JP4198890B2 - 電子写真用トナー及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1成分現像または2成分現像装置に用いるトナーなどに関する。
【0002】
【従来の技術】
特開昭62−209466号公報には、ビッカース硬さが2〜8kg/mm2である硬度付与作用を有する樹脂を含むことを特徴とするトナー組成物に関する発明が開示されている。この発明の目的は、長期に渡り安定な保形性、低温定着性、耐オフセット性を有するトナー組成物を得ることにある。しかし、この発明では、3種類の樹脂を機能分離して用いるものであり、電子写真用トナーを製造するに場合の、溶融混練物の硬度については規定されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、その目的は、トナー原材料を溶融混練した後、冷却固化して得られる固形物の硬度を規定することにより、該固形物を容易に小粒径に粉砕できるようにし、もって長期安定性に優れた電子写真用トナーを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、少なくとも樹脂、顔料、電荷制御剤を配合してなる、混練工程後の溶融固化したチップ状混練物を粉砕することにより電子写真用トナーを得る方法であって、前記混練工程を真空排気なしで行い、前記混練工程後の溶融固化したチップ状の混練物のマイクロビッカース硬度Hvと粉砕工程時の粉砕フィード量との間に負の2次の相関関係が存在し、その関係を用いてHvが5.89〜10.2Kg/mm になるように前記チップ状の混練物を得、前記粉砕フィード量をコントロールすることを特徴とする電子写真用トナーの製造方法である。
【0005】
請求項2に記載の発明は、前記混練工程後の溶融固化したチップ状の混練物のマイクロビッカース硬度Hvを、JIS Z2251−80又はJIS B7734−91に規定する測定方法を用いて、測定荷重10g〜50gの範囲で測定することを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナーの製造方法であり、請求項3に記載の発明は、前記チップ状混練物の内部に、大きさ10μm以上のボイドが存在していることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用トナーの製造方法である。
【0006】
請求項4に記載の発明は、前記チップ状混練物の内部に、層状にボイドが存在していることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用トナーの製造方法である。
【0007】
請求項に記載の発明は、前記チップ状混練物を、平均粒径5μm〜10μmに粉砕することを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用トナーの製造方法であり、請求項に記載の発明は、前記チップ状混練物を作製するに際し、溶剤を用いることなく顔料を樹脂中に分散させることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用トナーの製造方法である。
【0008】
請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれかに記載の方法により製造されたことを特徴とする電子写真用トナーであり、請求項に記載の発明は、請求項に記載の電子写真用トナーを用いて、接触式または非接触式で現像を行うことを特徴とする1成分現像方法である。
【0009】
請求項に記載の発明は、ドクターローラを用いて現像を行うことを特徴とする請求項に記載の1成分現像方法であり、請求項10に記載の発明は、請求項に記載の電子写真用トナーと粒径30μm〜500μmのキャリアとからなることを特徴とする2成分現像剤であり、さらに請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の2成分現像剤を用いて現像することを特徴とする2成分現像方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係る電子写真用トナーの製造方法は、少なくとも樹脂、顔料、電荷制御剤を配合してなる、混練工程後の溶融固化したチップ状混練物を粉砕することにより電子写真用トナーを得る方法であって、前記チップ状混練物のマイクロビッカース硬度を5以上とすることを特徴とする。また、本発明に係る電子写真用トナーは前記製造方法により製造されたことを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明に係る1成分現像方法は、前記電子写真用トナーを用いて、接触式または非接触式で現像を行うことを特徴とし、本発明に係る2成分現像方法は、前記電子写真用トナーと、粒径30μm〜500μmのキャリアとを用いて現像することを特徴とする。
【0012】
前記樹脂としては、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレンメタクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレンブタジエン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、テルペン樹脂、ポリオール樹脂等が挙げられる。
【0013】
前記樹脂のうちビニル樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体:スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体:ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等が挙げられる。
【0014】
前記樹脂のうちポリエステル樹脂としては、以下のA群に示す2価のアルコールと、B群に示す二塩基酸塩からなるもので挙げられる。また、C群に示したような3価以上のアルコールあるいはカルボン酸を第三成分として加えてなるポリエステル樹脂を用いることもできる。
【0015】
A群:エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4ブテンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2,0)−2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等。
【0016】
B群:マレイン酸、フマール酸、メサコニン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタール酸、イソフタール酸、テレフタール酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、リノレイン酸、またはこれらの酸無水物または低級アルコールのエステル等。
【0017】
C群:グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3価以上のアルコール;トリメリト酸、ピロメリト酸等の3価以上のカルボン酸。
【0018】
前記樹脂のうちポリオール樹脂としては、エポキシ樹脂と2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物、もしくはそのグリシジルエーテルとエポキシ基と反応する活性水素を分子中に1個有する化合物と、エポキシ樹脂と反応する活性水素を分子中に2個以上有する化合物を反応してなるものなどが挙げられる。
【0019】
本発明では、顔料としては以下のものが用いられる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。
【0020】
黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキが挙げられる。
【0021】
また、橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGKが挙げられる。
【0022】
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bが挙げられる。
【0023】
紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。
【0024】
青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCが挙げられる。
【0025】
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ等が挙げられる。
【0026】
これらの顔料は1種または2種以上を使用することができる。特にカラートナーにおいては、良好な顔料の均一分散が必須となり、顔料を直接大量の樹脂中に投入するのではなく、一度高濃度に顔料を分散させたマスターバッチを作製し、それを希釈する形で投入する方式が用いられる。この場合、一般的には分散性を助けるために溶剤が使用されるが、環境等の問題があるため、本発明では水を使用して分散させることが望ましい。なお、水を使用する場合、マスターバッチ中の残水分が問題にならないように、温度コントロールすることが重要になる。
【0027】
本発明の電子写真用トナーでは、電荷制御剤をトナー粒子内部に配合(内添)しても良いし、トナー粒子と混合(外添)しても良い。電荷制御剤によって、現像システムに応じた最適の電荷量コントロールができ、粒度分布と電荷量とのバランスを更に安定したものとすることが可能である。
【0028】
トナーを正電荷性に制御するものとして、ニグロシンおよび四級アンモニウム塩、トリフェニルメタン系染料、イミダゾール金属錯体や塩類を、単独あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。また、トナーを負電荷性に制御するものとしてサリチル酸金属錯体や塩類、有機ホウ素塩類、カリックスアレン系化合物等が用いられる。
【0029】
また、本発明のトナーには、定着時のオフセット防止の目的で離型剤を内添することも可能である。離型剤としては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックスなどの天然ワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキルリン酸エステル等が挙げられる。これら離型剤の融点は65℃〜90℃であることが好ましい。融点が65℃より低い場合には、トナーの保存時のブロッキングが発生しやすくなり、90℃より高い場合には、定着ローラー温度が低い領域でオフセットが発生しやすくなることがある。
【0030】
本発明に係るトナー製造方法の一例として、以下のものが挙げられる。すなわち、まず前記樹脂、着色剤としての顔料または染料、電荷制御剤、離型剤、その他の添加剤等をヘンシェルミキサーの如き混合機により充分に混合した後、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、例えば神戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、KCK社製2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機や、連続式の1軸混練機、例えばブッス社製コ・ニーダ等の熱混練機を用いて構成材料をよく溶融混練し、圧延冷却後、切断を行う。この切断後のチップ状混練物の硬さ測定を、マイクロビッカース硬度測定装置(例:アカシ製・MVK−G1型)を用いて行う。測定法はJIS Z2251−80,JISB7734−91に準ずる。測定荷重は10g〜50gの範囲でクラックが入らない条件を選択する。
【0031】
上記チップ状混練物(トナー混練物)のマイクロビッカース硬度Hvは粉砕性と相関があり、Hvが大きいと粉砕性が悪く、時間当たりの収率が低下する。この傾向は、トナーの小粒径化に伴って顕著になるので、粉砕性を上げる工夫が必要となる。本発明者の検討結果によると、トナーの耐久特性を良くするためにはHvの値を5以上とすることが必要で、粉砕性を良くするにはHvの値を14以下にする必要があった。すなわちHv=5〜14が好ましい条件で、Hv=6〜10が最適な条件であることが確認された。
【0032】
Hvの値が5未満ではトナーの耐久特性が悪くなり、ドクターブレードへの固着、フィルミングやトナー飛散等が発生し易くなる。Hvが14より大きくなると粉砕の収率が悪くなり、環境(エネルギー)問題や、コスト問題に影響してくる。
【0033】
トナー混練物の硬度は、溶融混練工程での混練条件(スクリュー形状、混練時のスクリュー回転速度、温度、真空度、冷却有無等)、圧延冷却工程での圧延冷却条件(冷却温度、冷却ローラの回転速度数、プレス圧等)や。混練物の組成・構造によって変化する。特に、混練物の内部構造は重要な因子であり、以下のような状態のとき硬度が小さくなる。
【0034】
▲1▼混練物の内部に大きさ10μm以上のボイドが存在すること、
▲2▼混練物の内部にボイドが層状に存在すること、
▲3▼混練物の断面に、波紋状の疎密分布が存在していること。
これらの内部構造は、上記混練条件や圧延冷却条件によって決まり、それぞれの条件が複合的に組み合わさって形成される。
【0035】
前記のように本発明に係るトナーは溶融混練、圧延冷却、切断の各工程を経た後、さらに破砕・粗粉砕・微粉砕・分級等の工程を経て製造される。すなわち、前記切断工程で得られたトナー混練物を破砕した後、例えばハンマーミルを用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いる微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、さらに旋回気流を用いる分級機やコアンダ効果を用いる分級機により所定の粒度に分級する。その後、無機粒子などからなる添加剤を粒子表面に付着または固着させ、250メッシュ以上の篩を通過させ、粗大粒子、凝集粒子を除去して本発明のトナーを得る。さらに2成分現像剤として使用する場合には、後述する磁性キャリアと所定の混合比率で混合することによって2成分現像剤とする。
【0036】
本発明に係るトナーは、重量平均粒径5μm〜10μmが好ましく、6μm〜8μmが特に好ましい。重量平均粒径が5μm未満では長期間の使用でのトナー飛散による機内の汚れ、低湿度環境下での画像濃度低下、感光体クリーニング不良等の問題が生じやすい。また、重量平均粒径が10μmを超える場合には、100μm以下の微小スポットの解像度が充分でなくなるうえ、非画像部への飛び散りも多くなり、画像品位が劣る結果となる。
【0037】
本発明のトナーは、接触式または非接触式の現像方法に用いる1成分現像剤とすることができる。これらの現像方法としては、公知の色々なものが使用可能である。例えば、アルミスリーブを用いた接触現像法、導電性ゴムベルトを用いた接触現像法、アルミ素管の表面にカーボンブラック等を含む導電性樹脂層を形成した現像スリーブを用いる非接触現像法等が挙げられる。
【0038】
また、1成分現像方式では本発明のトナーを、トナー供給部の出口にトナー層を均一にするためのドクターローラ(ローラー状ブレード)を設けた現像方法に用いることができる。このような現像方法の場合、従来のトナーでは感光体へのフィルミングだけではなく、ドクターローラへのフィルミングが発生する。このため、トナー層が均一に形成できないばかりかトナー帯電が不均一になり、トナー電荷量も小さくなり、このため現像不良が生じる。これに対し、本発明のトナーを用いた場合には、ドクターローラへのフィルミングは発生せず、安定した現像が行われ、耐久特性に優れた方式となる。
【0039】
また、磁性トナーとする場合には、トナー粒子の中に磁性体の微粒子を内添すれば良い。磁性体としては、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケル、コバルト、それらの合金などの強磁性体等が考えられる。磁性体の平均粒径は0.1μm〜1μmが好ましい。また、磁性体の含有量はトナー100重量部に対して、10から70重量部であることが好ましい。
【0040】
2成分現像剤に使用されるキャリアとしては、公知のものが使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉、マグネタイト粉の如き磁性粒子あるいはこれら磁性粒子の表面をフッ素系樹脂、ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂等で処理したもの、あるいは磁性粒子が樹脂中に分散されている磁性粒子分散樹脂粒子等が挙げられる。これら磁性キャリアの平均粒径は30μm〜500μmが好ましく、30μm〜100μmが特に好ましい。
【0041】
キャリアの平均粒径が上記範囲にあると、本発明のトナーと組み合わせることにより、現像機内部のトナー濃度が2〜10重量%の範囲内において、トナーの帯電量をより均一にすることができる。平均粒径30μm未満ではキャリア粒子の感光体上への付着等が生じやすくなるうえ、トナーとの撹拌効率が悪くなりトナーの均一な帯電量が得られにくくなる。また、平均粒径が100μmを超える場合では、細かい画像再現性が悪くなる。
【0042】
前述したように本発明の2成分現像剤は、流動性向上剤として無機微粉体をトナーに添加して用いることが可能である。この無機微粉体としてはSi、Ti、Al、Mg、Ca、Sr、Ba、In、Ga、Ni、Mn、W、Fe、Co、Zn、Cr、Mo、Cu、Ag、V、Zr等の酸化物や複合酸化物が挙げられる。これらのうち二酸化珪素(シリカ)、二酸化チタン(チタニア)、アルミナの微粒子が好適に用いられる。さらに、疎水化処理剤等により表面改質処理することが有効である。疎水化処理剤の代表例としては以下のものが挙げられる。
【0043】
ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルジクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、p−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、クロルメチルトリクロルシラン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘキサトリルジシラザン等。
【0044】
前記無機微粉体はトナーに対して0.1〜2重量%使用されるのが好ましい。0.1重量%未満では、トナー凝集を改善する効果が乏しくなり、2重量%を超える場合は、細線間のトナー飛び散り、機内の汚染、感光体の傷や摩耗等の問題が生じやすくなる。
【0045】
また、本発明の現像剤には、実質的に悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばテフロン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;あるいは酸化セリウム粉末、炭化珪素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤;あるいは例えばカーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末等の導電性付与剤を現像性向上剤として、それぞれ少量用いることもできる。
【0046】
【実施例】
以下、実施例を説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。なお、以下の配合における部数は全て重量部である。
[実施例1]
樹脂:ポリオール樹脂 100部
顔料:カーボンブラック 10部
帯電制御剤:サリチル酸亜鉛塩 5部
離型剤:低分子量ポリエチレン 5部
【0047】
上記原材料をミキサーで十分に混合した後、2軸押出し機により混練物温度120℃で溶融混練した。混練物を圧延冷却後カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、旋回式風力分級装置を用いて、平均粒径が7μmの粒度分布に分級して母体着色粒子を得た。さらに、この母体着色粒子100部に対して、シリカ微分末1部をスーパーミキサーにて混合し、トナーとした。前記溶融混練は真空排気しないで行った。
【0048】
このトナー2.5部を、平均粒径100μmのフェライト粒子にシリコーン樹脂を表面にコートしたキャリア97.5部に混合し、2成分現像剤を作製した。前記カッターミルで粗粉砕して得たチップ状混練物の、マイクロビッカース硬度および粉砕フィード量は下記表1のようになった。また、このチップ状混練物の内部には大きさ10μm以上のボイドが多数存在していた。
【0049】
【表1】
Figure 0004198890
【0050】
前記2成分現像剤を、潜像担持体がOPCドラム感光体でクリーニング方式がブレードクリーニングである複写機にセットし、耐久試験を行った。トナーの評価は、フィルミングの発生時期、画質上でのかぶりの発生時期で評価した。その結果は上記表1のとおりである。
【0051】
参考例2]
樹脂:ポリエステル樹脂 100部
顔料:カーボンブラック 10部
帯電制御剤:サルチル酸亜鉛塩 5部
上記原材料を実施例1と同様の方法で混練・粉砕・分級し、平均粒径7μmの母体着色粒子を得た。この母体着色粒子100部に対して、シリカ微粉末1部をスーパーミキサーにて混合してトナーとした。この場合、混練回転速度を実施例1より上げた。カッターミルで粗粉砕して得たチップ状混練物のマイクロビッカース硬度、粉砕フィード量は上記表1のようになった。このチップ状混練物の断面には、波紋状の疎密パターンが存在していた。また、上記トナーについて、OPCドラムおよびドクターブレ―ドを用いた1成分現像装置で耐久試験を行った。トナー評価の結果を上記表1に示す。
【0052】
参考例3]
樹脂:ポリエステル樹脂 100部
着色剤:銅フタロシアニンブルー顔料
(C.I.ピグメントブルー15:3) 3.5部
帯電制御剤:サルチル酸亜鉛塩 5部
上記原材料を実施例1と同様の方法で混練・粉砕・分級し、平均粒径7μmの母体着色粒子を得た。この母体着色粒子100部に対して、シリカ微粉末1部をスーパーミキサーにて混合し、トナーとした。
【0053】
カッターミルで粗粉砕して得たチップ状混練物のマイクロビッカース硬度、粉砕フィード量は上記表1のようになった。また、このチップ状混練物の内部には層状のボイドが存在していた。また、上記トナーについて、OPCドラムおよびドクターローラを用いた1成分現像装置で耐久試験を行った。トナー評価の結果を上記表1に示す。
【0054】
[実施例4]
樹脂:スチレン−メチルアクリレート共重合体 100部
磁性体: 四三酸化鉄 80部
帯電制御剤:サルチル酸亜鉛塩 4部
上記原材料を実施例1と同様の方法で混練・粉砕・分級し、平均粒径7μmの母体着色粒子を得た。この母体着色粒子100部に対して、シリカ微粉末を1部スーパーミキサーにて混合し、トナーとした。カッターミルで粗粉砕して得たチップ状混練物のマイクロビッカース硬度、粉砕フィード量は上記表1のようになった。このチップ状混練物の内部には、ボイドが存在していた。また、上記トナーについて、OPCドラムおよびドクターローラを用いた1成分現像装置で耐久試験を行った。トナー評価の結果を上記表1に示す。
【0055】
参考例5]
参考例3の着色剤において、水を使用して分散させたマスターバッチを用いた以外は、参考例3と同様にしてトナーを作製した。チップ状混練物の内部には層状にボイドが存在していた。上記トナーについて、OPCドラムおよびドクターローラを用いた1成分現像装置で耐久試験を行った。トナー評価の結果を上記表1に示す。
【0056】
[実施例6]
参考例2において、ポリエステル樹脂の代りにスチレンアクリル樹脂を使用した以外は、参考例2と同様にしてトナーを作製した。チップ状混練物のマイクロビッカース硬度、粉砕フィード量は上記表1のようになった。このトナー混練物の断面には、波紋状の疎密パターンが存在していた。また、このトナーについて、OPCドラムおよびドクターブレ―ドを用いた1成分現像装置で耐久試験を行った。トナー評価の結果を上記表1に示す。
【0057】
[比較例1]
実施例1で混練工程をバレル温度を下げて行ない、他は実施例1と同様にして2成分現像剤を作製し、実施例1と同様の評価を行なった。チップ状混練物の内部には、ボイドが多数存在していた。結果を上記表1に示す。
【0058】
[比較例2]
参考例2で混練工程を真空排気して行ない、他は参考例2と同様にしてトナーを作製し、参考例2と同様の評価を行なった。チップ状混練物の内部には、ボイドは存在していなかった。結果を上記表1に示す。
【0059】
[実験結果]
以上の実施例の実験結果を下記表1に示す。評価項目はトナー混練物のマイクロビッカース硬度、粉砕フィード量、耐久試験時のフィルミングが発生した時点のコピー枚数、異常画像としてかぶりが発生した時点のコピー枚数である。また、トナー混練物の硬度Hvと粉砕フィード量との関係を図1に示す。表1及び図1から、トナー混練物の硬度をHv=5〜14にすることにより、粉砕性が良くて耐久特性の良いトナーが得られることが分かる。
【0060】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明では、少なくとも樹脂、顔料、電荷制御剤からなる、混練工程後の溶融固化したチップ状混練物のマイクロビッカース硬度を5kg/mm2 以上、特に5〜14kg/mm2 とすることにより、容易に小粒径のトナーに粉砕することができる。また、このようして得たトナーでは、耐久特性として問題になる帯電特性の変化、トナー飛散、感光体,現像ローラやドクターローラ等へのフィルミング、さらには画質劣化が生じなくなる。このため、ランニングにより多数枚の現像時でも、他の部材との摩擦でトナーが粉砕されることもなくなり、いつまでも安定した電荷量のトナーを現像部に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例および比較例に係るもので、チップ状混練物(トナー混練物)の硬度Hvと粉砕フィード量との関係を示すグラフである。

Claims (11)

  1. 少なくとも樹脂、顔料、電荷制御剤を配合してなる、混練工程後の溶融固化したチップ状混練物を粉砕することにより電子写真用トナーを得る方法であって、前記混練工程を真空排気なしで行い、前記混練工程後の溶融固化したチップ状の混練物のマイクロビッカース硬度Hvと粉砕工程時の粉砕フィード量との間に負の2次の相関関係が存在し、その関係を用いてHvが5.89〜10.2Kg/mm になるように前記チップ状の混練物を得、前記粉砕フィード量をコントロールすることを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
  2. 前記混練工程後の溶融固化したチップ状の混練物のマイクロビッカース硬度Hvを、JIS Z2251−80又はJIS B7734−91に規定する測定方法を用いて、測定荷重10g〜50gの範囲で測定することを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  3. 前記チップ状混練物の内部に、大きさ10μm以上のボイドが存在していることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  4. 前記チップ状混練物の内部に、層状にボイドが存在していることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  5. 前記チップ状混練物を、平均粒径5μm〜10μmに粉砕することを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  6. 前記チップ状混練物を作製するに際し、溶剤を用いることなく顔料を樹脂中に分散させることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の方法により製造されたことを特徴とする電子写真用トナー。
  8. 請求項に記載の電子写真用トナーを用いて、接触式または非接触式で現像を行うことを特徴とする1成分現像方法。
  9. ドクターローラを用いて現像を行うことを特徴とする請求項に記載の1成分現像方法。
  10. 請求項に記載の電子写真用トナーと、粒径30μm〜500μmのキャリアとからなることを特徴とする2成分現像剤。
  11. 請求項10に記載の2成分現像剤を用いて現像することを特徴とする2成分現像方法。
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