JP3912573B2 - 静電荷像現像用トナー及びそのトナーの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真や静電記録の分野における静電荷像現像用トナー、及び、その静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法は、一般には光導電性物質を利用し種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙などにそのトナー像を転写した後、加熱あるいは溶剤蒸気などにより定着し、コピーを得るというものである。
【0003】
電気的潜像をトナーを用いて可視化する方法としては磁気ブラシ法、カスケード現像法、粉末雲法などが知られているが、いずれの現像法においても感光体上に忠実なトナー像を形成することが重要な工程であることはいうまでもない。
【0004】
電子写真法に使用される現像剤を構成するトナーにおいては、その摩擦帯電性をコントロールするために、通常帯電制御剤がトナー成分として用いられており、この帯電制御剤のトナー中での存在状態がトナーの摩擦帯電性をコントロールする意味では非常に重要な点であることは間違いない。
【0005】
このようなトナー粒子中に帯電制御剤を含有するトナーは、一般的には結着樹脂、着色剤、帯電制御剤を粉体状で均一に混合後、溶融混練し、さらに粉砕、つづいて分級する方法で製造される。
【0006】
しかし、上記混練物を粉砕する場合、一般的には、選択的に結着樹脂とこれに非相溶な帯電制御剤との界面で破砕が生じるために、帯電制御剤がトナー表面に露出しやすくなる。この現象は混練物中の帯電制御剤の分散粒径が大きく、分散状態が不均一なほど、混練物中の機械的強度が不均一になるため顕著になり、一方、この現象は分散粒径が小さく、分散状態が均一なほど混練物中の機械的強度も均一になるため、現れにくくなる。
【0007】
また、粉砕時に帯電制御剤と結着樹脂との界面で選択的に破砕が生じるため、粒径の小さなトナー粒子中により多くの帯電制御剤が存在することになるが、混練物中の帯電制御剤の分散粒径が大きく、分散状態が不均一な場合には、粒径の小さなトナーにおいては帯電制御剤を含有しないトナー粒子が存在することがある。このようなトナー粒子は、摩擦帯電量をコントロールすることができずに、現像時に地汚れ成分となりやすいことが知られている。この現象は、トナーの粒度分布で小粒径の成分が多いトナーほど影響を受けやすいことは当然であり、本発明者らの検討したところによれば、特に5.04μm以下のトナー粒子において顕著である。
【0008】
このような問題を解決するために、特許第2825615号では、トナー表面に存在する帯電制御剤の量とトナー粒子の全体に存在する帯電制御剤の量について規定しているが、この方法では小粒径のトナー中に存在する帯電制御剤を含有しないトナー粒子の存在をコントロールすることはできない。
【0009】
さらに、特開昭62−209541号、同63−301964号、同64−68764号、同63−244056号、同63−318570号、同63−131148号、同62−246043号、同63−2075号では、帯電制御剤をトナーのバインダー樹脂と共に溶融混練せずに、バインダー樹脂と着色剤等とを溶融混練して得られる核粒子の表面に荷電制御剤を固着させることにより、トナーの摩擦帯電性の向上を図る技術が提案されている。この方法によれば小粒径のトナー粒子にも確実に帯電制御剤を存在させることが可能になるが、生産性が悪く、コスト高になるために実用化されていないのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなトナーを電子写真法に用いた場合には、帯電が良好に行われないため、地汚れを生じさせ、高画質が得られない。
従って、本発明の目的は、地汚れの少ない、高画質な画像が得られるトナーを提供することにある。本発明の他の目的は上記トナーの製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、第一に、少なくとも結着樹脂、着色剤、帯電制御剤からなる静電荷像現像用トナーにおいて、(a)該トナーの重量平均粒径が6.0〜11.5μmであり、(b)粒径5.04μm以下のトナーを15〜60個数%含有し、かつその個数平均粒径は4.0〜4.5μmであり、(c)粒径5.04〜12.7μmの範囲のトナーを40〜90個数%含有し、かつその重量平均粒径は6.0〜9.5μmであり、(d)粒径16.0μm以上のトナー含有量は2重量%以下であり、(e)個数平均粒径4.0〜4.5μmのトナー中の帯電制御剤量(重量割合)C1と全トナー中の帯電制御剤量(重量割合)CTの比がC1/CT=1.00〜1.10であることを特徴とするトナーが提供される。
【0012】
第二に、少なくとも結着樹脂、着色剤、帯電制御剤からなる静電荷像現像用トナーにおいて、(a)該トナーの重量平均粒径が6.0〜11.5μmであり、(b’)粒径5.04μm以下のトナーを15個数%以下含有し、かつその個数平均粒径は4.2〜4.8μmであり、(c)粒径5.04〜12.7μmの範囲のトナーを40〜90個数%含有し、かつその重量平均粒径は6.0〜9.5μmであり、(d)粒径16.0μm以上のトナー含有量は2重量%以下であり、(e’)個数平均粒径4.2〜4.8μmのトナー中の帯電制御剤量(重量割合)C2と全トナー中の帯電制御剤量(重量割合)CTの比がC2/CT=1.02〜1.15であることを特徴とするトナーが提供される。
【0013】
第三に、上記第一の静電荷像現像用トナーの製造において、結着樹脂、着色剤、帯電制御剤を粉体状態で混合する工程、得られた混合粉体を溶融混練する工程、混練物を粉砕する工程、粉砕工程で得られた粒子を分級し、所定の粒度分布にする分級工程を有し、該混練工程で混練物に加える比エネルギーが0.15kWH/kg以上であることを特徴とするトナーの製造方法が提供される。
【0014】
第四に、上記第三の製造方法において、混練工程で混練物に加える比エネルギー密度が0.3kWH/kg/min以下であることを特徴とするトナーの製造方法が提供される。
【0015】
第五に、上記第二の静電荷像現像用トナーの製造において、結着樹脂、着色剤、帯電制御剤を粉体状態で混合する工程、得られた混合粉体を溶融混練する工程、混練物を粉砕する工程、粉砕工程で得られた粒子を分級し、所定の粒度分布にする分級工程を有し、該混練工程で混練物に加える比エネルギーが0.1kWH/kg以上であることを特徴とするトナーの製造方法が提供される。
【0016】
第六に、上記第五のトナーの製造方法において、混練工程で混練物に加える比エネルギー密度が0.2kWH/kg/min以下であることを特徴とするトナーの製造方法が提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の方法を更に詳しく説明する。なお以降において、帯電制御剤量C1とあるのは個数平均粒径4.0〜4.5μmのトナー中に占める帯電制御剤の重量割合であり、帯電制御剤量C2とあるのは個数平均粒径4.2〜4.8μmのトナー中に占める帯電制御剤の重量割合であり、帯電制御剤CTとあるのは全トナー中に占める帯電制御剤の重量割合である。また、前記の及び後述の粒径5.04〜12.7μmとあるのは、厳密には、粒径が5.04より以上12.7μm以下のことである。
【0018】
本発明の最も特徴とするところは、個数平均粒径4.0〜4.5μmの小粒径トナー中の帯電制御剤の量と全トナー中の帯電制御剤の量との比を、粒径5.04μm以下の個数%によって、ある特定の数値にすることにある。具体的には、▲1▼粒径5.04μm以下トナー粒子が15〜60個数%の場合、個数平均粒径4.0〜4.5μmのトナー中の帯電制御剤量C1と全トナー中の帯電制御剤量CTの比がC1/CT=1.00〜1.10であることが特徴である。または、▲2▼粒径5.04μm以下トナー粒子が15個数%以下の場合、個数平均粒径4.2〜4.8μmのトナー中の帯電制御剤量C2と全トナー中の帯電制御剤量CTの比がC2/CT=1.02〜1.15であることが特徴である。
【0019】
このように構成することで、地汚れのない、高画質な画像を得ることができるトナーを、効率よく製造することができる。その理由を次に示す。
【0020】
静電荷像現像用トナーは、図1に示すように、結着樹脂13中に着色剤11、帯電制御剤12が分散した構造を有する。このようなトナーは、一般的には結着樹脂、着色剤、帯電制御剤を粉体状で均一に混合後、溶融混練し、さらに粉砕、つづいて分級する方法で製造される。
【0021】
しかし、上記混練物を粉砕する場合、一般的には、選択的に結着樹脂とこれに非相溶な帯電制御剤との界面で破砕が生じ易い。したがって帯電制御剤の分散が悪いと、図2に示すように、粒径の大きいトナー中の帯電制御剤量に比べ、粒径の小さなトナー粒子中の帯電制御剤量が多くなるが、小粒径トナーの中には、帯電制御剤を含有しないトナー粒子も存在するようになる。したがって分散が良好なトナーほどC1/CT,C2/CTの値は1に近づき、小粒径トナー中の帯電制御剤を含有しないトナー粒子の存在が少なくなる。
【0022】
画像を形成した時の地汚れの程度は、この帯電制御剤を含有しない小粒径のトナーの存在によるところが大きい。さらには、粒径5.04μm以下のトナー粒子の個数%と、この帯電制御剤を含有しないトナー粒子の存在割合が一番の要因となる。
【0023】
すなわち、粒径5.04μm以下のトナー粒子が15〜60個数%と多く存在するトナーにおいては、帯電制御剤の分散をなるべく均一にして、帯電制御剤を含有しないトナー粒子の量を少なくし、粒径5.04μm以下のトナー粒子が15個数%以下と比較的少ないトナーにおいては、前記ほど帯電制御剤の分散を均一にしなくても、帯電制御剤を含有しないトナー粒子の量が増加することはないため、むしろ効率を最優先で生産することができる。
【0024】
本発明においては粒径16.0μm以上のトナー粒子は存在しないことが望ましく、含まれていても全トナー中2重量%以下である。このような大粒径のトナー粒子が含まれていると高画質な画像が得られにくくなる。
【0025】
さらに、本発明のトナー製造方法では、結着樹脂、着色剤、帯電制御剤を溶融混練する工程において、混練物に加える比エネルギーをある特定の数値以上にすることが一つの特徴である。具体的には粒径5.04μm以下トナー粒子が15〜60個数%の場合、0.15kWH/kg以上とし、粒径5.04μm以下トナー粒子が15個数%以下の場合、0.1kWH/kg以上とすることが特徴である。このように単位処理量当たりの混練エネルギーを規定することにより、帯電制御剤の分散状態を前述のごとく制御することが可能となる。
【0026】
さらに、本発明のトナー製造方法では、該混練工程において混練物に加える比エネルギー密度をある特定の数値以下にすることが一つの特徴である。具体的には粒径5.04μm以下のトナーが15〜60個数%の場合には0.3kWH/kg/mim以下に規定し、粒径5.04μm以下のトナーが15個数%以下の場合には0.2kWH/kg/min以下に規定することが特徴である。このように単位時間当たりの比エネルギーを規定することにより、混練時の剪断による発熱をコントロールすることができ、ひいては帯電制御剤の分散状態を、前述に加え、さらに制御することが可能となる。
【0027】
本発明のトナーは、トナー粒子内部または表面に帯電制御剤を含有するトナーにおける従来の問題点を解決し、地汚れのない高画質な画像を得ることを可能としたものである。
【0028】
トナー中で帯電制御剤を含有しない粒子は、重量平均粒径が6.0〜11.5μmのトナーの場合、そのほとんどは5.04μm以下の小粒径トナー中に存在する。帯電制御剤を含有しないトナー粒子を減少させるには、粉砕前の混練物における帯電制御剤の分散を高分散かつ均一にすればよく、その分散状態は個数平均粒径4.0〜4.5μmのトナー中の帯電制御剤量C1またはC2と全トナー中の帯電制御剤量CTとの比C1/CT又はC2/CTで表すことができる。粒径5.04μm以下のトナー粒子だけの測定は実質的に不可能であるため、個数平均粒径4.0〜4.5μm又は4.2〜4.8μmの範囲に再分級したトナー中の帯電制御剤量を測定することで代用できる。帯電制御剤が混練物中で完全に均一に分散していれば、理論的にはC1/CT=C2/CT=1.0となるが、分散が悪いほど大きな数値となる。
【0029】
粒径5.04μm以下トナー粒子が15〜60個数%と比較的多く存在する場合、C1/CT=1.00〜1.10であることが良く、さらに好ましくはC1/CT=1.00〜1.08である。C1/CTが1.10以上では帯電制御剤の分散が不十分であるため、帯電制御剤を含有しない5.04μm以下のトナー粒子が多量に存在するようになる。
【0030】
また、粒径5.04μm以下トナー粒子が15個数%以下と比較的少ない場合、C2/CT=1.02〜1.15であることが良く、さらに好ましくはC2/CT=1.05〜1.12である。この場合、もともと粒径5.04μm以下のトナー粒子が少ないため、帯電制御剤の分散をそれほど上げなくても、帯電制御剤を含有しないトナー粒子の量はそれほど多くはならない。したがって、C2/CT=1.02〜1.15で目的の効果が得られる。しかしながら、C2/CTが1.15以上では、同様に帯電制御剤の分散が不十分であるため好ましくなく、C2/CTが1.02以下では、それほど効果に違いがないうえに生産性が悪くなるという問題が発生する。
【0031】
本発明のトナーにおいては重量平均粒径は6.0〜11.5μmであり、さらに好ましくは6〜8μmである。重量平均粒径が6.0μmより以下では、長期の使用でのトナー飛散による機内の汚れ、低湿環境下での画像濃度の低下、感光体クリーニング不良といった問題が生じやすい。さらに生産性が劣るためコストが高くなるという問題も合わせ持つ。また重量平均粒径が11.5μmを超える場合は5.04μm以下の小粒径トナーの存在比率が少なくなるため、多少帯電制御剤の分散が悪くても、地汚れといった問題は生じにくい一方、微少スポットの解像度が充分でなく、画像品位が劣る傾向となる。
【0032】
また、粒径5.04μm以下のトナー粒子は、その量が15〜60個数%の場合は、その個数平均粒径が4.0〜4.5μmであることが好ましく、15個数%以下の場合は個数平均粒径が4.2〜4.8μmであることが好ましい。個数平均粒径がこの数値以下では、微小粒子が多量に存在することになり、流動性の悪化といった問題が発生するようになる。
【0033】
トナー中の帯電制御剤量の測定は次のようにして行なった。測定装置としては理学電機社製の波長分散型蛍光X線分析装置RIX3000を用いた。サンプルは試料3gを錠剤成形器にて10tonで加圧し、40mmφのペレットを作製し、出力50kVで帯電制御剤中の特定元素のピーク強度から算出した。
【0034】
トナー粒度分布は種々の方法で測定可能であるが、本発明においてはコールターカウンターを用いて行なった。
【0035】
即ち、測定装置としてはコールターカウンターTA−II型(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機社製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC社製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaC1水溶液を調製する。
【0036】
測定法としては、前記電解水溶液10〜15ml中に分散剤として富士写真フィルム社製写真用ドライウエル30%溶液を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加え、超音波分散器で約1〜3分分散処理を行なう。別のビーカーに電解水溶液100〜200mlを入れ、その中に前記サンプル分散液を1分間の粒子カウント数がおよそ30000個の濃度になるように加え、前記コールターカウンターTA−II型によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて個数を基準として2〜40μmの粒子の粒度分布を測定し、2〜40μmの粒子の重量分布と個数分布を算出し、重量分布から重量平均粒径(D4:各チャンネルの中央値をチャンネルの代表値とする)を求めた。
【0037】
また、結着樹脂、着色剤、帯電制御剤を溶融混練する工程において、混練物に加える比エネルギーを、粒径5.04μm以下トナー粒子が15〜60個数%の場合、0.15kWH/kg以上とし、5.04μm以下トナー粒子が15個数%以下の場合、0.1kWH/kg以上とすることが望ましい。比エネルギーが、この数値以下では混練物に加える剪断力が充分でないため、帯電制御剤を目的の分散状態にまで分散することができない。
【0038】
ここで比エネルギーは次の式により求めた値である。
比エネルギー =((混練時の動力)−(無負荷動力))/(混練処理量)
【0039】
さらに、該混練工程において、比エネルギーを上記設定値にするのに加え、比エネルギー密度を、粒径5.04μm以下のトナーが15〜60個数%の場合には0.3kWH/kg/min以下にし、粒径5.04μm以下のトナーが15個数%以下の場合には0.2kWH/kg/min以下とすることが望ましい。比エネルギー密度をこの数値以上にすることは、短時間に多くの剪断力を加えることになるため、剪断による発熱を生じ、混練物の粘度低下を招き、剪断力が有効に帯電制御剤の分散に働かなくなる。したがって、帯電制御剤の分散には、より多くの剪断力を、混練物が発熱しないように、ある程度時間をかけてゆっくりと混練することが好ましい。
【0040】
ここで、比エネルギー密度とは、次式により定義したものである。
比エネルギー密度 =(比エネルギー)/(実際に剪断力を加えている時間)ここで実際に剪断力を加えている時間とは、混練機中を通過する混練物の平均通過時間ではなく、混練機内部で剪断を加えられる部分の平均通過時間を意味する。
したがって混練ゾーンと送りゾーンを有する混練機の場合は、混練ゾーンの平均通過時間の加算で表される。
【0041】
本発明のトナーは流動性向上剤として無機微粉体をトナーに外添して用いることが可能であり特に好ましい。本発明の特徴とするような小粒径トナーにおける離型剤の存在状態を規定したトナーにおいては、少量の無機微粉体の存在によりさらに効果を発揮し、高流動性、高耐久性のトナーを提供することができる。
【0042】
無機微粉体としてはSi、Ti、Al、Mg、Ca、Sr、Ba、In、Ga、Ni、Mn、W、Fe、Co、Zn、Cr、Mo、Cu、Ag、V、Zr等の酸化物や複合酸化物が挙げられる。これらのうち二酸化珪素(シリカ)、二酸化チタン(チタニア)、アルミナの微粒子が好適に用いられる。
さらに、これら無機微粉体は疎水化処理剤等により表面改質処理することが有効である。
【0043】
疎水化処理剤の代表例としては以下のものが挙げられる。
ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルジクロルシラン、アリルジメチルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、p−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、クロルメチルトリクロルシラン、p−クロルフェニルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルジクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン、オクチル−トリクロルシラン、デシル−トリクロルシラン、ノニル−トリクロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−トリクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−トリクロルシラン、ジベンジル−ジクロルシラン、ジヘキシル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジノニル−ジクロルシラン、ジデシル−ジクロルシラン、ジドデシル−ジクロルシラン、ジヘキサデシル−ジクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−オクチル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジデセニル−ジクロルシラン、ジノネニル−ジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシル−ジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルベンジル−ジクロルシラン、トリヘキシル−クロルシラン、トリオクチル−クロルシラン、トリデシル−クロルシラン、ジオクチル−メチル−クロルシラン、オクチルジメチル−クロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−ジエチル−クロルシラン、オクチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ジエチルテトラメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘキサトリルジシラザン等。
【0044】
この他チタネート系カップリング剤、アルミニューム系カップリング剤も使用可能である。
【0045】
本発明に用いられる無機微粉体はトナーに対して0.1〜2重量%使用されるのが好ましい。0.1重量%未満では、トナー凝集を改善する効果が乏しくなり、2重量%を超える場合は、細線間のトナー飛び散り、機内の汚染、感光体の傷や摩耗等の問題が生じやすい傾向がある。
【0046】
また、本発明のトナーには、実質的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばテフロン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;あるいは酸化セリウム粉末、炭化珪素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤;あるいは例えばカーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末等の導電性付与剤;また、逆極性の白色微粒子、及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
【0047】
本発明のトナー用結着樹脂としては従来公知のものを広く使用することができる。例えば、ビニル樹脂あるいはポリエステル樹脂あるいはポリオール樹脂からなる。
【0048】
ビニル樹脂としては、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体=スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合休、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体:ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニルなどがある。
【0049】
ポリエステル樹脂としては以下のA群に示したような2価のアルコールと、B群に示したような二塩基酸塩からなるものであり、さらにC群に示したような3価以上のアルコールあるいはカルボン酸を第三成分として加えてもよい。
【0050】
A群:エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4ブテンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2,0)−2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなど。
【0051】
B群:マレイン酸、フマール酸、メサコニン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタール酸、イソフタール酸、テレフタール酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、リノレイン酸、またはこれらの酸無水物または低級アルコールのエステルなど。
【0052】
C群:グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上のアルコール、トリメリト酸、ピロメリト酸、などの3価の以上のカルボン酸など。
【0053】
ポリオール樹脂としては、エポキシ樹脂と2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物、もしくはそのグリシジルエーテルとエポキシ基と反応する活性水素を分子中に1個有する化合物と、エポキシ樹脂と反応する活性水素を分子中に2個以上有する化合物を反応してなるものなどがある。
【0054】
その他にも必要に応じて以下の樹脂を混合して使用することもできる。
エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂など。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールAやビスフェノールFなどのビスフェノールとエピクロロヒドリンとの重縮合物が代表的である。
【0055】
本発明で用いる顔料としては以下のものが用いられる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。
【0056】
黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラル、アストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイニローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキが挙げられる。
【0057】
橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGKが挙げられる。
【0058】
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bが挙げられる。
【0059】
紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。
【0060】
青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCが挙げられる。
【0061】
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、等がある。
【0062】
これらは、1種または2種以上を使用することができる。
【0063】
また、本発明におけるトナーは定着時のオフセット現象を改善するため、トナー中に離型剤を含有する構造としてもよい。離型剤としては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックスなどの天然ワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、サゾールワツクス、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキルリン酸エステルなどがある。これらは、結着樹脂および定着ローラー表面材質により選択される。これら離型剤の融点は65〜90℃であることが好ましい。この範囲より低い場合には、トナーの保存時のブロッキングが発生しやすくなり、この範囲より高い場合には定着ローラー温度が低い領域でオフセットが発生しやすくなる場合がある。
【0064】
本発明で用いる帯電制御剤としては次のものが用いられる。
トナーを正荷電性に制御するものとして、ニグロシン及び四級アンモニウム塩、イミダゾール金属錯体や塩類を、単独あるいは2種類以上組合わせて用いることができる。また、トナーを負荷電性に制御するものとしてサリチル酸金属錯体や塩類、有機ホウ素塩類、カリックスアレン系化合物などが用いられる。
【0065】
本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合、キャリアとしては公知のものが使用可能であり、例えば、鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉、マグネタイト粉の如き磁性粒子あるいはこれら磁性粒子の表面をフッ素系樹脂、ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂等で処理したもの、あるいは磁性粒子が樹脂中に分散されている磁性粒子分散樹脂粒子等が挙げられる。これら磁性キャリアの平均粒径は35〜75μmが良い。
【0066】
本発明に係るトナーを作製する方法の一例としては、先ず、前述した結着樹脂、着色剤としての顔料又は染料、帯電制御剤、その他の添加剤等をヘンシェルミキサーの如き混合機により充分に混合した後、連続式の2軸押出し機、例えば神戸製鋼所社製のKTK型2軸押出し機、東芝機械社製のTEM型2軸押出し機、池貝鉄工社製のPCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製のKEX型2軸押出し機や、連続式の1軸混練機、例えば、ブッス社製コ・ニーダ等の熱混練機を用いて構成材料を良く混練する。この時比エネルギーを増加する方法として、混練処理量を低下する方法や、混練機設定温度を低くし、混練物を高粘度状態で混練する方法を用いる。
【0067】
また、比エネルギー密度を低くする方法としては、比較的剪断力を弱くし、かつ混練ゾーンが長くなる混練機内部構成にする方法を用いる。この比エネルギー密度を低くしながら、比エネルギーをある程度大きくする混練装置としては、前述のうちブッス社製コ・ニーダが最適である。
【0068】
続いて、混練物を冷却後、ハンマーミル等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機により所定の粒度に分級し、本発明のトナーを得る。
【0069】
ついで、無機微粉体と該トナーをヘンシェルミキサーの如き混合機により充分混合し、ついで250メッシュ以上の篩を通過させ、粗大粒子、凝集粒子を除去しトナーとする方法がある。
【0070】
【実施例】
次に、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。なお、以下の配合における部数は全て重量部である。
【0071】
実施例1
結着樹脂(ポリエステル樹脂) 100部
着色剤(カーボンブラック) 10部
帯電制御剤(サルチル酸亜鉛塩) 3部
上記原材料をミキサーで十分に混合した後、図3に示す構造の2軸押出し機により混練時の比エネルギーが0.14kWH/kg、比エネルギー密度が0.07kWH/kg/minになるように混練機ニーディングパターン、混練機温度設定、混練処理量を調整して溶融混練し、混練物(1)を得た。この混練物(1)を圧延冷却後カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、旋回式風力分級装置を用いて分級した。さらに、母体着色粒子100部に対して、疎水性シリカ0.3部をヘンシェルミキサーにて混合し、表1に示す粒度分布のトナー(1A)を得た。さらに、本トナーを粗粉分級し、個数平均粒径4.37μmのトナー(1B)を得た。トナー(1A)、トナー(1B)中の帯電制御剤含有量を蛍光X線分析装置により測定した結果、含有比率はC1/CT=1.09であった。(C1:トナー(1B)の帯電制御剤量、CT:トナー(1A)の帯電制御剤量)
【0072】
本トナーを平均粒径60μmのフェライト粒子にシリコン樹脂を表面にコートしたキャリア97.5部に対し、2.5部の割合で混合し、二成分現像剤を作成した。
【0073】
得られた現像剤中の逆帯電トナー量を測定するため、500Vの電圧を印加した対向した電極板間に、この現像剤6gを通過させ、マイナス電極板に付着したトナーを粘着テープに転写し、その濃度をマクベス濃度計により測定したところ0.17であった。数値が大きいほど逆帯電トナー量が多いことを意味している。さらに、この現像剤をリコー社製電子写真複写機(imagio DA505)にセットし、初期画像および10K枚のランニング後の画像評価を行なった。画像品質の評価は画像評価用標準S−3テストチャートを複写した時の非画像部へのトナー付着(地汚れ)の程度を拡大鏡にて観察し、1〜5のランク評価を行なった。数値が大きいほど地汚れの少ない高画質な画像となる。評価結果一覧を表2に示す。
なお、表3中の判定は下記表1の通りである。(以下同じ)
【0074】
【表1】
Figure 0003912573
【0075】
実施例2
実施例1で混練条件を変更し、比エネルギーが0.20kWH/kg、比エネルギー密度が0.31kWH/kg/minになるように混練機ニーディングパターン、混練機温度設定、混練処理量を調整して溶融混練し混練物(2)を得た。
さらに実施例1と同様に粉砕、分級して表1に示す粒度分布のトナー(2A)を得た。さらに、本トナーを粗粉分級し、個数平均粒径4.40μmのトナー(2B)を得た。トナー(2A)、トナー(2B)中の帯電制御剤の比はC1/CT=1.06であった。
【0076】
本トナー(2A)を実施例1と同様の方法で二成分現像剤を作成し、実施例1と同様の評価を実施した。評価結果一覧を表2に示す。
【0077】
実施例3
実施例1と同様の原材料を図4に示す構造の1軸混練機で、比エネルギーが0.20kWH/kg、比エネルギー密度が0.10kWH/kg/minになるように混練機ニーディングパターン、混練機温度設定、混線処理量を調整して溶融混練し混練物(3)を得た。さらに実施例1と同様に粉砕、分級して表2に示す粒度分布のトナー(3A)を得た。さらに、本トナーを粗粉分級し、個数平均粒径4.42μmのトナー(3B)を得た。トナー(3A)、トナー(3B)中の帯電制御剤量の比はC1/CT=1.03であった。
【0078】
本トナー(3A)を実施例1と同様の方法で二成分現像剤を作成し、実施例1と同様の評価を実施した。
評価結果一覧を表3に示す。
【0079】
実施例4
結着樹脂(ポリエステル樹脂) 100部
着色剤(カーボンブラック) 10部
帯電制御剤(サルチル酸亜鉛塩) 3部
離型剤(低分子量ポリエチレン) 5部
上記原材料をミキサーで十分に混合した後、実施例1と同様の方法により混練時の比エネルギーが0.09kWH/kg、比エネルギー密度が0.05kWH/kg/minになるように混練機ニーディングパターン、混練機温度設定、混練処理量を調整して溶融混練し混練物(4)を得た。さらに実施例1と同様に粉砕、分級して表2に示す粒度分布のトナー(4A)を得た。さらに、本トナーを粗粉分級し、個数平均粒径4.38μmのトナー(4B)を得た。トナー(4A)、トナー(4B)中の帯電制御剤量の比はC2/CT=1.13であった。
【0080】
本トナー(4A)を実施例1と同様の方法で二成分現像剤を作成し、実施例1と同様の評価を実施した。評価結果一覧を表3に示す。
【0081】
実施例5
実施例4で混練条件を変更し、比エネルギーが0.12kWH/kg、比エネルギー密度が0.22kWH/kg/minになるように混練機ニーディングパターン、混練機温度設定、混練処理量を調整して溶融混練し混練物(5)を得た。
さらに実施例1と同様に粉砕、分級して表2に示す粒度分布のトナー(5A)を得た。さらに、本トナーを粗粉分級し、個数平均粒径4.40μmのトナー(5B)を得た。トナー(5A)、トナー(5B)中の帯電制御剤量の比はC2/CT=1.10であった。
【0082】
本トナー(5A)を実施例1と同様の方法で二成分現像剤を作成し、実施例1と同様の評価を実施した。評価結果一覧を表3に示す。
【0083】
実施例6
実施例4の原材料を用い、実施例3と同様の図4に示す1軸混練機で、比エネルギーが0.14kWH/kg、比エネルギー密度が0.07kWH/kg/minになるように混練機ニーディングパターン、混練機温度設定、混練処理量を調整して溶融混練し混練物(6)を得た。さらに実施例1と同様に粉砕、分級して表2に示す粒度分布のトナー(6A)を得た。さらに、本トナーを粗粉分級し、個数平均粒径4.42μmのトナー(6B)を得た。トナー(6A)、トナー(6B)中の帯電制御剤量の比はC2/CT=1.06であった。
【0084】
本トナー(6A)を実施例1と同様の方法で二成分現像剤を作成し、実施例1と同様の評価を実施した。評価結果一覧を表3に示す。
【0085】
実施例7
実施例6で混練条件を変更し、比エネルギーが0.20kWH/kg、比エネルギー密度が0.10kWH/kg/minになるように混練磯ニーディングパターン、混練機温度設定、混練処理量を調整して溶融混練し混練物(7)を得た。さらに実施例1と同様に粉砕、分級して表2に示す粒度分布のトナー(7A)を得た。さらに、本トナーを粗粉分級し、個数平均粒径4.44μmのトナー(7B)を得た。トナー(7A)、トナー(7B)中の帯電制御剤量の比はC2/CT=1.03であった。
【0086】
本トナー(7A)を実施例1と同様の方法で二成分現像剤を作成し、実施例1と同様の評価を実施した。評価結果一覧を表3に示す。
【0087】
比較例1
実施例1で混練機のニーディングパターンを強剪断タイプに変更して、比エネルギーが0.16kWH/kg、比エネルギー密度が0.35kWH/kg/minになるように調整して溶融混練し混練物(8)を得た。この時混練物の温度は実施例1に比べ10〜20℃近く上昇した。さらに実施例1と同様に粉砕、分級して表2に示す粒度分布のトナー(8A)を得た。さらに、本トナーを粗粉分級し、個数平均粒径4.35μmのトナー(8B)を得た。C1/CT=1.12であった。
【0088】
本トナー(8A)を実施例1と同様の方法で二成分現像剤を作成し、実施例1と同様の評価を実施した。評価結果一覧を表3に示す。
【0089】
比較例2
実施例1で、比エネルギーが0.12kWH/kg、比エネルギー密度が0.10kWH/kg/minになるように調整して溶融混練し混練物(9)を得た。さらに実施例1と同様に粉砕、分級して表2に示す粒度分布のトナー(9A)を得た。さらに、本トナーを粗粉分級し、個数平均粒径4.37μmのトナー(9B)を得た。C1/CT=1.15であった。
【0090】
本トナー(9A)を実施例1と同様の方法で二成分現像剤を作成し、実施例1と同様の評価を実施した。評価結果一覧を表3に示す。
【0091】
比較例3
実施例4で混練機のニーディングパターンを強剪断タイプに変更して、比エネルギーが0.12kWH/kg、比エネルギー密度が0.24kWH/kg/minになるように調整して溶融混練し混練物(10)を得た。この時混練物の温度は実施例4に比べ10〜150℃近く上昇した。さらに実施例4と同様に粉砕、分級して表2に示す粒度分布のトナー(10A)を得た。さらに、本トナーを粗粉分級し、個数平均粒径4.39μmのトナー(10B)を得た。C1/CT=1.16であった。
【0092】
本トナー(10A)を実施例1と同様の方法で=成分現像剤を作成し、実施例1と同様の評価を実施した。評価結果一覧を表3に示す。
【0093】
比較例4
実施例4で、比エネルギーが0.08kWH/kg、比エネルギー密度が0.10kWH/kg/minになるように調整して溶融混練し混練物(11)を得た。さらに実施例4と同様に粉砕、分級して表2に示す粒度分布のトナー(11A)を得た。さらに、本トナーを粗粉分級し、個数平均粒径4.42μmのトナー(11B)を得た。C1/CT=1.20であった。
【0094】
本トナー(11A)を実施例1と同様の方法で二成分現像剤を作成し、実施例1と同様の評価を実施した。評価結果一覧を表3に示す。
【0095】
【表2】
Figure 0003912573
【0096】
【表3】
Figure 0003912573
【0097】
【発明の効果】
本発明によれば、帯電制御剤の分散状態を最適化し、特に5.04μm以下の粒子中に存在する帯電制御剤を含有していない逆帯電トナーの存在量を減少することができるため、地汚れのない、高画質な画像を得ることができるトナーを効率よく製造することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーの構成概念図。
【図2】従来のトナーの構成概念図。
【図3】本発明トナーの製造に用いる2軸押出し機の一例の概略図。
【図4】本発明トナーの製造に用いる1軸混練機の一例の概略図。
【符号の説明】
11 着色剤
12 帯電制御剤
13 結着樹脂
21 原材料供給口
22 排出口
23 加熱シリンダー
24 ベント孔
25 モーター
26 ダムライナー
27 ニーディングビン

Claims (6)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤、帯電制御剤からなり、下記(a)(b)(c)(d)(e)の条件を充すことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
    (a)全トナーの重量平均粒径が6.0〜11.5μmであること
    (b)粒径5.04μm以下のトナーを15〜60個数%含有し、かつその個数平均粒径が4.0〜4.5μmであること
    (c)粒径5.04〜12.7μmのトナーを40〜90個数%含有し、かつその重量平均粒径が6.0〜9.5μmであること
    (d)粒径16.0μm以上のトナー含有量は2重量%以下であること
    (e)個数平均粒径4.0〜4.5μmのトナー中の帯電制御剤量(重量割合)C1と全トナー中の帯電制御剤量(重量割合)CTの比が、C1/CT=1.00〜1.10であること
  2. 少なくとも結着樹脂、着色剤、帯電制御剤からなり、下記(a)(b’)(c)(d)(e’)をの条件を充すことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
    (a)全トナーの重量平均粒径が6.0〜11.5μmであること
    (b’)粒径5.04μm以下のトナーを15個数%以下含有し、かつその個数平均粒径が4.2〜4.8μmであること
    (c)粒径5.04〜12.7μmのトナーを40〜90個数%含有し、かつその重量平均粒径が6.0〜9.5μmであること
    (d)粒径16.0μm以上のトナー含有量は2重量%以下であること
    (e’)個数平均粒径4.2〜4.8μmのトナー中の帯電制御剤量(重量割合)C2と全トナー中の帯電制御剤量(重量割合)CTの比が、C2/CT=1.02〜1.15であること
  3. 請求項1記載の静電荷像現像用トナーの製造において、結着樹脂、着色剤、帯電制御剤を粉体状態で混合する工程、得られた混合粉体を溶融混練する工程、混練物を粉砕する工程、粉砕工程で得られた粒子を分級し、所定の粒度分布にする分級工程を有し、該混練工程で混練物に加える比エネルギーが0.15kWH/kg以上であることを特徴とするトナーの製造方法。
  4. 請求項3記載のトナーの製造方法において、混練工程で混練物に加える比エネルギー密度が0.3kWH/kg/min以下であることを特徴とするトナーの製造方法。
  5. 請求項2記載の静電荷像現像用トナーの製造において、結着樹脂、着色剤、帯電制御剤を粉体状態で混合する工程、得られた混合粉体を溶融混練する工程、混練物を粉砕する工程、粉砕工程で得られた粒子を分級し、所定の粒度分布にする分級工程を有し、該混練工程で混練物に加える比エネルギーが0.1kWH/kg以上であることを特徴とするトナーの製造方法。
  6. 請求項5記載のトナーの製造方法において、混練工程で混練物に加える比エネルギー密度が0.2kWH/kg/min以下であることを特徴とするトナーの製造方法。
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