JP5282517B2 - 静電荷像現像用トナーの製造方法及び静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Description
乾式現像方式における画像形成に使用されるトナーは、通常、トナー用バインダー樹脂、ワックス、着色剤、帯電制御剤を所定量ずつ混合して混練機により混練物を製造し、その混練物を粉砕し、分級して得られる。トナーに要求される様々な性能、品質を保持するために、トナーの混練工程においては、特にトナー用バインダー樹脂中に他材料を微分散させることが要求されている。特に近年の省エネに対応して画像の低温定着化が図られ、この低温定着化に対応させるためにトナー中のワックス含有量は増加傾向にあるが、トナー中のワックス分散径が大きいと現像装置内の汚染や現像装置内の汚染を発生させてしまうため、ワックスの微分散化についての研究が進められている。
しかし、これらの特許文献に開示されたいずれの発明も混練内部の背圧、特に排出部近辺の背圧には着目しておらず、ワックスの再凝集抑制という点では不十分であった。
また、特許文献5では、混練機内部の背圧抑制のために混練機の途中から材料を排出させることによって、排出部の背圧を抑制しワックスの微分散化を図っているが、排出後の混練物の冷却までは考慮されておらず、排出された混練物が完全に冷却されるまでに、結局はワックスの再凝集が発生してしまうという問題がある。
(1)本発明の静電荷現像用トナーの製造方法は、バレルの内壁に剪断ピンが設置され、かつ温度調整可能な二つ以上の混練バレルゾーンと、スクリューシャフトにスクリュー羽根が設置された温度調整可能なスクリューを一つ備えた混練部を有し、前記スクリューの回転と同時に前後運動する単軸の連続混練機を用いた静電荷現像用トナーの製造方法において、前記スクリューシャフトと前記バレル内壁で形成される円環状のクリアランスから、少なくともトナー用バインダー樹脂とワックスと着色剤を含むトナー粉体原料の混練物を排出させ、かつ前記スクリューシャフトの温度Ts(℃)及び混練物の排出側に位置する混練バレルゾーンの温度To(℃)が混練物の軟化点Tm(℃)よりも低い温度であり、前記バレルの内径D(mm)と前記円環状のクリアランスC1(mm)とが、0.02D≦C1≦0.33D の関係を満たすことを特徴とする。
(2)本発明の静電荷現像用トナーの製造方法は、前記(1)に記載の静電荷現像用トナーの製造方法において、前記二つ以上の混練バレルゾーン全体の長さである混練部の長さL(mm)と前記バレルの内径D(mm)とが、L/D≦11 の関係を満たすことを特徴とする。
(3)本発明の静電荷現像用トナーの製造方法は、前記(2)に記載の静電荷現像用トナーの製造方法において、前記スクリュー羽根の最外部の周速V(m/s)が0.35以下であることを特徴とする。
(4)本発明の静電荷現像用トナーの製造方法は、前記(3)に記載の静電荷現像用トナーの製造方法において、前記スクリュー羽根と剪断ピンのクリアランスC2(mm)と前記バレルの内径D(mm)とが、0.001D≦C2≦0.03D の関係を満たすことを特徴とする。
(5)本発明の静電荷現像用トナーの製造方法は、前記(4)に記載の静電荷現像用トナーの製造方法において、前記トナー粉体原料の供給側に位置する混練バレルゾーンの温度Ti(℃)と混練物の軟化点Tm(℃)とが、Ti≦Tm−20 の関係を満たすことを特徴とする。
(6)本発明の静電荷現像用トナーは、前記(1)ないし(5)のいずれかの静電荷現像用トナーの製造方法により製造された静電荷像現像用トナーである。
以下、図面に基づいて本発明について詳細に説明する。図1は、本発明で用いる粉体混練装置の一例を示す概要図であり、図2は、図1に示す粉体混練装置における混練部の断面図であり、図3は、図1に示す粉体混練装置における排出部の拡大図である。
静電荷像現像用トナーの製造に際しては、図1に示す原料供給口2よりトナー粉体原料が供給される。トナー粉体原料はスクリューシャフト1に設置された搬送用スクリュー羽根3の回転により混練部Lへ向って搬送されていく。搬送されたトナー粉体原料は、混練用スクリュー羽根5及び剪断ピン6が、図2に示すように設置されている混練部Lへ到達し、溶融混練される。
回転する混練用スクリュー羽根5と固定された剪断ピン6との間をトナー粉体原料が前後運動をしながら搬送されていくと同時に、混練用スクリュー羽根5と剪断ピン6とのクリアランスC2(図3参照)によって剪断応力を受け、トナー粉体原料が分散される。また、混練部Lにおけるトナー粉体原料の滞留の調整に絞りリング4を用いてもよい。混練部Lにて連続に剪断応力を受けたトナー粉体原料は最終的にバレル7とスクリューシャフト1の先端のクリアランスC1(図3参照)から混練装置外に排出される。
図1において、B1はトナー粉体原料の供給側に位置する混練バレルゾーン、B4は混練物の排出側に位置する混練バレルゾーン、B2及びB3は中間混練バレルゾーンであり、これらの混練バレルゾーンで混練部Lが形成されている。図1に示す粉体混練装置では、4つの混練バレルゾーンを有しているが、本発明においては、後述する図4に示すように、中間混練バレルゾーンを設けていない粉体混練装置であってもよい。
ワックス微分散化のためには、低温混練化によってトナー粉体原料が受ける剪断応力の向上と背圧の抑制、及び排出された混練物の冷却によるワックス再凝集の抑制が有効であることを、本発明者らは知見した。そこで、本発明では、混練物の排出側に位置する混練バレルゾーンB4の温度To(℃)及びスクリューシャフト1の温度Ts(℃)を混練物の軟化点Tm(℃)より低く設定している。Ts、Toは混練物の軟化点Tmに対して最適値が決定される。
To(℃)及びTs(℃)は、好ましくは(Tm−5)(℃)以下、より好ましくは(Tm−20)(℃)以下として、低温混練を行うことが好ましい。また、スクリューシャフト1と混練物の排出側に位置する混練バレルゾーンB4の円環状のクリアランスC1から混練物を排出させることで、混練装置からの混練物の排出直前まで搬送機構によって混練物が搬送されるので、排出時に混練物にかかる背圧が抑制される。さらに、混練物が円環状に排出されるため、排出後の混練物の厚みが減少される。このため、スクリュー及び大気による混練物の冷却効率が飛躍的に向上する。なお、スクリュー羽根の温度は、Tsと同程度である。
混練装置の内部において、トナー用バインダー樹脂へのワックスの分散は常に進行するのではなく、混練の初期の段階、特にトナー粉体原料が溶融され粘性が発生する付近にてトナー粉体原料がどれだけ大きな剪断応力を受けるかが、ワックスの微分散化に大きな影響を及ぼす。すなわち、トナー粉体原料を溶融混練する混練ゾーン以降の混練ゾーンではワックスの分散はほとんど進行していないことを、本発明者らは知見した。そこで、本発明では、混練部の長さをL(図1参照)とした場合、L/D≦11、好ましくはL/D≦7とすることで溶融混練の効率を図ることができる。
トナー粉体原料の混練に際し、混練用スクリュー羽根5と剪断ピン6の間のクリアランスC2(図3参照)にてトナー粉体原料が剪断応力を受けるが、剪断応力を増大させるためには、クリアランスが狭い方が好ましい。しかし、このクリアランスが狭すぎるとスクリュー羽根5と剪断ピン6とが接触し、お互いが摩耗して混練物に混入するという問題が発生する。したがって、スクリュー羽根5と剪断ピン6との間のクリアランスC2とバレルの内径D(mm)とは、0.001D≦C2≦0.03Dの関係にあることが好ましく、より好ましくは0.015D≦C2≦0.028Dである。
トナー粉体原料供給側の混練バレルゾーンB1の温度Ti(℃)はトナー粉体原料の供給量に対して非常重要な要素である。Tiが高すぎると、トナー粉体原料が供給部入口で溶解し、供給部が閉塞してしまうおそれがある。したがって、Tiと混練物の軟化点Tm(℃)とは、Ti≦Tm−20の関係を満たすことが好ましく、より好ましくは、Ti≦Tm−30である。
−トナー用バインダー樹脂−
トナー用バインダー樹脂としては、従来公知のものを広く使用することができる。例えば、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂などが挙げられる。
前記ビニル樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリP−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体:スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体:ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニルなどが挙げられる。
A群:エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2,0)−2,2'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなど。
B群:マレイン酸、フマール酸、メサコニン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタール酸、イソフタール酸、テレフタール酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、リノレイン酸、これらの酸無水物または低級アルコールのエステルなど。
C群:グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上のアルコール、トリメリト酸、ピロメリト酸、などの3価の以上のカルボン酸など。
その他にも必要に応じて、例えば、以下の樹脂を混合して使用することもできる。例えば、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂などが挙げられる。
前記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールAやビスフェノールFなどのビスフェノールとエピクロロヒドリンとの重縮合物が代表的である。
着色剤としては、例えば、黒色顔料、黄色顔料、橙色顔料、赤色顔料、青色顔料、緑色顔料などが用いられる。
前記黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物等が挙げられる。
前記黄色顔料としては、例えば、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等が挙げられる。
前記橙色顔料としては、例えば、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK等が挙げられる。
前記赤色顔料としては、例えば、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B等が挙げられる。
前記紫色顔料としては、例えば、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等が挙げられる。
前記青色顔料としては、例えば、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等が挙げられる。
前記緑色顔料としては、例えば、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ等がある。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記顔料の使用量は、特に制限はないが、バインダー樹脂100質量部に対して0.1〜50質量部が好ましい。
離型剤としては、例えば、低分子量のポリエチレンやポリプロピレン、それらの共重合体等の合成ワックス、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、ホホバワックス等の植物ワックス、蜜ろう、ラノリン、鯨ろう等の動物ワックス、モンタンワックスやオゾケライト等の鉱物ワックス、硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリン酸、脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステル等の油脂ワックスなどが挙げられる。これらの中でも、カルナウバワックス、ポリプロピレンが好ましい。
ワックスの使用量は、バインダー樹脂100質量部に対して、通常1〜15質量部程度である。
帯電制御剤としては次のものが用いられる。
トナーを正荷電性に制御するものとして、ニグロシン及び四級アンモニウム塩、イミダゾール金属錯体や塩類の、単独あるいは2種類以上の組合わせが挙げられる。
トナーを負荷電性に制御するものとして、サリチル酸金属錯体や塩類、有機ホウ素塩類、カリックスアレン系化合物などが挙げられる。
−無機微粉体−
また、本発明に係るトナーには、流動性向上剤として無機微粉体をトナーに添加して用いることが可能であり特に好ましい。
小粒径トナーにおける離型剤の存在状態を規定したトナーにおいては、少量の無機微粉体の存在によりさらに効果を発揮し、高流動性、高耐久性のトナーを提供することができる。
前記無機微粉体としてはSi、Ti、Al、Mg、Ca、Sr、Ba、In、Ga、Ni、Mn、W、Fe、Co、Zn、Cr、Mo、Cu、Ag、V、Zr等の酸化物や複合酸化物が挙げられる。
これらのうち二酸化珪素(シリカ)、二酸化チタン(チタニア)、アルミナの微粒子が好適に用いられる。
例えば、ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルジクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、p−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、クロルメチルトリクロルシラン、p−クロルフェニルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルジクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン、オクチル−トリクロルシラン、デシル−トリクロルシラン、ノニル−トリクロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−トリクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−トリクロルシラン、ジベンチル−ジクロルシラン、ジヘキシル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジノニル−ジクロルシラン、ジデシル−ジクロルシラン、ジドデシル−ジクロルシラン、ジヘキサデシル−ジクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−オクチル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジデセニル−ジクロルシラン、ジノネニル−ジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシル−ジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルベンチル−ジクロルシラン、トリヘキシル−クロルシラン、トリオクチル−クロルシラン、トリデシル−クロルシラン、ジオクチル−メチル−クロルシラン、オクチル−ジメチル−クロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−ジエチル−クロルシラン、オクチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ジエチルテトラメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘキサトリルジシラザン等が挙げられる。
前記無機微粉体は、トナー粉体原料基準で0.1〜2質量%使用されるのが好ましい。0.1質量%未満では、トナー凝集を改善する効果が乏しくなり、2質量%を超える場合は、細線間のトナー飛び散り、機内の汚染、感光体の傷や摩耗等の問題が生じやすい傾向がある。
−その他の添加剤−
また、本発明に係るトナーには、実質的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;あるいは酸化セリウム粉末、炭化珪素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤;あるいは例えばカーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末等の導電性付与剤;また、逆極性の白色微粒子、及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
本発明により製造されるトナーは、必要に応じて、一般に広く使用されているトナー用の添加剤、例えばコロイダルシリカのような流動化剤、酸化チタン、酸化アルミニウム等の金属酸化物や、炭化ケイ素等の研磨剤、脂肪酸金属塩などの滑剤等を含有させてもよい。
<実施例1>
トナー粉体原料として下記のものを用いた。
スチレン/アクリル樹脂 20質量部
ポリエステル樹脂 80質量部
カーボンブラック 10質量部
カルナバワックス 4.95質量部
四級アンモニウム塩 2質量部
得られた混練物をダブルベルトクーラーで圧延冷却した後、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェット気流式粉砕機(I−2ジェットミル、日本ニューマチック社製)により微粉砕を行い、風力式分級機(DS−2分級機、日本ニューマチック社製)にて微粉分級を行った。
得られた粉体に疎水性シリカ粉末(二酸化ケイ素)を1質量部添加し、前記スーパーミキサーで混合した後、超音波振動篩により不純物及び凝集体を除去してトナーを得た。
このようにして得られたトナー粒子について下記項目の評価を行った。評価は、表2に示す測定データを表3に示す評価基準に基づいて行った。評価結果を表4に示す。
ミクロトームにて上記トナーの切片を得て、透過型電子顕微鏡(10000倍)にて30視野(箇所)の撮影を行う。各々の写真についてワックス分散粒子を抽出し、長径と短径の平均値をワックス粒子の直径とし画像別のワックス平均粒子径を算出した。その後、30枚の画像に対しての平均粒子径を算出し、ワックス分散径の評価を行った。
(2)エネルギー評価
比エネルギー=電力/供給量として、比エネルギーを算出し、エネルギー評価を行った。(3)連続安定性評価
10時間の連続稼動中に発生した、バックフロー(供給口からの原料の逆流)の発生回数を計測し、連続安定性の評価を行った。
実施例1の混練条件において、混練部の長さを表1に示すように変更した、図4に示す構成を有する粉体混練装置を用いた以外は、実施例1と同様の実験、評価を行った。評価結果を表4に示す。なお、混練部の長さの変更により、本条件では中間混練バレルゾーンがなくなった。
<実施例3>
実施例2の混練条件において、混練用スクリュー羽根最外部の周速を表1に示すように変更した以外は、実施例2と同様の評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例3の混練条件において、混練用スクリュー羽根と剪断ピンのクリアランスC2を表1に示すように変更した以外は、実施例3と同様の実験、評価を行った。評価結果を表4に示す。
<実施例5>
実施例4の混練条件において、トナー粉体原料供給側の混練バレルゾーン温度を表1に示すように変更した以外は、実施例4と同様の実験、評価を行った。評価結果を表4に示す。
<比較例1>
実施例1で用いたブッスコニーダーを図5に示す粉体混練装置に変更し、実施例1と同様の実験、評価を行った。評価結果を表4に示す。図5において、8は排出ダイスである。
なお、図5に示す粉体混練装置でも円環状のクリアランスは存在しているが、従来の粉体混練装置では、この円環状のクリアランスからトナー粉体原料の混練物を排出しておらず、排出ダイスから排出している。
2 原料供給口
3 搬送用スクリュー羽根
4 絞りリング
5 混練用スクリュー羽根
6 剪断ピン
7 バレル
8 排出ダイス
B1、B2、B3、B4、B5、B6 混練バレルゾーン
C1 クリアランス(スクリューシャフトとバレル内壁との間)
C2 クリアランス(スクリュー羽根と剪断ピンとの間)
L 混練部
Claims (6)
- バレルの内壁に剪断ピンが設置され、かつ温度調整可能な二つ以上の混練バレルゾーンと、スクリューシャフトにスクリュー羽根が設置された温度調整可能なスクリューを一つ備えた混練部を有し、前記スクリューの回転と同時に前後運動する単軸の連続混練機を用いた静電荷現像用トナーの製造方法において、
前記スクリューシャフトと前記バレル内壁で形成される円環状のクリアランスから、少なくともトナー用バインダー樹脂とワックスと着色剤を含むトナー粉体原料の混練物を排出させ、かつ
前記スクリューシャフトの温度Ts(℃)及び混練物の排出側に位置する混練バレルゾーンの温度To(℃)が混練物の軟化点Tm(℃)よりも低い温度であり、
前記バレルの内径D(mm)と前記円環状のクリアランスC1(mm)とが、0.02D≦C1≦0.33D の関係を満たす
ことを特徴とする静電荷現像用トナーの製造方法。 - 請求項1に記載の静電荷現像用トナーの製造方法において、
前記二つ以上の混練バレルゾーン全体の長さである混練部の長さL(mm)と前記バレルの内径D(mm)とが、L/D≦11 の関係を満たす
ことを特徴とする静電荷現像用トナーの製造方法。 - 請求項2に記載の静電荷現像用トナーの製造方法において、
前記スクリュー羽根の最外部の周速V(m/s)が0.35以下である
ことを特徴とする静電荷現像用トナーの製造方法。 - 請求項3に記載の静電荷現像用トナーの製造方法において、
前記スクリュー羽根と剪断ピンのクリアランスC2(mm)と前記バレルの内径D(mm)とが、0.001D≦C2≦0.03D の関係を満たす
ことを特徴とする静電荷現像用トナーの製造方法。 - 請求項4に記載の静電荷現像用トナーの製造方法において、
前記トナー粉体原料の供給側に位置する混練バレルゾーンの温度Ti(℃)と混練物の軟化点Tm(℃)とが、Ti≦Tm−20 の関係を満たす
ことを特徴とする静電荷現像用トナーの製造方法。 - 請求項1ないし5のいずれかの静電荷現像用トナーの製造方法により製造された静電荷像現像用トナー。
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