JP2002268284A - トナー、トナーの製造方法、二成分現像剤、二成分現像剤の製造方法及び画像形成方法 - Google Patents

トナー、トナーの製造方法、二成分現像剤、二成分現像剤の製造方法及び画像形成方法

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JP2002268284A
JP2002268284A JP2001071095A JP2001071095A JP2002268284A JP 2002268284 A JP2002268284 A JP 2002268284A JP 2001071095 A JP2001071095 A JP 2001071095A JP 2001071095 A JP2001071095 A JP 2001071095A JP 2002268284 A JP2002268284 A JP 2002268284A
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Japan
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toner
pigment
binder resin
colorant
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JP2001071095A
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Shoichi Sugimoto
正一 杉本
Noboru Kuroda
昇 黒田
Shoichi Sugiyama
正一 杉山
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着色度、透明性、帯電特性に優れたトナー及
びトナーの製造方法を提供する。 【解決手段】 トナーは、結着樹脂と着色剤と帯電制御
剤とを含んでいる。帯電制御剤は、サリチル酸金属塩及
びサリチル酸誘導体の金属塩よりなる群の少なくとも一
つが用いられている。着色剤は、顔料と結着樹脂と水と
の混合物を加熱混練して水を除去したマスターバッチ顔
料が用いられている。このマスターバッチ顔料は、その
110℃における乾燥減量が0.01〜1.0%であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トナー、トナーの
製造方法、二成分現像剤、二成分現像剤の製造方法及び
画像形成方法に関し、詳しくは、電子写真、静電記録、
静電印刷等における静電潜像の現像に使用されるトナ
ー、トナーの製造方法、このトナーを含む二成分現像
剤、二成分現像剤の製造方法及び画像形成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真法、静電写真法等の画
像形成方法においては、潜像担持体、例えば、感光体上
に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像し、記録
材、例えば、コピー用紙に転写することにより、記録画
像が形成されている。静電潜像の現像には、トナーとキ
ャリアとを混合して得られる二成分系現像剤や、キャリ
アを含まない一成分系現像剤が用いられている。
【0003】現像剤に用いられるトナーは、結着樹脂、
着色剤(染料、顔料等)、帯電制御剤などの所定の材料
を溶融混練し、冷却して固化させた後、粉砕し、さらに
微粉砕された粉砕物を分級して得られた微粒子粉体に流
動性を持たせるために、添加剤(超微粒子状のコロイダ
ルシリカ等)を加えて撹拌混合することによって得られ
る。また、重合法により重合単量体から重合トナーを製
造する方法もあり、重合法としては懸濁重合法、乳化重
合法、分散重合法、シード重合法などが知られている。
【0004】ところで、近年、電子写真方式のカラー化
が進み、高画質、高再現性への要求が高まっている。フ
ルカラー電子写真用トナーにはイエロー、マゼンタ、シ
アン色のトナーを得ることができる着色剤が使用されて
いる。また、必要に応じてブラック色のトナーを得るこ
とができる着色剤も使用されている。
【0005】電子写真方式でカラー画像を得るために
は、このような着色剤を含むカラー現像剤において、定
着されたトナーが乱反射することのない良好な分光反射
特性を持つこと、重ね合わさったトナーがあらゆる色調
を再現するために透明性を有すること、及びトナー飛散
や画像品質において地汚れ、転写ムラ、画像濃度低下す
ることのない帯電量レベル及び連続複写時でも一定のト
ナー濃度、帯電量レベルを保持して、安定した画像が得
られることが必要である。また、現像剤中のトナー濃度
が変動するのに伴い、必要に応じて現像機中にトナー補
給されるが、二成分系現像剤の場合、補給トナーとキャ
リアとの撹拌混合によって速やかに所望の帯電量レベル
に達しないと、トナー飛散、地汚れ等の原因になること
から、帯電立ち上がり性に優れていることが要求され
る。さらに、高い解像力と画像の鮮明さを得るために、
トナーの粒径も小粒径であることが好ましい。
【0006】このように、カラートナーの場合、イエロ
ー、マゼンタ、シアンを重ね合わせて色調を再現させて
いるため、使用するトナーに要求される性能は、黒色画
像を得る場合に比べ厳しいものとなる。即ち、トナーと
しては、衝撃や湿度等の外的要因に対する機械的電気的
安定性に加え、適正な色彩の発現(着色度)やオーバー
ヘッドプロジェクター(OHP)に用いたときの光透過
性(透明性)が必要となる。
【0007】トナーの着色剤としては、染料や顔料等が
用いられている。着色剤に染料を用いるものとしては、
例えば、特開昭57−130043号公報、同57−1
30044号公報に記載のものがある。着色剤に染料を
用いた場合、得られる画像は透明性に優れ、発色性が良
くて鮮明なカラー画像の形成が可能であるが、耐光性が
劣り、直射光下に放置した場合、変色、退色してしまう
問題がある。一方、着色剤に顔料を用いるものとして
は、特開昭49−46951号公報、特開昭52−17
023号公報に記載のものがある。着色剤に顔料を用い
た場合、染料を用いた場合の問題である耐光性は優れて
いるが、結着樹脂に対する顔料の分散性が悪く、着色度
(発色性)や透明性が劣るという問題がある。
【0008】結着樹脂に対する顔料の分散性を向上する
方法として、特開昭62−280755号公報には、結
着樹脂にポリエステル樹脂(樹脂A)を用い、樹脂Aよ
りも高い分子量のポリエステル樹脂(樹脂B)により顔
料を予め被覆し、この被覆された顔料を樹脂A中に分散
させる旨が提案されている。また、特開平2−6656
1号公報には、樹脂と顔料用樹脂とを溶融混練して選ら
れる加工顔料が結着樹脂中に分散含有され、顔料用樹脂
の重量平均分子量が結着樹脂の重量平均分子量よりも小
さく、結着樹脂の重量平均分子量が10万以上とする旨
が提案されている。
【0009】また、特開平9−101632号公報に
は、結着樹脂と顔料の混合物を予め有機溶剤と共に結着
樹脂の溶融温度よりも低い温度で1段目の混練を行い、
さらに結着樹脂、帯電制御剤を加えて2段目の加熱溶融
混練を行う旨が提案されている。特開平4−39671
号公報には、重量平均分子量4万以下の結着樹脂と、こ
の結着樹脂を用いたフラッシング顔料よりなる着色剤と
を含ませる旨が提案されている。特開平4−23077
0号公報には、溶剤とこの溶剤に可溶な第1の結着樹脂
及び溶剤に不溶な着色剤の粒子を混合し、加圧条件下で
温度50〜100℃で、剪断力をかけながら着色剤の粒
子を結着樹脂に分散した後、溶剤を除去して着色剤の粒
子が分散されている着色結着樹脂組成物を得て、さらに
結着樹脂、帯電制御剤を加えて2段目の加熱溶融混練を
行う旨が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年の
高画質、高再現性に対する要求により、特開昭62−2
80755号公報及び特開平2−66561号公報に記
載の方法では、顔料の分散性が、所望の着色度、透明性
を有するまで向上できないおそれがある。
【0011】一方、特開平9−101632号公報、特
開平4−39671号公報及び特開平4−230770
号公報に記載の方法によれば、顔料の分散性を所望の着
色度、透明性を有するまで向上させることが可能であ
る。しかし、これらの方法は溶剤を使用するため、溶剤
を完全に除去しないと、帯電制御剤に影響を及ぼし、こ
れが高温環境下での使用という特殊な環境においてトナ
ーの帯電量を低下させ、トナーが飛散してしまうという
おそれがある。これは、カラートナーの色彩の再現性や
透明性を損なわずに安定した帯電を付与するために使用
される帯電制御剤として、サリチル酸金属塩及びサリチ
ル酸誘導体の金属塩が好適に用いられるが、トナー中
に、たとえ微量であっても存在する溶剤により、サリチ
ル酸金属塩等の結晶構造が変化して帯電低下、トナー飛
散の原因になるためである。
【0012】このように、トナー、特に、カラートナー
においては、適正な色彩の発現(着色度)、光透過性
(透明性)と帯電特性の安定化が大きな課題となってい
る。
【0013】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたものであり、着色度、透明性、帯電特性に
優れたトナー及びトナーの製造方法を提供することを目
的とする。また、本発明は、このようなトナーを含む二
成分現像剤、二成分現像剤の製造方法及び画像形成方法
を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の第1の観点にかかるトナーは、結着樹脂
と着色剤と帯電制御剤とを含むトナーであって、前記帯
電制御剤は、サリチル酸金属塩及びサリチル酸誘導体の
金属塩よりなる群の少なくとも一つであり、前記着色剤
は、顔料と結着樹脂と水との混合物を加熱混練して水を
除去したマスターバッチ顔料であり、該マスターバッチ
顔料の110℃における乾燥減量が0.01〜1.0%
である、ことを特徴とする。
【0015】この構成によれば、着色剤に、顔料と結着
樹脂と水との混合物を加熱混練して水を除去したマスタ
ーバッチ顔料を用い、マスターバッチ顔料の110℃に
おける乾燥減量が0.01〜1.0%であるので、顔料
の分散性が著しく向上し、所望の着色度、透明性を有す
るトナーになる。さらに、帯電制御剤にサリチル酸金属
塩及びサリチル酸誘導体の金属塩よりなる群の少なくと
も一つを用いているので、着色度、透明性を低下させる
ことなく、帯電特性に優れたトナーになる。また、マス
ターバッチ顔料中に水が残存しにくくなり、帯電特性が
低下しにくくなる。
【0016】前記マスターバッチ顔料は、70℃におけ
る乾燥減量が0.05%以下であることが好ましい。7
0℃における乾燥減量が0.05%以下であると、マス
ターバッチ顔料を用いたトナーを高温環境下で使用して
も、帯電量が低下しにくくなる。
【0017】熱天秤における加熱減量率が0.25%以
下であることが好ましい。加熱減量率が0.25%以下
であると、トナーを高温環境下で使用しても、帯電量が
低下しにくくなる。
【0018】前記帯電制御剤は亜鉛塩であることが好ま
しい。帯電制御剤に亜鉛塩を用いると、さらに、着色
度、透明性を低下させることなく、帯電特性に優れたト
ナーになる。トナーの母体粒子の重量平均粒径は9μm
以下であることが好ましい。結着樹脂はポリオール樹脂
であることが好ましい。
【0019】この発明の第2の観点にかかるトナーの製
造方法は、結着樹脂と着色剤と帯電制御剤とを含むトナ
ーの製造方法であって、前記結着樹脂と乾燥粉体顔料と
水との混合物を、110℃における乾燥減量が0.01
〜1.0%となるように加熱混練して、混合時に加えた
水を除去することによりマスターバッチ顔料からなる着
色剤を形成する着色剤形成工程と、前記着色剤形成工程
で形成された着色剤を同種または異種の結着樹脂で希釈
するとともに、サリチル酸金属塩及びサリチル酸誘導体
の金属塩の少なくとも一種からなる帯電制御剤を混合
し、当該混合物を溶融混練する溶融混練工程と、前記溶
融混練工程で溶融混練された混合物を冷却後、粉砕する
粉砕工程と、を備える、ことを特徴とする。
【0020】この構成によれば、結着樹脂と乾燥粉体顔
料と水との混合物を、110℃における乾燥減量が0.
01〜1.0%となるように加熱混練して、混合時に加
えた水を除去することによりマスターバッチ顔料を形成
しているので、顔料の分散性が著しく向上し、所望の着
色度、透明性を有するトナーになる。さらに、帯電制御
剤にサリチル酸金属塩及びサリチル酸誘導体の金属塩よ
りなる群の少なくとも一つを用いているので、着色度、
透明性を低下させることなく、帯電特性に優れたトナー
になる。また、マスターバッチ顔料中に水が残存しにく
くなり、帯電特性が低下しにくくなる。
【0021】この発明の第3の観点にかかる二成分現像
剤は、第1の観点にかかるトナーと、キャリアとを含
む、ことを特徴とする。この構成によれば、着色度、透
明性、帯電特性に優れたトナーを有する二成分現像剤に
なる。
【0022】この発明の第4の観点にかかる二成分現像
剤の製造方法は、第2の観点にかかるトナーの製造方法
により製造されたトナーにキャリアを混合する、ことを
特徴とする。この構成によれば、着色度、透明性、帯電
特性に優れたトナーを有する二成分現像剤が製造され
る。
【0023】この発明の第5の観点にかかる画像形成方
法は、感光体上の静電潜像をトナーを用いて現像してト
ナー像を形成し、該トナー像を記録材に転写して記録画
像を得る画像形成方法であって、前記トナーに第1の観
点にかかるトナーを用いる、ことを特徴とする。この構
成によれば、第1の観点にかかるトナーを用いているの
で、高画質、高再現性を有する画像が形成される。ま
た、トナー飛散、地汚れが防止される。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明のトナー、トナーの
製造方法、二成分現像剤、二成分現像剤の製造方法及び
画像形成方法について説明する。
【0025】本発明のトナーは、結着樹脂と着色剤と帯
電制御剤とを含み、着色剤としてマスターバッチ顔料を
用い、帯電制御剤としてサリチル酸金属塩及びサリチル
酸誘導体の金属塩よりなる群の少なくとも一つを含有
し、通常の溶融混練、粉砕方法で製造される全てのトナ
ー(カラートナー、黒トナー)に適用可能である。
【0026】本発明の帯電制御剤はサリチル酸またはサ
リチル酸誘導体の金属塩であり、下記の一般式によって
表される。
【化1】 (式中、R、R及びRは、水素又は炭素数1〜1
0のアルキル基或いはアリル基であり、特に、水素又は
炭素数1〜6のアルキル基或いはアリル基が好ましい。
ここで、R、R及びRは同じであっても異なって
いてもよい。また、Meは亜鉛、ニッケル、コバルト、
鉛、クロム、アルミニウム、ジルコニウム等から選ばれ
る金属であり、特に、亜鉛が好ましい。)
【0027】かかる一般式で表わされた金属塩は、CL
ARK,J.L.Kao,H.(1948)J.Ame
r.Chem.Soc.70,2151に記載された方
法によって容易に合成することができる。例えば、溶媒
中に2モルのサリチル酸ナトリウム塩(サリチル酸誘導
体のナトリウム塩を含む)と、1モルの塩化亜鉛とを添
加して混合し、加温して撹拌することにより亜鉛塩とし
て得ることができる。この金属塩は白色を呈する結晶で
あり、結着樹脂中に分散させた場合にも着色を示さない
ものである。金属塩が亜鉛塩以外のものについても上記
の方法に準じて製造することができる。サリチル酸誘導
体の金属塩中、特に好ましい化合物の具体例を示す。
【0028】
【化2】 これらの金属塩は単独で用いても二種以上を併用しても
よい。サリチル酸またはサリチル酸誘導体の金属塩は結
着樹脂中に分散させた場合にも着色を示さないことか
ら、特に、カラートナーにおける色再現性や透明性に優
れた効果を有する。また、結着樹脂中への分散も良好で
あり、帯電の立上りに優れ、地汚れの無い安定した画像
を得ることができる。帯電の立上りが悪いと、帯電量の
経時的安定性が悪くなり、安定した画像が得られなくな
る。これらのサリチル酸またはサリチル酸誘導体の金属
塩のトナー中への含有量は、トナー100重量部に対し
て0.5重量部〜5重量部が好ましい。
【0029】本発明の着色剤にはマスターバッチ顔料が
用いられる。マスターバッチ顔料は、顔料として乾燥粉
体顔料を用い、これを結着樹脂と混合する際に水を加
え、この混合物を加熱混練して混合時に加えた水を除去
することにより製造される。マスターバッチ顔料の製造
に水を用いた理由は以下の通りである。
【0030】一般に、顔料の1次粒子は0.001〜
0.1μmと非常に小さなものであるが、原材料である
乾燥粉体の状態では、数μmの大きな凝集体を形成して
いる。顔料を理想的に分散させるには、この凝集体を解
砕し、1次粒子の状態にまでバラバラにすることである
が、通常の混練方法で0.001〜0.1μmの1次粒
子を、それ以下に小さくすることは、通常の機械的な繰
り返し剪断による混練方法では限界である。即ち、顔料
の分散が悪いのは、この凝集体を解砕できないためであ
る。凝集体を解砕するためには、凝集体内部の空隙にま
で結着樹脂が入り込み、全ての1次粒子の表面を効率よ
く濡らすことである。したがって、顔料を分散させるポ
イントは、凝集体内部の空隙にまで結着樹脂を入り込ま
せることができるかにある。しかし、通常のトナーに用
いられる結着樹脂は溶融粘度が高いため、結着樹脂を凝
集体内部にまで入り込ませるには、大きなエネルギーが
必要であり、それでも、顔料を目指す1次粒子程度にま
で解砕できていないのが現状である。
【0031】本発明では、乾燥粉体顔料を濡らす方法と
して水を用いている。一般的に着色剤として使用される
有機顔料は疎水性であるが、その製造工程においては水
洗、乾燥という工程をとっているため、ある程度の力を
加えれば顔料の凝集体内部にまで水を染み込ませること
が可能である。この凝集体内部に水が染み込んだ顔料と
結着樹脂とを混合したものを、開放型の混練機で、10
0℃以上の設定温度で混練すると、凝集体内部の水は瞬
時に沸点に達して体積膨張するため、凝集体内部から凝
集体を解砕する力が加えられることになる。この凝集体
内部からの力により、外部から加える力に比べて非常に
効率良く凝集体を解砕することが可能になる。
【0032】さらに、結着樹脂は軟化点以上の温度に加
熱されているため、粘度が低くなり、凝集体を効率よく
濡らすことができるとともに、凝集体内部の沸点温度近
い水と、いわゆるフラッシングに似た効果で置換され、
1次粒子に近い状態で顔料が分散したマスターバッチ顔
料を得ることができる。加えて、水が蒸発する過程にお
いては、混練物から水の蒸発に伴う気化熱が奪われるた
め、混練物の温度は100℃以下の比較的低温高粘度に
保持され、剪断力が有効に顔料の凝集体に加えられる。
【0033】ところで、分散処理の終了したマスターバ
ッチ顔料中に溶剤や水といった成分が多量に残存するこ
とは好ましくなく、開放型混練機で加熱混練する際に加
えた水あるいは溶剤を除去する必要がある。水は顔料や
結着樹脂との親和性が低いが、結着樹脂や顔料と親和性
の高い溶剤を用いた場合より、沸点は高くても、マスタ
ーバッチ顔料中から容易に除去することができる。さら
に、通常用いられるような溶剤と、トナーで使用する帯
電制御剤とは親和性が高いため、トナー中に極微量存在
しても、高温環境という特殊な条件下では、トナー中の
溶剤が移動、拡散、蒸発するために、帯電量が低下する
といった問題が生じるが、水の場合にはトナーで使用す
る帯電制御剤との親和性が低く、このような問題も生じ
にくい。
【0034】本発明で用いる開放型混練機としては、通
常の2本ロール、3本ロールの他、バンバリーミキサー
を開放型として使用する方法や、三井鉱山社製連続式2
本ロール混練機等を用いることができる。
【0035】また、本発明のマスターバッチ顔料は、1
10℃における乾燥減量が0.01〜1.0%となるよ
うに混練することにより製造される。このようなマスタ
ーバッチ顔料を用いることで、顔料の分散性が著しく向
上する。110℃における乾燥減量が1.0%以上であ
ると、マスターバッチ顔料中に存在する水が品質に影響
を及ぼすばかりでなく、マスターバッチ顔料の混練にお
ける剪断が不十分になり、顔料の分散が悪いものになっ
てしまうためである。一方、110℃における乾燥減量
が0.01%以下であると、マスターバッチ顔料の混練
時に過剰の剪断、熱を加えなければならないため、結着
樹脂の一部が剪断されて低分子量成分が増加するといっ
た問題が生じてしまうためである。
【0036】さらに、本発明のマスターバッチ顔料は、
70℃における乾燥減量が0.05%以下であることが
好ましい。70℃における乾燥減量が0.05%以上で
あると、マスターバッチ顔料を用いてトナーにした場
合、高温環境下の使用により帯電量が低下してしまうお
それが生じるためである。
【0037】本発明における乾燥減量は、まず、サンプ
ルの粒径を整えるため、目開き0.15mm〜2.0m
mの篩で篩い分けし、両篩の間に存在したものをサンプ
ルとし、このサンプルを所定の乾燥温度に2時間静置保
管した後、デシケーター中で0.5時間冷却したものの
重量の減少量から求めた。
【0038】本発明の顔料としては、以下のものが挙げ
られる。黒色顔料としては、カーボンブラック、オイル
ファーネスブラック、チャンネル ブラック、ランプブ
ラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のア
ジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸
化物が挙げられる。黄色顔料としては、カドミウムイエ
ロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエ
ロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハ
ンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイ
エローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイ
エローNCG、タートラジンレーキが挙げられる。
【0039】また、橙色顔料としては、モリブデンオレ
ンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレン
ジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオ
レンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブ
リリアントオレンジGKが挙げられる。赤色顔料として
は、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド
4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチン
グレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアント
カーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、
アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bが挙げら
れる。
【0040】紫色顔料としては、ファストバイオレット
B、メチルバイオレットレーキが挙げられる。青色顔料
としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリ
アブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロ
シアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、
ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCが
挙げられる。緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化
クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレ
ーキ、等がある。これらは、いずれも乾燥した粉体顔料
であり、1種または2種以上を使用することができる。
【0041】本発明で使用される結着樹脂(マスターバ
ッチ顔料用の結着樹脂及びトナー用の結着樹脂)として
は、従来公知のものを広く使用することができる。例え
ば、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、あるいはポリオー
ル樹脂からなり、特にカラートナーにおいては、透明性
の面に優れたポリオール樹脂を用いることが好ましい。
【0042】ビニル樹脂としては、ポリスチレン、ポリ
P−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレ
ン及びその置換体の単重合体:スチレン−p−クロロス
チレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチ
レン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフ
タリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−
アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オク
チル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン
−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロ
メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニト
リル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合
体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレ
ン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン
−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マ
レイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重
合体などのスチレン系共重合体:ポリメチルメタクリレ
ート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポ
リ酢酸ビニルなどがある。
【0043】ポリエステル樹脂としては、以下のA群に
示したような2価のアルコールと、B群に示したような
二塩基酸塩からなるものであり、さらにC群に示したよ
うな3価以上のアルコールあるいはカルボン酸を第三成
分として加えてもよい。A群:エチレングリコール、ト
リエチレングリコール、1,2−プロピレングリコー
ル、1,3−プロピレングリコール、1,4ブタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、1,4ブテンジオー
ル、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサ
ン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポ
リオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロ
ピレン(2,2)−2,2‘−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポ
リオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン
(2,0)−2,2‘−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンなど。B群:マレイン酸、フマール酸、メ
サコニン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン
酸、フタール酸、イソフタール酸、テレフタール酸、シ
クロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セ
バチン酸、マロン酸、リノレイン酸、またはこれらの酸
無水物または低級アルコールのエステルなど。C群:グ
リセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ールなどの3価以上のアルコール、トリメリト酸、ピロ
メリト酸、などの3価以上のカルボン酸など。
【0044】ポリオール樹脂としては、エポキシ樹脂と
2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物、もしく
はそのグリシジルエーテルとエポキシ基と反応する活性
水素を分子中に1個有する化合物と、エポキシ樹脂と反
応する活性水素を分子中に2個以上有する化合物を反応
してなるものなどがある。
【0045】その他にも必要に応じて、エポキシ樹脂、
ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ブチ
ラール樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂などの
樹脂を混合して使用することもできる。エポキシ樹脂と
しては、ビスフェノールAやビスフェノールFなどのビ
スフェノールとエピクロロヒドリンとの重縮合物が代表
的である。
【0046】また、本発明のトナーに定着時のオフセッ
ト防止のために離型剤を内添してもよい。離型剤として
は、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライ
スワックスなどの天然ワックス、モンタンワックス、パ
ラフィンワックス、サゾールワックス、低分子量ポリエ
チレン、低分子量ポリプロピレン、アルキルリン酸エス
テルなどがある。これらは、結着樹脂及び定着ローラー
表面材質により選択される。これら離型剤の融点は65
〜90℃であることが好ましい。この範囲より低い場合
には、トナーの保存時のブロッキングが発生しやすくな
り、この範囲より高い場合には、定着ローラー温度が低
い領域でオフセットが発生しやすくなる場合がある。
【0047】流動性、現像性、転写性を改善するため、
無機微粉末をトナーに外添してもよい。無機微粉体とし
ては、Si、Ti、Al、Mg、Ca、Sr、Ba、I
n、Ga、Ni、Mn、W、Fe、Co、Zn、Cr、
Mo、Cu、Ag、V、Zr等の酸化物や複合酸化物が
挙げられる。これらのうち、二酸化珪素(シリカ)、二
酸化チタン(チタニア)、アルミナの微粒子が好適に用
いられる。さらに、疎水化処理剤等により表面改質処理
することが有効である。
【0048】これらの無機微粉体は、トナーに対して
0.1〜2重量%添加することが好ましい。0.1重量
%未満では、トナー凝集を改善する効果が乏しくなり、
2重量%を超える場合は、細線間のトナー飛び散り,複
写機内の汚染,感光体の傷や摩耗等の問題が生じやすく
なる傾向がある。
【0049】本発明のトナーの粒度分布は種々の方法で
測定可能であるが、本実施の形態では、コールターカウ
ンターを用いて測定を行った。即ち、測定装置としては
コールターカウンターTA−ll型(コールター社製)
を用い、個数分布、重量分布を出力インターフェイス
(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピュータ
ー(NEC製)を接続し、電解液に1級塩化ナトリウム
を用いて1%NaCl水溶液を調製した。測定法として
は、電解水溶液10〜15ml中に分散剤として界面活
性剤、好ましくは、アルキルベンゼンスルフォン酸塩を
0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20mg加
えて、超音波分散器で約1〜3分、分散処理を行った。
そして、別のビーカーに電解水溶液100〜200ml
を入れ、その中にサンプル分散液を所定の濃度になるよ
うに加え、コールターカウンターTA−ll型により、
アパーチャーとして100μmアパーチャーを用い、個
数を基準として2〜40μmの粒子の粒度分布を測定
し、2〜40μmの粒子の重量分布と個数分布を算出
し、重量分布から重量平均粒径(D4:各チャンネルの
中央値をチャンネルの代表値とする)を求めた。
【0050】さらに、本発明のトナーに磁性材料を含有
させ、磁性トナーとして使用してもよい。磁性材料とし
ては、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケル、コバ
ルトなどの強磁性を示す金属もしくは合金またはこれら
の元素を含む化合物、強磁性元素を含まないが適当な熱
処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金、
例えば、マンガン銅アルミニウム、マンガン−銅−錫、
などのマンガンと銅とを含むホイスラー合金と呼ばれる
各種の合金、二酸化クロム、その他を挙げることができ
る。磁性体は、平均粒径が0.1〜1μmの微粉末の形
態で均一に分散されて含有されることが好ましい。ま
た、磁性体の含有割合は、トナー100重量部に対し
て、10〜70重量部であることが好ましく、特に20
〜50重量部であることが好ましい。
【0051】本発明のトナーは、熱天秤における加熱減
量率が0.25%以下であることが好ましい。より好ま
しくは0.20%である。0.25%を超える場合、高
温環境下の使用で帯電量の低下が発生してしまう。
【0052】加熱減量率は熱重量測定(Tg)にて求め
た。測定装置としては熱天秤TG(理学電気株式会社
製)を用い、試料として適量(サンプルの比重等によっ
て異なるが、10mg〜15mg程度)をセットして重
量を測定し、10℃/分の速度で200℃まで昇温させ
た時のスタート〜100℃までの試料重量の変化率を次
式から求めた。
【0053】
【数1】 式中、W0は初期試料重量(mg)、W1は加熱スター
ト〜100℃までの試料重量最大値(mg)、W2は加
熱スタート〜100℃までの試料重量最小値(mg)で
ある。
【0054】また、本発明のトナーは、一成分現像剤、
二成分現像剤のいずれでも使用可能である。二成分現像
剤として用いる場合には、トナーとキャリア粉とを混合
して用いられる。この場合のキャリア粉としては、公知
のものがすべて使用可能であり、例えば、鉄粉、フェラ
イト粉、ニッケル粉、マグネタイト粉のような磁性粒子
あるいはこれら磁性粒子の表面をフッ素系樹脂、ビニル
系樹脂、シリコーン系樹脂等で処理したもの、あるいは
磁性粒子が樹脂中に分散されている磁性粒子分散樹脂粒
子等が挙げられる。磁性キャリアの平均粒径は、35〜
75μmとすることが好ましい。
【0055】次に、トナーの製造方法について説明す
る。トナーの製造方法は、マスターバッチ顔料からなる
着色剤を形成する着色剤形成工程と、着色剤を含む混合
物を溶融混練する溶融混練工程と、溶融混練された混合
物を冷却後、粉砕する粉砕工程と、粉砕物を分級する分
級工程とを備えている。
【0056】まず、乾燥粉体顔料、結着樹脂、水をヘン
シェルミキサーの如き混合機により充分に混合する。次
に、開放型混練機により、110℃における乾燥減量が
0.01〜1.0%となるように、加熱混練して、混合
時に加えた水を除去してマスターバッチ顔料を得る(着
色剤形成工程)。開放型混練機としては、通常の2本ロ
ール、3本ロールの他、バンバリーミキサーを開放型と
して使用するもの、三井鉱山社製連続式2本ロール混練
機等が挙げられる。
【0057】続いて、得られたマスターバッチ顔料を同
種または異種の結着樹脂荷電制御剤、磁性トナーとする
場合は磁性体、その他の添加剤等をヘンシェルミキサー
の如き混合機により充分に混合する。次に、この混合物
を熱混練機を用いて溶融混練する(溶融混練工程)。熱
混練機としては、バッチ式の2本ロール、バンバリーミ
キサーや連続式の2軸押出し機、例えば、神戸製鋼所社
製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押
出し機、日本製鋼所社製TEX型2軸押出し機、池貝鉄
工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型
2軸押出し機や、連続式の1軸混練機、例えば、ブッス
社製コ・ニーダ等が挙げられる。
【0058】続いて、溶融混練された混合物を冷却後、
ハンマーミル等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を
用いた微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、粉砕す
る(粉砕工程)。そして、旋回気流を用いた分級機やコ
アンダ効果を用いた分級機により所定の粒度に分級する
(分級工程)。なお、トナーに無機微粉体を外添する場
合には、トナーと無機微粉体とをヘンシェルミキサーの
如き混合機により充分混合し、250メッシュ以上の篩
を通過させ、粗大粒子、凝集粒子を除去する。
【0059】本発明のトナーは、図1に示すような現像
機により画像形成を行うことができる。以下、本発明の
トナーを用いた画像形成方法について説明する。
【0060】まず、トナータンク1中に充填されている
トナーを、トナー供給羽根2を回転させることにより、
現像機3に供給する。次に、現像機3に供給されたトナ
ーを、その濃度を均一にするように、現像機3中の撹拌
羽根4、5により撹拌混合して、トナーに帯電を与え
る。続いて、現像ドクターブレード6により、現像機3
内の現像剤を現像ローラー7上に均一に付着させる。次
に、潜像保持体(感光体ドラム)8上に形成された、ト
ナーと逆極性の電荷を帯びた静電潜像に対して、現像ロ
ーラー7に直流バイアス電圧を印加させることによっ
て、静電潜像を現像する。そして、記録紙に転写するこ
とにより、複写された画像を得ることができる。
【0061】また、本発明のトナーを用いた画像形成方
法は、これまでの電子写真プロセス等の条件を満たす公
知のプロセスすべてを使用することができる。また、2
色以上の複数色トナーを用いたカラー画像形成方法の場
合には、画像読み取り時に色分解された各分解色ごとの
信号を、帯電、レーザー光露光による画像書き込みと、
それに対応するカラートナーで現像するというプロセス
を繰り返し、イエロー、マゼンタ、シアン、黒トナーの
4色トナー像を感光体上に形成する。そして、一括して
記録紙に転写するにより、複写されたカラー画像を得る
ことができる。
【0062】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明
をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらに限定
されるものではない。なお、以下の例における部は重量
基準である。
【0063】 <マスターバッチ顔料の製造> (製造例1) 顔料:キナクリドン系マゼンタ顔料(C.I. Pigment Red122) :50部 結着樹脂:ポリオール樹脂 :50部 水 :30部 上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料の凝
集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表
面温度130℃に設定した2本ロール混練機により45
分間混練を行い、マスターバッチ顔料(1)を得た。こ
のマスターバッチ顔料(1)の乾燥減量を測定したとこ
ろ、110℃では0.02%、70℃では0.00%で
あった。
【0064】 (製造例2) 顔料:キナクリドン系マゼンタ顔料(C.I. Pigment Red122) :50部 結着樹脂:ポリエステル樹脂 :50部 水 :30部 上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料の凝
集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表
面温度110℃に設定した2本ロール混練機により30
分間混練を行い、マスターバッチ顔料(2)を得た。こ
のマスターバッチ顔料(2)の乾燥減量を測定したとこ
ろ、110℃では1.00%、70℃では0.02%で
あった。
【0065】 (製造例3) 顔料:キナクリドン系マゼンタ顔料(C.I. Pigment Red122) :50部 結着樹脂:ポリエステル樹脂 :50部 水 :30部 上記原材料を製造例1と同様の方法で処理し、マスター
バッチ顔料(3)を得た。このマスターバッチ顔料
(3)の乾燥減量を測定したところ、110℃では0.
02%、70℃では0.00%であった。
【0066】 (製造例4) 顔料:銅フタロシアニンブルー顔料(C.I. Pigment Bluw15) :50部 結着樹脂:ポリエステル樹脂 :50部 水 :25部 上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料の凝
集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表
面温度130℃に設定した2本ロール混練機により45
分間混練を行い、マスターバッチ顔料(4)を得た。こ
のマスターバッチ顔料(4)の乾燥減量を測定したとこ
ろ、110℃では0.01%、70℃では0.00%で
あった。
【0067】 (製造例5) 顔料:キナクリドン系マゼンタ顔料(C.I. Pigment Red122) :50部 結着樹脂:ポリオール樹脂 :50部 水/アセトン(=50/50) :30部 上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料の凝
集体中に水/アセトンが染み込んだ混合物を得た。これ
をロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロール混練機
により45分間混練を行い、マスターバッチ顔料(5)
を得た。このマスターバッチ顔料(5)の乾燥減量を測
定したところ、110℃では2.00%、70℃では
0.60%であった。
【0068】 <現像剤の製造> (実施例1) 結着樹脂:ポリオール樹脂 :100部 着色剤:マスターバッチ顔料(1) : 13部 帯電制御剤:サリチル酸亜鉛誘導体 : 2部 (ボントロンE84、オリエント化学) 上記原材料をヘンシェルミキサーにより混合し、2軸押
出し機により溶融混練した。これを圧延冷却後、ハンマ
ーミルで粗粉砕し、さらにジェット気流式粉砕機によ
り、微粉砕を行い、風力式分級機にて微粉分級を行っ
て、重量平均粒径10.0μmのトナーの母体粒子を得
た。さらに、母体粒子に疎水性シリカ1部を加え、ヘン
シェルミキサーにて混合し、その後、超音波式振動篩に
より凝集体を除去して、実施例1のトナーを得た。この
トナーの熱天秤における加熱減量率は0.18%であっ
た。そして、このトナー5部をシリコン樹脂コートキャ
リア95部と混合して二成分現像剤を作成した。
【0069】(実施例2)母体粒子の重量平均粒径が
8.0μmに変えた以外は実施例1と同様にして、トナ
ー、二成分現像剤を作成した。また、トナーの熱天秤に
おける加熱減量率は0.17%であった。
【0070】 (実施例3) 結着樹脂:ポリエステル樹脂 :100部 着色剤:マスターバッチ顔料(3) : 13部 帯電制御剤:サリチル酸亜鉛誘導体 : 2部 (ボントロンE84、オリエント化学) 上記原材料を実施例1と同様の処理を行い、トナーを作
成した。トナーの母体粒子の重量平均粒径は8.0μm
であった。また、トナーの熱天秤における加熱減量率は
0.17%であった。このトナー5部をシリコン樹脂コ
ートキャリア95部と混合して二成分現像剤を作成し
た。
【0071】 (実施例4) 結着樹脂:ポリエステル樹脂 :100部 着色剤:マスターバッチ顔料(2) : 13部 帯電制御剤:サリチル酸亜鉛誘導体 : 2部 (ボントロンE84、オリエント化学) 上記原材料を実施例1と同様の処理を行い、トナーを作
成した。トナーの母体粒子の重量平均粒径は8.0μm
であった。また、トナーの熱天秤における加熱減量率は
0.23%であった。このトナー5部をシリコン樹脂コ
ートキャリア95部と混合して二成分現像剤を作成し
た。
【0072】 (実施例5) 結着樹脂:ポリエステル樹脂 :100部 着色剤:マスターバッチ顔料(4) : 6部 帯電制御剤:サリチル酸亜鉛誘導体 : 2部 (ボントロンE84、オリエント化学) 上記原材料を実施例1と同様の処理を行い、トナーを作
成した。トナーの母体粒子の重量平均粒径は8.0μm
であった。また、トナーの熱天秤における加熱減量率は
0.15%であった。このトナー5部をシリコン樹脂コ
ートキャリア95部と混合して二成分現像剤を作成し
た。
【0073】 (比較例1) 結着樹脂:ポリオール樹脂 :100部 着色剤:マスターバッチ顔料(1) : 13部 帯電制御剤:含フッ素四級アンモニウム塩 : 2部 上記原材料を実施例1と同様の処理を行い、トナーを作
成した。トナーの母体粒子の重量平均粒径は8.0μm
であった。また、トナーの熱天秤における加熱減量率は
0.19%であった。このトナー5部をシリコン樹脂コ
ートキャリア95部と混合して二成分現像剤を作成し
た。
【0074】 (比較例2) 結着樹脂:ポリオール樹脂 :100部 着色剤:マスターバッチ顔料(5) : 13部 帯電制御剤:サリチル酸亜鉛誘導体 : 2部 (ボントロンE84、オリエント化学) 上記原材料を実施例1と同様の処理を行い、トナーを作
成した。トナーの母体粒子の重量平均粒径は8.0μm
であった。また、トナーの熱天秤における加熱減量率は
0.35%であった。このトナー5部をシリコン樹脂コ
ートキャリア95部と混合して二成分現像剤を作成し
た。
【0075】<評価方法>上記のように作成したトナー
について、その初期評価としての着色度、透明性(ヘー
ズ度)、帯電量(20℃環境、40℃環境)、帯電立上
り性についての評価を行った。また、上記のように作成
したトナーを含む二成分現像剤について、ランニング評
価についての評価を行った。
【0076】(1)着色度 白色紙上に、それぞれ単色で画像濃度:1.0mg/c
、定着温度:160℃の条件で定着し、マクベス濃
度計(RD−514)にて着色度を測定した。着色度
は、測定した数値が大きいほど、良好な結果となる。評
価結果を表1に示す。
【0077】(2)透明性(ヘーズ度) OHPシート上に、それぞれ単色で画像濃度:1.0m
g/cm、定着温度:150℃の条件で定着し、スガ
試験機社製の直続ヘーズコンピューターHGM−2DP
型により透明性を測定した。透明性は、測定した数値が
小さいほど、良好な結果となる。評価結果を表1に示
す。
【0078】(3)帯電量 トナー及びキャリアをトナー濃度5%になるように計量
し、所定の温度環境下に1時間静置保管したあと、所定
の環境下で10分間攪拌混合する。これを500メッシ
ュの網をセットした測定用ゲージに入れ、30秒間ブロ
ーオフし、飛散した粉体の電荷量Q(μC)と質量M
(g)を測定し、帯電量Q/M(μC/g)を求めた。
評価結果を表1に示す。
【0079】(4)帯電立上り性 (3)の帯電量の測定で10分間攪拌混合時の帯電量を
Q1とし、20秒間攪拌混合時の帯電量をQ2とし、次
式により求めた。帯電立上り性は、求めた数値が大きい
ほど、良好な結果となる。評価結果を表1に示す。 (Q2/Q1)×100(%)
【0080】(5)ランニング評価 得られた二成分現像剤をリコー製Imagio col
or2800にセットし、単色モードで10000枚の
ランニングを実施した後の現像部回りのトナーの飛散の
程度を評価した。評価結果を表1に示す。
【0081】
【表1】
【0082】表1の実施例1〜5に示すように、帯電制
御剤にサリチル酸亜鉛誘導体、着色剤に110℃におけ
る乾燥減量が0.01〜1.0%のマスターバッチ顔料
を用いることにより、着色度、透明性、帯電量、帯電立
上り性に優れたトナーを製造することができる。比較例
1に示すように、帯電制御剤にサリチル酸誘導体ではな
く含フッ素四級アンモニウム塩を用いると、帯電の立上
り性がやや悪くなり、トナー補給時等の安定性に劣り、
帯電量も絶対値でやや低めになる。また、比較例2に示
すように、着色剤に110℃における乾燥減量が2.0
%のマスターバッチ顔料を用いると、環境による帯電低
下があり、トナー飛散も多く発生する。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、着色度、透明性、帯電
特性に優れたトナー及びこのトナーを含む二成分現像剤
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のトナーによって現像する
ための現像装置の概略図である。
【符号の説明】
1 トナータンク 2 トナー供給羽根 3 現像器 4 現像器撹拌羽根1 5 現像器撹拌羽根2 6 現像ドクターブレード 7 現像ローラ 8 潜像保持体(感光体ドラム)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 正一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA21 BA06 CA07 CA12 CA15 CA21 CA25 DA02 EA05

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結着樹脂と着色剤と帯電制御剤とを含むト
    ナーであって、 前記帯電制御剤は、サリチル酸金属塩及びサリチル酸誘
    導体の金属塩よりなる群の少なくとも一つであり、 前記着色剤は、顔料と結着樹脂と水との混合物を加熱混
    練して水を除去したマスターバッチ顔料であり、該マス
    ターバッチ顔料の110℃における乾燥減量が0.01
    〜1.0%である、ことを特徴とするトナー。
  2. 【請求項2】前記マスターバッチ顔料は、70℃におけ
    る乾燥減量が0.05%以下である、ことを特徴とする
    請求項1に記載のトナー。
  3. 【請求項3】熱天秤における加熱減量率が0.25%以
    下である、ことを特徴とする請求項1または2に記載の
    トナー。
  4. 【請求項4】前記帯電制御剤は亜鉛塩である、ことを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトナ
    ー。
  5. 【請求項5】トナーの母体粒子の重量平均粒径は9μm
    以下である、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれ
    か1項に記載のトナー。
  6. 【請求項6】前記結着樹脂はポリオール樹脂である、こ
    とを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の
    トナー。
  7. 【請求項7】結着樹脂と着色剤と帯電制御剤とを含むト
    ナーの製造方法であって、 前記結着樹脂と乾燥粉体顔料と水との混合物を、110
    ℃における乾燥減量が0.01〜1.0%となるように
    加熱混練して、混合時に加えた水を除去することにより
    マスターバッチ顔料からなる着色剤を形成する着色剤形
    成工程と、 前記着色剤形成工程で形成された着色剤を同種または異
    種の結着樹脂で希釈するとともに、サリチル酸金属塩及
    びサリチル酸誘導体の金属塩の少なくとも一種からなる
    帯電制御剤を混合し、当該混合物を溶融混練する溶融混
    練工程と、 前記溶融混練工程で溶融混練された混合物を冷却後、粉
    砕する粉砕工程と、を備える、ことを特徴とするトナー
    の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1乃至6のいずれか1項に記載のト
    ナーと、キャリアとを含む、ことを特徴とする二成分現
    像剤。
  9. 【請求項9】請求項7に記載のトナーの製造方法により
    製造されたトナーにキャリアを混合する、ことを特徴と
    する二成分現像剤の製造方法。
  10. 【請求項10】感光体上の静電潜像をトナーを用いて現
    像してトナー像を形成し、該トナー像を記録材に転写し
    て記録画像を得る画像形成方法であって、 前記トナーに請求項1乃至6のいずれか1項に記載のト
    ナーを用いる、ことを特徴とする画像形成方法。
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