JP4536302B2 - トナー、現像剤を用いた画像形成方法及び画像形成装置、並びに、定着方法 - Google Patents

トナー、現像剤を用いた画像形成方法及び画像形成装置、並びに、定着方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベルト定着システムを利用した画像形成方法において用いられるトナー、その製造方法、現像剤、画像形成方法、及び画像形成装置に関し、プラスチックス等の着色剤として用いられる、最終製品中の顔料濃度よりも高い顔料濃度で樹脂中に顔料を分散するマスターバッチを用いるトナー、その製造方法、現像剤、画像形成方法及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
乾式現像法に用いられるトナーは熱可塑性樹脂(結着樹脂)、染顔料(着色剤)、離型剤などを主成分とし、これに必要に応じて、磁性粉、帯電荷制御剤、流動性向上剤などを添加して製造される。そして、これらのトナーの製造方法としては、特開平1−304467号公報に代表されるように、原料を全て一度に混合して混練機などにより加熱、溶融、分散を行い均一な組成物とした後、これを冷却して、粉砕、分級することにより体積平均粒径6〜10μm程度のトナーを製造する方法が一般的に採用されている。
特にカラー画像の形成に用いられる電子写真用カラートナーは、一般に、バインダー樹脂中に各種の有彩色染料または顔料を分散含有させて構成される。
この場合、使用するトナーに要求される性能は、黒色画像を得る場合に比べ厳しいものとなる。即ち、トナーとしては、衝撃や湿度等の外的要因に対する機械的電気的安定性に加え、適正な色彩の発現(着色度)やオーバーヘッドプロジェクター(OHP)に用いたときの光透過性(透明性)が必要となる。
【0003】
着色剤として染料を用いるものとしては、例えば、特開昭57−130043号公報、特開昭57−130044号公報に記載のものがある。しかしながら、着色剤に染料を用いた場合、得られる画像は透明性に優れ、発色性が良くて鮮明なカラー画像の形成が可能であるが、反面、耐光性が劣り、直射光下に放置した場合、変色、退色してしまう問題がある。
一方、着色剤として顔料を用いるものとしては、特開昭49−46951号公報、特開昭52−17023号公報に記載のものがある。しかしながら、顔料系のカラートナーは耐光性は優れているものの、反面、結着樹脂に対する顔料の分散性が悪いため、着色度(発色性)や透明性が劣るという問題がある。
【0004】
結着樹脂に対する顔料の分散性を向上する方法としては
(1)特開昭62−280755号公報;結着樹脂としてポリエステル樹脂(樹脂A)を用い、該樹脂Aよりも高い分子量のポリエステル樹脂(樹脂B)により顔料をあらかじめ被覆し、この被覆された顔料を樹脂A中に分散させてカラートナーを得る技術。
(2)特開平2−66561号公報;樹脂と顔料用樹脂とを溶融混練して選られる加工顔料が結着樹脂中に分散含有されてなり、前記顔料用樹脂の重量平均分子量が前記結着樹脂の重量平均分子量よりも小さく、前記結着樹脂の重量平均分子量が10万以上であることを特徴とするカラートナー。
(3)特開平9−101632号公報;結着樹脂と顔料の混合物をあらかじめ有機溶剤と共に結着樹脂の溶融温度よりも低い温度で1段目の混練を行い、さらに結着樹脂、帯電制御剤を加えて2段目の加熱溶融混練してカラートナーを得る技術。
(4)特開平4−39671号公報;重量平均分子量4万以下の結着樹脂と、該結着樹脂を用いたフラッシング顔料よりなる着色剤とを含むトナー。
(5)特開平4−230770号公報;溶剤と該溶剤に可溶な第1の結着樹脂および該溶剤に不溶な着色剤の粒子を混合し、加圧条件下で温度50〜100℃で、剪断力をかけながら該着色剤の粒子を該結着樹脂に分散した後、該溶剤を除去して該着色剤の粒子が分散されている着色結着樹脂組成物を得て、さらに結着樹脂、帯電制御剤を加えて2段目の加熱溶融混練してトナーを得る技術。
等が提案されている。
【0005】
しかしながら、前記(1)、(2)公報記載の方法でも、いずれも十分な顔料の分散は得られず、着色度、透明性が劣っているのが現状である。
また、特に、ニップ圧の小さいベルト定着システムでは、顔料が高分散でないと、色重ね時の色再現性、透明性が悪い。
また、前記(3)、(4)、(5)公報記載の方法は顔料の分散は向上するものの、いずれの方法も溶剤を使用するため、いくら除去したとしても製品中あるいはトナー中に極微量ではあるが溶剤が残り、これが高温環境下での使用という特殊な環境においてトナーの帯電量を低下させ、現像部でのトナー飛散といった問題の原因になっていることが最近になって、本発明者らの検討によって明らかになった。
【0006】
また、特に、ベルト定着を用いる定着システムでは、残留溶剤が多いとベルトフィルミング生じ、画像汚れの原因となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第一の目的は、ニップ圧の小さいベルト定着システムにおいて、、着色度、透明性の向上させることのできるマスターバッチ顔料を用いたトナーおよびその製造方法を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、現像部でのトナー汚染の発生しないトナーおよびその製造方法を提供することにある。
さらに、本発明の第3の目的は、定着ベルトのフィルミングの発生をなくし、鮮明な画像を提供することであり、そのための、着色性や帯電特性に優れており、鮮明な画像を形成しうるトナー、その製造方法、現像剤、画像形成方法および画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
ベルト定着方式を利用する画像形成方法、画像形成装置、定着方法、定着装置は、少なくとも定着ベルトにより接触部分形成し、該接触部分で、未定着のトナ−像が形成された転写紙を加圧し、加熱手段によって加熱して定着するものである。
本発明者らは、現像部でのトナー汚染、定着ベルトのフィルミング問題の原因を究明したところ、トナー中に残存する微量の溶剤成分が原因であることを見い出した。
トナー中の溶剤成分は、顔料と樹脂の分散溶媒として使用される場合がある。トナー中の溶剤成分が時間経過により揮発する時、トナー表面の樹脂を微量に溶解させながら揮発する。そのとき、トナー表面の荷電制御剤が樹脂におおわれたり、おおわれなかったりするので、トナー表面の荷電制御剤の分散が不均一になる。そのため、トナーの帯電量も不均一になり、チリ、飛散が多く、異常画像が発生し、現像部を汚染する。また、トナー表面の樹脂を微量に溶解させながら揮発するので、トナー表面に低分子樹脂成分が多くなり、定着時に溶融したトナーが定着ベルトから除去できなくなるため、画像汚れの原因となる。
【0009】
したがって、本発明によれば、結着樹脂中に顔料を分散するマスターバッチ混練工程において、顔料として乾燥粉体顔料を用い、該乾燥粉体顔料と結着樹脂を混合する際に水を加え、この混合物を加熱混練して混合時に加えた水を除去し、混練後の110℃における乾燥減量が0.01〜1.0重量%となるように混練することにより得られたマスターバッチを使用したトナーにより、トナー汚染、定着ベルトフィルミング等が防止できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明によれば、
(1)ベルト定着する画像形成方法において使用するトナーであって、少なくとも結着樹脂中に顔料を分散するマスターバッチ混練工程において、顔料として乾燥粉体顔料を用い、該乾燥粉体顔料と結着樹脂を混合する際に水を加え、この混合物を加熱混練して混合時に加えた水を除去し、混練後の110℃における乾燥減量が0.01〜1.0重量%となるように混練することにより得られるマスターバッチを使用したことを特徴とするトナー、
(2)上記トナーを含有することを特徴とする現像剤、
(3)ベルト定着する画像形成方法において使用するトナーの製造方法であって、少なくとも結着樹脂中に顔料を分散するマスターバッチ混練工程において、顔料として乾燥粉体顔料を用い、該乾燥粉体顔料と結着樹脂を混合する際に水を加え、この混合物を加熱混練して混合時に加えた水を除去し、混練後の110℃における乾燥減量が0.01〜1.0重量%となるように混練することにより得られるマスターバッチを使用し、次いでトナー用結着樹脂で希釈混練し、粉砕することを特徴とするトナー製造方法、
(4)少なくともトナー帯電工程、静電潜像形成工程、現像工程、転写工程、ベルト定着工程を有するベルト定着方式の画像形成方法において、上記(2)に記載の現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法、
(5)少なくともトナー帯電工程、静電潜像形成工程、現像工程、転写工程、ベルト定着工程を有するベルト定着方式の画像形成方法における定着方法において、上記(2)に記載の現像剤を用いることを特徴とする定着方法、
(6)少なくともトナー帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段、ベルト定着手段を有するベルト定着方式の画像形成装置において、上記(2)に記載の現像剤を用いることを特徴とする画像形成装置、
(7)少なくともトナー帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段、ベルト定着手段を有するベルト定着方式の画像形成装置における定着装置において、上記(2)に記載の現像剤を用いることを特徴とする定着装置、
が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の方法をさらに詳しく説明する。
本発明のトナーは、着色剤として顔料を用いるトナーで、通常の溶融混練、粉砕方法で製造される全てのトナー(カラートナー、黒トナー)に適用可能である。
本発明におけるマスターバッチ顔料は、顔料として乾燥粉体顔料を用い、これを結着樹脂と混合する際に水を加え、この混合物を加熱混練して混合時に加えた水を除去し、混練後の110℃における乾燥減量が0.01〜1.0重量%となるように混練することにより得られるものであることを最大の特徴とする。
こうすることで顔料の分散性が著しく向上するのと同時に、マスターバッチ顔料中に70℃という比較的低温域での減量成分の少ないマスターバッチ顔料、さらに、このマスターバッチ顔料を用いたトナーを得ることができる。
【0012】
その理由は以下に記載するとおりである。
顔料はそもそも、その1次粒子は0.001〜0.1μmと非常に小さなものであるが、原材料の乾燥粉体の状態では数μm大の大きな凝集体を形成している。理想的な顔料の分散は、この凝集体を解砕し1次粒子にまでバラバラにすることであるが、通常の混練方法で0.001〜0.1μmの1次粒子を、それ以下に小さくすることは、このような通常の機械的な繰り返し剪断による混練方法では限界である。すなわち、顔料の分散が悪いということは、この凝集体を解砕できないことに他ならない。凝集体が解砕されるための必要条件は、凝集体内部の空隙にまで、周りの樹脂が入り込み、全ての1次粒子表面を効率よく濡らすことである。したがって、顔料分散のポイントは、凝集体内部の空隙にまで、周りの樹脂が入り込めるかどうかにある。しかし、通常のトナーに用いられる結着樹脂は溶融粘度が高いため、凝集体内部にまで入り込ませるには、大きなエネルギーを必要とし、それでも、顔料は目指す1次粒子にはなっていないのが現状である。
【0013】
本発明では、乾燥粉体顔料を濡らす方法として水を用いるのが特徴である。一般的に着色剤として使用される有機顔料は疎水性であるが、その製造工程においては水洗、乾燥という工程をとっているため、ある程度の力を加えれば顔料凝集体内部にまで水を染み込ませることが可能である。この凝集体内部に水が染み込んだ顔料と樹脂を混合したものを、開放型の混練機で、100℃以上の設定温度で混練すると、凝集体内部の水は瞬時に沸点に達し、体積膨張するため、凝集体内部から凝集体を解砕しようとする力が加わることになる。この凝集体内部からの力は、外部から加える力に比べ非常に効率良く凝集体を解砕することが可能である。さらにこの時、樹脂は軟化点以上の温度に加熱されているため、粘度が低くなり、凝集体を効率よく濡らすようになるのと同時に、凝集体内部の沸点温度近い水といわゆるフラッシングに似た効果で置換されることにより、1次粒子に近い状態で顔料が分散したマスターバッチ顔料を得ることができる。さらに、水が蒸発している過程においては、水の蒸発に伴う気化熱を混練物から奪うため、混練物の温度は100℃以下の比較的低温高粘度に保持されるため、剪断力が有効に顔料凝集体に加えられるという効果も有する。
【0014】
さらに、本発明において、顔料や樹脂と親和性の低い水を使用する理由は、分散処理の終了したマスターバッチ顔料中に溶剤や水といった成分が多量に残存することは好ましくない。したがって、前記開放型混練機で加熱混練する際には加えた水あるいは溶剤を除去する必要があるが、この時、樹脂や顔料と親和性の高い溶剤を用いた場合より、沸点は高くても、樹脂や顔料と親和性の低い水を用いた方が容易に除去することができるためである。さらに、ここで通常用いられるような溶剤はトナーで使用する帯電制御剤とも親和性が高いため、トナー中に極微量存在した場合でも、高温環境という特殊な条件下では、トナー中の溶剤が移動/拡散/蒸発するために、帯電量が低下するといった問題の原因となる。
【0015】
本発明のマスターバッチ顔料の製造工程において添加する水の量は、顔料と樹脂の合計量に対して5〜50重量%が好ましい。
本発明で用いる開放型混練機としては通常の2本ロール、3本ロールの他、バンバリーミキサーを開放型として使用する方法や、三井鉱山社製連続式2本ロール混練機等を用いることができる。
【0016】
本発明で用いる顔料としては以下のものが用いられる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物等が挙げられる。
黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等が挙げられる。
また、橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK等が挙げられる。
【0017】
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B等が挙げられる。
紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等が挙げられる。
青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等が挙げられる。
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ等が挙げられる。
これらは、いずれも乾燥した粉体顔料であり、1種または2種以上を使用する事ができる。
また、顔料の使用量は、1〜10重量部が好ましい。
【0018】
さらに、本発明により得られたマスターバッチ顔料は110℃における乾燥減量が0.01〜1.0重量%であり、70℃における乾燥減量が0.05重量%以下であることが望ましい。110℃における乾燥減量が1.0重量%を超えるとマスターバッチ顔料中に存在する水が品質に影響をおよぼすばかりでなく、マスターバッチ混練における剪断が不十分であるために顔料の分散が悪いものとなる。一方、110℃における乾燥減量が0.01重量%未満とするためには、マスターバッチ混練時に過剰の剪断、加熱を加えなくてはならないため、結着樹脂の一部が剪断されて低分子量成分が増加するといった問題があり、好ましくない。さらに、70℃における乾燥減量が0.05重量%を超えると、このようなマスターバッチ顔料を用いてトナーにした場合、高温環境下の使用で帯電量が低下するという問題があり好ましくない。
【0019】
本発明における乾燥減量は、まずサンプルの粒径を整えるため、目開き0.15mm〜2.0mmの篩で篩い分けし、両篩の間に存在したものをサンプルとし、所定の乾燥温度に2時間静置保管した後、デシケーター中で0.5時間冷却したものの重量減少量から求めた。
【0020】
本発明で用いるマスターバッチ用結着樹脂およびトナーにする場合の希釈用のトナー用結着樹脂としては、従来公知のものを広く使用することができる。例えば、ビニル系樹脂あるいはポリエステル樹脂あるいはポリオール樹脂からなり、中でも、ポリエステル樹脂またはポリオール樹脂が好適に用いられる。マスターバッチ用結着樹脂と希釈用結着樹脂は、同種でも異種でもよい。
ビニル系樹脂としては、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体:スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体:ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニルなどがある。
【0021】
ポリエステル樹脂としては以下のA群に示したような2価のアルコールと、B群に示したような二塩基酸塩から得られるものであり、さらにC群に示したような3価以上のアルコールあるいはカルボン酸を第三成分として加えてもよい。
A群:エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2‘−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2,0)−2,2‘−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなど。
【0022】
B群:マレイン酸、フマール酸、メサコニン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、またはこれらの酸無水物または低級アルコールのエステルなど。
【0023】
C群:グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上のアルコール、トリメリト酸、ピロメリト酸などの3価の以上のカルボン酸など。
【0024】
ポリオール樹脂としては、エポキシ樹脂と2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物、もしくはそのグリシジルエーテルとエポキシ基と反応する活性水素を分子中に1個有する化合物と、エポキシ樹脂と反応する活性水素を分子中に2個以上有する化合物を反応してなるものなどがある。
その他にも必要に応じて以下の樹脂を混合して使用することもできる。
エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂など。
【0025】
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールAやビスフェノールFなどのビスフェノールとエピクロロヒドリンとの重縮合物が代表的である。
特に、エポキシ樹脂を使用することによって、光沢の高い画像が得られ、また、オーバーヘッドプロジェクト(OHP)のコピー画像で高い透過性のトナーを得ることができる。
【0026】
また、これらの結着樹脂のTg(ガラス転移点)が60℃以上であることが望ましい。Tgが60℃未満の場合、トナー粉砕時に粉砕機内部、配管内への固着が発生しやすく、粉砕停止による清掃回数が増加するので、粉砕稼働率が低下する。
さらに、これらの結着樹脂中の溶剤成分が300ppm以下であることが望ましい。300ppm以下であると、トナー化したときに150ppm以下になり、トナーのチリ、飛散がなく、異常画像が発生なく、現像部を汚染しにくくなる。
【0027】
また、トナーの標準帯電量をえる撹拌時間の1/40の撹拌時間での帯電量と、標準帯電量の比〔(標準帯電量をえる撹拌時間の1/40の撹拌時間での帯電量)/標準帯電量〕が0.8以上であることが望ましい。0.8未満の場合、短時間での帯電立ち上がりが悪いので、現像部内にトナーが補給された場合、キャリアとの短時間での撹拌で帯電立ち上がりが悪く、画像地肌部の汚れが悪くなる。
該比を0.8以下とするには、疎水性シリカ添加量を1.0重量部未満にすることが好ましい。
【0028】
また、トナーを、トナーのガラス転移点の15〜20℃低い温度で保存した場合、トナーの撹拌時間が標準撹拌時間の1/40の撹拌時間での帯電量と、標準帯電量の比〔(撹拌時間が標準撹拌時間の1/40の撹拌時間での帯電量)/標準帯電量〕が0.7以上であることが望ましい。0.7未満の場合、高温環境で保管したとき、帯電立ち上がりが悪く、画像非画像部の地肌汚れが悪くなる。
該比を0.7以下とするには、混練滞留時間を長くすることが好ましい。
【0029】
また、トナーの撹拌時間が標準撹拌時間の3倍の撹拌時間での帯電量と、標準帯電量の比〔(撹拌時間が標準撹拌時間の3倍の撹拌時間での帯電量)/標準帯電量〕が0.8以上であることが望ましい。0.8未満であると、コピー枚数が増加した場合、現像帯電量が低下し、画像濃度が低下し、画像非画像部の地肌汚れも悪くなる。
該比を0.8以下とするには、原材料のミキサー混合時間を長くすることが好ましい。
【0030】
本発明のトナーには、帯電制御剤をトナー粒子に配合(内添)、又はトナー粒子と混合(外添)して用いることが好ましい。
本発明で用いられる荷電制御剤のうち、正荷電制御剤としては、ニグロシンおよび脂肪酸金属塩等による変成物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、シジクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレートを単独であるいは2種類以上組合せて用いることができる。これらの中でも、ニグロシン系、四級アンモニウム塩の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
また、負荷電性制御剤としては、例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、その例としてはアルミニウムアセチルアセトナート、鉄(II)アセチルアセトナート、3,5−ジターシャリーブチルサリチル酸クロム等があり、特にアセチルアセトン金属錯体、サリチル酸系金属錯体または塩が好ましく、特にサリチル酸系金属錯体またはサリチル酸系金属塩が好ましい。
また、荷電制御剤は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部を用いることが好ましく、更には0.2〜10重量部用いることが好ましい。
【0031】
本発明のトナーには、その他、公知の添加剤を含有させることができる。
例えば、無機あるいは有機添加物をトナーと混合することで、トナーの流動性が向上し、トナー充填容器から複写機本体への補給が良好になる。また必要に応じて、一般に広く使用されているトナー用の添加剤、例えば、コロイダルシリカのような流動化剤、酸化チタン、酸化アルミニウム等の金属酸化物や、炭化ケイ素等の研磨剤、脂肪族金属塩などの滑剤などを含有させてもよい。
添加剤をトナーに混合する方法としては、従来公知の方法でよく、ヘンシェルミキサー、スピードニーダー等の装置により混合することができる。
【0032】
こうして得られた本発明のトナーは一成分現像剤として、或いはキャリアと混合することにより二成分現像剤として、帯電特性のよい電子写真用現像剤とすることができる。
本発明のトナーとキャリアの使用量としては、トナー粒子がキャリア粒子のキャリア表面に付着して、その表面積の30〜90%を占める程度に両粒子を混合するのが好ましい。例えばキャリア100重量部に対してトナー2〜10重量部使用する。
キャリアとしては従来公知のものでよく、フェライト、鉄、ニッケル、マグネタイト等の粒子からなるノンコートキャリアや、スチレンーアクリルレジン、シリコンレジン、フッ素変性アクリルレジン等をコーティングしたキャリア、造粒キャリア等を使用することができる。
【0033】
本発明に係るトナーを作製する方法の一例としては、先ず、前記した乾燥粉体顔料、結着樹脂、水をヘンシェルミキサーの如き混合機により充分に混合した後、通常の2本ロール、3本ロールの他、バンバリーミキサーを開放型として使用する方法や、三井鉱山社製連続式2本ロール混練機等の開放型混練機により加熱混練してマスターバッチ顔料を得る。
この際、水の添加量は前記したように顔料と樹脂の合計量に対して5〜50重量%が好ましく、そしてマスターバッチ顔料の110℃における乾燥減量を0.01〜1.0重量%とするには、水の添加量、加熱混練温度、および加熱混練時間とを調整することにより達成することができる。
【0034】
さらに該マスターバッチ顔料とトナー用結着樹脂、荷電制御剤、磁性トナーとする場合は磁性体、その他の添加剤等をヘンシェルミキサーの如き混合機により充分に混合した後、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、例えば神戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、日本製鋼所社製TEX型2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機や、連続式の1軸混練機、例えばブッス社製コ・ニーダ等の熱混練機を用いて構成材料を良く混練し、冷却後、ハンマーミル等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機により所定の粒度に分級する。
【0035】
次いで、無機微粉体と該トナーをヘンシェルミキサーの如き混合機により充分混合し、ついで250メッシュ以上の篩を通過させ、粗大粒子、凝集粒子を除去し、本発明のトナーを得る方法が挙げられる。
上記マスターバッチ顔料とトナー用結着樹脂との溶融混練の温度としては、トナー用結着樹脂の軟化点+20℃よりも低い温度設定することが望ましい。
トナー用結着樹脂の軟化点+20℃よりも高い混練温度に設定すると、樹脂溶融粘度が低下し、染顔料、荷電制御剤の分散が悪くなり、色鮮やかさ、帯電特性が低下する。
【0036】
また、トナーの平均粒径は、5〜12μmが好ましく、6.0〜9.0μmの範囲であることがさらに好ましい。
トナーの平均粒径が9μmより大きいと、トナー画像のザラツキが悪くなる傾向にあり、6μmより小さいと、画像地肌部の汚れが悪くなる傾向にある。
さらに、体積平均粒径/個数平均粒径の比が1.3以下であることが好ましい。体積平均粒径/個数平均粒径の比が1.3より大きい場合、画像地肌部の汚れが悪くなる傾向にある。
【0037】
次に、本発明の画像形成方法及び装置について説明する。
図1に本発明のベルト定着方式の画像形成装置を示す。また図2に図1の画像形成装置の定着器の拡大概略図を示す。
図1において、帯電器13にて帯電された感光体14にレーザ書き込み器15にて画像を書き込み、各色の現像器16〜19にて現像する。給紙カセット11より供給された紙(シート)12に、現像された画像を、転写器27にて転写し、定着器28で定着する。図2の定着器では、熱源38にて一定温度に保たれた耐熱弾性体層37に、前記転写された紙がニップ部40と接触することにより、転写画像は紙に定着される。
そして本発明においては、上記画像形成方法及び装置において、前記本発明の現像剤を用いる。
【0038】
【実施例】
次に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、ここでの部及び%は重量基準である。
【0039】
実施例1
顔料:キナクリドン系マゼンタ顔料(C.I.Pigment Red122) 50部
結着樹脂:ポリオール樹脂 50部
水 30部
上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行ない、マスターバッチ顔料(1)を得た。この乾燥減量を測定したところ110℃では0.02%、70℃では0.00%であった。
次に、このマスターバッチ顔料(1)を用いて、以下の処方及び方法により、トナーを作製した。
結着樹脂:ポリエステル樹脂(軟化点112℃) 100部
着色剤:マスターバッチ顔料(1) 13部
帯電制御剤:サルチル酸亜鉛塩 2部
上記原材料をヘンシェルミキサーにより3分間混合し、2軸押出し機により溶融混練した。これを圧延冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、さらにジェット気流式粉砕機により、微粉砕を行い、風力式分級機にて微粉分級を行って、粉砕粒子を得た。さらに、得られた粉体に疎水性シリカ1部を加え、ヘンシェルミキサーにて混合し、その後、超音波式振動篩により凝集体を除去して、実施例1のトナーを得た。このトナー5部をシリコン樹脂コートキャリア95部と混合して二成分現像剤を作成した。
【0040】
評価は、マスターバッチ顔料としては透過型電子顕微鏡による顔料分散状態、トナーとしては着色度、透明性(ヘーズ度)、帯電量(20℃環境、40℃環境)、ランニング評価について行った。評価結果を表1に示す。
評価方法及び評価基準を以下に示す。
▲1▼顔料分散状態
マスターバッチ顔料をTHFに10%濃度で溶解し、プレパラート上に適量を滴下し、溶剤が蒸発しないようにカバーグラスで覆った状態で、透過型電子顕微鏡画像により観察、評価。
凝集体なし ;◎
凝集体少しあり(品質上問題なし) ;○
凝集体あり(品質上問題あり) ;△
凝集体多い ;×
▲2▼着色度
白色紙上に、それぞれ単色で画像濃度;1.0mg/cm2、定着温度;160℃の条件で定着し、着色度をマクベス濃度計(RD−514)にて測定。数値が大きいほど着色度大。
▲3▼透明性(ヘーズ度)
OHPシート上に、それぞれ単色で画像濃度;1.0mg/cm2、定着温度;150℃の条件で定着し、スガ試験機社製の直続ヘーズコンピューターHGM−2DP型により測定。数値が小さいほど、透明性良好。
▲4▼帯電量Q/M
トナーおよびキャリアをトナー濃度5%になるように計量し、所定の温度環境下に1時間静置保管したあと、所定の環境下で10分間攪拌混合する。これを500メッシュの網をセットした測定用ゲージに入れ、30秒間ブローオフし、飛散した粉体の電荷量Q(μC)と質量M(g)を測定し、帯電量Q/M(μC/g)とした。
Q/M(1/40):上記帯電量測定の、混合撹拌時間を15秒に変更して測定。
Q/M(3倍) :上記標準Q/Mの測定の、混合撹拌時間を30分に変更して測定。
▲5▼ランニング評価
得られた二成分現像剤をリコー製Imagio color2800改造機にセットし、単色モードで10K枚のランニングを実施した後の現像部回りのトナー飛散程度を評価した。
また、画像評価として、
画像濃度:マクベス濃度計により測定
地肌汚れ(地肌濃度):マクベス濃度計により測定
画像ザラツキ、画像チリ、機内汚れ;5段階のランク評価(ランク3以上で許容)
を評価。
▲6▼その他、評価方法は以下に示す方法とした。
Tg:DSCにて測定。℃で表示。
溶剤量:GPCにて150℃加熱揮発分を測定。ppmで表示。
平均粒径:コールターマルチサイザーにて測定。μmで表示。
保存条件:トナーのTg温度より15℃低い温度で30日保存。
【0041】
実施例2
疎水性シリカ添加量を0.6部に変更した以外は実施例1と同様にし実施例2の二成分現像剤を作成した。さらに、実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
その結果、標準帯電量をえる撹拌時間の1/40の撹拌時間での帯電量と、標準帯電量の比〔(標準帯電量をえる撹拌時間の1/40の撹拌時間での帯電量)/標準帯電量〕が0.8以上とトナー帯電の立ち上がりがよくなり、ランニング後の耐地肌汚れが実施例1より向上した。
【0042】
実施例3
結着樹脂、着色剤、帯電制御剤混合物の時間当たりの混練処理量を半減させ、混練滞留時間を長くした以外は実施例1と同様の処理を行い実施例3の二成分現像剤を作成した。
その結果、トナー中の溶剤量が減少し、トナーを、トナーのガラス転移点の15〜20℃低い温度で保存した場合、トナーの撹拌時間が標準撹拌時間の1/40の撹拌時間での帯電量と、標準帯電量の比〔(撹拌時間が標準撹拌時間の1/40の撹拌時間での帯電量)/標準帯電量〕が0.7以上と保存後の帯電立ち上がりがよく、耐地肌汚れが実施例1より向上した。
【0043】
実施例4
結着樹脂、着色剤、帯電制御剤からなる原材料のミキサー混合時間を5分間と長くした以外は実施例1と同様の処理を行い実施例4の二成分現像剤を作成した。
その結果、荷電制御剤の分散が向上し、トナーの撹拌時間が標準撹拌時間の3倍の撹拌時間での帯電量と、標準帯電量の比〔(撹拌時間が標準撹拌時間の3倍の撹拌時間での帯電量)/標準帯電量〕が0.8以上と長時間撹拌での帯電低下が少なくなり、ランニング後の画像濃度、耐地肌汚れが実施例1より向上した。
【0044】
実施例5
結着樹脂中の溶剤成分が300ppm以下と結着樹脂の溶剤量少なくした以外は実施例1と同様の処理を行い実施例5の二成分現像剤を作成した。
その結果、トナー中の溶剤量が減少し、長時間撹拌での帯電低下が少なくなり、保存後ランニング後の耐画像チリ、耐機内汚れが実施例1より向上した。
【0045】
実施例6
結着樹脂のTgを高くした以外は実施例1と同様の処理を行い実施例6の二成分現像剤を作成した。
このとき、粉砕機内部のトナー固着状態を観察すると、実施例1より少なく、連続稼働時間が向上し、粉砕処理量が向上した。
【0046】
実施例7
結着樹脂の軟化点+20℃よりも低い混練温度設定にした以外は実施例1と同様の処理を行い実施例7の二成分現像剤を作成した。
その結果、ランニングでの帯電低下が少なくなりランニング後の画像濃度、耐地肌汚れが実施例1より向上した。
【0047】
実施例8
原材料の結着樹脂をエポキシ樹脂にした以外は実施例1と同様の処理を行い実施例8の二成分現像剤を作成した。
その結果、トナー光沢が向上し、画像濃度が実施例1より向上した。
【0048】
比較例1
実施例1と同様の原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより90分間混練を行ない、マスターバッチ顔料(2)を得た。この乾燥減量を測定したところ110℃では0.005%、70℃では0.000%であった。
次に、このマスターバッチ顔料(2)を用いて、実施例1と同様の方法で比較例1の二成分現像剤を作成し、同様の評価を実施した。評価結果を表1に示す。この方法は生産性が非常に低くなるばかりでなく、ランニング評価においてフィルミングが発生し、10K枚以上のランニングは実質上不可能となった。
【0049】
比較例2
実施例1と同様の原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度110℃に設定した2本ロールにより15分間混練を行ない、マスターバッチ顔料(3)を得た。この乾燥減量を測定したところ110℃では2.00%、70℃では0.03%であった。次に、このマスターバッチ顔料(3)を用いて、実施例1と同様の方法で比較例2の二成分現像剤を作成し、同様の評価を実施した。評価結果を表1に示す。
【0050】
比較例3
顔料:キナクリドン系マゼンタ顔料(C.I. Pigment Red122) 50部
結着樹脂:ポリオール樹脂 50部
上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行ない、マスターバッチ顔料(4)を得た。この乾燥減量を測定したところ110℃では0.00%、70℃では0.00%であった。
次に、このマスターバッチ顔料(4)を用いて、実施例1と同様の方法で比較例3の二成分現像剤を作成し、同様の評価を実施した。評価結果を表1に示す。
【0051】
比較例4
顔料:キナクリドン系マゼンタ顔料(C.I. Pigment Red122) 50部
結着樹脂:ポリオール樹脂 50部
水/アセトン(=50/50) 30部
上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水/アセトンが染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行ない、マスターバッチ顔料(5)を得た。この乾燥減量を測定したところ110℃では2.00%、70℃では0.60%であった。
次に、このマスターバッチ顔料(5)を用いて、実施例1と同様の方法で比較例4の二成分現像剤を作成し、同様の評価を実施した。評価結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
Figure 0004536302
【0053】
【発明の効果】
本発明により、ニップ圧の小さいベルト定着システムにおいて、着色度、透明性の向上させることのできるマスターバッチ顔料を用いたトナーを提供できる。
また、現像部でのトナー汚染の発生しないトナーを提供できる。
さらに、定着ベルトのフィルミングの発生をなくし、鮮明な画像を提供できる。
さらにまた、着色性や帯電特性に優れ、鮮明な画像を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定着器を備えるカラーレーザプリンタの内部全体の概略構成図。
【図2】図1に示すカラーレーザプリンタの定着器の拡大概略構成図。
【符号の説明】
10 プリンタ本体
11 プリンタ本体10に装着された給紙カセット
12 給紙カセット11内に収納されているシート
13 帯電器
14 感光体
15 レーザ書き込み器
16 黒の現像器
17 イエロー現像器
18 マゼンダ現像器
19 シアン現像器
20 除電器
21 クリーニング器
25 給紙コロ
26 レジストロ−ラ、
27 転写器
28 定着器
29 排紙ロ−ラ
30、31 排紙部
32 定着ロ−ラ
33 エンドレスベルト
34 駆動ロ−ラ
35 従動ロ−ラ
36 金属パイプ
37 耐熱弾性体層
38 熱源
40 ニップ部
41 セラミックヒータ(熱源)

Claims (14)

  1. ベルト定着する画像形成方法であって、該画像形成方法に使用するトナーが、少なくとも結着樹脂中に顔料を分散するマスターバッチ混練工程において、顔料として乾燥粉体顔料を用い、該乾燥粉体顔料と結着樹脂を混合する際に水を加え、この混合物を加熱混練して混合時に加えた水を除去し、混練後の110℃における乾燥減量が0.01〜0.02重量%となるように混練することにより得られるマスターバッチを使用するトナーであることを特徴とする画像形成方法。
  2. トナー用結着樹脂中の溶剤成分が300ppm以下であることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
  3. トナー用結着樹脂のTgが60℃以上であることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
  4. トナー用結着樹脂が、エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成方法において、前記トナーが、少なくとも結着樹脂中に顔料を分散するマスターバッチ混練工程において、顔料として乾燥粉体顔料を用い、該乾燥粉体顔料と結着樹脂を混合する際に水を加え、この混合物を加熱混練して混合時に加えた水を除去し、混練後の110℃における乾燥減量が0.01〜0.02重量%となるように混練することにより得られるマスターバッチを使用し、次いでトナー用結着樹脂で希釈混練し、粉砕することにより得られるトナーであって、該トナーの標準帯電量をえる撹拌時間の1/40の撹拌時間での帯電量と、標準帯電量の比〔(標準帯電量をえる撹拌時間の1/40の撹拌時間での帯電量)/標準帯電量〕が0.8以上であることを特徴とする画像形成方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成方法において、前記トナーが、少なくとも結着樹脂中に顔料を分散するマスターバッチ混練工程において、顔料として乾燥粉体顔料を用い、該乾燥粉体顔料と結着樹脂を混合する際に水を加え、この混合物を加熱混練して混合時に加えた水を除去し、混練後の110℃における乾燥減量が0.01〜0.02重量%となるように混練することにより得られるマスターバッチを使用し、次いでトナー用結着樹脂で希釈混練し、粉砕することにより得られるトナーであって、該トナーをガラス転移点の15〜20℃低い温度で保存した場合、トナーの撹拌時間が標準撹拌時間の1/40の撹拌時間での帯電量と、標準帯電量の比〔(撹拌時間が標準撹拌時間の1/40の撹拌時間での帯電量)/標準帯電量〕が0.7以上であることを特徴とする画像形成方法。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成方法において、前記トナーが、少なくとも結着樹脂中に顔料を分散するマスターバッチ混練工程において、顔料として乾燥粉体顔料を用い、該乾燥粉体顔料と結着樹脂を混合する際に水を加え、この混合物を加熱混練して混合時に加えた水を除去し、混練後の110℃における乾燥減量が0.01〜0.02重量%となるように混練することにより得られるマスターバッチを使用し、次いでトナー用結着樹脂で希釈混練し、粉砕することにより得られるトナーであって、該トナーの撹拌時間が標準撹拌時間の3倍の撹拌時間での帯電量と、標準帯電量の比〔(撹拌時間が標準撹拌時間の3倍の撹拌時間での帯電量)/標準帯電量〕が0.8以上であることを特徴とする画像形成方法。
  8. 請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成方法において、前記トナーが、少なくとも結着樹脂中に顔料を分散するマスターバッチ混練工程において、顔料として乾燥粉体顔料を用い、該乾燥粉体顔料と結着樹脂を混合する際に水を加え、この混合物を加熱混練して混合時に加えた水を除去し、混練後の110℃における乾燥減量が0.01〜0.02重量%となるように混練することにより得られるマスターバッチを使用し、次いでトナー用結着樹脂で希釈混練し、粉砕することにより得られるトナーであって、該トナー用結着樹脂中の溶剤成分が、300ppm以下であることを特徴とする画像形成方法。
  9. 請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成方法において、前記トナーが、少なくとも結着樹脂中に顔料を分散するマスターバッチ混練工程において、顔料として乾燥粉体顔料を用い、該乾燥粉体顔料と結着樹脂を混合する際に水を加え、この混合物を加熱混練して混合時に加えた水を除去し、混練後の110℃における乾燥減量が0.01〜0.02重量%となるように混練することにより得られるマスターバッチを使用し、次いでトナー用結着樹脂で希釈混練し、粉砕することにより得られるトナーであって、 該トナー用結着樹脂のTgが、60℃以上であることを特徴とする画像形成方法。
  10. 請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成方法において、前記トナーが、少なくとも結着樹脂中に顔料を分散するマスターバッチ混練工程において、顔料として乾燥粉体顔料を用い、該乾燥粉体顔料と結着樹脂を混合する際に水を加え、この混合物を加熱混練して混合時に加えた水を除去し、混練後の110℃における乾燥減量が0.01〜0.02重量%となるように混練することにより得られるマスターバッチを使用し、次いでトナー用結着樹脂で希釈混練し、粉砕することにより得られるトナーであって、トナー用結着樹脂の軟化点+20℃よりも低い混練温度で少なくともトナー用結着樹脂とマスターバッチを混練することを特徴とする画像形成方法。
  11. 請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成方法において、前記トナーが、少なくとも結着樹脂中に顔料を分散するマスターバッチ混練工程において、顔料として乾燥粉体顔料を用い、該乾燥粉体顔料と結着樹脂を混合する際に水を加え、この混合物を加熱混練して混合時に加えた水を除去し、混練後の110℃における乾燥減量が0.01〜0.02重量%となるように混練することにより得られるマスターバッチを使用し、次いでトナー用結着樹脂で希釈混練し、粉砕することにより得られるトナーであって、トナー用結着樹脂が、エポキシ樹脂であることを特徴とする画像形成方法。
  12. 請求項1〜4のいずれかに記載のトナーを含有する現像剤を用いた画像形成方法において、該画像形成方法が、少なくともトナー帯電工程、静電潜像形成工程、現像工程、転写工程、ベルト定着工程を有するベルト定着方式の画像形成方法であることを特徴とする画像形成方法。
  13. 請求項12の画像形成方法において、前記現像剤を定着工程において用いることを特徴とする定着方法。
  14. 少なくともトナー帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段、ベルト定着手段を有するベルト定着方式の画像形成装置において、請求項1〜4のいずれかに記載のトナーを含有する現像剤を用いることを特徴とする画像形成装置。
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