JP2001100452A - 静電潜像現像用トナー - Google Patents

静電潜像現像用トナー

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JP2001100452A
JP2001100452A JP27635099A JP27635099A JP2001100452A JP 2001100452 A JP2001100452 A JP 2001100452A JP 27635099 A JP27635099 A JP 27635099A JP 27635099 A JP27635099 A JP 27635099A JP 2001100452 A JP2001100452 A JP 2001100452A
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Yoshihiro Mikuriya
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Yoshitaka Sekiguchi
良隆 関口
Kenichi Kido
謙一 城戸
Takeshi Arai
健 新井
Megumi Aoki
めぐみ 青木
Tetsuo Sano
哲夫 佐野
Junichi Tamaoki
順一 玉置
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固着や感光体磨耗を抑制し、帯電立ち上がり
性に優れた静電潜像現像用トナーを提供すること。 【解決手段】 結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒
子に、第1成分として個数平均粒径5〜40nmの疎水
性シリカまたは疎水性チタニアを0.05〜2.00重
量%;第2成分として個数平均粒径20〜160nmの
疎水性シリカまたは疎水性チタニア(但し、個数平均粒
径は第1成分の個数平均粒径より大きい)を0.05〜
2.00重量%;第3成分として個数平均粒径80〜1
200nmおよび粒径1500nm以上の粒子の含有割
合20個数%以下の無機粒子(但し、個数平均粒径は第
2成分の個数平均粒径より大きい)を0.4〜3.5重
量%;および第4成分として体積平均粒径1.5〜12
μmの脂肪酸金属塩を0.02〜0.25重量%;外添
してなる静電潜像現像用トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は静電潜像現像用トナ
ーに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真で使用されるトナーには所望の
流動性を付与すべく、シリカやチタニア等の無機粒子を
外添することが広く知られている。特に、デジタル化お
よび高画質化の要求が強まっている近年では、トナーに
対してより一層の小粒径化が要求されており、このよう
な小粒径トナーに所望の流動性を付与するためには多量
の流動化剤が必要とされている。また、一般に上記要求
が最も厳しいフルカラートナーでは平均一次粒径10〜
50nm程度の超小粒径の無機粒子が1.0%以上トナ
ーに外添混合されているものがほとんどである。
【0003】しかしながら、このように超小粒径の無機
粒子をトナーに多量に外添した場合、クリーニングプロ
セスにおいて感光体とクリーニングブレードとの間をト
ナーから剥がれた無機粒子がすり抜けて感光体上に固着
し、複写画像上、BS(ブラックスポット)が発生する
という問題があった。感光体上に無機粒子が固着される
と、その周辺にトナーが蓄積され、複写画像上、非画像
部においてBSがノイズとなって現れる。
【0004】この問題を解決するために、比較的粒径の
大きな無機粒子を外添し、感光体表面の固着物を研磨に
よって除去する技術が報告されている(特開平10−1
0772号公報)。しかしながら、このような技術では
BSの発生は抑制できるものの、感光体表面の磨耗が顕
著となり、感光体寿命が低下するという新たな問題が生
じていた。
【0005】また、感光体表面の固着予防の観点から、
脂肪酸金属塩粒子を外添する技術も報告されている(特
開平9−297427号公報)。しかしながら、このよ
うな技術を用いても、BSの発生は抑制できるものの、
トナーの初期帯電時に帯電量が上昇する傾向が強くな
り、初期の複写画像上でカブリが発生するという新たな
問題が生じていた。また、感光体は常に表面が研磨さ
れ、リフレッシュされることで電位特性が安定するが、
脂肪酸金属塩粒子の添加によって研磨量が少なくなりす
ぎると、電位特性が不安定となり、画像再現性が悪化す
る問題が発生する。
【0006】またトナーには一般に、様々な環境下、特
に低温低湿環境下でトナー帯電量の顕著な変化が生じ、
画像濃度が低下したり、カブリが発生するという問題
(環境安定性)や、中温中湿下であっても連続複写時に
複写画像上にカブリが発生するという問題(耐久性)も
生じている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みなされたものであり、固着や感光体磨耗を抑制し、帯
電立ち上がり性に優れた静電潜像現像用トナーを提供す
ることを目的とする。
【0008】本発明はまた、固着や感光体磨耗を抑制
し、帯電立ち上がり性、環境安定性および耐久性に優れ
た静電潜像現像用トナーを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、結着樹脂およ
び着色剤を含むトナー母粒子に、第1成分として個数平
均粒径5〜40nmの疎水性シリカまたは疎水性チタニ
アを0.05〜2.00重量%;第2成分として個数平
均粒径20〜160nmの疎水性シリカまたは疎水性チ
タニア(但し、個数平均粒径は第1成分の個数平均粒径
より大きい)を0.05〜2.00重量%;第3成分と
して個数平均粒径80〜1200nmおよび粒径150
0nm以上の粒子の含有割合20個数%以下の無機粒子
(但し、個数平均粒径は第2成分の個数平均粒径より大
きい)を0.4〜3.5重量%;および第4成分として
体積平均粒径1.5〜12μmの脂肪酸金属塩を0.0
2〜0.25重量%;外添してなる静電潜像現像用トナ
ーに関する。
【0010】本発明の発明者等は、大径無機粒子(第3
成分)と脂肪酸金属塩粒子(第4成分)を特定量で、2
種類の特定粒径の疎水性シリカおよび/または疎水性チ
タニアとともに、用いることにより本発明の目的を達成
できることを見出した。
【0011】
【発明の実施の態様】本発明のトナーは公知のトナー母
粒子に第1成分〜第4成分としての特定粒子を外添して
なる。本明細書中、「外添」とは予め得たトナー母粒子
に、その外部に存在させるべく添加することをいう。
【0012】本発明において、第1成分として個数平均
粒径が5〜40nm、好ましくは10〜30nm、より
好ましくは10〜25nmの疎水性シリカまたは疎水性
チタニアを用いる。好ましくは上記粒径を有する疎水性
シリカを用いる。当該成分を外添することにより、トナ
ーへ所望の流動性を付与することができる。トナーが所
望の流動性を有しないと帯電立ち上がり性が悪化した
り、初期および末期の複写画像においてキメが粗くな
る。粒径が5nmより小さいと現像剤の攪拌ストレスに
より第1成分がトナーへ埋まり込んで流動性が著しく低
下する。粒径が40nmより大きいと流動性付与効果が
著しく低下する。
【0013】第1成分として用いられる疎水性シリカお
よび疎水性チタニアは、上記の粒径を有し、かつ疎水性
を有すれば、従来から公知のものを用いることが可能で
ある。第1成分として用いる疎水性シリカとしては、例
えば、TS500(キャボジル社製)やR972、R9
74、R976(日本アエロジル社製)、H2000、
H2000/4M(クラリアント社製)等が好適に用い
られる。第1成分として用いる疎水性チタニアとして
は、例えば、STT30A(チタン工業社製)、MT−
150(テイカ社製)等が好適に用いられる。更には所
望の粒子サイズのシリカまたはチタニアを公知のシラン
カップリング剤やシリコーンオイルなどで疎水化処理し
たものを用いても差し支えない。
【0014】第1成分の疎水化度は50%以上、好まし
くは60〜70%であることが望ましい。疎水化度が5
0%より小さいと少しの環境変化によってトナー流動性
やトナー帯電量の顕著な変化が生じ、実用に耐えない。
【0015】第1成分の添加量はトナー母粒子に対して
0.05〜2.00重量%、好ましくは0.08〜1.
20重量%、より好ましくは0.1〜1.0重量%であ
る。添加量が0.05重量%より少ないとトナーへ十分
な流動性を付与できない。一方、2.00重量%より多
いとトナーから離脱する第1成分が増加し、2成分現像
剤として用いる場合、キャリアを汚染し、耐久末期にカ
ブリ、粉煙等の問題が発生する。
【0016】第2成分として個数平均粒径が20〜16
0nm、好ましくは30〜100nm、より好ましくは
30〜80nmであって、かつ第1成分の個数平均粒径
より大きい疎水性シリカまたは疎水性チタニアを用い
る。より好ましくは上記粒径を有する疎水性チタニアを
用いる。当該成分を外添することにより、トナーへ所望
の流動性を容易に付与できる。粒径が20nmより小さ
いと現像剤の攪拌ストレスにより第2成分がトナーへ埋
まり込んで流動性が著しく低下する。粒径が160nm
より大きいと流動性付与効果が著しく低下する。
【0017】第2成分として用いられる疎水性シリカお
よび疎水性チタニアは、上記の粒径を有し、かつ疎水性
を有すれば、従来から公知のものを用いることが可能で
ある。例えば、第2成分として用いる疎水性チタニアと
しては、市販の酸化チタン粒子に疎水化処理したものを
用いることができる。例えば、チタン工業社製のSTT
シリーズや石原産業社製のTTOシリーズ、テイカ社製
のMTシリーズなどが市販されており、これらの粒子を
公知のシランカップリング剤やシリコーンオイルなどで
疎水化処理することにより好適に用いられる。第2成分
として用いる疎水性シリカとしては、例えば、RX5
0、#70、#90にシランカップリング処理したもの
等が好適に用いられる。更には所望の粒子サイズのシリ
カを公知のシランカップリング剤やシリコーンオイルな
どで疎水化処理したものを用いても差し支えない。
【0018】第2成分の疎水化度は40%以上、好まし
くは50〜70%であることが望ましい。疎水化度が4
0%より小さいと少しの環境変化によってトナー流動性
やトナー帯電量の顕著な変化が生じ、実用に耐えない。
【0019】第2成分の添加量はトナー母粒子に対して
0.05〜2.00重量%、好ましくは0.08〜1.
20重量%、より好ましくは0.1〜1.0重量%であ
る。添加量が0.05重量%より少ないとトナーへ十分
な流動性を付与できない。一方、2.00重量%より多
いとトナーから離脱する第1成分が増加し、2成分現像
剤として用いる場合、キャリアを汚染する。
【0020】本発明においては第1成分の個数平均粒径
を10〜30nm、好ましくは10〜25nm、添加量
をトナー母粒子に対して0.08〜1.20重量%、好
ましくは0.1〜1.0重量%とし、第2成分の個数平
均粒径を30〜100nm、好ましくは30〜80n
m、添加量をトナー母粒子に対して0.08〜1.20
重量%、好ましくは0.1〜1.0重量%とすることに
よって、トナーの環境安定性および耐久性も向上させる
ことができる。すなわち、固着や感光体磨耗が抑制さ
れ、帯電立ち上がり性が向上するだけでなく、環境安定
性および耐久性も向上する。環境安定性が向上すると、
様々な環境下、特に低温低湿環境下で複写してもトナー
帯電量はあまり変化せず、画像濃度の低下やカブリの発
生を回避できる。耐久性が向上すると、連続複写しても
複写画像上にカブリは発生し難い。
【0021】第3成分として個数平均粒径が80〜12
00nm、好ましくは80〜1000nm、より好まし
くは100〜800nm、粒径1500nm以上の粒子
の含有割合が20個数%以下、好ましくは10個数%以
下であって、かつ第2成分の個数平均粒径より大きい無
機粒子を用いる。当該成分を外添することにより、感光
体とクリーニングブレードとの間隙で当該成分からなる
静止層が形成され、他の成分の粒子のスリヌケを防止
し、特に第1成分、第2成分の固着に伴う複写画像上の
BSを抑制することができる。また、当該成分がトナー
間のスペーサとして機能し、転写性が向上する。さらに
は当該第3成分を後述の第4成分と組み合わせて用いる
ことにより、第3成分を用いることなく第4成分を用い
た場合に問題となるトナー初期帯電時の帯電量上昇を抑
制し、また適度な感光体研磨を可能にする。
【0022】粒径が80nmより小さいと当該成分はク
リーニングブレードと感光体との間隙で溜まりにくく、
すり抜け易くなり、静止層が良好に形成され難い。粒径
が1200nmより大きいと感光体を均一に研磨できな
くなるため好ましくない。また、粒径1500nm以上
の粒子の含有割合が20個数%より多いとクリーニング
ブレードに溜まって感光体に傷をつけやすくなり好まし
くない。
【0023】第3成分は上記のような粒径を有する無機
材料であれば特に制限されないが、感光体表面を研磨し
得る程度の硬さを有することが好ましく、例えば、シリ
カ、チタニア、アミルナやチタン酸化合物、ケイ素酸化
合物、ならびにそれらの焼結体等を用いることが好まし
い。さらに第3成分は、弱正帯電性を有することが好ま
しい。弱正帯電性を有すると、本発明のトナーを負帯電
性とし、2成分現像剤として用いた場合、トナーとキャ
リアとのスペーサ作用が向上し、また当該成分がキャリ
アへ移行して起こるキャリア劣化が抑制され、優れた帯
電立ち上がり性が得られるためである。このように適度
な硬さと弱正帯電性を有する粒子としてチタン酸ストロ
ンチウム粒子が更に好適に用いられる。第3成分は公知
のシランカップリング剤やシリコーンオイルなどで疎水
化処理して用いてもよい。
【0024】第3成分の添加量はトナー母粒子に対して
0.4〜3.5重量%、好ましくは0.5〜3.0重量
%、より好ましくは1.0〜3.0重量%である。添加
量が0.4重量%より少ないとブレード部での静止層形
成が確保できない。添加量が3.5重量%より多いと研
磨性が強くなりすぎ感光体寿命が低下する。
【0025】第4成分として体積平均粒径が1.5〜1
2μm、好ましくは2〜10μmの脂肪酸金属塩を用い
る。当該成分を外添することにより感光体表面に潤滑性
の皮膜を均一に付与して当該表面の固着を予防し、BS
の発生を防止することができる(潤滑作用)。また、当
該第4成分を上記の第3成分と組み合わせて用いること
により、第4成分を用いることなく第3成分を用いた場
合に問題となる感光体表面の削りすぎを抑制し、適度な
感光体研磨を可能にする。
【0026】粒径が1.5μmより小さいとトナーと共
に紙上に移動し、感光体上で機能する量が著しく減少し
てしまう。粒径が12μmより大きいと粒子数が減少
し、潤滑効果が減少する。
【0027】第4成分は上記のような粒径を有する脂肪
酸金属塩であれば特に制限されない。例えば、一般式; Cn2n+1COOH (式中、nは12〜18を示す)で表される脂肪酸と金
属との塩が挙げられる。金属としては上記脂肪酸と塩を
形成できる金属であれば特に制限されず、例えば、カル
シウム、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、リチウム
等が挙げられる。好ましくはコスト、安全性およびフル
カラープロセスにおけるシリコーンゴムの弾性(硬度)
低下の観点からカルシウムが好適である。
【0028】脂肪酸金属塩は耐熱性および潤滑性の観点
から、融点が100〜150℃程度のものが良く、例え
ば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸マグネシウム等を用いることが好ましい。融点
が100℃より低いとトナーの耐熱性が悪化し、高温環
境での保管時に凝集してしまう。150℃より高いと潤
滑作用が低減してしまう。ステアリン酸カルシウムとし
ては直接法で製造されたものと複分解法で製造されたも
のが知られているが、不純分の少ない直接法で得られた
ものを粉砕して粒度調整して用いることが好ましい。
【0029】第4成分の添加量はトナー母粒子に対して
0.02〜0.25重量%、好ましくは0.02〜0.
2重量%、より好ましくは0.02〜0.1重量%であ
る。添加量が0.02重量%より少ないと潤滑作用が確
保できない。添加量が0.25重量%より多いと帯電立
ち上がり性が著しく悪化し、カブリなどのノイズが発生
する。
【0030】上記の第1成分〜第4成分が外添されるト
ナー母粒子は少なくとも結着樹脂および着色剤からな
り、必要に応じて離型剤、荷電制御剤等を含有する。
【0031】結着樹脂としては電子写真の分野で公知の
いかなる樹脂も使用でき、例えば、スチレン系の樹脂や
アルキルアクリレート及びアルキルメタクリレート等の
アクリル系樹脂、スチレンアクリル系共重合樹脂、ポリ
エステル系樹脂、シリコン系樹脂、オレフィン系樹脂、
アミド系樹脂あるいはエポキシ系樹脂などが好適に用い
られる。外添剤を多く含有し、BSの問題が発生しやす
いフルカラートナー用樹脂としては、OHP透光性や重
ね合わせ画像の色再現性を高めることを目的として、透
明性が高く、溶融特性が低粘度でシャープメルト性の高
い樹脂を用いることが好ましく、このような特性を有す
る結着樹脂としてポリエステル系樹脂が適している。
【0032】本発明においては、フルカラーベタ画像の
折り曲げ定着性、定着強度、高温オフセット性、定着時
のシャープメルト性、トナーの透光性、フルカラー画像
形成時の混色性、トナーの耐熱性、定着性、及びフルカ
ラー画像の光沢性の観点から、シアントナー、マゼンタ
トナー、イエロートナー等のフルカラートナーに用いら
れる結着樹脂として、数平均分子量(Mn)が3000
〜6000、好ましくは3500〜5500、重量平均
分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mn
が2〜6、好ましくは2.5〜5.5、ガラス転移温度
が50〜70℃、好ましくは55〜70℃及び軟化温度
が90〜110℃、好ましくは90〜105℃である樹
脂を使用することが望ましい。
【0033】結着樹脂のガラス転移点(Tg)は以下に
従って測定された値を用いている。示差走査熱量計(D
SC−200:セイコー電子社製)を用いて、リファレ
ンスをアルミナとし、10mgの試料を昇温速度10℃
/minの条件で20〜120℃の間で測定し、メイン
吸熱ピークのショルダー値をガラス転移点とする。ま
た、結着樹脂の軟化点(Tm)は以下に従って測定され
た値を用いている。フローテスター(CFT−500:
島津製作所社製)を用い、ダイスの細孔(径1mm、長
さ1mm)、加圧20kg/cm2、昇温速度6℃/m
inの条件下で1cm3の試料を溶融流出させたときの
流出開始点から流出終了点の高さ1/2に相当する温度
を軟化点とする。
【0034】着色剤としては、公知の顔料及び染料が使
用される。例えば、カーボンブラック、アニリンブル
ー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリ
ンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、
メチレンブルークロリド、銅フタロシアニン、マラカイ
トグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベン
ガル等が挙げられる。フルカラートナー用着色剤につい
て、マゼンタトナー用着色剤としては、例えばC.I.
ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レ
ッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、
C.I.ピグメント・レッド184などを用いることが
できる。イエロートナー用着色剤としては、例えば、
C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメン
ト・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー18
0、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグ
メント・イエロー93、C.I.ソルベント・イエロー
162などを用いることができる。シアントナー用着色
剤としては、例えば、C.I.ピグメント・ブルー1
5:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を用い
ることができる。
【0035】また、本発明のトナーを磁性トナーとして
用いる場合は、上記着色剤の一部または全部を磁性体と
置き換えればよい。このような磁性体としてはマグネタ
イト、フェライト、鉄粉、ニッケル等が挙げられる。
【0036】本発明のトナーには耐オフセット性等の特
性を向上させるために離型剤を含有させてもよい。この
ような離型剤としては、例えば、ポリエチレンワック
ス、ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、ライ
スワックス、サゾールワックス、モンタン系エステルワ
ックス、フィッシャートロプシュワックス等を挙げるこ
とができる。このようにトナーにワックスを含有させる
場合は、その含有量を結着樹脂100重量部に対して
0.5〜5重量部とすることがフィルミング等の問題を
生じることなく添加による効果を得る上で好ましい。
【0037】なお、耐オフセット性向上の観点からはポ
リプロピレンワックスを含有させることが好ましく、ま
たスミア性(自動原稿送り時あるいは両面複写時に片面
に既に画像が形成された用紙の紙送りの際にローラで画
像が擦られて画像ににじみや汚れ等の画質低下を起こす
現象)を向上させる観点からはポリエチレンワックスを
含有させることが好ましい。上述した観点から特に好ま
しいポリプロピレンワックスは160℃における溶融粘
度が50〜300cps、軟化点が130〜160℃お
よび酸価が1〜20KOHmg/gであるポリプロピレ
ンワックスであり、また特に好ましいポリエチレンワッ
クスは、160℃における溶融粘度が1000〜800
0cpsおよび軟化点が130〜150℃であるポリエ
チレンワックスである。即ち、上記溶融粘度、軟化点お
よび酸価を有するポリプロピレンワックスは上記結着樹
脂に対する分散性が優れており、遊離ワックスによる問
題を生じることなく耐オフセット性の向上を達成するこ
とができる。また、上記溶融粘度および軟化点を有する
ポリエチレンワックスも上記結着樹脂に対する分散性が
優れており、遊離ワックスによる問題を生じることなく
定着画像表面の摩擦係数を低減させてスミア性の向上を
達成することができる。なお、ワックスの溶融粘度はブ
ルックフィールド型粘度計により測定した。
【0038】荷電制御剤としては正帯電トナー用荷電制
御剤としては、例えば、アジン化合物ニグロシンベース
EX、ボントロンN−01、02、04、05、07、
09、10、13(オリエント化学工業社製)、オイル
ブラック(中央合成化学社製)、第4級アンモニウム塩
P−51、ポリアミン化合物P−52、スーダンチーフ
シュバルツBB(ソルベントブラック3:C.I.N
o.26150)、フェットシュバルツHBN(C.
I.No.26150)、ブリリアントスピリッツシュ
バルツTN(ファルベンファブリケン・バイヤ社製)、
さらに、アルコキシ化アミン、アルキルアミド、モリブ
デン酸キレート顔料、イミダゾール系化合物等が使用で
きる。
【0039】また、負帯電トナー用荷電制御剤として
は、例えば、クロム錯塩型アゾ染料S−32、33、3
4、35、37、38、40(オリエント化学工業社
製)、アイゼンスピロンブラックTRH、BHH(保土
谷化学社製)、カヤセットブラックT−22、004
(日本化薬社製)、銅フタロシアニン系染料S−39
(オリエント化学工業社製)、サリチル酸のクロム錯塩
E−81、82(オリエント化学工業社製)、亜鉛錯塩
E−84(オリエント化学工業社製)、アルミニウム錯
塩E−86(オリエント化学工業社製)、さらに、カリ
ックスアレン系化合物等が使用できる。更にフルカラー
トナーに用いる負荷電制御剤としては、カラートナーの
色調、透光性に悪影響を及ぼさない無色、白色あるいは
淡色の荷電制御剤が使用可能であり、例えばサリチル酸
誘導体の亜鉛やクロムの金属錯体、カリックスアレーン
系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウ
ム塩系化合物等が好適に用いられる。上記サリチル酸金
属錯体としては例えば特開昭53−127726号公
報、特開昭62−145255号公報等に記載のもの
が、カリックスアレーン系化合物としては例えば特開平
2−201378号公報等に記載のものが、有機ホウ素
化合物としては例えば特開平2−221967号公報に
記載のものが、有機ホウ素化合物としては例えば特開平
3−1162号公報に記載のものが使用可能である。
【0040】トナー母粒子の製法としては、公知の製法
を用いることができ、例えば、乾式での粉砕法、湿式で
の乳化重合、懸濁重合、乳化造粒法などが挙げられる。
一般的に粉砕法の場合は不定形粒子、湿式法の場合は球
形粒子を得ることができ、画像形成プロセスに適したト
ナー製法を用いれば良い。トナー母粒子の粒径は画質の
観点から小粒径のものが好ましく、体積平均径粒径4μ
mから10μm程度のものを好適に用いることができ
る。特に本発明においては、体積平均粒径6〜8μmの
トナー母粒子を用いることが好ましい。
【0041】上記トナー母粒子に前記の第1成分〜第4
成分を外添するに際しては、これらのトナー構成成分を
均一に混合できれば、公知の外添方法を用いることが可
能である。例えば、トナー母粒子に本発明で規定した上
記4成分を一括して添加し、ヘンシェルミキサーなどを
用いて混合すればよい。また、4つの成分を各成分ごと
に分割して添加してもよいが、シリカ、特に第1成分と
して用いられる疎水性シリカを最後に添加して混合する
ことが好ましい。帯電の立ち上がり性がより向上するた
めである。
【0042】本発明のトナーは、キャリアを使用しない
1成分現像剤、キャリアとともに使用する2成分現像剤
いずれにおいても使用可能である。また、本発明のトナ
ーは磁性あるいは非磁性いずれのトナーであってよい。
【0043】本発明のトナーとともに使用するキャリア
としては、公知のキャリアを使用することができ、例え
ば、鉄粉、フェライト等の磁性粒子よりなるキャリア、
磁性粒子表面を樹脂等の被覆剤で被覆したコート型キャ
リア、あるいはバインダー樹脂中に磁性粒子を分散して
なるバインダー型キャリア等いずれも使用可能である。
このようなキャリアとしては体積平均粒径が20〜60
μm、好ましくは30〜50μmのものが好適である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。
【0044】
【実施例】<外添剤>第1成分として個数平均粒径が5
nm、15nm、30nmまたは40nmのシリカ粒子
をHMDS(ヘキサメチルジシラザン)にて疎水化処理
したものを用いた。疎水化度はそれぞれ上記の記載順に
55%、60%、60%、60%であった。第2成分と
して個数平均粒径が20nm、30nm、50nm、1
00nmまたは150nmのチタニア粒子をイソブチル
トリメトキシシランにて疎水化処理したものを用いた。
疎水化度はそれぞれ上記の記載順に50%、55%、5
5%、60%、60%であった。第3成分として個数平
均粒径が50nm、70nm、100nm、200n
m、1000nmまたは1500nmのチタニア粒子、
ならびに個数平均粒径が300nmのチタン酸ストロン
チウム粒子を用いた。粒径1500nm以上の粒子の含
有割合はそれぞれ上記の記載順に0個数%、0個数%、
0個数%、3個数%、10個数%、30個数%、5個数
%であった。第4成分として体積平均粒径が1μm、2
μm、5μm、10μmまたは15μmのステアリン酸
カルシウム粒子を用いた。
【0045】 <トナー母粒子の製造> ・ビスフェノール系ポリエステル樹脂 70重量部 (Tg:58℃、Tm:100℃) ・マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド184) 30重量部 上記組成よりなる混合物を加圧ニーダーに仕込み混練し
た。得られた混練物を冷却後フェザーミルにより粉砕し
顔料マスターバッチを得た。
【0046】 ・上記ポリエステル樹脂 93重量部 ・上記顔料マスターバッチ 10重量部 上記組成よりなる材料をヘンシェルミキサーで混合した
後、混合物をベント二軸混練装置で混練した。得られた
混練物を冷却した後、フェザーミルで粗粉砕、ジェット
ミルで微粉砕し、さらに分級することにより体積平均粒
径8.5μmのマゼンタトナー母粒子を得た。トナーの
粒径はコールターマルチサイザー2を用いて測定した。
【0047】<実施例及び比較例のトナーの製造>表1
および表2に示すように各外添剤(第1成分〜第4成
分)を上記トナー母粒子に添加し、ヘンシェルミキサー
により混合し、振動フルイ機にてふるいをかけ各トナー
を得た。表に示す各外添剤の添加量(重量%)はトナー
母粒子に対する割合である。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】<2成分現像剤の製造>各実施例および比
較例で得られたトナーを後述のキャリア1と、現像剤中
のトナー濃度が6重量%となるように混合攪拌し、2成
分現像剤を得た。
【0051】キャリア1 攪拌器、コンデンサー、温度計、窒素導入管、滴下装置
を備えた容器500mlのフラスコにメチルエチルケト
ンを100重量部仕込んだ。窒素雰囲気下80℃で、メ
チルメタクリレート36.7重量部、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート5.1重量部、3−メタクリロキシ
プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン58.2
重量部および1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1
−カルボニトリル)1重量部をメチルエチルケトン10
0重量部に溶解させて得られた溶液を、2時間にわたり
反応器中に滴下し5時間熟成させた。得られた樹脂に対
して、架橋剤としてイソホロンジイソシアネート/トリ
メチロールプロパンアダクト(IPDI/TMP系:N
CO%=6.1%)をOH/NCOモル比率が1/1と
なるように調整した後メチルエチルケトンで稀釈して固
定比3重量%であるコート樹脂溶液を調製した。コア材
として焼成フェライト粉F−300(体積平均粒径:5
0μm、パウダーテック社製)を用い、上記コート樹脂
溶液をコア材に対する被覆樹脂量が1.5重量%になる
ようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布・乾
燥した。得られたキャリアを熱風循環式オーブン中にて
160℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト
粉バルクを目開き106μmと75μmのスクリーンメ
ッシュを取り付けたフルイ振とう器を用いて解砕し、樹
脂被覆キャリア1を得た。
【0052】<評価>各実施例および比較例で得られた
現像剤を各評価項目について以下の方法に従って評価し
た。 BS 現像剤をフルカラー複写機(CF900:ミノルタ社
製)にセットし、画像部が15%の原稿を用いて3万枚
連続複写し、画像上のブラックスポット(BS)を目視
観察することによって評価した。 ○:BSは発生していなかった; △:BSが若干発生していた; ×:BSが多数発生していた。
【0053】帯電挙動立ち上がり 50CCのポリビンに、トナーをTC比6%となるよう
に仕込み、ロールミル攪拌5分、100分、600分の
帯電量をイースパートにて測定し、5分値の帯電量の1
00分値の帯電量に対する割合A(%)および100分
値の600分値に対する割合B(%)によって評価し
た。 ◎:A;100%以上かつB;100%以上 ○:A;80%以上100%未満かつB;100%以上 △:A;80%以上100%未満かつB;80%以上1
00%未満 ×:A;80%未満またはB;80%未満 なお、「×」および「△」にはその原因(低い;帯電量
が低い、Ch Up;帯電量が高い)を併記した。
【0054】感光体研磨 現像剤をフルカラー複写機(CF900:ミノルタ社
製)にセットし、画像部と無地部の比が15%の原稿を
用いて3万枚連続複写し、渦電流式膜厚測定器(PERMAS
COPE EC TYPE;FISCHER社製)により感光層の膜厚を測
定し、感光体10万回転あたりの削れ量を算出して評価
した。削れ量が4μmより大きければ削れすぎて耐久性
能を確保できず、また2μmより小さければ研磨量少な
すぎて感光体性能を維持できない。また、連続複写後の
感光体表面を目視により観察し、傷についても同時に評
価した。 ○:削れ量が2〜4μmであり、傷は生じていなかっ
た; ×:削れ量が2μm未満であるか、または4μmを越え
ていた;または傷が生じていた。 なお、「×」にはその原因(研磨小、研磨大または傷)
を併記した。
【0055】初期画質(キメ) 現像剤をフルカラー複写機(CF900:ミノルタ社
製)にセットし、画像部と無地部の比が15%の原稿を
用いて複写し、初期画像上のキメを目視観察することに
よって評価した。流動性が充分であるとキメは細かく、
流動性が不十分であるとキメは粗くなると考えられる。 ○:キメが細かく、画像が充分にきれいであった; ×:キメが粗く、画像ががさつき、実用上問題があっ
た。
【0056】環境安定性 現像剤をフルカラー複写機(CF900:ミノルタ社
製)にセットし、15℃/20%(L/L)および35
℃/80%(H/H)の各環境下で画像部が15%の原
稿を用いて1000枚連続複写し、画像濃度および画像
上のカブリを目視観察することによって評価した。トナ
ー帯電量が上昇しすぎると画像濃度が低下し、トナー帯
電量が低下しすぎると画像上にカブリが発生すると考え
られる。 ○:画像濃度の低下およびカブリいずれも生じなかっ
た; △:画像濃度の低下および/またはカブリが若干生じる
が、実用上問題がない; ×:画像濃度の低下および/またはカブリが生じた。 なお、「△」および「×」には、問題となった環境(L
/LまたはH/H)と原因と考えられる帯電量変化(上
昇または低下)を併記した。
【0057】カブリ NN環境で現像剤をフルカラー複写機(CF900:ミ
ノルタ社製)にセットし、画像部が15%の原稿を用い
て3万枚連続複写し、画像上のカブリを目視観察するこ
とによって評価した。 ○:カブリは発生していなかった; △:カブリが若干発生していた; ×:カブリが多数発生していた。
【0058】評価結果を表に示す。
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】本明細書中、第1成分〜第3成分の個数平
均粒径はTEM観察の写真から算出された値を用いてい
る。また、第4成分の体積平均粒径は光散乱式粒径分布
測定器にて測定された値を用いている。
【0061】
【発明の効果】本発明により、固着や感光体磨耗が抑制
され、帯電立ち上がり性が向上するという優れた効果が
得られる。また、本発明においては、第1成分および第
2成分の個数平均粒径および添加量をさらに制御するこ
とにより環境安定性および耐久性も向上するという優れ
た効果が得られる。
フロントページの続き (72)発明者 関口 良隆 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 城戸 謙一 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 新井 健 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 青木 めぐみ 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 佐野 哲夫 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 玉置 順一 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA08 CA25 CB07 CB08 CB13 EA05 EA07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂および着色剤を含むトナー母粒
    子に、 第1成分として個数平均粒径5〜40nmの疎水性シリ
    カまたは疎水性チタニアを0.05〜2.00重量%;
    第2成分として個数平均粒径20〜160nmの疎水性
    シリカまたは疎水性チタニア(但し、個数平均粒径は第
    1成分の個数平均粒径より大きい)を0.05〜2.0
    0重量%;第3成分として個数平均粒径80〜1200
    nmおよび粒径1500nm以上の粒子の含有割合20
    個数%以下の無機粒子(但し、個数平均粒径は第2成分
    の個数平均粒径より大きい)を0.4〜3.5重量%;
    および第4成分として体積平均粒径1.5〜12μmの
    脂肪酸金属塩を0.02〜0.25重量%;外添してな
    る静電潜像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 第1成分の個数平均粒径が10〜30n
    m、添加量が0.08〜1.20重量%であり、第2成
    分の個数平均粒径が30〜100nm、添加量が0.0
    8〜1.20重量%である請求項1に記載の静電潜像現
    像用トナー。
  3. 【請求項3】 第3成分としての無機粒子がチタン酸ス
    トロンチウムである請求項1または2に記載の静電潜像
    現像用トナー。
  4. 【請求項4】 第4成分としての脂肪酸金属塩がステア
    リン酸カルシウムである請求項1〜3いずれかに記載の
    静電潜像現像用トナー。
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