JP2006259017A - 電子写真用トナーの製造方法及び製造装置、電子写真用トナー、画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真用トナーの製造方法及び製造装置、電子写真用トナー、画像形成方法及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 分級工程で発生した規格外微粉を回収再利用するために、過大な設備を要しない電子写真用トナーの製造方法及び製造装置、また、着色剤により結着樹脂相が均一に着色されて色調に優れ、帯電特性や画像劣化を起こさない電子写真用カラートナーを提供すること。
【解決手段】 少なくとも樹脂と着色剤、及び帯電制御剤とを混合攪拌し、混練し、粉砕し、分級する各工程を含むトナーの製造方法であって、該樹脂及び着色剤、帯電制御剤と、分級により発生する体積平均粒径5μm以下の規格外微粉10〜50%(トナー総重量中の比)とを、混合攪拌工程を経た後の粉体混合物から得られるトナーの凝集度が10重量%以上になるまで攪拌混合し、混練し、粉砕し、分級する工程を含むことを特徴とするトナー製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真用トナーの製造方法及び製造装置、電子写真用トナー、画像形成方法及び画像形成装置に関する。
電子写真用トナーは、一般的に、結着樹脂、着色剤、帯電制御剤、離型剤等の各成分を混合・攪拌分散し、熔融混練した後、冷却、粉砕、分級して、所定粒径の粒子のものになるように製造される。さらに、外添剤を加えて混合、攪拌した後、粗大粒子を篩分けし、トナー容器に充填される。またこのような製造工程においては、粉砕分級時に粉砕が充分でない粗大粒径のものは、粉砕部位に循環、再粉砕処理されるが、一方、所定粒径に満たない程にまで粉砕された微粉トナー(規格外トナー)も生じ、この規格外トナーは、製品歩留まり向上のため、粉砕系から回収して再利用することが行われている。
従来、微粉トナー(規格外トナー)を回収、再利用するには、そのまま原料混合工程に戻す方法、回収された規格外トナーを造粒機に導入して所定圧力にて加圧することにより造粒かした後、原料混合工程に戻す方法等が用いられている。例えば、特許文献1の特開平5−034976号公報には、分散混合工程にて分散混合した状態の混合物に規格外トナーを添加して再利用することが開示され、特許文献2の特開平6−186775号公報には、規格外トナーを混練工程後のトナー中間物に均一に撒きかけ、トナー中間部物の保有熱で規格外トナーを熔融させた後、冷却、粉砕工程を経て所定粒径の製品トナーに再生することが記載され、特許文献3の特開平8−069126号公報には、本来のトナー製造工程とは別に規格外トナー用に混練工程を設け、本来のトナー製造工程と同じバッチ式および連続式1軸又は2軸の送りスクリュウからなる押出機で熔融混練を行って後、本来のトナー製造工程の戻す、または粗粉砕まで処理し粗粉砕工程に戻すことが記載され、特許文献4の特開平10−161343号公報には、分級工程にて排出された微粉トナーを過熱して熔融または軟化させ、得られた溶融物または軟化物を加圧押出機により押し出し手混練工程後の冷却前の混練物に混入することが開示されている。
しかしながら、特許文献1の特開平5−034976号公報開示の微粉トナーリサイクル技術では、微粉トナーが混練機で再度溶融混練される際に樹脂の分子切断が起こり、樹脂の分子量ダウンにより定着性能の悪化や機械的強度の低下による耐久性能の悪化などを引き起こすという問題があり、また、特許文献2の特開平6−186775号公報記載のものは、撒きかけ量が微量のとき以外はペレット状のトナー中間物表面に微粉トナーが単に付着しているのみであって、擦ると容易に剥がれる状態であり、混練物と微粉トナーが一体化されていない。これは混練物と微粉トナーの熱交換率が低いためであり、微粉トナーの性状として軟化点が低いとき以外は溶融・軟化しない場合もあり、微粉トナー処理量を多くすることができないという問題があった。また、特許文献3の特開平8−069126号公報の方法では、5μm以下の粒径のものが多いため流動性が悪く、押出機に供給する際に投入部分に微粉トナーが送り込まれない、いわゆるフィードネック現象が起こり、定量的に供給できないという問題があった。さらに、特許文献4の特開平10−161343号公報の方法では、加圧押出機をヒータで加熱するために電力を使用するのでエネルギーロスが発生するとともに、軟化、溶融した物が容器内に残って完全に排出されず、押出機のメンテナンス性が悪い等の問題があった。
特に、上記のように、結着樹脂、着色顔料、帯電制御剤を混合、混練、粉砕、分級してなるトナーの製造方法において微粉分級の際、発生する規格外の微粒子トナーを回収、再生する際、回収された規格外微粉をそのまま使って混合すると、原材料の流動性が向上しすぎ、混練機スクリュー部への食込みが悪くなり(フィードネック現象が起こり)、そのような状態でのトナーは、微粉を再利用しない場合のトナーと比較して各種原材料の分散性が悪くなり、また、食込みが悪いために混練機からの吐出量が少なくなり、生産能力が低くなる問題もあるので、このような問題を解決するために微粉に一定の圧力を加え造粒化(粒状化)処理を行ない、再利用する方法が、例えば、特許文献5の特開平6−266158号公報等にも記載されている。しかし、このような造粒工程を付加するために加圧造粒化設備が必要になり設備コストの上昇を招く問題がある。
また、特許文献6の特許第3435587号公報には、トナー製造プロセス中に、規格外の生微粉と、造粒微粉とを同時に添加してトナーを生産することが記載されているが、造粒微粉を使用するため、加圧等の処理装置が必要となりコストアップの要因となり、また、生微粉と造粒微粉との併使用により分散不良を招きやすい。特許文献7の特許第3451719号公報には、帯電制御剤又は着色剤の添加を、トナー製造(トナー原料の混合分散)中の途中段階或いは最終段階で投入混合することが示されているが、途中、及び、最終段階投入の2段混合のため、生産性低下を招き易く、また、1段目混合品と2段目混合品との分散差で成分偏在が出やすい。
一方、前記原材料の混合装置として、一般的に密閉型のスーパーミキサーやヘンシェルミキサー、V型混合ミキサーが用いられている。これら混合装置において、スーパーミキサーやヘンシェルミキサーのタイプは、混合攪拌羽根と邪魔板によって混合をしている。これらのタイプは、容器固定型で羽根中心部近傍にデッドスペースができやすく、分散不良が発生し、トナー品質ばらつきを招きやすい。また、V型ミキサータイプは、容器自体が正反転を繰り返しながら混合しているが、装置自体の正反転を繰り返さねばならないこともあって、大容量タイプのものがないので混合回数が多くなったり、混合進行に伴い粉体嵩密度が変化し、分散が進まなくなる問題もある。
一方、各原材料を混合した際、材料間の凝集が発生しやすいので、混合時、混合攪拌の程度を増すための混合回転数UPや混合時間UP等を図ると、前記アクションにより過度の分散によって、帯電制御剤や着色剤等の成分がチャージアップし、画像劣化を招く問題が発生している。
特開平5−034976号公報 特開平6−186775号公報 特開平8−069126号公報 特開平10−161343号公報 特開平6−266157号公報 特許第3435587号公報 特許第3451719号公報
本発明の目的は、分級工程で発生した規格外微粉を回収再利用するため、トナー原材料と混合攪拌し、混練・粉砕・分級して使用する際、特にトナー原材料と混合攪拌する際に、規格外微粉を加圧成型・造粒せずに用いることができ、混合攪拌される原材料の流動性が向上せず、つぎの混練のための混練機スクリューへの食込みを損なわないで混練でき、諸原料が効率的にかつ充分均一に混合されて帯電特性や画像劣化を起こさず、長時間処理を避けることができ使用エネルギーが少なく、過大な設備を要しない電子写真用トナーの製造方法及び製造装置、例えばカラートナーの製造方法及び製造装置を提供し、また、電車写真用トナー、例えばカラートナーを提供することにある。
さらにまた、着色剤により結着樹脂相が均一に着色されて色調に優れ、帯電特性や画像劣化を起こさない電子写真用カラートナーを提供することにある。
上記課題は、本発明の(1)〜(19)によって解決される。
(1)「少なくとも樹脂と着色剤、及び帯電制御剤とを混合攪拌し、混練し、粉砕し、分級する各工程を含むトナーの製造方法であって、該樹脂及び着色剤、帯電制御剤と、分級により発生する体積平均粒径5μm以下の規格外微粉10〜50%(トナー総重量中の比)とを、混合攪拌工程を経た後の粉体混合物から得られるトナーの凝集度が10重量%以上になるまで攪拌混合し、混練し、粉砕し、分級する工程を含むことを特徴とするトナー製造方法」;
(2)「前記混合攪拌工程が、混合機能を有する混合羽根と攪拌機能を有する攪拌羽根とを有し、かつ容器自身が上下正反転可能な攪拌混合装置中で、前記規格外微粉、樹脂、着色剤及び帯電制御剤を少なくとも含むトナー原材料を混合攪拌するものであり、該規格外微粉は、該混合攪拌工程に未加工状態で使用され、該帯電制御剤が該混合攪拌工程で該規格外微粉、及び樹脂、更には着色剤表面に固定化されることを特徴とする前記第(1)項に記載のトナー製造方法」;
(3)「前記規格外微粉の添加量によって帯電を制御することを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載のトナー製造方法」;
(4)「前記各原材料は、前記混合攪拌工程で1度に全原材料が混合攪拌されることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載のトナー製造方法」;
(5)「前記規格外微粉の粒径が、前記帯電制御剤の粒径の1/2以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項いずれかに記載のトナー製造方法」;
(6)「前記着色剤が、原顔料と結着樹脂とが予備混練されてなるマスターバッチ顔料であり、該マスターバッチ顔料は、原顔料が(粉体の形で)水を5〜20ml/minで連続添加(噴霧)されて結着樹脂と予備混練されてなるものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載のトナー製造方法」;
(7)「前記予備混練が、前記原顔料、結着樹脂、及び所望により含まれる予備混練未完着色剤(前記予備混練処理が未完の着色剤)からなる被予備混練材料の予備混練であることを特徴とする前記第(6)項に記載のトナー製造方法」;
(8)「前記被予備混練材料の合計重量を100としたとき、水添加はその重量に対し、5〜40重量部であることを特徴とする前記第(7)項に記載のトナー製造方法」;
(9)「前記予備混練の時の温度は、結着樹脂のTgよりも10℃以上高く、尚且つ、その樹脂の軟化点の+15℃以下であることを特徴とする前記第(6)項乃至第(8)項のいずれかに記載のトナー製造方法」;
(10)「前記マスターバッチ顔料は、抵抗X(LogR)が10〜11.5であり、前記予備混練時の水添加量Y(単位;重量部/(100部当りの原顔料重量)又は(100部当りのマスターバッチ顔料重量))が、Y=−6.171X+69.5の関係を満たすことを特徴とする前記第(6)項乃至第(9)項のいずれかに記載のトナー製造方法」;
(11)「前記予備混練が、前記被予備混練材料を少なくとも2本のロール間で繰返し混練するバッチ式混練であり、前記マスターバッチ顔料が、予備混練時のロール間にできるそれぞれのロール頂点を結んだ線から下にできた空間容積を1としたとき、1〜10の容積の該被予備混練材料を予備混練して得られたものであることを特徴とする前記第(7)項乃至第(10)項のいずれかに記載のトナー製造方法」;
(12)「前記着色剤に前記マスターバッチ顔料を用い、トナーの所望の顔料濃度になるように同種、または異種の結着樹脂で希釈混練し、得られた混練生成物を粉砕することを特徴とする前記第(6)項乃至第(11)項のいずれかに記載のトナー製造方法」;
(13)「前記着色剤に、結着樹脂と原顔料との比率が3:7から6:4の範囲である前記マスターバッチ顔料を使用することを特徴とする前記第(6)項乃至第(12)項のいずれかに記載のトナー製造方法」;
(14)「前記被予備混練材料に水を5〜20ml/minで連続添加(噴霧)し、予備混練されて成るマスターバッチ顔料を前記着色剤として使用することを特徴とする前記第(6)項乃至第(13)項のいずれかに記載のトナー製造方法」;
(15)「前記予備混練される被予備混練材料(結着樹脂と原顔料と予備混練未完着色剤との合計)を100としたとき、水添加はその重量に対し、5〜40重量部である前記マスターバッチ顔料を前記着色剤として使用することを特徴とする前記第(14)項に記載のトナー製造方法」;
(16)「前記混合攪拌装置が、該混合攪拌装置の混合・攪拌解砕羽根軸内にはシールエアーが流れ、且つ混合容器内の内圧上昇を防ぐ、エアー抜き弁があるものであることを特徴とする前記第(2)項乃至第(15)項のいずれかに記載のトナー製造方法」;
(17)「少なくとも樹脂と着色剤、及び帯電制御剤とを混合攪拌し、混練・粉砕・分級するトナー製造の少なくとも前記混合攪拌で用いられるトナー製造装置であって、混合機能を有する混合羽根と攪拌機能を有する攪拌羽根を有し、かつ容器自身が上下正反転可能で、該混合羽根及び/又は攪拌羽根の軸内にはシールエアーが流れ、且つ混合容器内の内圧上昇を防ぐ、エアー抜き弁を有し、前記トナー製造が、少なくとも前記樹脂及び着色剤、帯電制御剤と、分級により発生する体積平均粒径5μm以下の規格外微粉10〜50%(トナー総重量中の比)とを、混合攪拌を経た後の粉体混合物から得られるトナーの凝集度が10重量%以上になるまで混合攪拌して、該帯電制御剤を該規格外微粉、及び樹脂、更には着色剤表面に固定化し、つぎの混練・粉砕・分級に投入される混合原料粉を製造するものであることを特徴とするトナー製造方装置」;
(18)「前記第(1)項乃至第(16)項のいずれかに記載の製造方法により製造されたものであることを特徴とするトナー」;
(19)「前記第(18)項に記載のトナー製造装置により製造されたものであることを特徴とするトナー」。
本発明によれば、着色剤として顔料を使用するトナーにおいて、有機溶剤を使用せず顔料の分散を向上させることができ、また、カラートナーに要求される色特性(透明性等)の向上との両立も可能となる。
一方、微粉を加工せずそのまま使用できるので、設備コストが抑えられ、低コストトナーの生産が可能になる。
[混合攪拌、及び混練・粉砕・分級の各工程]
本発明においては、規格外微粉を加圧処理せず、10〜50%混合しても、帯電劣化や画質劣化を起こさないカラートナーが提供される。これは、具体的には、混合羽根/攪拌解砕羽根の作用及び混合容器の正反転作用により、異常な凝集体発生を防止しかつ弱混合領域(デッドスペース)発生を防止するものである。
規格外微紛とは、微粉砕処理後に分級工程を経て発生した回収され再生される体積平均粒径5μm以下の微粉である。
加圧処理をすると、回収された微粉は、粒状化し、小粒径の帯電制御剤と混合時に適切なOM(オーダードミックスチャー)状態ができず、帯電制御剤の浮遊状態が発生するが、そうすると、帯電制御剤が各原材料のサスペンション効果をもたらし、全体の流動化を増進させ、フィードネック現象が起こる。
一方、本発明により、回収再生微粉をそのまま使用した場合は、適切なOM状態が生成され、浮遊帯電制御剤の発生が減少し、各原材料間のサスペンション効果が薄れ、全体の流動状態が低減し、結果として混練機スクリューへの食込みが向上する。
本発明において、材料混合時に好ましく使用される装置は、装置内に材料を混合及び解砕する機能を有し、かつ容器自体が正反転する本体変動型であり、この装置によれば、均一な混合原材料が得られる。ここでは、規格外微粉を10〜50%、好ましくは15〜30%の範囲で添加する。
前記方法で生産されたトナーは、トナー粉体の凝集度が10%以上の数値が得られる。
本発明の製造方法の混合攪拌過程で作成された混合原材料は、混合原材料の流動性が悪くなるので、つぎの混練時の混練機への食込みがよくなる。この点で、混練前の当該攪拌混合過程は、本発明においては、非常に重要となる。
本発明の原材料混合方法では、前記結着樹脂、着色剤、帯電制御剤、規格外の粉砕微粉及び分級微粉が未加工のまま混合され、次の混練のための原材料となる。
そのとき、100μm粒径以下の樹脂系粒子(未加工の規格外微粉及び多くの場合着色済みの結着樹脂)と、帯電制御剤はお互いに付着し合う。これら樹脂系の微粉と帯電制御剤の粒径を比較した場合、本発明の帯電制御剤の粒子径が小さいので、樹脂系微粉粒子表面、特に規格外微粉表面に帯電制御剤が付着するオーダードミクスチャー状態(以後、OM状態と呼ぶ)になる。更に、この状態から規格外粉体微粒子に帯電制御剤が固定化される衝撃が加えられると混合された粉体は、付着状態から固定化状態に変化する。
本発明の原材料混合エネルギーは、一般的にいわれる固定化されるほどのエネルギー(60m/s以上の衝撃力)はかかっていないが、本発明で使用される樹脂としては、一般的には、Tgが60℃前後の樹脂が用いられ、原材料の混合/攪拌解砕時に、規格外微粉及び結着樹脂粒子表面が溶融し始め、固定化される。前記結着剤樹脂粒子表面や前記規格外微粉表面は、帯電制御剤が衝撃力でぶつかる際に、瞬間的にはTg以上:60℃以上の発熱が起こるので表面が溶融するものと思われる。帯電制御剤が固定化された規格外微粉は、OM状態粉体に比べ流動性が落ちるため、混練時の原材料食込みがよくなる。
通常の混合では、帯電制御剤がサスペンションの役目を果たすので、粉体の流動性は増大する。
しかし、固定化されると帯電制御剤のサスペンション効果がなくなるので粉体の流動性は低下する。
本発明で使用される原材料の混合・攪拌解砕に使用される羽根の回転数は、15〜25m/sの周速で使用される。
羽根回転が15m/s以下だと固定化作用が働かずに混合後の材料の混練機食込みが悪くなる。反対に25m/s以上になると帯電制御剤の固定化と同時に各材料の破砕化、軸メルトが発生し始め、設備負荷となり問題となる。
本発明で好ましく用いられる混合攪拌装置は、各原材料を混合させる混合羽根と、解砕させる攪拌解砕羽根とを有し、且つ装置容器自体が上下正反転を繰り返す。この作用により、装置内で凝集物が発生しても攪拌・解砕羽根の作用により、解砕される。
また、容器内への投入量は容器体積の85%まで投入可能で、他の混合機に比べ大量処理が可能である。一方、混合羽根および攪拌羽根軸近傍では、各材料のデッドゾーンが発生しやすいので、容器反転作用により解消される。混合/攪拌・解砕はON/OFFのインターバルで行なわれ、羽根回転OFF時容器反転が繰り返される。
前記方法で混合・解砕処理をすると、帯電制御剤が他の各原材料(結着樹脂粒子、規格外微粉)の表面に固定化されるので、混合後の原材料の流動性が悪くなり、混練時原材料の食込みがよくなる。
通常、トナーにおける帯電は、帯電制御剤の量によって任意の値に制御されている。しかしながら、帯電制御剤の添加量が過少であると、内添されトナー粒子の表面近くに存在する帯電制御剤が、現像剤の攪拌等による機械的ストレスによって、トナー粒子の内部深くにマイグレートしたり、逆にトナー粒子中への埋没が充分でなくトナー粒子表面に露出している帯電制御剤が脱落して所望の摩擦電荷でなくなる場合があり、一方、帯電制御剤を多く添加した場合、熱特性変動が起きたり、原材料の混合条件によっては規定の処方量が得られず、結果的には画像品質を劣化させる。しかし、本発明によれば、規格外微粉に由来し、充分に結着樹脂に分散されている帯電制御剤を、規格外微粉の混合量比を調節つることによって所望量、トナー中に存在させることができる。
また、各トナー原材料を、1度に混合すると、分散むらや凝集物が発生しやすいが、本発明により混合した場合、混合作用と攪拌(解砕)作用が同時に機能しつつ、かつ両羽根中心近傍で発生したデッドゾーンを装置の容器上下反転作用によって解消している。そのため、1回の原材料混合で均一分散された混合物が得られる。その状態で次工程へ処理され得られたトナーは均一組成で構成されたトナーとなる。
つまり、本発明においては、各トナー原材料は、混合容器内へ一度に投入されるが、規格外微粉微粉粒径と帯電制御剤粒径の比は、未加工の規格外微粉粒径:帯電制御剤粒径=最大5μm(典型的には例えば2.5μm〜5μm):約0.5μm付近を用いる。もともと、両粒子とも凝集体で存在しているが、装置の混合/攪拌(解砕)作用によって、一次粒子近傍まで解砕される。その場合、規格外微粉と帯電制御剤の摩擦帯電により、小粒径化した帯電制御剤が規格外微粉表面に付着(=OM:オーダードミックスチャー)状態から固定化状態になる。その状態で混合されるので電荷の高い帯電制御剤が内壁面に付着しにくくなり、規定量の各材料が混合される。また、装置内壁面にも付着しにくくなるので付着等の汚れが少ない。
分級で生じた規格外微粉を未加工で使用できるので、従来技術(各公報)で提案されているような加工装置が要らない。そのため、微粉を加工するための装置、例えば圧力を加えて加工する造粒装置が不要になるため、設備コストを押さえることが可能である。これに対して、規格外微粉を造粒加工して使用すると、付着性の高いものが生じ、或いは帯電性の高い帯電制御剤と混合したとき、良好なOM状態ができないため、内壁面へ多量に付着する。本製造方法では、生産性を落とさず、低コストのトナーを生産できる。
本発明における混合攪拌装置内では、混合羽根と攪拌(解砕)羽根の作用で、容器内の原材料はスパイラル(渦巻き)運動を繰り返しながら混合される。しかし、周速が遅くあまり混合作用がかからない軸中心部は分散されにくくなる。それを防ぐために、容器を上下反転させ反転時、分散されにくい部分の材料が他部材料と交じり合う。この作用を数回繰り返すことにより、全体が均一分散された材料となる。
所望(任意)の帯電量を得るために、通常は、帯電制御剤量を変動させている。しかし、微粉未添加材料で混合した場合、造粒微粉を添加したときと同様にOM状態がうまく形成されず、付着性の高い材料が内壁面に付着してしまう。しかしこれに対して、本発明における混合攪拌装置で規格外微粉を使用すると、微粉表面に付着性の高い帯電制御剤表面にうまく付着し、且つ他材料と混合分散される。微粉中の帯電制御剤含有量は、微粉未添加材料混合で得られたトナーの1割多く含有されているので、微粉添加量で帯電量が変動する。微粉中の組成は分級トナーと同一組成材料で構成されているので微粉量増加による不具合の発生もない。
1度にトナー原材料を混合すると、分散むらや凝集物が発生しやすいが、本発明においては、前記混合攪拌装置で混合された場合、混合作用と攪拌(解砕)作用が同時に機能しつつ、かつ両羽根中心近傍で発生したデッドゾーンを容器上下反転作用によって解消している。そのため、1回の原材料混合で均一分散された混合物が得られる。この方法で混合していくと、従来技術(他公報)で提案されているような途中添加や最終段階で添加する必要がないので生産効率がよい。
帯電制御剤と規格外微粉の粒径を制御することにより、混合・攪拌(解砕)時、ほどよいOM(オーダードミックスチャー)状態が得られ装置内への付着・固着がなくなる。本件装置の各羽根の回転数は、混合羽根回転数が50〜100r/min、攪拌(解砕)羽根回転数は、300〜750r/minの範囲で使用される。好ましくは、混合羽根回転数は、70〜90r/min、攪拌(解砕)羽根回転数は、500〜700r/minがよい。混合羽根回転数が500r/minより低いと混合がうまくできず、90r/min以上になるとスパイラル挙動ができない。また、攪拌(解砕)羽根の回転数が300r/minより低いと解砕効果が得られず凝集物が発生する。また、うまくOM状態が得られなくなる。反対に750r/min以上になると解砕効果が強くなり粉砕作用が働くのと同時に、羽根回転軸メルトが発生し、設備負荷が発生し問題となる。
本発明のトナー製造(トナー製造の混合攪拌工程)において、原材料を連続混合していくと軸が発熱、更には容器内がシールエアーにより内圧が上昇し原材料温度が高くなる。それを防ぐために容器にエアー抜き弁を設置し内圧上昇を防止し、メルト防止を図っている。これら機能設置により、連続して原材料混合が図れる。
[マスターバッチ顔料]
本発明に用いるマスターバッチ顔料は、架橋効果のある水を適量、好ましくは10〜15ml/min連続噴霧あるいは滴下添加される。水は、イオン交換水が好ましいが一般の水道水でもよい。
本発明においては、着色剤として、顔料、特に顔料と樹脂(予備結着剤)の予備混練されたプレミックスの形のマスターバッチ顔料を好ましく用いることができ、また、この際に顔料と予備混練される樹脂としてはトナー用結着樹脂を好ましく用いることができる。ここで、「予備混練」や「予備結着樹脂」は、マスターバッチ顔料の製造における顔料と樹脂(予備結着剤)の混練(予備混練)であり、本発明のトナー製造法における「結着樹脂」や、これと着色剤、及び帯電制御剤とを混合攪拌後の「混練」とは区別するために「予備」というものである。本発明において着色剤として用いられるマスターバッチ顔料は、水の添加量が混合材料を100としたとき5〜40重量部、好ましくは10〜20重量部の割合で添加すると、粒子間の水架橋効果がより得られ、材料混合終了後の凝集が少なく良好な混合物が得られる。また、予備混練時の粉体舞上りも殆どなくハンドリングのよい混練ができる。
着色剤として用いるマスターバッチ顔料の混練温度は、使用される結着樹脂のTgより10℃以上、好ましくは15℃以上高いほうがよく、且つ、結着樹脂の軟化点より15℃以下、好ましくは10℃以下の温度が好ましい。上記範囲の温度内で混練することにより、混練物により安定したトルクがかかるので、常に剪断力がかかり、より分散が向上したマスターバッチが得られる。
着色剤に用いるマスターバッチ顔料(予備混練品)の抵抗(LogR)とその含水量は、密接な関係があり、抵抗値は10〜11.5、好ましくは10.5〜11.0がよい。そのときの含水量は8〜0.5%、好ましくは、5〜1%がよい。前記含水量は前記範囲に制御することにより、水分蒸発時の気化熱が緩やかに進むため、予備混練品の品温上昇が抑えられより、安定した剪断力が与えられ充分な分散が得られる。
ロール間にできる空間容積と予備混練品の容積比を1:1〜10、好ましくは1:5で混練した場合、ロール間上の空間容積(バンク)内で予備混練品がロール上混練物と効率よく入替り、常に安定して混練(分散)が得られる。この状態で混練されると予備混練物内の原顔料がより微分散され均一なマスターバッチ顔料が得られる。原顔料が均一分散されたマスターバッチ顔料を用いるとトナー化時の希釈混練も、より安定した混練品が得られ、要求される特性のトナーが得られる。
顔料濃度が高濃度(30〜60%)で得られたマスターバッチ顔料を、希釈混練(5〜15%に希釈)し、色特性、電気特性、帯電特性が所望のトナーを得る。異種結着樹脂を用いて混練するが、それぞれの結着樹脂のTg、軟化点は10℃以内の樹脂を用いる。熱特性があまり離れていない樹脂を用いることで希釈混練時の溶融不良・分散不良を抑え均一な希釈混練物が得られる。
マスターバッチ顔料生産時の原顔料と予備結着樹脂の比率は、3:7〜6:4、好ましくは4:6〜5:5がよく、この混合比率(予備混合の比率)に合わせ水添加量を調整する。顔料比が少ない系で多くの水添加を行なうとマスターバッチ材料混合時に凝集体が発生し、水添加が少ないと予備混練時、原顔料の舞上りが多く設定処方量のマスターバッチ顔料が得られない。
マスターバッチ材料混合時に使用される水は一般の水道水でもイオン交換水でもよく、材料混合時に連続添加することにより、予備結着樹脂と原顔料の凝集を防止できる。水の添加量は、目的に応じて調整し含水量により決めるが、好ましくは10〜15ml/minが好ましい。この方法で得られたマスターバッチ顔料を用いて製造したトナーは、顔料が均一に分散される。
水の添加量は、マスターバッチ混合材料を10としたとき5〜40重量部、好ましくは10〜20重量部添加すると、より水分架橋効果が得られ、マスターバッチ材料混合後凝集が少なく良好な混合物が得られ、予備混練品質も安定する。このマスターバッチ顔料を用いてトナー化するとトナーとして要求される各電気特性・帯電特性が安定したものが得られる。
マスターバッチ混練(予備混練)温度はTgより10℃以上、好ましくは15℃以上高いほうがよく、且つ、予備結着樹脂の軟化点より15℃以下、好ましくは10℃以下の温度が好ましい。上記範囲の温度内で予備混練することにより、予備混練物により安定したトルクがかかるので、常に剪断力がかかり、より分散が向上したマスターバッチ顔料が得られる。
マスターバッ顔料(予備混練品)の抵抗(LogR)とその含水量は密接な関係があり、抵抗値は10〜11.5、好ましくは10.5〜11.0がよい。そのときの含水量は8〜0.5%、好ましくは5〜1%がよい。前記含水量は前記範囲に制御することにより、水分蒸発時の気化熱が緩やかに進むため、混練り品の品温上昇が抑えられ、より安定した剪断力が与えられ充分な分散が得られる方法。
ロール間にできる空間容積と予備混練品の容積比を1:1〜10、好ましくは1:5で予備混練した場合、ロール間上の空間容積(バンク)内で予備混練品がロール上の被予備混練物と効率よく入替り、常に安定して予備混練(予備分散)が得られる。予備混練物が少ないとほとんど練り品に流動がされない。また、多すぎると予備混練物の入替りが完全に行なわれず長時間の予備混練が必要になる。
顔料濃度が高濃度(30〜60%)で得られたマスターバッチ顔料を、希釈混練(5〜15%に希釈)し、色特性、電気特性、帯電特性が所望のトナーを得る。異種結着樹脂を用いて混練するが、それぞれの結着樹脂のTg、軟化点は10℃以内の樹脂を用いる。予備混練と希釈混練のときに、熱特性があまり離れていない樹脂を用いることで希釈混練時の溶融不良・分散不良を抑え均一な希釈混練物が得られる。
マスターバッチ顔料生産時(予備混練時)の原顔料と予備結着樹脂の比率は、3:7〜6:4、好ましくは4:6〜5:5がよく、前記混合比率に合せ水添加量を調整する。顔料比が少ない系で多くの水添加を行なうとマスターバッチ材料を用いた予備混合時に凝集体が発生し、水添加が少ないと予備混練時顔料の舞上りが多く設定処方量のマスターバッチ顔料が得られない。
[その他構成の具体的説明]
本発明において使用される顔料としては、公知のものが使用できるが、黒色顔料としてカーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。
黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフロールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキが挙げられる。
赤色顔料として、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リノールレッド、ビラゾロンレッド、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bが挙げられる。
青色顔料として、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCが挙げられる。これらは、いずれも乾燥した粉体顔料であり、1種または2種以上使用することができる。
本発明に用いるマスターバッチ用予備結着樹脂及びトナーにする場合の希釈用の結着樹脂としては、同一または異なる従来公知のものを広く使用することができる。例えば、ビニル樹脂或いはポリエステル樹脂或いはポリオール樹脂からなり、中でもポリエステル樹脂またはポリオール樹脂が好適に用いられる。
ビニル樹脂として、ポリスチレン、ポリ-P-クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体:スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体:ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等がある。
ポリエステル樹脂としては、以下のA群に示したような2価のアルコールとB群に示したような二塩基酸塩を用いて縮合重合されたものとからなるものであり、さらにC群に示したような3価以上のアルコールあるいはカルボン酸を第3成分として加えて縮合重合されたものを用いてよい。
A群:エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシウロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
B群:マレイン酸、フマール酸、メサコニン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタール酸、イソフタール酸、テレフタール酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、リノレイン酸、またはこれらの酸無水物または低級アルコールのエステル等。
C群:グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上のアルコール、またはトリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上のカルボン酸等。
ポリオール樹脂としては、エポキシ樹脂と2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物とを反応してなるものや、グリシジルエーテルと、エポキシ基と反応する活性水素を分子中に1個有する化合物またはエポキシ樹脂と反応する活性水素を分子中に2個以上有する化合物とを反応してなるものなどある。
その他にも必要に応じて以下の樹脂を混合して使用することもできる。
エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂など。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールAやビスフェノールFなどのビスフェノールとエピクロロヒドリンとの重縮合物がある。
本発明をトナーとして用いる場合には、荷電制御剤をトナー粒子に配合(内添)、またはトナー粒子と混合(外添)して用いることができると好ましい。
荷電制御剤としては、ニグロシン、炭素数2〜16のアルキル基を含むアジン系染料(特公昭42−1627号公報)、塩基性染料(例えば、C.I.Basic Yellow2:C.I.41000)、C.I.Basic Yellow3、C.I.Basic Red1、C.I.Basic Red9:C.I.42500)、C.I.Basic Violet1:C.I.42535)、C.I.Basic Violet3:C.I.42555)、C.I.Basic Violet10:C.I.45170)、C.I.Basic Violet14:C.I.42510)、C.I.Basic Blue1:C.I.42025)、C.I.Basic Blie3:C.I.51005)、C.I.Basic Blue5:C.I.42140)、C.I.Basic Blue7:C.I.42595)、C.I.Basic Blue9:C.I.52015)、C.I.Basic Blue24:C.I.52030)、C.I.Basic Blue25:C.I.52025)、C.I.Basic Green4:C.I.42000)等、これらの塩基性染料のレーキ顔料、C.I.Solvent Black8:C.I.26150)、ベンゾイルメチル−ヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルクロライド、等の四級アンモニウム塩或いはジブチルまたはジオクチルなどのジアルキル錫化合物、ジアルキル錫ボレート化合物、グアニジン誘導体、アミノ基を含有するビニル系ポリマー、アミノ基を含有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂、特公昭41−20153号公報、特公昭43−27596号公報、特公昭44−6397号公報、特公昭45−26478号公報に記載されているモノアゾ染料の金属錯塩、特公昭55−42752号公報、特公昭59−7385号公報に記載されているサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn,Al、Co、Cr、Fe等の金属錯体、スルフォン化した銅フタロシアン顔料が挙げられる。
また、本発明のトナーは、一成分現像剤、二成分現像剤のいずれでも使用可能ではあるが、二成分現像剤として用いる場合には、キャリア粉と混合して用いられる。この場合のキャリア粉としては、公知のものが使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉、マグネタイト粉の如き磁性粒子或いはこれらの磁性粒子の表面をフッ素系樹脂、ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂等で処理したもの、あるいは磁性粒子が樹脂中に分散されている磁性粒子分散粒子等が挙げられる。これら磁性キャリアの平均粒径は30〜80μmがよい。
一方、流動性や現像性・転写性を改善するため、無機微粉末をトナーに外添することも可能である。
無機微粉体として、Si、Ti、AL、Mg、Ca、Sr、Ba、In、Ga、Ni、Mn、W、Fe、Co、Zn、Cr、Mo、Cu、Ag、V等の酸化物や複合酸化物を1種または2種以上混合したものが挙げられる。これらのうち、二酸化珪素(シリカ)、二酸化チタン、アルミナの微粒子が好適に用いられる。さらに、疎水化処理剤等により表面改質処理することが有効である。
本発明に使用されるマスターバッチ顔料製造のための混合(予備混合)は、ヘンシェルミキサーのごとき混合機によって充分に予備混合され、予備混練は、通常の2本ロール、3本ロールのほか、バンバリーミキサーを開放型とし使用する方法がある。
本発明の予備混練および希釈混練に用いる混練機は、主に連続式の混練機が挙げられ、連続生産できる優位性から1軸または2軸押出し機が使用される。たとえば、神戸製鋼社製KTK型2軸押出機、東芝機械製TEM型押出機、KCK社製2軸押出機、池貝鉄工社製PCM型押出機、ブス社製コ・ニーダー等が好適に使用される。
粉砕工程では、衝撃式粉砕機、気流式粉砕機等が挙げられる。分級機では慣性分級方式のエルボジェット、遠心分級方式のミクロプレックス、DSセパレーター等が挙げられる。規格外微粉は、これら工程、特に粉砕工程及び分級工程で発生する5μm以下の微粉をサイクロン等によって捕集することで工程内部から回収され、本発明の製造工程にて使用される。
本発明の原材料混合方法は、前記主用樹脂、着色剤、帯電制御剤、未加工の粉砕及び分級微粉が混練原材料として混合される。そのとき、100μm粒子以下の粉体樹脂粒子:規格外微粉、帯電制御剤はお互いに付着し合う。規格外微粉と帯電制御剤の粒径を比較した場合、本発明の帯電制御剤の粒子径が小さいので、微粉粒子表面に帯電制御剤が付着するオーダードミクスチャー状態(以後、OM状態と呼ぶ)になる。更にこの状態から粉体粒子に帯電制御剤が固定化される衝撃が加えられると混合された粉体は、付着状態から固定化状態に変化する。
本発明の原材料混合エネルギーは、一般的にいわれる固定化されるほどのエネルギー(60m/s以上の衝撃力)はかかっていないが、本発明使用の樹脂Tgが60℃前後の樹脂が用いられ、原材料混合・攪拌/解砕時、微粉及び樹脂表面が溶融し始め、固定化される。前記微粉や樹脂表面は、帯電制御剤が衝撃力でぶつかる際に、瞬間的にはTg以上:60℃以上の発熱が起こるので表面が溶融するものと思われる。帯電制御剤が固定化された未加工微粉は、OM状態粉体に比べ流動性が落ちるため、混練時の原材料食込みがよくなる。
通常の混合では、帯電制御剤がサスペンションの役目を果たすので、粉体の流動性は向上する。
しかし、固定化されると帯電制御剤のサスペンション効果がなくなるので粉体の流動性は悪くなる。
本発明で使用されるトナー原材料の混合・解砕に使用される羽根の回転数は、15〜25m/sの周速で使用される。
羽根回転が15m/s以下だと固定化作用が働かずに混合後の材料の混練機食込みが悪くなる。反対に25m/s以上になると帯電制御剤の固定化と同時に各材料の破砕化、軸メルトが発生し始め、設備負荷となり問題となる。
マスターバッチ製造例1
顔料:C.I.ピグメントレッド 184
(C.I.Pigment Red 122) 50部
結着樹脂:ポリオール樹脂 50部
水: 10部
上記顔料と結着樹脂をヘンシェルミキサーへ投入し、混合(予備混合)しながら連続して水を毎分10mlになるよう添加し、予備混合物を得た。その予備混合物をロール表面設定温度を75℃に設定した2本ロールミルで10分間、予備混練を行ないマスターバッチ顔料1を得た。
このマスターバッチ顔料をハンマーミル粗砕機で粉砕し、1mm以上2mm以下の大きさに整粒後、ペレットを作成し抵抗(LogR)を計測したところ、LogR=11.3であった。また、含水量を確認したところ0.5%であった。次に、このマスターバッチを用いて以下の方法でトナー化した。
トナー製造例1
結着樹脂:ポリオール樹脂 100部
着色剤:マスターバッチ顔料1 20部
帯電制御剤:サリチル酸亜鉛 3部
微粉:回収再生用規格外微粉 15部
*:分級工程で回収され、圧力等の加工処理をしていない5μm以下の規格外微粉をいう。
上記トナー原材料を、本発明のV型改造ミキサーにて混合し、2軸押し出し機により溶融混練した。ミキサーの羽根回転は18m/sで混合した。これを、圧延冷却後、粗砕しさらにジェット気流式粉砕機により微粉砕を行なった。その後、風力式分級機により微粉分級を行ない粉砕粒子を得た。そして、得られた粉体に疎水性シリカを1.5部を加えヘンシェルミキサーで混合し、そのあと超音波振動篩により凝集体を除去し実施例1のトナーを得た。
表1(マスターバッチ顔料特性)、表2(トナー特性)に示す。
(トナー評価)
1:帯電量(常温環境、高温環境)
2:耐久性(ランニング評価)
3:トナー凝集度
4:着色度
5:透明性(ヘーズ度)
(トナー生産性)
1:混練機スクリューへの食込み
微粉なし処方での食込みと同等を○、それよりも20%以上食込み性が悪いときを
△、50%以下の食込み性のときを×とし、それらを5ランクに分けて評価。
2:原原材料混合/攪拌時の内壁付着状態
規格外微粉添加なしのときの付着状態を○、それよりも50%程度付着が多い状態を△、全面付着し、かなり悪い状態を×として5ランクに分け評価。
(マスターバッチ顔料評価)
1:透過型電子顕微鏡による顔料分散状態
2:電気特性(LogR)
3:含水分量
上記のそれぞれの評価方法は以下のとおりである。
[1]帯電量
トナー及びキャリアをトナー濃度5%になるように計量し、所定の環境下に2時間静置保管したあと、所定の環境下で10分間攪拌混合する。これを、目開き500メッシュの網をセットした測定用ゲージに入れ、60秒間ブローオフし、飛散した粉体の電荷量Qと質量Mを測定し、帯電量Q/Mとする。
[2]耐久性
得られた二成分現像剤をリコー製imagio color 8200にセットし単色モードで10K枚のランニングを実施したあとの現像部周りのトナー飛散程度を評価した。
[3]凝集度
得られたトナーを以下に示す三種類のメッシュに一定量(2.00±0.01g)を投入し、以下に示す試験条件で試験後、A〜Cの残重量の合計をもって凝集度(%)とする。
・A [(上段の篩に残った粉体重量)/(試料)]×100
・B [(中段の篩に残った粉体重量)/(試料)]×100×3/5
・C [(下段の篩に残った粉体重量)/(試料)]×100×1/5
・試験条件 振動幅 =1.0mm(目視)
振動時間=10.0sec
・測定装置 パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)
篩 A=目開き75μm
篩 B=目開き45μm
篩 C=目開き22μm
[4]顔料分散
マスターバッチ顔料をTHFに5%濃度に希釈溶解させ、プレパラートに適量を滴下する。滴下後、溶剤が蒸発しないようにカバーガラスで覆い、その状態で透過型電子顕微鏡により観察し評価する。
凝集体なし : ◎
凝集体少し有(品質上問題無): ○
凝集体あり(品質上問題有) : △
凝集体多い : ×
[5]着色度
白紙上に単色で画像濃度:1.0mg/cm、定着温度:160℃の条件で定着し、着色度をマクベス濃度計(RD−514)にて測定。数値が大きいほど着色度は大きい。
[6]透明性(ヘーズ度)
OHPシート上に、単色で画像濃度:1.0mg/cm、定着温度150℃の条件で定着し、スガ試験機社製の直読ヘーズコンピューターHGM−2DP型により測定。数値が小さいほど透明性良好。
実施例2
顔料:C.I.ピグメントイエロー 180 50部
結着樹脂:ポリオール樹脂 50部
水 30部
実施例1と同様の方法で上記材料をミキサーで予備混合した。そのときの水添加は連続して毎分15mlで添加した。この混合物を、ロール表面設定温度が90℃に設定した2本ロールミルで15min混練を行ない、マスターバッチ顔料2を得た。
そのあと、実施例1と同様の方法でペレットを作成し抵抗(LogR)と含水量を計測した。LogR=10.7、含水量=4.0%であった。このマスターバッチ顔料を用いて、混合機の羽根回転を20m/s以外は実施例1と同様の方法でトナー化し、実施例2のトナーを得た。表1(マスターバッチ顔料特性)、表2(トナー特性)を示す。
実施例3
実施例2と同様の原材料を用いてヘンシェルミキサーにて予備混合し、予備混合物を得た。これをロール表面温度100℃に設定した2本ロールにて20分間、予備混練を行ないマスターバッチ顔料(3)を得た。このマスターバッチ顔料を実施例1と同様な方法でペレット化し、抵抗(LogR)と水分量を計測した。このときのLogR=11、含水量=1.5%であった。このマスターバッチ顔料を用いて、以下の方法でトナー化した。
結着樹脂:ポリオール樹脂 100部
着色剤:マスターバッチ(3) 15部
帯電制御剤:サリチル酸亜鉛塩 3部
微粉:回収再生未加工微粉 35部
上記トナー原材料を混合機の羽根回転を15m/sにして混合した以外は実施例1と同様の方法で実施例3のトナーを得た。実施例1と同様の方法で評価を実施した。表1(マスターバッチ顔料特性)、表2(トナー特性)に示す。
実施例4
実施例1と同様の原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、予備混合物を得た。これをロール表面温度120℃に設定した2本ロールにより30分間、予備混練し、マスターバッチ顔料(4)を得た。このときのLogR=10.8、含水量=2.5%であった。
次にこのマスターバッチ顔料を用いて以下の方法で実施例4のトナーを得た。
結着樹脂:ポリオール樹脂 100部
着色剤:マスターバッチ顔料(4) 10部
帯電制御剤:サリチル酸亜鉛塩 2部
微粉:回収再生未加工微粉 15部
上記トナー原材料を混合機回転を15m/sで混合した以外は実施例1と同様の方法でトナー化し、実施例1と同様の方法で評価を実施した。表1(マスターバッチ顔料特性)、表2(トナー特性)に示す。
実施例5
実施例1において、水添加を連続毎分20mlで予備結着樹脂100に対し、30部添加した。この混合物をロール表面温度80℃に設定した2本ロールにより15分間、予備混練した。このときの混練り量は、ロール間空間容量を1に対し、5の容量で混練しマスターバッチ顔料(5)を得た。
結着樹脂:ポリオール樹脂 100部
着色剤:マスターバッチ(5) 15部
帯電制御剤:サリチル酸亜鉛塩 2部
微粉:回収再生未加工微粉 45部
上記トナー原材料を混合機の羽根回転を20m/sで混合した以外は実施例1と同様の方法で実施例5のトナー得て、実施例1と同様の評価を実施した。評価結果を表1(マスターバッチ顔料特性)、表2(トナー特性)に示す。
実施例6
顔料:キナクリドン系マゼンタ顔料
(C.I.Pigmet Red 122) 100部
結着樹脂:ポリエステル樹脂 100部
助剤:水 30部
上記原材料をヘンシェルミキサーで予備混合するときに、水添加は連続10ml/minで添加し、予備混合物を得た。次にロール表面温度が85℃に設定された2本ロールにて15分間、予備混練した。このときの混練仕込量は、ロール間空間容積を1としたとき、仕込量容積5の比率で予備混練し、マスターバッチ顔料(6)を得た。ついで、混合機の羽根回転を25m/sで混合した以外は実施例1と同様の方法で実施例6のトナー得て、実施例1と同様の方法で評価を実施した。評価結果を表1(マスターバッチ顔料特性)、表2(トナー特性)に示す。
結着樹脂:ポリオール樹脂 100部
着色剤:マスターバッチ(6) 10部
帯電制御剤:サリチル酸亜鉛塩 2部
微粉:回収再生未加工微粉 30部
実施例7
顔料:銅フタロシアニンブルー顔料
(C.I.Pigment Blue 15) 50部
結着樹脂:ポリエステル樹脂 50部
助剤:水 20部
上記原材料を実施例6と同様の方法で処理し、マスターバッチ顔料(7)を得た。このマスターバッチ顔料を用いて、以下の方法で実施例7のトナーを得た。
結着樹脂:ポリオール樹脂 100部
着色剤:マスターバッチ顔料(7) 5部
帯電制御剤:サリチル酸亜鉛塩 2部
微粉:回収再生未加工微粉 50部
上記トナー材料を用いて得られたトナーを実施例6と同様の方法で評価した。評価結果を表1(マスターバッチ顔料特性)、表2(トナー特性)に示す。
実施例8
顔料:銅フタロシアニンブルー顔料
(C.I.Pigment Blue 15) 60部
結着樹脂:ポリエステル樹脂 40部
助剤:イオン交換水 10部
上記原材料をヘンシェルミキサーにて予備混合時にイオン交換水を連続15ml/minで添加し、予備混合物を得た。この予備混合物をロール表面温度100℃に設定した2本ロールで60分間、予備混練を行ない、マスターバッチ顔料(8)を得た。このときの混練仕込量は、ロール間空間容量1と同容量1の仕込み量で予備混練した。このマスターバッ顔料(8)を用いて、以下の方法で実施例6と同様の方法で実施例8のトナーを得た。
結着樹脂:ポリオール樹脂 100部
着色剤:マスターバッチ顔料(8) 20部
帯電制御剤:サリチル酸亜鉛塩 2部
微粉:回収再生未加工微粉 20部
上記原材料で得られたトナーを実施例1と同様の方法で評価した。その評価結果を表1(マスターバッチ顔料特性)、表2(トナー特性)に示す。
比較例1
顔料:C.I.ピグメントレッド 184
(C.I.Pigment Red 122) 50部
結着樹脂:ポリオール樹脂 50部
水: 10部
上記マスターバッチ用材料を実施例1と同様にヘンシェルミキサーにて予備混合し、予備混合物を得た。このときの水添加は、間欠3回で投入した。
但し、予備混合時間は、実施例1と同時間に設定した。この予備混合物をロール設定温度が75℃に設定した2本ロールミルで10分間、予備混練し、比較用のマスターバッチ(9)を得た。このときの抵抗(LogR)は、10.2、含水量は8.0%であった。
ついでこのマスターバッチ顔料(9)を用いて、実施例1と同方法でトナー化し、実施例1と同様の評価を行なった。評価結果を表1(マスターバッチ顔料特性)、表2(トナー特性)に示す。
この方法で予備混合したマスターバッチ顔料は、凝集体が多くヘンシェルミキサー内への付着も多い。
また、トナーでのランニング評価も感光体へのフィルミングやトナー内の特性バラツキ(帯電ばらつき)が大きい。そのため、ランニング枚数も15K枚以上は不可能であった。
比較例2
顔料:C.I.ピグメントイエロー 180 50部
結着樹脂:ポリオール樹脂 50部
水 30部
実施例2と同等の上記マスターバッチ用材料をヘンシェルミキサーにて予備混合した。このときの水添加は、連続して毎分25mlで添加した。その他条件は、実施例2と同様にして予備混合物を得た。この混合物を用いて、ロール表面温度が70℃(樹脂Tg65℃)に設定した2本ロールミルで15分間、予備混練を行ない比較用のマスターバッチ顔料(10)を得た。このときの抵抗(LogR)は10.35、含水量は10.6%であった。このマスターバッチ顔料(10)を用いて、トナー原材料の混合時(希釈混合時)、羽根回転を10m/sで混合した以外は実施例1と同様の方法でトナーを得て、実施例1と同様の評価を実施した。評価結果を表1(マスターバッチ顔料特性)、表2(トナー特性)に示す。
比較例3
実施例3と同様の方法でマスターバッチ材料を予備混合しマスターバッチ混合物を得た。このマスターバッチ混合物を、ロール表面温度を140℃(樹脂軟化点110℃)に設定した2本ロールミルにて20分間、予備混練し比較用のマスターバッチ顔料(11)を得た。ついでこのマスターバッチ顔料(11)を用いて実施例3と同様の方法でトナー化し実施例1と同様の評価を行なった。評価結果は、表1(マスターバッチ顔料特性)、表2(トナー特性)に示す。
比較例4
実施例5と同様の方法でマスターバッチ混合物を作成した。このマスターバッチ混合物を実施例5と同様の方法でロール表面温度80℃に設定した2本ロールにより15分間、予備混練した。このときの混練り量を、ロール間空間容量を1に対し、10の容量で予備混練しマスターバッチ顔料(12)を得た。
ついで、トナー原材料混合時の羽根回転数を60m/sで混合した以外は実施例1と同様の方法で比較用のトナー得て、実施例1と同様の評価を実施した。評価結果を表1(マスターバッチ顔料特性)、表2(トナー特性)に示す。
比較例5
実施例6と同じ方法で、水添加を比較例1と同じ方法で添加し予備混合物を得た。ついで、比較例4と同じ方法でマスターバッチ(13)を得た。つぎに、トナー用原材料混合時の羽根回転を25m/sで混合した以外は実施例1と同様の方法でトナー化し評価を実施した。評価結果は、表1(マスターバッチ顔料特性)、表2(トナー特性)に示す。
Figure 2006259017
Figure 2006259017


Claims (19)

  1. 少なくとも樹脂と着色剤、及び帯電制御剤とを混合攪拌し、混練し、粉砕し、分級する各工程を含むトナーの製造方法であって、該樹脂及び着色剤、帯電制御剤と、分級により発生する体積平均粒径5μm以下の規格外微粉10〜50%(トナー総重量中の比)とを、混合攪拌工程を経た後の粉体混合物から得られるトナーの凝集度が10重量%以上になるまで攪拌混合し、混練し、粉砕し、分級する工程を含むことを特徴とするトナー製造方法。
  2. 前記混合攪拌工程が、混合機能を有する混合羽根と攪拌機能を有する攪拌羽根とを有し、かつ容器自身が上下正反転可能な攪拌混合装置中で、前記規格外微粉、樹脂、着色剤及び帯電制御剤を少なくとも含むトナー原材料を混合攪拌するものであり、該規格外微粉は、該混合攪拌工程に未加工状態で使用され、該帯電制御剤が該混合攪拌工程で該規格外微粉、及び樹脂、更には着色剤表面に固定化されることを特徴とする請求項1に記載のトナー製造方法。
  3. 前記規格外微粉の添加量によって帯電を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー製造方法。
  4. 前記各原材料は、前記混合攪拌工程で1度に全原材料が混合攪拌されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー製造方法。
  5. 前記規格外微粉の粒径が、前記帯電制御剤の粒径の1/2以下であることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のトナー製造方法。
  6. 前記着色剤が、原顔料と結着樹脂とが予備混練されてなるマスターバッチ顔料であり、該マスターバッチ顔料は、原顔料が(粉体の形で)水を5〜20ml/minで連続添加(噴霧)されて結着樹脂と予備混練されてなるものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー製造方法。
  7. 前記予備混練が、前記原顔料、結着樹脂、及び所望により含まれる予備混練未完着色剤(前記予備混練処理が未完の着色剤)からなる被予備混練材料の予備混練であることを特徴とする請求項6に記載のトナー製造方法。
  8. 前記被予備混練材料の合計重量を100としたとき、水添加はその重量に対し、5〜40重量部であることを特徴とする請求項7に記載のトナー製造方法。
  9. 前記予備混練の時の温度は、結着樹脂のTgよりも10℃以上高く、尚且つ、その樹脂の軟化点の+15℃以下であることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載のトナー製造方法。
  10. 前記マスターバッチ顔料は、抵抗X(LogR)が10〜11.5であり、前記予備混練時の水添加量Y(単位;重量部/(100部当りの原顔料重量)又は(100部当りのマスターバッチ顔料重量))が、Y=−6.171X+69.5の関係を満たすことを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載のトナー製造方法。
  11. 前記予備混練が、前記被予備混練材料を少なくとも2本のロール間で繰返し混練するバッチ式混練であり、前記マスターバッチ顔料が、予備混練時のロール間にできるそれぞれのロール頂点を結んだ線から下にできた空間容積を1としたとき、1〜10の容積の該被予備混練材料を予備混練して得られたものであることを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載のトナー製造方法。
  12. 前記着色剤に前記マスターバッチ顔料を用い、トナーの所望の顔料濃度になるように同種、または異種の結着樹脂で希釈混練し、得られた混練生成物を粉砕することを特徴とする請求項6乃至11のいずれかに記載のトナー製造方法。
  13. 前記着色剤に、結着樹脂と原顔料との比率が3:7から6:4の範囲である前記マスターバッチ顔料を使用することを特徴とする請求項6乃至12のいずれかに記載のトナー製造方法。
  14. 前記被予備混練材料に水を5〜20ml/minで連続添加(噴霧)し、予備混練されて成るマスターバッチ顔料を前記着色剤として使用することを特徴とする請求項6乃至13のいずれかに記載のトナー製造方法。
  15. 前記予備混練される被予備混練材料(結着樹脂と原顔料と予備混練未完着色剤との合計)を100としたとき、水添加はその重量に対し、5〜40重量部である前記マスターバッチ顔料を前記着色剤として使用することを特徴とする請求項14に記載のトナー製造方法。
  16. 前記混合攪拌装置が、該混合攪拌装置の混合・攪拌解砕羽根軸内にはシールエアーが流れ、且つ混合容器内の内圧上昇を防ぐ、エアー抜き弁があるものであることを特徴とする請求項2乃至15のいずれかに記載のトナー製造方法。
  17. 少なくとも樹脂と着色剤、及び帯電制御剤とを混合攪拌し、混練・粉砕・分級するトナー製造の少なくとも前記混合攪拌で用いられるトナー製造装置であって、混合機能を有する混合羽根と攪拌機能を有する攪拌羽根を有し、かつ容器自身が上下正反転可能で、該混合羽根及び/又は攪拌羽根の軸内にはシールエアーが流れ、且つ混合容器内の内圧上昇を防ぐ、エアー抜き弁を有し、前記トナー製造が、少なくとも前記樹脂及び着色剤、帯電制御剤と、分級により発生する体積平均粒径5μm以下の規格外微粉10〜50%(トナー総重量中の比)とを、混合攪拌を経た後の粉体混合物から得られるトナーの凝集度が10重量%以上になるまで混合攪拌して、該帯電制御剤を該規格外微粉、及び樹脂、更には着色剤表面に固定化し、つぎの混練・粉砕・分級に投入される混合原料粉を製造するものであることを特徴とするトナー製造方装置。
  18. 請求項1乃至16のいずれかに記載の製造方法により製造されたものであることを特徴とするトナー。
  19. 請求項18に記載のトナー製造装置により製造されたものであることを特徴とするトナー。


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