JP2012118236A - 電子写真用トナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】粒度分布がシャープであり、低温定着性と保存安定性とを両立し、トナー飛散を改善した電子写真用トナー、並びにその製造方法を提供する。
【解決手段】下記工程(1)〜(4)を含む、コアシェル型の電子写真用トナーの製造方法、及びそれにより得られる電子写真用トナー。
工程(1):結晶性ポリエステル(a)、及びビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物を80モル%以上含むアルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られる非晶質ポリエステル(b)を溶融混合して、水性媒体中に乳化し、樹脂粒子(A)を得る工程
工程(2):樹脂粒子(A)を凝集させて、凝集粒子を得る工程
工程(3):前記凝集粒子の分散液に、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物を80モル%以上含むアルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られる非晶質ポリエステル(c)を含有する樹脂粒子(C)を添加して、コアシェル粒子を得る工程
工程(4):前記コアシェル粒子を含む系の温度を非晶質ポリエステル(c)のガラス転移点より5℃低い温度以上の温度に保持して、合一したコアシェル粒子を得る工程
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真用トナーの製造方法、及びそれにより得られる電子写真用トナーに関する。
電子写真用トナーの分野においては、電子写真システムの発展に伴い、高画質化及び高速化に対応したトナーが必要とされている。
高画質化及び高速化に対応するために、トナーにも様々な性能が要求され、その要求を満たすために、着色剤や結晶性あるいは非晶質樹脂の乳化粒子を凝集させて、粒径や表面性を任意に調整できる方法として、乳化凝集法によるトナーの製造方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、低温定着性及び耐ホットオフセット性の改善を目的として、1つの反応容器内において、3価以上のカルボン酸を2.0〜12.0モル%有する非晶質ポリエステル及び結晶性ポリエステルを含有するポリエステルを水系媒体中で乳化する工程、又は前記ポリエステルを有機溶媒と混合した後、水系媒体を添加して乳化する工程を含む製造方法により得られるポリエステル粒子分散液を凝集及び合一して得られる、電子写真用トナーが開示されている。
特許文献2には、低温定着性、画像光沢性、現像剤の長寿命化の両立を目的として、結着樹脂と着色剤と離型剤とを少なくとも含有するコア粒子と、前記コア粒子を被覆するシェル層とを含む構造を有し、コア粒子に含有される結着樹脂の75質量%以上がポリエステル樹脂Aであり、シェル層の75質量%以上がポリエステル樹脂Bであり、ポリエステル樹脂A中及びポリエステル樹脂B中のイソフタル酸量又はドデセニルコハク酸量が特定の関係を満たし、且つポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Bのソルビリティーパラメータが特定の関係を満たす電子写真用トナーが開示されている。
特許文献3には、定着性能、熱保管性等の改善を目的として、結晶性ポリエステル樹脂と離型剤が接触した構造体がある割合で存在する、結晶性ポリエステル樹脂と離型剤とを含むトナー、及び非結晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを有機溶剤に溶解した樹脂溶液に中和剤と水性媒体とを添加して転相を生ぜしめ、アルカリ性物質を付与した後、O/W型樹脂乳化粒子を形成させ、更にO/W型樹脂乳化粒子分散液から有機溶剤を除去することによって得られた樹脂粒子分散液を凝集合一させる、静電荷現像用トナーの製造方法が開示されている。
WO2010/027071号 特開2007−114398号公報 特開2008−33057号公報
乳化凝集法は、結晶性あるいは非晶質といった様々な結着樹脂を、樹脂粒子を凝集させることによって複合化し、トナーに求められるいくつもの性質を同時に満足させられる可能性がある。しかし、この方法は、樹脂粒子の水性溶媒中での凝集という非常に不安定な反応を利用するため、粒子の大きさがばらつき、粒径分布がブロードになるという問題がある。粒径分布がブロードになると、トナーの基本的な性能である流動性が悪化し、トナーの飛散やカブリという問題も生じる。更に、粒径差が大きく異なるトナーが存在することに起因し、組成にもばらつきが生じるためか、保存安定性やトナー飛散、低温定着性の悪化という問題も生じる。
本発明の課題は、粒度分布がシャープであり、低温定着性と保存安定性とを両立し、トナー飛散を改善した電子写真用トナーの製造方法、並びにその製造方法によって得られる電子写真用トナーを提供することにある。
本発明者らは、トナーの粒度分布、低温定着性、保存安定性及びトナー飛散に影響する要因は、乳化凝集法でトナーを製造する際の、トナーを構成する結着樹脂の状態と、トナーの水性媒体中での表面状態にあると考えて検討を行った。その結果、結晶性ポリエステルと特定のアルコール成分から得られる非晶質ポリエステルを溶融混合、凝集してコアとし、コアとは異なる特定のアルコール成分から得られる非晶質ポリエステルをシェルとする乳化凝集法を用いることにより、トナーの粒度分布がシャープであり、低温定着性と保存安定性とを両立し、トナー飛散を改善したコアシェル型構造の電子写真用トナーが得られることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の〔1〕及び〔2〕を提供する。
〔1〕下記の工程(1)〜(4)を含む、コアシェル型の電子写真用トナーの製造方法。
工程(1):結晶性ポリエステル(a)、及びビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物を80モル%以上含むアルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られる非晶質ポリエステル(b)を溶融混合して、水性媒体中に乳化し、樹脂粒子(A)を得る工程
工程(2):樹脂粒子(A)を凝集させて、凝集粒子を得る工程
工程(3):前記凝集粒子の分散液に、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物を80モル%以上含むアルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られる非晶質ポリエステル(c)を含有する樹脂粒子(C)を添加して、コアシェル粒子を得る工程
工程(4):前記コアシェル粒子を含む系の温度を非晶質ポリエステル(c)のガラス転移点より5℃低い温度以上の温度に保持して、合一したコアシェル粒子を得る工程
〔2〕前記〔1〕の製造方法で得られる電子写真用トナー。
本発明によれば、粒度分布がシャープであり、低温定着性と保存安定性とを両立し、トナー飛散を改善した電子写真用トナー、並びにその製造方法を提供することができる。
<電子写真用トナーの製造方法>
本発明の電子写真用トナーの製造方法は、下記工程(1)〜(4)を含む。
工程(1):結晶性ポリエステル(a)、及びビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物を80モル%以上含むアルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られる非晶質ポリエステル(b)を溶融混合して、水性媒体中に乳化し、樹脂粒子(A)を得る工程
工程(2):樹脂粒子(A)を凝集させて、凝集粒子を得る工程
工程(3):前記凝集粒子の分散液に、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物を80モル%以上含むアルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られる非晶質ポリエステル(c)を含有する樹脂粒子(C)を添加して、コアシェル粒子を得る工程
工程(4):前記コアシェル粒子を含む系の温度を非晶質ポリエステル(c)のガラス転移点より5℃低い温度以上の温度に保持して、合一したコアシェル粒子を得る工程
本発明の製造方法によって得られた電子写真用トナーが、粒度分布がシャープであり、低温定着性と保存安定性とを両立し、トナー飛散が少ない理由は定かではないが、次のように考えられる。
本発明の方法によれば、まず、結晶性ポリエステル(a)と、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物を80モル%以上含むアルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られる非晶質ポリエステル(b)とを溶融混合して、水性媒体中に乳化し、樹脂粒子(A)を得て、それを凝集させるが、特にビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物は、適度な疎水性を有するプロピレンオキサイド部分と芳香環とを有するため、トナーのコア部分に着色剤、離型剤等を含有させる場合、これらとの親和性に優れ、均一で強固なコア部分を形成できると考えられる。
次に、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物を80モル%以上含むアルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られる非晶質ポリエステル(c)を含有する樹脂粒子(C)を添加し、これをシェル部分とするコアシェル構造の凝集粒子を得るが、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物は、適度な親水性を有するエチレンオキサイド部分と芳香環とを有するため、コア部分を均質に被覆し、水性媒体中に安定に分散させることができるものと考えられる。したがって、これにより得られたトナーは粒度分布がシャープになると考えられる。また、本発明の製造方法によれば、得られたトナーの粒径がシャープであるため、結晶性ポリエステル等の量や分布、コアとシェルの厚み等、組成も均質になるので、印刷時の融解挙動や帯電性も均質となり、低温定着性に優れるものと考えられる。また、形状も均一でシェルが均質に被覆していることから、保存安定性にも優れる電子写真用トナーが得られるものと考えられる。さらに、得られたトナーは微粉も少ないため、トナー飛散も抑制できるものと考えられる。
はじめに、本発明で用いられる各成分について説明する。
[樹脂粒子(A)]
本発明に用いられる樹脂粒子(A)(以下、単に「樹脂粒子(A)」ともいう)は、結晶性ポリエステル(a)、及びビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物を80モル%以上含むアルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られる非晶質ポリエステル(b)を溶融混合して、水性媒体中に乳化して得られる。樹脂粒子(A)は、樹脂のみからなる粒子であってもよく、着色剤を含有する着色剤含有樹脂粒子であってもよいが、凝集時に粗大粒子の発生を抑制する観点から、着色剤を含有する着色剤含有樹脂粒子であることが好ましい。
該樹脂粒子(A)が、樹脂のみからなる粒子である場合には、後に詳細に述べる工程(2)において、着色剤に対して、表面処理を施すか、分散剤を使用することによって得られる着色剤粒子、又は着色剤を樹脂粒子に含有させて得られる着色剤含有樹脂粒子を更に用いることが好ましい。
該樹脂粒子(A)が、着色剤含有樹脂粒子である場合には、トナーの画像濃度の観点から、着色剤の含有量は、着色剤含有樹脂粒子を構成する樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは5〜10重量部、更に好ましくは6〜8重量部である。
(着色剤)
着色剤には、顔料及び染料が用いられ、トナーの画像濃度の観点から、顔料が好ましい。
顔料の具体例としては、カーボンブラック、無機系複合酸化物、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、ベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、銅フタロシアニン、フタロシアニングリーン等が挙げられ、銅フタロシアニンが好ましい。
染料の具体例としては、アクリジン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系等が挙げられる。
着色剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において、樹脂粒子(A)を構成する樹脂は、トナーの低温定着性の観点から、結晶性ポリエステル(a)を含有する。
樹脂粒子(A)中の結晶性ポリエステル(a)の含有量は、トナーの低温定着性を向上させ、ホットオフセットを防ぐ観点から、樹脂粒子(A)を構成する樹脂に対して、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜40重量%、更に好ましくは7〜30重量%、特に好ましくは10〜20重量%である。
樹脂粒子(A)は、トナーの低温定着性を維持しながら、保存安定性、帯電性を向上させ、ホットオフセットを防ぐ観点から、更にビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物を80モル%以上含むアルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られる非晶質ポリエステル(b)(以下、単に「非晶質ポリエステル(b)」ともいう)を含有する。
樹脂粒子(A)中における結晶性ポリエステル(a)及び非晶質ポリエステル(b)の総量は、トナーの低温定着性を向上させる観点から、樹脂粒子(A)を構成する樹脂に対して、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは80〜100重量%、更に好ましくは90〜100重量%である。樹脂粒子(A)中における結晶性ポリエステル(a)と非晶質ポリエステル(b)との重量比((a)/(b))は、トナーの低温定着性、保存安定性、帯電性を向上させ、ホットオフセットを防ぐ観点から、好ましくは5/95〜50/50、より好ましくは5/95〜40/60、より好ましくは7/93〜35/65、更に好ましくは7/93〜30/70、特に好ましくは10/90〜20/80である。
樹脂粒子(A)は、本発明の効果を損なわない範囲で、結晶性ポリエステル(a)及び非晶質ポリエステル(b)以外の樹脂、例えば、スチレンアクリル共重合体、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等の樹脂を含有してもよい。
樹脂粒子(A)には、本発明の効果を損なわない範囲で、離型剤、帯電制御剤を含有させてもよく、必要に応じて、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤等の添加剤等を含有させてもよい。
(結晶性ポリエステル(a))
本発明において、結晶性ポリエステル(a)は、軟化点と示差走査熱量計(DSC)による吸熱の最大ピーク温度との比、(軟化点(℃))/(吸熱の最大ピーク温度(℃))で定義される結晶性指数が0.6〜1.4のものである。この結晶性指数は、トナーの低温定着性の観点から、好ましくは0.8〜1.3、より好ましくは0.9〜1.2、更に好ましくは0.9〜1.1である。
結晶性ポリエステル(a)は、乳化性の観点から、分子末端に酸基を有することが好ましい。該酸基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルフィン酸等が挙げられる。これらの中でも、樹脂の分散性及びトナーの保存安定性の観点から、カルボキシル基が好ましい。
結晶性ポリエステル(a)の融点は、トナーの低温定着性及び保存安定性の観点から、好ましくは50〜150℃、より好ましくは55〜130℃、更に好ましくは60〜120℃、特に好ましくは60〜100℃、最も好ましくは60〜80℃である。
結晶性ポリエステル(a)の軟化点は、同様の観点から、好ましくは50〜140℃、より好ましくは55〜130℃、より好ましくは60〜110℃、更に好ましくは60〜85℃である。
結晶性ポリエステル(a)の数平均分子量は、トナーの低温定着性の観点から、好ましくは1,500〜50,000、より好ましくは1,500〜10,000、更に好ましくは2,000〜8,000である。
なお、結晶性ポリエステル(a)は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において、結晶性ポリエステル(a)の融点、軟化点及び数平均分子量は、実施例に記載の方法によって求められる。結晶性ポリエステル(a)を2種以上組み合わせて使用する場合、本発明における結晶性ポリエステル(a)の融点は、得られるトナーに含有される結晶性ポリエステル(a)中、最も重量比の大きい結晶性ポリエステル(a)の融点とし、全ての結晶性ポリエステル(a)が同一の比率の場合は、最も融点が低い結晶性ポリエステル(a)の融点とする。軟化点及び数平均分子量は、結晶性ポリエステル(a)の混合物として、実施例に記載の方法によって求められる。
結晶性ポリエステル(a)は、カルボン酸成分とアルコール成分とを重縮合反応させることによって得られるものが好ましい。当該重縮合反応は、好ましくは触媒存在下、140〜200℃で行われることが好ましい。
カルボン酸成分としては、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、3価以上の多価カルボン酸、並びにこれらの酸の無水物、及びアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられ、これらの中でもトナーの低温定着性、保存安定性及び帯電性の観点から、脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、アゼライン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸等が挙げられ、これらの中でもトナーの低温定着性、保存安定性及び帯電性の観点から、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸が好ましく、セバシン酸がより好ましい。
これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
アルコール成分としては、主鎖炭素数2〜12の脂肪族ジオール、芳香族ジオール、ビスフェノールAの水素添加物、3価以上の多価アルコール等が挙げられ、これらの中でも、ポリエステルの結晶性を促進させ、トナーの低温定着性を向上させる観点から、主鎖炭素数2〜12の脂肪族ジオールが好ましい。
主鎖炭素数2〜12の脂肪族ジオールの中でも、ポリエステルの結晶性を促進させ、トナーの低温定着性を向上させる観点から、α,ω−直鎖アルカンジオールが好ましく、主鎖炭素数6〜12のα,ω−直鎖アルカンジオールがより好ましい。
α,ω−直鎖アルカンジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール等が挙げられ、これらの中でもトナーの低温定着性、保存安定性及び帯電性の観点から、1,6−ヘキサンジオール及び1,9−ノナンジオールが好ましい。
その他の主鎖炭素数2〜12の脂肪族ジオールとしては、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等が挙げられる。
アルコール成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができるが、ポリエステルの結晶性を促進する観点から、アルコール成分中、主鎖炭素数2〜12の脂肪族ジオールが80〜100モル%であることが好ましく、90〜100モル%であることがより好ましい。
触媒は、縮重合反応の効率の観点から、スズ化合物、チタン化合物等が好ましく、スズ化合物がより好ましい。スズ化合物としては、ジオクチル酸スズ、酸化ジブチルスズ等が挙げられる。チタン化合物としては、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等が挙げられる。
触媒の使用量に制限はないが、カルボン酸成分とアルコール成分との総量100重量部に対して、好ましくは0.01〜1重量部、より好ましくは0.1〜0.6重量部である。
縮重合反応は、反応容器に、カルボン酸成分及びアルコール成分を入れ、140〜200℃で5〜15時間維持して行うことが好ましく、更にその後、触媒を加え140〜200℃で1〜5時間維持して反応を進行させ、5.0〜20kPaに減圧して1〜10時間維持して行うことがより好ましい。
(非晶質ポリエステル(b))
本発明において、樹脂粒子(A)に含まれる非晶質ポリエステル(b)は、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物を80モル%以上含むアルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られるポリエステルであり、トナーの保存安定性及び帯電性の観点から、非晶質ポリエステルである。
本発明において、非晶質ポリエステルとは、前述の結晶性指数が、1.4を超える、あるいは0.6未満のポリエステルである。
非晶質ポリエステル(b)の結晶性指数は、トナーの低温定着性の観点から、好ましくは0.6未満又は1.4を超え4以下、より好ましくは0.6未満又は1.5以上4以下、更に好ましくは0.6未満又は1.5以上3以下、更に好ましくは0.6未満又は1.5以上2以下である。結晶性指数は、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により適宜決定することができる。
非晶質ポリエステル(b)は、乳化性の観点から、分子末端に酸基を有する非晶質ポリエステルが好ましい。該酸基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルフィン酸等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステルの乳化を促進する観点から、カルボキシル基が好ましい。
非晶質ポリエステル(b)は、前記の結晶性ポリエステル(a)と同様の方法で、カルボン酸成分とアルコール成分とを重縮合反応させることによって製造することができる。
カルボン酸成分としては、ジカルボン酸、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、3価以上の多価カルボン酸、並びにそれらの酸無水物及びそれらのアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられ、これらの中でもジカルボン酸が好ましい。
ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、アゼライン酸、コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられ、これらの中でもテレフタル酸、フマル酸が好ましい。
炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸としては、ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等が挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸としては、トリメリット酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等が挙げられ、これらの中でも耐オフセット性の観点から、トリメリット酸及びその酸無水物が好ましい。
これらのカルボン酸成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
非晶質ポリエステル(b)は、トナーの耐オフセット性の観点から、3価以上の多価カルボン酸並びにその酸無水物又はそのアルキルエステル、好ましくはトリメリット酸又はその無水物を含有するカルボン酸成分を用いて得られた非晶質ポリエステル(b)を少なくとも1種使用することが好ましい。
非晶質ポリエステル(b)は、トナーの粒度分布をシャープにする観点、及び低温定着性を向上させる観点から、アルコール成分として、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、すなわちポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを80モル%以上含む。
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物以外のアルコール成分としては、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、主鎖炭素数2〜12の脂肪族ジオール、ビスフェノールAの水素添加物、3価以上の多価アルコール等が挙げられ、なかでも、トナーの粒度分布をシャープにする観点、及び低温定着性を向上させる観点から、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物を用いることが好ましい。
主鎖炭素数2〜12の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等が挙げられる。
3価以上の多価アルコールとしては、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
これらのアルコール成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
非晶質ポリエステル(b)のガラス転移点は、トナーの耐久性、低温定着性及び保存安定性の観点から、好ましくは55〜75℃、より好ましくは55〜70℃、更に好ましくは58〜68℃である。
非晶質ポリエステル(b)の軟化点は、同様の観点から、好ましくは70〜165℃、より好ましくは70〜140℃、更に好ましくは90〜140℃、更に好ましくは100〜130℃である。
なお、非晶質ポリエステル(b)を2種以上組み合わせて使用する場合、そのガラス転移点及び軟化点は、各々2種以上の非晶質ポリエステル(b)の混合物として、実施例記載の方法によって得られたガラス転移点及び軟化点をいう。
非晶質ポリエステル(b)の数平均分子量は、トナーの耐久性、低温定着性及び保存安定性の観点から、好ましくは1,000〜50,000、より好ましくは1,000〜10,000、更に好ましくは2,000〜8,000である。
非晶質ポリエステル(b)の酸価は、樹脂の水性媒体中における乳化性の観点から、好ましくは6〜35mgKOH/g、より好ましくは10〜35mgKOH/g、更に好ましくは15〜35mgKOH/gである。
[離型剤粒子]
本発明において、トナーの低温定着性及び離型性を向上させる観点から、離型剤粒子を使用することが好ましい。
本発明に用いられる離型剤粒子は、離型剤に対して、分散剤を使用することにより得られるものであることが好ましい。
離型剤粒子は、凝集性の観点から、界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤を使用する場合の含有量は、凝集性及び得られるトナーの帯電性の観点から、離型剤100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部、更に好ましくは0.5〜2重量部である。
離型剤粒子の体積中位粒径(D50)は、トナーの帯電性及びホットオフセットを防ぐ観点から、好ましくは0.1〜1μm、より好ましくは0.1〜0.7μm、更に好ましくは0.1〜0.5μmである。ここで、体積中位粒径とは、体積分率で計算した累積体積頻度が、粒径の小さい方から計算して50%になる粒径である。
離型剤粒子の粒度分布の変動係数(CV値)(%)は、トナーの帯電性の観点から、好ましくは15〜50%、より好ましくは15〜40%、更に好ましくは15〜35%である。
なお、CV値は、下記式で表される値であり、具体的には実施例に記載の方法で求められる。
CV値(%)=[粒度分布の標準偏差(μm)/体積中位粒径(μm)]×100
(離型剤)
離型剤としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス等が挙げられる。これらの離型剤は、単独で又は2種以上を併用することができる。
離型剤の融点は、トナーの低温定着性及び保存安定性、帯電性の観点から、好ましくは65〜100℃、より好ましくは75〜95℃、更に好ましくは75℃〜90℃、更に好ましくは80〜90℃である。
本発明において、離型剤の融点は、実施例に記載の方法によって求められる。離型剤を2種以上併用する場合、本発明における離型剤の融点は、得られるトナーに含有される離型剤中、最も重量比の大きい離型剤の融点とし、全ての離型剤が同一の比率の場合は、最も融点が低い離型剤の融点とする。
離型剤の使用量は、トナーの離型性及び帯電性の観点から、トナー中の樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは2〜15重量部である。
(離型剤粒子の製造)
離型剤粒子は、離型剤を水性媒体に分散して離型剤粒子の分散液として得ることが好ましい。
離型剤粒子の分散液は、離型剤と水性媒体とを、界面活性剤の存在下、離型剤の融点以上の温度で、分散機を用いて分散することによって得ることが好ましい。用いる分散機は、ホモジナイザー、超音波分散機等が好ましい。
本製造で用いる水性媒体及び界面活性剤は、結晶性ポリエステル(a)と非晶質ポリエステル(b)の樹脂混合物を得る際に用いられるものが好ましい。
[凝集剤]
本発明において、コア粒子分散液及びコアシェル粒子分散液を効率的に得るために、凝集剤を使用することが好ましい。
凝集剤としては、第四級塩のカチオン性界面活性剤、ポリエチレンイミン等の有機系凝集剤;無機金属塩、無機アンモニウム塩、2価以上の金属錯体等の無機系凝集剤が用いられる。
無機金属塩としては、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム等の金属塩、及びポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム等の無機金属塩重合体が挙げられる。無機アンモニウム塩としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム等が挙げられ、硫酸アンモニウムがより好ましい。
[樹脂粒子(C)]
本発明に用いられる樹脂粒子(C)は、トナーの保存安定性及び帯電性の観点から、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物を80モル%以上含むアルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られる非晶質ポリエステル(c)(以下、単に「非晶質ポリエステル(c)」ともいう)を含有する。
樹脂粒子(C)のガラス転移点は、樹脂粒子(C)を構成する非晶質ポリエステル(c)等の樹脂のガラス転移点、添加剤等の種類や量によって適宜決定されるが、トナーの耐久性、低温定着性及び保存安定性の観点から、好ましくは55℃以上、より好ましくは55〜75℃、より好ましくは55〜70℃、更に好ましくは55〜65℃である。
樹脂粒子(C)中の非晶質ポリエステル(c)の含有量は、トナーの保存安定性及び帯電性の観点から、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、更に好ましくは実質95重量%以上である。
樹脂粒子(C)は、非晶質ポリエステル(c)の他に、通常トナーに用いられる公知の樹脂、例えば、前述の結晶性ポリエステル(a)、スチレンアクリル共重合体、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等の樹脂を含有してもよい。
樹脂粒子(C)は、前述の樹脂粒子(A)の製造方法と同様の方法により得られ、用いるアルカリ水溶液、界面活性剤、水性媒体も同様のものを好適に用いることができる。
(非晶質ポリエステル(c))
樹脂粒子(C)に含まれる非晶質ポリエステル(c)は、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物を80モル%以上含むアルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られるポリエステルであり、帯電性の観点から、非晶質ポリエステルである。
非晶質ポリエステル(c)の結晶性指数は、トナーの低温定着性の観点から、好ましくは0.6未満又は1.4を超え4以下、より好ましくは0.6未満又は1.5以上4以下、更に好ましくは0.6未満又は1.5以上3以下、特に好ましくは0.6未満又は1.5以上2以下である。結晶性指数は、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により適宜決定することができる。
非晶質ポリエステル(c)は、分子末端に酸基を有する非晶質ポリエステルが好ましい。該酸基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルフィン酸等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステルの乳化を促進する観点から、カルボキシル基が好ましい。
非晶質ポリエステル(c)は、前記の結晶性ポリエステル(a)と同様の方法で、カルボン酸成分とアルコール成分とを、重縮合反応させることによって製造することができる。
カルボン酸成分としては、ジカルボン酸、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、3価以上の多価カルボン酸、並びにそれらの酸無水物及びそれらのアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられ、これらの中でもジカルボン酸が好ましい。
ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、アゼライン酸、コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられ、これらの中でもテレフタル酸、フマル酸が好ましい。
炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸としては、ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等が挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸としては、トリメリット酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等が挙げられ、これらの中でも耐オフセット性の観点から、トリメリット酸及びその酸無水物が好ましい。
これらのカルボン酸成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
非晶質ポリエステル(c)は、トナーの耐オフセット性の観点から、3価以上の多価カルボン酸並びにその酸無水物又はそのアルキルエステル、好ましくはトリメリット酸又はその無水物を含有するカルボン酸成分を用いて得られた非晶質ポリエステル(c)を少なくとも1種使用することが好ましい。
非晶質ポリエステル(c)は粒度分布をシャープにする観点、及び保存安定性を向上させる観点から、アルコール成分として、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、すなわちポリオキシエチレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを80モル%以上含む。
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物以外のアルコール成分としては、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、主鎖炭素数2〜12の脂肪族ジオール、ビスフェノールAの水素添加物、3価以上の多価アルコール等が挙げられ、なかでも、トナーの粒度分布をシャープにする観点及び低温定着性を向上させる観点から、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物を用いることが好ましい。
主鎖炭素数2〜12の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等が挙げられる。
3価以上の多価アルコールとしては、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
これらのアルコール成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
非晶質ポリエステル(c)のガラス転移点は、トナーの耐久性、低温定着性及び保存安定性の観点から、好ましくは55〜75℃、より好ましくは55〜70℃、更に好ましくは58〜68℃である。
非晶質ポリエステル(c)の軟化点は、同様の観点から、好ましくは70〜165℃、より好ましくは70〜140℃、更に好ましくは90〜140℃、特に好ましくは100〜130℃である。
なお、非晶質ポリエステル(c)を2種以上組み合わせて使用する場合、そのガラス転移点及び軟化点は、各々2種以上の非晶質ポリエステル(c)の混合物として、実施例記載の方法によって得られたガラス転移点及び軟化点をいう。
非晶質ポリエステル(c)の数平均分子量は、トナーの耐久性、低温定着性及び保存安定性の観点から、好ましくは1,000〜50,000、より好ましくは1,000〜10,000、更に好ましくは2,000〜8,000である。
非晶質ポリエステル(c)の酸価は、樹脂の水性媒体中における乳化性の観点から、好ましくは6〜35mgKOH/g、より好ましくは10〜35mgKOH/g、更に好ましくは15〜35mgKOH/gである。
なお、本発明では、その効果を損なわない範囲で、結晶性ポリエステル(a)、非晶質ポリエステル(b)及び(c)の各々を変性したものを用いることができる。ポリエステルを変性する方法としては、例えば、特開平11−133668号公報、特開平10−239903号公報、特開平8−20636号公報等に記載の方法により、フェノール、ウレタン、エポキシ等によりグラフト化やブロック化する方法や、ポリエステルユニットを含む2種以上の樹脂ユニットを有する複合樹脂とする方法等が挙げられる。
次に、本発明の電子写真用トナーの製造方法における各工程について説明する。
[工程(1)]
工程(1)は、結晶性ポリエステル(a)、及びビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物を80モル%以上含むアルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られる非晶質ポリエステル(b)を溶融混合して、水性媒体中に乳化し、樹脂粒子(A)を得る工程である。
溶融混合の方法は、ポリエステルを溶融混合する方法、有機溶媒に溶解させて混合する方法、水性媒体中で溶融させながら混合する方法が挙げられ、分散の容易性や均一に溶融混合する観点から、水性媒体中で溶融させながら混合する方法が好ましい。
樹脂粒子(A)は、結晶性ポリエステル(a)及びビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物を80モル%以上含むアルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られる非晶質ポリエステル(b)を溶融混合して、水性媒体中に乳化して得る方法によって製造するが、溶融混合あるいは乳化の際に着色剤等の前記の任意成分を同時に分散することができ、溶融混合の際に着色剤を同時に混合することが好ましい。
分散液を得る方法としては、樹脂等を水性媒体に添加し、分散機等によって分散処理を行う方法、樹脂等に水性媒体を徐々に添加して転相乳化させる方法等が挙げられ、得られるトナーの低温定着性の観点から、転相乳化による方法が好ましい。以下、転相乳化による方法について述べる。
まず、結晶性ポリエステル(a)、非晶質ポリエステル(b)、アルカリ水溶液、及び着色剤等の前記の任意成分を溶融して混合し、樹脂混合物を得る。
結晶性ポリエステル(a)及び非晶質ポリエステル(b)は、予め混合したものを用いてもよいが、前記アルカリ水溶液及び任意成分を添加する際に同時に添加し、溶融して混合することによって得てもよく、トナーの低温定着性の観点から、結晶性ポリエステル(a)、非晶質ポリエステル(b)、アルカリ水溶液、及び前記の任意成分を溶融して混合し、樹脂混合物を得る方法が好ましい。
また、混合の際には、樹脂の乳化安定性の観点から、界面活性剤を添加することが好ましい。
アルカリ水溶液中のアルカリとしては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物等やアンモニア等が挙げられるが、樹脂の分散性向上の観点から、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが好ましい。また、アルカリ水溶液中のアルカリの濃度は、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは1〜25重量%、更に好ましくは1.5〜20重量%である。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等が挙げられ、なかでも非イオン性界面活性剤が好ましく、非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤とを併用することがより好ましく、樹脂を十分に乳化させる観点から、非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤とを併用することが更に好ましい。
非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤とを併用する場合、非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との重量比(非イオン性界面活性剤/アニオン性界面活性剤)は、樹脂を十分に乳化させる観点から、好ましくは0.3〜10、より好ましくは0.5〜5である。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類あるいはポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリエチレングルコールモノラウレート、ポリチレングリコ−ルモノステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、オキシエチレン/オキシプロピレンブロックコポリマー等が挙げられ、これらの中でも樹脂の乳化安定性の観点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸ナトリウム等が挙げられ、これらの中でも樹脂の乳化安定性の観点から、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸ナトリウムが好ましい。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、樹脂粒子(A)を構成する樹脂100重量部に対して、好ましくは20重量部以下、より好ましくは15重量部以下、より好ましくは0.1〜10重量部、更に好ましくは0.5〜10重量部である。
樹脂混合物を得る方法としては、結晶性ポリエステル(a)、非晶質ポリエステル(b)、アルカリ水溶液、及び前記の任意成分、更に、好ましくは界面活性剤を容器に入れ、撹拌器によって撹拌しながら、樹脂を溶融して均一に混合する方法が好ましい。
樹脂を溶融し混合する際の温度は、非晶質ポリエステル(b)のガラス転移点以上が好ましく、均質な樹脂粒子を得る観点から、結晶性ポリエステル(a)の融点以上がより好ましい。
次に、前記の樹脂混合物に水性媒体を添加して、転相し、樹脂粒子(A)を含有する分散液を得る。
水性媒体としては水を主成分とするものが好ましく、環境性の観点から、水性媒体中の水の含有量は、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、更に好ましくは実質100重量%である。用いる水としては、脱イオン水又は蒸留水が好ましい。
水以外の成分としては、炭素数1〜5のアルキルアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のジアルキル(炭素数1〜3)ケトン;テトラヒドロフラン等の環状エーテル等の水に溶解する有機溶媒が用いられる。これらの中でも、トナーへの混入を防止する観点から、ポリエステルを溶解しない炭素数1〜5のアルキルアルコールが好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールがより好ましい。
水性媒体を添加する際の系内の温度は、非晶質ポリエステル(b)のガラス転移点以上が好ましく、均質な樹脂粒子を得る観点から、結晶性ポリエステル(a)の融点以上がより好ましい。
水性媒体の添加速度は、樹脂粒子を小粒径とする観点から、転相が終了するまでは、樹脂粒子(A)を構成する樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜50重量部/分、より好ましくは0.1〜30重量部/分、より好ましくは0.5〜10重量部/分、更に好ましくは0.5〜5重量部/分である。なお、転相終了後の水性媒体の添加速度には制限はない。
水性媒体の使用量は、後の凝集工程で均一な凝集粒子を得る観点から、樹脂粒子(A)を構成する樹脂100重量部に対して、好ましくは100〜2000重量部、より好ましくは100〜1500重量部、更に好ましくは150〜500重量部である。その固形分濃度は、得られる樹脂粒子分散液の安定性及び取扱い容易性等の観点から、好ましくは7〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%、より好ましくは20〜40重量%、更に好ましくは25〜35重量%である。なお、固形分とは、樹脂、界面活性剤等の不揮発性成分の総量である。
得られた樹脂粒子(A)を含有する分散液中の樹脂粒子(A)の体積中位粒径は、高画像のトナーを得る観点から、好ましくは0.02〜2μm、より好ましくは0.02〜1.5μm、更に好ましくは0.05〜1μm、特に好ましくは0.05〜0.5μmである。
また、樹脂粒子の粒度分布の変動係数(CV値)(%)は、高画像のトナーを得る観点から、好ましくは40%以下、より好ましくは35%以下、より好ましくは30%以下、更に好ましくは28%以下である。
なお、次の工程(2)すなわち凝集工程の前に、本工程(1)で得られた樹脂粒子(A)を含む水性分散液を結晶性ポリエステル(a)の融点以下、結晶性ポリエステル(a)の融点より25℃低い温度以上の温度で1時間以上保持する工程を含むことが好ましく、3時間以上保持する工程を含むことがより好ましい。
この範囲の温度で保持することによって、結晶性ポリエステル(a)の結晶化を促進し、最終的に得られるトナーの低温定着性及び保存安定性を向上することができる。
[工程(2)]
工程(2)は、樹脂粒子(A)を凝集させて、凝集粒子を得る工程である。
本発明においては、凝集を効率的に行うために、前述の凝集剤を使用することが好ましい。
凝集剤の使用量は、トナーの帯電性の観点から、樹脂粒子(A)を構成する樹脂100重量部に対して、好ましくは50重量部以下、より好ましくは40重量部以下、更に好ましくは30重量部以下であり、また、樹脂粒子の凝集性の観点から、好ましくは1重量部以上、より好ましくは3重量部以上、更に好ましくは5重量部以上である。以上の点を考慮して、1価の塩の使用量は、樹脂粒子(A)を構成する樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは3〜40重量部、更に好ましくは5〜35重量部である。
凝集の方法は、混合分散液の入った容器に、凝集剤を水溶液として滴下することが好ましい。凝集剤は一時に添加してもよいし、断続的あるいは連続的に添加してもよいが、添加時及び添加終了後には、十分な撹拌を行うことが好ましい。凝集制御及びトナー製造時間短縮の観点から、凝集剤の滴下時間は1〜120分が好ましい。また、凝集制御の観点から、滴下温度は0〜40℃が好ましい。
また、工程(2)において、トナーの低温定着性及び離型性を向上させる観点から、前述の離型剤粒子を使用することが好ましい。
離型剤粒子は、予め分散液としておき、前述の凝集剤を添加する前に、樹脂粒子(A)を含む水性分散液と混合しておくことが好ましい。
得られた凝集粒子の体積中位粒径は、小粒径化及び得られるトナーのプリンタ等の印刷機内での飛散量の低減の観点から、好ましくは1〜10μm、より好ましくは2〜9μm、更に好ましくは3〜6μmである。また、CV値は、好ましくは30%以下、より好ましくは28%以下、更に好ましくは25%以下である。
[工程(3)]
工程(3)は、工程(2)で得られた凝集粒子の分散液に、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物を80モル%以上含むアルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られる非晶質ポリエステル(c)を含有する樹脂粒子(C)を添加して、コアシェル粒子を得る工程である。
本工程では、凝集粒子、及びシェル部として添加される非晶質ポリエステル(c)を含有する樹脂粒子(C)の各粒子が凝集粒子の表面に凝集付着してコアシェル粒子が形成される。
本工程においては、まず、非晶質ポリエステル(c)を含有する樹脂粒子(C)の分散液(以下、「樹脂粒子(C)分散液」ともいう)を調製した後、その樹脂粒子(C)分散液を工程(2)で得られた凝集粒子の分散液に添加して、凝集粒子に樹脂粒子(C)を付着させ、コアシェル粒子を得ることが好ましい。
また、凝集粒子に樹脂粒子(C)をより均一に付着させる観点から、樹脂粒子(C)分散液を添加する前に、凝集粒子分散液に水性媒体を添加して希釈することが好ましい。
樹脂粒子(C)分散液を添加する際、凝集粒子に樹脂粒子(C)を効率的に付着させるために、前記凝集剤を用いてもよい。
樹脂粒子(C)分散液を添加する際の添加方法は、凝集剤と樹脂粒子(C)分散液とを同時に添加する方法、凝集剤と樹脂粒子(C)分散液とを交互に添加する方法、凝集粒子分散液の温度を徐々に上げながら、樹脂粒子(B)分散液を添加する方法等が好ましい。このような方法によれば、凝集剤濃度低下によるコア粒子及び樹脂粒子(C)の凝集性の低下を防ぐことができる。これらの中でも、トナーの生産性及び製造簡便性の観点から、凝集粒子分散液の温度を徐々に上げながら、樹脂粒子(C)分散液を添加することが好ましい。
工程(3)において、樹脂粒子(C)の添加時及び/又は添加終了後の系内の温度は、工程(2)で、離型剤粒子を用いた場合、添加した離型剤粒子に用いた離型剤の融点未満、かつ、非晶質ポリエステル(c)のガラス転移点より10℃低い温度以上の温度で保持することが好ましい。樹脂粒子(C)の添加時における温度が、上記範囲に属さなくてもよいが、その場合、添加終了後の温度は、上記範囲に属することが好ましい。
樹脂粒子(C)添加時の温度を、離型剤の融点未満、かつ、非晶質ポリエステル(c)のガラス転移点より10℃低い温度以上の温度とすることで、得られるトナーの低温定着性や保存安定性を良好にし、帯電性を向上することができる。その理由は定かではないが、コアシェル粒子同士の融着が生じないために、粗大粒子の発生が抑制されることと、離型剤の露出が抑制されるためであるとも考えられる。
樹脂粒子(C)の添加量は、トナーの低温定着性、帯電性及び保存安定性の観点から、樹脂粒子(C)と樹脂粒子(A)との重量比(樹脂粒子(C)/樹脂粒子(A))が、好ましくは0.3〜1.5、より好ましくは0.3〜1.0、更に好ましくは0.35〜0.75である。
樹脂粒子(C)分散液は、一定の時間をかけて連続的に添加してもよく、一度に添加してもよく、複数回に分割して添加してもよいが、樹脂粒子(C)がコア粒子に選択的に凝集しやすくする観点から、一定の時間をかけて連続的に添加するか、複数回に分割して添加することが好ましく、中でも、選択的な凝集を促進する観点及び製造の効率化の観点から、一定の時間を掛けて連続的に添加することがより好ましい。連続的に添加する場合の添加時間は、均一なコアシェル粒子を得る観点及び製造時間短縮の観点から、好ましくは1〜10時間、より好ましくは3〜8時間である。
樹脂粒子(C)の全量を添加し終えたところで凝集を停止する。不必要な凝集を防止する点から、凝集停止剤を添加して凝集を停止することが好ましい。
凝集停止剤としては、界面活性剤が好ましく、アニオン性界面活性剤がより好ましい。アニオン性界面活性剤としては、アルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、及び直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が挙げられる。凝集停止剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。
凝集停止剤の添加量は、凝集停止性及びトナーへの凝集停止剤の残留を低減する観点から、系中の樹脂の総量100重量部に対して、好ましくは0.1〜15重量部、より好ましくは0.1〜10重量部、更に好ましくは0.1〜8重量部である。凝集停止剤は、いかなる形態で添加してもよいが、生産性の観点から、水溶液として添加することが好ましい。
[工程(4)]
工程(4)は、工程(3)で得られたコアシェル粒子を含む系の温度を非晶質ポリエステル(c)のガラス転移点より5℃低い温度以上の温度に保持して、合一したコアシェル粒子を得る工程である。
なお、工程(3)と同時に工程(4)を行うこともできる。すなわち、樹脂粒子(C)を添加する際に、該温度範囲に調整し、合一する場合である。この場合には、添加後に該温度範囲に保持する必要はない。ただし、粒径と形状の制御が必要な場合は、工程(3)と工程(4)を別に行うことが好ましい。つまり、添加時には、非晶質ポリエステル(c)のガラス転移点より5℃低い温度未満で添加を行い、添加終了後に、ガラス転移点より5℃低い温度以上の温度にして、保持することが好ましい。
また、添加終了後の保持温度を、非晶質ポリエステル(c)のガラス転移点より5℃低い温度以上、好ましくは当該ガラス転移点より2℃低い温度以上かつ結晶性ポリエステル(a)の融点以下、より好ましくは当該ガラス転移点以上かつ結晶性ポリエステル(a)の融点以下とすることで、融着性、トナーの保存安定性、帯電性及びトナー生産性を向上させることができる。
これらの条件を満たすことで、低温定着性を発現する結晶性ポリエステルの結晶状態を保ち、トナーの保存安定性や帯電性の低下の原因となる結晶性ポリエステルのトナー表面への露出を抑制して、シェル部分を均一に融着させることができ、その結果、トナー飛散を抑制し、良好な低温定着性及び保存安定性を両立したトナーを得ることができると考えられる。
更に、融着性、トナーの保存安定性、帯電性及びトナーの生産性の観点から、本工程においては、樹脂粒子(C)のガラス転移点より2℃低い温度以上で保持することが好ましく、樹脂粒子(C)のガラス転移点より5℃高い温度以上の温度で保持することがより好ましい。
本工程における保持時間は、粒子融着性、保存安定性、帯電性及びトナー生産性の観点から、好ましくは1〜24時間、より好ましくは1〜12時間、更に好ましくは1〜6時間である。
工程(4)で得られる合一したコアシェル粒子の分散液の凝集剤濃度は、トナーの保存安定性及び帯電性を向上する観点から、好ましくは0.05〜0.40モル/Lであり、より好ましくは0.05〜0.30モル/L、更に好ましくは0.10〜0.30モル/Lである。
また、本工程においては、生成するコアシェル粒子の円形度をモニタリングすることによって、融着の進行を確認することが好ましい。円形度のモニタリングは実施例に記載の方法によって行う。最終的に得られるコアシェル粒子分散液に含有されるコアシェル粒子の円形度は、トナーの保存安定性及び帯電性を向上する観点から、好ましくは0.950〜0.980であり、より好ましくは0.950〜0.970、更に好ましくは0.955〜0.965である。
コアシェル粒子分散液に含有されるコアシェル粒子の窒素吸着法によるBET比表面積は、トナーの保存安定性及び帯電性を向上する観点から、好ましくは1.0m2/g以上4.0m2/g未満、より好ましくは1.0〜3.0m2/g、より好ましくは1.5〜3.0m2/g、更に好ましくは1.5〜2.5m2/gである。
また、コアシェル粒子分散液中のコアシェル粒子の体積中位粒径は、トナーの高画質化の観点から、好ましくは2〜10μm、より好ましくは2〜8μm、より好ましくは2〜7μm、より好ましくは3〜7μm、更に好ましくは4〜6μmである。
[後処理工程]
本発明においては、工程(4)の後に後処理工程を行い、コアシェル粒子を単離することによってトナー粒子を得ることが好ましい。
工程(4)で得られたコアシェル粒子は、水性媒体中に存在するため、まず、固液分離を行うことが好ましい。固液分離には、吸引濾過法等が好ましく用いられる。
固液分離後に洗浄を行うことが好ましい。トナーとして十分な帯電特性及び信頼性を確保する目的から、トナー表面の金属イオンを除去するため酸で洗浄を行うことが好ましい。また、添加した非イオン性界面活性剤も除去することが好ましいため、非イオン性界面活性剤の曇点以下で水性溶液により洗浄することが好ましい。洗浄は複数回行うことが好ましい。
次に乾燥を行うことが好ましい。乾燥方法は、振動型流動乾燥法、スプレードライ法、冷凍乾燥法、フラッシュジェット法等が好ましい。乾燥後の水分含量は、トナーの飛散量の低減及び帯電性の観点から、好ましくは1.5重量%以下、より好ましくは1.0重量%以下に調整される。
<電子写真用トナー>
(トナー)
乾燥等を行うことによって得られた粒子を本発明のトナーとしてそのまま用いることもできるが、後述のように表面処理したものを電子写真用トナーとして用いることが好ましい。
得られたトナーの軟化点は、トナーの低温定着性と耐ホットオフセット性の観点から、好ましくは60〜140℃、より好ましくは65〜130℃、更に好ましくは70〜120℃である。また、ガラス転移点は、低温定着性、耐久性及び保存安定性の観点から、好ましくは30〜80℃、より好ましくは40〜70℃である。
トナーの円形度は、トナーの保存安定性、帯電性及びクリーニング性の観点から、好ましくは0.955〜0.980、より好ましくは0.958〜0.980、更に好ましくは0.960〜0.975である。トナー粒子の円形度は後述の方法で測定することができる。なお、トナーの円形度は、投影面積と等しい円の周囲長/投影像の周囲長の比で求められる値であり、粒子が球形であるほど円形度が1に近い値となる値である。
トナーの体積中位粒径は、トナーの高画質化と生産性の観点から、好ましくは1〜10μm、より好ましくは2〜8μm、より好ましくは3〜7μm、更に好ましくは4〜6μmである。
トナーのCV値は、高画質化と生産性の観点から、好ましくは30%以下、より好ましくは27%以下、より好ましくは25%以下、更に好ましくは22%以下である。
(外添剤)
本発明の電子写真用トナーは、前記トナー粒子をトナーとしてそのまま用いることもできるが、流動化剤等を外添剤としてトナー粒子表面に添加処理したものをトナーとして使用することが好ましい。外添剤としては、疎水性シリカ、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子、酸化セリウム微粒子、カーボンブラック等の無機微粒子やポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、シリコーン樹脂等のポリマー微粒子等、任意の微粒子が挙げられ、これらの中でも、ポリマー微粒子及び疎水性シリカが好ましく、疎水性シリカがより好ましい。
外添剤を用いてトナー粒子の表面処理を行う場合、外添剤の添加量は、外添剤による処理前のトナー粒子100重量部に対して、好ましくは1〜10重量部、より好ましくは2〜8重量部、更に好ましくは3〜6重量部である。
本発明により得られる電子写真用トナーは、一成分系現像剤として、又はキャリアと混合して二成分系現像剤として使用することができる。
ポリエステル、樹脂粒子、トナー等の各性状値については次の方法により測定、評価した。
[ポリエステルの酸価]
JIS K0070に従って測定した。但し、測定溶媒はクロロホルムとした。
[ポリエステルの軟化点、吸熱の最大ピーク温度、融点及びガラス転移点、結晶性指数]
(1)軟化点
フローテスター(株式会社島津製作所製、商品名:CFT−500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出した。温度に対し、フローテスターのブランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
(2)吸熱の最大ピーク温度、融点及びガラス転移点
示差走査熱量計(Parkin Elmer社製、商品名:Pyris 6 DSC)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度50℃/分で0℃まで冷却した試料を昇温速度10℃/分で測定した。観測される吸熱ピークのうち、ピーク面積が最大のピークの温度を吸熱の最大ピーク温度とした。結晶性ポリエステルの場合には該ピーク温度を融点とした。また、非晶質ポリエステルの場合に吸熱ピークが観測されるときはそのピークの温度を、ピークが観測されずに段差が観測されるときは該段差部分の曲線の最大傾斜を示す接線と該段差の高温側のベースラインの延長線との交点の温度をガラス転移点とした。
(3)結晶性指数
(1)で測定した軟化点と、(2)で求めた吸熱の最大ピーク温度とから結晶性指数を算出した。
結晶性指数=(軟化点(℃))/(吸熱の最大ピーク温度(℃))
[樹脂粒子のガラス転移点]
はじめに、樹脂粒子分散液から凍結乾燥により溶媒を除去し、固形物を得た。
樹脂粒子分散液の凍結乾燥は、凍結乾燥機(東京理化器械株式会社製、商品名:FDU−2100及びDRC−1000)を用いて、樹脂粒子分散液30gを−25℃にて1時間、−10℃にて10時間、25℃にて4時間真空乾燥を行い、水分量1重量%以下となるまで乾燥させた。水分量は、赤外線水分計(株式会社ケツト科学研究所製、商品名:FD−230)を用いて、乾燥後の試料5gを、乾燥温度150℃及び測定モード96(監視時間2.5分/変動幅0.05%)にて測定した。
溶媒除去後に得られた固形物について、前述のポリエステルのガラス転移点の測定方法と同様の方法で樹脂粒子のガラス転移点を測定した。
[ポリエステルの数平均分子量]
以下の方法により、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより分子量分布を測定し、数平均分子量を算出した。
(1)試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mlになるように、ポリエステルをクロロホルムに溶解させた。次いで、この溶液をポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター(住友電気工業株式会社製、商品名:FP−200)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とした。
(2)分子量分布測定
溶解液としてクロロホルムを1ml/分の流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させた。そこに試料溶液200μlを注入して測定を行った。試料の分子量は、あらかじめ作製した検量線に基づき算出した。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー株式会社製の単分散ポリスチレン;分子量1.11×106、3.97×105、1.89×105、9.89×104、1.71×104、9.49×103、5.87×103、1.01×103、5.00×102)を標準試料として作成したものを用いた。
測定装置:HPLC LC−9130NEXT(日本分析工業株式会社製、商品名)
分析カラム:JAIGEL−2.5−H−A+JAIGEL−MH−A(日本分析工業株式会社製、いずれも商品名)
[着色粒子、樹脂粒子、及び離型剤粒子の体積中位粒径(D50)及び粒度分布]
(1)測定装置:レーザー回折型粒径測定機(株式会社堀場製作所製、商品名:LA−920)
(2)測定条件:測定用セルに蒸留水を加え、吸光度を適正範囲になる温度で体積中位粒径(D50)を測定した。また、CV値は下記の式に従って算出した。
CV値(%)=(粒径分布の標準偏差/体積中位粒径(D50))×100
[樹脂粒子分散液の固形分濃度]
赤外線水分計(株式会社ケツト科学研究所製、商品名:FD−230)を用いて、着色粒子又は樹脂粒子分散液5gを乾燥温度150℃、測定モード96(監視時間2.5分/変動幅0.05%)にて、水分%を測定した。固形分濃度は下記の式に従って算出した。
固形分濃度(重量%)=100−M
M:水分(%)=[(W−W0)/W]×100
W:測定前の試料重量(初期試料重量)
0:測定後の試料重量(絶対乾燥重量)
[トナー(粒子)、コア粒子、コアシェル粒子の体積中位粒径(D50)及び粒度分布]
トナー(粒子)の体積中位粒径は以下の通り測定した。
・測定機:コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製、商品名)
・アパチャー径:50μm
・解析ソフト:マルチサイザーIIIバージョン3.51(ベックマンコールター社製、商品名)
・電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製、商品名)
・分散液:ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社製、商品名:エマルゲン109P、HLB:13.6)を前記電解液に溶解させ、濃度5重量%の分散液を得た。
・分散条件:前記分散液5mLにトナー測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、更に、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を作製した。
・測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求めた。
また、CV値(%)は下記の式に従って算出した。
CV値(%)=(粒径分布の標準偏差/体積中位粒径(D50))×100
コア粒子、コアシェル粒子の体積中位粒径は、前記トナー(粒子)の体積中位粒径の測定において、試料分散液としてコア粒子分散液、コアシェル粒子分散液を使用して同様に測定した。
[コアシェル粒子、トナーの円形度]
・分散液の調製:コアシェル粒子の分散液の調製は、コアシェル粒子の固形分濃度が0.001〜0.05重量%になるように脱イオン水で希釈したものを試料分散液として使用した。またトナーの分散液調製は、5重量%ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エマルゲン109P)水溶液5mlにトナー50mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させたのち、蒸留水20mlを添加し、さらに超音波分散機にて1分間分散させトナーの分散液を得た。
・測定装置:フロー式粒子像分析装置(シスメックス株式会社製、商品名:FPIA−3000)
・測定モード:HPF測定モード
[トナー粒子のBET比表面積]
Micromeritics FlowSorbIII(株式会社島津製作所製、商品名)を用いて、下記条件でBET比表面積を測定した。
・トナーサンプル量:0.09〜0.11g
・脱気条件:40℃、10分間
・吸着ガス:窒素ガス
[トナーの低温定着性評価]
上質紙(富士ゼロックス株式会社製、J紙A4サイズ)に市販のプリンタ(株式会社沖データ製、商品名:ML5400)を用いて、トナーの紙上の付着量が0.42〜0.48mg/cm2となるベタ画像をA4紙の上端から5mmの余白部分を残し、50mmの長さで定着させずに出力した。
次に、定着器を温度可変に改造した同プリンタを用意し、定着器の温度を100℃にし、A4縦方向に1枚あたり1.5秒の速度で定着し、印刷物を得た。
同様の方法で定着器の温度を5℃ずつ上げて、定着し、印刷物を得た。
印刷物の画像上の上端の余白部分に、メンディングテープ(3M社製、商品名:Scotchメンディングテープ810、幅18mm)を長さ50mmに切ったものを軽く貼り付けた後、500gのおもりを載せ、速さ10mm/秒で1往復押し当てた。その後、貼付したテープを下端側から剥離角度180度、速さ10mm/秒で剥がし、テープ剥離後の印刷物を得た。テープ貼付前及び剥離後の印刷物の下に上質紙(株式会社沖データ製、エクセレントホワイト紙A4サイズ)を30枚敷き、各印刷物のテープ貼付前及び剥離後の定着画像部分の反射画像濃度を、測色計(Gretag−Macbeth社製、商品名:SpectroEye、光射条件;標準光源D50、観察視野2°、濃度基準DINNB、絶対白基準)を用いて測定し、これから下記の式で定着率を算出した。
定着率(%)=(テープ剥離後の反射画像濃度/テープ貼付前の反射画像濃度)×100
定着率が90%以上となる温度を最低定着温度とした。最低定着温度が低いほど、低温定着性に優れる。
[トナーの保存安定性評価]
内容積20mlのポリビンにトナー10gを入れ、温度53℃、相対湿度40RH%の環境下に開放状態で8時間放置した。放置後、パウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製、商品名)の振動台に、3つのフルイを上段目開き250μm、中段目開き150μm、下段目開き75μmの順でセットし、その上にトナー2gを乗せ60秒間振動を行い、各フルイ上に残ったトナー重量を測定した。測定したトナー重量を次式に当てはめて計算し、凝集度[%]を求めた。
凝集度[%]=a+b+c
a=(上段フルイ残トナー重量)/2[g]×100
b=(中段フルイ残トナー重量)/2[g]×100×(3/5)
c=(下段フルイ残トナー重量)/2[g]×100×(1/5)
以下の基準に従ってトナーの保存安定性を評価した。凝集度が小さいほど、トナーが保存安定性に優れることを表す。
[トナーの飛散性]
室温25℃、相対湿度50%の環境下にてトナー0.7gとシリコーンフェライトキャリア(関東電化工業株式会社製、商品名、平均粒子径:40μm)9.3gとを20mlの円筒形ポリプロピレン製ボトル(ニッコー株式会社製)に入れ、縦横に10回ずつ振り攪拌を行った。その後、ボールミルにて10分間攪拌を行った。市販のプリンタに搭載されている現像ローラー(直径42mm)を取り出し回転可変に改造した(外部現像ローラー装置)。該外部現像ローラー装置の現ローラーを10回転/分の速度で回転させ、現像ローラー上に現像剤を幅3〜8cmになるように付着させた。均一に付着させた後、一旦、回転を止めた。現像ローラーの回転数を45回転/分に変え、1分間回転させた時の飛散トナーの粒子数をDIGITAL DUST INDICATOR MODEL P−5(SIBATA SCIENTIFIC TECHNOLOGY LTD製、商品名)にて計測した。
飛散トナーの粒子数より、トナーの飛散性を評価した。飛散性はトナー飛散粒子数が少ないほど良好であることを示す。
製造例1
(結晶性ポリエステルaの製造)
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した四つ口フラスコの内部を窒素置換し、1,9−ノナンジオール3936g、セバシン酸4848gを入れた。撹拌しながら、140℃に昇温し、140℃で3時間維持した後、140℃から200℃まで10時間かけて昇温した。その後、ジオクチル酸スズ50gを加え、更に200℃にて1時間維持した後、フラスコ内の圧力を下げ、8.0kPaにて4時間維持し、結晶性ポリエステルaを得た。得られた結晶性ポリエステルaの軟化点、融点、結晶性指数、数平均分子量及び酸価を表1に示す。
製造例2
(結晶性ポリエステルbの製造)
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した四つ口フラスコの内部を窒素置換し、1,6−ヘキサンジオール2419g、1,12−ドデカン二酸4957gを入れた。撹拌しながら、140℃に昇温し、140℃で3時間維持した後、140℃から200℃まで10時間かけて昇温した。その後、ジオクチル酸スズ30gを加え、更に200℃にて1時間維持した後、フラスコ内の圧力を下げ、8.0kPaにて4時間維持し、結晶性ポリエステルbを得た。得られた結晶性ポリエステルbの軟化点、融点、結晶性指数、数平均分子量及び酸価を表1に示す。
製造例3
(非晶質ポリエステルaの製造)
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した四つ口フラスコの内部を窒素置換し、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン4931g、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン808g、テレフタル酸1279g及びジオクチル酸スズ40gを入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、235℃に昇温し、8時間維持した後、更にフラスコ内の圧力を下げ、8.0kPaにて1時間維持した。大気圧に戻した後、190℃に冷却し、フマル酸711g、tert−ブチルカテコール1.5gを加え、190℃の温度下で1時間維持した後に、4時間かけて210℃まで昇温した。更にフラスコ内の圧力を下げ、8.0kPaにて1時間維持した。大気圧に戻した後、トリメリット酸無水物271gを加え210℃にて1時間維持した後、更にフラスコ内の圧力を下げ、8.0kPaにて2時間維持させて非晶質ポリエステルaを得た。得られた非晶質ポリエステルaの軟化点、ガラス転移点、結晶性指数、数平均分子量及び酸価を表1に示す。
製造例4
(非晶質ポリエステルbの製造)
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した四つ口フラスコの内部を窒素置換し、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン5900g、テレフタル酸1301g及びジオクチル酸スズ41gを入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、235℃に昇温し、8時間維持した後、更にフラスコ内の圧力を下げ、8.0kPaにて1時間維持した。大気圧に戻した後、190℃に冷却し、フマル酸724g、tert−ブチルカテコール1.5gを加え、190℃の温度下で1時間維持した後に、4時間かけて210℃まで昇温した。更にフラスコ内の圧力を下げ、8.0kPaにて1時間維持した。大気圧に戻した後、トリメリット酸無水物275gを加え210℃にて1時間維持した後、更にフラスコ内の圧力を下げ、8.0kPaにて2時間維持させて非晶質ポリエステルbを得た。得られた非晶質ポリエステルbの軟化点、ガラス転移点、結晶性指数、数平均分子量及び酸価を表1に示す。
製造例5
(非晶質ポリエステルcの製造)
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した四つ口フラスコの内部を窒素置換し、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン4246g、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1690g、テレフタル酸1338g及びジオクチル酸スズ42gを入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、235℃に昇温し、8時間維持した後、更にフラスコ内の圧力を下げ、8.0kPaにて1時間維持した。大気圧に戻した後、190℃に冷却し、フマル酸744g、tert−ブチルカテコール1.5gを加え、190℃の温度下で1時間維持した後に、4時間かけて210℃まで昇温した。更にフラスコ内の圧力を下げ、8.0kPaにて1時間維持した。大気圧に戻した後、トリメリット酸無水物283gを加え210℃にて1時間維持した後、更にフラスコ内の圧力を下げ、8.0kPaにて2時間維持させて非晶質ポリエステルcを得た。得られた非晶質ポリエステルcの軟化点、ガラス転移点、結晶性指数、数平均分子量及び酸価を表1に示す。
製造例6
(非晶質ポリエステルdの製造)
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した四つ口フラスコの内部を窒素置換し、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3322g、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン31g、テレフタル酸662g及び酸化ジブチルスズ10gを入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、230℃に昇温し、5時間維持した後、更にフラスコ内の圧力を下げ、8.0kPaにて1時間維持した。大気圧に戻した後、190℃に冷却し、フマル酸685g、tert−ブチルカテコール0.49gを加え、190℃の温度下で1時間維持した後に、2時間かけて210℃まで昇温した。更にフラスコ内の圧力を下げ、8.0kPaにて4時間維持させて、非晶質ポリエステルdを得た。得られた非晶質ポリエステルdの軟化点、ガラス転移点、結晶性指数、数平均分子量及び酸価を表1に示す。
製造例7
(非晶質ポリエステルeの製造)
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した四つ口フラスコの内部を窒素置換し、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン903g、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン4751g、テレフタル酸1328g及びジオクチル酸スズ40gを入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、235℃に昇温し、6時間維持した後、更にフラスコ内の圧力を下げ、8.0kPaにて1時間維持した。大気圧に戻した後、190℃に冷却し、フマル酸738g、tert−ブチルカテコール1.5gを加え、190℃の温度下で1時間維持した後に、4時間かけて210℃まで昇温した。更にフラスコ内の圧力を下げ、8.0kPaにて1時間維持した。大気圧に戻した後、トリメリット酸無水物281gを加え210℃にて1時間維持した後、更にフラスコ内の圧力を下げ、8.0kPaにて2時間維持させて非晶質ポリエステルeを得た。得られた非晶質ポリエステルeの軟化点、ガラス転移点、結晶性指数、数平均分子量及び酸価を表1に示す。
製造例8
(非晶質ポリエステルfの製造)
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した四つ口フラスコの内部を窒素置換し、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン5635g、テレフタル酸1338g及びジオクチル酸スズ40gを入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、235℃に昇温し、5時間維持した後、更にフラスコ内の圧力を下げ、8.0kPaにて1時間維持した。大気圧に戻した後、190℃に冷却し、フマル酸744g、tert−ブチルカテコール1.5gを加え、190℃の温度下で1時間維持した後に、4時間かけて210℃まで昇温した。更にフラスコ内の圧力を下げ、8.0kPaにて1時間維持した。大気圧に戻した後、トリメリット酸無水物283gを加え210℃にて1時間維持した後、更にフラスコ内の圧力を下げ、8.0kPaにて2時間維持させて非晶質ポリエステルfを得た。得られた非晶質ポリエステルfの軟化点、ガラス転移点、結晶性指数、数平均分子量及び酸価を表1に示す。
製造例9
(非晶質ポリエステルgの製造)
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した四つ口フラスコの内部を窒素置換し、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1791g、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3881g、テレフタル酸1317g及びジオクチル酸スズ40gを入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、235℃に昇温し、7時間維持した後、更にフラスコ内の圧力を下げ、8.0kPaにて1時間維持した。大気圧に戻した後、190℃に冷却し、フマル酸732g、tert−ブチルカテコール1.5gを加え、190℃の温度下で1時間維持した後に、4時間かけて210℃まで昇温した。更にフラスコ内の圧力を下げ、8.0kPaにて1時間維持した。大気圧に戻した後、トリメリット酸無水物278gを加え210℃にて1時間維持した後、更にフラスコ内の圧力を下げ、8.0kPaにて2時間維持させて非晶質ポリエステルgを得た。得られた非晶質ポリエステルgの軟化点、ガラス転移点、結晶性指数、数平均分子量及び酸価を表1に示す。
Figure 2012118236
製造例10
(樹脂粒子(A)分散液1の調製(工程(1)))
撹拌機を装備したフラスコに、結晶性ポリエステルa 90g、非晶質ポリエステルa 510g、銅フタロシアニン顔料(大日精化工業株式会社製、商品名:ECB301)45g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(花王株式会社製、非イオン性界面活性剤、商品名:エマルゲン150)8.5g、15重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(花王株式会社製、アニオン性界面活性剤、商品名:ネオペレックスG−15)80g、5重量%水酸化カリウム水溶液250gを入れ、撹拌しながら、98℃に昇温して溶融し、98℃で2時間混合して、樹脂混合物を得た。
次に、撹拌しながら、脱イオン水1032gを6g/分の速度で滴下し、乳化物を得た。次に、得られた乳化物を25℃に冷却し、200メッシュ(目開き105μm)の金網を通して、樹脂粒子分散液を得た。
得られた樹脂粒子分散液を昇温速度0.5℃/分で55℃まで昇温した後、55℃で5時間保持した。その後、室温(25℃)まで平均速度10℃/分で冷却し、樹脂粒子(A)分散液1を得た。得られた分散液の固形分濃度、体積中位粒径及びCV値を表2に示す。
製造例11
(樹脂粒子(A)分散液2の調製(工程(1)))
製造例10において、非晶質ポリエステルaを非晶質ポリエステルbに、5重量%水酸化カリウム水溶液の量を230gに、添加する脱イオン水の量を1051gにそれぞれ変更した以外は、製造例10と同様にして樹脂粒子(A)分散液2を得た。得られた分散液の固形分濃度、体積中位粒径及びCV値を表2に示す。
製造例12
(樹脂粒子(A)分散液3の調製(工程(1)))
製造例10において、非晶質ポリエステルa 590gを非晶質ポリエステルb 210g及び非晶質ポリエステルd 300gに変更し、5重量%水酸化カリウム水溶液の量を262gに、添加する脱イオン水の量を1022gにそれぞれ変更した以外は、製造例10と同様にして樹脂粒子分散液3を得た。得られた分散液の固形分濃度、体積中位粒径及びCV値を表2に示す。
製造例13
(樹脂粒子(A)分散液4の調製(工程(1)))
製造例10において、結晶性ポリエステルaを結晶性ポリエステルbに、非晶質ポリエステルaを非晶質ポリエステルbに、5重量%水酸化カリウム水溶液の量を238gに、添加する脱イオン水の量を1044gにそれぞれ変更した以外は、製造例10と同様にして樹脂粒子分散液4を得た。得られた分散液の固形分濃度、体積中位粒径及びCV値を表2に示す。
製造例14
(樹脂粒子(A)分散液5の調製(工程(1)))
製造例10において、非晶質ポリエステルaを非晶質ポリエステルeに、5重量%水酸化カリウム水溶液の量を275gに、添加する脱イオン水の量を1009gにそれぞれ変更した以外は、製造例10と同様にして樹脂粒子分散液5を得た。得られた分散液の固形分濃度、体積中位粒径及びCV値を表2に示す。
製造例15
(樹脂粒子(A)分散液6の調製(工程(1)))
製造例10において、非晶質ポリエステルaを非晶質ポリエステルfに、5重量%水酸化カリウム水溶液の量を251gに、添加する脱イオン水の量を1031gにそれぞれ変更した以外は、製造例10と同様にして樹脂粒子分散液6を得た。得られた分散液の固形分濃度、体積中位粒径及びCV値を表2に示す。
製造例16
(樹脂粒子(A)分散液7の調製(工程(1)))
製造例10において、非晶質ポリエステルaを非晶質ポリエステルcに、5重量%水酸化カリウム水溶液の量を247gに、添加する脱イオン水の量を1035gにそれぞれ変更した以外は、製造例10と同様にして樹脂粒子分散液7を得た。得られた分散液の固形分濃度、体積中位粒径及びCV値を表2に示す。
Figure 2012118236
製造例17
(樹脂粒子(C)分散液8の調製)
内容積5リットルのフラスコに、非晶質ポリエステルe 600g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(花王株式会社製、非イオン性界面活性剤、商品名:エマルゲン430)6g、15重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(花王株式会社製、商品名:ネオペレックスG−15)40g及び5重量%水酸化カリウム水溶液281gを入れ、撹拌しながら、95℃に昇温して溶融し、95℃で2時間混合して、樹脂混合物を得た。
次に、撹拌しながら、1003gの脱イオン水を6g/分の速度で滴下し、乳化物を得た。次に、得られた乳化物を25℃に冷却し、200メッシュの金網を通し、脱イオン水を加えて、固形分を25重量%に調整して、樹脂粒子分散液8を得た。得られた分散液の体積中位粒径及びCV値を表3に示す。
製造例18
(樹脂粒子(C)分散液9の調製)
製造例17において、非晶質ポリエステルeを非晶質ポリエステルfに、5重量%水酸化カリウム水溶液の量を253gに、滴下する脱イオン水の量を1029gにそれぞれ変更した以外は、製造例17と同様にして、樹脂粒子分散液9を得た。得られた分散液の体積中位粒径及びCV値を表3に示す。
製造例19
(樹脂粒子(C)分散液10の調製)
製造例17において、非晶質ポリエステルeを非晶質ポリエステルbに、5重量%水酸化カリウム水溶液の量を228gに、滴下する脱イオン水の量を1053gにそれぞれ変更した以外は、製造例17と同様にして、樹脂粒子分散液10を得た。得られた分散液の体積中位粒径及びCV値を表3に示す。
製造例20
(樹脂粒子(C)分散液11の調製)
製造例17において、非晶質ポリエステルeを非晶質ポリエステルgに、5重量%水酸化カリウム水溶液の量を244gに、滴下する脱イオン水の量を1038gにそれぞれ変更した以外は、製造例17と同様にして、樹脂粒子分散液11を得た。得られた分散液の体積中位粒径及びCV値を表3に示す。
Figure 2012118236
製造例21
(離型剤粒子分散液の製造)
内容積1リットルのビーカーに、脱イオン水480g、アルケニル(ヘキサデセニル基、オクタデセニル基の混合物)コハク酸ジカリウム水溶液(花王株式会社製、商品名:ラテムルASK、有効濃度28重量%)4.29g、カルナウバロウワックス(株式会社加藤洋行製、商品名、融点85℃、酸価5mgKOH/g)120gを入れ、撹拌した。該混合液を90〜95℃に維持しながら、超音波分散機(株式会社日本精機製作所製、商品名:Ultrasonic Homogenizer 600W)を用いて、30分間分散処理を行った後、25℃に冷却し、脱イオン水を加えて、固形分を20重量%に調整し、離型剤粒子分散液を得た。離型剤粒子の体積中位粒径は0.494μm、CV値は34%であった。
実施例1
(トナーAの作製)
<工程(2):凝集粒子の作製>
脱水管、撹拌装置及び熱電対を装備した内容積5リットルの4つ口フラスコに、樹脂粒子分散液1 500g、脱イオン水140g、及び離型剤粒子分散液84gを入れ、25℃で混合した。次に、該混合物を撹拌しながら、硫酸アンモニウム42gを脱イオン水475gに溶解した凝集剤水溶液を、25℃で10分かけて滴下した後、55℃まで昇温し、凝集粒子の体積中位粒径が4.3μmになるまで、55℃で保持し、凝集粒子を得た。
<工程(3):コアシェル粒子の作製>
工程(2)で得られたコア凝集粒子分散液に61gの脱イオン水を添加し、コア凝集粒子分散液の温度を49℃に冷却した。次いで、49℃の分散液を毎時1.6℃の速度で昇温しながら、樹脂粒子分散液8 315gを毎分1.0mlの速度で滴下し、コアシェル凝集粒子分散液を得た。
<工程(4):合一したコアシェル粒子の作製>
工程(3)で得られたコアシェル凝集粒子分散液にアニオン性界面活性剤(花王株式会社製、商品名:エマール(登録商標)E27C、有効濃度27重量%)37g、脱イオン水3,000gを混合した水溶液を添加し、67℃まで昇温した後、1時間保持した。
<後処理工程:トナーの作製>
次に、分散液を25℃に冷却し、25℃に保ちつつ、吸引濾過で固形分を分離した後、脱イオン水で洗浄し、33℃で乾燥を行って、トナー粒子を得た。該トナー粒子100重量部、疎水性シリカ(日本アエロジル株式会社製、商品名:RY50、平均粒径;0.04μm)2.5重量部、及び疎水性シリカ(キャボット社製、商品名:キャボシールTS720、平均粒径;0.012μm)1.0重量部をヘンシェルミキサーに入れ、撹拌し、150メッシュのふるいを通過させてトナーAを得た。得られたトナーAの体積中位粒径、CV値及びトナー性能評価結果を表4に示す。
実施例2〜4、比較例1〜4(トナーB〜Hの作製)
工程(2)で使用する樹脂粒子分散液として表4及び5に示した分散液を使用し、工程(3)で滴下する樹脂粒子分散液として表4及び5に示した分散液を使用した以外は、実施例1と同様にしてトナーB〜Hを作製した。得られたトナーB〜Hの体積中位粒径、CV値及びトナー性能評価結果を表4及び5に示す。
Figure 2012118236
Figure 2012118236
表4及び5より、本発明の電子写真用トナーの製造方法によって得られた実施例の電子写真用トナーは、比較例のトナーに比べ、粒度分布がシャープであり、低温定着性と保存安定性を両立し、また、トナーの飛散を抑制できることがわかる。

Claims (9)

  1. 下記の工程(1)〜(4)を含む、コアシェル型の電子写真用トナーの製造方法。
    工程(1):結晶性ポリエステル(a)、及びビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物を80モル%以上含むアルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られる非晶質ポリエステル(b)を溶融混合して、水性媒体中に乳化し、樹脂粒子(A)を得る工程
    工程(2):樹脂粒子(A)を凝集させて、凝集粒子を得る工程
    工程(3):前記凝集粒子の分散液に、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物を80モル%以上含むアルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られる非晶質ポリエステル(c)を含有する樹脂粒子(C)を添加して、コアシェル粒子を得る工程
    工程(4):前記コアシェル粒子を含む系の温度を非晶質ポリエステル(c)のガラス転移点より5℃低い温度以上の温度に保持して、合一したコアシェル粒子を得る工程
  2. 工程(4)において、前記コアシェル粒子を含む系の温度を結晶性ポリエステル(a)の融点以下の温度に保持する、請求項1に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  3. 工程(1)において、工程(2)の前に、工程(1)で得られた樹脂粒子(A)を含む水性分散液を、結晶性ポリエステル(a)の融点以下、結晶性ポリエステル(a)の融点より25℃低い温度以上の温度で1時間以上保持する工程を含む、請求項1又は2に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  4. 結晶性ポリエステル(a)の融点が60〜100℃である、請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  5. 樹脂粒子(A)が着色剤を含有するものである、請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  6. 非晶質ポリエステル(b)及び非晶質ポリエステル(c)の前記カルボン酸成分がフマル酸を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  7. 非晶質ポリエステル(c)がガラス転移点55〜75℃の非晶質ポリエステルである、請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  8. 非晶質ポリエステル(b)の前記アルコール成分がビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物を含み、非晶質ポリエステル(c)の前記アルコール成分がビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法で得られる電子写真用トナー。
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