JP4938932B2 - マスターバッチ顔料、トナーの製造方法、カラートナーおよびその製造方法、画像形成方法、および画像形成装置 - Google Patents

マスターバッチ顔料、トナーの製造方法、カラートナーおよびその製造方法、画像形成方法、および画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプラスチックス等の着色剤として用いられる、最終製品中の顔料濃度よりも高い顔料濃度で樹脂中に顔料を分散するマスターバッチ顔料、トナーの製造方法、カラートナーおよびその製造方法、画像形成方法、および画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
乾式現像法に用いられるトナーは熱可塑性樹脂(結着樹脂)、染顔料(着色剤)、離型剤などを主成分とし、これに必要に応じて、磁性粉、帯電荷制御剤、流動性向上剤などを添加して製造される。そして、これらのトナーの製造方法としては、特開平1−304467号公報記載の「静電荷像現像用トナーの製造方法」に代表されるように、原料を全て一度に混合して混練機などにより加熱、溶融、分散を行い均一な組成物とした後、これを冷却して、粉砕、分級することにより体積平均粒径6から10μm程度のトナーを製造する方法が一般的に採用されている。
【0003】
特にカラー画像の形成に用いられる電子写真用カラートナーは、一般に、バインダー樹脂中に各種の有彩色染料または顔料を分散含有させて構成される。
この場合、使用するトナーに要求される性能は、黒色画像を得る場合に比べ厳しいものとなる。すなわち、トナーとしては、衝撃や湿度等の外的要因に対する機械的電気的安定性に加え、適正な色彩の発現(着色度)やオーバーヘッドプロジェクタ(OHP)に用いたときの光透過性(透明性)が必要となる。
【0004】
着色剤として染料を用いるものとしては、例えば、特開昭57−130043号公報、特開昭57−130044号公報に記載のものがある。しかしながら、着色剤に染料を用いた場合、得られる画像は透明性に優れ、発色性が良くて鮮明なカラー画像の形成が可能であるが、反面、耐光性が劣り、直射光下に放置した場合、変色、退色してしまう問題がある。
【0005】
一方、着色剤として顔料を用いるものとしては、特開昭49−46951号公報、特開昭52−17023号公報に記載のものがある。しかしながら、顔料系のカラートナーは耐光性は優れているものの、反面、結着樹脂に対する顔料の分散性が悪いため、着色度(発色性)や透明性が劣るという問題がある。
【0006】
結着樹脂に対する顔料の分散性を向上する方法としては
▲1▼特開昭62−280755号公報;バインダー樹脂としてポリエステル樹脂(樹脂A)を用い、樹脂Aよりも高い分子量のポリエステル樹脂(樹脂B)により顔料をあらかじめ被覆し、この被覆された顔料を樹脂A中に分散させてカラートナーを得る技術。
▲2▼特開平2−66561号公報;樹脂と顔料用樹脂とを溶融混練して得られる加工顔料が結着樹脂中に分散含有されてなり、顔料用樹脂の重量平均分子量が結着樹脂の重量平均分子量よりも小さく、結着樹脂の重量平均分子量が10万以上であることを特徴とするカラートナー。
▲3▼特開平9−101632号公報;結着樹脂と顔料との混合物をあらかじめ有機溶剤とともに結着樹脂の溶融温度よりも低い温度で1段目の混練を行い、さらに結着樹脂、帯電制御剤を加えて2段目の加熱溶融混練してカラートナーを得る技術。
▲4▼特開平4−39671号公報;重量平均分子量4万以下の結着樹脂と、結着樹脂を用いたフラッシング顔料よりなる着色剤と、を含むことを特徴とするトナー。
▲5▼特開平4−230770号公報;溶剤と溶剤に可溶な第1の結着樹脂および溶剤に不溶な着色剤の粒子とを混合し、加圧条件下で温度50から100℃で、剪断力をかけながら着色剤の粒子を結着樹脂に分散した後、溶剤を除去して着色剤の粒子が分散されている着色結着樹脂組成物を得て、さらに結着樹脂、帯電制御剤を加えて2段目の加熱溶融混練してトナーを得る技術。
等が提案されている。
【0007】
しかしながら、上記▲1▼、▲2▼の方法でも、いずれも十分な顔料の分散は得られず、着色度、透明性が劣っているのが現状である。
また、上記▲3▼、▲4▼、▲5▼の方法は顔料の分散は向上するものの、いずれの方法も溶剤を使用するため、いくら除去したとしても製品中あるいはトナー中に極微量ではあるが溶剤が残り、これが高温環境下での使用という特殊な環境においてトナーの帯電量を低下させ、現像部でのトナー飛散といった問題の原因になっていることが最近になって、本発明者らの検討によって明らかになった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点を解決し、第1の課題は着色度、透明性の向上と高温環境下での帯電安定性とを両立させることのできるマスターバッチ顔料およびその製造方法、さらにはそのマスターバッチ顔料を用いたトナーを提供することにある。
【0009】
【課題を達成するための手段】
本発明者らは、高温環境下における現像部でのトナー飛散といった問題の原因を究明したところ、トナー中に残存する微量の溶剤成分がトナーの帯電量の低下原因であることが明らかとなった。したがって、本発明において、請求項1記載のマスターバッチ顔料は、結着樹脂として平均粒径20μm以下の樹脂を用い、顔料として乾燥粉体顔料を用いることを特徴としている。
【0010】
請求項2記載の発明は請求項1記載のマスターバッチ顔料において、結着樹脂として乾式トナーの粉砕工程において発生する分級微粉を用いることを特徴としている。
【0011】
請求項3記載のマスターバッチ顔料は、110℃における乾燥減量が0.01から1.0%、70℃における乾燥減量が0.05%以下であることを特徴としている。
【0012】
請求項4記載の発明は請求項1から3のいずれか1項記載のマスターバッチ顔料において、結着樹脂と乾燥粉体顔料との比率が4:6から6:4の範囲であることを特徴としている。
【0013】
請求項5記載のトナー製造方法は、樹脂中に顔料を分散するマスターバッチ混練工程において、結着樹脂として平均粒径20μm以下の樹脂を用い、顔料として乾燥粉体顔料を用いることを特徴としている。
【0014】
請求項6記載のトナー製造方法は、乾式トナーの粉砕工程において発生する分級微粉を用いることを特徴としている。
【0015】
請求項7記載のトナーの製造方法は、結着樹脂と乾燥粉体顔料との比率が4:6から6:4の範囲であることを特徴としている。
【0016】
請求項8記載のトナーの製造方法は、請求項1から4のいずれか1項記載のマスターバッチ顔料を製造する方法において、顔料として乾燥粉体顔料を用い、乾燥粉体顔料と、結着樹脂と分級微粉との両方もしくはいずれか一方と、を混合する際に水を加え、この混合物を加熱混練して混合時に加えた水を除去し、混練後の110℃における乾燥減量が0.01から1.0%となるように混練することを特徴としている。
【0017】
請求項9記載のトナー製造方法は、少なくとも結着樹脂と分級微粉との両方もしくはいずれか一方と、顔料と、水とを含有した原材料混合物を溶融混練するマスターバッチ混練工程と、マスターバッチ混練工程で得られた混練物をトナーの所望の顔料濃度になるように同種、または異種の結着樹脂で希釈する希釈混練工程とを有し、希釈混練工程で得られた混練物を粉砕してカラートナーを製造する方法であって、マスターバッチ混練工程で用いる顔料として乾燥粉体顔料を用い、乾燥粉体顔料と、結着樹脂と分級微粉との両方もしくはいずれか一方と、を混合する際に水を加え、この混合物を加熱混練して混合時に加えた水を除去し、混練後の110℃における乾燥減量が0.01から1.0%となるように混練することを特徴としている。
【0018】
請求項10記載のカラートナーは、マスターバッチ顔料を用い、トナーの所望の顔料濃度になるように同種、または異種の結着樹脂で希釈混練し、得られた混練物を粉砕することで得られることを特徴としている。
【0019】
請求項11記載の発明は、請求項10記載のカラートナーを製造する方法であって、マスターバッチ顔料をトナーの所望の顔料濃度になるように同種、または異種の結着樹脂で希釈する希釈混練工程を有し、希釈混練工程で得られた混練物を粉砕することを特徴としている。
【0020】
請求項12記載の画像形成方法は、画像形成工程において請求項10記載のカラートナーを用いて画像を形成することを特徴としている。
【0021】
請求項13記載の画像形成装置は、画像形成手段が請求項10記載のカラートナーを用いて画像を形成することを特徴としている。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の対象となるトナーは、着色剤として顔料を用いるトナーで、通常の溶融混練、粉砕方法で製造される全てのトナー(カラートナー、黒トナー)に適用可能である。
本発明におけるマスターバッチ顔料は、平均粒径20μm以下の樹脂を結着樹脂として用い、顔料として乾燥粉体顔料を用いることを最大の特徴とする。
【0023】
結着樹脂の粒径を20μm以下とすることで混練前に行う、乾燥状態での混合工程における顔料の分散が有効に行われ、本混練時での顔料の分散性が著しく向上するマスターバッチ顔料、さらに、このマスターバッチ顔料を用いたトナーを得ることができる。
【0024】
その理由は以下に記述するとおりである。顔料はそもそも、その1次粒子は0.001から0.1μmと非常に小さなものであるが、原材料の乾燥粉体の状態では数μm大の大きな凝集体を形成している。理想的な顔料の分散は、この凝集体を解砕し1次粒子にまで分散することであるが顔料が0.001から0.1μmと非常に小さな粒子であるのに対し、一般的に用いられる結着樹脂は、0.5から5mmと顔料に比べて大きな粒子であるため、混練前に行う乾燥状態での混合では顔料凝集体は一時的に解砕されてもすぐに再凝集してしまうため、解砕することはほとんど困難である。
【0025】
一方、結着樹脂の粒径を20μm以下にした場合は、解砕された顔料が20μm以下の結着樹脂表面に付着するため、顔料同士の再凝集が防止されるため顔料の分散が著しく向上するものと考えられる。結着樹脂の平均粒径が20μmを超えると樹脂表面に保持されない顔料が比較的多く存在することとなり、再凝集が発生し、トナーにした場合の発色性、透明性の悪化が顕著になる。
【0026】
本発明における第2の特徴は、マスターバッチ顔料は、顔料として乾燥粉体顔料を用い、これと結着樹脂とを混合する際に水を加え、この混合物を加熱混練して、混合時に加えた水を除去し、混練後の110℃における乾燥減量が0.01から1.0%となるように混練することである。こうすることで顔料の分散性が著しく向上するのと同時に、マスターバッチ顔料中に70℃という比較的低温域での減量成分の少ないマスターバッチ顔料、さらに、このマスターバッチ顔料を用いたトナーを得ることができる。
【0027】
その理由は以下に記述するとおりである。顔料の凝集体を通常の混練方法で0.001から0.1μmの1次粒子にまで分散することは、このような通常の機械的な繰り返し剪断による混練方法では限界である。
すなわち、顔料の分散が悪いということは、この凝集体を解砕できないことに他ならない。凝集体が解砕されるため必要条件は、凝集体内部の空隙にまで、周りの樹脂が入り込み、すべての1次粒子表面を効率良く濡らすことである。したがって顔料分散のポイントは、凝集体内部の空隙にまで、周りの樹脂が入り込めるかどうかにある。
【0028】
しかし、通常のトナーに用いられる結着樹脂は溶融粘度が高いため、凝集体内部にまで入り込ませるには、大きなエネルギーを必要とし、それでも顔料は目指す1次粒子にはなっていないのが現状である。本発明では乾燥粉体顔料を濡らす方法として水を用いるのが特徴である。
【0029】
一般的に着色剤として使用される有機顔料は疎水性であるが、その製造工程においては水洗、乾燥という工程をとっているため、ある程度の力を加えれば顔料凝集体内部にまで水を染み込ませることが可能である。この凝集体内部に水が染み込んだ顔料と樹脂とを混合したものを、開放型の混練機で、100℃以上の設定温度で混練すると、凝集体内部の水は瞬時に沸点に達し、体積膨張するため、凝集体内部から凝集体を解砕しようとする力が加わることになる。この凝集体内部からの力は、外部から加える力に比べ非常に効率良く凝集体を解砕することが可能である。
【0030】
さらにこの時、樹脂は20μm以下に小粒径化されているため、顔料は均一に分散されており、加えて軟化点以上の温度に加熱されているため、粘度が低くなり、凝集体を効率よく濡らすようになるのと同時に、凝集体内部の沸点温度近い水といわゆるフラッシングに似た効果で置換されることにより、1次粒子に近い状態で顔料が分散したマスターバッチ顔料を得ることができる。
【0031】
さらに、水が蒸発している過程においては、水の蒸発にともなう気化熱を混練物から奪うため、混練物の温度は100℃以下の比較的低温高粘度に保持されるため、剪断力が有効に顔料凝集体に加えられるという効果も合せもつ。
【0032】
さらに、本発明において、顔料や樹脂と親和性の低い水を使用する理由は、分散処理の終了したマスターバッチ顔料中に溶剤や水といった成分が多量に残存することは好ましくないからである。したがって、開放型混練機で加熱混練する際には加えた水あるいは溶剤を除去する必要があるが、この時、樹脂や顔料と親和性の高い溶剤を用いた場合より、沸点は高くても、樹脂や顔料と親和性の低い水を用いた方が容易に除去することができる。
【0033】
さらに、ここで通常用いられるような溶剤はトナーで使用する帯電制御剤とも親和性が高いため、トナー中に極微量存在した場合でも、高温環境という特殊な条件下では、トナー中の溶剤が移動、拡散、および蒸発するために、帯電量が低下するといった問題の原因となる。
【0034】
本発明で用いる開放型混練機としては通常の2本ロール、3本ロールの他、バンバリーミキサを開放型として使用する方法や、三井鉱山社製連続式2本ロール混練機等を用いることができる。
【0035】
本発明で用いる顔料としては以下のものが用いられる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物があげられる。
【0036】
黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキがあげられる。
【0037】
また、橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGKがあげられる。
【0038】
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bがあげられる。
【0039】
紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキがあげられる。
【0040】
青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCがあげられる。
【0041】
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、等がある。
これらは、いずれも乾燥した粉体顔料であり、1種または2種以上を使用することができる。
【0042】
また、結着樹脂の代わりに、トナーの製造工程における粉砕・分級により回収された分級微粉粒子を用いることができれば好ましい。ここで用いられる分級微粉粒子は、当然同一顔料・同一結着樹脂を用いたものである。この方法によれば結着樹脂原料をわざわざ20μm以下にする必要はなく、さらに分級微粉は平均粒径が3から5μmと非常に小さなものであるため、本発明の効果がいっそう顕著に発揮されるようになる。さらに微粉中には、すでに十分に分散した顔料が存在しており、その分、分散が必要な顔料が少なくて済むというメリットも合せもつ。
【0043】
さらに、本発明により得られたマスターバッチ顔料は110℃における乾燥減量が0.01から1.0%であり、70℃における乾燥減量が0.05%以下であることが望ましい。110℃における乾燥減量が1.0%以上ではマスターバッチ顔料中に存在する水が品質に影響をおよぼすばかりでなく、マスターバッチ混練における剪断が不十分であるために顔料の分散が悪いものとなる。
【0044】
一方、110℃における乾燥減量が0.01%以下とするためには、マスターバッチ混練時に過剰の剪断、加熱を加えなくてはならないため、結着樹脂の一部が剪断されて低分子量成分が増加するといった問題があり、好ましくない。さらに、70℃における乾燥減量が0.05%以上では、本マスターバッチ顔料を用いてトナーにした場合、高温環境下の使用で帯電量が低下するという問題があり好ましくない。
【0045】
本発明における乾燥減量は、まずサンプルの粒径を整えるため、目開き0.15mmから2.0mmの篩で篩い分けし、両篩の間に存在したものをサンプルとし、所定の乾燥温度に2時間静置保管した後、デシケータ中で0.5時間冷却したものの重量減少量から求めた。
【0046】
本発明における、結着樹脂と分級微粉との両方もしくはいずれか一方と、乾燥粉体顔料と、の比率は、4:6から6:4 さらに好ましくは、4.0:6.0から5.5:4.5の範囲である。結着樹脂と分級微粉との両方もしくはいずれか一方と、乾燥粉体顔料と、の比率がこの範囲を満たさない場合(例えば3:7の時)所望の着色度が得られず、またこの範囲を超える場合(たとえば7:3の時)所望の透明性が得られなくなる場合がある。
この比率の範囲より顔料が多くなると顔料の一次粒子表面を覆うだけの樹脂が不足するため、顔料の分散性は劣ることとなり、この比率の範囲より顔料が少なくなると、混練時の溶融粘度が低下するため、顔料に効果的に剪断力が加わらなくなる。
【0047】
本発明で用いるマスターバッチ用結着樹脂およびトナーにする場合の希釈用の結着樹脂としては、従来公知のものを広く使用することができる。例えば、ビニル樹脂あるいはポリエステル樹脂あるいはポリオール樹脂からなり、中でも、ポリエステル樹脂またはポリオール樹脂が好適に用いられる。
【0048】
ビニル樹脂としては、ポリスチレン、ポリP−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体:スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体:ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等がある。
【0049】
ポリエステル樹脂としては以下のA群に示したような2価のアルコールと、B群に示したような二塩基酸塩を用いて縮合重合されたものと、からなるものであり、さらにC群に示したような3価以上のアルコールあるいはカルボン酸を第三成分として加えて縮合重合されたものを用いてもよい。
A群:エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4ブテンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2‘−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2,0)−2,2‘−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等。
B群:マレイン酸、フマール酸、メサコニン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタール酸、イソフタール酸、テレフタール酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、リノレイン酸、またはこれらの酸無水物または低級アルコールのエステル等。
C群:グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上のアルコール、またはトリメリット酸、ピロメリット酸等の3価の以上のカルボン酸等。
【0050】
ポリオール樹脂としては、エポキシ樹脂と2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物とを反応してなるものや、グリシジルエーテルと、エポキシ基と反応する活性水素を分子中に1個有する化合物またはエポキシ樹脂と反応する活性水素を分子中に2個以上有する化合物と、を反応してなるものなどがある。
【0051】
その他にも必要に応じて以下の樹脂を混合して使用することもできる。
エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂など。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールAやビスフェノールFなどのビスフェノールとエピクロロヒドリンとの重縮合物が代表的である。
【0052】
本発明をトナーとして用いる場合には、荷電制御剤をトナー粒子に配合(内添)、またはトナー粒子と混合(外添)して用いることができると好ましい。荷電制御剤によって、現像システムに応じた最適の荷電量コントロールが可能とる。
【0053】
帯電制御剤としては、ニグロシン、炭素数2から16のアレキル基を含むアジン系染料(特公昭42−1627号公報)、塩基性染料(例えば、C.I.Basic Yello 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yello 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.Basic Red 9(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、C.I.Basic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue 3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic Blue 25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.44045)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Green 4(C.I.42000)等、これらの塩基性染料のレーキ 顔料、C.I.Solvent Black 8(C.I.26150)、ベンゾイルメチルーヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルクロライド、等の4級アンモニウム塩あるいは、ジブチルまたはジオクチルなどのジアルキル錫化合物、ジアルキル錫ボレート化合物、グアニジン誘導体、アミノ基を含有するビニル系ポリマー、アミノ基を含有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂、特公昭41−20153号公報、特公昭43−27596号公報、特公昭44−6397号公報、特公昭45−26478号公報に記載されているモノアゾ染料の金属錯塩、特公昭55−42752号公報、特公昭59−7385号公報に記載されているサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金属錯体、スルホン化した銅フタロシアニン顔料があげられる。
【0054】
また、本発明におけるトナーには定着時のオフセット防止のために離型剤を内添することも可能である。離型剤としては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス等の天然ワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキルリン酸エステル等がある。これらは、結着樹脂および定着ローラ表面材質により選択される。
これら離型剤の融点は65から90℃であることが好ましい。この範囲より低い場合には、トナーの保存時のブロッキングが発生しやすくなり、この範囲より高い場合には定着ローラ温度が低い領域でオフセットが発生しやすくなる場合がある。
【0055】
流動性や現像性・転写性を改善するため、無機微粉末をトナーに外添することも可能である。無機微粉体としてはSi、Ti、Al、Mg、Ca、Sr、Ba、In、Ga、Ni、Mn、W、Fe、Co、Zn、Cr、Mo、Cu、Ag、V、Zr等の酸化物や複合酸化物を1種または2種以上混合したものがあげられる。
これらのうち二酸化珪素(シリカ)、二酸化チタン(チタニア)、アルミナの微粒子が好適に用いられる。さらに、疎水化処理剤等により表面改質処理することが有効である。
【0056】
これらの無機微粉体はトナーに対して0.1から2重量%使用されるのが好ましい。0.1重量%未満では、トナー凝集を改善する効果が乏しくなり、2重量%を超える場合は、細線間のトナー飛び散り,機内の汚染,感光体の傷や摩耗等の問題が生じやすい傾向がある。
【0057】
また、本発明のトナーは一成分現像剤、二成分現像剤のいずれでも使用可能であるが、二成分現像剤として用いる場合にはキャリア粉と混合して用いられる。
この場合のキャリアとしては、公知のものがすべて使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉、マグネタイト粉のごとき磁性粒子あるいはこれら磁性粒子の表面をフッ素系樹脂、ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂等で処理したもの、あるいは磁性粒子が樹脂中に分散されている磁性粒子分散樹脂粒子等があげられる。これら磁性キャリアの平均粒径は35から75μmが良い。
【0058】
さらに、本発明のトナーは、磁性材料を含有させ、磁性トナーとしても使用し得る。
磁性トナーとする場合には、トナー粒子に磁性体の微粒子を含有させれば良い。かかる磁性体としては、フェライト、マグネタイトをはじめとする鉄、ニッケル、コバルトなどの強磁性を示す金属もしくは合金またはこれらの元素を含む化合物、強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金、例えばマンガン銅アルミニウム、マンガン−銅−錫、などのマンガンと銅とを含むホイスラー合金と呼ばれる種頼の合金、二酸化クロム、その他をあげることができる。磁性体は、平均粒径が0.1から1μmの微粉末の形態で均一に分散されて含有されることが好ましい。そして磁性体の含有割合は、得られるトナーの100重量部に対して、10から70重量部であることが好ましく、特に20から50重量部であることが好ましい。
【0059】
本発明にかかるトナーを作製する方法の一例としては、まず、前述した結着樹脂をジェット気流粉砕機により平均粒子径20μm以下に処理し、乾燥粉体顔料とともにヘンシェルミキサのごとき混合機により充分に混合した後、通常の2本ロール、3本ロールの他、バンバリーミキサを開放型として使用する方法や、三井鉱山社製連続式2本ロール混練機等の開放型混練機により加熱混練してマスターバッチ顔料を得る方法があげられる。
【0060】
さらに、マスターバッチ顔料と結着樹脂と荷電制御剤とを磁性トナーとする場合は磁性体、その他の添加剤等をヘンシェルミキサのごとき混合機により充分に混合した後、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサや連続式の2軸押出し機、例えば神戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、日本製鋼所社製TEX型2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機や、連続式の1軸混練機、例えばブッス社製コ・ニーダ等の熱混練機を用いて構成材料を良く混練し、冷却後、ハンマミル等を用いて粗粉砕し、さらにジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機により所定の粒度に分級する。
ついで、無機微粉体とトナーとをヘンシェルミキサのごとき混合機により充分混合し、ついで250メッシュ以上の篩を通過させ、粗大粒子、凝集粒子を除去し、本発明のトナーを得る方法がある。
【0061】
〔実施例〕
次に、実施例および比較例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、ここでの部は重量基準である。
【0062】
〔実施例1〕
顔料 :キナクリドン系マゼンタ顔料(C.I.Pigment Red 122) 50部
結着樹脂:ポリオール樹脂 50部
上記結着樹脂をジェット気流式粉砕機により、微粉砕を行い、平均粒子径5.0μmにし、顔料とともに上記比率にて、ヘンシェルミキサにて混合し、これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行ない、マスターバッチ顔料(1)を得た。この乾燥減量を測定したところ110℃では0.00%、70℃では0.00%であった。
【0063】
次に、このマスターバッチ顔料を用いて、以下の方法により、トナーとした。
結着樹脂:ポリオール樹脂 100部
着色剤:マスターバッチ顔料(1) 13部
帯電制御剤:サリチル酸亜鉛塩 2部
上記原材料をヘンシェルミキサにより混合し、2軸押出し機により溶融混練した。これを圧延冷却後、ハンマミルで粗粉砕し、さらにジェット気流式粉砕機により、微粉砕を行い、風力式分級機にて微粉分級を行って、粉砕粒子を得た。さらに、得られた粉体に疎水性シリカ1部を加え、ヘンシェルミキサにて混合し、その後、超音波式振動篩により凝集体を除去して、実施例1のトナーを得た。このトナー5部をシリコン樹脂コートキャリア95部と混合して2成分現像剤を作成した。
【0064】
評価は、マスターバッチ顔料としては透過型電子顕微鏡による顔料分散状態、トナーとしては着色度、透明性(ヘーズ度)、帯電量(20℃環境、40℃環境)、ランニング評価について行った。評価結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
Figure 0004938932
【0066】
評価方法は以下に示す方法とした。
▲1▼顔料分散;マスターバッチ顔料をTHFに10%濃度で溶解し、プレパラート上に適量を滴下し、溶剤が蒸発しないようにカバーグラスで覆った状態で、透過型電子顕微鏡画像により観察、評価。
凝集体なし ;◎
凝集体少しあり(品質上問題なし);○
凝集体あり(品質上問題あり) ;△
凝集体多い ;×
【0067】
▲2▼着色度;白色紙上に、それぞれ単色で画像濃度;1.0mg/cm2、定着温度;160℃の条件で定着し、着色度をマクベス濃度計(RD−514)にて測定。数値が大きいほど着色度大。
【0068】
▲3▼透明性(ヘーズ度);OHPシート上に、それぞれ単色で画像濃度;1.0mg/cm2、定着温度;150℃の条件で定着し、スガ試験機社製の直続ヘーズコンピューターHGM−2DP型により測定。数値が小さいほど、透明性良好。
【0069】
▲4▼帯電量;トナーおよびキャリアをトナー濃度5%になるように計量し、所定の温度環境下に1時間静置保管したあと、所定の環境下で10分間攪拌混合する。これを500メッシュの網をセットした測定用ゲージに入れ、30秒間ブローオフし、飛散した粉体の電荷量Q(μC)と質量M(g)を測定し、帯電量Q/M(μC/g)とする。
【0070】
▲5▼ランニング評価;得られた2成分現像剤をリコー製Imagio color2800にセットし、単色モードで10K枚のランニングを実施した後の現像部回りのトナー飛散程度を評価した。
【0071】
〔実施例2〕
顔料:キナクリドン系マゼンタ顔料(C.I.Pigment Red 122) 50部
結着樹脂:ポリオール樹脂 50部
実施例1と同様、上記結着樹脂をジェット気流式粉砕機により、微粉砕を行い、平均粒子径20.0μmにし、顔料とともに上記比率にて、ヘンシェルミキサにて混合し、これをロ−ル表面温度110℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行ない、マスターバッチ顔料(2)を得た。この乾燥減量を測定したところ110℃では0.00%、70℃では0.00%であった。
【0072】
次に、このマスターバッチ顔料を用いて、以下の方法により、トナーとした。
結着樹脂:ポリオール樹脂 100部
着色剤:マスターバッチ顔料(2) 13部
帯電制御剤:サリチル酸亜鉛塩 2部
上記原材料を実施例1と同様の方法でトナーとし、同様の評価を実施した。評価結果を表1に示す。
【0073】
〔実施例3〕
顔料:キナクリドン系マゼンタ顔料(C.I.Pigment Red 122) 40部
結着樹脂:上記顔料を使用したトナーの粉砕工程より発生した分級微粉 60部
原材料を上記比率にて、ヘンシェルミキサにて混合し、これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行ない、マスターバッチ顔料(3)を得た。この乾燥減量を測定したところ110℃では0.00%、70℃では0.00%であった。
【0074】
次に、このマスターバッチ顔料を用いて、以下の方法により、トナーとした。
結着樹脂:ポリエステル樹脂 100部
着色剤:マスターバッチ顔料(3) 16.3部
帯電制御剤:サリチル酸亜鉛塩 2部
上記原材料を実施例1と同様の方法でトナーとし、同様の評価を実施した。評価結果を表1に示す。
【0075】
〔実施例4〕
顔料:キナクリドン系マゼンタ顔料(C.I.Pigment Red 122) 60部
結着樹脂:上記顔料を使用したトナーの粉砕工程より発生した分級微粉 40部
水: 30部
上記原材料をヘンシェルミキサにて混合する際に水を加え、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行ない、マスターバッチ顔料(4)を得た。この乾燥減量を測定したところ110℃では1.00%、70℃では0.02%であった。
【0076】
次に、このマスターバッチ顔料を用いて、以下の方法により、トナーとした。
結着樹脂:ポリエステル樹脂 100部
着色剤:マスターバッチ顔料(4) 10.8部
帯電制御剤:サリチル酸亜鉛塩 2部
上記原材料を実施例1と同様の方法でトナーとし、同様の評価を実施した。評価結果を表1に示す。
【0077】
〔実施例5〕
顔料:キナクリドン系マゼンタ顔料(C.I.Pigment Red 122) 50部
結着樹脂:上記顔料を使用したトナーの粉砕工程より発生した分級微粉 50部
水: 30部
上記原材料をヘンシェルミキサにて混合する際に水を加え、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより60分間混練を行ない、マスターバッチ顔料(5)を得た。この乾燥減量を測定したところ110℃では0.05%、70℃では0.02%であった。
【0078】
次に、このマスターバッチ顔料を用いて、以下の方法により、トナーとした。
結着樹脂:ポリエステル樹脂 100部
着色剤:マスターバッチ顔料(5) 13部
帯電制御剤:サリチル酸亜鉛塩 2部
上記原材料を実施例1と同様の方法でトナーとし、同様の評価を実施した。評価結果を表1に示し、顔料分散状態を図1に示す。
【0079】
〔実施例6〕
顔料:銅フタロシアニンブルー顔料(C.I.Pigment Blue 15) 50部
結着樹脂:ポリエステル樹脂 50部
水: 30部
実施例1と同様に、結着樹脂をジェット気流式粉砕機により、微粉砕を行い、平均粒子径20.0μmにし、顔料とともにヘンシェルミキサにて混合する際に水を加え、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行ない、マスターバッチ顔料(6)を得た。この乾燥減量を測定したところ110℃では0.05%、70℃では0.01%であった。
【0080】
次に、このマスターバッチ顔料を用いて、以下の方法により、トナーとした。
結着樹脂:ポリエステル樹脂 100部
着色剤:マスターバッチ顔料(6) 6部
帯電制御剤:サリチル酸亜鉛塩 2部
上記原材料を実施例1と同様の方法でトナーとし、同様の評価を実施した。評価結果を表1に示す。
【0081】
〔実施例7〕
顔料:銅フタロシアニンブルー顔料(C.I.Pigment Blue15) 50部
結着樹脂:上記顔料を使用したトナーの粉砕工程より発生した分級微粉:50部
水: 30部
上記原材料をヘンシェルミキサにて混合する際に水を加え、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行ない、マスターバッチ顔料(7)を得た。この乾燥減量を測定したところ110℃では0.05%、70℃では0.01%であった。
【0082】
次に、このマスターバッチ顔料を用いて、以下の方法により、トナーとした。
結着樹脂:ポリエステル樹脂 100部
着色剤:マスターバッチ顔料(7) 6部
帯電制御剤:サリチル酸亜鉛塩 2部
上記原材料を実施例1と同様の方法でトナーとし、同様の評価を実施した。評価結果を表1に示す。
【0083】
〔比較例1〕
顔料:キナクリドン系マゼンタ顔料(C.I.Pigment Red 122) 50部
結着樹脂:ポリオール樹脂(平均粒径 2.0mm) 50部
上記原材料を結着樹脂を微粉砕処理を行うことなく、顔料とともにヘンシェルミキサにて混合し、これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより90分間混練を行ない、マスターバッチ顔料(8)を得た。この乾燥減量を測定したところ110℃では0.00%、70℃では0.00%であった。次に、このマスターバッチ顔料を用いて、実施例1と同様の方法でトナーとし、同様の評価を実施した。評価結果を表1に示し、顔料分散状態を図2に示す。
【0084】
〔比較例2〕
顔料:キナクリドン系マゼンタ顔料(C.I.Pigment Red 122) 50部
結着樹脂:ポリオール樹脂(平均粒径 2.0mm) 50部
水/アセトン:(50/50) 30部
上記原材料を結着樹脂を微粉砕処理を行うことなく、顔料とともにヘンシェルミキサにて混合する際に水とアセトンとを加え、顔料凝集体中に水およびアセトンが染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度 130℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行ない、マスターバッチ顔料(9)を得た。この乾燥減量を測定したところ110℃では2.00%、70℃では0.06%であった。次に、このマスターバッチ顔料を用いて、実施例1と同様の方法でトナーとし、同様の評価を実施した。評価結果を表1に示す。
【0085】
【発明の効果】
本発明によれば、着色剤として顔料系のものを使用するトナーにおいて、低沸点の有機溶剤を使用することなく顔料の分散性を向上させることができるため、透明性、着色度の向上と安定性を両立させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で使用したマスターバッチ顔料(5)の顔料分散評価を示す光学顕微鏡写真である。
【図2】比較例1で使用したマスターバッチ顔料(8)の顔料分散評価を示す光学顕微鏡写真である。

Claims (6)

  1. 乾燥状態で結着樹脂と顔料とを混合する混合工程と、得られた混合物を溶融混練してマスターバッチを得るマスターバッチ混練工程とを備え、前記結着樹脂が平均粒径20μm以下の樹脂であり、前記顔料が乾燥粉体であり、前記結着樹脂と前記顔料との質量比が4:6から6:4の範囲であり、110℃における乾燥減量が0.00質量%、70℃における乾燥減量が0.00質量%であることを特徴とするマスターバッチ顔料の製造方法。
  2. 水存在下で結着樹脂と顔料とを混合する混合工程と、得られた混合物を溶融混練してマスターバッチを得るマスターバッチ混練工程とを備え、前記結着樹脂が平均粒径20μm以下の樹脂であり、前記顔料が乾燥粉体であり、前記結着樹脂と前記顔料との質量比が4:6から6:4の範囲であり、前記混練工程において、混練後の110℃における乾燥減量が0.01質量%から1.0質量%、かつ70℃における乾燥減量が0.05質量%以下となるように加熱し、前記水を除去することを特徴とするマスターバッチ顔料の製造方法。
  3. 結着樹脂として乾式トナーの粉砕工程において発生する分級微粉を用いることを特徴とする請求項からのいずれかに記載のマスターバッチ顔料の製造方法。
  4. 乾燥状態で結着樹脂と顔料とを混合する混合工程と、得られた混合物を溶融混練してマスターバッチを得るマスターバッチ混練工程と、得られたマスターバッチを、トナーの所望の顔料濃度になるように、マスターバッチ用の前記結着樹脂と同種または異種の結着樹脂により希釈混練し、希釈混練物を得る工程と、前記希釈混練物を粉砕する粉砕工程と、を備え、前記マスターバッチ用の結着樹脂が平均粒径20μm以下の樹脂であり、前記顔料が乾燥粉体であり、前記マスターバッチ用の結着樹脂と前記顔料との質量比が4:6から6:4の範囲であり、110℃における乾燥減量が0.00質量%、70℃における乾燥減量が0.00質量%であることを特徴とするトナーの製造方法。
  5. 水存在下で結着樹脂と顔料とを混合する混合工程と、得られた混合物を溶融混練してマスターバッチを得るマスターバッチ混練工程と、得られたマスターバッチを、トナーの所望の顔料濃度になるように、マスターバッチ用の前記結着樹脂と同種または異種の結着樹脂により希釈混練し、希釈混練物を得る工程と、前記希釈混練物を粉砕する粉砕工程と、を備え、前記マスターバッチ用の結着樹脂が平均粒径20μm以下の樹脂であり、前記顔料が乾燥粉体であり、前記マスターバッチ用の結着樹脂と前記顔料との質量比が4:6から6:4の範囲であり、前記マスターバッチ混練工程において、混練後の110℃における乾燥減量が0.01質量%から1.0質量%、かつ70℃における乾燥減量が0.05質量%以下となるように加熱し、前記水を除去することを特徴とするトナーの製造方法。
  6. マスターバッチ用の結着樹脂として乾式トナーの粉砕工程において発生する分級微粉を用いることを特徴とする請求項4から5のいずれかに記載のトナーの製造方法。
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