本発明者らは詳細な検討の結果、トナー粒子の平均円形度と円形度標準偏差、および無機微粉末の平均円形度と円形度標準偏差を適切な値とし、且つ該無機微粉末の表面微細構造を規定することによって、長期に渡り使用した画像形成装置を高温高湿度条件下に数日間静置した後、低温低湿度使用環境において印字した場合においても高品質な画像が得られるトナーとなることを見いだした。
本発明が上述の効果を達成できるのは、以下の理由であるものと推察される。
高温高湿の環境や、低温低湿との環境において、画像品質に差が生じる一因として、トナーを構成する各粒子(トナー粒子、無機微粉末その他)間の付着力に環境依存性があることが挙げられる。このとき各粒子間に働いている主な付着力は液架橋力、ファンデルワールス力、静電気力である。
すなわち、異なる温湿度環境においても安定して高品質な画像を得るためには、トナー粒子同士、無機微粉末同士、あるいはトナー粒子と無機微粉末といった、各粒子間付着力の環境変動幅をなるべく小さくすることが重要であると思われる。
このうち、ファンデルワールス力と静電気力は粒子表面形状には関係なく、粒子の質量および帯電量により定まるものであるが、液架橋力については粒子の表面形状および形状分布に伴い、その値が変わる。例えば、表面に微細な凹凸がある場合には高温高湿度環境下において水蒸気の液架橋が起こりやすく、表面が平滑で且つ均一に丸い粒子では液架橋は起こり難い。本発明者らはこうした点に着目し、トナー粒子と無機微粉末の各種物性について様々な検討を加えた結果、本発明に到達したものである。
本発明において、トナー粒子は、円相当径1.98μm以上19.92μm以下の該トナー粒子の平均円形度が0.970以上1.000以下であり、円形度標準偏差が0.070以下であることが必要である。トナー粒子の円形度標準偏差については0.040以下であることが更に好ましい。
本発明者らは鋭意検討の結果、上述粒径範囲での円形度およびその標準偏差を規定したトナー粒子を用いることで、本発明の課題が解決されることを見いだした。上述の粒径範囲としたのは、画質の再現性が向上するためである。
トナー粒子の平均円形度が0.970未満である場合には、摩擦帯電の均一性が低下したトナーとなり、好ましくない。具体的には長期に渡るトナーの使用に伴い、細線再現性に劣る画像が形成される。
また、トナー粒子の円形度標準偏差が0.070を超える場合には、摩擦帯電の均一性が低下したトナーとなり、好ましくない。具体的には長期に渡るトナーの使用に伴い、画像均一性が低下する。
一方、本発明において、無機微粉末は、円相当径0.80μm以上1.98μm以下の該無機微粉末の平均円形度が0.960以上1.000以下であり、円形度標準偏差が0.070以下であることが必要である。
本発明者らは鋭意検討の結果、上述の粒径の範疇での円形度およびその標準偏差を規定した無機微粉末を用いることで、前記の課題が解決されることを見いだした。その詳細な理由については不明であるが、この粒径の該無機微粉末が最も強く液架橋力の影響を受けるためであろうと推察される。
無機微粉末の平均円形度が0.960未満である場合には、無機微粉末同士の付着力にばらつきが生じるため、長期に渡り使用すると細線再現性が低下するトナーとなる。
また、無機微粉末の円形度標準偏差が0.070を超える場合には、トナー粒子と無機微粉末との付着力にばらつきを生じ、好ましくない。具体的には、トナー粒子から無機微粉末が遊離したものと遊離していないものが混在するため、画像の均一性に劣るトナーとなる。
また、本発明における無機微粉末は、平均細孔径が5.0nm以上50.0nm以下であり、且つ該無機微粉末の体積基準メジアン径(D50)が0.70μm以上3.00μm以下であることが必要である。
本発明における平均細孔径の大きさは、無機微粉末表面の平滑性の指標となるものである。平均細孔径の大きさが50.0nmを超える場合には、無機微粉末表層の凹凸が大きいことを示しており、長期に渡るトナーの使用に伴い、無機微粉末の摩擦帯電特性にばらつきが生じるため好ましくない。具体的には長期に渡るトナーの使用に伴い、画像の安定性に劣るものとなる。一方、平均細孔径の大きさが5.0nm未満である場合には、無機微粉末の摩擦帯電特性という観点からは好ましいものの、トナー粒子の表層に該無機微粉末を均一に付着させることが困難であり、好ましくない。その詳細な理由は不明であるが、該無機微粉末同士の静電凝集力が増加するためであると推察される。
また、本発明における該無機微粉末の体積基準メジアン径(D50)が0.70μm未満である場合には該無機微粉末の添加効果が十分に発揮されず、好ましくない。具体的には長期に渡るトナーの使用に伴い、画像の安定性に劣るものとなる。一方、該無機微粉末の体積基準メジアン径(D50)が3.00μmを超える場合には、トナー担持体上のトナー層の均一性が該無機微粉末によって乱されるため好ましくない。具体的には画像均一性に劣るものとなる。
なお、前述の特許文献1中の段落〔0024〕に次の記載がある;
「フロー式粒子像測定装置によって測定される粒子の円相当径による粒度分布において、単一のピークのみ存在する球状トナーは過剰に流動性がよいトナーとなるため、初期においてトナーの摩擦帯電が充分に行われず、初期画像にムラが生じる。円相当径0.60μm以上2.00μm未満の粒子の含有量が8個数%未満の場合にも過剰に流動性がよいトナーとなるため、初期画像にムラが生じやすい。」
本発明においては、このような画像欠陥は発生しない。その詳細な理由については不明であるが、無機微粉末の形状および円形度標準偏差が関係しているものと思われる。すなわち、特許文献1においては、本発明で使用している特定な無機微粉末を用いないために初期に画像欠陥が発生している。これに対し、本発明で用いる無機微粉末は高度な流動性と摩擦帯電性を同時に達成することが出来るため、初期に画像欠陥が発生しないものと推察される。
本発明における円相当径、平均円形度、および円形度標準偏差の測定には、フロー式粒子像分析装置である「FPIA−3000型」(シスメックス社製)を用い、校正作業時の測定・解析条件で測定した。トナー粒子の測定には標準対物レンズ(10倍)を用い、無機微粉末の測定には高倍率撮像ユニット(対物レンズ(20倍))を用いた。
本発明におけるトナー粒子をフロー式粒子像分析装置(FPIA−3000)にて測定したときの測定チャートの一例を図7に示す。図7(a)は横軸:円相当径(μm)、縦軸(左):頻度(%)、縦軸(右):累積(%)であり、(b)は横軸:円相当径(μm)、縦軸:円形度である。また、図8は、本発明における無機微粉末をフロー式粒子像分析装置(FPIA−3000)にて測定したときの測定チャートの一例である。図8(a)は横軸:円相当径(μm)、縦軸(左):頻度(%)、縦軸(右):累積(%)であり、(b)は横軸:円相当径(μm)、縦軸:円形度である。
まず、トナー粒子の測定方法について以下に記す。
イオン交換水20mlに、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を適量加えた後、測定試料0.02gを加え、発振周波数50kHz、電気的出力150ワットの卓上型の超音波洗浄器分散機(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製など)を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とした。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却した。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測して、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.98μm以上、19.92μm以下に限定し、トナー粒子の平均円形度および円形度標準偏差を求めた。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えばDuke Scientific社製5100Aをイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、無機微粉末を測定する場合には(1)測定試料の量を「0.02g」に変えて「0.01g」とする、 (2)「標準対物レンズ(10倍)」に変えて「高倍率撮像ユニット(対物レンズ(20倍))」とする、(3)解析粒子径を「円相当径1.98μm以上、19.92μm以下」に変えて「円相当径0.80μm以上、1.98μm以下」とすること以外には、トナー粒子測定時と同様の方法にて行った。
本発明における無機微粉末の平均細孔径の測定方法について以下に記す。
本発明における無機微粉末の平均細孔径は、細孔分布測定装置Tristar3000(島津製作所社製)を用いて、試料表面に窒素ガスを吸着させるガス吸着法により測定した。測定の概略は、島津製作所社発行の操作マニュアルに記載されており、以下の通りである。測定前には、試料管にサンプル1〜2gを入れ、100℃で24時間真空引きを行う。真空引き終了後サンプル質量を精秤し、サンプルを得た。得られたサンプルを上記細孔分布測定装置を用いて、BJH脱着法により細孔径1.7〜300.0nmの範囲における平均細孔径を求めた。
本発明における無機微粉末の体積平均メジアン径(D50)の測定方法について以下に記す。
本発明における無機微粉末の体積平均メジアン径(D50)は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)を用いた。測定方法としては、分散媒となるイオン交換水100mlにサンプルを約30mg入れ、この分散液を超音波分散機で1分間処理し、分散液とする。この分散液をサンプル濃度が透過率約80%になるように測定セルに滴下する。測定サンプルと水との相対屈折率をサンプルの種類に応じ設定して、体積基準の粒度分布を測定し、メジアン径(D50)を求めた。
本発明における好ましい態様について、以下に記す。
本発明における無機微粉末は、細孔径1.7〜300.0nmの範囲で測定される全細孔容積が0.200cm3/g以下であることが好ましい。このことは無機微粉末の表面細孔が少ないことを表している。細孔が無く均一な表面構造を有することで、無機微粉末の帯電性が均一となり、且つ耐水性も大幅に向上するため、摩擦帯電性を環境に依らず長期にわたり安定的に維持することが可能となる。そのため、トナーの摩擦帯電性も均一且つ安定となり、高精細な潜像を忠実に再現することが可能となる。
全細孔容積が0.200cm3/gより大きい場合、無機微粉末の表面に細孔が多く存在していることを示す。このような無機微粉末の場合、表面の微細構造が不均一なため摩擦帯電性も不均一となり、さらには、大気中の水分子が細孔に入り込みやすくなるため長期に渡る使用に伴い摩擦帯電能が低下する。その結果、トナーの摩擦帯電性が不均一になり好ましくない。具体的には長期に渡るトナーの使用に伴い、画質の安定性に劣るものとなる。
該無機微粉末の種類としてはシリカ微粉末、酸化チタン微粉末又はアルミナ微粉末のいずれかであることが好ましく、シリカ微粉末であることが更に好ましい。これらは上記物性を好適に満たすことが比較的容易であることに加え、原材料に含まれる不純物や反応副生成物の量も少なく、それら不純物や副生成物が画像の画質に与える悪影響も比較的軽微である。
本発明における無機微粉末の全細孔容積の測定方法について以下に記す。
本発明における無機微粉末の全細孔容積は、前述した平均細孔径と同様の測定方法で求められる。細孔分布の評価には測定データ情報に最も近い全細孔容積を指標として用いるのが好ましい。本発明においては、無機微粉末の表面細孔の状態の測定が可能である、細孔径1.7〜300.0nmの全細孔容積を測定範囲とした。
本発明のトナーは、スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基の重合体又は共重合体をトナー粒子が含有することが好ましい。これらの該重合体又は該共重合体は荷電制御剤として機能するものである。
本発明は水系媒体中で生成されたトナー粒子を用いるものであるが、該重合体又は該共重合体はトナー粒子中の結着樹脂に相溶しつつ、トナー粒子の最表層にその極性基を均一に配することが比較的容易に出来るため、好ましい。加えて、重合法によりトナー粒子を製造することが好ましく、トナー粒子の表面粗さRaが3.5nm未満であることが更に好ましい。造粒法では一般に、溶剤を有する溶媒の除去工程時において、トナー粒子の表面形状は歪になりがちであるが、重合法ではトナー粒子の表面形状を好適な範囲に保つことが比較的容易であり、画像の安定性および細線の再現性の双方に優れたトナーとなる。
本発明に好適に用いることの出来る、スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基の重合体又は共重合体を生成するための重合性単量体の具体的な例について、以下の式(1)および(2)に示す。
[式(1)中、R
1は水素原子又はメチル基を示し、R
2およびR
3はそれぞれ独立して水素原子、アリール基又はC
1〜C
10のアルキル基、アルケニル基もしくはアルコキシ基を示し、X
1は水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類原子または4級アンモニウム塩を示し、nは1〜10の整数を示す。]
[式(2)中、R
4は水素原子又はメチル基を示し、R
5〜R
8はそれぞれ独立して水素原子、アリール基、芳香族基又はC
1〜C
10のアルキル基、アルケニル基もしくはアルコキシ基を示すが、R
5〜R
8のうち少なくとも1つは無置換又は置換基を有する芳香族基を示す。X
2は水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類原子または4級アンモニウム塩を示す。]
本発明におけるトナー粒子の表面粗さRaを測定する方法について、以下に記す。
測定方法:
プローブステーション:SPI3800N(セイコーインスツルメンツ(株)製)
測定ユニット :SPA400
測定モード :DFM(共振モード)形状像
カンチレバー :SI−DF40P
解像度 :Xデータ数 256
Yデータ数 128
本発明においては、トナー粒子の表面の1μm四方のエリアを測定する。測定するエリアは、走査型プローブ顕微鏡で測定されるトナー粒子表面の、中央部の1μm四方のエリアとする。測定するトナー粒子は、フロー式粒子像測定装置で測定される、個数基準の円相当径平均値にほぼ等しい(円相当径平均値との差分の絶対値が0.50μm未満である)トナー粒子をランダムに選択して、そのトナー粒子を測定する。測定されたデータは、2次補正を行う。異なるトナー粒子を5個以上測定し、得られたデータの平均値を算出して、そのトナー粒子の平均表面粗さとする。
なお、表面粗さRaとは、JIS B0601で定義されている中心線平均粗さRaを測定面に対して適用できるよう三次元に拡張したものであり、基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値で次式で表される。
本発明における円形度、円形度標準偏差、平均細孔径および細孔容積を満足するシリカ微粉末を得るためには、気相法で製造することが好ましい。
シリカ微粉末の製造法としては、金属ケイ素、ハロゲン化ケイ素物、及びシラン化合物の如きケイ素化合物を気相で反応させることにより生成する気相法がある。さらに、アルコキシシランの如きシラン化合物を水/有機溶媒の混合溶媒において加水分解し、縮合反応をさせて得られるシリカゾル懸濁液から溶媒除去、乾燥して粒子化する湿式法がある。本発明者らは気相法の反応条件を最適化することで、シリカ微粉末の表面細孔状態を上述の範囲に制御することが容易となることを見出した。
すなわち、気相反応において反応容器内の温度をシリカ微粉末の融点以上にすることで、溶融状態を経て製造されるため細孔の少ないシリカ微粉末を形成することが可能となる。さらに、溶融状態からの冷却速度をコントロールすることで細孔状態を制御する事が容易になる。冷却速度をコントロールせず急冷すると、より細孔が生じやすくなるため好ましくない。
特に、本発明に係る無機微粉末を得るためには、粉末原料を酸素―水素からなる化学炎で直接酸化させる気相酸化法が好ましく用いられる。気相酸化法は、反応容器内を瞬間的に無機微粉末の融点以上にすることが可能であり、表面細孔構造や粒径を制御するのに好ましい製法である。このとき粉末原料の粉塵濃度をコントロールすることで得られる無機微粉末の粒度分布を調整することができる。
一方、湿式法ではシラン化合物を加水分解し、縮合反応により得られるシリカゾル懸濁液からシリカ微粉末を生成するため、表面に無数の細孔を有する構造を有する。また、気相法に対して反応速度が遅く細孔分布の制御も困難なため、本発明の特徴である細孔状態を制御したシリカ微粉末の製造法としては好ましくない。
本発明に係る該無機微粉末の含有量はトナー粒子100質量部に対して、0.05〜2.00質量部であることが好ましく、0.10〜1.00質量部であることが更に好ましい。該無機微粉末の含有量が2.00質量部よりも大きい場合、トナーの帯電のバランスがくずれやすく、画像濃度の低下やカブリが生じやすい。また、無機微粉末含有量が0.01質量部よりも小さい場合は添加効果が十分に得られない。
本発明に係るトナー粒子を製造する方法としては、以下の方法が挙げられる。重合性単量体に着色剤(更に必要に応じて重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤)を均一に溶解または分散せしめて重合性単量体組成物とした後、この重合性単量体組成物を分散安定剤を含有する水系媒体中に適当な撹拌器を用いて分散し、重合性単量体の重合反応を行わせ所望の粒径を有するトナー粒子を得る懸濁重合法(以下、重合法);有機溶剤中に結着樹脂および着色剤(更に必要に応じて重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤)を均一に溶解または分散せしめてトナー粒子組成物とした後、このトナー粒子組成物を分散安定剤を含有する連続層(例えば水相)中に適当な撹拌器を用いて分散し、所望の粒径とした後に有機溶剤を除去してトナー粒子を得る懸濁造粒法(以下、造粒法)。
本発明に係るトナーを重合法により製造する場合、使用される重合性単量体組成物を構成する重合性単量体としては以下のものが挙げられる。
スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレンの如きスチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きメタクリル酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如き重合性単量体。これらの単量体は単独または混合して使用することが出来る。
本発明に係わる重合トナー粒子の製造においては、重合性単量体組成物に樹脂を添加して重合性単量体を重合しても良い。例えば、アミノ基、カルボン酸基、水酸基、スルフォン酸基、グリシジル基、ニトリル基の如き親水性官能基を有する単量体ユニットをトナー粒子中に導入したい時には、これらとスチレンあるいはエチレンの如きビニル化合物とのランダム共重合体、ブロック共重合体、あるいはグラフト共重合体の如き共重合体を使用する。あるいはポリエステル又はポリアミドの如き重縮合体、もしくは、ポリエーテル又はポリイミンの如き重付加重合体が使用される。
このような極性官能基を含む高分子重合体を使用する場合、その重量平均分子量は5,000以上が好ましく用いられる。重量平均分子量が5,000未満、特に4,000以下では、高分子重合体がトナー粒子の表面付近に集中し易いことから、現像性や耐ブロッキング性等に悪い影響が起こり易くなり好ましくない。また、極性重合体としては特にポリエステル系樹脂が好ましい。
また、材料の分散性や定着性、あるいは画像特性の改良を目的として上記以外の樹脂を重合性単量体組成物中に添加しても良い。用いられる樹脂としては、以下のものが挙げられる;ポリスチレン;ポリビニルトルエンの如き置換基を有するスチレン単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリ酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂。これらは、単独或いは混合して使用できる。
これら樹脂の添加量としては、単量体100質量部に対し1〜20質量部が好ましい。1質量部未満では添加効果が小さく、20質量部を超えると重合トナー粒子の種々の物性設計が難しくなる。
さらに、重合性単量体を重合して得られるトナー粒子の分子量の範囲とは異なる分子量の重合体を重合性単量体中に溶解して重合すれば、分子量分布の広い、耐オフセット性の高いトナー粒子を得ることができる。
また、本発明に係るトナー粒子を造粒法により製造する場合、本発明に用いる水系媒体としては、水単独でもよいが水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、以下のものが挙げられる。アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブ)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)。
トナー粒子を生成するための組成物の油相には、結着樹脂、プレポリマー、顔料の如き着色剤、離型剤、帯電制御剤を揮発性溶剤に溶解又は分散する。
水系媒体中に、該組成物からなる油相を界面活性剤又は/及び固体分散剤の存在下で分散させ、プレポリマーの反応を行わせてトナー粒子を生成する。トナー粒子に官能基を導入するには、懸濁重合法で用いた官能基を有する単量体との共重合体が用いられる。さらにポリエステル樹脂の場合には酸の単量体として酸基の官能基を3以上有するものを用いたり、得られたポリエステル樹脂の末端の水酸基をさらに複数の酸基を有する化合物によりエステル化したものが用いられる。 なお、重合法及び造粒法のどちらの場合においても、トナー粒子の結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、40〜70℃であることが好ましく、45〜65℃の範囲がさらに好ましい。トナー粒子の結着樹脂は、出版物ポリマーハンドブック第2版III−p139〜192(John Wiley&Sons社製)に記載の理論ガラス転移温度(Tg)が、40〜70℃を示すように単量体を適宜混合して重合して生成される。理論ガラス転移温度が40℃未満の場合にはトナーの保存安定性や耐久安定性の面から問題が生じやすく、70℃を超える場合にはトナーの定着温度が上昇する。特にフルカラー画像を形成するためのカラートナーの場合においては各色トナーの定着時の混色性が低下し、色再現性が低下する。
なお、前述の結着樹脂又は該トナーのTgは、以下の方法により決定した。
Tgは、サンプルを一旦昇温し冷却した後、二度目の昇温時のDSCカーブより、吸熱ピーク前の基線と吸熱ピーク後の基線の中線と、立ち上がり曲線での交点をもってTgとした。
本発明のトナーには、着色力を付与するために着色剤を含有する。本発明に好ましく使用される有機顔料または染料として以下のものが挙げられる。
シアン系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体,アントラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物が用いられる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1,C.I.ピグメントブルー7,C.I.ピグメントブルー15,C.I.ピグメントブルー15:1,C.I.ピグメントブルー15:2,C.I.ピグメントブルー15:3,C.I.ピグメントブルー15:4,C.I.ピグメントブルー60,C.I.ピグメントブルー62,C.I.ピグメントブルー66。
マゼンタ系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、縮合アゾ化合物,ジケトピロロピロール化合物,アントラキノン,キナクリドン化合物,塩基染料レーキ化合物,ナフトール化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジゴ化合物,ペリレン化合物が用いられる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2,C.I.ピグメントレッド3,C.I.ピグメントレッド5,C.I.ピグメントレッド6,C.I.ピグメントレッド7,C.I.ピグメントバイオレット19,C.I.ピグメントレッド23,C.I.ピグメントレッド48:2,C.I.ピグメントレッド48:3,C.I.ピグメントレッド48:4,C.I.ピグメントレッド57:1,C.I.ピグメントレッド81:1,C.I.ピグメントレッド122,C.I.ピグメントレッド144,C.I.ピグメントレッド146,C.I.ピグメントレッド166,C.I.ピグメントレッド169,C.I.ピグメントレッド177,C.I.ピグメントレッド184,C.I.ピグメントレッド185,C.I.ピグメントレッド202,C.I.ピグメントレッド206,C.I.ピグメントレッド220,C.I.ピグメントレッド221,C.I.ピグメントレッド254。
イエロー系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、縮合アゾ化合物,イソインドリノン化合物,アントラキノン化合物,アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12,C.I.ピグメントイエロー13,C.I.ピグメントイエロー14,C.I.ピグメントイエロー15,C.I.ピグメントイエロー17,C.I.ピグメントイエロー62,C.I.ピグメントイエロー74,C.I.ピグメントイエロー83,C.I.ピグメントイエロー93,C.I.ピグメントイエロー94,C.I.ピグメントイエロー95,C.I.ピグメントイエロー97,C.I.ピグメントイエロー109,C.I.ピグメントイエロー110,C.I.ピグメントイエロー111,C.I.ピグメントイエロー120,C.I.ピグメントイエロー127,C.I.ピグメントイエロー128,C.I.ピグメントイエロー129,C.I.ピグメントイエロー147,C.I.ピグメントイエロー151,C.I.ピグメントイエロー154,C.I.ピグメントイエロー168,C.I.ピグメントイエロー174,C.I.ピグメントイエロー175,C.I.ピグメントイエロー176,C.I.ピグメントイエロー180,C.I.ピグメントイエロー181,C.I.ピグメントイエロー191,C.I.ピグメントイエロー194。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、あるいは上記イエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものを利用することができる。
これらの着色剤は、単独又は混合しさらには固溶体の状態で用いることができる。本発明のトナーに用いられる着色剤は、色相角,彩度,明度,耐光性,OHP透明性,トナーへの分散性の点から選択される。
該着色剤の添加量は、結着樹脂100質量部又は重合性単量体100質量部に対し1〜20質量部添加して用いられる。
本発明において重合法を用いてトナー粒子を得る場合には、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要がある。好ましくは、着色剤に重合阻害のない物質による疎水化処理を施しておいた方が良い。特に、染料やカーボンブラックは、重合阻害性を有しているものが多いので使用の際に注意を要する。染料を表面処理する好ましい方法としては、あらかじめこれら染料の存在下に重合性単量体を重合せしめる方法が挙げられる。得られた着色重合体を重合性単量体組成物に添加する。
また、カーボンブラックについては、上記染料と同様の処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質(例えば、ポリオルガノシロキサン)で処理を行っても良い。
カラートナーとする場合には、着色剤としてジスアゾ系黄色顔料,キナクリドン系マゼンタ顔料,フタロシアニン系シアン顔料から選択して用いることが好ましい。
重合法でトナー粒子を生成する場合、トナー粒子の製造において使用される重合開始剤としては、重合反応時に半減期0.5〜30時間であるものを、重合性単量体100質量部に対し0.5〜20質量部使用するのが良い。この使用量で重合反応を行うと、分子量1万〜10万の間に極大を有する重合体が得られるので、トナー粒子に好ましい強度と適当な溶融特性を与えることができる。
重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルの如きアゾ系またはジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドの如き過酸化物系重合開始剤。
重合法でトナー粒子を生成する場合、架橋剤を重合性単量体組成物に添加しても良い。好ましい添加量としては、重合性単量体基準で0.001〜15質量%である。
ここで架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。具体的には、以下のものが挙げられる。ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンの如き芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートの如き二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物。これらは単独もしくは混合物として用いられる。
重合法を用いてトナー粒子を生成する場合、重合性単量体中に着色剤、離型剤、可塑剤、荷電制御剤、又は/及び架橋剤、及びその他の添加剤を加えて、ホモジナイサー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機の如き分散機によって均一に溶解または分散せしめた重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水系媒体中に添加し、重合性単量体組成物の粒子を水系媒体中に生成する。この時、高速撹拌機もしくは超音波分散機のような高速分散機を使用して一気に所望のトナー粒子のサイズとする方が、得られるトナー粒子の粒径がシャープになる。重合開始剤添加の時期としては、重合性単量体中に他の添加剤を添加するとき同時に加えても良いし、水系媒体中に懸濁する直前に混合しても良い。また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体あるいは溶媒に溶解した重合開始剤を加えることもできる。
造粒後は、通常の撹拌機を用いて、粒子状態が維持され且つ粒子の浮遊・沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。
分散安定剤として公知の界面活性剤や有機・無機分散安定剤が使用できる。中でも無機分散安定剤が有害な超微粉を生じ難く、その立体障害性により分散安定性を得ているので反応温度を変化させても安定性が崩れ難く、洗浄も容易でトナーに悪影響を与え難いので、好ましく使用できる。無機分散安定剤としては、以下のものが挙げられる。燐酸カルシウム、燐酸マグネシウム、燐酸アルミニウム、燐酸亜鉛の如き燐酸多価金属塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如き炭酸塩;メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの如き無機塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、ベントナイト、アルミナの如き無機酸化物。
これらの無機分散剤は、重合性単量体100質量部に対して、0.2〜20質量部を単独で使用することが好ましい。トナー粒子の微粒化は0.001〜0.1質量部の界面活性剤を無機分散安定剤と併用しても良い。
界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム。
これら無機分散安定剤を用いる場合には、そのまま使用しても良いが、より細かい粒子を得るため、水系媒体中にて該無機分散安定剤の粒子を生成させることができる。例えば、燐酸カルシウムの場合、高速撹拌下、燐酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液とを混合して、水不溶性の燐酸カルシウムを生成させることができ、より均一で細かな分散が可能となる。この時、同時に水溶性の塩化ナトリウム塩が副生するが、水系媒体中に水溶性塩が存在すると、重合性単量体の水への溶解が抑制されて、乳化重合による超微粒トナーが発生し難くなるので、より好都合である。重合反応終期に残存重合性単量体を除去する時には障害となることから、水系媒体を交換するか、イオン交換樹脂で脱塩したほうが良い。無機分散剤は、重合終了後酸あるいはアルカリで溶解して、ほぼ完全に取り除くことができる。
前記重合工程においては、重合温度は40℃以上、一般には50〜90℃の温度に設定して重合を行う。この温度範囲で重合を行うと、内部に封じられるべき離型剤やワックスの類が、相分離により析出して内包化がより完全となる。残存する重合性単量体を消費するために、重合反応終期ならば、反応温度を90〜150℃にまで上げることは可能である。
重合トナー粒子は重合終了後、公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥を行う。得られた重合トナー粒子と無機微粉末とを混合し、トナー粒子の表面に無機微粉末を付着させることで、トナーを得ることができる。また、製造工程に分級工程を入れ、粗粉や微粉をカットすることも、好ましい形態の一つである。
本発明のトナーにおいて、重合法を用いてトナー粒子の表面粗さを調整する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば重合反応が終了したスラリーを設定トナーTgよりも高温(好ましくは10℃以上)に保持する方法がある。
上記方法においては保持する温度、および時間等を好適な条件に定めることで所望のトナーが得られる。
本発明の画像形成方法に係わるトナーには、摩擦帯電特性を安定化するために更に荷電制御剤を配合しても良い。荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に摩擦帯電のスピードが速く、かつ、一定の摩擦帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに、トナーを直接重合法により製造する場合には、重合阻害性が低く、水系分散媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。ネガ系荷電制御剤として以下のものが挙げられる。サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の如き芳香族カルボン酸の金属化合物;アゾ染料あるいはアゾ顔料の金属塩または金属錯体;スルホン酸又はカルボン酸基を側鎖に持つ高分子型化合物;ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン。ポジ系荷電制御剤として以下のものが挙げられる。四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、ニグロシン系化合物、イミダゾール化合物。該荷電制御剤は結着樹脂100質量部又は重合性単量体100質量部に対し0.5〜10質量部使用することが好ましい。
本発明においては必要に応じて、上述の無機微粉末以外にも、トナー粒子の表面に外添剤として一般に知られている各種微粉末を更に添加することが出来る。
本発明に使用される外添剤は公知の無機微粉体あるいは樹脂粒子が用いられる。帯電安定性,現像性,流動性,保存性向上のため、シリカ,アルミナ,チタニアあるいはその複酸化物の無機微粉体中から選ばれることが好ましい。
また、本発明に用いられる外添剤は、必要に応じ、疎水化,摩擦帯電性の制御の目的でシリコーンワニス,各種変性シリコーンワニス,シリコーンオイル,各種変性シリコーンオイル,シランカップリング剤,官能基を有するシランカップリング剤,その他有機硅素化合物,有機チタン化合物の処理剤で処理しても良く、高温高湿度環境下、および低温低湿度環境下の双方においても良好な画像を継続して得るためには、疎水性微粉末のうち、BET比表面積が50〜400m2/g(個数平均粒径1〜50nm)である微粉末を使用することがより好ましい。
外添方法としてはヘンシェルミキサーの如き攪拌混合装置を用い、従来の方法が利用できる。本発明においては各粒子の混合均一性を保つため、攪拌混合装置の系内の湿度が30%RHを下回らないように保つことが好ましい。これにより、粒子の過度なチャージアップによる静電凝集を抑制することができる。
次に、本発明の画像形成方法について、以下に記す。
本発明におけるトナーは、非磁性一成分現像方法において好適に用いることができる。
加えて、本発明におけるトナーは、転写工程後に静電潜像担持体上に残存するトナー(転写残トナー)を、クリーニングブレードの如き専用部材を用いることなく、現像工程においてトナー担持体によって回収する手段(いわゆるクリーナーレスシステム)を用いた画像形成方法においても好適に用いることができる。
これらの画像形成方法は、その他の画像形成方法に比べてトナー粒子一粒あたりにかかる負荷が大きく、長期に渡る使用に伴いトナーの摩擦帯電量にばらつきが生じてくるため、ハーフトーンの均一性に劣る画像が生じやすい。本発明のトナーは摩擦帯電の安定性に優れたものであるため、このような画像形成方法においても好適に用いることが出来る。
本発明の画像形成方法及び、該方法を実施する画像形成装置に関して図面を用いて説明する。
図1には、非磁性一成分系現像剤を用いたクリーナーレス画像形成装置について示す。
図1に示すように、画像形成装置は、矢印方向に回転する感光ドラム101の周囲に、一次帯電器102、像露光装置103、現像器104および転写帯電器105を配設してなっている。
現像器104による現像で感光ドラム101上に形成されたトナー画像は、転写ローラ105により転写材108上に転写され、転写されたトナー画像は定着器113で定着される。
感光ドラム101上に残留した転写残りのトナーは、一次帯電器102を通過して現像ローラ114との当接部に達する。このとき現像ローラ114には直流現像バイアスが印加されており、転写残りトナーは現像ローラ114に回収されて、つぎの画像形成時に他のトナーTとともに現像に使用される。
現像同時クリーニングの原理を図2により説明すると、図2において、T’は感光ドラム101上に残留した転写残トナーを示し、Tは現像ローラ114上に担持された現像前の新しいトナーを示す。転写残トナーT’、新しいトナーTのいずれもマイナス(−)に帯電している。
感光ドラム101上の転写残トナーT’は、一次帯電器102により負極性に帯電された後、感光ドラム101と現像ローラ114との当接部に到達し、当接部で摺擦を受けて、さらに負に帯電される。感光ドラム101上の静電潜像、つまり露光部電位(画像部電位)は、露光によりたとえば約−100Vとなっている。このとき、転写残トナーT’は、そのまま感光ドラム101上に残り、現像バイアス、たとえば−460Vと感光ドラム101上の露光部電位−100Vとの電位差により、現像ローラ114上のトナーTが感光ドラム101上の露光部に転移し、感光ドラム101上の静電潜像を現像する。
同時に、非露光部(非画像部)の負帯電の転写残トナーT′は、感光ドラム101上の非露光部電位(非画像部電位、つまり一次帯電電位)、たとえば−700Vと現像バイアス−460Vとの電位差により現像ローラ114上に転移し(つまりクリーニングされ)、現像器104に回収される。このとき、現像ローラ114上のトナーTはそのまま現像ローラ114上に残る。
このように現像器104による現像時に、感光ドラム101上の転写残トナーがクリーニングされ、現像器104に回収される。
本発明の画像形成方法は、フルカラー画像形成装置においても好適に用いることができる。
図5には、4つの電子写真感光体をベルト状の転写体、つまり転写ベルトに沿って一直線状に配置し、それぞれの感光体にシアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー、ブラックトナーのトナー画像を形成し、転写ベルトにより転写材を各感光体に直線的に連続搬送して、ストレートパス間で、トナー画像を転写材に重畳転写してフルカラー画像を得る、いわゆるタンデム方式によるフルカラー画像形成装置について示す。
この画像形成装置は、装置本体内に第1、第2、第3、第4の画像形成部PM、PC、PY、PKを備え、その右側には給紙部11が、左側には定着器12がそれぞれ配設されている。上記の給紙部11から定着器12に至る経路の下側には、転写材を搬送する無端状の転写材搬送手段、すなわち搬送ベルト(転写ベルト)13が駆動ローラ14および従動ローラ15に張架して設置されている。
この搬送ベルト13は、駆動ローラ14の矢印b方向の回転により矢印a方向に回転駆動され、給紙部11を通じて送給された転写材Pを担持して、画像形成部PM、PC、PYおよびPKへと順次搬送する。
各画像形成部PM〜PKは実質的に同一の構成を有する。画像形成部PM、PC、PYおよびPKは、それぞれ像担持体であるドラム状の電子写真感光体(すなわち感光ドラム)1M、1C、1Yおよび1Kを備え、各感光ドラムの周辺には回転方向に順に、感光ドラムを一様帯電する一次帯電器2M、2C、2Yおよび2K、感光ドラム上に静電潜像を形成する像露光装置3M、3C、3Yおよび3K、感光ドラム上の静電潜像を現像する現像器10M、10C、10Yおよび4、現像により得られたトナー画像を転写材に転写するコロナ帯電器からなる転写帯電器9M、9C、9Yおよび9Kが配設されている。
現像器10Mにはマゼンタトナーが、現像器10Cにシアントナーが、現像器10Yにはイエロートナーが、現像器4にはブラックトナーが、それぞれ収容されている。像露光装置3M、3C、3Yおよび3Kは、本例では、LED発光素子を感光ドラムの母線方向上に並べたLEDアレイから構成されている。像露光装置3M、3C、3Yおよび3Kは、カラー用CCDのような撮像素子で多数の画素に分解して読み取り、デジタル信号に変換したそれぞれの色の画像信号、もしくは外部のコンピュータから電送された画像信号に対するデジタル画素信号の入力を受けて、一次帯電器2Mと現像器10Mとの間、2Cと10Cとの間、2Yと10Yとの間、および2Kと4との間で、それぞれ感光ドラム1M、1C、1Yおよび1Kの表面を露光し、対応する色の静電潜像を形成するようになっている。
像露光装置3Mにはカラー画像のマゼンタ成分像に対応する画素信号が、像露光装置3Cにはシアン成分像に対応する画素信号が、像露光装置3Yにはイエロー成分像に対応する画素信号が、像露光装置3Kにはブラック成分像に対応する画素信号がそれぞれ入力される。
上記の画像形成装置において、図示しない給紙カセットから給紙部11を経て搬送ベルト13上に給紙された転写材Pは、図示しない吸着帯電器により静電吸着され、搬送ベルト13の矢印a方向の移動にともない同方向に搬送される。転写材Pの搬送に対応して、第1画像形成部PMの感光ドラム1Mにマゼンタトナー像が、第2画像形成部PCの感光ドラム1Cにシアントナー像が、第3画像形成部PYの感光ドラム1Yにイエロートナー像が、第4画像形成部PKの感光ドラム1Kにブラックトナー像が、それぞれ一次帯電、像露光および現像の行程を経て形成される。
当該接触現像器では、感光ドラムは剛体であり、現像ローラは弾性体を有するローラとすることが好ましい。この弾性体としては、ソリッドゴム単層や、トナーへの帯電付与性を考慮して、ソリッドゴム層上に樹脂コーティングを施したものが用いられる。
画像形成装置の画像形成動作について説明すると、外部からのプリント信号等により感光ドラム1M〜1Kが矢印方向に回転し始め、その回転過程で感光ドラム1M〜1Kの表面が一次帯電器2M〜2Kにより一様帯電され、つぎに像露光装置3M〜3Kにより感光ドラム1M〜1Kの表面に静電潜像が形成される。そして潜像が現像器10M〜10C、および4により現像されて、それぞれマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックのトナー画像として可視化される。
上記の感光ドラム1M、1C、1Yおよび1K上に形成されたトナー画像は、搬送ベルト13により搬送される転写材Pが感光ドラム1M、1C、1Yおよび1Kの下部を順次通過する間に、転写帯電器9M、9C、9Yおよび9Kにより転写材P上に順に重ねて転写され、4色のトナー画像を重畳した合成カラー画像が形成される。
4色のトナー画像を転写された転写材Pは、第4の画像形成部PKを通過した後、交流電圧が印加された図示しない除電用帯電器により除電され、搬送ベルト13から分離される。搬送ベルト13から分離された転写材は、定着器12で4色のトナー画像が定着された後、転写材排出口から排出される。
図6に本発明の他の一形態について示す。
図6には、1つの感光体に対向した中間転写体の中間転写ドラム表面に、各色ごとに現像−転写工程を4回実施し、中間転写体上にフルカラー画像を形成し、その後に転写材に4色を一括して転写することによりフルカラー画像を得る中間転写体転写方式によるフルカラー画像形成装置について示す。
感光ドラム1は、外部からのプリント信号等により、矢示の時計方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。感光ドラム1は回転過程で、一次帯電器(コロナ帯電器)2により所定の極性・電位に一様帯電され、ついで像露光装置3(カラー原稿画像の色分解・結像露光光学系、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームを出力するレーザースキャナによる走査露光系等)による画像露光を受けることにより、目的のカラー画像の1色目の色成分像(たとえばマゼンタ成分像)に対応した静電潜像が形成される。
ついで、その静電潜像が感光ドラム1の回転につれて第1現像器のマゼンタ現像器10Mのところに到達し、1色目のマゼンタトナーにより現像されて、マゼンタトナー画像として可視化される。このとき、第2〜第4のシアン現像器10C、イエロー現像器10Y、ブラック現像器22は作動が停止されていて、感光ドラム1には作用せず、感光ドラム1上のマゼンタトナー画像に影響を与えない。
上記の第1〜第4現像器10M〜10Yおよび22は、回転現像ユニット31に周方向に間隔を開けて搭載して、感光ドラム1に対し接離自在に設置している。現像器10M〜10Yおよび22は、矢印方向に移動することにより、感光ドラム1と対向した位置に順次搬送され、そこで感光ドラム1に接触して現像に使用される。現像器10M〜10Yおよび22については、図5と同様のため説明を省略する。
24は中間転写ドラムで、感光ドラム1と接触してこれと同じ周速度で矢示の反時計方向に回転駆動される。この中間転写ドラム24は、パイプ状の芯金と、その外周面に形成された弾性体層とからなっている。
感光ドラム1上に形成された第1色目のマゼンタトナー画像は、感光ドラム1と中間転写ドラム24とのニップ部を通過する過程で、一次転写バイアス電源29により中間転写ドラム24に印加した一次転写バイアスにより形成される電界によって、中間転写ドラム24の外周面に転写されていく(一次転写、中間転写)。
中間転写ドラム24に対する1色目のマゼンタトナー画像の転写を終えた感光ドラム1の表面は、図5と同様、一次帯電器2の帯電を受けて、転写残りのマゼンタトナーがマゼンタ現像器10Mにより回収される。
なお、マゼンタトナー画像の現像が終了した後、画像の後端部分に相当する転写残りトナーを回収するために、感光ドラム1が1周するのに相当する時間だけ、マゼンタ現像器10Mを感光ドラム1に当接させてもよい。
以下、同様に、2色目のシアントナー画像、第3色目のイエロートナー画像、第4色目のブラックトナー画像が順次中間転写ドラム24上に重畳転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画像が形成される。同様に、各現像器10C、10Yおよび22には、それぞれの転写残りのトナーが感光ドラム1から回収される。
中間転写ドラム24上に重畳転写された4色のトナー像は、中間転写ドラム24に給紙された転写材Pに転写される。転写材Pは給紙カセット25から給送され、所定のタイミングで中間転写ドラム24に供給され、これと同時に二次転写バイアスが印加された転写ローラ26を中間転写ドラム24に転写材Pを挟んで当接することにより、中間転写ドラム24上の4色のトナー画像が一括して転写材Pに転写される(二次転写)。
転写ローラ26は、中間転写ドラム24に対し平行に軸受けさせて、中間転写ドラム24の下面部に接離自在に設置している。転写ローラ26は、感光ドラム1からの中間転写ドラム24への1色目〜4色目のトナー画像の転写中、中間転写ドラム24から離間可能である。
4色のトナー画像の転写を受けた転写材Pは、定着器12に導入され、トナー画像が加熱定着される。
以下、本発明を製造例および実施例により具体的に説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。
なお、トナー製造例記載中の「部」は特に断りがない場合、すべて質量基準である。
(スルホン基含有樹脂(荷電制御樹脂)製造例)
還流管,撹拌機,温度計,窒素導入管,滴下装置及び減圧装置を備えた加圧可能な反応容器に、溶媒としてメタノール250部、2−ブタノン150部及び2−プロパノール100部、モノマーとしてスチレン77部、アクリル酸2−エチルヘキシル15部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸8部を添加して撹拌しながら還流温度まで加熱した。重合開始剤であるt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート1部を2−ブタノン20部で希釈した溶液を30分かけて滴下して10時間撹拌を継続し、重合を終了した。さらに、温度を維持したまま脱イオン水を500部添加し、有機層と水層の界面が乱れないように毎分80〜100回転で2時間撹拌した後に、30分静置し分層した後に、水層を廃棄し有機層に無水硫酸ナトリウムを添加し、脱水した。
次に、重合溶媒を減圧留去した後に得られた重合体を150メッシュのスクリーンを装着したカッターミルを用いて100μm以下に粗粉砕した。得られた極性重合体はTgが約58℃であった。得られたスルホン基含有樹脂を(R−1)とする。
(トナー粒子製造例1)
60℃に加温したイオン交換水900部に、リン酸三カルシウム3部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、10,000rpmにて撹拌し、水系媒体を作製した。
また、下記の重合性単量体組成物をTK式ホモミキサー(特殊機化工業製)に投入し、60℃に加温した後、9,000rpmにて攪拌し、溶解、分散した。
・スチレン 160部
・n−ブチルアクリレート 40部
・ピグメントレッド122 14部
・スルホン基含有樹脂(R−1) 1.5部
・ポリエステル樹脂 10部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物、Tg=65℃、Mw=10000、Mn=6000)
・ステアリン酸ステアリルワックス(DSCのメインピーク温度60℃) 30部
・ジビニルベンゼン 0.5部
これに重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、温度60℃,窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーを用いて8,000rpmで攪拌し、造粒した。
その後、プロペラ式攪拌装置に移して攪拌しつつ、2時間かけて70℃に昇温し、更に4時間後、昇温速度40℃/hrで80℃まで昇温し、スラリー温度80℃、系内圧力55kPaの環境下にて8時間反応を行い、重合体粒子を製造した。重合反応終了後、系内圧力を101kPa(≒大気圧)とし、スラリー温度98℃にて2.5時間保持してトナー粒子の表面形状を調整した。その後スラリーを冷却し、スラリーの10倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級によってトナー粒子(1)を得た。
(トナー粒子製造例2)
スルホン基含有樹脂(R−1)を1.5部添加することに替えて、サリチル酸アルミニウム化合物(ボントロンE−88:オリエント化学社製)を1.5部添加すること以外には、トナー製造例1と同様にしてトナー粒子(2)を得た。
(トナー粒子製造例3)
3−1.トナーバインダー(3)の合成:
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、イソフタル酸276部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で温度230℃、8時間反応させた後、10mmHg以上15mmHg以下の減圧下で5時間反応させた。これを温度160℃まで冷却して、32部の無水フタル酸を加え2時間反応させた。さらに、これを温度80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート188部と2時間反応を行いイソシアネート含有プレポリマー(1)を得た。次にこのプレポリマー(1)267部とイソホロンジアミン14部を温度50℃で2時間反応させ、重量平均分子量64000のウレア変性ポリエステル(1)を得た。
上記と同様にビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を常圧下、温度230℃で8時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量5000の変性されていないポリエステル(a)を得た。
ウレア変性ポリエステル(1)250部と変性されていないポリエステル(a)750部を、酢酸エチル/エチルメチルケトン(MEK)(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(3)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダー(3)を単離したところ、トナーバインダー(3)のTgは62℃であった。
3−2.トナー粒子(3)の作製:
ビーカー内に、前記のトナーバインダー(3)の酢酸エチル/MEK溶液300部、ステアリン酸ステアリルを主体とするエステルワックス9部、サリチル酸アルミニウム化合物1部(ボントロンE−88、オリエント化学工業(株)製)と、顔料としてピグメントレッド122を6部入れ、TK式ホモミキサーで温度60℃、12000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させた。ビーカー内にイオン交換水706部、ハイドロキシアパタイト10%懸濁液(日本化学工業(株)製スーパタイト10)294部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ均一に溶解した。ついで60℃に昇温し、TK式ホモミキサーで12000rpmに撹拌しながら、上記トナー材料溶液を投入し10分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、スラリー温度81℃、系内圧力51kPaの環境下にて8時間かけて溶剤を除去し、濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級し、トナー粒子(3)を得た。
(トナー粒子製造例4)
60℃に加温したイオン交換水900部に、リン酸三カルシウム3部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、10,000rpmにて撹拌し、水系媒体を作製した。
また、下記の重合性単量体組成物をTK式ホモミキサー(特殊機化工業製)に投入し、60℃に加温した後、9,000rpmにて攪拌し、溶解、分散した。
・スチレン 120部
・n−ブチルアクリレート 80部
・ピグメントレッド122 14部
・スルホン基含有樹脂(R−1) 1.5部
・ポリエステル樹脂 10部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物、Tg=65℃、Mw=10000、Mn=6000)
・ステアリン酸ステアリルワックス(DSCのメインピーク温度60℃) 40部
これに重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、温度60℃,窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーを用いて8,000rpmで攪拌し、造粒した。
その後、プロペラ式攪拌装置に移して攪拌しつつ、2時間かけて70℃に昇温し、更に4時間後、昇温速度40℃/hrで86℃まで昇温し、スラリー温度86℃、系内圧力90kPaの環境下にて8時間反応を行い、重合体粒子を製造した。重合反応終了後、トナー粒子表面形状を調整することなくスラリーを冷却し、スラリーの10倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級によってトナー粒子(4)を得た。
(トナー粒子製造例5)
60℃に加温したイオン交換水900部に、リン酸三カルシウム12部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、15,000rpmにて撹拌し、水系媒体を作製した。
また、下記の重合性単量体組成物をTK式ホモミキサー(特殊機化工業製)に投入し、60℃に加温した後、9,000rpmにて攪拌し、溶解、分散した。
・スチレン 140部
・n−ブチルアクリレート 60部
・ピグメントレッド122 14部
・スルホン基含有樹脂(R−1) 3.5部
・ポリエステル樹脂 10部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物、Tg=65 ℃、Mw=10000、Mn=6000)
・ステアリン酸ステアリルワックス(DSCのメインピーク温度60℃) 30部
これに重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、温度60℃,窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmで攪拌し、造粒した。
その後、プロペラ式攪拌装置に移して攪拌しつつ、2時間かけて70℃に昇温し、更に4時間後、昇温速度40℃/hrで80℃まで昇温し、スラリー温度80℃、系内圧力55kPaの環境下にて8時間反応を行い、重合体粒子を製造した。重合反応終了後、系内圧力を101kPa(≒大気圧)とし、スラリー温度98℃にて2.5時間保持してトナー粒子の表面形状を調整した。その後スラリーを冷却し、スラリーの10倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級によってトナー粒子(5)を得た。
ついで、球形無機微粉末の製造例について以下に記す。
(無機微粉末製造例1)
反応容器中にアルゴンと酸素の体積比が3:1の混合ガスを導入し大気と置換させた。この反応容器中に酸素ガスを40(m3/hr)及び水素ガスを20(m3/hr)で供給し着火装置を用いて酸素−水素からなる燃焼炎を形成した。次いでこの燃焼炎中に圧力5kg/cm3の水素キャリアガスで原料の金属ケイ素粉末を投入し、粉塵雲を形成した。このときの粉塵濃度は300g/m3とした。
粉塵雲は燃焼炎により着火し粉塵爆発による酸化反応を生じさせる。酸化反応後、反応容器内を温度3℃/分の速度で冷却しシリカ微粉末を得た。
得られたシリカ微粉末に対して風力分級を行い、微粉および粗粉を除去することによりシリカ微粉末(1)を得た。
シリカ微粉末(1)の物性について表1に記す。
(無機微粉末製造例2)
無機微粉末製造例1においてキャリアガスの圧力を12kg/cm3とし、原料の金属ケイ素粉末の粉塵濃度を20g/m3とする以外は製造例1と同様にしてシリカ微粉末を得た。
得られたシリカ微粉末については風力分級することなく、シリカ微粉末(2)とした。
シリカ微粉末(2)の物性について表1に記す。
(無機微粉末製造例3)
反応容器中にアルゴンと酸素の体積比が3:1の混合ガスを導入し大気と置換させた。この反応容器中に酸素ガスを50(m3/hr)及びアルゴンガスを2(m3/hr)で供給してアルミニウム粉末の着火用の燃焼炎を形成した。次いでこの燃焼炎中に10(m3/hr)窒素キャリアガスで原料のアルミニウム粉末(供給量2kg/hr)を投入した。このときの粉塵濃度は350g/m3とした。
反応容器内でアルミニウム粉末は火炎により燃焼して酸化され、アルミナ微粉末となる。酸化反応後、反応容器内を温度1℃/分の速度で冷却しアルミナ微粉末を得た。
得られたアルミナ微粉末に対して風力分級を行い、微粉および粗粉を除去することによりアルミナ微粉末(1)を得た。
アルミナ微粉末(1)の物性について表1に記す。
(無機微粉末製造例4)
反応容器中にアルゴンと酸素の体積比が3:1の混合ガスを導入し大気と置換させた。この反応容器中に酸素ガスを50(m3/hr)及びアルゴンガスを2(m3/hr)で供給して金属チタン粉末の着火用の燃焼炎を形成した。次いでこの燃焼炎中に10(m3/hr)窒素キャリアガスで原料の金属チタン粉末(供給量4kg/hr)を投入した。このときの粉塵濃度は240g/m3とした。
反応容器内で金属チタン粉末は火炎により燃焼して酸化され、酸化チタン微粉末となる。酸化反応後、反応容器内を温度1℃/分の速度で冷却し酸化チタン微粉末を得た。
該微粒子100部に対してジメチルシリコーンオイルを3部添加することで、表面処理された酸化チタン微粉末を得た。得られた酸化チタン微粉末に対して風力分級を行い、微粉および粗粉を除去することにより酸化チタン微粉末(1)を得た。
酸化チタン微粉末(1)の物性について表1に記す。
(無機微粉末製造例5)
撹拌機、滴下口、温度計を備えた30Lのガラス製反応器に水2.18L、メタノール7L及び28%アンモニア水溶液1.0kgを添加しアンモニア混合液を調製した。該混合液を40℃±0.5℃に調整し、撹拌しなからシラン化合物としてテトラメトキシシラン912gとメタノール1.2Lとの混合液を反応容器内の温度を40℃に保ちながら滴下して加水分解を行いシリカ微粒子の懸濁体を得た。更に該微粒子を温度250℃で焼成し、該微粒子100部に対してジメチルシリコーンオイルを5部添加することで、風力分級を行うことなく表面処理されたシリカ微粉末(3)を得た。
シリカ微粉末(3)の物性について表1に記す。
(無機微粉末製造例6)
反応容器中にアルゴンと酸素の体積比が3:1の混合ガスを導入し大気と置換させた。この反応容器中に酸素ガスを40(m3/hr)及び水素ガスを40(m3/hr)で供給し着火装置を用いて酸素−水素からなる燃焼炎を形成した。次いでこの燃焼炎中に圧力5kg/cm3の水素キャリアガスで原料の金属ケイ素粉末を投入し、粉塵雲を形成した。このときの粉塵濃度は600g/m3とした。この粉塵雲は燃焼炎により着火し粉塵爆発による酸化反応を生じさせる。酸化反応後、反応容器内を温度10℃/分の速度で冷却し、風力分級を行うことなくシリカ微粉末(4)を得た。
シリカ微粉末(4)の物性について表1に記す。
(無機微粉末製造例7)
撹拌機、滴下口、温度計を備えた30Lのガラス製反応器に水2.18L、メタノール0.7L及び28%アンモニア水溶液1.5kgを添加しアンモニア混合液を調製した。該混合液を温度60℃±0.5℃に調整し、撹拌しなからシラン化合物としてテトラメトキシシラン912gとメタノール1.2Lとの混合液を反応容器内の温度を60℃に保ちながら滴下して加水分解を行いシリカ微粒子の懸濁体を得た。更に該微粒子を温度180℃で焼成し、風力分級を行うことなくシリカ微粉末(5)を得た。
シリカ微粉末(5)の物性について表1に記す。
(無機微粉末製造例8)
反応容器中にアルゴンと酸素の体積比が3:1の混合ガスを導入し大気と置換させた。この反応容器中に酸素ガスを40(m3/hr)及び水素ガスを20(m3/hr)で供給し着火装置を用いて酸素−水素からなる燃焼炎を形成した。次いでこの燃焼炎中に圧力1kg/cm3の水素キャリアガスで原料の金属ケイ素粉末を投入し、粉塵雲を形成した。このときの粉塵濃度は300g/m3とした。
粉塵雲は燃焼炎により着火し粉塵爆発による酸化反応を生じさせる。酸化反応後、反応容器内を温度10℃/分の速度で冷却しシリカ微粉末を得た。
得られたシリカ微粉末に対して風力分級を行い、微粉および粗粉を除去することによりシリカ微粉末(6)を得た。
シリカ微粉末(6)の物性について表1に記す。
次いで、トナー製造例について以下に記す。
(トナー製造例1)
トナー粒子(1)100部に対し、四塩化珪素の酸水素中焔中での高温加水分解によって得られたシリカ微粉末にオクタメチルシクロテトラシロキサンで表面処理を行ったシリカ(a)(商品名AEROSIL R104、BET値150m2/g、一次粒径12nm、日本アエロジル株式会社製)0.50部、およびシリカ微粉末(1)1.00部を添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合して、トナー(1)(実施例1)を得た。このとき攪拌羽根周速は15〜50m/secとし、過度なチャージアップにより混合均一性が劣ることを防止するために、混合槽内の湿度が30%RHを下回らないよう、適宜系内湿度を調整した。
(トナー製造例2)
シリカ微粉末(1)を1.00部添加することに替えて、シリカ微粉末(2)を0.05部添加すること以外にはトナー製造例1と同様にして、トナー(2)(実施例2)を得た。
(トナー製造例3)
トナー粒子(1)100部に替えてトナー粒子(2)100部を用い、シリカ微粉末(1)を1.00部添加することに替えてアルミナ微粉末(1)を0.75部添加し、シリカ(a)の添加量を1.20部に変更すること以外にはトナー製造例1と同様にして、トナー(3)(実施例3)を得た。
(トナー製造例4)
トナー粒子(1)100部に替えてトナー粒子(3)100部を用い、シリカ微粉末(1)を1.00部添加することに替えて酸化チタン微粉末(1)を2.00部添加し、シリカ(a)の添加量を0.10部に変更すること以外にはトナー製造例1と同様にして、トナー(4)(実施例4)を得た。
(トナー製造例5)
シリカ微粉末(1)を1.00部添加することに替えて、シリカ微粉末(3)を1.20部添加すること以外にはトナー製造例1と同様にして、トナー(5)(実施例5)を得た。
(トナー製造例6)
シリカ(a)を0.50部添加することに替えて、塩化アルミニウムの酸水素中焔中での高温加水分解によって得られたアルミナ微粉末(a)(商品名Aluminium Oxide、BET値100m2/g、一次粒径13nm、日本アエロジル株式会社製)を0.50部添加すること以外にはトナー製造例1と同様にして、トナー(6)(実施例6)を得た。
(トナー製造例7)
シリカ(a)を0.50部添加することに替えて、濃縮した硫酸チタンを熱加水分解し、水酸化チタンを析出させた後に焼成することで得られたルチル型酸化チタン微粉末(a)(商品名JR、BET値6.8m2/g、一次粒径270nm、テイカ株式会社製)を0.50部添加すること以外にはトナー製造例1と同様にして、トナー(7)(実施例7)を得た。
(トナー製造例8)
シリカ微粉末(1)を1.00部添加することに替えて、シリカ微粉末(4)を0.50部添加すること以外にはトナー製造例1と同様にして、トナー(8)(比較例1)を得た。
(トナー製造例9)
トナー粒子(1)100部に替えてトナー粒子(4)100部を用い、シリカ微粉末(1)を1.00部添加することに替えて、シリカ微粉末(5)を0.50部添加すること以外にはトナー製造例1と同様にして、トナー(9)(比較例2)を得た。
(トナー製造例10)
球形無機微粉末を添加しないこと以外にはトナー製造例1と同様にして、トナー(10)(比較例3)を得た。
(トナー製造例11)
トナー粒子(1)100部に替えてトナー粒子(5)100部を用い、シリカ微粉末(1)を1.00部添加することに替えて、シリカ微粉末(6)を1.70部添加すること以外にはトナー製造例6と同様にして、トナー(11)(実施例8)を得た。
〔実施例1〜8及び比較例1〜3〕
(画像評価)
得られたトナー(1)乃至トナー(11)を用い、以下の方法に従って画像評価を行った。
画像形成装置としては市販のレーザプリンタLBP−840(キヤノン製)を図1に示すように改造し、通常使用環境下(温度25℃、湿度40%RH)で50000枚印字の耐久評価を行った後に高温高湿度環境下(温度30℃、湿度80%RH)にて7日間静置し、その後低温低湿度環境下(温度15℃、湿度10%RH)で10000枚印字の耐久評価を行った。
評価機の改造点は以下のとおりである。
(a)装置の帯電方式をゴムローラー102を当接して行う直接帯電とし、印加電圧を直流成分(−1200V)とした。
(b)トナー担持体をカーボンブラックを分散したシリコーンゴムからなる中抵抗ゴムローラー114(直径16mm、硬度ASKER−C45度、抵抗105Ω・cm)に変更し、感光体に当接した。
(c)該トナー担持体の回転周速は、感光体との接触部分において同方向であり、該感光体101の回転周速に対し145%となるように駆動した。
(d)感光体101を以下のものに変更した。
ここで用いる感光体としてはAlシリンダーを基体としたもので、これに以下に示すような構成の層を順次浸漬塗布により積層して、感光体を作製した。
・導電性被覆層:酸化錫及び酸化チタンの粉末をフェノール樹脂に分散したものを主体と する。膜厚15μm。
・下引き層:変性ナイロン及び共重合ナイロンを主体とする。膜厚0.6μm。
・電荷発生層:長波長域に吸収を持つチタニルフタロシアニン顔料をブチラール樹脂に分 散したものを主体とする。膜厚0.6μm。
・電荷輸送層:ホール搬送性トリフェニルアミン化合物をポリカーボネート樹脂(オスト ワルド粘度法による分子量2万)に8:10の質量比で溶解したものを主体とする。膜 厚20μm。
(e)トナー担持体114にトナーを塗布する手段として、現像器104内に発泡ウレタンゴムからなる塗布ローラー115を設け、該トナー担持体114に当接させた。塗布ローラー115には、約−550Vの電圧を印加した。
(f)該トナー担持体上トナーのコート層制御のために、樹脂コートしたステンレス製ブレード116を用いた。
(g)現像時の印加電圧をDC成分(−460V)のみとした。
(h)クリーナー部材を取り除いた。
(i)感光体帯電電位は、暗部電位を−700Vとし、明部電位を−100Vとした。
評価画像としては、図4に示すような格子状の画像パターンを用い、一枚あたりの印字比率、すなわち印字可能領域に占める印字部分の面積が1%になるよう、画像を作成した。評価画像の模式図について、図3に示す(図3における網点部を拡大すると、図4のパターンとなる)。
上記画像を2枚間欠モード(すなわち、2枚プリントアウトする毎に10秒間現像器を休止させ、再起動時の予備動作でトナーの劣化を促進させるモード)で、通常使用環境(温度25℃,湿度40%RH)で50000枚印字の耐久評価を行った後に高温高湿度環境下(温度30℃、湿度80%RH)にて7日間静置し、その後低温低湿度環境下(温度15℃、湿度10%RH)に移動させ、1時間静置後にさらに10000枚印字の耐久評価を行った。
通常使用環境下で印字された1枚目、50000枚目の画像、および低温低湿度条件下で印字された1枚目(積算枚数50001枚目)、1000枚目(積算枚数51000枚目)および10000枚目(積算枚数60000枚目)の画像を用い、以下の方法で画像評価を行った。
(画像安定性)
画像評価には「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用いた。通常使用環境下で印字された1枚目の画像濃度平均値(図3において、網点部5箇所の濃度の相加平均値)と、各印字枚数での評価画像濃度平均値との差分を算出し、以下の基準に基づきランク評価した。
a:差分が0.03未満
b:差分が0.03以上0.06未満
c:差分が0.06以上0.10未満
d:差分が0.10を超える
(画像均一性)
画像評価には「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用いた。対象となる評価画像の印字部(図3における網点部5箇所)において、最大値と最小値の差分を算出し、以下の基準に基づきランク評価した。
a:差分が0.03未満
b:差分が0.03以上0.06未満
c:差分が0.06以上0.10未満
d:差分が0.10を超える
(細線再現性)
画像評価にはレーザー顕微鏡(KH−3000 HIROX社製)および解析ソフト(Image−Pro Plus4.5 Media Cybernetics社製)を用いた。
倍率100倍にて撮影した印字画像を解析し、下式に則り飛び散り率を算出した。
ただし、
Q:測定枠30内の面積
S:測定枠30内の飛び散り127の面積
飛び散り率の算出を評価画像1枚につき任意の5箇所で行い、その相加平均値を用いて以下の基準に基づき細線再現性についてランク評価した。
a:飛び散り率が1%未満
b:飛び散り率が1%以上3%未満
c:飛び散り率が3%以上5%未満
d:飛び散り率が5%以上
評価結果について表2に記す。
〔実施例9〕
評価装置をLBP−840改造機に替えて、市販のカラーレーザープリンターLBP−2810とした。なお、LBP−2810は非磁性一成分現像方式の画像形成装置であり、感光体上に残った転写残トナーを回収するクリーニングブレードを備えている。
LBP−2810のマゼンタカートリッジよりトナーを除去し、替わりにトナー(1)を330g充填した。フルカラー画像において、実施例1の場合と同様に、通常使用環境(25℃,40%RH)での耐久評価を行った後に高温高湿度環境下(30℃、80%RH)にて7日間静置し、その後低温低湿度環境下(15℃、10%RH)に移動させ、1時間静置後にさらに耐久評価を行ったところ、いずれの環境においても良好な結果が得られた。