JP2006323367A - 電子写真用現像剤、製造方法、装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真用現像剤、製造方法、装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】長期間使用しても、キャリアスペントを起さず、スペントによるキャリア摩擦帯電能力劣化や、画像にキャリア付着やトナー落ちによる白斑点異常画像が発生しないトナーを含む現像剤の提供
【解決手段】少なくともキャリア、結着樹脂及び着色剤からなる母体トナーに、添加剤として少なくともシリカ及びチタニアを添加してなるトナーを含む電子写真用現像剤において、超音波振動法によって測定した、該トナーに対するチタニアの遊離率が5〜22%であり、該トナーの帯電が絶対値で20〜40μC/gであることを特徴とする電子写真用現像剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を現像するための電子写真用現像剤に関する。
従来、電子写真法としては、米国特許第2,297,691号明細書、特公昭42−23910号公報(米国特許第3,666,363号明細書)及び特公昭43−24748号公報(米国特許第4,071,361号明細書)等に多数の方法が記載されているが、一般には、種々の手段により静電荷像担持体に電気的潜像を形成し、次いで、得られた潜像をトナーを用いて現像し、又、必要に応じて、紙などの転写材にトナーを転写した後、加熱、加圧あるいは溶剤蒸気等により定着させる一方、転写されずに静電荷像担持体上に残留したトナーをクリーニングすることにより、繰り返しコピー画像を得るものである。
電気的潜像をトナーを用いて可視化する現像方式は種々知られており、大別して乾式現像法と湿式現像法とに分けられるが、現在は、乾式現像法が一般的に用いられている。
乾式現像法は更に、二成分現像剤を用いる方法と、一成分現像剤を用いる方法とに二分される。
二成分現像剤は、結着樹脂中にカーボンブラックなどの着色剤を分散含有せしめて成るトナーと、鉄粉あるいはガラスビーズなどより成るキャリアとの混合物で、この二成分現像剤を用いる方式には、鉄粉キャリアを用いる磁気ブラシ法(米国特許第2,874,063号明細書に記載)、ビーズキャリアを用いるカスケード法(米国特許第2,618,
552号明細書に記載)などが知られている。
一成分現像剤は、トナーのみより成り、トナー中に磁性体を含有した磁性一成分現像剤と磁性体を含有しない非磁性−成分現像剤があるが、この一成分現像剤を用いる方式には、パウダークラウド法(米国特許第2,221,776号明細書に記載)、マグネドライ法、インプレッション法などが知られている。
しかしながら、これらの現像剤が樹脂と着色剤のみからなっていたのでは、流動性、転写性、現像性などの特性が十分でない。そのため、これらの特性を改善するために、トナーに添加剤として、シリカ、チタニア、アルミナ等の無機酸化物を添加することが行われている。
一般に、シリカ等の無機酸化物を添加剤として添加すると、流動性が向上し、良好な帯電特性が得られるが、母体トナーに付着せずに遊離している添加剤が、現像剤のキャリア表面に固着し、いわゆるスペントし、キャリアの摩擦帯電能力を弱め、キャリア付着及びトナー落ちが発生する現状などを引き起こし、現像剤としての十分な耐久性が得られない。
また、添加剤が母体トナーに均一に付着していたとしても、経時でトナー中における添加剤の存在状態が変化し、母体トナー中に埋没したり、母体トナーから脱離して遊離する添加剤の割合が徐々に増加したりする。
これにより、経時で流動性が悪化するため、トナーの帯電が不均一となりやすく、また経時で帯電性が低下し、トナー飛散や地汚れが増加する原因となる。
このような従来の問題に対して、いくつかの方法が提案されている。
特許文献1では、シリカを添加剤として含むトナーにおいて、添加剤であるシリカの一定量を母体粒子の表面に埋設、付着そして浮遊している割合を規定することで流動性の低下などを図る方法が提案されている。
しかし、シリカ単独ではシリカの帯電量が大きいため、添加剤混合後の帯電量が高くなり、経時における帯電量が変動しやすく付着量が異なるため、カラー画像を出した場合において安定したベタ画像を得ることができない。
また、特許文献2では、酸化チタンなどの無機微粒子の一定量をトナー粒子表面に強く付着させることで低電位コントラストの白色現像剤を提供することを提案している。しかし、それだけでは、経時による現像剤が劣化時のチタン遊離状態が分からず、課題対策として不十分である。
特許第3309294号公報 特開平9−218529公報
本発明の課題は、母体帯電が高いトナーにおいても、長期間使用しても、遊離するトナー外添剤のチタニアがキャリアスペントを起さず、スペントによるキャリア摩擦帯電能力劣化や、画像にキャリア付着やトナー落ちによる白斑点異常画像が発生しないトナーを含む電子写真用現像剤を提供することである。
他の課題としては経時によって添加剤の脱落や、埋没による帯電性の乱れや、地汚れの発生がなく、耐久性に優れるトナーを含む電子写真用現像剤を供給することである。
本発明者等は、前記課題を解決すべく、添加剤遊離率とキャリアスペントによるキャリア付着及びトナー落ち発生について鋭意研究を重ねた結果、遊離するシリカより、遊離するチタンが主にキャリアに固着しやすく、キャリアの帯電性を劣化させるという悪影響を及ぼすことを発見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に記載するとおりの構成を有する。
(1)少なくともキャリア、結着樹脂及び着色剤からなる母体トナーに、添加剤として少なくともシリカ及びチタニアを添加してなるトナーを含む電子写真用現像剤において、超音波振動法によって測定した、該トナーに対するチタニアの遊離率が5〜22%であり、該トナーの帯電が絶対値で20〜40μC/gであることを特徴とする電子写真用現像剤。
(2)前記トナーに含有される結着樹脂が少なくとも、酸価が10〜30KOHmg/gである樹脂を含有することを特徴とする上記(1)の電子写真用現像剤。
(3)チタニアの添加量がトナーに対して0.5〜1.5wt%であることを特徴とする上記(1)又は(2)の電子写真用現像剤。
(4)トナー母体に添加剤を添加する混合工程において、まずトナー母体にチタニアを添加して混合した後、シリカを添加して混合することによって得られたことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の電子写真用現像剤。
(5)前記キャリアの表面が少なくともアクリル樹脂及び/又はシリコーン樹脂で被覆されていることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の電子写真用現像剤。
(6)前記キャリアの体積固有抵抗が、10[Log(Ω・cm)]以上16[Log(Ω・cm)]以下であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の電子写真用現像剤。
(7)前記キャリアの体積平均粒径が20〜65(μm)であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の電子写真用現像剤。
(8)少なくとも、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体に静電荷像を形成させる帯電手段と、該静電潜像担持体に形成された静電潜像をトナー及びキャリアを含む現像剤で現像する現像手段と、該静電潜像担持体に形成されたトナー像を転写材上に転写する転写手段と、転写材上のトナー像を定着する定着手段とを有する画像形成装置であって、該現像剤が上記(1)〜(4)の電子写真用現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
(9)上記(1)〜(4)の電子写真用現像剤を収容した容器。
(10)感光体と、現像手段と、帯電手段又はクリ−ニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカ−トリッジにおいて、前記現像手段は、現像剤を保持し、該現像剤は、上記(1)〜(4)の電子写真用現像剤であることを特徴とするプロセスカ−トリッジ。
本発明により、母体帯電が高いトナーにおいても、長期間使用しても、遊離するトナー外添剤のチタニアがキャリアスペントを起さず、スペントによるキャリア摩擦帯電能力劣化や、画像にキャリア付着やトナー落ちが発生しないことが得られる。
更に、経時によって添加剤の脱落や、埋没による帯電性の乱れがなく、耐久性に優れる電子写真用トナーが得られる。
本発明におけるトナーの特徴は、少なくとも結着樹脂及び着色剤からなる母体トナーに、添加剤として少なくともシリカ、チタニアを添加してなる電子写真用トナーにおいて、超音波振動法による、トナーに対してチタニアの遊離率が5〜22%、該トナーの帯電が絶対値で20〜40μC/gである点にある。
電子写真高画像品質に要求されているトナー、現像剤の用件として、初期トナーの帯電性のみではなく、より大切なのは帯電性の耐久性である。トナーとキャリアで構成される現像剤が現像ユニット中で攪拌されながら消耗されていく。トナーはキャリア及び現像ユニットとの衝突と摩擦によって、表面に弱く付いていた添加剤が脱落し、遊離状態になる。その遊離する添加剤中では、特にチタニアがキャリアの表面に固着しやすく、いわゆるキャリアスペントを引き起こす。
スペントによって、キャリアの摩擦帯電能力が劣り、感光体キャリア付着や、トナー落ちが発生する。感光体に移転したキャリアや、落ちトナーは転写されにくいため、ベタ画像を出すときは、画像上に転写されなかったキャリアと落ちトナーによる白斑点異常画像が発生する。更にトナーはキャリア及び現像ユニットとの衝突と摩擦によって、添加剤がナーに埋没して、トナー帯電性が不均一になり、画像の地肌部に汚れ、いわゆる地汚れが発生する。
上記課題を両立して同時に対策するために、本発明ではトナー帯電を絶対値で20〜40μC/gにすることで、経時添加剤埋没による地汚れを防ぐことが出来た。その手段はトナー組成の樹脂酸価を規定することで、トナー自身の帯電能力を高くし、経時添加剤埋没によるトナー帯電劣化を防ぐことである。
また酸価の高い樹脂で構成されたトナーは凝集しやすく、トナー流動性をよくするためには、シリカを添加するが、シリカ自身が負の帯電性質を持っており、トナーにシリカを添加した後、トナー帯電性はより高くなり、トナー現像能力落ちによって画像濃度が薄くなるという問題がある。上記トナー帯電性を抑えるために、チタニアを添加するが、遊離チタニアが多いとキャリアスペントを起し、キャリア付着及びトナー落ちが発生する。そこで添加剤混合条件を工夫して、現像ユニット中で衝突、摩擦されても、トナーからのチタニアの遊離率を一定範囲にコントロールすることによって、上記地汚れ及びキャリア付着、トナー落ちによるベタ白斑点異常画像を同時に起さない、耐久性のある高画質画像を形成できる本発明のトナーを生み出した。
上記説明に基づいて、超音波振動法による、トナーに対してチタニアの遊離率が5〜22%であることが好ましい。より好ましい範囲は5%〜15%である。チタニアの遊離率が5%未満の場合はチタニアがトナーに強く付きすぎて、埋没し帯電を抑える機能が劣り、経時によってトナー帯電が上昇し、現像能力が劣り、画像濃度が薄くなる。チタニアの遊離率が22%を超える場合はチタニアがキャリアにスペントし、キャリア付着及びトナー落ちによるベタ画像白斑点異常画像が発生する。
本発明トナーの帯電は絶対値で20〜40μC/gであることが好ましい。より好ましいのは絶対値で20〜30μC/gである。トナー帯電絶対値が20μC/g未満の場合は経時添加剤トナーに埋没による帯電性乱れ、地汚れが発生する。40μC/gを超えると帯電が高すぎて、現像能力落ち、画像濃度薄くなる不具合が発生する。
本発明の添加剤チタニア遊離率を測定する方法としては超音波振動法を用いる。従来の添加剤遊離率の測定はパーテイクルアナライザによる、C原子を基準とする添加剤に由来するチタニアの遊離率を求める方法がほとんどであったが、その方法では初期トナーの添加剤遊離状態しか言えず、現像ユニット中でトナーがキャリアと現像ユニットとの衝突及び摩擦された後の添加剤遊離率が反映できない。本発明で用いる超音波振動法は上記現像ユニットで十分ストレスを受けた後のトナーから遊離したチタニアの遊離率を反映する測定方法であるため、その遊離率を一定範囲に規定することで、地汚れ及び白斑点異常画像が発生しないようにすることができる。
超音波振動法によって遊離率を測定する方法の詳細を以下に記載する。
・イオン交換水100mlに濃度が33%のドライウェル4.4mlを加え、1分攪拌して溶液Aを作製する。
・上記溶液Aにサンプルの初期トナー5gを添加して、20回シェイクし、十分に濡れさせた後に30分放置し、液Bを作製する。
・上記液Bを5回シェイクし、トナーを分散させてから、超音波ホモジナイザー(VCX750 SONICS製)にて、振動部を液Bに2.5cm進入し、出力エネルギー30%で、1分間振動させて、液Cを作製する。
・上記液Cを10分放置した後、ろ過する。ろ紙としては110mm、100CIRCLES(Toyo Roshi kaisha製)を用いる。
・ろ紙上に残ったトナーを回収し、40℃恒温槽で8時間乾燥させる。
・乾燥後得られたトナー3gを、自動加圧成型機(T−BRB−32 Maekawa製)、荷重6.0t、加圧時間60sec(メーカと条件)にて直径3mm、厚さ2mmにペレット成型し、処理後サンプルトナーとする。
・上記処理をしていないサンプル初期トナーを同様に直径3mm、厚さ2mmにペレット成型し、処理前サンプルトナーとする。
・蛍光X線装置(ZSX−100e 理学電気製)にて定量分析して上記ペレットトナーサンプルのチタニアの部数を測る。使用する検量線は予めトナーに対して、チタニアの含有量が0.1部、1部、1.8部のサンプルで作成する。
・下記の式によって遊離率を算出する。
Figure 2006323367
本発明トナーの帯電は絶対値で20〜40μC/gであることが好ましい。トナー
母体帯電の測定方法の詳細を以下に記載する。
トナーとキャリアとを、トナー濃度8wt%として、回転数285rpmのマグロールで780秒攪拌混合した6gの初期剤から1gの現像剤を計量し、23℃、相対湿度55%の環境において、ブローオフ装置(リコー創造開発株式会社製)シングルメント法によるトナーの帯電量分布を測定する。上記記載の測定条件以外の条件は特開平8−313487号公報に記載された条件に準じる。ブロー時、目開き795メッシュを用いる。
本発明のトナーは少なくとも酸価が10〜30KOHmg/gである結着樹脂を含有することが好ましい。樹脂酸価が10KOHmg/g未満の場合、経時添加剤埋没による帯電性ムラ、地汚れが発生しやすい。樹脂酸価が30KOHmg/gを超える場合、トナー帯電が高すぎて、現像力落ちにより画像濃度が薄くなりやすい。
本発明の酸価の測定方法は、JISK0070に準拠した方法による。但しサンプルが溶解しない場合は、溶媒にジオキサン又はTHF等の溶媒を用いる。
本発明のトナーはチタニアの添加量がトナーに対して0.5〜1.5wt%であることが好ましい。チタニア添加量が0.5wt%未満の場合トナー帯電が高すぎて、現像力落ちによって画像濃度が薄くなりやすい。チタニア添加量が1.5wt%を超える場合チタニアがキャリアにスペントし、キャリア付着及びトナー落ちによる白斑点異常画像が発生する。
チタニアの量の測定は以下に記載する方法による:
・トナー3を、自動加圧成型機(T−BRB−32 Maekawa製)、荷重6.0t、加圧時間60sec(メーカと条件)にて直径3mm、厚さ2mmに成型し、測定ペレットトナーサンプルとする。
・蛍光X線装置(ZSX−100e 理学電気製)にて定量分析で上記ペレットトナーサンプルのTiの部数を測る。使用する検量線は予めトナーに対して、Ti含有量が0.1部、1部、1.8部のトナーサンプルで作成する。
本発明のトナーは添加剤としてシリカを含有し、添加剤をトナー母体に添加させる混合工程では、チタニアと母体を先に混合した後、更にシリカを添加して混合する製造方法が好ましい。チタニアの外側にシリカを添加することで、チタニアが遊離しにくく、キャリアスペントを改善できると伴に、外側のシリカと合わせて、帯電性制御と流動性の両立ができる。
もしチタニアをシリカと同時添加、またはシリカより後添加して混合を行なう場合、現像ユニット中での攪拌ストレスによるチタニア遊離率上昇が起こり、キャリアスペントにより異常画像が発生しやすい。
本発明の上記トナーとキャリアとを含有する電子写真用現像剤において、該キャリアの表面が少なくともアクリル樹脂及び/又はシリコーン樹脂で被覆されることが好ましい。前記のようにトナーの流動性及び帯電性制御のために必要とされる添加剤チタニアが経時劣化によってトナーから落下し、遊離し、キャリア表面にスペント固着しやすい。キャリアの表面にアクリル樹脂及び/又はシリコーン樹脂からなる樹脂被覆層を用いることによって、チタニアの固着を防ぐ効果がよいことを確認した。これは、シリコーン樹脂は表面エネルギーが低いためチタニアのスペントがし難く、膜削れが生じるためのスペント成分の蓄積が進み難いという効果が得られるためである。
本発明でいうシリコーン樹脂とは、一般的に知られているシリコーン樹脂全てを指し、オルガノシロキサン結合のみからなるストレートシリコーンや、アルキド、ポリエステル、エポキシ、アクリル、ウレタンなどで変性したシリコーン樹脂などが挙げられるが、これらに限るものではない。例えば、市販品としてのストレートシリコーン樹脂としては、信越化学製のKR271、KR255、KR152、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSR2400、SR2406、SR2410等が挙げられる。この場合、シリコーン樹脂単体で用いることも可能であるが、架橋反応する他成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。更に、変性シリコーン樹脂としては、信越化学製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性)、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)などが挙げられる。
更に、樹脂被覆層に含有される結着樹脂がアクリル樹脂であることで、改善効果が顕著である。これは、アクリル樹脂は接着性が強く脆性が低いので、耐磨耗性に非常に優れた性質を持ち、被覆膜削れや膜剥がれといった劣化が発生しづらいからである。
本発明でいうアクリル樹脂とは、アクリル成分を有する樹脂全てを指し、特に限定するものではない。また、アクリル樹脂単体で用いることも可能であるが、架橋反応する他成分を少なくとも1つ以上同時に用いることも可能である。ここで言う架橋反応する他成分とは、例えばアミノ樹脂、酸性触媒などが挙げられるが、これに限るものではない。ここで言うアミノ樹脂とはグアナミン、メラミン樹脂等を指すが、これらに限るものではない。また、ここで言う酸性触媒としては、触媒作用を持つもの全てを用いることができる。例えば、完全アルキル化型、メチロール基型、イミノ基型、メチロール/イミノ基型等の反応性基を有するものであるが、これらに限るものではない。
更に、樹脂被覆層に含有される結着樹脂がアクリル樹脂及びシリコーン樹脂であることで、改善効果が顕著である。これは、先にも記載したが、アクリル樹脂は接着性が強く脆性が低いので耐磨耗性に非常に優れた性質を持つが、その反面、表面エネルギーが高いため、スペントし易いトナーとの組み合わせでは、トナー成分スペントが蓄積することによる帯電量低下など不具合が生じる場合がある。その場合、表面エネルギーが低いためトナー成分のスペントがし難く、膜削れが生じるためのスペント成分の蓄積が進み難い効果が得られるシリコーン樹脂を併用することで、この問題を解消することができる。しかし、シリコーン樹脂は接着性が弱く脆性が高いので、耐磨耗性が悪いという弱点も有するため、この2種の樹脂の性質をバランス良く得ることが重要であり、これによりスペントがし難く耐摩耗性も有する被覆膜を得ることが可能となる。
本発明の前記記載のトナーと、キャリアを含有する電子写真用現像剤において、該キャリアの体積固有抵抗が、10[Log(Ω・cm)]以上16[Log(Ω・cm)]以下であることが好ましい。
キャリアの体積固有抵抗が、10[Log(Ω・cm)]以上16[Log(Ω・cm)]以下であることで、現像スリーブからのトナー落下改善効果が顕著である。これは、体積固有抵抗が10[Log(Ω・cm)]未満の場合、経時によってコート層の樹脂膜が削られ、十分した摩擦帯電能力が弱まり、帯電量が14μC/g以下のトナー粒子を作り出しやすくなり、好ましくない。キャリアの体積固有抵抗が16[Log(Ω・cm)]を超える場合、固着したトナー成分が離れにくくなり、スペントが進行しやすくなり、耐久性が劣る。
本明細書でいう体積固有抵抗とは、ギャップ2mmを隔てた平行電極間にキャリアを投入しタッピングした後、両電極間にDC1000Vを印加し30sec後の抵抗値をハイレジスト計で計測した値を体積抵抗率に変換した値をいう。
本発明の前記記載のトナーと、キャリアを含有する電子写真用現像剤において、該キャリアの体積平均粒径が20〜65μmであることが好ましい。
キャリアの体積平均粒径が20μm以上65μm以下であることで、現像スリーブから
のトナー落下改善効果が顕著である。これは、体積平均粒径が20μm未満の場合は、現像剤流動性が悪くなり、攪拌による剤へのストレスが高くなり、トナー表面からチタニアが落下しやすくなる。65μmを超える場合には、トナーと接触できるキャリア総表面積が減り、摩擦の不十分による14μC/g以下トナー成分が増加しやすくなるため、好ましくない。
以下、本発明の電子写真用トナーの具体的な材料を示す。
結着樹脂としては、従来公知のものを広く使用することができる。例えば、ビニル樹脂あるいはポリエステル樹脂あるいはポリオール樹脂が好ましく用いられる。また、複数の樹脂を併用することも有り得る。
ビニル樹脂としては、ポリスチレン、ポリP−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体:スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体:ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニルなどがある。
ポリエステル樹脂としては以下のA群に示したような2価のアルコールと、B群に示したような二塩基酸塩からなるものであり、さらにC群に示したような8価以上のアルコールあるいはカルボン酸を第三成分として加えてもよい。
A群:エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2´−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2,0)−2,2´−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなど。
B群:マレイン酸、フマール酸、メサコニン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコ
ン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、リノレイン酸、又はこれらの酸無水物又は低級アルコールのエステルなど。
C群:グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上のアルコール、トリメリト酸、ピロメリト酸などの3価以上のカルボン酸など。
ポリオール樹脂としては、エポキシ樹脂と2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物、もしくはそのグリシジルエーテルとエポキシ基と反応する活性水素を分子中に1個有する化合物と、エポキシ樹脂と反応する活性水素を分子中に2個以上有する化合物を反応してなるものなどがある。
その他にも必要に応じて以下の樹脂を混合して使用することもできる。
エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ロジ
ン、変性ロジン、テルペン樹脂など。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールAやビスフェノールFなどのビスフェノールと
エピクロロヒドリンとの重縮合物が代表的である。
また本発明の電子写真用トナーにおける着色樹脂粒子の着色剤としては、トナー用とし
て公知の着色剤が使用できる。
イエロー着色剤の具体例として、C.I.Pigment Yellow 1(Symuler Fast Yellow GH,大日本インキ社製)、C.I.PigmentYellow 3(Symuler Fast Yellow 10GH,大日本インキ社製)、C.I.Pigment Yellow12(Symuler Fast Yellow GF,大日本インキ社製、イエロー152,有本化学社製、ピグメントイエローGRT,山陽色素社製、スミカプリントイエローST−O,住友化学社製、ベンジジンイエロー1316,野間化学社製、セイカファストイエロー2300,大日精化社製、リオノールイエローGRT,東洋インキ社製)、C.I.PigmentYellow 13(Symuler Fast Yellow GRF,大日本インキ社製)、C.I.Pigment Yellow 14(Symuler Fast Yellow5GR,大日本インキ社製)、C.I.Pigment Yellow 17(Symuler Fast Yellow 8GR,大日本インキ社製、リオノールイエローFGNT,東洋インキ社製)、C.I.PigmentYellow 180、C.I.Pigment Yellow 155などが挙げられる。
マゼンタ着色剤の具体例として、C.I.Pigment Red 5(Symuler Fast Carmine FB,大日本インキ社製)、C.I.Pigment Red18(Sanyo Toluidine Maroon Medium,山陽色素社製)、C.I.Pigment Red、21(Sanyo Fast Red GR,山陽色素社製)、C.I.PigmentRed 22(Symuler Fast Brill Scarlet BG,大日本インキ社製)、C.I.Pigment Red 57(Symuler BrillCarmine LB,大日本インキ社製)、C.I.Pigment Red 81(Symulex Rhodamine Y Toner F,大日本インキ社製)、C.I.PigmentRed 112(Symuler Fast Red FGR,大日本インキ社製)、C.I.Pigment R
ed 114(Symuler Fast CarmineBS,大日本インキ社製)、C.I.Pigment Red 122(Fastogen Super Magenta REO2,大日本インキ社製)、C.I.PigmentRed 269などが挙げられる。
シアン着色剤の具体例として、C.I.Pigment Blue 15(Fastogen Blue GS,大日本インキ社製、Chromofine SR,大日精化社製)、C.I.PigmentBlue 16(Sumitone Cyanine Blue LG,住友化学社製)、C.I.Pigment Blue 15:3(Cyanine Blue GGK,日本ビグメント社製、リオノールブルーFG7351,東洋インキ社製)、C.I.PigmentGreen 7(Phthalogcyanine Green 東京インキ社製)、C.I.Pigment Green 36(CyanineGreen ZYL,東洋インキ社製)などが挙げられる。
ブラック着色剤の具体例としては、カーボンブラック、スピリットブラック、アニワンブラック(C.I.Pigment Black 1)などが挙げられる。
着色剤の量としては結着樹脂100重量部に対して、0.1〜15重量部が好ましく、特に0.15〜9重量部が好ましい。
本発明の電子写真用トナーには、必要に応じて、帯電制御剤、離型剤などの他の材料を添加することができる。
本発明のトナーには荷電制御剤をトナー粒子に配合(内添)、又はトナー粒子と混合(外添)して用いることが好ましい。荷電制御剤によって、現像システムに応じた最適の荷電量コントロールが可能となり、特に本発明では粒度分布と荷電量とのバランスを更に安定したものとすることが可能である。
トナーを正荷電性に制御するものとして、ニグロシン及び四級アンモニウム塩、イミダゾール金属錯体や塩類を、単独あるいは2種類以上組合わせて用いることができる。
又、トナーを負荷電性に制御するものとしてサリチル酸金属錯体や塩類、有機ホウ素塩類、カリックスアレン系化合物などが用いられる。
荷電制御剤の量としては、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜1.0重量部が好ましく、特に0.2〜7重量部が好ましい。
また、定着時における定着部材からのトナーの離型性を向上させ、またトナーの定着性を向上させる点から、次のようなワックス類をトナー中に含有させることも好ましい。具体的には、パラフィンワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体などが挙げられ、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。これらは、結着樹脂及び定着ローラー表面材質により選択される。これら離型剤の融点は65〜90℃であることが好ましい。この範囲より低い場合には、トナーの保存時のブロッキングが発生しやすくなり、この範囲より高い場合には定着ローラー温度が低い領域でオフセットが発生しやすくなる。
その他、アルコール、脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ひまし油及びその誘導体、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、ペトロラクタムなども利用できる。
本発明に用いる外添剤として少なくともシリカ及び/又はチタニアを用いる。
シリカの具体例としては、コロイダルシリカ微粉末AEROSILTT600(日本アエロジル社製)等、チタニアの具体例としては、チタニアCR−EL(石原産業社製)等が挙げられる。
そして、少なくともシリカ、又はチタニアのいずれかが有機系シラン化合物で表面処理(疎水化処理)を施されていることが好ましい。
又、具体的な表面処理されたチタニア微粒子の商品名としては、アナターゼ型やルチル型の結晶性のものや無結晶性のものを使用することができ、T−805(日本アエロジル)やルチル型としてMT150AI、MT150AFM(以上テイカ)やSTT−30A(チタン工業)、STT−30A−FS(チタン工業)等がある。
また、本発明の電子写真用トナーには、更に前記のシリカやチタニアのほかに、他の添加剤を含有させることもできる。このような添加剤としては、例えば、A1、MgO、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、BaO、CaO、KO(TiO)、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO、MoS、炭化ケイ素、窒化ほう素、カーボンブラック、グラファイト、フッ化黒鉛などの無機微粉末、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデンなどのポリマー微粉末などが挙げられ、これらの1種または2種以上をそのまま、または表面処理して用いることができる。
本発明のトナーは更に磁性材料を含有させ、磁性トナーとしても使用し得る。
具体的な磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物などが挙げられる。
これらの磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重量部に対し約20〜200重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対し40〜150重量部である。
本発明のトナーを製造する方法の一例を示すが、これに限定するものではなく、公知の粉砕法、重合法すべて使用し得る。
先ず、前述した結着樹脂、着色剤としての顔料又は染料、荷電制御剤、滑剤、その他の添加剤等をヘンシェルミキサーの如き混合機により充分に混合した後、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、例えば神戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、KCK社製2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機や、連続式の1軸混練機、例えばブッス社製コ・ニーダ等の熱混練機を用いて構成材料を良く混練し、冷却後、ハンマーミル等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機により所定の粒度に分級する。
ついで、無機酸化物と該トナーをヘンシェルミキサーの如き混合機により段階に分けて混合し、必要に応じて、250メッシュ以上の篩を通過させ、粗大粒子、凝集粒子を除去する。
本発明のトナーのチタニアの遊離率は母体トナーと添加剤の撹拌時において、トナーの一番内側、または一段回目で混合することや、撹拌羽根の形状、回転数、混合時間等を調整することにより行う。撹拌装置としては、高速混合機を用い、具体的には、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)、メカノフュージョンシステム(細川ミクロン社製)、メカノミル(岡田精工社製)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
上記混合時において、凝集物が多い場合、添加剤に粗大粒子が含まれている場合、又、浮游している添加剤量が多い場合には、混合後に数百μm以下の目開きの篩を用いたり、分級を行うことにより、凝集物や添加剤の粗大粒子の除去を行うことができ、チタニアの遊離率を調整することができる。
本発明のトナーは、感光体と、帯電手段、現像手段及びクリ−ニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在としたプロセスカ−トリッジにおける現像手段に保持して用いることができる。
図1に本発明のトナーを用いるプロセスカ−トリッジを有する画像形成装置の概略構成を示す。
図1に示したプロセスカートリッジは、感光体、帯電手段、現像手段、クリーニング手段を備えている。動作を説明すると、感光体が所定の周速度で回転駆動される。感光体は回転過程において、帯電手段によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の像露光手段からの画像露光光を受け、こうして感光体の周面に静電潜像が順次形成され、形成された静電潜像は、次いで現像手段によりトナ−現像され、現像されたトナ−像は、給紙部から感光体と転写手段との間に感光体の回転と同期されて給送された転写材に、転写手段により順次転写されていく。
像転写を受けた転写材は感光体面から分離されて像定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピ−)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体の表面は、クリ−ニング手段によって転写残りトナ−の除去を受けて清浄面化され、更除電された後、繰り返し画像形成に使用される。
以下に本発明を実施例により具体的に説明する。これらは本発明の一形態に過ぎず、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部は重量部を表わす。
<実施例1>
(ポリエステル樹脂aの製造例)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのEO2モル付加物350部、ビスフェノールAのPO3モル付加物326部、テレフタル酸278部、無水フタル酸40部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸62部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕してポリエステル樹脂aを得た。その酸価は32KOHmg/gであった
(トナーの製造例)
トナー処方:
ポリエステル樹脂a 100部
マゼンタ顔料(Pigment Red 269) 5部
帯電制御剤(オリエント化学工業社製E−84) 2部
カルナバワックス 3部
上記材料のうち、顔料とポリエステル樹脂および純水を、1:1:0.5の割合で混合し、2本ロールにより混練した。混練を70℃で行い、その後、ロール温度を120℃まで上げて水を蒸発させ、マスターバッチを作製した。
作製したマスターバッチを使用して、上記処方と同じになるように材料を混ぜ、2本ロールにより50℃で40分溶融混練し、冷却後、ハンマーミルで粗粉砕した後、エアージェット粉砕機で微粉砕し、得られた微粉末を分級して重量平均粒径(D4)6.8μmのトナー母体1を得た。さらに、ステアリン酸亜鉛(堺化学工業社製)0.15部、疎水性シリカ(クラリアントジャパン社製)を1重量部、疎水性酸価チタン(テイカ社製)を1.6重量部を添加し、ミキサーで混合し、トナー1を得た。混合条件として回転数1000rpm、攪拌ON30秒、攪拌OFF60秒、6回繰り返す。
得られたトナー帯電は−40μC/g、チタニアの遊離率は20%であった。
(キャリアの製造)
・シリコーン樹脂溶液 132.2部
[固形分23重量%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
・アミノシラン 0.66部
[固形分100重量%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
・導電性粒子1 31部
[基体:アルミナ、表面処理;下層=二酸化スズ/上層=二酸化スズを含む
酸化インジウム、粒径:0.35μm,粒子粉体比抵抗:3.5Ω・cm]
・トルエン 300部
をホモミキサーで10分間分散し、シリコーン樹脂被覆膜形成溶液を得た。芯材として体積平均粒径;35μm焼成フェライト粉を用い、上記被覆膜形成溶液を芯材表面に膜厚0.15μmになるように、スピラコーター(岡田精工社製)によりコーター内温度40℃で塗布し乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて300℃で1時間放置して焼成した。
冷却後、フェライト粉バルクを目開き63μmの篩を用いて解砕し、[キャリア1]を得た。
(画像評価)
上記のようにして作製したトナー7重量%と、上記で製造したキャリア1の93重量%とを混合し、得られた二成分現像剤を用いてリコー社製複写機imagio NEO C600改造機にて現像を行い、5000枚/日で、初期及び100K枚(100000枚)でそれぞれ評価画像を出す。黒ベタ(A3)3枚、白ベタ(A3)3枚、S5画像チャート(A3)3枚を出力し、黒ベタ画像で白斑点評価、白ベタで地肌部地汚れ評価、S5チャートで画像濃度を評価した。
下記のように評価結果を次の5段階でランク付けした。
★ 黒ベタ画像白斑点評価基準(A3ベタ画像1枚あたりの白抜け場所の数、3枚平均
値を用いる)
ランク5:0個
ランク4:1〜5個
ランク3:6〜10個
ランク2:11〜15個
ランク1:16個以上
★ 白ベタ画像地汚れ評価基準(2平方センチあたりの地汚れ部画像面積率、5箇所平均値を用いる)
ランク5:0%
ランク4:1〜5%
ランク3:6〜10%
ランク2:11〜15%
ランク1:16%以上
★ S5チャート画像濃度評価基準(ベタ部をX−RITEで画像濃度を測る)
ランク5:1.50以上
ランク4:1.41〜1.50
ランク3:1.31〜1.40
ランク2:1.21〜1.30
ランク1:1.20以下
評価結果を実施例と共に表1及び表2に示す。
<比較例1>
実施例1において、添加剤混合条件は下記条件に変更した以外は、実施例1と同様にトナー2を得た。
添加剤混合条件:
回転数1000rpm、攪拌ON15秒、攪拌OFF60秒、5回繰り返す。
得られたトナー帯電は−40μC/g、チタニアの遊離率は23%であった。
<比較例2>
実施例1において、添加剤混合条件は下記条件に変更した以外は、実施例1と同様にトナー3を得た。
添加剤混合条件:
回転数1000rpm、攪拌ON10分、攪拌OFF60秒、7回繰り返す。
得られたトナー帯電は−45μC/g、チタニアの遊離率は3%であった。
<実施例2>
実施例1において、ポリエステル樹脂aを以下のポリエステル樹脂bに変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー4を得た。
ポリエステル樹脂b(酸価:28KOHmg/g)
得られたトナー帯電は−34μC/g、チタニアの遊離率は20%であった。
<比較例3>
実施例2において、ポリエステル樹脂bを以下のポリエステル樹脂cに変更した以外は、実施例2と同様にしてトナー5を得た。
ポリエステル樹脂c(酸価:8KOHmg/g)
得られたトナー帯電は−18μC/g、チタニアの遊離率は20%であった。
<実施例3>
実施例2において、疎水性酸価チタンの重量部を下記のように変更した以外は、実施例2と同様にしてトナー6を得た。
疎水性酸価チタン重量部:1.4重量部
得られたトナー帯電は−36μC/g、チタニアの遊離率は18%であった。
<実施例4>
実施例3において、添加剤混合条件を下記条件に変更した以外は、実施例3と同様にしてトナー7を得た。
疎水性酸価チタンとトナー母体を先に回転数1000rpm、攪拌ON2分秒、攪拌OFF60秒、3回繰り返してから、シリカを後添加して更に1000rpm、攪拌ON2分秒 1回攪拌する。
得られたトナー帯電は−37μC/g、チタニアの遊離率は5%であった。
<実施例5>
実施例1において、キャリアの樹脂を下記に示すようにアクリル樹脂系とシリコーン樹脂系の混合系に変更し、かつ膜厚を変更した以外は、実施例1と同様にして[キャリア2]を得て、評価した。
<キャリアの製造>
・アクリル樹脂溶液(固形分50重量%) 39.7部
・シリコーン樹脂溶液 185.8部
[固形分20重量%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
・アミノシラン 0.66部
[固形分100重量%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
・導電性粒子1 31部
[基体:アルミナ、表面処理;下層=二酸化スズ/上層=二酸化スズを含む
酸化インジウム、粒径:0.35μm,粒子粉体比抵抗:3.5Ω・cm]
・トルエン 300部
[実施例6]
実施例1におけるキャリアの処方において導電性粒子を31部から20部に減らして体積抵抗を12.5[Log(Ω・cm)]に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてキャリア3を得て、評価した。
[実施例7]
実施例1において、キャリアの芯材の粒径を変えて、キャリアの体積平均粒径を60μmに変更したこと以外は、実施例1と同様にしてキャリア4を得て、評価した。
Figure 2006323367
Figure 2006323367
本発明のトナーは、長期間使用しても、画像にキャリア付着やトナー落ちによる白斑点異常画像が発生しないので、電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を現像するための電子写真用トナーとして好適に用いることができる。
本発明のトナーを現像装置に組込んで用いるプロセスカ−トリッジの概略図である。

Claims (10)

  1. 少なくともキャリア、結着樹脂及び着色剤からなる母体トナーに、添加剤として少なくともシリカ及びチタニアを添加してなるトナーを含む電子写真用現像剤において、超音波振動法によって測定した、該トナーに対するチタニアの遊離率が5〜22%であり、該トナーの帯電が絶対値で20〜40μC/gであることを特徴とする電子写真用現像剤。
  2. 前記トナーに含有される結着樹脂が少なくとも、酸価が10〜30KOHmg/gである樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載の電子写真用現像剤。
  3. チタニアの添加量がトナーに対して0.5〜1.5wt%であることを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真用現像剤。
  4. トナー母体に添加剤を添加する混合工程において、まずトナー母体にチタニアを添加して混合した後、シリカを添加して混合することによって得られたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用現像剤。
  5. 前記キャリアの表面が少なくともアクリル樹脂及び/又はシリコーン樹脂で被覆されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真用現像剤。
  6. 前記キャリアの体積固有抵抗が、10[Log(Ω・cm)]以上16[Log(Ω・cm)]以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真用現像剤。
  7. 前記キャリアの体積平均粒径が20〜65(μm)であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真用現像剤。
  8. 少なくとも、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体に静電荷像を形成させる帯電手段と、該静電潜像担持体に形成された静電潜像をトナー及びキャリアを含む現像剤で現像する現像手段と、該静電潜像担持体に形成されたトナー像を転写材上に転写する転写手段と、転写材上のトナー像を定着する定着手段とを有する画像形成装置であって、該現像剤が請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真用現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真用現像剤を収容した容器。
  10. 感光体と、現像手段と、帯電手段又はクリ−ニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカ−トリッジにおいて、前記現像手段は、現像剤を保持し、該現像剤は、請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真用現像剤であることを特徴とするプロセスカ−トリッジ。
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