JP3985126B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式などの画像形成装置に係り、特に、ブレードクリーニング方式で球形の残留トナーを清掃する上で有効なクリーニング装置を用いた画像形成装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、電子写真方式や静電記録方式等を採用する画像形成装置にあっては、現像用トナーとして所謂球形トナーを用い、緻密で均一な可視像を得ようとする提案がなされている(例えば特開平8−254873号公報)。
そして、この種の画像形成装置においては、感光体ドラムや中間転写ベルト等の像担持体上の残留トナーを清掃するために通常クリーニング装置が設けられており、この種のクリーニング装置としては、例えばクリーニング対象物である像担持体表面にクリーニング用ブレードエッジを当接させ、このブレードにて像担持体上の残留トナーを掻き取るようにした所謂ブレードクリーニング方式が採用されることが多い。
【0003】
ところが、この種のクリーニング装置にあっては、クリーニング用ブレードにて球形トナーを確実に掻き取ることが難しく、クリーニング不良が起こり易いという技術的課題が見出された。
【0004】
このような技術的課題を解決する先行技術としては例えば以下に示すものが挙げられる。
先行技術1は、像担持体に対するクリーニング用ブレードの当接圧を増大させ、ブレードによるトナーの塞き止め効果を確保するようにしたものである(例えば特開平10−214013号公報)。
先行技術2は、フルカラー画像形成装置に用いられるものであって、1色用に不定形トナーを用い、他色用には球形トナーを用い、非画像部領域に不定形トナーによるトナーバンドを作成し、ブレードエッジに不定形のトナーダムを形成することにより、球形トナーもクリーニングできるようにしたものである(例えば特開平8−254873号公報)。
先行技術3は、感光体ドラムなどの感光体に摩擦係数を低下させる物質を供給し、感光体上へのトナーの付着力を減少させることで、ブラシによる回収や、ブレードによる小さな力で、球形トナーもクリーニングできるようにするものである(例えば特開平5−188643号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、先行技術1にあっては、クリーニング用ブレードの当接圧が増大するために、ブレードのみならず、ブレードが当接する感光体ドラムや中間転写ベルト等の像担持体の摩耗が更に悪化する懸念がある。
また、先行技術2にあっては、画像形成用の不定形トナーを用いてトナーバンドを作成するようにしているので、トナーバンドの為に消費する、画像形成に関係ない無駄なトナーを消費してしまうほか、球形トナーと比較して、不定形トナーの転写効率は低く、ここでも無駄なトナーを消費してしまい、ランニングコストアップにつながるという技術的課題が生ずる。
更に、先行技術3にあっては、クリーニングのためだけに感光体表面全域に感光体の摩擦係数を低下させる物質(シリコーンオイル又はワックス)を供給しなければならず、ランニングコストアップにつながってしまう。
【0006】
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、クリーニング対象物の摩耗・損傷、無駄なトナー消費によるランニングコストアップ、クリーニング対象物上への摩擦係数低下物質の供給によるランニングコストアップを有効に回避しながら、球形トナーのクリーニング性能を改善するようにしたクリーニング装置を用いた画像形成装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の基本的構成は、図1に示すように、クリーニング対象物1上にクリーニング用ブレード2のエッジを当接し、このブレード2にてクリーニング対象物1上の残留トナー3を清掃するクリーニング装置において、ブレード2エッジには、形状係数が100〜125のトナーが塞き止められるトナー以外の塞き止め用粉体5を堆積保持し、この塞き止め用粉体5として比重1.3〜1.9、粒径80〜300nmの単分散シリカを用いたことを特徴とする画像形成装置である。
【0008】
このような技術的手段において、クリーニング対象物1は、クリーニングの対象となるものであれば、感光体ベルト、中間転写ベルトなどのベルト態様に限らず、ドラム態様をも含む。
また、塞き止め用粉体5としてはトナー以外で且つ球形トナー(本発明では形状係数が100〜125のトナーを指す)が塞き止められる粉体を広く含む趣旨である。
ここで、「形状係数が100〜125のトナーが塞き止められる」とは、塞き止め用粉体5の作用を特定する上で使用した限定に過ぎず、形状係数が100〜125以外のトナーをも清掃対象とすることは勿論であるが、本件発明は形状係数が100〜125の球形トナーを使用する際に特に有効であることに変わりはない。
【0009】
また、上述した発明の基本的構成をより具現化した態様としては、図1に示すように、クリーニング対象物1上にクリーニング用ブレード2のエッジを当接し、このブレード2にてクリーニング対象物1上の残留トナーを清掃するクリーニング装置において、クリーニング対象物1のブレード2エッジの対向部あるいはこれよりも上流側にてトナー以外の塞き止め用粉体5として比重1.3〜1.9、粒径80〜300nmの単分散シリカを供給する粉体供給手段6と、前記ブレード2エッジに前記塞き止め用粉体5を堆積保持することで形状係数が100〜125のトナーを塞き止め可能とする粉体堆積保持手段7とを備えたものが挙げられる。
【0010】
この態様において、粉体供給手段6は、クリーニング対象物1に塞き止め用粉体5を供給する方式を任意に選定して差し支えない。従って、塞き止め用粉体5をトナーと共に供給するようにしてもよいし、塞き止め用粉体5のみを静電的、磁気的に供給する等各種方式を含む。
また、粉体堆積保持手段7は、塞き止め用粉体5を堆積させて保持するものであればよく、ブレード2の接触圧を調整する手段など、粉体5の特性に応じて広く含む。
【0011】
また、塞き止め用粉体5としては、比重1.3〜1.9、粒径80〜300nmの単分散シリカが用いられる。
この塞き止め用粉体5としてのシリカの供給方式については、単独で供給するようにしても差し支えないが、供給方式の簡単化を図るという観点からすれば、通常トナーの外添剤として使用され、トナーを介してクリーニング対象物1に供給されるようにすることが好ましい。
【0012】
本件出願人は、先に、この種のシリカが現像・転写効率の向上に寄与するものであることについて出願しており(例えば特願平11−237196号)、本件でこの種のシリカが更に球形トナーのクリーニング性に寄与することを見出したものである。
以下に、この種のシリカが現像・転写効率の向上に寄与している点について補足しておく。
すなわち、現像・転写工程は、現像剤の均一な搬送性、転写時の電流等にも影響されるが、基本的にはトナー粒子を担持する像担持体の束縛力からトナー粒子を引き離し、転移対象物(中間転写体などの像担持体や記録材)に付着させる工程であるので、静電引力及びトナー粒子と帯電付与部材あるいはトナー粒子と像担持体の付着力のバランスに左右される。
【0013】
このバランスの制御は非常に困難であるが、この工程は、直接画質に影響する上、効率を向上させると、信頼性の向上及びクリーニング装置に対する負荷の軽減などが見込まれるので、上記工程においてはより高い現像・転写性が要求される。
現像・転写工程は、静電引力>付着力の際に起こる。従って、現像・転写効率を向上させるには、静電引力を上げる(現像・転写力を強める)か、または付着力を下げる方向に制御すればよいが、現像・転写力を強める場合、例えば転写電場を高くすれば逆極トナーが発生する等、二次障害を起こし易いため、付着力を下げる方が有効である。
そして、付着力としてはファンデルワールス力(Van der Waals力:非静電的付着力)及びトナー粒子の持つ電荷による鏡像力が挙げられるが、両者の間には1オーダー近いレベル差があり、ほとんどファンデルワールス力で議論されるものと解釈できる。
ここで、球状粒子間のファンデルワールス力Fは、下記の式で表される。
F=H・r1・r2/6(r1+r2)・a2
但し、H:定数、r1、r2:接触する粒子の半径、a:粒子間距離である。
【0014】
このとき、付着力の低減のため、トナー粒子に比べrが非常に小さい微粉末をトナー粒子及び像担持体表面又は帯電付与部材表面の間に介在させることにより、各々に距離aを持たせ、更に接触面積(接触点数)を減少させる手法が有効であり、その効果を安定に持続する手段として、比重1.3〜1.9、粒径80〜300nm単分散球形シリカを用いることが有効であることを見出した。
より具体的に述べると、比重としては1.9以下に制御することでトナーからの剥がれ、また、1.3以上に制御することで凝集分散を抑制できるものである。
ここで、前記単分散球形シリカの体積平均粒径が80nm未満であると、非静電的付着力低減に有効に働かなくなり易い。特に、現像装置内のストレスにより、着色粒子に埋没し易くなり、現像転写向上効果が著しく低減し易い。一方、300nmを超えると、着色粒子から離脱し易くなり、非静電的付着力低減に有効に働かないと同時に接触部材に移行し易くなり、帯電阻害、画質欠陥等の二次障害を引き起こし易くなる。このため、本発明における単分散球形シリカの体積平均粒径は、80〜300nmに限られることになり、好ましくは100〜200nmである。
更に、単分散且つ球形であることからトナー表面に均一に分散し、安定したスペーサー効果を得ることができる。単分散の定義としては凝集体を含め平均粒径に対する標準偏差で議論することができ、標準偏差としてD50*0.22以下であることが望ましい。球形の定義としてはWadellの球形度で議論ができ、球形化度が0.6以上、好ましくは0.8以上であることが望ましい。
また、シリカに限定する理由としては、OHPへの画像採取時に問題となる光散乱による透明度低下に対して屈折率が1.5前後であり、粒径を大きくしても光散乱による透明度の低下に影響を及ぼさないことが挙げられる。
【0015】
特に、塞き止め用粉体5として前記シリカを用いる態様の本発明にあっては、比重1.3〜1.9、粒径80〜300nmの単分散シリカをトナーと共にクリーニング対象物1上に供給するシリカ供給手段と、ブレード2の上流側に設けられ、トナーからシリカを分離してクリーニング対象物1に供給するシリカ分離供給手段とを備えたものが挙げられる。
ここでいうシリカ供給手段としては、シリカが外添されたトナーを使用した現像手段である態様のほか、現像手段とは別にシリカを供給する手段を設けるようにした態様をも含む。
また、シリカ分離供給手段としては、トナーから分離してシリカをブレード2エッジに導くものであればよく、シリカをトナーから分離しないでブレード2エッジに導く事態を回避する。
【0016】
ここで、シリカ分離供給手段の代表的態様としては、シリカ分離供給手段は、クリーニング対象物1に対して摺接回転し且つクリーニング対象物1上のトナー及びシリカを静電吸引する導電性部材と、前記導電性部材に摺接して導電性部材上のトナーのみを静電除去するトナー除去部材とを備えたものが挙げられる。
そして、このようなシリカ分離供給手段において、導電性部材の最適化という観点からすれば、例えばトナー極性が負極性である条件下において、導電性部材への印加バイアスが+100V以上+700V以下で、かつ、導電性部材の電気抵抗(体積抵抗率の常用対数値)が2logΩcm以上4logΩcm以下に設定することが好ましい。
また、トナー除去部材にはトナーが付着することになるため、このトナー除去部材から導電性部材へのトナーの逆転移を有効に防止するという観点からすれば、トナー除去部材に付着したトナーをスクレーパなどの掻き取り部材によって掻き取るように構成することが好ましい。
【0017】
また、本発明の他の態様として、クリーニング装置のうち、クリーニング対象物1が非磁性である態様においては、塞き止め用粉体5としては不定形若しくは針状の磁性粉が挙げられる。ここで、磁性粉による塞き止め効果をより確実に実現させるには、塞き止め用粉体5としての磁性粉はトナーの平均粒径よりも小さいことが必要である。
この態様において、塞き止め用粉体5を堆積保持する粉体堆積保持手段7としては、クリーニング用ブレード2のエッジに塞き止め用粉体5としての磁性粉を堆積保持させることが必要であり、クリーニング対象物1を挟んでブレード2に対向する対向部材を設け、この対向部材にはブレード2エッジ部分に磁場が集中する磁力発生部材を具備させ、この磁力発生部材による磁場にてブレード2エッジに形状係数が100〜125のトナーが塞き止められるトナー以外の塞き止め用粉体5としての不定形若しくは針状の磁性粉を堆積保持させるようにすればよい。
そして、前記対向部材の代表的態様としては、非磁性の回転スリーブと、この回転スリーブ内に固定的に配設され且つブレード2エッジ部分に磁場が集中的に作用する磁力発生部材とを備えているものが挙げられる。
【0018】
また、塞き止め用粉体5を堆積保持する粉体堆積保持手段7の参考発明としての態様としては、ブレード2は、ブレード2エッジに塞き止め用粉体5としての磁性粉が堆積保持せしめられる磁力発生部を備えるようにすればよい。
ここでいう磁力発生部は、少なくともブレード2のエッジ部分を着磁するようにしてもよいし、あるいは、少なくともブレード2のエッジ部分に別体の磁石などの磁力発生部材を取り付けるようにしてもよい。
【0019】
更に、塞き止め用粉体5を供給する粉体供給手段6の一例としては、クリーニング対象物1のブレード2エッジの対向部に対応した部位に、塞き止め用粉体5としての磁性粉が供給可能に保持されている磁性粉供給部材を接離自在に設け、この磁性粉供給部材には、磁力発生部材と同極で且つ磁力の弱い磁性粉保持磁力部材を具備させ、クリーニング対象物1に磁性粉供給部材を定期的に接触させることで磁性粉を供給するようにしたものが挙げられる。
また、塞き止め用粉体5を供給する粉体供給手段6の他の例としては、クリーニング対象物1のブレード2エッジの対向部よりも上流側に対応した部位に、塞き止め用粉体5としての磁性粉が供給可能に保持されている磁性粉供給部材を接離自在に設け、クリーニング対象物1に磁性粉供給部材を定期的に接触させることで磁性粉を供給するようにしたものが挙げられる。
この場合において、磁性粉供給部材からの磁性粉の転移方式については、磁場による転移や、静電転移など適宜選定して差し支えない。
そして、本発明は形状係数が100〜125であるトナーを用いて像担持体上にトナー像を形成する画像形成装置として上述の画像形成装置を用いるようにすればよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は本発明が適用されたクリーニング装置の実施の形態1を組み込んだ中間転写型画像形成装置(本例ではカラー電子写真複写機)の概略構成を示す。
本実施の形態では、符号11は例えば矢印方向Aに回転する感光体ドラム(潜像担持体)、12は感光体ドラム11を予め帯電するコロトロン等の帯電器、13は各色成分画像情報に基づいて感光体ドラム11上に各色成分に対応した静電潜像を書き込むレーザ走査装置(ROS)などの画像書込装置(本例では同装置からのビームに符号を付す)、14はイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(BK)の各色に対応した現像器141〜144が回転ホルダ145に搭載された回転型(ロータリー型)現像装置であり、感光体ドラム11に形成された静電潜像を現像器141〜144のいずれかで現像して各色成分トナー像Tを形成するようになっている。尚、感光体ドラム11上の残留トナーは図示外のドラムクリーナにて除去されるようになっている。
【0021】
また、符号20は感光体ドラム11の表面に当接されるように配置された中間転写ベルトであり、複数(本実施の形態では例えば4つ)のロール21〜24に張架されて矢印方向Bへ回動するようになっている。
更に、中間転写ベルト20の感光体ドラム11に対向する部位(一次転写位置)において、中間転写ベルト20の裏面側には一次転写装置(本実施の形態では一次転写ロール)15が配設されており、この一次転写ロール15にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することで、感光体ドラム11上のトナー像Tが中間転写ベルト20に静電吸引されるようになっている。
【0022】
ここで、本実施の形態で用いられる中間転写ベルト20の張架ロール21〜24について述べると、符号21は一次転写ロール15による一次転写部位の下流側近傍に設けられる駆動ロール、22は中間転写ベルト20に所定の張力を付与するテンションロール、23は後述する二次転写装置30の一要素である対向ロール(バックアップロール)、24は一次転写部位の上流側に設けられて駆動ロール21との間で中間転写ベルト20の姿勢を保つ従動ロールである。
また、本実施の形態で用いられる中間転写ベルト20としては、ポリイミド、ポリカーボネイト等の単層ベルトであり、例えば厚さ0.1mmに形成されている。
更に、中間転写ベルト20の端部且つ非画像領域には反射型の基準マーク25が一枚貼られており、対向して設けられる発光、受光検知センサ26が基準マーク25を検知することによって全ての作像プロセスのタイミングが規定されている。
【0023】
更にまた、用紙などの記録材41の搬送経路に面した中間転写ベルト20の二次転写位置には二次転写装置30が配設されており、本実施の形態では、中間転写ベルト20のトナー像担持面側に圧接配置される二次転写ロール31と、中間転写ベルト20の裏面側に配置されて二次転写ロール31の対向電極をなす対向ロール(バックアップロール)23とを備えている。
本実施の形態において、上記バックアップロール23は、絶縁性ロールを半導電性の薄層フィルムで被覆して形成されている。この薄層フィルムは厚さ10μm〜200μmに形成され、その表面抵抗率が107〜1011Ω/□(□:単位面積)に調整されている。更に、バックアップロール23には中間転写ベルト20との当接位置から円周方向へ20〜40mmの距離をおいて給電ロール32が当接しており、給電ロール32にはトナーと同極性の電圧が適宜印加されるようになっている。
一方、上記二次転写ロール31は接地された導電性ロールであり、その表面電位を常に接地位置と等電位に保つため、その体積抵抗率は107Ω・cm以下の抵抗であることが望ましい。そして、この二次転写ロール31の周面にはロールクリーナ33が配設されており、このロールクリーナ33は、二次転写ロール31に常時当接するポリウレタンゴム製のクリーニングブレード33aを具備し、二次転写ロール31に付着したトナーを除去するようになっている。
【0024】
また、本実施の形態において、記録材搬送系は、記録材トレイ43からフィードロール42にて記録材41を所定の搬送経路へ向けて搬送し、搬送経路中の所定の搬送ロール44にて記録材41を搬送すると共に、レジストレーションロール(レジストロール)45で記録材41を一旦位置決め停止させた後に所定のタイミングで二次転写位置へと搬送し、二次転写後の記録材41を定着装置50へと搬送し、排出ロール46にて図示外の排出トレイへと排出するようになっている。
【0025】
更に、本実施の形態では、中間転写ベルト20の張架ロール24に対向する部位にクリーニング装置(本例ではベルトクリーナ)100が配設されている。
このクリーニング装置100は、特に図2及び図3に示すように、ハウジング101に図示外のブラケットを介してクリーニング用ブレード102を取付け、このブレード102のエッジを中間転写ベルト20表面に当接させ、中間転写ベルト20のブレード102の当接部位よりも上流側には導電性ブラシ103を摺擦回転自在に配設すると共に、この導電性ブラシ103には清掃用ロール104を摺擦回転自在に配設し、更に、この清掃用ロール104にはスクレーパ105を接触配置するようにしたものである。
そして、上記導電性ブラシ103及び清掃用ロール104には夫々所定のバイアス電圧を印加するバイアス電源106,107が接続されている。
本例では、各バイアス電源106,107の各バイアス電圧をVb,Vdとすれば、少なくともVd>Vb>0の関係が成立するようになっている。例えば、Vd=700V,Vb=400Vの如くである。
一方、張架ロール24は接地されており、導電性ブラシ103の対向電極として作用するようになっている。
【0026】
更に、本実施の形態では、クリーニング装置100のブレード102のエッジ部分には、比重1.3〜1.9、粒径80〜300nm単分散シリカが堆積保持されるようになっている。
ここで、比重1.3〜1.9、粒径80〜300nm単分散球形シリカは例えば湿式法であるゾルゲル法により得ることができる。
比重は湿式法、且つ焼成することなしに作成するため、蒸気相酸化法に比べ低く制御することができる。また、疎水化処理工程での疎水化処理剤種、あるいは、処理量を制御することにより更に調整することが可能である。
粒径はゾルゲル法の加水分解、縮重合工程のアルコキシシラン、アンモニア、アルコール、水の重量比、反応温度、攪拌速度、供給速度により自由に制御できる。
単分散、球形形状も本手法にて作成することにより達成可能となる。
【0027】
具体的にはテトラメトキシシランを水、アルコールの存在下、アンモニア水を触媒として温度をかけながら滴下、攪拌を行う。次に反応により作成されたシリカゾル懸濁液を遠心分離を行い湿潤シリカゲルとアルコール、アンモニア水に分離を行う。湿潤シリカゲルに溶剤を加え再度シリカゾルの状態にし、疎水化処理剤を加え、シリカ表面の疎水化を行う。疎水化剤としては一般的なシラン化合物を用いることができる。次にこの疎水化処理シリカゾルから溶媒を除去、乾燥、シーブすることにより狙いの単分散シリカを得ることができる。またこの様に得られたシリカを再度処理を行っても構わない。上記シラン化合物は、水溶性であるものが使用できる。このようなシラン化合物としては、化学構造式Ra SiX4−a(式中、aは0〜3の整数であり、Rは水素原子、アルキル基及びアルケニル基等の有機基を表し、Xは塩素原子、メトキシ基及びエトキシ基等の加水分解性基を表す。)で表される化合物を使用することができ、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれのタイプを使用することも可能である。具体的にはメチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デジルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O―(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N―ビス(トリメチルシリル)ウレア、tert―ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β―(3,4―エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ―メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ―クロロプロピルトリメトキシシランを代表的なものとして例示することができる。本例における処理剤は、特に好ましくは、ジメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デジルトリメトキシシラン等である。
【0028】
また、本実施の形態では、上記シリカとしては、例えば各色成分毎の静電潜像現像用トナーに外添剤として添加されているものが使用されている。尚、ブレード102エッジに前記シリカを堆積保持させる方法としては、中間転写ベルト20にシリカを塗布するなど適宜選定して差し支えない。
ここで、本例で用いられる現像剤であるトナー及びキャリアについて説明すると以下のようである
すなわち、静電潜像現像用トナーは、結着樹脂と着色剤、離型剤とからなり、例えば2〜8μmのトナーを用いることができる。
そして、下記式で表されるトナーの形状係数(ML2/A)が100〜125のものを用いることにより高い現像、転写性、及び高画質の画像を得ることができる。
ここでいうトナーの形状係数(ML2/A)は次式で表される。
【0029】
【数1】
【0030】
トナーの形状係数は、トナーの投影面積Aと、それに外接する円の面積ML2、具体的には、(トナー径の絶対最大長)2×(π/4)との比で表されるものであり、真球の場合100となり、形状が崩れるにつれ増加する。形状係数はトナー粒子複数個に対して計算され、その平均値を代表値とする。
【0031】
更に、本実施の形態に用いられるトナーは、上記の形状係数と粒径を満足する範囲のものであれば特に製造方法により限定されるものではなく、公知の方法を使用することができる。
トナーの製造は、例えば、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等が使用できる。また上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法を行ってもよい。
【0032】
使用される結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα―メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体および共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン―アクリル酸アルキル共重合体、スチレン―メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン―アクリロニトリル共重合体、スチレン―ブタジエン共重合体、スチレン―無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。
【0033】
また、トナーの着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
離型剤としては低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロピィシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示することができる。
【0034】
また、本実施の形態で用いられる静電潜像現像用トナーには、必要に応じて帯電制御剤が添加されてもよい。
帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。本例におけるトナーは、磁性材料を内包する磁性トナーおよび磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
【0035】
本発明の静電潜像現像用トナーには、外添剤として、前記単分散球形シリカと共に、小粒径の無機化合物を併用することができる、小粒径の無機化合物としては、公知のものを用いることができ、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、酸化セリウム等が挙げられる。また、目的に応じてこれら無機微粒子の表面には公知の表面処理を施してもよい。
特にその中でもメタチタン酸TiO(OH)2は透明性に影響を与えず、良好な帯電性、環境安定性、流動性、耐ケーキング性、安定した負帯電性、安定した画質維持性に優れた現像剤を提供することができる。
前記小粒径の無機化合物は、体積平均粒径が80nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましい。
【0036】
メタチタン酸は一般的には、以下に示すイルメナイト鉱石を用いた硫酸法(湿式)により製造することができる。
FeTiO2+2H2 SO4 →FeSO4+TiOSO4+2H2 O
TiOSO4+2H2 O →TiO(OH)2+H2 SO4
本例では、TiO(OH)2状態、好ましくはTiO(OH)2の水分散状態中でシラン化合物を加え、OH基の一部、若しくは全部を処理し、これをろ過、洗浄、乾燥、粉砕することにより、上記方法により得られたTiO(OH)2を焼成することにより得られる従来の結晶性酸化チタンに比べ、比重の小さい特定酸化チタンを得ることができる。即ち、本発明において上記のように溶液中で反応を行うと、TiO(OH)2がその加水分解時にシラン化合物で処理される。その結果、TiO(OH)2から生じる酸化チタンが一次粒子の状態でシラン化合物で表面処理されることとなる。これにより凝集のない一次粒子状態の特定酸化チタンを得ることが可能となり、上記目的を達成できる。
【0037】
本例において比重1.3〜1.9、粒径80〜300nmの単分散球形シリカ及び無機化合物はトナー粒子に添加し、混合されるが、混合は、例えばV型ブレンダーやヘンシェルミキサーやレディゲミキサー等の公知の混合機によって行うことができる。
また、この際必要に応じて種々の添加剤を添加してもよい。これらの添加剤としては、他の流動化剤やポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリフッ化ビニリデン微粒子等のクリーニング助剤もしくは転写助剤等が挙げられる。比重1.3〜1.9、粒径80〜300nmの単分散球形シリカの添加量はトナー100重量部に対して0.5〜5重量部であることが好ましく、1〜3重量部であることがより好ましい。
本例において、メタチタン酸の疎水化処理化合物、あるいは無機化合物のトナー粒子表面への付着状態は、単に機械的な付着であってもよいし、表面にゆるく固着されていてもよい。また、トナー粒子の全表面を被覆していても、一部を被覆していてもよい。また、添加量はトナー100重量部に対して0.3〜3重量部であることが好ましく、0.5〜2重量部であることがより好ましい。
また、外添混合後に篩分プロセスを通しても一向にかまわない。
【0038】
一方、キャリアは、芯材上に、マトリックス樹脂中に導電材料が分散含有された樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリアである。
マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル―酢酸ビニル共重合体、スチレン―アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、フェノール樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。また、導電材料としては、金、銀、銅といった金属、また酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
導電材料の含有量は、マトリックス樹脂100重量部に対し1〜50重量部であることが好ましく、3〜20重量部であることがより好ましい。
キャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが磁気ブラシ法を用い体積固有抵抗を調整するためには磁性材料であることが好ましい。
芯材の平均粒子径は、一般的には10〜500μmであり、好ましくは30〜100μmである。
キャリアの芯材の表面に樹脂被覆層を形成する方法としては、キャリア芯材を、マトリックス樹脂、導電材料及び溶剤を含む被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリア芯材の表面に噴霧するスプレー法、キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリア芯材と被覆層形成用溶液を混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法が挙げられる。
被覆層形成用溶液中に使用する溶剤は、該マトリックス樹脂を溶解するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類が使用できる。
また、樹脂被覆層の平均膜厚は、通常0.1〜10μmであるが、本例においては経時にわたり安定したキャリアの体積固有抵抗を実現させるため0.5〜3μmの範囲であることが好ましい。
上記のように形成されるキャリアの体積固有抵抗は、高画質を達成するために、通常の現像コントラスト電位の上下限に相当する103〜104V/cmの範囲において、106〜1014Ω/cmであることが好ましい。キャリアの体積固有抵抗が106Ωcm未満であると細線の再現性が悪く、また、電荷注入による背景部へのトナーかぶりが発生しやすくなる。また、キャリアの体積固有抵抗が1014Ωcmより大きいと黒ベタ、ハーフトーンの再現が悪くなる。また、感光体ドラムへ移行するキャリアの量が増え、感光体ドラムを傷つけやすい。また、静電ブラシはカーボンブラック、金属酸化物等の導電フィラーを含有させた樹脂あるいは表面に被覆した繊維状の物質が使用できるが、それに限定されるものではない。
【0040】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の作動、特にはクリーニング装置の作動について説明する。
単色画像を形成する場合は、中間転写ベルト20に一次転写されたトナー像Tを直ちに記録材41に二次転写するのであるが、複数色のトナー像を重ね合わせたカラー画像を形成する場合には、感光体ドラム11上でのトナー像の形成並びにこのトナー像の一次転写の工程が色数分だけ繰り返される。
例えば四色のトナー像を重ね合わせたフルカラー画像を形成する場合には、感光体ドラム11上には順次イエロ、マゼンタ、シアン及びブラックのトナー像Tが形成され、これらトナー像Tは順次中間転写ベルト20に一次転写される。一方、中間転写ベルト20は最初に一次転写されたイエロのトナー像Tを保持したまま感光体ドラム11と同一周期で回動し、中間転写ベルト20上には順次マゼンタ、シアン及びブラックのトナー像Tがイエロのトナー像Tに重ねて転写される。
【0041】
このようにして中間転写ベルト20に一次転写されたトナー像Tは、中間転写ベルト20の回動に伴って記録材41の搬送経路に面した二次転写位置へと搬送される。上記二次転写位置では導電性の二次転写ロール31が中間転写ベルト20に接しており、フィードロール42によって所定のタイミングで記録材トレイ43から搬出された記録材41は、この二次転写ロール31と中間転写ベルト20との間に挟み込まれる。また、二次転写位置における中間転写ベルト20の裏面側には上記二次転写ロール31の対向電極をなすバックアップロール23が配設されており、二次転写ロール31及びバックアップロール23間に、トナーを記録材41に引き寄せる電圧を印加すると、中間転写ベルト20に担持されたトナー像Tは上記二次転写位置において記録材41に静電転写される。
そして、トナー像Tを保持した記録材41は定着装置50に送り込まれてトナー像の定着処理がなされる。
一方、トナー像の二次転写が終了した中間転写ベルト20については、クリーニング装置100のクリーニング用ブレード102によって残留トナーが除去される。
このような動作工程において、上記二次転写ロール31及びクリーニング装置100は中間転写ベルト20と接離自在に配設されており、カラー画像が形成される場合には、最終色のトナー像が中間転写ベルト20に一次転写されるまで、これらの部材は中間転写ベルト20から離間している。
【0042】
特に、本実施の形態では、形状係数が100〜125の球形トナーにて静電潜像が可視像化され、この現像像が中間転写ベルト20を介して記録材41に静電転写される。
このとき、球形トナーの外添剤として、比重1.3〜1.9、粒径80〜300nm単分散シリカが用いられるが、このシリカは、一次転写時、二次転写時ともに転写助剤として作用するため、現像像の転写効率が向上する。
このため、二次転写後における中間転写ベルト20上の残留トナーは非常に少なくなり、中間転写ベルト20を清掃するクリーニング装置100の負荷は軽減される。
【0043】
ここで、クリーニング装置100の作動について詳述すると、以下の通りである。
すなわち、中間転写ベルト20上の残留トナーは、特に図3に示すように、先ず導電性ブラシ103部分を通過する。
このとき、導電性ブラシ103にはバイアス電圧Vbが印加されているため、導電性ブラシ103と対向電極としての張架ロール24との間にはバイアス電圧Vbによる静電界が形成される。
このため、導電性ブラシ103で掻き取られた残留トナー(本例では負極性トナー)は導電性ブラシ103側に静電付着する。
【0044】
この導電性ブラシ103に静電付着した残留トナーは清掃用ロール104との摺擦部位に達すると、清掃用ロール104と導電性ブラシ103との間の電位差(Vd−Vb)に基づく静電界に基づいて導電性ブラシ103に付着しているトナーは清掃用ロール104側へ静電吸引されて転移し、導電性ブラシ103から除去される。
そして、清掃用ロール104側に転移したトナーはスクレーパ105にて機械的に掻き取られ、ハウジング101内に回収される。
一方、導電性ブラシ103にはトナーから分離したシリカが一部残存しており、導電性ブラシ103の摺擦部にて中間転写ベルト20上に再び戻される。
このように、中間転写ベルト20上に戻されたシリカはブレード102エッジに到達し、このブレード102エッジに堆積保持され、シリカによる粉体ダム110が形成される。
【0045】
一方、導電性ブラシ103で掻き取られなかったトナーはブレード102部分へと向かう。
このとき、ブレード102のエッジ部分にはシリカによる粉体ダム110が形成されているため、トナー(球形トナー)がブレード102エッジの下側へ潜り込むことはなく、トナーはブレード102エッジの粉体ダム110にて確実に塞き止められ、確実に掻き取られる。
また、本実施の形態では、導電性ブラシ103の電気抵抗(体積抵抗率の常用対数値)が2logΩcm以上4logΩcm以下である条件下で、導電性ブラシ103へのバイアス電圧Vbは+100V以上+700V以下であることが好ましい。
このような実施の形態で用いられるクリーニング装置100の性能については後述する実施例にて裏付けられる。
【0046】
◎実施の形態2
図4は本発明が適用されたクリーニング装置の実施の形態2を組み込んだ中間転写型画像形成装置の概略構成を示す。
同図において、画像形成装置の基本的構成は実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なるクリーニング装置100を備えている。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様の符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
【0047】
本実施の形態において、クリーニング装置100は、図4及び図5に示すように、ハウジング101に図示外のブラケットを介してクリーニング用ブレード102を取付ける一方、ブレード102に対向する張架ロール24としては、中間転写ベルト20が巻き付けられている回転する非磁性スリーブ241と、この非磁性スリーブ241内に固定的に設けられる磁極ロール242とを具備させるようにしたものである。尚、図中、101aはハウジング101開口下縁と中間転写ベルト20との間をシールするシールフィルムである。
ここで、磁極ロール242としては、非磁性の中空固定ロール体243に例えばS,Nからなる棒状磁石244を例えばN極がブレード102エッジに対向するように埋め込むようにしたものである。尚、磁極ロール242としては、ブレード102エッジに対応した固定ロール体243部分だけに磁石を埋め込むようにしてもよいし、あるいは、磁性体からなる固定ロール体のブレード102エッジに対向した部分を着磁するようにしてもよい。
【0048】
更に、本実施の形態では、ハウジング101内に磁性粉保持ロール120が配設されている。
この磁性粉保持ロール120は、磁性の中空固定ロール体121を有し、この固定ロール体121内にS,Nの棒状磁石122を固定的に配設したものであり、表面に不定形又は針状の磁性粉131を前記棒状磁石122の磁場に従って吸着保持するものである。
この棒状磁石122の中間転写ベルト20側に位置する磁極(本例ではN極)122aは、張架ロール24の棒状磁石244の中間転写ベルト20側に位置する磁極244a(本例ではN極)に対向して配置されており、前記磁極244aと同極性で、かつ、磁極244aよりも弱い磁力を具備したものになっている。そして、この磁性粉保持ロール120は、ロール進退機構123によりブレード102エッジに対して進退自在に支持されており、定期的に進出してブレード102エッジに接触した後に後退するようになっている。
尚、本実施の形態において、磁性粉としては、鉄、フェライト、マグネタイトなどが用いられ、この磁性粉としては少なくとも使用するトナーよりも小径のものが用いられる。
【0049】
次に、本実施の形態に係るクリーニング装置の作動について説明する。
本実施の形態において、磁性粉保持ロール120はロール進退機構123により定期的に進出すると、磁性粉保持ロール120の表面に吸着している磁性粉131がブレード102エッジ部分に接触する。
このとき、ブレード102のエッジ部分には、張架ロール24内の棒状磁石244の磁極244aからの磁場と、磁性粉保持ロール120内の棒状磁石122の磁極122aからの磁場とが作用するが、磁極244aによる磁場の方が磁極122aによる磁場よりも強いため、磁性粉保持ロール120が後退する時には、磁性粉保持ロール120側に付着していた磁性粉131がブレード102のエッジ部分に残存して堆積保持されることになり、このブレード102のエッジに磁性粉による粉体ダム130が形成される。
【0050】
このような状態において、中間転写ベルト20上の残留トナー(本例では形状係数が100〜125の球形トナーを使用)がクリーニング装置100に進入すると、この残留トナーは、ブレード102エッジに堆積保持されている粉体ダム130にて塞き止められ、ブレード102によって確実に掻き取られる。
【0051】
本実施の形態では、張架ロール24内の磁極244aと磁性粉保持ロール120内の磁極122aとの相互作用により磁性粉を堆積保持するようにしているが、これに限られるものではなく、適宜設計変更して差し支えない。
例えば図6に示す変形形態では、中間転写ベルト20の張架ロール24を用いずに、中間転写ベルト20を挟んでクリーニング装置100に対向する部位に対向ロール150を配設し、この対向ロール150としては、中空固定ロール体151内にS,Nからなる棒状磁石152を例えばN極がブレード102エッジに対向するように埋め込むようにしたものである。尚、磁性粉保持ロール120の構成については本実施の形態と同様であり、本例でも、磁極122aは棒状磁石152の磁極152aに対向配置され、磁極152aと同極性で且つ磁極152aよりも弱い磁力を形成するものである。
この態様にあっても、磁性粉保持ロール120の表面に付着していた磁性粉131はブレード102エッジに供給され、ブレード102エッジに磁性粉による粉体ダム130を形成し、中間転写ベルト20上の残留トナーを確実に掻き取り除去する。
【0052】
また、図7に示す本実施の形態の参考形態にあっては、中間転写ベルト20を挟んでクリーニング装置100に対向する部位に対向ロール160を設け、クリーニング用ブレード102を磁性体にて構成すると共に、この先端部分をN極に着磁して磁力発生部161としたものである。尚、磁性粉保持ロール120の構成については同様である。
また、ブレード102自体を着磁する代わりに、図8に示すように、ブレード102のエッジ付近に磁石体165を貼り付け、この磁石体165による磁場にて磁性粉を堆積保持させるようにすればよい。
【0053】
◎実施の形態3
図9は本発明が適用されたクリーニング装置の実施の形態3を組み込んだ中間転写型画像形成装置の概略構成を示す。
同図において、画像形成装置の基本的構成は実施の形態2と略同様であるが、実施の形態2と異なるクリーニング装置100を備えている。尚、実施の形態2と同様な構成要素については実施の形態1と同様の符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
【0054】
本実施の形態において、クリーニング装置100は、実施の形態2と同様に、ハウジング101に図示外のブラケットを介してクリーニング用ブレード102を取付ける一方、ブレード102に対向する張架ロール24としては、中間転写ベルト20が巻き付けられている回転する非磁性スリーブ241と、この非磁性スリーブ241内に固定的に設けられる磁極ロール242とを具備させるようにしたものである(図5参照)。
しかしながら、このクリーニング装置100は、ハウジング101内に磁性粉保持ロール120を設けておらず、中間転写ベルト20のブレード102当接部の上流側に磁性粉供給機構170を設けたものである。
【0055】
この磁性粉供給機構170としては、中間転写ベルト20の表面側に磁性粉保持ロール171(例えば中空固体ロール体内に棒状磁石を内蔵する態様など)を進退自在に設け、この磁性粉保持ロール171表面の磁性粉を保持させる一方、中間転写ベルト20を挟んで磁性粉保持ロール171に対向する部位には対向ロール172を配設し、作像プロセス以外のプロセスにて中間転写ベルト20上に磁性粉保持ロール171を接触配置した後、磁性粉保持ロール171と対向ロール172との間に所定の転写バイアスを印加することで、前記磁性粉保持ロール171表面に付着する磁性粉を中間転写ベルト20上に転移させるようにしたものである。
この態様によれば、中間転写ベルト20上に転移した磁性粉がブレード102のエッジ部分に供給され、このブレード102のエッジ部分に磁性粉による粉体ダム(図示せず)が形成されるため、ブレード102にて残留トナーが確実に掻き取られる。
【0056】
尚、磁性粉供給機構170としては、上述した態様に限られるものではなく、磁性粉保持ロール171上の磁性粉を磁場にて中間転写ベルト20上に転移させるようにする等適宜選定して差し支えない。
また、本実施の形態では、中間転写ベルト20のブレード102当接部と二次転写部位との間に磁性粉供給機構170を配設しているが、これに限られるものではなく、中間転写ベルト20の二次転写部位の上流側に磁性粉供給機構170を設けるようにしてもよいし、あるいは、感光体ドラム11に対向する部位に磁性粉供給機構170を設け、感光体ドラム11上に磁性粉を転移させた後に、一次転写工程を経て中間転写ベルト20に転移することで、クリーニング装置100のブレード102のエッジ部分に供給するようにしてもよい。
【0057】
【実施例】
◎実施例1
実施の形態1において、各トナー粒子は体積平均粒径、粒度分布が略同じであり、コールターカウンター(コールター社製)で測定した体積平均粒径が3〜7μmであることが好ましい。
トナーの形状は形状係数で表し、光学顕微鏡(ミクロフォトFXA;ニコン社製)で得た該トナーの拡大写真を、イメージアナライザーLuzex3(NIRECO社製)により画像解析を行って前述した数式にて算出した値であり、本例では、形状係数125以下の球形トナーを用いた。
また、該トナーに、平均粒径10〜150nmの、シリカおよびチタニア等の無機微粒子(外添剤)を適宜量外添し、平均粒径35μmのフェライトビーズからなるキャリアと混合し現像剤とした。
一方、クリーニング装置100としては、導電性ブラシ103へのバイアス電圧Vbを+400V、清掃用ロール104へのバイアス電圧Vdを+700Vに設定した。
【0058】
このような条件下において、A3用紙全面の100%未転写像についてクリーニング性を調べた。
尚、クリーニング用ブレード102は低温低湿環境下において高硬度となり、反発弾性も低くなることに伴って通常クリーニング性が悪化するため、10℃、15%の低温低湿環境下で評価を行った。
尚、比較例モデルとして、前記シリカが外添された現像剤を使用するが、導電性ブラシ103のない比較例1、前記シリカが外添されていない現像剤を使用し、導電性ブラシ103を使用した比較例2、前記シリカが外添されていない現像剤を使用し、かつ、導電性ブラシ103を使用しない比較例3を用い、実施例1と同様な実験を行った。
結果を図10に示す。
【0059】
図10によれば、本実施例のクリーニング性が良好であるが、比較例1〜3のいずれもクリーニング性が不良であることが確認された。
ここで、実施例1において、導電性ブラシ103通過前[図11の「ブラシ通過前」参照]、導電性ブラシ103通過後[図11の「ブラシ通過後(ここでは+400Vの条件)」参照]のトナー粒子の状態をSEM写真にて調べたところ、トナー粒子に外添されるシリカの量が変化している。具体的には、トナー粒子に外添されているシリカ(図中の白いドット部分)は、導電性ブラシ通過前よりも通過後に極端に減少していることが確認された。
また、導電性ブラシ103の状態をSEM写真にて調べたところ、図11の「ブラシ」に示すように、導電性ブラシにシリカが付着していることが確認された。 このことから、導電性ブラシ103がトナーからシリカを分離し、中間転写ベルト20に供給しているものと推測される。
現に、ブレード102のエッジ部分をSEM写真にて調べてみると、例えば図12(ブラシ印加バイアス:+400V)に示すように、ブレード102のエッジ部分にシリカによる粉体ダムが形成されており、この粉体ダムがトナーを塞き止めていることが理解される。
【0060】
◎実施例2
実施例1と同様のモデルにおいて、導電性ブラシ103へ印加するバイアス電圧Vbがクリーニング性にどのように影響するかの実験を行った。
実験方法は、A3用紙サイズの未転写3次色ソリッド画像(トナー重量:約9.5〜12.0g/m2)とA3用紙サイズの未転写3次色ソリッド画像の転写残像(トナー重量:約1.5〜2.5g/m2)とを夫々一度だけクリーニング装置100に突入させる。
このとき、導電性ブラシ103、清掃用ロール104には夫々の印加バイアスVb、Vdが|Vd−Vb|=300Vを満足するように印加されている。
以上の条件下で、導電性ブラシ103へ印加されるバイアス電圧(ブラシ印加バイアス)Vbを変化させた場合の、クリーニング後のブレードエッジ部分をSEM写真にて観察した結果を図12、図13に示す。
尚、クリーニング用ブレード102は低温低湿環境下において高硬度となり、反発弾性も低くなることに伴ってクリーニング性が悪化するため、10℃、15%の低温低湿環境下で評価を行った。
【0061】
図12は未転写トナーにおけるクリーニング後のブレードエッジダム(粉体ダム)を観察したものであり、図13は転写残留トナーにおけるクリーニング後のブレードエッジダム(粉体ダム)を観察したものである。
図12、図13によれば、ブラシ印加バイアスを変化させると、ブレードエッジ部に発生するシリカによる堆積物の量が変化することが確認される。
例えば導電性ブラシ103へのブラシ印加バイアスVbを+400Vにすると、シリカによる堆積物が粉体ダムとなり、球形トナーのブレードエッジへの進入を塞き止めており、ブレードにて球形トナーをクリーニングできることが理解される。
このとき、前述したように、導電性ブラシ103を通過したトナーからシリカが少なくなっていることが確認されている(図11参照)。
【0062】
尚、ブラシ印加バイアスVbを0V、−200Vにしたところ、前述したシリカによる粉体ダムは形成されておらず、ブレードにて球形トナーを確実にクリーニングできないことが理解される。
このような条件下において、導電性ブラシ103通過後[「ブラシ通過後(ブラシ印加バイアス:0V,−200V)」]のトナー粒子をSEM写真にて観察してみると、図11に示すように、導電性ブラシ103を通過したトナー粒子のシリカが通過前に比べてほとんど減少していないことが理解される。
このことは、導電性ブラシ103がトナーからシリカを分離し、ブレードエッジ部に供給して堆積保持させることに寄与しているものと推測される。
【0063】
また、本実施例において、導電性ブラシ103の電気抵抗が2logΩcm以上4logΩcm以下である条件下で、ブラシ印加バイアスVbを変化させてクリーニング性能を調べたところ、図14に示すように、未転写トナーと転写残留トナーともに、ブラシ印加バイアスVbが+100〜+700Vのときに、クリーニング後のトナー量を許容値以下に抑えることができることが確認された。ここで、クリーニング効果を高めるためには、ブラシ印加バイアスを+300〜+500Vにすることが望ましい。
【0064】
◎実施例3
本実施例は、クリーニング装置としては実施の形態2のものを用い、これ以外については実施例1と略同様の構成である。そして、磁性粉としては8μm以下の不定形を用いた。
ここで、磁性粉による粉体ダムの有無がクリーニング性にどのように影響するかについて実験を行った。
実験方法は、実施例と比較例(磁性粉による粉体ダムのないモデル)とについて、A3用紙全面の二次転写残像及び30%未転写像、100%未転写像についてクリーニング性を調べた。尚、クリーニング用ブレード102は低温低湿環境下において高硬度となり、反発弾性も低くなることに伴って通常クリーニング性が悪化するため、10℃、15%の低温低湿環境下で評価を行った。
【0065】
評価結果を図15に示す。
同図によれば、比較例は未転写像についてはクリーニング不良がみられたものの、実施例は、二次転写残像、未転写像の全てについて良好なクリーニング性が確認された。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ブレードエッジにトナー以外の塞き止め用粉体を堆積保持し、球形トナーを塞き止め可能としたので、クリーニング用ブレードの当接圧力をそれほど大きく設定しなくても、塞き止め用粉体によるダムにて球形トナーを確実にクリーニングすることができる。
このため、クリーニング用ブレードの当接圧力をクリーニング対象物の摩耗や損傷に対する許容レベル範囲に設定することが可能になり、クリーニング対象物の摩耗・損傷を有効に防止することができるほか、クリーニング性能を改善する上で、無駄なトナーを消費したり、クリーニング対象物に摩擦係数低下物質などを供給する必要もなくなり、その分、ランニングコストを低減させることができる。
【0067】
特に、塞き止め用粉体として、比重1.3〜1.9、粒径80〜300nmの単分散シリカを用いる態様にあっては、当該シリカはクリーニング助剤として働くほかに、転写助剤としても働くため、クリーニング装置の負荷をより軽減しながら、球形トナーを確実にクリーニングすることができる。
一方、塞き止め用粉体として、不定形又は針状の磁性粉を用いる態様にあっては、ブレードエッジに磁場が付与せしめられる構造を採用することでブレードエッジ部分に塞き止め用粉体としての磁性粉を確実に堆積保持することができ、その分、球形トナーの塞き止め効果をより確実にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るクリーニング装置の概要を示す説明図である。
【図2】 本発明が適用されたクリーニング装置の実施の形態1を組み込んだ画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【図3】 実施の形態1に係るクリーニング装置の詳細を示す説明図である。
【図4】 本発明が適用されたクリーニング装置の実施の形態2を組み込んだ画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【図5】 実施の形態2に係るクリーニング装置の詳細を示す説明図である。
【図6】 実施の形態2に係るクリーニング装置の変形形態を示す説明図である。
【図7】 実施の形態2に係るクリーニング装置の参考の形態を示す説明図である。
【図8】 実施の形態2に係るクリーニング装置の更に他の参考の形態を示す説明図である。
【図9】 本発明が適用されたクリーニング装置の実施の形態3を組み込んだ画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【図10】 実施の形態1に係る実施例及び比較例におけるクリーニング性能の評価結果を示す説明図である。
【図11】「ブラシ通過前」は導電性ブラシ通過前におけるトナー粒子の状態、「ブラシ通過後」はブラシ印加バイアスを変化させた条件下での導電性ブラシ通過後におけるトナー粒子の状態、「ブラシ」はトナー粒子が通過した後の導電性ブラシの表面状態をSEM写真にて示す説明図である。
【図12】 導電性ブラシへの印加バイアス(ブラシ印加バイアス)を変化させた条件下で、未転写トナークリーニング後のブレードエッジダムの観察結果をSEM写真にて示す説明図である。
【図13】 導電性ブラシへの印加バイアス(ブラシ印加バイアス)を変化させた条件下で、転写残留トナークリーニング後のブレードエッジダムの観察結果をSEM写真にて示す説明図である。
【図14】 ブラシ印加バイアスとクリーニング性能との関係を示すグラフ図である。
【図15】 実施の形態2に係る実施例及び比較例におけるクリーニング性能の評価結果を示す説明図である。
【符号の説明】
1…クリーニング対象物,2…クリーニング用ブレード,3…残留トナー,5…塞き止め用粉体,6…粉体供給手段,7…粉体堆積保持手段
Claims (11)
- クリーニング対象物上にクリーニング用ブレードのエッジを当接し、このブレードにてクリーニング対象物上の残留トナーを清掃するクリーニング装置が用いられる画像形成装置において、
ブレードエッジには、形状係数が100〜125のトナーが塞き止められるトナー以外の塞き止め用粉体を堆積保持し、この塞き止め用粉体として比重1.3〜1.9、粒径80〜300nmの単分散シリカを用い、
更に、このシリカをトナーと共にクリーニング対象物上に供給するシリカ供給手段と、
ブレードの上流側に設けられ、トナーからシリカを分離してクリーニング対象物に供給するシリカ分離供給手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。 - クリーニング対象物上にクリーニング用ブレードのエッジを当接し、このブレードにてクリーニング対象物上の残存トナーを清掃するクリーニング装置が用いられる画像形成装置において、
クリーニング対象物のブレードエッジの対向部あるいはこれよりも上流側にてトナー以外の塞き止め用粉体として比重1.3〜1.9、粒径80〜300nmの単分散シリカを供給する粉体供給手段と、
前記ブレードエッジに前記塞き止め用粉体を堆積保持することで形状係数が100〜125のトナーを塞き止め可能とする粉体堆積保持手段とを備え、
前記粉体供給手段は、前記シリカをトナーと共にクリーニング対象物上に供給するシリカ供給手段と、
ブレードの上流側に設けられ、トナーからシリカを分離してクリーニング対象物に供給するシリカ分離供給手段とを具備することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2記載の画像形成装置において、
塞き止め用粉体としてのシリカはトナーの外添剤として使用され、トナーを介してクリーニング対象物に供給されるものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2記載の画像形成装置において、
シリカ分離供給手段は、クリーニング対象物に対して摺接回転し且つクリーニング対象物上のトナー及びシリカを静電吸引する導電性部材と、前記導電性部材に摺接して導電性部材上のトナーのみを静電除去するトナー除去部材とを備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4記載の画像形成装置のうち、トナー極性が負極性である条件下において、
導電性部材への印加バイアスが+100V以上+700V以下で、かつ、導電性部材の電気抵抗(体積抵抗率の常用対数値)が2logΩcm以上4logΩcm以下であることを特徴とする画像形成装置。 - クリーニング対象物上にクリーニング用ブレードのエッジを当接し、このブレードにてクリーニング対象物上の残存トナーを清掃するクリーニング装置が用いられる画像形成装置において、
非磁性のクリーニング対象物を挟んでブレードに対向する対向部材を設け、この対向部材にはブレードエッジ部分に磁場が集中する磁力発生部材を具備させ、この磁力発生部材による磁場にてブレードエッジに形状係数が100〜125のトナーが塞き止められるトナー以外の塞き止め用粉体としての不定形若しくは針状の磁性粉を堆積保持させるようにしたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6記載の画像形成装置において、
対向部材は、非磁性の回転スリーブと、この回転スリーブ内に固定的に配設され且つブレードエッジ部分に磁場が集中的に作用する磁力発生部材とを備えていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6記載の画像形成装置において、
クリーニング対象物のブレードエッジの対向部に対応した部位に、塞き止め用粉体としての磁性粉が供給可能に保持されている磁性粉供給部材を接離自在に設け、この磁性粉供給部材には、磁力発生部材と同極で且つ磁力の弱い磁性粉保持磁力部材を具備させ、クリーニング対象物に磁性粉供給部材を定期的に接触させることで磁性粉を供給するようにしたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6記載の画像形成装置において、
クリーニング対象物のブレードエッジの対向部よりも上流側に対応した部位に、塞き止め用粉体としての磁性粉が供給可能に保持されている磁性粉供給部材を接離自在に設け、クリーニング対象物に磁性粉供給部材を定期的に接触させることで磁性粉を供給するようにしたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6記載の画像形成装置において、
塞き止め用粉体としての磁性粉はトナーの平均粒径よりも小さいことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2又は6記載の画像形成装置において、
形状係数が100〜125であるトナーを用いて像担持体上にトナー像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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