JP3748477B2 - 磁性コートキャリア、二成分系現像剤及び現像方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法の如き画像形成方法における静電荷潜像を現像するための現像剤を構成する磁性キャリア二成分系現像剤及び現像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法として米国特許第2,297,691号明細書、特公昭42−23910号公報および特公昭43−24748号公報等に種々の方法が記載されている。これらの方法は、光導電層に原稿に応じた光像を照射することにより静電潜像を形成し、次いで該静電潜像上にトナーを付着させて該静電潜像を現像し、中間転写体を介して又は介さずに紙の如き転写材にトナー画像を転写した後、熱、圧力、加熱加圧又は溶剤蒸気等により定着し複写物又はプリントを得るものである。
【0003】
近年、コンピュータ、マルチメディア等の発達により、オフィスから家庭まで幅広い分野での更なる高精細フルカラー画像を出力する手段が要望されている。ヘビーユーザーは多数枚の複写によっても画質低下のない高耐久性を、スモールオフィスや家庭で高画質な画像を得ると共に省スペース、省エネルギーの観点から装置の小型化、廃トナーの再利用又は廃トナーレス(クリーナーレス)、定着温度の低温下も要望される。これらの目的を達成するために各々の観点から種々の検討が行われている。
【0004】
該静電潜像を現像する工程は、帯電させたトナー粒子を静電潜像の静電相互作用を利用して静電潜像上に画像形成を行うものである。静電潜像をトナーを用いて現像する方法のうち、トナーとキャリアと混合した二成分系現像剤が特に高画質を要求されるフルカラー複写機又はフルカラープリンタには好適に用いられている。転写工程には、静電潜像担持体上の帯電したトナー粒子を逆バイアスを掛けることによって、中間転写体を介して、又は介さずに転写材へ転写する静電転写が好ましく用いられている。さらに、定着工程は200℃前後に加熱した二本ロールの間を通過させることにより定着する熱定着やカプセルトナーを利用し剛体ローラーによる加圧定着の方法が用いられている。
【0005】
二成分系現像剤に用いられるキャリア粒子は、トナー粒子に良好な帯電性を付与し、現像領域において静電潜像をトナーで現像し、キャリア粒子自身は現像容器内に戻され新たにトナーと混合し良好な帯電を付与するというサイクルで長時間繰り返し使用される。したがって、キャリア粒子に要求される性能として、トナーに良好な帯電を付与すること、キャリア自身が静電潜像担持体に付着しないこと、繰り返しの使用でも帯電付与性能が劣化しないことが挙げられる。従来、キャリア粒子としては鉄粉キャリア、フェライトキャリア、磁性微粒子をバインダー中に分散した磁性体分散樹脂キャリアが磁気ブラシ現像用の二成分系現像剤のキャリアとして用いられている。
【0006】
高画質化の要求に対しては、現像システムの検討が種々行われており、中でも現像プロセスに交番電界を印加する方法が高画質化のためには好ましく用いられている。これに鉄粉キャリアを使用すると鉄分キャリアが低抵抗であるためリークが起こり、現像不良が生じやすい。また、フェライトキャリアを用いても、フェライトキャリア粒子の比抵抗が107 〜109 Ωcm程度では十分良好な画像が得られにくい。
【0007】
フェライトキャリア粒子表面に樹脂をコートして用いると良好な画像が得られるようになるが、このような樹脂を用いると長時間に渡る繰り返し使用において、キャリアがトナーによる汚染により帯電付与低下を生じたり、コート材の剥がれによりキャリア粒子が低抵抗になり、画像劣化を引き起こす場合がある。
【0008】
現像剤の観点から高画質化達成のためにトナー及びキャリア粒子の粒径が小さくする検討が行われている。この場合、キャリア粒径が小さくなるに従い、キャリア付着を生じやすくなる。特公平5−8424号公報には微粒子化したキャリアとトナーを用いて振動電界下で非接触方式で現像する方法が記載されている。該公報では、振動電界を印加する現像プロセスにおいてキャリアの付着を改善するために、樹脂コートを施してキャリアの高抵抗化が効果を有すると記載されているが、キャリアの付着を改善するためにキャリア比抵抗を高抵抗化してもキャリアコアの比抵抗が低く表面に少しでも露出している場合や繰り返し使用してコート剥がれを生じる場合には十分にキャリアの付着を改善し高画質化を達成するには不十分な場合がある。
【0009】
キャリアとして磁性体分散樹脂キャリアを用いるとキャリアコアのバルク抵抗は鉄粉キャリアやフェライトキャリアに比べて高くなる。しかし、これらの場合でも、特開平5−100494号公報に開示されるように樹脂中に粒径比の異なる磁性体を含有することで、樹脂中の磁性体量を増量した磁性粒子では、内添している磁性体が比抵抗の低い磁性体を含有する場合において、磁気的なキャリアの拘束力としては高くなるが、交番電界を用いる現像方法にこのようなキャリアを用いると、マグネタイトのごとき低抵抗の磁性微粒子がキャリア表面に多数露出することでキャリア付着を生じる場合がある。また長時間繰り返し使用した際に磁性微粒子の脱離が生じたりする場合もある。
【0010】
これらを改善するためにキャリアの高耐久性の検討がなされている。磁性体分散樹脂キャリアの場合には磁性微粒子の脱離を防止するために、低表面エネルギーの樹脂コートが提案されている。例えば特公昭62−61948号公報、特公平2−3181号公報にシリコーン樹脂コートキャリアの提案がなされ、特公昭59−8827号公報に樹脂変性シリコーンコートキャリアの提案がなされている。特開平6−118725号公報には磁性体分散樹脂キャリアの表面に導電性物質含有シリコーンコートキャリア及びシランカップリング剤を含有したシリコーン樹脂コート樹脂キャリアの記載がある。この明細書中には磁性体分散樹脂キャリアの比抵抗を下げるために導電物質を含有したシリコーン樹脂コートを施すことで、高耐久で高画質な画像を得ることがあるが、上述したようにキャリア比抵抗が下がった場合には特に交番電界印加する現像プロセスにおいて、キャリアの付着を生じてしまう場合がある。また、シランカップリング剤を含有したシリコーン樹脂コート樹脂キャリアにおいても、前述したようにコアに低抵抗な磁性体を多量に用い、それがキャリア粒子表面に多数頭出しすることにより、キャリアの付着を生じてしまう場合がある。また、高湿下でトナーの帯電量が低下し、カブリを生じてしまう場合がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述の問題点を解決した磁性コートキャリア、二成分系現像剤及び該二成分系現像剤を使用する現像方法を提供することにある。
【0012】
本発明の目的は、キャリアの付着を防止し、高画像濃度で高精彩なカラートナー画像を形成し得る磁性コートキャリア、二成分系現像剤及び該二成分系現像剤を使用する現像方法を提供することにある。
【0013】
本発明の目的は、現像剤の寿命を延ばし、多数枚の複写においても画像劣化のない二成分系現像剤を提供することにある。
【0014】
本発明の目的は、磁性体分散樹脂キャリアにおける磁性体の脱離を防止し、高耐久性で、高画質な複写画像を得る二成分系現像剤を提供することにある。
【0015】
本発明の目的は、低温定着プロセス、クリーナーレスプロセスに適応し、繰り返し使用の耐久特性の改善にあり、感光体上にフィルミングを生じない現像剤を提供することにある。
【0016】
本発明の目的は、低温定着プロセスにも適応でき、現像剤担持体上に現像剤融着の生じない長期にわたり安定している現像方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、金属酸化物粒子及びバインダー樹脂を含有する磁性キャリアコア粒子の表面を樹脂組成物を使用して被覆した磁性コートキャリアであり、(a)磁性キャリアコア粒子の比抵抗が1×1010Ωcm以上であり、且つ磁性コートキャリアの比抵抗が1×1012Ωcm以上であり、(b)磁性コートキャリアは個数平均粒径が1〜100μmであり、該個数平均粒径の1/2倍径以下の個数分布の分布累積値が20個数%以下であり、(c)磁性コートキャリアは、形状係数SF−1が100〜130であり、(d)磁性コートキャリアは、1キロエルステッドにおける磁化の強さが40〜250emu/cm3であり、(e)磁性コートキャリア粒子は、表面がストレートシリコーン樹脂及びアミノ基を有するカップリング剤を少なくとも含有している樹脂組成物を使用して被覆した被覆層でコートされており、且つアミノ基を有するカップリング剤がストレートシリコーン樹脂に対して0.5〜20重量%用いられており、ストレートシリコーン樹脂は、3官能のシリコンと2官能のシリコンとの比が100:0乃至40:60であることを特徴とする磁性コートキャリアに関する。
【0018】
さらに、本発明は、少なくともトナーと磁性コートキャリアを有する二成分系現像剤において、磁性コートキャリアは、金属酸化物粒子及びバインダー樹脂を含有する磁性キャリアコア粒子の表面を樹脂組成物を使用して被覆した磁性コートキャリアであり、(a)磁性キャリアコア粒子の比抵抗が1×1010Ωcm以上であり、且つ磁性コートキャリアの比抵抗が1×1012Ωcm以上であり、(b)磁性コートキャリアは個数平均粒径が1〜100μmであり、該個数平均粒径の1/2倍径以下の個数分布の分布累積値が20個数%以下であり、(c)磁性コートキャリアは、形状係数SF−1が100〜130であり、(d)磁性コートキャリアは、1キロエルステッドにおける磁化の強さが40〜250emu/cm3であり、(e)磁性キャリアコア粒子は、表面がストレートシリコーン樹脂及びアミノ基を有するカップリング剤を少なくとも含有している樹脂組成物を使用して被覆した被覆層でコートされており、且つアミノ基を有するカップリング剤がストレートシリコーン樹脂に対して0.5〜20重量%用いられており、ストレートシリコーン樹脂は、3官能のシリコンと2官能のシリコンとの比が100:0乃至40:60であることを特徴とする二成分系現像剤に関する。
【0019】
さらに、本発明は、二成分系現像剤を磁界発生手段を内包している現像剤担持体上に担持し、該現像剤担持体上に二成分系現像剤磁気ブラシを形成し、磁気ブラシを潜像担持体に接触させ、交番電界を現像担持体に印加しながら潜像担持体の静電荷潜像を現像する現像方法であり、二成分系現像剤は、非磁性トナー及び磁性コートキャリアを有し、磁性コートキャリアは、金属酸化物粒子及びバインダー樹脂を含有する磁性キャリアコア粒子の表面を樹脂組成物を使用して被覆した磁性コートキャリアであり、(a)磁性キャリアコア粒子の比抵抗が1×1010Ωcm以上であり、且つ磁性コートキャリアの比抵抗が1×1012Ωcm以上であり、(b)磁性コートキャリアは個数平均粒径が1〜100μmであり、該個数平均粒径の1/2倍径以下の個数分布の分布累積値が20個数%以下であり、(c)磁性コートキャリアは、形状係数SF−1が100〜130であり、(d)磁性コートキャリアは、1キロエルステッドにおける磁化の強さが40〜250emu/cm3であり、(e)磁性キャリアコア粒子は、表面がストレートシリコーン樹脂及びアミノ基を有するカップリング剤を少なくとも含有している樹脂組成物を使用して被覆した被覆層でコートされており、且つアミノ基を有するカップリング剤がストレートシリコーン樹脂に対して0.5〜20重量%用いられており、ストレートシリコーン樹脂は、3官能のシリコンと2官能のシリコンとの比が100:0乃至40:60であることを特徴とする現像方法に関する。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明者らが検討を行ったところ、現像領域における現像スリーブに内包されている固定磁石の現像極(磁極の強さ約1000エルステッド)における磁性キャリアの磁化の強さが磁気ブラシの穂立ちに関係していることが判明した磁性キャリアの磁化の強さが40〜250emu/cm3 の範囲にあり、磁性キャリアの粒径が1〜100μmの磁性キャリアを用いると現像極における現像剤磁気ブラシの密度が密になり、ドット再現性の良い画像が得られることがわかった。
【0021】
しかし、画質の向上に相反して磁性キャリアの付着が増大する傾向にあった。そこで、個数平均粒径が1〜100μmで、該個数平均粒径の1/2倍径以下の分布累積地が20個数%以下であるように磁性キャリアの粒度分布をシャープにし、磁性キャリアコア粒子の表面をストレートシリコーン樹脂及びカップリング剤を含有する樹脂組成物でコートし、磁性キャリアの比抵抗が1×1012Ωcm以上になるようにし、その際、磁性キャリアを構成するコアの比抵抗が1×1010Ωcm以上であるようなキャリアコアの高抵抗化を計ったコア粒子を用いると、キャリアの付着防止と画質の向上を両立させることができることが知見された。
【0022】
これはキャリア付着のドライビングフォースが、特に交番電界印加における接触現像方法において、現像バイアス印加時に現像スリーブから磁性キャリアへの電荷注入が支配的因子となっているためと考えられる。従って、電荷注入が起こらない程度の磁性キャリアコアの比抵抗が必要であり、それが1×1010Ωcm以上であることを見いだした。磁性体分散樹脂キャリアにおいては、内添する磁性体がマグネタイトのように1×105 Ω・cm程度の低い抵抗のものがキャリア粒子表面に頭出しし、磁性体が約80重量%以上キャリアコアに含有される場合、電荷注入サイトができキャリア付着を招くことも見いだした。従って、磁性体分散樹脂キャリアの場合でも電荷注入を防止する工夫が必要である。キャリアコアの構成材料の1つとして高抵抗の非磁性金属酸化物粒子を用い、一般に低抵抗である磁性微粒子より非磁性金属酸化物を大粒径とすることとでコア粒子のバルクの抵抗を高めることができ、電荷注入を良好に防止することができる。
【0023】
また、キャリア付着その他の要因として、トナー/キャリア間の摩擦帯電におけるキャリアの帯電も関係があることもわかった。帯電したキャリア粒子は粒径が大きければ磁気力及び自重により感光体に付着することは少ないが、小粒径なキャリア粒子やキャリアの微粉が感光体上へ飛翔する場合がある。これは、キャリア表面が部分的にでも樹脂層が厚くなる場合にはキャリア粒子表面のトナーとの摩擦帯電による送電荷が保持されるため、キャリア粒子が非画像部へ付着すると考えられる。
【0024】
キャリアコア粒子表面のコート層がストレートシリコーン樹脂及びカップリング剤を含有する樹脂組成物であると、キャリアコア粒子に樹脂コートするときにキャリア粒子同士の合一および解砕時にコート層がなき別れしてコートが不均一になることなく均一に膜形成をすることが可能である。これはコート時にコート樹脂とコアとの密着性や、シリコーン樹脂の硬さ及び表面エネルギーに関係していると考えられる。特にアミノ基を有するカップリング剤をシリコーン樹脂に対し0.5〜20重量%用い、ストレートシリコーン樹脂が3官能のシリコン、及び/または3官能と2官能とのシリコンを有し、3官能と2官能とのシリコンの比が3官能:2官能=100:0〜40:60(好ましくは、90:10〜45:55)であるときに、キャリアコア粒子との密着性およびシリコーン樹脂の架橋の適度な硬度を持つようにコントロールできることにより良好なコートができる。
【0025】
また、磁性コートキャリアの粒径に関しては、その粒度分布がブロードで、特に微粉が多量にある磁性キャリアではキャリア付着量も増大する。
【0026】
従って、磁性コートキャリアの個数平均粒径が1〜100μmであり、該個数平均粒径の1/2倍径以下の個数分布の分布累積値が20個数%以下であると、キャリア付着を良好に防止できる。二成分現像剤に使用するトナーは、重量平均粒径が1〜10μmであり、その個数平均粒径の1/2倍径以下の分布累積値が20個数%以下であり、重量平均粒径の2倍径以上の分布累積値が10体積%以下である粒度分布のシャープなトナーが好ましい。さらにトナーの形状係数SF−1が100〜140の範囲であり、トナー粒子は重合法により形成されているトナーと微粉の少ない粒度分布のシャープな形状係数SF−1が100〜130の範囲である磁性キャリアとを組み合わせて用いることで、カブリがなく、ドット再現性の良い画像が得られる。これは、上記トナーと上記キャリアとを摩擦帯電させる場合、トナーの粒度分布がシャープであると帯電付与するキャリアとの接触が均質になり、より均一な帯電付与を行うことができ、反転成分のトナーの存在が極小になるためと考えられる。従って、トナー像の転写工程においてもトナーの反転成分による転写不良がなくなり、殆どのトナーが転写部材上に転写されるためにクリーナー部材が必要なくなり、クリーナーレスシステムにも本発明の現像剤は可能である適用できる。
【0027】
キャリアの磁化の強さを40〜250emu/cm3 と低磁気力化し、ストレートシリコーン樹脂及びカップリング剤を含有する樹脂組成物を含有する樹脂組成物でコートした磁性キャリアと、重合法により形成されており、かつ残存モノマーの含有量が1000ppm以下のトナー粒子とを用いるとキャリアのトナーによるスペント化やコート材剥がれを防止でき、キャリアの耐久性が向上する。これは現像剤が現像剤担持体(すなわち、現像スリーブ)上に規制されて出てくる際に磁気カットを行う場合や現像剤が静電潜像担持体上に接触している場合には、キャリア1個の磁気力が大きくなるとその現像剤のパッキングのシェアにより、トナースペントが生じたり、あるいはキャリア同士によるコート材剥がれが生じることによると考えられる。また、トナーもその表面が柔らかい場合には無機粒子あるいは有機の微粒子の如き外添剤がトナー粒子表面に埋め込まれたり、キャリア粒子表面を汚染しやすい。トナー粒子表面の硬さはトナー粒子を構成するバインダー中の残留モノマーによる影響が大きい。したがって、磁性キャリアの低磁気力化並びにキャリア粒子表面の高強度化、高離型性化及びトナー粒子が重合法により形成されており、かつ残存モノマーの含有量が1000ppm以下にすることにより現像剤の高耐久性化が達成できる。
【0028】
特に磁性体分散樹脂キャリアの場合、バインダー樹脂中の磁性体の脱離を防止するためには熱硬化性の樹脂をバインダー樹脂とし、直接重合法によりキャリアコア粒子を生成し、ストレートシリコーン樹脂及びカップリング剤を含有する樹脂組成物をキャリアコア粒子表面にコートすることが効果的である。これはシリコーン樹脂と共にカップリング剤、好ましくはアミノ基を有するカップリング剤を用いることでシリコーン樹脂の架橋の程度を良好にでき、そうすることでコア/コートの密着性が相乗的に高まり、キャリア表面が強固になる。さらにバインダー中に分散する金属酸化物の表面を親油化処理すると金属酸化物の分散性が向上し、バインダー樹脂との密着性が高まり、金属酸化物の脱離を良好に防止し得る。
【0029】
トナーの形状係数SF−1が100〜140であると、繰り返し複写耐久においても感光体表面にフィルミングが生じにくい。転写工程において、感光体上のトナーの転写効率が初期から耐久後でも変化なく極めて高いことによると考えられる。トナーが実質的に球形であるとトナー粒子は、感光体上に付着した場合、不定形のトナー粒子に比べて接触面積的が小さくなり、感光体表面とトナー粒子間に働くファンデルワールス力が小さくなることによって、トナーの転写効率が高くなるものと考えられる。
【0030】
低温定着プロセスに好ましく適用するためにはトナー粒子は、コア/シェル構造を有し、コア部の主たる成分が低軟化点物質であり、該低軟化点物質は融点が40〜90℃であることが好ましい。さらに、多数枚の複写又はプリントにおいても現像剤か劣化しないためにはトナー中の残存モノマー含有量を低減することが好ましい。結着樹脂、着色剤、荷電制御剤を主成分とするトナー粒子の場合、トナー粒子中の残存モノマーはトナー粒子のガラス転移点、あるいはガラス転移点の近辺の温度においての熱的挙動に影響を与える。モノマーは低分量成分であるためにトナー粒子全体を可塑化する方向に働くため、トナー粒子が磁性キャリアと接触すると外添剤は埋没しやすい。そのため、トナー粒子中の残存モノマー含有量を低く抑えることが好ましい。
【0031】
さらに、現像剤担持体表面にトナーを融着生ぜずに安定して磁気ブラシを形成するには、実質的に球形で流動性に優れるトナーと磁性キャリアとを有する現像剤を、表面に凹凸を形成した現像剤担持体で現像剤の搬送力を上げ、規制部材下流での現像剤に対して攪拌し現像剤の流動性を向上し、現像剤のパッキングを抑制することが好ましい。
【0032】
キャリアの粒径は、高画質化の観点からは小さくすることが好ましいが、磁気力と粒径の関係でキャリアの付着が生じる場合がある。かかる観点から、キャリアは個数平均粒径が1〜100μm(好ましくは15〜50μm)のキャリア磁化の強さが50〜200emu/cm3 であると高画質化及びキャリア付着防止の点で好適である。キャリア粒径が100μmを越えると磁気ブラシが感光体表面を摺擦するときに掃き目を生じやすくなるために高画質の観点から好適でない。また、1μmより小さくなるとキャリア1個の持つ磁気力が小さくなるためにキャリア付着を生じやすくなる。
【0033】
また、本発明において重要なことはキャリアの個数平均粒径の1/2倍径以下の個数分布累積値が20個数%以下となるような粒度分布を有することである。1/2倍径以下の個数分布累積値が20個数%を越えると、前述したようにキャリア付着が増大したり、トナーへの帯電付与が不良になったりする点で好ましくはない。キャリア粉体の粒径測定方法については後述する。
【0034】
磁性コートキャリアの磁気特性としては、1キロエルステッドでの磁化の強さが40〜250emu/cm3 、好適には50〜230emu/cm3 の範囲であるような低磁気力のキャリアを使用することが好ましい。先述したように、キャリアの磁化の強さはキャリア粒径により適宜選択される。磁化の強さが250emu/cm3 を越えるとキャリア粒径にも関係するが、現像極での現像スリーブ上に形成される現像ブラシは、密度が低く、穂長が長くなり、かつ剛直化してしまうためトナー画像上に掃き目ムラを生じたり、特に多数枚の画出しによる現像剤の劣化により中間調のガサツキやキャリアのコート材剥がれによるキャリア付着を引き起こしやすい。また、40emu/cm3 未満では、磁性キャリアの磁気力が低くキャリア付着を生じたり、トナーの搬送性が低下する。磁気特性の測定は、例えば、理研電子(株)製の振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−30を用いて行う。測定条件の具体例は後述する。
【0035】
本発明で使用されるキャリア粒子は比抵抗が5×104 V/mの電界強度において1×1012Ωcm以上である。1×1012Ωcm未満の比抵抗では先述したようにキャリア付着防止の目的が達成できない場合がある。キャリア粉体の抵抗測定方法については後述する。
【0036】
また、キャリアコアは比抵抗が5×104 V/mの電界強度において1×1010Ωcm以上の抵抗を有している。1×1010Ωcm未満の比抵抗の場合は、磁性コートキャリアであっても一部分コアが露出した場合に電荷注入が起こるためにキャリア付着を招くので好ましくない。
【0037】
キャリアのコア材として、磁性を示すMO・Fe2 O3 またはMFe2 O4 の一般式で表されるマグネタイト、フェライトが好ましく用いることができる。Mは2価あるいは1価の金属イオン(Ca、Mn、Fe、Ni、Co、Cu、Mg、Zn、Cd、Li,等)である。Mとしては単独あるいは複数の金属を用いることができる。例えばマグネタイト、γ−Fe2 O3 、Mn−Zn−Fe系フェライト、Ni−Zn−Fe系フェライト、Mn−Mg−Fe系フェライト、Ca−Mn−Fe系フェライト、Ca−Mg−Fe系フェライト、Li−Fe系フェライト、Cu−Zn−Fe系フェライトの如き鉄系酸化物を挙げることができる。
【0038】
鉄系金属酸化物は単独でキャリアコアとして用いることもできる。その場合、コア表面を強烈に酸化処理し、コア比抵抗を1×1010Ωcm以上にする必要がある。特に好ましいキャリアコア形態として、樹脂中に上記磁性金属酸化物微粒子及び以下の非磁性金属酸化物微粒子を分散したキャリアコアが挙げられる。
【0039】
非磁性金属酸化物としては、Mg、Al、Si、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、Sn、Ba、又はpbの金属を単独あるいは複数用いた非磁性の金属酸化物が挙げられる。例えば非磁性の金属酸化物としてAl2 O3 、SiO2 、CaO、TiO2 、V2 O5 、CrO2 、MnO2 、α−Fe2 O3 、CoO、NiO、CuO、ZnO、SrO、Y2 O3 、ZrO2 が挙げられる。磁性体分散樹脂キャリアの場合、磁性を示す1種類の金属酸化物を樹脂に分散して用いることもできるが、より好ましくは、低抵抗の磁性金属酸化物微粒子と高抵抗の磁性金属酸化物微粒子又は高抵抗の非磁性金属酸化物微粒子とを組み合わせて用いるのが良く、特に好ましくは、低抵抗の磁性金属酸化物微粒子と高抵抗の非磁性金属酸化物微粒子とを組み合わせて使用するのが良い。
【0040】
その場合には、比重や形状が類似している粒子を用いるのがバインダー樹脂との密着性、キャリアコアの強度を高めるためにより好ましい。例えば、マグネタイトとヘマタイト、マグネタイトとγ−Fe2 O3 、マグネタイトとSiO2 、マグネタイトとAl2 O3 、マグネタイトとTiO2 、マグネタイトとCa−Mn−Fe系フェライト、マグネタイトとCa−Mg−Fe系フェライト等を好ましく用いることができる。中でもマグネタイトとヘマタイトの組み合わせが好ましい。
【0041】
金属酸化物微粒子を樹脂に分散したものをコアとする場合、磁性を示す金属酸化物微粒子の個数平均粒径はキャリアコアの個数平均粒径よりも小さく且つ、0.02〜2μmのものが好ましい。2種以上の金属酸化物を分散させて用いる場合、低抵抗の金属酸化物の個数平均粒径(ra)は0.02〜2μmであるものが好ましい。他方の金属酸化物の個数平均粒径(rb)は0.05〜5μmのものが好ましい。この場合、低抵抗の金属酸化物に対して他方の金属酸化物の粒径比rb/raは1.0を越え5.0以下であることが好ましく、より好ましくは粒径比rb/raは1.2乃至5.0が良い。1.0倍以下であると比抵抗の低い金属酸化物粒子が表面に出やすくなり、キャリアコアの抵抗が低くなり、キャリア付着を防止する効果が得られにくくなる。5.0倍を越えると樹脂中へ金属酸化物粒子を分散しにくく、キャリアコアの強度が低下し、金属酸化物の脱離を引き起こしやすくなる。金属酸化物の粒径測定方法については後述する。
【0042】
樹脂に分散して用いる磁性金属酸化物粒子の比抵抗は1×103 Ω・cm以上の範囲のものが好ましく、より好ましくは1×105 Ω・cm以上である。特に、2種以上の金属酸化物粒子を混合して用いる場合には、磁性を示す金属酸化物粒子が1×103 Ω・cm以上の範囲のものであり、他方の非磁性金属酸化物粒子は磁性粒子よりも高い比抵抗を有するものが好ましい。より好ましくは非磁性金属酸化物の比抵抗は1×108 Ω・cm以上のものが好ましい。磁性金属酸化物粒子の比抵抗が1×103 Ω・cm未満であると分散する金属酸化物の含有量を減量してもキャリアコアの比抵抗が低く、電荷注入を招きやすく画質が低下したり、キャリア付着を招きやすい。また、樹脂中に2種以上の金属酸化物粒子を分散する場合には粒径の大きな非磁性金属酸化物の比抵抗が1×108 Ω・cm未満であるとキャリアコアの比抵抗を十分に高めることができにくい。金属酸化物の比抵抗測定方法については後述する。
【0043】
金属酸化物分散樹脂コア粒子の金属酸化物の含有量は、好ましくは50重量%〜99重量%である。金属酸化物の量が50重量%未満であると帯電性が安定しにくく、特に低温低湿環境下においてキャリアが摩擦帯電し、摩擦電荷が残存しやすくなるために微粉トナーや外添剤がキャリア粒子表面に付着しやすくなる。また、99重量%を越えるとキャリア粒子強度が低下して、耐久時にキャリア粒子の割れや、金属酸化物微粒子のキャリア粒子からの脱離を生じやすくなる。
【0044】
さらに本発明の好ましい形態としては、2種以上の金属酸化物粒子を分散した金属酸化物分散樹脂コアにおいて、含有する金属酸化物全体に占める磁性を有する金属酸化物の含有量が30重量%〜95重量%である。30重量%未満であるコアの高抵抗化は良好になる半面、キャリアとしての磁気力が小さくなり、キャリア付着を招く場合がある。また、95重量%を越えるとコアの高抵抗化が難しくなる。
【0045】
更に、金属酸化物分散樹脂コアに含有される金属酸化物は親油化処理されていることが金属酸化物微粒子の脱離を防止する上で好ましい。親油化処理された金属酸化物はバインダー樹脂中に分散させコア粒子を形成する場合、均一でかつ高密度でバインダー樹脂中に取り込まれることが可能となる。特に、重合法でコア粒子を形成する場合は球形で表面が平滑な粒子を得る上で重要である。
【0046】
親油化処理はシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤の如きカップリング剤や界面活性剤で表面処理することが好ましい。
【0047】
特にシランカップリング剤、チタネートカップリング剤の如きカップリング剤で表面処理することが好ましい。
【0048】
シランカップリング剤としては、疎水性基、アミノ基あるいはエポキシ基を有するものが挙げられる。疎水性基を有するシランカップリング剤としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ)シランを挙げることができる。アミノ基を有するシラン系カップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメトキシジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。エポキシ基を有するシランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランが挙げられる。
【0049】
チタネートカップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルビンゼンスルホニルチタネート、イソプロペルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネートを挙げることができる。
【0050】
金属酸化物分散コアに用いられるバインダー樹脂としては、次のビニルモノマーを重合して得られる樹脂が挙げられる。ビニルモノマーとしては、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如き不飽和モノオレフィン;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ジオレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル;メタクリル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリン、メタクリル酸フェニルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;アクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル;マレイン酸、マレイン酸ハーフエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸誘導体若しくはメタクリル酸誘導体;アクロレインが挙げられる。これらの中から1種又は2種以上のモノマーを重合させたものが用いられる。
【0051】
その他の樹脂として、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂の如き樹脂が挙げられる。
【0052】
金属酸化物分散樹脂コアを製造する方法としては熱可塑性樹脂、金属酸化物、その他の添加剤を混合機により十分に混合してから加熱ロールー、ニーダー、エクストルーダーの如き混練機を用いて溶融、混練して、これを冷却後、粉砕分級する方法が挙げられる。この際、得られた不定形の金属酸化物含有樹脂粒子を熱処理あるいは機械的処理により球形化してコア粒子として用いることが好ましい。
【0053】
他の金属酸化物分散コアを製造する方法としては、モノマーと金属酸化物粒子とを混合、モノマーを重合してキャリアコア粒子を生成する方法が挙げられる。重合に用いられるモノマーとしては、ビニルモノマーの他に、エポキシ樹脂の出発原料となるビスフェノール又はその誘導体とエピクロルヒドリン;フェノール樹脂を生成するためのフェノール類とアルデヒド類;尿素樹脂を生成するための尿素とアルデヒド類;メラミンとアルデヒド類が挙げられる。硬化系フェノール樹脂を用いたキャリアコアの製造方法としては、水性媒体中でフェノール類とアルデヒド類を塩基性触媒の存在下で金属酸化物粒子、必要により分散安定剤を入れ、フェノール類とアルデヒド類とを重縮合しコア粒子を得る方法がある。または、水性媒体中でフェノール類とアルデヒド類を塩基性触媒の存在下で親油化処理した金属酸化物を入れ、重縮合してコア粒子を得る方法もある。コア粒子の抵抗を調整したり、金属酸化物微粒子の脱離を防止したりするために、重合して得られたコア粒子の上バインダー樹脂と同じ樹脂あるいは金属酸化物を添加したものを再重合し、さらにその上にシリコーン樹脂コートしても良い。
【0054】
キャリアコア粒子の強度をアップするためにバインダー樹脂を架橋しても良い。例えば、溶融混練時に架橋成分を添加し混練時に架橋させる、あるいは直接重合時に硬化型樹脂を選択し直接重合させてコアを得る、あるいは架橋成分を入れたモノマーを使用する方法を挙げられる。
【0055】
キャリアコア粒子の表面をコートするシリコーン樹脂組成物のシリコーン樹脂は下記式に示される単位からなるオルガノシロキサン結合のみによりなる、いわゆるストレートシリコーン樹脂であることが必要である。
【0056】
【外3】
〔式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は水素原子、メチル基、フェニル基又はヒドロキシル基である。好ましくはR1 、R2 、R3 、R4 のすべてがメチル基または、その一部をフェニル基に置き換えたものである〕。
他の官能基又は他の樹脂により変性した非ストレートシリコーン樹脂は表面エネルギーの上昇、又は硬度が低下するためにトナースペントを生じやすくなる。
【0057】
化学式1および2で示されるシリコン原子は3官能のシリコン、及び/または3官能と2官能とのシリコンであり、3官能と2官能のシリコンの原子比(3官能:2官能)が100:0〜50:50の範囲であることがコート被膜の硬さの点でより好ましい。
【0058】
ストレートシリコーン樹脂と、カップリング剤とを有するシリコーン樹脂組成物のコート量はキャリアコア粒子100重量部に対し、0.05〜10重量部であることが好ましい。さらには0.2重量%〜5重量部であることが最も好適である。
【0059】
コート量が0.05重量部未満ではキャリアコア材を十分にコートすることが困難となり、耐久中にトナースペントを十分抑制することができない。また、100重量部を越えると、樹脂コート量が多すぎるため比抵抗は所望の範囲とすることができるが流動性が低下したり、電荷が蓄積することによるキャリア付着を生じたりする場合がある。
【0060】
金属酸化物分散樹脂キャリアでは金属酸化物の露出密度を0.1〜10個/μm2 にコントロールすることがキャリアの電荷の蓄積を良好に抑制するために好ましい。コートキャリア粒子表面の金属酸化物の露出密度の算出方法は後述する。
【0061】
シリコーン樹脂とともに使用するカップリング剤としては、シランカップリング剤、またはチタネートカップリング剤、アルミカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、疎水性基、アミノ基あるいはエポキシ基を有するものが挙げられる。
【0062】
疎水性基を有するシランカップリング剤は、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、フェニル基、ハロゲン化フェニル基又はアルキルフェニル基を有するシランカップリング剤が挙げられる。好ましくは、疎水性基を有するシランカップリング剤は、下記式で示されるアルコキシシランである。
【0063】
Rm SiYn
〔式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1〜3の整数を示し、Yはアルキル基又はビニル基を示し、nは、1〜3の整数を示す〕。
【0064】
例えば、より好ましい疎水性基を有するシランカップリング剤として、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン及びビニルトリス(β−メトキシ)シランからなるグループから選択される化合物が挙げられる。
【0065】
また、疎水性基を有するシランカップリング剤として、ビニルトリクロルシラン、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン及びクロルメチルジメチルクロルシランからなるグループから選択される化合物を使用しても良い。
【0066】
アミノ基をもつシランカップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。エポキシ基をもつシランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランが挙げられる。
【0067】
チタネートカップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルビンゼンスルホニルチタネート、イソプロペルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、イソプロピル−4−アミノベンゼンスルホニル−ジ(ドデシルベンゼンスルホニル)チタネートが挙げられる。
【0068】
アルミニウムカップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
【0069】
シリコーン樹脂と共に用いるカップリング剤としては、アミノ基を有するカップリング剤が好ましい。アミノ基を有するカップリング剤を少なくとも1種以上含有させた樹脂組成物をコート樹脂として用いるとコート樹脂の架橋の程度及び摩擦帯電特性が良好にコントロールされる。また、カップリング剤と共に硬度を変えるために硬化剤を併用して用いても良い。
【0070】
硬化剤としては、有機スズ系硬化剤に代表される有機金属塩、アミン系触媒が挙げられる。
【0071】
本発明のコートキャリアを好ましく製造する方法としては、キャリアコア材を浮遊流動させながらコート樹脂溶液をスプレーしコア材表面にコート膜を形成させる方法、およびスプレードライ法が挙げられる。上記コート方法は特に熱可塑性樹脂を用いた金属酸化物分散樹脂コアにコートする場合に好適である。
【0072】
その他のコート方法としては、剪断応力を加えながら溶媒を徐々に揮発させるコート方法が挙げられる。シリコーン樹脂組成物コートは被膜強度をより高めるためにキュアを施すことが好ましい。具体的には150℃以上の温度で0.5時間以上保持することが好ましい。
【0073】
本発明の磁性コートキャリアは、形状係数SF−1が100〜130の範囲である球形又は実質的に球形状である。SF−1が130を越えると、現像剤の流動性が低下し、トナーへの摩擦帯電付与能力の低下や現像極において磁気ブラシの形状が不均一になるために高画質な画像が得られなくなる。キャリア粒子のSF−1の測定は、日立製作所(株)社製フィールドエミッション走査電子顕微鏡S−800により500〜5000倍に拡大したキャリア粒子をランダムに300個以上抽出し、ニレコ社製の画像処理解析装置Luzex3を用いておこなわれ、次式によって算出される。
【0074】
【外4】
〔式中、MX LNGはキャリア粒子の最大径を示し、AREAはキャリア粒子の投影面積を示す〕。
【0075】
トナーは、重量平均粒径が1〜10μm、好ましくは3〜8μmの範囲であることが好適である。さらに、トナーは個数平均粒径の1/2倍径以下の個数分布累積値が20個数%以下であり、重量平均粒径の2倍径以上の体積分布累積値が10体積%以下であることが反転成分のない良好な帯電付与、潜像ドットの再現性を満足するために好ましい。さらにトナー帯電性を良好にし、ドット再現性や転写効率を高めるには個数平均粒径の1/2倍径以下の分布累積値が15個数%以下であり、重量平均粒径の2倍径以上の分布累積値が5体積%以下であることがより好ましい。さらには個数平均粒径の1/2倍径以下の分布累積値が10個数%以下であり、重量平均粒径の2倍径以上の分布累積値が2体積%以下であることがより好ましい。
【0076】
トナーは重量平均粒径が10μmを越えると、潜像を現像する粒子1個が大きくなるために磁性キャリアの磁気力を下げても潜像に忠実な現像が困難になり、また、静電的な転写を行うとトナーが飛び散りやすい。また、トナーの重量平均粒径が1μm以下では粉体としてのハンドリング性に不都合を生じやすい。
【0077】
トナーは、個数平均粒径の1/2の倍径以下の個数分布累積値が20個数%を越えると微小トナー粒子への帯電付与が良好に行えず、トナーのトリボ分布が広くなり、帯電不良(反転成分生成)や多数枚耐久中で現像器内のトナーの粒径変化が生じやすい。また、トナーは重量平均粒径の2倍径以上の体積分布累積値が10体積%を越えるとキャリアとの摩擦帯電が均一におこないにくく、潜像を忠実に再現できにくくなる。トナーの粒度分布の測定には、例えばレーザー走査型粒度分布計のCIS−100(GALAI社製)を使用する方法を挙げることができる。
【0078】
トナー粒径は、使用するキャリア粒径と密接に関係している。キャリアの個数平均粒径が36〜100μmであるとき、トナーは重量平均径が9〜10μmであることが帯電性を良好すると共により高画質化の為には好適である。キャリアの個数平均粒径が5〜35μmであるとき、現像剤の劣化を防止し、初期および多数枚耐久性を向上させるためにはトナーは重量平均径が1〜8μmであることがより好ましい。
【0079】
更に、トナーの形状係数SF−1が100〜140の範囲であることが好ましい。トナーのSF−1が100〜140であると現像同時クリーニング方法、クリーナレス画像形成方法の如きクリーナーレスプロセスを用いたシステムにおいて有効である。
【0080】
トナーは好ましくは、残存モノマー量が、500ppm以下であると、耐久特性、画像品質特性が良好となり、さらに300ppm以下であると更に良好な結果が得られる。トナー中の残存モノマーの定量方法については後述する。
【0081】
トナーの形状係数SF−1が100〜140であるものが好適に用いられる。さらに好ましくは、SF−1が100〜130である。トナーの形状係数SF−1は、日立製作所製FE−SEM(S−800)を用い、200〜5000倍に拡大したトナー像を300個以上無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介してニコレ社製画像解析装置(Luzex3)に導入し解析を行い下式より算出し得られた値である。
【0082】
【外5】
〔式中、MX LNGはトナー粒子の最大径を示し、AREAはトナー粒子の投影面積を示す〕。
【0083】
トナーの形状係数SF−1は球形度合を示し、140より大きいと、球形から徐々に不定形となる。トナーのSF−1が140を越えるとトナーの感光体から転写部材への転写が不良になり、感光体上にトナーが多く滞留するので好ましくない。
【0084】
重合法により生成されたトナー粒子は、表面がかなり平滑化されたものを得ることが出来る。この平滑さ故に、転写時において、トナー粒子の凹凸部分に起こる電界の異常な集中を防止し、トナー像の転写効率が高まる。
【0085】
本発明では、コア/シェル構造を有するトナー粒子が好ましく用いられる。コア/シェル構造を有するトナー粒子は、低温定着性を損なうことなく耐ブロッキング性を付与できる。コアを有しないようなバルクとしての重合トナーに比較して、低軟化点物質で形成されたコア部を内包するシェル部分を重合法で形成するほうが、重合工程の後の後処理工程において、トナー粒子からの残存モノマーの除去が容易に行われる。
【0086】
コア部の主たる成分としては低軟化点物質が好ましい、低軟化点物質はASTM D3418−8に準拠して測定された吸熱曲線のメインピーク値が、40〜90℃を示す化合物が好ましい。吸熱メインピークが40℃未満であると低軟化点物質の自己凝集力が弱くなり、結果として耐高温オフセット性が弱くなり好ましくない。一方、吸熱メインピークが、90℃を越えると定着温度が高くなり、好ましくない。更に直接重合方法によりトナー粒子を得る場合においては、水系媒体中で造粒・重合を行う場合、吸熱メインピーク値の温度が高いとモノマー組成物を水系媒体中で造粒中に低軟化点物質が析出しやすく、好ましくない。
【0087】
吸熱メインピーク値の温度の測定には、例えばパーキンエルマー社製DSC−7を用いる。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。サンプルはアルミニウム製パンを用い対照用には空パンをセットし、昇温速度10℃/min.で測定を行う。温度温度範囲は、30〜160℃である。
【0088】
低軟化点物質としてはパラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、フィッシャートロピッシュワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、エステルワックス及びこれらの誘導体又はこれらのグラフト/ブロック化合物が挙げられる。
【0089】
低軟化点物質はトナー粒子中へ5〜30重量%添加することが好ましい。5重量%未満の添加では残存モノマーの除去に負担がかかる。30重量%を越える場合は、重合法によるトナー粒子の製造においてモノマー組成物の造粒時に粒子同士の合一が起きやすく、粒度分布の広いものが生成しやすい。
【0090】
トナー粒子には外添剤を付与することが好適である。トナー粒子表面を外添剤で被覆することにより、トナーとキャリア、あるいはトナー粒子相互の間に外添剤が存在することで、現像剤の流動性が向上され、さらに現像剤の寿命も向上する。トナー粒子表面の外添剤被覆率は、5〜99%さらに好ましくは、10〜99%であることが良い。
【0091】
外添剤としては金属酸化物粉体(酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫、酸化亜鉛、など),窒化物粉体(窒化ケイ素など),炭化物粉体(炭化ケイ素など),金属塩粉体(硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなど),脂肪酸金属塩粉体(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなど),カーボンブラック,シリカ粉体、ポリテトラフロロエチレン粉体、ポリビニリデンフロライド粉体、ポリメチルメタクリレート粉体、ポリスチレン粉体,シリコーン粉体を使用することが好適である。上述した粉体の個数平均粒径は0.2μm以下であることが好ましい。個数平均粒径が0.2μmを越えるとトナーの流動性が低下し、現像及び転写時に画質が低下する。
【0092】
外添剤の使用量は、トナー粒子100重量部に対し、0.01〜10重量部より好ましくは、0.05〜5重量部である。外添剤は、単独で用いても、又、複数併用しても良い。それぞれ、疎水化処理を行ったものが、より好ましい。
【0093】
トナー粒子表面の外添剤被覆率は、日立製作所FE−SEM(S−800)を用い5000〜20000倍に拡大したトナー像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介してニコレ社製画像解析装置(Luzex3)に導入し解析を行い算出する。算出方法は、トナー粒子の面積(2次元像)に対する外添剤の粒子の面積の割合を百分率で求める。
【0094】
外添剤は、BET法による窒素吸着によった比表面積が30m2 /g以上、特に50〜400m2 /gの範囲のものが良好である。
【0095】
トナー粒子と外添剤との混合処理は、ヘンシェルミキサー等の如き混合機を使用して行われる。このようにして得られたトナーはキャリア粒子と混合されて2成分系現像剤とされる。二成分系現像剤は、現像プロセスにも依存するが現像剤中のトナーの割合が1〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%の範囲であることが好適である。二成分系現像剤のトナーの摩擦帯電量としては5〜100μC/gの範囲であることが好適であり、最も好ましくは5〜60μC/gである。トナーの摩擦帯電量の測定条件について後述する。
【0096】
トナー製造する方法としては、特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報に述べられている懸濁重合方法を用いて直接トナーを生成する方法や単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接トナーを生成する分散重合方法又は水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナーを生成するソープフリー重合方法に代表される乳化重合方法を用いトナー粒子を製造する方法が挙げられる。
【0097】
トナーの形状係数SF−1を100〜140にコントロールでき、比較的容易に粒度分布がシャープで粒径4〜8μmの微粒子トナーが得られる常圧下での、または、加圧下での懸濁重合方法が特に好ましい。
【0098】
低軟化点物質を内包化せしめる方法としては、水系媒体中での材料の極性を主要単量体より低軟化点物質の方を小さく設定し、更に少量の極性の大きな樹脂又は単量体を添加せしめることで低軟化点物質を外殻樹脂で被覆したコア/シェル構造を有するトナー粒子を得ることができる。トナー粒子の粒度分布制御や粒径の制御は、難水溶性の無機塩や保護コロイド作用をする分散剤の種類や添加量を変える方法や機械的装置条件(例えばローターの集束・バス回数・攪拌羽根形状等の攪拌条件や容器形状)又は、水溶液中での固形分濃度を制御することにより所定の物性のトナー粒子を得ることができる。
【0099】
トナー粒子の外殻樹脂としては、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体が挙げられる。重合法による直接トナー粒子を得る方法においては、それらの単量体が用いられる。
【0100】
具体的には、スチレン;o−(m−、p−)−メチルスチレン、m(p−)−エチルスチレンの如きスチレン誘導体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルの如き(メタ)アクリル酸エステル単量体;ブタジエン、イソプレン、シクロヘキサン、(メタ)アクリロニトリル、アクリル酸アミドの如きエン単量体が挙げられる。
【0101】
これらは、単独、または、一般的には出版物ポリマーハンドブック第2版III−P139〜192(John Wiley & Sons社製)に記載の理論ガラス転移温度(Tg)が40〜75℃に示すように単量体を適宜混合し用いられる。理論ガラス転移温度が40℃未満の場合には、トナーの保存安定性や現像剤の耐久安定性の面から問題が生じやすく、一方75℃を越える場合は定着点の上昇をもたらし、特にフルカラートナーの場合においては各色トナーの混色性が低下し色再現性が低下し、更にOHP画像の透明性が低下する。
【0102】
外殻樹脂のTHF可溶成分の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される。GPCの測定方法は、予めトナーをソックスレー抽出器を用いトルエンで20時間抽出を行った後、ロータリーエバポレーターでトルエンを留去せしめ、更に低軟化点物質は溶解するが外殻樹脂は溶解し得ない有機溶剤(例えばクロロホルム等)を加え十分洗浄を行った後、THF(テトラヒドロフラン)に可溶した溶液をポア径が0.3μmの耐溶剤性メンブランフィルターでろ過したサンプルをウォーターズ社製150Cを用い、カラム構成は昭和電工製A−801、802、803、804、805、806、807を連結し標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い分子量分布を測定する。
【0103】
得られたTHFに可溶な樹脂成分の数平均分子量(Mn)は、5000〜1000000が好ましい。重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、2〜100を示すものが好ましい。
【0104】
コア/シェル構造を有するトナーを製造する場合、外殻樹脂で低軟化点物質を内包化せしめるためモノマー組成物中に更に極性樹脂を添加せしめることが特に好ましい。極性樹脂としては、スチレン(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。極性樹脂は、単量体と反応しうる不飽和基を分子中に含まないものが好ましい。不飽和基を有する極性樹脂を含む場合においてシェル樹脂相を形成する単量体と架橋反応が起きるので、特に、フルカラー画像形成用トナーとしては、極めて高分子量になり四色トナーの混色には不利となり好ましくない。
【0105】
外殻構造を有するトナー粒子の表面にさらに重ねて重合法により最外殻樹脂層を設けても良い。
【0106】
最外殻樹脂層のガラス転移温度は、耐ブロッキング性のさらなる向上のため外殻樹脂層のガラス転移温度以上に設計されること、さらに定着性を損なわない程度に架橋されていることが好ましい。また、該外殻樹脂層には帯電性向上のため極性樹脂や荷電制御剤が含有されていても良い。
【0107】
外殻樹脂層を設ける方法としては、特に限定されるものではないが例えば以下のような方法が挙げられる。
1.重合反応後半、または終了後、反応系中に必要に応じて、極性樹脂、荷電制御剤、架橋剤等を溶解、分散したモノマー組成物を添加し重合粒子に吸着させ、重合開始剤を添加し重合を行う方法。
2.必要に応じて、極性樹脂、荷電制御剤、架橋剤等を含有したモノマー組成物から生成した乳化重合粒子またはソープフリー重合粒子を反応系中に添加し、重合粒子表面に凝集、必要に応じて熱により固着させる方法。
3.必要に応じて、極性樹脂、荷電制御剤、架橋剤等を含有したモノマー組成物から生成した乳化重合粒子またはソープフリー重合粒子を乾式で機械的にトナー粒子表面に固着させる方法。
【0108】
本発明に用いられる非磁性の黒色着色剤としては、カーボンブラック以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168等が好適に用いられる。
【0109】
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレット2、3、5、6、7、23、48;2、48;3、48;4、57;1、81;1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が特に好ましい。
【0110】
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用できる。これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。
【0111】
着色剤は、カラートナーの場合、色相角、彩度、明度、耐候性、OHPにおける透明性、トナー粒子中への分散性の点から選択される。着色剤は、樹脂100重量部に対し1〜20重量部使用するのが良い。
【0112】
黒色着色剤として磁性材料を用いた場合には、他の着色剤と異なり樹脂100重量部に対し4〜150重量部用いられる。
【0113】
荷電制御剤としては、公知のものが利用できる。カラートナーの場合は、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。直接重合方法を用いる場合には、重合阻害性が無く水系媒体への可溶化物の無い荷電制御剤が特に好ましい。
【0114】
具体的化合物としては、ネガ系荷電制御剤としてサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の金属化合物、スルホン酸、カルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ酸化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリークスアレーン等が挙げられ、ポジ系荷電制御剤として四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。該荷電制御剤は樹脂100重量部に対し0.5〜10重量部使用するのが好ましい。しかしながら、本発明において荷電制御剤のトナー粒子への添加は必須ではない。
【0115】
直接重合方法を利用する場合には、重合開始剤として、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(ジクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドの如き過酸化物系重合開始剤が用いられる。
【0116】
重合開始剤の添加量は、目的とする重合度により変化するが一般的には単量体に対し0.5〜20重量%添加され用いられる。重合開始剤の種類は、重合方法により若干異なるが、十時間半減期温度を参考に、単独又は混合し利用される。重合度を制御するため公知の架橋剤・連鎖移動剤・重合禁止剤等を更に添加しても良い。
【0117】
トナー製造方法として懸濁重合を利用する場合には、用いる分散剤として無機系酸化物として、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等が挙げられる。有機系化合物としてはポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン等が挙げられる。これら分散剤は、重合性単量体100重量部に対して0.2〜10.0重量部を使用することが好ましい。
【0118】
これら分散剤は、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい均一な粒度を有する分散粒子を得るために、水系分散媒中にて高速撹拌下にて該無機化合物を生成しても良い。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高速撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合する事で懸濁重合方法に好ましい分散剤を得る事が出来る。これら分散剤の微細化のため0.001〜0.1重量部の界面活性剤を併用しても良い。具体的には市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤が利用でき、例えばドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等が好ましく用いられる。
【0119】
トナー製造方法に直接重合方法を用いる場合においては、以下の如き製造方法によってトナー粒子を製造する事が可能である。単量体中に低軟化物質(離型剤)、着色剤、極性樹脂、荷電制御剤、重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモジナイザー,超音波分散機の如き分散機によって均一に溶解又は分散せしめた重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水系媒体中に通常の攪拌機またはホモミキサー、ホモジナイザー等により分散せしめる。好ましくは重合性単量体組成物からなる液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように攪拌速度・時間を調整し、造粒する。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の攪拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行う。重合反応後半に昇温しても良く、更に、トナーの耐久特性向上の目的で、未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・ろ過により回収し、乾燥する。懸濁重合法においては、通常単量体組成物100重量部に対して水300〜3000重量部を分散媒体として使用するのが好ましい。
【0120】
トナー粒子は分級して粒度分布を制御しても良く、好ましい方法としては、コアンダブロックによるコアンダ効果及び慣性力を利用した多分割分級装置を用いる方法が良い。この装置を用いることにより、所望の粒度分布を有するトナー粒子を効率的に製造できる。
【0121】
本発明の現像方法としては、例えば図1に示すような現像器を用い現像を行うことができる。具体的には交番電界を印加しつつ、現像剤で形成された磁気ブラシが潜像担持体(例えば、感光体ドラム3)に接触している状態で現像を行うことが好ましい。現像スリーブ1と感光体ドラム3の距離(S−D間距離)Bは100〜1000μmであることがキャリア付着防止及びドット再現性の向上において良好である。100μmより狭いと現像剤のパッキングが起こりやすい。1000μmを越えると現像極S1からの磁力線が広がり磁気ブラシの密度が低くなり、ドット再現性に劣ったり、キャリアを拘束する力が弱まりキャリア付着を生じやすい。
【0122】
交番電界のピーク間の電圧は500〜5000Vが好ましく、周波数は500〜10000Hz、好ましくは500〜3000Hzであり、それぞれプロセスにより適宜選択して用いることができる。この場合、波形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはDuty比を変えた波形等種々選択して用いることができる。特に、トナー粒子が小さくなる場合、トナー飛翔に寄与する側のDutyを小さくすることが好ましい。印加電圧が、500Vより低いと十分な画像濃度が得られず、また非画像分のカブリトナーを良好に回収することができない場合がある。また、5000Vを越える場合には現像ブラシを介して、かえって潜像を乱してしまい、画質低下を招く場合がある。
【0123】
本発明の現像剤を使用することで、カブリを防止するための電圧(Vback)を低くすることができ、感光体の1次帯電を低めることができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbackは、現像システムにもよるが150V以下、より好ましくは100V以下である。
【0124】
コントラスト電位としては、十分画像濃度がでるように200V〜500Vが好ましく用いられる。
【0125】
周波数が500Hzより低いとプロセススピードにも関係するが、キャリアへの電荷注入が起こりやすくキャリア付着、あるいは潜像を乱すことで画質を低下させる場合がある。また、10000Hzを越えると電界に対してトナーが追随しにくく画質が低下しやすい。
【0126】
本発明の現像方法では、十分な画像濃度を出し、ドット再現性に優れ、かつキャリア付着のない現像を行うために現像スリーブ1上の磁気ブラシの感光体ドラム3との接触幅(現像ニップC)を3〜8mmにすることが好ましい。現像ニップCが3〜8mmであると十分な画像濃度とドット再現性を良好に満足することができ、現像剤のパッキングが防止でき、またキャリア付着を十分に抑えることができる。現像ニップの調整方法としては、現像剤規制部材2と現像スリーブ1との距離Aを調整したり、現像スリーブ1と感光ドラム3との距離Bを調整することでニップ幅を適宜調整できる。
【0127】
本発明の現像方法においては現像剤担持体は、その表面形状が、
0.2μm≦中心線平均粗さ(Ra)≦5.0μm
10μm≦凹凸の平均間隔(Sm)≦80μm
0.05≦Ra/Sm≦0.5
の条件を満足することが好ましい。
【0128】
Ra及びSmとは、JIS B 0601及びISO468に記載される中心線平均粗さ及び凹凸平均間隔を規定する値で次式により求められる。
【0129】
【外6】
【0130】
Raが0.2μmより小さいと、現像剤の搬送性が低下し耐久による画像むらや画像の濃度むらが発生しやすくなる。Raが5μmを超えると現像剤の搬送性には優れるものの規制ブレードの如き現像剤搬送量制御部における規制力が大きくなりすぎるために摺擦によりトナーの劣化が生じやすく耐久時に画質が低下しやすい。
【0131】
Smが80μmより大きくなると、現像剤担持体上への現像剤が保持されにくくなるために画像濃度が低下しやすい。この原因について詳細は不明であるが現像剤担持体の搬送量規制部で現像剤担持体との滑りが起こっていることから、凹凸の間隔が広くなりすぎると現像剤が密にパッキングされた塊として作用し、その力が現像剤担持体−現像剤間の保持力を上回る結果と考えられる。Smが10μm未満であると、担持体表面の凹凸の多くが現像剤平均粒径より小さくなるため、凹部に入り込む現像剤に粒度選択が生じ、現像剤微粉成分による融着が発生しやすくなる。
【0132】
さらに上記の観点より現像剤担持体上の凸部の高さと凹凸の間隔から求められる凸・凹の傾斜(≒f(Ra/Sm)が
0.05≦Ra/Sm≦0.5
であることが好ましく、より好ましくは0.07≦Ra/Sm≦0.3である。
【0133】
Ra/Smが0.05未満であると、現像剤の現像剤担持体上への保持力が弱いため現像剤担持体へ現像剤が保持されにくくなるので現像剤規制部で搬送量が制御されず、結果として画像むらが生じやすい。Ra/Smが0.5を超えると現像剤担持体表面の凹部に入った現像剤が他の現像剤と循環しにくくなるため現像剤融着が発生しやすい。
【0134】
Ra、Smの測定は、接触式表面粗さ測定器SE−3300(小坂研究所社製)を用い、JIS−B0601に準拠して行う。
【0135】
所定の表面粗さを有する現像剤担持体を製造する方法としては、たとえば不定形、粒子又は/及び定形粒子を砥粒として用いたサンドブラスト法、スリーブ円周方向に凹凸を形成するためにサンドペーパーでスリーブ面を軸方向に擦るサンドペーパー法、化学処理による方法、弾性樹脂でコート後樹脂凸部を形成する方法等を用いることができる。
【0136】
現像剤担持体の材質としては公知の材料が使用できる。たとえばアルミ、ステンレス、ニッケルの如き金属またはその上にカーボン、樹脂エラストマー等をコートしたもの;天然ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ネオプレンゴムの如き弾性体をゴム、発砲体、スポンジ形態に加工したものまたはその上にカーボン及び樹脂エラストマーを塗布したものが挙げられる。
【0137】
現像剤担持体に形状としては円筒状、シート状等公知の形態で使用できる。
【0138】
より引き締まった画像を得るためには好ましくは、マゼンタ用、シアン用、イエロー用、ブラック用の現像器を有し、ブラックの現像を最後に行うのが良い。
【0139】
本発明の現像方法を良好に実施し得るフルカラー画像形成方法の画像形成装置を図3を参照しながら説明する。
【0140】
図3に示されるカラー電子写真装置は、装置本体1の右側(図1右側)から装置本体の略中央部にわたって設けられている転写材搬送系Iと、装置本体Iの略中央部に、上記転写材搬送系Iを構成している転写ドラム315に近接して設けられている潜像形成部IIと、上記潜像形成部IIと近接して配設されている現像手段(すなわち回転式現像装置)IIIとに大別される。
【0141】
上記転写材搬送系Iは、以下の様な構成となっている。上記装置本体Iの右壁(図3右側)に開口部が形成されており、該開口部に着脱自在な転写材供給用トレイ302及び303が一部機外に突出して配設されている。該トレイ302及び303の略直上部には給紙用ローラー304及び305が配設され、これら給紙用ローラー304及び305と左方に配された矢印A方向に回転自在な転写ドラム305とを連係するように、給紙ローラー306及び給紙ガイド307及び308が設けられている。上記転写ドラム315の外周面近傍には回転方向上流側から下流側に向かって当接用ローラー309、グリッパ310、転写材分離用帯電機311、分離爪312が順次配設されている。
【0142】
上記転写ドラム315の内周側には転写帯電機313、転写材分離用帯電機314が配設されている。転写ドラム315の転写材が巻き付く部分にはポリ弗化ビニリデンの如き、ポリマーで形成されている転写シート(図示せず)が貼り付けられており、転写材は該転写シート上に静電的に密着貼り付けされている。上記転写ドラム315の右側上部には上記分離爪312と近接して搬送ベルト手段316が配設され、該搬送ベルト316の転写材搬送方向終端(右端)には定着装置318が配設されている。該定着装置318よりもさらに搬送方向後流には装置本体301の外へと延在し、装置本体301に対して着脱自在な排出用トレイ317が配設されている。
【0143】
次に、上記潜像形成部IIの構成を説明する。図3矢印方向に回転自在な潜像担持体である感光ドラム(例えば、OPC感光ドラム)319が、外周面を上記転写ドラム315の外周面と当接して配設されている。上記感光ドラム319の上方でその外周面近傍には、該感光ドラム319の回転方向上流側から下流側に向かって除電用帯電器320、クリーニング手段321及び一次帯電器323が順次配設され、さらに上記感光ドラム319の外周面上に静電潜像を形成するためのレーザービームスキャナのごとき像露光手段324、及びミラーのごとき像露光反射手段325が配設されている。
【0144】
上記回転式現像装置IIIの構成は以下のごとくである。上記感光ドラム319の外周面と対向する位置に、回転自在な筺体(以下「回転体」という)326が配設され、該回転体326中には四種類の現像装置が周方向の四位置に搭載され、上記感光ドラム319の外周面上に形成された静電潜像を可視化(すなわち現像)するようになっている。上記四種類の現像装置は、それぞれイエロー現像装置327Y、マゼンタ現像装置327M、シアン現像装置327C及びブラック現像装置327BKを有する。
【0145】
上述したごとき構成の画像形成装置全体のシーケンスについて、フルカラーモードの場合を例として説明する。上述した感光ドラム319が図3矢印方向に回転すると、該感光ドラム319上の感光体は一次帯電器323によって帯電される。図3の装置においては、感光ドラムの周速(以下、プロセススピードとする)は100mm/sec以上(例えば、130〜250mm/sec)である。一次帯電器323による感光ドラム319に対する帯電が行われると、原稿328のイエロー画像信号にて変調されたレーザー光Eにより画像露光が行われ、感光ドラム319上に静電潜像が形成され、回転体326の回転によりあらかじめ現像位置に定置されたイエロー現像装置327Yによって上記静電潜像の現像が行われ、イエロートナー画像が形成される。
【0146】
給紙ガイド307、給紙ローラー306、給紙ガイド308を経由して搬送されてきた転写材は、所定のタイミングにてグリッパ310により保持され、当接用ローラー309と該当接用ローラー309と対向している電極とによって静電的に転写ドラム315に巻き付けられる。転写ドラム315は、感光ドラム319と同期して図3矢印方向に回転しており、イエロー現像装置327Yにより形成されたイエロートナー画像は、上記感光ドラム319の外周面と上記転写ドラム315の外周面とが当接している部位にて転写帯電器313によって転写材上に転写される。転写ドラム315はそのまま回転を継続し、次の色(図3においてはマゼンタ)の転写に備える。
【0147】
感光ドラム319は、上記除電用帯電器320により除電され、クリーニングブレードによるクリーニング手段321によってクリーニングされた後、再び一次帯電器323によって帯電され次のマゼンタ画像信号により画像露光が行われ、静電潜像が形成される。上記回転式現像装置は、感光ドラム319上にマゼンタ画像信号による像露光により静電潜像が形成される間に回転して、マゼンタ現像装置327Mを上述した所定の現像位置に配置せしめ、所定のマゼンタトナーにより現像を行う。引き続いて、上述したごときプロセスをそれぞれシアン色及びブラック色に対しても実施し、四色のトナー像の転写が終了すると、転写材上に形成された四色顕画像は各帯電器322及び314により除電され、上記グリッパ310による転写材の把持が解除されると共に、該転写材は、分離爪312によって転写ドラム315より分離され、搬送ベルト316で定着装置318に送られ、熱と圧力により定着され一連のフルカラープリントシーケンスが終了し、所要のフルカラープリント画像が転写材の一方の面に形成される。
【0148】
このとき、定着装置318での定着動作速度は、感光ドラムの周速(例えば160mm/sec)より遅い(例えば90mm/sec)で行われる。これは、トナーが二層から四層積層された未定着画像を溶融混色させる場合、十分な加熱量をトナーに与えなければならないためで、現像速度より遅い速度で定着を行うことによりトナーに対する加熱量を多くしている。
【0149】
以下に種々の測定方法を記載する。
【0150】
キャリア粒径の測定方法
キャリアの粒径は、走査電子顕微鏡(100〜5000倍)によりランダムに粒径0.1μm以上のキャリア粒子300個以上抽出し、ニレコ社(株)製の画像処理解析装置Luzex3により水平方向フェレ径をもってキャリア粒径として測定し、個数平均粒径を算出するものとする。この条件で測定した個数基準の粒度分布より個数平均粒径の1/2倍径累積分布以下の累積割合を求め、1/2倍径累積分布以下の累積値を計算する。
【0151】
キャリアの磁気特性
理研電子(株)製の振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−30を用いて測定する。キャリア粉体の磁気特性値は1キロエルステッドの外部磁場を作り、そのときの磁化の強さを求める。キャリアは円筒状のプラスチック容器に十分密になるようにパッキングした状態にする。この状態で磁化モーメントを測定し、試料を入れたときの実際の重量を測定して、磁化の強さを求める(emu/g)。ついで、キャリア粒子の真比重を乾式自動密度計アキュピック1330(島津製作所(株)社製)により求め、磁化の強さ(emu/g)に真比重を掛けることで本発明の単位体積あたりの磁化の強さ(emu/cm3 )を求める。
【0152】
キャリア比抵抗測定
図2に示す測定装置を用いて行う。図2において、21は、下部電極を示し、22は上部電極を示し、23は絶縁物を示し、24は電流計を示し、25は電圧計を示し、26は定電圧装置を示し、27は試料を示し、28はガイドリングを示し、dは試料厚みを示し、Eは抵抗測定セルを示す。セルAにキャリアを充填し、該充填キャリアに接するように電極1及び2を配し、該電極間に電圧を印加し、そのとき流れる電流を測定することにより比抵抗を求める方法を用いる。上記測定方法においては、キャリアが粉末であるために充填率に変化が生じ、それに伴い比抵抗が変化する場合があり、注意を要する。比抵抗の測定条件は、充填キャリアと電極との接触面積S=約2.3cm2 、厚みd=約2mm、上部電極22の荷重180g、印加電圧100Vとする。
【0153】
金属酸化物の粒径測定方法
金属酸化物の個数平均粒径は、日立製作所(株)社製透過型電子顕微鏡H−800により5000〜20000倍に拡大した写真画像を用い、ランダムに粒径0.01μm以上の粒子を300個以上抽出し、ニレコ社(株)製の画像処理解析装置Luzex3により水平方向フェレ径をもって金属酸化物粒径として測定し、平均か処理して個数平均粒径を算出するものとする。
【0154】
金属酸化物の比抵抗測定はキャリア比抵抗の方法に準じる。
【0155】
磁性コートキャリア粒子のキャリア粒子表面における金属酸化物露出密度は、5000〜10000倍に拡大した走査型電子顕微鏡S−800(日立製作所(株)製)による写真画像(加速電圧1kV)を用いて測定する。コートキャリア粒子を走査電子顕微鏡で観測し、キャリア粒子表半球について二次元的に単位面積当たりの金属酸化物の露出個数(すなわち、表面から突出している金属酸化物粒子の個数)をカウントし、算出する。この操作をランダムに300個以上のコートキャリア粒子を抽出して平均化処理を行う。粒径0.01μm以上の突出を対象とする。
【0156】
シリコーン樹脂の3官能と2官能のシリコンの比は元素分析およびNMR等により置換基とシリコン元素との比を求めることにより算出する。
【0157】
以下に、トナーの粒径測定の具体例を示す。純水100〜150mlに界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml添加し、これに測定資料を2〜20mgを添加する。資料を懸濁した電解液を超音波分散器で1〜3分間分散処理して、レーザースキャン粒度分布アナライザーCIS−100(GALAI社製)を用いて粒度分布を測定する。本発明では0.5μm〜60μmの粒子を測定して、この条件で測定した個数平均粒径、重量平均粒径をコンピュータ処理により求め、さらに個数基準の粒度分布より個数平均粒径の1/2倍径累積分布以下の累積割合を計算し、1/2倍径累積分布以下の累積値を求める。同様に体積基準の粒度分布より重量平均粒径の2倍径累積分布以上の累積割合を計算し、2倍径累積分布以上の累積値を求める。
【0158】
トナー中の残存モノマーの定量方法については、トナー0.2gをTHF4mlに溶解し、ガスクロマトグラフィーにて以下の条件で内部標準法により測定する。
【0159】
トナーの摩擦帯電量の測定方法
トナー5重量部とキャリア95重量部を混合し、ターブラミキサーで60秒混合する。この混合粉体(現像剤)を底部に635メッシュの導電性スクリーンを装着した金属製の容器にいれ、吸引機で吸引し、吸引前後の重量差と容器に接続されたコンデンサーに蓄積された電位から摩擦帯電量を求める。この際、吸引圧を250mmHgとする。この方法によって、摩擦帯電量を下記式を用いて算出する。
【0160】
Q(μC/g)=(C×V)/(W1 −W2)
(式中W1 は吸引前の重量でありW2 は吸引後の重量であり、Cはコンデンサーの容量、及びVはコンデンサーに蓄積された電位である)。
【0161】
以下に本発明を実施例をもって具体的に説明するが、本発明は実施例によって制限されるものではない。
【0162】
【実施例】
重合トナーの製造例A
イオン交換水710重量部に、0.1M−Na3 PO4 水溶液450重量部を投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌した。これに1.0M−CaCl2 水溶液68重量部を徐々に添加し、Ca3(PO4 )2 を含む水計媒体を得た。
【0163】
一方、
モノマー
・スチレン 165重量部
・n−ブチルアクリレート 35重量部
着色剤
・C.I.ピグメントブルー15:3 15重量部
荷電制御剤
・ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物 3重量部
極性レジン
・飽和ポリエステル(酸価14,ピーク分子量;8000) 10重量部
低軟化点物質(離型剤)
・エステルワックス(融点70℃) 50重量部
【0164】
上記材料を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて均一に溶解し分散した。これに、重合開始剤2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10重量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0165】
水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃、N2 雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて11000rpmで10分間攪拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、バトル攪拌翼で攪拌しつつ、80℃に昇温し、10時間反応させた。重合反応終了後、減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、塩酸を加えリン酸カルシウムを溶解させた後、ろ過、水洗、乾燥をして、シアントナー粒子Aを得た。
【0166】
得られたシアントナー粒子Aは重量平均粒径(D4)が約5.6μmであり、個数平均粒径(D1)が4.5μmであり、個数平均粒径の1/2倍径以下の粒径のトナー粒子の個数分布累積値が6.3個数%であり、重量平均粒径の2倍径以上の粒径のトナー粒子の体積分布累積値が0体積%であった。シアントナー粒子Aはエステルワックスが内包されているコアーシェル構造を有していた。
【0167】
シアントナー粒子A100重量部に対して、BET法による比表面積が、200m2 /gである疎水性シリカ微粉体を2.0重量部外添し、懸濁重合シアントナーAを得た。得られたシアントナーAの形状係数SF−1は101であり、残存モノマー量は480ppmであった。外添剤(疎水性シリカ微粉体)による被覆率は65%であった。
【0168】
重合トナーの製造例B
造粒時のホモミキサーの回転数を9500rpmに変える以外は製造例Aと同様にしてシアントナー粒子Bを生成した。
【0169】
得られたシアントナー粒子Bは重量平均径(D4)が約7.9μmであり、個数平均粒径(D1)が6.2μmであり、個数平均粒径の1/2倍径以下の粒径のトナー粒子の個数分布累積値が9.0個数%であり、重量平均粒径の2倍径以上の粒径のトナー粒子の体積分布累積値か0.1体積%であった。
【0170】
シアントナー粒子B100重量部に対して、BET法により比表面積が、200m2 /gである疎水性シリカを1.0重量部外添し、懸濁重合シアントナーBを得た。得られたシアントナーBの形状係数SF−1は104であり、残存モノマー量は770ppmであった。外添剤による被覆率は53%であった。
【0171】
重合トナーの製造例C
イオン交換水710重量部に、0.1M−Na3 PO4 水溶液450重量部を投入し、60℃に加温した後、TKホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌した。これに1.0M−CaCl2 水溶液68重量部を徐々に添加し、Ca3 (PO4 )2 を含む水系媒体を得た。
モノマー
・スチレン 165重量部
・n−ブチルアクリレート 35重量部
着色剤
・C.I.ピグメントブルー15:3 15重量部
荷電制御剤
・ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物 3重量部
極性レジン
・飽和ポリエステル 10重量部
(酸価14,ピーク分子量;8000)
【0172】
上記材料を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて均一に溶解し、分散した。これに、重合開始剤2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10重量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0173】
水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃、N2 雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて11000rpmで10分間攪拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ、80℃に昇温し、10時間反応させた。重合反応終了後、製造例Aと同一条件の減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、塩酸を加えリン酸カルシウムを溶解させた後、ろ過、水洗、乾燥をして、シアントナー粒子Cを得た。得られたシアントナー粒子Cは重量平均径(D4)が約5.9μmであり、個数平均粒径(D1)が4.7μmであり、個数平均粒径の1/2倍径以下の粒径のトナー粒子の個数分布累積値が5.3個数%であり、重量平均粒径の2倍径以上の粒径のトナー粒子の体積分布累積値が0体積%であった。
【0174】
シアントナー粒子C100重量部に対して、BET法による比表面積が、200m2 /gである疎水化処理酸化チタン微粉体を2.0重量部外添し、懸濁重合シアントナーCを得た。得られたシアントナーCの形状係数SF−1は102であり、残存モノマー量は590ppmであった。外添剤による被覆率は70%であった。
【0175】
重合トナーの製造例D
イオン交換水710重量部に、0.1M−Na3 PO4 水溶液450重量部を投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌した。これに1.0M−CaCl2 水溶液68重量部を徐々に添加し、Ca3 (PO4 )2 を含む水系媒体を得た。
モノマー
・スチレン 165重量部
・n−ブチルアクリレート 35重量部
着色剤
・C.I.ピグメントブルー15:3 15重量部
荷電制御剤
・ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物 3重量部
極性レジン
・飽和ポリエステル 10重量部
(酸価14,ピーク分子量;8000)
【0176】
上記材料を60℃に加温し、TKホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10重量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0177】
水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃、N2 雰囲気下において、TKホモミキサーにて11000rpmで10分間攪拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ、6時間反応させた。重合反応終了後、冷却し、塩酸を加えリン酸カルシウムを溶解させた後、ろ過、水洗、乾燥をして、シアントナー粒子Dを得た。得られたシアントナー粒子Dは重量平均径(D4)が約5.2μmであり、個数平均粒径(D1)が4.2μmであり、個数平均粒径の1/2倍径以下の粒径のトナー粒子の個数分布累積値が6.7個数%であり、重量平均粒径の2倍径以上の粒径のトナー粒子の体積分布累積値が0体積%であった。
【0178】
得られたシアントナー粒子D100重量部に対して、BET法による比表面積が、200m2 /gである疎水化処理酸化チタン微粉体を2.0重量部外添し、懸濁重合シアントナーDを得た。得られたシアントナーDの形状係数SF−1は101であり、残存モノマー量は2700ppmであった。外添剤による被覆率は50%であった。
【0179】
粉砕トナーの製造例E
四つ口フラスコに、窒素置換した水180重量部とポリビニルアルコールの0.2重量部を含有する水溶液20重量部を投入したのちに、スチレン77重量部、アクリル酸−n−ブチル22重量部、ベンゾイルパーオキサイド1.4重量部、ジビニルベンゼン0.2重量部を加え、攪拌し懸濁液とした。この後、フラスコ内を窒素で置換した後に、80℃に昇温し同温度に10時間保持し重合反応を行ってスチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体を得た。
【0180】
スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体を水洗いした後に、温度を65℃に保ちつつ減圧環境にて乾燥しスチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体(Mw70万、Mw/Mn40)を得た。該共重合体88重量部、含金属アゾ染料2重量部、カーボンブラック4重量部、低分子量ポリプロピレン3重量部を固定槽式乾式混合機により混合し、ベント口を吸引ポンプに接続し吸引しつつ、二軸押し出し機にて溶融混練を行った。
【0181】
溶融混練物の冷却固化物を、ハンマーミルにて粗砕し1mmメッシュパスの粗砕物をえた。さらに、粗砕物を旋回流中の粒子間衝突を利用したジェットミルにて粉砕を行った後、コアンダ効果を利用した多分割分級機により、分級を行いブラックトナー粒子Eを得た。得られたブラックトナー粒子Eは重量平均粒径が6.0μmであり、個数平均粒径が4.2μmであり、個数平均粒径の1/2倍径以下の粒径のトナー粒子の分布累積値が22.9個数%であり、重量平均粒径の2倍径以上の粒径のトナー粒子の分布累積値が0.1体積%であった。
【0182】
ブラックトナー粒子E100重量部に対して、疎水化処理酸化チタン2.0重量部を外添し粉砕ブラックトナーEを得た。
【0183】
ブラックトナーEの形状係数を測定したところ、SF−1は149であり、残存モノマー量は900ppmであった。外添剤による被覆率は43%であった。
【0184】
実施例1
・フェノール(フェニルヒドロオキサイド) 7重量部
・ホルマリン溶液 10.5重量部
(ホルムアルデヒド約40%、メタノール約10%、残りは水)
・γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.5重量%で親油化処理したマグネタイト 53重量部
(磁性金属酸化物粒子、個数平均粒径0.25μm、比抵抗5.1×105 Ω・cm)
・γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.5重量%で親油化処理したα−Fe2 O3 35重量部
(非磁性金属酸化物粒子、個数平均粒径0.60μm、比抵抗7.8×109 Ω・cm)
【0185】
ここで用いたマグネタイト及びα−Fe2 O3 の親油化処理は、それぞれの99.5重量部に対して0.5重量部のγ−アミノプロピルトリメトキシシランを加え、ヘンシェルミキサー内で100℃で30分間、混合攪拌することによっておこなった。以下、実施例に使用する金属酸化物の親油化処理はこれと同様にして処理を行った。
【0186】
上記材料と塩基性触媒として28重量%アンモニア水2.5重量部、および水20重量部をフラスコに入れ、攪拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温・保持し、攪拌しながら3時間フェノールとホルムアルデヒドとを反応し、造粒しながら粒子を硬化させた。その後、30℃まで冷却し、100重量部の水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)に70℃で乾燥して、マグネタイトとヘマタイトとをフェノール樹脂をバインダ樹脂とした球状の粒子を得た。この粒子を60メッシュの篩によって、粗粒子のカットのみを行い、個数平均粒径が28μmである磁性キャリアコア粒子を得た。得られたキャリアコア粒子の抵抗は、8.0×1010Ω・cmであった。
【0187】
得られた磁性キャリアコア粒子100重量部、フェノール0.5重量部、ホルマリン水溶液0.75重量部、28重量%アンモニア水0.2重量部、および水50重量部をフラスコに入れ、攪拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温・保持し、3時間反応させた。その後、30℃まで冷却し、50重量部の水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗いし、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)に180℃で乾燥して、表面をフェノール樹脂でコートしたコートキャリアコア粒子を得た。得られたフェノール樹脂コートキャリアコア粒子は個数平均粒径が28μmであった。得られたフェノール樹脂コートキャリアコア粒子の抵抗は、2.1×1012Ω・cmであった。
【0188】
フェノール樹脂コートキャリアコア粒子100重量部の表面に対して、置換基がすべてメチル基で、2官能と3官能シリコンの比が5:95である末端にOH基を有するストレートシリコーン樹脂0.5重量部、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.025重量部、n−プロピルトリメトキシシラン0.025重量部のシリコーン樹脂組成物を以下の方法でコートした。まず、トルエンを溶媒として上記シリコーン樹脂組成物が10重量%になるようキャリアコート溶液を作製した。このコート溶液を剪断応力を連続して印加しつつ溶媒を揮発させてキャリアコア粒子表面へのコートを行った。この磁性コートキャリア粒子を180℃で2時間キュアし、各粒子に解離した後100メッシュの篩で凝集した粗大粒子のみをカットし、磁性コートキャリアNo.1を得た。得られた磁性コートキャリアNo.1の個数平均粒径は28μmであり、粒度分布は14μm(1/2倍径)以下の粒径のキャリア粒子の個数分布累積値が0個数%であった。得られた磁性コートキャリアNo.1の形状係数SF−1は104であった。
【0189】
得られた磁性コートキャリアNo.1の金属酸化物露出密度を電子顕微鏡および画像処理装置により測定した結果、キャリア粒子表面の平均金属酸化物露出密度は2.1個/μm2 であった。
【0190】
磁性コートキャリアNo.1の比抵抗を測定したところ、6.0×1013Ω・cmであった。磁性コートキャリアNo.1の磁気特性を測定したところ、磁気特性は、1キロエルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)が130emu/cm3 であった。磁性コートキャリアNo.1の真比重は3.47g/cm3 であった。
【0191】
磁性コートキャリアNo.1の物性を表1に記載する。
【0192】
磁性コートキャリアNo.1とシアントナーAとのトリボは、−29.9μc/gであった。磁性コートキャリアNo.191.5重量部及びトナーA8.5重量%部とを混合して二成分系現像剤を得た。この現像剤をキヤノン製フルカラーレーザー複写機CLC−500改造機を用いて画像出しを行った。改造機の現像部周辺の模式図を図1に示す。図1において、現像器の現像剤担持体(現像スリーブ)1と現像剤規制部材(磁性ブレード)2との距離Aを600μmとし、現像スリーブ1と表面層にポリテトラフロロエチレンを分散した保護層を設けた静電潜像担持体(観光ドラム)3との距離Bを500μmとした。このときの現像ニップは5.5mmであった。現像スリーブ1と感光ドラム3との周速比は1.75:1、現像スリーブ1の現像極S1の磁場が997エルステッド、さらに現像条件は、交番電界2000V(ピーク間電圧)、周波数2200Hzの矩形波であり、現像バイアス−4700Vとなるように設定した。さらに、トナー現像コントラスト(Vcont)350V、カブリ取り電圧(Vback)80Vとした。感光ドラムの一次帯電は−550Vとした。現像器は現像剤担持体(現像スリーブ、材質:SUS、日立金属製、直径25mm)の表面をニューマブラスター(不二製作所製)を用いてサンドプラストし、Ra=2.1μm、Sm=29.7μmのプラストスリーブ(Ra/Sm=0.07)を製造し、このブラストスリーブを有する現像器を用いて上記の現像条件で、感光体上のデジタル潜像(スポット径64μm)を反転現像した。定着装置として離型オイルなしの表面がフッ素系樹脂の熱定着ローラーを用いた。さらに、定着試験を行うために、機械から未定着画像を取り出せるようにし、温度を任意に変えることができる外部定着器を使用して、トナーの定着性を評価した。
【0193】
この結果、ベタ画像の濃度が1.60と高く、また、ドットのガサツキもなく、ハーフトーン部の再現性も良好であった。さらに、キャリア付着による画像部、非画像部の画像の乱れやトナーカブリは認められなかった。また、転写効率〔ベタ画像部の転写前後での感光体ドラム上のトナー量(mg/cm2 )〕を測定した。
転写効率(%)=(1−トナー量後/トナー量前)×100
転写効率は99.1%であった。定着試験を外部定着器を用いて行った結果、定着の下限温度(定着開始点:ベタの定着画像をシルボン紙でこすり、その前後での画像濃度低下が10%以下である時を定着したとみなす)を見ると130℃であった。
【0194】
また、50,000枚の耐久試験を行った。この後、初期の画出し試験と同様に画像出しを行った。この結果、ベタ画像の濃度が1.59と初期と同等で、ハーフトーン部の再現性も良好であった。さらに、キャリア付着はなく、カブリもなく良好であった。現像剤のキャリア粒子のSEM像を観察すると、磁性コートキャリア粒子のコート材の剥がれやトナースペントもなく、初期のキャリア粒子表面と同様な表面状態を呈していた。金属酸化物の脱離も認められなかった。また、耐久後の転写効率は97.8%であった。従って、クリーナーレスプロセスに十分対応できると推測された。耐久後の感光体表面にもトナーフィルミングは認められなかった。
【0195】
本実施例の結果を表2に記載する。
【0196】
実施例2
実施例1で用いたストレートシリコーン樹脂組成物を、置換基がすべてメチル基で、2官能と3官能シリコンの比が45:55であるストレートシリコーン樹脂0.5重量部およびγ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.025重量部に変える以外、実施例1と同様にして磁性コートキャリアNo.2を作製した。得られた磁性コートキャリアNo.2の個数平均粒径は28μmであり、14μm(D1の1/2倍径)以下の粒径の磁性コートキャリア粒子の個数分布累積値が0個数%であった。得られた磁性コートキャリアNo.2の形状係数SF=1は105であった。
【0197】
得られたキャリアNo.2の金属酸化物露出密度を測定したところ、キャリア粒子表面近傍の平均金属酸化物露出密度は2.8個/μm2 であった。また、磁性コートキャリアNo.2の比抵抗を測定したところ、3.3×1013Ω・cmであった。1キロエルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)は129emu/cm3 であった。磁性コートキャリアの真比重は3.47g/cm3 であった。トナーAと磁性コートキャリアNo.2のトリボは、−28.0μc/gであった。
【0198】
得られたキャリアNo.2の91.5重量部と重合トナーA8.5重量部とを混合して二成分系現像剤して、CLC−500改造複写機にいれて画出し試験を行った。その結果、実施例1と同様にベタ画像の濃度が1.60と高く、初期の画質、特にドット再現性に優れ、高解像な画像が得られた。また、カブリやキャリア付着もなく良好な結果が得られた。
【0199】
さらに、50000枚の複写試験を行った後の画質は、初期の画像とほぼ同等なものが得られた。また、ベタ画像の濃度は1.64であった。このとき、実施例1と同様に耐久においてもキャリア付着は認められなかった。耐久後のキャリア粒子表面を観察すると初期の表面状態とほぼ同様であり、良好であった。また、耐久初期及び耐久後の転写効率はそれぞれ98.9%、97.1%であった。さらに、耐久後の感光体表面にもトナーフィルミングは認められなかった。
【0200】
実施例3
実施例1で用いたストレートシリコーン樹脂組成物を置換基がすべてメチル基で、2官能と3官能シリコンの比が25:75であるストレートシリコーン樹脂0.5重量部、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.025重量部、n−プロピルトリメトキシシラン0.025重量部に変える以外、実施例1と同様にして磁性コートキャリアNo.3を作製した。得られたキャリアNo.3の個数平均粒径は29μmであり、14μm(1/2倍径)以下の粒径のキャリア粒子の個数分布累積値が0個数%であった。得られたキャリアNo.3の形状係数SF−1は103であった。得られたキャリア粒子No.3の金属酸化物露出密度を測定した結果、キャリア粒子表面近傍の平均金属酸化物露出密度は2.2個/μm2 であった。また、キャリアNo.の比抵抗を測定したところ、5.4×1013Ω・cmであった。また、1キロエルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)=131emu/cm3 であった。コートキャリアNo.3の真比重は3.47g/cm3 であった。また、キャリアNo.3とトナーAとのトリボは、−31.0μc/gであった。
【0201】
得られたキャリアNo.3と重合トナーAとから実施例1と同様にして現像剤(トナー濃度8.5%)を得、CLC−500改造複写機にいれて画出し試験を行った。その結果、実施例1と同様にベタ画像の濃度が1.58と高く、初期の画質、特にドット再現性に優れ、高解像な画像が得られた。また、カブリやキャリア付着もなく良好な結果が得られた。50000枚の複写試験を行った後の画質は、初期の画像とほぼ同等なものが得られた。ベタ画像の濃度は1.55であった。このとき、実施例1と同様に耐久においてもカブリは良好で、キャリア付着は認められなかった。耐久後のキャリア表面を観察すると初期の表面状態とほぼ同様であり、良好であった。また、耐久初期及び耐久後の転写効率はそれぞれ99.2%、98.0%であった。さらに、耐久後の感光体表面にもトナーフィルミングは認められなかった。
【0202】
実施例4
・フェノール 7.5重量部
・ホルマリン溶液 11.25重量部
(ホルムアルデヒド約40%、メタノール約10%、残りは水)
・γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.5重量%で親油化処理したマグネタイト 53重量部
(個数平均粒径0.25μm、比抵抗5.1×105 Ω・cm)
・γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.5重量%で親油化処理したα−Fe2 O3 35重量部
(個数平均粒径0.42μm、比抵抗8.0×109 Ω・cm)
【0203】
上記材料と塩基性触媒として28重量%アンモニア水3重量部、および水20重量部をフラスコに入れ、攪拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温・保持し、3時間反応・硬化させた。その後、30℃まで冷却し、100重量部の水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)に180℃で乾燥して、マグネタイトとヘマタイトとをフェノール樹脂をバインダとして結合した球状の粒子を得、実施例1と同様にして篩による、粗大粒子のカットを行った。そして個数平均粒径33μmのキャリアコアを得た。得られたキャリアコア粒子の抵抗は、4.4×1010Ω・cmであった。
【0204】
得られたキャリアコア粒子の表面に実施例1で用いたストレートシリコーン樹脂組成物を同様にしてコートした。得られた磁性コートキャリアNo.4の個数平均粒径は33μmで、16.5μm(D1の1/2倍径)以下の粒径のキャリア粒子の個数分布累積値が0個数%であった。得られたキャリアNo.4の形状係数は101であった。得られたキャリアNo.4の金属酸化物露出密度を測定したところ、キャリア粒子表面近傍の平均金属酸化物露出密度は15.3個/μm2 であった。また、キャリアNo.4の比抵抗を測定したところ、5.3×1012Ω・cmであった。キャリアNo.4は1キロエルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)が135emu/cm3 であった。磁性コートキャリアNo.4の真比重3.49g/cm3 )であった。キャリアNo.4とトナーAとのトリボは、−30.0μc/gであった。
【0205】
得られたキャリアNo.4と重合トナーAとを混合して実施例1と同様に現像剤(トナー濃度8.5%)を得、CLC−500改造複写機にいれて画出し試験を行った。その結果、実施例1と同様にベタ画像の濃度が1.59と高く、初期の画質、特にドット再現性に優れ、高解像な画像が得られた。また、転写効率は98.5%であり、カブリやキャリア付着もなく良好な結果が得られた。さらに、50000枚の複写試験を行った後の画質は、初期の画像とほぼ同等なものが得られた。また、ベタ画像の濃度は1.58であった。このとき、実施例1と同様に耐久においてもキャリア付着もなく良好であった。耐久後のキャリア粒子表面を観察すると初期の表面状態とほぼ同様であり、良好であった。また、転写効率はそれぞれ98.0%であった。さらに、耐久前後において感光体表面にトナーフィルミングは認められなかった。
【0206】
実施例5
・フェノール 6重量部
・ホルマリン溶液 10重量部
(ホルムアルデヒド約40%、メタノール約10%、残りは水)
・γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.5重量%で親油化処理したマグネタイト 45重量部
(個数平均粒径0.25μm、比抵抗5.1×105 Ω・cm)
・γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.5重量%で親油化処理したAl2 O3 45重量部
(非磁性金属酸化物粒子:個数平均粒径0.67μm、比抵抗9.0×1013Ω・cm)
【0207】
実施例1と同様にして上記材料と塩基性触媒として28重量%アンモニア水2.5重量部、および水15重量部をフラスコに入れ、攪拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温・保持し、3時間反応・硬化させた。その後、30℃まで冷却し、100重量部の水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)に150℃で乾燥して、マグネタイトと酸化アルミニウムとをフェノール樹脂をバインダとして結合した球状のキャリアコア粒子を得た。得られたキャリアコア粒子は個数平均粒径48μmであり、その比抵抗は、9.5×1011Ω・cmであった。
【0208】
得られたキャリアコア粒子の表面に実施例1で用いたストレートシリコーン樹脂組成物を、置換基を一部フェニル基で残りをメチル基にし、2官能と3官能シリコンの比が25:27であるストレートシリコーン樹脂0.5重量部、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.025重量部、ジブチルスズジアセテート0.025重量部に変える以外、同様にしてコートした。得られた磁性コートキャリアNo.5の個数平均粒径は48μmであり、24μm(D1 の1/2倍径)以下の粒径のキャリア粒子の個数分布累積値が0個数%であった。得られたキャリアNo.5の形状係数SF−1は103であった。得られたキャリアNo.5の金属酸化物露出密度を測定したところ、キャリア粒子表面近傍の平均金属酸化物露出密度は4.3個/μm2 であった。キャリアNo.5の比抵抗を測定したところ、7.5×1013Ω・cmであった。キャリアNo.5は1キロエルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)が113emu/cm3 であった。磁性コートキャリアNo.5の真比重は3.65g/cm3 であった。キャリアNo.5とトナーBとのトリボは、−23.1μc/gであった。
【0209】
キャリアNo.5と重合トナーBとを混合して実施例1と同様にして現像剤(トナー濃度6.5%)得、改造機にいれて画出し試験を行った。その時、現像剤担持体(SUS製スリーブ)の表面粗さがRa=3.8μm、Sm=18.8μm、Ra/Sm=0.202とする以外実施例1と同様の現像条件により画像出し試験を行った。その結果、実施例1と同様に画像濃度が1.66と高く、ドット再現性、ハーフトーンも良好な画像が得られた。また、転写効率は99.5%であり、さらに、50000枚の複写試験を行った後の画質は、画像濃度が1.63と高く、初期の画像とほぼ同等なものが得られた。このとき、耐久においてもキャリア付着は認められなかった。また、耐久後の現像剤のSEM観察においても、キャリア粒子表面へのトナースペントやコート材の剥がれは殆ど認められなかった。転写効率は98.7%であった。さらに、耐久前後において感光体表面にトナーフィルミングは認められなかった。
【0210】
実施例6
実施例1で用いたコア粒子100重量部、フェノール0.5重量部、ホルマリン溶液0.75重量部、実施例1で用いた親油化処理したα−Fe2 O3 1重量部、28重量%アンモニア水0.2重量部、および水50重量部をフラスコに入れ、攪拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温・保持し、3時間反応・硬化させた。その後、30℃まで冷却し、50重量部の水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)に170℃で乾燥して、表面をフェノール樹脂でコートしたキャリアコア粒子を得た。
【0211】
さらに、実施例1で用いたシリコーン樹脂組成物を実施例1と同様にしてコートを施した。得られた磁性コートキャリアNo.6の個数平均粒径は29μmで、14.5μm(D1の1/2倍径)以下の粒径のキャリア粒子の個数分布累積値が0個数%であった。得られたキャリアNo.6の形状係数は104であった。得られたキャリアNo.6の金属酸化物露出密度を測定したところ、キャリア粒子表面近傍の平均金属酸化物露出密度は4.0個/μm2 であった。また、キャリアNo.6の比抵抗を測定したところ、2.5×1013Ω・cmであった。キャリアNo.6は1キロエルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)が124emu/cm3 であった。キャリアNo.6の真比重は3.45g/cm3 )であった。キャリアNo.6とトナーAとのトリボは、−28.1μc/gであった。
【0212】
また、キャリアNo.6と重合トナーAとをトナー濃度が8.5重量%となるように現像剤を作製し、実施例1と同様に複写試験を行った。その結果、画像濃度は1.57と高く、ドット再現性に優れた画像が得られた。転写効率は98.0%であった。さらに、50000枚の複写試験を行った後の画質は、初期の画像とほぼ同等なものが得られ、画像濃度も1.60と良好であった。耐久においてもキャリア付着は認められなかった。さらに、キャリア粒子表面の観察においても金属酸化物の脱離、コート材剥がれ、トナースペント感光ドラムのフィルミングは見られなかった。また、転写効率は97.0%であった。
【0213】
実施例7
・メラミン 25重量部
・ホルマリン溶液 37.5重量部
(ホルムアルデヒド約40%、メタノール約10%、残りは水)
・イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート0.5重量%で親油化処理したマグネタイト 60重量部
(個数平均粒径0.25μm、比抵抗5.1×105 Ω・cm)
【0214】
実施例5と同様にしてメラミン樹脂にマグネタイトが分散したキャリアコア粒子を得た。キャリアコア粒子の個数平均粒径は55μmであり、比抵抗は、6.7×1012Ω・cmであった。
【0215】
実施例1で用いたストレートシリコーン樹脂組成物を置換基の一部がフェニル基で、それ以外すべてメチル基であり、2官能と3官能シリコンの比が25:75であるストレートシリコーン樹脂0.5重量部、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート0.025重量部に変える以外、実施例1と同様にして磁性コートキャリアNo.7を作製した。得られた磁性コートキャリアNo.7の個数平均粒径は55μmであり、22.5μm(D1の1/2倍径)以下の粒径のキャリア粒子の個数分布累積値が0.5個数%であった。得られたキャリアNo.7の形状係数SF−1は102であった。得られたキャリアNo.7の平均酸化物露出密度を測定したところ、キャリア粒子表面近傍の平均金属酸化物露出密度は1.1個/μm2 であった。また、キャリアNo.7の比抵抗を測定したところ、1.3×1014Ω・cmであった。キャリアNo.7は1キロエルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)が84emu/cm3 であった。キャリアNo.7の真比重は1.99g/cm3 であった。キャリアNo.7とトナーBとのトリボは、−22.0μc/gであった。
【0216】
キャリアNo.7と重合トナーBとを実施例1と同様にして現像剤(トナー濃度6.5重量%)を得、CLC500改造複写機にいれて画出し試験を行った。その結果、実施例1と同様に画像濃度は1.63で初期の画質、ハーフトーンの再現性が良好であった。また、カブリやキャリア付着もなく良好な結果が得られた。転写効率は98.4%であった。さらに、50000枚の複写試験を行った後の画質は、初期の画像とほぼ同等なものが得られ画像濃度は1.68であった。このとき、耐久においてもキャリア付着はなく、カブリもなく良好であった。耐久後のキャリア粒子表面を観察すると金属酸化物の脱離もなく、初期の表面時状態とほぼ同様であった。また、感光体のフィルミングを見られなかった。転写効率は97.7%であった。
【0217】
実施例8(参考例)
個数平均粒径49μmの磁性Ca−Mg−Feフェライト粒子を空気中で800℃、2時間加熱した。得られた磁性キャリアコア粒子の比抵抗は6.0×1010Ω・cmであった。これに実施例7と同様の組成でコート量を0.8重量部にする以外実施例7と同様にしてシリコーンコートを施した。得られた磁性コートキャリアNo.8の個数平均粒径は49μmで、24.5μm(1/2倍径)以下の粒径のキャリア粒子の個数分布累積値が13.8個数%であった。得られたキャリアNo.8の形状係数SF−1は114であった。キャリアNo.8の比抵抗を測定したところ、1.5×1013Ω・cmであった。また、キャリアNo.8は1キロエルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)が206emu/cm3であった。キャリアNo.8の真比重は4.96g/cm3であった。キャリアNo.8とトナーBとのトリボは、−20.4μc/gであった。
【0218】
キャリアNo.8とトナーBとを混合して現像剤(トナー濃度5重量%)を得、改造機にいれて画出し試験を行った。ここでS−B間(距離A)を700μmにする以外現像条件は同様にして画出しを行った。その結果、初期の画像濃度は1.70であり、転写効率は96.2%であり、画質およびキャリア付着もなくカブリもなく良好であり、さらに30,000枚の耐久後、SEM観察の結果、コア突起部分でのコート材の剥がれが若干認められた。画像濃度は1.75であり、キャリア付着が若干認められたが影響は少なかった。転写効率は93.7%であった。
【0219】
実施例9
・スチレン−アクリル酸ブチル共重合体(90/10) 30重量部
・マグネタイト 60重量部
(個数平均粒径0.24μm、比抵抗5.1×105 Ω・cm)
・Ca−Mg−Feフェライト 10重量部
(個数粒径0.97μm、比抵抗2.2×108 Ω・cm)
【0220】
上記材料をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行った後、3本ロールミルで2回溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて粒径約2mm程度に粗粉砕した。次いでエアージェット方式による微粉砕機で平均粒径約36μmに粉砕した。多分画分級機(エルボウジェット分級機)を用いて、微粉及び粗粉のカットを行った。更に、得られた中粉をメカノミルMM−10(岡田精工製)に投入し、機械的に球形化して磁性体分散型樹脂キャリアコア粒子を得た。得られたキャリアコア粒子は個数平均粒径が37μmであった。得られたキャリアコア粒子の比抵抗は、8.6×1012Ω・cmであった。これをスプレー式流動床コート装置を用いて実施例1で用いたシリコーン樹脂がコート量が0.8重量部、カップリング剤が0.04重量部及び硬化剤としてジプチルスズジアセテート0.03重量部%になるようにコート液の濃度を5%に調整してコートを施し、その中で60℃で5時間乾燥した。
【0221】
得られた磁性コートキャリアNo.9の個数平均粒径は37μmで、18.5μm(D1の1/2倍径)以下の粒径のキャリア粒子の個数分布累積値が12.3個数%であった。キャリアNo.9の形状係数SF−1は127であった。キャリアNo.9の比抵抗を測定したところ、9.5×1013Ω・cmであった。キャリアNo.9は1キロエルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)が107emu/cm3 であった。キャリアNo.9の真比重は2.32g/cm3 であった。キャリアNo.9とトナーAとのトリボは、−27.7μc/gであった。
【0222】
キャリアNo.9と重合トナーAとを混合してトナー濃度が7重量%となるように現像剤を作製し、実施例1と同様に画出し試験を行った。その結果、初期の画像濃度は1.56であり、ドット再現性に優れた画像が得られた。また、転写効率は97.0%であった。さらに、50000枚の複写試験を行った後の画質は、初期の画像とほぼ同等なものが得られ、画像濃度も1.52と良好であった。耐久においてもキャリア付着もなく良好であった。キャリア粒子表面の観察においても金属酸化物の脱離、コート材剥がれ、トナースペント、感光ドラムのフィルミングは見られなかった。転写効率は93.4%であった。
【0223】
実施例10
トナーとして重合トナーCを用いること以外は実施例1と同様にして現像剤を調製し実施例1と同様にして画像出し試験をおこなった。このときのトナーのトリボは、−30.2μc/gであった。さらに、複写機の定着器をシリコーンゴムローラーに変え、その際シリコーンオイルを定着ローラに塗布した。ベタの画像濃度は1.66と高く、また、ドットのカサツキもなく、ハーフトーン部の再現性も良好であった。さらに、キャリア付着による画像部、非画像部の画像の乱れやカブリは認められなかった。転写効率は99.2%であった。外部定着器による定着試験の結果、定着開始点は140℃であった。
【0224】
50000枚の耐久試験を行った。50000枚後においてのベタ部の画像濃度が1.65と初期と同様に安定して高く、ハーフトーン部の再現性も良好であり、クリーニング不良も発生しなかった。さらに、カブリやキャリア付着も認められなかった。転写効率は98.8%と高かった。耐久後のキャリア粒子表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、コート材の剥がれもなく、初期のキャリア表面と同様な表面状態を呈していた。
【0225】
また、耐久後の感光体表面にはトナーフィルミングは認められなかった。
【0226】
比較例1
個数平均粒径45μmのCu−Zn−Feフェライト粒子を用いた。このコア粒子の比抵抗は4.0×108 Ω・cmであった。これに実施例5と同様の樹脂組成物コートを実施例5と同様にして行った。得られた磁性コートキャリアNo.11は個数平均粒径が45μmで、22.5μm(D1の1/2倍径)以下の粒径のキャリア粒子の個数分布累積値が18.8個数%であった。キャリアNo.11の形状係数SF−1は118であった。キャリアNo.11の比抵抗は、4.4×1010Ω・cmであった。キャリアNo.10は1キロエルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)が305emu/cm3 であった。キャリアNo.10の真比重は5.02g/cm3 であった。
【0227】
キャリアNo.10と重合Bとのトナートリボを測定した−22.9μc/gであった。
【0228】
実施例5と同様にキャリアNo.10とトナーBとを混合して現像剤(トナー濃度6.5重量%)を得、実施例5と同様にして改造機にいれて画出し試験を行った。その結果、ベタ画像の濃度は1.63と高いが、ドットのガサツキ、ハーフトーン部の再現性に劣った。転写効率は93.5%であった。実施例5と同様に耐久し、10000枚耐久後の画像出しにおいては、画像濃度は1.73と高かったが、耐久が進むにつれ、徐々にハーフトーン部のガサツキがさらに悪化しており、カブリを生じた。10000枚後の転写効率は83.1%であった。耐久後、感光体上にトナーのフィルミングが見られた。
【0229】
10000枚後の耐久試験後のキャリア粒子を観察するとトナースペント及びコート材剥がれを生じていた。トナーを観察すると外添剤がトナー粒子表面に埋め込まれているものが多数見られた。
【0230】
比較例2
・フェノール 6.4重量部
・ホルマリン溶液 9重量部
(ホルムアルデヒド約40%、メタノール約10%、残りは水)
・マグネタイト(カップリング剤処理せず) 90重量部
(個数粒径0.25μm、比抵抗5.1×105 Ω・cm)
【0231】
上記材料を使用し分散安定剤としてPVA1重量部加える以外は実施例1と同様にして重合粒子を得た後、分級することにより、磁性体分散型樹脂キャリアコア粒子を得た。得られたキャリアコア粒子は個数平均粒径が30μmであり、コア粒子の抵抗は、1.2×108 Ω・cmであった。
【0232】
このコア粒子100重量部に対し、シリコーン樹脂(SH804:東レ・ダウコーニングシリコーン社製)0.5重量部、メチルトリエトキシシラン0.05重量部にする以外は実施例1と同様にしてコートを行った。得られた磁性コートキャリアNo.11は個数平均粒径30μmで、15μm(D1の1/2倍径)以下の粒径のキャリア粒子の個数分布累積値3.2個数%であった。キャリアNo.12の形状係数SF−1は105であった。キャリアNo.12の比抵抗は、2.7×1010Ω・cmであった。キャリアNo.12の1キロエルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)は232emu/cm3 であった。キャリアNo.11の真比重は、3.66g/cm3 であった。キャリアNo.11の金属酸化物露出密度を電子顕微鏡および画像処理装置により測定したところ、キャリア表面近傍の平均金属酸化物露出密度は23.5個/μm2 であった。キャリアNo.11とトナーAとのトリボは、−28.1μc/gであった。
【0233】
キャリアNo.11とトナーAとを混合してトナー濃度が8.5重量%の現像剤を作製し、実施例1と同様に複写試験を行った。その結果、通常環境で画像濃度は1.56と高かったが、キャリア付着を生じ、ドットのガサツキ、ハーフトーン部の再現性も実施例1に比べるとやや劣った。また、転写効率は95.1%であった。さらに、50000枚の複写試験を行った後の画質は、初期の画像とほぼ同等なものが得られ、画像濃度は1.60であった。トナースペント及び感光ドラムのフィルミングは見られなかった。転写効率は92.4%であった。
【0234】
比較例3
・スチレン−アクリル酸ブチル共重合体(90/10) 30重量部
・マグネタイト 60重量部
(個数平均粒径0.24μm、比抵抗5.1×105 Ω・cm)
・α−Fe2 O3 10重量部
(個数平均粒径0.60μm、比抵抗7.8×109 Ω・cm)
【0235】
上記材料をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行った後、3本ロールミルで2回溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて粒径約2mm程度に粗粉砕した。次いでエアージェット方式による微粉砕機で平均粒径約33μmに粉砕した。次にエルボウジェット分級機を用いて、微粉及び粗粉のカットを行った。更に、得られた中粉をメカノミルMM−10(岡田精工製)に投入し、機械的に球形化した。得られたキャリアはコートをせずにそのままキャリアNo.12として使用した。キャリアNo.12は個数平均粒径が35μmであり、17.5μm(D1の1/2倍径)以下の粒径のキャリア粒子の個数分布累積値が18.2個数%であった。キャリアNo.13の形状係数SF−1は135であった。キャリアNo.13は1キロエステルテッドにおける磁化の強さ(σ1000)が98emu/cm3 であった。キャリアNo.12の真比重は2.30g/cm3 であった。
【0236】
キャリアNo.12と重合トナーAとのトナートリボは−25.7μc/gであった。
【0237】
キャリアNo.12とトナーAとでトナー濃度が8.0重量%となるように現像剤を作製し、実施例1と同様に複写試験を行った。その結果、画像濃度は1.59と高く、ドットの再現製、ハーフトーン部の再現性も実施例1に比べほぼ良好であったが、カブリを若干生じていた。また、転写効率は95.7%であった。さらに、耐久試験を行った後の画質は、画像濃度は5000枚時点で1.75と高くなり、カブリが更に発生し、画質が悪くなった。SEM観察の結果、キャリア粒子表面の性状がかわり、ざらついた状態となっていた。
【0238】
比較例4
トナーとして重合トナーDを用いること以外は比較例2と同様にして現像剤(トナー濃度8.5重量%)を調製し実施例1と同様にして画像出し試験をおこなった。キャリアNo.12とトナーDのトリボは−27.3μc/gであった。このとき、複写機の定着器をシリコーンゴムローラーに変え、その際シリコーンオイルも使用した。画出しの結果、ベタ部の画像濃度が1.63と高く、また、ドットのカサツキもなく、ハーフトーン部の再現性も良好であった。さらに、キャリア付着による画像部、非画像部の画像の乱れやトナーカブリは認められなかった。また、転写効率は98.9%であった。また、外部定着器による定着試験の結果、定着開始点は150℃であった。
【0239】
更に10000枚の耐久試験を行ったところ、徐々に画像濃度が上昇し、10000枚後においてのベタ画像の濃度が1.77と初期に比べかなり高くなり、ハーフトーン部の再現性も低下していた。また、耐久500枚位から転写残留トナーによる画像汚れが発生し、次第に激しくなった。さらに、カブリも悪化する傾向が認められた。耐久後のキャリア粒子表面を走査方電子顕微鏡で観察したところ、キャリア表面にトナースペントが認められた。さらに、10000枚耐久後の感光体表面を観察したところトナーフィルミングが発生していた。転写効率は76%に低下した。
【0240】
比較例5
トナーとして粉砕トナーEを用いること以外は比較例2と同様にして現像剤(トナー濃度8.5重量%)を調製し実施例1と同様にして画像出し試験をおこなった。このトナーのトリボは−32.6μc/gであった。このとき、複写機の定着器をシリコーンゴムローラーに変え、その際シリコーンオイルも使用した。画出しの結果、ベタ部の画像濃度が1.55であり、また、ハーフトーン部の再現性は良好であった。さらに、キャリア付着による画像部、非画像部の画像の乱れはなかったが、トナーカブリが若干見られた。転写効率は92.0%とかなり低かった。また、外部定着器による定着試験の結果、定着開始点は155℃であった。さらに50000枚の耐久試験を行ったところ、現像器中の徐々にトナーの粒度が粗くなり、そのために徐々に画像濃度が上昇し、50000枚後においてのベタの画像濃度は1.65であり、ハーフトーン部の再現性も低下した。耐久後の感光体表面を観察したところトナーフィルミングがやや発生していた。転写効率は85%に低下した。
【0241】
比較例6
トナー粒子Aに外添剤を付与しないものをトナーとして用いる以外、比較例2と同様にして現像剤(トナー濃度8.5重量%)を調製し実施例1と同様にして画像出し試験を行った。キャリアNo.12とトナーとのトリボは−20.9μc/gであった。このトナーは、トナーAの平均粒径及び粒度分布とほぼ同一であり、形状係数SF−1、残存モノマー量も同一であった。しかし、トナーの流動性がトナーAと比べひどく劣っていた。画出しの結果、ベタ部の画像濃度が1.03であり、また、ハーフトーン部のガサツキがひどかった。さらに、カブリが若干見られた。転写効率は63.3%とかなり低かった。
【0242】
比較例7
実施例1で用いた現像器に取り付けられている現像剤担持体(SUS製スリーブ)の表面粗さがRa=5.5μm、Sm=12.0μm、Ra/Sm=0.458であるものを使用し、比較例1の現像剤を用いる以外は、実施例1と同様にして画像出し試験を行った。その結果、初期においては、ベタ画像の濃度が1.58と高く、ハーフトーン部の再現性も十分であった。また、キャリア付着やトナーカブリは認められなかった。転写効率は99.3%であった。
【0243】
次に、耐久試験を行ったところ、2000枚頃から次第に現像剤担持体表面にトナーの融着が認められ、その結果、現像剤担持体表面上に現像剤が均一にコーティングされなくなり、画像濃度の不均一なムラのある画像が得られた。結果的に2000枚の時点で画像濃度1.07に低下した。
【0244】
比較例8
実施例1に示した現像器に取り付けられているSUS製スリーブの表面粗さがRa=0.2μm、Sm=85μm、Ra/Sm=0.0024であるものを使用し、比較例1の現像剤を用いる以外は、実施例1と同様の画出し試験を行った。その結果、初期から現像担持体(現像スリーブ)表面に現像剤が十分コーティングされず、結果的に画像濃度が0.82とかなり低く、全体的にガサツキの目立つ画像しか得られなかった。
【0245】
【表1】
【0246】
【表2】
【0247】
評価方法
(1)画像濃度:
画像濃度はSPIフィルターを装着したマクベス社製のマクベスカラーチェッカーRD−1255を使用して、普通紙上に形成された画像の相対濃度として測定した。
(2)ハーフトーン部のガサツキの度合い(ハーフトーン再現性)
オリジナル画像及び標準サンプルを参考にして目視により評価した。
(3)キャリア付着:
ベタ白画像を画出しし、現像部とクリーナ部との間の感光ドラム上の部分を透明な装着テープを密着させてサンプリングし、5cm×5cm中の感光ドラム上に付着していた磁性キャリア粒子の個数をカウントし、1cm2 あたりの付着キャリアの個数を算出する。
A:10個未満/cm2 未満
B:10個〜20個未満/cm2
C:20個〜50個未満/cm2
D:50個〜100未満/cm2
E:100個以上/cm2
(4)カブリ:
画出し前の普通紙の平均反射率Dr(%)を東京電色株式会社製デンシトメータTC−6MCによって測定した。一方、普通紙上にベタ白画像を画出しし、次いでベタ白画像の反射率Ds(%)を測定した。カブリ(%)は下記式
fog(%)=Dr(%)−Ds(%)
から算出する。
A:1.0(%)未満
B:1.0〜1.5(%)未満
C:1.5〜2.0(%)未満
D:2.0〜3.0(%)未満
E:3.0(%)以上
(5)感光体フィルミング
感光体表面を目視で観察し、A(フィルミングが全くない)からE(画像に影響がでる程度にフィルミングがある)まで5段階に評価した。
【0248】
【発明の効果】
本発明の磁性コートキャリア及び現像剤は、トナーの粒径、粒度分布、形状及び残留モノマー含有量を制御したトナー、キャリアの粒度分布制御、形状、低磁気力化、コア抵抗のアップ化、およびストレートシリコーン樹脂およびカップリング剤を含有する樹脂組成物で表面コートを施したキャリアとを含有する二成分系現像剤であり、画質、特に高画像濃度、ハーフトーン部のガサツキ等を良好にすると共にキャリア付着やカブリのない良好な画像を提供し、さらに多数枚の複写によっても現像剤の劣化を防止し、耐久後の画質劣化を防止する効果があり、感光体にトナーフィルミングすることなく、高転写効率であり、クリーナーレスプロセスに適応できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の現像部を示す概略的説明図である。
【図2】キャリア、コアおよび非磁性又は磁性金属酸化物の比抵抗を測定する装置の模式図である。
【図3】本発明の現像方法を適用し得るフルカラー画像形成装置の概略的説明図である。
【符号の説明】
1 現像スリーブ
2 現像剤規制部材
3 感光ドラム
4 磁石
5 攪拌器
6 攪拌器
7 現像容器
11 トナー
12 現像剤
A 現像スリーブと現像剤規制部材との距離
B 現像スリーブと感光ドラムとの距離
C 現像ニップ
21 下部電極
22 上部電極
23 絶縁物
24 電流計
25 電圧計
26 定電圧装置
27 キャリア
28 ガイドリング
d 試料厚み
E 抵抗測定セル
Claims (41)
- 金属酸化物粒子及びバインダー樹脂を含有する磁性キャリアコア粒子の表面を樹脂組成物を使用して被覆した磁性コートキャリアであり、
(a)磁性キャリアコア粒子の比抵抗が1×1010Ωcm以上であり、且つ磁性コートキャリアの比抵抗が1×1012Ωcm以上であり、
(b)磁性コートキャリアは個数平均粒径が1〜100μmであり、該個数平均粒径の1/2倍径以下の個数分布の分布累積値が20個数%以下であり、
(c)磁性コートキャリアは、形状係数SF−1が100〜130であり、
(d)磁性コートキャリアは、1キロエルステッドにおける磁化の強さが40〜250emu/cm3であり、
(e)磁性コートキャリア粒子は、表面がストレートシリコーン樹脂及びアミノ基を有するカップリング剤を少なくとも含有している樹脂組成物を使用して被覆した被覆層でコートされており、且つアミノ基を有するカップリング剤がストレートシリコーン樹脂に対して0.5〜20重量%用いられており、
ストレートシリコーン樹脂は、3官能のシリコンと2官能のシリコンとの比が100:0乃至40:60であることを特徴とする磁性コートキャリア。 - 金属酸化物粒子は、バインダー樹脂中に分散されて含有されている請求項1の磁性コートキャリア。
- 磁性キャリアコア粒子のバインダー樹脂は、熱硬化性樹脂であり、金属酸化物粒子は、磁性金属酸化物粒子を含有している請求項1又は2の磁性コートキャリア。
- 金属酸化物粒子の少なくともひとつは強磁性体であり、他方は該強磁性体より高抵抗の金属酸化物粒子であり、かつ該強磁性体の個数平均粒径に対して該高抵抗金属酸化物の個数平均粒径が1倍を越え5倍以下であり、該コア粒子中の金属酸化物粒子総量に対して強磁性体粒子の割合が30〜95%重量である請求項1乃至3のいずれかの磁性コートキャリア。
- 磁性キャリアコア粒子の該バインダー樹脂が熱硬化性の樹脂であり、金属酸化物粒子の存在下で直接重合により得られる樹脂である請求項1乃至3のいずれかの磁性コートキャリア。
- 金属酸化物粒子は表面があらかじめ親油化処理されている請求項1乃至5のいずれかの磁性コートキャリア。
- ストレートシリコーン樹脂は、3官能シリコンと2官能シリコンとの比が90:10乃至45:55である請求項1乃至6のいずれかの磁性コートキャリア。
- カップリング剤は、シランカップリング剤である請求項1乃至7のいずれかの磁性コートキャリア。
- 樹脂組成物が、疎水性基を有するシランカップリング剤を更に含有する請求項8に記載の磁性コートキャリア。
- アミノ基を有するシランカップリング剤と疎水性基を有するシランカップリング剤は、10:1乃至1:10の重量比で混合されている請求項9の磁性コートキャリア。
- アミノ基を有するシランカップリング剤は、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン及びN−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランからなるグループから選択される化合物である請求項1乃至10のいずれかの磁性コートキャリア。
- 疎水性基を有するシランカップリング剤は、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、フェニル基、ハロゲン化フェニル基又はアルキルフェニル基を有するシランカップリング剤である請求項9又は10の磁性コートキャリア。
- 疎水性基を有するシランカップリング剤は、下記式で示されるアルコキシシランである請求項9又は10の磁性コートキャリア。
RmSiYn
〔式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1〜3の整数を示し、Yはアルキル基又はビニル基を示し、nは、1〜3の整数を示す〕 - 疎水性基を有するシランカップリング剤が、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン及びビニルトリス(β−メトキシ)シランからなるグループから選択される化合物である請求項9又は10の磁性コートキャリア。
- 疎水性基を有するシランカップリング剤が、ビニルトリクロルシラン、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン及びクロルメチルジメチルクロルシランからなるグループから選択される化合物である請求項9又は10の磁性コートキャリア。
- 磁性コートキャリア粒子は、100重量部当り0.05〜10重量部の樹脂組成物でコートされている請求項1乃至15のいずれかに記載の磁性コートキャリア。
- R1、R2、R3及びR4は、同一又は異なる基であり、メチル基又はフェニル基を示す請求項17の磁性コートキャリア。
- 磁性コートキャリアの表面の金属酸化物粒子の平均露出密度が0.1〜10個/μm2である請求項1乃至18のいずれかの磁性コートキャリア。
- 金属酸化物粒子の親油化処理が、アミノ基を有するシラン系カップリング剤またはチタネート系カップリング剤群の中から選ばれる1種以上のものを使用しておこなわれる請求項1乃至19のいずれかの磁性コートキャリア。
- 磁性キャリアコア粒子に含有される金属酸化物粒子は磁性体粒子がマグネタイト粒子であり、高抵抗金属酸化物粒子の少なくとも一つがヘマタイト粒子である請求項4乃至20のいずれかの磁性コートキャリア。
- 該磁性キャリアコア粒子が樹脂中に金属酸化物粒子を分散させた粒子であり、
該金属酸化物粒子が、比抵抗1×103Ω・cm以上、個数平均粒径0.02〜2μmである磁性金属酸化物粒子、及び比抵抗1×108Ω・cm以上、個数平均粒径0.05〜5μmである非磁性金属酸化物粒子を含有しており、
該非磁性金属酸化物粒子の比抵抗が、該磁性金属酸化物粒子の比抵抗よりも高く、該非磁性金属酸化物粒子の個数平均粒径が、該磁性金属酸化物粒子の個数平均粒径に対して、1倍を越え5倍以下であり、且つ、
磁性コートキャリアの表面における金属酸化物粒子の平均露出密度が0.1〜10個/μm2である請求項1に記載の磁性コートキャリア。 - 少なくともトナーと磁性コートキャリアを有する二成分系現像剤において、
磁性コートキャリアは、金属酸化物粒子及びバインダー樹脂を含有する磁性キャリアコア粒子の表面を樹脂組成物を使用して被覆した磁性コートキャリアであり、
(a)磁性キャリアコア粒子の比抵抗が1×1010Ωcm以上であり、且つ磁性コートキャリアの比抵抗が1×1012Ωcm以上であり、
(b)磁性コートキャリアは個数平均粒径が1〜100μmであり、該個数平均粒径の1/2倍径以下の個数分布の分布累積値が20個数%以下であり、
(c)磁性コートキャリアは、形状係数SF−1が100〜130であり、
(d)磁性コートキャリアは、1キロエルステッドにおける磁化の強さが40〜250emu/cm3であり、
(e)磁性キャリアコア粒子は、表面がストレートシリコーン樹脂及びアミノ基を有するカップリング剤を少なくとも含有している樹脂組成物を使用して被覆した被覆層でコートされており、且つアミノ基を有するカップリング剤がストレートシリコーン樹脂に対して0.5〜20重量%用いられており、
ストレートシリコーン樹脂は、3官能のシリコンと2官能のシリコンとの比が100:0乃至40:60であることを特徴とする二成分系現像剤。 - トナーは重量平均粒径が1〜10μmであり、個数平均粒径(D1)の1/2倍径以下の個数分布の分布累積値が20個数%以下であり、重量平均粒径(D4)の2倍径以上の体積分布累積値が10体積%以下であり、かつ形状係数SF−1が100〜140である請求項23の二成分系現像剤。
- 該トナーは、トナー粒子と、無機微粒子又は有機微粒子又はそれらの混合物とを含有しており、トナー粒子の表面が、無機微粒子又は有機微粒子又はそれらの混合物によって被覆率5〜99%で被覆されている請求項23又は24の二成分系現像剤。
- 該トナーは、トナー粒子と、無機微粒子又は有機微粒子又はそれらの混合物とを含有しており、トナー粒子はコア/シェル構造を有する請求項23乃至25のいずれかの二成分系現像剤。
- コア部が低軟化点物質で形成され、該低軟化点物資の融点が40〜90℃である請求項26の二成分系現像剤。
- 低軟化点物質はトナー粒子中に5〜30重量%含有されている請求項27の二成分系現像剤。
- 該磁性コートキャリアが、請求項2乃至21のいずれかに記載されたキャリアである請求項23乃至28のいずれかに記載の二成分系現像剤。
- 該磁性キャリアコア粒子が樹脂中に金属酸化物粒子を分散させた粒子であり、
該金属酸化物粒子が、比抵抗1×103Ω・cm以上、個数平均粒径0.02〜2μmである磁性金属酸化物粒子、及び比抵抗1×108Ω・cm以上、個数平均粒径0.05〜5μmである非磁性金属酸化物粒子を含有しており、
該非磁性金属酸化物粒子の比抵抗が、該磁性金属酸化物粒子の比抵抗よりも高く、該非磁性金属酸化物粒子の個数平均粒径が、該磁性金属酸化物粒子の個数平均粒径に対して、1倍を越え5倍以下であり、且つ、
磁性コートキャリアの表面における金属酸化物粒子の平均露出密度が0.1〜10個/μm2である請求項23に記載の二成分系現像剤。 - 二成分系現像剤を磁界発生手段を内包している現像剤担持体上に担持し、該現像剤担持体上に二成分系現像剤磁気ブラシを形成し、磁気ブラシを潜像担持体に接触させ、交番電界を現像担持体に印加しながら潜像担持体の静電荷潜像を現像する現像方法であり、
二成分系現像剤は、非磁性トナー及び磁性コートキャリアを有し、
磁性コートキャリアは、金属酸化物粒子及びバインダー樹脂を含有する磁性キャリアコア粒子の表面を樹脂組成物を使用して被覆した磁性コートキャリアであり、
(a)磁性キャリアコア粒子の比抵抗が1×1010Ωcm以上であり、且つ磁性コートキャリアの比抵抗が1×1012Ωcm以上であり、
(b)磁性コートキャリアは個数平均粒径が1〜100μmであり、該個数平均粒径の1/2倍径以下の個数分布の分布累積値が20個数%以下であり、
(c)磁性コートキャリアは、形状係数SF−1が100〜130であり、
(d)磁性コートキャリアは、1キロエルステッドにおける磁化の強さが40〜250emu/cm3であり、
(e)磁性キャリアコア粒子は、表面がストレートシリコーン樹脂及びアミノ基を有するカップリング剤を少なくとも含有している樹脂組成物を使用して被覆した被覆層でコートされており、且つアミノ基を有するカップリング剤がストレートシリコーン樹脂に対して0.5〜20重量%用いられており、
ストレートシリコーン樹脂は、3官能のシリコンと2官能のシリコンとの比が100:0乃至40:60であることを特徴とする現像方法。 - 交番電界は、ピーク間の電圧が500〜5000Vであり、周波数が500〜10,000Hzである請求項31の現像方法。
- 交番電界は、周波数が500〜3000Hzである請求項32の現像方法。
- 現像剤担持体と潜像担持体との最近接距離が100〜1000μmである請求項31乃至33のいずれかの現像方法。
- 非磁性トナーは重量平均粒径が1〜10μmであり、個数平均粒径(D1)の1/2倍径以下の個数分布の分布累積値が20個数%以下であり、重量平均粒径(D4)の2倍径以上の体積分布累積値が10体積%以下であり、かつ形状係数SF−1が100〜140である請求項31乃至34のいずれかに記載の現像方法。
- 該磁性コートキャリアが、請求項2乃至21のいずれかに記載されたキャリアである請求項31乃至35のいずれかに記載の現像方法。
- 該トナーは、トナー粒子と、無機微粒子又は有機微粒子又はそれらの混合物とを含有しており、トナー粒子の表面が、無機微粒子又は有機微粒子又はそれらの混合物によって被覆率5〜99%で被覆されている請求項31乃至36のいずれかの現像方法。
- 該トナーは、トナー粒子と、無機微粒子又は有機微粒子又はそれらの混合物とを含有しており、トナー粒子はコア/シェル構造を有する請求項31乃至37のいずれかの現像方法。
- コア部が低軟化点物質で形成され、該低軟化点物資の融点が40〜90℃である請求項38の現像方法。
- 磁界発生手段を内包し、表面形状が下記条件
0.2μm≦中心線平均粗さ(Ra)≦5.0μm
10μm≦凹凸の平均間隔(Sm)≦80μm
0.05≦(Ra/Sm)≦0.5
を満足する現像剤担持体上に二成分系現像剤を担持させる請求項31乃至39のいずれかの現像方法。 - 該磁性キャリアコア粒子が樹脂中に金属酸化物粒子を分散させた粒子であり、
該金属酸化物粒子が、比抵抗1×103Ω・cm以上、個数平均粒径0.02〜2μmである磁性金属酸化物粒子、及び比抵抗1×108Ω・cm以上、個数平均粒径0.05〜5μmである非磁性金属酸化物粒子を含有しており、
該非磁性金属酸化物粒子の比抵抗が、該磁性金属酸化物粒子の比抵抗よりも高く、該非磁性金属酸化物粒子の個数平均粒径が、該磁性金属酸化物粒子の個数平均粒径に対して、1倍を越え5倍以下であり、且つ、
磁性コートキャリアの表面における金属酸化物粒子の平均露出密度が0.1〜10個/μm2である請求項31に記載の現像方法。
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