JP3758481B2 - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンターなどの電子写真方式を用いた画像形成装置および画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法では、像担持体表面を帯電、露光して形成した静電潜像に着色トナーで現像して可視像としてのトナー像を形成し、該トナー像を転写紙等の被転写体に転写し、これを熱ロール等で定着して画像を形成している。トナー像の転写を終えた像担持体表面には、一般に未転写のトナーが残留するため、この残留トナーを、次の画像形成プロセスに先立って何らかのクリーニング手段により除去することが必要になる。また、一般的にクリーニング手段により、像担持体表面に付着した他の異物も、残留トナーと共に取り除いている。
【0003】
これら転写後の残留トナー等を除去するクリーニング手段としては、ファーブラシ、磁気ブラシ等を使用する方法や、材質が弾性体であるクリーニングブレードを使用する方法等各種の方法が使用されているが、クリーニングブレードにて像担持体を摺擦してトナーを掻き落とす手段が、安価で且つ性能安定性が高いことより一般的に使用されている。クリーニングブレードの材質として用いられる弾性体には、耐摩耗性に優れていることよりポリウレタンゴムが多く使用されている。
【0004】
一方、近年、特にフルカラー画像形成装置において高画質化が進み、その高画質化のための一つの方向として、トナーの小径化、球形化が進められるようになってきている。小径化により、像担持体表面に形成されるトナー画像のドットの再現性を向上させることができ、球形化することで現像性、転写性を向上させることができる。
【0005】
しかしながら、前述のような小径、球形のトナー(以下、「球形トナー」と称する場合がある。)を使用した場合、特にブレードクリーニング方式では、良好なクリーニング性能が得られないという不具合が生じることがある。クリーニング不良を起こしたトナーは次画像形成時画質欠陥となり、特に帯電装置がロール帯電器等の接触式の帯電器の場合などは、クリーニングブレードをスルーしたトナーが帯電器に堆積し帯電不良を引き起こしてしまう場合があるため、影響が大きい。とりわけトナーの形状指数SFが125より小さいほぼ球形のトナーでは、顕著にクリーニング性が悪化する。また形状指数SFが125〜135の間の形状のトナーであっても、形状分布を有することから、ほぼ球状のトナーが存在し、経時でクリーニング性が悪化する傾向にある。
【0006】
またこのクリーニング性は、現像に用いるトナーの粒径が小さくなるほど悪化する傾向にある。画像形成装置は10℃〜30℃程度の温度範囲で使用されるが、特に低温下に於いてはこのクリーニング性の悪化が顕著に現れる。
【0007】
クリーニングブレードを用いたクリーニング方式では、前述のようにゴムブレードにて像担持体を摺擦してトナーを掻き落としているため、像担持体とゴムブレードとの摩擦抵抗によりゴムブレードのエッジ先端が変形し、両者間に微小な楔状の空間を形成している。この空間には、小径のトナーであればあるほどエッジ先端に侵入しやすく、エッジ先端に侵入したトナーは入れ替わり難く、非流動領域を形成する。
【0008】
また、球形トナーは、不定形トナーと比較して最密充填し易いため、クリーニングブレードのエッジと像担持体との接触点近傍の微小な空間で圧密化されやすい。非流動領域のトナーと像担持体との摩擦抵抗が比較的小さく、トナーが像担持体に対して滑っている状態では、クリーニング不良は発生しないが、像担持体との摺擦による外添剤の離脱等によりトナーと像担持体の摩擦力が増加すると、球形トナーは転がり摩擦が従来の粉砕不定形トナーと比べて小さいため、クリーニングブレードと像担持体の間で転がり始め、すり抜けてしまうと考えられる。
【0009】
そこで球形トナーを用いた画像形成装置で、クリーニングブレードのクリーニング不良を防止するため、球形トナーと不定形トナーとを混合したもので画像形成を行う方法が、例えば、特開昭60−131547号公報、特開平6−148941号公報などにおいて提案されている。しかしながら、この方法においては、球形トナーと不定形トナーとを混合したものをトナーとして現像に使用しているため、球形トナーのみを現像した場合と比較して緻密で均一な画像や、球形トナーの利点である高い転写効率が得られないという不具合がある。
【0010】
また、特開平08−254873号公報では、色の異なる画像を現像するための複数の現像機で構成されている画像形成装置において、少なくとも1つの現像機に不定形トナーを収容し、その他の現像機に球形トナーを収容することが提案されている。この方法においても、不定形トナーを収容した現像機で現像した画像は、他の球形トナーのみを収容した現像機で現像した場合と比較して、緻密で均一な画像や球形トナーの利点である高い転写効率が得られないという不具合がある。更にタンデム方式のフルカラー画像形成装置では、その効果が発揮できない。
【0011】
また、球形トナーを用いた画像形成装置でクリーニングブレードのクリーニング不良を防止する別の手段として、像担持体に潤滑剤等を供給する方法が提案されている(例えば、特開平5−188643号公報)。しかしながら像担持体への潤滑剤供給が不足するとクリーニング不良が発生し、供給過剰では像担持体へのフィルミングによる悪影響が起こりやすいため、潤滑剤を長期に渡り均一に像担持体に供給する必要があり、設計が非常に困難である。また最近では装置の小型化が進んでおり、特に小径の像担持体を用いた画像形成装置に於いては潤滑剤を像担持体表面に直接供給する潤滑剤供給装置のスペースを確保する事は非常に困難である。特に、タンデム方式の画像形成装置では各像担持体に潤滑剤供給装置を具備させる必要があるため、低コスト化の面で非常に不利である。
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明は、従来の技術における上記のような実情に鑑みてなされたものである。すなわち本発明の目的は、球形トナーを用いた画像形成装置においても、画質を低下させることなく、使用温度環境によらず良好な像担持体のクリーニング性を確保した画像形成装置および画像形成方法を安価に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記目的を達成するべく鋭意研究を重ねた結果、特定の大きさの外添剤と、特定の物性のクリーニングブレードとを組み合わせることにより、上記の目的を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明の画像形成装置は、像担持体と、該像担持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記像担持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、前記像担持体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、転写後の像担持体表面の残留トナーを除去するクリーニングブレードを備えるクリーニング手段と、を具備した画像形成装置であって、
前記トナーが、少なくとも、下記式(1)で表される平均形状指数SFが100〜135の範囲であるトナー粒子と、平均粒径50〜500nm、標準偏差が平均粒径D 50 ×0.22以下かつ球形化度Ψ0.6以上のシリカとからなり、
前記クリーニング手段に備えられるクリーニングブレードが、10℃における反発弾性が35%以上である弾性体からなり、該クリーニングブレードの前記像担持体への押しつけ線圧を9.8×10-3〜4.9×10-2 N/mmとすることを特徴とする。
SF=100×πML2/4A ・・・式(1)
ML:トナー粒子の絶対最大長
A:トナー粒子の投影面積
【0013】
また、本発明の画像形成方法は、像担持体の表面に潜像を形成する潜像形成工程と、前記像担持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像工程と、前記像担持体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写工程と、転写後の像担持体表面の残留トナーをクリーニングブレードにより除去するクリーニング工程と、を備える画像形成方法であって、
前記トナーが、少なくとも、上記式(1)で表される平均形状指数SFが100〜135の範囲であるトナー粒子と、平均粒径50〜500nm、標準偏差が平均粒径D 50 ×0.22以下かつ球形化度Ψ0.6以上のシリカとからなり、
前記クリーニング手段におけるクリーニングブレードが、10℃における反発弾性が35%以上である弾性体からなり、該クリーニングブレードの前記像担持体への押しつけ線圧を9.8×10-3〜4.9×10-2 N/mmとすることを特徴とする。
【0014】
本発明において、前記外添剤としては、球状シリカであることが好ましく、その含有量としては、トナー粒子100重量部に対して0.5〜5重量部の範囲であることが好ましい。
【0015】
前記クリーニングブレードの材質としては、ポリウレタン系樹脂であることが好ましい。
前記トナー中のトナー粒子の上記式(1)で表される平均形状指数SFとしては、100〜125の範囲であることが望ましい。
【0016】
既述の如く、従来からの不定形トナーと比較して、球形トナーのクリーニング性が困難な理由は、転がり摩擦係数の低い球形トナーが、クリーニングブレードと像担持体との間で転がることに起因しており、球形トナーのクリーニング性を向上させるためには、長期に渡り、また使用環境によらず、いかに球形トナーの転がりを安定して抑制するかが重要である。
【0017】
本発明者等は、特に球形トナーのクリーニングブレード先端の微小変形部での転がりを長期に渡り安定して抑制する手段として、トナーに、一般的な外添剤よりも大径の外添剤を添加すること、および、クリーニングブレードの反発弾性を10℃温度条件で35%以上とすること、の組み合わせが有効であることを見出し、本発明に想到したものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、まず、本発明に特徴的なトナー、およびクリーニングブレードについて説明し、その後に本発明の画像形成装置および画像形成方法の全体の構成を説明する。
【0019】
<トナー>
本発明において使用されるトナーは、少なくとも結着樹脂および着色剤からなるトナー粒子と、外添剤とからなるものである。また、該トナーは、それ自体のみで現像剤を構成する一成分系現像剤として使用してもよいが、一般的には、キャリアと共に混合されて現像剤を構成する二成分系現像剤として使用される。以下、本発明に使用されるトナー、並びに該トナーと混合して用いられるキャリアについて、各構成要素に分けて詳細に説明する。
【0020】
(トナー粒子)
本発明において使用されるトナー粒子は、下記式(1)で表される平均形状指数SFが100〜135である。
SF=100×πML2/4A ・・・式(1)
ML:トナー粒子の絶対最大長
A:トナー粒子の投影面積
かかる形状のトナー粒子は、クリーニングブレード先端の微小変形部での転がりが問題となりやすく、本発明の画像形成装置あるいは画像形成方法によれば、かかるトナーを用いた場合の残留トナーを極めて有効に除去することができる。
【0021】
なお、平均形状指数SFとは、トナー粒子の形状指数SFを上記式(1)にしたがって求めた上での算術平均を指し、例えば、トナーをサンプリングして画像解析装置(LuzexIII、(株)ニレコ製)に導入し、100個のトナー粒子について解析を行い、個々のトナー粒子について円相当径を測定して、絶対最大長および投影面積から、個々のトナー粒子の形状指数SFを求め、その算術平均を求めることで得ることができる。なお、形状指数SFは、真球の場合SF=100となる。
【0022】
上記平均形状指数SFとしては、100〜125のものを用いることにより、より一層高い現像性、転写性を確保することができると共に、高画質の画像を得ることができる。
【0023】
トナー粒子は、少なくとも結着樹脂と着色剤とからなり、必要に応じて離型剤やその他の成分が含まれる。
トナー粒子の結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα―メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体および共重合体;を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。
【0024】
トナー粒子の着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
【0025】
トナー粒子に含有させることができる離型剤としては、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示することができる。
【0026】
また、トナー粒子には、必要に応じて帯電制御剤が添加されてもよい。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナー粒子を製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で、水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。
【0027】
本発明に使用できるトナー粒子は、磁性材料を内包する磁性トナーおよび磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
本発明に使用できるトナー粒子の体積平均粒径としては、2〜9μmの範囲内のものが好ましく、3〜7μmの範囲内のものがより好ましい。
【0028】
本発明に好ましく使用できるトナー粒子の製造方法としては、前記形状指数と粒径とを満足する範囲のものであれば、特に限定されるものではなく、公知の製造方法を適用することができる。トナー粒子の製造は、例えば、結着樹脂と着色剤、必要に応じて離型剤、帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法;混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法;結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法;結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法;結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法;等を挙げることができる。また上記方法で得られたトナー粒子をコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法を行ってもよい。
【0029】
(外添剤)
本発明の画像形成装置および画像形成方法においては、前記外添剤のうちの少なくとも1種として、50〜500nmの範囲である粒子をトナーに含むことが必須である。トナーに含まれる平均粒径50〜500nmの外添剤(以下、「大径外添剤」という場合がある。)をクリーニングブレード先端部の微小変形部分に堆積させる(シールする)事により、有効にトナー粒子のクリーニングブレードのエッジ先端変形部への侵入を抑制し、また同時に大径外添剤が滑剤となりクリーニングブレードのエッジの変形量増加及びスティック&スリップを抑制し、トナーの圧密化が抑制され、トナー粒子の転がりを抑制する事が出来る。以上の作用により、トナー粒子が像担持体とクリーニングブレードとの間をすり抜けることが防止され、クリーニング性が格段に向上する。
【0030】
平均粒径50〜500nmの粒子を簡便にクリーニングブレード先端部へ供給する為には、外添剤としてトナーに添加・付着させておく事が最も有効であり、また安定してクリーニングブレードのエッジ先端部へ供給するにはトナー粒子の表面に保持された状態でクリーニングブレードのエッジに運ばれるのが有効である。トナー粒子の表面に保持された当該外添剤は、クリーニングブレードとの摺擦のストレスでトナー粒子表面から離脱し、クリーニングブレード先端変形部に有効に供給されることとなる。
【0031】
大径外添剤の平均粒径が50nmよりも小さいと、クリーニングブレード先端変形部に留まり難く有効なシール形成ができない。また500nmより大きいと、トナー粒子表面への付着がしがたく、現像器内での撹拌ストレスによって容易にトナー粒子表面より離脱してしまい、有効にクリーニングブレードへの供給ができなくなり、長期にわたり安定してシール効果およびクリーニングブレード挙動安定効果を発揮することができない。大径外添剤の平均粒径としては、80〜300nmの範囲内であることがより望ましい。
【0032】
大径外添剤の比重としては、1.3〜1.9の範囲内であることが好ましい。比重が1.9より大きくなると、現像機内でのストレスで該外添剤のトナー粒子からの剥がれが加速されやすく、有効にクリーニングブレードへの供給ができなくなる場合がある。一方、比重が1.3より小さくなると、大径外添剤の凝集分散が起こりやすく、大径外添剤の穂立ちが不均一になり、凸部分に選択的にストレスが加わることから、大径外添剤のトナー粒子からの剥がれが加速され、やはり有効にクリーニングブレードへの供給ができなくなる場合がある。
【0033】
大径外添剤は、球形であることが望ましい。大径外添剤が球形であることより、トナー粒子表面に均一分散が可能となり、大径外添剤の剥がれを有効に抑制する事が可能である。球形の定義としてはWadellの真の球形化度で議論ができ、球形化度Ψが0.6以上であることが好ましく、0.8以上であることがより好ましい。
【0034】
大径外添剤による効果は、大径外添剤がより単分散に近いほど高く発揮されると考えられる。ここで単分散の定義としては、凝集体を含め平均粒径に対する標準偏差で議論することができ、標準偏差としてD50×0.22以下であることが望ましい。
【0035】
大径外添剤の含有量としては、トナー粒子100重量部に対し0.5〜5重量部とすることが好ましく、1〜3重量部とすることがより好ましい。0.5重量部未満であると球形トナーのクリーニング性向上効果が十分に得られない場合があり、5重量部を超えると大径外添剤が像担持体にフィルミングし、画質劣化を引き起こしやすくなり、それぞれ好ましくない。
【0036】
大径外添剤の材料としては、上記形状のものであれば特に限定されないが、特にシリカが良いと考えられる。この理由としては、シリカは屈折率が1.5前後であり、粒径を大きくしても光散乱による透明度の低下、特にOHP上への画像作成時のPE値(光透過性の指標)等に影響を及ぼさないことが挙げられる。
【0037】
一般的なフュームドシリカは、比重2.2であり、粒径的にも最大50nmが製造上から限界である。また凝集体として粒径を上げることは出来るが均一分散が困難であり、安定したシール効果を得ることができない。一方、他の代表的な無機微粒子としては、酸化チタン(比重4.2、屈折率2.6)、アルミナ(比重4.0、屈折率1.8)、酸化亜鉛(比重5.6、屈折率2.0)を挙げることができるが、いずれも比重が高く、クリーニングブレードのエッジ先端変形部におけるシール効果が有効に発現するように、粒径を50nmより大きくすると、トナー粒子からの剥がれが起こりやすくなる場合がある。またその屈折率も高いためカラー画像作成には不利である。
【0038】
大径外添剤として好適なシリカ、特に比重1.3〜1.9で球形単分散のシリカは、湿式法であるゾルゲル法により得ることができる。当該方法によれば、湿式法で、且つ焼成することなしに製造する方法であるため、蒸気相酸化法等に比べ、その比重を低く制御することができる。また疎水化処理工程での疎水化処理剤種、あるいは処理量を制御することにより、更にその比重を調整することが可能である。シリカの粒径は、ゾルゲル法の加水分解、縮重合工程のアルコキシシラン、アンモニア、アルコール、水の重量比、反応温度、攪拌速度、供給速度により自由に制御できる。単分散で、球形形状のシリカとすることも、ゾルゲル法にて製造することにより、達成可能となる。
【0039】
具体的なシリカの製造方法としては、以下の通りである。まず、テトラメトキシシラン等のシラン化合物を水、アルコールの存在下、アンモニア水を触媒として温度をかけながら滴下、攪拌を行う。次に、反応により生成されたシリカゾル懸濁液の遠心分離を行い、湿潤シリカゲルとアルコール、アンモニア水とに分離する。湿潤シリカゲルに溶剤を加え再度シリカゾルの状態にし、疎水化処理剤を加え、シリカ表面の疎水化を行う。疎水化処理剤としては、一般的なシラン化合物を用いることができる。次にこの疎水化処理シリカゾルから溶媒を除去、乾燥、シーブすることにより、狙いの単分散シリカを得ることができる。またこのように得られたシリカを再度上記の如くゾルゲル方による処理を行っても構わない。
【0040】
上記シラン化合物は、水溶性であるものが使用できる。このようなシラン化合物としては、化学構造式RaSiX4-a(式中、aは0〜3の整数であり、Rは水素原子、アルキル基およびアルケニル基等の有機基を表し、Xは塩素原子、メトキシ基およびエトキシ基等の加水分解性基を表す。)で表される化合物を使用することができ、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれのタイプを使用することも可能である。具体的にはメチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O―(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N―ビス(トリメチルシリル)ウレア、tert―ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4―エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等を代表的なものとして例示することができる。
【0041】
上記疎水化処理剤としては、特に好ましくは、ジメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0042】
本発明の画像形成装置および画像形成方法においては、外添剤として、以上の大径外添剤の他に、トナーの流動性、帯電性を制御するための無機化合物をトナーに含有させることができる。トナーの流動性、帯電性を制御するためには、トナー粒子の表面を外添剤で充分被覆する必要があるが、上記大径外添剤では充分な被覆を得ることができない。したがって、上記大径外添剤と共に、小径の無機化合物を併用することが望ましい。
【0043】
トナーに含有させ得る小径の無機化合物としては、公知のものを用いることができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム等を挙げることができる。また目的に応じてこれら無機微粒子の表面には公知の表面処理を施してもよい。
【0044】
トナーに含有させ得る以上のような小径の無機化合物の平均粒径としては、50nm未満とすることが好ましく、5〜30nmの範囲とすることがより好ましい。また、その添加量としては、トナー粒子100重量部に対して、0.3〜3.0重量部の範囲とすることが好ましい。
【0045】
(キャリア)
上記トナーと共に使用されるキャリアとしては、芯材として、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属;フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物;ガラスビーズ;等が用いられるが、磁気ブラシ法を用い体積固有抵抗を調整するためには、磁性材料であることが好ましい。その芯材の平均粒子径は、通常10〜500μmの範囲であり、好ましくは30〜100μmである。
【0046】
また、これらのキャリアは、帯電性を付与するために樹脂等で被覆された樹脂被覆層を有していることが好ましく、その樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、フェノール樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0047】
キャリアの芯材表面に樹脂被覆層を形成する方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬させる浸漬法、芯材表面に被覆層形成用溶液を噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中で芯材と被覆層形成用溶液とを混合した後、溶剤を除去するニーダーコーター法等を適用することができる。
【0048】
本発明において、前記トナーと上記キャリアとの混合比(重量比)としては、好ましくはトナー:キャリア=1:100〜30:100程度の範囲であり、より好ましくは3:100〜20:100程度の範囲である。
【0049】
<クリーニングブレード>
本発明において使用されるクリーニングブレード(以下、「特定のクリーニングブレード」という場合がある。)は、10℃における反発弾性が35%以上である弾性体からなるものである。該弾性体の10℃における反発弾性としては、40%以上であることが好ましい。
【0050】
球形トナーを用いた場合、低温度条件下に於いてはクリーニング性を維持することが困難であった。以上の如き、トナーの外添剤として、前記大径外添剤を用いた場合にも、低温度条件下におけるクリーニング性を長期に渡り安定して維持することは困難である。本発明は、クリーニングブレードの低温(10℃)における反発弾性を規定することで、低温度条件下でのクリーニング性を長期に渡り安定して維持し得ることを見出したものである。すなわち、本発明では、トナーの外添剤として前記大径外添剤を用いることによるクリーニング性向上効果を、クリーニングブレードの低温における反発弾性を規定し、像担持体表面の凹凸に対する低温における追従性を向上させ、大径外添剤の保持性能(シール効果)を向上させることにより、低温度条件下においても実現させている。
【0051】
特定のクリーニングブレードを構成する弾性体の反発弾性は、通常の画像形成装置の環境温度である10℃〜40℃の範囲で、35%以上であることが望ましい。一般の弾性体は、上記温度範囲では、温度上昇と共に反発弾性も上昇するものであり、10℃における反発弾性が35%以上であれば、「10℃〜40℃の範囲で35%以上」との条件を満たすことができるものである。
【0052】
上記反発弾性の具体的な測定方法は、JIS K6255加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの反発弾性試験方法のリュプケ式反発弾性試験に準ずるものである。
反発弾性の測定に際しては、測定対象となるサンプルが、測定時測定条件の温度になっているように、予め当該温度下(10℃における反発弾性を測定する場合には、10℃環境下)に、サンプルを十分に放置しておくことが望ましい。
【0053】
前記クリーニングブレードは、像担持体表面に押し付けられることにより、図1に示すように変形している。図1において、2はクリーニングブレードであり、1は矢印A方向に回転する潜像担持体である。クリーニングブレードは、保持部材3により潜像担持体1の表面に押し付けられている。
【0054】
特定のクリーニングブレードは、一般に電子写真装置における像担持体用のクリーニングブレードとして用いることができるような形状に成形される。像担持体にエッジが当接するような、いわゆるブレード形状であれば、特に全体の形状に制限はないが、厚みとしては、一般に1.5〜2.5mmの間から選択され、好ましくは1.8〜2.2mmの間から選択される。特定のクリーニングブレードの自由長(クリーニングブレードが装置内で固定される位置と、像担持体に当接するエッジ部の位置との間の長さ(図1におけるL1))としては、一般に5〜15mmの間から選択され、好ましくは7〜12mmの間から選択される。幅は、像担持体の軸方向の長さ(詳しくは、像担持体における潜像が形成される部分のの軸方向の長さ)に応じて、適宜設定すればよい。
【0055】
特定のクリーニングブレードの材質としては、上記物性を満たす弾性体であれば、特にその制限はなく、様々な弾性体を用いることができる。具体的な弾性体としては、ポリウレタン弾性体、シリコーンゴム、クロロプレンゴム等の弾性体が挙げられる。
【0056】
ポリウレタン弾性体としては、一般にイソシアネートとポリオールおよび各種水素含有化合物との付加反応を経て合成されるポリウレタンが用いられている。これは、ポリオール成分として、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル系ポリオールや、アジペート系ポリオール、ポリカプロラクタム系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール等のポリエステル系ポリオールを用い、イソシアネート成分として、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トルイジンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネート;を用いてウレタンプレポリマーを調製し、これに硬化剤を加えて、所定の型内に注入し、架橋硬化させた後、常温で熟成することによって製造されている。上記硬化剤としては、通常、1,4−ブタンジオール等の二価アルコールとトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の三価以上の多価アルコールとが併用される。
【0057】
<画像形成装置および画像形成方法>
次に、本発明の画像形成装置および画像形成方法について、併せて詳細に説明する。
本発明の画像形成装置は、像担持体と、該像担持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記像担持体の表面に形成された潜像を、既述のトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、前記像担持体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、転写後の像担持体表面の残留トナーを除去する特定のクリーニングブレードを備えるクリーニング手段と、を具備した画像形成装置である。
【0058】
すなわち本発明の画像形成装置は、クリーニング手段を有する一般的な電子写真方式の画像形成装置において、前記クリーニング手段として前記特定のクリーニングブレードを用い、かつ、トナーとして、既述の大径外添剤を含むトナーを用いることを特徴とするものである。
【0059】
前記特定のクリーニングブレードの像担持体への押しつけ線圧としては、9.8×10-3〜4.9×10-2N/mm(1.0〜5.0gf/mm)であることが好ましく、さらに3.9×10-2〜4.9×10-2N/mm(4.0〜5.0gf/mm)の高押しつけ線圧でも使用することができる。クリーニングブレードの押しつけ線圧が9.8×10-3N/mm(1.0gf/mm)よりも小さい場合には、クリーニングムラが生じる場合があり、4.9×10-2N/mm(5.0gf/mm)よりも大きい場合は、像担持体の表面を傷つけたり、摩耗量が増加してしまう場合があるため、それぞれ好ましくない。
【0060】
また、前記特定のクリーニングブレードの食い込み量(像担持体表面に押し付けられることによるクリーニングブレードの変形量(図1におけるd))としては、一概には言えないが、0.8〜1.6mm程度とすることが好ましく、1.0〜1.4mm程度とすることがより好ましい。さらに、前記特定のクリーニングブレードの像担持体への当接角(像担持体表面の接線とクリーニングブレードとの為す角(図1におけるθ))としては、一概には言えないが、18〜28°程度とすることが好ましい。
【0061】
本発明の画像形成装置について、図面を用いて詳細に説明する。図2は、本発明の画像形成装置の一例である電子写真装置を示す模式断面図である。図2に示す電子写真装置は、電子写真感光体(像担持体)10と、電子写真感光体10の表面を帯電する帯電器(帯電手段)11と、帯電器11に電圧を印加するための電源12と、電子写真感光体10の表面に潜像を形成する画像入力器(潜像形成手段)13と、前記大径外添剤を含むトナーにより電子写真感光体10の表面に形成された潜像を現像してトナー画像を得る現像器(現像手段)14と、形成されたトナー画像を転写材20表面に転写する転写器(転写手段)15と、特定のクリーニングブレードであるブレード19により電子写真感光体10表面の残留トナー等を除去するクリーニング器(クリーニング手段)16と、電子写真感光体10表面の残存電位を除去する除電器17と、被転写体20表面に転写されたトナー画像を熱および/または圧力等により定着する定着器18と、を有する。
【0062】
図2における電子写真感光体10の上には、帯電ローラー等の接触帯電方式の帯電器11が配置され、帯電器11は、電源12から供給される電圧により作動する。帯電器11としては、本例では、接触帯電方式のものを用いているが、本発明において、接触帯電方式、非接触帯電方式の別は問われない。
クリーニング器16は、箱体21の開口部に本発明のクリーニングブレードであるブレード19が具備されて構成され、電子写真感光体10表面から除去された残留トナー等は、箱体21内に収容される構造になっている。
【0063】
その他、画像入力器(潜像形成手段)13、現像器(現像手段)14、転写器(転写手段)15、除電器17、定着器18の構成は、本発明において特に制限されるものではなく、電子写真分野において従来公知のあらゆる構成をそのまま適用することができる。なお、本例のように接触帯電方式の帯電器11を用いる構成の場合、除電器17は、必ずしも設けられていなくてもよい。
【0064】
図2の電子写真装置を用いて、本発明の画像形成方法を説明する。電子写真感光体(像担持体)10の表面は、帯電器11により一様に帯電された上で、画像入力器(潜像形成手段)13により潜像が形成される(潜像形成工程)。電子写真感光体10の表面に形成された潜像は、現像器(現像手段)14に内蔵されたトナーにより現像され、トナー像が形成される(現像工程)。電子写真感光体10の表面に形成されたトナー像は、電子写真感光体10と、それに対向する転写器(転写手段)15との間に挿通された被転写体20表面に転写され(転写工程)、さらに定着器18の熱および/または圧力等により定着される。一方、転写後の電子写真感光体10表面の残留トナーは、ブレード19を具備したクリーニング器(クリーニング手段)16により除去される(クリーニング工程)。そして、次の画像形成サイクルに進む前に、電子写真感光体10表面の残存電位が、除電器17により除去される。
【0065】
大径外添剤は、トナー粒子表面に保持された状態でクリーニングブレードに供給されるが、像担持体表面の画像パターンによっては、大径外添剤の供給量が極端に少なくなる部分が生じる場合がある。これを防止するために、非画像形成サイクルで任意もしくは所定のタイミング(間隔)で、像担持体表面に、転写体へ転写されないトナー画像を作成することが望ましい。転写されないトナー画像を像担持体に作成することで、大径外添剤がクリーニングブレードに供給され、クリーニングブレード先端の挙動を安定にさせ、画像パターンによらず安定してクリーニング性能を維持することができる。
【0066】
なお、「非画像形成サイクル」とは、転写体が供給されない状態であって、像担持体表面に作成されたトナー画像が、そのままクリーニング手段(クリーニング工程)まで搬送され得るサイクルを言う。ここで形成されるトナー画像としては、クリーニングブレードの長手方向全体に前記外添剤が供給されるようなパターンであればよく、ベタ画像、ハーフトーン画像、ライン画像等いずれであっても構わない。転写されないトナー画像を作成するタイミングは、一定の枚数、サイクル、時間等毎であってもよいし、任意のタイミングであっても構わない。
【0067】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、トナーの組成物、キャリアの説明において、特に断りのない限り、「部」は全て「重量部」を意味する。
【0068】
[物性の測定方法]
トナーの組成物の各物性、およびクリーニングブレードの反発弾性の各測定は以下の方法で行った。
【0069】
<外添剤の比重測定>
ルシャテリエ比重瓶を用いJIS K0061の5−2−1に準拠して比重を測定した。具体的な操作は、次の通り行った。
(1)ルシャテリエ比重瓶に約250mlのエチルアルコールを入れ、メニスカスが目盛りの位置にくるように調整する。
(2)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2℃になったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る(読み取り精度は0.025mlとする)。
(3)試料を約100g量り取り、その質量をWとする。
(4)量り取った試料を比重瓶に入れ泡を除く。
(5)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2℃になったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る(読み取り精度は0.025mlとする)。
(6)次式により比重を算出する。
D=W/(L2−L1) ・・・式A
S=D/0.9982 ・・・式B
【0070】
上記式AおよびB中、Dは試料の密度(20℃)(g/cm3)、Sは試料の比重(20℃)、Wは試料の見かけの質量(g)、L1は試料を比重瓶に入れる前のメニスカスの読み(20℃)(ml)、L2は試料を比重瓶に入れた後のメニスカスの読み(20℃)(ml)、0.9982は20℃における水の密度(g/cm3)である。
【0071】
<外添剤の一次粒子径およびその標準偏差測定>
レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(HORIBA LA−910)を用いて、外添剤の一次粒子径およびその標準偏差を測定した。
【0072】
<外添剤の球形化度>
外添剤の球形化度は、Wadellの真の球形化度を採用し、以下の式(2)に準じて計算した。
球形化度Ψ=S’/S ・・・式(2)
上記式(2)中、S’は、実際の粒子と同じ体積を有する球の表面積を表し、平均粒径の値から計算により求めた。また、Sは、実際の粒子の表面積であり、島津粉体比表面積測定装置SS−100型を用いて測定されるBET比表面積の値を代用させた。
【0073】
<トナー粒子の平均形状指数SF>
トナー粒子の平均形状指数SFは、トナーをサンプリングして画像解析装置(LuzexIII、(株)ニレコ製)に導入し、100個のトナー粒子について解析を行い、個々のトナー粒子について円相当径を測定して、絶対最大長および投影面積から、個々のトナー粒子の上記式(1)で表される形状指数SFを求め、その算術平均を求めることで得た。
【0074】
<クリーニングブレードの反発弾性>
クリーニングブレードの反発弾性は、JIS K6255加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの反発弾性試験方法に従い、クリーニングブレードを10℃、23℃、40℃の各雰囲気中に2時間放置した後、そのままそれぞれの雰囲気中で測定した。
【0075】
[大径外添剤の調製]
(A)球形単分散シリカAの調製
ゾルゲル法で得られたシリカゾルにHMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理を行い、乾燥、粉砕することにより、比重1.50、球形化度Ψ=0.85、平均粒子径D50=135nm(標準偏差=29nm<D50×0.22=29.7nm)の球形単分散シリカAを得た。
【0076】
(B)球形単分散シリカBの調製
ゾルゲル法で得られたシリカゾルにHMDS処理を行い、乾燥、粉砕することにより、比重1.60、球形化度Ψ=0.90、平均粒子径D50=80nm(標準偏差=13nm<D50×0.22=17.6nm)の球形単分散シリカBを得た。
【0077】
(C)球形単分散シリカCの調製
ゾルゲル法で得られたシリカゾルにHMDS処理を行い、乾燥、粉砕することにより、比重1.50、球形化度Ψ=0.70、平均粒子径D50=100nm(標準偏差=40nm>D50×0.22=22nm)の球形単分散シリカCを得た。
【0078】
(D)球形単分散シリカDの調製
ゾルゲル法で得られたシリカゾルにイソブチルトリメトキシシラン処理を行い、乾燥、粉砕することにより、比重1.30、球形化度Ψ=0.70、平均粒子径D50=100nm(標準偏差=20nm<D50×0.22=22nm)の球形単分散シリカDを得た。
【0079】
(E)球形単分散シリカEの調製
ゾルゲル法で得られたシリカゾルにデシルトリメトキシシラン処理を行い、乾燥、粉砕することにより、比重1.90、球形化度Ψ=0.60、平均粒子径D50=200nm(標準偏差=40nm<D50×0.22=44nm)の球形単分散シリカEを得た。
【0080】
(F)ヒュームドシリカ
市販のヒュームドシリカRX50(日本アエロジル社製)を用意した。該ヒュームドシリカFは、比重2.2、球形化度Ψ=0.58、平均粒子径D50=40nm(標準偏差=20nm>D50×0.22=8.8nm)であった。
【0081】
(G)シリコーン樹脂微粒子
市販のシリコーン樹脂微粒子(東レダウコーニング社製)を用意した。該シリコーン樹脂微粒子Gは、比重1.32、球形化度Ψ=0.90、平均粒子径D50=600nm(標準偏差=100nm<D50×0.22=132nm)であった。
【0082】
[トナー粒子の製造]
a)樹脂分散液の調製
<樹脂分散液(1)の調製>
・スチレン・・・・・370g
・n−ブチルアクリレート・・・・・30g
・アクリル酸・・・・・8g
・ドデカンチオール・・・・・24g
・四臭化炭素・・・・・4g
【0083】
以上の成分を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6gおよびアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10gをイオン交換水550gに溶解した溶液に、フラスコ中で乳化分散させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4gを溶解したイオン交換水50gを投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、平均粒径が155nmであり、ガラス転移点Tg=59℃、重量平均分子量Mw=12000の樹脂粒子が分散された樹脂分散液(1)が得られた。
【0084】
<樹脂分散液(2)の調製>
・スチレン・・・・・280g
・n−ブチルアクリレート・・・・・120g
・アクリル酸・・・・・8g
【0085】
以上の成分を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6gおよびアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)12gをイオン交換水550gに溶解した溶液に、フラスコ中で乳化分散させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム3gを溶解したイオン交換水50gを投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、平均粒径が105nmであり、ガラス転移点Tg=53℃、重量平均分子量Mw=550000の樹脂粒子が分散された樹脂分散液(2)が得られた。
【0086】
b)着色剤分散液の調製
<着色剤分散液(1)の調製>
・カーボンブラック(モーグルL:キャボット製)・・・・・50g
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)・・・・・5g
・イオン交換水・・・・・200g
以上の成分を混合して溶解し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散し、平均粒子径が250nmである着色剤(カーボンブラック)の粒子が分散された着色剤分散液(1)を調製した。
【0087】
<着色剤分散液(2)の調製>
・シアン顔料(C.I.アシッド・ブルー15:3)・・・・・70g
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)・・・・・5g
・イオン交換水・・・・・200g
以上の成分を混合して溶解し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散し、平均粒子径が250nmである着色剤(シアン顔料)の粒子が分散された着色剤分散液(2)を調製した。
【0088】
<着色剤分散液(3)の調製>
・マゼンタ顔料(C.I.アシッド・レッド122)・・・・・70g
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)・・・・・5g
・イオン交換水・・・・・200g
以上の成分を混合して溶解し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散し、平均粒子径が250nmである着色剤(マゼンタ顔料)の粒子が分散された着色剤分散液(3)を調製した。
【0089】
<着色剤分散液(4)の調製>
・イエロー顔料(C.I.アシッド・イエロー180)・・・・・100g
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)・・・・・5g
・イオン交換水・・・・・200g
以上の成分を混合して溶解し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散し、平均粒子径が250nmである着色剤(イエロー顔料)の粒子が分散された着色剤分散液(4)を調製した。
【0090】
c)離型剤分散液の調製
・パラフィンワックス(HNP0190:日本精蝋(株)製、融点85℃)・・・・・50g
・カチオン性界面活性剤(サニゾールB50:花王(株)製)・・・・・5g以上の成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中で、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が550nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液(1)を調製した。
【0091】
d)トナー粒子の調製
・樹脂分散液(1)・・・・・120g
・樹脂分散液(2)・・・・・80g
・着色剤分散液(1)〜(4)のいずれか・・・・・200g
・離型分散液(1)・・・・・40g
・カチオン性界面活性剤(サニゾールB50:花王(株)製)・・・・・1.5g
【0092】
以上の成分を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら50℃まで加熱した。45℃で20分間保持した後、光学顕微鏡で確認したところ、平均粒径が約4.0μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。更にこの分散液に、樹脂含有微粒子分散液として樹脂分散液(1)を緩やかに60g追加した。そして加熱用オイルバスの温度を50℃まで上げて30分間保持した。光学顕微鏡にて観察したところ、平均粒径が約4.8μmである樹脂付着粒子が形成されていることが確認された。
【0093】
さらに上記樹脂付着を含む分散液に、アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)3gを追加した後、前記ステンレス鋼鉄フラスコ中を密閉し、磁力シールを用いて攪拌しながら105℃まで加熱し、4時間保持した。そして、冷却後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で充分に洗浄した後、乾燥させることにより、各色のトナー粒子を得た。得られた各色のトナー粒子の詳細は、以下の通りである。
【0094】
(トナー粒子黒)
上記手法において、着色剤分散液(1)を用いて得られたトナー粒子黒は、平均形状指数SF=118.5、体積平均粒径D50=5.2μmであった。
(トナー粒子シアン)
上記手法において、着色剤分散液(2)を用いて得られたトナー粒子シアンは、平均形状指数SF=119、体積平均粒径D50=5.4μmであった。
(トナー粒子マゼンタ)
上記手法において、着色剤分散液(3)を用いて得られたトナー粒子マゼンタは、平均形状指数SF=120.5、体積平均粒径D50=5.5μmであった。(トナー粒子イエロー)
上記手法において、着色剤分散液(4)を用いて得られたトナー粒子イエローは、平均形状指数SF=120、体積平均粒径D50=5.3μmであった。
【0095】
[キャリアの製造]
・フェライト粒子(体積平均粒径:50μm)・・・・・100部
・トルエン・・・・・14部
・スチレン−メタクリレート共重合体(成分比:90/10)・・・・・2部
・カーボンブラック(R330:キャボット社製)・・・・・0.2部
予め、上記組成中のフェライト粒子を除く混合物を、スターラーを用いて10分間撹拌分散させて被覆液を調製した。次に、得られた前記被覆液と上記のフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れて、温度60℃において30分間撹拌させた後、更に減圧下で加熱しながら脱気し、乾燥させてキャリアを製造した。
【0096】
[クリーニングブレード]
本実施例および比較例では、反発弾性の測定結果が図3に示されるものであった3種類のクリーニングブレードA〜Cを用いた。
【0097】
[実施例1]
トナー粒子黒、トナー粒子シアン、トナー粒子マゼンタ、およびトナー粒子イエローのそれぞれ100部に、球形単分散シリカAを3部、ヘンシェルミキサーを用い周速32m/sで10分間ブレンドを行った後、シリカ(TS720:キャボット社製(平均粒径d50=12nm))を1部加え、周速20m/sde5分間ブレンドを行い、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。得られたトナー5部と前記キャリア100部とをV−ブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、177μmの網目のシーブで篩うことにより、4色の現像剤を得た。
【0098】
富士ゼロックス製Docucolor1250の帯電器をスコロトロンから接触型ロール状帯電器に変更し、通常装着されているクリーニングブレードを取り外して、代わりにクリーニングブレードAを装着した感光体ユニットとした改造機を用い、現像機に前記4色の現像剤を投入して、クリーニング性の評価を行った。このクリーニングブレードAは、厚さ2.0mm、自由長8.0mmであり、クリーニングブレードAを感光体(像担持体)に当接させた際の食い込み量1.1mm、感光体への当接角を22゜とした。この時の感光体への押しつけ線圧は2.6×10-2N/mm(2.7gf/mm)であった。
【0099】
クリーニング性の評価はPrint上の筋状の画質欠陥及び帯電ロールのトナー汚れにより判断した。低温低湿(10℃、15%RH)、中温中湿(23℃、55%RH)及び高温高湿(28℃、85%RH)のそれぞれの環境条件のもとフルカラーモードで1万枚の走行試験を行ったが、いずれの環境条件においても画質上の問題は発生しなかった。また、帯電ロールの汚れも確認されず、良好であった。
【0100】
[実施例2]
トナー粒子黒、トナー粒子シアン、トナー粒子マゼンタ、およびトナー粒子イエローのそれぞれ100部に、球形単分散シリカBを3部、ヘンシェルミキサーを用い周速32m/sで10分間ブレンドを行った後、シリカ(TS720:キャボット社製(平均粒径d50=12nm))を1部加え、周速20m/sで5分間ブレンドを行い、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。得られたトナー5部と前記キャリア100部とをV−ブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、177μmの網目のシーブで篩うことにより、4色の現像剤を得た。
【0101】
得られた4色の現像剤を、実施例1と同一の改造機に投入し、実施例1と同一の条件でクリーニング性の評価を行った。その結果、いずれの環境条件においても画質上の問題は発生せず、また、帯電ロールの汚れも確認されず、良好であった。
【0102】
[実施例3]
トナー粒子黒、トナー粒子シアン、トナー粒子マゼンタ、およびトナー粒子イエローのそれぞれ100部に、球形単分散シリカCを3部、ヘンシェルミキサーを用い周速32m/sで10分間ブレンドを行った後、シリカ(TS720:キャボット社製(平均粒径d50=12nm))を1部加え、周速20m/sで5分間ブレンドを行い、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。得られたトナー5部と前記キャリア100部とをV−ブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、177μmの網目のシーブで篩うことにより、4色の現像剤を得た。
【0103】
得られた4色の現像剤を、実施例1と同一の改造機に投入し、実施例1と同一の条件でクリーニング性の評価を行った。その結果、いずれの環境条件においても画質上の問題は発生せず、また、帯電ロールの汚れも確認されず、良好であった。
【0104】
[実施例4]
トナー粒子黒、トナー粒子シアン、トナー粒子マゼンタ、およびトナー粒子イエローのそれぞれ100部に、球形単分散シリカDを3部、ヘンシェルミキサーを用い周速32m/sで10分間ブレンドを行った後、シリカ(TS720:キャボット社製(平均粒径d50=12nm))を1部加え、周速20m/sで5分間ブレンドを行い、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。得られたトナー5部と前記キャリア100部とをV−ブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、177μmの網目のシーブで篩うことにより、4色の現像剤を得た。
【0105】
得られた4色の現像剤を、実施例1と同一の改造機に投入し、実施例1と同一の条件でクリーニング性の評価を行った。その結果、いずれの環境条件においても画質上の問題は発生せず、また、帯電ロールの汚れも確認されず、良好であった。
【0106】
[実施例5]
トナー粒子黒、トナー粒子シアン、トナー粒子マゼンタ、およびトナー粒子イエローのそれぞれ100部に、球形単分散シリカEを3部、ヘンシェルミキサーを用い周速32m/sで10分間ブレンドを行った後、シリカ(TS720:キャボット社製(平均粒径d50=12nm))を1部加え、周速20m/sで5分間ブレンドを行い、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。得られたトナー5部と前記キャリア100部とをV−ブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、177μmの網目のシーブで篩うことにより、4色の現像剤を得た。
【0107】
得られた4色の現像剤を、実施例1と同一の改造機に投入し、実施例1と同一の条件でクリーニング性の評価を行った。その結果、いずれの環境条件においても画質上の問題は発生せず、また、帯電ロールの汚れも確認されず、良好であった。
【0108】
[実施例6]
実施例1において、クリーニングブレードAをクリーニングブレードBに代えたことを除き、実施例1と同様にしてクリーニング性の評価を行った。なお、この時の感光体への押しつけ線圧は2.6×10-2N/mm(2.7g/mm)であった。クリーニング性の評価の結果、いずれの環境条件においても画質上の問題は発生せず、また、帯電ロールの汚れも確認されず、良好であった。
【0109】
[比較例1]
トナー粒子黒、トナー粒子シアン、トナー粒子マゼンタ、およびトナー粒子イエローのそれぞれ100部に、シリカ(TS720:キャボット社製(平均粒径d50=12nm))を1部加え、周速20m/sで5分間ブレンドを行い、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。得られたトナー5部と前記キャリア100部とをV−ブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、177μmの網目のシーブで篩うことにより、4色の現像剤を得た。
【0110】
得られた4色の現像剤を、実施例1と同一の改造機に投入し、実施例1と同一の条件でクリーニング性の評価を行った。その結果、低温低湿環境では、1枚目からクリーニング不良が発生した。また、帯電ロールの汚れがひどく、帯電むらによる画質劣化が顕著に発生した。常温常湿および高温高湿環境においても、低温低湿環境程ではないものの、途中からクリーニング不良が発生し、帯電ロールの汚れも認められ、帯電むらによる画質劣化が顕著に発生した。
【0111】
[比較例2]
実施例1において、クリーニングブレードAをクリーニングブレードCに代えたことを除き、実施例1と同様にしてクリーニング性の評価を行った。なお、この時の感光体への押しつけ線圧は2.6×10-2N/mm(2.7gf/mm)であった。クリーニング性の評価の結果、低温低湿環境では、200枚でクリーニング不良が発生した。また、帯電ロールの汚れがひどく、帯電むらによる画質劣化が顕著に発生した。なお、常温常湿、高温高湿になるにしたがい、クリーニング不良、帯電ロールの汚れは、改善されたが、本例においては、環境安定性に劣ることがわかる。
【0112】
[比較例3]
トナー粒子黒、トナー粒子シアン、トナー粒子マゼンタ、およびトナー粒子イエローのそれぞれ100部に、ヒュームドシリカFを3部、ヘンシェルミキサーを用い周速32m/sで10分間ブレンドを行った後、シリカ(TS720:キャボット社製(平均粒径d50=12nm))を1部加え、周速20m/sで5分間ブレンドを行い、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。得られたトナー5部と前記キャリア100部とをV−ブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、177μmの網目のシーブで篩うことにより、4色の現像剤を得た。
【0113】
得られた4色の現像剤を、実施例1と同一の改造機に投入し、実施例1と同一の条件でクリーニング性の評価を行った。その結果、低温低湿環境では、1枚目からクリーニング不良が発生した。また、帯電ロールの汚れがひどく、帯電むらによる画質劣化が顕著に発生した。常温常湿および高温高湿環境においても、低温低湿環境程ではないものの、途中からクリーニング不良が発生し、帯電ロールの汚れも認められ、帯電むらによる画質劣化が顕著に発生した。
【0114】
[比較例4]
トナー粒子黒、トナー粒子シアン、トナー粒子マゼンタ、およびトナー粒子イエローのそれぞれ100部に、シリコーン樹脂微粒子Gを3部、ヘンシェルミキサーを用い周速32m/sで10分間ブレンドを行った後、シリカ(TS720:キャボット社製(平均粒径d50=12nm))を1部加え、周速20m/sで5分間ブレンドを行い、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。得られたトナー5部と前記キャリア100部とをV−ブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、177μmの網目のシーブで篩うことにより、4色の現像剤を得た。
【0115】
得られた4色の現像剤を、実施例1と同一の改造機に投入し、実施例1と同一の条件でクリーニング性の評価を行った。その結果、低温低湿環境では、500枚でクリーニング不良が発生した。また、帯電ロールの汚れがひどく、帯電むらによる画質劣化が顕著に発生した。なお、常温常湿、高温高湿になるにしたがい、クリーニング不良、帯電ロールの汚れは、若干改善されたが、本例では、高温高湿環境であっても、途中でクリーニング不良、帯電ロールの汚れが発生しており、環境安定性に劣ることがわかる。
【0116】
以上の各実施例および比較例の結果を下記表1にまとめて示す。下記表1に示す結果の左欄は、クリーニング不良が発生するまでの枚数であり、右欄は、左欄の数値から、以下に示す評価基準にしたがって求めた、クリーニング性の評価結果である。
○ :10000枚まで問題無し
△ :5000〜10000枚でクリーニング不良発生
× :1000枚〜5000枚でクリーニング不良発生
××:1〜1000枚でクリーニング不良発生
【0117】
【表1】
【0118】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、球形トナーを用いた画像形成装置においても、画質を低下させることなく、使用温度環境によらず良好な像担持体のクリーニング性を確保した画像形成装置および画像形成方法を安価に提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 クリーニングブレードが、潜像担持体表面に押し付けられた状態を示す模式拡大断面図である。
【図2】 本発明の画像形成装置の一例である電子写真装置を示す模式断面図である。
【図3】 実施例で用いたクリーニングブレードにおける雰囲気温度と反発弾性との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 潜像担持体
2 クリーニングブレード
3 保持部材
10 電子写真感光体(像担持体)
11 帯電器
12 電源
13 画像入力器(潜像形成手段)
14 現像器(現像手段)
15 転写器(転写手段)
16 クリーニング器(クリーニング手段)
17 除電器
18 定着器
19 ブレード(クリーニングブレード)
20 被転写体
21 箱体
Claims (2)
- 像担持体と、該像担持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記像担持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、前記像担持体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、転写後の像担持体表面の残留トナーを除去するクリーニングブレードを備えるクリーニング手段と、を具備した画像形成装置であって、
前記トナーが、少なくとも、下記式(1)で表される平均形状指数SFが100〜135の範囲であるトナー粒子と、平均粒径50〜500nm、標準偏差が平均粒径D 50 ×0.22以下かつ球形化度Ψ0.6以上のシリカとからなり、
前記クリーニング手段に備えられるクリーニングブレードが、10℃における反発弾性が35%以上である弾性体からなり、該クリーニングブレードの前記像担持体への押しつけ線圧を9.8×10-3〜4.9×10-2 N/mmとすることを特徴とする画像形成装置。
SF=100×πML2 /4A ・・・式(1)
ML:トナー粒子の絶対最大長
A:トナー粒子の投影面積 - 像担持体の表面に潜像を形成する潜像形成工程と、前記像担持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像工程と、前記像担持体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写工程と、転写後の像担持体表面の残留トナーをクリーニングブレードにより除去するクリーニング工程と、を備える画像形成方法であって、
前記トナーが、少なくとも、下記式(1)で表される平均形状指数SFが100〜135の範囲であるトナー粒子と、平均粒径50〜500nm、標準偏差が平均粒径D 50 ×0.22以下かつ球形化度Ψ0.6以上のシリカとからなり、
前記クリーニング手段におけるクリーニングブレードが、10℃における反発弾性が35%以上である弾性体からなり、該クリーニングブレードの前記像担持体への押しつけ線圧を9.8×10-3〜4.9×10-2 N/mmとすることを特徴とする画像形成方法。
SF=100×πML2 /4A ・・・式(1)
ML:トナー粒子の絶対最大長
A:トナー粒子の投影面積
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