JP7164463B2 - トナー及びトナーの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明に係るトナーは、トナー粒子の表面に外添剤が付着したトナーであって、前記外添剤は、樹脂粒子の表面に無機微粒子由来の凸部を複数有する有機無機複合微粒子からなる第1外添剤と、シリカ微粒子の表面に金属水酸化物又は金属酸化物を被覆した疎水性微粒子からなる第2外添剤とを含有することを特徴とする。
本発明に係るトナーの製造方法は、トナー粒子の表面に外添剤が付着したトナーの製造方法であって、前記外添剤に含有する第1外添剤として、樹脂粒子の表面に無機微粒子由来の凸部を複数有する有機無機複合微粒子を外添する第1外添工程と、前記外添剤に含有する第2外添剤として、シリカ微粒子の表面に金属水酸化物又は金属酸化物を被覆して疎水化処理した疎水性微粒子を外添する第2外添工程とを含むことを特徴とする。
図1は、本発明の実施形態に係るトナー100の断面構成を示す概念図である。本実施の形態に係るトナー100は、トナー粒子110と、外添剤120とを含有している。トナー粒子110の表面110aには、第1外添剤121(大粒径外添剤)及び第2外添剤122(小粒径外添剤)を含む外添剤120が付着している。第1外添剤121は、無機微粒子由来の凸部を複数有する有機無機複合微粒子からなっている。第2外添剤122は、シリカ微粒子の表面に金属水酸化物又は金属酸化物を被覆した疎水性微粒子からなっている。有機無機複合微粒子の1次粒子の体積平均粒径としては、例えば、70nm以上500nm以下を挙げることができる。また、疎水性微粒子の1次粒子の体積平均粒径としては、例えば、15nm以下を挙げることができる。
図2は、本実施の形態に係るトナー100の製造方法を示す工程図である。本実施の形態に係るトナー100の製造方法は、結着樹脂、離型剤及び着色剤を含むトナー原料を混練することにより混練物を生成する混練工程S1と、混練工程S1にて生成した混練物を粉砕してトナー粒子110を生成する粉砕工程S2とを含む。さらに、本実施の形態に係るトナー100の製造方法は、粉砕工程S2にて生成したトナー粒子110を分級する分級工程S3と、分級工程S3にて分級した分級後のトナー粒子110に外添剤120を外添する外添工程S4とを含む。
混練工程S1では、トナー粒子110の原料となる結着樹脂、離型剤、着色剤及び帯電制御剤を、ヘンシェルミキサなどの混合機で混合したのち、混練機を用いてこれらを混練して混練物を得る。混練は、結着樹脂の軟化点以上、熱分解温度未満の温度に加熱して行われる。これにより、結着樹脂が溶融又は軟化され、結着樹脂中に着色剤、離型剤及び帯電制御剤などを分散させることができる。混練時の具体的な加熱温度としては、例えば80℃以上200℃以下であることが好ましく、さらには100℃以上150℃以下であることが好ましい。混練機には、ニーダ、二軸押出機、二本ロールミル、三本ロールミル及びラボブラストミルなどの混練機を用いることができる。このような混練機としては、例えば、TEM-100B(商品名、東芝機械株式会社製)、PCM-65、PCM-65/87、PCM-30(以上いずれも商品名、株式会社池貝製)などの一軸又は二軸のエクストルーダ、ニーデックス(商品名、三井鉱山株式会社製)などのオープンロール方式の混練機などを挙げることができる。また、複数の混練機を用いて混練工程を行っても構わない。
粉砕工程S2では、混練工程S1で得られた混練物を冷却するなどして固化し、その固化物を粗砕して粗砕物を得る。粗砕のための粉砕機としては、例えばスピードミル、ハンマーミル又はカッターミルなどを用いることができる。その後、粗砕物に対して微粉砕を行う(微粉砕工程)。微粉砕工程では、例えば、超音速ジェット気流を利用して粉砕するジェット式粉砕機や、高速で回転する回転子(ロータ)と固定子(ライナ)との間に形成される空間に上記の粗砕物を導入して粉砕する衝撃式粉砕機などを用いることができる。なお、以下の分級工程S3を行わず、粉砕工程S2で得られた体積平均粒径が5μm以上8μm以下の微粉砕粒子群をトナー粒子110として回収してもよい。
分級工程S3では、粉砕工程S2で得られた微粉砕粒子群を、分級機を用いて分級し、5μm以上8μm以下の体積平均粒径を有する微粒子群を得る。分級機としては、例えば旋回式風力分級機(ロータリー式風力分級機)などを用いることができる。
外添工程S4では、分級工程S3で得られた微粒子群(トナー粒子群)と、外添剤120とを混合機を用いて混合し、各微粒子表面に外添剤120を外添させて得られたものがトナー粒子群であり、これをトナー100として回収する。外添剤120の外添量は、分級後の微粒子群100重量部に対して0.1重量部~3.0重量部が好ましい。
結着樹脂であるポリエステル樹脂は、通常、2価のアルコール成分及び3価以上の多価アルコール成分から選ばれる1種以上と、2価のカルボン酸及び3価以上の多価カルボン酸から選ばれる1種以上とを、公知の方法により縮重合反応もしくはエステル化、エステル交換反応により得られる。
本実施の形態に使用できる離型剤としては、特に制限されず、この分野で常用されるものを使用でき、例えば、パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体などの石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、低分子量ポリプロピリンワックス及びその誘導体、ポリオレフィン系重合体ワックス(低分子量ポリエチレンワックスなど)及びその誘導体などの炭化水素系合成ワックス、カルナバワックス及びその誘導体、ライスワックス及びその誘導体、キャンデリラワックス及びその誘導体、木蝋などの植物系ワックス、蜜蝋、鯨蝋などの動物系ワックス、脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステルなどの油脂系合成ワックス、長鎖カルボン酸及びその誘導体、長鎖アルコール及びその誘導体、シリコーン系重合体、高級脂肪酸などを挙げることができる。なお、誘導体には、酸化物、ビニル系モノマーとワックスとのブロック共重合物、ビニル系モノマーとワックスとのグラフト変性物などを含むことができる。ワックスの含有量は特に限定されないが、結着樹脂100重量部に対して0.5重量部~10重量部であることがより好ましい。
着色剤としては、トナー100に常用される顔料や染料を用いることができ、例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの着色剤を挙げることができる。
荷電制御剤としては、トナー100に常用される正電荷制御用又は負電荷制御用の荷電制御剤を用いることができる。
-第1外添剤121-
有機無機複合微粒子としては、代表的には、特開2013-92748に記載されているような金属酸化物-ポリマー複合体粒子を用いることができる。
疎水性微粒子においてシリカ微粒子の表面を被覆する金属水酸化物としては、例えば、チタン水酸化物、ジルコニウム水酸化物、アルミニウム水酸化物を挙げることができる。また、疎水性微粒子においてシリカ微粒子の表面を被覆する金属酸化物としては、例えば、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、アルミニウム酸化物を挙げることができる。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本実施の形態を具体的に説明する。以下において、「部」及び「%」は特に断らない限りそれぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
カーボンブラック(三菱化学社製、MA-100)10重量部
帯電制御剤(保土ヶ谷化学社製、TRH)2重量部
マイクロクリスタリンワックス(日本精蝋社製、Hi-Mic-1070、融点80℃)5重量部
上記の各原料をヘンシェルミキサにて3分間混合分散した後、二軸押出機(商品名:PCM-30、株式会社池貝製)を用いて溶融混練した。二軸押出機の運転条件は、シリンダ設定温度110℃、バレル回転数300rpm、原料供給速度20kg/時間とした。
比較例1では、実施例3において第2外添剤122として用いた金属酸化物被膜シリカ(製品名:STX801、AEROSIL社製)に代えて1次粒子の体積平均粒径が16nmの小シリカ(製品名:R972、AEROSIL社製)を用いたこと以外は実施例3と同様とした。
外添剤の付着強度は、以下の手順で測定した。
(1)トリトン(ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル)の濃度0.2質量%水溶液40mlにトナーを2.0g加えて1分間撹拌する。
(2)さらに上記の水溶液にホモジナイザー:US-300T(株式会社日本精機製作所製)にて超音波を照射する(出力:40μA、2分間)。
(3)超音波照射後の水溶液を3時間放置し、トナーと遊離した外添剤とを分離する。
(4)上澄み液を取り除いた後、沈殿物に純水を約50ml加え、5分間撹拌する。
(5)孔径1μmのメンブレンフィルタ(アドバンテック社製)を用いて吸引ろ過する。
(6)フィルタ上に残ったトナーを一晩、真空乾燥する。
(7)蛍光X線分析装置(株式会社リガク製、型式:ZSX Primus II)にて上記(1)~(6)の一連の超音波処理前後のトナー1gの外添剤中の元素(Si)の強度を分析し、下記式にて、外添剤の付着強度を算出した。
外添剤の付着強度(%)が70%未満の場合には「×」、70%以上の場合には「○」とした。
帯電量は、着色剤内包粒子と、平均粒径60μmのフェライトコアキャリアとを、トナー濃度が5重量%になるように調製、混合した二成分の現像剤を作製し、ブローオフ帯電測定装置〔東芝ケミカル(株)製〕により測定した。帯電環境安定性の指標は、低温低湿環境(5℃、10%)における帯電量Q1と高温高湿環境(30℃、85%)における帯電量Q2との比、Q2/Q1×100[%]を指標とした。
カブリの評価は、白度計(製品名:日本電色工業株式会社製)を用いて印刷前の用紙の白色度と印刷後(非画像形成部)の白色度との差分を測定することにより評価した。
感光体への研磨の評価は、感光体に対する傷に問題が有る場合(影響が大きく実用に耐えない場合)には「×」、感光体に対する傷がふつうの場合(影響が軽微で実用に耐え得る場合)には「△」、感光体に対する傷が目立たない場合には「○」とした。
総合評価は、各評価項目で1つでも「×」がある場合には「×」、各評価項目で「×」がなく1つでも「△」がある場合には「△」、各評価項目で○のみの場合には「○」とした。
110 トナー粒子
110a トナー粒子の表面
120 外添剤
121 第1外添剤
122 第2外添剤
S1 混練工程
S2 粉砕工程
S3 分級工程
S4 外添工程
S41 第1外添工程
S42 第2外添工程
Claims (6)
- トナー粒子の表面に外添剤が付着したトナーであって、
前記外添剤は、樹脂粒子の表面に無機微粒子由来の凸部を複数有する有機無機複合微粒子からなる第1外添剤と、シリカ微粒子の表面に金属水酸化物を被覆した疎水性微粒子からなる第2外添剤とを含有し、
前記金属水酸化物はアルミニウム水酸化物であることを特徴とするトナー。 - 請求項1に記載のトナーであって、
前記疎水性微粒子の1次粒子の体積平均粒径が前記有機無機複合微粒子の1次粒子の体積平均粒径よりも小さいことを特徴とするトナー。 - 請求項1又は請求項2に記載のトナーであって、
前記有機無機複合微粒子の1次粒子の体積平均粒径の前記疎水性微粒子の1次粒子の体積平均粒径に対する粒径比が4倍以上であることを特徴とするトナー。 - トナー粒子の表面に外添剤が付着したトナーの製造方法であって、
前記外添剤に含有する第1外添剤として、樹脂粒子の表面に無機微粒子由来の凸部を複数有する有機無機複合微粒子を外添する第1外添工程と、
前記外添剤に含有する第2外添剤として、シリカ微粒子の表面に金属水酸化物を被覆して疎水化処理した疎水性微粒子を外添する第2外添工程と
を含み、
前記金属水酸化物はアルミニウム水酸化物であることを特徴とするトナーの製造方法。 - 請求項4に記載のトナーの製造方法であって、
前記疎水性微粒子の1次粒子の体積平均粒径が前記有機無機複合微粒子の1次粒子の体積平均粒径よりも小さいことを特徴とするトナーの製造方法。 - トナー粒子の表面に外添剤が付着したトナーの製造方法であって、
結着樹脂、離型剤及び着色剤を含むトナー原料を混練することにより混練物を生成する混練工程と、
前記混練工程にて生成した混練物を粉砕して前記トナー粒子を生成する粉砕工程と、
前記外添剤に含有する第1外添剤として、樹脂粒子の表面に無機微粒子由来の凸部を複数有する有機無機複合微粒子を外添する第1外添工程と、
前記外添剤に含有する第2外添剤として、シリカ微粒子の表面に金属水酸化物又は金属酸化物を被覆して疎水化処理した疎水性微粒子を外添する第2外添工程と
を含み、
前記結着樹脂がポリエステル樹脂であり、
前記有機無機複合微粒子の1次粒子の体積平均粒径の前記疎水性微粒子の1次粒子の体積平均粒径に対する粒径比が5倍以上であり、
前記第2外添工程を行った後、前記第1外添工程を行うことを特徴とするトナーの製造方法。
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