JP2007114766A - 静電荷像現像用現像剤及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャリアへの外添剤付着を抑制し、長期にわたり帯電/抵抗が安定し、高画質な静電荷像現像用現像剤及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】トナー粒子とキャリアとを含む現像剤であり、トナー粒子は下記式で表される粒度分布が1.3以下であり、式中D84pは個数累積粒度分布において、小粒径側から累積84%となる粒径、D50pは累積50%となる粒径、D16pは累積16%となる粒径を表す。キャリアは密度が4g/cm以上8g/cm以下で、パウダーレオメーターでのトータルエネルギー量が1000〜2000mJであるか又は、密度が2g/cm以上4g/cm未満で、パウダーレオメーターでのトータルエネルギー量が800〜1800mJである。・式(1):粒度分布={(D84p/D50p)+(D50p/D16p)}/2・パウダーレオメーターの測定条件:回転翼の先端スピード100mm/sec、回転翼の進入角度−10°
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法等において静電潜像の現像のために使用する静電荷像現像用現像剤及び画像形成方法に関する。
電子写真法など静電潜像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々の分野で利用されている。電子写真法においては、帯電、露光工程により感光体上に形成される静電潜像がトナーを含む現像剤により現像されて、転写、定着工程を経て可視化される。現像に用いられる現像剤にはトナーとキャリアからなる二成分現像剤と、磁性トナーなどのようにトナー単独で用いられる一成分現像剤とがあるが、二成分現像剤は、キャリアが現像剤の攪拌・搬送・帯電などの機能を分担し、現像剤として機能分離されているため、制御性がよいなどの特徴があり、現在広く用いられている。特に、樹脂被覆を施したキャリアを用いる現像剤は、帯電制御性が優れ、環境依存性、経時安定性の改善が比較的容易である。
また、現像方法としては、古くはカスケード法などが用いられていたが、現在は現像剤搬送単体として磁気ロールを用いる磁気ブラシ法が主流である。
近年、高画質化の要求を満たすため、トナーの粒径は小さくなる傾向にある。小粒径トナーでは流動性が悪化しやすく、その結果トナーがキャリアに付着してしまい、いわゆるトナーインパクションが発生する。トナーインパクションが発生したキャリアには、現像に寄与できないトナーが固着しており、新たなトナーとの交換が行われないため、トナーに充分な帯電を与えることができず、カブリが発生しやすい。
この問題に対して、コロイダルシリカ及びポリシロキサン系樹脂を含有する被覆層でキャリア表面を覆う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この方法では、キャリア表面にシリカ粒子の微細な突起ができることにより、トナーインパクションの発生を抑制している。
しかし、低エリアカバレッジでの印画を連続して行った場合には、現像器中のトナーの滞留時間が長くなるため、トナーインパクションの発生が多くなり、このような印画条件においては、更なる改良が必要である。
特開2004−212519号公報
本発明の目的は、キャリアへの外添剤付着を抑制し、長期間にわたって、帯電/抵抗が安定し、高画質な画像を出力できる静電荷用現像剤、及び画像形成方法を提供することにある。
<1> トナー粒子とキャリアとを含む静電荷像現像用現像剤であって、
前記トナー粒子は、下記式(1)で表される粒度分布が1.3以下であり、
前記キャリアは、密度が4g/cm以上8g/cm以下で、且つ下記条件で測定したパウダーレオメーターでのトータルエネルギー量が1000〜2000mJである、又は、密度が2g/cm以上4g/cm未満で、且つ下記条件で測定したパウダーレオメーターでのトータルエネルギー量が800〜1800mJである、
ことを特徴とする静電荷像現像用現像剤。
・式(1):
粒度分布={(D84p/D50p)+(D50p/D16p)}/2
[式中、D84pは個数累積粒度分布において、小粒径側から累積84%となる粒径を表し、D50pは累積50%となる粒径を表し、D16pは累積16%となる粒径を表す。]
・パウダーレオメーターの測定条件:
回転翼の先端スピード100mm/sec、回転翼の進入角度−10°
<2> 潜像担持体を帯電させる帯電工程と、
帯電した前記潜像担持体を露光して、該潜像担持体上に静電潜像を形成させる露光工程と、
トナーとキャリアとを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像工程と、
前記トナー像を前記潜像担持体から被記録材に転写する転写工程と、を有する画像形成方法であって、
前記現像剤が、前記<1>に記載の静電荷像現像用現像剤を含み、
前記現像工程は、前記現像剤を表面に担持する現像剤担持体が、周速100mm/sec以上800mm/sec以下で前記像担持体に対向して回転し、前記現像剤を前記像担持体に搬送する工程を有することを特徴とする画像形成方法。
本発明によれば、キャリアへのトナー付着を抑制し、長期間にわたって、充分な画像濃度で、カブリの発生が少ない高画質な画像を出力できる静電荷用現像剤、及び画像形成方法を提供することができる。
本発明者らは、パウダーレオメーターにおいて、回転翼の先端スピード100mm/secで、回転翼の進入角度−10°におけるトータルエネルギー量が、トナーとキャリアとが並存する現像器内でのキャリアの流動性と高い相関があることを見出した。
さらに、トナーについて個数平均粒径から算出した粒度分布を1.3以下とすることにより、トナーの流動性を確保しつつ現像器内で攪拌された際のキャリアへのストレスが低減され、キャリアへのトナーの付着を抑制することができることも見出した。
このような現像器内でのキャリアとトナーの状態から、本発明の現像剤を用いると、キャリアの帯電能の低下が抑えられ、低帯電による「かぶり」の発生が抑制される。また、流動性が良好なことから、トナーとキャリアの接触回数が増加するため、トナーが充分に帯電し、低エリアカバレッジでの連続印画後の高密度画像出力でも、高濃度画像を得ることができる。
次に、パウダーレオメーターによる流動性測定について説明する。
粒子の流動性を測定する場合、液体や固体、或いは気体の流動性を測定する場合よりも、多くの要因から影響を受けるため、粒径や表面粗さ等の従来用いられているパラメータでは、正確な粒子の流動性を特定することが困難である。また、流動性を特定するための測定すべき因子(例えば、粒径等)を決定しても、実際にはその因子は流動性に与える影響が少ない場合や、他の因子との組み合わせによってのみその因子を測定する意義が発生する場合もあり、測定因子を決定することでさえ困難である。
更に、粉体の流動性は、外的環境要因によっても著しく異なる。例えば、液体であれば、測定環境が変動しても、流動性の変動幅は然程大きくはないが、粒子の流動性については、湿度や流動させる気体の状態等の外的環境要因によって大きく変動する。このような外的環境要因がいずれの測定因子に影響を与えるかは明確にはされていないため、厳密な測定条件下で測定しても、得られる測定値の再現性に乏しいのが実際である。
また、トナー粒子を現像タンクに充填したときの流動性については、安息角や嵩密度などを指標としてきたが、これらの物性値は流動性に対して間接的なものであり、流動性を定量化して管理することが困難であった。
しかしながら、パウダーレオメーターでは、キャリアから測定機の回転翼にかかるトータルエネルギー量を測定できるため、流動性に起因する各要因を合算した値で得ることができる。それゆえ、パウダーレオメーターでは、従来のように、表面の物性値や粒度分布を調整して得られたキャリアについて、測定すべき項目を決定し、各項目について最適物性値を見出して測定することなく、流動性を直接的に測定できる。その結果、パウダーレオメーターで上記数値範囲に該当するかの確認を行うだけで、静電荷像現像用に用いるキャリアとして好適であるかの判断が可能となる。このようなキャリアの製造管理は、キャリアの流動性を一定に保つことに関して、従来の間接的な値で管理する方法に比べ、極めて実用に適した方法である。また、測定条件を一定とすることも容易であり、測定値の再現性も高い。
つまり、パウダーレオメーターによって得られる値で流動性を特定する方法は、従来の方法に比べて、簡便かつ正確で、信頼性も高い。
ここで本発明者らは、キャリアへのトナーの付着を防ぎ、トナーの低帯電化を起こさないようにするためには、パウダーレオメーターで測定した場合に、上記特定条件下で測定したトータルエネルギー量が、キャリアの密度が4g/cm以上8g/cm以下の場合には、1000〜2000mJであり、キャリアの密度が2g/cm以上4g/cm未満の場合には800〜1800mJの静電荷像現像用キャリアとすることが、極めて有効であることを見出した。この範囲内にあるキャリアは、静電荷像現像に用いたときに流動性が確保され、トナーとキャリアと間の衝撃によるストレスを軽減することができる。その結果、キャリアへのトナーの付着が起こりにくくなり、トナーの帯電量の低下によるカブリの発生といった画像欠陥を防ぐことができる。
なお、密度が4g/cm以上8g/cm以下であるキャリアにおいて、前記トータルエネルギー量が1000mJより低い場合、摩擦効果が低く、トナーを十分に帯電させることができない。一方、2000mJを超える値となる場合は、キャリアへのストレスが高くなることからキャリア破壊による微粉発生を防止できない。より好ましくは、前記トータルエネルギー量は、1200〜1800mJの範囲であり、更に好ましくは1300〜1700mJの範囲である。
一方、密度が2g/cm以上4g/cm未満であるキャリアにおいて、前記トータルエネルギー量が800mJより低い場合、摩擦効果が低く、トナーを十分に帯電させることができない。一方、1800mJを超える値となる場合は、キャリアへのストレスが高くなることからキャリア破壊による微粉発生を防止できない。より好ましくは、前記トータルエネルギー量は、1000〜1600mJの範囲であり、更に好ましくは1100〜1500mJの範囲である。
それぞれの具体的なキャリアの構成については、後述する。
次に、パウダーレオメーターの測定方法について説明する。
パウダーレオメーターは、充填した粒子中を回転翼が螺旋状に回転することによって得られる回転トルクと垂直荷重とを同時に測定して、流動性を直接的に求める流動性測定装置である。回転トルクと垂直荷重の両方を測定することで、粉体自身の特性や外部環境の影響を含めた流動性について、高感度に検出することができる。また、粒子の充填の状態を一定とした上で測定を行うため、再現性の良好なデータを得ることができる。
本発明では、パウダーレオメーターとしてfreeman technology社製のFT4を用いて測定する。なお、測定前に温湿度の影響をなくすため、キャリアは、温度22℃、湿度50%RHの状態で、8時間放置したものを用いる。
まず、現像剤を内径50mmのスプリット容器(高さ89mmの160mL容器の上に高さ51mmの円筒を載せ、上下に分離できるようにしたもの)に、高さ89mmを越える量のキャリアを充填する。
キャリアを充填した後、充填されたキャリアを穏やかに攪拌することによりサンプルの均質化をおこなう操作を実施する。この操作を以下ではコンディショニングと呼ぶことにする。
コンディショニングでは、充填した状態でキャリアにストレスを与えないようキャリアからの抵抗を受けない回転方向(回転翼の羽の傾斜方向にもよるが、図3に示す回転翼では、上から見て左回り)で回転翼を緩やかに撹拌して、過剰の空気や部分的ストレスのほとんどを除去し、サンプルを均質な状態にする。具体的なコンディショニング条件は、5°の進入角で、60mm/secの回転翼の先端スピードで攪拌を行う。
このとき、プロペラ型の回転翼が、回転と同時に下方向にも運動するので先端はらせんを描くことになり、このときのプロペラ先端が描くらせん経路の角度を進入角度と呼ぶ。
コンディショニング操作を4回繰り返した後、スプリット容器の容器上端部を静かに動かし、高さ89mmの位置において、ベッセル内部のキャリアをすり切って、160mL容器を満たすキャリアを得る。そのような操作を実施するのは、本発明のトータルエネルギーを安定して求めるためには、常に安定して体積一定の粉体を得ることが重要であるからである。
以上のようにして、得られたキャリアを内径50mm、高さ140mm、通気可能なメッシュの底板を有する200mL容器に移す。キャリアを200mL容器に移した後、さらにコンディショニングを5回実施した後、容器内を底面からの高さ110mmから10mmまで、進入角度−10°で移動しながら回転翼の先端スピード100mm/secで回転するときの、回転トルクと垂直荷重を測定する。このときのプロペラの回転方向は、コンディショニングと逆方向(上から見て右回り)である。
底面からの高さHに対する回転トルク又は垂直荷重の関係を図1(A),図1(B)に示す。回転トルクと垂直荷重から、高さHに対してのエネルギー勾配(mJ/mm)を求めたものが、図2である。図2のエネルギー勾配を積分して得られた面積(図2の斜線部分)が、トータルエネルギー量(mJ)となる。本発明では、底面からの高さ10mmから110mmの区間を積分してトータルエネルギー量を求める。
また、本発明では、誤差による影響を少なくするため、このコンディショニングとエネルギー測定操作のサイクルを5回行って得られた平均値を、本発明で定義するトータルエネルギー量(mJ)とする。
回転翼は、freeman technology社製の図3に示す2枚翼プロペラ型のφ48mm径ブレードを用いる。
次に、上記トータルエネルギー量の値を有するキャリアの構成について、説明を行う。
本発明のキャリアは、上記に該当するものであれば、特に限定されない。このような数値を実現するものとしては、キャリア粒子の粒径分布が充分小さいもの、或いは、キャリア核体表面の被覆層が低摩擦化可能な素材で形成されているもの、キャリアの形状が球形であるもの、キャリアの形状分布が充分小さいもの、凝集体が少ないもの、比重が小さいもの等を挙げることができ、これらを単独で、或いは組み合わせて適用する。
本発明のキャリアは、上記の条件を満足すれば、キャリアの核体の材質について特に制限はないが、以下では、核体が磁性体粒子のキャリア(第一の態様のキャリア)と、磁性粉分散粒子のキャリア(第二の態様のキャリア)とに分けて説明する。
−第一の態様のキャリア(密度が4g/cm以上8g/cm以下であるキャリア)−
第一の態様のキャリアにおいて、核体の材質としては、例えば、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、これらとマンガン、クロム、希土類元素等との合金(例えば、ニッケル−鉄合金、コバルト−鉄合金、アルミニウム−鉄合金等)、及びフェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等を挙げることができるが、現像方式として磁気ブラシ法を用いる観点からは磁性体粒子であることが望ましい。
第一の態様のキャリアにおける核体の体積平均粒径は、10μm〜500μmが好ましく、より好ましくは30μm〜150μmであり、更に好ましくは30μm〜100μmである。キャリア核体の体積平均粒径が10μm未満であると、静電荷像現像用に用いた場合にトナー・キャリア間の付着力が高くなり、トナーの現像量が減少する。一方、500μmを超えると、磁気ブラシが荒くなり、きめ細かい画像が形成され難くなる。
第一の態様のキャリアにおける核体の体積平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を用いて測定された値をいう。得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとする。
第一の態様のキャリアにおける核体の好ましい粒径分布としては、体積平均粒径D84v/体積平均粒径D50vが1.20以下、個数平均粒径D50p/個数平均粒径D16pが1.25以下であり、より好ましくは、体積平均粒径D84v/体積平均粒径D50vが1.15以下、個数平均粒径D50p/個数平均粒径D16pが1.20以下である。
このような粒径分布を有する核体を得るには、重力式の分級機、遠心分離式の分級機、慣性方式の分級機、あるいは、篩による選別により、所望の粒度分布に合わせることができる。
特に、上記粒径分布を有するキャリア核体とするには、風力分級機の方法を用いることが好ましく、この方法において微粉/粗粉を同時に取り除くことが特に好ましい。
キャリア核体の粒径分布が、上記範囲よりも広い場合には、既述のパウダーレオメーターによるトータルエネルギー量が規定の範囲から外れてしまう。一方、粒径分布が上記範囲よりも狭くしようとすると、分級等の作業が過剰なものとなり作業効率が極めて悪くなる。
なお、核体の粒径分布は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を用いて、得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積84%となる粒径をD84v、小粒径側から個数累積分布を引いて、累積50%となる粒径をD50p、累積16%となる粒径をD16pとしたとき、粗粉側粒度分布指標を体積平均粒径D84v/体積平均粒径D50vとし、微粉側粒度分布指標を個数平均粒径D50p/個数平均粒径D16pとして求めた値をいう。
第一の態様のキャリアの密度は、4g/cm以上8g/cm以下あり、4g/cm以上7g/cm以下であることがより好ましく、4.5g/cm以上6.0g/cm以下であることが更に好ましい。密度が4.0g/cmよりも小さい場合には、帯電付与能力が減少し、密度が8.0g/cm3よりも重い場合には、キャリアの流動性の低下が発生し、トータルエネルギー量が上限値を超えて大きくなる傾向となるため好ましくない。
キャリアの密度の測定方法は、「物理化学実験法(東京化学同人社、第3版)」の密度の項に記載の方法に準じて測定する。測定には、電気抵抗が17MΩ以上の純水を用い、測定温度は25℃で行う。
本発明のキャリアは、核体と、その表面に被覆層を有する。被覆層は、マトリックス樹脂によって構成される被覆樹脂層であることが好ましい。
前記マトリックス樹脂としては、一般的なマトリックス樹脂を使用することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン等のポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂またはその変性品;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;フェノール樹脂;尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂等のアミノ樹脂;シリコーン樹脂;エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
特に、トナー成分の汚染に対しては、フッ素樹脂やシリコーン樹脂などの低表面エネルギー樹脂を被覆樹脂として用いることが好ましく、フッ素樹脂で被覆することがより好ましい。
フッ素樹脂としては、フッ化ポリオレフィン、フルオロアルキル(メタ)アクリレート重合体及び/又は共重合体、フッ化ビニリデン重合体及び/又は共重合体及びこれらの混合物等を挙げることができ、フッ素樹脂を形成するためのフッ素を含有する単量体としては、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ペンタフルオロメタクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、トリフルオロエチルメタクリレートなど、フッ素を含有するフルオロアルキルメタクリレート系単量体が好適である。但し、これらに限定されるものではない。
フッ素を含有する単量体の配合量としては、被覆樹脂を構成する全単量体に対して、0.1〜50.0質量%の範囲で配合するのが適当であり、より好ましくは0.5〜40.0質量%の範囲であり、より好ましくは1.0〜30.0質量%の範囲である。0.1質量%を下回ると耐汚染性を確保することが困難となり、50.0質量%を超えると核体への被覆樹脂の密着性が低下し、且つ帯電性が低下する場合がある。
被覆樹脂層に含有されるマトリックス樹脂は、キャリア全重量に対して0.5〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは1.0質量%〜5.0質量%であり、更に好ましくは1.0質量%〜4.0質量%である。0.5質量%未満ではキャリア表面に磁性体芯粒子が露出しやすくなり、キャリアの電気抵抗が低下しやすくなる。一方、10質量%を超えるとキャリアの流動性の低下が顕著になり、トナーが均一に帯電し難くなる。
被覆層には、樹脂微粒子を分散させて含有させることができる。
前記樹脂微粒子としては、例えば、熱可塑性樹脂粒子、熱硬化性樹脂粒子等が挙げられる。その中でも、硬度を上げることが比較的容易な熱硬化性樹脂が好適であり、また、トナーに負帯電性を付与するためには、窒素原子を含有する樹脂粒子を用いることが好ましい。なお、これらの樹脂粒子は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂微粒子は、前記マトリックス樹脂中に、被覆樹脂層の厚み方向、およびキャリア表面への接線方向にできるだけ、均一に分散しているのが好ましい。樹脂微粒子の樹脂と、前記マトリックス樹脂とが高い相溶性を有していると、樹脂微粒子の被覆樹脂層における分散の均一性が向上するので好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン等のポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂またはその変性品;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート等が挙げられる。
樹脂微粒子に用いられる熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂;尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂;等が挙げられる。
尚、樹脂微粒子の樹脂とマトリックス樹脂とは、同種の材料であっても、異種の材料であってもよい。特に好ましくは、樹脂微粒子の樹脂とマトリックス樹脂とが異種の材料からなる場合である。
上記樹脂粒子の樹脂として、熱硬化性樹脂粒子を用いると、キャリアの機械的な強度を向上できるので好ましい。特に架橋構造を有する樹脂が好ましい。また、樹脂粒子の帯電サイトとしての機能をより良好にするには、トナー帯電の立ち上がりが速い樹脂を用いるのが好ましく、そのような樹脂粒子としては、ナイロン樹脂、アミノ樹脂、およびメラミン樹脂などの窒素含有の樹脂の粒子が好ましい。
樹脂微粒子は、乳化重合、懸濁重合等の重合を利用して粒状化された樹脂粒子を製造する方法や、モノマーもしくは、オリゴマーを溶媒中に分散して架橋反応を進行させながら粒状化して、樹脂粒子を製造する方法、低分子成分と、架橋剤とを溶融混錬等により混合反応させた後、風力、機械力等により、所定の粒度に粉砕して、樹脂粒子を製造する方法等によって製造することができる。
樹脂粒子の体積平均粒径は0.1〜2.0μmであるのが好ましく、より好ましくは0.2〜1.0μmである。0.1μmより小さいと被覆樹脂層中での分散が低下し、一方、2μmより大きいと被覆樹脂層からの脱落が生じ易く、安定した帯電性が得られない場合がある。樹脂微粒子の体積平均粒径の測定方法は、上記核体の体積平均粒径の場合と同様である。
樹脂微粒子は、被覆層中に、1〜50容量%で含有されることが好ましく、より好ましくは1〜30容量%、更に好ましくは1〜20容量%で含有される場合である。被覆樹脂層中の樹脂微粒子の含有率が1容量%よりも少ないと、樹脂微粒子の効果が発現しない場合があり、50容量%を超えると、被覆樹脂層からの脱落が生じ易く、安定した帯電性が得られない場合があるため好ましくない。
被覆層には、さらに導電性微粉末を分散させて含有させることができる。
前記導電性微粉末子としては、例えば、金、銀、銅のような金属;カーボンブラック;更に酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、チタン酸カルシウム粉末等の金属酸化物;酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム粉末等の表面を、酸化錫、カーボンブラック、または金属で覆った微粉末;等を挙げることができる。これらは、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。導電性微粉末として金属酸化物を用いると、帯電性の環境依存性をより低減できるので好ましく、特に酸化チタンが好ましい。
さらに、前記材料からなる微粉末を、カップリング剤で処理することが好ましい。中でも、カップリング剤で処理された金属酸化物が好ましく、特に、カップリング剤処理された酸化チタンが好ましい。カップリング剤で処理された導電性微粉末は、トルエン等の溶剤に未処理の導電性微粉末を分散させ、次いで、カップリング剤を混合し、処理した後、減圧乾燥することにより得ることができる。
さらに、得られたカップリング剤で処理された導電性微粉末から、凝集体を除去するために、必要に応じて、解砕機で解砕してもよい。解砕機としては、ピンミル、ディスクミル、ハンマーミル、遠心分級型ミル、ローラミル、ジェットミル等の公知の解砕機を使用でき、特に、ジェットミルが好ましい。用いられるカップリング剤としてはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤など公知のものを使用することができる。
中でも、シランカップリング剤、特にメチルトリメトキシシラン処理された導電性微粉末を用いると帯電の環境安定性に特に効果的である。
導電性微粉末の体積平均粒径は0.5μm以下であることが好ましく、より好ましくは、0.05μm以上0.45μm以下であり、更に好ましくは、0.05μm以上0.35μm以下である。導電性微粉末の体積平均粒径の測定方法は、上記核体の体積平均粒径の測定方法に準ずる。
導電性微粉末の体積平均粒径が0.5μmを超えると、被覆樹脂層からの脱落が生じ易く、安定した帯電性が得られない場合があるため好ましくない。
前記導電性微粉末は、101Ω・cm以上1011Ω・cm以下の体積電気抵抗を有していることが好ましく、103Ω・cm以上109Ω・cm以下の体積電気抵抗を有していることがより好ましい。尚、本明細書において、導電性微粉末の体積電気抵抗は、以下の方法で測定した値をいう。
常温常湿下で、導電性微粉末を2×10-42の断面積を有する容器に厚み約1mm程度になるように充填し、その後、充填した導電性微粉末上に、金属製部材により、1×104kg/m2の荷重をかける。該金属製部材と、容器の底面電極との間に106V/mの電界が生じる電圧を印加し、その際の電流値から算出した値を体積電気抵抗値とする。
導電性微粉末は、被覆樹脂層中に、通常1〜80容量%含有され、好ましくは2〜20容量%、さらに好ましくは3〜10容量%含有される場合である。
キャリアの核体の表面に前記被覆層を形成する方法としては、キャリア核体を、前記樹脂、導電材料および溶剤を含む被覆層形成用溶液を調製し、この中に浸漬する浸漬法や、被覆層形成用溶液をキャリア核体の表面に噴霧するスプレー法、キャリア核体を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、或いはニーダーコーター中でキャリア核体と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
前記被覆層形成用溶液の調製に使用する溶剤は、前記樹脂を溶解するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類を使用することができる。
前記被覆層の平均膜厚は、0.1μm〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1μm〜3.0μmであり、更に好ましくは0.1μm〜1.0μmである。樹脂被覆層の平均膜厚が0.1μmよりも薄いと、長時間使用時に被覆層剥れによる抵抗低下が発生し、10μmを超えると飽和帯電量に達するまでの時間がかかるため好ましくない。
また、第一の態様のキャリアについて、下記式(2)で表される形状係数SF1は、SF1130以下であることが好ましく、より好ましくは、120以下である。
形状係数SF1は100に近づくほど真球となる。キャリアの形状係数SF1が大きくなるほど、形状の歪によってキャリアどうしの衝突によって流動性が低くなる。そのため、形状係数SF1が130を超えると、上記トータルエネルギー量が、上限値を超えて大きくなる傾向にある。
式(2): 形状係数SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
式(2)中、MLはキャリア粒子の絶対最大長を表し、Aはキャリア粒子の投影面積を表す。
形状係数SF1は、250倍に拡大した50個のキャリア粒子を光学顕微鏡から画像解析装置(LUZEX III、ニレコ社製)に取り込み、その最大長及び投影面積から、個々の粒子について前記SF1の値を求め平均したものである。
第一の態様のキャリアの飽和磁化は、40emu/g以上であることが好ましく、50emu/g以上であることがより好ましい。
磁気特性の測定としての装置は振動試料型磁気測定装置VSMP10−15(東英工業社製)を用いる。測定試料は内径7mm、高さ5mmのセルに詰めて前記装置にセットする。測定は印加磁場を加え、最大1000エルステッドまで掃引する。ついで、印加磁場を減少させ、記録紙上にヒステリシスカーブを作製する。カーブのデータより、飽和磁化、残留磁化、保持力を求める。本発明においては、飽和磁化は1000エルステッドの磁場において測定された磁化を示す。
キャリアの体積電気抵抗は、1×108〜1×1014Ωcmの範囲に制御されることが好ましく、1×108〜1×1013Ωcmの範囲であることがより好ましく、1×108〜1×1012Ωcmの範囲であることがさらに好ましい。
キャリアの体積電気抵抗が1×1014Ωcmを超える場合、高抵抗になり、現像時に現像電極として働きにくくなるため、特にベタ画像部でエッジ効果が出るなど、ソリッド再現性が低下する。一方、1×108Ωcm未満の場合、低抵抗になるため、現像剤中のトナー濃度が低下した時に現像ロールからキャリアへ電荷が注入し、キャリア自体が現像されてしまう不具合が発生しやすい。
上記キャリアの体積電気抵抗(Ω・cm)は以下のように測定する。なお、測定環境は、温度20℃、湿度50%RHとする。
20cm2の電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象となるキャリアを1〜3mm程度の厚さになるように平坦に載せ、キャリア層を形成する。この上に前記同様の20cm2の電極板を載せキャリア層を挟み込む。キャリア間の空隙をなくすため、キャリア層上に載置した電極板の上に4kgの荷重をかけてからキャリア層の厚み(cm)を測定する。キャリア層上下の両電極には、エレクトロメーターおよび高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が103.8V/cmとなるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、キャリアの体積電気抵抗(Ω・cm)を計算する。キャリアの体積電気抵抗(Ω・cm)の計算式は、下式(3)に示す通りである。
式(3): R=E×20/(I−I0)/L
上記式中、Rはキャリアの体積電気抵抗(Ω・cm)、Eは印加電圧(V)、Iは電流値(A)、I0は印加電圧0Vにおける電流値(A)、Lはキャリア層の厚み(cm)をそれぞれ表す。また、20の係数は、電極板の面積(cm2)を表す。
−第二の態様のキャリア(密度が2g/cm以上4g/cm未満であるキャリア)−
第二の態様のキャリアにおいて、核体は、磁性粉が樹脂中に分散されてなる磁性粉分散粒子で構成される。
前記磁性粉としては、上記磁性体粒子で記載した磁性体を適用することができ、これらの中でも、酸化鉄が好ましい。前記磁性体微粒子が、酸化鉄微粒子であると、特性が安定しており、かつ毒性が少ない点で有利である。
これら磁性体は、単種で使用しても良く、2種以上併用してもよい。
磁性粉の粒径は、0.01〜1μmであることが好ましく、より好ましくは、0.03μm〜0.5μmであり、更に好ましくは、0.05μm〜0.35μmである。磁性粉の粒径が0.01μm未満の場合、飽和磁化の低下が生じたり、あるいは組成物(モノマー混合物)の粘度が増大し、粒径の狭いキャリアが得られない場合がある。一方、磁性粉の粒径が1μmを超える場合、均質な磁性粒子を得ることができない場合がある。
前記磁性粉の磁性粉分散粒子中における含有量としては、30質量%〜95質量%であることが好ましく、45質量%〜90質量%であることがより好ましく、60質量%〜90質量%であることが更に好ましい。前記含有量が、30質量%未満であると、磁性体分散型キャリアの飛散等を招くことがあり、95質量%を越えると、磁性体分散キャリアの磁気ブラシが固くなり、割れ易くなることがある。
磁性粉分散粒子中の樹脂成分は、架橋されたスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、フェノール系樹脂等を挙げることができる。
本発明の磁性粉分散粒子は、前記マトリックス及び前記磁性粉のほか、目的に応じてさらにその他の成分を含有していてもよい。前記その他の成分としては、例えば、帯電制御剤、フッ素含有微粒子などが挙げられる。
磁性粉分散粒子の好ましい粒径分布としては、体積平均粒径D84v/体積平均粒径D50vが1.20以下、個数平均粒径D50p/個数平均粒径D16pが1.25以下であり、より好ましくは、体積平均粒径D84v/体積平均粒径D50vが1.15以下、個数平均粒径D50p/個数平均粒径D16pが1.20以下である。
磁性粉分散粒子の製造方法は、例えば、磁性体粉末とスチレンアクリル樹脂等の絶縁性樹脂とを、バンバリーミキサー、ニーダーなどを用いて溶融混練し、冷却した後に粉砕し、分級する溶融混練法(特公昭59−24416号公報、特公平8−3679号公報等)や、結着樹脂のモノマー単位と磁性体粉末とを溶媒中に分散して懸濁液を調製し、この懸濁液を重合させる懸濁重合法(特開平5−100493号公報等)や、樹脂溶液中に磁性体粉末を混合分散した後、噴霧乾燥するスプレードライ法などが知られている。
前記溶融混練法、前記懸濁重合法、及び前記スプレードライ法はいずれも、磁性体粉末をあらかじめ何らかの手段により調製しておき、この磁性体粉末と樹脂溶液とを混合し、前記樹脂溶液中に前記磁性体粉末を分散させる工程を含む。
溶融混練法によって磁性粉分散粒子を製造する場合、上記粒径分布とするためには、遠心分離式の分級機、慣性方式の分級機、あるいは、篩による選別により、所望の粒度分布に合わせることができる。
懸濁重合法によって磁性粉分散粒子を製造する場合、上記粒径分布とするためには、分散粒子径を整えることが極めて重要であり、分散時の温度、界面活性剤の量・種類、攪拌速度・時間、等を調整することが肝要である。
第二の態様のキャリアにおける核体の体積平均粒径としては、10〜500μmの範囲が好ましく、より好ましくは30〜150μmの範囲のものであり、更に好ましくは30〜100μmの範囲のものである。体積平均粒径が10μm未満ではキャリアが感光体に移行しやすく、かつ製造性が低下し、500μmを越えるとブラシマークと呼ばれるキャリアのすじが画像上に生じ、ざらざらした感じの画像となる点で好ましくない。
かかる核体の体積平均粒径の測定方法は、核体が磁性体粒子の場合と同様である。
第二の態様のキャリアの密度は、2g/cm以上4g/cm未満であり、2.5g/cm以上3.5g/cm以下であることがより好ましく、3g/cm以上3.5g/cm以下であることが更に好ましい。密度が2g/cmよりも小さい場合には、トナーの流動性の状態に近づくため、帯電付与能力が減少し、密度が4g/cm以上の場合には、キャリアの流動性の低下が発生し、トータルエネルギー量が上限値を超えて大きくなる傾向があるため好ましくない。第二の態様のキャリアの密度の測定方法は、第一の態様のキャリアの場合と同様である。
磁性粉分散粒子の表面に形成される被覆層は、上記磁性体粒子の表面に形成される被覆層で適用した材料を適用することができ、好ましい材料も同様である。また、被覆層に含有できる物質や、被覆層の形成方法についても、磁性体粒子上の被覆層の場合と同様である。
第二の態様のキャリアについて、上記式(2)で表される形状係数SF1は、150以下であることが好ましく、より好ましくは、130以下である。形状係数SF1の求め方は、第一の態様の場合と同様である。
第二の態様のキャリアの飽和磁化は、40emu/g以上であることが好ましく、50emu/g以上であることがより好ましい。
磁気特性の測定方法は、第一の態様の場合と同様である。
キャリアの体積電気抵抗は、1×107〜1×1014Ωcmの範囲に制御されることが好ましく、1×108〜1×1013Ωcmの範囲であることがより好ましく、1×108〜1×1012Ωcmの範囲であることがさらに好ましい。
キャリアの体積電気抵抗が1×1014Ωcmを超える場合、高抵抗になり、現像時に現像電極として働きにくくなるため、特にベタ画像部でエッジ効果が出るなど、ソリッド再現性が低下する。一方、1×107Ωcm未満の場合、低抵抗になるため、現像剤中のトナー濃度が低下した時に現像ロールからキャリアへ電荷が注入し、キャリア自体が現像されてしまう不具合が発生しやすい。
キャリアの体積電気抵抗の測定方法は、第一の態様のキャリアの場合と同様である。
次に、トナーについて説明する。
本発明に用いるトナーは、個数平均粒径から算出した粒度分布が1.3以下であれば、そのほかは特に制限されないが、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有する。粒度分布についての詳細は後述する。
トナーに含まれる結着樹脂は、トナー粒子に用いうる公知のものを適宜選択することができる。具体的には、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン等の単独重合体又は共重合体等が挙げられる。
これらの中でも特に代表的な結着樹脂としては、例えばポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリスチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン等が挙げられる。
着色剤については特に制限はないが、例えば、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デユポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・ブルー15:1、ピグメント・ブルー15:3等が使用できる。
トナーには必要に応じて帯電制御剤を添加することができる。カラートナーに帯電制御剤を添加する場合には、色調に影響を与えることのない無色又は淡色の帯電制御剤が好ましい。その帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯体、サルチル酸若しくはアルキルサルチル酸の金属錯体若しくは金属塩を用いることが好ましい。
また、トナーには、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、ワックス等のオフセット防止剤など公知のその他の成分を含むことができる。上記のワックスとしては、パラフィンワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体等を使用できる。誘導体としては酸化物、ビニルモノマーとの重合体、グラフト変性物などを含む。この他に、アルコール、脂肪酸、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、エステルワックス、酸アミド等も使用できる。
本発明においては、転写性、流動性、クリーニング性及び帯電量の制御性、特に流動性を改善するため、トナーに外添剤を含有させる必要がある。なお、外添剤とは、上記トナーのコア粒子表面に付着させる無機微粒子をいう。
無機微粒子としてはSiO2、TiO2、Al23、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe23、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2n、Al23・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等を使用することができる。これらのうち、特にシリカ微粒子、チタニア微粒子の場合には、流動性が良好となるため好ましい。
本発明においては、少なくとも一種類の外添剤の体積平均粒径は、10〜40nmであり、12〜35nmであることが好ましく、15〜30nmであることがより好ましい。外添剤の体積平均粒径が10nm未満の場合には、トナー表面に埋まりこんでしまい、トナーの流動性に寄与しない。一方、40nmを超える場合には、トナーから遊離しやすくなり、トナーの流動性に寄与しないばかりでなく、遊離した外添剤がキャリア表面へ付着する。
外添剤の体積平均粒径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして求めることができる。
上記体積平均粒径を有する外添剤の場合、上記規定の本発明にかかるキャリアと組み合わせたときに、トナー粒子への埋め込みやトナー粒子からの脱離が抑えられるため、良好な流動性を発揮して、その流動性の持続性にも優れる。
上記外添剤の使用量は、下記式(4)で計算される表面被覆率が10〜100%が好ましく、12〜80%がより好ましく、15〜60%が更に好ましい。
Figure 2007114766
上式中、DNは、トナーコア粒子の平均粒径(μm)を表し、ρNは、トナーコア粒子の密度を表し、Daは、外添剤の平均粒径(nm)を表し、ρa外添剤の密度を表し、Xは外添剤の添加量(重量%)を表す。
なお、複数の外添剤を使用する場合は、各々の表面被覆率の合計が100%以下となるようにすることが好ましい。
外添剤の無機微粒子の表面は、予め疎水化処理されていることが望ましい。この疎水化処理によりトナーの粉体流動性が改善されるほか、帯電の環境依存性に対しても有効である。疎水化処理は疎水化処理剤に無機微粒子を浸漬する等して行うことができる。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でもシラン系カップリング剤が好適である。
シラン系カップリング剤としては、例えばクロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれかのタイプを使用することも可能である。具体的にはメチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシピロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。疎水化処理剤の使用量は、無機微粒子の種類等により異なり一概に規定することはできないが、通常無機微粒子100重量部に対して、5〜50重量部の範囲が適当である。
また、疎水化処理剤による外添剤の疎水化度は、40%〜100%が好ましく、50%〜90%がより好ましく、60%〜90%が更に好ましい。
本発明における疎水化度は、水50ccに微粒子を0.2g加え、スターラーで攪拌後、メタノールで滴定し、微粒子が全て溶媒に懸濁したときのメタノール滴定量をTccとしたときに、以下の式で表される疎水化度(M)と定義する。
疎水化度(M)=[T/(50+T)]×100(vol.%)
トナー粒子の体積平均粒径は、2μm〜12μmが好ましく、より好ましくは3μm〜10μmであり、更に好ましくは4μm〜9μmである。トナー粒子の体積平均粒径が2μm未満であると、流動性が著しく低下するため、層規制部材等による現像剤層の形成が不充分となり、画像にカブリやダートが発生する場合がある。一方、12μmを超える場合は、解像度が低下し、高画質の画像が得られない場合があったり、現像剤単位重量当たりの帯電量が低下し、現像剤層の層形成維持性が低下し、画像にカブリやダートが発生する場合がある。
トナー粒子の体積平均粒径の測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5質量%水溶液2ml中に、測定試料を0.5〜50mg加え、これを電解液100〜150ml中に添加した。この測定試料を懸濁させた電解液を超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径が100μmのアパーチャーを用いて、粒径が2.0〜60μmの範囲の粒子の粒度分布を測定する。測定する粒子数は50,000とする。
得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとする。
本発明にかかるトナー粒子は、既述のように、粒度分布に特徴を有する。
上記体積平均粒径D50vを求めるときと同様に、小粒径側から個数累積分布を引いた場合に累積84%となる粒径をD84pとし、累積50%となる粒径をD50p(個数平均粒径)、累積16%となる粒径をD16pとすると、本発明にかかるトナー粒子は、下記式(1)で表される粒度分布が1.3以下であり、1.25以下であることが好ましく、1.18以下であることがより好ましい。
式(1): 粒度分布={(D84p/D50p)+(D50p/D16p)}/2
下記式(1)で表される粒度分布が1.3を超えると、小径から大径まで様々な粒径を有するトナーが存在し、現像機内で攪拌されたときに小径トナーがキャリアに強く押し付けられ、トナーインパクションが発生しやすい。このことによりキャリアの帯電付与能力が低下し、現像剤の帯電低下によるカブリや機内汚染が発生する。
このような粒径分布を有するトナー粒子を得るには、重力式の分級機、遠心分離式の分級機、慣性方式の分級機、あるいは、篩による選別により、所望の粒度分布に合わせることができる。
特に、上記粒径分布を有するトナー粒子とするには、風力分級機の方法を用いることが好ましく、この方法において微粉/粗粉を同時に取り除くことが特に好ましい。
<画像形成方法>
本発明の画像形成方法は、少なくとも、潜像担持体を帯電させる帯電工程と、帯電した前記潜像担持体を露光して潜像担持体上に静電潜像を形成させる露光工程と、トナーとキャリアとを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像工程と、前記トナー像を前記潜像担持体から被記録材に転写する転写工程と、を有する画像形成方法であることが好ましい。なお、画像形成に用いるキャリアは、上述の静電荷像現像用キャリアを含む。
上記現像剤に含まれるトナーについては、特に限定されず、一般的には結着樹脂と着色剤を含有する。本発明に用いるトナーについては、公知の技術を適用することができる。
本発明の画像形成方法では、上記帯電工程、露光工程、現像工程、及び転写工程については、公知の技術を適宜適用することができる。さらに、これらの工程に加え、転写工程後の潜像担持体をクリーニングするクリーニング工程、転写された被記録材上のトナー像を定着させる定着工程等を行ってもよい。
また、前記現像工程は、現像剤を表面に担持する現像剤担持体(所謂マグロール)が前記像担持体に対向して回転し、前記現像剤を前記像担持体に搬送させる態様であることが好ましい。
特に、現像剤担持体の周速が100mm/sec以上800mm/sec以下で回転することが好適である。マグロールの周速が100mm/sec未満である場合、近年における高速化の対応に適さず、且つ潜像担持体上に充分なトナーを現像することができず、低現像量となり、規定濃度の画像を得ることができない。一方、800mm/secを超える場合、現像剤に与えるストレスが大きいため、トナーがキャリアに強く押し付けられてトナーインパクションが発生しやすくなり、現像剤としての帯電量が低下し、結果、カブリを発生しやすくなる。
<画像形成装置>
本発明の画像形成装置は、少なくとも、潜像担持体と、前記潜像担持体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記潜像担持体を露光して潜像担持体上に静電潜像を形成させる露光手段と、現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を前記潜像担持体から被記録材に転写する転写手段と、を有する画像形成装置であることが好ましい。
これらの各構成部材、すなわち、電子写真感光体、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、更に、クリーニング装置および除電装置については、本発明において、特に制限されるものではなく、従来公知の如何なる構成のものも問題なく使用することができる。
また、上記現像手段は、上記現像剤を攪拌する攪拌手段と、現像剤を像担持体まで搬送する上記現像剤担持体(所謂マグロール)を有することが好ましい。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<各種特性の測定方法>
まず、実施例、比較例で用いたキャリア等の物性測定方法について説明する。
−形状係数−
核スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じて画像解析装置(LUZEXIII、ニレコ社製)に取り込み、50個について円相当径を測定して、最大長及び面積から、個々の粒子について上記式(2)からSF1を算出し、平均値を求めた
−体積平均粒径、粒度分布−
測定装置としては、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を使用した。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5質量%水溶液2ml中に測定試料を10mg加えた。これを純水100〜150ml中に添加した。試料を懸濁した液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記LS Particle Size Analyzer:LS13 320により、ポンプスピード80%で粒度分布を測定して、前述のようにして体積平均粒径、粗粉側粒度分布、微粉側粒度分布を求めた。
−ガラス転移温度の測定−
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量計(島津製作所社製:DSC−50)を用い、昇温速度3℃/分の条件下で測定することにより求めた。なお、ガラス転移点は吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度とした。
−重量平均分子量及び数平均分子量の測定−
重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定した。GPCは、HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)を用い、カラムは、TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製、6.0mmID×15cm)を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度を0.5質量%、流速を0.6ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
−密度の測定−
キャリアの密度は、上記の方法にしたがって測定した。
<母体トナーの作製>
(母体トナー粒子(1)の作製)
・結着樹脂 100部
(スチレン/n−ブチルアクリレート(共重合比80/20)の共重合体であって、下記低分子量成分と高分子量成分の比率が30/70の混合物。混合物としてのMw2.0×105、Mn3.6×103。)
(低分子量成分:Mw5.5×103、Mn2.5×103、Tg60℃)
(高分子量成分:Mw6.0×105、Mn3.0×105、Tg60℃)
・カーボンブラック(商品名MA77、三菱化学社製) 5部
・帯電制御剤(ボントロンE84、オリエント化学社製) 2部
・低分子量ポリプロピレン(商品名ビスコール660P、三洋化成工業社製) 5部
上記組成の混合物をバンバリーミキサーで溶融混練し、これを冷却した後、ジェットミルで微粉砕した。更に、ルボジェット(日鉄鉱業社製、品番EJ−LABO)にてカットポイント3.0μmと9.0μmで微粉と粗粉を除く分級操作を6回繰り返し、体積平均粒子径6.0μm、前記式(1)で表される粒度分布1.18の母体トナー粒子(1)を得た。
<外添トナーの作製>
(外添トナー(1)の作製)
母体トナー粒子(1)の100重量部に、体積平均粒径0.5μmに粉砕したヘキサミン2.0重量部、及びアルキルシランで疎水化された酸化チタン(体積平均粒径30nm,商品名STT30A、チタン工業社製)1.0重量部をヘンシェルミキサーにより混合し、外添トナー(1)を得た。外添トナー(1)の前記式(1)で表される粒度分布は表1に示す値であった。
(外添トナー(2)〜(3)の作製)
母体トナー粒子(1)において分級操作を6回行ったところを、それぞれ5回又は3回に変更した以外は同様にして、外添トナー(2)〜(3)を作製した。外添トナー(2)〜(3)の前記式(1)で表される粒度分布は表1に示す値であった。
(比較の外添トナー(4)の作製)
母体トナー粒子(1)において分級操作を6回行ったところを、2回に変更した以外は同様にして、比較の外添トナー(4)を作製した。外添トナー(4)の前記式(1)で表される粒度分布は表1に示す値であった。
<キャリアの作製>
(キャリア(1)の作製)
フェライト粒子(Cu−Zn、密度:4.5g/cm3、体積平均粒径:35μm、形状係数SF1:125。)をエルボジェット(日鉄鉱業社製、品番EJ−LABO)にてカットポイント25μmと45μmで微粉と粗粉を除き、被覆用核体粒子を形成した。
得られた被覆用核体粒子の粒径分布は、粗粉側粒度分布指標(D84v/D50v):1.18、微粉側粒度分布指標(D50p/D16p):1.20であり、体積平均粒径は37μm、形状係数SF1は124であった。
被覆用核体粒子100重量部に対し、メチルメタクリレート−パーフルオロヘキシルアクリレート(80/20)共重合体(重量平均分子量50,000、三洋化成社製)のトルエン溶液(固形分5質量%)を120重量部加え、ジャケットを備えた容量50Lの回分式ニーダー内で10分間混合し、攪拌しながら混合物の温度を上昇させ、120℃以上の温度で20分間攪拌した後、混合物の温度が60℃になるまで冷却攪拌を行い、被覆キャリアを取り出した。その後、エルボジェットにより前記条件で微粉/粗粉除去を8回繰り返し、キャリア(1)を得た。
得られたキャリア(1)の粒径分布は、粗粉側粒度分布指標:1.15、微粉側粒度分布指標:1.16であり、体積平均粒径は37μm、密度は4.5g/cm3、形状係数SF1は123であった。
得られたキャリア(1)のトータルエネルギー量を、既述の方法によってパウダーレオメーターFT4(freeman technology社製)を使用して測定した。キャリア(1)のトータルエネルギー量は1000mJであった。
(キャリア(2)〜(6)の作製)
実施例1において樹脂被覆キャリアにおけるエルボジェットでの微粉/粗粉除去の操作を8回繰り返したところを、それぞれ3回〜7回の間で変更した以外は同様にして、キャリア(2)〜(6)を作製した。キャリア(2)〜(6)のトータルエネルギー量は、表1に示す値であった。
(キャリア(7)の作製)
実施例1においてフェライト粒子を鉄粉(密度:7.9g/cm3、体積平均粒径:75μm、形状係数SF1:145)に変更した以外は同様にして、キャリア(7)を作製した。キャリア(7のトータルエネルギー量は、1950mJであった。
(キャリア(8)の作製)
・スチレン−アクリル酸ブチル共重合体(80/20)(Mw=1.9×105
:30部
・メチルメタクリレート−パーフルオロヘキシルアクリレート共重合体:10部
・マグネタイト(EPT−1000、戸田工業社製):100部
上記成分を加圧ニーダーで溶融混合し、さらにターボミル、熱処理装置を用いて粉砕、球形化を行った。さらにエルボジェットによる分級をカットポイント22μm、45μmで8回行い、キャリア(8)を得た。
得られたキャリアの粒径分布は、粗粉側粒度分布指標:1.17、微粉側粒度分布指標:1.19であり、体積平均粒径は33μm、形状係数SF1は110、密度は3.5g/cm3であった。また、キャリア(8)のトータルエネルギー量は、表1に示す値であった。
(キャリア(9)〜(13)の作製)
キャリア(8)の作製において、分級処理を3回〜7回の間で変更した以外は同様にして、キャリア(9)〜(13)を作製した。キャリア(9)〜(13)のトータルエネルギー量は、表1に示す値であった。
(キャリア(14)の作製)
キャリア(8)の作製において、
・スチレン−アクリル酸ブチル共重合体(80/20)(Mw=1.9×105
:72部
・メチルメタクリレート−パーフルオロヘキシルアクリレート共重合体:24部
・マグネタイト(EPT−1000、戸田工業社製):100部
に変更した以外はキャリア(8)と同様の方法で、キャリア(14)を得た。得られたキャリアの粒径分布は、粗粉側粒度分布指標:1.18、微粉側粒度分布指標:1.20であり、体積平均粒径は73μm、形状係数SF1は143、密度は2.5g/cm3であった。キャリア(14)のトータルエネルギー量は、820mJであった。
(比較のキャリア(15)、(16)の作製)
キャリア(1)の作製において、分級処理を9回又は2回に変更した以外は同様にして、キャリア(15)、(16)を作製した。キャリア(15)、(16)のトータルエネルギー量は、表1に示す値であった。
(比較のキャリア(17)、(18)の作製)
キャリア(8)の作製において、分級処理を9回又は2回に変更した以外は同様にして、キャリア(17)、(18)を作製した。キャリア(17)、(18)のトータルエネルギー量は、表1に示す値であった。
(キャリア(19)の作製)
−特開2004−212519号公報の実施例のキャリア−
特開2004−212519号公報の実施例のキャリア1を同公報に記載の方法で作製し、磁性粉分散粒子を核体とするキャリア(19)を得た。
キャリア(19)のトータルエネルギー量は表1に示す値であった。
<現像剤の調製>
(現像剤(1)の調製)
キャリア(1)100部と、外添トナー(1)7部とをVブレンダーにて40rpmで20min混合し、現像剤(1)を調製した。
(現像剤(2)〜(18)及び比較の現像剤(1)〜(7)の調製)
現像剤(1)の調製において使用したキャリアと外添トナーの種類を下記表1に示すように変更した以外は同様にして、現像剤(2)〜(18)及び比較の現像剤(1)〜(7)を調製した。
<評価>
得られた現像剤(2)〜(18)及び比較の現像剤(1)〜(7)を用いて、Fuji Xerox社製DocuPrintColor400CPの改造機により、マグロールのスリーブ周速500mm/secにて下記コピーテストを行った。
かかるコピーテストは、高温高湿(30℃/85%RH)の環境下で、エリアカバレッジ1%で、20,000枚をコピーすることにより行い、10枚コピー後(初期時)および20,000枚コピー後(長期使用後)に、下記評価方法により、現像量及びカブリの項目について評価を行った。
(現像量評価方法)
10枚コピー後(初期時)にエリアカバレッジ100%のベタ画像を印画し、このベタ画像の画像濃度をX−rite社製の反射濃度計X−rite404にて測定した。また、20,000枚コピー後(長期使用後)にエリアカバレッジ100%のベタ画像を印画し、このベタ画像の画像濃度をX−rite社製の反射濃度計X−rite404にて測定した。
初期時の画像濃度と長期使用後の画像濃度の濃度差△Dを求め、現像量の評価を行った。△Dが小さいほど好ましい。
(かぶり評価方法)
10枚コピー後(初期時)の10枚目の画像についてカブリの観察を目視で行った。また、20,000枚コピー後(長期使用後)の20,000枚目の画像についてカブリの観察を目視で行った。
判断基準は、以下の通りであり、◎、○を実用可能なレベルとする。
◎:カブリが観察されず、実用上問題にならない。
○:カブリが観察されるが、実用上問題にならない程度である。
×:カブリが観察され、実用上問題になる。
(白点評価)
10枚コピー後(初期時)および20,000枚コピー後(長期使用後)のエリアカバレッジ30%の全面ハーフトーン画像をA3用紙に出力し、白点の個数をカウントし、以下の評価基準で評価した。
◎:白点なし
○:トータル5個未満
△:5個以上、10個未満
×:10個以上

Figure 2007114766

表1に示すように、上記条件下でのパウダーレオメーターでの測定においてトータルエネルギー量が1000〜2000mJで、密度が4g/cm以上8g/cm以下での静電荷像現像用キャリア、又はトータルエネルギー量が800〜1800mJで、密度が2g/cm以上4g/cm未満の静電荷像現像用キャリアと、粒度分布が1.3以下のトナー粒子とを含有する現像剤の場合、流動性が良好となったために、トナーインパクションの発生が抑えられ、長期間にわたって帯電/抵抗が安定し、高画質な画像が出力された。
パウダーレオメーターでのトータルエネルギー量の測定方法を説明するための図である。 パウダーレオメーターで得られた、垂直荷重とエネルギー勾配との関係を示す図である。 パウダーレオメーターで用いる回転翼の形状を説明するための図である。

Claims (2)

  1. トナー粒子とキャリアとを含む静電荷像現像用現像剤であって、
    前記トナー粒子は、下記式(1)で表される粒度分布が1.3以下であり、
    前記キャリアは、密度が4g/cm以上8g/cm以下で、且つ下記条件で測定したパウダーレオメーターでのトータルエネルギー量が1000〜2000mJである、又は、密度が2g/cm以上4g/cm未満で、且つ下記条件で測定したパウダーレオメーターでのトータルエネルギー量が800〜1800mJである、
    ことを特徴とする静電荷像現像用現像剤。
    式(1): 粒度分布={(D84p/D50p)+(D50p/D16p)}/2
    [式中、D84pは個数累積粒度分布において、小粒径側から累積84%となる粒径を表し、D50pは累積50%となる粒径を表し、D16pは累積16%となる粒径を表す。]
    パウダーレオメーターの測定条件:
    回転翼の先端スピード100mm/sec、回転翼の進入角度−10°
  2. 潜像担持体を帯電させる帯電工程と、
    帯電した前記潜像担持体を露光して、該潜像担持体上に静電潜像を形成させる露光工程と、
    トナーとキャリアとを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像工程と、
    前記トナー像を前記潜像担持体から被記録材に転写する転写工程と、を有する画像形成方法であって、
    前記現像剤が、請求項1に記載の静電荷像現像用現像剤を含み、
    前記現像工程は、前記現像剤を表面に担持する現像剤担持体が、周速100mm/sec以上800mm/sec以下で前記像担持体に対向して回転し、前記現像剤を前記像担持体に搬送する工程を有することを特徴とする画像形成方法。
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