JP2022146383A - 負帯電用トナー及び負帯電用トナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温低湿環境下でのトナー帯電量の上昇を抑制でき、低温定着トナーとして使用する場合のキャリア表面へのスペントを抑制できる負帯電用トナー及び負帯電用トナーの製造方法を提供する。【解決手段】負帯電用トナーは、トナー粒子と、トナー粒子の表面に付着した外添剤とを有する。外添剤は、ヘキサメチルジシラザン及びサイクリックシラザンで表面処理されたコロイダルシリカを含む。表面処理されたコロイダルシリカの体積平均粒径は、50nm以上100nm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、負帯電用トナー及び負帯電用トナーの製造方法に関する。
電子写真方式を利用した複写機、複合機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置に使用されるトナー(静電荷像現像用のトナー)は、通常、トナー粒子の表面に外添剤が付着されている。
二成分現像方式の画像形成装置においては、摩擦帯電を発生させるために、トナーとキャリアとが現像槽内で混合される。この方式では、低温低湿環境下においてトナー帯電量が上昇する問題があった。そのため、一般に、低温低湿環境下におけるトナー帯電量の上昇を抑制するために、酸化チタン、アルミナ等の金属原子を含有する外添剤(以下、金属製外添剤ともいう)が使用され、また、トナー粒子中には帯電制御剤(CCA)が配合されている。
特許文献1には、結着樹脂及び着色剤を含むトナー粒子と、トナー粒子の表面に付着した外添剤とを有する非磁性静電荷像現像用トナーであって、外添剤が正帯電性疎水性シリカと導電性酸化チタンとを有し、正帯電性疎水性シリカがヘキサメチルジシラザン及びサイクリックシラザンで表面処理されており、正帯電性疎水性シリカがトナー粒子の表面に直接付着しており、導電性酸化チタンが正帯電性疎水性シリカを介してトナー粒子の表面に付着している非磁性静電荷像現像用トナーが、印刷枚数が増加しても、良好な流動性と帯電性を維持できる旨が開示されている。
また、特許文献1の段落0022には、上記外添剤を構成する正帯電性疎水性シリカの平均一次粒径が5~50nmであることが好ましく、平均一次粒径が50nmを超える場合、印刷枚数が増加すると流動性が低下するので好ましくない旨が開示されている。
特開2012-198004号公報
近年環境面から、酸化チタン等の金属製外添剤を使用しないトナーの開発が望まれている一方、金属製外添剤を使用しなければ、上述したとおり、低温低湿環境下において、トナー帯電量が上昇するという問題がある。
また、トナー粒子に添加する外添剤の体積平均粒径が50nmを超えると、耐刷試験においてトナー粒子表面から外添剤が離脱し、キャリア表面に付着して、トナー帯電工程を阻害するという問題がある。
本発明は、金属製外添剤を使用しないトナーにおける以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、低温低湿環境下でのトナー帯電量の上昇を抑制でき、低温定着トナーとして使用する場合のキャリア表面へのスペントを抑制できる負帯電用トナー及び負帯電用トナーの製造方法を提供することにある。
本発明による負帯電用トナーは、トナー粒子と、前記トナー粒子の表面に付着した外添剤とを有する負帯電用トナーであって、前記外添剤がヘキサメチルジシラザン及びサイクリックシラザンで表面処理されたコロイダルシリカを含み、前記表面処理されたコロイダルシリカの体積平均粒径が、50nm以上100nm以下であることを特徴とする。なお以下において、「ヘキサメチルジシラザン及びサイクリックシラザンで表面処理されたコロイダルシリカ」のことを単に「表面処理されたコロイダルシリカ」ともいう。
上記の本発明によれば、低温定着トナーとして使用した場合において、低温低湿環境下でのトナー帯電量の上昇を抑制することができ、キャリア表面へのスペントを抑制できる。
上記の負帯電用トナーにあっては、前記表面処理されたコロイダルシリカの含有量が、前記トナー粒子100重量部に対して、0.2重量部以上0.5重量部以下であることが好ましい。
表面処理されたコロイダルシリカの含有量が上記範囲内である場合、低温低湿環境下でのトナー帯電量の上昇を抑制できることにより、現像性を確保し、良好な画質を得ることができる。
また、上記の負帯電用トナーにあっては、前記表面処理されたコロイダルシリカの含水率が、2%以下であることが好ましい。
含水率が上記範囲内であることで、トナー粒子表面に存在する電荷がキャリア等にリークしてトナー帯電量が低下することを防ぐことができ、ひいては、ライフを通じてカブリが悪化し画質低下が発生することを防ぐことができる。
また、上記の負帯電用トナーにあっては、前記表面処理されたコロイダルシリカの前記トナー粒子への付着強度が、70%以上であることが好ましい。
現像槽内でのトナーとキャリアとの混合において、トナー粒子から外添剤(表面処理されたコロイダルシリカ)が離脱してキャリア表面に付着すると、離脱した外添剤の表面処理剤であるサイクリックシラザンがトナー粒子表面に接触してトナーを負帯電側に帯電させてしまうため、耐刷試験におけてトナー帯電量が上昇してしまうおそれがある。ひいては、現像性の悪化が起き、画像濃度が低下するおそれがある。トナー粒子への付着強度が上記範囲内であることで、耐刷試験におけるトナー帯電量の上昇、現像性の悪化、及び画像濃度の低下を抑制できる。
また、上記の負帯電用トナーにあっては、前記外添剤は、体積平均粒径が7nm以上12nm以下である小粒径シリカをさらに含むことが好ましい。
外添剤として、体積平均粒径が7nm以上12nm以下である小粒径シリカをさらに含むことで、小粒径シリカの入れ目に対して効率よく、トナーの流動性を確保することができる。
また、上記の負帯電用トナーにあっては、前記小粒径シリカの含有量が、前記トナー粒子100重量部に対して、0.8重量部以上1.4重量部以下であることが好ましい。
小粒径シリカの含有量が上記範囲内であることで、転写性、耐熱性及び定着性により優れた負帯電用トナーを実現できる。
本発明による負帯電用トナーの製造方法は、前記小粒径シリカを前記トナー粒子に対して添加して前記トナー粒子の表面に付着させる第1外添工程と、前記表面処理されたコロイダルシリカを前記トナー粒子に対して添加して前記トナー粒子の表面に付着させる第2外添工程とを含み、前記第1外添工程を行った後に前記第2外添工程を行うことを特徴とする。
上記の製造方法によれば、第1外添工程を行った後に第2外添工程を行うことで、十分な流動性を備えた負帯電用トナーを得ることができる。
本発明によると、低温低湿環境下でのトナー帯電量の上昇を抑制でき、低温定着トナーとして使用する場合のキャリア表面へのスペントを抑制できる負帯電用トナー及び負帯電用トナーの製造方法を提供することができる。
表面処理されたコロイダルシリカ表面における、ヘキサメチルジシラザンの化学構造を示す模式図である。 表面処理されたコロイダルシリカ表面における、サイクリックシラザンの化学構造を示す模式図である。
本発明は負帯電用トナー及び負帯電用トナーの製造方法を含む。以下、これらについて詳細に説明する。
[トナー]
本発明の負帯電用トナーは、トナー粒子と、当該トナー粒子の表面に付着した外添剤とを有する。当該外添剤は、ヘキサメチルジシラザン及びサイクリックシラザンで表面処理されたコロイダルシリカを含み、当該表面処理されたコロイダルシリカの体積平均粒径は50nm以上100nm以下である。当該トナー粒子の一次粒子の体積平均粒径は、特に限定されないが、5μm以上8μm以下が好適である。
本発明の負帯電用トナーの製造方法としては、結着樹脂、離型剤及び着色剤を含むトナー原料を混練することにより混練物を生成する混練工程S1と、混練工程S1にて生成した混練物を粉砕してトナー粒子を生成する粉砕工程S2と、粉砕工程S2にて生成したトナー粒子を分級する分級工程S3と、分級工程S3にて分級した分級後のトナー粒子に外添剤を添加する外添工程S4とを含む製造方法が挙げられる。
(混練工程S1)
混練工程S1では、トナー粒子の原料となる結着樹脂、離型剤、及び着色剤を、ヘンシェルミキサ等の混合機で混合したのち、混練機を用いてこれらを混練して混練物を得る。混練は、結着樹脂の軟化点以上、熱分解温度未満の温度に加熱して行われる。これにより、結着樹脂が溶融又は軟化され、結着樹脂中に着色剤や離型剤等を分散させることができる。混練時の具体的な加熱温度としては、例えば80℃以上200℃以下であることが好ましく、さらには100℃以上150℃以下であることが好ましい。混練機には、ニーダ、二軸押出機、二本ロールミル、三本ロールミル及びラボブラストミル等の混練機を用いることができる。このような混練機としては、例えば、TEM-100B(商品名、東芝機械株式会社製)、PCM-65、PCM-65/87、PCM-30(以上いずれも商品名、株式会社池貝製)等の一軸又は二軸のエクストルーダ、ニーデックス(商品名、三井鉱山株式会社製)等のオープンロール方式の混練機等を挙げることができる。また、複数の混練機を用いて混練工程を行っても構わない。
本発明の負帯電用トナーは帯電制御剤を配合しなくとも上述した効果(低温低湿環境下でのトナー帯電量の上昇を抑制できる効果や、キャリア表面へのスペントを抑制できる効果)を発揮することができるが、上記混練工程S1において、トナー粒子の原料に帯電制御剤を配合してもよい。本発明の負帯電用トナー中の帯電制御剤の含有量は、前記トナー粒子が含有する結着樹脂100重量部に対して0.8重量部以下であることが好ましく、0.4重量部以上0.8重量部以下であることがより好ましい。帯電制御剤の含有量が上記範囲内である場合、良好な定着性を維持しつつ、優れた帯電安定性を発揮することができる。
なお、帯電制御剤とは、トナーに好ましい帯電性を付与するために添加されるものであり、電子写真分野で用いられる正電荷制御用の帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン染料及びその誘導体、塩基性染料、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン、トリフェニルメタン誘導体、グアニジン塩、アミジン塩等が挙げられる。電子写真分野で用いられる負電荷制御用の帯電制御剤としては、例えば、オイルブラック、スピロンブラック等の油溶性染料、含金属アゾ化合物、アゾ錯体染料、ナフテン酸金属塩、サリチル酸及びその誘導体の金属錯体及び金属塩(金属はクロム、亜鉛、ジルコニウム等)、ホウ素化合物、脂肪酸石鹸、長鎖アルキルカルボン酸塩、樹脂酸石鹸等が挙げられる。
(粉砕工程S2)
粉砕工程S2では、混練工程S1で得られた混練物を冷却する等して固化し、その固化物を粗砕して粗砕物を得る。粗砕のための粉砕機としては、例えばスピードミル、ハンマーミル又はカッターミル等を用いることができる。その後、粗砕物に対して微粉砕を行う(微粉砕工程)。微粉砕工程では、例えば、超音速ジェット気流を利用して粉砕するジェット式粉砕機や、高速で回転する回転子(ロータ)と固定子(ライナ)との間に形成される空間に上記の粗砕物を導入して粉砕する衝撃式粉砕機等を用いることができる。なお、以下の分級工程S3を行わず、粉砕工程S2で得られた体積平均粒径が5μm以上8μm以下の微粉砕粒子群をトナー粒子として回収してもよい。
(分級工程S3)
分級工程S3では、粉砕工程S2で得られた微粉砕粒子群を、分級機を用いて分級し、5μm以上8μm以下の体積平均粒径を有する微粒子群を得る。分級機としては、例えば旋回式風力分級機(ロータリー式風力分級機)等を用いることができる。
(外添工程S4)
外添工程S4では、分級工程S3で得られた微粒子群(トナー粒子)と、外添剤とを混合機を用いて混合し、各微粒子表面に外添剤を付着させて得られたものがトナー粒子群であり、これをトナー(外添トナー)として回収する。
外添工程S4は、外添剤としての小粒径シリカをトナー粒子(分級工程S3で得られた微粒子群)に対して添加して、トナー粒子の表面に付着させる第1外添工程と、外添剤としての表面処理されたコロイダルシリカをトナー粒子に対して添加して、トナー粒子の表面に付着させる第2外添工程とを含み、第1外添工程を行った後に第2外添工程を行うことが好ましい。
先に表面処理されたコロイダルシリカを添加してから小粒径シリカを添加すると、十分なトナー流動性を得られず、現像剤として使用し画像出しを行うと画像濃度が不均一になるおそれがある。外添剤の投入を小粒径シリカ、表面処理されたコロイダルシリカの順に行うことで、十分な流動性を備えるトナーを得ることができる。
<結着樹脂>
結着樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、スチレン-アクリル系樹脂のようなポリスチレン系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、及びエポキシ系樹脂等が挙げられ、これらのうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
結着樹脂に用いられるポリエステル樹脂は、通常、2価のアルコール成分及び3価以上の多価アルコール成分から選ばれる1種以上と、2価のカルボン酸及び3価以上の多価カルボン酸から選ばれる1種以上とを、公知の方法により、エステル化反応又はエステル交換反応を介して重縮合反応させることにより得られる。
縮重合反応における条件は、モノマー成分の反応性により適宜設定すればよく、また重合体が好適な物性になった時点で反応を終了させればよい。例えば、反応温度は170~250℃程度、反応圧力は5mmHg~常圧程度である。
2価のアルコール成分としては、例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)-ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノールA;ビスフェノールAのプロピレン付加物;ビスフェノールAのエチレン付加物;水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
3価以上の多価アルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6-ヘキサンテトロール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、スクロース(蔗糖)、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、グリセロール、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
本発明においては、上記の2価のアルコール成分及び3価以上の多価アルコール成分のうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
2価のカルボン酸として、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n-ドデセニルコハク酸、n-ドデシルコハク酸、n-オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、及びこれらの酸無水物、低級アルキルエステル等が挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸としては、例えば、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,5-ベンゼントリカルボン酸、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ブタントリカルボン酸、1,2,5-ヘキサントリカルボン酸、1,3-ジカルボキシル-2-メチル-2-メチレンカルボキシプロパン、1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8-オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸、及びこれらの酸無水物、低級アルキルエステル等が挙げられる。
本発明においては、上記の2価のカルボン酸及び3価以上の多価カルボン酸のうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリエステル樹脂は、3000~50000の重量平均分子量を有するのが好ましい。ポリエステル樹脂の重量平均分子量が3000未満の場合、定着可能領域(非オフセット域)の高温側における剥離性が悪くなるおそれがある。一方、ポリエステル樹脂の重量平均分子量が50000を超える場合、低温定着性が悪くなるおそれがある。
ポリエステル樹脂は、5~30mgKOH/gの酸価を有するのが好ましい。ポリエステル樹脂の酸価が5mgKOH/g未満の場合、ポリエステル樹脂の帯電特性が低下するおそれがある。一方、ポリエステル樹脂の酸価が30mgKOH/gを超える場合、吸湿性が高くなり帯電性が不安定になるおそれがある。
<離型剤>
離型剤としては、例えば、パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体等の石油系ワックス;フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、ポリプロピレンワックス及びその誘導体、ポリオレフィン系重合体ワックス(低分子量ポリエチレンワックス等)及びその誘導体等の炭化水素系合成ワックス;カルナバワックス及びその誘導体、ライスワックス及びその誘導体、キャンデリラワックス及びその誘導体、木蝋等の植物系ワックス;蜜蝋、鯨蝋等の動物系ワックス;脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステル及びその誘導体等の油脂系合成ワックス;シリコーン系重合体、高級脂肪酸等が挙げられる。これらのうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、誘導体には、酸化物、ビニル系モノマーとワックスとのブロック共重合物、ビニル系モノマーとワックスとのグラフト変性物等が含まれる。離型剤の含有量は特に限定されないが、結着樹脂100重量部に対して0.5~10重量部であるのがより好ましい。
<着色剤>
着色剤としては、例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの顔料や染料が挙げられる。なお、トナーの色は、これに限らず、他の色に着色してもよく、その色に応じた着色剤を用いてもよい。
ブラックの着色剤としては、例えば、カーボンブラック及び複合酸化物ブラック等の無機顔料;アニリンブラックのような有機顔料が挙げられる。
カーボンブラックは、その製造法等により、チャンネルブラック、ローラーブラック、ディスクブラック、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック及びアセチレンブラック等に分類され、これらの中から、得ようとするトナーの設計特性に応じて、適切なカーボンブラックを適宜選択することができる。
イエローの着色剤としては、例えば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー5、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー15、及びC.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー180及びC.I.ピグメントイエロー185等の有機顔料;C.I.アシッドイエロー1等のニトロ系染料、C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー19及びC.I.ソルベントイエロー21等の油溶性染料等が挙げられる。
マゼンタの着色剤としては、例えば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ベーシックレッド10及びC.I.ディスパーズレッド15等の有機顔料が挙げられる。
シアンの着色剤としては、例えば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ソルベントブルー55、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ダイレクトブルー25、C.I.ダイレクトブルー86及びKET.BLUE111等の有機顔料が挙げられる。
本実施の形態においては、バインダー樹脂中に着色剤を均一に分散させるために、マスターバッチ化して用いてもよい。
マスターバッチの乾式混合には、当該技術分野で常用される公知の装置を使用でき、例えば、ヘンシェルミキサ(商品名、三井鉱山株式会社(現 日本コークス工業株式会社)製)、スーパーミキサ(商品名、株式会社カワタ製)、メカノミル(商品名、岡田精工株式会社製)等のヘンシェルタイプの混合装置や、オングミル(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)、コスモシステム(商品名、川崎重工業株式会社製)等の混合機が挙げられる。
着色剤の配合量は特に限定されないが、結着樹脂100重量部に対して1~10重量部であることがより好ましい。
<外添剤>
本発明の負帯電用トナーにおける外添剤は、ヘキサメチルジシラザン及びサイクリックシラザンで表面処理されたコロイダルシリカを含む。図1は表面処理されたコロイダルシリカ表面における、ヘキサメチルジシラザンの化学構造を示す模式図であり、図2は表面処理されたコロイダルシリカ表面における、サイクリックシラザンの化学構造を示す模式図である。
トナーの外添剤として一般に、ヘキサメチルジシラザンで表面処理されたシリカ等の負帯電性の外添剤が広く使用されているが、現像槽内でトナーとキャリアとを混合し摩擦帯電させる際に、負帯電性の外添剤の一部がトナー粒子表面からキャリア表面に移動する影響で、摩擦帯電におけるトナーの負帯電が阻害されるという問題がある。
本発明の負帯電用トナーにおける外添剤は、ヘキサメチルジシラザンによる表面処理に加えて、正帯電性を有するサイクリックシラザンでも表面処理されていることから、現像槽内でのトナーとキャリアとの摩擦帯電における上記の問題を解消することができる。
また、本発明の負帯電用トナーにおける表面処理されたコロイダルシリカは、体積平均粒径が50nm以上100nm以下であり、65nm以上70nm以下であることがより好ましい。
表面処理されたコロイダルシリカの体積平均粒径が上記範囲内であり、且つコロイダルシリカの表面がヘキサメチルジシラザン及びサイクリックシラザンの2種類で処理されていることにより、外添剤のトナー粒子表面からの離脱を抑制しつつ、スペーサー効果やベアリング効果を確保することができ、帯電安定性、現像性等を高めることができる。
表面処理されたコロイダルシリカの体積平均粒径が上記上限を超える場合、トナー粒子表面から離脱する表面処理されたコロイダルシリカの量が多くなり、キャリア表面に付着してトナー帯電のコントロールを阻害するおそれがある。体積平均粒径が上記下限未満の場合、表面処理されたコロイダルシリカを添加することによる転写性・現像性向上の効果が得られず、効果を得るには多量を添加する必要がある。そのため、トナー帯電量の低下が著しく、カブリが発生するおそれがある。なお、カブリとは、本来はトナーが現像されない非画像部に低帯電量トナーが現像される現象(低帯電量トナーが感光体ドラムに付着する現象)をいう。
本発明の負帯電用トナーにおける表面処理されたコロイダルシリカの含有量は、トナー粒子100重量部に対して0.1重量部以上0.7重量部以下であることが好ましく、0.2重量部以上0.5重量部以下であることがより好ましい。
表面処理されたコロイダルシリカの含有量が上記範囲内である場合、低温低湿環境下でのトナー帯電量の上昇を抑制できることにより、現像性を確保し、良好な画質を得ることができる。表面処理されたコロイダルシリカの含有量が上記下限未満の場合、トナー帯電量の上昇抑制効果が得られないおそれがある。表面処理されたコロイダルシリカの含有量が上記上限を超える場合、トナー帯電量の低下が著しくなりカブリが悪化するおそれがある。
本発明の負帯電用トナーにおける表面処理されたコロイダルシリカは、含水率が5%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましく、1.8%以下であることが特に好ましい。
表面処理されたコロイダルシリカの含水率が上記範囲内であることで、トナー粒子表面に存在する電荷がキャリア等にリークしてトナー帯電量が低下することを防ぐことができ、ひいては、ライフを通じてカブリが悪化し画質低下が発生することを防ぐことができる。
本発明の負帯電用トナーにおける表面処理されたコロイダルシリカは、トナー粒子への付着強度が65%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。
トナー粒子への付着強度が上記下限未満の場合、現像槽内でのトナーとキャリアとの混合において、トナー粒子から外添剤(表面処理されたコロイダルシリカ)が離脱してキャリア表面に付着し、離脱した外添剤の表面処理剤であるサイクリックシラザンがトナー粒子表面に接触してトナーを負帯電側に帯電させてしまうため、耐刷試験におけてトナー帯電量が上昇してしまうおそれがある。ひいては、現像性の悪化が起き、画像濃度が低下するおそれがある。トナー粒子への付着強度が上記範囲内であることで、耐刷試験におけるトナー帯電量の上昇、現像性の悪化、及び画像濃度の低下を抑制できる。
また、本発明の負帯電用トナーにあっては、外添剤として、表面処理されたコロイダルシリカに加えて、体積平均粒径が7nm以上12nm以下である小粒径シリカをさらに含むことが好ましい。
外添剤として、体積平均粒径が7nm以上12nm以下である小粒径シリカをさらに含むことで、小粒径シリカの入れ目に対して効率よく、トナーの流動性を確保することができる。
なお、上述したとおり、トナー粒子に外添剤を添加するにあたっては、先に表面処理されたコロイダルシリカを添加してから小粒径シリカを添加すると、十分なトナー流動性を得られず、現像剤として使用し画像出しを行うと画像濃度が不均一になるおそれがある。そのため、外添剤の投入は小粒径シリカ、表面処理されたコロイダルシリカの順に行うことが好ましく、これにより十分な流動性を備えるトナーを得ることができる。
また、上記の負帯電用トナーにあっては、前記小粒径シリカの含有量が、前記トナー粒子100重量部に対して、0.8重量部以上1.4重量部以下であることが好ましく、1.0重量部以上1.4重量部以下であることがより好ましい。
トナー粒子に外添剤を添加するにあたって、外添剤の投入を小粒径シリカ、表面処理されたコロイダルシリカの順に行い、小粒径シリカの含有量を上記範囲内とすることで、転写性、耐熱性及び定着性により優れた負帯電用トナーを実現できる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。まず、実施例等における測定について説明する。
<帯電性の測定方法>
作製したトナーをキャリアと混合してトナー濃度7%の二成分現像剤を作製し、実験環境に40時間以上放置した。この二成分現像剤を複合機(商品名:MX-6071、シャープ株式会社製)の現像槽に充填し、3分間空転を行った。そして、トナー帯電量測定器(型式:Model 210HS-2A、トレック・ジャパン株式会社製)を用いて、空転後のトナーの帯電量を測定した。
具体的には、まず二成分現像剤を0.2g取って台にのせ、ステンレスメッシュ(#795)を被せた。次にメッシュの上に吸引ノズルをあて、トナーを吸引した。その後、吸引されたトナーの帯電量が表示されるので、吸引されたトナー量で割り算し、トナー1g当たりの帯電量(Q/g)を算出した。
算出した帯電量に基づき、耐刷試験初期のトナーの帯電性を次の基準により評価した。
◎:優秀(帯電量が25μQ/g以上30μQ/g以下)
○:良好(帯電量が23μQ/g以上25μQ/g未満、又は30μQ/g超35μQ/g以下)
△:可 (帯電量が20μQ/g以上23μQ/g未満、又は35μQ/g超40μQ/g以下)
×:不可(帯電量が20μQ/g未満、又は40μQ/g超)
<現像性の評価方法>
複合機(商品名:MX-6071、シャープ株式会社製)において、感光体表面電位を-600Vに、現像バイアスを-450Vに設定した条件下で、感光体ドラム上のトナー付着量を測定した。
測定したトナー付着量に基づき、現像性を次の基準により評価した。
◎:優秀(トナー付着量が0.5mg/cm以上)
○:良好(トナー付着量が0.45mg/cm以上0.5mg/cm未満)
△:可 (トナー付着量が0.4mg/cm以上0.45mg/cm未満)
×:不可(トナー付着量が0.4mg/cm未満)
<カブリの評価方法>
カブリの評価は、測色色差計(型式:ZE 6000、日本電色工業株式会社製)を用いて印刷前の用紙の白色度と印刷後(非画像形成部)の白色度との差分を測定することにより評価した。
白色度の差分に基づき、次の基準により評価した。
◎:優秀(白色度の差分が0.5以下)
○:良好(白色度の差分が0.5超1.5以下)
△:可 (白色度の差分が1.5超2.0以下)
×:不可(白色度の差分が2.0超)
<転写性の評価方法>
複合機(商品名:MX-6071、シャープ株式会社製)において、感光体ドラム上のトナー付着量が0.45mg/cm以上0.5mg/cm以下になるように現像条件を調整して、転写条件マシン設定のままで坪量128g紙に格子の細線を印字した。そして、印字画像中の用紙進行方法に平行する細線を、光学顕微鏡で100倍にして観察し、中抜けの個数を測定した。
中抜けの個数に基づいて、転写性を次の基準により評価した。
◎:優秀(中抜け無し)
○:良好(中抜けが、細線1本中に1~5箇所)
△:可 (中抜けが、細線1本中に6~9箇所)
×:不可(中抜けが、細線1本中に10箇所以上)
<定着性の評価方法>
複合機(商品名:MX-6071、シャープ株式会社製)において、標準定着温度より-30℃に設定し、JIS A4サイズ、坪量70g/mの用紙に対して10枚連続印字して、定着性を判断した。画像濃度安定性も考慮して総合的に判断し、定着性を次の基準により評価した。
◎:優秀(画像濃度差異が0.05以下)
○:良好(画像濃度差異が0.05超0.1以下)
△:可 (画像濃度差異が0.1超0.15以下)
×:不可(画像濃度差異が0.15超)
<耐熱性の評価方法>
樹脂製のサンプル瓶に、トナーを100g投入し、47℃に設定した恒温槽に120時間放置した。120時間放置する前後においてトナーのゆるみ嵩密度を測定し、その変化率を以下の式により算出した。なお、ゆるみ嵩密度は、カサ密度測定器JIS-K-5101顔料用(伊藤株式会社製)を用いて測定した。
ゆるみ嵩密度の変化率(%)=(120時間放置後のゆるみ嵩密度)/(120時間放置前のゆるみ嵩密度)×100
ゆるみ嵩密度の変化率に基づいて、耐熱性を次の基準により評価した。
◎:優秀(変化率が100%)
○:良好(変化率が95%以上100%未満)
△:可 (変化率が90%以上95%未満)
×:不可(変化率が90%未満)
<帯電安定性の評価方法>
作製したトナーを使用した二成分現像剤を複合機(商品名:MX-6071、シャープ株式会社製)の現像槽に充填し、READY状態となったときに二成分現像剤をサンプリングした(1枚目画出し前)。次に印字率1%の原稿を10000枚印字した後、再度、二成分現像剤をサンプリングした。印字前後の二成分現像剤について、帯電量測定器(型式:Model 210HS-2A、トレック・ジャパン株式会社製)を用いてトナーの帯電量を測定した。なお、本明細書における「耐刷試験」とは、この10000枚印字のことを示す。
具体的には、まず二成分現像剤を0.2g取って台にのせ、ステンレスメッシュ(#795)を被せた。次にメッシュの上に吸引ノズルをあて、トナーを吸引した。その後、吸引されたトナーの帯電量が表示されるので、吸引されたトナー量で割り算し、トナー1g当たりの帯電量(Q/m)を算出した。そして、画出し前の初期帯電量と、10000枚印字した後の帯電量とから、以下の式により帯電低下率を算出した。
帯電低下率(%)={1-(10000枚印字後の帯電量)/(初期帯電量)}×100
算出した帯電低下率に基づき、次の基準により評価した。
◎:優秀(帯電低下率が10%以下)
○:良好(帯電低下率が10%超20%以下)
△:可 (帯電低下率が20%超30%以下)
×:不可(帯電低下率が30%超)
<外添剤の付着強度の測定方法>
電界放出形走査電子顕微鏡S-4800(株式会社日立ハイテクノロジーズ(現株式会社日立ハイテク)製)を使用して初期のトナー1000個分に付着している外添剤の数(A)を計測した。次に、耐刷試験後の現像剤中のトナー1000個分に付着している外添剤の数(B)を計測した。そして、下記式にて外添剤の付着強度を算出した。
外添剤の付着強度(%)=(B/A)×100
<表面処理されたコロイダルシリカの含水率の測定方法>
表面処理されたコロイダルシリカの含水率は、電量法カールフィッシャー水分計CA-100及び水分気化装置VA-100(いずれも株式会社三菱化学アナリテック(現日東精工アナリテック株式会社)製)を用いて、当該装置のマニュアルに従い、測定した。
<総合評価の方法>
上記の評価結果(帯電性、現像性、カブリ、転写性、定着性、耐熱性、帯電安定性)に基づいて、次の基準で総合評価した。
◎:優秀(全ての評価項目が◎である。)
○:良好(全ての評価項目が○以上であり、評価項目に1つでも○がある。)
△:可(全ての評価項目が△以上であり、評価項目に1つでも△がある。)
×:不可(評価項目に1つでも×がある。)
<トナー粒子の作製>
ヘンシェルミキサを用いて、以下の成分を5分間前混合した後、二軸押出機を用いて、シリンダ設定温度110℃、バレル回転数300rpm、原料供給速度20kg/時間で溶融混練して溶融混練物を得た。
・結着樹脂:スチレンアクリル樹脂 100重量部
・着色剤:カーボンブラック(商品名:MA-100、三菱化学株式会社(現三菱ケミカル株式会社)製) 5重量部
・離型剤:フィッシャートロプシュワックス(商品名、日本精蝋株式会社製、融点95℃) 4重量部
・帯電制御剤:無添加
得られた溶融混練物を、冷却ベルトで冷却させた後、カッテングミルを用いて粗粉砕し、次いでジェット式粉砕機を用いて微粉砕し、さらに風力分級機を用いて分級して、体積平均粒径6.5μmのトナー粒子(トナー母体粒子)を得た。
[実施例1]
まず、第1外添工程として、上記トナー粒子100重量部に対して小粒径シリカ(商品名:RX200、日本アエロジル株式会社製)1.3重量部を加えて、ヘンシェルミキサ(型式:FM20C、日本コークス工業株式会社製)にて混合した。次に、第2外添工程として、ヘキサメチルジシラザン及びサイクリックシラザンで表面処理されたコロイダルシリカ(体積平均粒径50nm、含水率1.3%)0.1重量部を加えて、ヘンシェルミキサ(型式:FM20C、日本コークス工業株式会社製)にて混合し、外添トナーを得た。
[実施例2~26、比較例1~3]
表面処理されたコロイダルシリカの体積平均粒径、含水率、及び添加量、並びに小粒径シリカの粒径及び添加量を、以下の表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、外添トナーを得た。
[実施例27]
トナー粒子の作製工程において、帯電制御剤(型番:LR147、日本カーリット株式会社製)を、結着樹脂100重量部に対して0.6重量部添加した以外は、実施例16と同様にして、外添トナーを得た。
[実施例28]
トナー粒子の作製工程において、帯電制御剤(型番:LR147、日本カーリット株式会社製)を、結着樹脂100重量部に対して1.0重量部添加した以外は、実施例16と同様にして、外添トナーを得た。
Figure 2022146383000002
表1から明らかなように、外添剤としてヘキサメチルジシラザン及びサイクリックシラザンで表面処理されたコロイダルシリカを含み、当該表面処理されたコロイダルシリカの体積平均粒径が50nm以上100nm以下である実施例1~28の負帯電用トナーは、帯電性、現像性、カブリ、転写性、定着性、耐熱性、及び帯電安定性の評価が優れるものであった。換言すると、低温低湿環境下でのトナー帯電量の上昇を抑制でき、低温定着トナーとして使用する場合のキャリア表面へのスペントを抑制できるものであった。
これに対して、これらの要件を満たさない比較例1~3は、上記評価が実施例に対して劣っており、低温低湿環境下でのトナー帯電量の上昇を抑制できるものではなかった。
また、表面処理されたコロイダルシリカの含有量がトナー粒子100重量部に対して0.2重量部以上0.5重量部以下である実施例3~4は、実施例1(0.1重量部)や実施例2(0.7重量部)と比較して、帯電性等により優れ、総合評価においてもより優れていることがわかる。また、実施例4~8、実施例9~12においても同様の結果が認められる。
表面処理されたコロイダルシリカの含水率が2%以下である実施例は、含水率が2%を超える実施例13、20~21と比較して、特に帯電安定性により優れることがわかる。
表面処理されたコロイダルシリカの付着強度について、付着強度以外の条件が近い実施例6と実施例22とを比較すると、付着強度が70%以上である実施例6は、付着強度が70%未満である実施例22よりも、特に帯電安定性や定着性に優れ、総合評価においても優れることがわかる。
外添剤として、体積平均粒径が7nm以上12nm以下である小粒径シリカをさらに含む点について、それ以外の条件が近い実施例10と実施例25とを比較すると、体積平均粒径が7nm以上12nm以下である小粒径シリカを含む実施例10は、小粒径シリカの体積平均粒径が16nmである実施例25よりも、あらゆる項目に優れ、総合評価にも優れることがわかる。また、体積平均粒径が16nmである小粒径シリカの添加量を増やした実施例26と比較しても同様に、実施例10があらゆる項目に優れ、総合評価にも優れることがわかる。
帯電制御剤を含まない実施例16、及び帯電制御剤の含有量が結着樹脂100重量部に対して0.8重量部以下である実施例27は、当該含有量が0.8重量部を超える実施例28と比較して、定着性に優れ、総合評価においても優れることがわかる。さらに、実施例16と実施例27とを比較すると、帯電制御剤を結着樹脂100重量部に対して0.4重量部以上0.8重量部以下で含有する実施例16は、良好な定着性を維持しつつ、帯電安定性により優れることがわかる。
小粒径シリカの含有量について、それ以外の条件が近い実施例6と実施例22とを比較すると、小粒径シリカの含有量がトナー粒子100重量部に対して0.8重量部以上1.4重量部以下である実施例6は、実施例22(含有量が1.5重量部)よりも、あらゆる項目に優れ、総合評価にも優れることがわかる。実施例19と実施例24とを比較しても同様の結果が認められる。
<その他の実施形態>
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。

Claims (8)

  1. トナー粒子と、前記トナー粒子の表面に付着した外添剤とを有する負帯電用トナーであって、
    前記外添剤は、ヘキサメチルジシラザン及びサイクリックシラザンで表面処理されたコロイダルシリカを含み、
    前記表面処理されたコロイダルシリカの体積平均粒径は、50nm以上100nm以下であることを特徴とする負帯電用トナー。
  2. 請求項1に記載の負帯電用トナーであって、
    前記表面処理されたコロイダルシリカの含有量は、前記トナー粒子100重量部に対して、0.2重量部以上0.5重量部以下であることを特徴とする負帯電用トナー。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の負帯電用トナーであって、
    前記表面処理されたコロイダルシリカの含水率は、2%以下であることを特徴とする負帯電用トナー。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の負帯電用トナーであって、
    前記表面処理されたコロイダルシリカの前記トナー粒子への付着強度は、70%以上であることを特徴とする負帯電用トナー。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の負帯電用トナーであって、
    帯電制御剤を含まない、又は帯電制御剤の含有量は前記トナー粒子が含有する結着樹脂100重量部に対して0.8重量部以下であることを特徴とする負帯電用トナー。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の負帯電用トナーであって、
    前記外添剤は、体積平均粒径が7nm以上12nm以下である小粒径シリカをさらに含むことを特徴とする負帯電用トナー。
  7. 請求項6に記載の負帯電用トナーであって、
    前記小粒径シリカの含有量は、前記トナー粒子100重量部に対して、0.8重量部以上1.4重量部以下であることを特徴とする負帯電用トナー。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の負帯電用トナーの製造方法であって、
    前記小粒径シリカを前記トナー粒子に対して添加して、前記トナー粒子の表面に付着させる第1外添工程と、
    前記表面処理されたコロイダルシリカを前記トナー粒子に対して添加して、前記トナー粒子の表面に付着させる第2外添工程と、を含み、
    前記第1外添工程を行った後に、前記第2外添工程を行うことを特徴とする負帯電用トナーの製造方法。
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