JP4531306B2 - 一成分トナー及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を現像する為の現像剤に使用されるトナー及びそのトナーを使用する画像形成方法に関する。詳しくは、直接または間接電子写真現像方式を用いた複写機、レーザープリンター及び普通紙ファックス等に使用される電子写真用一成分トナー及び電子写真方式の画像形成方法に関する。更に詳しくは、直接または間接電子写真多色画像現像方式を用いたフルカラー複写機、フルカラーレーザープリンター及びフルカラー普通紙ファックス等に使用される電子写真用一成分トナー及び電子写真方式の画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真、静電記録、静電印刷等に於いて使用される現像剤は、その現像工程において、例えば、静電荷像が形成されている感光体等の像担持体に一旦付着され、次に転写工程において感光体から転写紙等の転写媒体に転写された後、定着工程において紙面に定着される。その際、潜像保持面上に形成される静電荷像を現像する為の現像剤として、キャリアとトナーから成る二成分系現像剤及び、キャリアを必要としない一成分系現像剤(磁性トナー、非磁性トナー)が知られている。二成分系現像剤を用いる二成分現像方式は、トナー粒子がキャリア表面に付着することにより現像剤が劣化し、また、トナーのみが消費されるため現像剤中のトナー濃度が低下するので、キャリアとの混合比を一定割合に保持しなければならず、そのため現像装置が大型化するといった欠点がある。一方、一成分系現像剤を用いる一成分現像方式では、上記欠点が無く、装置が小型化等の利点を有しているため、現像方式の主流になりつつある。
近年、オフィスにおけるOA化、カラー化が一段と進み、従来の文字のみからなる原稿の複写だけではなく、パーソナルコンピュータで作成した、グラフ等を含む原稿をプリンターにて出力し、プレゼンテーション用の資料等として、多数枚複写する機会が増している。プリンター出力画像は、ベタ画像、ライン画像、ハーフトーン画像が多く、それにともない画像品質に求められる市場の要求が変化しつつあり、また、高信頼性等の要求も更に高まっている。
【0003】
従来、一成分系現像剤を用いた電子写真プロセスは、磁性トナーを用いる磁性一成分現像方式と、非磁性トナーを用いる非磁性一成分現像方式とに分類される。磁性一成分現像方式は、内部にマグネットなどの磁界発生手段を設けた現像剤担持体を用いて、マグネタイトなどの磁性体を含有する磁性トナーを保持し、薄層規制部材により、薄層化し現像するもので、近年小型プリンターなどで多数実用化されている。これに対して、非磁性一成分現像方式は、トナーが磁気力を持たないため、現像剤担持体に現像剤供給部材などを圧接して現像剤担持体上にトナーを供給し、静電気的に保持させ、薄層規制部材により、薄層化して現像するもので、有色の磁性体を含有しないためカラー化に対応できるという利点があり、また現像剤担持体にマグネットを用いないため、より軽量化、低コスト化が可能となり、近年小型フルカラープリンター等で実用化されはじめている。
【0004】
しかしながら、一成分現像方式では、未だ改善すべき課題が多いのが現状である。例えば、二成分現像方式では、トナーの帯電、搬送手段としてキャリアを用い、トナーとキャリアは現像装置内部において十分撹拌、混合された後現像剤担持体に搬送され現像されるため、比較的長時間の使用においても安定した帯電、搬送を持続することが可能であり、また、高速の現像装置にも対応しやすい。
しかし、これに比べ、一成分現像方式ではキャリアのような安定した帯電、搬送手段がないため、長時間使用や高速化による帯電、搬送不良が起こりやすい。即ち、一成分現像方式は現像剤担持体上へトナーを搬送した後、薄層規制部材にてトナーを薄層化させて現像するが、トナーと現像剤担持体、薄層規制部材などの摩擦帯電部材との接触・摩擦帯電時間が非常に短いため、キャリアを用いた二成分現像方式より低帯電、逆帯電トナーが多くなりやすい。
【0005】
特に、非磁性一成分現像方法においては、通常少なくとも1つのトナー搬送部材によってトナーを搬送し、かつ、搬送されたトナーによって潜像担持体に形成された静電潜像を現像する手段が採られているが、その際、トナー搬送部材表面のトナーの層厚は極力薄くしなければならないとされている。このことは、二成分系現像剤であってキャリアが非常に小径なものを用いる場合にも当てはまることであり、また、特に一成分系現像剤を使用しそのトナーとして電気抵抗の高いものを用いたときには、現像装置によってこのトナーを帯電させる必要があるため、トナーの層厚は著しく薄くされねばならない。このトナー層が厚いとトナー層の表面近くだけが帯電し、トナー層全体が均一に帯電されにくくなるからである。このため、トナーにはより迅速な帯電速度と適度な帯電量を維持する事が要求される。さらに、現像装置としては薄層規制部材、現像剤供給部材などの摩擦規制部材の当接圧を強める方法でトナー薄層の均一、帯電を維持する方法を行っている。これによりトナー粒子に対し、よりストレスを与える方向にある。ストレスにより外添剤が埋没し、流動性および帯電性の低下が発生する。さらには、固着まではしないが、トナー粒子のゆるい凝集体を生成し、白ヌケ、地肌汚れ、トナー補給不良による画像濃度低下等の問題が発生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
詳細に説明すると、現像剤担持体上のトナー層の規制部では、現像剤担持体に当接する薄層規制部材を用いてトナーを所定の層厚に規制している。ところが、一度薄層化されたトナーはすべて現像されるわけではなく、再度規制部材により摺擦される事になり、この時にトナーの摩擦帯電量が過大となり、現像剤担持体に強く帯電付着し、現像剤担持体の帯電付与能が低下する。また、何度も摩擦帯電されたトナーと新規に補給されたトナーとは帯電量に差が生じ易く、さらに、トナーは粒径において分布を持っており、体積当たりの表面積が大きく、質量当たりの摩擦帯電量が大きい微粉のトナーは現像されにくい事から現像剤担持体の最下層に付着し、そのためトナーと現像剤担持体間の摩擦帯電が著しく阻害されるという問題点がある。その結果、トナーに対して十分な摩擦帯電電荷が付与されず、画像濃度が低下するばかりか、トナー同士の摺擦が多く起こって所望する摩擦帯電極性と逆極性に摩擦帯電し、所謂反転トナーが発生し、感光体上の潜像の背景部に付着する所謂反転カブリが生じることとなる。
【0007】
本発明者らは、この対策として、前記薄層規制部材より現像剤担持体の回転方向上流側の位置に現像剤担持体に当接する現像剤供給部材を設置する事により解決可能と考えた。この現像剤供給部材により、未現像の現像剤担持体上のトナーをかきとり、同時にフレッシュなトナーを供給する事でトナーの摩擦帯電量を常に均一に保つ事が可能と判断した。本発明者らの実験によれば、発泡体からなる現像剤供給部材を現像剤担持体に当接してトナーを供給する供給ローラーとして用いた場合、前述の効果を十二分に得るための主な影響因子は、現像剤供給部材の形状、現像剤担持体に対する回転条件、現像装置に適合するトナー設計であり、これらの因子を適正に設定する必要がある。
【0008】
しかしながら、従来はこれらの因子を考慮に入れていなかったため、現像剤担持体と現像剤供給部材の設定条件や表面形状が不適切になり、トナーの供給性、凝集体の発生防止や現像剤担持体上の未現像トナーの剥ぎ取りが十分に行われなかった。トナー供給が不足した場合、画像比率の高いベタの画像を現像すると現像剤担持体の一回転目で現像した濃度より二回転目以降で現像される濃度が薄いといった現象が生じる。現像剤担持体の1周分に対応した部分の現像濃度が最も高く、2周目以降にいくに従い濃度が低くなる。これは、現像剤担持体の一回転目で現像・消費されたトナー量に対して、弾性体の供給ローラーの供給するトナー量が少ないために起きる現象である(以後、この現象を「ベタ追従性不良」と呼ぶ。)。
【0009】
また、凝集体が発生した場合には現像剤担持体と薄層規制部材との間に挟まり、薄層形成されたトナーを掻き取ってしまい、結果として画像が白く抜けてしまう。現像装置の耐久を目的に薄層規制部材をブレードではなく回動可能なローラー型にした場合、薄層規制部分が常に変更されるため、トナー固着が発生しにくく、長期にわたり安定した薄層規制が可能になる。しかし、薄層規制部材をブレードではなく回動可能なローラー型にすることにより凝集体のすり抜け性が悪くなり、トナー凝集体が挟まり易くなり、前述したように薄層形成されたトナーを掻き取ってしまい、結果として画像が白く抜けてしまう(以後、この現象を「白ヌケ」と呼ぶ。)。
さらに、未現像トナーの剥ぎ取りが不足した場合、前述したように未現像トナーがさらに規制部材で摩擦帯電され、トナーの帯電量が過大となり、現像剤担持体に強く帯電付着するため、現像されにくくなり、画像濃度ムラを引き起こすこととなる(以後、このような画像を「ゴースト」と呼ぶ。)。
【0010】
逆に、剥ぎ取り能力を高めすぎると、複写動作を連続して行うとトナーが外力によりダメージを受けて劣化し、その結果帯電能力が低下して画像濃度の低下等が発生する。従って、これら剥ぎ取り能力と供給能力の両者の働きを十二分に発揮させるために現像剤供給部材の形状及び現像剤担持体への当接条件及び回転条件を明確に設定することが望まれている。また、トナーに対しては、現像剤担持体上のトナーの流動性が悪いと現像剤供給部材でかき落とすことができずに現像剤担持体上のトナー層にむらが生じ、また、帯電量が過大となる。所謂チャージアップが生じると、同様にむらが生じるため、トナーに要求される性能は、極めて流動性が良く、摩擦帯電量が環境に影響されずに常に一定である事が求められる。
【0011】
しかし、従来、一般的には、トナーの流動性を向上させるためには疎水性シリカ微粉末を添加するが、疎水性シリカ微粉末は強くネガに帯電するため、特に低湿下ではチャージアップが発生し、前述の要求を両立できていないという問題点がある。
そこで、本発明は上記の問題点を鑑みてなされたものであり、外添剤が埋没し、流動性および帯電性が低下することがない一成分トナーを提供することを課題とする。さらには、固着まではしないが、トナー粒子のゆるい凝集体を生成し、白ヌケ、地肌汚れによる画像品位の低下、トナー補給不良による画像濃度の低下することがない画像形成方法を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、現像剤担持体上に担持した一成分トナーを、前記現像剤担持体に当接したローラ型薄層規制部材で規制し、前記ローラ型薄層規制部材が前記現像剤担持体に当接して回動可能な手段を有し、現像剤供給部材表面は単位長さ当たりの凹部の数が1(個/mm)以上で、かつ、前記現像剤担持体との当接部において順方向に移動するとともに前記現像剤担持体上に前記一成分トナーの薄層を形成し、前記現像剤担持体が潜像を現像して可視化する画像形成方法に使用される一成分トナーにおいて、 一次平均粒径が30nm〜50nmの疎水性シリカ粒子が添加されている一成分トナーは、体積平均粒径が5μm〜8μmで、体積粒径5μm以下の微粉の含有率が20個数%未満であって、個数基準の円相当径が0.6μm〜3μmの粒子の含有率が15個数%以下である一成分トナーである。
請求項2に記載の発明は、前記一成分トナーは、個数基準の円相当径が0.6μm〜3μmの粒子の含有率が10個数%以下である請求項1記載の一成分トナーである。
請求項3に記載の発明は、前記一成分トナー粒子は、個数平均粒径と体積平均粒径の関係が、体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn)≦1.4である請求項1又は2記載の一成分トナーである。
請求項4に記載の発明は、前記一成分トナーは、一次平均粒径が30nm以下の疎水性微粒子を1種類以上添加されている請求項1ないし3のいずれかに記載の一成分トナーである。
請求項5に記載の発明は、前記疎水性微粒子は、シリカ粒子、酸化チタンである請求項4記載の一成分トナーである。
請求項6に記載の発明は、前記一成分トナーは、脂肪酸金属塩が添加されている請求項1ないし5のいずれかに記載の一成分トナーである。
【0013】
請求項7に記載の発明は、現像剤担持体上に担持した一成分トナーを、前記現像剤担持体に当接したローラ型薄層規制部材で規制し、前記ローラ型薄層規制部材が前記現像剤担持体に当接して回動可能な手段を有し、現像剤供給部材表面は単位長さ当たりの凹部の数が1(個/mm)以上で、かつ、前記現像剤担持体との当接部において順方向に移動するとともに前記現像剤担持体上に前記一成分トナーの薄層を形成し、前記現像剤担持体が潜像を現像して可視化する画像形成方法において、前記画像形成方法は、一次平均粒径が30nm〜50nmの疎水性シリカ粒子が添加されている一成分トナーであって、体積平均粒径が5μm以上8μm以下で、体積粒径5μm以下の微粉の含有率が20個数%未満であって、個数基準の円相当径が0.6μm〜3μmの粒子の含有率が15個数%以下である一成分トナーを使用する画像形成方法である。
請求項8に記載の発明は、前記画像形成方法は、個数基準の円相当径が0.6μm〜3μmの粒子の含有率が10個数%以下である一成分トナーを使用する請求項7記載の画像形成方法である。
請求項9に記載の発明は、前記画像形成方法は、個数平均粒径と体積平均粒径の関係が、体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn)≦1.4である一成分トナーを使用する請求項7又は8記載の画像形成方法である。
請求項10に記載の発明は、前記画像形成方法は、一次平均粒径が30nm以下の疎水性微粒子を1種類以上添加されている一成分トナーを使用する請求項7ないし9のいずれかに記載の画像形成方法である。
請求項11に記載の発明は、前記画像形成方法は、前記疎水性微粒子は、シリカ粒子、酸化チタンである一成分トナーを使用する請求項10に記載の画像形成方法である。
請求項12に記載の発明は、前記画像形成方法は、脂肪酸金属塩が添加されている一成分トナーを使用する請求項7ないし11のいずれかに記載の画像形成方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置の構成を示す概略図である。図2は、図1中の現像装置の構成を示す概略図である。
本発明は、現像剤担持体11上に担持した一成分トナーを、現像剤担持体11に当接したローラ型薄層規制部材で規制し、ローラ型薄層形成部材が現像剤担持体11に当接して回動可能な手段を有し、現像剤供給部材13表面は単位長さ当たりの凹部の数が1(個/mm)以上で、かつ、現像剤担持体11との当接部において順方向に移動するとともに現像剤担持体11上に一成分トナーの薄層を形成し、ローラ型薄層規制部材12で規制しながら潜像を現像して可視化する画像形成方法において、一成分トナー粒子に一次平均粒径が30nm〜50nmの疎水性シリカ粒子を添加してなり、コールターカウンターによって測定されるトナーの体積平均粒径(Dv)が5μm〜8μmであり、かつ5μm以下の微粉含有率が20個数%未満であり、フロー式粒子像分析装置によって測定される個数基準の円相当径が0.6μm〜3μmの粒子の含有率が15個数%以下である一成分トナーを用いる画像形成方法に関するものである。
また、本発明は、上記の画像形成方法に供する一成分トナーであって、一次平均粒径が30nm〜50nmの疎水性シリカ粒子を添加してなり、コールターカウンターによって測定されるトナーの体積平均粒径(Dv)が5μm〜8μmであり、かつ5μm以下の微粉含有率が20個数%未満であり、フロー式粒子像分析装置によって測定される個数基準の円相当径が0.6μm〜3μmの粒子の含有率が15個数%以下である一成分トナーに関するものである。
【0015】
図1において、本現像装置1は、図中矢印d方向に回転する像担持体の感光体2と対向設置した現像剤担持体11を備え、感光体2上の静電潜像を現像してトナー像として可視化するようになっている。現像剤担持体11は、感光体2の回転方向dに対し、矢印a方向に回転駆動される。尚、感光体2はベルト状に限られず、回転駆動される円筒状の形態をしても良い。更に上記現像容器内には、現像剤担持体の下方位置に薄層規制部材12として弾性ローラ12が設けられ、また弾性ローラ12よりも現像剤担持体11の回転方向上流側の位置に現像剤供給部材13が設けられる。現像装置1は、現像剤供給部材13は現像剤担持体11と順方向の矢印b方向に回転し、現像剤供給部材13の回転により一成分トナー(以下、単に「トナー」と記す。)を担持して現像剤担持体11の近傍に供給し、現像剤担持体11と現像剤供給部材13とが当接する当接部(ニップ部)において、現像剤供給部材13上のトナーが現像剤担持体11へ摺擦されることにより、現像剤担持体11上に付着する。
【0016】
その後、現像剤担持体11の回転に伴い、現像剤担持体11上に付着したトナーは、薄層規制部材12と現像剤担持体11との当接部でこれらの間に侵入し、ここを通過する際に現像剤担持体11の表面と薄層規制部材12の両者により摺擦されて、十分に摩擦帯電を受ける。
以上のようにして帯電されたトナーは、上記の薄層規制部材12と現像剤担持体11との当接部を抜け出して、現像剤担持体11上にトナーの薄層を形成し、感光体2へと現像される。現像装置1において現像剤担持体11と感光体2との間に、現像バイアスを印加することにより、現像剤担持体11上のトナーが感光体2の静電潜像に対応して転移し、静電潜像に付着、現像してトナー像として可視化する。
【0017】
現像装置1において現像に消費されずに現像剤担持体11上に残存したトナーは、現像剤担持体11の回転と共に現像剤担持体11の上部より現像容器内に回収される。回収されたトナーは、現像剤供給部材13によって現像剤担持体11との当接部で現像剤担持体11から剥ぎ取られる。同時に現像剤供給部材13の回転により現像剤担持体11上に新たなトナーが供給され、新たなトナーは、再び現像剤担持体11と薄層規制部材12との当接部へ搬送される。
一方、上記の剥ぎ取られたトナーの大部分は、現像剤供給部材13の回転に伴い現像容器内のトナー中に搬送されて混ざり合い、剥ぎ取られたトナーの帯電電荷が分散される。
【0018】
すなわち、本発明者らは、現像剤供給部材13と現像剤担持体11との当接に着目し、現像剤供給部材13表面の単位長さ当たりの周方向の凹部を変化させて、複写動作を多数回繰り返し、現像剤担持体上の未現像トナーの剥ぎ取り能力及び新トナーの現像剤担持体への供給能力を調べた結果、凹部が1(個/mm)以上の範囲に設定することが最も効果的であることを見いだしたのである。
図3は、本発明に用いられる現像剤供給部材の構成を示す概略図である。図3(a)は本発明に用いられる現像剤供給部材の斜視図、図3(b)は本発明に用いられる現像剤供給部材の断面図、図3(c)は本発明に用いられる現像剤供給部材の断面の拡大図である。
本発明に適応する現像剤供給部材13の表面形状は、周方向に凹凸を有することが好ましい。凸部が現像剤供給部材13の回転に伴い現像剤担持体を摺擦し未現像トナーの剥ぎ取りを行い、凹部の気泡部分内にトナーを保持し、現像剤担持体へのトナー補給を行う。
本発明者らの実験によると、現像剤供給部材13の回転方向は、現像剤担持体との当接部において互いに順方向に移動させる方向が良く、現像剤供給部材13の回転方向を当接部逆方向にすると、トナー供給性および未現像トナーの剥ぎ取りについてはさらに良くなるが、ゆるいトナー凝集体の発生量が多くなり好ましくない。
【0019】
図3(c)に示すように、現像剤供給部材13表面の単位長さ当たりの周方向の凹部を1(個/mm)以上に設定し、現像剤供給部材13の回転方向は、現像剤担持体との当接部において互いに順方向に移動させる方向に設定すると、最も効果的に未現像トナーの剥ぎ取り及びトナー供給を行うことが可能となりトナー凝集体の発生を抑えられることを見いだしたのである。これにより、後述するトナーと組み合わせることで、ベタ追従性不良、ゴースト、白ヌケ及びトナー劣化が生じず、あらゆる環境で安定した画像形成装置を得ることができる。
現像剤供給部材13に使用する材質としては、表面形状が周方向に凹凸を有する、すなわち長手方向に向いた隔壁を有するものであれば何でも良いが、ポリウレタンフォーム、ゴムスポンジ等の発泡骨格構造を持つものがとくに好ましい。
【0020】
本発明のトナーは、一次平均粒径が30nm〜50nmの疎水性シリカ粒子を添加してなり、コールターカウンターによって測定されるトナーの体積平均粒径(Dv)が5μm〜8μmであり、かつ5μm以下の微粉含有率が20個数%未満であり、フロー式粒子像分析装置によって測定される個数基準の円相当径が0.6μm〜3μmの粒子の含有率が15個数%以下にすることにある。
本発明者らは、前記の構成の画像形成装置に使用する一成分トナーに関し鋭意検討した結果、外添剤として、一次平均粒径が30nm〜50nmの疎水性シリカ粒子を添加することにより、流動性の安定性及び帯電安定化、ストレスによるトナー凝集体の発生防止および現像剤担持体へのフィルミングに極めて有効であり、前記の構成の画像形成装置に対して極めて良好に適合することを見出したのである。つまり、十分良好な流動性が得られると共に、各環境での帯電量が安定し、画像形成装置においても、現像剤供給部材13による未現像トナーの剥ぎ取りとフレッシュトナーの供給が良好に行われ、トナー凝集体の発生が防止され、現像剤担持体上に常に均一なトナーの薄層を形成することが可能となる。
【0021】
疎水性シリカ微粒子の粒径は、流動性維持の点から30nm〜50nmが好ましい。粒径が50nmより大きいと流動性不良によりトナー帯電が不均一となり、結果としてトナー飛散、カブリが生じてしまう。また、30nmより小さいと、トナー表面に埋め込まれ易くなり、トナー劣化が早く生じてしまい、耐久性が低下してしまう。また、現像剤担持体上にフィルミングも発生しやすくなる。
さらに、トナー体積平均粒径が5μm〜8μmであり、かつ5μm以下の微粉含有率が20個数%未満である粒度分布を有するトナーとすることで、細線再現性に優れた高画質を提供しうることができる。トナー体積平均粒径が、8μmを越えると細線再現性が悪かった。逆に、5μm未満の場合は、トナーの比表面積が大きくなるためチャージアップし易く、画像濃度の低下による不具合を生じた。また、5μm以下の微粉含有率が20個数%以上の場合は現像剤担持体へのフィルミングが著しく悪かった。
【0022】
しかしながら、上記のような粒度分布を持ったトナーであっても、繰り返し使用において現像剤担持体と薄層規制部材12間への凝集体の挟まりによる白ヌケが発生した。これは、コールターカウンター(TAII)は電気信号での抵抗変化の計測で測定しているため、2μm以下の微粒子はノイズによる影響が大きく、測定精度に欠け測定できなかったのに対して、フロー式粒子像分析装置は画像解析により計測を行なうため、2μm以下の微粒子の測定が可能となり、フロー式粒子像分析装置で測定される円相当経3μm以下の微粒子(以下、この微粒子を「超微粉」と呼ぶ。)が上記不具合に影響することが判明した。これらの超微粉は、粗大外添剤である。外添剤処理にて解砕されず、トナー表面に均一に付着ができていない。これら粗大外添剤は光学顕微鏡でも確認できる。外添剤が均一にトナー粒子表面に付着している場合は、フロー式粒子像分析装置でも検出されない。浮遊している粗大外添剤が存在すると、粗大外添剤を核に凝集体を造粒してしまう。粗大外添剤が核になって凝集体を造粒するメカニズムについては不明ではあるが、粗大外添剤と凝集体量には相関があり、粗大外添剤が多いと凝集体量も増加する。フロー式粒子像分析装置によって測定される個数基準の円相当経で0.6μm〜3.0μmの粒子が15個数%以下であれば白ヌケ発生を改善することを見出した。好ましくは、10個数%以下である。
【0023】
本発明で用いられる結着樹脂は、フルカラートナー用結着樹脂として発色性、画像強度の点から好適なポリエステル樹脂やポリオール樹脂が用いられる。カラー画像は、数種のトナー層が幾重にも重ねられるため、トナー層が厚くなってしまい、トナー層の強度不足による画像の亀裂や欠陥が生じたり、適度な光沢が失われたりする。このことから適度な光沢や優れた強度を保持させるためポリエステル樹脂やポリオール樹脂が用いられる。
ポリエステル樹脂は、一般に多価アルコールと多価カルボン酸とのエステル化反応により得ることができる。本発明におけるポリエステル樹脂を構成しているモノマーのうちアルコールモノマーとしては、3価以上の多官能モノマーも含めて、たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタジエンオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA、等のビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物、その他の二価のアルコール、またはソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、その他の3価以上の多価アルコールがあげることができる。
【0024】
これらのモノマーのうち特に、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を主成分モノマーとして用いたものが好適に用いられる。
ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を構成モノマーとして用いた場合、ビスフェノールA骨格の性質上、比較的高めのガラス転移点のポリエステルが得られ、耐コピーブロッキング性、耐熱保存性が良好となる。また、ビスフェノールA骨格両側のアルキル基の存在が、ポリマー中でソフトセグメントとして働き、トナー定着時の発色性、画像強度が良好となる。特にビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物のうち、エチレン基、プロピレン基のものが好適に用いられる。
【0025】
本発明におけるポリエステル樹脂を構成しているモノマーのうち酸モノマーとしては、3価以上の多官能モノマーも含めて、たとえばマレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、またはn−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸等のアルケニルコハク酸類もしくはアルキルコハク酸類、これらの酸の無水物、アルキルエステル、その他の二価のカルボン酸、そして、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水物、アルキルエステル、アルケニルエステル、アリールエステル、その他の3価以上のカルボン酸を挙げることができる。
ここで述べているアルキル基、アルケニル基またはアリールエステルの具体例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリメチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリエチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリn−ブチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸イソブチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリn−オクチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリ2−エチルヘキシル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリベンジル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−イソプロピルベンジル)等が挙げられる。
【0026】
ポリエステル樹脂の帯電性と酸価との関係はほぼ比例関係にあり、酸価が高くなれば、樹脂の負帯電性も大きくなることが知られており、同時に帯電の環境安定性にも影響する。すなわち酸価が高いと、低温低湿下では帯電量が高くなり、高温高湿下では帯電量が低くなり、地汚れや画像濃度、色再現性の変化が大きくなり、高画像品質の維持が難しい。従って、ポリエステル樹脂の酸価は、20KOHmg/g以下が好ましくさらに、5KOHmg/g以下が好適である。
【0027】
本発明で用いられるポリオール樹脂としては、帯電の環境安定性、定着安定性、カラー再現性、光沢安定性、定着後のカール防止性などの面から、エポキシ樹脂の末端をキャッピングし、且つ主鎖にポリオキシアルキレン部をもつものが好適である。例えば、両末端グリシジル基のエポキシ樹脂と両末端グリシジル基の2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物を、ジハライドやイソシアネート、ジアミン、ジオール、多価フェノール、ジカルボン酸と反応させることにより得ることができる。このうち2価のフェノールを反応させることが、反応安定性の点でもっとも好ましい。また、ゲル化しない範囲で、多価フェノール類や多価カルボン酸類を2価フェノールと併用することも好ましい。
【0028】
本発明で用いられる両末端グリシジル基の2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物としては、以下のものが例示される。エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド及び、これらの混合物とビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールとの反応生成物が挙げられる。得られた付加物を、エピクロロヒドリンやβ-メチルエピクロロヒドリンでグリシジル化して用いてもよい。特に、下記一般式(1)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のグリシジルエーテルが好ましい。
【化1】
(ここで、Rは、―CH2―CH2―、―CH2―CH・CH3―、―CH2―CH2―CH2―のいずれか1の化合物であり、また、n、mは繰り返し単位数であり、各々1以上であってn+m=2〜7である。)
【0029】
本発明で使用される添加剤として、シリカの具体例としては、コロイダルシリカ微粉末AEROSIL 200、130、50、OX50(以上は、日本アエロジル社製)等、チタニアの具体例としては、MT150A(以上は、テイカ社製)等が挙げられる。そして、少なくともシリカ、又はチタニアのいずれかが有機系シラン化合物で表面処理(疎水化処理)を施されていることが好ましい。そして、有機系シラン化合物で表面処理を施したシリカを用いる場合には、シリカに対する有機系シラン化合物の処理量が、シリカに対して30重量%以下であることが好ましい。また、有機系シラン化合物で表面処理を施したチタニアを用いる場合にも、チタニアに対する有機系シラン化合物の処理量が、チタニアに対して35重量%以下であることが好ましい。
これは、一般にシリカやチタニアの大部分は一次粒子として存在しているが、シリカの場合は、有機系シラン化合物の処理量が30重量%を超えると、チタニアの場合は、35重量%を超えると、数個〜数百個からなる凝集体が多く発生する。これらの凝集体は、母体トナーと添加剤の混合時においてもほぐれずに残ってしまい、十分な流動性が得られなくなる原因となりかねない。その上、帯電が不均一となり、トナー飛散、地汚れ等が発生する原因となりかねない。
【0030】
表面処理に用いられる有機シラン化合物として具体的には、ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルジクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、p−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、クロルメチルトリクロルシラン、p−クロルフェニルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルジクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン、オクチルトリクロルシラン、デシルトリクロルシラン、ノニルトリクロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)トリクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)トリクロルシラン、ジペンチルジクロルシラン、ジヘキシルジクロルシラン、ジオクチルジクロルシラン、ジノニルジクロルシラン、ジデシルジクロルシラン、ジドデシルジクロルシラン、ジヘキサデシルジクロルシラン、オクチルジクロルシラン、ジオクチルジクロルシラン、ジデセニルジクロルシラン、ジノネニルジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシルジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルペンチルジクロルシラン、トリヘキシルクロルシラン、トリオクチルクロルシラン、トリデシルクロルシラン、ジオクチルメチルクロルシラン、オクチルジメチルクロルシラン、ジエチルクロルシラン、イソブチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、トリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ジエチルテトラチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘキサトリルジシラザン等が挙げられる。その他、各種ポリシロキサンやチタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤も使用可能である。
【0031】
表面処理されたシリカ微粒子の商品名としては、HDK H 2000、HDK H 2000/4、HDK H 2050EP、HVK21、(以上は、ヘキスト社製)やR972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812、RX50、NAX50(以上は、日本アエロジル社製)、TS720(以上は、キャボット社製)がある。
又、具体的な表面処理されたチタニア微粒子の商品名としては、アナターゼ型やルチル型の結晶性のものや無結晶性のものを使用することができ、T−805(日本アエロジル社製)やルチル型としてMT150AI、MT150AFM(以上テイカ社製)やSTT−30A(チタン工業社製)、STT−30A−FS(チタン工業社製)等がある。
【0032】
さらに、トナー粒子に一次平均粒径が30nm以下の疎水性微粒子を1種類または2種類を一次粒子径30nm〜50nmの疎水性シリカ微粒子とは別に添加することにより、機能向上ができるため好ましい。例えば、疎水性シリカ微粒子を添加することにより、帯電性および流動性が向上する。また、疎水性酸化チタンを添加することにより薄層形成性を安定化するなどの効果があげられる。一次平均粒径が30nm未満であれば、トナー流動性を阻害することがないが、30nmを越えるとトナー流動性を阻害してしまう。
【0033】
また、トナー粒子の体積平均粒径が4〜8μmであり、体積平均粒径Dvと個数平均粒径Dnの比、Dv/Dnが1.4以下である事である事により初期画像品質との差異が少なくなる。
【0034】
着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。使用量は一般にバインダー樹脂100重量部に対し0.1〜50重量部である。
【0035】
更に必要によって加える帯電制御剤としては、アミノ化合物、第4級アンモニウム化合物及び有機染料、特に塩基性染料及びその塩、ニグロシン塩基、サリチル酸キレート化合物等が挙げられる。
製造される現像剤に離型性を持たせる為に、製造される現像剤の中にワックスを含有させてもよい。ワツクスは、その融点が40〜120℃のものであり、特に50〜110℃のものであることが好ましい。ワックスの融点が過大のときには低温での定着性が不足する場合があり、一方融点が過小のときには耐オフセツト性、耐久性が低下する場合があるなお、ワックスの融点は、示差走査熱量測定法(DSC)によって求めることができる。すなわち、数mgの試料を一定の昇温速度、例えば(10℃/min)で加熱したときの融解ピーク値を融点とする。
本発明に用いることができるワックスとしては、例えば固形のパラフィンワックス、マイクロワックス、ライスワックス、脂肪酸アミド系ワックス、脂肪酸系ワックス、脂肪族モノケトン類、脂肪酸金属塩系ワックス、脂肪酸エステル系ワックス、部分ケン化脂肪酸エステル系ワックス、シリコーンワニス、高級アルコール、カルナウバワックスなどを挙げることができる。また低分子量ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンなども用いることができる。特に、環球法による軟化点が70〜150℃のポリオレフィンが好ましく、さらには当軟化点が120〜150℃のポリオレフィンが好ましい。
【0036】
感光体2や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
【0037】
ここで、本発明の一成分トナーの製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、少なくとも結着樹脂、帯電制御剤および顔料を含む現像剤成分を機械的に混合する工程と、溶融混練する工程と、粉砕する工程と、分級する工程とを有するトナーの製造方法が適用できる。また機械的に混合する工程や溶融混練する工程において、粉砕または分級する工程で得られる製品となる粒子以外の粉末を戻して再利用する製造方法も含まれる。
ここで言う製品となる粒子以外の粉末(副製品)とは溶融混練する工程後、粉砕工程で得られる所望の粒径の製品となる成分以外の微粒子や粗粒子や引き続いて行われる分級工程で発生する所望の粒径の製品となる成分以外の微粒子や粗粒子を意味する。このような副製品を混合工程や溶融混練する工程で原料と好ましくは副製品1に対しその他原材料99から副製品50に対し、その他原材料50の重量比率で混合するのが好ましい。
【0038】
少なくとも結着樹脂、帯電制御剤および顔料、副製品を含む現像剤成分を機械的に混合する混合工程は、回転させる羽による通常の混合機などを用いて通常の条件で行えばよく、特に制限はない。 以上の混合工程が終了したら、次いで混合物を混練機に仕込んで溶融混練する。溶融混練機としては、一軸、二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、KCK社製2軸押出機、池貝鉄工所社製PCM型2軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。 この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが重要である。具体的には、溶融混練温度は、結着樹脂の軟化点を参考に行うべきであり、軟化点より低温過ぎると切断が激しく、高温過ぎると分散が進まない。
以上の溶融混練工程が終了したら、次いで混練物を粉砕する。この粉砕工程においては、まず粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際 ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
【0039】
この粉砕工程が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中で分級し、もって所定の粒径例えば平均粒径が5〜8μmのトナーを製造する。
また、トナーを調製する際には、トナーの流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上のようにして製造されたトナーにさらに先に挙げた疎水性シリカ微粉末等を添加混合する。 外添剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。外添剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中または漸次外添剤を加えていけばよい。もちろん混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。はじめに強い負荷を、次に比較的弱い負荷を与えても良いし、その逆でも良い。ただし、弱撹拌では外添剤の解砕およびトナー表面への付着が良くなく、粗大外添剤が発生してしまう。このため白抜けなどの異常画像が発生してしまう。粗大外添剤が解砕およびトナー粒子表面に付着する撹拌力を与えなければならない。使用できる混合設備の例としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。また、外添剤混合時に発生する粗大粒子等および強固な粗大外添剤等を除去するために、混合上がりトナーを篩う必要がある。この際に使用するメッシュは250〜400メッシュが用いられる。好ましくは350メッシュ以上である。
【0040】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明について具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。また、以下の例おいて、部および%は、特に断りのない限り重量基準である。
【0041】
本発明のトナーに用いる帯電制御樹脂は、以下のように合成する。
(合成例1)
3,4−ジクロロフェニルマレイミド350部及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸100部をジメチルホルムアミド(DMF)中沸点下、ジ−t−ブチルパーオキサイドを開始剤として8時間共重合した。次いでアクリル酸n−ブチルを500部、スチレンを50部加え、ジ−t−ブチルパーオキサイドを開始剤として4時間グラフト重合した後、DMFを減圧乾燥機により留去し、体積抵抗10.5(LogΩ・cm)、重量平均分子量10000、見掛け粘度が104P(104P=104g/cm・s)となる温度が96℃の帯電制御樹脂Aを得た。
【0042】
(合成例2)
m−ニトロフェニルマレイミド600部及びパーフルオロオクタンスルホン酸100部をジメチルホルムアミド(DMF)中沸点下、ジ−t−ブチルパーオキサイドを開始剤として8時間共重合した。次いでアクリル酸2−エチルヘキシルを250部、スチレンを30部加え、ジ−t−ブチルパーオキサイドを開始剤として4時間グラフト重合した後、DMFを減圧乾燥機により留去し、体積抵抗9.5(LogΩ・cm)、重量平均分子量5500、見掛け粘度が104P(104P=104g/cm・s)となる温度が85℃の帯電制御樹脂Bを得た。
【0043】
(合成例3)
3,4−ジクロロフェニルマレイミド500部及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸150部をジメチルホルムアミド(DMF)中沸点下、ジ−t−ブチルパーオキサイドを開始剤として8時間共重合した。次いでアクリル酸n−ブチルを350部、α−メチルスチレンを250部加え、ジ−t−ブチルパーオキサイドを開始剤として4時間グラフト重合した後、DMFを減圧乾燥機により留去し、体積抵抗11.5(LogΩ・cm)、重量平均分子量96000、見掛け粘度が104P(104P=104g/cm・s)となる温度が110℃帯電制御樹脂Cを得た。
【0044】
本発明のトナーに用いるポリエステル樹脂の合成例を以下に示す。
(合成例1)
攪拌装置、温度計、窒素導入口、流下式コンデンサー、冷却管付き4つ口セパラブルフラスコに、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン740g、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン300g、テレフタル酸ジメチル466g、イソドデセニル無水コハク酸80g、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリn−ブチル114gをエステル化触媒とともに加えた。窒素雰囲気下で前半210℃まで常圧昇温し、後半210℃減圧にて撹拌しつつ反応させた。酸価2.3KOHmg/g、水酸基価28.0KOHmg/g、軟化点106℃、Tg62℃のポリエステル樹脂を得た(以下ポリエステル樹脂Aという)。
【0045】
(合成例2)
ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン225g、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン165g、テレフタル酸500g、イソドデセニル無水コハク酸130g、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリイソプロピル170gをエステル化触媒とともにフラスコに加えた。これらを合成例1と同様の装置、同様の処方にて反応させ、酸価0.5KOHmg/g、水酸基価25.0KOHmg/g、軟化点109℃、Tg63℃のポリエステル樹脂を得た(以下ポリエステル樹脂Bという)。
【0046】
(合成例3)
ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン650g、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン650g、イソフタル酸515g、イソオクテニルコハク酸70g、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸80gをエステル化触媒とともにフラスコに加えた。これらを合成例1と同様の装置、同様の処方にて反応させ、酸価19.5KOHmg/g、水酸基価35.0KOHmg/g、軟化点110℃、Tg60℃のポリエステル樹脂を得た(以下ポリエステル樹脂Cという)。
【0047】
(合成例4)
ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン714g、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン663g、イソフタル酸648g、イソオクテニルコハク酸150g、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸100gをエステル化触媒とともにフラスコに加えた。これらを合成例1と同様の装置、同様の処方にて反応させ、酸価21.0KOHmg/g、水酸基価24.0KOHmg/g、軟化点128℃、Tg65℃のポリエステル樹脂を得た(以下ポリエステル樹脂Dという)。
【0048】
以下に、本発明のトナーに用いるポリオール樹脂の合成例を示す。
(合成例1)
攪拌装置、温度計、窒素導入口、冷却管付きセパラブルフラスコに、低分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約360)378.4g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約2700)86.0g、ビスフェノールA型プロピレンオキサイド付加体のグリシジル化物(一般式(1)においてn+m:約2.1)191.0g、ビスフェノールF274.5g、p-クミルフェノール70.1g、キシレン200gを加えた。窒素雰囲気下で70〜100℃まで昇温し、塩化リチウムを0.1839g加え、更に160℃まで昇温し減圧下でキシレンを留去し、180℃の反応温度で7〜9時間重合させて、酸価0.0KOHmg/g、水酸基価70.0KOHmg/g、軟化点110℃、Tg62℃のポリオール樹脂を得た(以下ポリオール樹脂Aという)。
【0049】
(合成例2)
合成例1の装置を用いて、低分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約360)205.3g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約3000)54.0g、ビスフェノールA型プロピレンオキサイド付加体のグリシジル化物(一般式(1)においてn+m:約2.2)432.0g、ビスフェノールF282.7g、p-クミルフェノール26.0g、キシレン200gを加えた。窒素雰囲気下で70〜100℃まで昇温し、塩化リチウムを0.183g加え,更に160℃まで昇温し減圧下でキシレンを留去し、180℃の反応温度で6〜8時間重合させて、酸価0.0KOHmg/g、水酸基価58.0KOHmg/g、軟化点105℃、Tg58℃のポリオール樹脂を得た(以下ポリオール樹脂Bという)。
【0050】
以下に、本発明のカラー用一成分トナーの具体的な製造例を示す。
(トナー(ブラックトナー)の製造例1)
水:1200部、フタロシアニングリーン含水ケーキ(固形分30%):200部、カーボンブラック(Printex35: デクサ社製):540部をフラッシャーでよく撹拌・混合する。ここに、 ポリエステル樹脂A1200部を加え、150℃で30分混練後、キシレン1000部を加えさらに1時間混練、水とキシレンを除去後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、マスターバッチ顔料を得た。次に、ポリエステル樹脂A:100部、上記マスターバッチ:5部、帯電制御樹脂A:5部をミキサーで混合後、2本ロールミルで溶融混練し、混練物を圧延冷却した。その後ジェットミルによる衝突板方式の粉砕機(I−2式ミル;日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級機;日本ニューマチック工業社製)を行い、個数平均径5.2μm、体積平均径6.5μm(Dv/Dn=1.3)の黒色の着色粒子を得た。その際の単位時間当たりの粉砕処理量は2.3Kg/Hであった。
【0051】
(トナー(イエロートナー)の製造例2)
水:600部、Pigment Yellow 17 含水ケーキ(固形分50%):1200部をフラッシャーでよく撹拌・混合する。ここに、 ポリエステル樹脂A1200部を加え、150℃で30分混練後、キシレン1000部を加えさらに1時間混練、水とキシレンを除去後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、さらに3本ロールで2回パスし、マスターバッチ顔料を得た。
次に、ポリエステル樹脂A:100部、上記マスターバッチ:5部、帯電制御樹脂A:5部をミキサーで混合後、2本ロールミルで溶融混練し、混練物を圧延冷却した。その後、ブラック色のトナー製造例1と同様に粉砕分級を行い、個数平均径5.4μm、体積平均径6.6μm(Dv/Dn=1.2)のイエロー色の着色粒子を得た。その際の単位時間当たりの粉砕処理量は2.3Kg/Hであった。
【0052】
(トナー(マゼンタトナー)の製造例3)
水:600部、Pigment Red 57 含水ケーキ(固形分50%):1200部をフラッシャーでよく撹拌・混合する。ここに、 ポリエステル樹脂A1200部を加え、150℃で30分混練後、キシレン1000部を加えさらに1時間混練、水とキシレンを除去後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、さらに3本ロールミルで2回パスしマスターバッチ顔料を得た。
次に、ポリエステル樹脂A:100部、上記マスターバッチ:5部、帯電制御樹脂A:5部をミキサーで混合後、2本ロールミルで溶融混練し、混練物を圧延冷却した。その後、ブラック色のトナー製造例1と同様に粉砕分級を行い個数平均径5.2μm、体積平均径6.8μm(Dv/Dn=1.3)マゼンタ色の着色粒子を得た。その際の単位時間当たりの粉砕処理量は2.3Kg/Hであった。
【0053】
(トナー(シアントナー)の製造例4)
水:600部、Pigment Blue 15:3 含水ケーキ(固形分50%)
1200部をフラッシャーでよく撹拌・混合する。ここに、 ポリエステル樹脂A1200部を加え、150℃で30分混練後、キシレン1000部を加えさらに1時間混練、水とキシレンを除去後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、さらに3本ロールミルで2回パスしマスターバッチ顔料を得た。
次に、ポリエステル樹脂A:100部、上記マスターバッチ:3部、帯電制御樹脂A:5部をミキサーで混合後、2本ロールミルで溶融混練し、混練物を圧延冷却した。その後、ブラック色のトナー製造例1と同様に粉砕分級を行い、個数平均径5.9μm、体積平均径6.9μm(Dv/Dn=1.2)のシアン色の着色粒子を得た。その際の単位時間当たりの粉砕処理量は2.3Kg/Hであった。
以上のことから、合成したポリエステル樹脂A、荷電制御樹脂Aと着色剤とを用いて、溶融・混錬する乾式方法でトナーを製造することができた。
【0054】
(トナーの外添剤処理:トナー1)
ここで、上記トナーの製造例1で得られたブラック色のトナーの粒子100重量部(2kg)と外添剤として一次粒子径30nm〜50nmの疎水性シリカ及び一次平均粒径が30nm以下の疎水性微粒子として、シリカ粒子と酸化チタンの添加剤をヘンシェルミキサー20Lにより混合し、目開き300μmのメッシュを通過させる事により粗大粒子や凝集物を取り除く事により評価用トナーを得る。この評価用トナーを実施例1とする。
【0055】
(トナー2〜11)
ここで、以下の表1に示す合成した結着樹脂と荷電制御樹脂を用いてトナーの粒子を製造し、さらに、外添剤処理して評価用トナーを得、それらをそれぞれ実施例2〜8及び比較例1〜4とする。
表1に、得られたトナーの合成した結着樹脂と荷電制御樹脂の組み合わせ及び粉体特性を示す。
粉体特性のうち、トナーの粒径は、コールターエレクトロニクス社製の粒度測定器「コールターカウンターTAII」を用い、アパーチャー径100μmで測定した。体積平均粒径、個数平均粒径、5μm以下の微粉の含有率を測定器により求めた。
【表1】
<表1:トナー構成および物性一覧>
【0056】
また、表2には、トナー1〜11と外添剤の組み合わせによる実施例1〜7と比較例1〜4のトナーにおける外添剤と0.6μm〜3μmの微粒子の含有率とを示す。
また、ここで0.6μm〜3μmの微粒子の含有率は、(株)SYSMEX製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定することができる。測定は、1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液に調整した後0.45μmのフィルターを通した液50〜100mLに分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5mL加え、試料を1〜10mg加える。これを、超音波分散機(出力35W、周波数50kHz)で1分間の分散処理を行ない、粒子濃度を5000〜15000個/μLに調整した分散液を用いて測定を行なった。粒子個数の測定は、CCDカメラで撮像した2次元の画像面積と、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出を行なう。CCDの画素の精度から、円相当径で0.6μm以上を有効とし粒子個数を得た。
【表2】
<表2:トナー外添剤処理した外添剤と0.6μm〜3μmの微粒子の含有率>
【0057】
この実施例1〜7及び比較例1〜4のトナーを用いて、実際に画像を形成し、画像評価を行った。ただし、ここでは、上記表2に示す黒トナーを、図1に示す画像形成装置をトナー評価機として、現像剤担持体および現像剤担持体上に供給する現像剤の層厚を均一に規制する薄層規制部材12を備える現像装置1によって、導電性ブラシ帯電器及び露光装置によって感光体2上に形成された静電潜像を現像し、転写媒体上に順次重ねて転写する方法である。この場合、感光体2上の静電潜像の極性と非磁性一成分現像剤の極性とが同一である反転現像方式により現像するものである。また、さらに、現像装置1は、それぞれ下記に示す現像装置(1)〜(3)からなる非磁性一成分現像ユニットを搭載している。
(現像装置)
現像装置(1):図2の構成をとり、現像剤供給部材13は外径4mmの金属芯体にウレタンフォームの発泡体を肉厚6mmでローラー状に被覆した外径16mmのものを用いている。その表面は周方向に凹凸を有し、単位長さ当たりの周方向の凹部が2(個/mm)である。
現像装置(2):現像剤供給部材13の単位長さ当たりの周方向の凹部が0.2(個/mm)である以外は現像装置(1)と同様の構成である。
現像装置(3):現像剤供給部材13の回転方向が現像剤担持体と逆回転である以外は現像装置(1)と同様の構成である。
【0058】
(評価項目)
実施例1〜7及び比較例1〜4の画像評価結果を示す。いずれの項目も5%画像面積の画像チャートを初期と100000枚まで連続でランニングした後に、以下に述べる評価を行った。表3に初期の結果を、表4に100000枚後の結果を示す。
【表3】
<表3:初期の実施例1〜7/比較例1〜4の評価結果>
【0059】
【表4】
<表4:10万枚後の実施例1〜7/比較例1〜4の評価結果>
【0060】
また、各評価項目は以下のように評価した。
1)画像濃度
ベタ画像出力後、画像濃度をX−Rite(X−Rite社製)により測定した。これを5点測定し平均を求めた。
2)地肌汚れ
白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体2上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差を938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)により測定した。
3)フィルミング
現像剤担持体または感光体2上のトナーフィルミング発生状況の有無を観察した。「○」はフィルミングがなく、「△」はスジ上のフィルミングが見られ、「×」は全体的にフィルミングがある。「△」以上であれば、実用的には問題がない。
4)白ヌケ
現像剤担持体上のトナー薄層及び画像上の白ヌケ発生状況の有無を観察した。「○」は白ヌケがなく、「△」は数本程度の白ヌケが見られ、「×」は白ヌケ発生が多数見られる。「△」以上であれば、実用的には問題がない。
5)ベタ追従性
全面ベタ画像を連続10枚出力し、1枚目の上端部と10枚目後端部の画像濃度をX−Rite(X−Rite社製)により測定した。このベタ画像の濃度差が0.1未満は「○」で、0.2未満は「△」、0.2以上を「×」とした。「△」以上であれば、実用的には問題がない。
6)帯電量
現像剤担持体上にトナーを搬送させ、各環境下での吸引トリボ測定法にて測定した。
7)凝集体量
初期または10万枚後の現像装置1内のトナー100gを400メッシュにて篩い、メッシュ上の凝集体量を計量する。
【0061】
この表3及び表4から明らかなように、実施例1〜8は、すべて、ローラ型薄層規制部材12が現像剤担持体11に当接して回動可能な手段を有し、現像剤供給部材13表面は単位長さ当たりの凹部の数が1(個/mm)以上である現像装置(1)で、かつ、現像剤担持体11との当接部において順方向に移動するとともに現像剤担持体11上に一成分トナーの薄層を形成し、ローラ型薄層規制部材12で規制しながら潜像を現像して可視化する画像形成方法で、一成分トナー粒子に一次平均粒径が30nm〜50nmの疎水性シリカ粒子を添加してなり、コールターカウンターによって測定されるトナーの体積平均粒径(Dv)が5μm〜8μmであり、かつ5μm以下の微粉含有率が20個数%未満であり、フロー式粒子像分析装置によって測定される個数基準の円相当径が0.6μm〜3μmの粒子の含有率が15個数%以下である一成分トナーを用いているので、初期の画像でも、トナー帯電量(q/m)が20〜37μC/gと安定しており、高い画像濃度の画像が得られている。また、地肌汚れ、白ヌケ、ベタ追従性、フィルミング、ゴースト等の発生しない高品位の画像が得られる。100000枚後であっても、ほぼ初期と変わらないトナー帯電量で安定しており、高い画像濃度の画像が得られている。また、地肌汚れ、白ヌケ、ベタ追従性、フィルミング、ゴースト等の発生しない高品位の画像が得られ、かつ、凝集体量も増加することがない。
【0062】
比較例1は、画像形成方法における現像装置1を、現像剤供給部材13の単位長さ当たりの周方向の凹部が0.2(個/mm)の現像装置(2)を用いている。このために、現像剤供給部材13から現像剤担持体11への現像剤の供給が十分ではなく、初期の状態でも、地汚れが濃度で0.02あり、ベタ追従性が「△」で、ゴーストは「×」になっている。100000枚後では、トナー帯電量が低下している。これは、トナー帯電量の高いトナーが発生し、他のトナーの磁性キャリアとの接触を阻害するために、十分に帯電しないためである。また、白ヌケは許容範囲であるが「△」で、ベタ追従性は「×」、ゴーストも「×」となり、高品位の画像が得られないことがわかる。さらに、凝集体量は0.0152gと高く、トナー凝集体が形成されていることがわかる。
【0063】
比較例2は、画像形成方法における現像装置1を、現像剤供給部材13の回転方向が現像剤担持体11と逆回転である現像装置(3)を用いている。このために、初期の画像濃度が少し低く、また、白ヌケは許容範囲であるが「△」となっている。100000枚後では、トナー帯電量が高くなって、画像濃度が1.25と低くなった。また、白ヌケが「×」になり、凝集体量が0.1562gと増加していることがわかる。
【0064】
比較例3は、表2に示すように、円相当径が0.6μm〜3μmの粒子の含有率が15個数%以上の19個数%である。比較例4は、表2に示すように、円相当径が0.6μm〜3μmの粒子の含有率が15個数%以上の19個数%であり、さらに、表1に示すように、5μm以下の微粉の含有率が20個数%以上の23個数%である。こられなのために、初期の画像は凝集体量が多いものの、白ヌケが「△」で実用上は問題ないが、経時的に画像を形成して行くと、濃度が低下し、さらに、白ヌケがひどくなり、ベタ追従性等も低下するために100000枚まで画像を形成することができなかった。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により、ベタ追従性、ゴースト、白ヌケなどの異常画像が発生せず、従来より長期の連続プリント後、感光体、現像剤の薄層規制部材や現像剤担持体へのフィルミングがなく、トナーの帯電及び搬送を安定化し、初期画像と同等の画像濃度、高品位な出力画像を維持できる一成分トナー及び画像形成方法が得られる。さらに、連続使用における帯電量の低下が少ないため、画像濃度の変動、低現像性、地汚れ、現像装置内のトナー飛散などの問題がない高品位の画像を得ることができる。
これにより、長期の耐久性があるため、現像ユニット、感光体ユニットなどの長寿命化が達成でき、使用後発生するリサイクル物、廃棄物が従来より少なく、ユーザーのそれらの作像ユニット交換の手間が少なくすることが可能になる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図2】図1中の現像装置の構成を示す概略図である。
【図3】本発明に用いられる現像剤供給部材の構成を示す概略図である。図3(a)は本発明に用いられる現像剤供給部材の斜視図、図3(b)は本発明に用いられる現像剤供給部材の断面図、図3(c)は本発明に用いられる現像剤供給部材の断面の拡大図である。
【符号の説明】
1 現像装置
2 感光体
3 中間転写ベルト
4 帯電装置(帯電ローラ又は帯電チャージャー)
5 クリーニング装置
6 定着装置
7 転写クリーニング装置
11 現像剤担持体
12 薄層規制部材
13 現像剤供給部材
14 漏れ防止シール
15 攪拌部材
Claims (12)
- 現像剤担持体上に担持した一成分トナーを、前記現像剤担持体に当接したローラ型薄層規制部材で規制し、前記ローラ型薄層規制部材が前記現像剤担持体に当接して回動可能な手段を有し、現像剤供給部材表面は単位長さ当たりの凹部の数が1(個/mm)以上で、かつ、前記現像剤担持体との当接部において順方向に移動するとともに前記現像剤担持体上に前記一成分トナーの薄層を形成し、前記現像剤担持体が潜像を現像して可視化する画像形成方法に使用される一成分トナーにおいて、
一次平均粒径が30nm〜50nmの疎水性シリカ粒子が添加されている一成分トナーは、
体積平均粒径が5μm〜8μmで、
体積粒径5μm以下の微粉の含有率が20個数%未満であって、
個数基準の円相当径が0.6μm〜3μmの粒子の含有率が15個数%以下である
ことを特徴とする一成分トナー。 - 前記疎水性シリカ粒子は、
個数基準の円相当径が0.6μm〜3μmの粒子の含有率が10個数%以下である
ことを特徴とする請求項1記載の一成分トナー。 - 前記一成分トナー粒子は、
個数平均粒径と体積平均粒径の関係が、体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn)≦1.4である
ことを特徴とする請求項1又は2記載の一成分トナー。 - 前記一成分トナーは、
さらに、一次平均粒径が30nm以下の疎水性微粒子を1種類以上添加されている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の一成分トナー。 - 前記疎水性微粒子は、
シリカ粒子、酸化チタンである
ことを特徴とする請求項4記載の一成分トナー。 - 前記一成分トナーは、
脂肪酸金属塩が添加されている
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の一成分トナー。 - 現像剤担持体上に担持した一成分トナーを、前記現像剤担持体に当接したローラ型薄層規制部材で規制し、前記ローラ型薄層規制部材が前記現像剤担持体に当接して回動可能な手段を有し、現像剤供給部材表面は単位長さ当たりの凹部の数が1(個/mm)以上で、かつ、前記現像剤担持体との当接部において順方向に移動するとともに前記現像剤担持体上に前記一成分トナーの薄層を形成し、前記現像剤担持体が潜像を現像して可視化する画像形成方法において、
前記画像形成方法は、
一次平均粒径が30nm〜50nmの疎水性シリカ粒子が添加されている一成分トナーであって、体積平均粒径が5μm〜8μmで、体積粒径5μm以下の微粉の含有率が20個数%未満で、個数基準の円相当径が0.6μm〜3μmの粒子の含有率が15%個数以下である
ことを特徴とする画像形成方法。 - 前記画像形成方法は、
個数基準の円相当径が0.6μm〜3μmの粒子の含有率が10個数%以下である疎水性シリカを使用する
ことを特徴とする請求項7記載の画像形成方法。 - 前記画像形成方法は、
個数平均粒径と体積平均粒径の関係が、体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn)≦1.4である一成分トナーを使用する
ことを特徴とする請求項7又は8記載の画像形成方法。 - 前記画像形成方法は、
一次平均粒径が30nm以下の疎水性微粒子を1種類以上添加されている一成分トナーを使用する
ことを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載の画像形成方法。 - 前記画像形成方法は、
前記疎水性微粒子は、シリカ粒子、酸化チタンである一成分トナーを使用する
ことを特徴とする請求項10に記載の画像形成方法。 - 前記画像形成方法は、
脂肪酸金属塩が添加されている一成分トナーを使用する
ことを特徴とする請求項7ないし11のいずれかに記載の画像形成方法。
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