JP4513624B2 - フルカラー画像形成方法 - Google Patents
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Description
このように、混練粉砕法でカラートナーにワックスを含有させることは、トナー粒子表面にワックスが出易いため、流動性、帯電特性が悪化し、実用化が困難であった。
しかしながら、この方式では高画質や定着性能を得るために、加熱定着ロールとして比較的厚めの弾性層、さらには該弾性層上に離型層を有するロールを用いる必要が生じることから、ウォームアップタイムが長くなってしまい、省エネルギーの観点からも問題があった。
しかしながら、初期的に定着特性がとれている現像剤でも、経時で定着特性が悪くなり、この定着維持性が問題となっていた。この問題は、定着画像が加熱定着ロールに付着するオフセットであり、画像抜け、加熱定着ロールへのトナー汚染が生じた。特に、高温時の加熱定着ロールへの画像オフセット発生温度(耐ホットオフセット性)を低下させる傾向があった。
つまり、高速でフルカラー画像を低温定着するためは、定着特性の安定した維持性が新たな問題となった。
すなわち、本発明は、高速フルカラー画像形成において、経時による耐オフセット性の低下がなく、高画質、高グロスの画像を長期に渡り安定した品質で提供でき、さらに省電力やインスタントスタート性に優れるフルカラー画像形成方法を提供することを目的とする。
前記プロセススピードが150〜350mm/secの範囲、前記定着工程における定着中心設定温度が70〜160℃の範囲であり、前記現像剤が、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含むトナーと、芯材を被覆樹脂で被覆してなるキャリアとからなり、前記結着樹脂の溶解性パラメータSP1及び前記被覆樹脂の溶解性パラメーターSP2が、下記式(1)に示す関係を満たすフルカラー画像形成方法である。
0.5(MJ/m3)1/2≦(SP1−SP2)≦2.5(MJ/m3)1/2 ・・・ 式(1)
本発明のフルカラー画像形成方法は、少なくとも、潜像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤担持体に担持された現像剤を用い、前記潜像担持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、該トナー画像を被転写体表面に転写する転写工程と、被記録体表面に転写されたトナー画像を熱定着する定着工程と有し、一定のプロセススピードで画像を形成するフルカラー画像形成方法であって、前記プロセススピードが150〜350mm/secの範囲、前記定着工程における定着中心設定温度が70〜160℃の範囲であり、前記現像剤が、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含むトナーと、芯材を被覆樹脂で被覆してなるキャリアとからなり、前記結着樹脂の溶解性パラメータ(以下、「SP値」という場合がある)SP1及び前記被覆樹脂の溶解性パラメーターSP2が、下記式(1)に示す関係を満たすことを特徴とする。
0.5(MJ/m3)1/2≦(SP1−SP2)≦2.5(MJ/m3)1/2 ・・・ 式(1)
この問題は、今迄の現像剤及び現像、定着システムでも生じていた現象であるが、実際には殆ど確認できないレベルのものであった。つまり、フルカラー画像形成の高速化、低温定着化、さらには高グロス化/高画質化を進めていく上でより顕著になった問題である。
なお、上記「定着中心設定温度」とは、定着部材の表面に設置された温度センサーからの信号をもとに、定着部材の加熱を行う加熱源のオン/オフを制御するための設定温度をいう。
0.5(MJ/m3)1/2≦(SP1−SP2)≦2.5(MJ/m3)1/2 ・・・ 式(1)
SP値とは、溶解性パラメーターと言われるもので、どれだけ互いが溶けやすいかということを数値化したものである。このSP値は、互いの分子間の引き合う力、すなわち凝集エネルギー密度CED(Cohesive Energy Density)の平方根で表される。なお、CEDとは、1mlのものを蒸発させるのに要するエネルギー量である。
SP値(溶解パラメーター)=(CED値)1/2=(E/V)1/2 ・・・ 式(2)
上記式(2)において、Eは分子凝集エネルギー(cal/mol)、Vは分子容(cm3/mol)であり、蒸発エネルギーをei、モル体積をviとしたとき、各々下式(3)、(4)で表される。
E=Σei ・・・ 式(3)
V=Σvi ・・・ 式(4)
なお、ここで単位に(cal)を用いたのは、一般の書籍等に記されている文献値の殆どが(cal)単位での表示であるため敢えて用いた。実際SI単位としてのJ(ジュール)への換算は、1cal=4.18605Jの換算式を用いた。
本発明におけるSP値を比較する材料は、トナー結着樹脂及びキャリア被覆樹脂である。これらの樹脂としては、何種類かを混合させて用いることができるが、その際混合樹脂のSP値は、混合する全ての樹脂のSP値を求め、トナー結着樹脂に関しては最も大きいSP値を、キャリア被覆樹脂に関しては最も小さいSP値を選択した。これは、キャリア被覆樹脂のSP値が小さい程定着に悪影響を及ぼすことが確認されているためである。また、芯材に被覆樹脂を被覆する際、混合樹脂中の低SP値の樹脂が表面に出やすい傾向があるためである。
但し、微量の混合樹脂に関しては影響が小さいため、計算を考慮しなくて良い。ここでいう微量とは、キャリア被覆樹脂全体に対し、3質量%以下であることを意味する。
共重合体等、幾つかのモノマー単位を重合してなる共重合樹脂の場合、樹脂中の組成比(モル分率)での計算を行う。
例えばコモノマーXとコモノマーYとからなるランダム共重合体(X)m(Y)n(m、nは1以上の整数)のSP値(SPmn)は、下記式(5)により求められる。
SPmn=[ [ Ex×m /(m+n) + Ey×n/(m+n)]/[ Vx×m /(m+n)+ Vy×n(m+n)] ]1/2 ・・・ 式(5)
なお本計算式は、産業技術サービスセンター発行の「プラスチックのコーティング技術総覧」(p122〜124)に記されている。
本発明の画像形成方法は、潜像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤担持体に担持された現像剤を用い、前記潜像担持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記潜像担持体表面に形成されたトナー画像を被記録体の表面に直接転写する転写工程と、被記録体表面に転写されたトナー画像を熱定着する定着工程と、を含むものであって、前記現像剤として、前記トナーとキャリアとからなる現像剤を用いるものである。前記工程に加えて、さらに、潜像担持体表面に残ったトナーをクリーニングするクリーニング工程を含んでもよい。
本発明のフルカラー画像形成方法は、潜像形成工程においてなんら特別の制限を受けるものではない。
本発明の画像形成方法においては、転写装置に関し、特に制限を受けるものではない。
本発明の画像形成方法においては、クリーニング方式については特に制限を受けるものではない。
本発明の画像形成方法においては、定着方式については特に制限を受けるものではない。
本発明における定着工程は、加熱定着ロールにオイルを供給しないオイルレス定着を基本とする。このため、フルカラー画像のように被記録体上に3色のトナーが重ねられ、トナー載り量が1.3〜2.7mg/cm2の範囲程度とかなり高い場合にも高グロスの画像を得るには、加熱定着ロールと該加熱定着ロールに所定のニップ部を形成して圧接される加圧無端ベルトからなる定着装置(ベルトニップ方式)を用いることが好ましい。
この定着システムを用いることにより、光透過性、着色力に優れるフルカラー画像が得られ、インスタントオン定着を良好に行なうことができる。
前記ニップ部の幅は、4〜8mmの範囲であることがより好ましい。
なお、定着装置における160℃までの到達時間(ウォームアップタイム)は90sec以下であることが望ましい。前記到達時間が90secを越えると、インスタントオン適性に乏しいことになる。
本発明に用いられるトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含み、体積平均粒径D50が2〜12μmの範囲であることが好ましく、3〜9μmの範囲であることがより好ましい。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(6)
上記式(6)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
着色剤の添加量は、トナー粒子全体の3〜20質量%の範囲であることが好ましい。
離型剤の添加量は、トナー粒子全体の3〜20質量%の範囲であることが好ましい。
界面活性剤としては、例えば硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤;などが挙げられる。これらの中でもイオン性界面活性剤が好ましく、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤がより好ましい。
多価カルボン酸の具体例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、クエン酸、リンゴ酸、トリメリット酸などが挙げられる。
前記ガラス転移温度は40〜50℃の範囲であることがより好ましい。
すなわち、まず自動接線処理システムを備えた島津製作所社製の示差走査熱量計(DSC−50)に測定対象のトナーをセットし、10℃/分の昇温速度で室温から150℃まで加熱して(1回目の昇温過程)温度(℃)と熱量(mW)との関係を求め、次に、10℃/分の降温速度で0℃まで冷却し、再度これを10℃/分の昇温速度で150℃まで加熱して(2回目の昇温過程)データを採取した。このとき、0℃および150℃にてそれぞれ5分間ずつホールドした。
このときの2回目のDSC曲線(吸熱・発熱曲線)における最大の吸熱ピークについて、吸熱ピークのベースラインと立ち上がり勾配との交点からガラス転移温度(Tg)を求めた。
本発明における現像剤は、前記トナーとキャリアとを混合してなるが、キャリアとしては、芯材の表面に被覆樹脂をコーテイングしたものが使用される。
これらの樹脂を用いることにより、膜強度が高いコート層が得られるだけでなく、トナーの結着樹脂のSP値に対応して、ΔSP値を前記本発明の好ましい範囲に調整することができる。
まず、実施例、比較例で用いたトナー等の物性測定方法について説明する。
(トナー粒度及び粒度分布測定方法)
本発明におけるトナー粒度及び粒度分布測定は、測定装置としてはコールターカウンターTA−II型(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用した。
トナー形状係数SF1は、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個のトナーの最大長の2乗/投影面積(ML2/A)を計算し、平均値を求めることにより得られたものである。
本発明において、非晶性樹脂、結着樹脂の分子量、分子量分布は以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
樹脂微粒子、着色剤粒子等の体積平均粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。
(樹脂微粒子分散液)
スチレン370部、n−ブチルアクリレート30部、アクリル酸8部、ドデカンチオール24部及び四臭化炭素4部を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400、三洋化成(株)製)6部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製)10部をイオン交換水550部に溶解したものに加え、フラスコ中で10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4部を溶解したイオン交換水50部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を行った。
・カーボンブラック(モーガルL、キャボット製) 60部
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400、三洋化成(株)製) 6部
・イオン交換水 240部
・Cyan顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)60部
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400、三洋化成(株)製) 5部
・イオン交換水 240部
・Magenta顔料(C.I.ピグメントレッド122 )60部
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400、三洋化成(株)製) 5部
・イオン交換水 240部
・Yellow顔料(C.I.ピグメントイエロー180)90部
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400、三洋化成(株)製) 5部
・イオン交換水 240部
・パラフィンワックス(HNP0190、日本精蝋(株)製、融点:85℃)100部
・カチオン性界面活性剤(サニゾールB50、花王(株)製) 5部
・イオン交換水 240部
(トナー粒子K1)
・樹脂微粒子分散液 234部
・着色剤分散液(1) 30部
・離型剤分散液 50部
・ポリ水酸化アルミニウム(浅田化学社製、Paho2S) 0.5部
・イオン交換水 600部
トナー粒子K1の作製において、着色剤分散液(1)の代わりに、着色分散液(2)を用いた以外は同様にしてトナー粒子C1を得た。このトナー粒子C1のTgは52℃、体積平均粒径は5.8μm、形状係数SF1は131であった。
トナー粒子K1の作製において、着色剤分散液(1)の代わりに、着色分散液(3)を用いた以外は同様にしてトナー粒子M1を得た。このトナー粒子M1のTgは52℃、体積平均粒径は5.5μm、形状係数SF1は135であった。
トナー粒子K1の作製において、着色剤分散液(1)の代わりに、着色分散液(4)を用いた以外は同様にしてトナー粒子Y1を得た。このトナー粒子Y1のTgは52℃、体積平均粒径は5.9μm、形状係数SF1は130であった。
ポリエステル樹脂(テレフタル酸 / ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/ シクロヘキサンジメタノール(モル比:8/6/1)から得られた線状ポリエステル、ガラス転移温度Tg:52℃、数平均分子量Mn:9000、重量平均分子量Mw:26000)100部、カーボンブラック(モーガルL、キャボット社製)4部、及びポリエチレン7部の混合物をエクストルーダで混練し、ジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級し、体積平均粒径D50が5.9μm、形状係数SF1が145のトナー母粒子K2を作製した。
トナー粒子K2の作製において、カーボンブラックの代わりに、シアン着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3)を用いた以外は同様にしてトナー粒子C2を得た。このトナー粒子C2のTgは52℃、体積平均粒径は5.6μm、形状係数SF1は141であった。
トナー粒子K2の作製において、カーボンブラックの代わりに、マゼンタ着色剤(C.I.ピグメントレッド122)を用いた以外は同様にしてトナー粒子M2を得た。このトナー粒子M2のTgは52℃、体積平均粒径は5.9μm、形状係数SF1は149であった。
トナー粒子K2の作製において、カーボンブラックの代わりに、イエロー着色剤(C.I.ピグメントイエロー180)を用いた以外は同様にしてトナー粒子Y2を得た。このトナー粒子Y2のTgは52℃、体積平均粒径は5.8μm、形状係数SF1は144であった。
上記トナー粒子K1、C1、M1、Y1及びK2、C2、M2、Y2のそれぞれ100部に対して、ルチル型酸化チタン(粒径:20nm、表面処理:n−デシルトリメトキシシラン処理)1.0部、シリカ(粒径:140nm、表面処理:HMDS処理、粒子作製法:ゾルゲル法)1.5部、およびシリカ(粒径:40nm、表面処理:シリコーンオイル処理、粒子作製法:気相酸化法)1.5部を添加した。
(キャリア1)
・フェライト粒子(体積平均粒径:35μm) 100部
・トルエン 14部
・ポリメチルメタクリレート(重量平均分子量:75000) 2部
・カーボンブラック(VXC72、キャボット社製) 0.2部
・フェライト粒子(体積平均粒径:35μm) 100部
・トルエン 14部
・エチルメタクリレート(重量平均分子量:75000) 2部
・カーボンブラック(VXC72、キャボット社製) 0.2部
・フェライト粒子(体積平均粒径:35μm) 100部
・トルエン 14部
・イソプロピルメタクリレート(重量平均分子量:75000) 2部
・カーボンブラック(VXC72、キャボット社製) 0.2部
・フェライト粒子(体積平均粒径:35μm) 100部
・トルエン 14部
・ターシャリーブチルメタクリレート(重量平均分子量:75000) 2部
・カーボンブラック(VXC72、キャボット社製) 0.2部
・フェライト粒子(体積平均粒径:35μm) 100部
・トルエン 14部
・パーフルオロオクチルエチルメタクリレート/メタクリレート共重合体(モル比:5/4、重量平均分子量:7000) 2部
・カーボンブラック(VXC72、キャボット社製) 0.2部
・フェライト粒子(体積平均粒径:35μm) 100部
・トルエン 14部
・シリコーン樹脂(メチルトリクロロシラン/ジメチルジクロロシランを加水分解した低分子量シラノール) 2.5部
・カーボンブラック(VXC72、キャボット社製) 0.2部
前述のように、Fedorsの式及び「接着の基礎理論」(井本稔著、高分子刊行会発行、第5章)に記載の各原子団の蒸発エネルギーei及びモル体積viを用いて、前記式(2)により各トナー結着樹脂、並びにキャリア被覆樹脂のSP値を求めた。
簡略化した化学式の繰り返し単位、含有官能基、それぞれのei、vi及び算出したSP値を、キャリア被覆樹脂については表1に、結着樹脂については表2にまとめて示した。
前記各色のトナー8部と、キャリア92部とを混合し、Vブレンダ−で20rpmで20分間攪拌した。取り出上記のようにして、1種のキャリアに対してイエロー、マゼンタ、シアン、黒の4色のトナーを組み合わせたフルカラー現像剤セット1〜9を得た。各現像剤セットの内容を表3に示す。
し後、150μmの篩分網で篩分し、各色の現像剤を得た。
評価のための画像形成装置としては、Fuji Xerox社製、Docu Centre Color450のカラープロセススピードを105mm/secと210mm/secとに外部から設定変更できるようにし、また、定着器の定着中心設定を160℃とした改造機を用いた。なお、この改造機においては、定着器のラッチを解除した状態で、未定着画像を出力することができるように加工されている。
加熱定着ロールは、直径26mmのアルミ製筒状芯金の周囲に耐熱性弾性体層(シリコーンゴム)、および離型層(耐熱性樹脂層:PFA)を形成したものであり、筒状内部には、加熱源としてのハロゲンランプが配置されている。加熱定着ロールの表面の温度は前記温度センサ(非接触)によって計測され、その計測信号により、温度コントローラによってハロゲンランプがフィードバック制御され、ロールの表面が一定温度になるように調整される。なお、設定温度は外部から設定できるよう改造されている。
加熱定着ロールはモータにより回転させられ、この回転により無端ベルトも従動回転する。無端ベルトは、ポリイミド層とその表面に被覆されたテフロン(登録商標)からなる離型層とから構成されたものである。
前記富士ゼロックス社製DocuCenterColor450改造機に、現像剤セット1を装填し、以下のような条件で画像出しを行った。
1)環境 ・・・ 温度:20℃、湿度:40%RH
2)用紙 ・・・ A4紙(富士ゼロックス社製、C2紙)
3)画像出しチャート ・・・ 画像密度:各色5%
4)濃度 ・・・ 付着量(TMA):各色一律 4.5g/m2
5)定着評価画像チャート ・・・ 図1に示すように、記録用紙10の出力方向(矢印A)先端より20mmの位置に20mm×20mm四方の6つのパッチ20を均等に配列した。色は、Y、M、C、K、3C(Y、M、C3色重ね)、4C(Y、M、C、K4色重ね)の6パッチとした。
1)定着温度を、下記9点にそれぞれ設定し、各温度が安定した時点で未定着画像を定着させた。
設定温度:130℃、140℃、150℃、155℃、160℃、165℃、170℃、175℃、180℃
2)オフセット履歴が残らないように、各温度定着後、定着器に白紙を流す等の清掃を実施した。
3)図1における3Cパッチの中心より、82mm後方部分(直径26mmの加熱定着ロールの1周分の位置)の濃度を光学濃度径(X−rite社製、404A)で測定し、オフセットが生じていないか確認した。判断基準としては、〔(未使用紙濃度)−(前記後方部分濃度)〕≧0.05である時をホットオフセット発生温度とした。なお、本評価は、光学濃度計を用いずとも目視で十分確認できる評価であるため、目視による判断を行ってもよい。
4)また、初期、7000枚後のオフセットが発生していない3Cパッチについて、光沢度計(ビックケミージャパン社製、micro TRI gloss)によりグロスを測定した。
結果をまとめて表4に示す。
実施例1において、現像剤セットとして表4に示すものを各々用いた以外は同様にして画像出しを行い、同様の評価を行なった。
結果をまとめて表4に示す。
実施例1において、定着評価に用いる定着ベンチにおける無端ベルトと加熱定着ベルトとのニップ幅を4mmとした以外は同様にして画像出しを行い、同様の評価を行なった。
結果をまとめて表4に示す
実施例1において、定着評価に用いる定着ベンチにおける無端ベルトと加熱定着ベルトとのニップ幅を10mmとした以外は同様にして画像出しを行い、同様の評価を行なった。
結果をまとめて表4に示す。
1)結着樹脂とキャリア被覆樹脂のΔSR値増大により、オフセット発生温度が低下することが確認された。
2)初期でのオフセットの発生は無い場合でも、経時の攪拌によりキャリア被覆樹脂がトナーに移行しオフセットを発生させていることが確認された。
3)低速プロセススピードでの発生は目立たず、高速プロセススピードにて発生することが確認された。
4)3色以上カラートナー重ねの部分(3Cパッチ、4Cパッチ)では、明らかに単色や黒色のみよりオフセット発生が顕著であった。
5)ΔSP値が>2.5になると、数十℃レベルの大幅なオフセット温度の低下が見られる。このことは、本実施例の定着器、定着中心設定温度に限らず、高速域において結着樹脂とキャリア被覆樹脂とのΔSP値がオフセット発生の制御因子となる。
図2より、ΔSP値が増大することにより、オフセット温度が低下していることがわかる。特にΔSP値2.5を境としてそれより大きい領域では、オフセット発生温度が急激に低下することがわかる。通常、マシン設計において、定着許容温度は定着中心設定温度に対し、1割程度のラチチュード温度を有する。本実施結果からは、ΔSP値が2.5を超えるとオフセット発生温度が20℃以上低下する。これは、高速フルカラーマシンの低温定着化を目的とする本発明においては致命的な温度低下であることを意味する。
20 パッチ
Claims (4)
- 少なくとも、潜像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤担持体に担持された現像剤を用い、前記潜像担持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、該トナー画像を被転写体表面に転写する転写工程と、被記録体表面に転写されたトナー画像を熱定着する定着工程と有し、一定のプロセススピードで画像を形成するフルカラー画像形成方法であって、
前記プロセススピードが150〜350mm/secの範囲、前記定着工程における定着中心設定温度が70〜160℃の範囲であり、前記現像剤が、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含むトナーと、芯材を被覆樹脂で被覆してなるキャリアとからなり、前記結着樹脂の溶解性パラメータSP1及び前記被覆樹脂の溶解性パラメーターSP2が、下記式(1)に示す関係を満たすことを特徴とするフルカラー画像形成方法。
0.5(MJ/m3)1/2≦(SP1−SP2)≦2.5(MJ/m3)1/2 ・・・ 式(1) - 複数の潜像担持体がそれぞれ現像剤担持体を有してなり、該複数の潜像担持体及び現像剤担持体それぞれによる前記潜像形成工程、現像工程及び転写工程からなる一連の工程により、1の被記録体表面に、前記一連の工程ごとのトナー画像が順次積層形成され、前記定着工程において、前記積層されたトナー画像が、前記被記録体に熱定着されることを特徴とする請求項1に記載のフルカラー画像形成方法。
- 前記トナーが、体積平均粒径が1μm以下の樹脂微粒子を分散した樹脂微粒子分散液と着色剤粒子を分散させた着色剤分散液と離型剤粒子を分散させた離型剤分散液とを混合することにより、前記樹脂微粒子、着色剤粒子及び離型剤粒子を凝集させて凝集粒子を形成し、次いで、前記樹脂微粒子のガラス転移点以上の温度に加熱せしめ融合・合一させたトナー粒子を含んでなり、前記離型剤がパラフィン系ワックスであり、前記トナーのASTMD3418−8に準拠した示差熱分析により得られるガラス転移温度が35〜55℃の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載のフルカラー画像形成方法。
- 前記定着工程が、加熱定着ロールと該加熱定着ロールに所定のニップ部を形成して圧接される加圧無端ベルトからなる定着装置を用いた定着工程であり、前記ニップ部の幅が3〜12mmの範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフルカラー画像形成方法。
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