JP2010151996A - 電子写真用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた低温定着性を満足しつつ、加圧保存性に優れる電子写真用トナー、該トナーに用いられる結晶性ポリエステル組成物、該結晶性ポリエステル組成物を含有した結着樹脂及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】160℃での貯蔵弾性率が120〜100000Paである結晶性ポリエステルAと160℃での貯蔵弾性率が0.01〜500Paである結晶性ポリエステルBとの少なくとも2種類の結晶性ポリエステルを混合してなるトナー用結晶性ポリエステル組成物であって、前記結晶性ポリエステルAの貯蔵弾性率が、前記結晶性ポリエステルBの貯蔵弾性率よりも大きく、結晶性ポリエステルAと結晶性ポリエステルBとの貯蔵弾性率の差が100Pa以上である、トナー用結晶性ポリエステル組成物、該結晶性ポリエステル組成物を含有した結着樹脂及びその製造方法並びに該結着樹脂を含有する電子写真用トナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等に用いられる電子写真用トナー、該トナーに用いられる結晶性ポリエステル組成物、該結晶性ポリエステル組成物を含有した結着樹脂及びその製造方法に関する。
近年、省エネルギー化の観点からトナーの低温定着性向上が求められており、結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルとを含有した結着樹脂が検討されている。
特許文献1には、低温定着性、環境安定性及び耐ブロッキング性に優れたトナー用結着樹脂を提供することを課題として、結晶性ポリエステル及び非晶質ポリエステル系樹脂を含有してなるトナー用結着樹脂であって、前記結晶性ポリエステルが、炭素数2〜8の脂肪族ジオールを70モル%以上含有したアルコール成分と芳香族ジカルボン酸化合物を70モル%以上含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られる、トナー用結着樹脂が開示されている。
特許文献2には、トナーの結着樹脂として用いられた際に、低温定着性に優れ、かつ画像濃度が高く、帯電立ち上がり性の良好なトナーが得られる結晶性樹脂、該結晶性樹脂を含有したトナー用結着樹脂及び該結着樹脂を含有したトナーを提供することを課題として、170℃における貯蔵弾性率が10〜10000Pa、融解熱の最大ピーク温度が55〜150℃、軟化点と融解熱の最大ピーク温度の比(軟化点/ピーク温度)が0.6〜1.3である結晶性樹脂が開示されている。
特許文献3には、低温定着性に優れ、かつ良好な粉砕性及び保存性を有するトナーを製造し得る方法を提供することを課題として、2種以上のポリエステルを含有した原料モノマーの溶融混練工程、加熱処理工程、粉砕工程及び分級工程を含むトナーの製造方法であって、前記2種以上のポリエステルが少なくとも1種の非晶質ポリエステルを含有してなり、前記加熱処理工程を、特定の温度、時間で行う、トナーの製造方法が開示されている。
これらの文献は、結晶性ポリエステルを2種用いるものではない。
特開2005−300867号公報 特開2004−197051号公報 特開2005−308995号公報
しかしながら、これまでの結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステル系樹脂とを用いた結着樹脂は、低温定着性に優れるものの、トナーの加圧保存性が不十分である。加圧保存性は、フレコンバック等に充填、輸送した場合のバック底部での保存性と関係する。
本発明の課題は、優れた低温定着性を満足しつつ、加圧保存性に優れる電子写真用トナー、該トナーに用いられる結晶性ポリエステル組成物、該結晶性ポリエステル組成物を含有した結着樹脂及びその製造方法を提供することにある。
結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステル系樹脂とを含む結着樹脂を用いたトナーの低温定着性と加圧保存性とを満足するためには、結着樹脂の溶融混合後に、結晶性ポリエステルが十分に結晶化することが求められる。
一般に、結晶性ポリエステルは非晶質ポリエステル系樹脂と相溶性が高いため溶融混合状態で、結晶性ポリエステルの結晶密度が高い部分、即ち結晶核剤となる部分が残りにくい。そのため、通常、溶融混練後では、結晶性ポリエステルが十分に結晶化されていないことが多い。これに対して、前記特許文献3のように、加熱処理を行うことも試みられているが、まだ結晶化は十分とはいえない。
これに対して、下記式に示すフローリーハギンス(Flory-Huggins)の理論によると、結晶性ポリエステルの分子量を大きくすることで、結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルとの混合時の相溶性を低下させることができる。
Figure 2010151996
(式中、ΔGはポリマー−ポリマー間の自由エネルギー、NTはポリマー格子定数、kBはボルツマン定数、Tは絶対温度、φA-PESは非晶質ポリエステルの体積分率、φC-PESは結晶性ポリエステルの体積分率、mA-PESは非晶質ポリエステルの重合度、mC-PESは結晶性ポリエステルの重合度を示す)
しかし、分子量の大きい結晶性ポリエステルを用いると、分子拡散の活性化エネルギーが大きく(拡散速度が遅い)、式(A):
Figure 2010151996
〔式中、Gは結晶成長速度(sec-1)、G0は結晶核数因子(sec-1)、Eは分子拡散の活性化エネルギー(J/mol)、Rは気体定数[8.31(J/mol・K)]、Thはトナーの加熱保持温度(K)、Tgは示差走査熱量測定におけるトナーのガラス転移点(K)、Kは核生成エネルギー(J/mol)、Tcは示差走査熱量測定におけるトナーの吸熱の最高ピーク温度(K)を示す〕
で表される結晶成長速度式(高分子機能材料シリーズ 第3巻 高分子物性の基礎 高分子学会(編)(共立出版、1993年)264頁参照)によると、結晶成長速度が遅くなることが示唆されている。
そこで、本発明者等は、分子量の大きい結晶性ポリエステルと分子量の小さい結晶性ポリエステルとからなる2種類の結晶性ポリエステルを用いることで、結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステル系樹脂との溶融混合中であっても、分子量の大きい結晶性ポリエステル中の結晶密度の高い部分が溶解せず、溶融混練後に、結晶密度の高い部分が結晶核剤として働き、結晶性ポリエステル全体の結晶成長速度が高まると考えた。
換言すれば、本発明者等は、貯蔵弾性率が異なる2種類の結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステル系樹脂とを用いることで、貯蔵弾性率が大きい結晶性ポリエステル中の結晶密度が高い部分が結晶核剤となり、貯蔵弾性率が小さい結晶性ポリエステルの結晶成長速度が高められ、通常の溶融混練条件でも、高い結晶性を有する結着樹脂が得られると考え、本発明を完成した。
本発明は、
〔1〕 160℃での貯蔵弾性率が120〜100000Paである結晶性ポリエステルAと160℃での貯蔵弾性率が0.01〜500Paである結晶性ポリエステルBとの少なくとも2種類の結晶性ポリエステルを混合してなるトナー用結晶性ポリエステル組成物であって、前記結晶性ポリエステルAの貯蔵弾性率が、前記結晶性ポリエステルBの貯蔵弾性率よりも大きく、結晶性ポリエステルAと結晶性ポリエステルBとの貯蔵弾性率の差が100Pa以上である、トナー用結晶性ポリエステル組成物、
〔2〕 前記〔1〕記載の結晶性ポリエステル組成物と非晶質ポリエステル系樹脂とを含有してなるトナー用結着樹脂、
〔3〕 160℃での貯蔵弾性率が120〜100000Paである結晶性ポリエステルAと160℃での貯蔵弾性率が0.01〜500Paである結晶性ポリエステルBの少なくとも2種類の結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステル系樹脂とを溶融混練する工程を含む、トナー用結着樹脂の製造方法であって、前記結晶性ポリエステルAの貯蔵弾性率が、前記結晶性ポリエステルBの貯蔵弾性率よりも大きく、結晶性ポリエステルAと結晶性ポリエステルBとの貯蔵弾性率の差が100Pa以上である、トナー用結着樹脂の製造方法、
〔4〕 前記〔3〕記載の製造方法により得られる、トナー用結着樹脂、並びに
〔5〕 前記〔2〕又は〔4〕の結着樹脂を含有してなる電子写真用トナー
に関する。
本発明の方法により得られる電子写真用トナーは、結着樹脂として結晶性ポリエステルを含有しているため、優れた低温定着性を有しているとともに、加圧保存性も良好であるという効果を奏するものである。
本発明のトナー用結晶性ポリエステル組成物は、貯蔵弾性率の異なる2種の結晶性ポリエステルを含んでいる点に大きな特徴を有しており、かかる2種の結晶性ポリエステルとは、160℃での貯蔵弾性率が120〜100000Paである結晶性ポリエステルAと160℃での貯蔵弾性率が0.01〜500Paである結晶性ポリエステルBであり、結晶性ポリエステルAの貯蔵弾性率が、結晶性ポリエステルBの貯蔵弾性率よりも大きく、結晶性ポリエステルAと結晶性ポリエステルBとの貯蔵弾性率の差が100Pa以上に調整されている。この結晶性ポリエステルAと結晶性ポリエステルBとを含む結晶性ポリエステル組成物を非晶質ポリエステル系樹脂とともに電子写真用トナーの結着樹脂として用いることにより、結着樹脂中の結晶性ポリエステルの結晶性が高くなり、トナーの低温定着性と加圧保存性とが向上する。これは、前述のとおり、貯蔵弾性率が大きい結晶性ポリエステルAの結晶密度が高い部分が結晶核剤となり、貯蔵弾性率が小さい結晶性ポリエステルBの結晶性を高め、結晶性ポリエステルの結晶成長速度が速くなることが要因と推定される。
樹脂の結晶性は、軟化点と示差走査熱量計による吸熱の最高ピーク温度との比、即ち軟化点/吸熱の最高ピーク温度で表わされ、一般にこの値が1.4を超えると樹脂は非晶質であり、0.6未満の時は結晶性が低く非晶部分が多い。樹脂の結晶性は、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により調整することができる。本発明において、「結晶性ポリエステル」とは、軟化点/吸熱の最高ピーク温度の値が0.6〜1.4、好ましくは0.7〜1.2、より好ましくは0.9〜1.2であるポリエステルをいい、「非晶質ポリエステル系樹脂」とは、軟化点/吸熱の最高ピーク温度の値が1.4より大きいか、0.6未満、好ましくは1.4より大きい樹脂をいう。なお、吸熱の最高ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を指す。最高ピーク温度が軟化点の±20℃以内にあれば、そのピーク温度を融点とし、軟化点との差が20℃を超えるピークはガラス転移に起因するピークとする。例えば、本発明において、単に「ポリエステル」という場合は、結晶性ポリエステル及び非晶質ポリエステルの両方を意味する。
結晶性ポリエステルAは、結晶核剤として、トナーの加圧保存性を高める観点及び低温定着性の観点から、160℃での貯蔵弾性率が、120〜100000Paであり、好ましくは500〜20000Paであり、より好ましくは1000〜8000Paであり、さらに好ましくは2000〜6000Paである。
一方、結晶性ポリエステルBは、結晶速度を高めて、トナーの加圧保存性を高める観点及び低温定着性の観点から、160℃での貯蔵弾性率が、0.01〜500Paであり、好ましくは0.1〜100Paであり、より好ましくは0.1〜50Paであり、さらに好ましくは0.5〜50Paである。
ポリエステルの貯蔵弾性率は、ポリエステルの分子量と相関すると考えられ、反応時間を長くしたり、触媒量を増加させたり、反応温度を高くして、より高分子量化にすることで高くすることができ、とりわけ、ラジカル重合開始剤の使用量を増加させ、ポリエステルを高分子量化することで貯蔵弾性率を高くすることができる。
結晶性ポリエステルAの貯蔵弾性率は、結晶性ポリエステルBの貯蔵弾性率より大きく、結晶性ポリエステルAと結晶性ポリエステルBとの貯蔵弾性率の差は、トナーの加圧保存性及び低温定着性の観点から、100Pa以上であり、好ましくは500Pa以上、より好ましくは1000Pa以上であり、10000Pa以下が好ましく、5000Pa以下がより好ましい。上記観点から、結晶性ポリエステルAと結晶性ポリエステルBとの貯蔵弾性率の差は、100〜10000Paが好ましく、500〜5000Paが好ましく、1000〜5000Paがより好ましい。
また、結晶性ポリエステルAを結晶核剤として働かせ、結晶性ポリエステル全体の結晶速度を高め、トナーの加圧保存性を向上させる観点から、結晶性ポリエステルAの貯蔵弾性率は、結晶性ポリエステルBの貯蔵弾性率の10〜100000倍であることが好ましく、より好ましくは50〜50000倍、さらに好ましくは100〜10000倍、よりさらに好ましくは100〜5000倍、よりさらに好ましくは100〜2000倍である。
本発明では、高い貯蔵弾性率を有する結晶性ポリエステルAは、結晶化を速めて、トナーの加圧保存性を高める観点から、炭素数2〜8の不飽和脂肪族ジカルボン酸化合物とアルコール成分とを原料モノマーとして用いて得られる縮重合系樹脂が、ラジカル重合開始剤を用いて、不飽和脂肪族ジカルボン酸化合物により、架橋された樹脂であることが好ましい。不飽和脂肪族ジカルボン酸化合物の不飽和結合部でポリエステルを少なくとも一部架橋することにより、結晶性を低下させることなく、高分子量化することができるため、結着樹脂中での結晶性ポリエステルの結晶化速度が速まることによるものと推定される。
ラジカル重合開始剤を用いて、不飽和脂肪族ジカルボン酸化合物により、少なくともその一部が架橋された樹脂は、熱分解ガスクロマトグラフ質量分析計(熱分解GC/MS)の測定において、後述するように、不飽和脂肪族ジカルボン酸化合物の二量体成分(不飽和脂肪族ジカルボン酸化合物同士の結合)の有無により確認することができる。
高い貯蔵弾性率を有する結晶性ポリエステルAは、樹脂中に高分子量部分、即ち結晶性密度の高い部分を有しており、この含有量は、クロロホルム不溶分を指標とすることができる。そこで、結晶性ポリエステルAのクロロホルム不溶分の含有量は、結晶核剤として働かせる観点から、5〜100重量%が好ましく、5〜30重量%がより好ましく、8〜25重量%がさらに好ましい。
一方、貯蔵弾性率の低い結晶性ポリエステルBは、樹脂中に高分子量部分、即ち結晶性密度の高い部分を有さないことが、結晶速度を高める観点から好ましく、結晶性ポリエステルBのクロロホルム不溶分は含んでいないか、含んでいてもその含有量は、5重量%未満であることが好ましい。
結晶性ポリエステルA、Bに用いられるアルコール成分としては、結晶性及び低温定着性の観点から、脂肪族ジオールが好ましく、炭素数2〜10、好ましくは炭素数4〜8の脂肪族ジオールがより好ましい。
炭素数2〜10の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、及び1,4-ブテンジオール等が挙げられ、結晶性ポリエステルの分散性を高めることで、トナーの結晶性が向上する観点から、α,ω-直鎖アルカンジオールが好ましく、1,4-ブタンジオール及び1,6-ヘキサンジオールがより好ましい。
炭素数2〜10、好ましくは炭素数4〜8の脂肪族ジオール、好ましくはα,ω-直鎖アルカンジオールの含有量は、前記観点から、アルコール成分中、70モル%以上、好ましくは80〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%である。特に、1種の脂肪族ジオール、なかでも1,6-ヘキサンジオールが、アルコール成分中、好ましくは50モル%以上、より好ましくは60〜100モル%含有されていることが望ましい。
アルコール成分に含有され得る炭素数2〜10の脂肪族ジオール以外の多価アルコールとしては、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシプロピレン付加物、及び2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシエチレン付加物等のビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール;グリセリン、ペンタエリスリトール、及びトリメチロールプロパン等の3価以上のアルコールが挙げられる。
結晶性ポリエステルA、Bに用いられるカルボン酸成分としては、結晶性及び低温定着性の観点から脂肪族ジカルボン酸化合物が好ましく、炭素数2〜8、好ましくは炭素数2〜6の脂肪族ジカルボン酸化合物が好ましい。
炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸化合物としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、及びこれらの酸の無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられ、フマル酸がよりさらに好ましい。なお、脂肪族ジカルボン化合物とは、前記の如く、脂肪族ジカルボン酸、その無水物及びそのアルキル(炭素数1〜3)エステルを指すが、これらの中では、脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
炭素数2〜8、好ましくは炭素数2〜6の脂肪族ジカルボン酸化合物は、カルボン酸成分中に、60モル%以上、好ましくは80〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%含有されているのが望ましい。特に、1種の脂肪族ジカルボン酸化合物が、カルボン酸成分中、好ましくは50モル%以上、より好ましくは60〜100モル%含有されていることが望ましい。
なかでも、結晶性ポリエステルAに用いられるカルボン酸成分としては、結晶性及び低温定着性の観点及びラジカル重合開始剤により架橋させて貯蔵弾性率を向上させる観点から、炭素数2〜8、好ましくは炭素数2〜6の不飽和脂肪族ジカルボン酸化合物が好ましい。
結晶性ポリエステルAのカルボン酸成分は、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、グルタコン酸、イタコン酸、それらの酸の無水物及びアルキル(炭素数1〜3)エステルからなる群より選ばれた少なくとも1種であることがより好ましく、これらの中では、フマル酸及びマレイン酸がより好ましく、フマル酸がさらに好ましい。
炭素数2〜8の不飽和脂肪族ジカルボン酸化合物は、カルボン酸成分中に、60モル%以上、好ましくは80〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%含有されているのが望ましい。特に、1種の不飽和脂肪族ジカルボン酸化合物が、カルボン酸成分中、好ましくは50モル%以上、より好ましくは60〜100モル%含有されていることが望ましい。
結晶性ポリエステルA、Bに用いられるカルボン酸成分には、炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸化合物以外の多価カルボン酸化合物が含有されていてもよく、該多価カルボン酸化合物としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;セバシン酸、アゼライン酸、n-ドデシルコハク酸、n-ドデセニルコハク酸の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸;及びこれらの酸の無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸化合物としては、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸、及びこれらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体が挙げられる。
その他の酸として、ロジン、フマル酸、マレイン酸又はアクリル酸等で変性されたロジン等が挙げられる。
結晶性ポリエステルAの原料モノマーには、結晶性を維持する観点から、3価以上の多価モノマーは含まれていないことが好ましく、含まれていても、3価以上の多価カルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、5モル%以下が好ましく、1モル%以下がより好ましい。また、同様に、3価以上の多価アルコールの含有量も、アルコール成分中、5モル%以下が好ましく、1モル%以下がより好ましい。
なお、結晶性ポリエステルAと結晶性ポリエステルBは、両ポリエステルの親和性を高めることで、結晶成長速度を速め、トナーの加圧保存性を高める観点から、結晶性ポリエステルAのアルコール成分と結晶性ポリエステルBのアルコール成分とが、同一の脂肪族アルコールを含有していることが好ましい。結晶性ポリエステルAと結晶性ポリエステルBの両方のアルコール成分に含まれる同一の脂肪族アルコールの割合は、各アルコール成分中、60モル%以上が好ましく、75モル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ましい。
また、同様の観点から、結晶性ポリエステルAのカルボン酸成分と結晶性ポリエステルBのカルボン酸成分とが、同一の脂肪族カルボン酸化合物を含有していることが好ましい。結晶性ポリエステルAと結晶性ポリエステルBの両方のカルボン酸成分に含まれる同一の脂肪族カルボン酸化合物の割合は、各カルボン酸成分中、60モル%以上が好ましく、75モル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ましい。
なお、結晶性ポリエステルの製造時におけるアルコール成分とカルボン酸成分のモル比(カルボン酸成分/アルコール成分)は、貯蔵弾性率を上げる観点、すなわち低沸点のアルコール成分を減圧反応時に蒸発により除去し、樹脂を高分子量化することができることから、0.85〜1.0が好ましく、0.95〜1.0がより好ましい。
結晶性ポリエステルは、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分とを、不活性ガス雰囲気下中、必要に応じて、エステル化触媒、重合禁止剤等の存在下、120〜230℃で、縮重合させて得られる。縮重合反応に際しては、樹脂の貯蔵弾性率を上げるために全単量体を一括仕込みしたり、低分子量成分を少なくするために2価の単量体を先ず反応させた後、3価以上の単量体を添加して反応させる等の方法を用いてもよい。また、重合の後半に反応系を減圧することにより、反応を促進させてもよい。
エステル化触媒としては、錫化合物、チタン化合物、三酸化アンチモン、酢酸亜鉛、及び2酸化ゲルマニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属触媒が好ましい。
錫化合物としては、例えば、酸化ジブチル錫が知られているが、本発明では、ポリエステル中での分散性が良好である観点から、Sn-C結合を有していない錫(II)化合物が好ましい。
Sn-C結合を有していない錫(II)化合物としては、Sn-O結合を有する錫(II)化合物、Sn-X(Xはハロゲン原子を示す)結合を有する錫(II)化合物等が好ましく、Sn-O結合を有する錫(II)化合物がより好ましい。
Sn-O結合を有する錫(II)化合物としては、シュウ酸錫(II)、酢酸錫(II)、オクタン酸錫(II)、2-エチルヘキサン酸錫(II)、ラウリル酸錫(II)、ステアリン酸錫(II)、オレイン酸錫(II)等の炭素数2〜28のカルボン酸基を有するカルボン酸錫(II);オクチロキシ錫(II)、ラウロキシ錫(II)、ステアロキシ錫(II)、オレイロキシ錫(II)等の炭素数2〜28のアルコキシ基を有するアルコキシ錫(II);酸化錫(II);硫酸錫(II)等が、Sn-X(Xはハロゲン原子を示す)結合を有する錫(II)化合物としては、塩化錫(II)、臭化錫(II)等のハロゲン化錫(II)等が挙げられ、これらの中では、触媒能の点から、(R1COO)2Sn(ここでR1は炭素数5〜19のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表される脂肪酸錫(II)、(R2O)2Sn(ここでR2は炭素数6〜20のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表されるアルコキシ錫(II)及びSnOで表される酸化錫(II)が好ましく、(R1COO)2Snで表される脂肪酸錫(II)及び酸化錫(II)がより好ましく、オクタン酸錫(II)、2-エチルヘキサン酸錫(II)、ステアリン酸錫(II)及び酸化錫(II)がさらに好ましい。
チタン化合物としては、Ti−O結合を有するチタン化合物が好ましく、総炭素数1〜28のアルコキシ基、総炭素数2〜28のアルケニルオキシ基又は総炭素数1〜28のアシルオキシ基を有する化合物がより好ましい。
チタン化合物の具体例としては、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(C37O)2〕、チタンジイソプロピレートビスジエタノールアミネート〔Ti(C4102N)2(C37O)2〕、チタンジペンチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(C511O)2〕、チタンジエチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(C25O)2〕、チタンジヒドロキシオクチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(OHC816O)2〕、チタンジステアレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(C1837O)2〕、チタントリイソプロピレートトリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)(C37O)3〕、チタンモノプロピレートトリス(トリエタノールアミネート)〔Ti(C6143N)3(C37O)〕等が挙げられ、これらの中ではチタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート、チタンジイソプロピレートビスジエタノールアミネート及びチタンジペンチレートビストリエタノールアミネートが好ましく、これらは、例えばマツモト交商(株)の市販品としても入手できる。
他の好ましいチタン化合物の具体例としては、テトラ-n-ブチルチタネート〔Ti(C49O)4〕、テトラプロピルチタネート〔Ti(C37O)4〕、テトラステアリルチタネート〔Ti(C1837O)4〕、テトラミリスチルチタネート〔Ti(C1429O)4〕、テトラオクチルチタネート〔Ti(C817O)4〕、ジオクチルジヒドロキシオクチルチタネート〔Ti(C817O)2(OHC816O)2〕、ジミリスチルジオクチルチタネート〔Ti(C1429O)2(C817O)2〕等が挙げられ、これらの中ではテトラステアリルチタネート、テトラミリスチルチタネート、テトラオクチルチタネート及びジオクチルジヒドロキシオクチルチタネートが好ましい。これらは、例えばハロゲン化チタンを対応するアルコールと反応させることにより得ることができ、又は、ニッソー社等の市販品としても入手できる。
上記錫(II)化合物及びチタン化合物は、1種又は2種以上を併せて使用することができる。
前記金属触媒の中では反応性が高く、耐久性に優れる樹脂を製造する観点から、錫化合物が好ましい。
エステル化触媒の存在量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して、0.01〜2.0重量部が好ましく、0.1〜1.5重量部がより好ましく、0.2〜1.0重量部がさらに好ましい。
反応時間は、反応スケールにもよるが、通常30分〜5時間が好ましく、30分〜3時間が好ましい。
なお、貯蔵弾性率が高い結晶性ポリエステルAの製造方法は、アルコール成分と不飽和脂肪族ジカルボン酸化合物を含むカルボン酸成分との縮重合反応中又は縮重合反応後に、ラジカル重合開始剤を添加して、反応させて得られる方法が、貯蔵弾性率を高めることができるため好ましい。即ち、
工程i:アルコール成分と、不飽和脂肪族ジカルボン酸化合物を含むカルボン酸成分とを縮重合させる工程、
工程ii:工程iの縮重合反応中又は縮重合反応後に、ラジカル重合開始剤を添加して結晶性ポリエステルを得る工程
を含む方法により、得られるものが好ましい。なお、縮重合反応に際しては、樹脂の強度を上げるために全原料モノマーを一括仕込みしたり、また、重合の後半に反応系を減圧することにより、反応を促進させてもよい。
工程iの縮重合反応は、前述のとおりである。
工程iiにおいて、ラジカル重合開始剤は、縮重合反応開始直後から、反応系内に存在させていてもよいが、反応制御(3量体以上の多量体の生成を抑制し、クロロホルム不溶分を前記の範囲とする)の観点から、縮重合反応の反応率が、理論反応水の排出時を100%として、好ましくは40〜100%、より好ましくは60〜100%の時点で添加することが望ましい。
ラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物や、ジブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート等の有機過酸化物等の公知のラジカル重合開始剤が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、工程iの縮重合反応に用いられるアルコール成分とカルボン酸成分の総量又は工程iで得られた樹脂100重量部に対して、0.1〜70重量部が好ましく、0.5〜40重量部がより好ましく、1〜20重量部がさらに好ましく、2〜10重量部がよりさらに好ましい。または、工程iの縮重合反応に用いられる不飽和脂肪族ジカルボン酸化合物100重量部に対して、0.2〜140重量部が好ましく、1〜80重量部がより好ましく、2〜40重量部がさらに好ましく、4〜20重量部がよりさらに好ましい。
工程iiでの反応温度は、ラジカル重合開始剤での付加重合反応を進行させる観点から、80〜180℃が好ましく、80〜160℃がさらに好ましい。
ラジカル重合開始剤を縮重合反応の途中で添加した場合、付加重合反応後、さらに縮重合反応を行うことが、貯蔵弾性率を高める観点から好ましい。その場合、反応温度は、好ましくは190〜230℃、より好ましくは190〜210℃が好ましい。その際は、不飽和脂肪族ジカルボン酸化合物の付加重合物の架橋体の分解を防止する観点から、ターシャリーブチルカテコール等の重合禁止剤を添加することが好ましい。
結晶性ポリエステルA及びBの融点は、各々、トナーの低温定着性の観点から、70〜140℃が好ましく、80〜120℃がより好ましく、90〜115℃がさらに好ましい。結晶性ポリエステルの融点は、後述する樹脂の吸熱の最高ピーク温度として求めることができる。ポリエステルの融点は、原料モノマー組成に依存するが、同じモノマー組成であっても、例えば、反応時間を長くしたり、反応温度を高くして、より分子量を大きくすることで、やや低くなる。
結晶性ポリエステルAの軟化点は、トナーの低温定着性及びトナーの加圧保存性の観点から、100〜150℃が好ましく、より好ましくは110〜140℃、さらに好ましくは110〜130℃である。結晶性ポリエステルBの軟化点は、トナーの低温定着性の観点から、60〜130℃が好ましく、より好ましくは70〜125℃、さらに好ましくは85〜120℃である。結晶性ポリエステルの軟化点は、原料モノマー組成、重合開始剤、分子量、触媒量等の調整又は反応条件の選択により容易に調整することができる。軟化点は、原料モノマー組成により異なるが、同じモノマー組成であっても、例えば、反応時間を長くしたり、反応温度を高くして、より分子量を大きくしたり、ラジカル重合開始剤の使用量を増加して、貯蔵弾性率を高めたりすることで、軟化点を高くすることができる。
本発明の結晶性ポリエステル組成物は、結晶性ポリエステルAと結晶性ポリエステルBとを混合し、好ましくは溶融混練することにより得ることができる。結晶性ポリエステルAと結晶性ポリエステルBとの混合又は溶融混練の際の重量比(B/A)は、結晶性ポリエステルAを結晶核剤として働かせ、結晶速度を高め、加圧保存性を向上させる観点から、1≦(B/A)≦30を満足することが好ましく、より好ましくは2≦(B/A)≦20、さらに好ましくは3≦(B/A)≦10である。換言すれば、結晶性ポリエステルBの混合量が、結晶性ポリエステルA 100重量部に対して、100〜3000重量部が好ましく、200〜2000重量部がより好ましく、300〜1000重量部がさらに好ましい。
本発明の結晶性ポリエステル組成物は、前記結晶性ポリエステルAとB以外の結晶性ポリエステルを含んでいてもよいが、組成物中、前記結晶性ポリエステルAとBとの合計重量は、好ましくは80重量%以上であり、より好ましくは90重量%以上であり、さらに好ましくは100重量%である。また、結晶性ポリエステルA、Bは、それぞれ2種類以上からなるものであってもよい。
本発明のトナー用結着樹脂は、本発明の結晶性ポリエステル組成物と非晶質ポリエステル系樹脂とを含むものであり、後述するように前記結晶性ポリエステルA、B及び非晶質ポリエステル系樹脂を溶融混練して得られるものが好ましい。
非晶質ポリエステル系樹脂に含まれる非晶質ポリエステルも、結晶性ポリエステルと同様に、原料モノマーとしてアルコール成分とカルボン酸成分を縮重合させて得られる。
非晶質ポリエステルのアルコール成分は、式(I):
Figure 2010151996
(式中、R3O及びOR3はオキシアルキレン基であり、R3はエチレン及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の平均値は1〜16が好ましく、1〜8がより好ましく、1.5〜4がさらに好ましい)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を含有していることが好ましい。本発明では、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物により、環境安定性が改善されるのみならず、理由は不明なるも、一定圧力が負荷された状態での耐ブロッキング性をも向上するという効果が奏される。
式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物として、具体的には、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシプロピレン付加物、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシエチレン付加物等が挙げられる。
式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、アルコール成分中、70モル%以上が好ましく、80〜100モル%がより好ましく、90〜100モル%がさらに好ましい。
アルコール成分に含有され得るビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物以外のアルコールとしては、結晶性ポリエステルに用いられるのと同様のアルコールを例示することができる。
一方、非晶質ポリエステルのカルボン酸成分は、結晶性ポリエステルとの相溶性の観点から、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸化合物を含有していることが好ましい。
芳香族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、60〜100モル%が好ましく、70〜90モル%がより好ましい。
カルボン酸成分に含有され得る芳香族ジカルボン酸化合物以外の多価カルボン酸化合物としては、結晶性ポリエステルに用いられるのと同様の多価カルボン酸化合物を例示することができる。
非晶質ポリエステルも、結晶性ポリエステルと同様に、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分とを、不活性ガス雰囲気下中、必要に応じて、エステル化触媒、重合禁止剤等の存在下、縮重合させて得られる。温度条件は、非晶質ポリエステル系樹脂の場合180〜250℃程度が好ましい。
本発明において、上記アルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステルを含有する非晶質ポリエステル系樹脂には、ポリエステルのみならず、その変性樹脂も含まれる。ポリエステル変性樹脂としては、例えば、ポリエステルがウレタン結合で変性されたウレタン変性ポリエステル、ポリエステルがエポキシ結合で変性されたエポキシ変性ポリエステル、及びポリエステル成分を含む2種以上の樹脂成分を有する複合樹脂等が挙げられる。
前記変性樹脂のなかでは、本発明においては、相溶性の観点からは、ポリエステル成分とビニル系樹脂成分とを有する複合樹脂が好ましい。
ポリエステル成分とビニル系樹脂成分とを有する複合樹脂は、それぞれの樹脂を必要に応じて開始剤等の存在下に溶融混練する方法、それぞれの樹脂を溶剤に溶解させ混合する方法、それぞれの樹脂の原料モノマー混合物を重合させる方法等の、いずれの方法により製造されたものでもよい。好ましくは、前記ポリエステル成分の原料モノマー及びビニル系樹脂成分の原料モノマーを用いて、縮重合反応と付加重合反応とを行う方法により得られる樹脂(特開平7−98518号公報)である。
ビニル系樹脂成分の原料モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン化合物;エチレン、プロピレン等のエチレン性不飽和モノオレフィン類;ブタジエン等のジオレフィン類;塩化ビニル等のハロビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリル酸のアルキル(炭素数1〜18)エステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等のエチレン性モノカルボン酸のエステル;ビニルメチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニリデンクロリド等のビニリデンハロゲン化物;N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物類等が挙げられる。反応性、粉砕性及び帯電安定性の観点から、スチレン、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸メチルが好ましく、スチレン及び/又は(メタ)アクリル酸のアルキルエステルが、ビニル系樹脂成分中、50重量%以上含有されていることが好ましく、より好ましくは80〜100重量%である。
なお、ビニル系樹脂成分の原料モノマーを重合させる際には、重合開始剤、架橋剤等を必要に応じて使用してもよい。
ビニル系樹脂成分の原料モノマーに対するポリエステル成分の原料モノマーの重量比(ポリエステル成分の原料モノマー/ビニル系樹脂成分の原料モノマー)は、ポリエステル成分により連続相を形成する観点から、55/45〜95/5が好ましく、60/40〜95/5がより好ましく、70/30〜90/10がさらに好ましい。
さらに、複合樹脂は、縮重合系樹脂の原料モノマー及び付加重合系樹脂の原料モノマーに加えて、それらのいずれとも反応し得る両反応性モノマーを用いることにより、縮重合系樹脂成分中に付加重合系樹脂成分がより微細に、かつ均一に分散したハイブリッド樹脂であることが好ましい。両反応性モノマーは、分子内に、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、第1級アミノ基及び第2級アミノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基、好ましくは水酸基及び/又はカルボキシル基、より好ましくはカルボキシル基と、エチレン性不飽和結合とを有する化合物であり、アクリル酸、メタクリル酸及びフマル酸等が挙げられる。
本発明における非晶質ポリエステル系樹脂の軟化点は、定着性の観点から、好ましくは70〜180℃、より好ましくは100〜160℃、ガラス転移点は、定着性の観点から、好ましくは45〜80℃、より好ましくは55〜75℃である。なお、ガラス転移点は非晶質ポリエステル系樹脂に特有の物性であり、吸熱の最高ピーク温度とは区別される。また、酸価は、相溶性の観点から、2〜40mgKOH/gが好ましく、5〜30mgKOH/gがより好ましい。
本発明の結着樹脂において、結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステル系樹脂との混合重量比又は混練の際の重量比(結晶性ポリエステル/非晶質ポリエステル系樹脂)は、トナーの低温定着性と加圧保存安定性との観点から、2/98〜40/60が好ましく、5/95〜30/70がより好ましく、10/90〜25/75がさらに好ましい。なお、結晶性ポリエステルは、結晶性ポリエステルAとBとの合計量である。
本発明の結着樹脂は、アルコール成分と炭素数2〜8の不飽和脂肪族ジカルボン酸化合物を含有するカルボン酸成分との縮重合反応中又は縮重合反応後に、ラジカル重合開始剤を添加して得られた結晶性ポリエステルA、アルコール成分と炭素数2〜8の脂肪族多価カルボン酸化合物を含有するカルボン酸成分とを縮重合させて得られた結晶性ポリエステルB、及び非晶質ポリエステル系樹脂を溶融混練する工程を含む方法により得られるものが好ましい。溶融混練に供する結晶性ポリエステルA、Bの重量比、結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステル系樹脂との重量比は前述の通りである。
溶融混練は、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、オープンロール型混練機の公知の混練機を用いて行うことができる。また、溶融混練の際の温度は、各樹脂が十分に混ざり合える程度の温度であれば特に限定されないが、好ましくは(Ta-30)℃以上(Ta+40)℃以下であり、具体的には、110〜170℃が好ましく、120〜160℃がより好ましい。ここで、Taとは各結着樹脂の軟化点を荷重平均して求めた重量平均軟化点(℃)であり、少なくとも結晶性ポリエステルA、結晶性ポリエステルB及び非晶質ポリエステル系樹脂とを含む。
次いで、通常の方法では、得られた溶融混練物を粉砕可能な硬度に達するまで冷却し、粉砕工程に供するが、本発明では、溶融混練工程の後、得られた溶融混練物を冷却し、さらに、加熱保持する工程を行うことが好ましい。加熱保持工程により、結晶性を高めることができ、加圧保存安定性がより一層向上する。
加熱保持工程は、ケーキングや凝集物の発生を抑えながら効果的に再結晶化と形状を制御する観点から、加熱温度t(℃)が、
好ましくはTg1-20≦t≦Tm、
(式中、Tg1は、非晶質ポリエステルのガラス転移点(℃)であり、Tmは結晶性ポリエステルの重量平均融点(℃)であり、少なくとも結晶性ポリエステルA及び結晶性ポリエステルBを含む各結晶性ポリエステルの融点を加重平均して求められる。)
を満足する条件下で行うことが望ましい。具体的には、40〜100℃が好ましく、50〜80℃がより好ましい。
加熱保持の供する溶融混練物は、結晶化促進の観点から、一旦上記温度未満の温度まで冷却した後、上記温度範囲に加熱することが好ましい。
本発明の結着樹脂は結晶速度が速いため、短時間の加熱保持時間でも効率よく結晶化を促進することができる。加熱保持工程の時間は、生産性と再結晶化の観点から、0.4〜12時間が好ましく、0.5〜6時間が好ましく、0.5〜3時間がより好ましい。
加熱保持工程には、オーブン等を用いることができる。例えば、オーブンを用いる場合、溶融混練物をオーブン内で、一定温度に保持することにより、加熱保持工程を行うことができる。また、恒温恒湿槽や振動流動層(VIA-16D型(中央化工機(株)製)を用いることもできる。
本発明の結着樹脂を用いることにより、低温定着性と加圧保存安定性のいずれにも優れた、本発明の電子写真用トナーが得られる。
本発明のトナーには、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明の結着樹脂以外の公知の結着樹脂、例えば、ポリエステル、スチレン-アクリル樹脂等のビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等の樹脂が併用されていてもよいが、本発明の結着樹脂の含有量は、全結着樹脂中、30重量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましく、70重量%以上がさらに好ましく、80重量%以上がさらに好ましく、90重量%以上がさらに好ましく、実質的に100重量%であることがさらに好ましい。
本発明のトナーには、さらに、着色剤、離型剤、荷電制御剤、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が適宜含有されていてもよい。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、黒色顔料、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、イソインドリン、ジスアゾイエロー等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができ、本発明のトナーは、黒トナー、カラートナーのいずれであってもよい。
着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、2〜10重量部がより好ましい。
荷電制御剤としては、クロム系アゾ染料、鉄系アゾ染料、アルミニウムアゾ染料、サリチル酸金属錯体等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜8重量部が好ましく、0.5〜7重量部がより好ましい。
離型剤としては、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、シリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナバロウワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス等のワックスが挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
離型剤の融点は、トナーの低温定着性と耐オフセット性の観点から、60〜160℃が好ましく、60〜150℃がより好ましい。
離型剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、結着樹脂中への分散性の観点から、0.5〜10重量部が好ましく、1〜8重量部がより好ましく、1.5〜7重量部がさらに好ましい。
本発明のトナーは、溶融混練法、乳化転相法、重合法等の従来より公知のいずれの方法により得られたトナーであってもよいが、生産性や着色剤の分散性の観点から、前述の溶融混練法による粉砕トナーが好ましい。溶融混練法による粉砕トナーの場合、例えば、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤、離型剤等の原料をヘンシェルミキサー等の混合機で均一に混合した後、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、オープンロール型混練機等で溶融混練し、冷却、粉砕、分級して製造することができる。一方、トナーの小粒径化の観点からは、重合法によるトナーが好ましい。
なお、溶融混練法により粉砕トナーを得る場合には、本発明の結着樹脂の製造にあたって、結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステル系樹脂とを溶融混練する際に、着色剤や荷電制御剤等の他の原料を添加して、結晶性ポリエステル及び非晶質ポリエステル系樹脂とともに溶融混練し、そのまま、トナーを製造してもよい。
本発明のトナーの体積中位粒径(D50)は、3〜15μmが好ましく、3〜10μmがより好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
トナーの表面には、外添剤が添加されていてもよい。外添剤としては、トナーには、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ジルコニア、酸化錫、酸化亜鉛等の無機微粒子や、樹脂微粒子等の有機微粒子等が挙げられ、これらの表面には疎水化処理が施されていてもよい。外添剤の添加量は、外添剤で処理する前のトナー粒子100重量部に対して、0.05〜5重量部が好ましい。
本発明のトナーは、一成分現像用トナーとして、又はキャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出する。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂の吸熱の最高ピーク温度〕
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、DSC Q20)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度を求める。
〔樹脂のガラス転移点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて、試料を0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法に基づき測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
〔樹脂のクロロホルム不溶分〕
(1) 試料の調製
JIS Z8801の篩を用いて、22メッシュの篩を通過し、30メッシュの篩は通過しない粉末状の試料を採取する。試料が塊等の場合は、市販のハンマー、コーヒーミルを用いて、粉砕し、粉末状として篩いにかける。
(2) 試料の溶解
2-1. 試料2.000gを、ガラス瓶(柏洋硝子社製、M-140)に秤量した後、クロロホルム95gを加え、内蓋及び外蓋を取り付ける。
2-2. ボールミルにて5時間攪拌する(周速:200mm/sec)。
2-3. 10時間静置する。
(3) 濾過
3-1. 予め計量済み(1000分の1g単位)のナスフラスコ(重量A(g))に取り付けたガラスフィルタ(目開き規格11G-3)を準備する。ガラスフィルタのシールには、減圧が可能なゴム栓を用いる。
3-2. 2-3において10時間静置した溶解液の上澄みから20mlをメスピペッドで吸い取り、3-1で準備したガラスフィルタを用いて、減圧濾過する。なお、液面から下2cmまでを上澄みとする。溶解液を濾過する前のナスフラスコ内の減圧度を40kPaに調整する。
3-3. 未使用のクロロホルム 20mlをメスピペッドで吸い取り、ガラスフィルタに付着している可溶分を減圧濾過する。
(4) 乾燥
4-1. エバポレータにてナスフラスコ内のクロロホルムを除去する。
ウォーターバス温度:70℃
ナスフラスコ回転数:200r/min
クロロホルム除去中のナスフラスコ内の減圧度:40〜20kPaに調整
時間:10分
4-2. 50℃・1torrにて12時間乾燥した後、ナスフラスコの重量B(g)を計量する。
(5) クロロホルム不溶分の算出
5-1. クロロホルム20mlに溶解したクロロホルム可溶分X(g)を算出する。
X=B−A
5-2. クロロホルム95gに溶解したクロロホルム可溶分Y(g)を、クロロホルムの比重を1.485として算出する。
Y=X×95/(20×1.485)
5-3. 試料1gあたりの可溶分Z(重量%)を算出する。
Z=Y/2×100
5-4. クロロホルム不溶分(重量%)=100-Z
なお、クロロホルム不溶分(重量%)は、3回の測定値の平均値とする。
〔樹脂の貯蔵弾性率(G’)〕
粘弾性測定装置(レオメーター)ARES(TA社製)を用いて測定を行う。
加熱保持前後の貯蔵弾性率(G’)をレオメーター(ARES、TAインスツルメント社製)により測定する(Strain:0.05%、周波数:6.28rad/sec)。直径25mmのパラレルプレートを140℃に加熱/放置し、試料1gを140℃でパラレルプレートにのせ上下のプレートで挟んだ後、180℃まで5℃/minで昇温し、160℃での貯蔵弾性率を求める。
〔離型剤の融点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、融解熱の最大ピーク温度を融点とする。
〔熱分解ガスクロマトグラフ質量分析計(熱分解GC/MS)によるフマル酸(FA)二量体成分の検出〕
(測定条件)
1.熱分解装置及び条件
装置 :日本分析工業株式会社製
キューリーポイントインジェクター(JSI-22)
熱分解温度 :590℃
熱分解時間 :5s
2.GC/MS装置及び条件
装置 :Agilent製 6890
カラム :HP-5ms(30m×0.25mm×0.25μm)
オーブン温度 :40℃(5min)−10℃/min−300℃(20min)
キャリアーガス :He(カラム流量:1.0mL/min)
注入方法 :スプリット スプリット比50:1
注入口温度 :300℃
検出器(MS) :Agilent製 5973
MS温度 :四重極:150℃ イオン源:230℃
スキャン範囲 :EI(Electron Ionization):m/z(イオンの質量/電荷)29−500、
0minから検出
3.測定手順
1)試料として結晶性ポリエステルを200μg、パイロホイル上にサンプリングする。
2)試料の上に水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を1μL滴下する(メチルエステル誘導体化剤:熱分解時にエステルの分解とメチル化を行う)。
3)パイロホイルで試料を密閉し、熱分解装置に入れる。
4)熱分解させて、GC/MSで検出する。
4.測定結果
フマル酸の二量体のピークは、フマル酸の二量体の標準品(ブタンテトラカルボン酸、Aldrich(株))により、MSスペクトルのパターン及び検出時間が一致することで確認する。実施例のフマル酸の二量体のピークの検出時間は、20.7分であった。
〔トナーの体積中位粒径(D50)〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5%電解液
分散条件:分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させる。
測定条件:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
樹脂製造例1
表1に示す原料モノマー及び2-エチルへキサン酸錫(II)(エステル化触媒)40gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、140℃で4時間反応させた後、10℃/hrで160℃まで昇温し、同温度で2時間保持した後、ジブチルパーオキサイド(ラジカル重合開始剤)10gを30分間かけて滴下した。その後、160℃で1時間保持した後、ターシャリーブチルカテコール(重合禁止剤)5gを添加し、10℃/hrで200℃まで昇温し、さらに8.3kPaにて15分間反応させて、樹脂A’を得た。
Figure 2010151996
得られた樹脂A’50g、ラジオライト(昭和化学(株)製)10g及びクロロホルム200gをボールミルにて5時間攪拌後、濾紙(No.2(70mm)型番アト゛ハ゛ンテック(株)製)上にラジオライト10gを敷き詰めた上に注ぎ、加圧ろ過を行った。加圧ろ過を行うと、下から順にラジオライト層、樹脂ラジオライト混合層、樹脂層が形成されるので、樹脂層についてサンプリングを行った。得られた樹脂層は9.5gであった。上記操作を繰り返し行い、必要樹脂量を確保して、結晶性ポリエステル(樹脂A)を得た。
Figure 2010151996
樹脂製造例2
表3に示す原料モノマー、2-エチルへキサン酸錫(II)(エステル化触媒)40g及びターシャリーブチルカテコール(重合禁止剤)5gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、140℃で4時間反応させた後、10℃/hrで160℃まで昇温し、同温度で2時間保持した後、さらに10℃/hrで200℃まで昇温した。その後、8.3kPaにて2時間反応させて、結晶性ポリエステル(樹脂B)を得た。
樹脂製造例3
表3に示す原料モノマー、2-エチルへキサン酸錫(II)(エステル化触媒)40g及びターシャリーブチルカテコール(重合禁止剤)5gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、140℃で4時間反応させた後、10℃/hrで160℃まで昇温し、同温度で2時間保持した後、さらに10℃/hrで200℃まで昇温した。その後、8.3kPaにて0.5時間反応させて、結晶性ポリエステル(樹脂C)を得た。
樹脂製造例4
表3に示す原料モノマー、2-エチルへキサン酸錫(II)(エステル化触媒)40g及びターシャリーブチルカテコール(重合禁止剤)5gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、140℃で4時間反応させた後、10℃/hrで160℃まで昇温し、同温度で2時間保持した後、さらに10℃/hrで180℃まで昇温し、結晶性ポリエステル(樹脂D)を得た。
Figure 2010151996
樹脂製造例5
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した2リットル容の四つ口フラスコに、キシレン1000g及び樹脂D 200gを入れ、120℃に昇温し、表4に示す量のラジカル重合開始剤(パーブチルO(日油(株)製):t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート)を30分かけて滴下した後、2時間の熟成を行った。熟成後、室温まで冷却し、沈殿として発生した樹脂を吸引ろ過して、結晶性ポリエステル(樹脂E〜I)を得た。
Figure 2010151996
樹脂製造例6
表5に示す原料モノマー、2-エチルへキサン酸錫(II)(エステル化触媒)40g及びターシャリーブチルカテコール(重合禁止剤)5gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、140℃で4時間反応させた後、10℃/hrで160℃まで昇温、160℃で2時間保持した。さらに、10℃/hrで200℃まで昇温した後、2kPaにて6時間反応させて、結晶性ポリエステル(樹脂J)を得た。
Figure 2010151996
樹脂製造例7
表6に示す原料モノマー、2-エチルへキサン酸錫(II)(エステル化触媒)40g及びターシャリーブチルカテコール(重合禁止剤)5gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、140℃で4時間反応させた後、10℃/hrで160℃まで昇温し、同温度で2時間保持した後、さらに10℃/hrで180℃まで昇温し、結晶性ポリエステル(樹脂K’、M’)を得た。
樹脂製造例8
表6に示す原料モノマー、2-エチルへキサン酸錫(II)(エステル化触媒)40g及びターシャリーブチルカテコール(重合禁止剤)5gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、140℃で4時間反応させた後、10℃/hrで160℃まで昇温し、同温度で2時間保持した後、さらに10℃/hrで200℃まで昇温し、8時間反応させ、結晶性ポリエステル(樹脂L’)を得た。
Figure 2010151996
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した2リットル容の四つ口フラスコに、キシレン1000g及び表7に示す樹脂 200gを入れ、120℃に昇温し、表7に示す量のラジカル重合開始剤(パーブチルO(日油(株)製):t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート)を30分かけて滴下した後、2時間の熟成を行った。熟成後、室温まで冷却し、沈殿として発生した樹脂を吸引ろ過して、結晶性ポリエステル(樹脂K〜M)を得た。
Figure 2010151996
樹脂製造例9
表8に示す無水トリメリット酸以外のポリエステルの原料モノマー及び2-エチルへキサン酸錫(II)(エステル化触媒)40gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、230℃にてテレフタル酸の粒が確認できなくなるまで反応を行った後、60トールにて1時間反応を行った。
その後、160℃に降温し、表8に示すビニル系樹脂の原料モノマー、両反応性モノマー及びジクミルパーオキサイド(重合開始剤)97gの混合物を、滴下ロートより1時間かけて、四つ口フラスコに滴下した。160℃に保持したまま1時間付加重合反応を熟成させた後、210℃に昇温し、60トールにて1時間、ビニル系樹脂の原料モノマーの除去を行った。
さらに無水トリメリット酸を添加し、所定の軟化点に達するまで反応を行って、非晶質複合樹脂(樹脂a)を得た。
Figure 2010151996
樹脂製造例10
表9に示す無水トリメリット酸以外の原料モノマー、2-エチルへキサン酸錫(II)(エステル化触媒)40g及びターシャリーブチルカテコール(重合禁止剤)4gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、210℃で8時間かけ反応させた後、8.3kPaにて1時間反応させた。さらに、210℃にて無水トリメリット酸を添加し、所望の軟化点に達するまで反応させて、非晶質ポリエステル(樹脂b)を得た。
Figure 2010151996
〔樹脂の結晶成長速度の測定〕
表10に示す樹脂を、ヘンシェルミキサーにてよく攪拌後、混練部分の全長1560mm、スクリュー径42mm、バレル内径43mmの同方向回転二軸押出機を用いて溶融混練した。ロールの回転速度は200r/min、ロール内の加熱温度は120℃であり、混合物の供給速度は10kg/時、平均滞留時間は約18秒であった。
得られた樹脂組成物について、レオメータを用いて結晶成長速度の測定を行った。
<式(A)で表される結晶成長速度GにおけるK及びG0の算出>
(a) 式(A):
Figure 2010151996
〔式中、Gは結晶成長速度(sec-1)、G0は結晶核数因子(sec-1)、Eは分子拡散の活性化エネルギー(J/mol)、Rは気体定数[8.31(J/mol・K)]、Thはトナーの加熱保持温度(K)、Tgは示差走査熱量測定におけるトナーのガラス転移点(K)、Kは核生成エネルギー(J/mol)、Tcは示差走査熱量測定におけるトナーの吸熱の最高ピーク温度(K)を示す〕
で表される結晶成長速度式を、加熱保持温度Thの関数とみなし、下記式(B)で表されるln式に変換する。
Figure 2010151996
(b) Eを含む項(セグメント拡散速度項)をAと置き、式(B)をさらに下記式(C)に変形する。
Figure 2010151996
(c) lnG−lnAをy軸、Tc/RTh(Tc−Th)をx軸とし、lnG−lnAをThの関数とみなし、各加熱保持時間Thと対応する結晶成長速度Gを代入する。そして、lnG−lnAの値(y軸)と横軸(x軸)において、傾きのR2(相関係数)が最も高くなるときのE値(分子拡散の活性化エネルギー(E)と定義する)をJournal of Applied Polymer Science, Vol.91, p.3595 (2004)、Macromolecules 2003, 36, p.6653に記載の方法に従って求める。
(d) 得られた直線関係の式において、傾きが核形成に必要な核生成エネルギー(K)、y切片が結晶核数因子(G0)の対数となり、K及びG0を算出することができる。
Figure 2010151996
なお、結晶成長速度(G)を大きくするためには、G0は大きく、EとKは小さい方が好ましい。
以上の結果より、結晶性ポリエステルとして、樹脂Bと樹脂Gとを用いることで結晶成長速度は速くなることが分かる。
実施例1〜22及び比較例1〜3
表12に示す結着樹脂を含む配合からなる原料を、ヘンシェルミキサーにて良く攪拌後、混練部分の全長1560mm、スクリュー径42mm、バレル内径43mmの同方向回転二軸押出機を用いて溶融混練した。ロールの回転速度は200r/min、ロール内の加熱温度は140℃であり、混合物の供給速度は10kg/hr、平均滞留時間は約18秒であった。得られた混練物を冷却し、約2mm径に砕いた。オーブン中で、60℃、相対湿度50%にて1時間加熱保持した後、室温まで冷却し、冷却ロールで圧延冷却し、ジェットミルで体積中位粒径(D50)5.5μmのトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100重量部に対し、外添剤「TS-530」(疎水性シリカ、キャボット社製)1.0重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで3600r/min、5分間混合することにより、トナーを得た。
なお、表12に示す配合A〜Cの詳細は以下の通り。
Figure 2010151996
試験例1〔低温定着性〕
複写機「AR−505」(シャープ社製)にトナーを実装し、未定着で画像出しを行った(印字面積:2cm×12cm、付着量:0.5mg/cm2)。前記複写機の定着機をオフラインで、90℃から240℃へ5℃ずつ順次定着温度を上昇させながら、300mm/secで用紙に定着させた。なお、定着紙には、「CopyBond SF-70NA」(シャープ社製、75g/m2)を使用した。
定着画像に「ユニセフセロハン」(三菱鉛筆社、幅:18mm、JISZ-1522)を貼り付け、30℃に設定した定着ロールに通過させた後、テープを剥がした。テープを貼る前と剥がした後の光学反射密度を反射濃度計「RD-915」(マクベス社製)を用いて測定し、両者の比率(剥離後/貼付前)が最初に90%を越える定着ロールの温度を最低定着温度とし、以下の評価基準に従って、低温定着性を評価した。結果を表12に示す。
〔評価基準〕
A:最低定着温度が120℃未満である。
B:最低定着温度が120℃以上、140℃未満である。
C:最低定着温度が140℃以上である。
試験例2〔加圧保存性〕
トナー10gを半径12mmの円筒型容器に入れ、上から100gの重りをのせ、50℃湿度60%の環境で24時間保持した。パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)に、上から順に、篩いA(目開き250μm)、篩いB(目開き150μm)、篩いC(目開き75μm)の3つの篩を重ね合わせて設置し、篩いA上にトナー10gを乗せて60秒間振動を与えた。篩いA上に残存したトナー質量WA(g)を、篩いB上に残存したトナー質量WB(g)を、篩いC上に残存したトナー質量WC(g)を、それぞれ測定し、下記式に従って算出される値(α)をもとに、以下の評価基準に従って、加圧保存性を評価した。
α=100−(WA+WB×0.6+WC×0.2)/10×100
から算出される値(α)から、以下の評価基準に従って流動性を評価した。
〔評価基準〕
A:αが90〜100
B:αが80以上、90未満
C:αが70以上、80未満
D:αが60以上、70未満
E:αが60未満
Figure 2010151996
以上の結果より、比較例1〜3と対比して、実施例1〜22では、低温定着性と加圧保存性のバランスが良好であることが分かる。
本発明の電子写真用トナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられる。

Claims (10)

160℃での貯蔵弾性率が120〜100000Paである結晶性ポリエステルAと160℃での貯蔵弾性率が0.01〜500Paである結晶性ポリエステルBとの少なくとも2種類の結晶性ポリエステルを混合してなるトナー用結晶性ポリエステル組成物であって、前記結晶性ポリエステルAの貯蔵弾性率が、前記結晶性ポリエステルBの貯蔵弾性率よりも大きく、結晶性ポリエステルAと結晶性ポリエステルBとの貯蔵弾性率の差が100Pa以上である、トナー用結晶性ポリエステル組成物。
結晶性ポリエステルAの160℃での貯蔵弾性率が、結晶性ポリエステルBの160℃での貯蔵弾性率の10〜100000倍である、請求項1記載の結晶性ポリエステル組成物。
結晶性ポリエステルAと結晶性ポリエステルBとの重量比(B/A)が、1≦(B/A)≦30である、請求項1又は2記載の結晶性ポリエステル組成物。
結晶性ポリエステルAのアルコール成分と結晶性ポリエステルBのアルコール成分とが、同一の脂肪族アルコール、及び/又は結晶性ポリエステルAのカルボン酸成分と結晶性ポリエステルBのカルボン酸成分とが、同一の脂肪族カルボン酸化合物を含有する、請求項1〜3いずれか記載の結晶性ポリエステル組成物。
結晶性ポリエステルAが、炭素数2〜8の不飽和脂肪族多価カルボン酸化合物とアルコール成分とを原料モノマーとして用いて得られるポリエステルが、ラジカル重合開始剤を用いて、不飽和脂肪族ジカルボン酸化合物により、架橋されてなる樹脂である、請求項1〜4いずれか記載の結晶性ポリエステル組成物。
請求項1〜5いずれか記載の結晶性ポリエステル組成物と非晶質ポリエステル系樹脂とを含有してなるトナー用結着樹脂。
160℃での貯蔵弾性率が120〜100000Paである結晶性ポリエステルAと160℃での貯蔵弾性率が0.01〜500Paである結晶性ポリエステルBの少なくとも2種類の結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステル系樹脂とを溶融混練する工程を含む、トナー用結着樹脂の製造方法であって、前記結晶性ポリエステルAの貯蔵弾性率が、前記結晶性ポリエステルBの貯蔵弾性率よりも大きく、結晶性ポリエステルAと結晶性ポリエステルBとの貯蔵弾性率の差が100Pa以上である、トナー用結着樹脂の製造方法。
溶融混練工程の後、得られた溶融混練物を冷却した後、加熱保持する工程を行う、請求項7記載の製造方法。
請求項7又は8記載の製造方法により得られる、トナー用結着樹脂。
請求項6又は9記載の結着樹脂を含有してなる電子写真用トナー。
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