JP5568874B2 - 静電荷像現像用キャリア、静電荷像現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤用カートリッジ、プロセスカートリッジおよび画像形成装置 - Google Patents

静電荷像現像用キャリア、静電荷像現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤用カートリッジ、プロセスカートリッジおよび画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、静電荷像現像用キャリア、静電荷像現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関するものである。
電子写真法など静電潜像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々の分野で利用されている。電子写真法においては、帯電、露光工程により感光体上に静電潜像を形成し、トナーを含む現像剤で静電潜像を現像し、転写、定着工程を経て可視化される。
ここで用いられる現像剤には、トナーとキャリアを含む二成分現像剤と、磁性トナーなどのようにトナー単独で用いられる一成分現像剤とがある。その中でも二成分現像剤は、キャリアが現像剤の攪拌・搬送・帯電などの機能を分担し、現像剤として機能分離されているため、制御性がよいなどの特徴があり、現在広く用いられている。特に、芯材とこの芯材を被覆する樹脂とを有するキャリア(樹脂被覆キャリア)を用いる現像剤は、帯電制御性が優れ、環境依存性の改善が比較的容易である。
樹脂被覆キャリアとしては、例えば、耐湿性に優れ、劣化しにくいことから、メタクリル酸シクロアルキルエステルの重合体や、該樹脂とスチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル等との共重合体で被覆されたキャリア(特許文献1参照)や、マトリックス樹脂中に樹脂粒子と、導電性の粉末とを分散含有せしめた樹脂を、芯材上に有するキャリア(特許文献2参照)、などが提案されている。
また、近年では、現像機での経時ストレスによるキャリア被覆層の磨耗に起因する色汚れを抑制するために、磁性粒子表面に特定の屈折率を有する導電性無機粒子を含有する被膜を設けたキャリア(特許文献3参照)や、疎水性白色導電材料の視感明度(L値)を規定するキャリア(特許文献4参照)などが提案されている。しかしながら、キャリア被覆層中における粒子の分散形態については検討がなされていない。
特に近年高画質要求に対応するために、サイアン、マゼンタ、イエロー、黒の4色だけでなく、淡色トナーを併用使用することでハイライト部の色再現を向上させたり、透明トナーを併用使用することで、印刷面内の光沢度のバラツキを抑制したりすることも提案されている。
さらに、高画質プリントを安定的に提供するために、現像によって消費されるトナーといっしょにキャリアを追加し、現像機内のキャリアを少しずつ入れ替えることにより帯電量の変化を抑制し画像濃度を安定化する現像装置(いわゆるトリクル現像装置)が提案されている(特許文献5参照)。
特開昭59−104664号公報 特開平9−269614号公報 特開2003−98761公報 特開2000−199984公報 特公平2−21591号公報
本発明は、キャリア摩耗に起因する色ムラ、光沢ムラの発生が抑制された、被覆樹脂層が剥離しにくく、長期にわたり安定的に画像形成を行いうる静電荷像現像用キャリア及びこれを用いた静電荷像現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することを課題とする。
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、
請求項1に係わる発明は、
芯材及び樹脂と金属酸化物粒子とを含有する被覆樹脂層を有し、該金属酸化物粒子が粒子表面を22質量%以上50質量%以下のシランカップリング剤から選ばれる疎水化処理剤で被覆した、平均一次粒子径が5nm以上50nm以下の疎水化処理金属酸化物粒子である静電荷像現像用キャリアである。
請求項2に係わる発明は、
前記シランカップリング剤が、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、及び特殊シリル化剤からなる群より選択されるシランカップリング剤である請求項1に記載の静電荷像現像用キャリアである。
請求項3に係わる発明は、
前記疎水化処理金属酸化物粒子の前記キャリア中における含有量が、0.2質量%以上1.5質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用キャリアである。
請求項4に係わる発明は、
前記疎水化処理金属酸化物粒子が、シランカップリング剤により、酸化チタン粒子、メタチタン酸粒子、酸化アルミニウム、酸化ケイ素から選択される1種以上である金属酸化物粒子を処理した粒子である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用キャリアである。
請求項に係わる発明は、
トナーと、キャリアとを少なくとも含み、
前記キャリアが、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の静電荷像現像用キャリアである静電荷像現像用現像剤である。
請求項に係わる発明は、
現像剤を収容するための現像剤収容容器と、静電荷像現像用現像剤を現像剤収容容器に供給するための現像剤供給手段と、現像剤収容容器内に収容されている現像剤の少なくとも一部を、排出するための現像剤排出手段とを備えるトナー現像手段に適用する請求項記載の静電荷像現像用現像剤である。
請求項に係わる発明は、
現像剤保持体を少なくとも備え、請求項に記載の静電荷像現像剤を収容することを特徴とするプロセスカートリッジである。
請求項に係わる発明は、
像保持体と、
該像保持体上に形成された静電荷像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、
像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、
被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、
を有し、
前記現像剤が請求項に記載の静電荷像現像剤であることを特徴とする画像形成装置である。
請求項に係わる発明は、
トナー像形成手段を少なくとも備えた画像形成装置に対して脱着可能であり、前記トナー像形成手段に供給するための現像剤を収納し、
前記現像剤が請求項に記載の静電荷像現像用現像剤である静電荷像現像用現像剤カートリッジである。
請求項10に係わる発明は、
前記現像手段が、現像剤を収容するための現像剤収容容器と、静電荷像現像用現像剤を現像剤収容容器に供給するための現像剤供給手段と、現像剤収容容器内に収容されている現像剤の少なくとも一部を、排出するための現像剤排出手段とを備える請求項記載の画像形成装置である。
請求項11に係わる発明は、
前記現像手段が、静電潜像保持体表面に現像剤を供給する現像剤保持体を少なくとも有し、
前記現像剤保持体は、回転しながら前記静電潜像保持体表面に前記現像剤を供給する筒状部材である請求項に記載の画像形成装置である。
以上に説明したように請求項1に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比べて、被覆樹脂層が剥離しにくく、キャリア摩耗に起因する色ムラ、光沢ムラの発生が抑制され、長期にわたり安定的に画像形成を行いうる静電荷像現像用キャリアを提供される。
請求項2に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比べて、被覆樹脂層が剥離しにくく、キャリア摩耗に起因する色ムラ、光沢ムラの発生が抑制され、長期にわたり安定的に画像形成を行いうる静電荷像現像用キャリアを提供される。
請求項3に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比べて、被覆樹脂層が剥離しにくく、キャリア摩耗に起因する色ムラ、光沢ムラの発生が抑制され、長期にわたり安定的に画像形成を行いうる静電荷像現像用キャリアを提供される。
請求項4に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比べて、被覆樹脂層が剥離しにくく、キャリア摩耗に起因する色ムラ、光沢ムラの発生が抑制され、長期にわたり安定的に画像形成を行いうる静電荷像現像用キャリアを提供される。
請求項5に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比べて、キャリア摩耗に起因する色ムラ、光沢ムラの発生が抑制され、長期にわたり安定的に画像形成を行いうる静電荷像現像用現像剤を提供される。
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の静電荷像現像用現像剤を用いることで、トリクル現像方式に適用した場合でも、本構成を有していない場合に比べて、キャリア摩耗に起因する色ムラ、光沢ムラの発生が抑制され、長期にわたり安定的に画像形成を行いうる静電荷像現像用現像剤を提供される。
請求項7に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比べて、キャリア摩耗に起因する色ムラ、光沢ムラの発生が抑制され、長期にわたり安定的に画像形成を行いうる静電荷像現像用現像剤カートリッジを提供される。
請求項8に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比べて、キャリア摩耗に起因する色ムラ、光沢ムラの発生が抑制され、長期にわたり安定的に画像形成を行いうる画像形成装置を提供される。
請求項9に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比べて、キャリア摩耗に起因する色ムラ、光沢ムラの発生が抑制され、長期にわたり安定的に画像形成を行いうるプロセスカートリッジを提供される。
請求項10に記載の発明によれば、請求項8に記載の発明に対し、トリクル現像方式を使用した場合においても、キャリア摩耗に起因する色ムラ、光沢ムラの発生が抑制され、長期にわたり安定的に画像形成を行いうる画像形成装置を提供される。
請求項11に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比べて、キャリア摩耗に起因する色ムラ、光沢ムラの発生が抑制され、長期にわたり安定的に画像形成を行いうる画像形成装置を提供される。
(静電荷像現像用キャリア)
本実施形態の静電荷像現像用キャリア(以下、「キャリア」と略称する場合がある)は、芯材及び樹脂と金属酸化物粒子とを含有する被覆樹脂層を有し、該金属酸化物粒子が粒子表面を22質量%以上50質量%以下のシランカップリング剤から選ばれる疎水化処理剤で被覆した、平均一次粒子径が5nm以上50nm以下の疎水化処理金属酸化物粒子であることを特徴とする。
この構成により、本実施形態の静電荷像現像用キャリアでは、抵抗制御に十分な量の金属酸化物粒子を含有しても被覆樹脂層が剥離しにくく、且つ、キャリア摩耗に起因する色ムラ、光沢ムラの発生が抑制され、長期にわたり安定的な画像が形成される。即ち、本実施形態のキャリアを用いれば、ベタ画像を定着する場合においても、光沢ムラ、内面ムラのない高画質の画像が形成される。この理由は、以下のように推測される。
フルカラー画像などの高画質画像を得るためには、絶縁性でも導電性でもない中間的な抵抗を呈するキャリアを用いることが好ましい。該キャリアを用いることにより、ベタ画像及び細線などの小面積画像のいずれにおいても良好な現像性が得られ、文字と写真などが混在した画像についても高画質が達成される。キャリアの抵抗制御のために被覆層中に導電粉を含有させるが、カーボンブラックなどの有色導電粉を用いると、近年の淡色トナーや透明トナーを用いる画像形成方法では磨耗により脱落した被覆層による色汚れの懸念がある。色汚れ抑制を目的として酸化チタンやメタチタン酸などの白色粒子を用いるが、粒子径が100nm以下の粒子を用いると、凝集性が強く被覆層中で微細な分散構造を得難い。本実施形態のキャリアに用いる金属酸化物粒子は、表面疎水化処理され、金属酸化物粒子表面に疎水化処理金属酸化物粒子の全質量に対して22質量%以上50質量%以下のシランカップリング剤から選ばれる疎水化処理剤を含むことから、被覆樹脂との相溶性が非常に高く、樹脂中で微細な分散構造をとりやすい。従って、磨耗して被覆樹脂層が脱落しても、脱落物の光透過度が高くなり、仮にプリント画像中に混入しても色汚れや色ムラ、光沢ムラの発生は抑制される。
さらに、本実施形態の疎水化処理金属酸化物粒子はシランカップリング剤から選ばれる疎水化処理剤を前記範囲で含むために、被覆樹脂との親和性も非常に高くなることで、樹脂被覆層中に安定に保持され、樹脂被覆層からの脱落が抑制されるために樹脂被覆層の剥離自体も抑制され、さらに色汚れや色ムラ、光沢ムラが改善されるものと考えられる。
長期に亘って画像を形成した場合、現像剤は現像機内で攪拌され続けるために、樹脂と芯材との密着性が大きくない場合には、キャリア表面からの被覆樹脂層の剥がれが生じやすくなり、キャリア剥離に起因する色ムラ、光沢ムラの発生が懸念されるが、本実施形態のキャリアでは、芯材粒子との被覆樹脂との密着性が良好であり、被覆樹脂層からの金属酸化物粒子の脱落も抑制されるために、現像機内での長期間の攪拌によっても、効果が維持される。
このため、本実施形態のキャリアを用いた現像剤では、トナーとキャリアとの含有比率の自由度が向上する。また、上記効果は、長期間維持されるため、トナーと共に新しいキャリアを経時的に添加するトリクル現像方式に用いることで、その効果が著しいといえる。
−芯材−
次に、本実施形態のキャリアを構成する構成材料について以下に説明する。
本実施形態のキャリアに用いられる芯材としては特に限定されるものではなく、公知のキャリア用の芯材が利用される。例えば、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、これらとマンガン、クロム、希土類等との合金、及びフェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等があげられるが、磁気ブラシ法を用いる観点からは磁性キャリアであることが望ましい。本実施形態に好適に用いられる芯材としては、表面均一化が容易で帯電性が安定するため、フェライト粒子が好ましい。
芯材は、造粒、焼結により形成されるが、前処理として、微細に粉砕することが好ましい。粉砕方法は特に問わず、公知の粉砕方法に従って粉砕等することができ、具体的には例えば、乳鉢、ボールミル、ジェットミル等が挙げられる。前処理での最終的な粉砕状態は、材質等によって異なるが、体積平均粒径が2μm以上10μm以下であることが好ましい。2μm未満では、所望の粒径を得ることができない場合があり、10μmを超えると、粒径が大きくなり過ぎるか、あるいは円形度が小さくなってしまう場合がある。
また、焼結温度は従来の場合よりも低く抑えることが好ましく、具体的には、用いる材質によって異なるが、500℃以上1200℃以下が好適であり、600℃以上1000℃以下がより好適である。焼結温度が500℃未満であると、キャリアとして必要な磁力が得られない場合があり、1200℃を超えると、結晶成長が速く、内部構造のばらつきが生じやすくなり、クラック、ひびが入りやすくなる。
焼結温度を低く抑えるために、焼結工程では、仮焼結を段階的に行うことが好ましい。そのため、全体の焼結にかける時間は長くすることが好ましい。
芯材の体積平均粒子径は、10μm以上500μm以下が好ましく、30μm以上150μm以下がより好ましく、30μm以上100μm以下が更に好ましい。芯材の体積平均粒径が10μm未満であると、静電荷像現像用現像剤に用いた場合にトナー・キャリア間の付着力が高くなり、トナーの現像量が減少する場合がある。一方、500μmを超えると、磁気ブラシが荒くなり、きめ細かい画像が形成され難くなる場合がある。
芯材の磁力は、1000エルステッドにおける飽和磁化が40emu/g以上であることが好ましく、50emu/g以上がより好ましい。飽和磁化が40emu/gより弱いとキャリアがトナーと共に、感光体上に現像されてしまう場合がある。
磁気特性の測定としての装置は振動試料型磁気測定装置VSMP10−15(東英工業社製)を用いる。測定試料は内径7mm、高さ5mmのセルに詰めて前記装置にセットする。測定は印加磁場を加え、最大1000エルステッドまで掃引する。ついで、印加磁場を減少させ、記録紙上にヒステリシスカーブを作製する。カーブのデータより、飽和磁化、残留磁化、保持力を求める。本実施形態においては、飽和磁化は1000エルステッドの磁場において測定された磁化を示す。
芯材の体積電気抵抗(体積抵抗率)は、10Ω・cm以上1012Ω・cm以下の範囲であることが好ましく、10Ω・cm以上1011Ω・cm以下の範囲であることがより好ましい。体積電気抵抗が10Ω・cmより小さいと、繰り返し複写によって、現像剤中のトナー濃度が減少した際に、キャリアへ電荷が注入され、キャリア自体が現像されてしまう可能性がある。一方、体積電気抵抗が1012Ω・cmより大きくなると、際立ったエッジ効果や擬似輪郭等、画質に悪影響を及ぼす場合がある。
上記芯材の体積電気抵抗(Ω・cm)は以下のように測定する。なお、測定環境は、温度20℃、湿度50%RHとする。
20cm2の電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象物を1mmから3mm程度の厚さになるように平坦に載せ、層を形成する。この上に前記とおなじ20cm2の電極板を載せ、層を挟み込む。測定対象物間の空隙をなくすため、層上に配置した電極板の上に4kgの荷重をかけてから層の厚み(cm)を測定する。層の上下の両電極には、エレクトロメーターおよび高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が103.8V/cmとなるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)を計算する。測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)の計算式は、下記式(1)に示す通りである。
・式(1) R=E×20/(I−I0)/L
上記式中、Rは測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)、Eは印加電圧(V)、Iは電流値(A)、I0は印加電圧0Vにおける電流値(A)、Lは層の厚み(cm)をそれぞれ表す。また、20の係数は、電極板の面積(cm2)を表す。
−被覆樹脂層−
本実施形態のキャリアを構成する被覆樹脂層は、上記の通り、特定の疎水化処理金属酸化物粒子を被覆樹脂層中に含む。
(樹脂)
本実施形態において被覆樹脂層を構成する樹脂には特に制限は無く、目的に応じて選択される。用いうる樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、スチレンーアクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合を有するストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、フェノール樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
さらに、特開2008−64782公報に記載の、シクロヘキシルメタクリレートと窒素含有アクリル系モノマーとの共重合体に代表される、脂環基を有する熱可塑性樹脂も好ましく用いられる。
なかでも、透明性及び導電性粒子の分散の観点から、シクロヘキシルメタクリレート樹脂などが好ましい。
(疎水化処理金属酸化物粒子)
被覆樹脂層には、抵抗を制御するためなどの目的で、金属酸化物粒子を含む。
金属酸化物粒子としては、酸化チタンや、酸化亜鉛等半導電性酸化物粒子、具体的には、例えば、酸化チタン、メタチタン酸、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム粉末及びこれらの表面を酸化スズで覆った粒子、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
金属酸化物粒子としては、疎水化処理適性、導電性等が良好である点で、酸化チタン、なかでも、メタチタン酸が好ましい。なお、導電性とは体積電気抵抗1013Ω・cm未満であることを指す。
金属酸化物粒子の体積平均粒子径は、5nm以上50nm以下の範囲内であるが、10nm以上50nm以下の範囲内がより好ましく、15nm以上50nm以下の範囲内が更に好ましい。体積平均粒子径が50nmより大きいものは被覆層の厚みに対し金属酸化物粒子が大きすぎるため被覆層の磨耗が多くなってしまう。逆に5nmより小さい場合、金属酸化物粒子の大きさに対する粒子それぞれの距離が大きくなってしまうために充分にキャリア抵抗を制御亜することが困難となる。
金属酸化物粒子の体積平均粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)を用いて測定する。
測定法としては、界面活性剤、好適にはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液50ml中に測定試料を2g加え、超音波分散機(1,000Hz)にて2分間分散して、試料を作製し、測定する。
得られたチャンネルごとの体積平均粒子径を、体積平均粒子径の小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均粒子径とする。
金属酸化物粒子の体積電気抵抗は、10Ω・cm以上1011Ω・cm以下であることが好ましく、10Ω・cm以上10Ω・cm以下がより好ましい。
ここで金属酸化物粒子の体積電気抵抗は、芯材の体積電気抵抗と同様にして測定する。
これらの金属酸化物粒子は、表面をシランカップリング剤で疎水化処理され、本実施形態に係る疎水化処理金属酸化物粒子となる。
疎水化処理方法としては特に限定はなく、公知のシランカップリング剤から選ばれる疎水化処理剤を用いて処理される。疎水化処理は、疎水化処理剤に無機酸化物を浸漬等することにより行なわれる。疎水化処理剤としては、シランカップリング剤が用いられ、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等を併用してもよい疎水化処理剤は、一種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、処理量の制御容易性が良好な点で、シラン化合物であるシランカップリング剤を用いて疎水化処理する、水溶性のシランカップリング剤がより好ましい。
該シランカップリング剤としては、化学構造式Ra SiX4-a (式中、aは0以上3以下の整数であり、Rは水素原子、アルキル基及びアルケニル基等の有機基を表し、Xは塩素原子、メトキシ基及びエトキシ基等の加水分解性基を表す。)で表される化合物を使用することができ、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれのタイプを使用してもよいが、なかでもシランカップリング剤として知られるものが選択される
シランカップリング剤としては、例えばクロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれかのタイプが使用される。具体的にはメチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、ばらつきのない疎水化処理をし得ることおよび帯電制御性が良好な点で、イソブチルトリエトキシシランが好ましい。(
前記カップリング剤を用いて疎水化処理をするには、メタチタン酸等の金属酸化物粒子のスラリーにカップリング剤を添加すればよい。
カップリング剤の処理量としては、金属酸化物粒子100質量部に対して5質量部以上80質量部以下が好ましく、より好ましくは10質量部以上50質量部以下である。処理量が5質量部以上とすることで金属酸化物粒子に十分な撥水性が付与される。また、80質量部以下とすることで処理剤自体の凝集が抑制され、ばらつきなく表面処理される。
なお、金属酸化物粒子として酸化ケイ素を用いる場合には、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)により疎水化処理することが好ましい。
実施形態においては、シランカップリング剤であるアルコキシシランにより疎水化処理されたメタチタン酸が処理にばらつきがなく且つ疎水化度が高いことから好ましい。前記疎水化処理剤としてのシランカップリング剤を以下、「シラン化合物」と称することがある。
以下、本実施形態の最適な例として、金属酸化物粒子としてメタチタン酸を、シラン化合物により疎水化処理する態様を例に挙げて説明する。
疎水化処理金属酸化物粒子はTiO(OH)2 とシラン化合物との反応で得られるチタン化合物(酸化チタンが主体となっている化合物であり、以下、特定酸化チタンと称する)を含有することが好ましい。
TiO(OH)2 は、一般的には、以下に示すイルメナイト鉱石を用いた硫酸法(湿式)により製造される。
FeTiO2 +2H2 SO4 →FeSO4 +TiOSO4 +2H2
TiOSO4 +2H2 O →TiO(OH)2 +H2 SO4
本実施形態では、TiO(OH)2 状態、好ましくはTiO(OH)2 の水分散状態中でシラン化合物を加え、OH基の一部、若しくは全部を処理し、これをろ過、洗浄、乾燥、粉砕することにより、上記方法により得られたTiO(OH)2 を焼成することにより得られる従来の結晶性酸化チタンに比べ、比重の小さい酸化チタンを得る。
即ち、本実施形態において上記のように溶液中で反応を行うと、TiO(OH)2 がその加水分解時にシラン化合物で処理される。その結果、TiO(OH)2 から生じる酸化チタンが一次粒子の状態で、シラン化合物により表面処理されることとなる。これにより凝集のない一次粒子状態の特定酸化チタンを得る。
上記反応において、疎水化処理金属酸化物粒子における疎水化処理剤の被覆量は、疎水化処理に用いられるシラン化合物の種類と処理量で制御される。即ち、シラン化合物の処理量を多くすると被覆量(表面処理量)が大きくなり、帯電付与能力のより高い疎水化処理金属酸化物粒子が得られ、一方、シラン化合物の処理量を少なくすると疎水化処理量が小さくなり帯電付与能力のより低い疎水化処理金属酸化物粒子が得られる。
本実施形態では、疎水化処理金属酸化物粒子は、金属酸化物粒子が粒子表面を22質量%以上50質量%以下の疎水化処理剤で被覆した、平均一次粒子径が5nm以上50nm以下のものであることを要する。即ち、疎水化処理金属酸化物粒子中の疎水化処理剤の含有量(被覆量)は、22質量%以上50質量%以下であり、好ましくは、25質量%以上40質量%以下であり、より好ましくは、25質量%以上35質量%以下である。
ここで、疎水化処理金属酸化物粒子における粒子表面の被覆疎水化処理剤の量は、以下の方法で測定され、本明細書ではこの値を採用している。
疎水化処理金属酸化物粒子を蛍光X線測定装置により元素分析を行い各元素の重量%を算出する。その後疎水化処理金属酸化物粒子を窒素環境下など酸化や還元しない環境下で、疎水化処理剤が分解される温度条件で加熱処理し、疎水化処理剤を分解除去する。その疎水化処理剤が除去された金属酸化物粒子を再び蛍光X線測定装置により元素分析を行い各元素の重量%を算出し、処理剤除去前後の組成比の違いから疎水化処理剤量を算出する。
なお、他の測定方法として、疎水化処理量を変えて作製した疎水化処理金属酸化物粒子を検量線としてFT−IRなどで疎水化処理剤の官能基を基準に処理剤量を算出する方法が挙げられ、この方法によって測定してもよい。
疎水化処理金属酸化物粒子の含有量は、前記キャリアに対し、0.2質量%以上1.5質量%以下が好ましく、0.24質量%以上1.14質量%以下がより好ましく、さらに好ましくは0.24質量%以上0.92質量%以下である。含有量を上記範囲とすることで、該粒子の樹脂被覆層からの脱落が抑制され、金属酸化物粒子による抵抗制御効果が十分に得られ、帯電制御性に優れ、さらに被覆樹脂のフィラー剤として膜の強度を上げるという利点を有する。
また被覆樹脂層は、前記疎水化処理金属酸化物粒子に加え、本実施形態における効果を損なわない限りにおいて、さらに、樹脂粒子などの他の添加剤を有していてもよい。
他に樹脂粒子を含有しても良い。樹脂粒子としては、例えば、熱可塑性樹脂粒子、熱硬化性樹脂粒子等があげられる。これらの中でも、比較的硬度を上げることが容易な観点から熱硬化性樹脂が好ましく、トナーに負帯電性を付与する観点からは、N原子を含有する含窒素樹脂による樹脂粒子が好ましい。なお、これらの樹脂粒子は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂粒子の体積平均粒子径としては、例えば、0.1μm以上2.0μm以下が好ましく、0.2μm以上1.0μm以下がより好ましい。樹脂粒子の平均粒径を0.1μm以上とすることで、被覆樹脂層における樹脂粒子の分散性が良好となり、一方、2.0μm以下とすることで、被覆樹脂層から樹脂粒子の脱落が抑制され、本来の効果を発揮する。
樹脂粒子の体積平均粒子径は、前記芯材の体積平均粒子径と同様な測定を行うことによって求める。
樹脂粒子の含有量は、被覆樹脂層全体に対し、1容量%以上30容量%以下であることが好ましく、5容量%以上30容量%以下がより好ましく、5容量%以上20容量%以下が更に好ましい。樹脂粒子の含有率を1容量%以上とすることで、樹脂粒子の効果が十分に発現され、30容量%以下とすることで、被覆樹脂層からの脱落が生じ難く、安定した帯電性が得られる。
被覆樹脂層を芯材表面に形成する方法としては、特に制限はないが、例えば、疎水化処理金属酸化物粒子と、樹脂層を形成する樹脂と、を溶剤中に含む被膜層形成用組成物を用いる方法などが挙げられる。
例えば、芯材を被膜層形成用組成物に浸漬する浸漬法、被膜層形成用組成物を芯材の表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被膜層形成用組成物と混合し溶剤を除去するニーダーコーター法、等が挙げられる。これらの中でも、ニーダーコーター法が好ましい。
被膜層形成用組成物に用いる溶剤としては、樹脂のみを溶解することが可能なものであれば、特に制限はなく、それ自体公知の溶剤の中から選択される。
具体的には例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;などが挙げられ、被覆層を構成する樹脂に応じて選択される。
被覆樹脂層中に疎水化処理金属酸化物粒子が分散されて含有されるが、被覆樹脂層の厚み方向及びキャリア表面の接線方向に、疎水化処理金属酸化物粒子がばらつきなく分散しているため、キャリアの特性が安定する。さらに、金属酸化物粒子自体は、被覆樹脂層との親和性に劣るが、粒子表面が20質量%以上50質量%以下という多量の疎水化処理剤で被覆されているために、該粒子が被覆樹脂層により安定的に固定化され、キャリア劣化が長期間防止されるとともに、長期間使用して被膜樹脂層表面がわずかに摩耗したとしても、金属酸化物粒子の脱落が防止され、且つ、僅かに脱落したとしても、トナーの色相に影響を与えない白色或いは無色粒子であるために、無色トナー、淡色トナーに適用した場合でも、形成される画像の色ムラや光沢ムラの発生が抑制される。
また、被覆樹脂層は、単層に限られず、2層以上の構成であってもよい。
本実施形態のキャリア中における被覆樹脂層の全含有量は、芯材100重量部に対し、0.5重量部以上10重量部以下の範囲が好ましく、1重量部以上5重量部以下がより好ましく、1重量部以上3重量部以下が更に好ましい。被覆樹脂層の含有量が0.5重量部以上となることで、芯材粒子の表面露出が適切に維持され、現像電界が注入し難く好ましい。また被覆樹脂層の含有量を10重量部以下とすることで、被覆樹脂層からの疎水化処理金属酸化物粒子の脱落が抑制され、初期から現像剤中に生じる剥離したキャリア材料に起因する色ムラ、光沢ムラの発生が抑制される。
被覆樹脂層による芯材表面の被覆率は80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、100%に近ければ近いほど好ましい。被覆率が95%未満の場合には、長期に渡って使用した場合にキャリアへの電荷注入が発生し、電荷注入が起こったキャリアが感光体上へ移行し、画像上に白抜けが発生してしまう場合がある。
なお、被覆樹脂層の被覆率は、XPS測定(X線光電子分光測定)により求められる。XPS測定装置としては、日本電子製、JPS80を使用し、測定は、X線源としてMgKα線を用い、加速電圧を10kV、エミッション電流を20mVに設定して実施し、被覆樹脂層を構成する主たる元素(通常は炭素)と、芯材を構成する主たる元素(例えば芯材がマグネタイトなどの酸化鉄系材料の場合は鉄および酸素)とについて測定する(以下、芯材が、酸化鉄系である場合を前提に説明する)。ここで、炭素についてはC1sスペクトルを、鉄についてはFe2p3/2スペクトルを、酸素についてはO1sスペクトルを測定する。
これらの各々の元素のスペクトルに基づいて、炭素、酸素、鉄の元素個数(A+A+AFe)を求めて、得られた炭素、酸素、鉄の元素個数比率より下記式(2)に基づいて、芯材単体、および、芯材を被覆樹脂層で被覆した後(キャリア)の鉄量率を求め、続いて、下記式(3)により被覆率を求めた。
・式(2)
鉄量率(atomic%)=AFe/(A+A+AFe)×100
・式(3)
被覆率(%)={1−(キャリアの鉄量率)/(芯材単体の鉄量率)}×100
なお、芯材として、酸化鉄系以外の材料を用いる場合には、酸素の他に芯材を構成する金属元素のスペクトルを測定し、上述の式(2)や式(3)に準じて同様の計算を行えば被覆率が求められる。
各被覆樹脂層の平均膜厚は、0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、0.1μm以上3.0μm以下がより好ましく、0.1μm以上1.0μm以下が更に好ましい。被覆樹脂層の平均膜厚が0.1μmよりも薄いと、長時間使用時に被覆樹脂層剥離による抵抗低下が発生したり、キャリアの粉砕を充分に制御し難くなる場合がある。一方、被覆樹脂層の平均膜厚が10μmを超えると、飽和帯電量に達するまでの時間がかかる場合がある。
被覆樹脂層の平均膜厚(μm)は、芯材の真比重をρ(無次元)、芯材の体積平均粒子径をd(μm)、被覆樹脂層の平均比重をρ、芯材100重量部に対する被覆樹脂層の全含有量をW(重量部)とすると、下記式(4)以下のようにして求められる。
・式(4)
平均膜厚(μm)=[キャリア1個当たりの被覆樹脂量(導電粉等の添加物もすべて含む)/キャリア1個当たりの表面積]÷被覆樹脂層の平均比重
=[4/3π・(d/2)・ρ・W]/[4π・(d/2)]÷ρ
=(1/6)・(d・ρ・W/ρ
<キャリアの特性>
キャリアの重量平均粒子径は、15μm以上50μm以下が好ましく、20μm以上40μm以下がより好ましい。キャリアの重量平均粒子径が15μmより小さいと、キャリア汚染が悪化する懸念がある。またキャリアの重量平均粒子径が50μmより大きいと、攪拌によるトナー劣化が顕著となる懸念がある。
キャリアの重量平均粒子径は、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用いて測定する。電解液としては、ISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用する。
具体的な測定法としては、分散剤として界面活性剤、好適にはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に、測定試料を0.5mgから50mgの範囲で加え、これを前記電解液100mlから150ml中に添加する。この測定試料を懸濁させた電解液を超音波分散器で1分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザーII型により、アパーチャー径が100μmのアパーチャーを用いて、粒径が2.0μm以上60μm以下の範囲の粒子の粒度分布を測定する。測定する粒子数は50,000である。
測定された粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、重量について小径側から累積分布を描き、累積50%となる粒径を重量平均粒子径と定義する。
また、キャリアの形状係数SF1は、120以上145以下であることが好ましい。高画質とクリーニング性を両立するためである。
なお、キャリアの形状係数SF1は、下記式(5)により求められる値を意味する。
・式(5) SF1=100π×(ML)/(4×A)
ここで、MLはキャリア粒子の最大長、Aはキャリア粒子の投影面積である。なお、キャリア粒子の最大長と投影面積は、スライドガラス上にサンプリングしたキャリア粒子を光学顕微鏡により観察し、ビデオカメラを通じて画像解析装置(LUZEX III、NIRECO社製)に取り込んで、画像解析を行うことにより求めたものである。この際のサンプリング数は100個以上で、その平均値を用いて、式(5)に示す形状係数を求める。
キャリアの飽和磁化は、40emu/g以上であることが好ましく、50emu/g以上であることがより好ましい。
磁気特性の測定としての装置は振動試料型磁気測定装置VSMP10−15(東英工業社製)を用いる。測定試料は内径7mm、高さ5mmのセルに詰めて前記装置にセットする。測定は印加磁場を加え、最大1000エルステッドまで掃引する。ついで、印加磁場を減少させ、記録紙上にヒステリシスカーブを作製する。カーブのデータより、飽和磁化、残留磁化、保持力を求める。本実施形態においては、飽和磁化は1000エルステッドの磁場において測定された磁化を示す。
キャリアの体積電気抵抗は、1×10Ω・cm以上1×1015Ω・cm以下の範囲に制御されることが好ましく、1×10Ω・cm以上1×1014Ω・cm以下の範囲であることがより好ましく、1×10Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下の範囲であることがさらに好ましい。
キャリアの体積電気抵抗が1×1015Ω・cmを超える場合、高抵抗になり、現像時に現像電極として働きにくくなるため、特にベタ画像部でエッジ効果が出るなど、ソリッド再現性が低下する場合がある。一方、1×10Ω・cm未満の場合、低抵抗になるため、現像剤中のトナー濃度が低下した時に現像ロールからキャリアへ電荷が注入し、キャリア自体が現像されてしまう不具合が発生しやすくなる場合がある。
またキャリアの体積電気抵抗は、芯材の体積電気抵抗と同様にして測定を行う。
(静電荷像現像用現像剤)
本実施形態の静電荷像現像用現像剤(以下、「現像剤」と略す場合がある)は、トナーと、キャリアとを少なくとも含み、キャリアとして前記本実施形態のキャリアが用いられるものである。
トナーとしては、特に制限はなく、公知のトナーが用いられる。トナーとしては、代表的には、結着樹脂と着色剤とを含む着色トナーが挙げられるが、着色剤の代わりに赤外線吸収剤を用いた赤外線吸収トナーなども用いられる。また、これらの成分に加えて、必要に応じて離型剤や各種の内添剤、外添剤等のその他の成分を更に添加してもよい。
また、本実施形態の現像剤は、粒子状の添加剤を含んでいてもよい。この添加剤の体積平均粒径が200nm以上7μm以下の範囲内であることが好ましく、300nm以上2μm以下の範囲内であることがより好ましい。この粒子状の添加剤の存在は、本来であればキャリアの被覆樹脂層を剥がれやすくしてしまうが、本実施形態の現像剤では、本実施形態のキャリアを用いているためキャリアの被覆樹脂層の剥離を抑制して、長期に渡り高画質の画像を安定的に形成される。
ここで、粒子状の添加剤とは、キャリアおよびトナー(トナー粒子本体)以外の成分を意味し、好適には、後述するトナー粒子表面に外添処理される無機酸化物粒子が挙げられ、特に、体積平均粒径が200nm以上7μm以下のいわゆる研磨剤として利用されるシリカ、酸化セリウム等の無機酸化物粒子が好適である。
なお、粒子状の添加剤の体積平均粒径の測定は、導電粉の体積平均粒径の測定と同様にして行われる。
次に、本実施形態の現像剤に用いられるトナーについてより詳細に説明する。
トナーの結着樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα-メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体又は共重合体等が挙げられる。これらの中でも特に代表的な結着樹脂としては、例えばポリスチレン、スチレン-アクリル酸アルキル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体、ポリスチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン等が挙げられる。
また結晶性の結着樹脂としては、例えば、メチレン基を6以上直鎖状につなげたアルキル基を主鎖に持つ、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール等のジアルコールとデカンニ酸、ドデカンニ酸等のジカルボン酸との縮合により形成されるポリエステル樹脂や、前記メチレン基を6以上直鎖状につなげたアルキル基を側鎖に持つアクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリルを重合単位として有する樹脂などが挙げられる。
なお、本実施形態のキャリアと組み合わせて用いられるトナーとしては、結晶性樹脂を5重量%以上含むトナーが好適である。このトナーは、高温高湿環境下において帯電量が低くなる傾向にあるが、本実施形態のキャリアと組み合わせて用いることにより帯電量の環境依存性を小さくなる。
着色剤としては、特に制限はないが例えば、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デユポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・ブルー15:1、ピグメント・ブルー15:3等が挙げられる。
またトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含んでもよい。その際、特にカラートナー等に用いる場合には、色調に影響を与えない無色又は淡色の帯電制御剤が好ましい。その帯電制御剤としては、公知のものを使用してもよいが、アゾ系金属錯体;サルチル酸もしくはアルキルサルチル酸の金属錯体もしくは金属塩;等を用いることが好ましい。またトナーは、低分子量プロピレン、低分子量ポリエチレン、離型剤等のオフセット防止剤等、その他の公知の成分を含んでもよい。
離型剤は例えば、次のものが挙げられる。パラフィンワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体等である。誘導体とは酸化物、ビニルモノマーとの重合体、グラフト変性物を含む。この他に、アルコール、脂肪酸、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、エステルワックス、酸アミド等も利用される。
またトナーは、内部に無機酸化物粒子を添加しても良い。無機酸化物粒子としては例えば、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO2、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等が例示される。これらのうち、特にシリカ粒子、チタニア粒子が好ましい。酸化物粒子の表面は、必ずしも予め疎水化処理されている必要はないが、疎水化処理されていてもよい。疎水化処理されていると、内部の無機粒子の一部がトナー表面に露出した場合においても、帯電の環境依存性およびキャリア汚染性を、効果的に少なく抑えられ。
疎水化処理は、疎水化処理剤に無機酸化物を浸漬等することにより行ってもよい。疎水化処理剤としては特に制限はないが、例えば、シランカップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。これらの中でもシランカップリング剤が好適に挙げられる。
トナーの粒度分布については、4μm以下の粒径のトナー粒子が、全トナー粒子数の6個数%から25個数%であることが好ましく、6個数%から16個数%がより好ましい。4μm以下の粒径のトナー粒子を6個数%以上とすることで、微小なドット再現性や粒状性に寄与する粒子が十分に存在し、有効な粒子径であるがゆえに選択的にこの粒子径のトナー粒子が消費されたとしても、繰り返し複写を行って現像に寄与し難い粒子径のトナーが現像機中へ滞留してその割合が増加することに起因する経時的な画質の悪化が抑制される。一方、25個数%以下とすることで、トナーの流動性悪化が抑制され、現像剤の搬送性低下に起因する経時的な現像性への悪影響が防止される。
また、16μm以上の粒径のトナー粒子は、1.0体積%以下であることが好ましい。この量を1.0体積%以下とすることで、細線再現性や階調性への悪影響が抑制され、さらに、転写時、16μm以上の粗粉トナーがトナー層中に介在することによって引き起こされる、電潜像保持体と転写体の静電的付着状態を妨げる働きが抑制されるため、転写効率の低下、それに起因する画質の低下が抑制される。
また、トナーの体積平均粒子径が、5μmから9μmであることが好ましく、高画質を再現するためには上述した粒度分布の好ましい範囲と両立していることが望ましい。体積平均粒子径を5μm以上とすることで、トナーの流動性低下が抑制され、キャリアからの十分な帯電能の付与が確保されるため、背景部へのカブリや、濃度再現性の低下が抑制される。また、体積平均粒子径を9μm以下とすることで、キャリアの特性が十分発揮され、微細なドットの再現性、階調性、粒状性の改善効果が達成される。
従って、上述したトナーの粒度分布および体積平均粒子径を有することによって、写真や絵画、パンフレット等の画像面積の大きく、濃度階調がある原稿の繰り返し複写においても微細な静電潜像のドットに対して、忠実な再現性が期待される。
トナーの粒度分布および体積平均粒子径は、キャリアの体積平均粒子径と同様な測定を行うことにより求められるが、測定された粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、重量について小径側から累積分布を描く代わりに、体積について小径側から累積分布を描き、累積50%となる粒径を体積平均粒子径と定義する。
トナーの製造方法は、一般に使用されている混練粉砕法や湿式造粒法等を利用してもよい。ここで、湿式造粒法としては、懸濁重合法、乳化重合法、乳化重合凝集法、ソープフリー乳化重合法、非水分散重合法、in−situ重合法、界面重合法、乳化分散造粒法、凝集・合一法等を用いてもよい。
混練粉砕法でトナーを作製するには、結着樹脂、必要に応じて着色剤やその他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により充分混合し、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に、赤外線吸収剤、酸化防止剤等を分散又は溶解せしめ、冷却固化後粉砕及び分級を行ってトナーを得る。
湿式造粒法によりトナー粒子を作製した場合には、トナー粒子の形状係数は110から135の範囲であることが好ましい。
ここで上記トナー粒子の形状係数は、キャリアの形状係数SF1と同様にして求められる。
本実施形態の現像剤における、トナーとキャリアの混合重量比としては、トナー重量/キャリア重量が、0.01以上0.3以下が好ましく、0.03以上0.2以下がより好ましい。
本実施形態の現像剤は、予めトナー像形成手段(現像剤収容容器)内に収容される現像剤としてはもちろんのこと、例えば、トリクル現像方式などに利用される供給用現像剤としても適用してもよい。本実施形態のキャリアによれば、キャリアに起因する経時的な画質の低下が抑制されるために、トリクル現像方式に用いた場合に、本発明の構成を有しないキャリアを含有する現像剤に比較し、より優れた効果を奏する。
なお、従来、トリクル現像方式などに利用される供給用現像剤としては、キャリア摩耗に起因する色ムラ、光沢ムラの発生が懸念されるために、トリクルレート、即ち、トナーとキャリアの混合重量比としては、トナー重量/キャリア重量は2以上が好ましく、3以上が好ましく、5以上が更に好ましいとされていたが、本実施形態のキャリアを含有する現像剤は、キャリア摩耗に起因する色ムラ、光沢ムラの発生が抑制されるために、トリクルレートの自由度が向上し、例えば、トナー重量/キャリア重量が1.5である場合であっても、長期間にわたり、色ムラ、光沢ムラのない良好な画像が形成される。
(静電荷像現像用現像剤用カートリッジ、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ)
次に、本実施形態の静電荷像現像用現像剤用カートリッジ(以下、「カートリッジ」と略す場合がある)について説明する。本実施形態のカートリッジは、トナー像形成手段を少なくとも備えた画像形成装置に脱着可能であり、トナー像形成手段に供給するための現像剤を収納し、現像剤が既述した本実施形態の現像剤であることを特徴とする。
従って、カートリッジの脱着が可能な構成を有する画像形成装置において、本実施形態の現像剤を収納した本実施形態のカートリッジを利用することにより、温度や湿度等の環境依存性が少ないとともに、被覆樹脂層が剥離しにくく、長期にわたり安定的に画像が形成される。
ここで本実施形態のカートリッジは、特にトリクル現像方式の画像形成装置に用いる場合、本実施形態の現像剤を収納するカートリッジであっても良いし、トナーを単独で収納するカートリッジと本実施形態のキャリアを単独で収納するカートリッジとを別体としたものであってもよい。
また、本実施形態の画像形成装置は、二成分現像剤を利用して画像の形成が可能な電子写真方式の画像形成装置であれば特に限定されないが、具体的には、静電潜像保持体と、該静電潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記静電潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を前記現像剤により現像してトナー像を形成するトナー像形成手段と、前記トナー像を記録媒体表面に転写する転写手段と、前記記録媒体表面に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を少なくとも備えたものであることが好ましい。但し、現像剤としては本実施形態の静電荷像現像用現像剤が用いられる。
従って、本実施形態の現像剤を用いた本実施形態の画像形成装置を利用することにより、温度や湿度等の環境依存性が少ないとともに、被覆樹脂層が剥離しにくく、長期にわたり安定的に画像形成が行われる。
なお、本実施形態の画像形成装置は、上記の静電潜像保持体と、帯電手段と、静電潜像形成手段と、トナー像形成手段と、転写手段と、定着手段と、を少なくとも含むものであれば特に限定はされないが、その他必要に応じてクリーニング手段や除電手段等を含んでいていても良い。
またトナー像形成手段は、本実施形態の現像剤を収容するための現像剤収容容器と、現像剤を現像剤収容容器に供給するための現像剤供給手段と、現像剤収容容器内に収容されている現像剤の少なくとも一部を、排出するための現像剤排出手段とを備える構成、すなわち、トリクル現像方式を採用しても良い。
ここで、現像剤収容容器に供給するための現像剤(供給用現像剤)は、前述のようにトナー・キャリア混合重量比が、トナー重量/キャリア重量≧1.5であることが好ましく、トナー重量/キャリア重量≧2であることがより好ましく、トナー重量/キャリア重量≧3であることがより好ましく、トナー重量/キャリア重量≧5であることが更に好ましい。
トリクル現像方式を用いる場合、被覆樹脂層が剥離しやすい樹脂被覆キャリアを用いると、もともと現像剤収容容器にある現像剤における被覆樹脂層の剥離が起こるだけでなく、現像剤供給手段から現像剤収容容器に随時供給される現像剤における被覆樹脂層の剥離も起こることとなり、トリクル現像方式を用いない場合に比べて、キャリア樹脂剥がれ粉による影響が大きくなる。
しかし、本実施形態の現像剤を用いた本実施形態の画像形成装置を利用すれば、本実施形態の現像剤における樹脂被覆層が剥離しにくく、トリクル現像方式を用いても上記問題が生じにくいため、環境依存性を少なく抑えつつ、かつ、長期にわたり安定的に画像が形成される。
本実施形態のプロセスカートリッジは、画像形成装置に対して脱着可能であり、静電潜像保持体と、本実施形態の現像剤を収容すると共に前記静電潜像保持体表面に形成された静電潜像に前記現像剤を供給してトナー像を形成するトナー像形成手段とを少なくとも備えたものである。なお、必要に応じて、帯電手段、クリーニング手段、除電手段等から選択される少なくとも一種を備えることが更に好ましい。
したがって、プロセスカートリッジの脱着が可能な構成を有する画像形成装置において、本実施形態の現像剤を収容した本実施形態のプロセスカートリッジを利用することにより、温度や湿度等の環境依存性が少ないとともに、被覆樹脂層が剥離しにくく、長期にわたり安定的に画像形成が行われる。
また、本実施形態の画像形成装置やプロセスカートリッジを構成するトナー像形成手段は、通常、静電潜像保持体表面に現像剤を供給する現像剤保持体を少なくとも有しており、この現像剤保持体が回転しながら静電潜像保持体表面に現像剤を供給する筒状部材である。
ここで、現像剤を供給する際の現像剤保持体の周速としては400mm/s以上であることが好ましく、450mm/s以上であることがより好ましい。現像剤保持体の周速が400mm/s以上の高速域では、本実施形態の画像形成装置や、本実施形態のプロセスカートリッジを取り付けた画像形成装置では、高速な画像形成が可能である反面、画像形成時に現像剤に加わる機械的ストレスも大きくなるため、被覆樹脂層の剥離が起こりやすくなる。
しかし、本実施形態の画像形成装置やプロセスカートリッジでは、被覆樹脂層の剥離が起こりにくい本実施形態の現像剤を用いているため、長期に渡って高速な画像形成を行っても、被覆樹脂層の剥離を抑制して、高画質画像を長期に渡って安定的に形成される。
なお、現像剤保持体の周速の上限は特に限定されないが、実用上は1500mm/s以下であることが好ましく、1200mm/s以下であることがより好ましい。
以下、本実施形態のカートリッジ、画像形成装置、及びプロセスカートリッジの具体例について、図面を用いて具体的に説明する。
図1は、本実施形態の画像形成装置の好適な一実施形態(第一実施形態)の基本構成を概略的に示す断面図である。図1に示す画像形成装置は、本実施形態のカートリッジを備えた構成となっている。
図1に示す画像形成装置10は、静電潜像保持体12、帯電手段14、静電潜像形成手段16、トナー像形成手段18、転写手段20、クリーニング手段22、除電手段24、定着手段26、カートリッジ28を備える。
なお、トナー像形成手段18中およびカートリッジ28中に収納される現像剤は、本実施形態の現像剤である。
また図1は便宜上、本実施形態の現像剤を収納したトナー像形成手段18およびカートリッジ28を一つずつ備えた構成のみを図示しているが、例えばカラー画像形成装置の場合などは、画像形成装置に応じた数のトナー像形成手段18およびカートリッジ28を備えた構成をとることも可能である。
図1示す画像形成装置は、カートリッジ28の着脱が可能な構成を有する画像形成装置であり、カートリッジ28は、現像剤供給管30を通してトナー像形成手段18に接続されている。よって画像形成を行う際は、カートリッジ28の中に収納されている本実施形態の現像剤が、現像剤供給菅30を通してトナー像形成手段18に供給されることにより、長期間にわたり、本実施形態の現像剤を用いた画像を形成される。また、カートリッジ28の中に収納されている現像剤が少なくなった場合には、このカートリッジ28を交換してもよい。
静電潜像保持体12の周囲には、静電潜像保持体12の回転方向(矢印A方向)に沿って順に、静電潜像保持体12表面を帯電させる帯電手段14、画像情報に応じて静電潜像保持体12表面に静電潜像を形成させる静電潜像形成手段16、形成された静電潜像に本実施形態の現像剤を供給するトナー像形成手段18、静電潜像保持体12表面に接触し静電潜像保持体12の矢印A方向への回転に伴い矢印B方向に従動回転することができるドラム状の転写手段20、静電潜像保持体12表面に接触するクリーニング装置22、静電潜像保持体12表面を除電する除電手段24が配置されている。
静電潜像保持体12と転写手段20との間隙は、矢印C方向と反対側から不図示の搬送手段により矢印C方向に搬送される記録媒体50が挿通可能である。静電潜像保持体12の矢印C方向側には加熱源(不図示)を内蔵した定着手段26が配置され、定着手段26には圧接部32が設けられている。また、静電潜像保持体12と転写手段20との間隙を通過した記録媒体50は、この圧接部32を矢印C方向へと挿通可能である。
電潜像保持体12としては、例えば感光体または誘電記録体等を使用してもよい。
感光体としては例えば、単層構造の感光体または多層構造の感光体等を用いてもよい。また感光体の材質としては、セレンやアモルファスシリコン等の無機感光体や、有機感光体等が考えられる。
帯電手段14としては、例えば、導電性または半導電性のローラー、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触帯電装置、コロナ放電を利用したコロトロン帯電やスコロトロン帯電などの非接触型の帯電装置等、公知の手段を使用してもよい。
静電潜像形成手段16としては、例えば、露光手段の他に、トナー像を記録媒体表面の所望の位置に形成しうる信号を形成できる、従来公知のいずれの手段を使ってもよい。
露光手段としては、例えば、半導体レーザー及び走査装置の組み合わせ、光学系からなるレーザー走査書き込み装置、あるいは、LEDヘッドなど、従来公知の露光手段を使用しうる。均一で、解像度の高い露光像を作るという好ましい態様を実現させるためには、レーザー走査書き込み装置またはLEDヘッドを使うことが好ましい。
転写手段20としては、具体的には例えば、電圧を印加した導電性または半導電性のローラー、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いて、電潜像保持体12と記録媒体50との間に電界を作り、帯電したトナーの粒子からなるトナー像を転写する手段や、コロナ放電を利用したコロトロン帯電器やスコロトロン帯電器などで記録媒体50の裏面をコロナ帯電して、帯電したトナーの粒子からなるトナー像を転写する手段など、従来公知の手段を使用してもよい。
また転写手段20として、二次転写手段を用いてもよい。すなわち、図示しないが二次転写手段は、トナー像を一旦中間転写体に転写した後、中間転写体から記録媒体50にトナー像を二次転写する手段である。
クリーニング手段22としては例えば、クリーニングブレード、クリーニングブラシなどが挙げられる。
除電手段24としては例えば、タングステンランプ、LEDなどが挙げられる。
定着手段26としては、例えば加熱ロールと加圧ロールとからなる加熱加圧によりトナー像を定着する熱定着器や、フラッシュランプ等による光照射によりトナー像を加熱して定着する光定着器などを利用してもよい。
加熱ロールまたは加圧ロール等のロール表面を形成する材料は、トナーを付着させない目的で、例えばトナーに対して離型性の優れた材料、シリコンゴムやフッ素系樹脂などであることが好ましい。この際、シリコーンオイル等の離型性液体を、ロール両面に塗布しないことが望ましい。離型性液体は、定着ラチチュードを広くすることに対しては有効であるが、定着される記録媒体に転移する為、画像形成された印刷物にベトツキが生じ、テープを貼れないことやマジックで文字を書き加えられないこと等の問題が生じる可能性がある。この問題は、記録媒体としてOHPなどのフィルムを用いると顕著となる場合がある。また離型性液体は、定着画像表面の荒さをスムーズにすることが困難であるため、記録媒体としてOHPフィルムを用いる場合に特に重要となる画像透明性が低下する要因にもなる場合がある。しかし、トナーにワックス(オフセット防止剤)を含む場合には、十分な定着ラチチュードを示すので、定着ロールに塗布されるシリコーンオイル等の離型性液体は必要無い。
記録媒体50としては、特に制限はなく、普通紙や光沢紙等をはじめとする従来公知のものが利用してもよい。また記録媒体は、基材と基材上に形成された受像層を有するものを利用してもよい。
次に、画像形成装置10を用いた画像形成について説明する。まず、静電潜像保持体12の矢印A方向への回転に伴い、帯電手段14により静電潜像保持体12表面を帯電し、帯電された静電潜像保持体12表面に静電潜像形成手段16により画像情報に応じた静電潜像を形成し、この静電潜像が形成された静電潜像保持体12表面に、静電潜像の色情報に応じてトナー像形成手段18から本実施形態の現像剤Pを供給することによりトナー像を形成する。
次に、静電潜像保持体12表面に形成されたトナー像は、静電潜像保持体12の矢印A方向への回転に伴い、静電潜像保持体12と転写手段20との接触部に移動する。この際、接触部を、記録媒体50が、不図示の用紙搬送ロールにより矢印C方向に挿通され、静電潜像保持体12と転写手段20との間に印加された電圧により、静電潜像保持体12表面に形成されたトナー像が接触部にて記録媒体50表面に転写される。
トナー像を転写手段20に転写した後の静電潜像保持体12の表面は、クリーニング手段22のクリーニングブレードによって残留しているトナーが除去され、除電手段24により除電される。
このようにしてトナー像がその表面に転写された記録媒体50は、定着手段26の圧接部32に搬送され、圧接部32を通過する際に、内蔵された加熱源(不図示)によってその圧接部32の表面が加熱された定着手段26によって加熱される。この際、トナー像が記録媒体50表面に定着されることにより画像が形成される。
図2は、本実施形態の画像形成装置の他の好適な一実施形態(第二実施形態)の基本構成を概略的に示す断面図である。図2に示す画像形成装置は、本実施形態の現像剤(供給用現像剤)を、トナー像形成手段内にある現像剤収容容器へ現像剤供給手段により供給すると共に、現像剤収容容器に収容されている現像剤の少なくとも一部を、現像剤排出手段により排出する、トリクル現像方式を採用した構成となっている。
画像形成装置100は、図2に示すように、矢印aで示すように、時計回り方向に回転する静電潜像保持体110と、静電潜像保持体110の上方に、静電潜像保持体110に相対して設けられ、静電潜像保持体110の表面を負に帯電させる帯電手段120と、帯電手段120により帯電した静電潜像保持体110の表面に、現像剤(トナー)で形成しようとする画像を書き込んで静電潜像を形成する静電潜像形成手段130と、静電潜像形成手段130の下流側に設けられ、静電潜像形成手段130で形成された静電潜像にトナーを付着させて静電潜像保持体110の表面にトナー像を形成するトナー像形成手段140と、静電潜像保持体110に接触しつつ矢印bで示す方向に走行するとともに、静電潜像保持体110の表面に形成されたトナー像を転写するエンドレスベルト状の中間転写ベルト150と、中間転写ベルト150にトナー像を転写した後の静電潜像保持体110の表面を除電して、表面に残った転写残トナーを除去し易くする除電手段160と、静電潜像保持体110の表面を清掃して前記転写残トナーを除去するクリーニング手段170とを備える。
帯電手段120、静電潜像形成手段130、トナー像形成手段140、中間転写ベルト150、除電手段160、及びクリーニング手段170は、静電潜像保持体110を囲む円周上に、時計周り方向に配設されている。
中間転写ベルト150は、内側から、張架ローラ150A、150B、バックアップローラ150C、及び駆動ローラ150Dによって緊張され、保持されるとともに、駆動ローラ150Dの回転に伴い矢印bの方向に駆動される。中間転写ベルト150の内側における静電潜像保持体110に相対する位置には、中間転写ベルト150を正に帯電させて中間転写ベルト150の外側の面に静電潜像保持体110上のトナーを吸着させる1次転写ローラ151が設けられている。中間転写ベルト150の下方における外側には、記録媒体Pを正に帯電させて中間転写ベルト150に押圧することにより、中間転写ベルト150に形成されたトナー像を記録媒体P上に転写する2次転写ローラ152がバックアップローラ150Cに対向して設けられている。
中間転写ベルト150の下方には、さらに、2次転写ローラ152に記録媒体Pを供給する記録媒体供給装置153と、2次転写ローラ152においてトナー像が形成された記録媒体Pを搬送しつつ、前記トナー像を定着させる定着手段180とが設けられている。
記録媒体供給装置153は、1対の搬送ローラ153Aと、搬送ローラ153Aで搬送される記録媒体Pを2次転写ローラ152に向かって誘導する誘導スロープ153Bと、を備える。一方、定着手段180は、2次転写ローラ152によってトナー像が転写された記録媒体Pを加熱・押圧することにより、前記トナー像の定着を行う1対の熱ローラである定着ローラ181と、定着ローラ181に向かって記録媒体Pを搬送する搬送コンベア182とを有する。
記録媒体Pは、記録媒体供給装置153と2次転写ローラ152と定着手段180とにより、矢印cで示す方向に搬送される。
中間転写ベルト150を挟んで駆動ローラ150Dに対向配置されるように、2次転写ローラ152において記録媒体Pにトナー像を転写した後に中間転写ベルト150に残ったトナーを除去するクリーニングブレードを有する中間転写体クリーニング手段154が設けられている。
以下、トナー像形成手段140について詳細に説明する。トナー像形成手段140は、現像領域で静電潜像保持体110に対向して配置されており、例えば、負(−)極性に帯電するトナー及び正(+)極性に帯電するキャリアを含む2成分現像剤を収容する現像剤収容容器141を有している。現像剤収容容器141は、現像剤収容容器本体141Aとその上端を塞ぐ現像剤収容容器カバー141Bとを有している。
現像剤収容容器本体141Aはその内側に、現像ロール142を収容する現像ロール室142Aを有しており、現像ロール室142Aに隣接して、第1攪拌室143Aと第1攪拌室143Aに隣接する第2攪拌室144Aとを有している。また、現像ロール室142A内には、現像剤収容容器カバー141Bが現像剤収容容器本体141Aに装着された時点で、現像ロール142表面の現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材145が設けられている。
第1攪拌室143Aと第2攪拌室144Aとは仕切り壁141Cにより仕切られており、図示しないが、第1攪拌室143A及び第2攪拌室144Aは仕切り壁141Cの長手方向(現像装置長手方向)両端部で通じており、第1攪拌室143A及び第2攪拌室144Aによって循環攪拌室(143A+144A)を構成している。
そして、現像ロール室142Aには、静電潜像保持体110と対向するように現像ロール142が配置されている。現像ロール142は、図示しないが磁性を有する磁性ロール(固定磁石)の外側にスリーブを設けたものである。第1攪拌室143Aの現像剤は磁性ロールの磁力によって現像ロール142の表面上に吸着されて、現像領域に搬送される。また、現像ロール142はそのロール軸が現像剤収容容器本体141Aに回転自由に支持されている。ここで、現像ロール142と静電潜像保持体110とは、逆方向に回転し、対向部において、現像ロール142の表面上に吸着された現像剤は、静電潜像保持体110の進行方向と同方向から現像領域に搬送するようにしている。
また、現像ロール142のスリーブには、不図示のバイアス電源が接続され、所定の現像バイアスが印加されるようになっている(本実施の形態では、現像領域に交番電界が印加されるように、直流成分(DC)に交流成分(AC)を重畳したバイアスを印加)。
第1攪拌室143A及び第2攪拌室144Aには現像剤を攪拌しながら搬送する第1攪拌部材143(攪拌・搬送部材)及び第2攪拌部材144(攪拌・搬送部材)が配置されている。第1攪拌部材143は、現像ロール142の軸方向に伸びる第1回転軸と、回転軸の外周に螺旋状に固定された攪拌搬送羽根(突起部)とで構成されている。また、第2攪拌部材144も、同様に、第2回転軸及び攪拌搬送羽根(突起部)とで構成されている。なお、攪拌部材は現像剤収容容器本体141Aに回転自由に支持されている。そして、第1攪拌部材143及び第2攪拌部材144は、その回転によって、第1攪拌室143A及び第2攪拌室144Aの中の現像剤は互いに逆方向に搬送されるように配設されている。
そして、第2攪拌室144Aの長手方向一端側には、供給用トナー及び供給用キャリアを含む供給用現像剤を第2攪拌室144Aへ供給するための現像剤供給手段146の一端が連結されており、現像剤供給手段146の他端には、供給用現像剤を収容している現像剤カートリッジ147が連結されている。また、第2攪拌室144Aの長手方向一端側には、収容している現像剤を排出するための現像剤排出手段148の一端も連結されており、現像剤排出手段148の他端には図示しないが排出した現像剤を回収する現像剤回収容と連結されている。
このようにトナー像形成手段140は、現像剤カートリッジ147から現像剤供給手段146を経て供給用現像剤をトナー像形成手段140(第2攪拌室144A)へ供給し、古くなった現像剤を現像剤排出手段148から排出する、所謂トリクル現像方式(現像剤の帯電性能の低下を防止して現像剤交換のインターバルを延ばすために、現像装置内に供給用現像剤(トリクル現像剤)を徐々に供給する一方で、過剰になった(劣化したキャリアを多く含む)劣化現像剤を排出しながら現像を行う現像方式である)を採用している。
ここで本実施形態では、本実施形態のキャリアを含む供給用現像剤を収容している現像剤カートリッジ147を用いる構成を一例として挙げたが、現像剤カートリッジ147は、供給用トナーを単独で収納するカートリッジと本実施形態のキャリアを単独で収納するカートリッジとを別体としたものであっても良い。
次に、クリーニング手段170について詳細に説明する。クリーニング手段170は、ハウジング171と、ハウジング171から突出するように配設されるクリーニングブレード172を含んで構成されている。クリーニングブレード172は、静電潜像保持体110の回転軸の延在方向に延びる板状のものであって、静電潜像保持体110における1次転写ローラ151による転写位置より回転方向(矢印a方向)下流側で且つ、除電手段160によって除電される位置より回転方向下流側に、先端部(以下、エッジ部という)が圧接されるように設けられている。
クリーニングブレード172は、静電潜像保持体110が所定方向(矢印a方向)に回転することによって、1次転写ローラ151により記録媒体Pに転写されずに静電潜像保持体110上に付着している未転写残留トナーや記録媒体Pの紙粉等の異物を、堰き止めて静電潜像保持体110から除去する。
また、ハウジング171内の底部には、搬送部材173が配設されており、ハウジング171における搬送部材173の搬送方向下流側にはクリーニングブレード172により除去されたトナー粒子(現像剤)をトナー像形成手段140へ供給するための供給搬送手段174の一端が連結されている。そして、供給搬送手段174の他端は現像剤供給手段146へ合流するように連結されている。
このようにクリーニング手段170は、ハウジング171の底部に設けられた搬送部材173の回転に伴い、供給搬送手段174を通じて未転写残留トナー粒子をトナー像形成手段140(第2攪拌室144A)へと搬送し、収容されている現像剤(トナー)とともに攪拌搬送して再利用するトナーリクレームを採用している。
図3は、本実施形態の画像形成装置の他の好適な一実施形態(第三実施形態)の基本構成を概略的に示す断面図である。図3に示す画像形成装置は、本実施形態のプロセスカートリッジを備えた構成となっている。
図3に示す画像形成装置200は、画像形成装置本体(図示せず)に脱着可能に配設されるプロセスカートリッジ210と、静電潜像形成手段216と、転写手段220と、定着手段226とを備えている。
プロセスカートリッジ210は、静電潜像形成のための開口部211Aが設けられた筐体211内に静電潜像保持体212と共に、その周囲に帯電手段214、トナー像形成手段218、及びクリーニング手段222を取り付けレール(図示せず)により組み合わせて一体化したものである。なお、プロセスカートリッジ210は、これに限られず、トナー像形成手段218と、静電潜像保持体212、帯電手段214、及びクリーニング手段222からなる群から選ばれる少なくとも一種と、を備えていれば良い。
一方、静電潜像形成手段216は、プロセスカートリッジ210の筐体211の開口部211Aから静電潜像保持体212に静電潜像形成可能な位置に配置されている。また、転写手段220は静電潜像保持体212に対向する位置に配置されている。
静電潜像保持体212、帯電手段214、静電潜像形成手段216、トナー像形成手段218、転写手段220、クリーニング手段222、定着手段226、及び記録媒体250における個々の詳細については、上記図1の画像形成装置10における静電潜像保持体12、帯電手段14、静電潜像形成手段16、トナー像形成手段18、転写手段20、クリーニング手段22、定着手段26、及び記録媒体50と同様である。
また図3の画像形成装置200を用いた画像形成についても、上記図1の画像形成装置10を用いた画像形成と同様である。
以下に、本発明を、実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。なお、以下の説明において、「部」は「重量部」を意味する。
<各種特性の測定方法>
まず、実施例、比較例で用いたトナー等の物性測定方法について説明する。
(樹脂の分子量)
樹脂の分子量分布は以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
(樹脂粒子、着色剤粒子等の体積平均粒径)
樹脂粒子、着色剤粒子等の体積平均粒径は、レーザー回折粒度測定器(島津製作所製、SALD2000A)で測定した。
(疎水化処理金属酸化物粒子の比重測定)
ルシャテリエ比重瓶を用いJIS−K−0061の5−2−1に準拠して比重を測定した。操作は次の通り行う。
(1)ルシャテリエ比重瓶に250mlのエチルアルコールを入れ、メニスカスが目盛りの位置にくるように調整する。
(2)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2°Cになったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る。(精度0.025mlとする)
(3)試料100.000gを量り取り、その質量をWとする。
(4)量り取った試料を比重瓶に入れて泡を除去する。
(5)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2°Cになったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る。(精度0.025mlとする)
(6)次式により比重を算出する。
D=W/(L2 −L1 ) (i)
S=D/0.9982 (ii)
式中、Dは試料の密度(20°C)(g/cm3 )、Sは試料の比重(20°C)、Wは試料の見かけの質量(g)、L1 は試料を比重瓶に入れる前のメニスカスの読み(20°C)(ml)、L2 は試料を比重瓶に入れた後のメニスカスの読み(20°C)(ml)、0.9982は20°Cにおける水の密度(g/cm3 )である。
(疎水化処理金属酸化物粒子の一次粒子径測定)
疎水化処理金属酸化物粒子の一次粒子径は。試料をエポキシ樹脂(2液室温硬化タイプ)に分散しミクロトームにて0.1μmの厚みに切削し、TEM(JEM1010日本電子製)を用い加速電圧80kVの条件にて測定した。TEMにより得られた写真画像を用い、画像解析手法により疎水化処理金属酸化物粒子の一次粒子径を求めた。
<現像剤の調製>
現像剤は、先ずトナー及び本実施形態のキャリアを製造し、そして、それらを用いて製造した。
キャリアを製造する際には、まず、疎水化処理金属酸化物粒子を調整した。また、トナーを製造する際には、先ず、樹脂粒子分散液、着色剤分散液及び離型剤分散液を製造し、それらを用いてトナー粒子を製造した。次に、それを用いてトナーおよび現像剤を製造した。
(疎水化処理金属酸化物粒子の調製)
イルメナイトを鉱石として用い、硫酸に溶解させ鉄分を分離し、TiOSO を加水分解してTiO(OH)を生成させる湿式沈降 法を用いた。その過程で、加水分解と核生成のための分散調整及び水洗を経た。
1.疎水化処理金属酸化物粒子aの調整
上記手法で調整された、水500ml中に分散されたTiO(OH)2 100部に、イソブチルトリメトキシシラン50部を室温(25℃)で攪拌しながら滴下した。次いで、これをろ過し、水洗浄を繰り返した。このようにして得られたイソブチルトリメトキシシランで表面処理されたチタン化合物を160℃で乾燥し、サンプルミルを用いて5分間粉砕したところ、比重が3.3、平均一次粒子径が30nm、1000V/cmの印加電界時の体積固有抵抗が1010Ω・cmの疎水化処理金属酸化物粒子aを得た。該粒子の疎水化処理剤の被覆量を測定したところ、31質量%であった。
2.疎水化処理金属酸化物粒子bの調整
上記手法で調整された、水500ml中に分散されたTiO(OH)2 100部に、イソブチルトリメトキシシラン100部を室温で攪拌しながら滴下した。次いで、これをろ過し、水洗浄を繰り返した。このようにして得られたイソブチルトリメトキシシランで表面処理されたチタン化合物を160℃で乾燥し、サンプルミルを用いて5分間粉砕したところ、比重が2.8、平均一次粒子径が32nm、1000V/cmの印加電界時の体積固有抵抗が1012Ω・cmの疎水化処理金属酸化物粒子bを得た。該粒子の疎水化処理剤の被覆量を測定したところ、49質量%であった。
3.疎水化処理金属酸化物粒子cの調整
上記手法で調整された、水500ml中に分散されたTiO(OH)2 100部に、イソブチルトリメトキシシラン27部を室温で攪拌しながら滴下した。次いで、これをろ過し、水洗浄を繰り返した。このようにして得られたイソブチルトリメトキシシランで表面処理されたチタン化合物を160℃で乾燥し、サンプルミルを用いて5分間粉砕したところ、比重が3.5、平均一次粒子径が29nm、1000V/cmの印加電界時の体積固有抵抗が108 Ω・cmの疎水化処理金属酸化物粒子cを得た。該粒子の疎水化処理剤の被覆量を測定したところ、20質量%であった。疎水化処理金属酸化物粒子cは、参考例の粒子である。
4.疎水化処理金属酸化物粒子dの調整
上記手法で調整された、水500ml中に分散されたTiO(OH)2 100部に、イソブチルトリメトキシシラン120部を室温で攪拌しながら滴下した。次いで、これをろ過し、水洗浄を繰り返した。このようにして得られたイソブチルトリメトキシシランで表面処理されたチタン化合物を160℃で乾燥し、サンプルミルを用いて5分間粉砕したところ、比重が2.7、平均一次粒子径が33nm、1000V/cmの印加電界時の体積固有抵抗が1012Ω・cmの疎水化処理金属酸化物粒子dを得た。該粒子の疎水化処理剤の被覆量を測定したところ、54質量%であった。疎水化処理金属酸化物粒子dは、本実施形態の範囲外の粒子である。
5.疎水化処理金属酸化物粒子eの調整
上記手法で調整された、水500ml中に分散されたTiO(OH)2 100部に、イソブチルトリメトキシシラン20部を室温で攪拌しながら滴下した。次いで、これをろ過し、水洗浄を繰り返した。このようにして得られたイソブチルトリメトキシシランで表面処理されたチタン化合物を160℃で乾燥し、サンプルミルを用いて5分間粉砕したところ、比重が3.6、平均一次粒子径が27nm、1000V/cmの印加電界時の体積固有抵抗が107 Ω・cmの疎水化処理金属酸化物粒子eを得た。該粒子の疎水化処理剤の被覆量を測定したところ、18質量%であった。疎水化処理金属酸化物粒子eは、本実施形態の範囲外の粒子である。
6.疎水化処理金属酸化物粒子fの調整
上記手法で調整された、水500ml中に分散されたTiO(OH)2 100部に、イソブチルトリメトキシシラン50部を室温(25℃)で攪拌せずに滴下した。次いで、これをろ過し、水洗浄を繰り返した。このようにして得られたイソブチルトリメトキシシランで表面処理されたチタン化合物を160℃で乾燥し、サンプルミルを用いて0.5分間粉砕したところ、比重が3.3、平均一次粒子径が51nm、1000V/cmの印加電界時の体積固有抵抗が1010Ω・cmの疎水化処理金属酸化物粒子fを得た。該粒子の疎水化処理剤の被覆量を測定したところ、28質量%であった。疎水化処理金属酸化物粒子fは、参考例の粒子である。
7.疎水化処理金属酸化物粒子gの調整
上記手法で調整された、水500ml中に分散されたTiO(OH)2 100部に、デシルシラン25部を室温で攪拌しながら滴下した。次いで、これをろ過し、水洗浄を繰り返した。このようにして得られたデシルシランで表面処理されたチタン化合物を160℃で乾燥し、サンプルミルを用いて5分間粉砕したところ、比重が3.3、平均一次粒子径が39nm、1000V/cmの印加電界時の体積固有抵抗が1010Ω・cmの疎水化処理金属酸化物粒子gを得た。該粒子の疎水化処理剤の被覆量を測定したところ、23質量%であった。
8.疎水化処理金属酸化物粒子hの調整
上記手法で調整された、TiO(OH)2 を良く洗浄した後、濾過、乾燥を行い、ロータリーキルン中で1000°C程度で焼成することにより従来の結晶性酸化チタンを得た。本結晶性酸化チタンを湿式粉砕し、粗大粒子を除去し、結晶性酸化チタン100部に対しイソブチルトリメトキシシラン25部を加え、濾過、水洗浄、乾燥160°Cにより疎水化処理金属酸化物粒子hを得た。疎水化処理金属酸化物粒子hの比重は3.8であり、一次粒子径は39nm、1000V/cmの印加電界時の体積固有抵抗は107 Ω・cmであった。該粒子の疎水化処理剤の被覆量を測定したところ、22質量%であった。
<芯材Aの作製>
芯材Aの製造は、以下のようにして行った。
Fe 70重量部、MnO 22重量部、Mg(OH) 7重量部を混合し、湿式ボールミルで30時間混合/粉砕してスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて860℃、6.5時間の仮焼成1を行った。こうして得られた仮焼成1物を、湿式ボールミルで1.5時間粉砕し、体積平均粒径を2.5μmとした後、更にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて900℃、6.5時間の仮焼成2を行った。こうして得られた仮焼成2物を、湿式ボールミルで5時間粉砕し、体積平均粒径を5.5μmとした後、更にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、電気炉を用いて温度890℃で12時間の本焼成を行った。解砕工程、分級工程を経て体積平均粒径36.8μmの芯材Aを調製した。BET=0.18であった。
<樹脂Aの作製>
メタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメチルメタクリレート)300質量部、ベンゼン300質量部、アゾビスイソブチロニトリル0.6質量部を混合し、60℃に加熱しで6.5時間振とうし、重合する。反応物をメチルエチルケトンに溶解し、8倍量のヘキサンで沈殿させ、樹脂Aを得た。得られた樹脂は、重量平均分子量Mw=110,000、ガラス転移温度105℃、体積電気抵抗1016Ω・cmであった
[キャリアの調製]
<キャリアAの調整>
芯材粒子A 100部
樹脂A 1.55部
疎水化処理金属酸化物粒子a 0.45部
トルエン 20部
上記各成分を加圧式ニーダーに入れ、室温(25℃)で15分間攪拌混合した後、減圧混合しながら80℃まで昇温し、トルエンを留去した後、冷却し、目開き75μmの篩を用いて篩分することにより、フェライトキャリア(樹脂被覆キャリア)Aを作製した。
<キャリアB、C、D、E、F、G及びH>
疎水化処理金属酸化物粒子の種類、組成比を表1のように変更した以外はキャリアAと同様にして樹脂被覆キャリアB、C、D、E、F、G及びHを作成した。
<トナーの作製>
−透明トナーの作製−
ポリエステル樹脂 85部
植物系ワックス(カルナバワックス) 7部
芳香族炭化水素共重合石油樹脂 6部
SiO粒子(R812;日本アエロジル製) 2部
上記各成分をヘンシェルミキサーで充分予備混合を行い、2軸型ロールミルにより溶融混練し、冷却後ジェットミルにより微粉砕を行い、さらに風力式分級機で2回分級を行い、平均粒径7.0μm、4μm以下の粒径のトナー粒子数10個数%、16μm以上の粒径のトナー粒子0.8体積%のトナー粒子(透明トナー)を製造した。
この粒子100部と、外添剤として疎水性シリカ粒子(RX200:日本アエロジル製) 0.8部をヘンシェルミキサーにて混合して透明トナーを調整した。
−シアントナーの作製−
ポリエステル樹脂 80部
植物系ワックス(カルナバワックス) 7部
芳香族炭化水素共重合石油樹脂 6部
SiO粒子(R812;日本アエロジル製) 2部
ピグメントブルー15:3 5部
上記各成分をヘンシェルミキサーで充分予備混合を行い、2軸型ロールミルにより溶融混練し、冷却後ジェットミルにより微粉砕を行い、さらに風力式分級機で2回分級を行い、平均粒径6.9μm、4μm以下の粒径のトナー粒子数10個数%、16μm以上の粒径のトナー粒子0.7体積%のトナー粒子(シアントナー)を製造した。
この粒子100部と、外添剤として疎水性シリカ粒子(RX200:日本アエロジル製)0.8部をヘンシェルミキサーにて混合してシアントナーを調整した。
−マゼンタトナーの作製−
ポリエステル樹脂 80部
植物系ワックス(カルナバワックス) 7部
芳香族炭化水素共重合石油樹脂 6部
SiO粒子(R812;日本アエロジル製) 2部
ピグメント・レッド57:1 5部
上記各成分をヘンシェルミキサーで充分予備混合を行い、2軸型ロールミルにより溶融混練し、冷却後ジェットミルにより微粉砕を行い、さらに風力式分級機で2回分級を行い、平均粒径6.8μm、4μm以下の粒径のトナー粒子数9個数%、16μm以上の粒径のトナー粒子0.5体積%のトナー粒子(マゼンタトナー)を製造した。
この粒子100部と、外添剤として疎水性シリカ粒子(RX200:日本アエロジル製)0.8部をヘンシェルミキサーにて混合してマゼンタトナーを調整した。
−イエロートナーの作製−
ポリエステル樹脂 80部
植物系ワックス(カルナバワックス) 7部
芳香族炭化水素共重合石油樹脂 6部
SiO粒子(R812;日本アエロジル製) 2部
ピグメント・イエロー17 5部
上記各成分をヘンシェルミキサーで充分予備混合を行い、2軸型ロールミルにより溶融混練し、冷却後ジェットミルにより微粉砕を行い、さらに風力式分級機で2回分級を行い、平均粒径6.9μm、4μm以下の粒径のトナー粒子数9個数%、16μm以上の粒径のトナー粒子0.2体積%のトナー粒子(イエロートナー)を製造した。
この粒子100部と、外添剤として疎水性シリカ粒子(RX200:日本アエロジル製)0.8部をヘンシェルミキサーにて混合してイエロートナーを調整した。
[現像剤の調製]
上記において製造キャリアA、B、C、D、E、F、G、H、I、及びJのそれぞれと、透明トナー、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナーの各色とをトナー濃度が7質量%となるように混合して、二成分系の現像剤(現像剤:シアンA/マゼンタA/イエローA/クリアA乃至現像剤:シアンJ/マゼンタJ/イエローJ/クリアJ)を作製した。
また、透明トナー、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナーを電子写真プリンター(DocuCentreColor a450、富士ゼロックス(株)製)用の空カートリッジに入れ、ふたをした後、手で10回振盪し、供給用トナーカートリッジ(カートリッジ:シアンA/マゼンタA/イエローA/クリアA乃至カートリッジ:シアンJ/マゼンタJ/イエローJ/クリアJ)を得た。
さらに、透明トナー、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー80重量部と、キャリアA、B、C、D、E、F、G、H、I、及びJそれぞれ20重量部とを上記現像剤と同一の組合せで、電子写真プリンター(DocuCentreColor a450、富士ゼロックス(株)製)用の空カートリッジに入れ、ふたをした後、手で10回振盪し、供給用現像剤(リプレニッシャー:シアンA/マゼンタA/イエローA/クリアA乃至リプレニッシャー:シアンJ/マゼンタJ/イエローJ/クリアJ)を得た。
[評価方法]
これらの現像剤、トナーカートリッジ及び供給用現像剤を用いて、電子写真複写機(黒現像機の位置にクリア現像剤を用いても正確な濃度が測定されるように濃度センサーの感度を調整改造したDocuCentreColor 400CP富士ゼロックス(株)製)にて以下に示す方法で評価した。
評価では黒現像剤の変わりにクリア現像剤を用いた。また現像剤とトナーカートリッジの組み合わせでの通常現像方式の評価と現像剤とリプレニッシャーの組合わせによるトリクル現像方式の評価の両方を実施した。
まず、最初に静電オフセットの評価を実施した。
<静電オフセット>
画像形成装置を10℃、5%RHの環境に24時間放置後、同環境で富士ゼロックス製「C2紙(A4)」上に、各色像密度50%の画像形成し10枚プリントした。その画像の静電オフセットを下記の基準によりに評価した。 (評価基準)
○:10枚のおいずれにも静電オフセットによる画像欠落がない
△:10枚中8枚目以降の1枚にのみ若干の静電オフセットによる画像欠落があるが許容範囲である。
×:10枚中7枚目以前の1枚以上、或いは10枚中2枚以上に若干或いは顕著な静電オフセットによる画像欠落がある。
次に、30℃、80%RHの温度湿度環境にて、下記評価を行った。まず一枚透明トナーのベタ画像をプリントする。本透明トナーベタ画像プリントはΔE評価用初期プリントとし下記透明トナーΔE評価に用いる。その後帯電維持性評価のために各色像密度1%の画像を50枚、5%の画像を20枚、20%の画像を30枚プリントすることを1000回繰返し、トータル10000枚のプリントを実施した。その後下記画像ムラ評価サンプル、透明トナーΔE評価サンプルを採取し下記評価基準で評価した。
<帯電維持性>
帯電維持性評価のために実施した各色像密度1%の画像を50枚、5%の画像を20枚、20%の画像を30枚プリントすることを1000回繰返し、トータル10000枚のプリントを目視によるカブリとX−Rite938による濃度を評価し下記のように判定した。
○:カブリ問題なし、濃度は初期10枚の平均値に対し、10%未満の範囲に収まっている。
△:カブリは問題ないが、濃度は初期10枚の平均値に対し、10%以上20%以下の範囲で低下が観察されたが許容範囲である
×:カブリ発生。
<画像ムラ>
◎:10000枚プリント後のベタ画像部分に色ムラ、光沢ムラが目視で確認されない。
○:10000枚プリント後のベタ画像部分に色ムラ、光沢ムラが目視で確認されるが、実用上問題ない。
△:10000枚プリント後のベタ画像部分に色ムラ、光沢ムラが目視で確認されるが許容範囲である。
×:10000枚プリント後のベタ画像部分に色ムラ、光沢ムラが目視で明らかに確認される。
<透明トナーΔE評価基準>
上記のように10000枚プリント後に透明トナーベタ画像をプリントし、最初に採取したΔE評価用初期ベタ画像との色差(ΔE)を算出する。
○:ΔEは 2未満
△:ΔEは 2以上3未満
×:ΔEは 3以上
現像剤組合せと結果を表2に示す。
表2の結果より、本実施形態のキャリアを用いた場合、これを用いない比較例に比べて、キャリア摩耗に起因する色ムラ、光沢ムラの発生が抑制され、帯電維持性が良好であり、長期にわたり安定的に欠陥のない画像が形成されることが確認された。
本発明の画像形成装置の好適な一実施形態(第一実施形態)の基本構成を概略的に示す断面図である。 本発明の画像形成装置の他の好適な一実施形態(第二実施形態)の基本構成を概略的に示す断面図である。 本発明の画像形成装置の他の好適な一実施形態(第三実施形態)の基本構成を概略的に示す断面図である。
10、100、200・・・画像形成装置
12、110、212・・・静電潜像保持体
14、120、214・・・帯電手段
16、130、216・・・静電潜像形成手段
18、140、218・・・トナー像形成手段
141・・・現像剤収容容器
146・・・現像剤供給手段
148・・・現像剤排出手段
20、220・・・転写手段
152・・・2次転写ローラ
26、180、226・・・定着手段
28、147・・・カートリッジ
210・・・プロセスカートリッジ

Claims (11)

  1. 芯材及び樹脂と金属酸化物粒子とを含有する被覆樹脂層を有し、該金属酸化物粒子が粒子表面を22質量%以上50質量%以下のシランカップリング剤から選ばれる疎水化処理剤で被覆した、平均一次粒子径が5nm以上50nm以下の疎水化処理金属酸化物粒子である静電荷像現像用キャリア。
  2. 前記シランカップリング剤が、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、及び特殊シリル化剤からなる群より選択されるシランカップリング剤である請求項1に記載の静電荷像現像用キャリア。
  3. 前記疎水化処理金属酸化物粒子の前記キャリア中における含有量が、0.2質量%以上1.5質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用キャリア。
  4. 前記疎水化処理金属酸化物粒子が、シランカップリング剤により、酸化チタン粒子、メタチタン酸粒子、酸化アルミニウム、酸化ケイ素から選択される1種以上である金属酸化物粒子を処理した粒子である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用キャリア。
  5. トナーと、キャリアとを少なくとも含み、
    前記キャリアが、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の静電荷像現像用キャリアである静電荷像現像用現像剤。
  6. 現像剤を収容するための現像剤収容容器と、静電荷像現像用現像剤を現像剤収容容器に供給するための現像剤供給手段と、現像剤収容容器内に収容されている現像剤の少なくとも一部を、排出するための現像剤排出手段とを備えるトナー現像手段に適用する請求項に記載の静電荷像現像用現像剤。
  7. 現像剤保持体を少なくとも備え、請求項に記載の静電荷像現像剤を収容することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  8. 像保持体と、
    該像保持体上に形成された静電荷像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、
    像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、
    被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、
    を有し、
    前記現像剤が請求項に記載の静電荷像現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
  9. トナー像形成手段を少なくとも備えた画像形成装置に対して脱着可能であり、前記トナー像形成手段に供給するための現像剤を収納し、
    前記現像剤が請求項に記載の静電荷像現像用現像剤である静電荷像現像用現像剤カートリッジ。
  10. 前記現像手段が、現像剤を収容するための現像剤収容容器と、静電荷像現像用現像剤を現像剤収容容器に供給するための現像剤供給手段と、現像剤収容容器内に収容されている現像剤の少なくとも一部を、排出するための現像剤排出手段とを備える請求項記載の画像形成装置。
  11. 前記現像手段が、静電潜像保持体表面に現像剤を供給する現像剤保持体を少なくとも有し、
    前記現像剤保持体は、回転しながら前記静電潜像保持体表面に前記現像剤を供給する筒状部材である請求項に記載の画像形成装置。
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