JP4326854B2 - 負帯電性トナー、これを用いたトナー容器、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

負帯電性トナー、これを用いたトナー容器、画像形成装置及び画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電記録等に使用する負帯電性トナーに関し、さらに詳しくは、プリンター、複写機、ファクシミリなどの電子写真方式の画像形成方法、及び装置に使用される負帯電性トナー、これを用いたトナー容器、該トナー容器が搭載された画像形成装置及び画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、オフィスにおけるOA化、カラー化が一段と進み、従来の文字のみからなる原稿の複写だけではなく、パーソナルコンピュータで作成したグラフ等を含む原稿をプリンターにて出力し、プレゼンテーション用の資料等として多数枚複写する機会が増している。一般にプリンター出力画像は、ベタ画像、ライン画像、ハーフトーン画像にする場合が多く、それにともない画像品質に対する市場の要求が変化しつつあり、また、高信頼性等に対する要求も更に高まっている。
【0003】
電子写真、静電記録、静電印刷等において使用される現像剤は、その現像工程において、例えば、静電荷像が形成されている潜像担持体(代表的には感光体)に一旦付着され、次に転写工程において感光体から転写紙等の転写媒体に転写された後、定着工程において紙面に定着される。その際、潜像保持面上に形成される静電荷像を現像するための現像剤としては、キャリアとトナーから成る二成分系現像剤及び、キャリアを必要としないでトナーのみからなる一成分系現像剤(磁性トナー、非磁性トナー)が知られている。二成分現像剤を用いる方式は、トナー粒子がキャリア表面に付着することにより現像剤が劣化する傾向があり、また、トナーのみが消費されることにより現像剤中のトナー濃度が低下するので、キャリアとトナーとの混合比を常に一定割合に保持しなければならず、そのため現像装置が大型化するといった欠点がある。一方、一成分現像剤を用いる方式では、上記欠点が無く、装置が小型化できる等の利点を有しているため、現像方式の主流になりつつある。
【0004】
ところで、一成分系現像剤を用いた一成分現像方式は、磁性トナーを用いる磁性一成分現像方式と、非磁性トナーを用いる非磁性一成分現像方式とに更に分類される。
【0005】
磁性一成分現像方式は、内部にマグネットなどの磁界発生手段を設けたトナー搬送部材を用いて、マグネタイトなどの磁性体を含有する磁性トナーを搬送、保持し、層厚規制部材により、薄層化し現像するもので、近年小型プリンターなどで多数実用化されている。
【0006】
これに対して、非磁性一成分現像方式は、トナーが磁気力を持たないため、トナー搬送部材に搬送部材を利用し、そのトナー搬送部材へトナーを供給し、静電気的に保持させ、層厚規制部材により、薄層化して現像するものであり、有色の磁性体を含有しないためカラー化に対応できるという利点があり、またトナー搬送部材にマグネットを用いないため、装置のより軽量化、低コスト化が可能となる利点があり、近年小型フルカラープリンター等で実用化されている。
【0007】
しかしながら、一成分現像方式では、未だ改善すべき課題が多いのが現状である。一方の二成分現像方式では、トナーの帯電、搬送手段としてキャリアを用い、トナーとキャリアは現像器内部において十分撹拌、混合された後にトナー搬送部材に搬送され現像に供されるため、比較的長時間の使用においても安定した帯電、搬送を持続することが可能であり、また、高速の現像装置にも対応しやすいという利点がある。
【0008】
これに比べ、一成分現像方式ではキャリアのような安定した帯電、搬送手段がないため、長時間使用や高速化による帯電、搬送不良が起こりやすい。即ち、一成分現像方式は、トナー搬送部材上へトナーを搬送した後、層厚規制部材にてトナーを薄層化させて現像するが、トナーとトナー搬送部材、または層厚規制部材などの摩擦帯電部材との接触・摩擦帯電時間が非常に短いため、キャリアを用いた二成分現像方式よりも低帯電、逆帯電トナーが多くなりやすいという欠点がある。
【0009】
例えば、像剤担持体上のトナー層の規制部では、現像剤担持体に当接する薄層規制部材を用いてトナーを所定の層厚に規制している。ところが、一度薄層化されたトナーはすべて現像に用いられるわけではなく、再度規制部材により摺擦されることになり、この時にトナーの摩擦帯電量が過大となり、現像剤担持体に強く帯電付着し、現像剤担持体の帯電付与能が低下する。また、何度も摩擦帯電されたトナーと新規に補給されたトナーとはその帯電量に差が生じ易く、さらに又、トナーは粒径分布を持っており、体積当たりの表面積が大きく、質量当たりの摩擦帯電量が大きい微粉のトナーは現像されにくいことから現像剤担持体の最下層に付着し、そのためトナーと現像剤担持体間の摩擦帯電が著しく阻害されるという問題点がある。
【0010】
その結果、トナーに対して十分な摩擦帯電電荷が付与されず、画像濃度が低下するばかりか、トナー同士の摺擦が多く起こって所望する摩擦帯電極性と逆極性に摩擦帯電し、所謂反転トナーが発生し、感光体上の潜像の背景部に付着する所謂反転カブリが生じることとなる。
【0011】
また一成分現像方式においては、トナー供給が不足した場合、画像比率の高いベタの画像を現像すると現像剤担持体の一回転目で現像した濃度より二回転目以降で現像される濃度が薄いといった現象が生じる。現像剤担持体の最初の1周分に対応した部分の現像濃度が最も高く、2周目以降で濃度が低くなる。これは、現像剤担持体の一回転目で現像・消費されたトナー量に対して、弾性体のトナー補給補助部材の供給するトナー量が少ないために起きる現象である(以後、この現象を「ベタ追従性不良」と呼ぶ。)。
【0012】
これらの解決のため、前記薄層規制部材より現像剤担持体の回転方向上流側の位置に現像剤担持体に当接するトナー補給補助部材を設置し、このトナー補給補助部材によりフレッシュなトナーを供給するとともに同時に未現像の現像剤担持体上のトナーをかきとり、摩擦帯電量を常に均一に保つ方法が多く行われている。
しかしながら、これらの作用はトナー粒子に対し、外添剤を埋没させ、流動性、帯電性を低下させる。さらに、固着まではしないが、現像機内でのストレスによりトナー粒子のゆるい凝集体を生成し、現像剤担持体と薄層規制部材との間に挟まり、それがトナーの薄層を掻き取ってしまい、結果として画像が白く抜けてしまう異常画像等が発生していた。
【0013】
非磁性一成分現像方式で長期に渡って信頼性の高い画質を確保するためには、トナーに用いられる結着樹脂(バインダー樹脂)は機械的な衝撃力に耐えられなければならない。しかしそのような条件ではトナーが摩擦により発熱し、搬送部材、帯電部材へ融着するいわゆるフィルミングが発生し、供給部材、現像ローラ等の現像装置の耐久性が短くなり、長期の使用においてトナーの帯電性が不安定になるという問題が生じる。
【0014】
更に又トナーは、現像機内中で粉砕され、微粒子化し、画像濃度低下や搬送の阻害を起こし、白抜け画像を発生させることもある。このため非磁性一成分現像方式では長期間の使用に耐えらないため、数千枚程度の複写で早期にプロセスカートリッジと呼ばれる作像ユニットを交換しなくてはならないといった欠点を有していた。
【0015】
一方これらの方法で用いられる乾式トナーは、バインダー樹脂、着色剤を主成分とし、必要に応じて帯電制御剤、離型剤等の添加物を含有させたもので、特性として、上述したような帯電性、流動性、機械的強度などに加え、転写性、環境安定性、保存性、定着性等の多くの要求を満たすべく作られている。
【0016】
しかし上述したとおり、とくに一成分現像においては、複写を繰り返すうちに、現像機内で帯電付与部材や他の部材との接触によるストレス・衝撃力等を受け、構造的、特性的に劣化してしまう。その結果、流動性や帯電性までも劣化が起こり、複写を繰り返すうちにトナーによる機内の汚れが発生したり、画質も劣化してしまう等の問題が発生していた。このため長期に渡って信頼性の高い画質を確保するためには、機械的なストレスや衝撃力に耐え、かつ帯電性も有する強靱なバインダーを用いてトナーを設計すること、さらに従来トナーの帯電を安定化させるために帯電制御剤や添加剤を添加することが行われている。
【0017】
帯電制御剤は、トナーの摩擦帯電量を制御しその摩擦帯電量を維持する働きをする。負帯電性の代表的な帯電制御剤としては、モノアゾ染料、サリチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸の金属塩・金属錯塩、ジアゾ化合物、ホウ素による錯化合物などが挙げられ、また正帯電性の代表的な帯電制御剤としては、四級アンモニウム塩化合物、イミダゾール化合物、ニグロシン、アジン系染料などが挙げられる。
【0018】
添加剤は、トナーの摩擦帯電量を制御、維持する働きの他に、トナーの搬送性、現像性、転写性、保存性などの働きも有する。従来のトナーでは、これらの特性を改善するために、たとえばでは疎水性シリカをトナーに添加することが開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0019】
しかし、シリカ単独では特に帯電性が高くなりすぎ、一成分現像方式では地肌カブリ等が発生してしまう。また転写性が良過ぎるためチリ、飛散などの欠陥が発生する。
【0020】
また酸化チタンやカップリング剤で表面処理した酸化チタンを、トナーに添加することが開示されている(例えば、特許文献3〜5参照)。しかし、一成分現像においては酸化チタン単独ではとくに十分な流動性が得られず搬送性不良となり、ベタ画像でのトナー追従性が追いつかずベタ抜け画像や濃度不良などの異常画像の原因となってしまっていた。
【0021】
また表面処理された微粒子酸化チタンが開示されているが、粒子の分散性は改良されているものの、単独では今だ十分な帯電量は得られてなく経時の使用においては帯電劣化による画像劣化や、トナー飛散などが発生してしまっていた(例えば、特許文献6参照)。
【0022】
さらに、上記課題を解決するために疎水性酸化チタンと疎水性シリカ併用が試みられている(例えば、特許文献7〜10参照)。しかしながらこれらのトナーを使用した場合、環境特性に優れ、安定した画像が得られるとあるが、特に一成分現像方式ではストレスが大きいため経時では帯電性の劣化が激しく安定した画像を得ることが出来なかった。
【0023】
前述したように特に近年、オフィスにおけるOA化、カラー化が一段と進み、従来の文字のみからなる原稿の複写だけではなく、パーソナルコンピュータで作成したグラフ等を含む原稿をプリンターにて出力し、プレゼンテーション用の資料等として多数枚複写する機会が増している。それにともない画像品質に対する市場の要求が変化しつつあり、また、高信頼性等に対する要求も更に高まっている。
【0024】
また、カラー/白黒の区別なくカラープリンターが一般的に使用されるようになっている。このため従来の単色でのプリントと同じ感覚で使用されるようになってきており、カラー画像をプリンター出力する際、単色(特に黒画像)主体の画像であることが多くなってきている。プリントで使われているカラー部分はごく一部でしかないときがあり、このためトナーが消費されないことも多く、現像機内でとどまっていることも多く、現像機内でのストレス・衝撃力が増し、従来よりさらなる高耐久のトナーが求められるようになってきている。
【0025】
この様な特性を満足させるためには、機械的衝撃力等に耐えられる材料(特に樹脂)を選定することが必要である。そのほかに、帯電特性としては、トナーとしての帯電の立ち上がり特性に優れているとともに、帯電の安定性にも優れていることが要求される。すなわち、トナーはトナー搬送部材との攪拌等で摩擦帯電されるが、短い時間で速やかに所望の帯電量に到達し、さらにそれ以降は混合攪拌されても帯電量は増大、低下することなく一定を維持する特性を有することが必要である。
【0026】
【特許文献1】
特開昭56−128956号公報
【特許文献2】
特開昭59−52255号公報
【特許文献3】
特開昭59−52255号公報
【特許文献4】
特開昭60−112052号公報
【特許文献5】
特開平4−40467号公報
【特許文献6】
特開平7−228549号公報
【特許文献7】
特開昭60−136775号公報
【特許文献8】
特開平7−43930号公報
【特許文献9】
特開平10−69147号公報
【特許文献10】
特開2001−5213号公報
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来技術には、地肌カブリ、チリ、飛散などの発生、搬送性不良、ベタ抜け画像や濃度不良などの異常画像の発生等という問題がある。
【0028】
そこで本発明は、この様な上記の問題を解決するためになされたものであり、カラープリンター等での使用で起きる極度のストレス・衝撃力にも優れた帯電立ち上がり性を持ち、経時にわたって帯電性を維持でき、さらに環境等に優れた負帯電性トナー、これを用いたトナー容器、該トナー容器が搭載された画像形成装置及び画像形成方法を提供することを課題とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明では、トナー母体の結着樹脂が、THF不溶成分を含まず、かつゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPCと称する)による分子量分布における分子量500以下の成分の該樹脂中の含有割合が1〜4重量%であり、かつ該樹脂の分子量3000〜9000の領域に1つのピークを有するポリエステル樹脂及び/又はポリオール樹脂であり、トナーの外添剤が少なくとも疎水性シリカ粒子と疎水性酸化チタン粒子であり、トナーの酸価が10KOHmg/g以下である負帯電性トナーを最も主要な特徴とする。
【0030】
請求項2記載の発明では、該トナー母体の帯電量をQ(t)、該疎水性シリカの帯電量をQ(Si)、該疎水性酸化チタン粒子の帯電量をQ(Ti)としたとき、Q(Si)<Q(t)<Q(Ti)<0、である請求項1に記載の負帯電性トナーを主要な特徴とする。
【0031】
請求項3記載の発明では、該疎水性酸化チタン粒子が、有機珪素化合物で表面処理された酸化チタン粒子である請求項1又は2に記載の負帯電性トナーを主要な特徴とする。
【0032】
請求項4記載の発明では、該有機珪素化合物が、オルガノアルコキシシランまたはオルガノアシルオキシシランである請求項1〜3のいずれかに記載の負帯電性トナーを主要な特徴とする。
【0033】
請求項5記載の発明では、該有機珪素化合物が、イソブチルトリメトキシシランである請求項1〜4のいずれかに記載の負帯電性トナーを主要な特徴とする。
【0034】
請求項6記載の発明では、該有機珪素化合物によるの表面処理量が、酸化チタン100重量部に対して12〜25重量部である請求項1〜5のいずれかに記載の負帯電性トナーを主要な特徴とする。
【0035】
請求項7記載の発明では、該有機珪素化合物の表面処理量が、酸化チタン100重量部に対して15〜22重量部である請求項1〜6のいずれかに記載の負帯電性トナーを主要な特徴とする。
【0036】
請求項8記載の発明では、該疎水性酸化チタン粒子を構成する酸化チタンが、湿式法より製造された酸化チタン微粒子である請求項1〜7のいずれかに記載の負帯電性トナーを主要な特徴とする。
【0037】
請求項9記載の発明では、該疎水性酸化チタン粒子を構成する酸化チタンの結晶系が、ルチル型である請求項1〜8のいずれかに記載の負帯電性トナーを主要な特徴とする。
【0038】
請求項10記載の発明では、該疎水性シリカ粒子が、シランカップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤またはアルミニウム系カップリング剤で表面処理されたシリカ粒子である請求項1〜9のいずれかに記載の負帯電性トナーを主要な特徴とする。
【0039】
請求項11記載の発明では、該疎水性シリカ粒子が、シランカップリング剤で表面処理されたシリカ粒子である請求項1〜10のいずれかに記載の負帯電性トナーを主要な特徴とする。
【0040】
請求項12記載の発明では、該疎水性シリカ粒子が、ヘキサメチルジシラザンで表面処理されたシリカ粒子である請求項1〜11のいずれかに記載の負帯電性トナーを主要な特徴とする。
【0041】
請求項13記載の発明では、該疎水性シリカ粒子及び該疎水性酸化チタン粒子の平均1次粒子径が、いずれも10〜40nmである請求項1〜12のいずれかに記載の負帯電性トナーを主要な特徴とする。
【0042】
請求項14記載の発明では、該疎水性シリカ粒子及び該疎水性酸化チタン粒子の平均1次粒子径が、いずれも12〜25nmである請求項1〜13のいずれかに記載の負帯電性トナーを主要な特徴とする。
【0043】
請求項15記載の発明では、請求項1〜14のいずれかに記載の負帯電性トナーが充填されているトナー容器を主要な特徴とする。
【0044】
請求項16記載の発明では、トナーカートリッジである請求項15に記載のトナー容器を主要な特徴とする。
【0045】
請求項17記載の発明では、請求項1〜14のいずれかに記載の負帯電性トナーを用いるプロセスカートリッジを主要な特徴とする。
【0046】
請求項18記載の発明では、請求項16に記載のトナー容器が搭載されている画像形成装置を主要な特徴とする。
【0047】
請求項19記載の発明では、請求項17に記載のプロセスカートリッジが搭載されている画像形成装置を主要な特徴とする。
【0048】
請求項20記載の発明では、トナー搬送部材、トナー層厚規制部材及びトナー補給補助部材を備え、且つトナー補給補助部材とトナー搬送部材及びトナー層厚規制部材とトナー搬送部材とが夫々当接している現像装置を用いて薄層化させ、トナー搬送部材に接触もしくは近接して像担持体表面にトナーを供給することによって、前記静電潜像を可視化する一成分現像方式において、上記請求項1〜14記載の負帯電性トナーを使用する画像形成方法を主要な特徴とする。
【0049】
請求項21記載の発明では、前記トナーによる像担持体の潜像現像時に、交互電界を印加する請求項20記載の画像形成方法を主要な特徴とする。
【0050】
請求項22記載の発明では、前記像担持体がアモルファスシリコン感光体である請求項20又は21記載の画像形成方法を主要な特徴とする。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下本発明についてさらに詳細に説明する。
【0052】
以下、図面により本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に関わる現像装置の一例を示す。現像装置2は、トナー搬送部材3とトナー補給補助部材5と、層規制部材4と、現像剤搬送部材6とを備え、層厚規制部材4とトナー補給補助部材5はそれぞれトナー搬送部材3に当接している。トナー補給補助部材5は層厚規制部材4のトナー搬送部材3回転方向の上流側に位置しており、トナー搬送部材3は潜像担持体例えば感光体1と接触又は非接触で対向している。トナー補給補助部材5表面は、トナー搬送部材3との当接部において順方向へ回転移動している。トナー補給補助部材5は回転可動である。また層厚規制部材4は、図のような円柱状のものでも良いし、ブレード等でも良く、かつ回転可動でも良いし、間欠回転可動でも良いし、固定しても良い。
【0053】
トナーは、現像剤搬送部材6によって攪拌され、トナー補給補助部材5の回転によってトナー搬送部材3に摺擦された後、層厚規制部材4によって規制され、トナー搬送部材3上に薄層となって担持される。現像部では、トナー搬送部材3と感光体1の間にバイアスを印加することにより、トナー搬送部材3上のトナーが感光体1上の静電荷像に付着し、現像が行われる。
【0054】
一方、現像装置2において現像に消費されずにトナー搬送部材3上に残存したトナーは、トナー搬送部材3の回転と共にトナー搬送部材3の上部より現像容器内に回収される。回収されたトナーは、トナー補給補助部材5によってトナー搬送部材3との当接部でトナー搬送部材3から剥ぎ取られる。同時にトナー補給補助部材5の回転によってトナー搬送部材3上に新たなトナーが供給され、新たなトナーは再びトナー搬送部材3と層厚規制部材4の当接部へ搬送される。
【0055】
一方、剥ぎ取られたトナーの大部分はトナー補給補助部材5の回転に伴い現像容器内のトナー中に搬送されて混ざり合い、剥ぎ取られたトナーの帯電電荷は分散される。
【0056】
本発明においてカラープリンター等での極度のストレス・衝撃力にも耐えることができ、優れた帯電立ち上がり性を持ち、さらに経時にわたって帯電性を維持でき、さらに環境等に優れた負帯電性トナーを成立させるにはトナー搬送部材、トナー層厚規制部材およびトナー補給補助部材等の要因もあるが主にトナー酸価、外添剤のシリカ、外添剤の酸化チタンの3点が重要となるが、トナー母体の結着樹脂の分子量分布も特に重要である。以下、トナーの酸価、外添剤、結着樹脂の順に本発明を詳述する。
【0057】
トナーの酸価は(主に樹脂の酸価で決まるものであるが)初期的には帯電性とほぼ比例関係にあり、酸価が高くなれば、樹脂の負帯電性も大きくなることが知られており、同時に帯電の環境安定性にも影響する。すなわち酸価が高いと、低温低湿下では帯電量が高くなり、高温高湿下では帯電量が低くなり、地汚れや画像濃度、色再現性の変化が大きくなり、高画像品質の維持が難しい。さらに経時的には酸価が高い物ほど帯電がリークしやすく、帯電の維持が難しくなる。従って、酸価は10KOHmg/g以下の必要があり、5KOHmg/g以下が好適である。
【0058】
次に本発明で用いる外添剤について述べる。
疎水性シリカ粒子は、全体の帯電性を保つこと、更に帯電性の立ち上がりに寄与するが、それ単独では帯電量を一定に維持することが出来ない。このため、本発明においては、更に疎水性酸化チタン粒子を併用することにより、帯電量分布を鋭くすると共に、経時にわたっての帯電性を一定に維持するものである。
【0059】
一般に酸化チタン粒子そのものは正帯電性であるが、有機珪素化合物等で表面処理し疎水性を付与した酸化チタン粒子(疎水性酸化チタン粒子)は負帯電性となり、これが負帯電性トナーとして負帯電性で帯電を安定に維持させると共に疎水性シリカ粒子の帯電性を絶対値としては下げるもののその分布を鋭くする作用がある。
またこの帯電性の関係が、0>酸化チタン>トナー母体>疎水性シリカ、のバランスであるとさらに帯電性の維持を保ち易くなる。
【0060】
疎水性酸化チタン粒子としては、有機珪素化合物で表面処理した酸化チタン粒子を用いることができる。有機珪素化合物としては、シランカップリング剤、シリコーンオイルが挙げられるが、これらの中でも、シランカップリング剤が本発明の疎水性酸化チタン粒子を得るのに適している。
【0061】
前記シランカップリング剤としては、例えば、オルガノアルコキシシラン、オルガノアシルオキシシラン、オルガノクロロシラン、オルガノシラザン、特殊シリル化剤のいずれかのタイプも使用することもできる。この中で、好適にはオルガノアルコキシシラン及びオルガノアシルオキシシランがより好適に用いられる。
【0062】
本発明において、オルガノアルコキシシラン及びオルガノアシルオキシシランとしては、例えば下記一般式(1)で表されるオルガノアルコキシシラン及びオルガノアシルオキシシランを更に好適なものとして挙げることができる。
【化1】
RnSiR’4−n (1)
【0063】
式中、Rはアルコキシ基またはアシルオキシ基を表す。R’は有機基を表す。nはl〜3の整数を表す。
【0064】
該オルガノアルコキシシラン及びオルガノアシルオキシシランで表面処理した酸化チタンは前述の通り負帯電性が高く、経時のストレス・機械的衝撃等を受けても帯電性を維持する事が出来る。
【0065】
前記アルコキシ基としては、鎖状アルコキシ基を挙げることができる。好ましくは、主鎖の炭素数が1〜15の直鎖状アルコキシ基、又これに側鎖の炭素数が1〜15の側鎖を有する分枝状アルコキシ基を挙げることができる。具体例としては、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基を、特に好ましくはメトキシ基を挙げることができる。
【0066】
前記アシルオキシ基としては、側鎖を有していても良い鎖状アシルオキシ基を挙げることができる。好ましくは、主鎖の炭素数が1〜16の直鎖状アシルオキシ基、又これに側鎖の炭素数が1〜15の側鎖を有する分枝状アシルオキシ基を挙げることができる。より好ましくは、全炭素数1〜10のアシルオキシ基、例えばホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、2,2−ジメチルプロピオニルオキシ基等を、特に好ましくはアセトキシ基を挙げることができる。
【0067】
前記一般式のR’で示される有機基は、脂肪族基及び芳香族基であることができる。
【0068】
該脂肪族基としては、鎖状及び環状の脂肪族基が包含される。
前記鎖状脂肪族基としては、置換基を有していてもよいアルキル基およびアルケニル基が含まれる。また鎖状脂肪族基の主鎖を構成する炭素数は、好ましくは1〜20である。
【0069】
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ヘキサデシルデシル基、n−オクタデシル基等の直鎖状アルキル基を、イソブチル基、イソアミル基、イソプロピル基、1−エチルプロピル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルヘプチル基、1−プロピルブチル基、1−イソプロピル−2−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−プロピル−2−メチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基等の分岐状アルキル基を代表的なものとして挙げることができる。
【0070】
前記環状脂肪族基としては、置換基を有していても良いシクロアルキル基およびシクロアルケニル基が包含され、環数は1または複数(好ましくは2〜4)であることができる。一つの環を構成する炭素数は3〜20のものを挙げることができる。該シクロアルキル基としては、例えばシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基が挙げられる。
【0071】
また、前記鎖状及び環状脂肪族基において、置換基は、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基が挙げられる。ヒドロキシ基を有するアルキル基としては、例えばヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等を挙げることができる。またアルコキシ基を有するアルキル基としては、例えばメトキシ基エチル基、エトキシプロピル基、フェニルオキシ基エチル基等を挙げることができる。アシルオキシ基を有するアルキル基としては、特にはアルケニルカルボニルオキシ基を有するアルキル基、例えばアクリルオキシアルキル基、メタクリルオキシアルキル基を挙げることができ、そのアルキル鎖の炭素数は好ましくは1〜10であり、例えば、γ−アクリルオキシプロピル基、γ−メタクリルオキシプロピル基を代表的なものとして挙げることができる。
【0072】
前記アルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基、1−プロペニル基、クロチル基、1−ブテニル基、3−ブテニル基、2−ペンテニル基、4−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、2−ヘプテニル基、2−オクテニル基等があげられる。特には、ビニル基を好ましい基として挙げることができる。
【0073】
前記芳香族基としては、単環および多環のものが包含される。より具体的には、アリール基とアラルキル基を挙げることができる。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基を挙げることができ、置換基を有していても良い。アラルキル基としては、ベンジル基、1−フェニルエチル基等があげられる。これら基において、置換基は、アルキル基、アルケニル基であることができ、その炭素数は、好ましくは1〜10である。特に好ましいアリール基はフェニル基である。
【0074】
なお、前記有機基R’は、その基の水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されてもよい。
【0075】
本発明で用いる代表的な具体的オルガノアルコキシシラン及びオルガノアシルオキシシランとしては次のものを挙げることができる。
オルガノアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−へキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン等のアルキルアコキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のアルケニルアルコキシシラン、ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、ヒドキシプロピルトリメトキシシラン等のヒドロキシアルキルアルコキシシラン等のヒドロキシアルキルアルコキシシラン、γ−メタクリロオキシプロピルトリメトキシシラン等のアシルオキシアルキルアルコキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等のアリールアルコキシシランを挙げることができる。
オルガノアシルオキシシランとしては、メチルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、トリメチルアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ジエチルジアセトキシシラン、トリエチルアセトキシシラン、トリプロピルアセトキシシラン等のアルキルアシルオキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のアルケニルアシルオキシシランを挙げることができる。
【0076】
上記オルガノアルコキシシラン及びオルガノアシルオキシシランの中で、本発明により好ましいものとしては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、n−へキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシランなどを挙げることができる。
中でも、イソブチルトリメトキシシランは、酸化チタンとの表面処理性に優れ、また表面処理後の酸化チタンが凝集しにくく、流動性においても極めて優れることから特に好ましい。
【0077】
酸化チタンに対する該有機珪素化合物の処理量としては、酸化チタンに100重量部対して12〜25重量部が好ましく、更に15〜22重量部であることが特に好ましい。処理量が12重量部よりも少ないと、表面処理した酸化チタンを添加したトナーの帯電量が不足し、特に高温高湿下での画像濃度が低下するようになり、また多数回の繰り返し複写時においてトナーが飛散して複写機などの中が汚染され、またカブリ等が発生するようになる。処理量が25重量部を超えるときは、一次粒子径の小さいしかも凝集性の少ない微粉体を生成することが容易ではなく、凝集体の多い処理微粉体となる。このような凝集体の多い酸化チタンを添加した場合にはトナーに良好な流動性を付与することが困難となる。また、処理量が25重量部を超えるときには、静電荷像担持体上に形成された電気的潜像を表面処理した酸化チタンを添加したトナーにより現像した場合に酸化チタン表面と反応し得なかった有機珪素化合物の脱落等により、カブリの多い、しかもガサついたトナー画像が形成されるようになる。さらに脱落した有機珪素化合物が原因となって摩擦帯電付与部材等への汚染という新たな問題も生じるようになる。
【0078】
該有機珪素化合物による表面処理方法としては、該有機珪素化合物を含有する溶液中に酸化チタンを浸漬し乾燥させる方法、酸化チタンに該有機珪素化合物を含有する溶液を噴霧し乾燥させる方法などがあるが、前者の溶液中での処理方法が、無機酸化物で被覆された酸化チタン上に該有機珪素化合物に基づく均一な疎水異性被覆を形成させることができるため好ましい。
【0079】
本発明にいう表面処理酸化チタン微粒子は湿式法により製造された酸化チタンを表面処理するものである。ここで湿式法とは溶媒中で化学反応を経て製造する方法であり、酸化チタンの製造方法には、大別して硫酸法と塩素法とがある。本発明に用いる酸化チタンはいずれの製造方法により得られたものでもよいが、硫酸法により得られたものが好ましい。また、酸化チタンの結晶系には、アナタース型、ブルーカイト型、ルチル型の3種があり、工業的に製造されているのはアナタース型とルチル型であり、本発明において用いる酸化チタンとしては、いずれの結晶系の酸化チタンでもよいが、ルチル型が特に好ましい。
【0080】
酸化チタンの平均一次粒子径は、流動性付与の点から10〜40nmが好ましく、さらに好ましくは12〜25nmである。粒径が40nmを越えると流動性不良によりトナーの搬送性が維持できなくなると共に帯電が不均一となり、結果としてトナー飛散、カブリなどが生じるようになる。また、10nmよりも小さいと、トナー表面に埋め込まれ易くなり、トナー劣化が早く生じ、耐久性が低下するようになる。なお、酸化チタンの粒径は透過型電子顕微鏡により測定することができる。
【0081】
該有機珪素化合物により表面処理が施された酸化チタンの比表面積としては、20〜200m/gが適当であり、特に60〜120m/gであることが好ましい。比表面積が20m/gよりも小さくなると流動性が悪化し、また200m/gよりも大きくなると電子写真感光体などの静電荷像担持体に傷が発生するようになり画像品質が劣化するようになる。
【0082】
比表面積は、カンタソーブQS−16型(カンタクローム社製)を用いて、窒素の吸着量からBET1点法により算出された値である。具体的には、試料0.2〜0.3gを測定セルにとり、窒素30Vol%/ヘリウム70Vol%の混合ガス気流中、100℃で30分間脱ガス処理を行い、その上で試料を上記混合ガス気流中で液体窒素温度に保ち、窒素を試料に平衡吸着させる。次に、上記混合ガスを流しながら試料温度を徐々に室温まで上昇させ、その間に吸着した窒素の量を検出し、予め作成した検量線により、酸化チタンの比表面積を測定する。
【0083】
本発明において疎水性酸化チタン粒子は、疎水性を有する酸化チタン粒子であればいずれでも用いることができるが、その中でも、メタノール疎水化度50〜80%の疎水性酸化チタン粒子が本発明に有利に用いられる。この範囲の疎水化度において、特にトナーの流動性に優れ、凝集体のないか極めて少ないトナーが得られる。メタノール疎水化度が50%未満ではトナーの流動性が低下し、またメタノール疎水化度が80%を超えると凝集体の多い処理微粉体となる傾向がある。
【0084】
メタノール疎水化度は次のようにして測定する。
すなわち、200mLのビーカーに試料0.1gを計り採り、イオン交換水50mLを加え、マグネチックスターラーで攪拌する。次にビュレットを用い、メタノールを10秒間に約2mLずつ滴下し液面上に浮いた試料が完全になくなった状態を終点とし、次式からメタノール疎水化度を算出する。
【数1】
メタノール疎水化度(%)=[滴定量/(滴定量+50)]×100
【0085】
本発明のトナーにおいて、有機珪素化合物による表面処理が施された酸化チタンの含有量としては、トナー母体に対して0.5〜3.0重量%が好ましい。0.5重量%より少ないと帯電性の維持としての機能が発現しにくく、また3.0重量%を超えるとトナーから離脱しやすくなる。トナーから離脱した酸化チタンは、摩擦帯電付与部材等の表面を汚染しやすく付与部材の帯電付与能を低下させ、またトナーから遊離した酸化チタンは現像時に電子写真感光体などの静電荷像担持体表面上に飛びやすく、クリーニング不良の原因にもなりやすい。さらにカラートナーとして用いる場合には、酸化チタンが多く含有されていると、透明シートに形成されたトナー画像をオーバーヘッドプロジェクターで投影した場合に投影像にかげりが生じ、鮮明な投影像が得られない。
【0086】
次に、本発明の外添剤に用いるもう一つの成分の疎水性シリカ粒子について説明する。
疎水性シリカ粒子は、例えば、適宜調製した又は市販のシリカに、疎水化処理を施すことにより得ることができる。前記疎水化処理は、疎水化処理剤に前記シリカを浸漬等することにより行うことができる。前記疎水化処理剤としては、特に制限はないが、例えば、シランカップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シランカップリング剤が好適に挙げられる。
【0087】
前記シランカップリング剤としては、例えば、クロロシラン、アルコキシシラン、アシルオキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれかのタイプを使用することが可能である。
具体的には、クロルシランとしては、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン等が挙げられる。アルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等が挙げられる。アシルオキシシランとしては、、メチルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、トリメチルアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ジエチルジアセトキシシラン、トリエチルアセトキシシラン、トリプロピルアセトキシシラン等をのアルキルアシルオキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のアルケニルアシルオキシシラン等が挙げられる。
シラザンとしては、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ヘキサヘニルジシラザン等があげられる。
特殊シリル化剤としては、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレアが挙げられる。
これらの中でも、帯電性が高く、流動性に優れ、搬送性を維持できるヘキサメチルジシラザンを特に好ましいものとして挙げることができる。
【0088】
前記疎水化処理剤の量としては、前記シリカの種類等により異なり一概に規定することはできないが、通常、シリカ100重量部に対して、2〜50重量部程度であり、好ましくは5〜20重量部程度である。なお、本発明においては、前記疎水性シリカ微粒子として、市販品を好適に使用することができる。
疎水性シリカ粒子についても酸化チタン粒子と同様、平均一次粒子径は、流動性及び帯電性付与の点から10〜40nmが好ましくさらに好ましくは12〜25nmである。粒径が40nmを越えると流動性不良によりトナー帯電が不均一となり、結果としてトナー飛散、カブリなどが生じるようになる。また、10nmよりも小さいと、トナー表面に埋め込まれ易くなり、トナー劣化が早く生じ、耐久性が低下するようになる。
【0089】
疎水性シリカ粒子の比表面積としては、120〜200m/gが適当である。比表面積が120m/gよりも小さくなると流動性が悪化し、また200m/gよりも大きくなると電子写真感光体などの静電荷像担持体に傷が発生するようになり画像品質が劣化するようになる。
【0090】
比表面積は、カンタソーブQS−16型(カンタクローム社製)を用いて、窒素の吸着量からBET1点法により算出された値である。具体的には、試料0.2〜0.3gを測定セルにとり、窒素30V%/ヘリウム70V%の混合ガス気流中、100℃で30分間脱ガス処理を行い、その上で試料を上記混合ガス気流中で液体窒素温度に保ち、窒素を試料に平衡吸着させる。次に、上記混合ガスを流しながら試料温度を徐々に室温まで上昇させ、その間に吸着した窒素の量を検出し、予め作成した検量線により、シリカの比表面積を測定する。
【0091】
またこれら疎水性シリカ粒子のメタノール疎水化度としては、70%以上が好ましい。
メタノール疎水化度は前記酸化チタン粒子の場合の測定方法と同様にして行うことができる。
【0092】
またこれら2種類の外添剤成分以外にも必要に応じて他の添加剤を外添しても良い。例えば感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
【0093】
次に本発明に用いるトナー母体の結着樹脂について述べる。
結着樹脂としては、発色性、画像強度の点から好適なポリエステル樹脂及び/又はポリオール樹脂が用いられる。特にカラー画像は、数種のトナー層が幾重にも重ねられるため、トナー層が厚くなってしまい、トナー層の強度不足による画像の亀裂や欠陥が生じたり、適度な光沢が失われたりする。このことから適度な光沢や優れた強度を保持させるためポリエステル樹脂、ポリオール樹脂が用いられる。
【0094】
該ポリエステル樹脂は、一般に多価アルコールと多価カルボン酸とのエステル化反応により得ることができる。該ポリエステル樹脂を構成しているモノマーのうち、アルコールモノマーとしては、ジオールモノマーとしては、たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコールトリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタジエンオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物、その他の二価のアルコールがあげられる。また3価以上の多価アルコールとしては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンがあげられる。また1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等の多価フェノールや、ノボラック型のフェノール樹脂のオキシアルキレンエーテル等もあげられる。その他の3価以上の多価アルコールがあげることができる。3価以上のモノマーは主に架橋成分として用いられる。
【0095】
これらのモノマーのうち特に、ビスフェノールA アルキレンオキサイド付加物を主成分モノマーとして用いたものが好適に用いられる。ビスフェノールA アルキレンオキサイド付加物を構成モノマーとして用いた場合、ビスフェノールA 骨格の性質上、比較的高めのガラス転移点のポリエステルが得られ、耐コピーブロッキング性、耐熱保存性が良好となる。また、ビスフェノールA 骨格両側のアルキル基の存在が、ポリマー中でソフトセグメントとして働き、トナー定着時の発色性、画像強度が良好となる。特にビスフェノールA アルキレンオキサイド付加物のうち、エチレン基、プロピレン基のものが好適に用いられる。
【0096】
本発明に用いるポリエステル樹脂を構成するための酸モノマーとしては、たとえばマレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、またはn−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸等のアルケニルコハク酸類もしくはアルキルコハク酸類、これらの酸の無水物、アルキルエステル、その他の二価のカルボン酸が、そして、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水物、アルキルエステル、アルケニルエステル、アリールエステル、アラルキルエステル、その他の3価以上のカルボン酸を挙げることができる。
【0097】
上記アルキル基、アルケニル基またはアリールエステルの具体例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリメチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリエチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリn−ブチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸イソブチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリn−オクチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリ2−エチルヘキシル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリベンジル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−イソプロピルベンジル)等が挙げられる。
【0098】
ポリエステル樹脂の帯電性と酸価との関係はほぼ比例関係にあり、酸価が高くなれば、樹脂の負帯電性も大きくなることが知られており、同時に帯電の環境安定性にも影響する。すなわち酸価が高いと、低温低湿下では帯電量が高くなり、高温高湿下では帯電量が低くなり、地汚れや画像濃度、色再現性の変化が大きくなり、高画像品質の維持が難しい。従って、ポリエステル樹脂の酸価は10KOHmg/g以下が好ましくさらに、5KOHmg/g以下が好適である。
【0099】
本発明で用いられるポリオール樹脂としては、帯電の環境安定性、定着安定性、カラー再現性、光沢安定性、定着後のカール防止性などの面から、エポキシ樹脂の末端をキャッピングし、かつ主鎖にポリオキシアルキレン部をもつものが好適である。例えば、両末端グリシジル基のエポキシ樹脂と両末端グリシジル基の2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物を、ジハライドやイソシアネート、ジアミン、ジオール、多価フェノール、ジカルボン酸と反応させることにより得ることができる。このうち2価のフェノールを反応させることが、反応安定性の点でもっとも好ましい。また、ゲル化しない範囲で、多価フェノール類や多価カルボン酸類を2価フェノールと併用することも好ましい。
【0100】
本発明で用いられる両末端グリシジル基の2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物としては以下のものが例示される。エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド及び、これらの混合物とビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールとの反応生成物が挙げられる。得られた付加物を、エピクロロヒドリンやβ−メチルエピクロロヒドリンでグリシジル化して用いてもよい。特に、下記一般式(2)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のグリシジルエーテルが好ましい。
【0101】
【化2】
Figure 0004326854
(ここでRは、−CH−CH−、−CH−CH(CH)−又は−CH−CH−CH−であり、また、n、mは繰り返し単位数であり、各々1以上であってn+m=2〜6である。)
【0102】
本発明に用いるポリエステル樹脂、ポリオール樹脂は特に、THF不溶分がなく、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における分子量分布において、分子量500以下の成分の含有割合が1〜4重量%であり、分子量3000〜9000の領域に1つのピークを有するものが好ましい。THF不溶分が入ると光沢性が下がるとともに透明性が落ち、OHPシートを使用したときに高品質な画像を得ることができない。また分子量500以下の成分が1〜4重量%にすることで樹脂として脆い成分を低減でき、融着するいわゆるフィルミングや現像機内中での微粒子化を抑制することができる。これにより非磁性一成分現像方式においても長期間の使用に耐えることができ、トナー補給方式に於いても使用できるのである。
【0103】
本発明の分子量分布は、GPCにより以下のように測定される。
40℃のヒートチャンバー内でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mLの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6重量%に調整したトナー母体のTHF試料溶液を200μL注入して測定する。
THF試料溶液は注入前に0.45μmの液クロ用フィルターで、THF不溶成分を除去する。トナーの試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、PressureChemicalCo.あるいは、東洋ソーダ工業社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
【0104】
なおバインダー樹脂のTHF不溶分有無は、分子量分布測定のTHF試料溶液作成時に判断される。すなわち、0.45μmのフィルターユニットをシリンジの先に取り付けて液をシリンジ内から押し出す際に、フィルター詰まりがなければTHF不溶分はないと判断される。
【0105】
本発明に用いられる帯電制御剤としては負帯電性の帯電制御剤として公知のものがすべて使用でき、1種類以上複数の帯電制御剤を混合して用いても良い。例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩、フッ素変性4級アンモニウム塩、アルキルアミド、リンの単体または化合物、タングステンの単体または化合物、サリチル酸誘導体の金属塩化合物、フッ素系界面活性剤、樹脂帯電制御剤等が挙げられる。
【0106】
本発明に用いられる着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用できる。例えば、ブラックトナーに用いる黒色系着色剤としては、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒等が使用でき、イエロートナーに用いる黄色系着色材としては、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー等が使用でき、マゼンタトナーに用いる赤色系着色剤としては、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレトVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ等が使用でき、シアントナーに用いる青色系着色剤としてはコバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン等が使用でき、その他の着色剤としては酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。
使用量は一般にバインダー樹脂100重量部に対し0.1〜50重量部である。
【0107】
特に着色剤については前記結着樹脂であらかじめ処理することにより、顔料の結着樹脂への分散性を高め、前記含有量で十分な着色力を得、トナーの透明性、発色性を高め、帯電制御をしやすくできる。
【0108】
結着樹脂による前処理は結着樹脂と着色剤を一定の割合で溶融混練し、粗粉砕したものである。混合比は一般に着色剤1重量部に対し結着樹脂1〜5重量部が望ましい。結着樹脂1重量部に対し、着色剤が1重量部未満では着色剤を十分分散させることができない。また着色剤1重量部に対し結着樹脂5重量部より多くなると着色剤に分散力が働かず十分な分散ができない。2種以上の着色剤を用いる場合は個々で処理を行っても、またあらかじめ顔料を混合してから処理しても良い。
【0109】
製造されるトナーに離型性を持たせる為に、トナーの中にワックスを含有させることが好ましい。前記ワックスは、その融点が40〜120℃のものが好ましく、特に50〜110℃のものであることが好ましい。ワックスの融点が過大のときには低温での定着性が不足する場合があり、一方融点が過小のときには耐オフセット性、耐久性が低下する場合がある。なお、ワックスの融点は、示差走査熱量測定法(DSC)によって求めることができる。すなわち、数mgの試料を一定の昇温速度、例えば(10℃/min)で加熟したときの融解ピーク値を融点とする。
【0110】
上記ワックスとしては、例えば固形のパラフィンワックス、マイクロワックス、ライスワックス、脂肪酸アミド系ワックス、脂肪酸系ワックス、脂肪族モノケトン類、脂肪酸金属塩系ワックス、脂肪酸エステル系ワックス、部分ケン化脂肪酸エステル系ワックス、シリコーンワニス、高級アルコール、カルナウバワックスなどを挙げることができる。また低分子量ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンなども用いることができる。特に、環球法による軟化点が70〜150℃のポリオレフィンが好ましく、さらには当該軟化点が120〜150℃のポリオレフィンが好ましい。
【0111】
本発明のトナーは磁性材料を含有させ磁性トナーとしてもよい。磁性材料としては酸化鉄(マグネタイト、フェライト、ヘマタイトなど)、金属(鉄、コバルト、ニッケルなど)、前記金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カルシウム、カドミウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムなどの合金または混合物などがあげられる。これらの磁性体は体積平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては結着樹脂分100重量部に対し5〜150重量部である。
【0112】
本発明のトナーの製造方法は従来公知のいずれの方法でもよく、少なくとも結着樹脂、帯電制御剤および着色剤を含むトナー成分を機械的に混合する工程と、溶融混練する工程と、得られた混練物を冷却粉砕する工程と、分級する工程とを有するトナーの製造方法が適用できる。また機械的に混合する工程や溶融混練する工程において、粉砕または分級する工程で得られる製品となる粒子以外の粉末を戻して再利用する製造方法も含まれる。
【0113】
ここで言う製品となる粒子以外の粉末(副製品)とは溶融混練する工程後、粉砕工程で得られる所望の粒径の製品となる成分以外の微粒子や粗粒子や引き続いて行われる分級工程で発生する所望の粒径の製品となる成分以外の微粒子や粗粒子を意味する。このような副製品を混合工程や溶融混練する工程で原料と好ましくは主原材料100に対し副製品を1〜20重量部混合するのが好ましい。
【0114】
以上の混合工程が終了したら、次いで混合物を混練機に仕込んで溶融混練する。溶融混練機としては、一軸、二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイ・シー・ケイ社製2軸押出機、池貝鉄工所社製PCM型2軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、バインダー樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが重要である。具体的には、溶融混練温度は、バインダー剤樹脂の軟化点を参考に行うべきであり、軟化点より低温過ぎると切断が激しく、高温過ぎると分散が進まない。
【0115】
以上の溶融混練工程が終了したら、次いで混練物を粉砕する。この粉砕工程においては、まず粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
【0116】
この粉砕工程が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中で分級し、もって所定の粒径、例えば平均粒径が5〜20μmのトナー母体を製造する。また、トナーを調製する際には、現像剤の流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上のようにして製造されたトナー母体にさらに先に挙げた外添剤の疎水性シリカ粒子及び疎水性酸化チタン粒子を添加混合する。外添剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。外添剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中または漸次外添剤を加えていけばよい。もちろん混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。はじめに強い負荷を、次に比較的弱い負荷を与えても良いし、その逆でも良い。
【0117】
使用できる混合設備の例としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。次いで、250メッシュ以上の篩を通過させ、粗大粒子、凝集粒子を除去し、本発明の負帯電性トナーを得る。
【0118】
本発明のトナーはトナー容器に充填され、画像形成装置に搭載される。また、トナーカートリッジに充填し、これを画像形成装置に搭載するようにしてもよい。また、プロセスカートリッジに効果的に用いることができる。
【0119】
又、本発明の負帯電性トナーは、そのすぐれた耐久性等によって、一成分現像方式での画像形成方法に好んで用いられる。具体的にはトナー搬送部材、トナー層厚規制部材およびトナー補給補助部材を備え、且つトナー補給補助部材とトナー搬送部材、およびトナー層厚規制部材とトナー搬送部材とが夫々当接している現像装置を用いて薄層化させ、トナー搬送部材に接触もしくは近接して像担持体表面にトナーを供給することによって、前記静電潜像を可視化する一成分現像方式において、本発明の負帯電性トナーを使用する画像形成方法として好んで用いられる。
又、その際像担持体の潜像現像時に、交互電界を印加する画像形成方法に有利に用いられる。
又、その際、像担持体がアモルファスシリコン感光体である画像形成方法に特に有利に用いられる。
【0120】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また以下の例において部および%は、特に断りのない限り重量基準である。
<結着樹脂の合成例>
[樹脂合成例1]
攪拌装置、温度計、窒素導入口、流下式コンデンサー、冷却管付き4つ口セパラブルフラスコに、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン740g、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン300g、テレフタル酸ジメチル466g、イソドデセニル無水コハク酸80g、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリn−ブチル114gをエステル化触媒とともに加えた。窒素雰囲気下で前半210℃で8時間反応し、後半210℃減圧にて撹拌しつつ5時間反応させた。これにより分子量500以下の含有量3.5%、分子量ピーク7500、Tg62℃、Mw/Mn比5.1、酸価8.3KOHmg/g、フローテスターによる見掛け粘度10Pa・s温度112℃、のポリエステル樹脂(樹脂A)を得た。
【0121】
[樹脂合成例2]
ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン650g、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン650g、イソフタル酸515g、イソオクテニルコハク酸70g、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸80gをエステル化触媒とともにフラスコに加えた。これらを合成例1と同様の装置、同様の処方にて反応させたが、反応時間をそれぞれ短縮し、分子量500以下の含有量3.8%、分子量ピーク3500、Tg61℃、Mw/Mn比2.7、酸価12.0KOHmg/g、フローテスターによる見掛け粘度10Pa・s温度117℃、のポリエステル樹脂(樹脂B)を得た。
【0122】
[樹脂合成例3]
ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン714g、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン663g、イソフタル酸648g、イソオクテニルコハク酸150g、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸400gをエステル化触媒とともにフラスコに加えた。これらを合成例1と同様の装置、同様の処方にて反応させ、分子量500以下の含有量2.8%、分子量ピーク8500、Tg67℃、Mw/Mn比8.5、酸価18.2KOHmg/g、フローテスターによる見掛け粘度10Pa・s温度126℃、のポリエステル樹脂(樹脂C)を得た。
【0123】
[樹脂合成例4]
攪拌装置、温度計、窒素導入口、冷却管付きセパラブルフラスコに、低分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約360)378.4g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約2700)86.0g、ビスフェノールA型プロピレンオキサイド付加体のグリシジル化物(前記式(2)においてn+m:約2.1)191.0g、ビスフェノールF274.5g、p−クミルフェノール70.1g、キシレン200gを加えた。窒素雰囲気下で70〜100℃まで昇温し、塩化リチウムを0.1839g加え、更に160℃まで昇温し減圧下でキシレンを留去し、180℃の反応温度で6〜9時間重合させた。これにより分子量500以下の含有量2.1%分子量ピーク8200、Tg58℃、酸価0.0KOHmg/g、フローテスターによる見かけ粘度10Pa・s温度109℃のポリオール樹脂を得た(樹脂D)。
【0124】
[樹脂合成例5]
ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン750g(式(1)の物質)、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン175g、グリセリン160g、テレフタル酸ジメチル650gをエステル化触媒と共にフラスコに入れこれを合成例1と同様に反応させた。分子量500以下の含有量4.8%、分子量ピーク9000、Tg62℃、Mw/Mn比7.5、酸価3.0KOHmg/g、フローテスターによる見かけ粘度10pa.s温度123℃のポリエステル樹脂(樹脂E)を得た。
【0125】
<酸化チタン作成例>
[酸化チタン合成例A]
硫酸法により製造された平均1次粒子径0.015μmのルチル型酸化チタン200gをイソブチルトリメトキシシラン20gを溶解したトルエン溶液に添加し、超音波分散機で分散した。その後溶媒をドライアップし、カップリング剤処理酸化チタンを得た。これをジェットミルにより微粉砕し微粒子酸化チタンAを得た。
【0126】
[酸化チタン合成例B]
合成例Aと同様に硫酸法により製造された平均1次粒子径0.015μmのルチル型酸化チタン200gをイソブチルトリメトキシシラン30gを溶解したトルエン溶液に添加し、超音波分散機で分散した。その後溶媒をドライアップし、カップリング剤処理酸化チタンを得た。これをジェットミルにより微粉砕し微粒子酸化チタンBを得た。
【0127】
[酸化チタン合成例C]
合成例Aと同時に硫酸法により製造された平均1次粒子径0.015μmのルチル型酸化チタン200gをイソブチルトリメトキシシラン40gを溶解したトルエン溶液に添加し、超音波分散機で分散した。その後溶媒をドライアップし、カップリング剤処理酸化チタンを得た。これをジェットミルにより微粉砕し微粒子酸化チタンCを得た。
【0128】
[酸化チタン合成例D]
合成例Aと同様に硫酸法により製造された平均1次粒子径0.015μmのルチル型酸化チタン200gをイソブチルトリメトキシシラン50gを溶解したトルエン溶液に添加し、超音波分散機で分散した。その後溶媒をドライアップし、カップリング剤処理酸化チタンを得た。これをジェットミルにより微粉砕し微粒子酸化チタンDを得た。
【0129】
[酸化チタン合成例E]
合成例Aと同様に硫酸法により製造された平均1次粒子径0.035μmのルチル型酸化チタン200gをイソブチルトリメトキシシラン40gを溶解したトルエン溶液に添加し、超音波分散機で分散した。その後溶媒をドライアップし、カップリング剤処理酸化チタンを得た。これをジェットミルにより微粉砕し微粒子酸化チタンEを得た。
【0130】
[酸化チタン合成例F]
合成例Aと同様に硫酸法により製造された0.015μmのルチル型酸化チタン200gをメチルトリメトキシシラン40gを溶解したトルエン溶液に添加し、超音波分散機で分散した。その後溶媒をドライアップし、カップリング剤処理酸化チタンを得た。これをジェットミルにより微粉砕し微粒子酸化チタンFを得た。
【0131】
[酸化チタン合成例G]
合成例Aと同様に硫酸法により製造された平均1次粒子径0.015μmのルチル型酸化チタン200gをトリメチルシロキシケイ酸40gを溶解したトルエン溶液に添加し、超音波分散機で分散した。その後溶媒をドライアップし、カップリング剤処理酸化チタンを得た。これをジェットミルにより微粉砕し微粒子酸化チタンGを得た。
【0132】
[酸化チタン合成例H]
合成例Aと同様に硫酸法により製造された平均1次粒子径0.015μmのルチル型酸化チタンをドライアップし、これをジェットミルにより微粉砕し微粒子酸化チタンHを得た。
【0133】
疎水性シリカとしては下記のものを使用した。
疎水性シリカA(RX−200:ヘキサメチルジシラザン処理:日本アエロジル社製平均1次粒子径13nm BET比表面積150m/g)
疎水性シリカB(RX−50:ヘキサメチルジシラザン処理:日本アエロジル社製平均1 次粒子径40nm BET比表面積40m/g)
疎水性シリカC(RY−200:シリコーンオイル処理:日本アエロジル社製平均1次粒子径 BET比表面積100m/g)
疎水性シリカD(NX−90:ヘキサメチルジシラザン処理:日本アエロジル社製平均1次粒子径20nm BET比表面積70m/g)
【0134】
トナー製造例
[製造例1]
樹脂A 100部
C.I Pigment Blue 15 35部
帯電制御剤(ボントロンPBE−84) 2部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合後、ロール表面を100℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行い、圧延冷却、粗粉砕後、ジェットミル方式の粉砕器と旋回流による風力分級(DS分級機:日本ニューマチック工業社製)を行い、重量平均粒径7.0μm、4μm以下の個数%が9.8個数%のシアンの着色粒子(母体トナーA)を得た。
更に疎水性シリカAを1.0重量%と微粒子酸化チタンAを0.8重量%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合、風篩してトナー(T−1)を得た。
【0135】
[製造例2]
母体トナーAに疎水性シリカAを1.0重量%と微粒子酸化チタンBを0.8重量%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合、風篩してトナー(T−2)を得た。
【0136】
[製造例3]
母体トナーAに疎水性シリカAを1.0重量%と微粒子酸化チタンCを0.8重量%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合、風篩してトナー(T−3)を得た。
【0137】
[製造例4]
母体トナーAに疎水性シリカAを1.0重量%と微粒子酸化チタンDを0.8重量%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合、風篩してトナー(T−4)を得た。
【0138】
[製造例5]
母体トナーAに疎水性シリカAを1.0重量%と微粒子酸化チタンEを0.8重量%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合、風篩してトナー(T−5)を得た。
【0139】
[製造例6]
母体トナーAに疎水性シリカAを1.0重量%と微粒子酸化チタンFを0.8重量%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合、風篩してトナー(T−6)を得た。
【0140】
[製造例7]
樹脂B 100部
C.I Pigment Blue 15 35部
帯電制御剤(ボントロンPBE−84) 2部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合後、ロール表面を100℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行い、圧延冷却、粗粉砕後、カウンタージェットミル方式の粉砕器(100AFG:ホソカワミクロン社製)と旋回流による風力分級(DS分級機:日本ニューマチック工業社製)を行い、重量平均粒径7.1μm、4μm以下の個数%が7.6個数%のシアンの着色粒子(母体トナーB)を得た。
更に疎水性シリカAを1.0重量%と微粒子酸化チタンBを0.8重量%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合、風篩してトナー(T−7)を得た。
【0141】
[製造例8]
樹脂D 100部
C.I Pigment Blue 15 35部
帯電制御剤(ボントロンPBE−84) 2部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合後、ロール表面を100℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行い、圧延冷却、粗粉砕後、ジェットミル方式の粉砕器(I−2式ミル:日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級機:日本ニューマチック工業社製)を行い、重量平均粒径6.9μm、4μm以下の個数%が9.7個数%のシアンの着色粒子(母体トナーD)を得た。更に疎水性シリカAを1.0重量%と微粒子酸化チタンBを0.8重量%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合、風篩してトナー(T−8)を得た。
【0142】
[製造例9]
母体トナーDに疎水性シリカAを1.0重量%と微粒子酸化チタンDを0.8重量%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合、風篩してトナー(T−9)を得た。
【0143】
[製造例10]
母体トナーAに疎水性シリカBを1.0重量%と微粒子酸化チタンBを0.8重量%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合、風篩してトナー(T−10)を得た。
【0144】
[製造例11]
母体トナーAに疎水性シリカDを1.0重量%と微粒子酸化チタンBを0.8重量%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合、風篩してトナー(T−11)を得た。
【0145】
[製造例12]
母体トナーAに疎水性シリカCを1.0重量%と微粒子酸化チタンBを0.8重量%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合、風篩してトナー(T−12)を得た。
【0146】
[製造例13]
母体トナーBに疎水性シリカCを1.0重量%と微粒子酸化チタンAを0.8重量%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合、風篩してトナー(T−13)を得た。
【0147】
[製造例14]
樹脂C 100部
C.I Pigment Blue 15 35部
帯電制御剤(ボントロンPBE−84) 2部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合後、ロール表面を100℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行い、圧延冷却、粗粉砕後、ジェットミル方式の粉砕器(I−2式ミル:日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級機:日本ニューマチック工業社製)を行い、重量平均粒径7.0μm、4μm以下の個数%が8.2個数%のシアンの着色粒子(母体トナーC)を得た。更に疎水性シリカAを1.0重量%と微粒子酸化チタンBを0.8重量%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合、風篩してトナー(T−14)を得た。
【0148】
[製造例15]
母体トナーAに疎水性シリカAを1.0重量%と微粒子酸化チタンGを0.8重量%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合、風篩してトナー(T−15)を得た。
【0149】
[製造例16]
母体トナーAに微粒子酸化チタンBを0.8重量%添加しヘンシェルミキサーにて混合、風篩してトナー(T−16)を得た。(疎水性シリカは添加しなかった)
【0150】
[製造例17]
母体トナーAに疎水性シリカCを1.0重量%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合、風篩してトナー(T−17)を得た。(微粒子酸化チタンの添加なし。)
【0151】
[製造例18]
母体トナーAに疎水性シリカAを1.0重量%と微粒子酸化チタンHを0.8重量%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合、風篩しトナー(T−18)を得た。
【0152】
[製造例19]
樹脂E 100部
C.I Pigment Blue 15 35部
帯電制御剤(ボントロンPBE−84) 2部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合後、ロール表面を100℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行い、圧延冷却、粗粉砕後、ジェットミル方式の粉砕器(I−2式ミル:日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS 分級機:日本ニューマチック工業社製)を行い、重量平均粒径6.8μm、4μm以下の個数%が8.8個数%のシアンの着色粒子(母体トナーD)を得た。更に疎水性シリカAを1.0重量%と微粒子酸化チタンBを0.8重量%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合、風篩してトナー(T−19)を得た。
【0153】
トナー及び添加剤の諸物性は以下の通りであった。この際帯電量の測定方法は、鉄粉キャリアであるEFV150/250を57gと、母体トナーもしくは外添剤(疎水性シリカ、微粒子酸化チタン)3gを、円柱状のステンレスポット(100CC)に入れ88rpmの回転数で10分間攪拌後のサンプルをブローオフによるファラデーゲージ法により測定したものである。
【0154】
【表1】
Figure 0004326854
【0155】
またトナーの酸価およびトナーに使用されている樹脂の分子量500以下の割合は次の通りであった。
【0156】
【表2】
Figure 0004326854
【0157】
トナー評価機
得られたトナーについては4色の現像部が非磁性一成分系現像剤を1つのベルト感光体に各色順次現像し、中間転写体に順次転写し、紙等に4色を一括転写する方式のフルカラーレーザープリンターイプシオカラー6000(リコー社製、評価機Bとする)改造機を使用した。
【0158】
またこの際用いた現像ユニットをトナー搬送部材とトナー補給補助部材を当接したもの(ユニットA)、トナー搬送部材とトナー補給補助部材が当接しないもの(ユニットB)を用いた。
【0159】
画像評価
これらの評価機を使用し、シアンについては0%の画像面積でかつ印字はしないものの現像動作をさせるように設定し10kラン後の評価とさらに27℃ 80%RH(HH)、及び10℃15%RH(LL)での評価を行った。
a.帯電量
成分系現像剤についてはブローオフ法を用いたファラデーゲージにより帯電量を測定した。
一成分系現像剤の場合:現像ローラ(トナー搬送部材)上にトナーを搬送させ、吸引トリボ測定法にて測定した。なお単位は−μC/gである。
【0160】
b.地肌カブリ
白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープ画像濃度との差をX−RITE938により測定した。感光体上の画像濃度と画像上の地肌カブリは相関があり、感光体上の画像濃度が0.03以上となると画像上に見え始め0.05以上であると目に付き、0.07以上であると画像上で問題のあるレベルとなる。
【0161】
c.フィルミング観察
摩擦帯電部材及び感光体上トナーフィルミングの発生状況の有無を観察した。○はフィルミングがなく、△はスジ上のフィルミングが見られる。更に×では全体的に発生しており、転写紙上にてもスジが確認できる。
【0162】
d.その他
ベタ追従性:環境での確認後、最後に通常環境下でベタ画像を3枚連続してとり、画像欠陥がないかを確認した。画像欠陥の全くないものを○、多少濃度むらが発生するものの問題ないレベルのものを△、ベタ画像が再現できない(トナー追従性がない)ものを×とした。
トナー飛散:
各実験後に機内のトナーの状況(トナー飛散等)を確認した。
各実施例及び比較例において用いたトナー、評価機、及び各トナーのトナー母体と外添剤の帯電系列を表3に示す。
【0163】
【表3】
Figure 0004326854
【0164】
また各実施例及び比較例における評価結果を表4に示す。
【表4】
Figure 0004326854
【0165】
【発明の効果】
本発明により、カラープリンター等での使用で起きる極度のストレス・衝撃力に耐えることができ、帯電の立ち上がり性に優れ、さらに経時にわたって高い安定した帯電性を維持でき、さらに環境等に優れた負帯電性トナーが提供できた。また本発明により、地肌カブリ、ベタ追従性、フィルミング、トナー飛散性において問題がなく、長期にわたり安定した画像が得られる負帯電性トナーが提供できた。
また本発明により、トナー補給型の一成分現像方式に対応できる高耐久性・高画質性の負帯電性トナー、これを用いたトナー容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法が提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る現像装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 現像装置
3 トナー搬送部材(現像スリーブ)
4 層厚規制部材
5 トナー補給補助部材
6 現像剤補給補助部材
7 補給カートリッジ
8 仕切り板

Claims (22)

  1. トナー母体の結着樹脂が、THF不溶成分を含まず、かつゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量分布における分子量500以下の成分の該樹脂中の含有割合が1〜4重量%であり、かつ該樹脂の分子量3000〜9000の領域に1つのピークを有するポリエステル樹脂及び/又はポリオール樹脂であり、トナーの外添剤が少なくとも疎水性シリカ粒子と疎水性酸化チタン粒子であり、トナーの酸価が10KOHmg/g以下であり、
    該トナー母体の帯電量をQ(t)、該疎水性シリカ粒子の帯電量をQ(Si)、該疎水性酸化チタン粒子の帯電量をQ(Ti)としたとき、Q(Si)<Q(t)<Q(Ti)<0、であることを特徴とする負帯電性トナー。
  2. 前記疎水性酸化チタン粒子の帯電量が−13〜−22μC/gであることを特徴とする請求項1に記載の負帯電性トナー。
  3. 該疎水性酸化チタン粒子が、有機珪素化合物で表面処理された酸化チタン粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の負帯電性トナー。
  4. 該有機珪素化合物が、オルガノアルコキシシランまたはオルガノアシルオキシシランであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の負帯電性トナー。
  5. 該有機珪素化合物が、イソブチルトリメトキシシランであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の負帯電性トナー。
  6. 該有機珪素化合物による表面処理量が、酸化チタン100重量部に対して12〜25重量部であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の負帯電性トナー。
  7. 該有機珪素化合物の表面処理量が、酸化チタン100重量部に対して15〜22重量部であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の負帯電性トナー。
  8. 該疎水性酸化チタン粒子を構成する酸化チタンが、湿式法より製造された酸化チタン微粒子であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の負帯電性トナー。
  9. 該疎水性酸化チタン粒子を構成する酸化チタンの結晶系が、ルチル型であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の負帯電性トナー。
  10. 該疎水性シリカ粒子が、シランカップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤またはアルミニウム系カップリング剤で表面処理されたシリカ粒子であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の負帯電性トナー。
  11. 該疎水性シリカ粒子が、シランカップリング剤で表面処理されたシリカ粒子であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の負帯電性トナー。
  12. 該疎水性シリカ粒子が、ヘキサメチルジシラザンで表面処理されたシリカ粒子であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の負帯電性トナー。
  13. 該疎水性シリカ粒子及び該疎水性酸化チタン粒子の平均1次粒子径が、いずれも10〜40nmであることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の負帯電性トナー。
  14. 該疎水性シリカ粒子及び該疎水性酸化チタン粒子の平均1次粒子径が、いずれも12〜25nmであることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の負帯電性トナー。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の負帯電性トナーが充填されていることを特徴とするトナー容器。
  16. トナーカートリッジであることを特徴とする請求項15に記載のトナー容器。
  17. 請求項1〜14のいずれかに記載の負帯電性トナーを用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  18. 請求項16に記載のトナー容器が搭載されていることを特徴とする画像形成装置。
  19. 請求項17に記載のプロセスカートリッジが搭載されていることを特徴とする画像形成装置。
  20. トナー搬送部材、トナー層厚規制部材及びトナー補給補助部材を備え、且つトナー補給補助部材とトナー搬送部材及びトナー層厚規制部材とトナー搬送部材とが夫々当接している現像装置を用いて薄層化させ、トナー搬送部材に接触もしくは近接して像担持体表面にトナーを供給することによって、前記静電潜像を可視化する一成分現像方式において、上記請求項1〜14に記載の負帯電性トナーを使用することを特徴とする画像形成方法。
  21. 該トナーによる像担持体の潜像現像時に、交互電界を印加することを特徴とする請求項20記載の画像形成方法。
  22. 該像担持体がアモルファスシリコン感光体であることを特徴とする請求項20又は21に記載の画像形成方法。
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