JP4274550B2 - トナーの製造方法、トナー、二成分現像剤及び画像形成装置 - Google Patents

トナーの製造方法、トナー、二成分現像剤及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、静電荷像現像用トナーの粉砕・分級工程で分離された所定の粒径よりも小さい粒子を再利用するトナーの製造方法、その製造方法によって製造されたトナー、そのトナーを含む二成分現像剤及びその二成分現像剤を用いてなる画像形成装置に関する。
近年の環境対応での廃棄物削減及びコスト削減の観点から、従来、廃棄していた製造工程で発生した製品となる所定の粒径よりも小さい粒子を、再度、樹脂、着色剤、帯電制御剤などの原材料と混合して利用することが行われている。これら再利用は、従来、モノクロ用トナーに多く使われていたが、カラーコピー、カラープリンターの普及により、カラー用トナーでも使われるようになった。
また、近年、高画質化に対応するため、トナーを小粒径で、かつシャープな粒度分布にする傾向にあり、従来の大粒径トナーより製品粒度以外のトナー粒子分の発生が多くなっている。そのため、製品粒度以外のトナー粒子分を再利用する比率が高くなっているが、問題点もいろいろ発生している。
それらは、製品となる所定の粒径よりも小さい粒子に含まれる原材料の比率と、従来の原材料のみ使用する場合の材料比率が異なるため、(1)帯電量が低下する。(2)製品となる所定の粒径よりも小さい粒子を添加すると混練機への供給量が変化するなどである。そのため、特許文献1に示すように、製品となる所定の粒径よりも小さい粒子の粒径と樹脂粒径を規定する案が出されているが、製品となる所定の粒径よりも小さい粒子を原材料の混練物と均一に混ぜなければならない。
また、製品となる所定の粒径よりも小さい粒子は所定の粒径のトナーに比べて着色剤量が多く存在するので、例えば着色剤がカーボンブラックの場合には、そのまま混合すると帯電量が低下する。そのため、特許文献2に示すように、微粉の混合比率が5〜10重量%の場合には、帯電制御剤、着色剤の比率を微粉を混合しないときと同様にし、製品となる所定の粒径よりも小さい粒子の混合比率が10〜20重量%の場合には、帯電制御剤を1.5〜2倍に増量し、製品となる所定の粒径よりも小さい粒子の混合比率が10〜20重量%の場合には、着色剤を0.66から0.83倍に減量し、製品となる所定の粒径よりも小さい粒子の混合比率が10〜15重量%の場合には、帯電制御剤を1.6〜1.8倍に増量、かつ、着色剤を0.7〜0.75倍に減量することで対応している。
しかし、本発明者らが検討したところによると、カーボンの含まれないイエロートナーの場合、製品となる所定の粒径よりも小さい粒子のみを溶融混練し、トナー化した場合でも、帯電量が低いこと、また、製品となる所定の粒径よりも小さい粒子中の帯電制御剤量を分析したところ、所定の粒径のトナーと同等以上の帯電制御剤量が含まれているにも関わらず、帯電量が低いことがわかった。
製品となる所定の粒径よりも小さい粒子をトナー化するということは、原材料側からみれば、2回溶融混練するということで、帯電制御剤としては混練エネルギを2倍受け、帯電制御剤は2倍分散が進むことになる。一方、トナー化するために粉砕するとき、通常なら樹脂界面よりも帯電制御剤が粉砕界面になる場合が多いが、分散が2倍になることで帯電制御剤の分散粒径がより小粒径となり、粉砕界面になりにくくなると考えられる。すなわち、製品となる所定の粒径よりも小さい粒子を再度溶融混練した場合、製品となる所定の粒径よりも小さい粒子中に含まれる帯電制御剤は帯電に寄与しなくなってしまう。
さらに、帯電制御剤は、結着樹脂との相溶性(=溶解度パラメーター)により効果が異なる。例えば、特許文献3には、帯電制御剤の溶解パラメーターと結着樹脂との溶解パラメーターの差が2.4以上10.0以下のものが望ましく、溶解パラメーターの差が2.4未満であると、帯電制御剤の分散がよすぎて樹脂への溶解性が高く充分な帯電が得られないこと、また、溶解パラメーターの差が10.0よりも大きい場合には、分散が悪く、粉砕時に樹脂から帯電制御剤が離脱し微粉として除去されるので、やはり帯電不足となり、離脱したCCAによりキャリア汚染や感光体汚染が起こることが述べられている。
特許第3277117号公報 特許第3265455号公報 特開平3−200262号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、従来、廃棄されていた製品となる所定の粒径よりも小さい粒子を混練工程で再利用しても帯電量が低下せず、かつ現像部でのトナー汚染や画像地肌部の汚れが発生しないトナーの製造方法を提供することを目的とし、また、その製造方法によって製造されたトナー、そのトナーを含む二成分現像剤及びその二成分現像剤を用いてなる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記本発明の目的は以下の手段により達成される。即ち、本発明によれば、第一に、結着樹脂と、顔料と、帯電制御剤とを含有し、前記結着樹脂内に前記顔料を分散させたマスターバッチを含む原材料であり、当該マスターバッチは、当該顔料としての乾燥粉体顔料と、当該結着樹脂と、水とを混合した後、加熱混練しながら水を除去し、混練した後の110℃における乾燥減量が0.01〜10.0%であり、前記原材料を混合して溶融混練したものを冷却した後、粉砕し、分級する一連の工程において製造した所定の粒径よりも小さい粒子を再利用するため、当該所定の粒径よりも小さい粒子を、結着樹脂と、顔料と、帯電制御剤とを含有する原材料に混合し、その後、溶融混練して冷却した後、粉砕し、分級することによりトナーを製造するトナーの製造方法であって、前記帯電制御剤の溶解度パラメーターと前記結着樹脂の溶解度パラメーターの差が2.4以上6.0以下であり、かつ、前記所定の粒径よりも小さい粒子の全混合量に対する混合比率が20wt%以上30wt%以下であり、かつ、前記帯電制御剤の全混合量に対する混合比率は、前記一連の工程において前記所定の粒径よりも小さい粒子を再利用しない場合と同様になるようにすることを特徴とするトナーの製造方法が提供される。
第二に、前記結着樹脂は、エポキシ樹脂であることを特徴とするトナーの製造方法が提供される。
第三に、前記結着樹脂は、残留溶剤が300ppm以下であることを特徴とするトナーの製造方法が提供される。
第四に、第一ないし第三のいずれかに記載のトナーの製造方法により製造されたものであることを特徴とするトナーが提供される。
第五に、第四に記載のトナーと、シリコン樹脂コートキャリアとを含むことを特徴とする二成分現像剤が提供される。
第六に、第五に記載の二成分現像剤を用いてなることを特徴とする画像形成装置が提供される。
請求項1のトナーの製造方法によれば、帯電制御剤の溶解度パラメーターと結着樹脂の溶解度パラメーターの差が2.4以上6.0以下であり、かつ、前記所定の粒径よりも小さい粒子の全混合量に対する混合比率が20wt%以上30wt%以下であり、かつ、帯電制御剤の全混合量に対する混合比率は、所定の粒径よりも小さい粒子を再利用しない場合と同様になるため、製品となる所定の粒径よりも小さい粒子を再利用しても、再利用しない場合に比べ、トナー帯電量が低下せず、現像部でのトナー汚染や非画像部の汚れが発生しない、画質の良好なトナーを製造することができる。また、マスターバッチを作製するとき、乾燥粉体顔料を濡らす方法として水を用いることから、マスターバッチ用結着樹脂は強いせん断を受けずに顔料を分散させることができるため、結着樹脂の劣化がなく、トナー汚染やキャリアへのトナーフィルミングが防止される。
請求項2のトナーの製造方法によれば、結着樹脂がエポキシ樹脂であるため、光沢の高い画像が得られ、また、オーバーヘッドプロジェクトのコピー画像で透過性の高いトナーを製造することができる。
請求項3のトナーの製造方法によれば、結着樹脂の残留溶剤が300ppm以下であるため、トナー化したとき溶剤成分は150ppm以下になり、トナーのチリ、飛散がなく、現像部を汚染しにくくなるだけでなく、異常画像が発生しないトナーを製造することができる。
請求項4のトナーによれば、本発明の製造方法によって製造されたトナーであるため、製品となる所定の粒径よりも小さい粒子を再利用しても、再利用しない場合に比べ、トナー帯電量が低下せず、現像部でのトナー汚染や非画像部の汚れが発生しない、画質の良好なトナーを得ることができる。
請求項5の二成分現像剤によれば、製品となる所定の粒径よりも小さい粒子を再利用しても、再利用しない現像剤と比べ、トナー帯電量が低下せず、現像部におけるトナー汚染や非画像部の汚れも発生しない、画質の良好な二成分現像剤を得ることができる。
請求項6の画像形成装置によれば、製品となる所定の粒径よりも小さい粒子を再利用しても、再利用しない現像剤と比べ、トナー帯電量が低下せず、現像部におけるトナー汚染や非画像部の汚れも発生しない、画質の良好な画像形成を行うことができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。本発明のトナーの製造方法により製造されるトナーは、着色剤として顔料を用いるトナーであって、通常の溶融混練、粉砕方法で製造される全てのトナー、すなわち、カラートナー及び黒トナーに適用することができるものである。
まず、帯電制御剤の溶解度パラメーターと結着樹脂の溶解度パラメーターの差について述べる。製品となる所定の粒径よりも小さい粒子を再利用して、結着樹脂と、顔料と、帯電制御剤とを含有する原材料に混合し、混練してトナーを製造した場合において、トナー帯電量を低下させないためには、帯電制御剤の溶解度パラメーターと結着樹脂の溶解度パラメーターの差を2.4以上6.0以下とする必要がある。帯電制御剤の溶解度パラメーターと結着樹脂の溶解度パラメーターの差が2.4未満であるときは、所定の粒径よりも小さい粒子を再利用しない場合であっても、帯電制御剤の分散がよくなるため、帯電量が低くなり、所定の粒径よりも小さい粒子を再利用した場合には、さらに分散が進むため、帯電量はより低くなるため、帯電量を高くするには、帯電制御剤を多く添加する必要があり、コスト面で不利となる。一方、帯電制御剤の溶解度パラメーターと結着樹脂の溶解度パラメーターの差が6.0より大きい場合には、所定の粒径よりも小さい粒子を再利用しない場合であっても、帯電制御剤の分散が悪くなり、粉砕時に帯電制御剤がトナー粒子から離脱しやすく、トナーの帯電量は低くなり、所定の粒径よりも小さい粒子を再利用した場合には、トナーの帯電が低くなるばかりでなく、製品粒度以外のトナー粒子には帯電制御剤が多くなるため、再利用しない場合よりも、粉砕時に帯電制御剤が離脱しやすいため、帯電制御剤が遊離して単独で存在することから、マシンとのマッチングにてキャリアに固着して帯電低下が起こり、画像濃度が不足して、非画像部への汚れが発生する。
本発明における溶解度パラメーターは、例えば、溶解度パラメーターの判明している有機溶媒を使用し、相溶性又は膨潤度から実測した溶解状態から測定する。
本発明で用いられる顔料としては、例えば、以下のものが挙げられる。これらは、いずれも乾燥した粉体顔料であり、1種又は2種以上を使用することができる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。
黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキが挙げられる。
橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGKが挙げられる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bが挙げられる。
紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。
青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCが挙げられる。
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ等がある。
本発明に用いられる顔料は、結着樹脂内に顔料を分散させたマスターバッチにするのが好ましい。マスターバッチにすれば、カーボンのような導電性材料を使用した場合であっても、マスターバッチとしてよく分散するため、粉砕した場合において、カーボンが粉砕界面となることがないため、所定の粒径よりも小さい粒子にカーボンが多く含まれることがないことから好ましい。
本発明において、分散性が向上するという点から、マスターバッチは、顔料としての乾燥粉体顔料と、結着樹脂と、水とを混合した後、加熱混練しながら水を除去し、混練した後の110℃における乾燥減量が0.01〜10.0%となるようにするのが好ましい。有機溶剤を使用した場合、所定の粒径よりも小さい粒子にも残留溶剤が多くなり、熱保存した場合における溶剤揮発時に帯電制御剤の構造を変化させ、キャリアへのスペントが多くなりやすいからであり、また、残留水分が多いと、所定の粒径よりも小さい粒子にも残留水分が多くなり、環境安定性が劣りやすく、また、樹脂粒径が大きい場合には、結着樹脂と、再利用する所定の粒径よりも小さい粒子と、帯電制御剤とを混合した場合には、再利用する所定の粒径よりも小さい粒子を含まない場合に比べ、帯電制御剤の混合時の分散が進むため、トナー化した場合には、帯電量が低下しやすいからである。
本発明に用いられるマスターバッチの製造方法の一例を以下に示す。この製造方法では、顔料の分散性が著しく向上するのと同時に、マスターバッチ中に70℃という比較的低温域での減量成分の少ないマスターバッチ、さらに、このマスターバッチを用いたトナーを得ることができる。
顔料は、そもそも、その1次粒子は0.001〜0.1μmと非常に小さなものであるが、原材料の乾燥粉体の状態では数μm大の大きな凝集体を形成する。理想的な顔料の分散は、この凝集体を解砕し、1次粒子にまでバラバラにすることであるが、通常の混練方法で0.001〜0.1μmの1次粒子を、それ以下に小さくすることは、このような通常の機械的な繰り返し剪断による混練方法では限界である。すなわち、顔料の分散が悪いということは、この凝集体を解砕できないことに他ならない。凝集体が解砕されるための必要条件は、凝集体内部の空隙にまで周りの樹脂が入り込み、全ての1次粒子表面を効率よく濡らすことである。したがって、顔料を分散させるポイントは、凝集体内部の空隙にまで周りの樹脂が入り込めるかどうかにある。しかし、通常のトナーに用いられる結着樹脂は溶融粘度が高いため、凝集体内部にまで入り込ませるには、大きなエネルギを必要とし、それでも、顔料は目指す1次粒子にはなっていないのが現状である。
本発明においては、乾燥粉体顔料を濡らす方法として水を用いる。一般的に着色剤として使用される有機顔料は疎水性であるが、その製造工程においては水洗、乾燥という工程をとっているため、ある程度の力を加えれば、顔料凝集体の内部にまで水を染み込ませることが可能である。この凝集体内部に水が染み込んだ顔料と樹脂を混合したものを、開放型の混練機で、100℃以上の設定温度で混練すると、凝集体内部の水は瞬時に沸点に達し、体積膨張するため、凝集体内部から凝集体を解砕しようとする力が加わることになる。この凝集体内部からの力は、外部から加える力に比べ非常に効率よく凝集体を解砕することが可能である。さらにこのとき、樹脂は軟化点以上の温度に加熱されているため、粘度が低くなり、凝集体を効率よく濡らすようになるのと同時に、凝集体内部の沸点温度近い水といわゆるフラッシングに似た効果で置換され、1次粒子に近い状態で顔料が分散したマスターバッチを得ることができる。さらに、水が蒸発している過程においては、水の蒸発に伴う気化熱を奪うため、100℃以下の比較的低温高粘度に保持されることから、剪断力が有効に顔料凝集体に加えられるという効果も合せもつ。このため、マスターバッチ用結着樹脂は、強いせん断を受けることなく、顔料を分散させることができる。
したがって、粉砕・分級、分級により発生した製品となる所定の粒径よりも小さい粒子と、マスターバッチ用結着樹脂と、マスターバッチと、帯電制御剤とを混合し、溶融混練して冷却した後、粉砕し、分級することによりトナーを製造すると、再利用するトナー粒子が2回混練されても樹脂のせん断が従来のマスターバッチよりも進まないので、樹脂の劣化がなく、トナー汚染やキャリアへのトナーフィルミングが防止できる。
さらに、本発明において、顔料や結着樹脂と親和性の低い水を使用する理由は、分散処理の終了したマスターバッチ中に溶剤や水といった成分が多量に残存することは好ましくないため、開放型混練機で加熱混練する際には、加えた水又は溶剤を除去する必要があるが、このとき、結着樹脂や顔料と親和性の高い溶剤を用いた場合より、沸点は高くても、結着樹脂や顔料と親和性の低い水を用いた方が容易に除去することができるためである。
また、ここで通常用いられるような溶剤は、トナーで使用する帯電制御剤とも親和性が高いため、トナー中に極微量存在した場合でも、高温環境という特殊な条件下では、トナー中の溶剤が移動/拡散/蒸発するために、帯電量が低下するといった問題の原因となる。
本発明で用いることができる開放型混練機としては通常の2本ロール、3本ロールの他、バンバリーミキサーを開放型として使用する方法や、三井鉱山社製連続式2本ロール混練機等を用いることができる。
マスターバッチ以外に、樹脂合成時に溶媒として使用される溶剤が残留した場合において、トナー中の溶剤成分が時間の経過により揮発するときは、トナー表面の樹脂を微量に溶解させながら揮発する。そのとき、トナー表面の荷電制御剤が樹脂に覆われたり、覆われなかったりするので、トナー表面の荷電制御剤の分散が不均一になる。そのため、トナーの帯電量も不均一になり、チリ、飛散が多く、異常画像が発生し、現像部を汚染する。また、荷電制御剤の構造が溶剤によって変化するので、帯電能力が著しく低下する場合がある。そのため、トナー中の残留溶剤、さらに詳細には樹脂中の残留溶剤が300ppm以下であれば帯電量の不均一化、帯電能力の低下を防止することができる。
さらに、本発明に用いることができるマスターバッチは110℃における乾燥減量が0.01〜10.0%であり、70℃における乾燥減量が0.05%以下であることが望ましい。110℃における乾燥減量が10.0%を超える場合には、マスターバッチ中に存在する水が品質に影響を及ぼすばかりでなく、マスターバッチ混練における剪断が不十分であるため、顔料の分散が悪いものとなるからであり、逆に、110℃における乾燥減量が0.01%未満では、マスターバッチ混練時に過剰の剪断、加熱を加えなくてはならないため、結着樹脂の一部が剪断されて低分子量成分が増加するといった問題があり、好ましくないからである。さらに、70℃における乾燥減量が0.05%を超えると、本マスターバッチを用いてトナーにした場合、高温環境下の使用で帯電量が低下するという問題があり好ましくないからである。
本発明における乾燥減量は、例えば、サンプルの粒径を整えるため、目開き0.15mm〜2.0mmの篩で篩い分けし、両篩の間に存在したものをサンプルとし、所定の乾燥温度に2時間静置保管した後、デシケーター中で0.5時間冷却したものの重量減少量から求める。
本発明で用いるマスターバッチ用結着樹脂及びトナーにする場合の希釈用の結着樹脂としては、従来公知のものを広く使用することができる。例えば、ビニル樹脂あるいはポリエステル樹脂あるいはポリオール樹脂からなり、中でも、ポリエステル樹脂又はポリオール樹脂が好適に用いられる。
ビニル樹脂としては、ポリスチレン、ポリP−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体:スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル系共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体:ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニルなどが挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、以下のA群に示す2価のアルコールと、B群に示す二塩基酸塩からなるものであり、さらにC群に示す3価以上のアルコール又はカルボン酸を第三成分として加えてもよい。
A群:エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2´−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2,0)−2,2´−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなど。
B群:マレイン酸、フマール酸、メサコニン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタール酸、イソフタール酸、テレフタール酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、リノレイン酸、又はこれらの酸無水物又は低級アルコールのエステルなど。
C群:グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上のアルコール、トリメリト酸、ピロメリト酸、などの3価の以上のカルボン酸など。
ポリオール樹脂としては、エポキシ樹脂と2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物、もしくはそのグリシジルエーテルとエポキシ基と反応する活性水素を分子中に1個有する化合物と、エポキシ樹脂と反応する活性水素を分子中に2個以上有する化合物を反応してなるものなどがある。
その他にも必要に応じて、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂などの樹脂を混合して使用することもできる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールAやビスフェノールFなどのビスフェノールとエピクロロヒドリンとの重縮合物が代表的である。特に、エポキシ樹脂を使用することによって、光沢の高い画像が得られ、また、オーバーヘッドプロジェクト(OHP)のコピー画像で高い透過性のトナーを得ることができる。
これらの結着樹脂中の溶剤成分は、300ppm以下であることが好ましい。300ppm以下であると、トナー化したときに150ppm以下になり、トナーのチリ、飛散がなく、異常画像の発生がなく、現像部を汚染しにくくなるからである。
また定着助剤として公知の材料を使用することができる。
本発明で用いられる荷電制御剤のうち、正荷電制御剤としては、例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変成物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、シジクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレートが挙げられ、これらは、単独又は2種類以上組合せて用いることができる。これらの中でも、ニグロシン系四級アンモニウム塩が特に好ましい。
また、負荷電制御剤としては、例えば、有機金属錯体、キレート化合物が有効で、その例としてはアルミニウムアセチルアセトナート、鉄(II)アセチルアセトナート、3,5−ジターシャリーブチルサリチル酸クロム等が挙げられる。これらは、単独又は2種類以上組合せて用いることができる。これらの中でも、アセチルアセトン金属錯体、サリチル酸系金属錯体、サリチル酸系金属塩が好ましく、特にサリチル酸系金属錯体、サリチル酸系金属塩が好ましい。
また、荷電制御剤は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部(更には0.2〜10重量部)用いることが好ましい。
その他、公知の添加剤を本発明に係るカラートナーに含有させることができる。無機あるいは有機添加物をトナーと混合することで、トナーの流動性が向上し、トナー充填容器から複写機本体への補給が良好になるからである。
本発明にて製造されるトナーは、必要に応じて、一般に広く使用されているトナー用の添加剤、例えば、コロイダルシリカのような流動化剤、酸化チタン、酸化アルミニウム等の金属酸化物や、炭化ケイ素等の研磨剤、脂肪族金属塩などの滑剤などを含有させてもよい。
添加剤をトナーに混合する方法としては、従来公知の方法でよく、ヘンシェルミキサー、スピードニーダー等の装置により混合することができる。
こうして得られたトナーはキャリアと混合することで、帯電特性のよい電子写真用現像剤ができる。
キャリア並びに本発明のトナーの使用量としては、トナー粒子がキャリア粒子のキャリア表面に付着して、その表面積の30〜90%を占める程度に両粒子を混合するのが好ましい。
キャリアとしては従来公知のものでよく、フェライト等のノンコートキャリアや、スチレンーアクリルレジン、シリコンレジン、フッ素変性アクリルレジン等をコーティングしたキャリア、造粒キャリア等が使用することができる。
本発明のトナーの製造方法の一例としては、先ず、前述した乾燥粉体顔料、結着樹脂、水をヘンシェルミキサーの如き混合機により充分に混合した後、通常の2本ロール、3本ロールの他、バンバリーミキサーを開放型として使用する方法や、三井鉱山社製連続式2本ロール混練機等の開放型混練機により加熱混練してマスターバッチを作製する。
さらに作製したマスターバッチと、結着樹脂と、荷電制御剤と、再利用する所定の粒径よりも小さい粒子、磁性トナーとする場合には磁性体、その他の添加剤等をヘンシェルミキサーやスーパーミキサーの如き混合機により充分に混合した後、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、例えば神戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、日本製鋼所社製TEX型2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機や、連続式の1軸混練機、例えば、ブッス社製コ・ニーダ等の熱混練機を用いて構成材料をよく混練し、冷却後、ハンマーミル等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機により所定の粒度に分級する。
次いで、無機微粉体と該トナーをヘンシェルミキサーの如き混合機により充分混合し、次に250メッシュ以上の篩を通過させ、粗大粒子、凝集粒子を除去し、本発明のトナーを得る方法である。
本発明では、分級機を使って製品となる所定の粒度より小さい粒子を再利用する。また、粗粉砕の工程や微粉砕の処理を行なった後、サイクロンでいったん捕集する際にサイクロンで捕集しきれずにバグフィルターで捕集された製品となる所定の粒度より小さい粒子も再利用する。
これらの製品となる所定の粒度より小さい粒子は、計量、輸送の取扱性を向上させるためや、回収された微粉の保管スペースを減容するために、ローラーコンパクターなどで所定の圧力、あるいは熱を加えて、微粉を造粒することが望ましい。造粒後は破砕機を用いて3mm以下にすると、計量、輸送の取扱いがよくなる。
トナーの平均粒径は、5〜12μm、好ましくは6.0〜9.0μmの範囲であることが好ましい。トナーの平均粒径が9μmより大きいと、トナー画像のザラツキが悪くなる傾向があり、6μmより小さいと、画像地肌部の汚れが悪くなる傾向があるからである。
さらに、体積平均粒径/個数平均粒径の比が1.3以下であることが好ましい。体積平均粒径/個数平均粒径の比が1.3より大きい場合は、画像地肌部の汚れが悪くなる傾向があるからである。
重量平均粒径、個数平均粒径は、例えば、コールターカウンター社のTAIIで測定することができ、そのほか、マルチサイザーIIe、マルチサイザーIIIなどでも測定することができる。
次に、実施例及び比較例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、ここでの部は重量基準である。
(実施例1)
まず、以下の材料をヘンシェルミキサーにて混合した。
顔料:キナクリドン系マゼンタ顔料
(C.I. Pigment Red 122) :50部
結着樹脂:ポリオール樹脂
(ガラス転移温度60℃、残留溶剤400ppm、以下同じ):50部
水 :30部
その後、ロール表面温度60℃に設定した2本ロールにより35分間の混練を行い、マスターバッチ1を得た。なお、35分間の混練により、樹脂が発熱して水が除去された。この乾燥減量を測定したところ、110℃では2%、70℃では0.00%であった。
次に、以下の材料をヘンシェルミキサーにより混合した。
結着樹脂:ポリエステル樹脂 :87.0重量%
(溶解度パラメーター 9.8)
(ガラス転移温度60℃、残留溶剤400ppm、以下同じ)
着色剤:マスターバッチ1 :11.0重量%
帯電制御剤:サリチル酸亜鉛塩 :2.0重量%
(溶解度パラメーター 14.3)
その後、1軸押出し機により溶融混練し、圧延冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、さらにジェット気流式粉砕機により、微粉砕を行い、風力式分級機にて微粉分級を行って重量平均粒径7.1μmの粉砕粒子Aを得た。
また、以下の材料をヘンシェルミキサーにより混合した。
結着樹脂 ポリエステル樹脂 :69.2重量%
着色剤 マスターバッチ1 :8.8重量%
帯電制御剤 サリチル酸亜鉛塩 :2.0重量%
微粉再利用
微粉分級にて発生した所定の粒径よりも小さい粒子1 :20重量%
その後、1軸押出し機により溶融混練し、圧延冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、さらにジェット気流式粉砕機により、微粉砕を行い、風力式分級機にて微粉分級を行って、重量平均粒径7.1μmの粉砕粒子Bを得た。
得られた粉砕粒子A、Bはそれぞれ疎水性シリカ1部、酸化チタン0.8部を加え、ヘンシェルミキサーにて混合し、その後、超音波式振動篩により凝集体を除去して、実施例1のトナーA2、トナーB2を得た。このトナー5部をシリコン樹脂コートキャリア95部と混合して2成分現像剤を作製した。
次いで、以下に示す評価方法により、トナーの帯電量及びランニングについて評価を行った。
(評価方法)
・帯電量Q/M:トナー及びキャリアをトナー濃度5%になるように計量し、所定の温度環境(20〜25℃)下に1時間静置して保管した後、所定の湿度環境(60〜65%)下で10分間攪拌混合した。これを500メッシュの網をセットした測定用ゲージに入れ、30秒間ブローオフし、飛散した粉体の電荷量Q(μC)と質量M(g)を測定し、帯電量Q/M(μC/g)とした。
・ランニング評価:得られた2成分現像剤を株式会社リコー製Imagio color8100改造機にセットし、単色モードで一万枚のランニングを実施した後、現像部回りのトナー飛散程度を評価した。
・画像濃度:マクベス濃度計により測定した。
・地肌汚れ(地肌濃度):マクベス濃度計により測定した。
・画像ザラツキ、画像チリ、機内汚れ:5段階のランク評価を行い、ランク3以上を許容した。
・平均粒径:コールターマルチサイザーにて測定し、μmで表示した。
・ガラス転移温度:DSC分析機にて測定した。
・残留溶剤量:ガスクロマトグラフィーにて分析。ppm単位で表示した。
(評価結果)
A2トナー、B2トナーとも、帯電量が−22μC/gと同等で、地肌画像濃度が0.07、画像濃度1.50、画像ザラツキ、画像チリ、機内汚れもランク4と良好な画像、ランニング結果を得た。また、粉砕粒子A、粉砕粒子Bの帯電量も共に−23μC/gと同等であった。
(比較例1)
マスターバッチとトナーは、実施例1と同様の操作を繰り返し、粉砕粒子A、トナーA2及び微粉分級にて発生した所定の粒径よりも小さい粒子1を得た。
次に、以下の材料を用い、実施例1と同様の操作を繰り返し、重量平均粒径7.0μmの粉砕粒子C、トナーC2を得た。
結着樹脂 ポリエステル樹脂 :69.6重量%
着色剤 マスターバッチ1 :8.8重量%
帯電制御剤 サルチル酸亜鉛塩 :1.6重量%
微粉再利用
微粉分級にて発生した所定の粒径よりも小さい粒子1 :20重量%
実施例1に示した評価方法と同様の方法により、トナーの帯電量及びランニングについて評価を行った。その結果、トナーC2の帯電量は−20μC/gとトナーA2の−22μC/gに比べて若干低下し、ランニング評価では、非画像部の地肌濃度0.12、機内トナー飛散ランク3となった。また、粉砕粒子Cの帯電量も−19μC/gと粉砕粒子Aの−23μC/gに比べて低くなった。
(実施例2)
以下の材料をヘンシェルミキサーにより混合した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、粒径6.8μmの粉砕粒子D、トナーD2、微粉分級にて発生した所定の粒径よりも小さい粒子2を得た。
結着樹脂 ポリエステル樹脂 :89.0重量%
着色剤 カーボンブラック :9.0重量%
帯電制御剤 サリチル酸亜鉛塩 :2.0重量%
次に、以下の材料をヘンシェルミキサーにより混合した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、粒径6.9μmの粉砕粒子E、トナーE2を得た。
結着樹脂 ポリエステル樹脂 :61.8重量%
着色剤 カーボンブラック :6.2重量%
帯電制御剤 サリチル酸亜鉛塩 :2.0重量%
微粉再利用
微粉分級にて発生した所定の粒径よりも小さい粒子2 :30.0重量%
実施例1に示した評価方法と同様の方法により、トナーの帯電量及びランニングについて評価を行った。その結果、トナーD2、トナーE2とも帯電量は−18μC/gと同等で、地肌画像濃度が0.07、画像濃度1.46、画像ザラツキ、画像チリ、機内汚れもランク4と良好な画像、ランニング結果を得た。また、粉砕粒子D、粉砕粒子Eとも−18μC/gと同等の帯電量を得た。
(比較例2)
実施例2の帯電制御剤を含クロムアゾ染料(溶解度パラメーター 11.7)にした以外は、実施例2と同様の操作を繰り返し、トナー化した。
実施例1に示した評価方法と同様の方法により、トナーの帯電量及びランニングについて評価を行った。その結果、帯電量が−12μC/gと低く、ランにより画像濃度1.00と悪い結果を得た。
(比較例3)
実施例2の帯電制御剤をサリチル酸亜鉛塩B(溶解度パラメーター:15.1)、結着樹脂をポリエステル樹脂B(溶解度パラメーター:9.0)にした以外は、実施例2と同様の操作を繰り返し、トナー化した。
実施例1に示した評価方法と同様の方法により、トナーの帯電量及びランニングについて評価を行った。その結果、帯電量が−13μC/gと低く、ランにより機内汚れランク2、非画像部濃度0.12と悪い結果を得た。
(比較例4)
実施例2と同様の操作を繰り返し、粒径6.8μmの粉砕粒子D、トナーD2、微粉分級にて発生した所定の粒径よりも小さい粒子2を得た。
次に、以下の材料をヘンシェルミキサーにより混合した以外は、実施例2と同様の操作を繰り返し、粉砕粒子G、トナーG2を得た。
結着樹脂 ポリエステル樹脂 :62.3重量%
着色剤 カーボンブラック :6.3重量%
帯電制御剤 サリチル酸亜鉛塩 :1.4重量%
微粉再利用
微粉分級にて発生した所定の粒径よりも小さい粒子2 :30.0重量%
実施例1に示した評価方法と同様の方法により、トナーの帯電量及びランニングについて評価を行った。その結果、トナー帯電量はG2が−17μC/gとなり、トナーD2の−18μC/gに比べ帯電量は同等であったが、非画像部の画像濃度も、G2の場合0.11と、トナーD2の0.07より悪化した。また、粉砕粒子Gの帯電量も−14μC/gとなり粉砕粒子Dの−18μC/gより帯電量が低下した。
(実施例3)
以下の材料をヘンシェルミキサーにて混合した。
顔料:キナクリドン系マゼンタ顔料
(C.I. Pigment Red122) :50部
結着樹脂:ポリオール樹脂 :50部
水 :30部
その後、ロール表面温度130℃に設定した2本ロールにより35分間混練を行ない、マスターバッチ2を得た。この乾燥減量を測定したところ110℃では0.01%、70℃では0.00%であった。
次に、マスターバッチ1をマスターバッチ2に代えた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、粉砕粒子H、トナーH2、微粉分級にて発生した所定の粒径よりも小さい粒子3を得た。
さらに、微粉分級にて発生した所定の粒径よりも小さい粒子1を微粉分級にて発生した所定の粒径よりも小さい粒子3に代えた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、粉砕粒子J、トナーJ2を得た。
実施例1に示した評価方法と同様の方法により、トナーの帯電量及びランニングについて評価を行った。その結果、H2トナー、J2トナーとも帯電量が−22μC/gと同等で、地肌画像濃度が0.07、画像濃度1.50、画像ザラツキ、画像チリ、機内汚れもランク4.5と良好な画像のランニング結果を得た。また、粉砕粒子H、Jの帯電量も共に−23μC/gと同等であった。
(実施例4)
実施例1の結着樹脂をエポキシ樹脂(溶解度パラメーター11.2、ガラス転移温度60℃、残留溶剤400ppm)に代えた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、粉砕粒子K、トナーK2、微粉分級にて発生した所定の粒径よりも小さい粒子3を得た。このとき、樹脂残留溶剤は500ppmであった。
さらに、微粉分級にて発生した所定の粒径よりも小さい粒子1を微粉分級にて発生した所定の粒径よりも小さい粒子3に代え、実施例1の樹脂をエポキシ樹脂に代えた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、粉砕粒子L、トナーL2を得た。
実施例1に示した評価方法と同様の方法により、トナーの帯電量及びランニングについて評価を行った。その結果、帯電量が−22μC/gと同等で、地肌画像濃度が0.07、画像濃度1.60、画像ザラツキ、画像チリ、機内汚れもランク4.5と良好な画像、ランニング結果を得た。光沢がよくなったため画像濃度が高くなった。また、粉砕粒子帯電量も−23μC/gと同等であった。
(実施例5)
結着樹脂中の溶剤成分が300ppm以下と結着樹脂の溶剤量少なくした以外は、実施例4と同様の操作を繰り返し、実施例5のトナーを得た。
実施例1に示した評価方法と同様の方法により、トナーの帯電量及びランニングについて評価を行った。その結果、機内汚れがランク5と良好なランニング結果を得た。それ以外は実施例4と同じ結果であった。
(実施例6)
トナー形成用結着樹脂のガラス転移温度を62℃と高くした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、実施例6のトナーを得た。このとき、粉砕機内部のトナー固着状態を観察すると、実施例1より少なく、メンテナンスの時間が短縮し、連続稼働時間が向上した。

Claims (6)

  1. 結着樹脂と、顔料と、帯電制御剤とを含有し、前記結着樹脂内に前記顔料を分散させたマスターバッチを含む原材料であり、当該マスターバッチは、当該顔料としての乾燥粉体顔料と、当該結着樹脂と、水とを混合した後、加熱混練しながら水を除去し、混練した後の110℃における乾燥減量が0.01〜10.0%であり、前記原材料を混合して溶融混練したものを冷却した後、粉砕し、分級する一連の工程において製造した所定の粒径よりも小さい粒子を再利用するため、当該所定の粒径よりも小さい粒子を、結着樹脂と、顔料と、帯電制御剤とを含有する原材料に混合し、その後、溶融混練して冷却した後、粉砕し、分級することによりトナーを製造するトナーの製造方法であって、
    前記帯電制御剤の溶解度パラメーターと前記結着樹脂の溶解度パラメーターの差が2.4以上6.0以下であり、かつ、前記所定の粒径よりも小さい粒子の全混合量に対する混合比率が20wt%以上30wt%以下であり、かつ、前記帯電制御剤の全混合量に対する混合比率は、前記一連の工程において前記所定の粒径よりも小さい粒子を再利用しない場合と同様になるようにすることを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 前記結着樹脂は、エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1記載のトナーの製造方法。
  3. 前記結着樹脂は、残留溶剤が300ppm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナーの製造方法。
  4. 請求項1ないしのいずれか1項に記載のトナーの製造方法により製造されたものであることを特徴とするトナー。
  5. 請求項に記載のトナーと、シリコン樹脂コートキャリアとを含むことを特徴とする二成分現像剤。
  6. 請求項に記載の二成分現像剤を用いてなることを特徴とする画像形成装置。
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