JP4993533B2 - 電子写真用トナー及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンター、複写機等電子写真方式の画像形成装置に使用される電子写真用トナー及びトナーの製造方法に関するものであり、詳しくは、電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を現像するための現像剤に使用される、電子写真用トナー及びトナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、オフィスにおける画像形成装置のOA化、カラー化が一段と進み、従来の文字のみからなる原稿の複写だけではなく、パーソナルコンピュータで作成したグラフ等を含む原稿をプリンターにて出力し、プレゼンテーション用の資料等として多数枚複写する機会が増している。プリンター出力画像は、ベタ画像、ライン画像、ハーフトーン画像が多く、それにともない画像品質に求められる市場の要求が変化しつつあり、また高信頼性等の要求も更に高まっている。
【0003】
電子写真、静電記録、静電印刷等に於いて使用される現像剤は、その現像工程において、例えば、静電荷像が形成されている感光体に一旦付着され、次に転写工程において感光体から転写紙等の転写媒体に転写された後、定着工程において紙面に定着される。その際、潜像保持面上に形成される静電荷像を現像する為の現像剤として、キャリアとトナーから成る二成分現像剤及び、キャリアを必要としない一成分現像剤が知られている。
二成分現像剤を用いる二成分現像方式は、トナー粒子がキャリア表面に付着することにより現像剤が劣化し、また、トナーのみが消費されるため現像剤中のトナー濃度を一定に保持しなければならず、トナー濃度センサ等の設置により現像装置が大型化するといった欠点がある。一方、一成分現像剤を用いる一成分現像方式では、上記欠点が無く、装置の小型化が可能である等の利点を有しているため、現像方式の主流になりつつある。
【0004】
従来、一成分系現像剤を用いる一成分現像方式は、磁性トナーを用いる磁性一成分現像方式と、非磁性トナーを用いる非磁性一成分現像方式とに分類される。磁性一成分現像方式は、内部にマグネットなどの磁界発生手段を設けた現像スリーブを用いて、マグネタイトなどの磁性体を含有する磁性トナーを保持し、層厚規制部材により薄層化し現像するもので、近年小型プリンターなどで多数実用化されている。
これに対して、非磁性一成分現像方式は、トナーが磁気力を持たないため、現像スリーブにトナー補給ローラなどを圧接して現像スリーブ上にトナーを供給し、静電気的に保持させ、層厚規制部材により薄層化して現像するものであり、有色の磁性体を含有しないためカラー化に対応できるという利点があり、また現像スリーブにマグネットを用いないため、より軽量化、低コスト化が可能となり、近年小型フルカラープリンター等で実用化されはじめている。
【0005】
しかしながら、一成分現像方式では、未だ改善すべき課題が多いのが現状である。二成分現像方式では、トナーの帯電、搬送手段としてキャリアを用い、トナーとキャリアは現像器内部において十分撹拌、混合された後現像スリーブに搬送され現像されるため、比較的長時間の使用においても安定した帯電、搬送を持続することが可能であり、また、高速の現像装置にも対応しやすい。
【0006】
これに比べ、一成分現像方式ではキャリアのような安定した帯電、搬送手段がないため、長時間使用や高速化による帯電、搬送不良が起こりやすい。即ち一成分現像方式は現像スリーブ上へトナーを搬送した後、層厚規制部材にてトナーを薄層化させて現像するが、トナーと現像スリーブ、または層厚規制部材などの摩擦帯電部材との接触・摩擦帯電時間が非常に短いため、キャリアを用いた二成分現像方式より低帯電トナー及び逆帯電トナーが多くなりやすい。特に非磁性一成分現像方法においては、通常少なくとも1つのトナー搬送部材によってトナー(現像剤)を搬送し、かつ、搬送されたトナーによって感光体に形成された静電潜像を現像する手段が採られているが、その際、トナー搬送部材表面のトナーの層厚は極力薄くしなければならないとされている。このことは二成分系現像剤であってキャリアが非常に小径なものを用いる場合にも当て嵌まることであり、また、特に一成分系現像剤を使用しそのトナーとして電気抵抗の高いものを用いたときには、現像装置によってこのトナーを帯電させる必要があるため、トナーの層厚は著しく薄くされねばならない。このトナー層が厚いとトナー層の表面近くだけが帯電し、トナー層全体が均一に帯電されにくくなるからである。このため、トナーにはより迅速な帯電速度と適度な帯電量を維持することが要求される。
さらに一成分現像方式では現像装置によってトナーを帯電させるため、トナーを供給部材や、層規制部材、現像スリーブ等へ強制的に擦りつける。その結果、現像スリーブ等へトナーがフィルミングし易くなり、現像スリーブの寿命が短くなったり、長期の使用においてトナーの帯電性が不安定になるという問題が生じてしまった。これらを解決するために、従来結着樹脂等の分子量を高くすることが行われてきたが、特にカラートナーにおいては、発色性等のカラートナーの特性を満足しなければならず、長期間の使用に耐えられず、数千枚程度の複写で早期にプロセスカートリッジと呼ばれる作像ユニットを交換しなくてはならない欠点を有していた。そのため環境に対する負荷も大きく、ユーザーの手間もかかっていた。
【0007】
また従来より、トナーの帯電を安定化させるために帯電制御剤を添加することが実施されている。帯電制御剤は、トナーの摩擦帯電量を制御し、その摩擦帯電量を維持する働きをする。負帯電性の代表的な帯電制御剤としては、モノアゾ染料、サリチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸の金属塩・金属錯塩、ジアゾ化合物、ホウ素による錯化合物などが挙げられ、また正帯電性の代表的な帯電制御剤としては、四級アンモニウム塩化合物、イミダゾール化合物、ニグロシン、アジン系染料などが挙げられる。
【0008】
しかし、上記のような帯電制御剤は結着樹脂への相溶性が悪いため、トナー表面に存在しているものが脱離しやすく、トナーの帯電のバラツキや現像スリーブ及び感光体等の汚染を発生させやすいという欠点がある。そのため従来においては、初期においては良好な画像が得られるが、徐々に画質が変化し、地汚れやボソツキが生じてくるという現象が生じてしまう。
更にこれらの帯電制御剤は有色であるものが多く、カラートナーとして使用したとき色相が変わってしまうものや、クロム等の重金属が含まれるものも多くあるため、近年安全性の面から問題となりつつある。
【0009】
そこで上記問題を改善するものとして、特開昭63−88564号公報、特開昭63−184762号公報、特開平3−56974号公報、特開平6−230609号公報において、結着樹脂への相溶性、トナー定着像の透明性、安全性を改善した樹脂帯電制御剤が開示されている。これらの樹脂帯電制御剤は結着樹脂と相溶性が良いため、安定した帯電性、透明性に優れている。
しかしこれらの樹脂帯電制御剤は、モノアゾ染料、サリチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸の金属塩・金属錯塩を用いたトナーと比較すると、帯電量、帯電速度が劣るという欠点がある。また、樹脂帯電制御剤の添加量を増やすことで帯電性は向上するが、トナー定着性(低温定着性、耐オフセット性)に悪影響を与える。さらにこれらの化合物は帯電量の環境安定性(耐湿度)が大きい。そのため地汚れ(かぶり)を生じやすいという問題もある。
【0010】
そこで、特開平8−30017号公報、特開平9−171271号公報、特開平9−211896号公報、及び特開平11−218965号公報では、スルホン酸塩基等有機酸塩を含むモノマーと電子吸引基を有する芳香族モノマーとの共重合体の技術が提案されている。
【0011】
しかし、スルホン酸塩基等有機酸塩を含むモノマーに起因すると思われる吸湿性や粘着性により、十分な帯電量は確保されるが、結着樹脂への分散が十分でなく、トナーの帯電のバラツキ抑制や、現像スリーブ汚染や感光体フィルミングなどを長時間にわたり防止する効果は十分でない。また、さらに結着樹脂であるスチレン系樹脂やポリエステル系樹脂への相溶性を向上するため、それぞれスルホン酸塩基等有機酸塩を含むモノマーと電子吸引基を有する芳香族モノマーと、スチレン系モノマーやポリエステル系モノマーとの共重合体も提案されているが、長期間にわたる帯電量の維持、現像スリーブや感光体フィルミング防止効果は十分でない。特にフルカラートナー用結着樹脂としては、発色性、画像強度の点から好適なポリエステル樹脂やポリオール樹脂に対しては不十分である。
近年プリンター需要が拡大し、装置の小型化、高速化や低コスト化が進み、装置にはより高い信頼性と長寿命化が要求され始めており、トナーにも諸特性を長期にわたり維持できることが求められているが、これらのの樹脂帯電制御剤ではその帯電制御効果を維持できず、現像スリーブや層厚規制部材(ブレードやローラ)を汚染しトナーの帯電性能が低下したり、感光体フィルミングが発生するという問題があった。
【0012】
一方、画像再現性の点から現像剤の粒子径も画像再現性の点からより小さいものが求められる傾向にある。このため主に粉砕、分級工程で発生する製品以外の微粒子や粗粒子(以下副製品と呼ぶ)の量も多くなり、製造速度や歩留まりが落ちる傾向にある。これらの現像剤は高価な染顔料、帯電制御剤を用いることが多いことから、より低コスト化を狙うためにそれら副製品を、元の混練製造工程に戻して、再び製品粒径に調整する試みがなされているが、そのまま元の混練製造工程に戻すためには、当然製品と副製品との成分量が同一でなければならない。
しかし、いままでの帯電制御剤は結着樹脂中への分散性が悪く製品に含まれる量と副製品に含まれる量とが異なる場合が多く、トナーの帯電性も変わってしまい、さらに現像スリーブへのフィルミングが発生しやすくなっていた。とくに近年の高画質化に伴いトナー粒径が小さくなるとこの現象は顕著となってしまうため、分散性の悪い荷電制御剤では副製品の再利用が非常に困難であり、コスト低減を妨げていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題点に鑑み、本発明者はかかる問題を解決すべく、結着樹脂と帯電制御剤の分散性の改良をすることで、長期にわたり帯電の立ち上がりが早く、帯電を安定させる電子写真用トナー及びトナーの製造方法を提供することを課題とする。
さらに本発明では、帯電制御剤として樹脂帯電制御剤を使用することでトナー定着画像の透明性、安全性を損なうことなく、数万枚以上の長期にわたり帯電量の立ち上がりが早くかつ安定し、高画像濃度で地汚れが少ない高画像品質がえられ、特に一成分現像方式において連続プリント後トナーの帯電性の変化がなく、また現像スリーブや層圧規制部材の汚染や感光体フィルミングを防止できる電子写真用トナー及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の本発明は、結着樹脂と、着色剤と、帯電制御剤とを主成分とし、
少なくとも結着樹脂と帯電制御剤からなる混合物を前処理として溶融混練し、
得られた混練物を冷却破砕してプレ混練品とし、
プレ混練品に結着樹脂と着色剤とを加えて溶融混練を行い、
得られた混練物を粉砕及び分級することによって得る電子写真用トナーにおいて、
結着樹脂は、
(1)THF不溶分がなく、
(2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における分子量分布において分子量500以下の成分の含有率が4重量%以下であり、
(3)分子量4000以上9000以下の領域に1つのピークを有する樹脂成分を含有する
ことを特徴とする電子写真用トナーとする。
請求項2に記載の本発明は、結着樹脂が、ポリエステル樹脂及びまたはポリオール樹脂である
ことを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナーとする。
請求項3に記載の本発明は、着色剤が、あらかじめ結着樹脂により処理されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用トナーとする。
【0015】
請求項4に記載の本発明は、帯電制御剤が樹脂帯電制御剤である
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電子写真用トナーとする。
請求項5に記載の本発明は、前記樹脂帯電制御剤が、スルホン酸塩基含有モノマーと、塩素原子又はニトロ基により置換されたフェニルマレイミド置換体又はフェニルイタコンイミド置換体モノマーと、アクリル酸エステルモノマー及び/またはメタアクリル酸エステルモノマー及び/または芳香族ビニルモノマーとを構成単位とする
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の電子写真用トナーとする。
請求項6に記載の本発明は、前記樹脂帯電制御剤が、スルホン酸基含有モノマーの繰り返し単位の含有率が樹脂帯電制御剤重量に対して1重量%以上30重量%以下で、
塩素原子又はニトロ基により置換されたフェニルマレイミド置換体又はフェニルイタコンイミド置換体モノマーの繰り返し単位の含有率が樹脂帯電制御剤重量に対して1重量%以上80重量%以下で、
アクリル酸エステルモノマー及び又はメタアクリル酸エステルモノマーの繰り返し単位の含有率が樹脂帯電制御剤重量に対して10重量%以上80重量%以下で、
芳香族ビニルモノマーの繰り返し単位の含有率が樹脂帯電制御剤重量に対して0重量%以上30重量%以下である
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の電子写真用トナーとする。
【0016】
請求項7に記載の本発明は、粉砕及び分級によって得られる製品となる粒子以外の粉末を、プレ混練品と、結着樹脂及び着色剤と機械的に混合して溶融混練を行うことで製造工程に戻す
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の電子写真用トナーとする。
【0017】
請求項8に記載の本発明は、結着樹脂と、着色剤と、帯電制御剤とを主成分とし、
少なくとも結着樹脂と帯電制御剤からなる混合物を前処理として溶融混練する工程と、
得られた混練物を冷却破砕してプレ混練品とする工程と、
プレ混練品に結着樹脂と着色剤等を加えて溶融混練を行う工程と、
得られた混練物を粉砕及び分級する工程とを有する電子写真用トナーの製造方法において、
結着樹脂として、
(1)THF不溶分がなく、
(2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における分子量分布において分子量500以下の成分の含有割合が4重量%以下であり、
(3)分子量4000以上9000以下の領域に1つのピークを有する樹脂成分を含有するものを用いる
ことを特徴とする電子写真用トナーの製造方法とする。
請求項9に記載の本発明は、結着樹脂として、ポリエステル樹脂及びまたはポリオール樹脂を用いる
ことを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法とする。
請求項10に記載の本発明は、着色剤として、あらかじめ結着樹脂により処理されたものを用いる
ことを特徴とする請求項6ないし9のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法とする。
【0018】
請求項11に記載の本発明は、帯電制御剤として、樹脂帯電制御剤を用いる
ことを特徴とする請求項6ないし10のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法とする。
請求項12に記載の本発明は、前記樹脂帯電制御剤として、スルホン酸塩基含有モノマーと、塩素原子又はニトロ基により置換されたフェニルマレイミド置換体又はフェニルイタコンイミド置換体モノマーと、アクリル酸エステルモノマー及び/またはメタアクリル酸エステルモノマー及び/または芳香族ビニルモノマーとを構成単位として合成したものを用いる
ことを特徴とする請求項6ないし12に記載の電子写真用トナーの製造方法とする。
請求項13に記載の本発明は、前記樹脂帯電制御剤として、
スルホン酸基含有モノマーの繰り返し単位の含有率が樹脂帯電制御剤重量に対して1重量%以上30重量%以下のものと、
塩素原子又はニトロ基により置換されたフェニルマレイミド置換体又はフェニルイタコンイミド置換体モノマーの繰り返し単位の含有率が樹脂帯電制御剤重量に対して1重量%以上80重量%以下のものと、
アクリル酸エステルモノマー及び又はメタアクリル酸エステルモノマーの繰り返し単位の含有率が樹脂帯電制御剤重量に対して10重量%以上80重量%以下のものと、
芳香族ビニルモノマーの繰り返し単位の含有率が樹脂帯電制御剤重量に対して0重量%以上30重量%以下のものとを合成したものを用いる
ことを特徴とする請求項6ないし12のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法とする。
【0019】
請求項14に記載の本発明は、粉砕及び分級によって得られる製品となる粒子以外の粉末を、
プレ混練品と、結着樹脂及び着色剤と機械的に混合して溶融混練を行うことで製造工程に戻す工程を有する
ことを特徴とする請求項6ないし13のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下より本発明について詳述する。
図1は本発明に係る現像装置の概略構成図である。
現像装置2は、現像スリーブ6と、トナー補給ローラ8と、層厚規制部材7と、現像剤補給補助部材9とを備え、層厚規制部材7とトナー補給ローラ8はそれぞれ現像スリーブ6に当接している。現像スリーブ6は感光体1と接触または非接触で対向している。トナー補給ローラ8は層厚規制部材7の現像スリーブ6回転方向の上流側に位置しており、トナー補給ローラ8表面は現像スリーブ6との当接部において順方向に移動している。トナー補給ローラ8は回転可動である。また、層厚規制部材7は回転可動でも良いし、間欠回転可動でも良いし、固定しても良い。
トナーは現像剤補給補助部材9によって攪拌され、トナー補給ローラ8の回転によって現像スリーブ6に摺擦された後、層厚規制部材7によって規制され、現像スリーブ6上に薄層となって担持される。
現像部では、現像スリーブ6と感光体1との間にバイアスを印加することにより、現像スリーブ6上のトナーが感光体1上の静電潜像に付着し、現像が行われる。
【0021】
本発明の電子写真用トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤と帯電制御剤とを主成分とし、帯電制御剤としては樹脂帯電制御剤を用いる。
【0022】
結着樹脂としては、例えばポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−P−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエ−テル共重合体、スチレン−ビニルエチルエ−テル共重合体、スチレンビニルメチルケトン共重合体、スチレン−プタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノ−ル樹脂、天然樹脂変性フェノ−ル樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、ポリオール樹脂、クマロインデン樹脂、シリコン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが挙げられ、これらを単独或いは混合して使用される。
【0023】
本発明の結着樹脂は特に、THF不溶分がなく、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における分子量分布において、分子量500以下の成分の含有率が4重量%以下であり、分子量3000〜9000の領域に1つのピークを有することを特徴とする。THF不溶分が入ると光沢性が下がるとともに透明性が落ち、OHPシートを使用したときに高品質な画像を得ることができない。また分子量500以下の成分が4重量%以上であると、長期間使用することにより層厚規制部材や現像スリーブを汚染し、フィルミングが発生しやすくなる。
【0024】
本発明の分子量分布は、GPCにより以下のように測定される。40℃のヒートチャンバー内でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mLの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6重量%に調整したトナー母体のTHF試料溶液を200μL注入して測定する。THF試料溶液は注入前に0.45μmの液クロ用フィルターで、THF不溶成分を除去する。トナーの試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemical Co.あるいは、東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
なお結着樹脂のTHF不溶分有無は、分子量分布測定のTHF試料溶液作成時に判断される。すなわち、0.45μmのフィルターユニットをシリンジの先に取り付けて液をシリンジ内から押し出す際に、フィルター詰まりがなければTHF不溶分はないと判断される。
【0025】
中でも特にカラー画像は数種のトナー層が幾重にも重ねられるため、トナー層が厚くなってしまいトナー層の強度不足による画像の亀裂や欠陥が生じたり、適度な光沢が失われたりする。このことから、適度な光沢や優れた強度を保持させるため、本発明で使用される結着樹脂としてはポリエステル樹脂やポリオール樹脂が好ましい。
ポリエステル樹脂は、一般に多価アルコールと多価カルボン酸とのエステル化反応により得ることができる。本発明におけるポリエステル樹脂を構成しているモノマーのうち、アルコールモノマーとしては、3価以上の多官能モノマーも含めて、たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコールトリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタジエンオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA、等のビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物、その他の二価のアルコール、またはソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、その他の3価以上の多価アルコールがあげることができる。
【0026】
これらのモノマーのうち特に、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を主成分モノマーとして用いたものが好適に用いられる。
ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を構成モノマーとして用いた場合、ビスフェノールA骨格の性質上、比較的高めのガラス転移点のポリエステルが得られ、耐コピーブロッキング性、耐熱保存性が良好となる。また、ビスフェノールA骨格両側のアルキル基の存在が、ポリマー中でソフトセグメントとして働き、トナー定着時の発色性、画像強度が良好となる。特にビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物のうち、エチレン基、プロピレン基のものが好適に用いられる。
本発明におけるポリエステル樹脂を構成しているモノマーのうち酸モノマーとしては、3価以上の多官能モノマーも含めて、たとえばマレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、またはn−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸等のアルケニルコハク酸類もしくはアルキルコハク酸類、これらの酸の無水物、アルキルエステル、その他の二価のカルボン酸、そして、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水物、アルキルエステル、アルケニルエステル、アリールエステル、その他の3価以上のカルボン酸を挙げることができる。
【0027】
ここで述べているアルキル基、アルケニル基またはアリールエステルの具体例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリメチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリエチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリn−ブチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸イソブチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリn−オクチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリ2−エチルヘキシル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリベンジル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−イソプロピルベンジル)等が挙げられる。
【0028】
ポリエステル樹脂の帯電性と酸価との関係はほぼ比例関係にあり、酸価が高くなれば、樹脂の負帯電性も大きくなることが知られており、同時に帯電の環境安定性にも影響する。すなわち酸価が高いと、低温低湿下では帯電量が高くなり、高温高湿下では帯電量が低くなり、地肌カブリや画像濃度、色再現性の変化が大きくなり、高画像品質の維持が難しい。
従って、ポリエステル樹脂の酸価は、20KOHmg/g以下が好ましく、さらに、5KOHmg/g以下が好適である。
【0029】
本発明で用いられるポリオール樹脂としては、帯電の環境安定性、定着安定性、カラー再現性、光沢安定性、定着後のカール防止性などの面から、エポキシ樹脂の末端をキャッピングし、且つ主鎖にポリオキシアルキレン部をもつものが好適である。例えば、両末端グリシジル基のエポキシ樹脂と両末端グリシジル基の2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物を、ジハライドやイソシアネート、ジアミン、ジオール、多価フェノール、ジカルボン酸と反応させることにより得ることができる。このうち2価のフェノールを反応させることが、反応安定性の点でもっとも好ましい。また、ゲル化しない範囲で、多価フェノール類や多価カルボン酸類を2価フェノールと併用することも好ましい。
【0030】
本発明で用いられる両末端グリシジル基の2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物以下のものが例示される。エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド及び、これらの混合物とビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールとの反応生成物が挙げられる。得られた付加物を、エピクロロヒドリンやβ-メチルエピクロロヒドリンでグリシジル化して用いてもよい。特に、下式で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のグリシジルエーテルが好ましい。
【化1】
(ここでRは、
−CH2CH2−、−CH2CH(CH3)−、−CH2CH2CH2−であり、またn、mは繰り返し単位の数であり、各々1以上であって、且つn+mは2以上6以下の範囲内)
【0031】
着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用できる。例えば、ブラックトナーに用いる黒色系着色剤としては、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒等が使用でき、イエロートナーに用いる黄色系着色剤としては、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー等が使用でき、マゼンタトナーに用いる赤色系着色剤としては、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレトVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ等が使用でき、シアントナーに用いる青色系着色剤としては、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン等が使用でき、その他の着色剤としては、酸化チタン、亜鉛華、リトボン等が使用でき、また、それらの混合物が使用できる。使用量は一般に結着樹脂100重量部に対し0.1〜50重量部である。
【0032】
特に着色剤については、前記結着樹脂であらかじめ処理することにより、結着樹脂への分散性を高め、前記含有量で十分な着色力を得、トナーの透明性、発色性を高め、帯電制御をしやすくできることから好ましい。
樹脂による前処理は結着樹脂と着色剤を一定の割合で溶融混練し、粗粉砕したものである。混合比は一般に着色剤1重量部に対し樹脂1〜5重量部が望ましい。樹脂1重量部に対し、着色剤が1重量部未満では着色剤を十分分散させることができない。また着色剤1重量部に対し樹脂5重量部より多くなると着色剤に分散力が働かず十分な分散ができない。2種以上の着色剤を用いる場合は個々で処理を行っても、またあらかじめ着色剤のみを混合してから処理しても良い。
【0033】
本発明に用いられる樹脂帯電制御剤を構成するスルホン酸塩基含有モノマーとしては、脂肪族スルホン酸塩基含有モノマー及び芳香族スルホン酸塩基含有モノマー等が挙げられる。脂肪族スルホン酸塩基含有モノマーとしては、ビニルスルホン酸、アリルビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−2メチルプロパンスルホン酸、メタクリロイルオキシエチルスルホン酸等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩及び4級アンモニウム塩等が挙げられる。芳香族スルホン酸塩基含有モノマーとしては、スチレンスルホン酸、スルホフェニルアクリルアミド、スルホフェニルマレイミド、及びスルホフェニルイタコンイミドなどのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩及び4級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0034】
電子吸引基を有する芳香族モノマーとしては、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、フルオロスチレン、ニトロスチレン、シアンスチレン等のスチレン置換体、クロロフェニル(メタ)アクリレート、ブロモフェニル(メタ)アクリレート、ニトロフェニル(メタ)アクリレート、クロロフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート等のフェニル(メタ)アクリレート置換体、クロロフェニル(メタ)アクリルアミド、ブロモフェニル(メタ)アクリルアミド、ニトロフェニル(メタ)アクリルアミド等のフェニル(メタ)アクリルアミド置換体、クロロフェニルマレイミド、ジクロロフェニルマレイミド、ニトロフェニルマレイミド、ニトロクロロフェニルマレイミド等のフェニルマレイミド置換体、クロロフェニルイタコンイミド、ジクロロフェニルイタコンイミド、ニトロフェニルイタコンイミド、ニトロクロロフェニルイタコンイミド等のフェニルイタコンイミド置換体、クロロフェニルビニルエーテル、ニトロフェニルビニルエーテルなどのフェニルビニルエーテル置換体が挙げられる。
特に、塩素原子またはニトロ基により置換されたフェニルマレイミド置換体及びフェニルイタコンイミド置換体が帯電性や耐フィルミング性の面で好ましいため、本発明ではこれを用いる。
【0035】
アクリル酸エステル及びまたはメタアクリル酸エステルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
【0036】
樹脂帯電制御剤を構成するモノマーとして、スルホン酸塩基含有モノマーを添加することにより、樹脂帯電制御剤の負帯電性付与効果が向上するが、吸湿性のためトナーの環境安定性(温湿度安定性)が低下するので、電子吸引基を有する芳香族モノマー等で共重合体として用いるをことは一般に知られているが、数千枚程度の使用であればよいが数万枚以上の長期間使用するには、現像スリーブや層厚規制部材の汚染や感光体フィルミングが発生し、トナーの帯電安定性や高画像品質の維持が十分でなく、生産性も低下するという問題がある。
かかる欠点を補うべく、本発明ではトナーに用いる結着樹脂として、発色性、画像強度の点から好適なポリエステル樹脂やポリオール樹脂を用い、これに対してスルホン酸塩基含有モノマーと、塩素原子又はニトロ基により置換されたフェニルマレイミド置換体またはフェニルイタコンイミド置換体モノマーと、アクリル酸エステルモノマー及び又はメタアクリル酸エステルモノマー及びまたは芳香族ビニルモノマーとの3種のモノマーを含有する共重合体を樹脂帯電制御剤として用いることにより、帯電、環境安定性に優れ、現像スリーブや層厚規制部材の汚染がなく薄層形成の良く、感光体フィルミングを防止し、長期にわたり高画像品質が維持される電子写真用トナーを得ることができる。
【0037】
これらの効果は以下に述べる理由からであるものと推定される。
すなわち、スルホン酸塩基含有モノマーと、塩素原子またはニトロ基により置換されたフェニルマレイミド置換体又はフェニルイタコンイミド置換体モノマーとを併用することにより、負帯電付与効果が高められ、アクリル酸エステル及びまたはメタアクリル酸エステルモノマーを使用することにより、更に帯電の環境安定性を高めるとともに樹脂硬度が高くなり、粉砕性が良くなるとともに、現像スリーブや層厚規制部材の汚染がなく、感光体フィルミングを防止する効果が向上し、更にフルカラートナー用結着樹脂として発色性、画像強度の点から好適なポリエステル樹脂及びまたはポリオール樹脂と組み合わせることにより、適度な分散性が得られ、帯電量分布がシャープな電子写真用トナーが得られるからである。
【0038】
本発明の樹脂帯電制御剤におけるモノマーの構成比は、スルホン酸基含有モノマーが1〜30重量%、さらに好ましくは2〜20重量%である。スルホン酸基含有モノマーが1重量%未満であると、帯電の立上りや帯電量が十分でなく画像に影響を及ぼしやすい。また30重量%を越えると帯電の環境安定性が悪化し、高温高湿時帯電量が低くまた低温低湿時帯電量が高くなり、トナーの帯電安定性や高画像品質の維持が十分でない。さらに現像スリーブや層厚規制部材の汚染や感光体フィルミングが発生しやすく、混練・粉砕工法でのトナー製造時の生産性も低下するという問題がある。
【0039】
塩素原子又はニトロ基により置換されたフェニルマレイミド置換体またはフェニルイタコンイミド置換体モノマーは1〜80重量%、さらに好ましくは20〜70重量%である。塩素原子又はニトロ基により置換されたフェニルマレイミド置換体またはフェニルイタコンイミド置換体モノマーが1重量%未満であると、帯電量が十分でなく地汚れやトナー飛散が発生しやすい。また80重量%を越えるとトナー中への分散が悪く、トナーの帯電量分布が広くなり地汚れやトナー飛散が発生しやすく、高画像品質の維持が十分でない。
【0040】
アクリル酸エステル及びまたはメタアクリル酸エステルモノマーは10〜80重量%、さらに好ましくは20〜70重量%である。アクリル酸エステル及びまたはメタアクリル酸エステルモノマーが10重量%未満であると十分な帯電の環境安定性が得られず、また混練・粉砕工法でのトナー製造時の粉砕性が十分でなく、現像スリーブや層厚規制部材(ブレードやローラ)の汚染や感光体フィルミングを十分防止できない。80重量%を越えると、帯電の立上りや帯電量が十分でなく画像に影響を及ぼしやすい。
これらの組合せの樹脂帯電制御剤は更にフルカラートナー用結着樹脂として発色性、画像強度の点から好適なポリエステル樹脂やポリオール樹脂と組み合わせることにより、適度な分散性が得られ、また帯電量分布がシャープな電子写真用カラートナーが得られ、長期の帯電安定性及び高画像品質が得られる。
【0041】
本発明の帯電制御剤の添加量は、トナー粒子に対して0.1〜20重量%が好ましく、望ましくは0.5〜10重量%であり、更に望ましくは1.0〜5重量%である。0.1重量%未満の場合は帯電の立上りや帯電量が十分でなく、地汚れ、散りなど画像に影響を及ぼしやすい。20重量%を越える場合は、分散が悪くなり帯電量分布が広くなり、地汚れや機内でのトナー飛散が発生しやすい。
【0042】
また、電子写真用トナーは製造される現像剤に離型性を持たせる為に、製造される現像剤の中にワックスを含有させることが好ましい。前記ワツクスは、その融点が40〜120℃のものであり、特に50〜110℃のものであることが好ましい。ワックスの融点が過大のときには低温での定着性が不足する場合があり、一方融点が過小のときには耐オフセツト性、耐久性が低下する場合があるなお、ワックスの融点は、示差走査熱量測定法(DSC)によって求めることができる。すなわち、数mgの試料を一定の昇温速度、例えば(10℃/min)で加熟したときの融解ピーク値を融点とする。
【0043】
本発明に用いることができるワックスとしては、例えば固形のパラフィンワックス、マイクロワツクス、ライスワツクス、脂肪酸アミド系ワックス、脂肪酸系ワックス、脂肪族モノケトン類、脂肪酸金属塩系ワックス、脂肪酸エステル系ワックス、部分ケン化脂肪酸エステル系ワックス、シリコーンワニス、高級アルコール、カルナウバワツクスなどを挙げることができる。また低分子量ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンなども用いることができる。特に、環球法による軟化点が70〜150℃のポリオレフィンが好ましく、さらには当該軟化点が120〜150℃のポリオレフィンが好ましい。
【0044】
そして、トナーの流動特性、帯電特性等を改善する目的でトナー粒子と各種金属酸化物等の無機粉末等を混合して使用する方法が提案されており、外添剤と呼ばれている。また必要に応じて該無機粉末表面の疎水性、帯電特性等を改質する目的で特定のシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、シリコーンオイル、有機酸等で処理する方法、特定の樹脂を被覆する方法なども提案されている。前記無機粉末としては、例えば、二酸化珪素(シリカ)、二酸化チタン(チタニア)、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化鉄、酸化銅、酸化錫等が知られている。
特にシリカや酸化チタン微粒子とジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル等の有機珪素化合物とを反応させシリカ微粒子表面のシラノール基を有機基で置換し疎水化したシリカ微粒子が用いられている。
【0045】
感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
【0046】
本発明のトナーは磁性材料を含有させ磁性トナーとしてもよい。磁性材料としては酸化鉄(マグネタイト、フェライト、ヘマタイトなど)、金属(鉄、コバルト、ニッケルなど)、前記金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カルシウム、カドミウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムなどの合金または混合物などがあげられる。これらの磁性体は体積平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては結着樹脂分100重量部に対し5〜150部である。
【0047】
本発明のトナーはキャリアを用いた二成分現像剤として使用してもよい。ここで使用されるキャリアとしては鉄粉、フェライト、マグネタイト、ガラスビーズなど従来のいかなる材料でもよい。またこれらキャリアを樹脂被覆したものでもよい。この場合使用される樹脂はポリフッ化炭素、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フェノール樹脂、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂など公知のものであるが、シリコンコートキャリアが現像剤寿命の観点から優れている。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。二成分系現像剤のトナーとキャリアの混合割合は、一般にキャリア100重量部に対しトナー0.5〜20.0重量部である。
【0048】
本発明の電子写真用トナー製造方法は、少なくとも結着樹脂、帯電制御剤成分を機械的に混合する工程と溶融混練する工程と、得られた混練物を冷却破砕してプレ混練品を作る工程を有することが重要である。
本発明に係るトナーを作製する方法の一例としては、先ず、前述した結着樹脂、帯電制御剤を、ヘンシェルミキサーの如き混合機により充分に混合した後、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、例えば神戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、日本製鋼所社製TEX型2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機や、連続式の1軸混練機、例えばブッス社製コ・ニーダ等の熱混練機を用いて構成材料を良く混練し、冷却後、ハンマーミル等を用いて粗粉砕し、プレ混練品を作成する。
【0049】
帯電制御剤と結着樹脂とでプレ混練を行うことで、トナー中への帯電制御剤が十分に微分散される。このため摩擦帯電付与部材との接触確率が高くなり、一様に立ち上がるため、帯電量分布がシャープかつ立ち上がりの鋭いトナーとなりうる。また微分散していることで結着樹脂からの脱離が抑えられ、フィルミングやスペントが低減されるため、長期にわたる帯電性の変動や劣化がなくなり安定した帯電性を維持できる。さらに前述した樹脂帯電制御剤であれば樹脂との相溶性が高いため、好ましい。
【0050】
さらにこのプレ混練品に結着樹脂、着色剤、離型剤等を含むトナー成分を上記同様ヘンシェルミキサー等の混合機により混合し、次いで混合物を混練機に仕込んで溶融混練する。溶融混練機としては、上記記載の通常の混練機が用いられる。
この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが重要である。具体的には、溶融混練温度は、結着剤樹脂の軟化点を参考に行うべきであり、軟化点より低温過ぎると切断が激しく、高温過ぎると分散が進まない。
【0051】
以上の溶融混練工程が終了したら、次いで混練物を粉砕する。この粉砕工程においては、まず粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際 ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
この粉砕工程が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中で分級し、もって所定の粒径例えば平均粒径が5〜20μmの現像剤を製造する。
また、現像剤を調製する際には、現像剤の流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上のようにして製造された現像剤にさらに先に挙げた疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合してもよい。 外添剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるが、内部の温度を調節できることが好ましい。外添剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中または漸次外添剤を加えていけばよい。もちろん混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。はじめに強い負荷を、次に比較的弱い負荷を与えても良いし、その逆でも良い。
使用できる混合設備の例としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。ついで250メッシュ以上の篩を通過させ、粗大粒子、凝集粒子を除去し、本発明のトナーを得る方法がある。
【0052】
さらに本発明の製造方法は、少なくとも結着樹脂、帯電制御剤および着色料を含む現像剤成分を機械的に混合する工程と、溶融混練する工程と、粉砕する工程と、分級する工程とを有するトナーの製造方法において、粉砕または分級する工程で得られる製品となる粒子以外の粉末(以下副製品)をプレ混練品、着色剤等の混合工程や、混練工程へ戻して再利用する製造方法も含まれる。
ここで言う製品となる粒子以外の粉末(副製品)とは溶融混練する工程後、粉砕工程で得られる所望の粒径の製品となる成分以外の微粒子や粗粒子や引き続いて行われる分級工程で発生する所望の粒径の製品となる成分以外の微粒子や粗粒子を意味する。このような副製品を混合工程や溶融混練する工程で原料と好ましくは副製品1に対しその他原材料99から副製品50に対し、その他原材料50の重量比率で混合するのが好ましい。
【0053】
少なくとも結着樹脂、帯電制御剤および着色剤、副製品を含む現像剤成分を機械的に混合する混合工程は、回転させる羽による通常の混合機などを用いて通常の条件で行えばよく、特に制限はない。
通常帯電制御剤は十分な分散がなされていないため、この様な副製品中へは帯電制御剤の量が通常製品と異なるため、所望の帯電特性が得られなかったり、再度の混練により分散性が変わってしまう為帯電量分布がブロードになり、地肌汚れ等が発生したり、帯電制御剤に起因するスペントやフィルミングが発生したりしてしまい使用できなかった。
しかしながら結着樹脂と帯電制御剤をプレ混練することにより前段階として結着樹脂と帯電制御剤が十分に分散するため、トナー中への帯電制御剤の分布にバラツキがなくなるため製品及び複製品の成分に差がなくなり、この様なバラツキが発生しにくくなるため、安定した帯電性能と十分な帯電の立ち上がり性が得られると考えられる。さらに上述のような樹脂帯電制御剤であれば結着樹脂との相溶性が高いため更に良好である。
【0054】
【実施例】
以下より実施例及び、比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の例において部及び%は特に断りのない限り重量基準である。
以下、結着樹脂の合成例を示す。
<合成例1(結着樹脂)>
攪拌装置、温度計、窒素導入口、流下式コンデンサー、冷却管付き4つ口セパラブルフラスコに、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン740g、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン300g、テレフタル酸ジメチル466g、イソドデセニル無水コハク酸80g、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリn−ブチル114gをエステル化触媒とともに加えた。窒素雰囲気下で前半210℃まで常圧昇温し、後半210℃減圧にて撹拌しつつ反応させた。これにより分子量500以下の含有量3.5%、分子量ピーク7500、Tg62℃、Mw/Mn比5.1、酸価2.3KOHmg/g、フローテスターによる見掛け粘度103Pa・s温度112℃、のポリエステル樹脂(以下R−1とする)を得た。
【0055】
<合成例2(結着樹脂)>
攪拌装置、温度計、窒素導入口、冷却管付きセパラブルフラスコに、低分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約360)378.4g、高分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約2700)86.0g、ビスフェノールA型プロピレンオキサイド付加体のグリシジル化物(前記一般式(1))においてn+m:約2.1)191.0g、ビスフェノールF274.5g、p−クミルフェノール70.1g、キシレン200gを加えた。窒素雰囲気下で70〜100℃まで昇温し、塩化リチウムを0.1839g加え、更に160℃まで昇温し減圧下でキシレンを留去し、180℃の反応温度で6〜9時間重合させた。これにより分子量500以下の含有量2.1%分子量ピーク8200、Tg58℃、酸価0.0KOHmg/g、フローテスターによる見かけ粘度103Pa・s、温度109℃のポリオール樹脂(以下R−2とする)を得た。
【0056】
<合成例3(結着樹脂)>
ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン650g、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン650g、イソフタル酸515g、イソオクテニルコハク酸70g、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸80gをエステル化触媒とともにフラスコに加えた。これらを合成例1と同様の装置、同様の処方にて反応させ、分子量500以下の含有量2.1%、分子量ピーク8200、Tg61℃、Mw/Mn比4.6、酸価10.0KOHmg/g、フローテスターによる見掛け粘度103Pa・s温度117℃のポリエステル樹脂(以下R−3とする)を得た。
【0057】
<合成例4(結着樹脂)>
ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン714g、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン663g、イソフタル酸648g、イソオクテニルコハク酸150g、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸120gをエステル化触媒とともにフラスコに加えた。これらを合成例1と同様の装置、同様の処方にて反応させ、分子量500以下の含有量4.8%、分子量ピーク9500、Tg67℃、Mw/Mn比8.5、酸価23.2KOHmg/g、フローテスターによる見掛け粘度103Pa・s温度126℃のポリエステル樹脂(以下R−4とする)を得た。
【0058】
以下、樹脂帯電制御剤の合成例を示す。
<合成例1(樹脂帯電制御剤)>
3,4−ジクロロフェニルマレイミド600部及びパーフルオロオクタンスルホン酸100部をジメチルホルムアミド(DMF)中沸点下、ジターシャリーブチルパーオキサイドを開始剤として8時間共重合した。次いでアクリル酸n−ブチルを300部加え、ジターシャリーブチルパーオキサイドを開始剤として4時間グラフト重合した後、DMFを減圧乾燥機により留去し、見かけ粘度が104Pa(=104g/cm・s)になる温度が95℃となる樹脂帯電制御剤(以下C−1とする)を得た。
【0059】
<合成例2(樹脂帯電制御剤)>
m−ニトロフェニルマレイミド600部及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸100部をジメチルホルムアミド(DMF)中沸点下、ジターシャリーブチルパーオキサイドを開始剤として8時間共重合した。次いでアクリル酸2−エチルヘキシルを250部加え、ジターシャリーブチルパーオキサイドを開始剤として4時間グラフト重合した後、DMFを減圧乾燥機により留去し、見かけ粘度が104Pa・sとなる温度が82℃となる樹脂帯電制御剤(以下C−2とする)を得た。
【0060】
<合成例3(樹脂帯電制御剤)>
3,4−ジクロロフェニルマレイミド400部及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸100部をジメチルホルムアミド(DMF)中沸点下、ジターシャリーブチルパーオキサイドを開始剤として8時間共重合した。次いでアクリル酸2−エチルヘキシルを50部加え、ジターシャリブチルパーオキサイドを開始剤として4時間グラフト重合した後、DMFを減圧乾燥機により留去し、数平均分子量7000の樹脂帯電制御剤(以下C−3とする)を得た。
【0061】
<合成例4(樹脂帯電制御剤)>
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸100部とアクリル酸2−エチルヘキシルを250部更にスチレンモノマーを700部加え、ジターシャリーブチルパーオキサイドを開始剤として4時間グラフト重合した後、DMFを減圧乾燥機により留去し、見かけ粘度が104Pa・sとなる温度が95℃の樹脂帯電制御剤(以下C−4とする)を得た。
【0062】
他に帯電制御剤としてオリエント社製、ボントロンE−84を使用した(以下C−5とする)。
【0063】
以下、プレ混練の合成例について示す。
<合成例1(プレ混練)>
結着樹脂:R−1 100部
樹脂帯電制御剤:C−1 100部
上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、混合物を得た。これをロール表面を100℃に設定した2本ロールミルにより45分間混練を行い、圧延冷却、粗粉砕を行い、プレ混練品(以下P−1とする)を得た。
【0064】
上記同様の方法で以下の表にしめす処方でプレ混練品P−2〜P−8まで作成した。
【表1】
【0065】
以下、着色剤処理について示す。
<合成例1(着色剤処理)>
結着樹脂:R−1 100部
着色剤:C.I.PigmentRed57,1 100部
上記材料をヘンシェルミキサーにいれ混合したあと、混合物を100℃に加熱された2本ロールミルに投入し、投入後30分溶融混練した。その後混練物を冷却して粗粉砕し、樹脂処理された着色剤(以下M−1とする)を得た。
上記同様の方法で以下の表にしめす処方で樹脂処理された着色剤M−2、M−3、C−1、Y−1を作成した。
【表2】
【0066】
以下、トナーの製造例について示す。
<製造例1>
結着樹脂:R−1 100部
プレ混練品:P−1 4部
樹脂処理着色料:M−1 10部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合後、ロール表面を100℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行い、圧延冷却、粗粉砕後、ジェットミル方式の粉砕器(I−2式ミル:日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級機:日本ニューマチック工業社製)を行い、重量平均粒径7.0μm、4μm以下の個数%が9.8個数%のマゼンタの着色粒子を得た。また同時に、集めた製品以外の微粒子(副製品)を得た(以下RM−1微粉とする)。
更に、疎水性シリカ(H2000:クラリアントジャパン社製)を0.8wt%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合してトナー(以下T−1とする)を得た。
次に、このとき集めた副製品を用いて再度トナーを作成する。
結着樹脂:R−1 100部
プレ混練品:P−1 4部
樹脂処理着色料:M−1 6部
副製品:RM−1微粉 25部
上記材料をT−1同様にトナー化し、トナー(以下T−2とする)を得た。
重量平均粒径7.1μm、4μm以下が8.9個数%であった。
なお粒度分布はコールター社のマルチサイザーIIにて測定した。
【0067】
<製造例2>
結着樹脂:R−1 100部
プレ混練品:P−1 4部
樹脂処理着色料:Y−1 10部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合後、ロール表面を100℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行い、圧延冷却、粗粉砕後、ジェットミル方式の粉砕器(I−2式ミル:日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級機:日本ニューマチック工業社製)を行い、イエローの着色粒子を得た。また同時に、集めた製品以外の微粒子(副製品)を得た(以下RY−1微粉とする)。
次にこのとき集めた副製品を用いて再度トナーを作成する。
樹脂:R−1 100部
プレ混練品:P−1 4部
樹脂処理着色料:Y−1 10部
副製品:RY−1微粉 20部
上記材料をT−1同様に粉砕分級をし、更に疎水性シリカ(H2000:クラリアントジャパン社製)を0.8wt%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合してトナー(以下T−3とする)を得た。
重量平均粒径6.8μm、4μm以下が8.9個数%であった。
【0068】
<製造例3>
結着樹脂:R−1 100部
プレ混練品:P−1 4部
樹脂処理着色料:C−1 6部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合後、ロール表面を100℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行い、圧延冷却、粗粉砕後、ジェットミル方式の粉砕器(I−2式ミル:日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級機:日本ニューマチック工業社製)を行い、シアンの着色粒子を得た。また同時に、集めた製品以外の微粒子(副製品)を得た(以下RC−1微粉とする)。
次にこのとき集めた副製品を用いて再度トナーを作成する。
結着樹脂:R−1 100部
プレ混練品:P−1 4部
樹脂処理着色剤:C−1 6部
副製品:RC−1微粉 20部
上記材料をT−1同様に粉砕分級をし、更に疎水性シリカ(H2000:クラリアントジャパン社製)を0.8wt%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合してトナー(以下T−4とする)を得た。
重量平均粒径7.2μm、4μm以下が8.0個数%であった。
【0069】
<製造例4>
結着樹脂:R−1 100部
プレ混練品:P−1 4部
樹脂処理着色剤:カーボンブラック 10部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合後、ロール表面を100℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行い、圧延冷却、粗粉砕後、ジェットミル方式の粉砕器(I−2式ミル:日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級機:日本ニューマチック工業社製)を行い、ブラックの着色粒子を得た。また同時に、集めた製品以外の微粒子(副製品)を得た(以下RK−1微粉とする)。
次にこのとき集めた副製品を用いて再度トナーを作成する。
結着樹脂:R−1 100部
プレ混練品:P−1 4部
樹脂処理着色剤:カーボンブラック 10部
副製品:RK−1微粉 20部
上記材料をT−1同様に粉砕分級をし、更に疎水性シリカ(H2000:クラリアントジャパン社製)を0.8wt%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合してトナー(以下T−5とする)を得た。
重量平均粒径6.7μm、4μmが9.9個数%であった。
【0070】
<製造例5>
結着樹脂:R−2 100部
プレ混練品:P−2 4部
樹脂処理着色剤:M−2 10部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合後、ロール表面を100℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行い、圧延冷却、粗粉砕後、ジェットミル方式の粉砕器(I−2式ミル:日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級機:日本ニューマチック工業社製)を行い、マゼンタの着色粒子を得た。また同時に、集めた製品以外の微粒子(副製品)を得た(以下RM−2微粉とする)。
次にこのとき集めた副製品を用いて再度トナーを作成する。
結着樹脂:R−2 100部
プレ混練品:P−2 4部
樹脂処理着色剤:M−2 10部
副製品:RM−2微粉 15部
上記材料をT−1同様に粉砕分級をし、更に疎水性シリカ(H2000:クラリアントジャパン社製)を0.8wt%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合してトナー(以下T−6とする)を得た。
重量平均粒径7.0μm、4μmが6.8個数%であった。
【0071】
<製造例6>
結着樹脂:R−3 100部
プレ混練品:P−3 4部
樹脂処理着色剤:M−3 10部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合後、ロール表面を100℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行い、圧延冷却、粗粉砕後、ジェットミル方式の粉砕器(I−2式ミル:日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級機:日本ニューマチック工業社製)を行い、マゼンタの着色粒子を得た。また同時に、集めた製品以外の微粒子(副製品)を得た(以下RM−3微粉とする)。
次にこのとき集めた副製品を用いて再度トナーを作成する。
結着樹脂:R−3 100部
プレ混練品:P−3 4部
樹脂処理着色剤:M−3 10部
複製品:RM−3微粉 20部
上記材料をT−1同様に粉砕分級をし、更に疎水性シリカ(H2000:クラリアントジャパン社製)を0.8wt%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合してトナー(以下T−7とする)を得た。
重量平均粒径6.9μm、4μm以下が8.8個数%であった。
【0072】
<製造例7>
結着樹脂:R−1 100部
プレ混練品:P−5 4部
樹脂処理着色剤:M−1 10部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合後、ロール表面を100℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行い、圧延冷却、粗粉砕後、ジェットミル方式の粉砕器(I−2式ミル:日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級機:日本ニューマチック工業社製)を行い、マゼンタの着色粒子を得た。また同時に、集めた製品以外の微粒子(副製品)を得た(RM−4微粉とする)。
次にこのとき集めた副製品を用いて再度トナーを作成する。
結着樹脂:R−1 100部
プレ混練品:P−5 4部
樹脂処理着色剤:M−1 10部
複製品:RM−4微粉 20部
上記材料をT−1同様に粉砕分級をし、更に疎水性シリカ(H2000:クラリアントジャパン社製)を0.8wt%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合してトナー(以下T−8とする)を得た。
重量平均粒径7.1μm、4μmが7.9個数%であった。
【0073】
<製造例8>
結着樹脂:R−1 100部
プレ混練品:P−6 4部
樹脂処理着色剤:M−1 10部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合後、ロール表面を100℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行い、圧延冷却、粗粉砕後、ジェットミル方式の粉砕器(I−2式ミル:日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級機:日本ニューマチック工業社製)を行い、マゼンタの着色粒子を得た。また同時に、集めた製品以外の微粒子(副製品)を得た(以下RM−5微粉とする)。
次にこのとき集めた副製品を用いて再度トナーを作成する。
結着樹脂:R−1 100部
プレ混練品:P−6 4部
樹脂処理着色剤:M−1 10部
複製品:RM−5微粉 20部
上記材料をT−1同様に粉砕分級をし、更に疎水性シリカ(H2000:クラリアントジャパン社製)を0.8wt%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合してトナー(以下T−9とする)を得た。
重量平均粒径6.9μm、4μmが6.6個数%であった。
【0074】
<製造例9>
結着樹脂:R−1 100部
プレ混練品:P−7 4部
樹脂処理着色剤:M−1 10部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合後、ロール表面を100℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行い、圧延冷却、粗粉砕後、ジェットミル方式の粉砕器(I−2式ミル:日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級機:日本ニューマチック工業社製)を行い、マゼンタの着色粒子を得た。また同時に、集めた製品以外の微粒子(副製品)を得た(以下RM−6微粉とする)。
次にこのとき集めた副製品を用いて再度トナーを作成する。
結着樹脂:R−1 100部
プレ混練品:P−7 4部
樹脂処理着色剤:M−1 10部
複製品:RM−6微粉 20部
上記材料をT−1同様に粉砕分級をし、更に疎水性シリカ(H2000:クラリアントジャパン社製)を0.8wt%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合してトナー(以下T−10とする)を得た。
重量平均粒径6.7μm、4μmが8.8個数%であった。
【0075】
<製造例10>
結着樹脂:R−4 100部
プレ混練品:P−4 4部
樹脂処理着色剤:M−1 10部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合後、ロール表面を100℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行い、圧延冷却、粗粉砕後、ジェットミル方式の粉砕器(I−2式ミル:日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級機:日本ニューマチック工業社製)を行い、マゼンタの着色粒子を得た。また同時に、集めた製品以外の微粒子(副製品)を得た(以下RM−7微粉とする)。
次にこのとき集めた副製品を用いて再度トナーを作成する。
結着樹脂:R−4 100部
プレ混練品:P−4 4部
樹脂処理着色剤:M−1 10部
複製品:RM−7微粉 20部
上記材料をT−1同様に粉砕分級をし、更に疎水性シリカ(H2000:クラリアントジャパン社製)を0.8wt%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合してトナー(以下T−11とする)を得た。
重量平均粒径6.5μm、4μmが9.0個数%であった。
【0076】
<製造例11>
結着樹脂:R−1 100部
プレ混練品:P−8 4部
樹脂処理着色剤:M−1 10部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合後、ロール表面を100℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行い、圧延冷却、粗粉砕後、ジェットミル方式の粉砕器(I−2式ミル:日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級機:日本ニューマチック工業社製)を行い、マゼンタの着色粒子を得た。また同時に、集めた製品以外の微粒子(副製品)を得た(以下RM−8微粉とする)。
次にこのとき集めた副製品を用いて再度トナーを作成する。
結着樹脂:R−1 100部
プレ混練品:P−8 4部
樹脂処理着色剤:M−1 10部
複製品:RM−8微粉 20部
上記材料をT−1同様に粉砕分級をし、更に疎水性シリカ(H2000:クラリアントジャパン社製)を0.8wt%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合してトナー(以下T−12とする)を得た。
重量平均粒径6.8μm、4μmが8.3個数%であった。
【0077】
<製造例12>
結着樹脂:R−1 100部
帯電制御剤:C−1 2部
樹脂処理着色剤:M−1 10部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合後、ロール表面を100℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行い、圧延冷却、粗粉砕後、ジェットミル方式の粉砕器(I−2式ミル:日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級機:日本ニューマチック工業社製)を行い、マゼンタの着色粒子を得た。また同時に、集めた製品以外の微粒子(副製品)を得た(以下RM−9微粉とする)。
次にこのとき集めた副製品を用いて再度トナーを作成する。
結着樹脂:R−1 100部
帯電制御剤:C−1 2部
樹脂処理着色剤:M−1 10部
複製品:RM−9微粉 20部
上記材料をT−1同様に粉砕分級をし、更に疎水性シリカ(H2000:クラリアントジャパン社製)を0.8wt%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合してトナー(以下T−13とする)を得た。
重量平均粒径6.8μm、4μmが7.8個数%であった。
【0078】
<製造例13>
結着樹脂:R−1 100部
帯電制御剤:C−5 2部
樹脂処理着色剤:M−1 10部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合後、ロール表面を100℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行い、圧延冷却、粗粉砕後、ジェットミル方式の粉砕器(I−2式ミル:日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級機:日本ニューマチック工業社製)を行い、マゼンタの着色粒子を得た。また同時に、集めた製品以外の微粒子(副製品)を得た(RM−10微粉とする)。
次にこのとき集めた副製品を用いて再度トナーを作成する。
結着樹脂:R−1 100部
帯電制御剤:C−5 2部
樹脂処理着色剤:M−1 10部
複製品:RM−10微粉 20部
上記材料をT−1同様に粉砕分級をし、更に疎水性シリカ(H2000:クラリアントジャパン社製)を0.8wt%添加し、ヘンシェルミキサーにて混合してトナー(以下T−14とする)を得た。
重量平均粒径6.9μm、4μmが8.9個数%であった。
【0079】
得られた上記トナーは、一成分現像剤をフルカラーレーザープリンター Ipsio color 5000(リコー社製:評価機A)で2成分現像剤についてはフルカラーレーザ−複写機imagio color 2800(リコー社製:評価機B)により評価した。評価機Aは弾性体からなる現像スリーブと層厚規制のステンレスブレードからなる非磁性一成分現像ユニットを搭載している。また評価機Bにおいてはキャリアとしてシリコーン樹脂により0.3μmの平均厚さでコーティングされた平均粒径50μmのフェライトコアキャリアを用い、キャリア100重量部に対してトナー5重量部を容器が転動して攪拌される型式のターブラミキサーを用いて均一混合し帯電させて、現像剤とした。
評価方法としては、30℃(90%RH)条件下で0%の画像面積の画像チャートを50k枚通紙評価を行った。更にその後一週間放置し、放置後の一枚目の特性を評価した。
【0080】
帯電量の測定方法としては、1成分現像剤の場合は現像ローラ(スリーブ)上にトナーを搬送させ、吸引トリボ測定法にて測定した。2成分現像剤の場合は現像剤6gを計量し、密閉のできる金属円柱に仕込み、ブローオフにて帯電量を測定した。
地肌汚れの測定方法としては、白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差をX−RITE938にて測定した。これはIDが悪いほど、転写紙上の地肌汚れと相関がある。
フィルミングの観察としては、現像ローラ及び感光体上のトナーフィルミングの発生状況の有無を観察した。○はフィルミングがなく、△はスジ上のフィルミングが見られる。更に×では全体的に発生しており、転写紙上にてもスジが確認できる。
【表3】
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、結着樹脂と帯電制御剤とでプレ混練を行うことで、分散性が良好で長期にわたり帯電の立ち上がりが早く、帯電の安定した電子写真用トナー及びトナーの製造方法を提供することができる。
さらに本発明によれば樹脂帯電制御剤を使用することでトナー定着画像の透明性、安全性を損なうことなく、数万枚以上の長期にわたり帯電量の立ち上がりが早くかつ安定し、高画像濃度で地汚れが少ない高画像品質が得られ、特に一成分現像方式において連続プリント後トナーの帯電性の変化がなく、また現像スリーブや層圧規制部材の汚染や感光体フィルミングを防止できる電子写真用トナー及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る現像装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 現像装置
6 現像スリーブ
7 層厚規制部材
8 トナー補給ローラ
9 現像剤補給補助部材
Claims (7)
- 少なくとも結着樹脂と帯電制御剤とからなる混合物を前処理として溶融混練する前処理工程と、
前記前処理工程で得られた混練物を冷却破砕してプレ混練品とする工程と、
前記プレ混練品に少なくとも前記結着樹脂と着色剤とを加えて溶融混練を行う溶融混練工程と、
前記溶融混練工程で得られた混練物を粉砕及び分級する工程とを含み、
前記結着樹脂として、
(1)THF不溶分がなく、
(2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における分子量分布において分子量500以下の成分の含有割合が4重量%以下であり、
(3)分子量4,000以上9,000以下の領域に1つのピークを有する樹脂成分を含有したものを用いることを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。 - 結着樹脂として、ポリエステル樹脂及びポリオール樹脂の少なくともいずれかを用いることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナーの製造方法。
- 着色剤として、あらかじめ結着樹脂により処理されたものを用いることを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
- 帯電制御剤として、樹脂帯電制御剤を用いることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
- 樹脂帯電制御剤として、スルホン酸塩基含有モノマーと、塩素原子若しくはニトロ基により置換されたフェニルマレイミド置換体又はフェニルイタコンイミド置換体モノマーと、アクリル酸エステルモノマー、メタアクリル酸エステルモノマー及び芳香族ビニルモノマーの少なくともいずれかとを構成単位として合成されたものを用いることを特徴とする請求項4に記載の電子写真用トナーの製造方法。
- 樹脂帯電制御剤として、
スルホン酸基含有モノマーの繰り返し単位の含有率が樹脂帯電制御剤重量に対して1重量%以上30重量%以下のものと、
塩素原子若しくはニトロ基により置換されたフェニルマレイミド置換体又はフェニルイタコンイミド置換体モノマーの繰り返し単位の含有率が樹脂帯電制御剤重量に対して1重量%以上80重量%以下のものと、
アクリル酸エステルモノマー及びメタアクリル酸エステルモノマーの少なくともいずれかの繰り返し単位の含有率が樹脂帯電制御剤重量に対して10重量%以上80重量%以下のものと、
芳香族ビニルモノマーの繰り返し単位の含有率が樹脂帯電制御剤重量に対して0重量%以上30重量%以下のものとを合成したものを用いることを特徴とする請求項5に記載の電子写真用トナーの製造方法。 - 粉砕及び分級によって得られる製品となる粒子以外の粉末を、プレ混練品と、結着樹脂及び着色剤と機械的に混合して溶融混練を行うことで製造工程に戻す工程を有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
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