JP3570041B2 - 一成分系トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機やレーザビームプリンタ等の電子写真法を用いた画像形成装置に用いられる一成分系トナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一成分系トナーを使用すると現像装置や画像形成装置本体を小型化でき、また、これらの装置はメンテナンス性等の信頼性にも優れるという利点を有するので、低速の画像形成装置を中心に近年その採用が活発化している。さらに、これらの装置では、現像剤が供給された現像機と感光体とを一体化させて使い切り型のカートリッジを構成することによってさらに簡便性を追求することも行われる。
【0003】
一成分系トナーには磁性を有する磁性一成分トナー(磁性トナー)と磁性を有しない非磁性一成分トナーとがある。通常、これらのトナーは、バインダ樹脂、着色剤、帯電制御剤、離型剤(ワックス)、およびその他の添加剤からなるトナー材料を混合し、溶融混練した後、冷却、粉砕、分級して製造される。磁性トナーの場合には、着色剤としてマグネタイト等の磁性材料も使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した使い切り型カートリッジで用いられる一成分系トナーでは、トナー消費量が重要な問題となる。これらのカートリッジでは、一定量のトナーが供給され、それで所定枚数の複写を行う必要があるが、トナー消費量が多いケースでは途中でトナー切れになるので、それ以上複写できなくなる問題が発生する。また、これらの系では、「画像中抜け」の問題が顕在化し易い。これは、転写工程において、現像されたトナー像のラインや文字の中央部が抜けた状態で転写されることにより発生する。その上、近年は一成分系トナーを高速複写機やプリンターにも適用したいという要求や画質向上のためにトナー粒径を小径化したいという要求が高まっているが、これらは上記した従来の一成分系トナーの問題点をますます顕在化させる方向に働く。
【0005】
少ないトナー消費量で画像中抜けがなく、しかも十分な画像濃度、低い画像カブリを達成するためには、トナーの転写効率を高めることによって画像形成に有効に寄与するトナーの割合を向上させることが必要となる。この場合、例えば、装置側の転写デバイスの出力をアップすることが考えられ、確かに転写効率は向上する傾向にあるが、それによる弊害としてオゾンや窒素酸化物の発生量が増大するので、環境への悪影響がでる問題がある。従って、装置側での対策には限度があり、トナー側での対策が望まれていた。
【0006】
本発明は、上記した現状に鑑み、その課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、少ないトナー消費量で十分な画像濃度が得られかつカブリの少ない一成分系トナーの製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、画像の中抜けがなく、シャープネスに優れた良好な画質が得られる一成分系トナーの製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、長期あるいは連続使用時においても画像濃度の変動や画質劣化の少ない耐久性、信頼性の高い一成分系トナーの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはかかる目的を達成すべく鋭意検討した結果、バインダ樹脂と帯電制御剤とを特定の方法で混合するトナーの製造方法により、上記目的が満足されることを見出し本発明に到達した。すなわち、本発明の要旨は、バインダ樹脂、着色剤、および帯電制御剤を含有する原料を乾式混合した後、該混合物を溶融混練、冷却、粉砕、分級する一成分系トナーの製造方法において、原料を乾式混合する際に、使用するバインダ樹脂の少なくとも一部および帯電制御剤の少なくとも一部を主成分とする原料を予備混合した後、残りの原料を混合し、且つ、該予備混合で使用される混合装置の混合槽内温度がバインダ樹脂のガラス転移温度以下であることを特徴とする一成分系トナーの製造方法に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】
まず、トナーの構成原料であるバインダ樹脂、着色剤、帯電制御剤およびその他の添加物等を所定割合で配合して混合する。この際の装置としては、Vブレンダー、ボールミル等の重力落下式混合機やヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製)、スーパーミキサー(カワタ社製)等の高速流動式混合機等が使用される。
【0009】
本発明の一成分系トナーの製造方法においては、混合工程で各トナー原料が段階的に混合される。すなわち、混合工程において混合は2段階以上の操作を経て実施される。本発明は、使用されるバインダ樹脂の少なくとも一部、好ましくは全量の50重量%以上と、使用される帯電制御剤の少なくとも一部、好ましくは全量の50重量%以上を、他の原料との混合に先立って、予備混合することを特徴とし、更に予備混合される原料の主成分(具体的に好ましくは70重量%以上、より好ましくは85重量%以上、さらに好ましくは原料の実質的に全量)がバインダ樹脂および帯電制御剤であることを特徴とするものである。
【0010】
予備混合は1段階で行っても2段階以上の多段階で行ってもよい。予備混合の後のバインダ樹脂の残量、帯電制御剤の残量、およびその他のトナー原料の混合順序は任意であり、予備混合で得られた混合物に残りの原料の全量を加えてもよいし、さらに順番に多段階で加えて多段階混合してもよい。また、予備混合と予備混合には使用しないその他の原料の混合とを別個に行い、その後それら原料混合物を混合する手段を採ってもよい。
【0011】
予備混合するバインダ樹脂および帯電制御剤の量は、各々の全量に対してそれぞれ80重量%以上であることが特に好ましく、さらには実質的に全量を予備混合に用いることが好ましい。なお、予備混合に用いるこれらの割合は、樹脂と帯電制御剤で違えてもよい。
また、混合条件として、装置の撹拌回転数を最初から同じ条件のまま行ってもよいし、途中で変更してもよい。混合時間は混合される原料および混合装置の特性に合わせて適宜設定される。必要に応じては、途中段階での添加に合わせて混合装置自体を変更してもよい。
【0012】
本発明の原料混合工程、特に予備混合工程において好ましく使用される混合装置は、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の高速流動式混合機である。ここで、高速流動式混合機とは、混合容器内(好ましくは底部)に取り付けた羽根を高速で回転させて、羽根の強力なせん断および衝撃作用により粉粒体を流体のように分散させて混合を行う形式の混合機をいう。この方式の混合機は、重力落下方式の混合機に比べて撹拌強度が強く、短時間で効率よく混合が行えるため、生産性の面で有利である。
【0013】
また、これらの高速流動式混合機では、上記したような強力な撹拌作用に伴う混合槽内温度上昇が見られる。これらの発熱は、場合によっては、各トナー材料に悪影響を及ぼし、特にバインダ樹脂が凝集固化する現象が発生すると、材料の分散混合性が悪化する原因になる。従って、本発明においては、混合装置の混合槽内の温度をバインダ樹脂のガラス転移温度以下で管理することが好ましい。中でも下記の条件で行うのがよい。
【0014】
【数1】
混合槽内温度 ≦ Tg−5 (℃)
【0015】
(ただし、Tgは使用するバインダ樹脂のガラス転移温度)
特に望ましくは、下記の条件がよい。
【0016】
【数2】
混合槽内温度 ≦ Tg−10 (℃)
【0017】
(ただし、Tgは使用するバインダ樹脂のガラス転移温度)
上記の条件で混合を行うことにより、樹脂の凝集固化の発生がなく、またその他の原料の分散混合性の悪化も回避できる。なお、混合槽内温度を上記の条件に抑えるためには、混合槽外部に水冷等の冷却装置を設置する等の手段を講ずるのが望ましい。また、混合工程の全段階において温度管理することが好ましいが、混合工程の一部のみ温度管理をしてもよい。
【0018】
混合の後、混合物を溶融混練する。溶融混練工程で使用される装置としては、2本あるいは3本ロール、バンバリーミキサー、一軸あるいは二軸押し出し機等が挙げられる。この工程において、バインダ樹脂との相溶性を有する成分は樹脂と溶融し、また、バインダ樹脂との相溶性を有しない帯電制御剤等の成分は、溶融した樹脂に分散される。
【0019】
次に上記溶融混練物を冷却固化させた後、粗粉砕、微粉砕および分級の各工程を経てトナーが製造される。粗粉砕にはハンマーミル、カッターミル等が、微粉砕には高速回転式微粉砕機やジェット粉砕機等が用いられ、分級には強制うず型遠心分級機や慣性分級機等が用いられる。
本発明の一成分系トナーの製造方法は、混合工程において、混合が多段階すなわち2段階以上の操作を経て実施され、しかも帯電制御剤がバインダ樹脂とともに分散混合されてから、残りの原料が混合されるという要件さえ満たせば、特に通常の単色画像形成用の非磁性の黒トナーに限らず、磁性トナーやフルカラー画像形成用のカラートナー等、従来公知の種々の電子写真用のトナーの製造に適用することができる。また、高速タイプの複写機・プリンター用トナーや小粒径トナー(平均粒径で9μm以下)を製造する場合においても有用である。
【0020】
本発明に使用するトナー材料は従来公知のもの全てが使用可能であるが、例えば、バインダ樹脂としてはスチレン/アクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂など、着色剤としてはカーボンブラック、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、キナクリドン顔料、銅フタロシアニン顔料、アントラキノン染料、ローダミン染料、マグネタイト等の磁性酸化鉄類など、帯電制御剤のうち正帯電用としてはニグロシン染料(ステアリン酸等の脂肪酸やコジン等の樹脂酸で変性されてもよい)、4級アンモニウム塩化合物、スチレン/アミノアクリル共重合樹脂など、負帯電用としてはクロム等を構造式中に含む含金属アゾ染料、アルキルサリチル酸のクロムや亜鉛等の金属との錯化合物など、その他の添加剤のうち、離型剤(ワックス)としては低分子量のポリエチレンやポリプロピレンなどの内部添加剤、流動性向上剤としては微粒子シリカ、アルミナ、チタニアなどの外部添加剤、クリーニング性改良剤としてはステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩微粒子などの外部添加剤などを挙げることができる。
【0021】
上記した帯電制御剤の中でも、本発明の製造法により特に顕著な効果が確認されて、本発明において特に望ましく使用しうる帯電制御剤は染料系のものであって、正帯電性用としてはニグロシン染料であり、負帯電用としては含金属アゾ染料であった。その理由としては必ずしも明確ではないが、以下のように推定される。すなわち、これらの染料系の帯電制御剤は一次粒子径は小さいものの強固な凝集により粗大化している。そのため、本発明の混合方法を採用することにより、まず粗大化している染料粒子が細粒に解砕され、それが混練によりそのまま樹脂中に微細に分散されるため、結果的にトナー粒子表面もしくはその近傍での染料粒子の存在確率が増すとともに存在する粒子サイズも細粒の状態で揃っていることになる。これにより、トナー粒子に付与される帯電量は高くなり、しかも帯電量の分布もシャープになっているものと考えられる。その結果、転写工程においてこれらのトナー粒子の転写性が向上するので、少ないトナー消費量でも十分な画像濃度が得られ、また、画像中抜けの発生も抑制されるものと考えられる。さらに表面からの帯電制御剤粒子の脱落も少なくなるので、連続実写等でもこれらの帯電性の変化が小さく、従って画質の劣化が少ない耐久性に優れたトナーが得られるものと推定される。
【0022】
また、磁性一成分系トナーを製造する場合は、着色剤としてマグネタイト等の磁性材料を用い、前記の帯電制御剤と組み合わせて用いればよい。なお、磁性材料からなる着色剤のほかに磁性を有しないカーボンブラック等の他の着色剤を併用しても差し支えない。非磁性一成分系トナーの製造に当たっては、着色剤としては磁性を有しない染料および/または顔料を適宜選択して前記の帯電制御剤と組み合わせて用いればよい。
一方、分級工程では、所望の粒度以外の微粉トナーも副生するので、これらの微粉トナーを原料混合工程に戻して再利用してもよい。この際、少量の微粉トナーを予備混合に用いてもよいが予備混合を行った後に他のトナー材料と微粉トナーの混合を行うのが好ましい。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例により説明する。実施例および比較例中、「部」は「重量部」を表す。
実施例1
トナー処分は下記にて行った。本実施例は磁性一成分系トナーの例である。
【0024】
【表1】
【0025】
製造に当たっては、まず、バインダ樹脂と帯電制御剤の全量をヘンシェルミキサーで約10分間混合した後、一旦装置を停止させ、着色剤とワックスとをその中に加えて、さらに約3分間の混合を行い、混合を終了した。なお、混合工程の全ての期間を通じて、水冷を施すことにより混合槽内の温度は50℃以下とした。
【0026】
その後、二軸押し出し機にて、加熱溶融混練した。
得られた混練物を冷却固化させた後、カッターミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した。さらに、粒径が5μm以下のトナー微粉をローター回転型分級機でカットして粒径を揃えた(平均粒径で約8μm)。ヘンシェルミキサーを用いて、この分級品に疎水性シリカ(日本アエロジル社製、R972)0.3重量%を添加し、トナーを作製した。
このトナーに対する評価試験として、以下の連続実写での確認を行った。
【0027】
(連続実写テスト)
有機光導電体ドラムを感光体とする一体型カートリッジ採用の市販の複写機を用いた実写による画像品質確認および耐久性確認(6000枚連続実写テスト)を行った。トナーは300gを現像機に供給した。
なお、実写テストでは、画像中抜けの評価は画像の顕微鏡観察で行い、ほぼ中抜けのないものは○とし、若干あるものは△とし、相当数目立つものは×と評価した。また、画像濃度の測定は、画像のベタ部分をマクベス反射濃度計を用いて行い、カブリの測定は、画像背景部について通紙前後の紙の白度の差をハンター白度計で測定した。一方、トナー消費量は当初のカートリッジ重量からの減量を実測により求め、転写効率はトナー消費量と転写されずに回収された回収トナー量とから計算した。以上の評価結果を表−1に示した。
【0028】
【表2】
【0029】
表−1のように、画像中抜けがほとんどなく、トナー消費量も少なく6000枚の実写でも十分余裕があった。その時の転写効率も高く、十分な画像濃度と低いカブリのレベルを有し、しかも6000枚を通じてほぼ初期の画像品質を維持しており、耐久性にも問題がなかった。
【0030】
比較例1
実施例1と全く同様の配合処方を用い、ヘンシェルミキサーでの混合時に全ての材料を同時に仕込んで、約10分間の混合を行うこと以外は実施例1と全く同様な操作でトナーを作製し、評価試験も同様に行った。その結果を表−2に示す。
【0031】
【表3】
【0032】
表−2のように、実写初期時から画像中抜けがやや見られ、枚数とともに悪化する傾向にあった。また、トナー消費量に余裕がなく、転写効率も低かった。画像濃度やカブリも安定しない傾向にあった。
実施例2
トナー処方は下記にて行った。本実施例は磁性一成分系トナーの例である。
【0033】
【表4】
【0034】
製造に当たっては、まず、バインダ樹脂と帯電制御剤の全量をスーパーミキサーで約15分混合した後、一旦装置を停止させ、残りの材料をその中に加えて、さらに約5分の混合を行い、混合を終了した。なお、混合工程の全ての期間を通じて、水冷を施すことにより混合槽内の温度は50℃以下とした。
その後、二軸押し出し機にて、加熱溶融混練した。
【0035】
得られた混練物を冷却固化させた後、カッターミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した。さらに、粒径が5μm以下のトナー微粉をローター回転型分級機でカットして粒径を揃えた(平均粒径で約7μm)。ヘンシェルミキサーを用いて、この分級品に疎水性シリカ(キャボット社製,TS−720)0.5重量%とステアリン酸亜鉛微粒子(平均粒径約3μm)0.1重量%とを添加し、トナーを作製した。
このトナーに対する評価試験として、以下の実写確認を行った。
【0036】
(連続実写テスト)
直径24mmの有機光導電体ドラムを感光体とする一体型現像カートリッジ採用の市販のレーザービームプリンタを用いた実写による画像品質確認および耐久性確認(6000枚連続実写テスト)を行った。現像機へのトナーの供給量は、300gとした。
なお、画像等の測定方法は実施例1と全く同様にして行った。以上の評価結果を表−3に示した。
【0037】
【表5】
【0038】
表−3のように、画像中抜けがほとんどなく、トナー消費量も少なく6000枚の実写でも十分余裕があった。その時の転写効率も高く、十分な画像濃度と低いカブリのレベルを有し、しかも6000枚を通じてほぼ初期の画像品質を維持しており、耐久性にも問題がなかった。
実施例3
トナー処方は下記にて行った。本実施例は非磁性一成分系トナーの例である。
【0039】
【表6】
【0040】
製造に当たっては、まず、バインダ樹脂と帯電制御剤の全量をヘンシェルミキサーで約10分間混合した後、一旦装置を停止させ、着色剤とワックスとをその中に加えて、さらに約3分間の混合を行い、混合を終了した。なお、混合工程の全ての期間を通じて、水冷を施すことにより混合槽内の温度は50℃以下とした。
その後、二軸押し出し機にて、加熱溶融混練した。
【0041】
得られた混練物を冷却固化させた後、カッターミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した。さらに、粒径が5μm以下のトナー微粉をローター回転型分級機でカットして粒径を揃えた(平均粒径で約9μm)。ヘンシェルミキサーを用いて、この分級品に疎水性シリカ(日本アエロジル社製、R972)0.3重量%を添加し、トナーを作製した。
このトナーに対する評価試験として、以下の実写確認を行った。
【0042】
(連続実写テスト)
有機光導電体ドラムを感光体とする一体型カートリッジ採用の市販の複写機の改造機を用いた実写による画像品質確認および耐久性確認(6000枚連続実写テスト)を行った。現像機へのトナー供給量は230gとした。
なお、実写テストでの各測定は実施例1と全く同様にして行った。以下の評価結果を表−4に示した。
【0043】
【表7】
【0044】
表−4のように、画像中抜けがほとんどなく、トナー消費量も少なく6000枚の実写でも十分余裕があった。その時の転写効率も高く、十分な画像濃度と低いカブリのレベルを有し、しかも6000枚を通じてほぼ初期の画像品質を維持しており、耐久性にも問題がなかった。
実施例4
トナー処方は下記にて行った。本実施例は非磁性一成分系トナーの例である。
【0045】
【表8】
【0046】
製造に当たっては、まず、バインダ樹脂と帯電制御剤の全量をスーパーミキサーで約5分混合した後、一旦装置を停止させ、残りの材料をその中に加えて、さらに約5分の混合を行い、混合を終了した。なお、混合工程の全ての期間を通じて、水冷を施すことにより混合槽内の温度は50℃以下とした。
その後、二軸押し出し機にて、加熱溶融混練した。
【0047】
得られた混練物を冷却固化させた後、カッターミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した。さらに、粒径が5μm以下のトナー微粉をローター回転型分級機でカットして粒径を揃えた(平均粒径で約7μm)。ヘンシェルミキサーを用いて、この分級品に疎水性シリカ(キャボット社製、TS−530)0.3重量%を添加し、トナーを作製した。
このトナーに対する評価試験として、以下の実写確認を行った。
【0048】
(連続実写テスト)
有機光導電体ドラムを感光体とする一体型現像カートリッジ採用の市販のレーザービームプリンタを用いた実写による画像品質確認および耐久性確認(6000枚連続実写テスト)を行った。現像機へのトナーの供給量は230gとした。なお、画像等の測定は実施例1と全く同様にして行った。以上の評価結果を表−5に示した。
【0049】
【表9】
【0050】
表−5のように、画像中抜けがほとんどなく、トナー消費量も少なく6000枚の実写でも十分余裕があった。その時の転写効率も高く、十分な画像濃度と低いカブリのレベルを有し、しかも6000枚を通じてほぼ初期の画像品質を維持しており、耐久性にも問題がなかった。
【0051】
比較例2
実施例4と全く同様の配合処方を用い、ヘンシェルミキサーでの混合時に全ての材料を同時に仕込んで、約10分間の混合を行うこと以外は実施例4と全く同様な操作でトナーを作製し、評価試験も同様に行った。その結果を表−6に示す。
【0052】
【表10】
【0053】
表−6のように、実写初期時から画像中抜けがやや見られ、枚数とともに悪化する傾向にあった。また、トナー消費量に余裕がなく、転写効率もやや低かった。また、初期のカブリが高い問題があった。
【0054】
【発明の効果】
本発明の一成分系トナーの製造方法により、低トナー消費量にもかかわらず高い画像濃度で低いカブリの画像が安定的に得られる。また、画像中抜けの発生が少ない高画質の画像が得られる。しかも長期あるいは連続実写においてもそれらの特性の変化が少ない高耐久性、高信頼性の一成分系トナーが低コストかつ簡単な操作により得られるので、その工業的有用性は極めて大きい。
Claims (8)
- バインダ樹脂、着色剤、および帯電制御剤を含有する原料を乾式混合した後、該混合物を溶融混練、冷却、粉砕、分級する一成分系トナーの製造方法において、原料を乾式混合する際に、使用するバインダ樹脂の少なくとも一部および帯電制御剤の少なくとも一部を主成分とする原料を予備混合した後、残りの原料を混合し、且つ、該予備混合で使用される混合装置の混合槽内温度がバインダ樹脂のガラス転移温度以下であることを特徴とする一成分系トナーの製造方法。
- バインダ樹脂の全量の50重量%以上を予備混合に使用することを特徴とする請求項1に記載の一成分系トナーの製造方法。
- 帯電制御剤の全量の50重量%以上を予備混合に使用することを特徴とする請求項1または2に記載の一成分系トナーの製造方法。
- 予備混合に使用される混合装置が高速流動式混合機であることを特徴とする請求項1乃至3に記載の一成分系トナーの製造方法。
- 帯電制御剤が染料系帯電制御剤であることを特徴とする請求項1乃至4に記載の一成分系トナーの製造方法。
- 染料系帯電制御剤がニグロシン染料および含金属アゾ染料からなる群より選択される一種以上の帯電制御剤であることを特徴とする請求項5に記載の一成分系トナーの製造方法。
- 着色剤が磁性材料であることを特徴とする請求項1乃至6に記載の一成分系トナーの製造方法。
- 着色剤が磁性を有しない染料および顔料からなる群より選択される一種以上の着色剤であることを特徴とする請求項1乃至6に記載の一成分系トナーの製造方法。
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