JP4513624B2 - フルカラー画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法または静電記録法、静電印刷法等に用いられるフルカラー画像形成方法に関する。
電子写真法など静電潜像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。電子写真法は、帯電、露光工程により感光体(潜像担持体)上に静電潜像を形成し、トナーを含む現像剤で静電潜像を現像し、転写、定着工程を経て画像を可視化する方法である。
ここで用いられる現像剤には、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤と、磁性トナーまたは非磁性トナーを単独で用いる1成分現像剤とがある。トナーの製法としては、通常熱可塑性樹脂(結着樹脂)を顔料(着色剤)、帯電制御剤及びワックスなどの離型剤とともに溶融混練し、冷却後、微粉砕し、さらに分級する混練粉砕法が使用されている。また、得られたトナー粒子には、必要であれば流動性やクリーニング性を改善するための無機微粒子または有機微粒子を表面に添加することもある。
近年、フルカラー機の普及に伴い、カラートナーの開発が進んできている。白黒トナーに比べカラートナーが抱える課題の一つに定着特性がある。これは、フルカラー画像形成には3色のカラートナーを重ね合わせて用いるため、トナー画像における単位面積あたりのトナー量が多くなる点や、写真画像のように定着後に高いグロスが要求される点が挙げられる。これらは、定着エネルギー低減、高速化に対しても不利な点である。
これらの課題に対しては、定着部材にシリコーンオイルを塗布し、トナーにワックスを用いないフルカラー機が普及していた(例えば、特許文献1参照)。これは、トナー粒子内にワックスを含有されないため、ワックスの染み出し温度、時間によらず常に均一なグロスを再現することができたためである。しかしながら、このような記録画像では、ボールペンで文字が書けない、ポストイットが貼れない、定着器が大型になる、オイル沁みができる等の問題があった。
一方、従来の白黒機用の黒トナー同様、離型剤をトナー粒子に混合させ、前記混練粉砕法により作製したカラートナーでは、表面の離型剤露出率が40%を超えるものとなる。これにより、定着部材の高温側の耐オフセット性など定着性能には良化するものの、流動性や帯電特性の悪化が生じる。特に経時でのキャリアや感光体への離型剤の付着などが発生し易く、帯電不良によるカブリや感光体汚染による白抜けが生じたりする恐れがある。
このように、混練粉砕法でカラートナーにワックスを含有させることは、トナー粒子表面にワックスが出易いため、流動性、帯電特性が悪化し、実用化が困難であった。
これに対して、近年カラートナーにワックスを内包させたトナーが開発されている。特に、ワックスを内包させる手段及び、表面構造を制御することが可能な手段として、乳化重合凝集法等による湿式のトナーの製造方法が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。これらには、重合性単量体を乳化重合させ、形成された樹脂微粒子分散液と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御材等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、重合性単量体を着色剤、離型剤等とともに水系媒体中に分散、懸濁させ、その後重合させることによりトナーを作製するいわゆる懸濁重合法等がある。これら湿式製法によるトナーでは、粒径制御、形状制御も可能であり、更にワックスを結着樹脂内に内包させ、コアシェル構造を形成することも可能である。
これらトナー構造の制御技術により、トナーの小径化はもちろんのこと、粉体特性と低温定着特性とを両立させるトナーが提案されつつある。低温定着性は、消費電力の低減、及び、ウォームアップタイムの短縮に重要な特性である。このため、マシン開発及び現像剤開発では、カラー用の高速及び低温定着特性を推し進めた開発が行われている。
加熱定着法としては、例えば熱源を内蔵する加熱定着ロールとこれに圧接する加圧ロールとの圧接部分に、未定着トナー画像を有する記録媒体を通過させることによって記録媒体上にトナーを融着させて定着を行う加熱定着方式が広く使用されている。
しかしながら、この方式では高画質や定着性能を得るために、加熱定着ロールとして比較的厚めの弾性層、さらには該弾性層上に離型層を有するロールを用いる必要が生じることから、ウォームアップタイムが長くなってしまい、省エネルギーの観点からも問題があった。
これらの課題を解決するために、前記加圧ローラをベルト化し、省電力化、インスタントスタート性能の向上がなされている(例えば、特許文献4参照)。これは、加熱定着ロールに無端ベルトを巻き付けてニップ部を形成するため、前記ロール対の定着方式に比べて低い荷重で広いニップ部を得ることができる(ベルト−ニップ方式)。よって加熱定着ロールの芯金の剛性が低くでき、かつ、加熱定着ロールの耐熱性弾性体層の厚みを薄くしてもよく、インスタントスタート性の向上を実現するというものである。
これら離型剤を内包した重合トナー及び加圧ベルトを用いた定着システムを用いることで、高速、低温、フルカラー画像における4色トナー重ねの低温定着が可能となりつつある。
しかしながら、初期的に定着特性がとれている現像剤でも、経時で定着特性が悪くなり、この定着維持性が問題となっていた。この問題は、定着画像が加熱定着ロールに付着するオフセットであり、画像抜け、加熱定着ロールへのトナー汚染が生じた。特に、高温時の加熱定着ロールへの画像オフセット発生温度(耐ホットオフセット性)を低下させる傾向があった。
上記現象は、高速フルカラー現像で離型剤内包型のトナーを用い、前記加圧ベルトを用いた定着システムで定着した場合での特有の現象であり、前記従来における、低速、単色、離型剤無しトナー(オイル供給定着システム)、両ロール定着システムのいずれかを選択した場合には、大きな課題とはならなかった。
つまり、高速でフルカラー画像を低温定着するためは、定着特性の安定した維持性が新たな問題となった。
特開昭61−148479号公報 特開昭63−282752号公報 特開平6−250439号公報 特開2003−57983号公報
本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを目的とする。
すなわち、本発明は、高速フルカラー画像形成において、経時による耐オフセット性の低下がなく、高画質、高グロスの画像を長期に渡り安定した品質で提供でき、さらに省電力やインスタントスタート性に優れるフルカラー画像形成方法を提供することを目的とする。
<1> 少なくとも、潜像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤担持体に担持された現像剤を用い、前記潜像担持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、該トナー画像を被転写体表面に転写する転写工程と、被記録体表面に転写されたトナー画像を熱定着する定着工程と有し、一定のプロセススピードで画像を形成するフルカラー画像形成方法であって、
前記プロセススピードが150〜350mm/secの範囲、前記定着工程における定着中心設定温度が70〜160℃の範囲であり、前記現像剤が、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含むトナーと、芯材を被覆樹脂で被覆してなるキャリアとからなり、前記結着樹脂の溶解性パラメータSP1及び前記被覆樹脂の溶解性パラメーターSP2が、下記式(1)に示す関係を満たすフルカラー画像形成方法である。
0.5(MJ/m31/2≦(SP1−SP2)≦2.5(MJ/m31/2 ・・・ 式(1)
<2> 複数の潜像担持体がそれぞれ現像剤担持体を有してなり、該複数の潜像担持体及び現像剤担持体それぞれによる前記潜像形成工程、現像工程及び転写工程からなる一連の工程により、1の被記録体表面に、前記一連の工程ごとのトナー画像が順次積層形成され、前記定着工程において、前記積層されたトナー画像が、前記被記録体に熱定着される<1>に記載のフルカラー画像形成方法である。
<3> 前記トナーが、少なくとも体積平均粒径が1μm以下の樹脂微粒子を分散した樹脂微粒子分散液と着色剤粒子を分散させた着色剤分散液と離型剤粒子を分散させた離型剤分散液とを混合することにより、前記樹脂微粒子、着色剤粒子及び離型剤粒子を凝集させて凝集粒子を形成し、次いで、前記樹脂微粒子のガラス転移点以上の温度に加熱せしめ融合・合一させたトナー粒子を含んでなり、前記離型剤がパラフィン系ワックスであり、前記トナーのASTMD3418−8に準拠した示差熱分析により得られるガラス転移温度が35〜55℃の範囲である<1>または<2>に記載のフルカラー画像形成方法である。
<4> 前記定着工程が、加熱定着ロールと該加熱定着ロールに所定のニップ部を形成して圧接される加圧無端ベルトからなる定着装置を用いた定着工程であり、前記ニップ部の幅が3〜12mmの範囲である<1>〜<3>のいずれかに記載のフルカラー画像形成方法である。
本発明によれば、高速で低温定着に適応したフルカラー出力が可能で、高画質、高グロスを長期に渡り出力できるだけでなく、経時による高温時オフセット温度の低下が無く、安定した品質の出力画像を得ることが可能なフルカラー画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフルカラー画像形成方法は、少なくとも、潜像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤担持体に担持された現像剤を用い、前記潜像担持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、該トナー画像を被転写体表面に転写する転写工程と、被記録体表面に転写されたトナー画像を熱定着する定着工程と有し、一定のプロセススピードで画像を形成するフルカラー画像形成方法であって、前記プロセススピードが150〜350mm/secの範囲、前記定着工程における定着中心設定温度が70〜160℃の範囲であり、前記現像剤が、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含むトナーと、芯材を被覆樹脂で被覆してなるキャリアとからなり、前記結着樹脂の溶解性パラメータ(以下、「SP値」という場合がある)SP1及び前記被覆樹脂の溶解性パラメーターSP2が、下記式(1)に示す関係を満たすことを特徴とする。
0.5(MJ/m31/2≦(SP1−SP2)≦2.5(MJ/m31/2 ・・・ 式(1)
前記のように、高速フルカラー画像形成においては、経時における耐ホットオフセット性の低下が大きな問題であった。
この問題は、今迄の現像剤及び現像、定着システムでも生じていた現象であるが、実際には殆ど確認できないレベルのものであった。つまり、フルカラー画像形成の高速化、低温定着化、さらには高グロス化/高画質化を進めていく上でより顕著になった問題である。
具体的には、特に画像形成のプロセススピードが150mm/sec以上であり、定着中心設定温度が160℃以下であるような、高速化、低温定着化の双方を達成しようとするフルカラー画像形成プロセスにおいて、前記のような経時での耐オフセット性等の加熱定着ロールとの離形性の悪化が顕著となる。また、その結果として高グロス、高画質の画像を得ることが困難となる。
なお、上記「定着中心設定温度」とは、定着部材の表面に設置された温度センサーからの信号をもとに、定着部材の加熱を行う加熱源のオン/オフを制御するための設定温度をいう。
一方、トナーとしては、前記省エネルギーやインスタントスタート性の観点から低温定着化が進められ、このようなトナーに対して従来より低温度に設定された加熱定着ロールで高グロスの画像を得るには、広いニップ領域で定着を行うことが好ましく、前記ベルト−ニップ方式が有力な定着方式となる。しかし、特に、前記加圧ロールの代わりにベルトを用いた定着システムでは、ロール対を用いた定着システムに比べ、低温低圧を得る目的で ニップ部が広く設定されているため、加熱定着ロールとの離型性という点ではさらに不利であった。
本発明者等は、耐ホットオフセット性を含めた定着特性が経時で悪化する原因を鋭意検討した結果、オフセットが発生した画像中にキャリア被覆樹脂成分が混入していることを確認した。この結果から、キャリア被覆樹脂が経時で剥がれ、トナーに付着して現像されたトナー画像中に混入し、このキャリア被覆樹脂が極僅でも未定着画像に混入すると、定着時にオフセットを生じさせることが分かった。
より具体的には、例えばキャリア被覆樹脂としてシリコーン樹脂を用いた場合に、1cm2当たりのベタ画像中に被覆樹脂が50ppm以上含まれる場合にオフセットが発生することがわかった。したがって、現像剤使用中のキャリア被覆樹脂の剥がれを少なくすることが、耐オフセット性向上に有効であるという1つの指針を得た。
なお、前記微量のキャリア被覆樹脂がトナー画像中に混入した場合に、耐オフセット性が低下する原因は、混入した被覆樹脂が、定着する際にトナーからの離型剤の染み出しを阻害し、定着時のトナー同士の凝集度を低下させる。これにより、加熱定着ロールへのオフセットが発生していると考えられる。
また、前記キャリア被覆樹脂の剥がれ量に関し詳細を検討したところ、樹脂剥がれ量はキャリアの被覆樹脂種によってかなり異なることがわかった。このため、本発明者等は前記被覆樹脂剥がれ量の低減を達成するため、トナー種とキャリア被覆樹脂種について様々な材料を組み合わせ、得られた結果に関し分析を実施した。その結果、キャリア被覆樹脂の溶解性パラメーターSP2とトナーの結着樹脂の溶解性パラメーターSP1との差(SP1−SP2、以下、「ΔSP値」と称する場合がある)が、 経時におけるキャリア被覆樹脂剥がれ量、すなわち耐オフセット性に影響を及ぼしていることが見出された。
すなわち、キャリア被覆樹脂とトナーの結着樹脂とのΔSP値が大きい場合には、経時での定着特性が悪く(オフセットが発生しやすく)、ΔSP値を一定値以下に小さくすると、経時での定着特性が良好になる傾向があることが確認された。この結果から、被覆樹脂と結着樹脂とのΔSP値、つまり樹脂同士の相溶性が定着特性(耐オフセット性)の制御因子となることがわかった。
本発明者等は、前記目的を達成するべく鋭意研究を重ねた結果、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤からなるトナーと、芯材を被覆樹脂で被覆してなるキャリアとからなる現像剤において、前記結着樹脂の溶解性パラメーターSP1及び前記被覆樹脂の溶解性パラメーターSP2が、下記式(1)に示す関係を満たすことにより、前記フルカラー画像形成プロセスにおいて経時でのオフセット発生を抑制することができることを見出した。
0.5(MJ/m31/2≦(SP1−SP2)≦2.5(MJ/m31/2 ・・・ 式(1)
ΔSP値が0.5(MJ/m31/2に満たないと、トナーとキャリア被覆樹脂との親和性がよくなりすぎるため、経時でトナー成分がキャリア表面にスペントし、これによりトナーへの帯電付与能力が低下してしまう。
上記ΔSP値は0.3〜2.5(MJ/m31/2の範囲であることが好ましく、0.5〜2.3(MJ/m31/2の範囲であることがより好ましい。
ここで、上記SP値(溶解性パラメーター/Solubility Parameter)について説明する。
SP値とは、溶解性パラメーターと言われるもので、どれだけ互いが溶けやすいかということを数値化したものである。このSP値は、互いの分子間の引き合う力、すなわち凝集エネルギー密度CED(Cohesive Energy Density)の平方根で表される。なお、CEDとは、1mlのものを蒸発させるのに要するエネルギー量である。
具体的には、本発明におけるSP値の計算は、下記式(2)を用いて行うことができる。
SP値(溶解パラメーター)=(CED値)1/2=(E/V)1/2 ・・・ 式(2)
上記式(2)において、Eは分子凝集エネルギー(cal/mol)、Vは分子容(cm3/mol)であり、蒸発エネルギーをei、モル体積をviとしたとき、各々下式(3)、(4)で表される。
E=Σei ・・・ 式(3)
V=Σvi ・・・ 式(4)
SP値の計算方法は諸説あるが、本発明においては一般的に用いられているFedorsの方法を用いた。本計算方法、各原子団の蒸発エネルギーei及びモル体積viの諸データは、「接着の基礎理論」(井本稔著、高分子刊行会発行、第5章)を参考文献としてが用いた。また、−CF3基等示されていないものに関しては、R.F.Fedors,Polym.Eng.Sci.14,147(1974)を参照した。
なお、ここで単位に(cal)を用いたのは、一般の書籍等に記されている文献値の殆どが(cal)単位での表示であるため敢えて用いた。実際SI単位としてのJ(ジュール)への換算は、1cal=4.18605Jの換算式を用いた。
また、本発明においては、前記文献に基づくSP値を基準としているが、使用材料自体のSP値を実際に測定した値があれば、そのSP値を用いることもできる。
次に、前記結着樹脂、被覆樹脂として実際に用いられているのは、通常単一成分からなる樹脂ではなく、複合成分からなる樹脂がほとんどであるため、前記各式により求められた単一ポリマーのSP値から、実際に用いられている複合ポリマーのSP値をどのように決定したかについて、樹脂混合系と共重合樹脂系とに分けて説明する。
(樹脂混合系)
本発明におけるSP値を比較する材料は、トナー結着樹脂及びキャリア被覆樹脂である。これらの樹脂としては、何種類かを混合させて用いることができるが、その際混合樹脂のSP値は、混合する全ての樹脂のSP値を求め、トナー結着樹脂に関しては最も大きいSP値を、キャリア被覆樹脂に関しては最も小さいSP値を選択した。これは、キャリア被覆樹脂のSP値が小さい程定着に悪影響を及ぼすことが確認されているためである。また、芯材に被覆樹脂を被覆する際、混合樹脂中の低SP値の樹脂が表面に出やすい傾向があるためである。
但し、微量の混合樹脂に関しては影響が小さいため、計算を考慮しなくて良い。ここでいう微量とは、キャリア被覆樹脂全体に対し、3質量%以下であることを意味する。
(共重合樹脂系)
共重合体等、幾つかのモノマー単位を重合してなる共重合樹脂の場合、樹脂中の組成比(モル分率)での計算を行う。
例えばコモノマーXとコモノマーYとからなるランダム共重合体(X)m(Y)n(m、nは1以上の整数)のSP値(SPmn)は、下記式(5)により求められる。
SPmn=[ [ Ex×m /(m+n) + Ey×n/(m+n)]/[ Vx×m /(m+n)+ Vy×n(m+n)] ]1/2 ・・・ 式(5)
すなわち、上記式(5)は、コモノマーXの分子凝集エネルギーEx及び分子容Vxの各々にモル分率をかけた値(Ex×m/(m+n) 及びVx×m/m+n))とコモノマーYの分子凝集エネルギーEy及び分子容Vyにモル分率をかけた値(Ey×n/(m+n) 及びVy×n/(m+n))とをそれぞれ加算して割り、平方根にしたものである。
なお本計算式は、産業技術サービスセンター発行の「プラスチックのコーティング技術総覧」(p122〜124)に記されている。
次に、本発明のフルカラー画像形成方法について各工程ごとに説明する。
本発明の画像形成方法は、潜像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤担持体に担持された現像剤を用い、前記潜像担持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記潜像担持体表面に形成されたトナー画像を被記録体の表面に直接転写する転写工程と、被記録体表面に転写されたトナー画像を熱定着する定着工程と、を含むものであって、前記現像剤として、前記トナーとキャリアとからなる現像剤を用いるものである。前記工程に加えて、さらに、潜像担持体表面に残ったトナーをクリーニングするクリーニング工程を含んでもよい。
前記潜像形成工程とは、潜像担持体の表面を、帯電手段により一様に帯電した後、レーザー光学系やLEDアレイなどで潜像担持体に露光し、静電潜像を形成する工程である。前記帯電手段としては、コロトロン、スコロトロンなどの非接触方式の帯電器、及び、潜像担持体表面に接触させた導電性部材に電圧を印加することにより、潜像担持体表面を帯電させる接触方式の帯電器が挙げられ、いかなる方式の帯電器でもよい。しかし、オゾンの発生量が少なく、環境に優しく、かつ耐刷性に優れるという効果を発揮するという観点から、接触帯電方式の帯電器が好ましい。前記接触帯電方式の帯電器においては、導電性部材の形状はブラシ状、ブレード状、ピン電極状、ローラー状等の何れでもよいが、ローラー状部材が好ましい。
本発明のフルカラー画像形成方法は、潜像形成工程においてなんら特別の制限を受けるものではない。
前記現像工程とは、潜像担持体表面に、少なくともトナーを含む現像剤層を表面に形成させた現像剤担持体を接触若しくは近接させて、前記潜像担持体表面の静電潜像にトナーの粒子を付着させ、潜像担持体表面にトナー画像を形成する工程である。現像方式は、既知の方式を用いて行うことができるが、本発明に用いられる二成分現像剤による現像方式としては、カスケード方式、磁気ブラシ方式などがある。本発明の画像形成方法は、現像方式に関し、特に制限を受けるものではない。
前記転写工程とは、潜像担持体表面に形成されたトナー画像を、被記録体に転写して転写画像を形成する工程である。本発明における転写工程は、紙等の被記録体にトナー画像を直接転写するものである。
潜像担持体からのトナー画像を紙等に転写する転写装置としては、コロトロンが利用できる。コロトロンは用紙を均一に帯電する手段としては有効であるが、被記録体である用紙に所定の電荷を与えるために、数kVという高圧を印加しなければならず、高圧電源を必要とする。また、コロナ放電によってオゾンが発生するため、ゴム部品や潜像担持体の劣化を引き起こすので、弾性材料からなる導電性の転写ロールを潜像担持体に圧接して、用紙にトナー画像を転写する接触転写方式が好ましい。
本発明の画像形成方法においては、転写装置に関し、特に制限を受けるものではない。
前記クリーニング工程とは、ブレード、ブラシ、ロール等を潜像担持体表面に直接接触させ、潜像担持体表面に付着しているトナー、紙粉、ゴミなどを除去する工程である。
最も一般的に採用されている方式として、ポリウレタン等のゴム製のブレードを潜像担持体に圧接させるブレードクリーニング方式である。これに対し、内部に磁石を固定配置し、その外周に回転可能な円筒状の非磁性体のスリーブを設け、そのスリーブ表面に磁性キャリアを担持させてトナーを回収する磁気ブラシ方式や、半導電性の樹脂繊維や動物の毛をロール状に回転可能にし、トナーと反対極性のバイアスをそのロールに印加してトナーを除去する方式でもよい。前者の磁気ブラシ方式では、クリーニングの前処理用コロトロンを設置してもよい。
本発明の画像形成方法においては、クリーニング方式については特に制限を受けるものではない。
前記定着工程とは、被記録体表面に転写されたトナー画像を定着装置にて定着する工程である。定着装置としては、ヒートロールを用いる加熱定着装置が好ましく用いられる。加熱定着装置としては、例えば円筒状芯金の内部に加熱用のヒータランプを備え、その外周面に耐熱性樹脂被膜層あるいは耐熱性ゴム被膜層により、いわゆる離型層を形成した加熱定着ロールと、この加熱定着ロールに対し圧接して配置され、円筒状芯金の外周面あるいはベルト状基材表面に耐熱弾性体層を形成した加圧ロールあるいは加圧ベルトと、で構成される。未定着トナー画像の定着プロセスは、加熱定着ロールと加圧ロールあるいは加圧ベルトとの間に未定着トナー画像が形成された被記録体を挿通させて、トナー中の結着樹脂、添加剤等の熱溶融による定着を行う。
本発明の画像形成方法においては、定着方式については特に制限を受けるものではない。
前記本発明の効果は、高速、低温定着のフルカラー画像形成において発揮されるものであり、プロセススピードとしては150〜350mm/secの範囲、定着中心設定温度としては70〜160℃の範囲であることが必要である。
プロセススピードが150mm/secに満たないと、画像としては良好なものの高速化に対応することができない。一方350mm/secを超えると、オフセットが発生したり高グロスの画像が得られなかったりする。すなわち前記範囲であれば、良好な定着特性を維持しつつ高画質のフルカラー画像を安定して得ることができる。プロセススピードとしては180〜300mm/secの範囲であることが好ましい。
また、定着中心設定温度が70℃に満たないと、後述の本願発明におけるトナーを用いてもフルカラー画像を完全に定着させることができない。一方160 ℃を超えると、低温定着化を達成することができない。定着中心設定温度としては100〜150℃の範囲が好ましい。この場合、例えば160℃の中心温度条件でも、上下限側を保証しなければ十分でない。温度調整センサーの精度にもよるが、通常±10℃程度のラチチュードは設計上必要となる。
なお、本発明のフルカラー画像形成方法において、フルカラー画像を作製する場合には、複数の潜像担持体がそれぞれ各色の現像剤担持体を有しており、その複数の潜像担持体及び現像剤担持体それぞれによる潜像形成工程、現像工程、転写工程及びクリーニング工程からなる一連の工程により、同一の被記録体表面に前記工程ごとの各色トナー画像が順次積層形成され、その積層されたフルカラーのトナー画像を、定着工程で熱定着する画像形成方法が好ましく用いられる。そして、本発明における前記現像剤を、上記画像形成方法に用いることにより、例えば、小型、カラー高速化に適したタンデム方式においても、安定した定着性能を得ることができる。
ここで、本発明における定着工程に好ましく用いられる定着システムについて説明する。
本発明における定着工程は、加熱定着ロールにオイルを供給しないオイルレス定着を基本とする。このため、フルカラー画像のように被記録体上に3色のトナーが重ねられ、トナー載り量が1.3〜2.7mg/cm2の範囲程度とかなり高い場合にも高グロスの画像を得るには、加熱定着ロールと該加熱定着ロールに所定のニップ部を形成して圧接される加圧無端ベルトからなる定着装置(ベルトニップ方式)を用いることが好ましい。
上記ベルトニップ方式の加熱定着装置においては、加熱定着ロールの耐熱性弾性体層上に離型層として耐熱性樹脂層を被覆し、加熱定着ロールに歪みを与えることにより、シリコーンオイル等の離型オイルを用いることなく高い離型性を得つつ、高画質を達成することができる。前記耐熱性樹脂は離型劣化が起きにくく、極めて長い離型維持性を得ることができる。また、加熱定着ロールにエンドレスベルト(無端ベルト)を巻き付けてニップ部を形成するため、ロール対を用いた定着方式に比べて低い荷重で広いニップ部を得ることができる。よって加熱定着ロールの芯金の剛性が低くでき、かつ、加熱定着ロールの耐熱性弾性体層の厚みを薄くしてもよいため、インスタントスタート性の向上を実現することができる。また、前記ニップ部の荷重を低くできることより、耐熱性樹脂層の摩耗を大幅に低減することができる。
この定着システムを用いることにより、光透過性、着色力に優れるフルカラー画像が得られ、インスタントオン定着を良好に行なうことができる。
本発明においては、前記無端ベルトを加熱定着ロールに押し当てる圧力部材としては、圧力パッドを用い、該圧力パッドによって形成される加熱定着ロールと無端ベルトとのニップ部の幅を3〜12mmの範囲とすることが望ましい。ニップ幅が3mmより小さいと十分な定着性、高グロスを得ることができない場合がある。ニップ幅が12mmを超えると、フルカラー画像の定着においてオフセットの発生を抑えることができない場合がある。
前記ニップ部の幅は、4〜8mmの範囲であることがより好ましい。
また、前記圧力部材を圧力パッドとすることにより、装置の小型化を図ることができる。また、ニップ幅が前記範囲よりも小さい場合、被記録体に充分な熱と圧力とが加えられず充分な定着性能が得られない場合があり、前記範囲よりも大きい場合、加熱定着ロールの耐久性に影響を及ぼしたり、被記録体の走行性に支障をきたす恐れがある。
さらに、圧力パッドが加熱定着ロールを押圧するニップ圧力が、ニップ部の出口付近において局所的に大きくなっていることが望ましい。ニップ部の出口付近において、加熱定着ロールの歪みを局所的に大きくすることにより、ロール対を用いた定着方式のようにニップ全域で歪みを生じさせる場合と比較して、小さい歪み量で高い離型性能を得ることができる。従って、加熱定着ロール表面に薄膜の耐熱性樹脂層を用いた場合にも、該樹脂層のシワの発生を防止でき、耐熱性弾性層と耐熱性樹脂からなる離型層との間の剥れ等の問題も起こりにくくなり、離型性能の維持と併せて長期にわたる信頼性が得られる。
また、加熱定着ロールの歪み量が小さくて済むため、加熱定着ロールの耐熱性弾性体層を薄肉化できる。これは加熱定着ロールの低熱容量化に寄与するため、よりインスタントスタート性が向上するとともに、消費電力の低減をも図ることができる。すなわち、熱伝導性が悪い耐熱性弾性体層を薄肉化できるため、加熱定着ロール内面と外面との間の熱抵抗を小さくでき、熱応答が早くなる。従って、より高速な定着が可能となる。さらに、前記歪み量が小さくて済むため、耐熱性樹脂層の摩耗を少なくすることができる。
前記圧力パッドの総押圧力は、588N(60kgf)以下であることが望ましい。圧力を高くすると、加熱定着ロール表面に薄膜の耐熱性樹脂層を用いた場合に該樹脂層にシワが発生する場合があり、加熱定着ロールの耐久性が著しく低下するばかりか、耐熱性弾性層と耐熱性樹脂からなる離型層との間の剥がれや耐熱性樹脂層の摩耗等の問題が発生しやすく、離型性能の維持と併せて長期にわたる信頼性が得られにくくなる。また、加熱定着ロールの耐熱性弾性体層を薄肉化できなくなり、インスタントスタート性が得にくくなってしまう問題がある。
前記耐熱性弾性体層の厚さは、0.2〜1.0mmの範囲であることが望ましい。金属などと比べて熱伝導率の低い弾性体層が厚いと、その内部を加熱しても熱の伝わりが遅く、定着装置の高速化への障害となりやすいからである。
なお、定着装置における160℃までの到達時間(ウォームアップタイム)は90sec以下であることが望ましい。前記到達時間が90secを越えると、インスタントオン適性に乏しいことになる。
前記耐熱性樹脂層はフッ素樹脂よりなることが望ましい。フッ素樹脂は、優れた離型性を有し、かつ、経時的な離型劣化が起きにくく、定着装置の長寿命化を図ることができる。フッ素樹脂の例としては、ポリテトラフルオロエチレンや、パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体などが挙げられる。
また、本発明においては、加熱定着ロールの耐熱性樹脂層の厚さが、10〜50μmの範囲であることが望ましい。耐熱性樹脂層の厚さを薄くすることにより、ニップ部での耐熱性弾性体層の歪みが有効に生じ、離型性の向上を図ることができる。
本発明に用いられるトナー画像を転写する被記録体としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、前記被転写体の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を好適に使用することができる。
次に、本発明に用いられるトナーについて説明する。
本発明に用いられるトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含み、体積平均粒径D50が2〜12μmの範囲であることが好ましく、3〜9μmの範囲であることがより好ましい。
また、前記トナーの形状係数SF1が110〜135の範囲のものを用いることにより高い現像、転写性、及び高画質の画像を得ることができる。 本発明に用いられるトナーは、上記の形状指数と粒径を満足する範囲のものであれば特に製造方法により限定されるものではなく、公知の方法を使用することができる。
なお、トナー形状係数SF1は、スライドグラス上に散布したトナー粒子、またはトナーの光学顕微鏡像を、ビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個以上のトナーの最大長と投影面積を求め、下記式(6)によって計算し、その平均値を求めることにより得られるものである。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(6)
上記式(6)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
トナーの製造は、例えば、結着樹脂、着色剤及び離型剤、さらに必要に応じて帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体、着色剤、離型剤、さらに必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂、着色剤、離型剤、さらに必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等が使用できる。
また、上記方法で得られたトナー粒子をコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法を行ってもよい。上記の中では、特に、球状トナーを得ることが容易な湿式製法トナーが好ましく用いられ、さらに、分布がシャープなトナー粒子を得ることができる点で乳化重合凝集法によるトナー粒子が好ましく用いられる。これらのトナー粒子と組み合わせることにより、前記効果が安定になる。
使用される結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体及び共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。
また、前記着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
着色剤の添加量は、トナー粒子全体の3〜20質量%の範囲であることが好ましい。
前記離型剤としては、公知のものが使用できる。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪族アミド類やカルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのような動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス、及びそれらの変性物が挙げられる。これらを単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。本発明においては、高剥離性、高グロスの点からパラフィンワックスを用いることが好ましい。
離型剤の添加量は、トナー粒子全体の3〜20質量%の範囲であることが好ましい。
以下、本発明のトナーの製造方法について説明する。本発明のトナーの製造方法としては、特に限定されないが、トナーとして高画質を得る為の小径かつ狭分布設計、かつ離型剤を内包し表面に露出させない設計を行うためには、実用上は以下に説明する方法(乳化重合凝集法)により作製することが望ましい。
すなわち、本発明に好ましく用いられるトナーは、体積平均粒径が1μm以下の樹脂微粒子を分散させてなる樹脂微粒子分散液、着色剤粒子を分散させてなる着色剤分散液及び離型剤粒子を分散させてなる離型剤分散液を混合して凝集粒子を形成し、該凝集粒子を前記樹脂微粒子のガラス転移温度以上の温度に加熱せしめ融合・合一させたトナー粒子を含むことが好ましい。
上記凝集粒子の形成においては、pH変化により微粒子間の凝集を発生させ、凝集粒子を調製することがよい。同時に微粒子の凝集を安定に、また迅速に、又はより狭い粒度分布を持つ凝集粒子を得るため、凝集剤を添加しても良い。
上記凝集剤としては一価以上の電荷を有する化合物が好ましく、その化合物の具体例としては、前述のイオン性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の水溶性界面活性剤類、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等の酸類、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム等の無機酸の金属塩、酢酸ナトリウム、蟻酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム等の脂肪族酸、芳香族酸の金属塩、ナトリウムフェノレート等のフェノール類の金属塩、アミノ酸の金属塩、トリエタノールアミン塩酸塩、アニリン塩酸塩等の脂肪族、芳香族アミン類の無機酸塩類等が挙げられる。
凝集粒子の安定性、凝集剤の熱や経時に対する安定性、洗浄時の除去を考慮した場合、凝集剤としては、無機酸の金属塩が性能、使用の点で好ましい。具体的には、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム等の無機酸の金属塩などが挙げられる。
これらの凝集剤の添加量は、電荷の価数により異なるが、いずれも少量であって、一価の場合は凝集系全体の3質量%以下程度、二価の場合は1質量%以下程度、三価の場合は0.5質量%以下程度である。凝集剤の量は少ない方が好ましいため、価数の多い化合物を用いることが好ましい。
また、例えば、樹脂微粒子分散液、着色剤分散液、及び離型剤分散液の分散安定を目的として界面活性剤を用いることができる。
界面活性剤としては、例えば硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤;などが挙げられる。これらの中でもイオン性界面活性剤が好ましく、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤がより好ましい。
一般的にはアニオン系界面活性剤は分散力が強く、樹脂微粒子、着色剤の分散に優れている。また、離型剤を分散させるための界面活性剤としてもアニオン系界面活性剤を用いることが有利である。
非イオン系界面活性剤は、前記アニオン系界面活性剤又はカチオン系界面活性剤と併用されるのが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して使用してもよい。
アニオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油ナトリウム等の脂肪酸セッケン類;オクチルサルフェート、ラウリルサルフェート、ラウリルエーテルサルフェート、ノニルフェニルエーテルサルフェート等の硫酸エステル類;ラウリルスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、トリイソプロピルナフタレンスルホネート、ジブチルナフタレンスルホネートなどのアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム;ナフタレンスルホネートホルマリン縮合物、モノオクチルスルホサクシネート、ジオクチルスルホサクシネート、ラウリン酸アミドスルホネート、オレイン酸アミドスルホネート等のスルホン酸塩類;ラウリルホスフェート、イソプロピルホスフェート、ノニルフェニルエーテルホスフェート等のリン酸エステル類;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのジアルキルスルホコハク酸塩類;スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム等のスルホコハク酸塩類;などが挙げられる。
カチオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリルアミン塩酸塩、ステアリルアミン塩酸塩、オレイルアミン酢酸塩、ステアリルアミン酢酸塩、ステアリルアミノプロピルアミン酢酸塩等のアミン塩類;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムクロライド、オレイルビスポリオキシエチレンメチルアンモニウムクロライド、ラウロイルアミノプロピルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ラウロイルアミノプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムパークロレート、アルキルベンゼントリメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;などが挙げられる。
非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート等のアルキルエステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミノエーテル、ポリオキシエチレン大豆アミノエーテル、ポリオキシエチレン牛脂アミノエーテル等のアルキルアミン類;ポリオキシエチレンラウリン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等のアルキルアミド類;ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレンナタネ油エーテル等の植物油エーテル類;ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のソルビタンエステルエーテル類;などが挙げられる。
界面活性剤の各分散液中における含有量としては、本発明を阻害しない程度であれば良く、一般的には少量であり、具体的には凝集系全体の0.01〜10質量%程度の範囲であり、より好ましくは0.05〜5質量%の範囲であり、さらに好ましくは0.1〜2質量%程度の範囲である。含有量が0.01質量%未満であると、樹脂微粒子分散液、着色剤分散液、離型剤分散液等の各分散液が不安定になり、そのため凝集を生じたり、また凝集時に各粒子間の安定性が異なるため、特定粒子の遊離が生じる等の問題があり、また、10質量%を越えると、粒子の粒度分布が広くなったり、また、粒子径の制御が困難になる等の理由から好ましくない。一般的には粒子径の大きい懸濁重合トナー分散物は、界面活性剤の使用量は少量でも安定である。
また、前記融合・合一時にトナーの形状を制御しつつ、トナー同士の融着防止を目的として、多価カルボン酸を用いることができる。以下に挙げるような多価カルボン酸は、トナー形状の制御に必要な値に溶液pHを調整すると同時に、トナー表面に付着してトナー間融着を防ぐ保護膜としても作用していると推測される。
多価カルボン酸の具体例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、クエン酸、リンゴ酸、トリメリット酸などが挙げられる。
以上のようにして得られたトナー粒子には、無機微粒子、帯電制御剤、潤滑剤、研磨剤、クリーニング助剤等の公知の添加剤を外添加処理してもよい。無機微粒子は公知のものを使用できる。例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、メタチタン酸、酸化亜鉛、ジルコニア、マグネシア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム等が挙げられる。また、小径無機微粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性をあげる効果が大きくなるため有効である。
上記表面処理としては、疎水化処理してなるものが好適である。この疎水化処理により、分散性が良好になり、トナー母粒子の流動性向上効果が大きくなる。疎水化処理剤としては公知のものが使用できるが、具体的にはメチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシランを代表的なものとして例示することができる。
本発明におけるトナーは、前記トナー粒子及び上記外添剤をヘンシェルミキサーあるいはVブレンダー等で混合することによって製造することができる。また、トナー粒子を湿式にて製造する場合は、湿式にて外添することも可能である。
本発明においては、トナーのASTMD3418−8に準拠した示差熱分析により得られるガラス転移温度が35〜55℃の範囲であることが好ましい。ガラス転移温度が35℃に満たないと、トナーの保存性に問題が生じる場合がある。55℃を超えると、前記160℃以下での低温定着に対応できない場合がある。
前記ガラス転移温度は40〜50℃の範囲であることがより好ましい。
上記示差熱分析によるガラス転移温度は、以下のようにして求めた。
すなわち、まず自動接線処理システムを備えた島津製作所社製の示差走査熱量計(DSC−50)に測定対象のトナーをセットし、10℃/分の昇温速度で室温から150℃まで加熱して(1回目の昇温過程)温度(℃)と熱量(mW)との関係を求め、次に、10℃/分の降温速度で0℃まで冷却し、再度これを10℃/分の昇温速度で150℃まで加熱して(2回目の昇温過程)データを採取した。このとき、0℃および150℃にてそれぞれ5分間ずつホールドした。
このときの2回目のDSC曲線(吸熱・発熱曲線)における最大の吸熱ピークについて、吸熱ピークのベースラインと立ち上がり勾配との交点からガラス転移温度(Tg)を求めた。
次に、本発明におけるキャリアについて説明する。
本発明における現像剤は、前記トナーとキャリアとを混合してなるが、キャリアとしては、芯材の表面に被覆樹脂をコーテイングしたものが使用される。
前記被覆樹脂としては、公知のものが使用できるが、機械的強度に優れ、摩耗や破損に強い樹脂が良い。具体的には、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系およびポリビニリデン系樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレンアクリル共重合体、ポリスチレン樹脂、メタクリル酸系共重合体などが挙げられる。特に好適なものとしては、ポリスチレン樹脂、アクリル酸樹脂、スチレンアクリル共重合体が挙げられる。
これらの樹脂を用いることにより、膜強度が高いコート層が得られるだけでなく、トナーの結着樹脂のSP値に対応して、ΔSP値を前記本発明の好ましい範囲に調整することができる。
コート量(被覆量)としては、好ましくはキャリア芯材に対して0.5質量%〜5質量%の範囲、より好ましくは1.5質量%〜3.5質量%の範囲である。上記範囲であると、キャリア芯材の被覆が適度となるが、少なすぎるとキャリア芯材の露出が多く、コートキャリアとしての特性が発揮されない。また、多すぎると、キャリア製造時に製造設備への付着が生じ、キャリア同士が合一した凝集体の発生が多くなり、得率が低下するばかりか、キャリアの粉体としての流動性が悪化する。
前記キャリア芯材(コア)としては、鉄粉、マグネタイト、フェライトなど公知の磁性粒子が使用できるが、好ましいものとしてフェライトコアが挙げられる。特に最適なキャリア芯材としてのフェライトコアは、Li、Mg、Ca、Mn、Ni、Cu、Zn、Srから選ばれた一種類以上の元素を含む酸化物とFe23とを主成分として、造粒、焼結して形成された粒子が挙げられる。このフェライトコアはコート樹脂との密着性に優れ、また、コアの表面形状の制御も容易なため、帯電制御剤の分散径の精密な制御に好適である。
また、本発明に使用するのキャリアは、さらに公知の微粒子、例えばアクリル樹脂微粒子、尿素樹脂微粒子、メラミン樹脂微粒子、ナイロン樹脂微粒子などの樹脂微粒子、シリカ微粒子チタニア微粒子、アルミナ微粒子などの酸化金属微粒子などを任意に添加することができる。これら微粒子を添加することで帯電制御剤の分散構造を改善することができる。
また、抵抗を制御する目的で公知の導電性微粒子を用いても良い。例えば、カーボンブラック、金、銀、銅といった金属、また酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、マグネタイト等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。また、導電材料の含有量は、マトリックス樹脂100質量部に対し1〜50質量部の範囲であることが好ましく、3〜20質量部の範囲であることがより好ましい。
本発明に用いるキャリアに使用される製造装置は、公知のいかなる形式のものでもかまわない。例として、流動床、スプレードライ、高速回転ミキサ、プラネタリコーティング装置、ニーダーコーティング装置などが挙げられるが、特に好ましい製造装置としてはニーダーコーティング装置が挙げられる
以上説明した本発明に規定する要件を満たす現像剤を用いた画像形成方法によると、経時でのホットオフセットの発生を防止することができ、長期に渡って加熱定着ロールとトナー画像との良好な離型性を保つことができるため、高速かつ低温定着機能を備えた画像形成装置においても、安定した高グロス、高画質の画像を得ることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」「%」は特に断りのない限り「質量部」「質量%」を意味する。
<各種特性の測定方法>
まず、実施例、比較例で用いたトナー等の物性測定方法について説明する。
(トナー粒度及び粒度分布測定方法)
本発明におけるトナー粒度及び粒度分布測定は、測定装置としてはコールターカウンターTA−II型(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用した。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを前記電解液100〜150ml中に添加した。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2〜60μmの粒子の粒度分布を測定して、前述のようにして体積平均粒径、GSDv、GSDpを求めた。測定する粒子数は50000であった。
(トナーの形状係数SF1測定方法)
トナー形状係数SF1は、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個のトナーの最大長の2乗/投影面積(ML2/A)を計算し、平均値を求めることにより得られたものである。
(樹脂の分子量、分子量分布測定方法)
本発明において、非晶性樹脂、結着樹脂の分子量、分子量分布は以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
(樹脂微粒子、着色剤粒子等の体積平均粒径)
樹脂微粒子、着色剤粒子等の体積平均粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。
<各分散液の調製>
(樹脂微粒子分散液)
スチレン370部、n−ブチルアクリレート30部、アクリル酸8部、ドデカンチオール24部及び四臭化炭素4部を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400、三洋化成(株)製)6部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製)10部をイオン交換水550部に溶解したものに加え、フラスコ中で10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4部を溶解したイオン交換水50部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を行った。
その結果、体積平均粒径が150nmであり、Tgが52℃、重量平均分子量Mwが10500の樹脂粒子が分散された樹脂微粒子分散液が得られた。この分散液の固形分濃度は40%であった。
(着色剤分散液(1))
・カーボンブラック(モーガルL、キャボット製) 60部
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400、三洋化成(株)製) 6部
・イオン交換水 240部
以上の成分を混合して溶解し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して体積平均粒子径が250nmである着色剤(カーボンブラック)粒子が分散された着色剤分散剤(1)を調製した。
(着色剤分散液(2))
・Cyan顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)60部
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400、三洋化成(株)製) 5部
・イオン交換水 240部
以上の成分を混合して溶解し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して体積平均粒子径が250nmである着色剤(Cyan顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(2)を調製した。
(着色剤分散液(3))
・Magenta顔料(C.I.ピグメントレッド122 )60部
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400、三洋化成(株)製) 5部
・イオン交換水 240部
以上の成分を混合して溶解し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して体積平均粒子径が250nmである着色剤(Magenta顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(3)を調製した。
(着色剤分散液(4))
・Yellow顔料(C.I.ピグメントイエロー180)90部
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400、三洋化成(株)製) 5部
・イオン交換水 240部
以上の成分を混合して溶解し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して体積平均粒子径が250nmである着色剤(Yellow顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(4)を調製した。
(離型剤分散液)
・パラフィンワックス(HNP0190、日本精蝋(株)製、融点:85℃)100部
・カチオン性界面活性剤(サニゾールB50、花王(株)製) 5部
・イオン交換水 240部
以上の成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が550nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液を調製した。
<トナー粒子の作製>
(トナー粒子K1)
・樹脂微粒子分散液 234部
・着色剤分散液(1) 30部
・離型剤分散液 50部
・ポリ水酸化アルミニウム(浅田化学社製、Paho2S) 0.5部
・イオン交換水 600部
以上の成分を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら40℃まで加熱した。40℃で30分保持したところ、体積平均粒径が4.5μmの凝集粒子が生成していることを確認された。更に加熱用オイルバスの温度を上げて56℃で1時間保持したところ、体積平均粒径は5.3μmとなった。その後、この凝集粒子を含む分散液に26部の樹脂微粒子分散液を追加した後、加熱用オイルバスの温度を50℃まで上げて30分間保持した。
この凝集粒子を含む分散液に1N水酸化ナトリウムを追加して、系のpHを7.0に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁気シールを用いて攪拌を継続しながら80℃まで加熱し、4時間保持した。冷却後、反応物を濾別し、イオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥してトナー粒子K1を得た。トナー粒子K1のTgは52℃、体積平均粒径は5.9μm、形状係数SF1は132であった。
(トナー粒子C1)
トナー粒子K1の作製において、着色剤分散液(1)の代わりに、着色分散液(2)を用いた以外は同様にしてトナー粒子C1を得た。このトナー粒子C1のTgは52℃、体積平均粒径は5.8μm、形状係数SF1は131であった。
(トナー粒子M1)
トナー粒子K1の作製において、着色剤分散液(1)の代わりに、着色分散液(3)を用いた以外は同様にしてトナー粒子M1を得た。このトナー粒子M1のTgは52℃、体積平均粒径は5.5μm、形状係数SF1は135であった。
(トナー粒子Y1)
トナー粒子K1の作製において、着色剤分散液(1)の代わりに、着色分散液(4)を用いた以外は同様にしてトナー粒子Y1を得た。このトナー粒子Y1のTgは52℃、体積平均粒径は5.9μm、形状係数SF1は130であった。
(トナー粒子K2)
ポリエステル樹脂(テレフタル酸 / ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/ シクロヘキサンジメタノール(モル比:8/6/1)から得られた線状ポリエステル、ガラス転移温度Tg:52℃、数平均分子量Mn:9000、重量平均分子量Mw:26000)100部、カーボンブラック(モーガルL、キャボット社製)4部、及びポリエチレン7部の混合物をエクストルーダで混練し、ジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級し、体積平均粒径D50が5.9μm、形状係数SF1が145のトナー母粒子K2を作製した。
(トナー粒子C2)
トナー粒子K2の作製において、カーボンブラックの代わりに、シアン着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3)を用いた以外は同様にしてトナー粒子C2を得た。このトナー粒子C2のTgは52℃、体積平均粒径は5.6μm、形状係数SF1は141であった。
(トナー粒子M2)
トナー粒子K2の作製において、カーボンブラックの代わりに、マゼンタ着色剤(C.I.ピグメントレッド122)を用いた以外は同様にしてトナー粒子M2を得た。このトナー粒子M2のTgは52℃、体積平均粒径は5.9μm、形状係数SF1は149であった。
(トナー粒子Y2)
トナー粒子K2の作製において、カーボンブラックの代わりに、イエロー着色剤(C.I.ピグメントイエロー180)を用いた以外は同様にしてトナー粒子Y2を得た。このトナー粒子Y2のTgは52℃、体積平均粒径は5.8μm、形状係数SF1は144であった。
<トナーの作製>
上記トナー粒子K1、C1、M1、Y1及びK2、C2、M2、Y2のそれぞれ100部に対して、ルチル型酸化チタン(粒径:20nm、表面処理:n−デシルトリメトキシシラン処理)1.0部、シリカ(粒径:140nm、表面処理:HMDS処理、粒子作製法:ゾルゲル法)1.5部、およびシリカ(粒径:40nm、表面処理:シリコーンオイル処理、粒子作製法:気相酸化法)1.5部を添加した。
これらを、各々5Lヘンシェルミキサーで周速30m/sで15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、表面に添加剤が外添されたトナーを得た。得られたトナーを、各々トナーK1、C1、M1、Y1及びK2、C2、M2、Y2とした。
<キャリアの製造>
(キャリア1)
・フェライト粒子(体積平均粒径:35μm) 100部
・トルエン 14部
・ポリメチルメタクリレート(重量平均分子量:75000) 2部
・カーボンブラック(VXC72、キャボット社製) 0.2部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間サンドミルにて撹拌させ、分散した被覆液を秤量し、次に、この被覆液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れ、攪拌しながら、60℃にて74600Pa(−200mmHg)まで減圧し30分混合した後、昇温/減圧させ90℃/5332.9Pa(−720mHg)で50分間 攪拌 乾燥させることによりキャリア1を得た。
(キャリア2)
・フェライト粒子(体積平均粒径:35μm) 100部
・トルエン 14部
・エチルメタクリレート(重量平均分子量:75000) 2部
・カーボンブラック(VXC72、キャボット社製) 0.2部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間サンドミルにて撹拌させ、分散した被覆液を秤量し、次に、この被覆液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れ、攪拌しながら、60℃にて−200mmHgまで減圧し30分混合した後、昇温/減圧させ90℃/−720mHgで50分間 攪拌 乾燥させることによりキャリア2を得た。
(キャリア3)
・フェライト粒子(体積平均粒径:35μm) 100部
・トルエン 14部
・イソプロピルメタクリレート(重量平均分子量:75000) 2部
・カーボンブラック(VXC72、キャボット社製) 0.2部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間サンドミルにて撹拌させ、分散した被覆液を秤量し、次に、この被覆液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れ、攪拌しながら、60℃にて−200mmHgまで減圧し30分混合した後、昇温/減圧させ90℃/−720mHgで50分間 攪拌 乾燥させることによりキャリア3を得た。
(キャリア4)
・フェライト粒子(体積平均粒径:35μm) 100部
・トルエン 14部
・ターシャリーブチルメタクリレート(重量平均分子量:75000) 2部
・カーボンブラック(VXC72、キャボット社製) 0.2部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間サンドミルにて撹拌させ、分散した被覆液を秤量し、次に、この被覆液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れ、攪拌しながら、60℃にて−200mmHgまで減圧し30分混合した後、昇温/減圧させ90℃/−720mHgで50分間 攪拌 乾燥させることによりキャリア4を得た。
(キャリア5)
・フェライト粒子(体積平均粒径:35μm) 100部
・トルエン 14部
・パーフルオロオクチルエチルメタクリレート/メタクリレート共重合体(モル比:5/4、重量平均分子量:7000) 2部
・カーボンブラック(VXC72、キャボット社製) 0.2部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間サンドミルにて撹拌させ、分散した被覆液を秤量し、次に、この被覆液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れ、攪拌しながら、60℃にて−200mmHgまで減圧し30分混合した後、昇温/減圧させ90℃/−720mHgで30分間 攪拌 乾燥させることによりキャリア5を得た。
(キャリア6)
・フェライト粒子(体積平均粒径:35μm) 100部
・トルエン 14部
・シリコーン樹脂(メチルトリクロロシラン/ジメチルジクロロシランを加水分解した低分子量シラノール) 2.5部
・カーボンブラック(VXC72、キャボット社製) 0.2部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間サンドミルにて撹拌させ、分散した被覆液を秤量し、次に、この被覆液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れ、攪拌しながら、60℃にて−200mmHgまで減圧し30分混合した後、昇温/減圧させ90℃/−720mHgで30分間 攪拌 乾燥した。その後、常圧で200℃加熱 架橋させることによりキャリア6を得た。
<SP値の計算>
前述のように、Fedorsの式及び「接着の基礎理論」(井本稔著、高分子刊行会発行、第5章)に記載の各原子団の蒸発エネルギーei及びモル体積viを用いて、前記式(2)により各トナー結着樹脂、並びにキャリア被覆樹脂のSP値を求めた。
簡略化した化学式の繰り返し単位、含有官能基、それぞれのei、vi及び算出したSP値を、キャリア被覆樹脂については表1に、結着樹脂については表2にまとめて示した。
Figure 0004513624
Figure 0004513624
<現像剤の作製>
前記各色のトナー8部と、キャリア92部とを混合し、Vブレンダ−で20rpmで20分間攪拌した。取り出上記のようにして、1種のキャリアに対してイエロー、マゼンタ、シアン、黒の4色のトナーを組み合わせたフルカラー現像剤セット1〜9を得た。各現像剤セットの内容を表3に示す。
し後、150μmの篩分網で篩分し、各色の現像剤を得た。
Figure 0004513624
<画像形成装置>
評価のための画像形成装置としては、Fuji Xerox社製、Docu Centre Color450のカラープロセススピードを105mm/secと210mm/secとに外部から設定変更できるようにし、また、定着器の定着中心設定を160℃とした改造機を用いた。なお、この改造機においては、定着器のラッチを解除した状態で、未定着画像を出力することができるように加工されている。
一方、Docu Center Color450の定着器と同等の定着器を、外部で動くようにした定着ベンチを作製した。この定着ベンチでは、プロセススピードを同様の105mm/sec及び210mm/secに調整できるよう改造し、非接触温度計(KEYENCE社製、IT2−50)の温度センサーを加熱定着ロール表面に設置し、加熱ロールの温度を測定できるようにした。
上記定着ベンチの仕様としては、Docu Center Color450の定着器に用いている部品はそのまま用いた。詳細な仕様を以下に示す。
加熱定着ロールは、直径26mmのアルミ製筒状芯金の周囲に耐熱性弾性体層(シリコーンゴム)、および離型層(耐熱性樹脂層:PFA)を形成したものであり、筒状内部には、加熱源としてのハロゲンランプが配置されている。加熱定着ロールの表面の温度は前記温度センサ(非接触)によって計測され、その計測信号により、温度コントローラによってハロゲンランプがフィードバック制御され、ロールの表面が一定温度になるように調整される。なお、設定温度は外部から設定できるよう改造されている。
無端ベルトは、加熱定着ロールに対し所定の角度で巻き付けられるように接触し、ニップ部を形成している。ニップ幅は7mmに設定した。無端ベルトの内側には、圧力パッドが無端ベルトを介して加熱定着ロールに押圧される状態で配置されている。この圧力は343N(35kgf)に設定した。
加熱定着ロールはモータにより回転させられ、この回転により無端ベルトも従動回転する。無端ベルトは、ポリイミド層とその表面に被覆されたテフロン(登録商標)からなる離型層とから構成されたものである。
<実施例1>
前記富士ゼロックス社製DocuCenterColor450改造機に、現像剤セット1を装填し、以下のような条件で画像出しを行った。
1)環境 ・・・ 温度:20℃、湿度:40%RH
2)用紙 ・・・ A4紙(富士ゼロックス社製、C2紙)
3)画像出しチャート ・・・ 画像密度:各色5%
4)濃度 ・・・ 付着量(TMA):各色一律 4.5g/m2
5)定着評価画像チャート ・・・ 図1に示すように、記録用紙10の出力方向(矢印A)先端より20mmの位置に20mm×20mm四方の6つのパッチ20を均等に配列した。色は、Y、M、C、K、3C(Y、M、C3色重ね)、4C(Y、M、C、K4色重ね)の6パッチとした。
具体的な画出し及び評価は、まず初期においてTMAを調整した後、プロセススピードを設定し(105mm/sまたは210mm/s)、初期未定着画像10枚を採取し、定着評価を行なった。次いで、連続7000枚の画像出しを行なった後、再度TMAを確認、調整し未定着画像10枚を採取し、同様に定着評価を行なった。
上記定着評価は、以下の方法、判断基準により行なった。
1)定着温度を、下記9点にそれぞれ設定し、各温度が安定した時点で未定着画像を定着させた。
設定温度:130℃、140℃、150℃、155℃、160℃、165℃、170℃、175℃、180℃
2)オフセット履歴が残らないように、各温度定着後、定着器に白紙を流す等の清掃を実施した。
3)図1における3Cパッチの中心より、82mm後方部分(直径26mmの加熱定着ロールの1周分の位置)の濃度を光学濃度径(X−rite社製、404A)で測定し、オフセットが生じていないか確認した。判断基準としては、〔(未使用紙濃度)−(前記後方部分濃度)〕≧0.05である時をホットオフセット発生温度とした。なお、本評価は、光学濃度計を用いずとも目視で十分確認できる評価であるため、目視による判断を行ってもよい。
4)また、初期、7000枚後のオフセットが発生していない3Cパッチについて、光沢度計(ビックケミージャパン社製、micro TRI gloss)によりグロスを測定した。
結果をまとめて表4に示す。
<実施例2〜5、比較例1〜4>
実施例1において、現像剤セットとして表4に示すものを各々用いた以外は同様にして画像出しを行い、同様の評価を行なった。
結果をまとめて表4に示す。
<実施例6>
実施例1において、定着評価に用いる定着ベンチにおける無端ベルトと加熱定着ベルトとのニップ幅を4mmとした以外は同様にして画像出しを行い、同様の評価を行なった。
結果をまとめて表4に示す
<実施例7>
実施例1において、定着評価に用いる定着ベンチにおける無端ベルトと加熱定着ベルトとのニップ幅を10mmとした以外は同様にして画像出しを行い、同様の評価を行なった。
結果をまとめて表4に示す。
なお、表4においては、本評価では160℃を定着設定中心温度にしているため、オフセット発生温度が160℃を超えるものは「無し」、160℃以下で発生のものは「発生」と示した。また、前記〔(未使用紙濃度)−(前記後方部分濃度)≧0.05である時、あるいはオフセットが目視で確認できるときの定着温度を括弧内に記載した。また「≧180℃」は180℃でオフセット未発生であることを示す。
Figure 0004513624
表4に示す結果から、以下のことがいえる。
1)結着樹脂とキャリア被覆樹脂のΔSR値増大により、オフセット発生温度が低下することが確認された。
2)初期でのオフセットの発生は無い場合でも、経時の攪拌によりキャリア被覆樹脂がトナーに移行しオフセットを発生させていることが確認された。
3)低速プロセススピードでの発生は目立たず、高速プロセススピードにて発生することが確認された。
4)3色以上カラートナー重ねの部分(3Cパッチ、4Cパッチ)では、明らかに単色や黒色のみよりオフセット発生が顕著であった。
5)ΔSP値が>2.5になると、数十℃レベルの大幅なオフセット温度の低下が見られる。このことは、本実施例の定着器、定着中心設定温度に限らず、高速域において結着樹脂とキャリア被覆樹脂とのΔSP値がオフセット発生の制御因子となる。
図2は、前記評価結果をまとめて、プロセススピードが210mm/sのときのΔSP値とオフセット発生温度との関係を示したものである。
図2より、ΔSP値が増大することにより、オフセット温度が低下していることがわかる。特にΔSP値2.5を境としてそれより大きい領域では、オフセット発生温度が急激に低下することがわかる。通常、マシン設計において、定着許容温度は定着中心設定温度に対し、1割程度のラチチュード温度を有する。本実施結果からは、ΔSP値が2.5を超えるとオフセット発生温度が20℃以上低下する。これは、高速フルカラーマシンの低温定着化を目的とする本発明においては致命的な温度低下であることを意味する。
そして、この結果から、ΔSP値を2.5以下とすれば、高速プロセスにおいて定着中心設定温度を160℃としても、経時を含めてオフセット発生を防止することができることがわかる。
画像出し用チャートの模式図である。 ΔSP値とオフセット発生温度との関係を示す図である。
符号の説明
10 記録用紙(被記録体)
20 パッチ

Claims (4)

  1. 少なくとも、潜像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤担持体に担持された現像剤を用い、前記潜像担持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、該トナー画像を被転写体表面に転写する転写工程と、被記録体表面に転写されたトナー画像を熱定着する定着工程と有し、一定のプロセススピードで画像を形成するフルカラー画像形成方法であって、
    前記プロセススピードが150〜350mm/secの範囲、前記定着工程における定着中心設定温度が70〜160℃の範囲であり、前記現像剤が、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含むトナーと、芯材を被覆樹脂で被覆してなるキャリアとからなり、前記結着樹脂の溶解性パラメータSP1及び前記被覆樹脂の溶解性パラメーターSP2が、下記式(1)に示す関係を満たすことを特徴とするフルカラー画像形成方法。
    0.5(MJ/m31/2≦(SP1−SP2)≦2.5(MJ/m31/2 ・・・ 式(1)
  2. 複数の潜像担持体がそれぞれ現像剤担持体を有してなり、該複数の潜像担持体及び現像剤担持体それぞれによる前記潜像形成工程、現像工程及び転写工程からなる一連の工程により、1の被記録体表面に、前記一連の工程ごとのトナー画像が順次積層形成され、前記定着工程において、前記積層されたトナー画像が、前記被記録体に熱定着されることを特徴とする請求項1に記載のフルカラー画像形成方法。
  3. 前記トナーが、体積平均粒径が1μm以下の樹脂微粒子を分散した樹脂微粒子分散液と着色剤粒子を分散させた着色剤分散液と離型剤粒子を分散させた離型剤分散液とを混合することにより、前記樹脂微粒子、着色剤粒子及び離型剤粒子を凝集させて凝集粒子を形成し、次いで、前記樹脂微粒子のガラス転移点以上の温度に加熱せしめ融合・合一させたトナー粒子を含んでなり、前記離型剤がパラフィン系ワックスであり、前記トナーのASTMD3418−8に準拠した示差熱分析により得られるガラス転移温度が35〜55℃の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載のフルカラー画像形成方法。
  4. 前記定着工程が、加熱定着ロールと該加熱定着ロールに所定のニップ部を形成して圧接される加圧無端ベルトからなる定着装置を用いた定着工程であり、前記ニップ部の幅が3〜12mmの範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフルカラー画像形成方法。
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