JP2018022078A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的とすることは、画像濃度及び色相を満足させるとともに、高温高湿の環境下に長期間晒された場合であっても転写不良を抑制することができる静電潜像現像用ブラックトナーを提供することにある。【解決手段】 少なくとも、樹脂、着色剤、離型剤および無機微粒子を含有するマゼンタトナーにおいて、前記着色剤が少なくともC.I.ピグメントレッド122と、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー185、及びC.I.ピグメントイエロー180からなる群より選ばれる少なくとも1種のピグメントイエローとを含み、C.I.ピグメントレッド122含量に対する前記ピグメントイエロー含量の質量比が0.5質量%以上7質量%以下である、マゼンタトナー。【選択図】 なし

Description

本発明は電子写真法、静電記録法、及び、トナージェット法による画像形成方法に用いられるマゼンタトナーやエマルジョンインクに関するものである。
電子写真法においては、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に静電荷による潜像を形成し、次いで潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて中間転写機構を用いて、最終的には紙等の転写媒体にトナー画像を転写し、その後、加熱、加圧、加熱加圧或いは溶剤蒸気により媒体に画像を定着させ、印字画像を得る。この電子写真方式に用いられるトナーは、最終的なアウトプットである印字物は言うまでも無く、その製造工程や実使用環境においても人体との接触が想定される商品であるため、トナーの安全性は十分に確保されていなければならない。さらに、近年はプリンターや複写機の省エネルギー化が推進されていることから、より低温定着するトナーが求められている。
近年、グラビア印刷に近い高画質を求める市場の声の高まりから、色域の広いフルカラープリンターやフルカラー複写機の需要が増えている。グラビア印刷に近い高画質を求める市場要求が高まっているフルカラー電子写真法によるカラー画像形成では、一般には3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラートナーに黒色を加えた4色のカラートナーを積層させて全ての色の再現を行うのが標準的である(特許文献1)。その出力画像にはこれまで以上に高光沢性(高グロス性)を有する事が必要であり、前述の電子写真装置の低エネルギー化に要求と合わせて、低熱エネルギー(時間×温度)で融けて、媒体に定着し更にその画質が高グロス性を有する事が強く望まれている。
色再現性に優れた鮮明なフルカラー画像を得るためには、各色の発色性、耐光性は等しく重要である。特にポスターのように屋外に近い場所に長期間掲示される用途に使用されるトナーは、長期間、太陽光に暴露されても退色しない高レベルな耐光性をもつ必要がある。
前記3色のカラートナーのうち、マゼンタトナーには、従来、C.I.ピグメントレッド6B、C.I.ピグメントレッド269などのアゾ系の顔料が使用されることが多かった。しかしながら、これらのアゾ系顔料は耐光性が著しく劣り、短期間で画像が退色、変色してしまう欠点があり、そのため経年劣化や露光における褪色許容度が厳しいグラビア印刷やPOP広告等のプロフェッショナル印刷市場向けのトナー顔料としては、不向きであった。
耐光性のあるマゼンタ顔料としては、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントバイオレット19などのキナクリドン系の顔料が挙げられる(特許文献2)。このようなキナクリドン系の顔料は耐光性には優れているが、アゾ系顔料に比べるとやや青みがかった紫色に近い色合いをしているため、フルカラープリンターのマゼンタトナーとして使用した場合、イエローやシアンと色重ねになるレッドやブルーの領域の色域が狭くなるという欠点があり、高画質な画像を得るためには望ましいことではない。さらにキナクリドン系の顔料は、明度が低いため中間色の領域での色再現性に劣っている。この色再現性安定化のために、例えば、マゼンタ顔料とイエロー顔料を併用する技術が開示されている(特許文献3)。具体的には、特許文献3では、キナクリドン顔料のポリエステル系マゼンタトナーにごく少量のC.I.ピグメントイエロー180を添加することにより、顔料のトナー中分散性コントロールして発色性を改良することが報告されている。
また、更なるマゼンタトナーの耐光性改良検討として、C.I.ピグメントレッド12
2とC.I.ピグメントレッド269を併用する技術が開示されている(特許文献4及び特許文献5)。このC.I.ピグメントレッド269を用いて色域の改良が可能となっている。
特開2000−231219号公報 特開平4−226477号公報 特開2013−68830号公報 特開2002−91086号公報 特開2012−83440号公報
しかしながら、特許文献4,5に記載されているような同色系の顔料を混合したトナーでは、顔料のうちC.I.ピグメントレッド269は退色してしまうため、経時的にトナーの色相が変化し、C.I.ピグメントレッド122のみの場合と同じ色合いになってしまう。一方、特許文献3に記載されるような異色系の顔料を混合しただけでは色域の拡大と耐光性の改善を十分にできなかった。本発明は、このような状況に鑑みなされたものであって、その目的とすることは、高画質なフルカラープリンターの用途の広い色域を有しながら耐光性に優れるマゼンタトナーを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行なったところ、高画質なフルカラープリンターの用途に合う広範囲な色域の色再現性を持ち、かつ長時間の露光でも退色、変色しない十分な耐光性を持つためには、着色剤が特定のピグメントレッド顔料と特定のピグメントイエロー顔料を特定の割合でマゼンタトナー中に有することが有効であるとの知見を得、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明の要旨は以下に記載の通りである。
[1] 少なくとも、樹脂、着色剤、離型剤および無機微粒子を含有するマゼンタトナーにおいて、前記着色剤が少なくともC.I.ピグメントレッド122と、C.I.ピグメントレッド122と、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー185、及びC.I.ピグメントイエロー180からなる群より選ばれる少なくとも1種のピグメントイエローとを含み、前記トナー中のC.I.ピグメントレッド122顔料に対する前記ピグメントイエロー顔料の質量割合(ピグメントイエロー顔料の質量/C.I.ピグメントレッド122の質量)が0.5質量%以上7質量%以下である、マゼンタトナー。
[2]前記結着樹脂が、スチレン−アクリル共重樹脂又はポリエステル樹脂である、[1]に記載のマゼンタトナー。
[3]前記体積平均粒径Dv50が4〜7μmである、[1]又は[2]に記載のマゼンタトナー。
[4]少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有するトナーの製造方法であって、
重合開始剤を用いて重合性単量体を重合して樹脂微粒子の分散液を作製する工程、
該樹脂微粒子と、少なくともC.I.ピグメントレッド122と、C.I.ピグメントレッド122と、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー15
5、C.I.ピグメントイエロー185、及びC.I.ピグメントイエロー180からなる群より選ばれる少なくとも1種のピグメントイエローとを含み、C.I.ピグメントレッド122含量に対する前記ピグメントイエロー含量の質量割合(ピグメントイエロー顔料の質量/C.I.ピグメントレッド122の質量)が0.5質量%以上7質量%以下である着色剤粒子分散体を混合、凝集及び融着してトナー母体粒子を形成する工程、
該トナー母体粒子を洗浄する工程、
該トナー母体粒子に外添剤を付与する工程
を有すること特徴とする、トナーの製造方法。
本発明によれば、プロフェッショナルプリンターにおいても、発色性に優れ、色再現域が広く、かつ長期間の露光でも画像の退色や変色が起こらない耐光性に優れた、高品位マゼンタトナーを提供することができる。また、長期の保管や使用においても、汚れやカブリ等の画質不良が発生しない環境及び健康に対する安全性が高いマゼンタトナーを提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。以下、「静電荷像現像用トナー」を単に「トナー」と、略記する場合がある。外添剤を固着又は付着させる前のトナーを「トナー母粒子」と称する。
<本発明について>
本発明のトナーは、少なくとも、樹脂、着色剤、離型剤および無機微粒子を含有するマゼンタトナーである。前記着色剤中に少なくともC.I.ピグメントレッド122と、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー185、及びC.I.ピグメントイエロー180からなる群より選ばれる少なくとも1種のピグメントイエローとを含み、C.I.ピグメントレッド122顔料に対する前記ピグメントイエロー顔料の質量割合(ピグメントイエロー顔料の質量/C.I.ピグメントレッド122の質量)が0.5質量%以上7質量%以下である。
前記ピグメントイエロー顔料が、C.I.ピグメントレッド122の0.5質量%よりも少ないときは、トナーの色相の明度が十分ではなく、フルカラー印刷での色域が狭くなる。また前記ピグメントイエロー顔料が、C.I.ピグメントレッド122の7質量%よりも多いときはマゼンタトナーの色強度が低くなり、フルカラー印刷での色域が狭くなる。C.I.ピグメントレッド122顔料に対する前記ピグメントイエロー顔料の質量割合は色相調整の観点から0.7質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましい。また、発色性の観点から6.5質量%以下が好ましく、6.0質量%以下がより好ましい。
マゼンタ顔料としてC.I.ピグメントレッド122を使用する場合、例えば、アゾ系のマゼンタ顔料を使用する場合より、耐光性に優れるので印刷物は露光により退色が起こりにくい。C.I.ピグメントレッド122は、C.I.ピグメントレッド122以外の他のキナクリドン顔料よりもさらに青みが弱いため、色相あわせが容易になりフルカラープリンターの色域を拡げることができる。また、C.I.ピグメントレッド122は、キナクリドン顔料の中では発色性が高く、顔料添加量を増やす必要がないため、印字特性や低温定着性を維持できる。C.I.ピグメントレッド122は、トナーの結着樹脂100質量部に対して、通常0.9質量部以上、発色性の観点から、好ましくは2.7質量部以上である。通常20質量部以下であり、トナーの帯電安定性及びカブリ抑制の観点から好ましくは15質量部以下、より好ましくは12質量部以下である。
イエロー顔料として、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー185、及びC.I.ピグメントイエロー180からなる群より選ばれる少なくとも1種のピグメントイエローを使用する場合、例えばPY74より、耐光性が優れているので画像が経時的に退色しない。また、イエロー顔料の中では、前記ピグメントイエローは、基材樹脂との親和性が高く、トナー中での顔料分散性に優れ、色相あわせが容易になる。またこのような基材樹脂との親和性が高い顔料を添加すると、トナー表面にイエロー顔料が移行しにくくなり、かぶり、白地汚れが抑制できる。C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー185、及びC.I.ピグメントイエロー180の含有比率は、耐光性の観点から、イエロー顔料全体に対して50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー185、及びC.I.ピグメントイエロー180は単独で含有してもよいし、混合してもよい。前記4種のイエロー顔料の合計含有量は、トナーの結着樹脂100質量部に対して、通常0.01質量部以上、発色性の観点から、好ましくは0.05質量部以上である。通常5質量部以下であり、トナーの帯電安定性及びカブリ抑制の観点から好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.7質量部以下である。
<トナーの構成、トナー母粒子及びトナーの製造方法について>
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有する。
本発明のトナー母粒子の製造方法は限定されず、懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法、エステル伸張法などの方法が挙げられる。
本発明のトナー母粒子の体積中位径Dv50は、特に限定されないが、通常、2.5μm以上であり、3μm以上であることが好ましく、4μm以上であることがさらに好ましい。また、通常、10μm以下であり、9μm以下であることが好ましく、7μm以下であることがさらに好ましい。体積中位径Dv50は、実施例に記載の方法で測定される。
結着樹脂分散液中の結着樹脂分散体の体積平均粒径の調整は、乳化重合凝集法によりトナー母粒子を製造する場合は、乳化重合時の界面活性剤添加量により調整することができる。溶解懸濁法により、トナー母粒子を製造する場合は、溶剤の選別、水相中の界面活性剤量、箭断速度を調整することにより、粒径調整を行なうことができる。エステル伸長重合の場合は油相の溶剤、水相の粒径制御剤および界面活性剤の選別、表面高分子樹脂成分を設計することで、粒径調整を行なうことができる。
本発明のトナー母粒子の平均円形度は、通常0.945以上であり、0.950以上であることが好ましい。また、通常0.990以下であり、クリーニング性の観点から、0.985以下であることが好ましい。本発明のトナー母粒子の円形度は、実施例に記載の方法で測定される。
懸濁重合トナーの製造方法では、上述の結着樹脂のモノマー中に着色剤、重合開始剤、そして必要に応じてワックス、極性樹脂、荷電制御剤や架橋剤などの添加剤を加え、均一に溶解又は分散させたモノマー組成物を調製し、このモノマー組成物を、分散安定剤等を含有する水系媒体中に分散させ、単量体組成物の液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度・時間を調整して造粒し、その後、分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行い、重合を行う。これらを洗浄・ろ過により収集し、乾燥することによりトナー母粒子を得ることができる。トナー母粒子を得た後、外添剤を添加する処理工程と必要に応じてその他の処理工程を経て、トナーを得ることができる。
溶解懸濁法は結着樹脂を有機溶剤に溶解し、着色剤などを添加分散して得られる溶液相
を、分散剤等を含有した水相において機械的な剪断力で分散し液滴を形成し、液滴から有機溶剤を除去してトナー粒子を製造する方法である。
エステル伸張重合法はワックス・ポリエステル樹脂・顔料などを分散した油相と、粒径制御剤および界面活性剤の添加された水相中を混合、乳化して油滴を作成し、その油滴を収斂させると同時に伸張反応によりトナー油滴表面に高分子樹脂成分を形成させ、油滴内部の溶剤を除去してトナー粒子を製造する方法である。
乳化重合凝集法によりトナー母粒子を製造する場合、通常、重合体粒子を重合して重合体粒子分散液を得る重合工程、重合体粒子分散液と着色剤粒子分散液などを混合する混合工程、混合したものに凝集剤を加えて所定粒径まで凝集さて粒子凝集体(凝集粒子)を得る凝集工程、凝集粒子を過熱、融着させて融着粒子とする融着工程、以降、ろ過・洗浄・乾燥工程などのトナー母粒子として取り出す工程とを有する。
乳化重合凝集法によるトナー作成に使用する着色剤粒子分散液の着色剤分散体の体積平均粒径の調整は、分散に用いる界面活性剤の組成比により行なうことができる。ノニオン系の界面活性剤よりも、アニオン性あるいはカチオン性の界面活性剤を多く添加すると、小粒径の顔料分散液を生成することができるが、トナー中に着色剤を均一分散するためには、ノニオン系分散剤を使用するほうが好ましい。界面活性剤の種類と添加量を調整することで、着色分散液の粒径と分散安定性を制御することができる。また、途中粒径測定を行ないながら分散時間を調整する通常の方法によって、好ましい体積平均粒径範囲の顔料分散液を生成することができる。
顔料を結着樹脂中に小粒径を保ったまま、均一に分散した状態にする観点から、顔料を重合体粒子分散液に混合する際に、結着樹脂分散液を15℃以下、好ましくは10℃以下、さらに好ましくは7℃以下に冷却することが有効である。
[結着樹脂]
本発明において、トナーに含有される結着樹脂としては、従来トナーの結着樹脂として用いられている樹脂類を適宜用いることができる。トナー母粒子を製造する場合に用いられる結着樹脂としては、スチレン、スチレン誘導体、アクリル系重合性単量体、メタクリル系重合性単量体、ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルケトン等のラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体、ポリスチレン、スチレン置換体の単重合体、スチレン系共重合体、アクリル酸、メタクリル酸、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独で使用してもよいし、混合して使用してもよい。スチレン−アクリル共重樹脂又はポリエステル樹脂が好ましい。
単量体としては、酸性基を有する重合性単量体(以下、単に酸性単量体と称すことがある)、塩基性基を有する重合性単量体(以下、単に塩基性単量体と称することがある)、酸性基も塩基性基も有さない重合性単量体(以下、その他の単量体と称することがある)のいずれの重合性単量体も使用することができる。
上記に挙げた重合法のうち、乳化重合凝集法を用いてトナー母粒子を製造する場合、乳化重合工程では、通常、乳化剤の存在下、水系媒体中で重合性単量体を重合するが、この際、反応系に重合性単量体を供給するにあたって、各単量体は別々に加えても、予め複数種類の単量体を混合しておいて同時に添加してもよい。また、単量体はそのまま添加してもよいし、予め水や乳化剤などと混合、調整した乳化液として添加することもできる。
酸性単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸等
のカルボキシル基を有する重合性単量体、スルホン化スチレン等のスルホン酸基を有する重合性単量体、ビニルベンゼンスルホンアミド等のスルホンアミド基を有する重合性単量体等が挙げられる。また、塩基性単量体としては、アミノスチレン等のアミノ基を有する芳香族ビニル化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン等の窒素含有複素環含有重合性単量体、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これら酸性単量体及び塩基性単量体は、単独で用いても複数種類を混合して用いてもよく、また、対イオンを伴って塩として存在していてもよい。中でも、酸性単量体を用いるのが好ましく、より好ましくはアクリル酸及び/又はメタクリル酸である。
結着樹脂を構成する全重合性単量体100質量部中に占める酸性単量体および塩基性単量体の合計量は、通常0.05質量部以上、好ましくは0.5質量部以上、特に好ましくは1.0質量部以上である。また、通常10質量部以下、好ましくは5質量部以下である。
その他の重合性単量体としては、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−n−ノニルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジプロピルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド等が挙げられ、重合性単量体は、単独で用いてもよく、また複数を組み合わせて用いてもよい。
更に、結着樹脂を架橋樹脂とする場合、上述の重合性単量体と共にラジカル重合性を有する多官能性単量体が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジアリルフタレート等が挙げられる。また、反応性基をペンダントグループに有する重合性単量体、例えばグリシジルメタクリレート、メチロールアクリルアミド、アクロレイン等を用いることも可能である。中でもラジカル重合性の二官能性重合性単量体が好ましく、ジビニルベンゼン、ヘキサンジオールジアクリレートが特に好ましい。これら多官能性重合性単量体は、単独で用いても複数種類を混合して用いてもよい。
結着樹脂を乳化重合凝集法で重合する場合、乳化剤として公知の界面活性剤を用いることができる。界面活性剤としてはカチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤の中から選ばれる一種又は二種以上の界面活性剤を併用して用いることができる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド等が挙げられ、アニオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム、等の脂肪酸石けん、硫酸ドデシルナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートエーテル、モノデカノイルショ糖等が挙げられる。
乳化重合凝集法を用いてトナー母粒子を製造する場合の乳化剤の使用量は、特に限定されないが、重合性単量体100質量部に対して0.1質量部以上、10質量部以下が好ましい。また、これらの乳化剤に、例えば、部分或いは完全ケン化ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体類等の一種或いは二種以上を保護コロイドとして併用することができる。
乳化重合凝集法により得られる重合体一次粒子の体積平均粒径は、通常0.02μm以上、好ましくは0.05μm以上、特に好ましくは0.1μm以上である。また、通常3μm以下、好ましくは2μm以下、特に好ましくは1μm以下であることが望ましい。粒径が小さすぎると、凝集工程において凝集速度の制御が困難となる場合があり、大きすぎると、凝集して得られるトナー粒子の粒径が大きくなり易く、目的とする粒径のトナーを得ることが困難となる場合がある。
結着樹脂を主成分とするエマルジョンにおいては、その粒径が0.02μm以下になると表面エネルギーが高くなりすぎて不安定になり、凝集工程においては、エネルギー的に不安定なラテックス同士の凝集が、顔料とラテックスの凝集よりも優先して起こり、結果として製造されるトナーは不均一な組成物となる。この様な不均一な組成のトナーは、発色性が悪く、帯電性の不均一になる場合が多く、カブリや汚れ等の画像欠陥が生じることが多いと考えられる。
乳化重合凝集法を用いてトナー母粒子を製造する場合、必要に応じて公知の重合開始剤を用いることができ、重合開始剤を1種又は2種以上組み合わせて使用する事ができる。例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、等の過硫酸塩、及び、これら過硫酸塩を一成分として酸性亜硫酸ナトリウム等の還元剤を組み合わせたレドックス開始剤、過酸化水素、4,4‘−アゾビスシアノ吉草酸、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロペーオキサイド、等の水溶性重合開始剤、及び、これら水溶性重合性開始剤を一成分として第一鉄塩等の還元剤と組み合わせたレドックス開始剤系、過酸化ベンゾイル、2,2‘−アゾビス−イソブチロニトリル、等が用いられる。これら重合開始剤はモノマー添加前、添加と同時、添加後のいずれの時期に重合系に添加しても良く、必要に応じてこれらの添加方法を組み合わせてもよい。
乳化重合凝集法を用いてトナー母粒子を製造する場合、必要に応じて公知の連鎖移動剤を使用することができ、具体的な例としては、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、ジイソプロピルキサントゲン、四塩化炭素、トリクロロブロモメタン等があげられる。連鎖移動剤は単独または2種類以上の併用でもよく、重合性単量体に対して0〜5質量%用いられる。
また、乳化重合凝集法を用いてトナー母粒子を製造する場合、必要に応じて公知の懸濁安定剤を使用することができる。懸濁安定剤の具体的な例としては、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。これらは、一種或いは二種以上を組み合わせて用いてもよい。上記懸濁安定剤は、通常重合性単量体100質量部に対して1質量部以上、10質量部以下の量で用いられる。重合開始剤および懸濁安定剤は、何れも、重合性単量体添加前、添加と同時、添加後のいずれの時期に重合系に添加してもよく、必要に応じてこれらの添加方法を組み合わせてもよい。その他、反応系には、pH調整剤、重合度調節剤、消泡剤等を適宜添加することができる。
[着色剤]
着色剤は、少なくともC.I.ピグメントレッド122と、C.I.ピグメントレッド122と、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー185、及びC.I.ピグメントイエロー180からなる群より選ばれる少なくとも1種のピグメントイエローとを含み、C.I.ピグメントレッド122顔料に対する前記ピグメントイエロー顔料の質量比が0.5%以上7%以下であるものを使用する。顔料の総量は、トナーの結着樹脂100質量部に対して、通常1質量部以上、発色性の観点から、好ましくは3質量部以上である。通常25質量部以下であり、トナーの帯電安定性及びカブリ抑制の観点から好ましくは15質量部以下、より好ましくは12質量部以下である。
[ワックス]
本発明のトナーには、離型性付与のためワックスを配合することが好ましい。ワックスとしては、離型性を有するものであればいかなるものも使用可能である。具体的には、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン等のオレフィン系ワックス、パラフィンワックス、ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステル、ステアリン酸ステアリル等の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワックス、水添ひまし油、カルナバワックス等の植物系ワックス、ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン、アルキル基を有するシリコーン、ステアリン酸等の高級脂肪酸、エイコサノール等の長鎖脂肪族アルコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと長鎖脂肪酸により得られる多価アルコールのカルボン酸エステル、又は部分エステル、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、低分子量ポリエステル等が挙げられる。
これらのワックスの中で定着性を改善するためには、ワックスの融点は30℃以上が好ましく、40℃以上が更に好ましく、50℃以上が特に好ましい。また、べたつき抑制の観点から、100℃以下が好ましく、90℃以下が更に好ましく、80℃以下が特に好ましい。
また、ワックスの化合物種としては、高級脂肪酸エステル系ワックスが好ましい。高級脂肪酸エステル系ワックスとしては、具体的には、ベヘン酸ベヘニル、ステアリン酸ステアリル、ペンタエリスリトールのステアリン酸エステル、モンタン酸グリセリド等の、炭素数15〜30の脂肪酸と1〜5価のアルコールとのエステルが好ましい。また、エステルを構成するアルコール成分としては、1価アルコールの場合は炭素数10〜30のものが好ましく、多価アルコールの場合には炭素数3〜10のものが好ましい。上記ワックスは単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。また、トナーを定着する定着温度により、ワックス化合物の融点を適宜選択することができる。
前記ワックスは単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。また、トナーを定着する定着温度により、ワックス化合物の融点を適宜選択することができる。ワックスを含有させる場合、ワックスの量は特に限定はないが、トナー100質量部中に対して、通常、1質量部以上であり、高温オフセットの観点から好ましくは2質量部以上、特に好ましくは5質量部以上である。また、通常、40質量部以下であり、好ましくは35質量部以下、特に好ましくは30質量部以下である。
ワックスは重合体一次粒子に含有させても、樹脂微粒子に含有させてもよい。ただし、通常はワックスの使用量の増加に伴い凝集制御が悪化して粒子径分布がブロードになる傾向にある。そのため、乳化重合凝集法におけるワックスの配合方法としては、予め水中に体積平均径(Mv)0.01〜2.0μm、より好ましくは0.01〜0.5μmに乳化分散したワックス分散液を乳化重合時に添加するか、又は凝集工程で添加することが好ましい。トナー中に好適な分散粒径でワックスを分散させるためには、乳化重合時にワック
スをシードとして添加することが好ましい。シードとして添加することにより、ワックスが内包された重合体一次粒子が得られるので、ワックスがトナー表面に多量に存在することがなく、トナーの帯電性や耐熱性の悪化を抑制することができる。重合体一次粒子に占めるワックス含有量は、好ましくは4〜30質量%、より好ましくは5〜20質量%、特に好ましくは7〜15質量%となるよう計算して用いられる。
[帯電制御剤]
トナーには、帯電量、帯電安定性付与のため、帯電制御剤を配合してもよい。帯電制御剤としては、従来公知の化合物が使用される。例えば、例えば、正帯電性帯電制御剤として4級アンモニウム塩、ニグロシン、加工ニグロシン、アルキルニグロシンなどのアジン系黒色染料、加工ニグロシン化合物、グアニシン化合物、トリフェニルスルホニウム化合物、樹脂系帯電制御剤、アミド基含有化合物、塩基性・電子供与性の金属物質が挙げられ、負帯電性帯電制御剤として芳香族オキシカルボン酸系、芳香族ダイカルボン酸の金属キレート類、モノアゾ含金錯体化合物、有機酸の金属塩、含金属染料、ジフェニルヒドロキシ錯体化合物、含鉄アゾ化合物、乳化重合用家電制御剤、オキシカルボン酸各種金属錯体化合物、カリックスアレン化合物、フェノール化合物、樹脂系帯電制御剤、ナフトール化合物及びそれらの金属塩、ウレタン結合含有化合物、酸性もしくは電子吸引性の有機物質が挙げられる。帯電制御剤の配合量は樹脂100質量部に対し、0.1〜5質量部の範囲が好ましい。
また、本発明のトナーをカラートナー又はフルカラートナーにおける黒色トナー以外のトナーとして使用する場合には、無色ないしは淡色でトナーへの色調障害がない帯電制御剤を用いることが好ましく、例えば、正帯電性帯電制御剤としては4級アンモニウム塩化合物が、負帯電性帯電制御剤としてはサリチル酸もしくはアルキルサリチル酸の亜鉛、アルミニウムなどとの金属塩、金属錯体や、ベンジル酸の金属塩、金属錯体、アミド化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物、フェノールアミド化合物、4,4’−メチレンビス〔2−〔N−(4−クロロフェニル)アミド〕−3−ヒドロキシナフタレン〕等のヒドロキシナフタレン化合物が好ましい。
乳化重合凝集法を用いてトナー中に帯電制御剤を含有させる場合は、乳化重合時に重合性単量体等とともに帯電制御剤を添加するか、重合体一次粒子及び着色剤等とともに凝集工程で添加するか、重合体一次粒子及び着色剤等を凝集させてほぼ目的とする粒径となった後に添加する等の方法によって配合することができる。これらのうち、帯電制御剤を界面活性剤を用いて水中で分散させ、体積平均粒径0.01μm以上、3μm以下の分散液として凝集工程に添加することが好ましい。
[トナーの製造方法]
乳化重合凝集法において、凝集は通常、攪拌装置を備えた槽内で行われるが、加熱する方法、電解質を加える方法と、これらを組み合わせる方法とがある。重合体一次粒子を攪拌下に凝集して目的とする大きさの粒子凝集体を得ようとする場合、粒子同士の凝集力と攪拌による剪断力とのバランスから粒子凝集体の粒径が制御されるが、加熱するか、或いは電解質を加えることによって凝集力を大きくすることができる。本発明において、電解質を添加して凝集を行う場合の電解質としては、有機塩、無機塩のいずれでもよいが、具体的には、NaCl、KCl、LiCl、NaSO、KSO、LiSO、MgCl、CaCl、MgSO、CaSO、ZnSO、Al(SO、Fe(SO、CHCOONa、CSONa等が挙げられる。これらのうち、2価以上の多価の金属カチオンを有する無機塩が好ましい。
本発明では、顔料を結着樹脂中に均一かつ小粒径のまま分散させるため、凝集時に、電解質物質のみでなく、界面活性剤も同時に添加し凝集速度を最適化することも有効な手段
である。
本発明のトナーにおいて、電解質の添加量は、電解質の種類、目的とする粒径等によって異なるが、混合分散液の固形成分100質量部に対して、通常0.05質量部以上であり、0.1質量部以上が好ましい。また、通常25質量部以下であり、15質量部以下が好ましく、特に10質量部以下が好ましい。添加量が少なすぎると、凝集反応の進行が遅くなり凝集反応後も1μm以下の微粉が残る、得られた粒子凝集体の平均粒径が目的の粒径に達しないなどの問題を生じる場合があり、一方多すぎると、急速な凝集となりやすく粒径の制御が困難となり、得られた凝集粒子中に粗粉や不定形のものが含まれるなどの問題を生じる場合がある。電解質を加えて凝集を行う場合の凝集温度は、通常20℃以上、好ましくは30℃以上である。また通常70℃以下、好ましくは60℃以下である。
電解質を用いないで加熱のみによって凝集を行う場合の凝集温度は、重合体一次粒子のガラス転移温度をTgとすると、通常(Tg−20)℃以上であり、(Tg−10)℃以上が好ましい。また、通常Tg以下であり、(Tg−5)℃以下である。
凝集に要する時間は装置形状や処理スケールにより最適化されるが、トナーの粒径が目的とする粒径に到達するためには、前記した所定の温度で通常、少なくとも30分以上保持することが望ましい。所定の温度へ到達するまでの昇温は、一定速度で昇温してもよいし、段階的に昇温することもできる。
上述の凝集処理後の粒子凝集体表面に、必要に応じて樹脂粒子を付着または固着した粒子を形成することも出来る。粒子凝集体表面に性状を制御した樹脂粒子を付着または固着することにより、得られるトナーの帯電性や耐熱性を向上できる場合があり、さらには、本発明の効果を一層顕著とすることができる。
樹脂粒子として重合体一次粒子のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有する樹脂粒子を用いた場合、定着性を損なうことなく、耐ブロッキング性の一層の向上が実現できるので好ましい。該樹脂粒子の体積平均粒径は、通常0.02μm以上であり、0.05μm以上が好ましい。また、通常3μm以下であり、1.5μm以下が好ましい。樹脂粒子としては、前述の重合体一次粒子に用いられる重合性単量体と同様なモノマーを乳化重合して得られたもの等を用いることができる。樹脂粒子は、通常、界面活性剤により水または水を主体とする液中に分散した分散液として用いるが、帯電制御剤を凝集処理後に加える場合には、粒子凝集体を含む分散液に帯電制御剤を加えた後に樹脂粒子を加えることが好ましい。
凝集工程で得られた粒子凝集体の安定性を増すために、凝集工程の後の熟成工程において凝集粒子内の融着を行うことが好ましい。熟成工程の温度は、通常重合体一次粒子のTg以上、好ましくはTgより5℃高い温度以上であり、また、通常Tgより80℃高い温度以下、好ましくはTgより50℃高い温度以下である。また、熟成工程に要する時間は、目的とするトナーの形状により異なるが、重合体一次粒子のガラス転移温度以上に到達した後、通常0.1〜10時間、好ましくは1〜6時間保持することが望ましい。
なお、凝集工程以降、好ましくは熟成工程以前又は熟成工程中の段階で、界面活性剤を添加するか、pH値を上げることが好ましい。ここで用いられる界面活性剤としては、重合体一次粒子を製造する際に用いることのできる乳化剤から一種以上を選択して用いることができるが、特に重合体一次粒子を製造した際に用いた乳化剤と同じものを用いることが好ましい。界面活性剤を添加する場合の添加量は限定されないが、混合分散液の固形成分100質量部に対して、通常0.1質量部以上、好ましくは1質量部以上、特に好ましくは3質量部以上である。また、通常20質量部以下、好ましくは15質量部以下、特に好ましくは10質量部以下である。凝集工程以降、熟成工程の完了前の間に界面活性剤を
添加するか、pH値を上げることにより、凝集工程で凝集した粒子凝集体同士の凝集等を抑制することができ、熟成工程後の粗大粒子生成を抑制できる場合がある。
熟成工程での加熱処理により、凝集体における重合体一次粒子同士の融着一体化がなされ、凝集体としてのトナー粒子形状も球形に近いものとなる。熟成工程前の粒子凝集体は、重合体一次粒子の静電的あるいは物理的凝集による集合体であると考えられるが、熟成工程後は、粒子凝集体を構成する重合体一次粒子は互いに融着しており、トナー粒子の形状も球状に近いものとすることが可能となる。この様な熟成工程によれば、熟成工程の温度及び時間等を制御することにより、重合体一次粒子が凝集した形状である葡萄型、融着が進んだジャガイモ型、更に融着が進んだ球状等、目的に応じて様々な形状のトナーを製造することができる。
得られた粒子は、公知の方法にて固液分離し、粒子を回収し、必要に応じて洗浄、乾燥することで目的とするトナー母粒子を得ることができる。
[外添剤]
トナーの流動性向上や帯電制御性向上のために、必要に応じ外添剤を添加することができる。外添剤としては、各種無機または有機微粒子の中から適宜選択して使用することができる。また、2種類以上の外添剤を併用してもよい。無機微粒子としては、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化タングステン、炭化クロム、炭化モリブデン、炭化カルシウム等の各種炭化物、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム等の各種窒化物、ホウ化ジルコニウム等の各種ホウ化物、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム、酸化セリウム、シリカ、コロイダルシリカ等の各種酸化物、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム等の各種チタン酸化合物、リン酸カルシウム等のリン酸化合物、二硫化モリブデン等の硫化物、フッ化マグネシウム、フッ化炭素等のフッ化物、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の各種金属石鹸、滑石、ベントナイト、各種カーボンブラックや導電性カーボンブラック、マグネタイト、フェライト等を用いることができる。有機微粒子としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂等の微粒子を用いることができる。また、フッ素原子を含有する微粒子を用いて帯電安定性を向上させることができる。
これら外添剤の中では、特にシリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、各種カーボンブラックや導電性カーボンブラック等が好適に使用される。また、外添剤は、前記の無機または有機微粒子の表面を、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ジメチルジクロロシラン(DMDS)等のシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル等のシリコーンオイル処理剤、シリコーンワニス、フッ素系シランカップリング剤、フッ素系シリコーンオイル、アミノ基や第4級アンモニウム塩基を有するカップリング剤等の処理剤によって疎水化などの表面処理が施されているものを使用することもできる。該処理剤は二種以上を併用することもできる。外添剤の含有量は、トナー母粒子100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.8質量部以上であり、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。
本発明のトナーにおいては、帯電制御の観点から、外添剤として導電性微粒子を使用してもよい。導電性微粒子の抵抗は、上限が、通常、400Ω・cm以下であり、好ましくは200Ω・cm以下であり、より好ましくは100Ω・cm以下であり、さらに好ましくは60Ω・cm以下である。一方、下限は、通常、0.1Ω・cm以上であり、好ましくは1Ω・cm以上であり、より好ましくは5Ω・cm以上であり、さらに好ましくは1
5Ω・cmである。導電性微粒子としては、例えば、導電性酸化チタン、シリカ、マグネタイト、等の金属酸化物またはそれらに導電性物質をドープしたもの、ポリアセチレンやポリフェニルアセチレン、ポリ−p−フェニレン等の共役2重結合を有するポリマーに金属等の導電性物質をドープした有機微粒子、カーボンブラックやグラファイトに代表される炭素等が挙げられるが、トナーの流動性を損なわず導電性を付与できるという観点から、導電性酸化チタンまたはその導電性物質をドープしたものがより好ましい。導電性微粒子の含有量は、トナー母粒子100質量部に対して、下限は、通常、0.0質量5部以上であり、0.1質量部以上であることが好ましく、0.2質量部以上であることがより好ましい。一方、導電性微粒子の含有量の上限は、通常、3質量部以下であり、好ましくは、2質量部以下であり、より好ましくは1質量部以下である。
外添剤の添加方法としては、ヘンシェルミキサー等の高速攪拌機を用いる方法や、圧縮剪断応力を加えることのできる装置による方法等が挙げられる。外添トナーはトナー母粒子に全ての外添剤を同時添加して外添する一段外添法より作成できるが、外添剤毎に外添する分段外添法より作成することもできる。外添中の温度上昇を防止するため、容器に冷却装置を設置するか、分段外添することが好ましい。
<その他>
本発明のトナーは、トナーをキャリアとともに用いる二成分系現像剤、又は、キャリアを使用しない磁性もしくは非磁性一成分系現像剤のいずれの形態で用いてもよい。二成分系現像剤として用いる場合、キャリアとしては、鉄粉、マグネタイト粉、フェライト粉等の磁性物質またはそれらの表面に樹脂コーティングを施したものや磁性キャリア等公知のものを用いることができる。樹脂コーティングキャリアの被覆樹脂としては一般的に知られているスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル共重合系樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、またはこれらの混合物等が利用できる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。以下の例で「部」とあるのは「質量部」を意味する。
各粒子径及び円形度等は次のように測定した。
<中位径測定(D50)>
1ミクロン未満の中位径(D50)を有す粒子の中位径(D50)は、日機装株式会社製型式MicrotracNanotrac150(以下ナノトラックと略す)および同社解析ソフトMicrotracParticle Analyzer Ver10.1.2−019EEを用い、電気伝導度が0.5μS/cmのイオン交換水を溶媒とし、溶媒屈折率:1.333、測定時間:120秒、測定回数:5回の測定条件で取り扱い説明書に記載された方法で測定し、その平均値を求めた。その他の設定条件は、粒子屈折率:1.59、透過性:透過、形状:真球形、密度:1.04とした。
<体積中位粒径測定(Dv50)>
1ミクロン以上の体積中位粒径(Dv50)を有す粒子の体積中位粒径(Dv50)は、ベックマン・コールター社製マルチサイザーIII(アパーチャー径100μm:以下、マルチサイザーと略す)を用い、同社アイソトンIIを分散媒として、分散質濃度0.03%になるように分散させて測定した。
<平均円形度測定>
平均円形度は、分散質を分散媒(セルシース:シスメックス社製)に5720〜7140個/μlとなるように分散させ、フロー式粒子分析装置(FPIA3000:シスメッ
クス社製)を用いて、HPF分析量0.35μl、HPF検出量2000〜2500個の条件下でHPFモードにより測定した。
<質量平均分子量(Mw)>
重合体一次粒子分散液、追添加粒子分散液を凍結乾燥して水分を除去したのち、THF可溶成分を、以下の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
装置:東ソー社製GPC装置 HLC−8320、カラム:TOSOH TSKgel
SuperHM−H(直径6mmx長さ150mmx2本)、溶媒:THF、カラム温度40℃、流量0.5mL/分、試料濃度:0.1質量%、検量線:標準ポリスチレン
<エマルション固形分濃度>
エマルション固形分濃度は、ケット科学研究所社製赤外線水分計FD−610を用い、2gの試料を195℃で90分加熱して水分を蒸発させることにより求めた。
[実施例1]
<ワックス分散液A1の調製>
ワックスとしてエステルワックス1(日油株式会社製 品名:WEP−3、カタログ融点73℃、カタログ酸価0.1mgKOH/g、カタログ水酸基価3mgKOH/g以下)30.00部(1440g)、デカグリセリンデカベヘネート(三菱化学フーズ株式会社製 品名:B100D、水酸基価27、融点70℃)0.24部、20%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(以下20%DBS水溶液と略す)1.93部、脱塩水67.83部を90℃に加熱して、45℃傾斜3段パドル翼を備えたCSTR型撹拌層内で20分混合した。次いでこの分散液を90℃に加熱したまま、バルブホモジナイザー(ゴーリン社製、15−M−8PA型)を用いて25MPaの加圧条件で循環乳化を開始し、ナノトラックで粒子径を測定し中位径(D50)が245nmになるまで分散してワックス分散液A1(エマルション固形分濃度=31.2%)を作製した。
<ワックス分散液A2の調製>
エステルワックス1 22.50部、エステルワックス2(日油株式会社製 品名:WEP−5、カタログ融点82℃、カタログ酸価0.1mgKOH/g、カタログ水酸基価3mgKOH/g以下)7.50部、(1080g)、デカグリセリンデカベヘネート0.24部、20%DBS水溶液1.93部、脱塩水67.83部を用いた以外はA1と同様の方法で、ワックス分散液A2(エマルション固形分濃度=31.1%)を作製した。
<イエロー着色剤分散液 Ye1の調製>
プロペラ翼を備えた攪拌機の容器に、ピグメントイエローPY155 20部、20%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(以下20%DBS水溶液と略す)1部、非イオン界面活性剤(花王社製、エマルゲン120)2.8部、導電率が2μS/cmのイオン交換水75部を加えて予備分散して顔料プレミックス液を得た。上記プレミックス液を原料スラリーとして湿式ビーズミルに供給し、分散を行った。なお、ステータの内径は120mmφ、セパレータの径が60mmφ、分散用のメディアとして直径が50μmのジルコニアビーズ(真密度6.0g/cm)を用いた。ステータの有効内容積は約2リットルであり、メデイアの充填容積は1.4リットルとしたので、メディア充填率は70%である。ロータの回転速度を一定(ロータ先端の周速が約11m/sec)として、供給口より前記プレミックススラリーを無脈動定量ポンプにより供給速度約40リットル/hrで供給し、所定粒度に達した時点で排出口より製品を取得した。なお、運転時にはジャケットから約10℃の冷却水を循環させながら行い、イエロー着色剤分散液Ye1を得た。顔料の分散中位径D50は146nm、分散液固形分は24.6%であった。
<イエロー着色剤分散液 Ye2の調製>
顔料をピグメントイエローPY180 20部に変更したほかは、イエロー着色分散液Ye1と同様の方法で、イエロー着色分散液Ye2を作成した。顔料の分散中位径D50は225nm、分散液固形分は24.2%であった。
<イエロー着色剤分散液 Ye3の調製>
顔料をピグメントイエローPY185 20部に変更したほかは、イエロー着色分散液Ye1と同様の方法で、イエロー着色分散液Ye3を作成した。顔料の分散中位径D50は265nm、分散液固形分は23.5%であった。
<イエロー着色剤分散液 Ye4の調製>
顔料をピグメントイエローPY155 16部およびピグメントイエローPY180 4部に変更したほかは、イエロー着色分散液Ye1と同様の方法で、イエロー着色分散液Ye4を作成した。顔料の分散中位径D50は223nm、分散液固形分は22.7%であった。
<イエロー着色剤分散液 Ye5の調製>
顔料をピグメントイエローPY155 16部およびピグメントイエローPY185 4部に変更したほかは、イエロー着色分散液Ye1と同様の方法で、イエロー着色分散液Ye5を作成した。顔料の分散中位径D50は263nm、分散液固形分は23.7%であった。
<イエロー着色剤分散液 Ye7の調製>
顔料をピグメントイエローPY139 20部に変更したほかは、イエロー着色分散液Ye1と同様の方法で、イエロー着色分散液Ye7を作成した。顔料の分散中位径D50は138nm、分散液固形分は20.2%であった。
<イエロー着色剤分散液 Ye6の調製>
顔料をピグメントイエローPY74 20部に変更したほかは、イエロー着色分散液Ye1と同様の方法で、イエロー着色分散液Ye6を作成した。顔料の分散中位径D50は153nm、分散液固形分は24.2%であった。
<マゼンタ着色剤分散液 Ma1の調製>
顔料をピグメントレッドPR122 20部に、分散剤を20%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(以下20%DBS水溶液と略す)1部、非イオン界面活性剤(花王社製、エマルゲン120)5.0部に変更したほかは、イエロー着色分散液Ye1と同様の方法で、マゼンタ着色分散液Ma1を作成した。顔料の分散中位径D50は232nm、分散液固形分は26.2%であった。
<重合体一次粒子分散液B1の調製>
攪拌装置、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器にワックス分散液A1 34.7部、脱塩水252部、0.5%硫酸鉄(II)7水和物水溶液0.02部を仕込み、攪拌しながら窒素気流下で90℃に昇温した。
その後、攪拌を続けたまま下記のモノマー類・乳化剤溶液の混合物を240分かけて添加した。このモノマー類・乳化剤水溶液の混合物を添加開始した時間を重合開始とし、下記の開始剤水溶液を重合開始0分から480分かけて添加した。重合開始240分に下記の硫酸鉄水溶液を添加した。重合開始300分に95℃に昇温した。重合開始540分まで加熱撹拌を継続した。
[モノマー類]
スチレン 70.9部
アクリル酸ブチル 29.1部
アクリル酸 0.85部
トリクロロブロモメタン 1.0部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.95部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 66.9部
[開始剤水溶液]
8%過酸化水素水溶液 28.0部
8%L−(+)アスコルビン酸水溶液 28.0部
[硫酸鉄水溶液]
0.5%硫酸鉄(II)7水和物水溶液 0.08部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液B1を得た。ナノトラックを用いて測定した中位径(D50)は239nmだった。質量平均分子量(Mw)は67000だった。
<追添加粒子分散液B2の調製>
攪拌装置、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器にワックス分散液A2 50.7部、20%DBS水溶液3.5部、脱塩水349部を仕込み、攪拌しながら窒素気流下で75℃に昇温した。
下記の開始剤水溶液1を添加して5分後、攪拌を続けたまま下記のモノマー類・乳化剤溶液の混合物を180分かけて添加した。このモノマー類・乳化剤水溶液の混合物の添加開始した時間を重合開始とし、重合開始180分に下記の硫酸鉄水溶液を添加した。重合開始180分に93℃に昇温した。下記の開始剤水溶液2を重合開始240分から60分かけて添加した。下記の開始剤水溶液3を重合開始240分から120分かけて添加した。重合開始480分まで加熱撹拌を継続した。
[モノマー類]
スチレン 97.9部
アクリル酸ブチル 2.1部
アクリル酸 1.5部
1−ドデカンチオール 1.0部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 66.7部
[開始剤水溶液1]
20%過硫酸アンモニウム水溶液 6.0部
[開始剤水溶液2]
8%過酸化水素水溶液 14.2部
[開始剤水溶液3]
8%L−(+)アスコルビン酸水溶液 21.3部
[硫酸鉄水溶液]
0.5%硫酸鉄(II)7水和物水溶液 0.05部
重合反応終了後冷却し、乳白色の追添加粒子分散液B2を得た。ナノトラックを用いて測定した中位径(D50)は112nmだった。質量平均分子量(Mw)は41000だった。
<トナー母粒子C1の調製> 実施例1
攪拌装置、加熱冷却装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器に重合体一次粒
子分散液B1 86.9部(固形分)、20%DBS水溶液 0.15部(固形分)、5%硫酸鉄(II)七水和物水溶液 0.11部(固形分)、マゼンタ顔料分散液Ma1 8.7部、イエロー顔料分散液Ye1 0.3部を撹拌しながら順に添加した。178分かけて内温45.2℃まで昇温した。ここでマルチサイザーを用いて体積中位粒径(Dv50)を測定したところ、5.4μmであった。重合体一次粒子分散液B1 9.7部(固形分)を追加した。30分後、追添加粒子分散液B2 3.5部(固形分)を追加した。90分後、20%DBS水溶液4.1部(固形分)と脱イオン水23部を添加してから、25分かけて69℃まで昇温し、94分保持した。その後30℃まで冷却した。
得られた分散液を抜き出し、5種C(東洋濾紙社製 No.5C)の濾紙を用いてアスピレーターにより吸引ろ過した。濾紙上に残ったケーキを攪拌機(プロペラ翼)を備えたステンレス容器に移し、電気伝導度が1μS/cmのイオン交換水を加え攪拌する事により均一に分散させ、その後30分間攪拌した。この工程をろ液の電気伝導度が2μS/cmになるまで繰り返した後、得られたケーキを40℃に設定された送風乾燥機内で48時間乾燥する事により、トナー母粒子C1を得た。
<トナーD1の製造>
トナー母粒子C1(100部)に対し、ポリマー/シリカ複合体粒子(ATLAS100:キャボット社製:シリカ/ポリマー比=70/30、真比重=1.7g/cm、オクタヒドロペンタレン含有、)を4部、チタニアとシリカ複合酸化物粒子(STX501:日本アエロジル社製)を0.5部、小粒径シリカ(RY200L:日本アエロジル社製)を0.4部添加し、ヘンシェルミキサーにて3000rpmで15分間攪拌・混合して篩別することによりトナーD1を得た。
得られたトナーの体積中位粒径は5.73μm、平均円形度は0.976であった。
<トナーD2の調製> 実施例2
イエロー顔料分散液としてYe1の代わりにYe2を用いた以外はトナーD1と同様の方法で、トナーD2を作成した。
得られたトナーの体積中位粒径は5.41μm、平均円形度は0.976であった。
<トナーD3の調製> 実施例3
イエロー顔料分散液としてYe1の代わりにYe3を用いた以外はトナーD1と同様の方法で、トナーD3を作成した。
得られたトナーの体積中位粒径は5.62μm、平均円形度は0.976であった。
<トナーD4の調製> 実施例4
イエロー顔料分散液としてYe1の代わりにYe4を用いた以外はトナーD1と同様の方法で、トナーD4を作成した。
得られたトナーの体積中位粒径は5.59μm、平均円形度は0.976であった。
<トナーD5の調製> 実施例5
イエロー顔料分散液としてYe1の代わりにYe5を用いた以外はトナーD1と同様の方法で、トナーD5を作成した。
得られたトナーの体積中位粒径は5.64μm、平均円形度は0.976であった。
<トナーD6の調製> 実施例6
イエロー顔料分散液としてYe1の代わりにYe6を用いた以外はトナーD1と同様の方法で、トナーD6を作成した。
得られたトナーの体積中位粒径は5.63μm、平均円形度は0.975であった。
<トナーD7の調製> 比較例1
イエロー顔料分散液としてYe1の代わりにYe7を用いた以外はトナーD1と同様の方法で、トナーD7を作成した。
得られたトナーの体積中位粒径は5.58μm、平均円形度は0.975であった。
<トナーD8の調製> 比較例2
マゼンタ顔料分散液Ma1を9.0部添加し、イエロー顔料分散液を添加しなかったこと以外はトナーD1と同様の方法で、トナーD8を作成した。
得られたトナーの体積中位粒径は5.63μm、平均円形度は0.975であった。
<耐ブロッキング性>
現像用トナー10gを内径3cm、高さ6cmの円筒形の容器に入れ、20gの荷重をのせ、温度50℃、湿度55%の環境下に48時間放置した後、トナーを容器から取り出し、上から荷重をかけることで凝集の程度を確認した。
○:80g以下の荷重で崩れる
△:80gを超え150g以下の荷重で崩れる
×:150gを超える荷重をかけないと崩れない
<定着試験>
得られた現像用トナーを、印刷速度16ppm、非磁性一成分で現像ゴムローラー、金属ブレード、帯電ローラー(PCR)で帯電する有機感光体を搭載、定着ユニットを外した市販プリンターを用い、記録紙(OKIエクセレントホワイト)に、トナー付着量約0.5mg/cmの未定着のトナー像を印字した。
熱ロール定着機は、ローラー直径27mm、ニップ幅9mm、定着速度229mm/secであり、上ローラーにヒーターを有し、ローラー表面がPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)で構成されており、シリコーンオイルは塗布されていない。ローラーの表面温度を170℃から5℃刻みで降温し、付着量約0.5mg/cmの未定着のトナー像を担持した記録紙を定着ニップ部に搬送し、定着画像を得た。
<テープ剥離による低温定着性試験>
得られた定着画像にメンディングテープを貼り、その上を2kgの錘を通過させテープと定着画像を密着させた。メンディングテープを剥離し、定着画像がテープに移行する程度を目視で判定した。
◎:160℃以下で定着する
○:165℃で定着する
△:170℃で定着する
×:170℃で定着しない
<耐ホットオフセット性試験>
ローラーの表面温度を175℃から5℃刻みで昇温し、未定着のトナー像を担持した記録紙を定着ニップ部に搬送し、排出されたときの状態を観察した。
◎:195℃でオフセットしない
○:195℃でオフセットする
△:190℃でオフセットする
×:185℃以下でオフセットする
<色再現性評価および着色度評価>
上記の定着試験と同様に記録紙(OKIエクセレントホワイト)に、トナー付着量約0
.5mg/cmの未定着のトナー像を印字し、定着部材の温度を180℃となるよう常に制御した上で定着速度229mm/secにて定着して評価用サンプルとした。
形成されたべた画像について、色度計(X−Rite社製:X−Rite938)を用いてL*a*b*表色系(CIE:1976)におけるクロマチックネス指数a*およびb*を測定し、下記式(1)で示されるC*の値を求め、各カラートナーの色相および彩度を評価した。
C*=[(a*)2+(b*)2]1/2・・・式(1)
Maの色相の評価基準は、以下の通りである。
◎:非常に良好。b*が−10以上
○:良好。b*が−12.5以上−10未満
△:やや不良。b*が−15以上−12.5未満
×:不良。b*が−15未満
彩度の評価基準は、以下の通りである。
◎:非常に良好。C*が75以上
○:良好。C*が70以上75未満
△:やや不良。C*が65以上70未満
×:不良。C*が65未満
<耐候性評価>
得られた印字サンプルの耐候性テストを行なった。耐候性評価は、上記の印字したサンプルを下記のウエザオメーターに設置して行なった。Atlas Ci4000 Xenon Weather Ometer(東洋精機製作所)
試験条件:ブラックパネル温度 58℃
試験庫内 33℃
試験湿度 50%
照度 0.55W/m 340nm
アウターフィルター;ソーダライム
インナーフィルター;ボロシリケート
耐候性テスト前後の印字サンプルの画像濃度を測定し、トナーの耐候性を評価した。
画像濃度の測定には、X−Rite社製 分光測色濃度計X−Rite938(光源D50)を用いた。
試験前後のL値、a値、b値の差からΔEを計算した。
ΔE=[(L0−L)^2+(a0−a)^2+(b0−b)^2]^(1/2)
◎:非常に良好。耐光性試験500hrs以上でΔEが1.0以下
○:良好。耐光性試験500hrs以上でΔEが2.0以下1.0より大きい
△:やや不良。耐光性試験500hrs以上でΔEが5.0以下2.0より大きい
×:不良。耐光性試験500hrs以上でΔEが5.0より大きい
Figure 2018022078

Claims (4)

  1. 少なくとも、樹脂、着色剤、離型剤および無機微粒子を含有するマゼンタトナーにおいて、
    前記着色剤が少なくともC.I.ピグメントレッド122と、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー185、及びC.I.ピグメントイエロー180からなる群より選ばれる少なくとも1種のピグメントイエローとを含み、前記トナー中のC.I.ピグメントレッド122顔料に対する前記ピグメントイエロー顔料の質量割合(ピグメントイエロー顔料の質量/C.I.ピグメントレッド122の質量)が0.5質量%以上7質量%以下である、マゼンタトナー。
  2. 前記結着樹脂が、スチレン−アクリル共重樹脂又はポリエステル樹脂である、請求項1に記載のマゼンタトナー。
  3. 前記体積平均粒径Dv50が4〜7μmである、請求項1又は2に記載のマゼンタトナー。
  4. 少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有するトナーの製造方法であって、
    重合開始剤を用いて重合性単量体を重合して樹脂微粒子の分散液を作製する工程、
    該樹脂微粒子と、少なくともC.I.ピグメントレッド122と、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー185、及びC.I.ピグメントイエロー180からなる群より選ばれる少なくとも1種のピグメントイエローとを含み、C.I.ピグメントレッド122顔料に対する前記ピグメントイエロー顔料の質量割合(ピグメントイエロー顔料の質量/C.I.ピグメントレッド122の質量)が0.5%以上7%以下である着色剤粒子分散体を混合、凝集、及び融着してトナー母体粒子を形成する工程、
    該トナー母体粒子を洗浄する工程、
    該トナー母体粒子に外添剤を付与する工程
    を有すること特徴とする、トナーの製造方法。
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