JP5453766B2 - 静電荷像現像用トナー、トナーの製造方法及び液温調節装置 - Google Patents
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Description
更に、いわゆる乳化重合凝集法によるトナーは高画質化に対する市場の要求にある程度応えているものの、更なる高性能化が要求され、特に、粗大粒子の含有割合の一層の低減、粒径の均一性向上が求められている。
即ち、本発明の要旨は、以下の通りである。
含む溶液を反応させる工程の反応容器の伝熱面積/反応容器の体積が3.32(1/m)以下であり、
該樹脂粒子を含む溶液を反応させる工程に用いられる反応容器は、ジャケット付き反応容器であり、
且つ該反応容器は攪拌手段を備え、該反応容器はジャケット内に減圧下で高圧水蒸気を供給することにより加熱される手段及び/又はジャケット内に減圧下で水を供給すること
により冷却される手段とを備え、
且つ該反応容器の総括伝熱係数が300W/m2 ℃以上であり、
且つ該反応容器の肉厚/反応容器材質の熱伝導率が8×10−4m2℃/W以下であり
、
該樹脂粒子を含む溶液の反応工程における反応温度を、目標反応温度に最初に到達した後の目標反応温度との偏差の最大が1.0℃以下となるように、目標反応温度±1.0℃に保つことを特徴とする静電荷現像用トナーの製造方法。
(2)目標反応温度がトナー粒子のガラス転移点Tg−20℃以上、Tg以下であることを特徴とする前記(1)に記載の静電荷現像用トナーの製造方法。
(3)トナーの製造方法が湿式重合法であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の静電荷現像用トナーの製造方法。
(4)樹脂粒子を含む溶液を反応させる工程における溶液の温度を、10分間以上、目標反応温度±1.0℃に保つ工程が、トナーの凝集工程であることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の静電荷現像用トナーの製造方法。
圧下で水を供給することにより冷却する手段とを備えている。
また、冷却する手段として,大気圧下で水などが用いられているが、外気温度などに影響されやすく、冷却効果が一定にならず、品質の安定化に問題が生じる場合があった。
本発明は、加温する手段として減圧下で高圧水蒸気及び/又は、冷却する手段として減圧
下で水を用いることにより、加熱及び冷却速度が速く、ある目標反応温度に液温を保持することができ、粗粒が少なく、粒度分布がシャープなトナーを得ることができるのである。
本願発明の樹脂粒子を含む溶液を反応させる反応工程は、水系溶液を用いる湿式重合法に含まれる工程である。具体的には、乳化重合法であれば、重合体一次粒子分散液の製造工程、凝集工程、熟成工程等が挙げられ、懸濁重合法であれば、樹脂を含む重合性単量体組成物懸濁液の調整工程、重合工程等が挙げられ、溶解懸濁法であれば、樹脂を含む分散液の調整工程、該分散液からなる油相を水系媒体中に分散させ乳化分散液を得る工程等が挙げられる。
本発明の方法及び装置は、スケールの大きな反応においても温度コントロールすることができるため、特に産業上のメリットがある。本発明の方法及び装置は、反応容器の伝熱面積/反応容器の体積が100(1/m)以下のスケールである場合に特に好適である。
バインダー樹脂の製造に用いられる原料の重合性モノマーとしては特に限定はないが、具体的には例えば、スチレン;p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン等のスチレン誘導体;(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリルアミド;N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体;塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル化合物;無水マレイン酸;アクリロニトリル;プロピレン、ブタジエン等のアルケン化合物等が好ましい。ここで、「(メタ)アクリル」等の記載は、「アクリル」及び/又は「メタアクリル」を意味し以下同様である。また以下、スチレン及び/又はスチレン誘導体を、単に「スチレン(誘導体)」と略記する。
例えば、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ(2,4−ジメチル)バレロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、又は、レドックス系開始剤等を使用することができる。これらの内、レドックス系開始剤が好ましい。
該重合開始剤の添加量は目的とする重合度により変化するが、重合性単量体100重量部に対し0.1重量部以上、20重量部以下であることが好ましい。
例えば無機系酸化物であるリン酸三カルシウム,リン酸マグネシウム,リン酸アルミニウム,リン酸亜鉛,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,水酸化カルシウム,水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム,メタケイ酸カルシウム,硫酸カルシウム,硫酸バリウム,ベントナイト,シリカ,アルミナ,チタニア等が挙げられる。有機系化合物としては例えばポリビニルアルコール,ゼラチン,メチルセルロース,メチルヒドロキシプロピルセルロース,エチルセルロース,カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩,デンプン等が挙げられる。分散安定剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2〜10.0質量部を使用することが好ましい。
酸ステアリル、ペンタエリスリトールのステアリン酸エステル、モンタン酸グリセリド等の、炭素数15〜30の脂肪酸と1〜5価のアルコールとのエステルが好ましい。また、エステルを構成するアルコール成分としては、1価アルコールの場合は炭素数10〜30のものが好まく、多価アルコールの場合には炭素数3〜10のものが好ましい。
[重合体一次粒子]
乳化重合凝集法に用いられる重合体一次粒子としては、好ましくはガラス転移温度が40℃〜80℃であり、より好ましくは45℃〜65℃である。また、平均粒径(Mv)は、好ましくは0.02μm〜3μmである。この重合体一次粒子は、モノマーを乳化重合することにより得られる。
ムブロマイド等が挙げられる。
n−ノニルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル;アクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジプロピルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、アクリル酸アミド等の(メタ)アクリルアミド類等を挙げることができる。この中でも、スチレン又はブチルアクリレートが特に好ましい。
8μmのトナーを製造するには不適当である。
乳化重合凝集法では、重合体一次粒子の分散液と着色剤粒子を混合し、混合分散液とした後、これを凝集させて粒子凝集体とするが、着色剤は、乳化剤(前述の界面活性剤)の存在下で水中に乳化させエマルションの状態で用いるのが好ましく、着色剤粒子の平均粒径(Mv)としては、0.01μm〜3μmが好ましい。着色剤の使用量は、通常、重合体一次粒子100重量部に対して1重量部以上が好ましく、3重量部以上であることが更に好ましい。また、25重量部以下であることが好ましく、さらに好ましくは20重量部以下である。
乳化重合凝集法において、ワックスは、予め乳化剤(前記の界面活性剤)の存在下に分散してエマルジョン化したワックス微粒子分散液としたものを用いるのが好ましい。ワックスは、凝集工程に存在させるが、これには、ワックス微粒子分散液を重合体一次粒子及び着色剤粒子と共凝集させる場合と、ワックス微粒子分散液の存在化にモノマーをシード乳化重合させてワックスを内包した重合体一次粒子を作成し、これと着色剤粒子を凝集させる場合とがある。このうち、ワックスをトナー中に均一に分散させるには、ワックス微粒子分散液を上記の重合体一次粒子の作成時、すなわちモノマーの重合時に存在させるのが好ましい。
乳化重合凝集法において帯電制御剤を含有させる方法として、重合体一次粒子を得る際に、帯電制御剤をワックスと同時にシードとして用いたり、帯電制御剤をモノマー又はワックスに溶解又は分散させて用いたり、重合体一次粒子及び着色剤と同時に帯電制御剤を凝集させて粒子凝集体を形成したり、重合体一次粒子及び着色剤を凝集させて、ほぼトナーとして適当な粒径となった後に、帯電制御剤一次粒子を加えて凝集させることもできる。この場合帯電制御剤も乳化剤(前述の界面活性剤)を用いて水中で分散し、平均粒径0.01〜3μmのエマルション(帯電制御剤一次粒子)として使用することが好ましい。
本発明の製造法の凝集工程においては、上述の、重合体一次粒子、着色剤粒子、必要に応じて帯電制御剤、ワックス等の配合成分の粒子は、同時にあるいは逐次に混合して分散するが、予めそれぞれの成分の分散液、すなわち、重合体一次粒子分散液、着色剤粒子分散液、必要に応じ帯電制御剤分散液、ワックス微粒子分散液を調製しておき、これらを混合して混合分散液を得ることが好ましい。
上記の各粒子の混合分散液を凝集工程で凝集して粒子凝集体を作成するが、この凝集工程においては、加熱して凝集を行う方法がある。必要に応じて、後述のような電解質を加えて凝集してもよい。
設定した凝集温度に対して、オーバシュート等凝集液の温度が大きく変化すると、適切な凝集が行われない。凝集温度が上昇しすぎると、凝集体が肥大化し、所望のトナー粒径を得ることができない。さらに熱源に近い凝集液が局部的に過熱されることによって、凝集体の粒度分布が著しくブロードになる。この局部的過熱は、凝集工程の(反応容器の伝熱面積)/(反応容器の体積)が3.32(1/m)以下の凝集スケールによって特に発生する。伝熱面積は内容物液に接する容器内壁の伝熱面積である。
また、凝集温度が下降しすぎると、凝集体の形成が遅れ、微粉が増大し、また凝集に長時間必要となる。また、長時間の凝集は一部の凝集体の肥大化も招くことになる。
本発明では、凝集液の温度変化が凝集目標反応温度±1.0℃で少なくとも10分以上保たれることが好ましい。さらに凝集目標反応温度±0.5℃に保たれることが好ましい。
に減圧下で水溶液を供給することにより冷却する手段を用いる。この手段により、精密な凝集液の温度コントロールを可能とし、特に一定以上のスケールで凝集を行う場合に精密な凝集液の温度コントロールが可能となる。
W/m2 ℃以上、特に400W/m2 ℃以上であることが好ましい。
上記範囲であると、熱伝導が良くなり効率的な温度制御ができ、粗粒、微粒の少ない粒度分布がシャープなトナーを得ることができる。
総括伝熱係数の上限は特に限定されず、熱伝導が高いほうが好ましい。
総括伝熱係数は下記式で求めることができる。
下であることが好ましい。さらに6m×10−4m2℃/W以下、特に4.5×10−4
m2℃/W以下であることが好ましい。上記範囲であると熱伝導が良くなり、効率的な温
度制御ができ、粗粒、微粒の少ない粒度分布がシャープなトナーを得ることができる。反応容器の肉厚は、反応容器本体の胴板の値である。
熱伝導率はレーザーフラッシュ法等で求めることができる。
表面に被覆させる樹脂微粒子は、ワックスがトナー表面に露出しやすくなるため帯電性や耐熱性が悪化する場合があるため、ワックスを含有しない樹脂微粒子で被覆することが好ましい。
乳化重合凝集法においては、凝集工程で得られた粒子凝集体(トナー母粒子)の安定性を増すために、凝集工程の温度(凝集工程から熟成工程へ温度を変化させるときは凝集工程の最後の温度)から、「(Tg+10℃)〜(Tg+80℃)(但し、Tgはトナー粒子のガラス転移温度)の範囲」の温度まで昇温しつつ、凝集した粒子間の融着を起こす熟成工程を加える。なお、以下、「粒子間の融着が起きる最低温度」から、「(Tg+10℃)〜(Tg+80℃)の範囲の温度」までの温度範囲を「熟成工程の温度範囲」と略記する。熟成工程における昇温速度は、粒子凝集体の粒径を制御する観点から、好ましくは10℃/分以下であり、より好ましくは5℃/分以下、特に好ましくは3℃/分以下である。また、途中で昇温を止め、一定時間保持した後に再び昇温を開始してもよい。
てしまうこととなる。そこで、熟成工程の温度範囲まで昇温する前に、通常、乳化剤、pH調整剤等の分散剤を添加し、熟成工程における粒子凝集体の成長を抑える操作を加える。
。分散剤を連続的に添加する場合、分散剤の添加速度については、均一速度添加でもよいし、速度変動添加でもよい。分散剤の添加量や添加速度は、粒子凝集体の安定性により決めることが好ましい。分散剤がpH調整剤の場合には、熟成工程の間のpHが常に好適範囲に入っているように、連続的に添加又は分段的に添加することが好ましい。
に1回の割合がより好ましく、5分以下に1回の割合が特に好ましく、連続に添加することが更に好ましい。
上記の各工程を経ることにより得た粒子凝集体は、公知の方法に従って固液分離し、粒子凝集体を回収し、次いで、これを必要に応じて、洗浄した後、乾燥することにより目的とするトナー粒子を得ることができる。
本発明のトナーは、流動性や現像性を制御する為にトナー母粒子表面に公知の外添剤が配合されたものであってもよい。外添剤としては、アルミナ、シリカ、チタニア、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、タルク、ハイドロタルサイト等の金属酸化物や水酸化物、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸金属塩、窒化チタン、窒化珪素等の窒化物、炭化チタン、炭化珪素等の炭化物、アクリル系樹脂やメラミン樹脂等の有機粒子等が挙げられ、複数組み合わせることが可能である。中でも、シリカ、チタニア、アルミナが好ましく、また、例えばシランカップリング剤やシリコーンオイル等で表面処理されたものがより好ましい。その平均一次粒子径は1nm以上が好ましく、5nm以上がさらに好ましい。また、500nm以下が好ましく、100nm以下が更に好ましい。また、前記粒径範囲において小粒径のものと大粒径のものとを併用することも好ましい。外添剤の配合量の総量は、トナー母粒子100重量部に対して0.05重量部以上が好ましく、0.1重量部以上が更に好ましい。また、10重量部以下が好ましく、5重量部以下がさらに好ましい。
が3μm以上が好ましく、4μmがさらに好ましい。また、8μm以下が好ましく、7μm以下が更に好ましい。体積平均粒径が大き過ぎると高解像度の画像形成に適さず、小さ過ぎると粉体としての取り扱いが困難となる。
日機装株式会社製、型式:Microtrac Nanotrac 150(以下、「ナノトラック」と略記する)を用いて、ナノトラックの取り扱い説明書に従い、同社解析ソフトMicrotrac Particle Analyzer Ver10.1.2.-019EEを用い、電気伝導度が0.5μS/cmのイオン交換水を分散媒に用い、下記の条件で又は下記の条件を入力し、取り扱い説明書に記載された方法で測定した。
・測定時間 :100秒
・測定回数 :1回
・粒子屈折率:1.59
・透過性 :透過
・形状 :真球形
・密度 :1.04
以下の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定する。
装置:東ソー社製GPC装置 HLC−8020
カラム:ポリマーラボラトリー 社製 PL−gel Mixed−B 10μ
リファレンスカラム:東ソー社製 TSKgel GMH
溶媒:THF
試料濃度:0.1重量%
検量線:標準ポリスチレン
ケット科学研究所社製 固形分濃度測定機INFRARED MOISTURE DETERMINATIONBALANCE 型式FD−100を用い、固形分を含んだ試料1.00gを天秤上に精秤し、ヒーター温度300℃、加熱時間90分の条件で固形分濃度を測定した。
ベックマン・コールター社製マルチサイザーII(アパーチャー径100μm、以下マルチサ
イザーと略す)を用い、分散媒には同社アイソトンIIを用い分散質濃度0.03%になるように分散させて測定した。
本発明における「平均円形度」は、トナー母粒子を分散媒(アイソトンII、ベックマンコールター社製)に、5720〜7140個/μLの範囲になるように分散させ、フロー式粒子像分析装置(シスメックス社(旧東亜医用電子社)製、FPIA2100)を用いて、以下の装置条件にて測定を行い、その値を「平均円形度」と定義する。本発明においては、同様の測定を3回行い、3個の「平均円形度」の相加平均値を、「平均円形度」として採用する。
・モード :HPF
・HPF分析量 :0.35μL
・HPF検出個数:2000〜2500個
[円形度]=[粒子投影面積と同じ面積の円の周長]/[粒子投影像の周長]
そして、HPF検出個数である2000〜2500個を測定し、この個々の粒子の円形度の算術平均(相加平均)が「平均円形度」として装置に表示される。
導電率計(横河電機社製パーソナルSCメータモデルSC72、検出器SC72SN−11)を用いて、取り扱い説明書通り常法に従って行った。
得られた定着画像の画像濃度(ID)は分光側色濃度計(日本平版機材社製X−rite938)を用いて、C光源、受光角2度の設定とし、ベタ画像の先端、中間、後端において、各左端、中間、右端の計9箇所について測定し、その平均値とした。
現像槽内のスリーブ上に付着したトナーを、q/mメーターModel121OHS(トレックジャパン社製)にて吸引法で電荷量を測定した。吸引されたトナー重量とから単位重量あたりの帯電量を求めた。
本示差走査熱量計(セイコー電子工業社製 DSC220)において、サンプル量10mgを、雰囲気を空気とし、30℃より昇温速度10℃/分で110℃迄昇温し、1分保持後20℃/分で30℃迄降温、3分保持後再び10℃/分で110℃迄昇温する条件で測定した曲線の転移(変曲)開始部に接線を引き、2つの接線の交点の温度として求めた。
パラフィンワックス(日本精鑞社製HNP−9)27部、ステアリルアクリレート(東京化成社製)2.8部、20質量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(第一工業製薬社製(以下、「20%DBS水溶液」と略記する)1.9部、脱塩水68.3部を90℃に加熱して、10分間攪拌した。
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器に、上記ワックス・長鎖重合性単量体分散液A1 35.6部、脱塩水259部を仕込み、攪拌しながら窒素気流下で90℃に昇温した。
スチレン 76.8部
アクリル酸ブチル 23.2部
アクリル酸 1.5部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.7部
トリクロロブロモメタン 1.0部
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 67.1部
8質量%過酸化水素水溶液 15.5部
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 15.5部
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 14.2部
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器に、20質量%DBS水溶液1.0部、脱塩水312部を仕込み、窒素気流下で90℃に昇温し、攪拌しながら8質量%過酸化水素水溶液3.2部、8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液3.2部を一括添加した。これらを一括添加した時から5分後の時点を「重合開始」とする。
スチレン 92.5部
アクリル酸ブチル 7.5部
アクリル酸 0.5部
トリクロロブロモメタン 0.5部
20%DBS水溶液 1.5部
脱塩水 66.0部
8質量%過酸化水素水溶液 18.9部
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 18.9部
攪拌機(プロペラ翼)を備えた容器に、トルエン抽出液の紫外線吸光度が0.02であり、真密度が1.8g/cm3のファーネス法で製造されたカーボンブラック(三菱化学社製、三菱カーボンブラックMA100S)20部、20%DBS水溶液1部、非イオン界面活性剤(花王社製、エマルゲン120)4部、電気伝導度が2μS/cmのイオン交換水75部を加えて予備分散して顔料プレミックス液を得た。ナノトラックで測定した顔料プレミックス後の分散液中カーボンブラックの平均粒径(Mv)は90μmであった。
下記の各成分を用いて、以下の凝集工程(コア材凝集工程・シェル被覆工程)・熟成工程・洗浄工程・乾燥工程を実施することによりトナー母粒子Aを製造した。
重合体一次粒子分散液A1 固形分として95部
重合体一次粒子分散液A2 固形分として5部
着色剤分散液A 着色剤固形分として6部
20%DBS水溶液 コア材凝集工程では、固形分として0.2部
20%DBS水溶液 円形化工程では、固形分として6部
本工程に用いる装置は、ジャケット付き反応容器であり、反応容器の接液部がステンレス(SUS316L)と厚さ15mmの鉄(SM400B)を貼り合わせた部材で、ステンレス面を内側にした反応容器を用いた。本装置を図1に示す。図1において、ジャケット(9)付き反応容器(11)を用い、攪拌手段(10)を備えている。減圧下で高圧蒸気が、調節弁(3)を通り、ジャケットに供給されることで反応容器内の反応液(12)を加熱する。調節弁は、温度計(6,7)で測定された温度より蒸気量をコントロールしている。また、減圧下で水溶液を気化し、ジャケット内にスプレー(5)から供給することで、反応液を冷却する。
反応容器の伝熱面積/体積は3.32(1/m)、(反応容器の肉厚)/(反応容器材質の熱伝導率)が3.8×10−4m2℃/W、総括伝熱係数は522W/m2℃である。
分間均一に混合した。続いて液温7℃で、攪拌を続けながら硫酸第一鉄の5質量%水溶液をFeSO4・7H2Oとして0.52部を添加してから、着色剤分散液Aを添加し、液温7℃で均一に混合し、更に同一の条件のまま、0.5質量%硫酸アルミニウム水溶液を滴下した(樹脂固形分に対しての固形分が0.10部)。その後、上記原料を仕込み、混合し、攪拌しながら、加熱源としてジャケット内に供給した蒸気を真空ポンプで減圧することで発生させた減圧蒸気を、冷却源にはジャケット内面に水をスプレーしながら真空ポンプで減圧・気化させることによる気化冷却を用い、25℃より目標反応温度である55℃まで1℃/分で昇温させた。昇温し、目標反応温度に最初に到達した後の目標反応温度との偏差(オーバーシュート)は最大で+0.5℃であった。目標反応温度に最初に到達した後、反応液の温度が目標反応温度に対して±0.5℃になるまでに要した時間は5分であった。その後、体積平均粒径が5.32μmとなるまで、2.5時間、目標反応温度で保持した。保持した際の目標反応温度55℃からの反応液温度の振れ幅は、目標反応温度に対して−0.2℃〜+0.3℃であった。反応液の温度変化を図2に示す。
その後、液温55℃のまま、重合体一次粒子分散液A2を添加してそのまま60分保持した。
続いて、20%DBS水溶液(固形分として6部)を添加し、その後30分かけて81℃に昇温して、平均円形度が0.943になるまで、攪拌を続けた。その後30℃まで冷却し、トナー母粒子分散液Aを得た。
また、トナー母粒子分散液Aを除去した後の反応容器内面を観察したところ、付着物が殆どないことが確認された。
得られたトナー母粒子分散液Aを抜き出し、ろ紙を用いてアスピレーターにより吸引ろ過をした。ろ紙上に残ったケーキを、攪拌機(プロペラ翼)を備えた容器に移し、電気伝導度が1μS/cmのイオン交換水を加え50rpmで攪拌する事により均一に分散させ、その後30分間攪拌したままとした。 この工程を5回繰り返したところ、ろ液の電気伝導度は2μS/cmとなった。
○水分除去工程
次いで、フィルタードライヤーに予熱器で40℃に加熱したN2ガスを流入し、トナー母粒子Aを11時間乾燥した。この時のトナー母粒子Aの含水率は0.5%であった。
トナー母粒子Aの乾燥品に、疎水化処理したシリカ(Wacker−Chemie HmbH社製、商品名「Wacker HDK H30TD」;平均粒子径0.008μm)0.1部(トナー母粒子に対し0.4部)を添加し、ヘンシェルミキサーで混合することにより静電荷像現像用トナーAを得た。
得られた静電荷像現像用トナーAについて、印刷速度200mm/s、非磁性一成分で現像ゴムローラー、金属ブレード、帯電ローラー(PCR)で帯電する有機感光体、ベルト転写、熱定着方式を用いたベルト定着機を搭載したフルカラープリンターを用い印字率5%にて連続実写試験を行った。得られた定着画像の画像濃度(ID)、トナーの帯電量、トナーの消費量を測定した。それぞれ、印刷初期及び5千枚印刷時において測定した。
凝集、熟成工程において、昇温し、目標反応温度に最初に到達した後の目標反応温度との偏差(オーバーシュート)は最大で+0.5℃であった。目標反応温度に最初に到達した後、反応液の温度が目標反応温度に対して±0.5℃になるまでに要した時間は8分であった。その後、保持した際の目標反応温度55℃からの分散液温度の振れ幅は、目標反応温度に対して、0℃〜+0.5℃であった。反応液の温度変化を図3に示す。
また、トナー母粒子分散液を抜き出した後の反応容器内面を観察したところ、付着物が殆どないことが確認された。
初期のIDは1.6、帯電量はー14.5μC/g、トナー消費量は27g、5千枚印刷後におけるIDは1.5、帯電量はー13.2μC/m、トナー消費量は30gであり、1万枚後も安定した特性、良好な画質が形成された。
蒸気を用いず、加熱源に温水を用いた以外は実施例1と同様にして静電荷像現像用トナーを得た。
凝集、熟成工程において、昇温し、目標反応温度に最初に到達した後の目標反応温度との偏差(オーバーシュート)は最大で+0.3℃であった。目標反応温度に最初に到達した後、反応液の温度が目標反応温度に対して±0.5℃になるまでに要した時間は5分であった。その後、保持した際の目標反応温度55℃からの分散液温度の振れ幅は、目標反応温度に対して−0.3℃〜+0℃であった。反応液の温度変化を図4に示す。
また、トナー母粒子分散液を抜き出した後の反応容器内面を観察したところ、付着物が殆どないことが確認された。
た。
初期のIDは1.6、帯電量は−15.0μC/g、トナー消費量は26g、5千枚印刷後におけるIDは1.5、帯電量はー13.7μC/m、トナー消費量は29gであり、1万枚後も安定した特性、良好な画質が形成された。
反応容器の熱伝熱面積/体積は3.32(1/m)、(反応容器の肉厚)/(反応容器材質の熱伝導率)が15.3×10−4m2℃/W、総括伝熱係数は130W/m2℃である。
また、トナー母粒子分散液を抜き出した後の反応容器内面を観察したところ、反応容器内に付着物が発生していた。
初期のIDは1.4、帯電量は−13.1μC/g、トナー消費量は35g、5千枚印刷後におけるIDは1.3、帯電量はー11.7μC/m、トナー消費量は39.2gであった。
、白芯、白スジ、トナー飛散等の不具合が見られた。
2 ポンプ
3 調節弁
4 ラインミキサー
5 スプレー
6 温度計(ジャケット)
7 温度計(反応液)
8 冷却水タンク
9 ジャケット
10 攪拌翼
11 反応容器
12 反応液
Claims (4)
- 樹脂粒子を含む溶液を用いる静電荷現像用トナーの製造方法において、樹脂粒子を含む溶液を反応させる工程の反応容器の伝熱面積/反応容器の体積が3.32(1/m)以下であり、
該樹脂粒子を含む溶液を反応させる工程に用いられる反応容器は、ジャケット付き反応容器であり、
且つ該反応容器は攪拌手段を備え、該反応容器はジャケット内に減圧下で高圧水蒸気を供給することにより加熱される手段及び/又はジャケット内に減圧下で水を供給すること
により冷却される手段とを備え、
且つ該反応容器の総括伝熱係数が300W/m2 ℃以上であり、
且つ該反応容器の肉厚/反応容器材質の熱伝導率が8×10−4m2℃/W以下であり
、
該樹脂粒子を含む溶液の反応工程における反応温度を、目標反応温度に最初に到達した後の目標反応温度との偏差の最大が1.0℃以下となるように、目標反応温度±1.0℃に保つことを特徴とする静電荷現像用トナーの製造方法。 - 目標反応温度がトナー粒子のガラス転移点Tg−20℃以上、Tg以下であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷現像用トナーの製造方法。
- トナーの製造方法が湿式重合法であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷現像用トナーの製造方法。
- 樹脂粒子を含む溶液を反応させる工程における溶液の温度を、10分間以上、目標反応温度±1.0℃に保つ工程が、トナーの凝集工程であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の静電荷現像用トナーの製造方法。
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