JP2007114398A - 電子写真用トナー - Google Patents

電子写真用トナー Download PDF

Info

Publication number
JP2007114398A
JP2007114398A JP2005304614A JP2005304614A JP2007114398A JP 2007114398 A JP2007114398 A JP 2007114398A JP 2005304614 A JP2005304614 A JP 2005304614A JP 2005304614 A JP2005304614 A JP 2005304614A JP 2007114398 A JP2007114398 A JP 2007114398A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester resin
mass
toner
parts
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005304614A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007114398A5 (ja
JP4665707B2 (ja
Inventor
Satoshi Yoshida
聡 吉田
Shinpei Takagi
慎平 高木
Noriyuki Mizutani
則之 水谷
Hideo Maehata
英雄 前畑
Hiroyuki Tanaka
浩之 田中
Masaru Takahashi
賢 高橋
Soichiro Kitagawa
聡一郎 北川
Susumu Yoshino
進 吉野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2005304614A priority Critical patent/JP4665707B2/ja
Publication of JP2007114398A publication Critical patent/JP2007114398A/ja
Publication of JP2007114398A5 publication Critical patent/JP2007114398A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4665707B2 publication Critical patent/JP4665707B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】低温定着性、画像光沢性、現像剤の長寿命化を両立する電子写真用トナーの提供。
【解決手段】結着樹脂と着色剤と離型剤とを少なくとも含有するコア粒子と、前記コア粒子を被覆するシェル層とを含む構造を有し、コア粒子に含有される結着樹脂の75質量%以上がポリエステル樹脂Aであり、シェル層の75質量%以上がポリエステル樹脂Bであり、ポリエステル樹脂A中及びポリエステル樹脂B中のイソフタル酸量又はドデセニルコハク酸量が式(1)を満たし、且つポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Bのソルビリティーパラメータ(SP値)が式(2)を満たす電子写真用トナー。
ポリエステル樹脂A中のイソフタル酸量又はドデセニルコハク酸量>ポリエステル樹脂B中のイソフタル酸量又はドデセニルコハク酸量 式(1)
0.15(J/cm1/2<(ポリエステル樹脂BのSP値−ポリエステル樹脂AのSP値)<1.7(J/cm1/2 式(2)
【選択図】なし

Description

本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真プロセスを利用した機器、特にカラー複写機に使用される電子写真用トナー(以下、単に「トナー」と称することがある。)に関する。
電子写真プロセスとしては、従来から数多くの方式が知られている(例えば、特許文献1参照。)。電子写真プロセスにおいては、光導電性物質を利用した感光体上に種々の手段により電気的に潜像を形成し、この潜像を、トナーを用いて現像し、感光体上のトナー潜像を、中間転写体を介して又は介さずに、紙等の被転写フィルムにトナー画像を転写した後、この転写画像を加熱、加圧、加熱加圧あるいは溶剤蒸気等により定着する、という複数の工程を経て、定着画像が形成される。感光体上に残ったトナーは必要により種々の方法でクリーニングされ、前記複数の工程が繰り返される。近年、電子写真分野の技術進化により、このような電子写真プロセスは複写機、プリンターのみならず、印刷用途にも使用されるようになり、装置の高速化、高信頼性はもとより、複写物が印刷物同等の高画質、色相を有することがますます厳しく要求されてきており、トナーとしては高光沢性、高発色性、高速化に対応した耐高ストレス適性、高寿命が重要特性である。特に近年は省エネが重要となっており、電子写真プロセスにおいては、最も電力消費が多い定着工程での消費電力削減も大きな課題となっている。
低温定着性とトナー保管性を両立するために、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下「GPC」と称す)で測定される数平均分子量Mnが1000から4000で、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比、Mw/Mnが45以上の樹脂を用いたカラートナーが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。他にも結着樹脂のレオロジー特性に着目した技術が多数開示されているが、近年の高速化、低温定着化の要求に対しては限界に来ている。
これにかわる手段として、低温定着性をもたせたトナー母体粒子表面を重合体で覆い、トナー保管性と低温定着性の両立を狙った、いわゆるカプセル型のトナーが研究され、製造方法として各種の方法が提案されている。
例えば、トナー母体粒子表面に重合体微粒子を付着させる技術が開示されている(例えば、特許文献3又は4参照。)。これらはいずれも湿式処理法である。また、トナー母体粒子表面に微粒子を静電的に付着させ、これを機械的衝撃力により固着させるという方法が開示されている(例えば、特許文献5又は6参照。)。いずれも後処理によってシェル層を形成するものであるが、コアとシェルの付着力が弱く、現像機内のストレスなどによりシェルが脱離してしまう問題がある。
微粒子を付着させたあと、溶剤蒸気により固着させる方法が開示されている(例えば、特許文献7参照。)。しかし、溶剤蒸気や乾燥時に加わる熱により、コアとシェルが相溶してしまい、コア成分がトナー表面に露出してしまう、という問題がある。また、トナー同士が融着し、粗粉の発生や粒度分布が変化するという問題がある。
ビニル系重合体からなる芯粒子を造粒し、芯粒子の表面に、芯粒子を形成する重合体よりもガラス転移温度が高く、より親水性の単量体を重合する方法が開示されている(例えば、特許文献8参照。)。しかし、シェル層を重合する前段階で、芯粒子の内部まで親水性の単量体が浸透してしまうため、コアとシェルの相溶が進んでしまう。また、親水性の重合体を使うため、水相に出やすいためシェル表面に偏在させやすくはなるものの、その親水基のために、帯電環境安定性が悪化し、現像剤寿命が低下する。
多官能エステル化合物、フィッシャートロプシュワックス及び着色剤を含有する着色重合体粒子からなるコア粒子が、該コア粒子を構成する重合体成分のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有する重合体からなるシェルで被覆されているコア、シェル型構造の重合トナーを用いることで、低温定着性とトナー保存性を両立する技術が開示されている(例えば、特許文献9参照。)。
しかしながら、コアとシェルの相溶性については開示されておらず、コア層とシェル層の相溶性が高ければコア材料がトナー表面に露出し、逆にコア層とシェル層の相溶性が低ければシェルが脱離するなどの問題が発生するという、トレードオフの関係は崩せない。また、コアとシェルの相溶性が悪いと定着後の画像強度が低下するという問題も生ずる。また、コア層とシェル層の相溶性が低い条件でシェルにTgが80℃以上の樹脂を用いると、定着特性はシェル用樹脂の定着特性の影響が大きくなりトナーとしての低温定着性が悪化する。
コアに結晶性物質を含有し、シェル層にソルビリティ−パラメーターが18×10-31/23/2以上である材料を含有する方法が開示されている(例えば、特許文献10参照。)。しかし、単純に、シェル用樹脂のソルビリティ−パラメーターを高くするとシェルが脱離するなどの問題が発生してしまう。
特に結着樹脂にポリエステル樹脂を用いて湿式製法によりトナーを作製する場合、ポリエステル樹脂は、スチレンアクリル系樹脂に比べて、エステル基や末端のカルボン酸、水酸基による親水性の影響で、帯電量、帯電の環境安定性を得ることが難しい傾向にある。そのため、コアとシェルの相溶性をより厳しく制御する必要がある。
特公昭42−23910号公報 特開平4−240660号公報 特開昭57−45558号公報 特開平1−257853号公報 特開平2−186363号公報 特開平4−188155号公報 特開平4−182660号公報 特開昭61−118758号公報 特開平11−218960号公報 特開平9−218535号公報
以上のように、トナーにシェル層を形成する場合、最近の小型化、高速化による高ストレスによりコア層とシェル層が脱離する、シェル層の強度を高めると画像光沢性や低温定着性が低下する、コア層とシェル層の相溶性を高めるとトナーの内添物が表面に露出するのを防止する効果が低くなることから現像剤の寿命が短くなってしまう、という問題があった。また、トナーの内添物、特に離型剤が、トナーの表面に露出すると、粉体特性や帯電性を低下させる問題があった。
本発明は、上記課題に対してなされたものであり、トナー内添物の表面への露出やシェル層の脱離などの問題を防止しつつ、低温定着性、画像光沢性、現像剤の長寿命化を両立する電子写真用トナーを提供することを目的とする。
即ち、本発明は、
<1> 結着樹脂と着色剤と離型剤とを少なくとも含有するコア粒子と、前記コア粒子を被覆するシェル層とを含む構造を有する電子写真用トナーであって、前記コア粒子に含有される結着樹脂の75質量%以上がポリエステル樹脂Aであり、前記シェル層の75質量%以上がポリエステル樹脂Bであり、前記ポリエステル樹脂A中及び前記ポリエステル樹脂B中のイソフタル酸量が下記式(1)を満たし、且つ前記ポリエステル樹脂A及び前記ポリエステル樹脂Bのソルビリティーパラメータ(SP値)が下記式(2)を満たす電子写真用トナーである。
ポリエステル樹脂A中のイソフタル酸量>ポリエステル樹脂B中のイソフタル酸量 式(1)
0.15(J/cm31/2<(ポリエステル樹脂BのSP値−ポリエステル樹脂AのSP値)<1.7(J/cm31/2 式(2)
<2> 結着樹脂と着色剤と離型剤とを少なくとも含有するコア粒子と、前記コア粒子を被覆するシェル層とを含む構造を有する電子写真用トナーであって、前記コア粒子に含有される結着樹脂の75質量%以上がポリエステル樹脂Cであり、前記シェル層の75質量%以上がポリエステル樹脂Dであり、前記ポリエステル樹脂C中及び前記ポリエステル樹脂D中のドデセニルコハク酸量が下記式(3)を満たし、且つ前記ポリエステル樹脂C及び前記ポリエステル樹脂Dのソルビリティーパラメータ(SP値)が下記式(4)を満たす電子写真用トナーである。
ポリエステル樹脂C中のドデセニルコハク酸量>ポリエステル樹脂D中のドデセニルコハク酸量 式(3)
0.15(J/cm31/2<(ポリエステル樹脂DのSP値−ポリエステル樹脂CのSP値)<1.7(J/cm31/2 式(4)
<3> クロロホルム可溶分中のIPC発光分光によるチタン含有量が5〜300ppmである<1>又は<2>に記載の電子写真用トナーである。
<4> 前記コア粒子中に、結着樹脂として示差走査熱量計で測定される吸熱曲線から解析される吸熱ピーク温度が50〜80℃にあるポリエステル樹脂Eをさらに含有する<1>乃至<3>のいずれか1つに記載の電子写真用トナーである。
本発明の発明者らは、ポリエステル樹脂の構造と相溶性に関して検討した。相溶性に関わる因子として、従来から知られているSP値があり、実際にSP値が近いほど相溶性が良い傾向があるが、その関係から外れるものが存在することが明らかとなった。さらに詳細に検討した結果、イソフタル酸又はドデセニルコハク酸を用いると同じSP値でも樹脂の相溶性が向上することを見出した。
このメカニズムを本発明者らは以下のように推定している。ドデセニルコハク酸は側鎖として長いC−C鎖長が存在するために分子の直線性が低下し、分子間距離が増大することから、相溶性が向上すると考えられる。また、イソフタル酸はメタ位にカルボン酸が位置するため、テレフタル酸に比べて分子の直線性が低下し、分子間距離が増大することから、相溶性が向上すると考えられる。同様にオルトフタル酸はイソフタル酸以上に分子間距離を増大させるが、分子の屈曲性が上がりすぎてホットオフセット性が悪化する、ガラス転移温度が低下する場合があるため、イソフタル酸のほうが好ましい。
コア粒子の材料にイソフタル酸又はドデセニルコハク酸を主体とするポリエステル樹脂を用いることで、離型剤などの内添物との相溶性が向上するが、ここでの相溶性とは、ポリエステル樹脂と離型剤が完全に混ざり合うというのではなく、基本的には非相溶であるが、材料間の界面で、分子レベルで相溶しているような状態を指している。
一方、シェル層を形成するポリエステル樹脂との相溶性も同様に考えることができ、SP値を離すことでバルクで見ると非相溶ではあるが、界面をミクロに見ると相溶しているという状態を形成し、コア粒子とシェル層との接着性を向上させることができる。また、離型剤とシェル層用樹脂との相溶性も低いため、離型剤がトナーの外部へ露出するのを防止する効果もある。従来は、架橋構造などによりシェル自体の強度を上げることでシェルの脱離を防止していたが、本発明の方法を用いることで、シェル自体の強度を上げる必要がなく、低温定着性や画像の光沢性を向上させることができる。
また、この効果は、トナー中にチタン系化合物を含有することで、より向上させることができる。このメカニズムは明らかにされてはいないが、本発明者らは以下のように推定している。このチタン系化合物は、ポリエステル樹脂の重縮合触媒由来のものであるが、チタン系重縮合触媒は、一般に、ポリエステル樹脂のエステル交換反応用触媒として用いられており、重合反応を促進する一方で、分解反応も誘発することで、エステル交換を起こしている。トナー作成時の合一工程で加わる熱によって、このエステル交換反応がゆるやかではあるが起こることにより、コア粒子中の結着樹脂とシェル層を構成する樹脂の界面でエステル交換が行われ、結果として相溶性が向上し、コア粒子とシェル層との剥離を防止する効果が向上すると推定している。
本発明によれば、トナー内添物の表面への露出やシェル層の脱離などの問題を防止しつつ、低温定着性、画像光沢性、現像剤の長寿命化を両立する電子写真用トナーを提供することができる。
以下、本発明の電子写真用トナー(以下、本発明のトナーと称することがある。)について詳細に説明する。
本発明の第一の電子写真用トナー(以下、本発明の第一のトナーと称することがある。)は、結着樹脂と着色剤と離型剤とを少なくとも含有するコア粒子と、前記コア粒子を被覆するシェル層とを含む構造を有する電子写真用トナーであって、前記コア粒子に含有される結着樹脂の75質量%以上がポリエステル樹脂Aであり、前記シェル層の75質量%以上がポリエステル樹脂Bであり、前記ポリエステル樹脂A中及び前記ポリエステル樹脂B中のイソフタル酸量が下記式(1)を満たし、且つ前記ポリエステル樹脂A及び前記ポリエステル樹脂Bのソルビリティーパラメータ(SP値)が下記式(2)を満たすものである。
ポリエステル樹脂A中のイソフタル酸量>ポリエステル樹脂B中のイソフタル酸量 式(1)
0.15(J/cm31/2<(ポリエステル樹脂BのSP値−ポリエステル樹脂AのSP値)<1.7(J/cm31/2 式(2)
コア粒子中に含有される結着樹脂中のポリエステル樹脂A量は85質量%以上が好ましく、95質量%以上がさらに好ましい。
また、シェル層中のポリエステル樹脂B量は85質量%以上が好ましく、95質量%以上がさらに好ましい。
本発明の第一のトナーにおいて、ポリエステル樹脂中のイソフタル酸量とはポリエステル樹脂を構成するカルボン酸の総量におけるイソフタル酸の割合(モル%)をいう。本発明の第一のトナーが式(1)を満たさないと、コア樹脂と離型剤とのミクロな相溶性が低下するため、画像強度の低下や、離型剤がトナー表面へ露出する、という問題が発生する場合がある。加えて、シェル樹脂中のイソフタル酸の屈曲性によりトナーの熱保管性が悪化する場合がある。
ここで、ポリエステル樹脂A、もしくはポリエステル樹脂Bは、それぞれ、コア粒子もしくはシェル層中に含まれるポリエステル樹脂の総量を示している。例えば、ポリエステル樹脂Aが、ポリエステル樹脂A−1とポリエステル樹脂A−2とからなる場合は、その合計量がポリエステル樹脂Aとなる。SP値についても同様であり、例えば、ポリエステル樹脂Aが、SP値が20(J/cm31/2のポリエステル樹脂A−1が80質量%と、SP値が22(J/cm31/2のポリエステル樹脂A−2が20質量%とからなる場合は、ポリエステル樹脂AのSP値は、20×0.8+22×0.2で、20.4(J/cm31/2となる。イソフタル酸量も同じく、例えば、イソフタル酸を酸成分として50モル%含むポリエステル樹脂A−1が80質量%と、イソフタル酸を含まないポリエステル樹脂A−2が20質量%とからなる場合、ポリエステル樹脂A中のイソフタル酸量は、50×0.8+0×0.2で40モル%と計算される。
本発明の第一のトナーにおいては、ポリエステル樹脂A中のイソフタル酸量とポリエステル樹脂B中のイソフタル酸量との差は15〜85モル%が好ましく、25〜75モル%がさらに好ましい。
本発明の第一又は第二のトナーにおいて、ポリエステル樹脂のSP値とは、原子団の加成性を利用したFedorsらの方法[Polym. Eng. Sci., vol14, p147 (1974)]を用いてモノマー構成より計算でき、下記式(5)で定義される値をいう
SP値 =(ΔE/V)1/2=(ΣΔei / ΣΔvi)1/2 式(5)
但し、式(5)において、SPはソルビリティーパラメーターを表し、ΔEは凝集エネルギー(cal/mol)を表し、Vはモル体積(cm3/mol)を表し、Δeiはi番目の原子又は原子団の蒸発エネルギー(cal/原子又は原子団)を表し、Δviはi番目の原子又は原子団のモル体積(cm3/原子又は原子団)を表し、iは1以上の整数を表す。
なお、式(5)で表されるSP値は、慣行としてその単位が(cal/cm31/2となるように求められ、且つ、無次元で表記されるものである。これに加えて、本発明においては、2つの化合物間におけるSP値の相対的な差が意義を持つため、本発明においては、上記した慣行に従い求められた値を用い、無次元で表記することとした。
なお、参考までに、式(5)で示されるSP値を(J/cm31/2に換算する場合には2.046を、SI単位(J/m31/2に換算する場合には、2046を乗ずればよい。
本発明の第一のトナーにおいて、(ポリエステル樹脂BのSP値−ポリエステル樹脂AのSP値)の値が0.15(J/cm31/2未満であると、SP値が近いことから樹脂のバルクの相溶性が高くなるためトナーの熱保管性が悪化する、離型剤がトナー表面へ露出することにより帯電性やトナー粉体流動性が低下する場合がある。
また、(ポリエステル樹脂BのSP値−ポリエステル樹脂AのSP値)の値が1.7(J/cm31/2よりも大きいと、SP値が離れていることから樹脂のバルクの相溶性が低下するため、現像ストレスなどによりシェル層が脱離したり、定着画像の強度が低下する場合がある。
本発明の第一のトナーにおいて、ポリエステル樹脂AのSP値とポリエステル樹脂BのSP値との関係は、0.2(J/cm31/2<(ポリエステル樹脂BのSP値−ポリエステル樹脂AのSP値)<1.5(J/cm31/2が好ましく、0.3(J/cm31/2<(ポリエステル樹脂BのSP値−ポリエステル樹脂AのSP値)<1.2(J/cm31/2がさらに好ましい。
また、本発明の第二の電子写真用トナー(以下、本発明の第二のトナーと称することがある。)は、本発明の第一のトナーに係るポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Bの代わりにポリエステル樹脂C及びポリエステル樹脂Dを用い、ポリエステル樹脂C中及びポリエステル樹脂D中のドデセニルコハク酸量が下記式(3)を満たし、且つポリエステル樹脂C及びポリエステル樹脂Dのソルビリティーパラメータ(SP値)が下記式(4)を満たすものである。
ポリエステル樹脂C中のドデセニルコハク酸量>ポリエステル樹脂D中のドデセニルコハク酸量 式(3)
0.15(J/cm31/2<(ポリエステル樹脂DのSP値−ポリエステル樹脂CのSP値)<1.7(J/cm31/2 式(4)
コア粒子中に含有される結着樹脂中のポリエステル樹脂C量は85質量%以上が好ましく、95質量%以上がさらに好ましい。
また、シェル層中のポリエステル樹脂D量は85質量%以上が好ましく、95質量%以上がさらに好ましい。
本発明の第二のトナーにおいて、ポリエステル樹脂中のドデセニルコハク酸量とはポリエステル樹脂を構成するカルボン酸の総量におけるドデセニルコハク酸の割合(モル%)をいう。本発明の第二のトナーが式(3)を満たさないと、コア樹脂と離型剤とのミクロな相溶性が低下するため、画像強度の低下や、離型剤がトナー表面へ露出する、という問題が発生する場合がある。加えて、シェル樹脂中のドデセニルコハク酸の屈曲性によりトナーの熱保管性が悪化する場合がある。
本発明の第二のトナーにおいては、ポリエステル樹脂C中のドデセニルコハク酸量とポリエステル樹脂D中のドデセニルコハク酸量との差は5〜50モル%が好ましく、10〜35モル%がさらに好ましい。
本発明の第二のトナーにおいて、(ポリエステル樹脂DのSP値−ポリエステル樹脂CのSP値)の値が0.15(J/cm31/2未満であると、SP値が近いことから樹脂のバルクの相溶性が高くなるためトナーの熱保管性が悪化する、離型剤がトナー表面へ露出することにより帯電性やトナー粉体流動性が低下する場合がある。
また、(ポリエステル樹脂DのSP値−ポリエステル樹脂CのSP値)の値が1.7(J/cm31/2より大きいと、SP値が離れていることから樹脂のバルクの相溶性が低下するため、現像ストレスなどによりシェル層が脱離したり、定着画像の強度が低下する場合がある。
本発明の第二のトナーにおいて、ポリエステル樹脂CのSP値とポリエステル樹脂DのSP値との関係は、0.2(J/cm31/2<(ポリエステル樹脂DのSP値−ポリエステル樹脂CのSP値)<1.5(J/cm31/2が好ましく、0.3(J/cm31/2<(ポリエステル樹脂DのSP値−ポリエステル樹脂CのSP値)<1.2(J/cm31/2がさらに好ましい。
以下、本発明の電子写真用トナーに用いられる各種材料について説明する。
−結着樹脂−
本発明に用いられる結着樹脂の一種であるポリエステル樹脂としては、非晶性ポリエステル樹脂が好ましい。ここで「非晶性ポリエステル樹脂」とはDSCチャートにおいて、Tgに対応した吸熱点の他に、結晶融点に対応した吸熱ピークを示さないポリエステル樹脂を意味する。
ポリエステル樹脂に用いるイソフタル酸又はドデセニルコハク酸以外の他のモノマーとしては、特に限定は無く、例えば、高分子データハンドブック : 基礎編」(高分子学会編 : 培風館)に記載されているようなモノマー成分である、従来公知の2価又は3価以上のカルボン酸と、2価又は3価以上のアルコールがある。
これらのモノマー成分の具体例としては、2価のカルボン酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステル、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸などが挙げられる。
3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
この中でも、前述した相溶性の観点から、本発明の第一のトナーにコア用ポリエステル樹脂として用いられるポリエステル樹脂Aはイソフタル酸を酸成分中の20〜80モル%含むことが好ましく30〜70モル%含むことがさらに好ましい。20モル%よりも少ないと相溶の効果が小さく、80モル%よりも多いと樹脂強度が低下しすぎたり、ホットオフセットが悪化する場合がある。ポリエステル樹脂Bは、イソフタル酸を酸成分中の50モル%以下含むことが好ましく、20モル%以下含むことがさらに好ましい。なお、ポリエステル樹脂Bは、イソフタル酸を含まないことがもっとも好ましいが、カルボン酸成分がテレフタル酸や直線性の高いモノマーで構成されると、アルコールモノマーとの組み合わせ次第では結晶性を有したり、Tgが上がりすぎたりすることがあり、この場合はイソフタル酸を併用することで結晶性やTgを調整することができる。
また、前述した相溶性の観点から、本発明の第二のトナーにコア用ポリエステル樹脂として用いられるポリエステル樹脂Cはドデセニルコハク酸を酸成分中の5〜50モル%含むことが好ましく10〜35モル%含むことがさらに好ましい。5モル%よりも少ないと相溶の効果が小さく、50モル%よりも多いと樹脂強度が低下しすぎたり、ホットオフセットが悪化する場合がある。ポリエステル樹脂Dは、ドデセニルコハク酸を酸成分中の10モル%以下含むことが好ましく、5モル%以下含むことがさらに好ましい。なお、ポリエステル樹脂Dは、ドデセニルコハク酸を含まないことがもっとも好ましいが、カルボン酸成分がテレフタル酸や直線性の高いモノマーで構成されると、アルコールモノマーとの組み合わせ次第では結晶性を有したり、Tgが上がりすぎたりすることがあり、この場合はドデセニルコハク酸を併用することで結晶性やTgを調整することができる。
2価のアルコールとしては、例えば、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド又は(及び)プロピレンオキシド付加物などのビスフェノール誘導体、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの環状脂肪族アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの線状ジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなどの分岐型ジオールなどが挙げられ、帯電性や強度の観点からビスフェノールAのエチレンオキシド又は(及び)プロピレンオキシド付加物が主体として用いられる。
また、3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられるが、低温定着性や画像光沢性の観点から、3価以上の架橋性単量体の使用量は全単量体量の10モル%以下であることが好ましい。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調製等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価のアルコールも使用することができる。
ポリエステル樹脂は、前記のモノマー成分の中から任意の組合せで、例えば、重縮合(化学同人)、高分子実験学(重縮合と重付加:共立出版)やポリエステル樹脂ハンドブック(日刊工業新聞社編)等に記載の従来公知の方法を用いて合成することができ、エステル交換法や直接重縮合法等を単独で、又は組み合せて用いることができる。
具体的には、重合温度140〜270℃の間で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助溶剤として加え溶解させてもよい。
重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーと、そのモノマーと重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、直接重縮合の場合、通常0.9/1から1/0.9である。エステル交換反応の場合は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールなど真空下で脱留可能なモノマーを過剰に用いる場合が多い。
ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物、亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物、亜リン酸化合物、リン酸化合物、及び、アミン化合物等が挙げられ、具体的には、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
本発明においては、この中でも、チタン系触媒を用いることが好ましい。2種以上併用することもでき、その場合は、ジブチルスズオキシドなどのスズ系触媒を用いることが、帯電性の観点から好ましい。
ポリエステル樹脂はその酸価が2〜25KOHmg/g、水酸基価が5〜40KOHmg/gであることが好ましい。
本発明に用いられるポリエステル樹脂の分子量としては、重量平均分子量(Mw)が5000〜150000のものを用いることができるが、特に画像光沢度の高い画像を得るためには、Mwが5000〜30000、Mnが2000〜10000であることが好ましく、Mwが6000〜20000、Mnが2500〜7500であることがより好ましい。分子量分布の指標であるMw/Mnは、2から10であることが好ましい。Mw及びMnが高すぎると発色性が悪くなってしまう事が有り、Mw及びMnが低すぎると定着後の画像強度が得られにくくなる。これは、ホットオフセットが悪化するからである。
前記分子量及び分子量分布は、それ自体公知の方法で測定することができるが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(以下「GPC」と略記する)により測定するのが一般的である。
分子量分布は以下の条件で測定した。GPC装置として、東ソー(株)HLC−8120GPC、SC−8020装置を用い、カラムはTSK gei, SuperHM−H(6.0mmID×15cm×2)を用い、溶離液として和光純薬社製クロマトグラフ用THF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、検量線はA−500、F−1、F−10、F−80、F−380、A−2500、F−4、F−40、F−128、F−700の10サンプルから作製した。また試料解析におけるデータ収集間隔は300msとした。
ポリエステル樹脂以外に結着樹脂として使用可能な樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸及びそのエステル化物、が挙げられる。この場合使用できる単量体としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類:アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類:アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類:ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類:ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類:エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン類:などの単量体の重合体、これらを2種以上組み合せて得られる共重合体又はこれらの混合物を挙げることができ、さらにはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、あるいはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物やこれらの共存下でビニル系単量体を重合する際に得られるグラフト重合体等も使用できる。中でも、帯電性や定着性の観点で、スチレンアクリル共重合樹脂、特にスチレンブチルアクリレート共重合樹脂が好ましい。
本発明において、結着樹脂は実質的にテトラヒドロフラン(以下「THF」と称する)不溶分が全結着樹脂成分中10質量%以下であることが好ましい。THF不溶分が多い場合には耐オフセット性は向上するが、画像の光沢性が損なわれると共に、OHP光透過性が損なわれるからである。
THF不溶分は、樹脂をTHFに10質量%程度の濃度で加熱溶解させ、メンブランフィルター等で濾過し、フィルター残留分を乾燥し重量を測定することで測定することができる。
本発明の結着樹脂は、ガラス転移温度が、30℃〜90℃の範囲のものを用いることが好ましい。(コア粒子用樹脂のガラス転移温度)<(シェル層用樹脂のガラス転移温度)の関係にあることが、低温定着性の観点でこのましい。
コア粒子用樹脂のガラス転移温度は、30〜60℃、シェル層用樹脂のガラス転移温度は、50〜90℃の範囲にあることが好ましい。
ガラス転移温度が低いとトナーの保管性やフィルミングなどが悪化し、ガラス転移温度が高すぎると低温定着性が悪化する。
樹脂のガラス転移温度は、例えば、示差走査熱量計(マックサイエンス社製:DSC3110、熱分析システム001)(以下「DSC」と略記する)を用いて、0から150℃まで10℃/分で昇温し、150℃で5分間ホールドし、150℃から0℃まで液体窒素を用いて−10℃/分で降温し、0℃で5分間ホールドし、再度0℃から150まで10℃/分で昇温して得られた、2度目の昇温時の吸熱曲線から解析したオンセット温度と定義できる。
本発明に用いられる結着樹脂は、結着樹脂の損失弾性率G”(測定周波数1rad/s、歪み量20%以下)が10000Paとなる温度をTmとした時に、Tmが80〜150℃の範囲にあることが好ましい。
ここで結着樹脂の損失弾性率は以下のようにして測定される。測定装置は、レオメトリックス社製のレオメーター、商品名「RDA II」(RHIOSシステムver.4.3)を用い、測定用プレートは直径8mmのパラレルプレートを用い、ゼロ点調整温度90℃、プレート間ギャップ3.5mm、昇温速度毎分1℃、初期測定歪み0.01、測定開始温度30℃で、温度上昇と共に検出トルクが10gcm程度になるように歪みを適宜調節し、最大歪みを20%までとし、検出トルクが測定保証値の下限を下回った時点で測定終了とした。
また、本発明に用いられるポリエステル樹脂は、軟化点が80〜140℃であることが好ましく、より好ましくは95〜135℃である。ポリエステル樹脂の軟化点が80℃未満であると、定着後及び保管時のトナー及びトナーの画像安定性が悪化する場合がある。一方、軟化点が140℃を超えると、低温定着性が悪化してしまう場合がある。
本発明において、ポリエステル樹脂の軟化点は、フローテスター(島津社製: CFT−500C)を用いて、サンプル量:1.05g、予熱:65℃で300sec,プランジャー圧力:0.980665MPa,ダイサイズ:1mmφ,昇温速度:1.0℃/minの条件下で測定された、溶融開始温度と溶融終了温度との中間温度を指す。
本発明では、低温定着性向上のために結着樹脂として結晶性樹脂を併用することができる。結晶性樹脂は非晶性樹脂との相溶性の観点から、結晶性ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸ベヘニル等の長鎖アルキル、アルケニルの(メタ)アクリル酸エステルを1種単独もしくは2種以上を併用したビニル系樹脂、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類等が用いられ、中でも結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂は、酸(ジカルボン酸)成分とアルコール(ジオール)成分とから合成されるものであり、本発明において、「結晶性ポリエステル樹脂」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものを指す。また、結晶性ポリエステル主鎖に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が50質量%以下の場合、この共重合体も結晶性ポリエステルと呼ぶ。以降の説明においては、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を「酸由来構成成分」と、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を「アルコール由来構成成分」と、それぞれ示す。
−酸由来構成成分−
酸由来構成成分は、脂肪族ジカルボン酸が望ましく特に直鎖型のカルボン酸が望ましい。直鎖型のカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸、など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられる。中でも、炭素数6から10のものが結晶融点や帯電性の観点から好ましい。結晶性を高めるためには、これら直鎖型のジカルボン酸を、酸構成成分の95モル%以上用いることが好ましく、98モル%以上用いることがより好ましい。
その他のモノマーとしては、特に限定は無く、例えば、高分子データハンドブック : 基礎編」(高分子学会編 : 培風館)に記載されているようなモノマー成分である、従来公知の2価又のカルボン酸と、2価のアルコールがある。これらのモノマー成分の具体例としては、2価のカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の二塩基酸、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記酸由来構成成分としては、前述の脂肪族ジカルボン酸由来構成成分のほか、スルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分等の構成成分が含まれているのが好ましい。
前記スルホン酸基を持つジカルボン酸は、顔料等の色材の分散を良好にできる点で有効である。また樹脂全体を水に乳化或いは懸濁して、トナー母粒子を微粒子に作製する際に、スルホン酸基があれば、後述するように、界面活性剤を使用しないで乳化或いは懸濁が可能である。このようなスルホン基を持つジカルボン酸としては、例えば、2−スルホテレフタル酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、スルホコハク酸ナトリウム塩等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でも、コストの点で、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩等が好ましい。前記スルホン酸基を持つジカルボン酸の含有量は0.1から2.0モル%であることが好ましく、0.2から1.0モル%であることが好ましい。含有量が2モル%よりも多いと、帯電性が悪化する。尚、本発明において「構成モル%」とは、ポリエステル樹脂における各構成成分(酸由来構成成分、アルコール由来構成成分)をそれぞれ1単位(モル)したときの百分率を指す。
−アルコール由来構成成分−
アルコール構成成分としては脂肪族ジアルコールが望ましく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9―ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ドデカンジオール、1,12−ウンデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、などが挙げられ、中でも炭素数2から10のものが結晶融点や帯電性の観点から好ましい。結晶性を高めるためには、これら直鎖型のジアルコールを、アルコール構成成分の95モル%以上用いることが好ましく、98モル%以上用いることがより好ましい。
その他の2価のジアルコールとしては、例えば、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド又は(及び)プロピレンオキシド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調製等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価のアルコールや、ベンゼントリカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステル、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど3価のアルコールも使用することができる。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、前記非晶性ポリエステル樹脂と同様にして合成することができる。
前記ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としても、前記非晶性ポリエステル樹脂と同様のものを用いることができる。
本発明の結晶性ポリエステル樹脂の融点は50〜120℃であり、好ましくは60〜110℃である。融点が50℃より低いとトナーの保存性や、定着後のトナー画像の保存性が問題となる。また、120℃より高いと、従来のトナーに比べて十分な低温定着が得られない。尚、本発明において、前記結晶性ポリエステル樹脂の融点の測定は、前記非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度測定と同様の方法で、JIS K−7121に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めることができる。尚、結晶性の樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、本発明においては、最大のピークをもって融点とみなす。
前記結晶性ポリエステル樹脂を添加する場合は、結着樹脂中の1〜40質量%以下であることが好ましい。結晶性ポリエステル樹脂の添加量が多いと、外添剤の埋没やフィルミングなどが発生しやすくなる。添加量が少ないと低温定着性向上の効果が得られない。
本発明に係るコア粒子中には、結着樹脂として示差走査熱量計(DSC)で測定される吸熱曲線から解析される吸熱ピーク温度(融点)が50〜80℃にあるポリエステル樹脂(ポリエステル樹脂E)をさらに含むことが特に好ましい。コア粒子中に融点が50〜80℃のポリエステル樹脂を含有させることにより、低温定着性をさらに向上させることができる。
結着樹脂中のポリエステル樹脂Eの含有量は、本発明の第一及び第二のトナー共に0〜30質量%が好ましく、2〜15質量%がさらに好ましい。結晶性ポリエステル樹脂の添加量が多いと、結晶性ポリエステル樹脂のドメインサイズが大きくなりトナー表面に露出しやすくなるため、トナー粉体流動性の低下や帯電性の悪化を生じることがある。
次に、本発明の電子写真用トナーの製造方法について述べる。本発明の電子写真用トナーを製造する方法としては、特に制限はないが、湿式造粒法によることが好ましい。前記湿式造粒法としては、公知の溶融懸濁法、乳化凝集法、溶解懸濁法等の方法が好適に挙げられる。以下、乳化凝集法を例に説明する。また、樹脂として非晶性ポリエステル樹脂を例に説明する。
乳化凝集法は、少なくとも樹脂微粒子を分散させた分散液(以下、乳化液と記す場合がある。)中で凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調製する工程(凝集工程)と、前記凝集粒子分散液を加熱して、凝集粒子を融合する工程(融合工程)を含む製造方法である(以下、前記製造方法を「凝集融合法」と称することがある)。また、凝集工程と融合工程との間に、凝集粒子分散液中に、微粒子を分散させた微粒子分散液を添加混合して前記凝集粒子に微粒子を付着させて付着粒子を形成する工程(付着工程)を設けたものであってもよい。前記付着工程では、前記凝集工程で調製された凝集粒子分散液中に、前記微粒子分散液を添加混合して、前記凝集粒子に前記微粒子を付着させて付着粒子を形成するが、添加される微粒子は、凝集粒子に凝集粒子から見て新たに追加される粒子に該当するので、本明細書では「追加微粒子」と記す場合がある。
前記追加微粒子としては、前記樹脂微粒子の他に離型剤微粒子、着色剤微粒子等を単独もしくは複数組み合わせたものであってもよい。前記微粒子分散液を追加混合する方法としては、特に制限はなく、例えば徐々に連続的に行ってもよいし、複数回に分割して段階的に行ってもよい。このようにして、前記微粒子(追加微粒子)を添加混合することにより、微小な粒子の発生を抑制し、得られる電子写真用トナーの粒度分布をシャープにすることができ、高画質化に寄与する。また前記付着工程を設けることにより、擬似的なシェル構造を形成することができ、着色剤や離型剤などの内添物のトナー表面露出を低減でき、結果として帯電性や寿命を向上させることができることや、融合工程における融合時において、粒度分布を維持し、その変動を抑制することができると共に、融合時の安定性を高めるための界面活性剤や塩基または酸等の安定剤の添加を不要にすることができる、もしくは、それらの添加量を最少限度に抑制することができ、コストの削減や品質を改善できる点で有利である。
本発明においては、前記追加微粒子を添加する操作によって、コアシェル構造を形成する。前記追記微粒子の主成分となる結着樹脂が、シェル層用樹脂である。この方法を用いれば、融合工程において、温度、攪拌数、pHなどの調整により、トナー形状制御を簡単に行うことができる。
前記合一工程においては、凝集工程と同様の攪拌下で、凝集体の懸濁液のpHを5〜10の範囲にすることにより、凝集の進行を止め、樹脂のガラス転移温度(Tg)以上の温度で加熱を行うことにより凝集体を融合させ合一させる。
加熱温度としては、樹脂のTg以上であれば問題は無い。また加熱の時間としては、合一が十分に為される程度行えばよく、0.2〜10時間程度行えばよい。その後、樹脂のTg以下まで降温して、粒子を固化する際、降温速度によって粒子形状及び表面性が変化する。例えば、早い速度で降温した場合には球形化及び表面が平滑化しやすく、逆にゆっくり降温した場合は、粒子形状が不定形化し、粒子表面に凹凸が生じやすい。そのため、少なくとも0.5℃/分以上の速度で、好ましくは1.0℃/分以上の速度で樹脂のTg以下まで降温するのが好ましい。
また、凝集工程と合一工程とを同時に行う前記会合工程では、樹脂のTg以上の温度で加熱しながら凝集工程と同様にpHや凝集剤の添加により粒子を成長させ、所望の粒径になったところで合一工程の場合と同様に、少なくとも0.5℃/分の速度で樹脂のTg以下まで降温して、固化と同時に粒子成長を停止させる。また降温の前後でpH調整を行ってもよい。このように会合工程をとることで凝集工程と合一工程とを同時に行うことができるため、工程の簡略化の面では好ましいが、前述のコアシェル構造を作ることが難しくなる。
融合・粒子形成工程を終了した後は、粒子を洗浄し乾燥してトナーを得る。トナーの帯電性を考慮すると、イオン交換水で十分に置換洗浄を施すことが好ましく、洗浄度合いはろ液の伝導度でモニターするのが一般的で、最終的に、伝導度が25μS/cm以下となるようにすることが好ましい。洗浄時に酸やアルカリでイオンを中和する工程を含んでも良く、酸による処理はpHを4.0以下に、アルカリによる処理はpHを8.0以上にすることが好ましい。また、洗浄後の固液分離は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、フィルタープレスなどの加圧濾過等が好ましく用いられる。さらに、乾燥も、特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられ、最終的なトナーの水分率は1質量%以下、好ましくは0.7質量%以下になるように乾燥する。
前記乳化凝集法に、非晶性ポリエステル樹脂を用いる場合、非晶性ポリエステル樹脂を乳化し乳化粒子(液滴)を形成する乳化工程と、該乳化粒子(液滴)の凝集体を形成する凝集工程と、該凝集体を該非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度以上の温度で融合させ熱合一させる合一工程とを有する。
前記乳化工程において、前記非晶性ポリエステル樹脂の乳化粒子(液滴)は、水系媒体と、ポリエステル樹脂及び必要に応じて着色剤を含む混合液(ポリマー液)と、を混合した溶液に、剪断力を与えることにより形成される。その際、非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱することで、ポリマー液の粘性を下げて乳化粒子を形成することができる。また、乳化粒子の安定化や水系媒体の増粘のため、分散剤を使用することもできる。以下、かかる乳化粒子の分散液のことを、「樹脂粒子分散液」という場合がある。
前記乳化粒子を形成する際に用いる乳化機としては、例えば、ホモジナイザー、ホモミキサー、加圧ニーダー、エクストルーダー、メディア分散機等が挙げられる。前記ポリエステル樹脂の乳化粒子(液滴)の大きさとしては、その平均粒子径(体積平均粒径)で0.005〜0.5μmが好ましく、0.01〜0.3μmがより好ましい。0.005μm以下では水中にほとんど溶解してしまうため、粒子作製が困難になり、また0.5μm以上では所望の粒径である3.0〜7.5μmの粒子を得ることが困難になる。なお、樹脂微粒子の平均粒径は、例えばドップラー散乱型粒度分布測定装置(日機装社製、マイクロトラックUPA9340)やレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定できる。
また、乳化時の樹脂の熔融粘度が高いと所望の粒径まで小さくならないため、大気圧以上に加圧可能な乳化装置を用いて温度を上げ、樹脂粘度を下げた状態で乳化することで、所望の粒径の樹脂粒子分散液を得ることができる。
前記乳化工程において、樹脂の粘度を下げて乳化性を向上させる目的で、あらかじめ樹脂に溶剤を添加しておく方法を用いても良い。使用される溶剤としては、ポリエステル樹脂を溶解させるものであれば特に限定はないが、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレンなどのベンゼン系溶剤などを用いることができるが、溶解性、脱溶剤性の観点から、酢酸エチルやメチルエチルケトンなどのケトン系溶剤を用いることが好ましい。
また、媒体である水との親和性向上、及び、粒度分布制御の目的で、エタノールやイソプロピルアルコールなどのアルコール系溶剤を、水もしくは樹脂に直接添加しても良い。
また、粒度分布制御の目的で、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの塩や、アンモニアなどを添加してもよい。この中ではアンモニアが好ましく用いられる。
また、粒度分布制御の目的で、分散剤を添加してもよい。前記分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、の等の水溶性高分子;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のアニオン性界面活性剤;ラウリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤;ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤等の界面活性剤;リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の無機化合物等が挙げられる。これらの中では、アニオン性界面活性剤が好ましく用いられる。前記分散剤の使用量としては、前記ポリエステル樹脂(結着樹脂)100質量部に対して、0.01〜20質量部が好ましい。
尚、前記乳化工程において、前記ポリエステル樹脂に、スルホン酸基を有するジカルボン酸を共重合させておく(即ち、酸由来構成成分中に、スルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分が好適量含まれる)と、界面活性剤等の分散安定剤を減らすことができる、或いは使用しなくても乳化粒子を形成できるが、樹脂の吸湿性が高くなり、帯電性が悪化する場合がある。添加量は酸成分中10モル%以下であることが好ましいが、ポリエステル樹脂主鎖の親水性、末端の酸価、水酸基価の量などにより、乳化性が確保できるときには、できる限り添加しないほうがよい。
また、転相乳化法を用いても良い。転相乳化法は、少なくともポリエステル樹脂を有機溶媒に溶解させ、必要に応じて中和剤や分散安定剤を添加して、攪拌下にて、水系溶媒を滴下して、乳化粒子を得た後、樹脂分散液中の溶媒を除去して、乳化液を得る方法である。このとき、中和剤や分散安定剤の投入順は変更してもよい。
樹脂を溶解させる有機溶媒(樹脂溶解溶媒)としては、例えば、蟻酸エステル類、酢酸エステル類、酪酸エステル類、ケトン類、エーテル類、ベンゼン類、ハロゲン化炭素類が挙げられる。具体的には、蟻酸、酢酸、酪酸等のメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル等エステル類、アセトン、MEK、MPK、MIPK、MBK、MIBK等のメチルケトン類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、トルエン、キシレン、ベンゼン等の複素環置換体類、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン等のハロゲン化炭素類などを単独であるいは2種以上組合せて用いることが可能であるが、入手し易さや脱溶剤時の回収容易性、環境への配慮の点から、低沸点溶媒の酢酸エステル類やメチルケトン類、エーテル類が通常好ましく用いられ、特に、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸、酢酸エチル、酢酸ブチルが好ましい。前記有機溶媒は、樹脂微粒子中に残存すると、微量でもVOC原因物質となるため揮発性の比較的高いものを用いることが好ましい。
前記水系溶媒としては、基本的にはイオン交換水が用いられるが、油滴を破壊しない程度に水溶性有機溶媒を含んでも構わない。水溶性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール等の短炭素鎖アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;エーテル類、ジオール類、THF、アセトン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶媒のイオン交換水との混合比は、質量比で1%〜50%、好ましくは1%〜30%が好ましく選択され水性成分として用いられる。また、水溶性有機溶媒は添加されるイオン交換水に混合するだけでなく、樹脂溶解液中に添加して使用しても構わない。水溶性有機溶媒を添加する場合には、樹脂と樹脂溶解溶媒との濡れ性を調整することができ、また、樹脂溶解後の液粘度を低下させる機能が期待できる。
前記乳化液が安定的に分散状態を保つよう、必要に応じて樹脂溶液及び水性成分に分散剤を添加してもよい。前記分散剤としては、水性成分中で親水性コロイドを形成するもので、特にヒドロキシメチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ、ヒドロキシプロピルセルローズ等のセルローズ誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩等の合成高分子類、ゼラチン、アラビアゴム、寒天等の分散安定化剤が挙げられる。また、シリカ、酸化チタン、アルミナ、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム等の固体微粉末も用いることができる。これらの分散安定化剤は通常、水性成分中の濃度が0〜20質量%、好ましくは0〜10質量%となるよう添加される。
前記分散剤としては、界面活性剤も用いられる。前記界面活性剤の例としては、後述する着色剤分散液に用いられるものと同様のものを使用することができる。例えば、サポニンなどの天然界面活性成分の他に、アルキルアミン塩酸・酢酸塩類、4級アンモニウム塩類、グリセリン類等のカチオン系界面活性剤、脂肪酸石けん類、硫酸エステル類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、スルホン酸塩類、リン酸、リン酸エステル、スルホコハク酸塩類等のアニオン系界面活性剤などが挙げられ、アニオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤が好ましく用いられる。
前記乳化液のpHを調整するために、中和剤を添加してもよい。前期中和剤としては、硝酸、塩酸、水酸化ナトリウム、アンモニアなど一般の酸、アルカリを用いることができる。
前記乳化液から有機溶媒を除去する方法としては、乳化液を常温もしくは加熱下で有機溶剤を揮発させる方法、これに減圧を組み合わせる方法が好ましく用いられる。
前記凝集工程において凝集体を形成させるために、凝集剤を用いることが好ましい。用いられる凝集剤は、前記分散剤に用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤や、一般の無機金属化合物(無機金属塩)又はその重合体が挙げられる。無機金属塩を構成する金属元素は周期律表(長周期律表)における2A、3A、4A、5A、6A、7A、8、1B、2B、3B族に属する2価以上の電荷を有するものであり、樹脂微粒子の凝集系においてイオンの形で溶解するものであればよい。
好ましい無機金属塩を具体的に挙げると、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などである。その中でも特に、アルミニウム塩及びその重合体が好適である。一般的に、よりシャープな粒度分布を得るためには、無機金属塩の価数が1価より2価、2価より3価以上で、同じ価数であっても重合タイプの無機金属塩重合体の方がより適している。この価数と添加量で、材料同士の凝集力を変化させることで、トナーの粘弾性を制御することができる点で、また、粒子の安定性を向上させ、粒度分布をシャープにできる点で、本発明のトナーには、凝集剤が添加されていることが好ましい。本発明のトナー中に含まれる、アルミ、亜鉛、カルシウムから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素は、凝集剤として添加されたものであることが好ましい。凝集剤の添加量は、凝集剤の種類や価数によって変動するが、おおむね、0.05から0.1質量%である。前記凝集剤は、トナー化の工程中に、水系媒体中に流出したり、粗粉を形成するなどにより、添加量すべてがトナー中に残留するわけではない。特にトナー化工程時に、樹脂中の溶剤量が多い場合には、溶剤と凝集剤が相互作用して、水系媒体中に流出しやすいため、残溶剤量に合わせて適宜調節する必要がある。
本発明のトナーには、アルミ、亜鉛、カルシウムから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を、元素組成比換算で0.05〜0.30%含んでいることが好ましい。これら金属原子がポリエステル樹脂の極性成分とイオン架橋を形成し、定着画像の強度を向上させ、ホットオフセットを改善する。一方、含有量が多すぎると、熔融粘度も上昇し、定着画像グロスの低下や、低温定着性を損なう場合がある。ここで、金属元素の含有量は、蛍光X線装置による、全元素分析から求められる。試料は、トナー6gを、加圧成型器で荷重10t、加圧時間1分間で、加圧成型し、島津製作所の蛍光X線(XRF−1500)を使用して、測定条件は管電圧40kV、管電流90mA、測定時間30分で測定した、元素組成比から求められる。前記金属元素は、トナー作製時に凝集剤として添加することが好ましい。
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、イエロー顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、クロムイエロー、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G 、ベンジジンイエローG 、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーメネントイエローNCG 等を挙げることができ、特に、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー185等が好ましく用いられる。
マゼンタ顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンB レーキ、レーキレッドC 、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ、ナフトール系顔料としては、ピグメントレッド31、146、147、150、176、238、269などが挙げられ、キナクリドン系顔料としては、ピグメントレッド122、202、209などが挙げられ、この中でも特に製造性、帯電性の観点からピグメントレッド185、238、269、122が好ましい。
シアン顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートなどを挙げることができ、特に、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等が好ましく用いられる。
橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR 、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG 、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGK等を挙げることができる。紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットB 、メチルバイオレットレーキ等を挙げることができる。緑色顔料としては、酸化クロム、クロムグリーン、ピグメントグリーン、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG 等を挙げることができる。白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等をあげることができる。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等を挙げることができる。また、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料なども用いられる。また、これらの着色剤は単独もしくは混合して使用される。
黒色トナーに用いられる黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等を挙げることができ、特にカーボンブラックが好ましく用いられる。カーボンブラックは比較的分散性が良いため、特に特別な分散を必要としないが、カラー着色剤と同様の製造方法で製造されることが好ましい。
本発明のトナーに用いられる着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透過性、トナー中での分散性の観点から選択される。そして、着色剤はトナー構成固体分総重量に対して4〜15質量%の範囲で添加することができる。黒色着色剤として磁性体などを用いる場合は、他の着色剤とは異なり、12〜240質量%で添加することができる。具体的には、磁場中で磁化される物質を用いるが、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性の粉末、もしくはフェライト、マグネタイト等の化合物が使用される。水相中でトナーを得るときには、磁性体の水相移行性に注意を払う必要があり、好ましくは予め磁性体の表面を改質し、例えば疎水化処理等を施しておくことが好ましい。
本発明の着色剤分散液に用いられる分散剤は、一般的には界面活性剤である。界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤等が好適にあげられる。これらの中でもイオン性界面活性剤が好ましく、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤がより好ましい。前記非イオン系界面活性剤は、前記アニオン界面活性剤またはカチオン界面活性剤と併用されるのが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、離型剤分散液など、他の分散液に用いられる分散剤と同極性であることが好ましい。
前記アニオン界面活性剤の具体例としては、ラウリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油ナトリウム等の脂肪酸セッケン類;オクチルサルフェート、ラウリルサルフェート、ラウリルエーテルサルフェート、ノニルフェニルエーテルサルフェート等の硫酸エステル類;ラウリルスルホネート、ドデシルスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、トリイソプロピルナフタレンスルホネート、ジブチルナフタレンスルホネート等のアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホネートホルマリン縮合物、モノオクチルスルホサクシネート、ジオクチルスルホサクシネート、ラウリン酸アミドスルホネート、オレイン酸アミドスルホネート等のスルホン酸塩類;ラウリルホスフェート、イソプロピルホスフェート、ノニルフェニルエーテルホスフェート等のリン酸エステル類;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル2ナトリウム等のスルホコハク酸塩類等があげられる。中でも、ドデシルベンゼンスルホネートやその分岐体などのアルキルベンゼンスルホネート系化合物が好ましい。
前記カチオン界面活性剤の具体例としては、ラウリルアミン塩酸塩、ステアリルアミン塩酸塩、オレイルアミン酢酸塩、ステアリルアミン酢酸塩、ステアリルアミノプロピルアミン酢酸塩等のアミン塩類;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムクロライド、オレイルビスポリオキシエチレンメチルアンモニウムクロライド、ラウロイルアミノプロピルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ラウロイルアミノプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムパークロレート、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類等があげられる。
前記非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート等のアルキルエステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミノエーテル、ポリオキシエチレン大豆アミノエーテル、ポリオキシエチレン牛脂アミノエーテル等のアルキルアミン類;ポリオキシエチレンラウリン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等のアルキルアミド類;ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレンナタネ油エーテル等の植物油エーテル類;ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のソルビタンエステルエーテル類等があげられる。
用いられる分散剤の添加量は、着色剤に対して、2質量%以上30質量%以下であることが好ましく、5質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。分散剤が少なすぎると粒径が小さくならない場合や、分散液の保存安定性が低下する場合がある。一方、多すぎる場合には、トナー中に残留する分散剤の量が多くなり、トナーの帯電性や粉体流動性が低下する場合がる。
用いられる水系分散媒は、蒸留水、イオン交換水など、金属イオンなどの不純物が少ないものであることが好ましい。また、消泡や表面張力調整の目的でアルコールなどを添加することもできる。また、粘度調整のために、ポリビニルアルコールやセルロース系ポリマーなどを添加することもできる。
本発明のトナーには、定着性や画像保存性を向上させる目的で離型剤を含有させる。用いられる離型剤としては、ASTMD3418−8に準拠して測定された主体極大吸熱ピークが60〜120℃にあり、かつ140℃において1〜50mPasの溶融粘度を有する物質であることが好ましい。
融点が60℃未満ではワックスの変化温度が低すぎ、耐ブロッキング性が劣ったり、複写機内温度が高まった時に現像性が悪化したりする。120℃を超える場合には、ワックスの変化温度が高すぎ、高温での定着を行えばいいが、省エネルギーの観点で望ましくない。また、50mPasより高い溶融粘度ではトナーからの溶出が弱く、定着剥離性が不十分となってしまう。
本発明に用いられる離形剤の粘度は、E型粘度計によって測定される。測定に際しては、オイル循環型恒温槽の備えられたE型粘度計(東京計器製)を用いる。測定には、コーン角1.34度を有したコーンプレート/カップの組み合わせのプレートを用いる。カップ内に試料を投入し、循環装置の温度を140℃にセットし、空の測定カップとコーンを測定装置にセットし、オイルを循環させながら恒温に保つ。温度が安定したところで測定カップ内に資料を1g入れ、コーンを静止状態で10分間静置させる。安定後、コーンを回転させ測定を行う。コーンの回転速度は60rpmとする。測定は3回行い、その平均値を粘度ηとする。
前記離型剤は示唆走査熱量計により測定されるDSC曲線で吸熱開始温度が40℃以上であることが望ましい。より好ましくは50℃以上である。40℃より低いと複写機内やトナーボトル内でトナーの凝集が発生してしまう。吸熱開始温度はワックスを構成する分子量分布のうち、低分子量のものやその構造のもつ極性基の種類、量で左右される。
一般に高分子量化すれば融点とともに吸熱開始温度も上昇するが、このやり方ではワックス本来の低溶融温度と、低粘度をそこなってしまう。よってワックスの分子量分布のうち、これら低分子量のものだけを選別してのぞくことが有効であるが、この方法として、分子蒸留、溶剤分別、ガスクロマトグラフ分別等の方法がある。
また、極大吸熱ピークが50℃を下回ると定着時にオフセットを生じやすくなる。逆にピークが140℃を超えると定着温度が高くなり、定着画像表面の平滑性が得られず光沢性が損なわれる。DSCの測定は例えばパーキンエルマー社製のDSC−7を用いて行われる。装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットして昇温速度10℃/minで測定を行う。
前記離型剤の具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を示すシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類や、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのような動物系ワックス、脂肪酸エステル、モンタン酸エステルなどのエステル系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系・石油系ワックス、及びそれらの変性物などを挙げることができる。
前記離型剤は、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融点以上に加熱するとともに、強い剪断付与能力を有するホモジナイザーや圧力吐出型分散機(ゴーリンホモジナイザー、ゴーリン社製)で微粒子状に分散させ、分散液を作成することができる。なお、前記離形剤粒子分散液の粒子径は、例えばドップラー散乱型粒度分布測定装置やレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定される。
本発明のトナーに用いられる離型剤は、離型剤分散液中の離型剤に対する分散剤の割合が1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、2質量%以上10質量%以下である。分散剤の割合が少なすぎると離型剤が充分に分散されずに保存安定性が劣る場合がある。分散剤の割合が多すぎると、トナーの帯電性とくに環境安定性が悪化する場合がある。分散剤としては、前記着色剤にもちいることができる分散剤と同様のものから、ワックスの種類に対して最適なものを選択できる。
本発明のトナーには、無機もしくは有機の微粒子を添加することができる。前記微粒子の補強効果によりトナーの貯蔵弾性率が大きくなり、耐オフセット性や定着器からの剥離性を向上できる場合がある。また、前記微粒子は着色剤や離型剤などの内添物の分散性を向上させる場合がある。前記無機微粒子としては、シリカ、疎水化処理シリカ、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、コロイダルシリカ、アルミナ処理コロイダルシリカ、カチオン表面処理コロイダルシリカ、アニオン表面処理コロイダルシリカなどを単独もしくは併用して用いることができ、なかでもOHP透明性とトナー中の分散性の観点からコロイダルシリカを用いることが好ましい。その粒径は、5から50nmであることが好ましい。また、粒径の異なる微粒子を併用することも可能である。前記微粒子はトナー製造時に直接添加することもできるが、分散性を高めるためにあらかじめ超音波分散機などを用いて水など水溶性媒体へ分散されたものを用いることが好ましい。分散においては、イオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基などを用いて分散性を向上させることもできる。
本発明のトナーには、その他、帯電制御剤などの公知の材料を添加してもよい。その際に添加される材料の平均粒径としては、1μm以下であることが必要であり、0.01〜1μmであるのが好ましい。前記平均粒径が1μmを越えると、最終的に得られる電子写真用トナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招き易い。一方、前記平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。なお、前記平均粒径は、例えばマイクロトラックなどを用いて測定することができる。
前記種々の添加剤分散液を作製する手段としては、特に制限はないが、例えば、回転剪断型ホモジナイザーやメデイアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなど、その他、着色剤分散液や離型剤分散液の作製と同様の装置など、それ自体公知の分散装置が挙げられ、適宜最適なものを選択して用いることができる。
また、本発明のトナーは、その帯電量が10〜70μC/gの範囲にあるのが好ましく、15〜50μC/gの範囲がより好ましい。前記帯電量が、10μC/g未満であると、背景部汚れが発生し易くなり、70μC/gを越えると、画像濃度の低下が発生し易くなる。また、30℃、80RH%の高湿度下と10℃、20RH%の低湿度下での帯電量の比率は0.5〜1.5の範囲が好ましく、0.7〜1.2の範囲がより好ましい。前記比率が範囲内にあると環境に影響されることなく鮮明な画像を得ることができる。帯電量は外添剤の寄与も大きいが、未外添時の帯電量が重要であることは言うまでもない。また、着色剤分散液や離型剤分散液などに使用される界面活性剤量をトータルで減らすとともに、残留した界面活性剤やイオンなどを充分に洗浄することが必要で、洗浄ろ液の伝導度が0.01mS/cm以下となるように洗浄することが好ましい。また、トナーの乾燥も重要であり、水分量が0.5質量%以下となるように乾燥することが好ましい。
本発明のトナーは、重量平均分子量(Mw)が5000〜150000のものを用いることができるが、特に画像光沢度の高い画像を得るためには、Mwが5000〜30000、Mnが2000〜10000であることが好ましく、Mwが6000〜20000、Mnが2500〜7500であることがより好ましい。分子量分布の指標であるMw/Mnは、2から10であることが好ましい。Mw及びMnが高すぎると発色性が悪くなってしまう事が有り、Mw及びMnが低すぎると定着後の画像強度が得られにくくなる。これは、ホットオフセットが悪化するからである。一方、前記比(Mw/Mn)で表される分子量分布が、前記数値範囲内にあると、特に光透過性、着色性を向上させることができる。Mw/Mnの値が大きいとき、すなわち、Mwが大きい、もしくは、Mnが小さい場合、写真レベルの画像光沢を得ることが難しくなる。
本発明のトナーは、クロロホルム可溶分中のIPC発光分光によるチタン含有量が5〜300ppmであることが好ましく、10〜200ppmがさらに好ましく、20〜150ppmであることが特に好ましい。トナー中のチタン含有量が5〜300ppmであると、帯電量及び放置状態での帯電が安定する。
なお、上記のようにして最終的に加熱して得られたトナーには、流動性助剤、クリーニング助剤、研磨剤等として、無機微粒子および有機微粒子を外添混合することができる。
無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、酸化セリウム等の通常トナー表面の外添剤として使用される総ての粒子があげられる。これらの無機微粒子は、その表面が疎水化されたものであることが好ましく、帯電性、粉体特性、保存性などのトナー諸特性や、現像性や転写性といったシステム適性を制御するために用いられる。
有機微粒子としては、例えば、スチレン系重合体、(メタ)アクリル系重合体、エチレン系重合体などのビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等の通常トナー表面の外添剤として使用される総ての粒子が挙げられる。これらの粒子は転写性を向上させる目的で添加され、その1次粒径は0.05〜1.0μmであることが好ましい。
さらに、滑剤を添加することもできる。滑剤として、例えば、エチレンビスステアリル酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、ユニリンなどの高級アルコールなどがあげられる。これらは一般にクリーニング性を向上させる目的で添加され、その1次粒径は、0.1〜5.0μmのものが用いられる。
本発明のトナーには、前記無機微粒子のなかでも少なくとも2種以上を使用し、該無機微粒子の少なくとも1種は30nm〜200nmの、さらに好ましくは30nm〜180nmの平均1次粒子径を有することが好ましい。トナーが小粒径化することによって、感光体との非静電的付着力が増大するため、転写不良やホローキャラクターと呼ばれる画像抜けが引き起こされ、重ね合わせ画像等の転写ムラを生じさせる原因となるため、平均1次粒子径が30nm〜200nmの大径の外添剤を添加し、転写性を改善させることが好ましい。平均1次粒子径が30nmより小さいと、初期的なトナーの流動性は良好であるが、トナーと感光体との非静電的付着力を十分に低減できず転写効率が低下し画像のぬけや、画像の均一性を悪化させてしまい、また経時による現像機内でのストレスによって微粒子がトナー表面に埋め込まれ、帯電性が変化しコピー濃度の低下や背景部へのカブリ等の問題を引き起こす。また、平均1次粒子径が200nmより大きいと、トナー表面から脱離しやすく、また流動性の悪化にもつながる。具体的には、シリカ、アルミナ、酸化チタンが好ましく、特に、疎水化されたシリカを必須成分として添加することが好ましい。特にシリカと酸化チタンを併用することが好ましい。また、粒径80から500nmの有機微粒子を併用することも転写性向上には好ましい。
外添剤を疎水化処理する疎水化剤としては公知の材料が挙げられ、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤等のカップリング剤、シリコーンオイルやポリマーコーティング処理などが挙げられる。これらの疎水化剤を単独又は組み合わせて用いることができる。これらの中でも、シラン系カップリング剤とシリコーンオイルを好ましく用いることができる。シラン系カップリング剤としては、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤等いずれのタイプも使用することができ、その具体例としては、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、トリメチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γーメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、βー(3.4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γーグリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γーメルカプトプロピルトリメトキシシラン、γークロロプロピルトリメトキシシラン等や、それらの一部の水素原子をフッ素原子に変えた、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシルトリエトキシシラン、3−ヘプタフルオロイソプロポキシプロピルトリエトキシシランなどのフッ素系シラン化合物、水素原子の一部をアミノ基で置換したアミノ系シラン化合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、環状ジメチルシリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。疎水化処理された粒子を用いると高湿度下での帯電量を向上させる事ができ、結果として帯電の環境安定性を向上させる事ができる。本発明のトナーでは、少なくとも1種以上の外添剤にシリコーンオイル系処理が施されたものが含まれていることが好ましい。
粒子の疎水化処理法としては、例えば、テトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン等の溶媒で混合希釈した処理剤を、ブレンダー等で強制的に攪拌させた微粒子に滴下したり、スプレーしたりして充分に混合し、必要に応じて洗浄、濾過を行った後、加熱乾燥させ、乾燥後凝集物をブレンダーや乳鉢等で解砕して処理する方法や、微粒子を処理剤の溶媒溶液に浸析した後、乾燥させる、あるいは、微粒子を水中に分散してスラリー状にした上で処理剤溶液を滴下し、その後微粒子を沈降させて加熱乾燥して解砕する方法や、微粒子へ直接処理剤を噴霧する方法等、従来公知の方法を用いることができる。前記処理剤の微粒子への付着量は、微粒子に対して0.01〜50質量%であることが好ましく、0.1〜25質量%がより好ましい。付着量は、処理の段階で処理剤の混合量を増やしたり、処理後の洗浄工程数を変える等の方法によって処理量を変えることができる。また、処理剤の付着量は、XPSや元素分析により定量することができる。処理剤の付着量が少ないと高湿度下で帯電性が低下する場合が有り、処理量が多すぎると低湿度下で帯電が過剰になりすぎたり、遊離した処理剤が現像剤の粉体流動性を悪化させる場合がある。
前記外添剤は、サンプルミルやヘンシェルミキサーなどで機械的衝撃力を加えられてトナー表面に付着又は固着させられる。
本発明のトナーを用い、該トナーのみからなる一成分現像剤や該トナーとキャリアとからなる二成分現像剤が得られる。現像剤としては、帯電の維持性や安定性に優れる二成分現像剤が好ましい。キャリアとしては、樹脂で被膜されたキャリアであることが好ましく、窒素含有樹脂で被膜されたキャリアであることがさらに好ましい。
前述の窒素含有樹脂としては、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル等を含むアクリル系樹脂、ウレア、ウレタン、メラミン、グアナミン、アニリン等を含むアミノ樹脂、またアミド樹脂、ウレタン樹脂が挙げられる。またこれらの共重合樹脂でもかまわない。
キャリアの被膜樹脂としては前記窒素含有樹脂の中から2種以上を組み合わせて使用してもよい。また前記窒素含有樹脂と窒素を含有しない樹脂とを組み合わせて使用してもよい。また前記窒素含有樹脂を微粒子状にし、窒素を含有しない樹脂中に分散して使用してもよい。特にウレア樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂は負帯電性が高く、また樹脂硬度が高いため被膜樹脂の剥がれなどによる帯電量の低下を抑制することができ好ましい。
一般にキャリアは適度な電気抵抗値を有することが必要であり、具体的には109〜1014Ωcm程度の電気抵抗値が求められている。例えば鉄粉キャリアのように電気抵抗値が106Ωcmと低い場合には、スリーブからの電荷注入によりキャリアが感光体の画像部へ付着したり、潜像電荷がキャリアを介して逃げ、潜像の乱れや画像の欠損等を生じたりする等の問題が生じる。一方、絶縁性の樹脂を厚く被覆してしまうと電気抵抗値が高くなりすぎ、キャリア電荷がリークしにくくなり、その結果エッジの効いた画像にはなるが、反面大面積の画像面では中央部の画像濃度が非常に薄くなるというエッジ効果という問題が生じる。そのためキャリアの抵抗調整のために樹脂被覆層中に導電性微粉末を分散させることが好ましい。
導電性微粉末の具体例としては、金、銀、銅のような金属や;カーボンブラック;更に酸化チタン、酸化亜鉛のような半導電性酸化物;酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム粉末等の表面を酸化スズやカーボンブラック、金属で覆ったもの等が挙げられる。この中でも製造安定性、コスト、導電性の良さからカーボンブラックが好ましい。
上記樹脂被覆層を、キャリア芯材の表面に形成する方法としては、例えば、キャリア芯材の粉末を被膜層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被膜層形成用溶液をキャリア芯材の表面に噴霧するスプレー法、キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被膜層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリア芯材と被膜層形成用溶液を混合し溶剤を除去するニーダーコーター法、被膜樹脂を微粒子化し被膜樹脂の融点以上でキャリア芯材とニーダーコーター中で混合し冷却して被膜させるパウダーコート法が挙げられるが、ニーダーコーター法及びパウダーコート法が特に好ましく用いられる。
上記方法により形成される樹脂被膜層の平均膜厚は、通常0.1〜10μm、好ましくは0.2〜5μmの範囲である。
キャリアに用いられる芯材(キャリア芯材)としては、特に制限はなく、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、又は、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、磁気ブラシ法を用いる観点からは、磁性キャリアであるのが望ましい。キャリア芯材の平均粒径としては、一般的には10〜100μmが好ましく、20〜80μmがより好ましい。
前記二成分現像剤における本発明の電子写真用トナーと上記キャリアとの混合比(重量比)としては、トナー:キャリア=1:100〜30:100程度の範囲であり、3:100〜20:100程度の範囲がより好ましい。
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。
本発明のトナーの作製方法としては、下記の樹脂微粒子分散液、着色剤粒子分散液、離型剤粒子分散液をそれぞれ調製し、これらを所定の割合で攪拌・混合しながら、金属塩凝集剤を添加しイオン的に中和させて凝集粒子を形成する。次いで、無機水酸化物を添加して系中のpHを弱酸性から中性域に調製した後、前記樹脂微粒子のガラス転移点以上の温度に加熱して融合及び合一する。反応終了後、充分な洗浄、固液分離乾燥の工程を経て所望のトナーを得る。以下、それぞれの調整方法を説明する。
[分子量分布の測定]
分子量分布は以下の条件で行った。東ソー(株)HLC−8120GPC、SC−8020装置を用い、カラムはTSK gei, SuperHM−H(6.0mmID×15cm×2)を用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/分、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、検量線はA−500、F−1、F−10、F−80、F−380、A−2500、F−4、F−40、F−128、F−700の10サンプルから作製した。また試料解析におけるデータ収集間隔は300msとした。
[Tgの測定]
示差走査熱量計(マックサイエンス社製:DSC3110、熱分析システム001)(以下「DSC」と略記する)を用いて、0から150℃まで10℃/分で昇温し、150℃で5分間ホールドし、150℃から0℃まで液体窒素を用いて−10℃/分で降温し、0℃で5分間ホールドし、再度0℃から150まで10℃/分で昇温して得られた、2度目の昇温時の吸熱曲線から解析したオンセット温度をTgとした。
[酸価の測定]
JIS−K0070:92に従ってアセトン−トルエン混合溶液を用いて電位差滴定法により測定した。
[分散液の分散粒径の測定]
マイクロトラックUPAにて測定した。
[トナー粒径の測定]
日科機社製マルチサイザーIIを用いて、アパーチャー径:50μmで、アイソトンを希釈液として測定濃度10%で測定した。また、粒度分布は、マルチサイザーIIを用いて測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(分割数:1.26〜50.8μmまでを16チャンネルに、logスケールで0.1間隔となるように分割する。具体的には、チャンネル1が1.26μm以上1.59μm未満、チャンネル2が1.59μm以上2.00μm未満、チャンネル3が2.00μm以上2.52μm未満・・・、とし、左側の下限数値のlog値が(log1.26=)0.1、(log1.59=)0.2、(log2.00=)0.3、・・・、1.6となるように分割した。)に対して、体積、数をそれぞれ小粒径側から累積分布を引いて、累積16%となる粒径を体積D16v、数D16p、累積50%となる粒径を体積D50v(体積平均粒径)、数D50p、累積84%となる粒径を体積D84v、数D84pと定義する。
粒度分布GSD(vol)upは以下のようにして算出される。
GSD(vol)up=(D84v/D50v)1/2
また、粒度分布GSD(pop)downは以下のようにして算出される。
GSD(pop)down=(D50p/D16p)1/2
[SP値の測定]
トナー中の樹脂のSP値は、以下のようにして求めた。
95mm径の桐山ロート用濾紙(No5C)に、トナー3.000gを乗せ、スパチュラーでトナーをろ紙全体に広げ、ピンセットを用いてろ紙をつまみ上げ、ろ紙を裏返し、ろ紙からのトナーの脱離が目視で確認できなくなるまでピンセットを指ではじき、ろ紙上の余分なトナーを除去する。このとき、測定しておいたトナー付着前後の濾紙の重さから、付着したトナーの量を算出する。このトナー重量をTw1(g)とする。
95mm径のブフナー型桐山ロートと吸引ロートとポータブルアスピレーター(「MDA−050」、アルバック機工)からなる濾過装置を用意し、新品の濾紙をロートにセットし、吸引しながら酢酸エチルで濾紙をなじませる。一旦吸引を停止して、トナーを付着させた濾紙を、なじませた濾紙に重なるようにロートにセットし、その上からさらに新品の濾紙を載せ、吸引しながら45℃に熱した酢酸エチルを100g加える。
濾過された酢酸エチル溶液を蒸発乾固させて、酢酸エチルに溶解している樹脂の重量を測定する。この樹脂分をTw2(g)とする。Tw2/Tw1の値が0.05(5質量%)になるまで45℃の酢酸エチルを追加してろ過する。この方法で、Tw2/Tw1が0.05になる酢酸エチル量を算出する。この酢酸エチル量をAc1(g)とする。同様にしてTw2/Tw1が0.10になる酢酸エチル量を算出する。この酢酸エチル量をAc2(g)とする。改めてトナーを準備しなおし、ロートにセットした後、45℃に過熱した酢酸エチルAc1(g)によりろ過し、得られたろ液は廃棄し、続けて45℃に過熱した酢酸エチル(Ac2(g)−Ac1(g))によりろ過し、得られたろ液を蒸発乾固する。この溶解分は、トナーの極表面付近の溶解物であり、シェルを構成する材料とみなすことができる。これをH1−NMRにて組成分析し、樹脂構成モノマーを推定する。NMR測定はJEOL EX−400FT−NMRスペクトロメータ(399.65MHz)を用いて測定し、化学シフトは、クロロホルム−d中のクロロホルムを基準とした。推定されたモノマー構成から、前記Fedorsの方法によりSP値を算出する。NMRを測定する前には、ゴミを除去するために、メンブランフィルターにてろ過をしておく。これがシェル材料のSP値である。
次に、上記と同様の操作で、Tw2/Tw1が0.5になるまで45℃酢酸エチルで溶解する。ここで濾紙上に残ったトナー成分中の樹脂分をNMR測定してモノマー構成を求め、SP値を算出する。この樹脂成分はトナー表面成分が除去された、コア構成成分とみなすことができる。
このようにして、コア構成樹脂とシェル構成樹脂のSP値を算出する。
[トナーの形状係数SF1の測定]
形状係数SF1は、SF1=(ML2/A)×(π/4)×100(ML:トナー粒子の絶対最大長、A:トナー粒子の投影面積)を指す。前記SF1は、スライドガラス上に散布したトナーの光学顕微鏡をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個以上のトナー粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値とした。
[トナー中のチタン含有量の定量]
トナー10gをクロロホルム190gに溶解した溶解液を、試験管にそれぞれ10gずつ入れ、アルミホイルでフタをする。このとき、遠心分離機内でのバランスを取るために、それぞれ試験管を含めた重さが同じになるように試料量を微調整しておく。試料を入れた試験管を、遠心分離機(「H−18」、株式会社コクサン)で、3500rpmで15分間遠心分離し、得られた上澄み液を採取する。採取した上澄み液を乾燥して得られた乾固物を、0.01mgまで秤量できる天秤(「AT−200」、メトラートレド株式会社)で、250.0mg秤量し、25mlメスフラスコに入れ、クロロホルム5mlを加えて溶解する。溶解後、メスフラスコの標線までキシレンを加えて希釈してサンプルを調整し、高周波誘導結合プラズマ発光分析装置(IPC−AES、セイコー電子工業(株)社製、SPS1200VR)を用いて、回折格子:主分光器3600本/mm、スリット:入射20μm、出射40μm、ホトマル:R306、トーチ:有機溶媒用トーチ、ネブライザー:グラスコンセントリック、アルゴンガス流量:プラズマガス18リッター/分、補助ガス1.8リッター/分、キャリアーガス0.11MPa、RFパワー:1.8kW、分析波長:334.9nm、測光高さ:15mm、積分時間:1秒、積分回数3回、の条件で、チタン標準溶液は、Conostan社製Metallo−Organic Standard(5000μg/g)を用いて定量した。
[トナー水分量の測定]
トナー水分量(トナー乾燥後水分量)は下記方法により測定した。
トナー3gをプラスチック皿に秤量し、温度30℃、湿度20RH%の恒温槽内で12時間放置した後、恒温槽の湿度を80RH%に上げて、さらに48時間放置した。調湿後のトナーを恒温槽から取り出したらすぐに水分率計(「HB43」、メトラートレド株式会社)にて、トナー全量を用いて、加熱温度150℃にて水分量を測定した。なお、恒温槽から取り出し水分率計のところまで移動する時間がかかる場合には、トナーをチャック付き袋に入れるなどして、トナーの水分量が変化しないように留意する。ここでの水分量とは、トナー中に残存している水分の量を指し、トナー1g中に0.1gの水が残存している場合は、水分量10%と定義する。
[シアン着色剤分散液の調整]
シアン顔料(大日精化社製:ECB−301) 200質量部
アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンSC) 20質量部
(有効成分として、着色剤に対して10質量%)
イオン交換水 780質量部
上記成分をすべて投入した時に液面の高さが容器の高さの1/3程度になるような大きさのステンレス容器に、イオン交換水を280質量部とアニオン系界面活性剤20質量部とを入れ充分に界面活性剤を溶解させた後、顔料すべてを投入し、攪拌機を用いて濡れていない顔料がなくなるまで攪拌するとともに、充分に脱泡させた。脱泡後に残りのイオン交換水を加え、ホモジナイザー(LKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて、5000回転で10分間分散した後、攪拌器で1昼夜攪拌させて脱泡した。脱泡後、再度ホモジナイザーを用いて、6000回転で10分間分散した後、攪拌器で1昼夜攪拌させて脱泡した。続けて、分散液を高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン社製、HJP30006)を用いて、圧力240MPaで分散した。分散は、トータルしこみ量と装置の処理能力から換算して25パス相当おこなった。得られた分散液を72時間放置した後の上澄み液を採取し、イオン交換水を加えて、固形分濃度を15質量%に調整した。得られた着色剤分散液の平均粒径D50は115nmであった。分散液の平均粒径D50はマイクロトラックにて5回測定した内の、最大値と最小値を除いた3回の測定値の平均値を用いた。
[マゼンタ着色剤分散液の調整]
シアン着色剤分散液の調整で、着色剤をマゼンタR122顔料(大日精化社製:ECR−186Y)に変更した以外は同様にしてマゼンタ着色剤分散液を得た。体積平均粒径D50vは121nmであった。
[イエロー着色剤分散液の調整]
シアン着色剤分散液の調整で、着色剤をイエローY74顔料(クラリアントジャパン社製:Hansa Brill.Yellow 5GX03)に変更した以外は同様にしてイエロー着色剤分散液を得た。体積平均粒径D50vは138nmであった。
[クロ着色剤分散液の調整]
シアン着色剤分散液の調整で、着色剤をカーボンブラック(キャボット社製:リーガル330)に変更した以外は同様にしてクロ着色剤分散液を得た。体積平均粒径D50vは105nmであった。
[離型剤(離型剤1)分散液の調整]
ポリアルキレンワックス 270質量部
(日本精鑞社製、HNP−9、融点78℃、180℃粘度2.5mPa・s)
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンRK) 8.4質量部
(有効成分として、離型剤に対して3.0質量%)
イオン交換水 721.6質量部
上記成分をホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で95℃に加熱しながら十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製、ゴーリンホモジナイザー)で分散処理し、離型剤分散液を得た。体積平均粒径D50は225nmであった。その後イオン交換水を加えて固形分濃度を25.0質量%に調整した。
[非晶性ポリエステル樹脂(非晶性樹脂)1Aの合成]
ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物 310質量部
(三洋化成工業(株)社製、ニューポールBP−3P)
シクロヘキサンジメタノール(試薬) 28.8質量部
テレフタル酸(試薬) 89.7質量部
イソフタル酸(試薬) 59.8質量部
シクロヘキサンジカルボン酸 17.4質量部
上記成分を、攪拌機、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた反応容器に入れ、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、チタンテトラブトキサイド(試薬)0.1質量部を投入して、窒素ガス気流下約180℃で約8時間撹拌反応させた。さらに、チタンテトラブトキサイド(試薬)0.2質量部を投入して、温度を約220℃に上げて約6.0時間撹拌反応させた後、反応容器内を10.0mmHgまで減圧し、減圧下で約6.0時間攪拌反応させて、淡黄色透明な非晶性ポリエステル樹脂1Aを得た。DSCによるTgが52℃、GPCによるMwが12000、Mnが4700、9KOHmg/g、Fedors法により計算されるSP値は20.7(J/cm31/2であった。
[非晶性ポリエステル樹脂(非晶性樹脂)2Aの合成]
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物 315質量部
(三洋化成工業(株)社製、ニューポールBPE−20)
テレフタル酸(試薬) 132.9質量部
シクロヘキサンジカルボン酸 34.8質量部
上記成分を用い、非晶性ポリエステル樹脂1Aの合成と同様の合成法にて、ほぼ透明な非晶性ポリエステル樹脂2Aを得た。DSCによるTgが61℃、GPCによるMwが11000、Mnが4200、11KOHmg/g、Fedors法により計算されるSP値は21.4(J/cm31/2であった。
[非晶性ポリエステル樹脂(非晶性樹脂)3Aの合成]
ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物 275質量部
(三洋化成工業(株)社製、ニューポールBP−2P)
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物 63質量部
(三洋化成工業(株)社製、ニューポールBPE−20)
テレフタル酸(試薬) 116質量部
シクロヘキサンジカルボン酸 52質量部
上記成分を用い、非晶性ポリエステル樹脂1Aの合成と同様の合成法にて、ほぼ透明な非晶性ポリエステル樹脂3Aを得た。DSCによるTgが62℃、GPCによるMwが13000、Mnが4900、9KOHmg/g、Fedors法により計算されるSP値は20.9(J/cm31/2であった。
[結晶性ポリエステル樹脂(結晶性樹脂)1Aの合成]
1,8−オクタンジカルボン酸(試薬) 315質量部
1,9−ノナンジオール(試薬) 132.9質量部
上記成分を、攪拌機、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた反応容器に入れ、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、チタンテトラブトキサイド(試薬)0.2質量部を投入して、窒素ガス気流下約170℃で約10時間撹拌反応させた。さらに、温度を約220℃に上げて、チタンテトラブトキサイド(試薬)0.1質量部を加え、反応容器内を10.0mmHgまで減圧し、減圧下で約10時間攪拌反応させて、結晶性ポリエステル樹脂1Aを得た。DSCによる融点が67℃、GPCによるMwが18000、Mnが6800、酸価が7KOHmg/g、Fedors法により計算されるSP値は18.6(J/cm31/2であった。
[結晶性ポリエステル樹脂(結晶性樹脂)2Aの合成]
1,10−デカンジカルボン酸(試薬) 315質量部
1,9−ノナンジオール(試薬) 132.9質量部
上記成分を用い、結晶性ポリエステル樹脂1Aの合成と同様の方法にて、結晶性ポリエステル樹脂2Aを得た。DSCによる融点が67℃、GPCによるMwが18000、Mnが6800、酸価が7KOHmg/g、Fedors法により計算されるSP値は18.4(J/cm31/2であった。
[非晶性ポリエステル樹脂分散液1Aの調整]
得られた非晶性ポリエステル樹脂1Aを、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)を高温高圧型に改造した分散機を用いて分散した。イオン交換水79質量%、アニオン系界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)が1質量%(有効成分として)、非晶性樹脂の濃度が20質量%の組成比で、アンモニアによりpHを8.5に調整し、回転子の回転速度が60Hz、圧力が5Kg/cm2、熱交換器による加熱140℃、の条件でキャビトロンを運転し、平均粒径260nmの非晶性ポリエステル樹脂分散液1Aを得た。
[非晶性ポリエステル樹脂分散液2Aの調整]
得られた非晶性ポリエステル樹脂2Aを、非晶性ポリエステル樹脂分散液1Aの調整と同様の方法にて分散し、平均粒径250nmの非晶性ポリエステル樹脂分散液2Aを得た。
[非晶性ポリエステル樹脂分散液3Aの調整]
得られた非晶性ポリエステル樹脂3Aを、非晶性ポリエステル樹脂分散液1Aの調整と同様の方法にて分散し、平均粒径270nmの非晶性ポリエステル樹脂分散液3Aを得た。
[結晶性ポリエステル樹脂分散液1Aの調整]
結晶性ポリエステル樹脂1Aの200質量部を蒸留水800質量部中に入れ、85℃に加熱後、アンモニアにてpH9.0に調整し、アニオン系界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)0.4質量部(有効成分として)を加え、85℃に加熱しながら、ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)にて、8000rpmで7分間分散し、結晶性ポリエステル樹脂分散液1Aを得た。平均粒径は230nmであった。
[結晶性ポリエステル樹脂分散液2Aの調整]
結晶性ポリエステル樹脂2Aの200質量部を蒸留水800質量部中に入れ、85℃に加熱後、アンモニアにてpH9.0に調整し、アニオン系界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)0.4質量部(有効成分として)を加え、85℃に加熱しながら、ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)にて、8000rpmで7分間分散し、結晶性ポリエステル樹脂分散液2Aを得た。平均粒径は280nmであった。
[非晶性ポリエステル樹脂(非晶性樹脂)1Bの合成]
ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物 345質量部
(三洋化成工業(株)社製、ニューポールBP−2P)
テレフタル酸(試薬) 132.8質量部
ドデセニルコハク酸無水物(試薬) 53.3質量部
上記成分を、攪拌機、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた反応容器に入れ、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、チタンテトラブトキサイド(試薬)0.1質量部を投入して、窒素ガス気流下約180℃で約8時間撹拌反応させた。さらに、チタンテトラブトキサイド(試薬)0.2質量部を投入して、温度を約220℃に上げて約6.0時間撹拌反応させた後、反応容器内を10.0mmHgまで減圧し、減圧下で約8.0時間攪拌反応させて、淡黄色透明な非晶性ポリエステル樹脂1Bを得た。DSCによるTgが57℃、GPCによるMwが14000、Mnが6000、酸化が10KOHmg/g、Fedors法により計算されるSP値は20.7(J/cm31/2であった。
[非晶性ポリエステル樹脂(非晶性樹脂)2Bの合成]
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物 315質量部
(三洋化成工業(株)社製、ニューポールBPE−20)
テレフタル酸(試薬) 132.9質量部
シクロヘキサンジカルボン酸 34.8質量部
上記成分を用い、非晶性ポリエステル樹脂1Bの合成と同様の合成法にて、ほぼ透明な非晶性ポリエステル樹脂2Bを得た。DSCによるTgが61℃、GPCによるMwが11000、Mnが4200、11KOHmg/g、Fedors法により計算されるSP値は21.4(J/cm31/2であった。
[非晶性ポリエステル樹脂(非晶性樹脂)3Bの合成]
ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物 275質量部
(三洋化成工業(株)社製、ニューポールBP−2P)
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物 63質量部
(三洋化成工業(株)社製、ニューポールBPE−20)
テレフタル酸(試薬) 116質量部
シクロヘキサンジカルボン酸 52質量部
上記成分を用い、非晶性ポリエステル樹脂1Bの合成と同様の合成法にて、ほぼ透明な非晶性ポリエステル樹脂3Bを得た。DSCによるTgが62℃、GPCによるMwが13000、Mnが4900、9KOHmg/g、Fedors法により計算されるSP値は20.9(J/cm31/2であった。
[非晶性ポリエステル樹脂(非晶性樹脂)4Bの合成]
ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物 388質量部
(三洋化成工業(株)社製、ニューポールBP−3P)
テレフタル酸(試薬) 116質量部
シクロヘキサンジカルボン酸(試薬) 52質量部
上記成分を用い、非晶性ポリエステル樹脂1Bの合成と同様の合成法にて、ほぼ透明な非晶性ポリエステル樹脂4Bを得た。DSCによるTgが57℃、GPCによるMwが12000、Mnが4800、11KOHmg/g、Fedors法により計算されるSP値は20.6(J/cm31/2であった。
[結晶性ポリエステル樹脂(結晶性樹脂)1Bの合成]
1,8−オクタンジカルボン酸(試薬) 315質量部
1,9−ノナンジオール(試薬) 132.9質量部
上記成分を、攪拌機、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた反応容器に入れ、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、チタンテトラブトキサイド(試薬)0.2質量部を投入して、窒素ガス気流下約170℃で約10時間撹拌反応させた。さらに、温度を約220℃に上げて、チタンテトラブトキサイド(試薬)0.1質量部を加え、反応容器内を10.0mmHgまで減圧し、減圧下で約10時間攪拌反応させて、結晶性ポリエステル樹脂1Bを得た。DSCによる融点が67℃、GPCによるMwが18000、Mnが6800、酸価が7KOHmg/g、Fedors法により計算されるSP値は18.6(J/cm31/2であった。
[結晶性ポリエステル樹脂(結晶性樹脂)2Bの合成]
1,10−デカンジカルボン酸(試薬) 315質量部
1,9−ノナンジオール(試薬) 132.9質量部
上記成分を用い、結晶性ポリエステル樹脂1Bの合成と同様の方法にて、結晶性ポリエステル樹脂2Bを得た。DSCによる融点が67℃、GPCによるMwが18000、Mnが6800、酸価が7KOHmg/g、Fedors法により計算されるSP値は18.4(J/cm31/2であった。
[非晶性ポリエステル樹脂分散液1Bの調整]
得られた非晶性ポリエステル樹脂1Bを、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)を高温高圧型に改造した分散機を用いて分散した。イオン交換水79質量%、アニオン系界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)が1質量%(有効成分として)、非晶性樹脂の濃度が20質量%の組成比で、アンモニアによりpHを8.5に調整し、回転子の回転速度が60Hz、圧力が5Kg/cm2、熱交換器による加熱140℃、の条件でキャビトロンを運転し、平均粒径260nmの非晶性ポリエステル樹脂分散液1Bを得た。
[非晶性ポリエステル樹脂分散液2Bの調整]
得られた非晶性ポリエステル樹脂2Bを、非晶性ポリエステル樹脂分散液1Bの調整と同様の方法にて分散し、平均粒径250nmの非晶性ポリエステル樹脂分散液2Bを得た。
[非晶性ポリエステル樹脂分散液3Bの調整]
得られた非晶性ポリエステル樹脂3Bを、非晶性ポリエステル樹脂分散液1Bの調整と同様の方法にて分散し、平均粒径270nmの非晶性ポリエステル樹脂分散液3Bを得た。
[非晶性ポリエステル樹脂分散液4Bの調整]
得られた非晶性ポリエステル樹脂4Bを、非晶性ポリエステル樹脂分散液1Bの調整と同様の方法にて分散し、平均粒径270nmの非晶性ポリエステル樹脂分散液4Bを得た。
[結晶性ポリエステル樹脂分散液1Bの調整]
結晶性ポリエステル樹脂1Bの200質量部を蒸留水800質量部中に入れ、85℃に加熱後、アンモニアにてpH9.0に調整し、アニオン系界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)0.4質量部(有効成分として)を加え、85℃に加熱しながら、ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)にて、8000rpmで7分間分散し、結晶性ポリエステル樹脂分散液1Bを得た。平均粒径は230nmであった。
[結晶性ポリエステル樹脂分散液2Bの調整]
結晶性ポリエステル樹脂2Bの200質量部を蒸留水800質量部中に入れ、85℃に加熱後、アンモニアにてpH9.0に調整し、アニオン系界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)0.4質量部(有効成分として)を加え、85℃に加熱しながら、ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)にて、8000rpmで7分間分散し、結晶性ポリエステル樹脂分散液2Bを得た。平均粒径は280nmであった。
[追加微粒子1Aの調整]
非晶性ポリエステル樹脂分散液2A 210質量部
(非晶性ポリエステル樹脂濃度20質量%)
アニオン性界面活性剤 1.05質量部(有効成分として0.63質量部)
(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、有効成分量60質量%)
を混合した後、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0にして、追加微粒子1Aを調整した。
[追加微粒子2Aの調整]
非晶性ポリエステル樹脂分散液3A 210質量部
(非晶性ポリエステル樹脂濃度20質量%)
アニオン性界面活性剤 1.05質量部(有効成分として0.63質量部)
(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、有効成分量60質量%)
を混合した後、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0にして、追加微粒子2Aを調整した。
[追加微粒子1Bの調整]
非晶性ポリエステル樹脂分散液2B 210質量部
(非晶性ポリエステル樹脂濃度20質量%)
アニオン性界面活性剤 1.05質量部(有効成分として0.63質量部)
(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、有効成分量60質量%)
を混合した後、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0にして、追加微粒子1Bを調整した。
[追加微粒子2Bの調整]
非晶性ポリエステル樹脂分散液3B 210質量部
(非晶性ポリエステル樹脂濃度20質量%)
アニオン性界面活性剤 1.05質量部(有効成分として0.63質量部)
(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、有効成分量60質量%)
を混合した後、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0にして、追加微粒子2Bを調整した。
[実施例1A]
イオン交換水 225質量部
非晶性ポリエステル樹脂分散液1A 423.4質量部
(非晶性ポリエステル樹脂濃度20質量%)
結晶性ポリエステル樹脂分散液1A 8.6質量部
(結晶性ポリエステル樹脂濃度20質量%)
アニオン性界面活性剤 2.14質量部(有効成分として1.28質量部)
(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、有効成分量60質量%)
を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。その後、
シアン着色剤分散液 55質量部
離型剤分散液 61.8質量部
を投入し、5分間保持した後、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを2.7に調整した。
攪拌機、マントルヒーターをはずし、ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)にて、3000rpmで分散しながら、
ポリ塩化アルミニウム 0.33質量部
0.1質量%硝酸水溶液 37.5質量部
の混合溶液を、そのうちの1/2を添加した後、分散回転数を5000rpmにして、残りの1/2を1分間かけて添加し、分散回転数を6500rpmにして、泡を巻き込まないように注意しながら6分間分散した。
反応容器に、攪拌機、マントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌するように攪拌機の回転数を適宜調整しながら、42℃まで、0.5℃/分で昇温し、42℃で15分保持した後、0.05℃/分で昇温しながら、10分ごとに、コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm、コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.0μmとなったところで、追加微粒子1Aを3分間かけて投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、5℃ごとにpHを9.0に調整しながら、昇温速度1℃/分で96℃まで昇温し、96℃で保持した。30分ごとに光学顕微鏡と走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて粒子形状及び表面性を観察したところ、2時間目でほぼ球形化したので、1℃/分で20℃まで降温して粒子を固化させた。
冷却後のスラリーを、目開き20μmのメッシュに通過させ粗大粉を除去した後、反応生成物をアスピレータで減圧ろ過し、イオン交換水で通水洗浄した。ろ液の伝導度が50mS以下となったところで、ケーキ状になった粒子を取り出し、粒子重量の10倍量のイオン交換水中に投入し、スリーワンモータで攪拌し充分に粒子がほぐれたところで、1.0質量%硝酸水溶液でpHを3.8に調整して10分間保持した。その後再度ろ過、通水洗浄し、ろ液の伝導度が10mS以下となったところで、通水を停止し、固液分離した。得られたケーキ状になった粒子を、40℃のオーブン中で24時間真空乾燥した。得られた粉体をサンプルミルで解砕した後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナーを得た。
得られたトナー100部に対して疎水性シリカ(日本アエロジル社製、RY50)を1.0質量部と疎水性酸化チタン(日本アエロジル社製、T805)を0.8質量部とを、サンプルミルを用いて13000rpmで30秒間混合ブレンドした。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してシアントナーを調整した。
[実施例2A]
イオン交換水 225質量部
非晶性ポリエステル樹脂分散液1A 423.4質量部
(非晶性ポリエステル樹脂濃度20質量%)
結晶性ポリエステル樹脂分散液1A 8.6質量部
(結晶性ポリエステル樹脂濃度20質量%)
アニオン性界面活性剤 2.14質量部(有効成分として1.28質量部)
(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、有効成分量60質量%)
を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。その後、
シアン着色剤分散液 55質量部
離型剤分散液 61.8質量部
を投入し、5分間保持した後、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを2.7に調整した。
攪拌機、マントルヒーターをはずし、ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)にて、3000rpmで分散しながら、
ポリ塩化アルミニウム 0.33質量部
0.1質量%硝酸水溶液 37.5質量部
の混合溶液を、そのうちの1/2を添加した後、分散回転数を5000rpmにして、残りの1/2を1分間かけて添加し、分散回転数を6500rpmにして、泡を巻き込まないように注意しながら6分間分散した。
反応容器に、攪拌機、マントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌するように攪拌機の回転数を適宜調整しながら、42℃まで、0.5℃/分で昇温し、42℃で15分保持した後、0.05℃/分で昇温しながら、10分ごとに、コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm、コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.0μmとなったところで、追加微粒子2Aを3分間かけて投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、5℃ごとにpHを9.0に調整しながら、昇温速度1℃/分で96℃まで昇温し、96℃で保持した。30分ごとに光学顕微鏡と走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて粒子形状及び表面性を観察したところ、2時間目でほぼ球形化したので、1℃/分で20℃まで降温して粒子を固化させた。
冷却後のスラリーを、目開き20μmのメッシュに通過させ粗大粉を除去した後、反応生成物をアスピレータで減圧ろ過し、イオン交換水で通水洗浄した。ろ液の伝導度が50mS以下となったところで、ケーキ状になった粒子を取り出し、粒子重量の10倍量のイオン交換水中に投入し、スリーワンモータで攪拌し充分に粒子がほぐれたところで、1.0質量%硝酸水溶液でpHを3.8に調整して10分間保持した。その後再度ろ過、通水洗浄し、ろ液の伝導度が10mS以下となったところで、通水を停止し、固液分離した。得られたケーキ状になった粒子を、40℃のオーブン中で24時間真空乾燥した。得られた粉体をサンプルミルで解砕した後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナーを得た。
得られたトナー100部に対して疎水性シリカ(日本アエロジル社製、RY50)を1.0質量部と疎水性酸化チタン(日本アエロジル社製、T805)を0.8質量部とを、サンプルミルを用いて13000rpmで30秒間混合ブレンドした。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してシアントナーを調整した。
[実施例3A]
イオン交換水 225質量部
非晶性ポリエステル樹脂分散液1A 335質量部
(非晶性ポリエステル樹脂濃度20質量%)
結晶性ポリエステル樹脂分散液1A 97質量部
(結晶性ポリエステル樹脂濃度20質量%)
アニオン性界面活性剤 2.14質量部(有効成分として1.28質量部)
(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、有効成分量60質量%)
を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。その後、
シアン着色剤分散液 55質量部
離型剤分散液 61.8質量部
を投入し、5分間保持した後、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを2.7に調整した。
攪拌機、マントルヒーターをはずし、ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)にて、3000rpmで分散しながら、
ポリ塩化アルミニウム 0.33質量部
0.1質量%硝酸水溶液 37.5質量部
の混合溶液を、そのうちの1/2を添加した後、分散回転数を5000rpmにして、残りの1/2を1分間かけて添加し、分散回転数を6500rpmにして、泡を巻き込まないように注意しながら6分間分散した。
反応容器に、攪拌機、マントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌するように攪拌機の回転数を適宜調整しながら、42℃まで、0.5℃/分で昇温し、42℃で15分保持した後、0.05℃/分で昇温しながら、10分ごとに、コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm、コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.0μmとなったところで、追加微粒子1Bを3分間かけて投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、5℃ごとにpHを9.0に調整しながら、昇温速度1℃/分で90℃まで昇温し、90℃で保持した。30分ごとに光学顕微鏡と走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて粒子形状及び表面性を観察したところ、1.5時間目でほぼ球形化したので、1℃/分で20℃まで降温して粒子を固化させた。
冷却後のスラリーを、目開き20μmのメッシュに通過させ粗大粉を除去した後、反応生成物をアスピレータで減圧ろ過し、イオン交換水で通水洗浄した。ろ液の伝導度が50mS以下となったところで、ケーキ状になった粒子を取り出し、粒子重量の10倍量のイオン交換水中に投入し、スリーワンモータで攪拌し充分に粒子がほぐれたところで、1.0質量%硝酸水溶液でpHを3.8に調整して10分間保持した。その後再度ろ過、通水洗浄し、ろ液の伝導度が10mS以下となったところで、通水を停止し、固液分離した。得られたケーキ状になった粒子を、40℃のオーブン中で24時間真空乾燥した。得られた粉体をサンプルミルで解砕した後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナーを得た。
得られたトナー100部に対して疎水性シリカ(日本アエロジル社製、RY50)を1.0質量部と疎水性酸化チタン(日本アエロジル社製、T805)を0.8質量部とを、サンプルミルを用いて13000rpmで30秒間混合ブレンドした。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してシアントナーを調整した。
[実施例4A]
イオン交換水 225質量部
非晶性ポリエステル樹脂分散液1A 270質量部
(非晶性ポリエステル樹脂濃度20質量%)
結晶性ポリエステル樹脂分散液2A 162質量部
(結晶性ポリエステル樹脂濃度20質量%)
アニオン性界面活性剤 2.14質量部(有効成分として1.28質量部)
(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、有効成分量60質量%)
を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。その後、
シアン着色剤分散液 55質量部
離型剤分散液 61.8質量部
を投入し、5分間保持した後、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを2.7に調整した。
攪拌機、マントルヒーターをはずし、ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)にて、3000rpmで分散しながら、
ポリ塩化アルミニウム 0.33質量部
0.1質量%硝酸水溶液 37.5質量部
の混合溶液を、そのうちの1/2を添加した後、分散回転数を5000rpmにして、残りの1/2を1分間かけて添加し、分散回転数を6500rpmにして、泡を巻き込まないように注意しながら6分間分散した。
反応容器に、攪拌機、マントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌するように攪拌機の回転数を適宜調整しながら、42℃まで、0.5℃/分で昇温し、42℃で15分保持した後、0.05℃/分で昇温しながら、10分ごとに、コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm、コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.0μmとなったところで、追加微粒子1Aを3分間かけて投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、5℃ごとにpHを9.0に調整しながら、昇温速度1℃/分で88℃まで昇温し、88℃で保持した。30分ごとに光学顕微鏡と走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて粒子形状及び表面性を観察したところ、1.5時間目でほぼ球形化したので、1℃/分で20℃まで降温して粒子を固化させた。
冷却後のスラリーを、目開き20μmのメッシュに通過させ粗大粉を除去した後、反応生成物をアスピレータで減圧ろ過し、イオン交換水で通水洗浄した。ろ液の伝導度が50mS以下となったところで、ケーキ状になった粒子を取り出し、粒子重量の10倍量のイオン交換水中に投入し、スリーワンモータで攪拌し充分に粒子がほぐれたところで、1.0質量%硝酸水溶液でpHを3.8に調整して10分間保持した。その後再度ろ過、通水洗浄し、ろ液の伝導度が10mS以下となったところで、通水を停止し、固液分離した。得られたケーキ状になった粒子を、40℃のオーブン中で24時間真空乾燥した。得られた粉体をサンプルミルで解砕した後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナーを得た。
得られたトナー100部に対して疎水性シリカ(日本アエロジル社製、RY50)を1.0質量部と疎水性酸化チタン(日本アエロジル社製、T805)を0.8質量部とを、サンプルミルを用いて13000rpmで30秒間混合ブレンドした。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してシアントナーを調整した。
[比較例1A]
イオン交換水 225質量部
非晶性ポリエステル樹脂分散液3A 432質量部
(非晶性ポリエステル樹脂濃度20質量%)
アニオン性界面活性剤 2.14質量部(有効成分として1.28質量部)
(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、有効成分量60質量%)
を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。その後、
シアン着色剤分散液 55質量部
離型剤分散液 61.8質量部
を投入し、5分間保持した後、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを2.7に調整した。
攪拌機、マントルヒーターをはずし、ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)にて、3000rpmで分散しながら、
ポリ塩化アルミニウム 0.33質量部
0.1質量%硝酸水溶液 37.5質量部
の混合溶液を、そのうちの1/2を添加した後、分散回転数を5000rpmにして、残りの1/2を1分間かけて添加し、分散回転数を6500rpmにして、泡を巻き込まないように注意しながら6分間分散した。
反応容器に、攪拌機、マントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌するように攪拌機の回転数を適宜調整しながら、42℃まで、0.5℃/分で昇温し、42℃で15分保持した後、0.05℃/分で昇温しながら、10分ごとに、コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm、コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.0μmとなったところで、追加微粒子1Aを3分間かけて投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、5℃ごとにpHを9.0に調整しながら、昇温速度1℃/分で96℃まで昇温し、96℃で保持した。30分ごとに光学顕微鏡と走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて粒子形状及び表面性を観察したところ、4時間目でほぼ球形化したので、1℃/分で20℃まで降温して粒子を固化させた。
冷却後のスラリーを、目開き20μmのメッシュに通過させ粗大粉を除去した後、反応生成物をアスピレータで減圧ろ過し、イオン交換水で通水洗浄した。ろ液の伝導度が50mS以下となったところで、ケーキ状になった粒子を取り出し、粒子重量の10倍量のイオン交換水中に投入し、スリーワンモータで攪拌し充分に粒子がほぐれたところで、1.0質量%硝酸水溶液でpHを3.8に調整して10分間保持した。その後再度ろ過、通水洗浄し、ろ液の伝導度が10mS以下となったところで、通水を停止し、固液分離した。得られたケーキ状になった粒子を、40℃のオーブン中で24時間真空乾燥した。得られた粉体をサンプルミルで解砕した後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナーを得た。
得られたトナー100部に対して疎水性シリカ(日本アエロジル社製、RY50)を1.0質量部と疎水性酸化チタン(日本アエロジル社製、T805)を0.8質量部とを、サンプルミルを用いて13000rpmで30秒間混合ブレンドした。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してシアントナーを調整した。
[比較例2A]
イオン交換水 225質量部
非晶性ポリエステル樹脂分散液3A 335質量部
(非晶性ポリエステル樹脂濃度20質量%)
結晶性ポリエステル樹脂分散液1A 97質量部
(結晶性ポリエステル樹脂濃度20質量%)
アニオン性界面活性剤 2.14質量部(有効成分として1.28質量部)
(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、有効成分量60質量%)
を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。その後、
シアン着色剤分散液 55質量部
離型剤分散液 61.8質量部
を投入し、5分間保持した後、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを2.7に調整した。
攪拌機、マントルヒーターをはずし、ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)にて、3000rpmで分散しながら、
ポリ塩化アルミニウム 0.33質量部
0.1質量%硝酸水溶液 37.5質量部
の混合溶液を、そのうちの1/2を添加した後、分散回転数を5000rpmにして、残りの1/2を1分間かけて添加し、分散回転数を6500rpmにして、泡を巻き込まないように注意しながら6分間分散した。
反応容器に、攪拌機、マントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌するように攪拌機の回転数を適宜調整しながら、42℃まで、0.5℃/分で昇温し、42℃で15分保持した後、0.05℃/分で昇温しながら、10分ごとに、コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm、コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.0μmとなったところで、追加微粒子1Aを3分間かけて投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、5℃ごとにpHを9.0に調整しながら、昇温速度1℃/分で90℃まで昇温し、90℃で保持した。30分ごとに光学顕微鏡と走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて粒子形状及び表面性を観察したところ、2時間目でほぼ球形化したので、1℃/分で20℃まで降温して粒子を固化させた。
冷却後のスラリーを、目開き20μmのメッシュに通過させ粗大粉を除去した後、反応生成物をアスピレータで減圧ろ過し、イオン交換水で通水洗浄した。ろ液の伝導度が50mS以下となったところで、ケーキ状になった粒子を取り出し、粒子重量の10倍量のイオン交換水中に投入し、スリーワンモータで攪拌し充分に粒子がほぐれたところで、1.0質量%硝酸水溶液でpHを3.8に調整して10分間保持した。その後再度ろ過、通水洗浄し、ろ液の伝導度が10mS以下となったところで、通水を停止し、固液分離した。得られたケーキ状になった粒子を、40℃のオーブン中で24時間真空乾燥した。得られた粉体をサンプルミルで解砕した後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナーを得た。
得られたトナー100部に対して疎水性シリカ(日本アエロジル社製、RY50)を1.0質量部と疎水性酸化チタン(日本アエロジル社製、T805)を0.8質量部とを、サンプルミルを用いて13000rpmで30秒間混合ブレンドした。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してシアントナーを調整した。
[比較例3A]
イオン交換水 225質量部
非晶性ポリエステル樹脂分散液1A 233.3質量部
(非晶性ポリエステル樹脂濃度20質量%)
結晶性ポリエステル樹脂分散液2A 198.7質量部
(結晶性ポリエステル樹脂濃度20質量%)
アニオン性界面活性剤 2.14質量部(有効成分として1.28質量部)
(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、有効成分量60質量%)
を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。その後、
シアン着色剤分散液 55質量部
離型剤分散液 61.8質量部
を投入し、5分間保持した後、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを2.7に調整した。
攪拌機、マントルヒーターをはずし、ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)にて、3000rpmで分散しながら、
ポリ塩化アルミニウム 0.33質量部
0.1質量%硝酸水溶液 37.5質量部
の混合溶液を、そのうちの1/2を添加した後、分散回転数を5000rpmにして、残りの1/2を1分間かけて添加し、分散回転数を6500rpmにして、泡を巻き込まないように注意しながら6分間分散した。
反応容器に、攪拌機、マントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌するように攪拌機の回転数を適宜調整しながら、42℃まで、0.5℃/分で昇温し、42℃で15分保持した後、0.05℃/分で昇温しながら、10分ごとに、コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm、コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.0μmとなったところで、追加微粒子1Aを3分間かけて投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、5℃ごとにpHを9.0に調整しながら、昇温速度1℃/分で90℃まで昇温し、90℃で保持した。30分ごとに光学顕微鏡と走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて粒子形状及び表面性を観察したところ、2.5時間目でほぼ球形化したので、1℃/分で20℃まで降温して粒子を固化させた。
冷却後のスラリーを、目開き20μmのメッシュに通過させ粗大粉を除去した後、反応生成物をアスピレータで減圧ろ過し、イオン交換水で通水洗浄した。ろ液の伝導度が50mS以下となったところで、ケーキ状になった粒子を取り出し、粒子重量の10倍量のイオン交換水中に投入し、スリーワンモータで攪拌し充分に粒子がほぐれたところで、1.0質量%硝酸水溶液でpHを3.8に調整して10分間保持した。その後再度ろ過、通水洗浄し、ろ液の伝導度が10mS以下となったところで、通水を停止し、固液分離した。得られたケーキ状になった粒子を、40℃のオーブン中で24時間真空乾燥した。得られた粉体をサンプルミルで解砕した後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナーを得た。
得られたトナー100部に対して疎水性シリカ(日本アエロジル社製、RY50)を1.0質量部と疎水性酸化チタン(日本アエロジル社製、T805)を0.8質量部とを、サンプルミルを用いて13000rpmで30秒間混合ブレンドした。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してシアントナーを調整した。
[実施例1B]
イオン交換水 225質量部
非晶性ポリエステル樹脂分散液1B 432質量部
(非晶性ポリエステル樹脂濃度20質量%)
アニオン性界面活性剤 2.14質量部(有効成分として1.28質量部)
(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、有効成分量60質量%)
を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。その後、
シアン着色剤分散液 55質量部
離型剤分散液 61.8質量部
を投入し、5分間保持した後、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを2.7に調整した。
攪拌機、マントルヒーターをはずし、ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)にて、3000rpmで分散しながら、
ポリ塩化アルミニウム 0.33質量部
0.1質量%硝酸水溶液 37.5質量部
の混合溶液を、そのうちの1/2を添加した後、分散回転数を5000rpmにして、残りの1/2を1分間かけて添加し、分散回転数を6500rpmにして、泡を巻き込まないように注意しながら6分間分散した。
反応容器に、攪拌機、マントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌するように攪拌機の回転数を適宜調整しながら、42℃まで、0.5℃/分で昇温し、42℃で15分保持した後、0.05℃/分で昇温しながら、10分ごとに、コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm、コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.0μmとなったところで、追加微粒子1Bを3分間かけて投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、5℃ごとにpHを9.0に調整しながら、昇温速度1℃/分で96℃まで昇温し、96℃で保持した。30分ごとに光学顕微鏡と走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて粒子形状及び表面性を観察したところ、3.0時間目でほぼ球形化したので、1℃/分で20℃まで降温して粒子を固化させた。
冷却後のスラリーを、目開き20μmのメッシュに通過させ粗大粉を除去した後、反応生成物をアスピレータで減圧ろ過し、イオン交換水で通水洗浄した。ろ液の伝導度が50mS以下となったところで、ケーキ状になった粒子を取り出し、粒子重量の10倍量のイオン交換水中に投入し、スリーワンモータで攪拌し充分に粒子がほぐれたところで、1.0質量%硝酸水溶液でpHを3.8に調整して10分間保持した。その後再度ろ過、通水洗浄し、ろ液の伝導度が10mS以下となったところで、通水を停止し、固液分離した。得られたケーキ状になった粒子を、40℃のオーブン中で24時間真空乾燥した。得られた粉体をサンプルミルで解砕した後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナーを得た。
得られたトナー100部に対して疎水性シリカ(日本アエロジル社製、RY50)を1.0質量部と疎水性酸化チタン(日本アエロジル社製、T805)を0.8質量部とを、サンプルミルを用いて13000rpmで30秒間混合ブレンドした。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してシアントナーを調整した。
[実施例2B]
イオン交換水 225質量部
非晶性ポリエステル樹脂分散液1B 432質量部
(非晶性ポリエステル樹脂濃度20質量%)
アニオン性界面活性剤 2.14質量部(有効成分として1.28質量部)
(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、有効成分量60質量%)
を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。その後、
シアン着色剤分散液 55質量部
離型剤分散液 61.8質量部
を投入し、5分間保持した後、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを2.7に調整した。
攪拌機、マントルヒーターをはずし、ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)にて、3000rpmで分散しながら、
ポリ塩化アルミニウム 0.33質量部
0.1質量%硝酸水溶液 37.5質量部
の混合溶液を、そのうちの1/2を添加した後、分散回転数を5000rpmにして、残りの1/2を1分間かけて添加し、分散回転数を6500rpmにして、泡を巻き込まないように注意しながら6分間分散した。
反応容器に、攪拌機、マントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌するように攪拌機の回転数を適宜調整しながら、42℃まで、0.5℃/分で昇温し、42℃で15分保持した後、0.05℃/分で昇温しながら、10分ごとに、コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm、コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.0μmとなったところで、追加微粒子2Bを3分間かけて投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、5℃ごとにpHを9.0に調整しながら、昇温速度1℃/分で96℃まで昇温し、96℃で保持した。30分ごとに光学顕微鏡と走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて粒子形状及び表面性を観察したところ、2.5時間目でほぼ球形化したので、1℃/分で20℃まで降温して粒子を固化させた。
冷却後のスラリーを、目開き20μmのメッシュに通過させ粗大粉を除去した後、反応生成物をアスピレータで減圧ろ過し、イオン交換水で通水洗浄した。ろ液の伝導度が50mS以下となったところで、ケーキ状になった粒子を取り出し、粒子重量の10倍量のイオン交換水中に投入し、スリーワンモータで攪拌し充分に粒子がほぐれたところで、1.0質量%硝酸水溶液でpHを3.8に調整して10分間保持した。その後再度ろ過、通水洗浄し、ろ液の伝導度が10mS以下となったところで、通水を停止し、固液分離した。得られたケーキ状になった粒子を、40℃のオーブン中で24時間真空乾燥した。得られた粉体をサンプルミルで解砕した後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナーを得た。
得られたトナー100部に対して疎水性シリカ(日本アエロジル社製、RY50)を1.0質量部と疎水性酸化チタン(日本アエロジル社製、T805)を0.8質量部とを、サンプルミルを用いて13000rpmで30秒間混合ブレンドした。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してシアントナーを調整した。
[実施例3B]
イオン交換水 225質量部
非晶性ポリエステル樹脂分散液1B 335質量部
(非晶性ポリエステル樹脂濃度20質量%)
結晶性ポリエステル樹脂分散液1B 97質量部
(結晶性ポリエステル樹脂濃度20質量%)
アニオン性界面活性剤 2.14質量部(有効成分として1.28質量部)
(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、有効成分量60質量%)
を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。その後、
シアン着色剤分散液 55質量部
離型剤分散液 61.8質量部
を投入し、5分間保持した後、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを2.7に調整した。
攪拌機、マントルヒーターをはずし、ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)にて、3000rpmで分散しながら、
ポリ塩化アルミニウム 0.33質量部
0.1質量%硝酸水溶液 37.5質量部
の混合溶液を、そのうちの1/2を添加した後、分散回転数を5000rpmにして、残りの1/2を1分間かけて添加し、分散回転数を6500rpmにして、泡を巻き込まないように注意しながら6分間分散した。
反応容器に、攪拌機、マントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌するように攪拌機の回転数を適宜調整しながら、42℃まで、0.5℃/分で昇温し、42℃で15分保持した後、0.05℃/分で昇温しながら、10分ごとに、コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm、コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.0μmとなったところで、追加微粒子1Bを3分間かけて投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、5℃ごとにpHを9.0に調整しながら、昇温速度1℃/分で90℃まで昇温し、90℃で保持した。30分ごとに光学顕微鏡と走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて粒子形状及び表面性を観察したところ、1.5時間目でほぼ球形化したので、1℃/分で20℃まで降温して粒子を固化させた。
冷却後のスラリーを、目開き20μmのメッシュに通過させ粗大粉を除去した後、反応生成物をアスピレータで減圧ろ過し、イオン交換水で通水洗浄した。ろ液の伝導度が50mS以下となったところで、ケーキ状になった粒子を取り出し、粒子重量の10倍量のイオン交換水中に投入し、スリーワンモータで攪拌し充分に粒子がほぐれたところで、1.0質量%硝酸水溶液でpHを3.8に調整して10分間保持した。その後再度ろ過、通水洗浄し、ろ液の伝導度が10mS以下となったところで、通水を停止し、固液分離した。得られたケーキ状になった粒子を、40℃のオーブン中で24時間真空乾燥した。得られた粉体をサンプルミルで解砕した後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナーを得た。
得られたトナー100部に対して疎水性シリカ(日本アエロジル社製、RY50)を1.0質量部と疎水性酸化チタン(日本アエロジル社製、T805)を0.8質量部とを、サンプルミルを用いて13000rpmで30秒間混合ブレンドした。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してシアントナーを調整した。
[実施例4B]
イオン交換水 225質量部
非晶性ポリエステル樹脂分散液1B 270質量部
(非晶性ポリエステル樹脂濃度20質量%)
結晶性ポリエステル樹脂分散液2B 162質量部
(結晶性ポリエステル樹脂濃度20質量%)
アニオン性界面活性剤 2.14質量部(有効成分として1.28質量部)
(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、有効成分量60質量%)
を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。その後、
シアン着色剤分散液 55質量部
離型剤分散液 61.8質量部
を投入し、5分間保持した後、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを2.7に調整した。
攪拌機、マントルヒーターをはずし、ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)にて、3000rpmで分散しながら、
ポリ塩化アルミニウム 0.33質量部
0.1質量%硝酸水溶液 37.5質量部
の混合溶液を、そのうちの1/2を添加した後、分散回転数を5000rpmにして、残りの1/2を1分間かけて添加し、分散回転数を6500rpmにして、泡を巻き込まないように注意しながら6分間分散した。
反応容器に、攪拌機、マントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌するように攪拌機の回転数を適宜調整しながら、42℃まで、0.5℃/分で昇温し、42℃で15分保持した後、0.05℃/分で昇温しながら、10分ごとに、コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm、コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.0μmとなったところで、追加微粒子1Bを3分間かけて投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、5℃ごとにpHを9.0に調整しながら、昇温速度1℃/分で88℃まで昇温し、88℃で保持した。30分ごとに光学顕微鏡と走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて粒子形状及び表面性を観察したところ、1.5時間目でほぼ球形化したので、1℃/分で20℃まで降温して粒子を固化させた。
冷却後のスラリーを、目開き20μmのメッシュに通過させ粗大粉を除去した後、反応生成物をアスピレータで減圧ろ過し、イオン交換水で通水洗浄した。ろ液の伝導度が50mS以下となったところで、ケーキ状になった粒子を取り出し、粒子重量の10倍量のイオン交換水中に投入し、スリーワンモータで攪拌し充分に粒子がほぐれたところで、1.0質量%硝酸水溶液でpHを3.8に調整して10分間保持した。その後再度ろ過、通水洗浄し、ろ液の伝導度が10mS以下となったところで、通水を停止し、固液分離した。得られたケーキ状になった粒子を、40℃のオーブン中で24時間真空乾燥した。得られた粉体をサンプルミルで解砕した後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナーを得た。
得られたトナー100部に対して疎水性シリカ(日本アエロジル社製、RY50)を1.0質量部と疎水性酸化チタン(日本アエロジル社製、T805)を0.8質量部とを、サンプルミルを用いて13000rpmで30秒間混合ブレンドした。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してシアントナーを調整した。
[比較例1B]
イオン交換水 225質量部
非晶性ポリエステル樹脂分散液4B 432質量部
(非晶性ポリエステル樹脂濃度20質量%)
アニオン性界面活性剤 2.14質量部(有効成分として1.28質量部)
(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、有効成分量60質量%)
を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。その後、
シアン着色剤分散液 55質量部
離型剤分散液 61.8質量部
を投入し、5分間保持した後、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを2.7に調整した。
攪拌機、マントルヒーターをはずし、ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)にて、3000rpmで分散しながら、
ポリ塩化アルミニウム 0.33質量部
0.1質量%硝酸水溶液 37.5質量部
の混合溶液を、そのうちの1/2を添加した後、分散回転数を5000rpmにして、残りの1/2を1分間かけて添加し、分散回転数を6500rpmにして、泡を巻き込まないように注意しながら6分間分散した。
反応容器に、攪拌機、マントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌するように攪拌機の回転数を適宜調整しながら、42℃まで、0.5℃/分で昇温し、42℃で15分保持した後、0.05℃/分で昇温しながら、10分ごとに、コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm、コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.0μmとなったところで、追加微粒子1Bを3分間かけて投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、5℃ごとにpHを9.0に調整しながら、昇温速度1℃/分で96℃まで昇温し、96℃で保持した。30分ごとに光学顕微鏡と走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて粒子形状及び表面性を観察したところ、4時間目でほぼ球形化したので、1℃/分で20℃まで降温して粒子を固化させた。
冷却後のスラリーを、目開き20μmのメッシュに通過させ粗大粉を除去した後、反応生成物をアスピレータで減圧ろ過し、イオン交換水で通水洗浄した。ろ液の伝導度が50mS以下となったところで、ケーキ状になった粒子を取り出し、粒子重量の10倍量のイオン交換水中に投入し、スリーワンモータで攪拌し充分に粒子がほぐれたところで、1.0質量%硝酸水溶液でpHを3.8に調整して10分間保持した。その後再度ろ過、通水洗浄し、ろ液の伝導度が10mS以下となったところで、通水を停止し、固液分離した。得られたケーキ状になった粒子を、40℃のオーブン中で24時間真空乾燥した。得られた粉体をサンプルミルで解砕した後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナーを得た。
得られたトナー100部に対して疎水性シリカ(日本アエロジル社製、RY50)を1.0質量部と疎水性酸化チタン(日本アエロジル社製、T805)を0.8質量部とを、サンプルミルを用いて13000rpmで30秒間混合ブレンドした。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してシアントナーを調整した。
[比較例2B]
イオン交換水 225質量部
非晶性ポリエステル樹脂分散液3B 335質量部
(非晶性ポリエステル樹脂濃度20質量%)
結晶性ポリエステル樹脂分散液1B 97質量部
(結晶性ポリエステル樹脂濃度20質量%)
アニオン性界面活性剤 2.14質量部(有効成分として1.28質量部)
(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、有効成分量60質量%)
を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。その後、
シアン着色剤分散液 55質量部
離型剤分散液 61.8質量部
を投入し、5分間保持した後、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを2.7に調整した。
攪拌機、マントルヒーターをはずし、ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)にて、3000rpmで分散しながら、
ポリ塩化アルミニウム 0.33質量部
0.1質量%硝酸水溶液 37.5質量部
の混合溶液を、そのうちの1/2を添加した後、分散回転数を5000rpmにして、残りの1/2を1分間かけて添加し、分散回転数を6500rpmにして、泡を巻き込まないように注意しながら6分間分散した。
反応容器に、攪拌機、マントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌するように攪拌機の回転数を適宜調整しながら、42℃まで、0.5℃/分で昇温し、42℃で15分保持した後、0.05℃/分で昇温しながら、10分ごとに、コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm、コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.0μmとなったところで、追加微粒子1Bを3分間かけて投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、5℃ごとにpHを9.0に調整しながら、昇温速度1℃/分で90℃まで昇温し、90℃で保持した。30分ごとに光学顕微鏡と走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて粒子形状及び表面性を観察したところ、2時間目でほぼ球形化したので、1℃/分で20℃まで降温して粒子を固化させた。
冷却後のスラリーを、目開き20μmのメッシュに通過させ粗大粉を除去した後、反応生成物をアスピレータで減圧ろ過し、イオン交換水で通水洗浄した。ろ液の伝導度が50mS以下となったところで、ケーキ状になった粒子を取り出し、粒子重量の10倍量のイオン交換水中に投入し、スリーワンモータで攪拌し充分に粒子がほぐれたところで、1.0質量%硝酸水溶液でpHを3.8に調整して10分間保持した。その後再度ろ過、通水洗浄し、ろ液の伝導度が10mS以下となったところで、通水を停止し、固液分離した。得られたケーキ状になった粒子を、40℃のオーブン中で24時間真空乾燥した。得られた粉体をサンプルミルで解砕した後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナーを得た。
得られたトナー100部に対して疎水性シリカ(日本アエロジル社製、RY50)を1.0質量部と疎水性酸化チタン(日本アエロジル社製、T805)を0.8質量部とを、サンプルミルを用いて13000rpmで30秒間混合ブレンドした。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してシアントナーを調整した。
得られたトナー100部に対して疎水性シリカ(日本アエロジル社製、RY50)を1.0質量部と疎水性酸化チタン(日本アエロジル社製、T805)を0.8質量部とを、サンプルミルを用いて13000rpmで30秒間混合ブレンドした。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してシアントナーを調整した。
[比較例3B]
イオン交換水 225質量部
非晶性ポリエステル樹脂分散液1B 233.3質量部
(非晶性ポリエステル樹脂濃度20質量%)
結晶性ポリエステル樹脂分散液2B 198.7質量部
(結晶性ポリエステル樹脂濃度20質量%)
アニオン性界面活性剤 2.14質量部(有効成分として1.28質量部)
(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、有効成分量60質量%)
を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。その後、
シアン着色剤分散液 55質量部
離型剤分散液 61.8質量部
を投入し、5分間保持した後、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを2.7に調整した。
攪拌機、マントルヒーターをはずし、ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)にて、3000rpmで分散しながら、
ポリ塩化アルミニウム 0.33質量部
0.1質量%硝酸水溶液 37.5質量部
の混合溶液を、そのうちの1/2を添加した後、分散回転数を5000rpmにして、残りの1/2を1分間かけて添加し、分散回転数を6500rpmにして、泡を巻き込まないように注意しながら6分間分散した。
反応容器に、攪拌機、マントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌するように攪拌機の回転数を適宜調整しながら、42℃まで、0.5℃/分で昇温し、42℃で15分保持した後、0.05℃/分で昇温しながら、10分ごとに、コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm、コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.0μmとなったところで、追加微粒子1Bを3分間かけて投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、5℃ごとにpHを9.0に調整しながら、昇温速度1℃/分で90℃まで昇温し、90℃で保持した。30分ごとに光学顕微鏡と走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて粒子形状及び表面性を観察したところ、2.5時間目でほぼ球形化したので、1℃/分で20℃まで降温して粒子を固化させた。
冷却後のスラリーを、目開き20μmのメッシュに通過させ粗大粉を除去した後、反応生成物をアスピレータで減圧ろ過し、イオン交換水で通水洗浄した。ろ液の伝導度が50mS以下となったところで、ケーキ状になった粒子を取り出し、粒子重量の10倍量のイオン交換水中に投入し、スリーワンモータで攪拌し充分に粒子がほぐれたところで、1.0質量%硝酸水溶液でpHを3.8に調整して10分間保持した。その後再度ろ過、通水洗浄し、ろ液の伝導度が10mS以下となったところで、通水を停止し、固液分離した。得られたケーキ状になった粒子を、40℃のオーブン中で24時間真空乾燥した。得られた粉体をサンプルミルで解砕した後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナーを得た。
得られたトナー100部に対して疎水性シリカ(日本アエロジル社製、RY50)を1.0質量部と疎水性酸化チタン(日本アエロジル社製、T805)を0.8質量部とを、サンプルミルを用いて13000rpmで30秒間混合ブレンドした。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してシアントナーを調整した。
[キャリアの製造例]
フェライト粒子(平均粒径35μm) 500質量部
トルエン 70部
パーフルオロオクチルエチルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合体
(共重合比:15/85、Mw75000) 10質量部
カーボンブラック(VXC72:キャボット社製) 1.0質量部
まずフェライト粒子を除く上記成分を10分間サンドミルにて攪拌させ、分散した被覆液を秤量し、次にこの被覆液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れ、攪拌しながら、60℃にて−20mHgまで減圧し30分混合した後、昇温/減圧させ90℃/−720mHgで30分間攪拌乾燥させることによりキャリアを得た。このキャリアは1000V/cm印可電界時の体積固有抵抗値が1011Ωcmであった。
[現像剤の調整]
上記キャリア500部に対して、実施例及び比較例の各トナー40部をV型ブレンダーで20分間ブレンドした後、目開き212μmの振動ふるいにより凝集体を除去して各現像剤を得た。
[補給用トナーの調整]
上記キャリア20部に対して、実施例及び比較例の各トナー100部をV型ブレンダーで20分間ブレンドした後、目開き212μmの振動ふるいにより凝集体を除去して各補給用トナーを得た。
[トナーの表面状態観察]
走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて、観察倍率、3500倍、10000倍、20000倍で、トナーの表面を観察し、表面の滑らかさを目視により評価した。得られた結果を表1及び2に示す。
実施例のトナーは、離型剤の露出やシェルの脱離もなくなめらかな表面性であったのに対して、比較例のトナーは、離型剤と思われる塊状物が表面に露出していた。
[画像評価]
室温30℃、湿度80%の環境室にて、各現像剤をDocuCentre Color 500 CPの現像器に、補給用トナーをトナーカートリッジにそれぞれセットし、用紙上の各単色ベタ画像の現像トナー量を3.5g/m2に調整した。用紙には富士ゼロックスオフィスサプライ社製のC2r紙を用いた。はじめにA3サイズの白紙100枚を通紙し、現像剤を帯電させるとともに強制的に劣化させた後、現像ロール上の現像剤を採取し、ブローオフトライボにより帯電量(初期帯電量)を測定した。次に、12時間放置した後に再度帯電量を測定するとともに、再度白紙を通紙したときのカブリを評価した。目視上、観察できないレベルを○、極わずかに観察されるレベルを△、明らかに観察されるレベルを×とした。実使用上問題がないカブリレベルは○以上である。得られた結果を表1及び2に示す。
実施例の各トナーは良好な帯電性を示し、12時間放置後もカブリは発生しなかった。一方、比較例の各トナーは、離型剤などの内添物がトナー表面に露出してしまったために、帯電性が低下し、カブリが発生してしまった。
[画像強度評価]
室温22℃、湿度50%の環境室にて、実施例及び比較例の各現像剤をDocuCentre Color 500 CPのシアン、マゼンタ、イエローの各現像器に、補給用トナーをトナーカートリッジにそれぞれセットし、用紙上の各単色のみのベタ画像の現像トナー量を4.5g/m2に調整した。用紙には富士ゼロックスオフィスサプライ社製のJ紙を用いて、シアン、マゼンタ、イエローを各100%で重ね合わせた3次色画像を出力した。ここでの出力画像は、実際にはカラー画像ではなく、同一シアントナーの3次色相当分の積層画像である。出力画像を内側にして用紙を軽く折り曲げ、200g/cmの荷重を1分間かけて出力画像に折り目をつけた後、画像を開いて折り目の部分を5g/cmの荷重をかけながらウエスで1回こすり、欠落した画像を除去した後、折り目部分の画像欠損を評価した。目視にて、観察できないレベルを○、極わずかに観察されるレベルを△、明らかに観察されるレベルを×とした。得られた結果を表1及び2に示す。
実施例の各トナーは、充分な画像強度を有していたのに対して、比較例のトナーは、内添物及びコア粒子中に含有されるポリエステル樹脂(コア樹脂)とシェル層中に含有されるポリエステル樹脂(シェル樹脂)との相溶性が劣るために、界面での破壊が起こり、画像強度が低下してしまった。
Figure 2007114398
Figure 2007114398

Claims (4)

  1. 結着樹脂と着色剤と離型剤とを少なくとも含有するコア粒子と、前記コア粒子を被覆するシェル層とを含む構造を有する電子写真用トナーであって、
    前記コア粒子に含有される結着樹脂の75質量%以上がポリエステル樹脂Aであり、前記シェル層の75質量%以上がポリエステル樹脂Bであり、前記ポリエステル樹脂A中及び前記ポリエステル樹脂B中のイソフタル酸量が下記式(1)を満たし、且つ前記ポリエステル樹脂A及び前記ポリエステル樹脂Bのソルビリティーパラメータ(SP値)が下記式(2)を満たす電子写真用トナー。
    ポリエステル樹脂A中のイソフタル酸量>ポリエステル樹脂B中のイソフタル酸量 式(1)
    0.15(J/cm1/2<(ポリエステル樹脂BのSP値−ポリエステル樹脂AのSP値)<1.7(J/cm1/2 式(2)
  2. 結着樹脂と着色剤と離型剤とを少なくとも含有するコア粒子と、前記コア粒子を被覆するシェル層とを含む構造を有する電子写真用トナーであって、
    前記コア粒子に含有される結着樹脂の75質量%以上がポリエステル樹脂Cであり、前記シェル層の75質量%以上がポリエステル樹脂Dであり、前記ポリエステル樹脂C中及び前記ポリエステル樹脂D中のドデセニルコハク酸量が下記式(3)を満たし、且つ前記ポリエステル樹脂C及び前記ポリエステル樹脂Dのソルビリティーパラメータ(SP値)が下記式(4)を満たす電子写真用トナー。
    ポリエステル樹脂C中のドデセニルコハク酸量>ポリエステル樹脂D中のドデセニルコハク酸量 式(3)
    0.15(J/cm1/2<(ポリエステル樹脂DのSP値−ポリエステル樹脂CのSP値)<1.7(J/cm1/2 式(4)
  3. クロロホルム可溶分中のIPC発光分光によるチタン含有量が5〜300ppmである請求項1又は2に記載の電子写真用トナー。
  4. 前記コア粒子中に、結着樹脂として示差走査熱量計で測定される吸熱曲線から解析される吸熱ピーク温度が50〜80℃にあるポリエステル樹脂Eをさらに含有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子写真用トナー。
JP2005304614A 2005-10-19 2005-10-19 電子写真用トナー Active JP4665707B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005304614A JP4665707B2 (ja) 2005-10-19 2005-10-19 電子写真用トナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005304614A JP4665707B2 (ja) 2005-10-19 2005-10-19 電子写真用トナー

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2007114398A true JP2007114398A (ja) 2007-05-10
JP2007114398A5 JP2007114398A5 (ja) 2008-12-04
JP4665707B2 JP4665707B2 (ja) 2011-04-06

Family

ID=38096668

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005304614A Active JP4665707B2 (ja) 2005-10-19 2005-10-19 電子写真用トナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4665707B2 (ja)

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008122947A (ja) * 2006-10-16 2008-05-29 Kao Corp 電子写真用トナー
JP2009047970A (ja) * 2007-08-21 2009-03-05 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置および画像形成方法
JP2009244122A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Fuji Electric Holdings Co Ltd 活性炭分析の前処理方法
JP2010072476A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Sanyo Chem Ind Ltd 静電荷像現像用トナー
JP2010128500A (ja) * 2008-12-01 2010-06-10 Xerox Corp トナー組成物
JP2011123487A (ja) * 2009-12-10 2011-06-23 Xerox Corp トナープロセス
JP2011197193A (ja) * 2010-03-18 2011-10-06 Kao Corp トナー用結着樹脂
JP2012063559A (ja) * 2010-09-15 2012-03-29 Ricoh Co Ltd トナー及びその製造方法
JP2012098719A (ja) * 2010-10-06 2012-05-24 Sanyo Chem Ind Ltd トナーバインダーおよびトナー組成物
JP2012118236A (ja) * 2010-11-30 2012-06-21 Kao Corp 電子写真用トナーの製造方法
US8227160B2 (en) 2006-10-16 2012-07-24 Kao Corporation Toner for electrophotography
JP2013015771A (ja) * 2011-07-06 2013-01-24 Kao Corp 電子写真用トナー
JP2013025258A (ja) * 2011-07-25 2013-02-04 Kao Corp 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP2013222001A (ja) * 2012-04-13 2013-10-28 Kao Corp 電子写真用トナー
JP2013222002A (ja) * 2012-04-13 2013-10-28 Kao Corp 電子写真用トナー
JP2015125406A (ja) * 2013-12-27 2015-07-06 花王株式会社 電子写真用トナーの製造方法
JP2015125404A (ja) * 2013-12-27 2015-07-06 花王株式会社 電子写真用トナーの製造方法
WO2015190620A1 (en) 2014-06-13 2015-12-17 Kao Corporation Process for producing toner for development of electrostatic images
US9360783B2 (en) 2013-06-21 2016-06-07 Konica Minolta, Inc. Toner for electrostatic image development
CN110597032A (zh) * 2018-06-13 2019-12-20 佳能株式会社 调色剂
CN115093749A (zh) * 2022-07-13 2022-09-23 中瀚新材料科技有限公司 一种环保型凹版水性油墨及其制备方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002006539A (ja) * 2000-06-23 2002-01-09 Dainippon Ink & Chem Inc 電子写真用トナー及びその製法
JP2003270857A (ja) * 2002-03-15 2003-09-25 Seiko Epson Corp トナーの製造方法、トナーおよび印刷物
JP2004133320A (ja) * 2002-10-11 2004-04-30 Sekisui Chem Co Ltd トナー用ポリエステル樹脂組成物及びトナー
JP2004212739A (ja) * 2003-01-06 2004-07-29 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用トナー
JP2005077602A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Dainippon Ink & Chem Inc 電子写真用トナーおよびその製造方法
JP2005107387A (ja) * 2003-10-01 2005-04-21 Ricoh Co Ltd トナー及びその製造方法、並びに、結晶性ポリエステル樹脂分散液及びその製造方法、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP2005148474A (ja) * 2003-11-17 2005-06-09 Sharp Corp 静電潜像現像剤用トナーおよびその製造法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002006539A (ja) * 2000-06-23 2002-01-09 Dainippon Ink & Chem Inc 電子写真用トナー及びその製法
JP2003270857A (ja) * 2002-03-15 2003-09-25 Seiko Epson Corp トナーの製造方法、トナーおよび印刷物
JP2004133320A (ja) * 2002-10-11 2004-04-30 Sekisui Chem Co Ltd トナー用ポリエステル樹脂組成物及びトナー
JP2004212739A (ja) * 2003-01-06 2004-07-29 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用トナー
JP2005077602A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Dainippon Ink & Chem Inc 電子写真用トナーおよびその製造方法
JP2005107387A (ja) * 2003-10-01 2005-04-21 Ricoh Co Ltd トナー及びその製造方法、並びに、結晶性ポリエステル樹脂分散液及びその製造方法、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP2005148474A (ja) * 2003-11-17 2005-06-09 Sharp Corp 静電潜像現像剤用トナーおよびその製造法

Cited By (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008122947A (ja) * 2006-10-16 2008-05-29 Kao Corp 電子写真用トナー
US8227160B2 (en) 2006-10-16 2012-07-24 Kao Corporation Toner for electrophotography
JP2009047970A (ja) * 2007-08-21 2009-03-05 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置および画像形成方法
JP2009244122A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Fuji Electric Holdings Co Ltd 活性炭分析の前処理方法
JP2010072476A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Sanyo Chem Ind Ltd 静電荷像現像用トナー
JP2010128500A (ja) * 2008-12-01 2010-06-10 Xerox Corp トナー組成物
JP2011123487A (ja) * 2009-12-10 2011-06-23 Xerox Corp トナープロセス
JP2011197193A (ja) * 2010-03-18 2011-10-06 Kao Corp トナー用結着樹脂
JP2012063559A (ja) * 2010-09-15 2012-03-29 Ricoh Co Ltd トナー及びその製造方法
JP2012098719A (ja) * 2010-10-06 2012-05-24 Sanyo Chem Ind Ltd トナーバインダーおよびトナー組成物
JP2012118236A (ja) * 2010-11-30 2012-06-21 Kao Corp 電子写真用トナーの製造方法
JP2013015771A (ja) * 2011-07-06 2013-01-24 Kao Corp 電子写真用トナー
JP2013025258A (ja) * 2011-07-25 2013-02-04 Kao Corp 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP2013222001A (ja) * 2012-04-13 2013-10-28 Kao Corp 電子写真用トナー
JP2013222002A (ja) * 2012-04-13 2013-10-28 Kao Corp 電子写真用トナー
US9360783B2 (en) 2013-06-21 2016-06-07 Konica Minolta, Inc. Toner for electrostatic image development
JP2015125406A (ja) * 2013-12-27 2015-07-06 花王株式会社 電子写真用トナーの製造方法
JP2015125404A (ja) * 2013-12-27 2015-07-06 花王株式会社 電子写真用トナーの製造方法
WO2015190620A1 (en) 2014-06-13 2015-12-17 Kao Corporation Process for producing toner for development of electrostatic images
US10078278B2 (en) 2014-06-13 2018-09-18 Kao Corporation Process for producing toner for development of electrostatic images
CN110597032A (zh) * 2018-06-13 2019-12-20 佳能株式会社 调色剂
CN110597032B (zh) * 2018-06-13 2024-03-19 佳能株式会社 调色剂
CN115093749A (zh) * 2022-07-13 2022-09-23 中瀚新材料科技有限公司 一种环保型凹版水性油墨及其制备方法
CN115093749B (zh) * 2022-07-13 2023-11-14 中瀚新材料科技有限公司 一种环保型凹版水性油墨及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4665707B2 (ja) 2011-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4665707B2 (ja) 電子写真用トナー
JP4127313B1 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP4858165B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP5211791B2 (ja) 静電荷現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP4404136B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、並びに静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP4811459B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP5545046B2 (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP2007033694A (ja) 静電荷現像用トナー、静電荷現像用現像剤、及び画像形成方法
JP2008139647A (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、並びに静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2007004080A (ja) 電子写真用トナー、該トナーの製造方法、電子写真用現像剤、並びに画像形成方法
JP2009217053A (ja) 静電荷現像用トナー、静電荷現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジおよび画像形成装置
JP4513623B2 (ja) 電子写真用トナー
JP2006267741A (ja) 電子写真用マゼンタトナー及びフルカラー画像形成方法
JP4957516B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤カートリッジ、画像形成装置、プロセスカートリッジ、定着方法、及び画像形成方法
JP2008224976A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2012150163A (ja) マゼンタトナー、トナーセット、マゼンタ現像剤、トナー収容容器、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
JP2006267298A (ja) 静電荷現像用トナー、その製造方法、これを用いた静電荷現像用現像剤及び画像形成方法
JP2006293285A (ja) 静電潜像現像用トナー、その製造方法、静電潜像現像用現像剤、および、画像形成方法
JP2006091379A (ja) 電子写真用トナーの製造方法、電子写真用トナー、現像剤、及び画像形成方法。
JP4389665B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法
JP4458003B2 (ja) 静電潜像現像用トナー、静電潜像現像剤及び画像形成方法
JP5454538B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、静電荷像現像用トナーの製造方法及び画像形成装置
CN108333886B (zh) 静电潜像显影用调色剂
JP4506600B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、画像形成方法、及び静電荷現像用トナーの製造方法
JP2013068743A (ja) 画像形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081017

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081017

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100409

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100420

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100921

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101214

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101227

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140121

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4665707

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350