JP2003241416A - 二成分現像剤 - Google Patents

二成分現像剤

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JP2003241416A
JP2003241416A JP2002043071A JP2002043071A JP2003241416A JP 2003241416 A JP2003241416 A JP 2003241416A JP 2002043071 A JP2002043071 A JP 2002043071A JP 2002043071 A JP2002043071 A JP 2002043071A JP 2003241416 A JP2003241416 A JP 2003241416A
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Masahiko Ishikawa
正彦 石川
Hirota Sakon
洋太 左近
Koichi Kato
弘一 加藤
Akihiro Koban
昭宏 小番
Shinichi Kuramoto
信一 倉本
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電的付着力と非静電的付着力とからなるト
ナーの付着力の分布に着目し、感光体の地汚れを引き起
こすことのない適正なトナーの付着力分布を有する二成
分現像剤を提供することを課題とする。 【解決手段】 トナーと磁性キャリアからなる二成分現
像剤であって、前記トナーは、トナーの付着力分布にお
ける、付着力が10nN以下である低付着力成分の占め
る割合が、トナー粒子全体の10%以下である二成分現
像剤とする。上記付着力分布を有するトナーを用いるこ
とにより、感光体の地汚れを防ぐことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリン
タ、FAX等の電子写真方式の画像形成装置において静
電潜像を現像するための二成分現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、乾式二成分現像剤あるいは乾式一
成分現像剤を用いた複写機、プリンタ、FAX等の電子
写真方式の画像形成装置においては、電子写真感光体
(以下、単に「感光体」と称す。)の非画像部、すなわ
ち地肌電位部にトナーが付着することにより、地汚れが
発生して画質が低下するという問題がある。この地汚れ
が発生する原因としては、主に2通りが知られている。1
つとしては、感光体の感度低下や残留電位の上昇など感
光体の静電特性が劣化し、あるいは画像形成装置におけ
る光学系の汚れなどにより露光量が低下するなどして、
感光体の地肌電位自体に問題がある場合である。この対
策例として、感光体表面電位の測定結果に応じて潜像形
成条件を変化させて地肌電位を制御させる方法がある。
【0003】もう1つの原因としては、感光体の地肌電
位は正常であるが現像剤自体に問題がある場合であり、
以下にこの場合について説明する。トナーと磁性キャリ
アからなる二成分現像剤の場合、現像ニップ内では、ベ
タ現像をするのに十分な多量のトナーが一旦感光体表面
に接触し、現像電界によるクーロン力の向きと大きさに
より、最終的に感光体側に残るか、磁性キャリア側に戻
るかが決まる。現像電界が一定であるならば、クーロン
力の向きと大きさはトナー粒子の帯電量で決まるが、実
際トナー粒子の帯電量は分布を持っているため、トナー
粒子ごとに異なった挙動をする。現像ニップには地汚れ
を減少させるために現像バイアスが印加されているた
め、現像ニップ内の感光体地肌部上に存在する多数の正
常帯電トナーに対しては、磁性キャリア側に戻る比較的
大きなクーロン力が働くため、地汚れは抑制される。し
かし、現像剤中に存在する少数の逆帯電トナーに対して
は、感光体側に付着する方向にクーロン力が働くため、
地肌部に逆帯電トナーが付着してしまう。また、弱帯電
トナーについては、磁性キャリア側へのクーロン力が小
さいため、キャリア側に戻らずに地肌部に残りやすくな
る。したがって、感光体上の地汚れは、主に現像剤中に
含まれる逆帯電トナー及び弱帯電トナーが地肌部に付着
することがその原因であり、現像剤の経時劣化や現像剤
の混合攪拌不足による逆帯電トナー及び弱帯電トナーの
増加が原因であると考えられている。
【0004】電子写真方式の画像形成方法における現像
特性は、トナーの静電気的付着力と非静電的付着力を合
わせた付着力と、電界による静電気力との力関係で決定
されるため、トナーと磁性キャリアまたは感光体との付
着力制御は設計上重要な要素となる。例えば、二成分現
像方式を用いた場合、トナーと感光体間の付着力が大き
すぎると、トナーが現像バイアスによって現像器側に戻
り難くなり、感光体上に残留しやすくなり、地汚れとな
る。この対策としては、トナー−感光体間の付着力及び
トナー粒子−トナー粒子間の付着力を低減することが重
要である。トナーと感光体間の付着力のうち、静電的付
着力はトナーの帯電量に依存し、帯電量を下げることに
よって低減することができる。しかし、トナーの帯電量
が小さすぎると、電界による静電気力でトナーを現像さ
せることができなくなる。
【0005】そこで、現像剤中のトナーの付着力を規定
し、逆帯電トナーや弱帯電トナーの割合を減少させる方
法として、従来、いくつかの方法が考えられてきた。例
えば、特開平11−258081号公報には、トナー粒
子間の非静電的付着力を定量的に測定できる粉体間付着
力測定装置及び粉体間付着力測定方法を提供し、さらに
は、粉体間付着力測定装置及び粉体間付着力測定方法を
利用して、トナー画像形成後のトナー飛散を低減できる
画像形成装置及び画像形成方法を提供することについて
開示されている。また、特開2000−347442号
公報には、トナーと感光体間の付着力のうち、非静電的
付着力に着目して遠心分離による粉体付着力測定方法に
より測定されるトナー粒径と非静電的付着力の平均値の
関係を規定することで、地汚れを抑制できる電子写真用
トナーと画像形成方法及び画像形成装置を提供すること
について開示されている。さらにまた、特開2000−
98656号公報には、遠心分離による粉体付着力測定
方法により測定された電子写真感光体との非静電的付着
力の平均値が35nN以下であり、かつ、画像部に現像
された平均付着力に対する非静電的付着力の比率が9.
0%以下であることで、中抜けの発生がなく良質の複写
画像が得られる電子写真トナーを提供することについて
開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記に
示すこれまで開示されてきた技術は、いずれもファンデ
ルワールス力や液架橋力のような非静電的付着力をコン
トロールしているが、トナーの帯電によって生じる鏡像
力やクーロン力のような静電的付着力については特別コ
ントロールしていない。実際、付着力のうち大部分を占
めているのは静電的付着力であり、非静電的付着力のコ
ントロールだけでは十分に地汚れを抑制できているとは
言えないのが従来の技術の問題点である。
【0007】そこで、上記問題点に鑑み、本発明は、静
電的付着力と非静電的付着力とからなるトナーの付着力
の分布に着目し、感光体の地汚れを引き起こすことのな
い適正なトナーの付着力分布を有する二成分現像剤を提
供することを課題とする。さらには、その付着力分布の
コントロールにより1ドットを忠実に再現でき、高画質
化がはかれる二成分現像剤を提供することを課題とす
る。加えて、長時間ランにも耐えられる高耐久性の二成
分現像剤を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】ここで、磁性キャリアと
トナーの付着力は、以下の式1で表される。
【数1】 但し、αは定数(=1/2)、qはトナー電荷量、ε0は真空の
誘電率、rはトナー粒子半径、Fvはファンデルワールス
力である。上述したように、静電的付着力と非静電的付
着力とからなっている。この付着力Fを求めるのに相応
しい測定方法として、本発明者らは、衝撃法による付着
力測定方法を用いた。そして、感光体の地汚れを引き起
こしやすいトナーと、引き起こしにくいトナーについ
て、付着力分布の解析を行ったところ、付着力分布の差
が具体的に明らかになり、感光体の地汚れを引き起こす
ことのない適正な付着力分布を有するトナーを規定する
に至った。また、さらに、地汚れを引き起こしにくい付
着力分布を持ち、その付着力分布が正規分布の一次関数
で近似できるトナーは、磁性キャリアに対する付着力が
均一で安定しているため、濃度ムラがなく、1ドットを
忠実に再現でき、高画質化がはかれることが分かり、本
発明を完成させるに至った。
【0009】すなわち、請求項1に記載の発明は、トナ
ーと磁性キャリアからなる二成分現像剤であって、前記
トナーは、トナーの付着力分布における、付着力が10
nN以下である低付着力成分の占める割合が、トナー粒
子全体の10%以下である二成分現像剤である。請求項
2に記載の発明は、請求項1に記載の二成分現像剤にお
いて、前記トナーの付着力分布における半値幅の存在す
る範囲が、5nN以上70nN以下である二成分現像剤
である。請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の二
成分現像剤において、前記トナーの付着力分布における
半値幅の存在する範囲が、5nN以上50nN以下であ
る二成分現像剤である。請求項4に記載の発明は、請求
項1に記載の二成分現像剤において、前記トナーの付着
力分布における半値幅の存在する範囲が、10nN以上
70nN以下である二成分現像剤である。
【0010】請求項5に記載の発明は、請求項1ないし
4のいずれかに記載の二成分現像剤において、前記トナ
ーの付着力分布における半値幅が、10nN以下である
二成分現像剤である。請求項6に記載の発明は、請求項
1ないし5のいずれかに記載の二成分現像剤において、
前記トナーの付着力分布における、付着力が200nN
以上である高付着力成分の占める割合が、トナー粒子全
体の10%以下である二成分現像剤である。請求項7に
記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の二
成分現像剤において、前記トナーの付着力分布におけ
る、付着力が200nN以上である高付着力成分の占め
る割合が、トナー粒子全体の5%以下である二成分現像
剤である。請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7
のいずれかに記載の二成分現像剤において、前記トナー
の付着力分布が、正規分布の一次関数により誤差5%以
内で近似される二成分現像剤である。
【0011】請求項9に記載の発明は、請求項1ないし
8のいずれかに記載の二成分現像剤において、前記トナ
ーの重量平均粒子径が5μm以上10μm以下である二
成分現像剤である。請求項10に記載の発明は、請求項
1ないし9のいずれかに記載の二成分現像剤において、
前記トナーが、電荷制御剤として、ニグロシン系染料、
トリフェニルメタン系染料、イミダゾール金属錯体及び
その塩類からなる群より選択される1種以上を含む二成
分現像剤である。請求項11に記載の発明は、請求項1
ないし9のいずれかに記載の二成分現像剤において、前
記トナーが、電荷制御剤として、サリチル酸金属錯体及
びその塩類、有機ホウ素塩類、カリックスアレン系化合
物からなる群より選択される1種以上を含む二成分現像
剤である。請求項12に記載の発明は、請求項1ないし
9のいずれかに記載の二成分現像剤において、前記トナ
ーが、無機微粉体として、シリカ、アルミナ、チタニア
からなる群より選択される1種以上を含む二成分現像剤
である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。本発明の二成分現像剤におけるトナーの付着力
分布を導き出すに当たり、採用した衝撃法による付着力
測定方法について詳細に説明する。図1は、付着力測定
装置の概略構成を示す図である。付着力測定装置は、ト
ナーを付着させる測定セル13、測定セル13を保持す
る土台15、測定セル13に衝撃を与えるための打撃子
12及びガイド11、測定セル13の変位を測定する変
位計23からなる。図2は、図1における測定セルの部
分を拡大した図である。測定セル13は、ベースとなる
アルミ板22と、その下側に取り付けられたネサガラス
を用いた一対の平行に対向する電極からなる。この一対
の電極は、上側がトナー付着基板23で、下側が対向電
極25である。試料であるトナーはトナー付着基板23
に付着させる。
【0013】次に、測定に際する装置の動作について説
明する。図1において、測定セル13は、軟らかな弾性
体14で装置の土台15に保持されており、その上方か
ら打撃子12を自由落下させ、測定セル13に衝撃を与
える。打撃により測定セル13は下方向に運動し、土台
15と衝突して停止、もしくは振動する。図2におい
て、測定セル13のトナー付着基板23に付着したトナ
ーには、測定セル13停止時に鉛直下方向、すなわち脱
離方向の最大の加速度が生じる。このとき、測定セル1
3に掛かる加速度を、高度なレーザ変位計16(例えば
Keyence社製LS計)により、測定セル13の移動量か
ら計算によって求める。また、トナー付着基板23に付
着したトナーは、ネサガラスを通して観察し、衝撃印加
前後のトナー付着基板23へのトナー粒子の付着数を計
数する。観察はマイクロスコープを使用し、撮影したデ
ジタル画像は解析装置にて計数、及び統計解析する。以
上の測定操作を、測定セル13に掛かる加速度を変化さ
せて行い、トナーの付着力分布を求める。
【0014】次に、正規分布関数による付着力分布の近
似方法について説明する。上記で得られた付着力分布に
対して、正規分布関数式を当てはめる。ここで、正規分
布関数式は以下の式2の通りである。
【数2】 正規分布関数はx=μで最大となる左右対称な分布であ
り、その分布幅はσの値によって決まる。σが大きくな
るにつれて分布幅が大きくなり、ピーク値が下がる。正
規分布関数は常に正で、x→∞でf(x)=0、x→‐∞でもf
(x)=0となる。この正規分布関数を‐∞から∞の間で積
分すると1になるので、実際にこの正規分布関数で付着
力分布を表現するには、正規分布関数を整数倍aする必
要がある。よって、得られた付着力分布からピーク値を
求めてμを決め、σとaの値を変えながら付着力分布と
正規分布関数の近似をはかる。
【0015】次に、測定に供する二成分現像剤について
説明する。磁性キャリアは1種類とし、この磁性キャリ
アと試料であるトナーとを以下のような3つの条件下で
攪拌混合し、付着力測定に供する。 1)現像剤量50〜500g、トナー濃度5wt%として
トナーと磁性キャリアとを円筒状の容器に入れ、回転数
100〜300rpmのボールミルにて60〜600秒間
攪拌混合する。これを初期剤とする。 2)初期剤をさらに回転数100〜300rpmのボール
ミルにて300〜500分間攪拌する。これを第二剤と
する。 3)第二剤に、トナー濃度5.25wt%となるようにト
ナーを加え、さらに回転数100〜300rpmのボール
ミルにて60〜300秒間攪拌する。これを第三剤とす
る。 尚、上記に規定するボールミル回転数、攪拌時間等の条
件は、本発明を何ら限定するものではなく、用いる画像
形成装置の構成を加味して選定することができる。
【0016】また、上記測定に供した二成分現像剤をリ
コー製カラーレーザープリンタ(IPSiO Color8000)に
搭載し、地汚れ評価を行う。地汚れ評価は、最も地汚れ
の悪いランクを1として5段階評価し、ランク4以上を
良好とする。これらの評価により、トナーの付着力分布
と地汚れ評価との関係を明らかにすることで、本発明の
二成分現像剤を得るに至った。
【0017】本発明の二成分現像剤に係るトナーは、そ
の付着力分布において、付着力が10nN以下である低
付着力成分の占める割合が、トナー粒子の10%以下と
する。上記の初期剤、第二剤、第三剤いずれの条件にお
ける現像剤であっても、低付着力成分の占める割合が上
記範囲であれば、地汚れ評価で4以上のランクを得るこ
とができる。一方、低付着力成分の占める割合が10%
を超えると、感光体の地汚れを引き起こしやすくなり、
地汚れ評価で得られるランクが3.5以下になってしま
う。
【0018】トナーの付着力分布における半値幅の存在
する範囲は、5nN以上70nN以下であることが好ま
しい。半値幅が上記範囲からはずれるということは、付
着力の低い成分もしくは高い成分が多くなることを意味
しており、地汚れランクが4より低くなる。また、上記
に示した初期剤に関しては、トナー付着力分布における
半値幅の存在する範囲が5nN以上50nN以下である
ことがより好ましい。これにより地汚れランク4.5以
上が得られる。さらにまた、上記に示した第二剤に関し
ては、トナー付着力分布における半値幅の存在する範囲
が10nN以上70nN以下であることがより好まし
い。第二剤では、現像剤の経時での変化により、トナー
付着力分布が広がることを考慮しているが、半値幅の存
在する範囲が上記範囲であれば、地汚れランク4.5以
上を得ることができる。
【0019】また、本発明の二成分現像剤に係るトナー
は、上記の半値幅が存在する範囲に加え、半値幅が10
nN以下であることが一層好ましい。このような狭い付
着力分布を有するトナーを用いることで、地汚れランク
5を得ることができる。一方、半値幅が10nNを超え
ると、地汚れランクが4.5以下となり、その半値幅の
広さによりランクが低下する。
【0020】次に、トナー付着力分布における付着力が
200nN以上である高付着力成分の占める割合は、ト
ナー粒子全体の10%以下であることが好ましい。第二
剤のように、現像剤の経時変化により付着力分布が広が
ったトナーであっても、高付着力成分の占める割合を上
記範囲とすることで、地汚れランク4.5以上が得られ
る。一方、高付着力成分の占める割合が10%を超える
と、感光体の地肌部に付着した後、磁性キャリア側に戻
らずに残るトナーの割合が高くなるため、地汚れランク
が4以下になってしまう。また、初期剤の場合は、特
に、高付着力成分の占める割合が5%以下であることが
好ましい。これにより地汚れランク5が得られる。高付
着力成分の占める割合が5%を超えると、地汚れランク
は4.5以下になってしまう。
【0021】さらに、上記のトナー付着力分布は、正規
分布の一次関数により誤差5%以内で近似されることが
好ましい。このような付着力分布を有するトナーは、磁
性キャリアに対する付着力が均一で安定しているため、
地汚れランク5を得ることができる。加えて、濃度ムラ
がなく1ドットを忠実に再現でき、画像の高画質化を図
ることができる。
【0022】次に、本発明の二成分現像剤の構成につい
て説明する。トナーは、主としてバインダー樹脂と着色
剤からなる。バインダー樹脂としては、ビニル樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリオール樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
アミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、
フェノール樹脂、ブチラール樹脂、テルペン樹脂等が挙
げられるが、この中でもビニル樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリオール樹脂が好ましく用いられる。ビニル樹脂
としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、
ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単
重合体、あるいは、その共重合体:スチレン−p−クロ
ロスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合
体等、そして、スチレン及び他のビニル基を含有する化
合物との共重合体:スチレン−プロピレン共重合体、ス
チレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリ
ル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重
合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン
−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル
酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重
合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレ
ン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン
−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチル
エーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共
重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチ
レン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重
合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合
体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイ
ン酸エステル共重合体等、さらには、ポリメチルメタク
リレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ酢酸ビニル等がある。
【0023】ポリエステル樹脂としては、以下のA群に
示すような2価のアルコールと、B群に示すような二塩
基酸塩からなるものであり、さらにC群に示すような3
価以上のアルコールあるいはカルボン酸を第三成分とし
て加えてもよい。 A群:エチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコー
ル、1,4ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4
ブテンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シク
ロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノー
ルA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキ
シプロピレン(2,2)−2,2’−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキ
シエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2,0)−2,2’−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等。 B群:マレイン酸、フマール酸、メサコニン酸、シトラ
コン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタール酸、イソ
フタール酸、テレフタール酸、シクロヘキサンジカルボ
ン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、
リノレイン酸、またはこれらの酸無水物または低級アル
コールのエステル等。 C群:グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトール等の3価以上のアルコール、トリメリット
酸、ピロメリット酸等の3価以上のカルボン酸等。
【0024】ポリオール樹脂としては、エポキシ樹脂と
2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物、もしく
はそのグリシジルエーテルのエポキシ基と反応する活性
水素を分子中に1個有する化合物と、エポキシ樹脂と反
応する活性水素を分子中に2個以上有する化合物を反応
してなるものなどがある。
【0025】着色剤としては、以下のものが好ましく用
いられる。黒色顔料としては、カーボンブラック、オイ
ルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブ
ラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のア
ジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸
化物が挙げられる。黄色顔料としては、カドミウムイエ
ロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエ
ロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハ
ンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエロ
ーGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエロー
NCG、タートラジンレーキが挙げられる。また、橙色顔
料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレン
ジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、イン
ダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレン
ジG、インダンスレンブリリアントオレンジGKが挙げら
れる。赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッ
ド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロ
ンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレ
ッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ロ
ーダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカ
ーミン3Bが挙げられる。紫色顔料としては、ファストバ
イオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられ
る。青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブル
ー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、
無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部
分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレン
ブルーBCが挙げられる。緑色顔料としては、クロムグリ
ーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイト
グリーンレーキ等がある。これらは、1種または2種以
上を使用することができる。
【0026】上記、バインダー樹脂と着色剤とは、特に
カラートナーにおいては、着色剤の均一分散が必須とな
るため、着色剤を直接大量のバインダー樹脂中に投入す
るのではなく、一度高濃度に着色剤を分散させたマスタ
ーバッチを作製し、それを希釈する形でバインダー樹脂
に投入する方法が用いられている。この場合、一般的に
は、着色剤の分散性を助けるために溶剤が使用されてい
たが、環境等の問題に鑑み、本発明に係るトナーでは水
を使用して分散させるものとする。また、マスターバッ
チ中の残水分が問題にならないように、適宜温度コント
ロールをするものとする。
【0027】本発明に係るトナーには、電荷制御剤を添
加する。電荷制御剤は、現像システムに応じた最適の電
荷量コントロールを可能とし、特に本発明のトナーにお
いては、粒度分布と電荷量とのバランスを更に安定した
ものとすることができる。電荷制御剤は、トナー粒子内
部に配合(内添)してもよい。また、トナー粒子と混合
(外添)して用いてもよい。トナーを正電荷性に制御す
るものとしては、ニグロシン系染料、トリフェニルメタ
ン系染料、イミダゾール金属錯体及びその塩類が好まし
く、これらを単独あるいは2種類以上組合せて用いるこ
とができる。また、トナーを負電荷性に制御するものと
しては、サリチル酸金属錯体及びその塩類、有機ホウ素
塩類、カリックスアレン系化合物が好ましく、これらを
単独あるいは2種類以上組合せて用いることができる。
【0028】また、本発明に係るトナーには、定着時の
オフセット防止のために離型剤を内添することも可能で
ある。離型剤としては、キャンデリラワックス、カルナ
ウバワックス、ライスワックスなどの天然ワックス、モ
ンタンワックス、パラフィンワックス、サゾールワック
ス、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、
アルキルリン酸エステル等がある。これら離型剤は、融
点が65℃以上90℃以下であることが好ましい。この
範囲より低い場合には、トナーの保存時のブロッキング
が発生しやすくなり、この範囲より高い場合には定着ロ
ーラ温度が低い領域でオフセットが発生しやすくなる場
合がある。
【0029】さらに、流動性向上剤として無機微粉体を
トナーに添加するのが好ましい。本発明のトナーに用い
られる無機微粉体としては、Si、Ti、Al、Mg、Ca、Sr、
Ba、In、Ga、Ni、Mn、W、Fe、Co、Zn、Cr、Mo、Cu、A
g、V、Zr等の酸化物や複合酸化物が挙げられる。これら
のうち、シリカ(SiO2)、チタニア(TiO2)、アルミナ
(Al)の微粒子が好適に用いられる。さらに、疎
水化処理剤等によりこれらの無機微粉体の表面を改質処
理することが有効である。疎水化処理剤の代表例として
は、以下のものが挙げられる。ジメチルジクロルシラ
ン、トリメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラ
ン、アリルジメチルジクロルシラン、アリルフェニルジ
クロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロム
メチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリク
ロルシラン、p−クロルエチルトリクロルシラン、クロ
ルメチルジメチルクロルシラン、クロルメチルトリクロ
ルシラン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘキサトリルジ
シラザン等である。
【0030】上記無機微粉体のトナーに対する含有量
は、0.1wt%以上2wt%以下であることが好ましい。
0.1wt%未満では、トナー凝集を改善する効果が乏し
くなり、2wt%を超える場合は、細線間のトナー飛散、
機内の汚染、感光体の傷や磨耗等の問題が生じやすい傾
向がある。
【0031】また、本発明に係るトナーには、実質的な
悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばテフ
ロン(登録商標)粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフ
ッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末、あるいは酸化セリ
ウム粉末、炭化珪素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末
などの研磨剤、あるいは例えばカーボンブラック粉末、
酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末等の導電性付与剤を現像性
向上剤として少量用いることもできる。
【0032】トナーを作製する方法の一例としては、ま
ず、前述したバインダー樹脂、着色剤、電荷制御剤、離
型剤、その他の添加剤等をヘンシェルミキサーの如き混
合機により充分に混合した後、バッチ式の2本ロール、
バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、例えば神
戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2
軸押出し機、KCK社製2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型
2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機や、
連続式の1軸混練機、例えばブッス社製のコ・ニーダ等
の熟混練機を用いて構成材料をよく混練し、圧延冷却
後、切断を行う。切断後のトナー混練物は破砕を行い、
ハンマーミル等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を
用いた微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、旋回気
流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機により
所定の粒度に分級する。その後、無機微粉体をトナー粒
子表面に付着もしくは固着させ、250メッシュ以上の
篩を通過させ、粗大粒子、凝集粒子を除去し、本発明の
トナーを得る。
【0033】上記により得られる本発明のトナーは、重
量平均粒子径が5μm以上10μm以下であり、さらに
好ましくは6μm以上8μm以下である。重量平均粒子
径が5μm未満では、長期間の使用でのトナー飛散によ
る機内の汚れや、低湿環境下での画像濃度低下、感光体
クリーニング不良等の問題が生じやすい。また、重量平
均粒子径が10μmを超える場合では、100μm以下
の微小スポットの解像度が充分でなく、非画像部への飛
び散りも多く画像品位が劣る傾向となる。
【0034】次に、本発明の二成分現像剤に使用される
磁性キャリアについて説明する。磁性キャリアとして
は、公知のものが使用可能であり、例えば、鉄粉、フェ
ライト粉、ニッケル粉、マグネタイト粉の如き磁性粒
子、あるいはこれら磁性粒子の表面をフッ素系樹脂、ビ
ニル系樹脂、シリコン系樹脂等で処理したもの、あるい
は磁性粒子が樹脂中に分散されている磁性粒子分散樹脂
粒子等が挙げられる。これら磁性キャリアの平均粒子径
は30μm以上500μm以下がよく、さらに好ましく
は30μm以上100μm以下である。磁性キャリアの
平均粒子径がこの範囲にあると、先に説明したトナーと
組合せることにより、現像器内のトナー濃度が2〜10
wt%の範囲内において、トナーの帯電量をより均一にす
ることができる。30μm以下では磁性キャリアの感光
体上への付着等が生じやすく、さらにトナーとの攪拌効
率が悪くなり、トナーの均一な帯電量が得られにくくな
る。また、100μmを超える場合では、細かい画像再
現性が悪くなる。
【0035】
【実施例】以下、実施例を説明するが、これは本発明を
なんら限定するものではない。尚、以下の配合における
部数は全て重量部である。 (実施例1) 樹脂 ポリオール樹脂 100部 顔料 マゼンタ顔料(C.I.ヒ゜ク゛メントレット゛57) 5部 電荷制御剤 サリチル酸亜鉛塩 4部 離型剤 低分子量ポリエチレン 6部 上記原材料をミキサーで十分に混合した後、2軸押出し
機により混練物温度130℃で溶融混練した。混練物を
圧延冷却後カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用
いた微粉砕機で粉砕後、旋回式風力分級装置を用いて、
平均粒子径が6.8μmの粒度分布に分級した。さら
に、母体着色粒子100部に対して、シリカ微粉末2部
をスーパーミキサーにて混合し、トナーを得た。次に、
平均粒子径55μmのフェライト粒子にシリコン樹脂を
表面にコートした磁性キャリア95部に対し、上記トナ
ーを5部の割合で混合し、二成分現像剤を作製した。こ
の現像剤500gをトナー濃度5%として円筒状の容器
に入れ、回転数300rpmのボールミルにて480分攪
拌混合し、さらにトナー濃度5.25%となるようにト
ナーを加えて300秒間攪拌混合した現像剤について、
現像剤中のトナーの付着力分布を衝撃法による付着力測
定から得たところ、付着力が10nN以下の低付着力成
分の占める割合がトナー粒子全体の5%であり、半値幅
の存在する範囲が30〜40nN間であり、なおかつ、
付着力分布が正規分布の一次関数により誤差5%で近似
された。また、リコー製カラーレーザープリンタ(IPSi
O Color8000)を用いて画像形成を行い、地汚れ評価を
行った結果、地汚れランクは5であった。
【0036】 (実施例2) 樹脂 ポリエステル樹脂 100部 顔料 カーボンブラック 8部 電荷制御剤 サリチル酸亜鉛塩 6部 上記原材料を実施例1と同様の方法で混練、粉砕、分級
を行い、平均粒子径が6.8μmの粒度分布に分級し
た。尚、混練回転数は、実施例1の1.5倍とした。さ
らに、母体着色粒子100部に対して、シリカ微粉末2
部をスーパーミキサーにて混合し、トナーを得た。上記
トナーは、実施例1と同様にして磁性キャリアと混合
し、二成分現像剤を作製した。この現像剤500gをト
ナー濃度5%として円筒状の容器に入れ、回転数300
rpmのボールミルにて480分攪拌混合した現像剤につ
いて、現像剤中のトナーの付着力分布を衝撃法による付
着力測定から得たところ、付着力が200nN以上の高
付着力成分の占める割合がトナー粒子全体の8%であ
り、半値幅の存在する範囲が40〜50nNの間であ
り、半値幅が10nNであり、なおかつ、付着力分布が
正規分布の一次関数により誤差5%で近似された。ま
た、実施例1と同様にして地汚れ評価を行った結果、地
汚れランクは5であった。
【0037】 (実施例3) 樹脂 ポリエステル樹脂 100部 着色剤 銅フタロシアニンブルー顔料(C.I.ヒ゜ク゛メントフ゛ルー15:3)5部 電荷制御剤 サリチル酸亜鉛塩 6部 上記原材料を実施例2と同様の方法で混練、粉砕、分級
を行い、平均粒子径が6.8μmの粒度分布に分級し
た。さらに、母体着色粒子100部に対して、シリカ微
粉末2部をスーパーミキサーにて混合し、トナーを得
た。上記トナーは、実施例1と同様にして磁性キャリア
と混合し、二成分現像剤を作製した。この現像剤500
gをトナー濃度5%として円筒状の容器に入れ、回転数
300rpmのボールミルにて480分攪拌混合した現像
剤について、現像剤中のトナーの付着力分布を衝撃法に
よる付着力測定から得たところ、付着力が200nN以
上の高付着力成分の占める割合がトナー粒子全体の10
%であり、半値幅の存在する範囲が50〜60nNの間
であった。また、実施例1と同様にして地汚れ評価を行
った結果、地汚れランクは4.5であった。
【0038】 (実施例4) 樹脂 スチレン−メチルアクリレート共重合体 100部 磁性体 四三酸化鉄 75部 電荷制御剤 サリチル酸亜鉛塩 5部 上記原材料を実施例1と同様の方法で混練、粉砕、分級
を行い、平均粒子径が6.8μmの粒度分布に分級し
た。さらに、母体着色粒子100部に対して、シリカ微
粉末2部をスーパーミキサーにて混合し、トナーを得
た。上記トナーは、実施例1と同様にして磁性キャリア
と混合し、二成分現像剤を作製した。この現像剤500
gをトナー濃度5%として円筒状の容器に入れ、回転数
300rpmのボールミルにて480分攪拌混合し、さら
にトナー濃度5.25%となるようにトナーを加えて3
00秒間攪拌混合した現像剤について、現像剤中のトナ
ーの付着力分布を衝撃法による付着力測定から得たとこ
ろ、付着力が10nN以下の低付着力成分の占める割合
がトナー粒子全体の10%であった。また、実施例1と
同様にして地汚れ評価を行った結果、地汚れランクは4
であった。
【0039】 (比較例1) 樹脂 ポリエステル樹脂 100部 着色剤 銅フタロシアニンブルー顔料(C.I.ヒ゜ク゛メントフ゛ルー15:3)4部 電荷制御剤 サリチル酸亜鉛塩 5.5部 上記原材料を実施例2と同様の方法で混練、粉砕、分級
を行い、平均粒子径が6.8μmの粒度分布に分級し
た。さらに、母体着色粒子100部に対して、シリカ微
粉末0.5部をスーパーミキサーにて混合し、トナーを
得た。上記トナーは、実施例1と同様にして磁性キャリ
アと混合し、二成分現像剤を作製した。この現像剤50
0gをトナー濃度5%として円筒状の容器に入れ、回転
数300rpmのボールミルにて480分攪拌混合した現
像剤について、現像剤中のトナーの付着力分布を衝撃法
による付着力測定から得たところ、付着力が200nN
以上の高付着力成分の占める割合がトナー粒子全体の1
5%であり、半値幅の存在する範囲が75〜90nNの
間であり、半値幅が15nNであった。また、実施例1
と同様にして地汚れ評価を行った結果、地汚れランクは
3であった。
【0040】 (比較例2) 樹脂 スチレン−メチルアクリレート共重合体 100部 磁性体 四三酸化鉄 78部 電荷制御剤 サリチル酸亜鉛塩 7部 上記原材料を実施例1と同様の方法で混練、粉砕、分級
を行い、平均粒子径が6.8μmの粒度分布に分級し
た。さらに、母体着色粒子100部に対して、シリカ微
粉末2部をスーパーミキサーにて混合し、トナーを得
た。上記トナーは、実施例1と同様にして磁性キャリア
と混合し、二成分現像剤を作製した。この現像剤500
gをトナー濃度5%として、粉末計量自動充填機(東洋
機械製作所;TK-201W-CW)にて円筒状の容器に充填し、
回転数300rpmのボールミルにて480分攪拌混合
し、さらにトナー濃度5.25%となるようにトナーを
加えて300秒間攪拌混合した現像剤について、現像剤
中のトナーの付着力分布を衝撃法による付着力測定から
得たところ、付着力が10nN以下の低付着力成分の占
める割合がトナー粒子全体の20%であり、半値幅の存
在する範囲が5〜80nNの間であった。また、実施例
1と同様にして地汚れ評価を行った結果、地汚れランク
は1であった。
【0041】上記実施例及び比較例の画像評価結果を表
1に示す。表1には、地汚れランクと共に、ドット再現
性、高耐久性についての評価結果もあわせて示す。ドッ
ト再現性は、格子パターンを画出しして、光学顕微鏡で
画像の鮮鋭さ、非画像部へのトナー飛散、画像部の欠損
の有無を評価し、大変良好を「◎」、良好を「○」、若
干良好を「△」、不良を「×」としてランク付けした。
また、高耐久性は、100k枚出力後の画像について、
目視にてトナー飛散、地汚れの有無を評価し、上記と同
様のランク付けをした。
【表1】
【0042】表1から明らかなように、実施例1〜4に
おいてはいずれも地汚れのランクが4以上の良好な画像
が得られた。これに対し比較例1及び2においては、地
汚れが確認された。特に比較例2においては、地汚れラ
ンクも最悪となっている。また、地汚れが良好であった
実施例1〜4においては、1ドットを忠実に再現できる
高画質化もはかることができた。これに対し比較例1及
び2においては、1ドットの再現性が悪く高画質化をは
かることができなかった。さらに、地汚れが良好であっ
た実施例1〜4においては、長時間ランにも十分に耐え
られる高耐久化もはかることができた。これより、本発
明の請求項で記載した条件を付着力分布が満たすことに
よって、地汚れを抑えることができることが確認され
た。さらに、本発明の請求項で記載した条件を付着力分
布が満たすことによって、高画質化、高耐久化もはかれ
ることが確認された。
【0043】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によ
り、衝撃法による付着力測定から得られるトナーの付着
力分布において、付着力が10nN以下である低付着力
成分の占める割合が、トナー粒子全体の10%以下であ
るトナーを用いることで、感光体の地汚れを抑え、良好
な画像を与える二成分現像剤を提供することができる。
また、半値幅の存在する範囲が5nN以上70nN以下
である付着力分布を有するトナーを用いることにより、
地汚れをさらに抑え、良好な画像を与える二成分現像剤
とすることができる。さらには、付着力分布が正規分布
の一次関数により誤差5%以内で近似されるトナーを用
いることにより、1ドット再現性に優れ、高画質で、な
おかつ耐久性にも優れた二成分現像剤とすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】付着力測定装置の概略構成を示す図である。
【図2】測定セルの部分を拡大した図である。
【符号の説明】
11 ガイド 12 打撃子 13 測定セル 14 弾性体 15 土台 16 レーザ変位計 21 直流電源 22 アルミ板 23 トナー付着板 24 付着トナー 25 対向電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/10 352 (72)発明者 小番 昭宏 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 倉本 信一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H005 AA08 BA06 CA12 CA21 CA25 CA28 CA30 CB07 CB13 DA02 DA03 EA05 EA07 EA10 FA02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナーと磁性キャリアからなる二成分現
    像剤であって、 前記トナーは、トナーの付着力分布における、付着力が
    10nN以下である低付着力成分の占める割合が、トナ
    ー粒子全体の10%以下であることを特徴とする二成分
    現像剤。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の二成分現像剤におい
    て、 前記トナーは、トナーの付着力分布における半値幅の存
    在する範囲が、5nN以上70nN以下であることを特
    徴とする二成分現像剤。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の二成分現像剤におい
    て、 前記トナーは、トナーの付着力分布における半値幅の存
    在する範囲が、5nN以上50nN以下であることを特
    徴とする二成分現像剤。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の二成分現像剤におい
    て、 前記トナーは、トナーの付着力分布における半値幅の存
    在する範囲が、10nN以上70nN以下であることを
    特徴とする二成分現像剤。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の二
    成分現像剤において、 前記トナーは、トナーの付着力分布における半値幅が、
    10nN以下であることを特徴とする二成分現像剤。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の二
    成分現像剤において、 前記トナーは、トナーの付着力分布における、付着力が
    200nN以上である高付着力成分の占める割合が、ト
    ナー粒子全体の10%以下であることを特徴とする二成
    分現像剤。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし5のいずれかに記載の二
    成分現像剤において、 前記トナーは、トナーの付着力分布における、付着力が
    200nN以上である高付着力成分の占める割合が、ト
    ナー粒子全体の5%以下であることを特徴とする二成分
    現像剤。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の二
    成分現像剤において、 前記トナーの付着力分布が、正規分布の一次関数により
    誤差5%以内で近似されることを特徴とする二成分現像
    剤。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の二
    成分現像剤において、 前記トナーは、重量平均粒子径が5μm以上10μm以
    下であることを特徴とする二成分現像剤。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれかに記載の
    二成分現像剤において、 前記トナーは、電荷制御剤として、ニグロシン系染料、
    トリフェニルメタン系染料、イミダゾール金属錯体及び
    その塩類からなる群より選択される1種以上を含むこと
    を特徴とする二成分現像剤。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし9のいずれかに記載の
    二成分現像剤において、 前記トナーは、電荷制御剤として、サリチル酸金属錯体
    及びその塩類、有機ホウ素塩類、カリックスアレン系化
    合物からなる群より選択される1種以上を含むことを特
    徴とする二成分現像剤。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし9のいずれかに記載の
    二成分現像剤において、 前記トナーは、無機微粉体として、シリカ、アルミナ、
    チタニアからなる群より選択される1種以上を含むこと
    を特徴とする二成分現像剤。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007086491A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Fuji Xerox Co Ltd 磁性一成分トナー、並びに、これを用いた画像形成方法および画像形成装置
US7833686B2 (en) 2005-12-27 2010-11-16 Ricoh Company, Ltd. Toner and method for producing the same, toner kit, and developer, process cartridge, image forming method and image forming apparatus
JP2010286833A (ja) * 2009-06-10 2010-12-24 Xerox Corp トナー付着及び付着分布のための新規な特性決定ツール
US8592113B2 (en) 2009-10-08 2013-11-26 Ricoh Company, Limited Toner, method of manufacturing toner, developer, and image forming method

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