JP3595648B2 - 磁性コートキャリア、二成分系現像剤及び現像方法 - Google Patents

磁性コートキャリア、二成分系現像剤及び現像方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法の如き画像形成方法における静電荷像を現像するための現像剤に使用される磁性コートキャリア、該キャリアとトナーとを含有する二成分系現像剤及び該二成分系現像剤を用いた現像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法として米国特許第2,297,691号明細書、特公昭42−23910号公報および特公昭43−24748号公報等に種々の方法が記載されている。これらの方法は、光導電層に原稿に応じた光像を照射することにより静電荷像を形成し、次いで該静電荷像上にトナーを付着させて該静電荷像を現像し、必要に応じて紙の如き転写材にトナー画像を転写した後、熱、圧力、加熱加圧あるいは溶剤蒸気等により定着し複写物又はプリントを得るものである。
【0003】
近年、コンピュータ、マルチメディア等の発達により、オフィスから家庭まで幅広い分野での更なる高精細フルカラー画像を出力する手段が要望されている。ヘビーユーザーは多数枚の複写又はプリントによっても画質低下のない高耐久性を要求し、スモールオフィスや家庭では高画質な画像を得ると共に省スペース、省エネルギーの観点から装置の小型化、廃トナーの再利用又は廃トナーレス(クリーナーレス)、定着温度の低温下が要望される。これらの目的を達成するため各々の観点から種々の検討が行われている。
【0004】
電子写真法において静電荷像を現像する工程は、帯電させたトナー粒子を静電荷像の静電相互作用を利用して静電荷像上に画像形成を行うものである。静電荷像をトナーを用いて現像するための現像剤のうち、磁性体を樹脂中に分散してなる磁性トナーを用いる一成分系現像剤と、非磁性トナーを磁性キャリアと混合した二成分系現像剤があり、特に高画質を要求されるフルカラー複写機又はフルカラープリンタには後者が好適に用いられている。
【0005】
二成分系現像剤に使用される磁性キャリアとしては、鉄粉キャリア、フェライトキャリア、または磁性体微粒子をバインダー樹脂中に分散した磁性体分散型樹脂キャリアが実用化されている。鉄粉キャリアにおいては、キャリア比抵抗が低いために静電荷像の電荷をキャリアを通してリークさせ、静電荷像を乱すために画像欠陥を生じる場合がある。比較的比抵抗の高いフェライトキャリアを用いた場合でも、特に交番電界を印加する現像方法においては、キャリアを介しての静電荷像の電荷リークを防止することができない場合もある。これらは大きな飽和磁化を有しているために磁気ブラシが剛直になり、トナー像に磁気ブラシのはきめを生じる場合もある。
【0006】
このような問題を解決するために磁性体微粒子をバインダー樹脂中に分散させた磁性体分散型樹脂キャリアの提案がなされている。磁性体分散型樹脂キャリアはフェライトキャリアに比べ、比較的高比抵抗で、かつ飽和磁化も小さく、真比重も小さいためにキャリアの磁気ブラシが剛直とはならず、はきめのない良好なトナー画像を形成し得る。
【0007】
しかし、磁性体分散型樹脂キャリアを用いる場合には、その飽和磁化が低いためにキャリア付着が生じやすいという問題がある。また、トナーの小粒径化に伴うキャリア粒径の小径化においてトナーへの帯電付与性が低下したり、現像剤の流動性が低下する場合があった。
【0008】
このような問題を解決するために、特開平7−43951号公報に粒度分布を規定した磁性体分散型樹脂キャリアが提案されている。該公報によれば樹脂キャリアを製造する工程として、磁性体を結着樹脂に分散するよう混練し、冷却後粉砕、分級する製造工程において粉砕工程の改良により粒度分布をシャープにし、上記問題を解決するというものである。しかしながら、粉砕工程で生じる極微粉を分離することが難しい場合があり、これがキャリア付着の原因になる場合があった。このような方法で得られた磁性体分散樹脂キャリアは白黒複写の場合にはまだ適応可能であるが、高画質及び色再現性を高度に要求されるフルカラー複写機又はフルカラープリンタにおいてはさらに改良が要望される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上記問題を解決した磁性コートキャリア、該磁性コートキャリアを有する二成分系現像剤及び該二成分系現像剤を使用する現像方法を提案することにある。
【0010】
本発明は、フルカラー画像の高画質化を計り、特に小粒径トナーとの組合わせにおいて、帯電性に優れ、かつキャリア付着を生じない磁性コートキャリア、二成分系現像剤及び該二成分系現像剤を使用する現像方法を提供することにある。
【0011】
本発明の目的は、流動性に優れ、多数枚の複写によっても画像劣化及び金属酸化物微粒子の脱離のない磁性コートキャリア、二成分系現像剤及び該二成分系現像剤を使用する現像方法を提供することにある。
【0012】
さらに本発明の目的は、カブリの発生を抑制し、クリーナーレスプロセスに適応しうる二成分系現像剤及び該二成分系現像剤を使用する現像方法を提供することにある。
【0013】
さらに本発明の目的は、低温定着プロセス、あるいはクリーナーレスプロセスに適応し、繰り返し使用の耐久特性の改善にあり、感光体上にフィルミングを生じない二成分系現像剤及び現像方法を提供することにある。
【0014】
さらに本発明の目的は、低温定着プロセスにも適応でき、現像剤担持体上トナー融着の生じない安定した現像方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、バインダー樹脂及び磁性金属酸化物粒子を少なくとも有する磁性キャリアコア粒子と、該磁性キャリアコア粒子の表面を被覆している被覆層とを有する磁性コートキャリアにおいて、
磁性金属酸化物粒子は、表面が親油化処理されてあり、
磁性キャリアコア粒子は、比抵抗が1×1010Ω・cm以上であり、
磁性コートキャリアは、比抵抗が1×1012Ω・cm以上であり、
磁性コートキャリアは、個数平均粒径D が5〜100μmであり、
磁性コートキャリアは、個数分布において、下記式
/σ≧3.5
〔式中、D は磁性コートキャリアの個数平均粒径を示し、σは磁性コートキャリアの個数分布における標準偏差を示す。〕
を満足し、
【0016】
【外4】
Figure 0003595648
以下の粒径の磁性コートキャリア粒子の含有量が25個数%以下であることを特徴とする磁性コートキャリアに関する。
【0017】
さらに、本発明は、バインダー樹脂及び磁性金属酸化物粒子を少なくとも有する磁性キャリアコア粒子と、該磁性キャリアコア粒子の表面を被覆している被覆層とを有する磁性コートキャリアとトナーとを有する二成分系現像剤において、磁性金属酸化物粒子は、表面が親油化処理されてあり、
磁性キャリアコア粒子は、比抵抗が1×1010Ω・cm以上であり、
磁性コートキャリアは、比抵抗が1×1012Ω・cm以上であり、
磁性コートキャリアは、個数平均粒径D が5〜100μmであり、
磁性コートキャリアは、個数分布において、下記式
/σ≧3.5
〔式中、D は磁性コートキャリアの個数平均粒径を示し、σは磁性コートキャリアの個数分布における標準偏差を示す。〕
を満足し、
【0018】
【外5】
Figure 0003595648
以下の粒径は磁性コートキャリア粒子の含有量が25個数%以下であることを特徴とする二成分系現像剤に関する。
【0019】
さらに、本発明は、トナーと磁性コートキャリアとを有する二成分系現像剤を磁界発生手段を内包している現像剤担持体上に担持し、該現像剤担持体上に二成分系現像剤の磁気ブラシを形成し、磁気ブラシを静電潜像担持体に接触させ、直流及び交番電界を現像剤担持体に印加しながら静電潜像担持体の静電荷像を現像する現像方法であり、磁性キャリアは、バインダー樹脂及び磁性金属酸化物粒子を少なくとも有する磁性キャリアコア粒子と、該磁性キャリアコア粒子の表面を被覆している被覆層とを有する磁性コートキャリアであり、
磁性金属酸化物粒子は、表面が親油化処理されてあり、
磁性キャリアコア粒子は、比抵抗が1×1010Ω・cm以上であり、
磁性コートキャリアは、比体抵抗が1×1012Ω・cm以上であり、
磁性コートキャリアは、個数平均粒径D が5〜100μmであり、
磁性コートキャリアは、個数分布において、下記式
/σ≧3.5
〔式中、D は磁性コートキャリアの個数平均粒径を示し、σは磁性コートキャリアの個数分布における標準偏差を示す。〕
を満足し、
【0020】
【外6】
Figure 0003595648
以下の粒径は磁性コートキャリア粒子の含有量が25個数%以下であることを特徴とする現像方法に関する。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明者らが詳細な検討を行ったところ、磁性コートキャリアの粒度分布が広い場合には、キャリア粒子の静電潜像担持体表面への付着(キャリア付着)は、キャリアの平均粒径が小さくなるに従いその粒度分布の小粒径側のものが選択的に起きやすくなるということが知見された。トナーに対する帯電付与もキャリアの粒度分布が影響し、粒度分布が広い場合には現像剤の流動性が低下することによってトナーの摩擦帯電が不安定になりやすいことも知見された。さらに、現像剤の流動性はトナー粒径が小さい場合にはトナー粒子の表面形状にも左右されることが知見された。さらに、トナー粒子がコア/シェル構造を有し、コアの部分が低軟化点物質を含有している場合、トナーは劣化しやすく流動性の低下を生じやすい。そこで、磁性コートキャリアの粒度分布を所定の範囲内に制御すると共に平均粒子径の2/3粒径以下の粒子の存在をできる限り少なくすること及び磁性コートキャリアの磁気力を下げることにより上記問題を解決することができることが知見された。
【0022】
トナーの劣化を防止するために、磁性コートキャリアの磁気力を小さくすると効果的であるが、トナー劣化を防止するのに反比例してキャリア付着が増大することも知見された。そこで、磁性コートキャリア粒子の比抵抗、特にコア粒子の比抵抗を上げることと、磁性コートキャリアの粒度分布を制御することによりキャリア付着を良好に防止することが可能である。同時に磁性コートキャリアの粒度分布のシャープ化はトナーへの帯電性をも良好にすることができる。
【0023】
従来のキャリアの製造過程において、粉砕及び分級による製造方法では微粉を取り除くことは困難であった。また、磁性コートキャリアが形状係数SF−1が100〜130であると、現像剤の流動性が向上しトナーへの帯電性をさらに良好にすることができる。
【0024】
本発明の磁性コートキャリアは、個数平均粒径は5〜100μmであり、好ましくは10〜70μmである。個数平均粒径が5μmより小さいとキャリアの粒度分布の微粒子側の粒子による非画像部へのキャリア付着を良好に防止できない場合があり、100μmより大きいと磁気ブラシの剛直さによるはきめは生じないが、大きさ故の画像のむらを生じてしまう場合がある。
【0025】
本発明の磁性コートキャリアの粒度分布として、個数平均粒径D の2/3粒径以下の個数分布の累積個数割合が25個数%以下であることが重要である。好ましくは15個数%以下であり、さらに10個数%以下であることが画像形成装置本体の現像バイアスが変動したときにおいてもキャリア付着をさらに良好に防止するために好ましい。25個数%を越えると、キャリアの微粉によるキャリア付着を生じる傾向がある。
【0026】
さらに、式D /σ≧3.5を満足することが重要である。好ましくはD /σ≧4.0である。3.5より小さい場合には重量平均粒径が1〜10μmのような小粒径トナーを用いたとき、現像剤の流動性が低下し、トナー帯電付与性能が不安定になる場合がある。
【0027】
本発明に用いるキャリアコア粒子のバインダー樹脂としては一部または全部が3次元的に架橋されている樹脂であることが好ましい。これは、キャリアの粒度分布の制御とキャリア製造方法とが密接に関係しているためである。一般に、磁性体分散型樹脂キャリアを製造する場合には、バインダー樹脂及び磁性粉とを所定の混合比で加熱混合し、冷却後に粉砕し、次いで分級する方法が採られていた。特開平7−43950号公報に開示されるように粉砕工程を改良することである程度の粒度分布のシャープ化は計れるが、粉砕のメカニズムからどうしてもある程度の微粉を生じることは防止できない。特に磁性粉砕が多量に含有される場合には過粉砕になりやすいという問題点があった。特に、微粉は風力分級や篩を用いた分級操作によっても完全に取り除くことができなかった。また、バインダー樹脂として熱可塑性樹脂を使用したキャリアにおいては、多数枚の使用により分散している磁性体微粒子の脱離が問題となる。本発明においては、例えばモノマーと溶媒が均一であるような溶液中から粒子を生成する重合法の製造方法及びキャリアコア粒子中に分散する金属酸化物に親油化処理を施すことによって、粒度分布のシャープな、特に微粉のない磁性体分散型樹脂キャリアコアを製造できることを見いだした。これはモノマーの重合が進み高分子量化しゲル状になるのと同時に金属酸化物が採り込まれる状態で造粒が行われることにより、均一な粒度分布であり、特に微粉が少ないキャリアコア粒子を製造できると考えられる。また、樹脂の一部または全部を3次元的に架橋することで分散する磁性体微粒子をさらに強固に結着できる。
【0028】
高画質化を達成するために重量平均粒径が1〜10μmのように小粒径トナーの場合、キャリア粒径もトナーに応じて小粒径化することが好ましく、上述した製造方法ではキャリア粒径が小粒径化しても平均粒径に関係なく微粉の少ないキャリアを製造できる。
【0029】
キャリアコア粒子のバインダー樹脂に使用されるモノマーとしては、ラジカルの重合性のモノマー重合性モノマーを用いることができる。例えばスチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン、p−ターシャリーブチルスチレンの如きスチレン誘導体;アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル;メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸差フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノメチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ベンジルの如きメタクリル酸エステル類;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルエーテル、イソブチルエーテル、βークロルエチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、p−メチルフェニルエーテル、p−クロルフェニルエーテル、p−ブロムフェニルエーテル、p−ニトロフェニルビニルエーテル、p−メトキシフェニルビニルエーテルの如きビニルエーテル;ブタジエンの如きジエン化合物を挙げることができる。
【0030】
これらのモノマーは単独または混合して使用することができ、好ましい特性が得られるような好適な重合体組成を選択することができる。
【0031】
キャリアコア粒子のバインダー樹脂は3次元的に架橋されていることが好ましい。架橋剤としては、重合性の2重結合を一分子当たり2個以上有する架橋剤を使用することが好ましい。架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンの如き芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、グリセロールアクロキシジメタクリレート、N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルフォンが挙げられる。2種類以上を適宜混合して使用しても良い。架橋剤は、重合性混合物にあらかじめ混合しておくこともできるし、必要に応じて適宜重合の途中で添加することもできる。
【0032】
その他のキャリアコア粒子のバインダー樹脂のモノマーとして、エポキシ樹脂の出発原料としてなるビスフェノール類とエピクロルヒドリン;フェノール樹脂のフェノール類とアルデヒド類;尿素樹脂の尿素とアルデヒド類、メラミンとアルデヒド類が挙げられる。
【0033】
もっとも好ましいバインダー樹脂は、フェノール系樹脂である。その出発原料としては、フェノール、m−クレゾール、3,5−キシレノール、p−アルキルフェノール、レゾルシル、p−tert−ブチルフェノールの如きフェノール化合物、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、フルフラールの如きアルデヒド化合物が挙げられる。特にフェノールとホルマリンの組合わせが好ましい。
【0034】
これらのフェノール樹脂又はメラミン樹脂を用いる場合には硬化触媒として塩基性触媒を用いることができる。塩基性触媒として通常のレゾール樹脂製造に使用される種々のものを用いることができる。具体的にはアンモニア水、ヘキサメチレンテトラミン、ジエチルトリアミン、ポリエチレンイミンの如きアミン類を挙げることができる。
【0035】
本発明の磁性コートキャリアに用いる金属酸化物としては、磁性を示すMO・Fe またはMFe の式で表されるマグネタイト又はフェライトが挙げられる。
【0036】
式中、Mは3価、2価あるいは1価の金属イオンを示す。Mとしては、Mg、Al、Si、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、Sn、Ba、Pb、Liが挙げられる。Mは単独あるいは複数で用いることができる。例えばマグネタイト、Zn−Fe系フェライト、Mn−Zn−Fe系フェライト、Ni−Zn−Feフェライト、Mn−Mg−Fe系フェライト、Ca−Mn−Fe系フェライト、Ca−Mg−Fe系フェライト、Li−Fe系フェライト、Cu−Zn−Fe系フェライトの如き鉄系酸化物が挙げられる。上記磁性を示す金属酸化物と下記非磁性の酸化物とを混合して用いても良い。例えば、非磁性の酸化物としてはAl 、SiO 、CaO、TiO 、V 、CrO、MnO 、α−Fe 、CoO、NiO、CuO、ZnO、SrO、Y 、ZrO が挙げられる。この場合、1種類の金属酸化物を用いることもできるが、とくに好ましくは少なくとも2種以上の金属酸化物を混合して用いるのが良い。その場合には、比重や形状が類似している粒子を用いるのがバインダーとの密着性及びキャリアコア粒子の強度を高めるためにより好ましい。例えば、マグネタイトとヘマタイト、マグネタイトとr−Fe 、マグネタイトとSiO 、マグネタイトとAl 、マグネタイトとTiO 、マグネタイトとCa−Mn−Fe系フェライト、マグネタイトとCa−Mg−Fe系フェライトの組み合わせが好ましく用いることができる。中でもマグネタイトとヘマタイトの組み合わせが特に好ましく用いることができる。
【0037】
上記の金属酸化物を使用する場合、磁性を示す金属酸化物の個数平均粒径はキャリアコアの個数平均粒径によっても変わるが、粒径0.02〜2μmのものが好ましい。2種以上の金属酸化物を用いる場合、磁性を示す金属酸化物の個数平均粒径は0.02〜2μmのものが好ましい。他方の金属酸化物の個数平均粒径は、0.05〜5μmのものが好ましい。この場合、磁性粒子の個数平均粒径(平均粒径ra)と他方の金属酸化物の個数平均粒径(平均粒径rb)の粒径比rb/raは1を越え乃至5であることが好ましく、より好ましくは1.2乃至5.0が良い。1.0倍以下であると比抵抗の低い強磁性を示す金属酸化物粒子が表面に出やすくなり、キャリアコアの比抵抗を上げにくく、キャリア付着を防止する効果が得られにくくなる。また、5倍を越えると、キャリアの強度が低下しやすく、キャリア破壊を引き起こしやすくなる。金属酸化物の粒径測定方法については後述する。
【0038】
バインダー樹脂に分散されている金属酸化物の比抵抗は磁性粒子が1×10 Ω・cm以上の範囲のものが好ましく、特に、2種以上の金属酸化物を混合して用いる場合には、磁性を示す金属酸化物粒子の比抵抗が1×10 Ω・cm以上の範囲が好ましく、他方の非磁性金属酸化物粒子は磁性金属酸化物粒子よりも高い比抵抗を有するものを用いることが好ましい。好ましくは本発明に用いる非磁性酸化物の比抵抗は1×10 Ω・cm以上、より好ましくは1×1010Ω・cm以上のものが良い。
【0039】
磁性金属酸化物粒子の比抵抗が1×10 Ω・cm未満であると含有量を減量しても所望の高比抵抗が得られにくく、電荷注入を招き、画質を落したり、キャリア付着を招きやすい。また、2種以上の金属酸化物を使用する場合には粒径の大きな金属酸化物の比抵抗が1×10 Ω・cm未満であると磁性キャリアコアの比抵抗が低くなり、本発明の効果が得られにくくなる。金属酸化物の比抵抗測定方法については後述する。
【0040】
本発明の磁性金属酸化物分散樹脂キャリアコアにおいて、金属酸化物の含有量は、50重量%〜99重量%が好ましい。金属酸化物の量が50重量%未満であると帯電性が不安定になりやすく、特に低温低湿環境下においてキャリアが帯電し、その残留電荷が残存しやすくなるために微粉トナーや外添剤等がキャリア粒子表面に付着しやすくなる。また、99重量%を越えるとキャリア強度が低下して、耐久によるキャリアの割れなどの問題を生じやすくなる。
【0041】
さらに本発明の好ましい形態としては、2種以上の金属酸化物を分散した金属酸化物分散樹脂キャリアコアにおいて、含有する金属酸化物全体に占める磁性を有する金属酸化物の含有量が30重量%〜95重量%である。30重量%未満であるとコアの高抵抗化は良好になる反面、キャリアとしての磁気力が小さくなり、キャリア付着を招く場合がある。また、95重量%を越えると磁性を有する金属酸化物の比抵抗にもよるが、より好ましいコアの高抵抗化がはかれない場合がある。
【0042】
更に、金属酸化物分散樹脂キャリアコアに含有される金属酸化物は親油化処理されていることが磁性キャリア粒子の粒度分布をシャープにすること及び金属酸化物微粒子のキャリアからの脱離を防止する上で好ましい。親油化処理された金属酸化物を分散させたキャリアコア粒子を形成する場合、モノマーと溶媒が均一になっている液中から重合反応が進むと同時に溶液に不溶化した粒子が生成する。そのときに金属酸化物が粒子内部で均一にかつ高密度に取り込まれる作用と粒子同士の凝集を防止し粒度分布をシャープ化する作用があると考えられる。
【0043】
親油化処理はシランカップリング剤、チタネートカップリング剤及びアルミニウムカップリング剤の如きカップリング剤や種々の界面活性剤で表面処理することが好ましい。
【0044】
特にシランカップリング剤及びチタネートカップリング剤の如きカップリング剤の中から選ばれるもので表面処理することが好ましい。
【0045】
磁性金属酸化物粒子は、100重量部当り0.1〜10重量部(より好ましくは、0.2〜6重量部)のシランカップリング剤又はチタネートカップリング剤で処理されているのが磁性金属酸化物粒子の親油性及び疎水性を高める上で好ましい。
【0046】
シランカップリング剤としては、疎水性基、アミノ基あるいはエポキシ基を有するものが挙げられる。
【0047】
疎水性基を有するシランカップリング剤は、アルキル基,ハロゲン化アルキル基,フェニル基,フェル基,ハロゲン化フェニル基又はアルキルフェニル基を有するシランカップリング剤が挙げられる。好ましくは、疎水性基を有するシランカップリング剤は、下記式で示されるアルコキシシランである。
【0048】
SiY
〔式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1〜3の整数を示し、Yはアルキル基又はビニル基を示し、n−は、1〜3の整数を示す〕
【0049】
例えば、より好ましい疎水性基を有するシランカップリング剤として、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン及びビニルトリス(β−メトキシ)シランからなるグループから選択される化合物が挙げられる。
【0050】
また、疎水性基を有するシランカップリング剤として、ビニルトリクロルシラン、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフエニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、プロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン及びクロルメチルジメチルクロルシランからなるグループから選択される化合物を使用しても良い。アミノ基をもつシランカップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメトキシジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。エポキシ基をもつシランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランが挙げられる。
【0051】
チタネートカップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルビンゼンスルホニルチタネート、イソプロペルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネートを挙げることができる。
【0052】
アルミニウムカップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートを挙げることができる。
【0053】
界面活性剤としては、市販の界面活性剤を使用することができる。
【0054】
磁性キャリアコア粒子は、溶媒中に上記モノマー、金属酸化物微粒子を分散させ、開始剤あるいは触媒を加えて重合する方法により製造することができる。その場合、溶媒としてはバインダー樹脂が重合の進行に伴って析出してくる物が使用される。具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、ターシャリーブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、ターシャリーペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチルブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、2−オクタノール、2−エチル1−ヘキサノールの如き直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族アルコール化合物;ペンタン、2−メチルブタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、デカン、ノナン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、p−メンタン、ビシクロヘキシルの如き脂肪族炭化水素化合物;芳香族炭化水化合物;ハロゲン化炭化水素;エーテル化合物;脂肪酸;エステル化合物;含硫黄化合物水を挙げることができる。これらは単独で使用してもよいし、混合して使用しても良い。
【0055】
キャリアコア粒子を重合法で生成する場合に、分散安定剤を使用しても良い。分散安定剤としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリメチルビニルエーテル、ポリエチルビニルエーテル、ポリブチルビニルエーテル、ポリイソブチルビニルエーテルといったビニルエーテル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリヒドロキシスチレン、塩化ビニル、ポリビニルアセタール、セルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、アルキル化セルロース、ヒドロキシアルキル化セルロース、具体的にはヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、飽和アルキルポリエステル樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート樹脂が挙げられる。これらは、単独で又は混合して使用することができる。
【0056】
前記モノマーを重合する際に重合開始剤が使用される。使用する重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が挙げられる。例えば、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ2,4−ジメチルバレロニトリルの如きアゾ系もしくはジアゾ系重合開始剤;2,2′−アゾビス(2−アミノジプロパン)ジヒドロクロリド、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロリドの如きアミジン化合物;ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドの如き過酸化物系重合開始剤;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムの如き過硫化物系開始剤が挙げられる。これらは、単独で又は混合して使用することができる。
【0057】
また、硬化系フェノール樹脂を有するキャリアコア粒子の製造方法としては、水性溶媒中で金属酸化物を分散したフェノール類とアルテヒド類を塩基性触媒の存在下で重合する方法が挙げられる。
【0058】
塩基性触媒としては、アンモニア水、ヘキサメチレンテトラアミン、ジエチルトリアミン等が挙げられる。
【0059】
重合時に連鎖移動剤を用いても良い。例えば、四塩化炭素、四臭化炭素、二臭化酢酸エチル、酸臭化酢酸エチル、二臭化エチルベンゼン、二臭化エタン、二塩化エタンの如きハロゲン化炭化水素化合物;ジアゾチオエーテル、ベンゼン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼンの如き炭化水素類化合物:ターシャリードデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカブタンの如きメルカブタン化合物;ジイソプロピルザントゲンジスルフィドの如きジスルフィド化合物が挙げられる。
【0060】
キャリアコア粒子を好ましく製造する方法としては、モノマー及び溶媒が均一な溶液になっていることが好ましく、さらには金属酸化物が親油化処理されていることが好ましい。さらには、重合反応を始める前にそれらを十分良好に分散させ、触媒又は重合開始剤を添加して重合反応して磁性キャリアコア粒子の粒度分布をシャープにすることが好ましい。重合反応後、溶媒を用いて洗浄濾過した後、真空乾燥の如き乾燥工程を経て、必要によっては分級操作を行って、キャリアコア粒子の粒度分布をシャープにする。分級は振動篩、慣性力を利用した多分割分級装置による微粉及び粗粉のカットを行う。
【0061】
本発明の磁性コートキャリアは、トナーの帯電量に合わせて適当な被覆材で磁性キャリアコア粒子表面がコートされている。被覆材のコート量は、0.1重量%〜10重量%が好ましく、より好ましくは、0.3重量%〜5重量%であることが最も好適である。また、本発明の磁性金属酸化物分散型樹脂キャリアではこの範囲内において、コートキャリア粒子表面の金属酸化物の露出密度が0.1〜10個/μm であることがキャリア付着を良好に防止し、チャージアップを防止する上で好ましい。さらに好ましくは0.5〜5個/μm である。
【0062】
コート量が0.1重量%未満ではキャリアコア粒子のコート効果が低く、特に耐久後にトナーに対して帯電付与制御性が低下する。また、コート量が10重量%を越えると、キャリアの流動性が低下したり、多数枚耐久時に画像が劣化しやすい。コートキャリア粒子表面の金属酸化物の露出密度の算出方法は後述する。
【0063】
被覆材として使用する樹脂としては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂が挙げられる。例えば、熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、スチレン−アクリレート共重合体、アクリル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、フルオロカーボン樹脂、パーフロロカーボン樹脂、溶剤可溶性パーフロロカーボン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、石油樹脂、セルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロース誘導体、ノボラック樹脂、低分子量ポリエチレン、飽和アルキルポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレートと言った、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂を挙げることができる。
【0064】
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、無水マレイン酸、−テレフタル酸−多価アルコールの重縮合によって得られる不飽和ポリエステル、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素−メラミン樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−グアナミン樹脂、アセトグアナミン樹脂、グリプタール樹脂、フラン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂が挙げられる。上述した樹脂は、単独で使用しても良く、それぞれを混合して使用してもよい。また、熱可塑性樹脂に硬化剤を混合し硬化させて使用しても良い。
【0065】
本発明の磁性コートキャリアを好ましく製造する方法としてはキャリアコア粒子を浮遊流動させながらコート樹脂溶液をスプレーとコア粒子表面にコート膜を形成させる方法、及び、スプレードライ法が挙げられる。上記コート方法は特に熱可塑性樹脂を主成分として磁性金属酸化物分散樹脂コア粒子にコートする場合に好適である。
【0066】
その他のコート方法として、キャリアコア粒子とコート樹脂を含有する溶液とを混合し、剪断応力を加えながら、コート樹脂溶液の溶媒を徐々に揮発させ、コート膜を形成させる方法が挙げられる。
【0067】
本発明の磁性コートキャリアは、形状係数SF−1が100〜130であることが好ましい。キャリアの形状係数SF−1が130を越えると、現像剤としての流動性が低下し、トナーへの摩擦帯電付与能力の低下や現像極において磁気ブラシの形状の均一性が低下し高画質な画像が得られにくくなる。キャリアの形状係数SF−1の測定は、日立製作所(株)社製フィールドエミッション走査電子顕微鏡S−800(倍率300倍)によりキャリア粒子をランダムに300個以上抽出し、ニレコ社製の画像処理解析装置Luze3を用いて、次式によって導かれる形状係数SF−1(球形度)を求めることで行う。
【0068】
【外7】
Figure 0003595648
〔式中、MX LNGはキャリアの最大径を示し、AREAはキャリア粒子の投影面積を示す〕。
【0069】
磁性コートキャリアの磁気特性は、1キロエルステッドでの磁化の強さが40〜250emu/cm であるものが好ましく、さらに好適には50〜230emu/cm の範囲であるような低磁気力のキャリアが良い。また、磁性コートキャリアの磁化の強さはキャリア粒径により適宜選択される。磁化の強さが250emu/cm を越えるとキャリア粒径にも関係するが、現像極での現像スリーブ上に形成される磁気ブラシの密度が減少し、穂長が長くなり、かつ剛直化してしまうためコピー画像上に掃き目ムラが生じやすく、特に多数枚の複写又はプリントによる現像剤の耐久劣化が生じやすい。特にコア/シェル構造を有し、コア部に低軟化点物質を含有するトナーを用いたときに、トナー劣化による中間調のガサツキ、ベタ像のムラなどの画像劣化を引き起こしやすい。40emu/cm 未満では、キャリア微粉をカットしてもキャリアの磁気力が低下し、キャリア付着が生じやすく、トナー搬送性が低下する。
【0070】
磁気特性の測定は、理研電子(株)製の振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−30を用いて行った。測定条件は後述する。
【0071】
トナーは、好ましくは重量平均粒径が1〜10μm、好ましくは3〜8μmであることが好適である。さらに、トナーは、個数平均粒径の1/2倍径以下の分布累積値が20個数%以下であり、重量平均粒径の2倍径以上の分布累積値が10体積%以下であることが反転成分のない良好な帯電付与、静電荷像のドットの再現性を満足するために好ましい。さらに、トナーの帯電性を良好にし、ドット再現性を高めるにはトナーは個数平均粒径の1/2倍径以下の分布累積値が15個数%以下であり、重量平均粒径の2倍径以上の分布累積値が5体積%以下であることがより好ましい。さらには、トナーは、個数平均粒径の1/2倍径以下の分布累積値が10個数%以下であり、重量平均径の2倍径以上の分布累積値が2体積%以下であることがより好ましい。
【0072】
トナーの重量平均粒径が10μmを越えると、トナー粒子1個が大きくなるためにキャリアの磁気力を下げても解像性が低下し、また、静電的な転写を行うとトナーの飛び散りが生じやすくなる。また、トナーの重量平均径が1μm以下の粒径では粉体としてのハンドリング性が低下する。
【0073】
個数平均粒径の1/2倍径以下の分布累積値が20個数%を越えると、微粉トナーへのトナー帯電付与性が低下し、トナーのトリボ分布が広くなり、帯電不良(反転成分生成)が生じやすく、選択現像によるトナーの粒径偏在化により耐久中に粒径変化が生じやすい。また、重量平均粒径の2倍径以上の分布累積値が10体積%を越えるとキャリアとの摩擦帯電性が低下する。粒度分布の測定には、例えばレーザー走査型のCIS−100(GLAI社製)を使用する方法を挙げることができる。具体的測定法については後述する。
【0074】
トナーの粒径及び粒度分布は、キャリア粒径/粒度分布と密接に関係している。磁性コートキャリアの個数平均粒径が15〜50μmであるとき、トナーは重量平均径が3〜8μmであり、トナー及びキャリアともに粒度分布がシャープであることが帯電性を良好にすると共により高画質化の為には好ましい。
【0075】
更にまた、現像同時クリーニング方法、クリーナレス画像形成方法等のクリーナーレスプロレスを用いたシステムに本発明の現像剤を適用する場合、トナーは形状係数SF−1が100〜140の範囲であり、重合法で形成されており、かつ残存モノマー含有量が1000ppm以下であることが好ましい。
【0076】
クリーナーレスのシステムの例を挙げて説明すると、マイナス帯電性の感光体及びマイナス帯電性のトナーを用いた場合、その転写工程において、プラス極性の転写部材によって可視化されたトナー像を転写材に転写することになるが、転写材の種類(厚み、抵抗、誘導率等の違い)と画像面積の関係により、転写残余のトナーの帯電極性がプラスからマイナスまで変動する。しかし、マイナス帯電性の感光体を帯電する際のマイナス極性の帯電部材により、感光体表面と共に転写残余のトナーまでもが、転写工程においてプラス極性に振れていたとしても、一様にマイナス側へ帯電極性を揃えることができる。そのため、現像方法として反転現像を用いた場合、トナーの現像されるべき明部電位部にはマイナスに帯電された転写残余のトナーが残り、現像されるべきでない暗部電位部には、現像電界の関係上、トナー担持体の方に引き寄せられ、暗部電位部にトナーは残留しない。
【0077】
本発明者らは、様々なトナー及びキャリアについて鋭意検討を行い現像同時クリーニング、クリーナレス画像形成方法においては、キャリアの磁気力の影響およびトナー中に含まれる残存モノマーの含有量とがこれら現像剤を用いたときの耐久特性、画質特性に密接なつながりのあることを見い出した。すなわち、キャリアに関しては前述したとおりであるが、トナーに関して、残存モノマーによる作用は、以下のようなものと考えられる。例えば、結着樹脂、着色剤、帯電制御剤を主たる成分とするトナーの場合、残存モノマーは、トナー粒子中に存在し、トナーのガラス転移点あるいはガラス転移点周辺の熱的挙動に影響を与える。モノマーは低分子量成分であるためにトナー粒子全体を可塑化する方向に働く。一方、放電又はコロナシャワーにさらされたトナーについては、その活性種により、結着樹脂が影響を受ける。例えば、樹脂中の分子鎖が切断されることで樹脂分解物が生成し、低分子量分を生じたり、あるいは、逆に樹脂分解物が更に重合反応を促進していくなどが考えられる。一方、トナー中の残存モノマーは、感光体帯電部材により発生する活性種により、活性化するものと考えられる。
【0078】
このように、トナー中にはこれらに起因する反応性低分子量が存在するため、これらが拮抗あるいは競合するものと考えられる。トナー粒子中に含まれる荷電制御剤も比較的電子の授受に富む化合物であり、明瞭な原因の総ては掴みきれてはいないが、残存モノマーが存在することで、トナー粒子中の反応性低分子量分の拮抗、競合の関係が変化することが示唆される。つまり、残存モノマーの影響でトナー粒子表面の特性が徐々に変化することにより、トナーの流動性、帯電性が変化し、耐久時に画像濃度の変動、かぶりの発生、フィルミングの如き問題が発生しやすい。
【0079】
トナー中の残存モノマー含有量という観点から現像を解析すると、1000ppmよりも少なければ、耐久特性上の性能が良好であり、1000ppmを越える範囲のトナーを用いると、耐久特性及び画像特性が低下する。好ましくは、残存モノマー量が、500ppm以下であると、耐久特性、画像品質特性が良好となり、300ppm以下であると更に良好な結果が得られる。トナーの残存モノマーの定量方法については後述する。
【0080】
本発明においては、トナーの形状係数SF−1が100〜140であるものが好適に用いられる。さらに好ましくは、SF−1が100〜130であることが良い。形状係数SF−1は、日立製作所製FE−SEM(S−800)を用いトナー像(倍率300倍)を300個以上無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介してニレコ社製画像解析装置(Luze×3)に導入し解析を行い下式より算出し得られた値をトナーの形状係数SF−1と定義する。
【0081】
【外8】
Figure 0003595648
〔式中、MX LNGはトナーの最大径を示し、AREAはトナーの投影面積を示す〕。
【0082】
トナーの形状係数SF−1は球形度合を示し、140より大きいと、球形から徐々に不定形となる。トナーの形状の作用効果としては、トナーの流動性向上による帯電性の向上と共に、トナー粒子表面に対する感光体帯電部材の影響を低め、トナー粒子中に反応性低分子量成分の生成を抑えることである。トナー表面積のなるべく小さい球形が好ましい。トナーは重合法により形成されたトナー粒子を用いることにより発明の効果を高めることが出来る。特に、トナー粒子表面部分を重合法により形成されたトナーについては、分散媒中にプレトナー(モノマー組成物)粒子として存在させ、必要な部分を重合反応により生成するため、表面性については、かなり平滑化されたものを得ることが出来る。この平滑さの作用効果は、電界がいわゆる尖った部分に集中する傾向が低減される。
【0083】
感光体帯電工程を経たトナーについては、凸凹のあるトナー粒子については、凸部分にコロナシャワーあるいは放電が集中しその部分を特異的に劣化する特性をもつのに対し、平滑であればコロナシャワーあるいは放電の集中するところがないので劣化しにくいと考えられる。
【0084】
SF−1が140を越えると、耐久性が若干劣る場合がある。
【0085】
さらには、低温定着システムに適応できるようにトナーにコア/シェル構造をもたせ、シェル部分を重合により形成されたようなトナーが好ましい。このコア/シェル構造の作用は、トナーの優れた定着性を損なうことなく耐ブロッキング性を付与できることは言うまでもなく、コアを有しないようなバルクとしての重合トナーに比較して、シェル部分のみを重合するほうが、重合工程の後の後処理工程において、残存モノマーの除去が容易に行われるためである。
【0086】
低温定着のためにはコア部の主たる成分としては低軟化点物質が好ましく、ASTM D3418−8に準拠し測定されたDSC吸熱曲線におけるメイン極大ピーク値(融点)が、40〜90℃を示す化合物が好ましい。極大ピークが40℃未満であると低軟化点物質の自己凝集力が弱くなり、結果として高温オフセット性が低下する。一方、極大ピークが、90℃を越えると定着温度が高くなる傾向にある。更に直接重合方法によりトナー粒子を得る場合においては、水系媒体中で造粒・重合を行うため極大ピーク値の温度が高いと主に造粒中に低軟化点物質が析出し造粒性が低下する。
【0087】
極大ピーク値(融点)の温度の測定には、例えばパーキンエルマー社製DSC−7を用いる。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。サンプルはアルミニウム製パンを用い対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/min.で測定を行う。
【0088】
低軟化点物質としては、パラフィンワックス,ポリオレフィンワックス,フィッシャートロピッシュワックス,アミドワックス,高級脂肪酸,エステルワックス及びこれらの誘導体又はこれらのグラフト/ブロック化合物等が挙げられる。
【0089】
低軟化点物質はトナー粒子中へ5〜30重量%添加することが好ましい。
【0090】
トナー粒子には外添剤を付与することが好適である。トナー粒子表面を外添剤で被覆することにより、トナーとキャリア、あるいはトナー粒子相互の間に外添剤が存在することで現像剤の流動性が向上され、されに現像剤の寿命も向上する。
【0091】
外添剤としては、金属酸化物粉体(酸化アルミニウム,酸化チタン,チタン酸ストロンチウム,酸化セリウム,酸化マグネシウム,酸化クロム,酸化錫,酸化亜鉛,など)、窒化物粉体(窒化ケイ素など)、炭化物粉体(炭化ケイ素など)、金属塩粉体(硫酸カルシウム,硫酸バリウム,炭酸カルシウムなど)、脂肪酸金属塩粉体(ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウムなど)、カーボンブラック、シリカ粉体、ポリテトラフロロエチレン、ポリビニリデンフロライド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、シリコーンの如き材料の微粉末が好ましい。上述した微粉末の個数平均粒径は0.2μm以下であることが好ましい。個数平均粒径が0.2μmを越えると流動性が低下し、現像及び転写時に画質が低下する。
【0092】
外添剤の使用量は、トナー粒子100重量部に対し、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは、0.05〜5重量部が用いられる。外添剤は、単独で用いても、又、複数併用しても良い。外添剤は、疎水化処理を行ったものが、より好ましい。
【0093】
外添剤は、BET法による窒素吸着によった比表面積が30m /g以上、特に50〜400m /gの範囲のものが良好である。
【0094】
トナー粒子と外添剤との混合処理は、ヘンシェルミキサーの如き混合機を使用して行うことができる。このようにして得られたトナーは磁性コートキャリアと混合されて二成分系現像剤とされる。二成分系現像剤は、現像プロセスにも依存するが現像剤中のトナーの割合が1〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%の範囲であることが現像容器中でのトナーへの帯電付与の点で好適である。二成分系現像剤中のトナー摩擦帯電量は5〜100μC/gの範囲であることが好適であり、最も好ましくは5〜60μC/gである。摩擦帯電量の測定条件については後述する。
【0095】
トナーを製造する方法としては、結着樹脂及び着色剤、その他の内添物を溶融混練し、混練物を冷却後粉砕分級する方法が挙げられる。トナーの結着樹脂としては、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン誘導体から得られる高分子化合物;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂;脂肪族多価アルコール、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジアルコール類及びジフェノール類から選択される単量体を構造単位として有するポリエステル樹脂;ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油樹脂が挙げられる。特にスチレン系樹脂およびポリエステル樹脂が好ましい。
【0096】
トナーの製造方法としては、特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報等に述べられている懸濁重合方法を用いて直接トナーを生成する方法や、単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接トナーを生成する分散重合方法、又は水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナーを生成するソープフリー重合方法に代表される乳化重合方法を用いトナーを製造する方法が挙げられる。
【0097】
本発明においてはトナーの形状係数SF−1を100〜140にコントロールでき、比較的容易に粒度分布がシャープで3〜8μm粒径の微粒子トナーが得られる常圧下での、または、加圧下での懸濁重合方法によるトナーの製法が好ましい。
【0098】
低軟化点物質をトナー粒子中に内包化せしめる方法としては、水系媒体中での材料の極性を主要単量体より低軟化点物質の方を小さく設定し、更に少量の極性の大きな樹脂又は単量体を添加せしめることで低軟化点物質を外殻樹脂で被覆したいわゆるコア/シェル構造を有するトナー粒子を得ることができる。トナーの粒度分布制御や粒径の制御は、難水溶性の無機塩や保護コロイド作用とする分散剤の種類や添加量を変える方法や機械的装置条件例えばローラーの周速・パス回数・攪拌羽根形状等の攪拌条件や容器形状又は、水系媒体中での固形分濃度等を制御することにより所定のトナーを得ることができる。
【0099】
トナーの外殻樹脂としては、スチレン−(メタ)アクリル共重合体,ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,スチレン−ブタジエン共重合体が挙げられる。重合法による直接トナーを得る方法においては、それらの単量体が好ましく用いられる。
【0100】
具体的には、スチレン;o(m−,p−)−メチルスチレン、m(p−)−エチルスチレンの如きスチレン単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルの如き(メタ)アクリル酸エステル単量体;ブタジエン、イソプレン、シクロヘキセン、(メタ)アクリロニトリル、アクリル酸アミドの如きエン単量体が好ましく用いられる。
【0101】
これらは、単独または一般的には出版物ポリマーハンドブック第2版III−P139〜192(John Wiley & Sons社製)に記載の理論ガラス転移温度(Tg)が、40〜75℃を示すように単量体を適宜混合し用いられる。理論ガラス転移温度が40℃未満の場合には、トナーの保存安定性や現像剤の耐久安定性が低下し、一方75℃を越える場合は定着点の上昇をもたらし、特にフルカラートナーの場合においては各色トナーの混色性が低下し、色再現性が低下し、更にOHP画像の透明性が低下する。
【0102】
外殻樹脂の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される。具体的なGPCの測定方法としては、予めトナーをソックスレー抽出器を用いトルエン溶剤で20時間抽出を行った後、ロータリーエバポレーターでトルエンを留去せしめ、更に低軟化点物質は溶解するがシェル用樹脂は溶解し得ない有機溶剤、例えばクロロホルム等を加え十分洗浄を行った後、テトラヒドロフラン(THF)に可溶した溶液をポア径が0.3μmの耐溶剤性メンブランフィルターでろ過したサンプルをウォーターズ社製150Cを用い、カラム構成は昭和電工製A−801、802、803、804、805、806、807を連結し標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い分子量分布を測定する方法がある。
【0103】
得られた樹脂成分の数平均分子量(Mn)は、好ましくは5000〜1000000であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、2〜100を示す外殻樹脂が好ましい。
【0104】
コア/シェル構造を有するトナー粒子を製造する場合、外殻樹脂で低軟化点物質を内包せしめるため外殻樹脂の他に更に極性樹脂を添加せしめることが特に好ましい。極性樹脂としては、スチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体、マレイン酸共重合体、飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂が好ましく用いられる。該極性樹脂は、シェル樹脂又は単量体と反応しうる不飽和基を分子中に含まないものが特に好ましい。仮に不飽和基を有する極性樹脂を含む場合においてはシェル樹脂層を形成する単量体と架橋反応が起き、特に、フルカラー用トナーとしては、極めて高分子量になり四色トナーの混色には好ましくない。
【0105】
外殻構造を有するトナー粒子の表面にさらに重ねて重合法により最外殻樹脂層を設けても良い。
【0106】
上述の最外殻樹脂層のガラス転移温度は、耐ブロッキング性のさらなる向上のため外殻樹脂層のガラス転移温度以上に設計されること、さらに定着性を損なわない程度に架橋されていることが好ましい。また、該外殻樹脂層には帯電性向上のため極性樹脂や荷電制御剤が含有されていることが好ましい。
【0107】
外殻樹脂層を設ける方法としては、特に限定されるものではないが例えば以下のような方法が挙げられる。
1.重合反応後半、または終了後、反応系中に必要に応じて、極性樹脂、荷電制御剤、架橋剤等を溶解し、分散したモノマー組成物を添加し重合粒子に吸着させ、重合開始剤を添加し重合を行う方法。
2.必要に応じて、極性樹脂、荷電制御剤、架橋剤等を含有したモノマー組成物からなる乳化重合粒子またはソープフリー重合粒子を反応系中に添加し、重合粒子表面に凝集、必要に応じて熱等により固着させる方法。
3.必要に応じて、極性樹脂、荷電制御剤、架橋剤等を含有したモノマー組成物からなる乳化重合粒子またはソープフリー重合粒子を乾式で機械的にトナー粒子表面に固着させる方法。
【0108】
本発明に用いられる黒色着色剤としてカーボンブラック、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。
【0109】
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168、等が挙げられる。
【0110】
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレット2、3、5、6、7、23、48;2、48;3、48;4、57;1、81;1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が特に好ましい。
【0111】
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15;1、15;2、15;3、15;4、60、62、66等が特に好適に利用できる。これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。
【0112】
着色剤は、カラートナーの場合、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、樹脂100重量部に対し1〜20重量部添加して用いられる。
【0113】
トナーに用いられる荷電制御剤としては、公知のものが利用できる。カラートナーの場合は、特に、無色又は淡色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。更に本発明において直接重合方法を用いる場合には、重合阻害性が無く水系媒体への可溶化物の無い荷電制御剤が特に好ましい。
【0114】
例えば、ネガ系荷電制御剤として、サリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸又はそれらの誘導体の金属化合物;スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物;ホウ素化合物;尿素化合物;ケイ素化合物;カリークスアレーン等が挙げられる。ポジ系荷電制御剤として、四級アンモニウム塩,該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物,グアニジン化合物,イミダゾール化合物が好ましく用いられる。該荷電制御剤は樹脂100重量部に対し0.5〜10重量部が好ましい。しかしながら、荷電制御剤のトナー粒子への添加は必須ではない。
【0115】
直接重合方法によりトナー粒子を生成する場合には、重合開始剤として、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒトドペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドの如き過酸化物系重合開始剤が用いられる。
【0116】
該重合開始剤の添加量は、目的とする重合度により変化するが一般的には単量体に対し0.5〜20重量%添加され用いられる。重合開始剤の種類は、重合方法により若干異なるが、10時間半減期温度を参考に、単独又は混合し利用される。重合度を制御するための公知の架橋剤,連鎖移動剤,重合禁止剤等を更に添加し用いる事も可能である。
【0117】
トナーの製造方法として懸濁重合を利用する場合には、用いる分散剤として無機系酸化物として、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等が挙げられる。有機系化合物としてはポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン等が挙げられる。これらは水相に分散させて使用される。これら分散剤は、重合性単量体100重量部に対して0.2〜10.0重量部を使用する事が好ましい。
【0118】
これら分散剤は、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい均一な粒度を有する分散粒子を得るために、分散媒中にて高速攪拌下にて該無機化合物を生成させてる事も出来る。例えば、リサ酸三カルシウムの場合、高速攪拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合する事で懸濁重合方法に好ましい分散剤を得る事が出来る。又これら分散剤の微細化のための0.001〜0.1重量部の界面活性剤を併用しても良い。具体的には市販のノニオン型、アニオン型又はカチオン型の界面活性剤が利用でき、例えばドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムが好ましく用いられる。
【0119】
トナーの製造方法に直接重合方法を用いる場合においては、以下の如き製造方法によって具体的にトナーを製造する事が可能である。単量体中に低軟化物質からなる離型剤、着色剤、荷電制御剤、重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモジナイザー、超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤を含有する水相中に通常の攪拌機またはホモミキサー、ホモジナイザー等により分散させる。好ましくは単量体組成物からなる液滴な所望のトナー粒子のサイズを有するように攪拌速度・時間を調整し、造粒する。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の攪拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行う。また、重合反応後半に昇温しても良く、更に、耐久特性向上の目的で、未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・ろ過により回収し、乾燥する。懸濁重合法においては、通常単量体系100重量部に対して水300〜3000重量部を分散媒として使用するのが好ましい。
【0120】
トナーは分級して粒度分布を制御しても良く、その方法として好ましくは、慣性力を利用した多分割分級装置を用いる。この装置を用いることにより、本発明で好ましい粒度分布を有するトナーを効率的に製造できる。
【0121】
本発明の現像方法としては、例えば図1に示すような現像器を用い現像を行うことができる。具体的には交番電界を印加しつつ、現像剤ブラシが潜像担持体、例えば、感光体ドラム3に接触している状態で現像を行うことが好ましい。現像スリーブ1と感光体ドラム3の距離(S−D間距離)Bは100〜1000μmであることがキャリア付着防止及びドット再現性の向上において良好である。100μmより狭いと現像剤の供給が不十分になり、画像濃度が低下し、1000μmを越えると現像極S からの磁力線が広がり磁気ブラシの密度が低くなり、ドット再現性が低下し、キャリアを拘束する力が弱まりキャリア付着が生じやすくなる。
【0122】
交番電界のピーク間の電圧は500〜5000Vが好ましく、周波数は500〜10000Hz、好ましくは500〜3000Hzであり、それぞれプロセスにより適宜選択して用いることができる。この場合、波形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはDuty比を変えた波形等種々選択して用いることができる。印加電圧が、500Vより低いと十分な画像濃度が得られず、また非画像部のカブリトナーを良好に回収することができない場合がある。また、5000Vを越える場合には現像ブラシを介して、かえって静電荷像を乱してしまい、画質低下を招く場合がある。
【0123】
本発明の磁性コートキャリアを使用して良好に帯電したトナーを使用すると、カブリ取り電圧(Vback)を低くすることができ、感光体の1次帯電を低めることができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbackは、現像システムにもよるが200V以下、より好ましくは180V以下である。コントラスト電位としては、十分画像濃度ができるように200V〜500Vが好ましく用いられる。周波数が500Hzより低いとプロセススピードにも関係するが、キャリアへの電荷注入が起こりやすくキャリア付着あるいは静電荷像を乱すことで画質を低下させる場合がある。また、10000Hzを越えると電界に対してトナーが追随できず画質低下を招きやすい。
【0124】
本発明の現像方法で重要なことは、十分な画像濃度を出し、ドット再現性に優れ、かつキャリア付着のない現像を行うために現像スリーブ1上の磁気ブラシの感光体ドラム3との接触幅、現像ニップCを3〜8mmにすることが好ましい。現像ニップCが3mmより狭いと画像濃度が低下しやすくドット再現性が低下しやすい。8mmより広いとキャリア付着が発生しやすくなる。現像ニップの調整方法としては、現像剤規制部材2と現像スリーブ1との距離Aを調整したり、現像スリーブ1と感光ドラム3との距離Bを調整することでニップ幅を適宜調整する。
【0125】
本発明の現像方法は、特にハーフトーンを重視するようなフルカラー画像の出力において、本発明のキャリアおよびトナーとをデジタル潜像を形成した現像システムと組み合わせることで、磁気ブラシの影響が少なく、静電荷像を乱さないためにドット潜像に対して忠実に現像することが可能となる。
【0126】
さらに初期の高画質化と併せて、本発明の現像剤を用いることで現像器内での現像剤にかかるシェアが小さく、多数枚の複写においても画質低下のない本発明の効果が十分に発揮できる。
【0127】
本発明の画像形成方法においては現像剤担持体は、その表面形状が、
0.2μm≦中心線平均粗さ(Ra)≦5.0μm
10μm≦凹凸の平均間隔(Sm)≦80μm
0.05≦Ra/Sm≦0.5
上記条件を満足することが好ましい。
【0128】
Ra及びSmとは、JIS B 0601及びISO468に記載される中心線平均粗さ及び凹凸の平均間隔を規定する値で次式により求められる。
【0129】
【外9】
Figure 0003595648
【0130】
Raが0.2μm乃至5.0μmであると、現像剤の搬送性が良く耐久による画像むらや画像の濃度むらが発生しにくく、外添剤が摺擦による劣化を受けにくく耐久時の画質が低下しにくい。
【0131】
Smが10乃至80μmであると、現像剤担持体上に現像剤が保持されやすく、画像濃度を高くし得、トナーの融着も生じにくい。
【0132】
さらに現像剤担持体上の凸部の高さと凹凸の間隔から求められる凸・凹の傾斜(≒f(Ra/Sm))が、
0.05≦Ra/Sm≦0.5
であることが好ましく、より好ましくは0.07乃至0.3である。
【0133】
Ra/Smが0.05乃至0.5であると、所定量の現像剤が現像剤担持体上に保持力されるので画像むらが生じにくく、トナー融着が発生しにくい。
【0134】
Ra及びSmの測定は、接触式表面粗さ測定器SE−3300(小坂研究所社製)を用い、JIS−B0601に準拠して行った。
【0135】
所定の表面粗さを有する現像剤担持体を製造する方法としては、たとえば不定形又は定形粒子を砥粒として用いたサンドブラスト法、スリーブ円周方向に凹凸を形成するためにサンドペーパーでスリーブ面を軸方向に擦るサンドペーパー法、化学処理による方法、弾性樹脂でコート後樹脂凸部を形成する方法等を用いることができる。
【0136】
現像剤担持体としては公知の材料が使用できる。たとえばアルミ、ステンレス、ニッケルの如き金属またはその上にカーボン及び樹脂エラストマーをコートしたもの、天然ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、、ネオプレンゴムの如き弾性体をゴム、発砲体、スポンジ形態に加工したものまたはその上にカーボン及び樹脂エラストマー等を塗布したものが挙げられる。
【0137】
現像剤担持体に形状としては円筒状又は、シート状のものが挙げられる。
【0138】
本発明における現像方法は、特にハーフトーンを重視するようなフルカラー画像の出力において、マゼンタ用、シアン用、及びイエローの3個以上の現像器が使用され、本発明の現像剤および現像方法を用い、特にデジタル潜像を形成した現像システムと組み合わせることで、磁気ブラシの影響がなく、潜像を乱さないためにドット潜像に対して忠実に現像することが可能となる。
【0139】
さらに初期の高画質化と併せて、本発明の二成分系現像剤を用いることで現像器内の現像剤にかかるシェアが小さく、多数枚の複写においても画質低下のない本発明の効果が十分に発揮できる。
【0140】
より引き締まった画像を得るためには好ましくは、マゼンタ用、シアン用、イエロー用、ブラック用の現像器を有し、ブラックの現像が最後に行われることで引き締まった画像を呈することができる。
【0141】
本発明の現像方法をフルカラー画像形成方法に良好に実施し得る画像形成装置を図4を参照しながら説明する。
【0142】
図4に示されるカラー電子写真装置は、装置本体1の右側(図1右側)から装置本体の略中央部にわたって設けられている転写材搬送系Iと、装置本体1の略中央部に、上記転写材搬送系Iを構成している転写ドラム315に近接して設けられている潜像形成部IIと、上記潜像形成部IIと近接して配設されている現像手段(すなわち回転式現像装置)IIIとに大別される。
【0143】
上記転写材搬送系Iは、以下の様な構成となっている。上記装置本体1の右壁(図4(右側))に開口部が形成されており、該開口部に着脱自在な転写材供給用トイレ302及び303が一部機外に突出して配設されている。該トレイ302及び303の略直上部には給紙用ローラー304及び305が配設され、これら給紙用ローラー304及び305と左方に配された矢印A方向に回転自在な転写ドラム305とを連係するように、給紙ローラー306及び給紙ガイド307及び308が設けられている。上記転写ドラム315の外周面近傍には回転方向上流側から下流側に向かって当接用ローラー309、グリッパ310、転写材分離用帯電器311、分離爪312が順次配設されている。
【0144】
上記転写ドラム315の内周側には転写帯電器313、転写材分離用帯電器314が配設されている。転写ドラム315の転写材が巻き付く部分にはポリ弗化ビニリデンの如き、ポリマーで形成されている転写シート(図示せず)が貼り付けられており、転写材は該転写シート上に静電的に密着貼り付けされている。上記転写ドラム315の右側上部には上記分離爪312と近接して搬送ベルト手段316が配設され、該搬送ベルト手段316の転写材搬送方向終端(右端)には定着装置318が配設されている。該定着装置318よりもさらに搬送方向後流には装置本体301の外へと延在し、装置本体301に対して着脱自在な排出用トレイ317が配設されている。
【0145】
次に、上記潜像形成部IIの構成を説明する。図4矢印方向に回転自在な潜像担持体である感光ドラム(例えば、OPC感光ドラム)319が、外周面を上記転写ドラム315の外周面と当接して配設されている。上記感光ドラム319の上方でその外周面近傍には、該感光ドラム319の回転方向上流側から下流側に向かって除電用帯電器320、クリーニング手段321及び一次帯電器323が順次配設され、さらに上記感光ドラム319の外周面上に静電潜像を形成するためのレーザビームスキャナのごとき像露光手段324、及びミラーのごとき像露光反射手段325が配設されている。
【0146】
上記回転式現像装置IIIの構成は以下のごとくである。上記感光ドラム319の外周面と対向する位置に、回転自在な筐体(以下「回転体」という)326が配設され、該回転体326中には四種類の現像装置が周方向の四位置に搭載され、上記感光ダラム319の外周面上に形成された静電潜像を可視化(すなわち現像)するようになっている。上記四種類の現像装置は、それぞれイエロー現像装置327Y、マゼンタ現像装置327M、シアン現像装置327C及びブラック現像装置327BKを有する。
【0147】
上述したごとき構成の画像形成装置全体のシーケンスについて、フルカラーモードの場合を例として説明する。上述した感光ドラム319が図4矢印方向に回転すると、該感光ドラム319上の感光体は一次帯電器323によって帯電される。図4の装置においては、感光ドラムの周速(以下、プロセススピードとする)は100mm/sec以上(例えば、130〜250mm/sec)である。一次帯電器323による感光ドラム319に対する帯電が行われると、原稿328のイエロー画像信号にて変調されたレーザー光Eにより画像露光が行われ、感光ドラム319上に静電潜像が形成され、回転体326の回転によりあらかじめ現像位置に定置されたイエロー現像装置327Yによって上記静電潜像の現像が行われ、イエロートナー画像が形成される。
【0148】
給紙ガイド307、給紙ローラー306、給紙ガイド308を経由して搬送されてきた転写材は、所定のタイミングにてグリッパ310により保持され、当接用ローラー309と該当接用ローラー309と対向している電極とによって静電的に転写ドラム315に巻き付けられる。転写ドラム315は、感光ドラム319と同期して図3矢印方向に回転しており、イエロー現像装置327Yにより形成されたイエロートナー画像は、上記感光ドラム319の外周面と上記転写ドラム315の外周面とが当接している部位にて転写帯電器313によって転写材上に転写される。転写ドラム315はそのまま回転を継続し、次の色(図4においてはマゼンタ)の転写に備える。
【0149】
感光ドラム319は、上記除電用帯電器320により除電され、クリーニングブレードによるクリーニング手段321によってクリーニングされた後、再び一次帯電器323によって帯電され、次のマゼンタ画像信号により画像露光が行われ、静電潜像が形成される。上記回転式現像装置は、感光ドラム319上にマゼンタ画像信号による像露光により静電潜像が形成される間に回転して、マゼンタ現像装置327Mを上述した所定の現像位置に配置せしめ、所定のマゼンタトナーにより現像を行う。引き続いて、上述したごときプロセスをそれぞれシアン色及びブラック色に対しても実施し、四色のトナー像の転写が終了すると、転写材上に形成された四色顕画像は各帯電器322及び314により除電され、上記グリッパ310による転写材の把持が解除されると共に、該転写材は、分離爪312によって転写ドラム315より分離され、搬送ベルト316で定着装置318に送られ、熱と圧力により定着され一連のフルカラープリントシーケンスが終了し、所要のフルカラープリント画像が転写材の一方の面に形成される。
【0150】
このとき、定着装置318で定着動作速度は、感光ドラムの周速(例えば160mm/sec)より遅い(例えば90mm/sec)で行われる。これは、トナーが二層から四層積層された未定着画像を溶融混色させる場合、十分な加熱量をトナーに与えなければならないためで、現像速度より遅い速度で定着を行うことによりトナーに対する加熱量を多くしている。
【0151】
上記した各種測定方法について説明する。
【0152】
キャリアの粒径 走査電子顕微鏡(100〜5000倍)によりランダムに粒径0.1μm以上のキャリア粒子200個以上抽出した写真画像を拡大し、コンピューターに接続したタブレット(ワコム社製)上に拡大写真像をのせて手動により粒子の水平方向フェレ径を測定し、これを個数粒子径とする。また、コンピュータにより、個数平均粒子径及び標準偏差σを計算し、また、この条件で測定した個数基準の粒度分布より個数平均粒径の1/2倍径累積分布以下の累積割合を求め、1/2倍径累積分布以下の累積地を計算する。
【0153】
キャリアの磁気特性 理研電子(株)製の振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−30を用いて測定する。キャリア粉体の磁気特性値は1キロエルステッドの外部磁場を作り、そのときの磁化の強さを求める。キャリアは円筒状のプラスチック容器にキャリア粒子が動かないように十分密になるようにパッキングした状態に作製する。この状態で磁化モーメントを測定し、試料を入れたときの実際の重量を測定して、磁化の強さを求める。(emu/g)ついで、キャリア粒子の真比重を乾式自動密度計アキュピック1330(島津製作所(株)社製)により求め、磁化の強さ(emu/g)に真比重を掛けることで本発明の単位面積あたりの磁化の強さ(emu/cm )を求める。
【0154】
磁性コートキャリア又は磁性キャリアコア粒子の比抵抗測定 図2に示す測定装置を用いて行う。図2に示す測定装置において、21は下部電極を示し、22は上部電極を示し、23は絶縁物を示し、24は電流計を示し、25は電圧計を示し、26は定電圧装置を示し、27は測定サンプルを示し、29はガイドリングを示し、Eは抵抗測定セルを示す。
【0155】
セルEに、キャリア又はコア粒子を充填し、該充填キャリア又はコア粒子に接するように電極21及び22を配し、該電極間に電圧を印加し、そのとき流れる電流を測定することにより比抵抗を求める方法を用いる。上記測定方法においては、キャリア又はコア粒子が粉末であるために充填率に変化が生じ、それに伴い比抵抗が変化する場合があり、注意を要する。本発明における比抵抗の測定条件は、充填キャリア又はコア粒子と電極との接触面積S=約2.3cm 、厚みd=約2mm、上部電極22の荷重180g、印加電圧100Vとする。
【0156】
金属酸化物の粒径測定方法 金属酸化物の個数平均粒径は、日立製作所(株)の製透過型電子顕微鏡H−800により5000〜20000倍に拡大した写真画像を用い、ランダムに粒径0.01μm以上の粒子を300個以上抽出し、ニコレ社(株)の製の画像処理解析装置Luzex3により水平方向フェレ径をもって金属酸化物粒径として測定し、平均化処理して個数平均粒径を算出する。
【0157】
金属酸化物の比抵抗測定 キャリア比抵抗の方法に準ずる。図2のセルEに、金属酸化物を充填し、充填された金属酸化物に接するように電極21及び22を配し、該電極間に電圧を印加し、そのとき流れる電流を測定することにより比抵抗を求める。金属酸化物の充填に際して電極が試料に対して均一に接触するように上部電極21を左右に回転させつつ充填を行う。上記測定方法において比抵抗の測定条件は、充填金属酸化物と電極との接触面積S=約2.3cm 、厚みd=約2mm、上部電極22の荷重180g、印加電圧100Vとする。
【0158】
磁性コートキャリア粒子のキャリア粒子表面における金属酸化物露出密度は、5000〜10000倍に拡大した走査型電子顕微鏡S−800(日立製作所(株)製)による写真画像(加速電圧1kV)を用いて測定する。磁性コートキャリア粒子を走査顕微鏡で観測し、キャリア粒子表面半球について二次元的に単位面積当りの金属酸化物の露出個数(すなわち、表面から突出している金属酸化物粒子の個数)をカウントし、算出する。この操作をランダムに300個以上の磁性コートキャリアを抽出して平均化処理を行う。粒径0.01μm以上の突出を対象とする。
【0159】
キャリアの架橋の程度 一定量のキャリアを500℃2時間焼いた後、その前後での重量の差分を全樹脂量とする。一方、一定量のキャリアをテトラヒドロフラン(THF)に2時間浸せきした後、その前後での重量の差分を架橋していない樹脂分として、それらの値から架橋割合を下式に従い算出する。
〔(全樹脂分−架橋していない樹脂分)/全樹脂分〕×100=架橋割合(%)
【0160】
トナー中の残存モノマーの定量方法 トナー0.2gをTHF4mlに溶解し、ガスクロマトグラフィーにて以下の条件で内部標準法により測定した。
【0161】
G.C条件
・測定装置:島津GC−15A
・キャリア:N,2kg/cm ,50ml/min.split比1:60線速度30mm/sec.
・カラム :ULBON HR−1 50mm×0.25mm
・昇温 :50℃ 5min hold.5℃/mic.100℃ 10℃/min. 200℃ hold.
・試料量 :2μl
・標準試料:トルエン
【0162】
以下に、本発明で使用するトナー平均粒径及び粒度分布測定の具体例を示す。
【0163】
純水100〜150mlに界面活性剤(例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml添加し、これに測定試料を2〜20mgを添加する。試料を懸濁した電界液を超音波分散器で1〜3分間分散処理して、レーザースキャン粒度分布アナライザーCIS−100(GALAI社製)を用いて粒度分布等を測定する。本発明では0.5μm〜60μmの粒子を測定して、この条件で測定した個数平均粒径、重量平均粒径をコンピュータ処理により求め、さらに個数基準の粒度分布より個数平均粒径の1/2の倍径累積分布以下の累積割合を計算し、1/2倍径累積分布以下の累積値を求める。同様に体積基準の粒度分布より重量平均粒径の2倍径累積分布以上の累積割合を計算し、2倍径累積分布以上の累積値を求める。
【0164】
以下に、トナーの摩擦帯電量の測定方法を記載する。トナーとキャリアを適当な混合量(2〜15重量%)となるように混合し、ターブラミキサーで180秒混合する。この混合粉体(現像剤)を底部に635メッシュの導電性スクリーンを装着した金属製の容器にいれ、吸引機で吸引し、吸引前後の重量差と容器に接続されたコンデンサーに蓄積された電位から摩擦帯電量を求める。この際、吸引圧を250mmHgとする。この方法によって、摩擦帯電量を下記式を用いて算出する。
【0165】
Q(μC/g)=(C×V)×(W −W−1
(式中、W は吸引前の重量でありW は吸引後の重量であり、Cはコンデンサーの容量、及びVはコンデンサーに蓄積された電位である)。
【0166】
以下、本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0167】
【実施例】
実施例1
(i)フェノール 7.5重量部
(ii)ホルマリン溶液 11.25重量部
(ホルムアルデヒド約40%、メタノール約10%、残りは水)
(iii)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン1.0重量%で親油化処理したマグネタイト微粒子 53重量部
(平均粒径0.24μm、比抵抗5×10 Ωcm)
(iv)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン1.0重量%で親油化処理したα−Fe 微粒子 35重量部
(平均粒径0.60μm、比抵抗2×10 Ωcm)
【0168】
ここで用いたマグネタイト及びα−Fe の親油化処理は、マグネタイト99重量部及びα−Fe 99重量部のそれぞれに対して1.0重量部のγ−アミノプロピルトリメトキシシランを加え、ヘンシェルミキサー内で100℃で30分間、予備混合撹拌することによっておこなった。
【0169】
上記材料および水11重量部を40℃に保ちながら、1時間混合を行った。このスラリーに塩基性触媒として28重量%アンモニア水2.0重量部、および水11重量部をフラスコに入れ、撹拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温・保持し、3時間反応させ、フェノール樹脂を生成し硬化させた。その後、30℃まで冷却し、100重量部の水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)に180℃で乾燥して、フェノール樹脂をバインダー樹脂としたマグネタイト微粒子含有球状の磁性キャリアコア粒子を得た。この粒子を60メッシュ及び100メッシュの篩によって、粗大粒子の除去をおこない、次いでコアンダ効果を利用した多分割風力分級機(エッポジェットラボEJ−L−3、日鉄鉱業社製)を使用して微粉除去及び粗粉除去をおこない、偶数平均粒径31μmのキャリアコア粒子を得た。磁性キャリアコア粒子の架橋の程度は99%であった。得られたキャリアコアの比抵抗は、2.2×1012Ω・cmであった。
【0170】
得られたキャリアコア粒子の表面にキャリアコア粒子100重量部に対して、置換基がすべてメチル基であるストレートシリコーン樹脂0.5重量部及び、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.025重量部とを以下の方法でコートした。トルエンを溶媒として上記シリコーン樹脂組成物が10重量%になるようキャリアコート溶液を作製した。このコート溶液を剪断応力を連続して印加しつつ溶媒を揮発させてキャリアコア粒子表面へのコートを行った。この磁性コートキャリアを180℃で2時間キュアし、解砕した後100メッシュの篩で凝集した粗大粒子をカットし、次いで多分割風力分級機で微粉及び粗粉を除去して粒度分布が調整された磁性コートキャリアNo.1を得た。得られた磁性コートキャリアNo.1の個数平均粒径は31μmであり、個数平均粒径の2/3倍径以下の粒径のキャリア粒子の個数分布累積値が約0.5個数%であった。Dn/σは5.5であった。磁性コートキャリアNo.1の比抵抗は、3.1×1013Ω・cmであった。磁性コートキャリアNo.1の形状係数SF−1を測定したところ、104であった。磁性コートキャリアNo.1は1キロエルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)が130emu/cmであった。磁性コートキャリアの真比重は3.47g/cmであった。
【0171】
得られた磁性コートキャリアNo.1の金属酸化物露出密度を電子顕微鏡および画像処理装置により測定した結果、磁性コートキャリア粒子表面の平均金属酸化物露出密度は2.3個/μm であった。
【0172】
実施例2
親油化処理の量を1.0重量%を0.5重量%に変えること以外、実施例1と同様にして磁性キャリアコア粒子を作製し、個数平均粒径35μmの磁性キャリアコア粒子を得た。磁性キャリアコア粒子の架橋の程度は98%であった。得られたコア粒子の抵抗は1.5×1012Ω・cmであった。
【0173】
実施例1と同様にシリコーン樹脂のコートを施して磁性コートキャリアNo.2を得た。得られた磁性コートキャリアNo.2の個数平均粒径は35μmであり、個数平均粒径の2/3倍径以下の粒径のキャリア粒子の個数分布累積値が約1.0個数%であった。また磁性コートキャリアのDn/σは6.3であったが、実施例1に比べて若干の微粉の増加が見られた。磁性コートキャリアNo.2の比抵抗は、1.3×1013Ω・cmであった。磁性コートキャリアの形状係数SF−1は、104であった。磁性コートキャリアNo.2は1キロエルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)は131emu/cm であった。磁性コートキャリアNo.2の真比重は3.49g/cm であった。
【0174】
磁性キャリアNo.2の表面の平均金属酸化物露出密度は4.1個/μm であった。
【0175】
比較例1
実施例1で用いたα−Fe のかわりに、平均粒径の小さい親油化処理したα−Fe (平均粒径0.20μm、比抵抗2×10 Ωcm)に変える以外は、実施例1と同様にして磁性キャリアコア粒子を作製した。
【0176】
得られた磁性キャリアコアの比抵抗は、5.8×10 Ω・cmであり、個数平均粒径は30μmであった。磁性キャリアコア粒子の架橋の程度は99%であった。得られた磁性キャリアコア粒子に実施例1と同様にシリコーン樹脂のコートを施した。得られた磁性コートキャリアNo.3の個数平均粒径は30μmであり、個数平均粒径の2/3倍径以下の粒径のキャリア粒子の個数分布累積値が0個数%であり、Dn/σは5.5であった。磁性コートキャリアNo.3の比抵抗は7.2×1010Ω・cmであり、形状係数SF−1は106であり、1キロエルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)は132emu/cm であり、磁性コートキャリアNo.3の真比重は3.51g/cm であった。
【0177】
磁性コートキャリアNo.3の表面の平均金属酸化物露出密度は11.6個/μm であった。
【0178】
実施例3
(i)フェノール 7.5重量部
(ii)ホルマリン溶液 11.25重量部
(ホルムアルデヒド約40%、メタノール約10%、残りは水)
(iii)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン1.0重量%で親油化処理したマグネタイト 44重量部
(平均粒径0.24μm、比抵抗5×10 Ωcm)
(iv)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン1.0重量%で親油化処理したα−Fe 44重量部
(平均粒径0.60μm、比抵抗2×10 Ωcm)
【0179】
上記材料を水30重量部、塩基性触媒として28重量%アンモニア水2.0重量部をフラスコに入れ、予備混合することなく撹拌し混合しながら30分間で85℃まで昇温し保持し、3時間反応・硬化させた。その後、実施例1と同様にして、個数平均粒径38μmの磁性キャリアコア粒子を得た。また、磁性キャリアコア粒子の架橋の程度は99%であり、比抵抗は5.8×1012Ω・cmであった。
【0180】
得られた磁性キャリアコア粒子に実施例1と同様にしてシリコーン樹脂のコートを施した。得られた磁性コートキャリアNo.4は個数平均粒径が38μmであり、個数平均粒径の2/3倍径以下の粒径のキャリア粒子の個数分布累積値が約9個数%であり、Dn/σが3.9であり、粒度分布がやや広くなった。磁性コートキャリアNo.4は比抵抗が、5.0×1013Ω・cmであり、形状係数SF−1が104であり、1キロエルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)が103emu/cm であり、真比重は3.53g/cm であった。
【0181】
磁性コートキャリアNo.4の表面の平均金属酸化物露出密度は4.5個/μm であった。
【0182】
実施例4
(i)フェノール 7.5重量部
(ii)ホルマリン溶液 11.25重量部
(ホルムアルデヒド約40%、メタノール約10%、残りは水)
(iii)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン1.0重量%で親油化処理したマグネタイト 62重量部
(平均粒径0.24μm、比抵抗5×10 Ωcm)
(iv)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン1.0重量%で親油化処理したα−Fe 26重量部
(平均粒径0.80μm、比抵抗3×10 Ωcm)
【0183】
用いたマグネタイト及びα−Fe の親油化処理は、マグネタイト99重量部及びα−Fe 99重量部のそれぞれに対して1.0重量部のγ−アミノプロピルトリメトキシシランを加え、ヘンシェルミキサー内で100℃で30分間、混合撹拌することによっておこなった。
【0184】
上記材料および水9重量部を40℃に保ちながら、1時間混合を行った。このスラリーに塩基性触媒として28重量%アンモニア水2.2重量部、および水9重量部をフラスコに入れ、撹拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温・保持し、実施例1と同様に3時間反応させ硬化させた。その後、30℃まで冷却し、100重量部の水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)に180℃で乾燥して、フェノール樹脂をバインダー樹脂とした球状のマグネタイト含有磁性キャリアコア粒子を得た。この粒子を実施例1と同様にして分級し、個数平均粒径20μmの磁性キャリアコア粒子を得た。得られた磁性キャリアコア粒子の架橋の程度は100%であり、比抵抗は、1.0×1012Ω・cmであった。
【0185】
得られた磁性キャリアコア粒子に実施例1と同様にして1重量部のシリコーン樹脂のコートを施した。得られた磁性コートキャリアNo.5の個数平均粒径は20μmであり、個数平均粒径の2/3倍径以下の粒径のキャリア粒子の個数分布累積値が1個数%であり、Dn/σが5.4であり、非常にシャープな粒度分布のキャリアが得られた。磁性コートキャリアNo.5は比抵抗は、8.4×1012Ω・cmであり、形状係数SF−1は104であり、1キロエルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)が140emu/cm であり、真比重は3.48g/cm であった。
【0186】
磁性コートキャリアNo.5の表面の平均金属酸化物露出密度は6.6個/μm であった。
【0187】
実施例5
(i)メラミン 7.5重量部
(ii)ホルマリン溶液 11.25重量部
(ホルムアルデヒド約40%、メタノール約10%、残りは水)
(iii)イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート1.5重量%で親油化処理したマグネタイト 44重量部
(平均粒径0.24μm、比抵抗5×10 Ωcm)
(iv)イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート1.5重量%で親油化処理したα−Fe 44重量部
(平均粒径0.30μm、比抵抗3×10 Ωcm)
【0188】
上記材料および水15重量部を40℃に保ちながら、1時間混合を行った。このスラリーに塩基性触媒として28重量%アンモニア水2.5重量部、および水20重量部に変える以外は実施例1と同様にしてメラミン樹脂にマグネタイト及びヘマタイトが分散している磁性キャリアコア粒子を得た。次いで実施例1と同様にして分級し個数平均粒径が58μmの磁性キャリアコア粒子を得た。磁性キャリアコア粒子の架橋の程度は98%であり、比抵抗は、5.9×1011Ω・cmであった。
【0189】
実施例1で用いたストレートシリコーン樹脂組成物の使用量を0.4重量部に変える以外、実施例1と同様にして磁性コートキャリアNo.6を作製した。得られた磁性コートキャリアNo.6の個数平均粒径は58μmであり、個数平均粒径の2/3倍径以下の粒径のキャリア粒子の個数分布累積値が約0.8個数%であり、Dn/σが6.6であり、微粉が少ないシャープな粒度分布であった。磁性コートキャリアNo.6の比抵抗は、6.0×1012Ω・cmであり、形状係数SF−1が103であり、1キロエルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)が100emu/cm であり、真比重は3.50g/cm であった。
【0190】
磁性コートキャリアNo.6の表面の平均金属酸化物露出密度は9.8個/μm であった。
【0191】
実施例6
(i)スチレン 17重量部
(ii)ジビニルベンゼン 3重量部
(iii)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン2.0重量%で親油化処理したマグネタイト 62重量部
(平均粒径0.24μm、比抵抗5×10 Ωcm)
(iv)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン2.0重量%で親油化処理したα−Fe 18重量部
(平均粒径0.60μm、比抵抗2×10 Ωcm)
【0192】
上記材料とメタノール20重量部、水5重量部をフラスコに入れ30℃に保ちながら、1時間混合を行った。このスラリーにメタノール20重量部、水5重量部及び2,2′−アゾビスイソブチロニトリル1.2重量部を加え、撹拌、混合しながら20分間で64℃まで昇温・保持し、10時間反応・硬化させた。その後、30℃まで冷却し、200重量部のメタノールと水の混合物を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)に120℃で乾燥して、架橋ポリスチレンをバインダー樹脂とするマグネタイト微粒子及びヘマタイト微粒子含有磁性キャリアコア粒子を得た。この磁性キャリアコア粒子を60メッシュ及び100メッシュの篩によって、粗粒子を除去し、次いで多分割分級機による分級をおこなって個数平均粒径32μmの磁性キャリアコア粒子を得た。得られた磁性キャリアコア粒子の架橋の程度は86%であり、比抵抗は、3.3×1011Ω・cmであった。
【0193】
実施例1で用いたストレートシリコーン樹脂組成物を使用し実施例1と同様にして磁性コートキャリアNo.7を作製した。得られた磁性コートキャリアNo.7は個数平均粒径が32μmであり、個数平均粒径の2/3倍径以下の粒径のキャリア粒子の個数分布累積値が約1.4個数%であり、Dn/σが5.4であった。磁性コートキャリアNo.7の比抵抗は、9.9×1012・cmであり、形状係数SF−1は105であり、1キロエルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)が112emu/cm であった。
【0194】
得られた磁性コートキャリアNo.7の表面の平均金属酸化物露出密度は7.4個/μm であった。
【0195】
比較例2
ポリエステル樹脂100重量部と、マグネタイト粉500重量部と、カーボンブラック2重量部と、シリカ1.5重量部とをヘンシェルミキサーで十分混合した後、加圧ニーダーで溶融混練した。この混練物を冷却後、フェザーミルで粗粉砕した後、コーン型の(円錐のとがり具合120度)円錐部分をカットした衝突板(横からの断面図は先端が台形になる)を使用したジェットミルを用いて、粉砕エアー圧2.5kgf/cm で微粉砕し、マルチプレックスで分級して平均粒径が31μmの磁性キャリアNo.8を得た。磁性キャリアNo.8の架橋の程度は1%であり、比抵抗は、2.2×10 Ω・cmであった。磁性キャリアNo.8はシリコーン樹脂コートを施さずに用いた。磁性キャリアNo.8は、個数平均粒径の2/3倍径以下の粒径のキャリア粒子の個数分布累積値が約23.6個数%であり、Dn/σが2.3であった。磁性キャリアNo.8は、形状係数SF−1が145であり、1キロエルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)が162emu/cm であり、真比重は3.02g/cm であった。
【0196】
磁性キャリアNo.8の表面の平均金属酸化物露出密度は20.4個/μm であった。
【0197】
比較例3
モル比で、Fe =50モル%、CuO=25モル%、ZnO=25モル%になるように秤量し、ボールミルを用いて混合を行った。これを仮焼した後、ボールミルにより粉砕を行い、さらにスプレードライヤーにより造粒を行った。これを焼結し、冷却後風力分級を行い個数平均粒径が30μmの磁性キャリアコア粒子を得た。得られた磁性キャリアコア粒子の比抵抗は、4.0×10 Ω・cmであった。
【0198】
この磁性キャリアコア粒子に実施例1で用いたストレートシリコーン樹脂組成物を実施例1と同様にしてコートし、磁性コートキャリアNo.9を得た。磁性コートキャリアNo.9は個数平均粒径が30μmであり、個数平均粒径の2/3倍径以下の粒径のキャイリア粒子の個数分布累積値が約22.7個数%であった。Dn/σが2.38であった。磁性コートキャリアNo.9の比抵抗は、1.1×1010Ω・cmであり、形状係数SF−1をが116であり、1キロエルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)が289emu/cm であり、真比重は5.02g/cm であった。
【0199】
参考例
γ−アミノプロピルトリメトキシシランで親油化処理していないマグネタイト微粒子及びα−Fe 微粒子を使用することを除いて、実施例1と同様にして磁性キャリアコア粒子を得、次いで多分割分級機による分級をおこなわない磁性キャリアコア粒子を実施例1と同様にしてストレートシリコン樹脂で表面を被覆して磁性コートキャリアNo.10を調製した。磁性コートキャリアNo.s:1〜10の物性を表1に示す。
【0200】
【表1】
Figure 0003595648
【0201】
トナーの製造例1
イオン交換水710重量部に、0.1M−Na PO 水溶液450重量部を投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌した。これに1.0M−CaCl 水溶液68重量部を徐々に添加し、Ca (PO を含む水系媒体を得た。
【0202】
スチレン 165重量部
n−ブチルアクリレート 35重量部
C.I.ピグメントブルー15:3(着色剤) 15重量部
ジアルキルサリチル酸金属化合物(荷電制御剤) 5重量部
飽和ポリエステル(極性樹脂) 10重量部
エステルワックス(融点70℃) 50重量部
【0203】
上記材料を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、11000rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10重量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0204】
水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃、N 雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて11000rpmで10分間攪拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、バドル攪拌翼で攪拌しつつ、80℃に昇温し、10時間反応させた。重合反応終了後、減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、塩酸を加えてリン酸カルシウムを溶解した後、ろ過、水洗、乾燥をして、シアントナー粒子を得た。得られたシアントナー粒子100重量部に対して、BET法による比表面積が、200m /gである疎水化処理酸化チタンを1.6重量部外添し、シアントナーAを得た。シアントナーAは、重量平均径(D4)が6.0μm、個数平均粒径(D1)が4.7μmであり、個数平均粒径の1/2倍径以下の分布累積値が6.9個数%であり、重量平均粒径の2倍径以上の分布累積値が0体積%であり、形状係数SF−1は103であり、残存モノマー量は400ppmであった。エステルワックスはトナー粒子内に内包化されており、コア/シェル構造をトナー粒子は有していた。
【0205】
トナーの製造例2
トナーの製造例1と同一処方で、造粒時のホモミキサーの回転数を13000rpmに変える以外トナーの製造例と同様にしてシアントナー粒子を作製した。また、BET法による比表面積が200m /gである疎水化処理酸化チタンを2.5重量部を外添してシアントナーBを得た。
【0206】
得られたシアントナーBは重量平均径(D4)約4.9μm、個数平均粒径(D1)が3.8μmであり、個数平均粒径の1/2倍径以下の分布累積値が6.3個数%であり、重量平均粒径の2倍径以上の分布累積値が0体積%であり、形状係数SF−1は104であり、残存モノマー量は620ppmであった。また、エステルワックスはトナー粒子内に内包化されており、コア/シェル構造をトナー粒子は有していた。
【0207】
トナーの製造例3
イオン交換水710重量部に、0.1M−Na PO 水溶液450重量部を投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌した。これに1.0M−CaCl 水溶液68重量部を徐々に添加し、Ca (PO を含む水系媒体を得た。
【0208】
スチレン 165重量部
n−ブチルアクリレート 35重量部
C.I.ピグメントブルー15:3 15重量部
ジアルキルサリチル酸金属化合物 3重量部
飽和ポリエステル(酸価14,ピーク分子量;8000) 10重量部
エステルワックス(融点70℃) 10重量部
【0209】
上記材料を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10重量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0210】
水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃、N 雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで10分間攪拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、バドル攪拌翼で攪拌しつつ、60℃に昇温し、6時間反応させた。重合反応終了後、冷却し、塩酸を加えリン酸カルシウムを溶解させた後、ろ過、水洗、乾燥をして、シアントナー粒子を得た。得られたシアントナー粒子100重量部に対して、BET法による比表面積が、200m /gである疎水化処理酸化チタンを1.5重量部外添し、シアントナーCを得た。得られたシアントナーCは重量平均径(D4)約6.4μm、個数平均粒径(D1)が5.0μmであり、個数平均粒径の1/2倍径以下の分布累積値が8.1個数%であり、重量平均粒径の2倍径以上の分布累積値が0体積%であり、形状係数SF−1が105であり、残存モノマー量は2400ppmであった。
【0211】
トナーの製造例4
ポリエステル樹脂を100重量部、C.I.ピグメントブルー15:3を5重量部、ジアルキルサリチル酸金属化合物5重量部、低分子量ポリプロピレン5重量部をヘンシェルミキサーにより混合し、ペントロを吸引ポンプに接続し吸引しつつ、二軸押し出し機にて溶融混練を行った。
【0212】
この溶融混練物を、ハンマーミルにて粗砕し1mmのメッシュパスの粗砕物をえた。さらに、ジェットミルにて微粉砕を行った後、多分割分級機(エルボウジェット)により、分級を行いシアントナー粒子を得た。このシアントナー粒子100重量部に対して、BET法による比表面積が、200m /gである疎水化処理酸化チタンを1.2重量部ヘンシェルミキサーにより混合しシアントナーDを得た。得られたシアントナーは重量平均径(D4)が7.8μmであり、個数平均粒径(D1)が5.6μmであり、個数平均粒径の1/2倍径以下の分布累積値が10.2個数%であり、重量平均粒径の2倍径以上の分布累積値が0.3体積%であり、形状係数SF−1は145であり、残存モノマー量は440ppmであった。
【0213】
トナーの製造例5
トナーの製造例1で用いたシアン顔料を、C.I.ピグメントイエロー17の4.5重量部に変える以外、トナーの製造例1と同様にしてイエロートナー粒子を作製した。イエロートナー粒子100重量部に対して、トナーの製造例1と同様にして、BET法による比表面積が、200m /gである疎水化処理酸化チタンを1.6重量部外添し、イエロートナーEを得た。イエロートナーEは、重量平均径(D4)が5.9μmであり、個数平均粒径(D1)が4.7μmであり、個数平均粒径の1/2倍径以下の分布累積値が6.2個数%であり、重量平均粒径の2倍径以上の分布累積値が0体積%であり、形状係数SF−1は102であり、残存モノマー量は440ppmであった。また、エステルワックスはトナー粒子内に内包化されており、コア/シェル構造をトナー粒子は有していた。
【0214】
トナーの製造例6
トナーの製造例1で用いた顔料を、C.I.ピグメントレッド202の5重量部に変える以外、トナーの製造例1と同様にしてマゼンタトナー粒子を作製した。マゼンタトナー粒子100重量部に対して、トナーの製造例1と同様にして、BET法による比表面積が200m /gである疎水化処理酸化チタンを1.6重量部外添し、マゼンタトナーFを得た。マゼンタトナーFは、重量平均径(D4)が6.2μmであり、個数平均粒径(D1)が4.9μmであり、個数平均粒径の1/2倍径以下の分布累積値が6.5個数%であり、重量平均粒径の2倍径以上の分布累積値が0体積%であり、形状係数SF−1は103であり、残存モノマー量は390ppmであった。また、エステルワックスは、トナー粒子内に内包化されており、コア/シェル構造をトナー粒子は有していた。
【0215】
トナーの製造例7
トナーの製造例1で用いたシアン顔料を、グラフトカーボンブラックの4重量部に変える以外、トナーの製造例1と同様にして非磁性ブラックトナー粒子を作製した。ブラックトナー粒子100重量部に対して、トナー製造例1と同様にして、BET法による比表面積が、200m /gである疎水化処理酸化チタンを1.6重量部外添し、ブラックトナーGを得た。
【0216】
ブラックトナーGは、重量平均径(D4)が6.1μm、個数平均粒径(D1)が4.7μmであり、個数平均粒径の1/2倍径以下の分布累積値が8.3個数%であり、重量平均粒径の2倍径以上の分布累積値が0体積%であり、形状係数SF−1は103であり、残存モノマー量は480ppmであった。また、エステルワックスは、トナー粒子内に内容化されており、コア/シェル構造をトナー粒子は有していた。
【0217】
トナーA乃至Gの物性を表2に示す。
【0218】
【表2】
Figure 0003595648
【0219】
実施例7
磁性コートキャリアNo.1とシアントナーA、イエロートナーE、マゼンタトナーF、ブラックトナーGとをそれぞれトナー濃度8.0重量%となる様に混合し磁気ブラシ現像用二成分系現像剤を調製した。各色の現像剤をキヤノン製フルカラーレーザー複写機CLC−500改造機を用いて画像出し試験を行った。改造機の現像部周辺を図一に示す。現像器の現像スリーブ(現像剤担持体)1と現像剤規制部材(磁性ブレード)2との距離Aを550μm、現像スリーブ1と静電潜像担持体(OPC感光ドラム)3との距離Bを500μmとした。このときの現像ニップは5.5mmであった。また、現像スリーブ1とOPC感光ドラム3との周速比は2.0:1、現像スリーブ1の現像極S1の磁場が1キロエルステッド、現像条件は、交番電界2000V(ピーク間電圧)、周波数2200Hzの矩形波であり、現像バイアス−450Vとなるように設定した。さらに、トナー現像コントラスト(Vcont)330V(絶対値)、カブリ取り電圧(Vback)80V(絶対値)とした。また、OPC感光ドラムの一次帯電は−530Vとした。さらに、現像スリーブ1(材質:SUS、日立金属製、直径25mm)の表面をニューマブラスター(不二製作所製)を用いてサンドブラストし、Ra=2.1μm、Sm=29.7μmのブラスト現像スリーブ(Ra/Sm=0.07)を製造した現像器を用いて上記の現像条件で、OPC感光ドラム上のデジタル潜像(スポツト径64μm)の静電荷像を反転現像法により現像した。また、フッ素ゴムの表面層を有する定着ローラーに変え、オイルの塗布をせずに定着を行った。
【0220】
その結果、ベタ画像の濃度がシアン画像、イエロー画像、マゼンタ画像、ブラック画像においてそれぞれ1.51、1.56、1.53、1.52と高く、また、各色のハーフトーン部の再現性も良好であった。さらに、キャリア付着による非画像部の画像の乱れやカブリは認められなかった。
【0221】
40000枚の耐久試験を行った。この後、初期の画出し試験と同様に画像出しを行った。この結果、ベタ画像の濃度がシアン、イエロー、マゼンタ、ブラックそれぞれ1.52、1.55、1.52、1.50と初期とほぼ変わらず高く、ハーフトーン部の再現性も良好であった。さらに、キャリア付着も認められなかった。シアン用の二成分系現像剤のSEM像を観察すると、初期のキャリア表面とほぼ同様な表面状態を呈していた。また、分散している金属酸化物の脱離も認められなかった。
【0222】
さらに、カブリ取り電圧(Vback)を180Vに上げてもキャリア付着は発生しなかった。結果を表3及び表4に示す。
【0223】
さらにシアン用二成分系現像剤について低温低湿(15℃/10%RH)、常温常湿(23.5℃/60%RH)、高温高湿(30℃/80%RH)での帯電量測定を行った結果、それぞれ、−30.1μc/g、−29.0μc/g、−27.8μc/gであり、良好な環境安定性を示した。
【0224】
実施例8
磁性コートキャリアNo.2を使用することを除いて、実施例7と同様にして各色の二成分系現像剤を調製し、次いで実施例7と同様にして評価試験をおこなった。
【0225】
その結果、ベタ画像の濃度がシアン画像、イエロー画像、マゼンタ画像、ブラック画像においてはそれぞれ1.47、1.49、1.47、1.47と高く、また、各色のハーフトーン部の再現性も良好であった。さらに、キャリア付着による非画像部の画像の乱れやカブリは認められなかった。
【0226】
40000枚の耐久試験を行った。この後、初期の画出し試験と同様に画像出しを行った。この結果、ベタ画像の濃度がシアン画像、イエロー画像、マゼンタ画像、ブラック画像においてそれぞれ1.50、1.49、1.52、1.48と初期と同様に高く、ハーフトーン部の再現性も良好であった。さらに、キャリア付着も認められなかった。シアン用二成分系現像剤のSEM像を観察すると、初期のキャリア表面とほぼ同様な表面状態を呈していた。また、分散している金属酸化物の脱離も認められなかった。さらにシアン用二成分系現像剤について実施例7と同様にして低温低湿、常温常湿、高温高湿での帯電量測定を行った結果、それぞれ、−30.3μc/g、−28.8μc/g、−27.4μc/gであり、良好な環境安定性を示した。
【0227】
比較例3
磁性コートキャリアNo.3(比較例)を使用することを除いて、実施例7と同様にして各色の二成分系現像剤を調製し、次いで実施例7と同様にして評価試験をおこなった。
【0228】
その結果、ベタ画像の濃度がシアン画像、イエロー画像、マゼンタ画像、ブラック画像においては、それぞれ1.45、1.44、1.45、1.46と高かったが、各色のハーフトーン部の再現性がやや劣った。さらに、キャリア付着を生じており、非画像部にカブリが若干生じていた。
【0229】
40000枚の耐久試験を行った。この後、初期の画出し試験と同様に画像出しを行った。この結果、ベタ画像の濃度がシアン画像、イエロー画像、マゼンタ画像、ブラック画像においてそれぞれ1.50、1.48、1.47、1.47と初期と同様であったが、ハーフトーン部の再現性、キャリア付着は初期同様に悪かった。さらにシアン用二成分系現像剤について実施例1と同様にして低温低湿、常温常湿、高温高湿での帯電量測定を行った結果、それぞれ、−31.6μc/g、−30.3μc/g、−27.7μc/gであった。
【0230】
実施例9
磁性コートキャリアNo.4を使用することを除いて、実施例7と同様にして各色の二成分系現像剤(トナー濃度7.5重量%)を調製し、次いで実施例7と同様にして評価試験をおこなった。
【0231】
その結果、ベタ画像の濃度がシアン画像、イエロー画像、マゼンタ画像、ブラック画像においてそれぞれ1.48、1.51、1.48、1.52と高く、また、各色のハーフトーン部の再現性も良好であった。さらに、キャリア付着による非画像部の画像の乱れやカブリは認められなかった。
【0232】
実施例7と同様に40000枚の耐久試験を行った。この後、初期の画出し試験と同様に画像出しを行った。この結果、ベタ画像の濃度がシアン画像、イエロー画像、マゼンタ画像、ブラック画像においてそれぞれ1.50、1.53、1.47、1.49と初期と同様に高く、ハーフトーン部の再現性も良好であった。さらに、キャリア付着も認められなかった。シアン現像剤のSEM像を観察すると、初期のキャリア表面とほぼ同様な表面状態を呈していた。また、分散している金属酸化物の脱離も認められなかった。さらにシアン用二成分系現像剤について実施例7と同様にして低温低湿、常温常湿、高温高湿での帯電量測定を行った結果、それぞれ、−31.6μc/g、−29.6μc/g、−27.5μc/gであり、若干環境差が広がったが、実用上は問題なかった。
【0233】
実施例10
磁性コートキャリアNo.5を使用することを除いて、実施例7と同様にして各色の二成分系現像剤(トナー濃度9.5重量%)を調製し、次いで実施例7と同様にして評価試験をおこなった。
【0234】
その結果、ベタ画像の濃度がシアン画像、イエロー画像、マゼンタ画像、ブラック画像においてそれぞれ1.53、1.55、1.53、1.56と高く、また、各色のハーフトーン部の再現性も非常に良好であった。さらに、キャリア付着やカブリもなく良好であった。
【0235】
実施例7と同様に40000枚の耐久試験を行った。この後、初期の画出し試験と同様に画像出しを行った。この結果、ベタ画像の濃度がシアン画像、イエロー画像、マゼンタ画像、ブラック画像がそれぞれ1.52、1.54、1.53、1.52と初期と同様に高く、ハーフトーン部の再現性も良好であった。さらに、キャリア付着やカブリも良好であった。シアン用二成分系現像剤のSEM像を観察すると、初期のキャリア表面とほぼ同様な表面状態を呈していた。また、分散している金属酸化物の脱離も認められなかった。さらにシアン用二成分系現像剤について実施例7と同様にして低温低湿、常温常湿、高温高湿での帯電量測定を行った結果、それぞれ、−28.8μc/g、−27.8μc/g、−26.0μc/gであり、実施例7と同様に良好であった。
【0236】
実施例11
磁性コートキャリアNo.6を使用することを除いて、実施例7と同様にして各色の二成分系現像剤(トナー濃度5重量%)を調製し、次いで実施例7と同様にして評価試験をおこなった。
【0237】
このキャリアを実施例1と同様にして各色のトナーとトナー濃度5重量%になるように現像剤化して評価を行った。この結果、ベタ画像の濃度がシアン画像、イエロー画像、マゼンタ画像、ブラック画像においてそれぞれ1.54、1.47、1.44、1.46と高く、また、各色のハーフトーン部の再現性も実施例7には及ばないけれど良好であった。さらに、キャリア付着やカブリもなく良好であった。
【0238】
実施例7と同様に40000枚の耐久試験を行った。この後、初期の画出し試験と同様に画像出しを行った。この結果、ベタ画像の濃度がシアン画像、イエロー画像、マゼンタ画像、ブラック画像においてそれぞれ1.45、1.48、1.46、1.49と初期と同様に高く、ハーフトーン部の再現性も良好であり、キャリア付着やカブリもなく良好であった。シアン用二成分系現像剤のSEM像を観察すると、初期のキャリア表面とほぼ同様な表面状態を呈していた。また、分散している金属酸化物の脱離も認められなかった。さらにシアン用二成分系現像剤について実施例7と同様にして低温低湿、常温常湿、高温高湿での帯電量測定を行った結果、それぞれ、−32.5μc/g、−31.3μc/g、−29.9μc/gであり、実施例7と同様に良好であった。
【0239】
実施例12
磁性コートキャリアNo.7を使用することを除いて、実施例7と同様にして各色の二成分系現像剤を調製し、次いで実施例7と同様にして評価試験をおこなった。
【0240】
その結果、ベタ画像の濃度がシアン画像、イエロー画像、マゼンタ画像、ブラック画像において、それぞれ1.49、1.52、1.47、1.47と高く、また、各色のハーフトーン部の再現性も実施例7と同様に良好であった。さらに、キャリア付着やカブリもなく良好であった。
【0241】
実施例7と同様に40000枚の耐久試験を行った。この後、初期の画出し試験と同様に画像出しを行った。この結果、ベタ画像の濃度がシアン画像、イエロー画像、マゼンタ画像、ブラック画像においてそれぞれ、1.50、1.51、1.49、1.50と初期と同様に高く、ハーフトーン部の再現性も良好であり、キャリア付着やカブリもなく良好であった。シアン用二成分系現像剤のSEM像を観察すると、初期のキャリア表面とほぼ同様な表面状態を呈していた。また、分散している金属酸化物の脱離も認められなかった。さらにシアン用二成分系現像剤について実施例7と同様にして低温低湿、常温常湿、高温高湿での帯電量測定を行った結果、それぞれ、−30.5μc/g、−28.9μc/g、−27.0μc/gであり、良好であった。
【0242】
比較例4
磁性コートキャリアNo.8を使用することを除いて、実施例7と同様にして各色の二成分系現像剤を調製し、次いで実施例7と同様にして評価試験を行った。
【0243】
その結果、ベタ画像の濃度がシアン画像、イエロー画像、マゼンタ画像、ブラック画像においてそれぞれ1.44、1.46、1.45、1.46と高かったが、各色のハーフトーン部の再現性(ドットの乱れ)がやや劣った。さらに、キャリア付着やカブリを生じた。
【0244】
実施例7と同様に40000枚の耐久試験を行った。この後、初期の画出し試験と同様に画像出しを行った。その結果、ベタ画像濃度がシアン画像、イエロー画像、マゼンタ画像、ブラック画像においてそれぞれ1.50、1.51、1.49、1.51と初期に比べやや高くなる傾向にあり、ハーフトーン部の再現性、キャリア付着は初期同様に悪かった。さらにシアン用二成分系現像剤について実施例7と同様にして低温低湿、常温常湿、高温高湿での帯電量測定を行った結果、それぞれ、−35.2μc/g、−31.7μc/g、−27.7μc/gと環境差が大きかった。
【0245】
比較例5
磁性コートキャリアNo.9を使用することを除いて、実施例7と同様にして各色の二成分系現像剤を調製し、次いで実施例7と同様にして評価試験を行った。
【0246】
その結果、ベタ画像の濃度がシアン画像、イエロー画像、マゼンタ画像、ブラック画像においてそれぞれ1.45、1.46、1.44、1.45と高かったが、各色のハーフトーン部の再現性(ドットの乱れ)がやや劣った。さらに、キャリア付着を若干生じ、カブリを生じた。
【0247】
実施例7と同様に40000枚の耐久試験を行った。この後、初期の画出し試験と同様に画像出しを行った。その結果、ベタ画像の濃度がシアン画像、イエロー画像、マゼンタ画像、ブラック画像においてそれぞれ1.49、1.49、1.47、1.48と初期に比べやや高くなる傾向にあり、キャリア付着は問題なかったが、ハーフトーン部の再現性、カブリは初期に比べさらに悪くなった。さらにシアン用二成分系現像剤について実施例7と同様にして低温低湿、常温常湿、高温高湿での帯電量測定を行った結果、それぞれ、−33.6μc/g、−31.5μc/g、−27.2μc/gと実施例1に比べ環境差が大きかった。
【0248】
実施例13
シアントナーBを使用することを除いて実施例7と同様にしてシアン用二成分系現像剤を調製し、次いで実施例7と同様にして評価試験をおこなった。
【0249】
その結果、ベタ画像の濃度が1.49と高かった。ハーフトーン部の再現性に特に優れていた。さらに、キャリア付着やカブリは生じていなかった。結果を表3及び4に示す。
【0250】
実施例14
シアントナーCを使用することを除いて実施例7と同様にしてシアン用二成分系現像剤を調製し、次いで実施例7と同様にして評価試験をおこなった。結果を表3及び4に示す。
【0251】
実施例15
シアントナーDを使用することを除いて実施例7と同様にしてシアン用二成分系現像剤を調製し、次いで実施例7と同様にして評価試験をおこなった。結果を表3及び4に示す。
【0252】
参考試験
磁性コートキャリアNo.10を使用することを除いて、実施例と同様にして各色の二成分系現像剤を調製し、次いで実施例7と同様にして評価試験をおこなった。結果を表3及び4に示す。
【0253】
【表3】
Figure 0003595648
【0254】
【表4】
Figure 0003595648
【0255】
(1)画像濃度:
画像濃度はSPIフィルターを装着したマクベス社製マクベスカラーチェッカーRD−1255を使用して、普通紙上に形成された画像の相対濃度として測定した。
【0256】
(2)ハーフトーン部のガサツキの度合い:
オリジナル画像及び標準サンプルを参考にして目視により評価した。
【0257】
(3)キャリア付着:
ベタ白画像を画出しし、現像部とクリーナ部との間の感光ドラム上の部分を透明な接着テープを密着させてサンプリングし、5cm×5cm中の感光ドラム上に付着していた磁性キャリア粒子の個数をカウントし、1cm あたりの付着キャリアの個数を算出する。
【0258】
A(優):10個未満/cm 未満
B(良):10個〜20個未満/cm
C(可):20個〜50個未満cm
D(やや悪い):50個〜100未満/cm
E(悪い):100個以上/cm
【0259】
(4)カブリ:
画出し前の普通紙の平均反射率Dr(%)を東京電色株式会社製デンシトメータTC−6MCによって測定した。一方、普通紙上にベタ白画像を画出しし、次いでベタ白画像の反射率D (%)を測定した。カブリ(%)は下記式
fog(%)=Dr(%)−D (%)
から算出する。
【0260】
A(優):1.0(%)未満
B(良):1.0〜1.5(%)未満
C(可):1.5〜2.0(%)未満
D(やや悪い):2.0〜3.0(%)未満
E(悪い):3.0(%)以上
【0261】
【発明の効果】
本発明は、キャリアの粒度分布制御、コア抵抗のアップ化、および表面コートを施した磁性コートキャリアに関し、画質、特に高画像濃度、ハーフトーン部のガサツキ等を良好にすると共にキャリア付着やカブリのない良好な画像を提供し、さらに多数枚の写真によっても現像剤の劣化もなく、耐久後の画質劣化を防止する効果があり、現像担持体表面のトナー融着を抑制し得る磁性コートキャリア、二成分系現像及び現像方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の現像部を示す概略的説明図である。
【図2】キャリア,キャリアコア及び非磁性金属酸化物及び比磁性金属酸化物の非抵抗を測定するための装置の模式図である。
【図3】現像担持体表面を模式的に示した説明図である。
【図4】本発明の現像方法を適用し得るフルカラー画像形成装置の概略的説明図である。
【符号の説明】
1 現像スリーブ
2 現像剤規制部材
3 感光ドラム
4 磁石
5 攪拌器
6 攪拌器
7 現像容器
11 トナー
12 現像剤
A 現像スリーブと現像剤規制部材との距離
B 現像スリーブと感光ドラムとの距離
C 現像ニップ
21 下部電極
22 上部電位
23 絶縁物
24 電流計
25 電圧計
26 定電圧装置
27 キャリア
28 ガイドリング
d 試料厚み
E 抵抗測定セル

Claims (60)

  1. バインダー樹脂及び磁性金属酸化物粒子を少なくとも有する磁性キャリアコア粒子と、該磁性キャリアコア粒子の表面を被覆している被覆層とを有する磁性コートキャリアにおいて、
    磁性金属酸化物粒子は、表面が親油化処理されてあり、
    磁性キャリアコア粒子は、比抵抗が1×1010Ω・cm以上であり、
    磁性コートキャリアは、比抵抗が1×1012Ω・cm以上であり、
    磁性コートキャリアは、個数平均粒径Dが5〜100μmであり、
    磁性コートキャリアは、個数分布において、下記式
    /σ≧3.5
    〔式中、Dは磁性コートキャリアの個数平均粒径を示し、σは磁性コートキャリアの個数分布における標準偏差を示す。〕
    を満足し、
    【外1】
    Figure 0003595648
    以下の粒径の磁性コートキャリア粒子の含有量が10個数%以下であることを特徴とする磁性コートキャリア。
  2. バインダー樹脂は架橋構造を有する請求項1の磁性コートキャリア。
  3. バインダー樹脂が熱硬化型樹脂である請求項1又は2の磁性コートキャリア。
  4. 被覆層が樹脂で形成されている請求項1乃至3のいずれかの磁性コートキャリア。
  5. 磁性キャリアコア粒子が重合法により得られ、形状係数SF−1が100〜130の範囲にある請求項1乃至4のいずれかの磁性コートキャリア。
  6. 磁性金属酸化物粒子はシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤または界面活性剤からなる群の中から選ばれる1種または2種以上で親油化処理されている請求項1乃至5のいずれかの磁性コートキャリア。
  7. 磁性キャリアコア粒子が、少なくとも2種以上の金属酸化物粒子を含有し、金属酸化物総量の割合が該キャリアコア粒子に対して50〜99重量%であり、該金属酸化物粒子の一方は強磁性体であり、他方は該強磁性体より高抵抗の非磁性金属酸化物粒子であり、強磁性体の個数平均粒径に対して該高抵抗金属酸化物の個数平均粒径が1倍を越え乃至5倍以下であり、該磁性キャリアコア粒子中の金属酸化物粒子総量に対して強磁性体の割合が30〜95重量%であり、1キロエルステッドにおける磁性コートキャリアの磁化の強さが40〜250emu/cmである請求項1乃至6のいずれかの磁性コートキャリア。
  8. 磁性キャリアコア粒子を形成するバインダー樹脂がフェノール系樹脂である請求項1乃至7のいずれかの磁性コートキャリア。
  9. 強磁性体はマグネタイトであり、高抵抗金属酸化物の少なくとも1つがヘマタイトである請求項7または8の磁性コートキャリア。
  10. 磁性コートキャリア粒子は表面の金属酸化物の平均露出密度が0.1〜10個/μmである請求項7乃至9のいずれかの磁性コートキャリア。
  11. 磁性コートキャリアは個数平均粒径が10〜70μmである請求項1乃至10のいずれかの磁性コートキャリア。
  12. 磁性コートキャリアは、形状係数SF−1が100〜130である請求項1乃至11のいずれかの磁性コートキャリア。
  13. 磁性コートキャリアはD/σが4.0以上である請求項1乃至12のいずれかの磁性コートキャリア。
  14. 強磁性体は個数平均粒径が0.02〜2μmである請求項7乃至13のいずれかの磁性コートキャリア。
  15. 非磁性金属酸化物粒子は個数平均粒径が0.05〜5μmである請求項7乃至14のいずれかの磁性コートキャリア。
  16. 強磁性体は、比抵抗が1×10Ω・cm以上である請求項7乃至15のいずれかの磁性コートキャリア。
  17. 非磁性金属酸化物粒子は、比抵抗が1×10Ω・cm以上である請求項7乃至16のいずれかの磁性コートキャリア。
  18. 非磁性金属酸化物粒子は、比抵抗が1×1010Ω・cm以上である請求項7乃至16のいずれかの磁性コートキャリア。
  19. 強磁性体は、金属酸化物を基準にして30〜95重量%含有されている請求項7乃至18のいずれかの磁性コートキャリア。
  20. 磁性金属酸化物粒子は、アミノ基を有するシランカップリング剤で処理されている請求項1乃至19のいずれかの磁性コートキャリア。
  21. アミノ基を有するシランカップリング剤は、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン及びN−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランからなるグループから選択される化合物である請求項20の磁性コートキャリア。
  22. 磁性金属酸化物粒子は、疎水性基を有するシランカップリング剤で処理されている請求項1乃至19のいずれかの磁性コートキャリア。
  23. 疎水性基を有するシランカップリング剤は、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、フェニル基、ハロゲン化フェニル基又はアルキルフェニル基を有するシランカップリング剤である請求項22の磁性コートキャリア。
  24. 疎水性基を有するシランカップリング剤は、下記式で示されるアルコキシシランである請求項22の磁性コートキャリア。
    SiY
    〔式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1〜3の整数を示し、Yはアルキル基又はビニル基を示し、nは1〜3の整数を示す。〕
  25. 疎水性基を有するシランカップリング剤が、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン及びビニルトリス(β−メトキシ)シランからなるグループから選択される化合物である請求項22の磁性コートキャリア。
  26. 疎水性基を有するシランカップリング剤が、ビニルトリクロルシラン、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、プロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン及びクロルメチルジメチルクロルシランからなるグループから選択される化合物である請求項22の磁性コートキャリア。
  27. 磁性金属酸化物粒子は、エポキシ基を有するシランカップリング剤で処理されている請求項1乃至19のいずれかの磁性コートキャリア。
  28. エポキシ基を有するシランカップリング剤は、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン及びβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランからなるグループから選択される化合物である請求項27の磁性コートキャリア。
  29. 磁性金属酸化物粒子は、100重量部当りシランカップリング剤又はチタネートカップリング剤0.1〜10重量部で親油化処理されている請求項1乃至28のいずれかの磁性コートキャリア。
  30. 磁性金属酸化物粒子は、100重量部当りシランカップリング剤又はチタネートカップリング剤0.2〜6重量部で処理されている請求項29の磁性コートキャリア。
  31. 磁性コートキャリアは、1キロエルステッドの磁化の強さが40〜250emu/gである請求項1乃至30の磁性コートキャリア。
  32. 磁性コートキャリアは、1キロエルステッドの磁化の強さが50〜230emu/gである請求項31の磁性コートキャリア。
  33. バインダー樹脂及び磁性金属酸化物粒子を少なくとも有する磁性キャリアコア粒子と、該磁性キャリアコア粒子の表面を被覆している被覆層とを有する磁性コートキャリアとトナーとを有する二成分系現像剤であって
    該磁性キャリアコア粒子に含有される磁性金属酸化物粒子は、表面が親油化処理されてあり、
    磁性キャリアコア粒子は、比抵抗が1×1010Ω・cm以上であり、
    磁性コートキャリアは、比抵抗が1×1012Ω・cm以上であり、
    磁性コートキャリアは、個数平均粒径Dが5〜100μmであり、
    磁性コートキャリアは、個数分布において、下記式
    /σ≧3.5
    〔式中、Dは磁性コートキャリアの個数平均粒径を示し、σは磁性コートキャリアの個数分布における標準偏差を示す。〕
    を満足し、
    【外2】
    Figure 0003595648
    以下の粒径の磁性コートキャリア粒子の含有量が10個数%以下であることを特徴とする二成分系現像剤。
  34. 該磁性コートキャリアが、請求項2乃至32のいずれかに記載の磁性コートキャリアである請求項33の二成分系現像剤。
  35. トナーは、重量平均粒径(D4)が1〜10μmである請求項33又は34の二成分系現像剤。
  36. トナーは、重量平均粒径が3〜8μmである請求項33又は34の二成分系現像剤。
  37. トナーは、個数平均粒径の1/2倍以下の粒径のトナー粒子の分布累積値が20個数%以下であり、重量平均粒径の2倍以上の粒径のトナー粒子の分布累積値が10体積%以下である請求項33乃至36のいずれかの二成分系現像剤。
  38. 磁性コートキャリアは個数平均粒径が15〜50μmであり、トナーは、重量平均粒径が3〜8μmである請求項33乃至37のいずれかの二成分系現像剤。
  39. トナーは、形状係数SF−1が100〜140であり、残存モノマー含有量が1000ppm以下である請求項33乃至38のいずれかの二成分系現像剤。
  40. トナーは、残存モノマー含有量が500ppm以下である請求項33乃至39のいずれかの二成分系現像剤。
  41. トナーは、形状係数SF−1が100〜130であり、残存モノマー含有量が300ppm以下である請求項33乃至38のいずれかの二成分系現像剤。
  42. トナーは、トナー粒子を有し、トナー粒子はコア/シェル構造を有する請求項33乃至41のいずれかの二成分系現像剤。
  43. トナー粒子は、コアが低軟化点物質で形成され、低軟化点物質は融点が40〜90℃である請求項33乃至42のいずれかの二成分系現像剤。
  44. トナー粒子は、低軟化点物質を5〜30重量%含有している請求項43の二成分系現像剤。
  45. トナーは、個数平均粒径0.2μm以下の外添剤が外添されている請求項33乃至44のいずれかの二成分系現像剤。
  46. トナーは、トナー粒子100重量部当り0.01〜10重量部の外添剤が外添されている請求項45の二成分系現像剤。
  47. トナーは、トナー粒子100重量部当り0.05〜5重量部の外添剤が外添されている請求項45の二成分系現像剤。
  48. トナーは、絶対値で5〜100μC/gの摩擦帯電量を有する請求項33乃至47のいずれかの二成分系現像剤。
  49. トナーは、絶対値で5〜60μC/gの摩擦帯電量を有する請求項33乃至47のいずれかの二成分系現像剤。
  50. トナーと磁性コートキャリアとを有する二成分系現像剤を磁界発生手段を内包している現像剤担持体上に担持し、該現像剤担持体上に二成分系現像剤の磁気ブラシを形成し、磁気ブラシを静電荷像担持体に接触させ、直流及び交番電界を現像剤担持体に印加しながら静電潜像担持体の静電荷像を現像する現像方法であり、
    磁性キャリアは、バインダー樹脂及び磁性金属酸化物粒子を少なくとも有する磁性キャリアコア粒子と、該磁性キャリアコア粒子の表面を被覆している被覆層とを有する磁性コートキャリアであり、
    磁性金属酸化物粒子は、表面が親油化処理されてあり、
    磁性キャリアコア粒子は、比抵抗が1×1010Ω・cm以上であり、
    磁性コートキャリアは、比抵抗が1×1012Ω・cm以上であり、
    磁性コートキャリアは、個数平均粒径Dが5〜100μmであり、
    磁性コートキャリアは、個数分布において、下記式
    /σ≧3.5
    〔式中、Dは磁性コートキャリアの個数平均粒径を示し、σは磁性コートキャリアの個数分布における標準偏差を示す。〕
    を満足し、
    【外3】
    Figure 0003595648
    以下の粒径の磁性コートキャリア粒子の含有量が10個数%以下であることを特徴とする現像方法。
  51. 該磁性コートキャリアが、請求項2乃至32のいずれかに記載の磁性コートキャリアである請求項50の現像方法。
  52. 交番電界は、ピーク間の電圧が500〜5000Vであり、周波数が500〜10,000Hzである請求項50又は51の現像方法。
  53. 交番電界は、周波数が500〜3,000Hzである請求項52の現像方法。
  54. 現像剤担持体と潜像担持体との最近接距離が100〜1,000μmである請求項50乃至53のいずれかの現像方法。
  55. 二成分系現像剤が磁界発生手段を内包し、表面形状が下記条件を満足する
    0.2μm≦中心線平均粗さ(Ra)≦5.0μm
    10μm≦凹凸の平均間隔(Sm)≦80μm
    0.05≦(Ra/Sm)≦0.5
    現像剤担持体上に担持されている請求項50乃至54のいずれかの現像方法。
  56. トナーは重量平均粒径(D4)が1〜10μmである請求項50乃至55のいずれかの現像方法。
  57. トナーは、個数平均粒径(D1)の1/2倍径以下の個数分布の分布累積値が20個数%以下であり、重量平均粒径(D4)の2倍径以上の体積分布累積値が10体積%以下である請求項50乃至56のいずれかの現像方法。
  58. トナーは、形状係数SF−1が100〜140である請求項50乃至57のいずれかの現像方法。
  59. トナーは、コア/シェル構造を有するトナー粒子で形成され、コア部分は融点40〜90℃の低軟化点物で形成されている請求項50乃至58のいずれかの現像方法。
  60. トナーは、平均粒径0.2μm以下の外添剤が外添されている請求項50乃至59のいずれかの現像方法。
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