナーの製造例2)
処方を下記のものに変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作製した。
結晶性ポリエステル樹脂A1 5部
非結晶性ポリエステル樹脂B−H1 20部
非結晶性ポリエステル樹脂B−L1 75部
サリチル酸Zr塩(保土ヶ谷化学TN−105) 1部
脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス(Tg:83℃) 7部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 13部
トナーの温度28℃、相対湿度80%環境下での体積固有抵抗値LogRは10.5LogΩ・cm、昇温1回目の融解熱の最大ピーク温度は68.5℃、該最大ピークの融解熱量は3J/g、接線法ガラス転移温度は58℃であった。
であった。
(トナーの製造例3)
処方を下記のものに変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作製した。
結晶性ポリエステル樹脂A1 45部
非結晶性ポリエステル樹脂B−H1 20部
非結晶性ポリエステル樹脂B−L1 35部
サリチル酸Zr塩(保土ヶ谷化学TN−105) 1部
脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス(Tg:83℃) 7部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 13部
トナーの温度28℃、相対湿度80%環境下での体積固有抵抗値LogRは9.5LogΩ・cm、昇温1回目の融解熱の最大ピーク温度は69.6℃、該最大ピークの融解熱量は12J/g、接線法ガラス転移温度は50℃であった。
(トナーの製造例4)
処方を下記のものに変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作製した。
結晶性ポリエステル樹脂A1 55部
非結晶性ポリエステル樹脂B−H1 20部
非結晶性ポリエステル樹脂B−L1 25部
サリチル酸Zr塩(保土ヶ谷化学TN−105) 1部
脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス(Tg:83℃) 7部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 13部
トナーの温度28℃、相対湿度80%環境下での体積固有抵抗値LogRは9.3LogΩ・cm、昇温1回目の融解熱の最大ピーク温度は68℃、該最大ピークの融解熱量は14.5J/g、接線法ガラス転移温度は48℃であった。
(トナーの製造例5)
処方を下記のものに変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作製した。
結晶性ポリエステル樹脂A1 0部
非結晶性ポリエステル樹脂B−H1 20部
非結晶性ポリエステル樹脂B−L1 80部
サリチル酸Zr塩(保土ヶ谷化学TN−105) 1部
脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス(Tg:83℃) 7部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 13部
トナーの温度28℃、相対湿度80%環境下での体積固有抵抗値LogRは10.9LogΩ・cm、昇温1回目の融解熱の最大ピーク温度は82℃、該最大ピークの融解熱量は2J/g、接線法ガラス転移温度は63℃であった。
(キャリア)
(導電性微粒子製造例)
平均一次粒径が0.3μmの酸化アルミニウム(住友化学製AKP−30)100gを水1リットルに分散させ、得られた懸濁液を70℃に加温した。得られた懸濁液に、塩化第二錫100gと五酸化リン3gを2N塩酸1リットルに溶かした溶液と12質量%のアンモニア水とを、懸濁液のpHが7〜8になるように2時間かけて滴下した。滴下後、懸濁液を濾過、洗浄し、得られたケーキを110℃で乾燥した。乾燥後に得られた粉末を、窒素気流中で500℃1時間保持し、二酸化スズを37質量%含む(導電性微粒子1)を得た。
(芯材製造例)
MnCO3、Mg(OH)2及びFe23粉末をそれぞれ秤量し、混合して混合粉を得た。得られた混合粉を、900℃に加熱した電気炉内で3時間、大気雰囲気下で仮焼した。得られた仮焼物は、冷却後粉砕して、粒径が7μm程度の粉体を得た。得られた粉体に、1質量%分散剤と水を加え、スラリーとし、得られたスラリーは、スプレードライヤに供給して造粒し、平均粒径約40μmの造粒物を得た。得られた造粒物を焼成炉に装填し、窒素雰囲気下で1250℃、5時間焼成した。得られた焼成物を解砕機で解砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、体積平均粒径が約35μmの球形粒子を得た。得られた球形粒子を(芯材1)とする。芯材1の成分分析を行ったところ、MnO(46.2mol%)、MgO(0.7mol%)、Fe23(53mol%)であった。
芯材1の形状係数SF−1は140であり、形状係数SF−2は145であり、算術平均粗さRaは0.7μmであった。
芯材の形状係数は、FE−SEM(S−800、日立製作所製)を用いて300倍に拡大し、粒子を100個無作為にサンプリングし、その画像情報をインターフェースを介して、例えば、ニレコ社製画像解析装置(Luzex AP)に導入し解析を行うことで得られる。その際、下記式(1)及び式(2)によりSF−1が算出される。
SF−1=(L2/A)×(π/4)×100・・・(式(1))
SF−2=(P2/A)×(1/4π)×100・・・(式(2))
式中、Lは粒子の絶対最大長(外接円の長さ)、Pは粒子の周囲長、Aは粒子の投影面積を示す。
(キャリア製造例1)
3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン(東レダウコーニング株式会社製 Z−6020)の0.3質量%水溶液を、流動床型コーティング装置により(芯材1)に噴霧乾燥した。これにより、芯材質量に対して0.1質量%の3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランを塗布した(シランカップリング被覆芯材1)を作製した。塗布、乾燥時は、90℃に制御して行った。
シリコーン樹脂(SR2411 固形分20質量%、トーレダウコーニングシリコーン社製)100部、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン(東レダウコーニング Z−6020)1部、CF3(CF2)7CH2CH2SiMe(OMe)2 0.2部、(導電性微粒子1)50部とをトルエンで希釈した、固形分10質量%の樹脂溶液を作製した。(シランカップリング被覆芯材1)に対し、得られた樹脂溶液を、芯材表面における平均膜厚が0.3μmになるように、流動床型コーティング装置を使用して塗布、乾燥した。塗布、乾燥は、70℃に制御して行った。得られた個体を、電気炉中にて、230℃/2時間焼成し、体積固有抵抗が8.8×1010Ω・cmの(キャリア1)を得た。
(キャリア製造例2)
キャリア製造例1における、樹脂溶液塗布の平均膜厚を0.3μmから0.1μmに変更した以外は、キャリア製造例1と同様の工程でキャリアを製造し、体積固有抵抗が1.2×109Ω・cmの(キャリア2)を得た。
(キャリア製造例3)
キャリア製造例1における、樹脂溶液塗布の平均膜厚を0.3μmから0.5μmに変更した以外は、キャリア製造例1と同様の工程でキャリアを製造し、体積固有抵抗が1.1×1012Ω・cmの(キャリア3)を得た。
(キャリア製造例4)
キャリア製造例1における芯材へ3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランの0.3質量%水溶液の噴霧・乾燥を行わなかった以外は、キャリア製造例1と同様の工程でキャリアを製造し、体積固有抵抗が9.2×1010Ω・cmの(キャリア4)を得た。
(キャリア製造例5)
キャリア製造例1の樹脂溶液からCF3(CF2)7CH2CH2SiMe(OMe)2 0.2部、を除いた以外は、キャリア製造例1と同様の工程でキャリアを製造し、体積固有抵抗が8.6×1010Ω・cmの(キャリア5)を得た。
(キャリア製造例6)
キャリア製造例1における芯材へ3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランの0.3質量%水溶液の噴霧・乾燥を行わなかったこと、およびキャリア製造例1の樹脂溶液からCF3(CF2)7CH2CH2SiMe(OMe)2 0.2部、を除いたこと以外は、キャリア製造例1と同様の工程でキャリアを製造し、体積固有抵抗が8.8×1010Ω・cmの(キャリア6)を得た。
(キャリア製造例7)
キャリア製造例1において、芯材1への3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランの塗布量を、芯材質量に対して0.1質量%から5質量%に変更したこと、およびキャリア製造例1の樹脂溶液中のCF3(CF2)7CH2CH2SiMe(OMe)2 0.2部、を0.1部に変更したこと以外は、キャリア製造例1と同様の工程でキャリアを製造し、体積固有抵抗が9.0×1010Ω・cmの(キャリア7)を得た。
(キャリア製造例8)
キャリア製造例1において、芯材1への3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランの塗布量を、芯材質量に対して0.1質量%から0.01質量%に変更したこと、およびキャリア製造例1の樹脂溶液中のCF3(CF2)7CH2CH2SiMe(OMe)2 0.2部、を0.4部に変更したこと以外は、キャリア製造例1と同様の工程でキャリアを製造し、体積固有抵抗が8.7×1010Ω・cmの(キャリア8)を得た。
実施例1〜5、及び比較例1〜5
(現像剤の製造)
各製造例で得られたキャリア186gに対してトナーを14g加えて容量2Lのステンレス容器に入れ(トナー濃度7質量%)ターブラーミキサーで攪拌強度最強で10分間混合し現像剤1〜10を製造した。
Figure 2015114459
(実施例での評価法)
(定着下限および上限の評価)
デジタルフルカラー複写機(リコー社製imagioMP C4500)の定着部を改造した装置を用いて、タイプ6200紙(リコー社製)に複写テストを行った。
具体的には、定着温度を変化させてコールドオフセット温度(定着下限温度)及びホットオフセット温度(定着上限温度)を求めた。
評価条件は、紙送りの線速度を200〜220mm/秒、面圧を1.0kgf/cm2、ニップ幅を10.0mmとした。
定着下限温度は定着機の設定温度を2℃刻みで振って未定着画像を通紙し、コールドオフセットが発生しない最低温度を定着下限温度とし、ランク分けした。
100℃以上115℃未満 :○
115℃以上130℃未満 :△
130℃以上 :×
定着上限温度は定着機の設定温度を2℃刻みで振って未定着画像を通紙し、ホットオフセットが発生しない最高温度を定着上限温度とした。
190℃以上 :○
180℃以上190℃未満 :△
180℃未満 :×
(印刷機内での使用による現像剤劣化処理)
各実施例及び比較例で得られた現像剤を用いて初期の画像出しをした後、ImagioColor4000(株式会社リコー製)に現像剤を装着し、単色モードで10分間攪拌した。その後、画像面積7%のチャートを使用して10万枚のランニングを行い、試験終了後、下記に示す評価内容を評価した。
(帯電量)
帯電量率(%)
=2×{(現像剤劣化処理前の現像剤帯電量−現像剤劣化処理後の現像剤帯電量)/
(現像剤劣化処理前の現像剤帯電量+現像剤劣化処理後の現像剤帯電量)}×100
上式により、印刷機内での使用による現像剤劣化処理による帯電量の低下率を求め、下記評価基準で評価した。
尚、高温高湿(HHと表記、温度30℃、相対湿度80%)、もしくは低温低湿(LLと表記、温度10℃、相対湿度15%)下において、上記式の値を求めた。
10%未満 :○
10%以上30%未満 :△
30%以上 :×
トナーの帯電量は、以下の方法で測定することができる。図2に基づいてトナーの帯電量の測定方法を説明する。
まず、両端にステンレス製メッシュ101を備えた導体容器(ケージ)102に、一定量の現像剤を入れる。メッシュ101の目開きはトナー103とキャリア104の粒径の中間のもの(目開き20μm)を選び、トナー103がメッシュ101の間を通過するように設定する。ノズル105から圧縮窒素ガス(1kgf/cm2)106を60秒間吹き付けて、トナー103をゲージ102の外へ飛び出させると、ケージ内にトナーの電荷と逆極性を持ったキャリア104が残される。図2において107は電位計である。
トナーの電荷量Qと、飛び出したトナーの質量Mを測定し、単位質量当たりの電荷量を帯電量Q/Mとして算出する。トナー帯電量はμc/gで表示される。
(帯電量の立ち上がり評価)
LL環境にて各製造例で得られたキャリア186gに対してトナーを14g加えて容量2Lのステンレス容器に入れ(トナー濃度7質量%)ターブラーミキサーで攪拌強度最強で1分間混合し現像剤と10分混合した現像剤の帯電量を下記評価基準で評価した。
帯電量率(%)
=2×{(10分間混合した現像剤帯電量−1分間混合した現像剤帯電量)/
(10分間混合し現像剤帯電量+1分間混合し現像剤帯電量)}×100
10%未満 :○
10以上〜40%未満 :△
40%以上 :×(不良)
(高温高湿環境での現像剤放置試験)
印刷機内での使用による現像剤劣化処理した現像剤をHH環境で24時間放置し帯電量の低下率を求め、下記評価基準で評価した。
帯電量率(%)=2×{(放置前の現像剤帯電量−放置後の現像剤帯電量)/
(放置前の現像剤帯電量+放置後の現像剤帯電量)}×100
10%未満 :○
10以上〜30%未満 :△
30%以上 :×(不良)
Figure 2015114459
1a 電極
1b 電極
2 フッ素樹脂製容器
3 キャリア
101 メッシュ
102 導体容器(ケージ)
103 トナー
104 キャリア
105 ノズル
106 圧縮窒素ガス
107 電位計
20 静電潜像担持体
32 帯電手段
40 現像手段
61 クリーニングブレード
特許第2579150号公報 特開2001−158819号公報 特開平8−176310号公報 特開2005−15589号公報

Claims (9)

  1. トナーとキャリアとからなる現像剤であって、
    前記トナーは、温度28℃、相対湿度80%環境下での体積固有抵抗値LogRが9.5(Log(Ω・cm))以上10.5(Log(Ω・cm))以下であり、
    前記キャリアは、芯材の表面に被覆層を有し、該被覆層は、トナーに負帯電を付与する物質を含む複数層からなり、その厚み方向、芯材表面に向かって前記トナーに負帯電を付与する物質の濃度が増加するように形成され、更にキャリアの最表面となる被覆層にはトナーに正帯電を付与する物質が含有されてなる
    ことを特徴とする現像剤。
  2. 前記トナーに負帯電を付与する物質が、シランカップリング剤であり、前記キャリアは、芯材の表面に前記シランカップリング剤による被覆層を、その上に、前記シランカップリング剤とトナーに正帯電を付与する物質とシリコーン樹脂とを含む被覆層を有することを特徴とする請求項1に記載の現像剤。
  3. 前記トナーに負帯電を付与するシランカップリング剤がアミノシランカップリング剤であることを特徴とする請求項2に記載の現像剤。
  4. 前記トナーに正帯電を付与する物質が、フッ素を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の現像剤。
  5. 前記キャリアの芯材の算術平均粗さRaが0.6μm以上0.9μm以下であり、かつ前記シランカップリング剤とトナーに正帯電を付与する物質とシリコーン樹脂とを含む被覆層が導電性微粒子を含有し、前記被覆層の、導電性微粒子を除く樹脂部分の平均膜厚が0.1μm以上0.5μm以下であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の現像剤。
  6. 前記トナーの示差走査熱量計(DSC)により測定される接線法ガラス転移温度が45℃以上65℃以下、昇温1回目の融解熱の最大ピーク温度が55℃以上80℃以下であり、且つ、該最大ピークの融解熱量が4J/g以上14J/g以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の現像剤。
  7. 前記キャリアの温度23℃、相対湿度55%環境下での体積固有抵抗が1×109Ω・cm以上1×1012Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の現像剤。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の現像剤を含むことを特徴とする補給用現像剤。
  9. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、前記静電潜像担持体をクリーニングするクリーニング手段とが一体に支持され、画像形成装置本体に着脱可能であるプロセスカートリッジであって、前記現像手段が、請求項1〜7のいずれか一項に記載の現像剤を用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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