JP4919672B2 - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
この原因としては種々の要因が考えられるが、そのうちの一つは、初期に画像形成装置本体に充填されているトナーと、補給用トナーとの帯電量及びその分布状態に差が生じ、
現像剤中で弱帯電/逆帯電トナーと、強帯電トナーとが混在した状態となることによるものである。
この様な現像剤の帯電性能変化の抑制に関し、例えば二成分現像剤においては、従来は、キャリアのコーティング条件や、コーティング剤を変えることで安定化を図って来た。
これら一成分現像方式は、キャリアのような安定した帯電、搬送手段がないため摩擦帯電時間が短く、上記二成分現像方式より低帯電、逆帯電トナーが多くなりやすい。このため、長時間使用や高速化による帯電、搬送不良が起こりやすい傾向にある。
特に、上記非磁性一成分現像の場合においては、トナー中に磁性成分を含有していないため、トナー補給装置から現像スリーブ上へ汲み上げの際、小粒径・強帯電トナーから汲み上げられ、これらが優先的に現像に供される選択現像が起こりやすい。これに伴い、トナー補給装置内に残る現像剤の平均粒径は大きくなり、現像剤中のトナーの帯電量分布は弱帯電側に移行した状態となるため、初期に画像形成装置内に充填されたトナーの帯電量分布は、弱帯電/逆帯電側に移行した状態となる。
またさらに、上記現象に加え、トナー粒子表面の外添剤が、経時の攪拌等により埋没又は遊離し、外添剤由来の帯電性能が失われることによっても、トナーの帯電性能劣化は誘発される。
帯電制御剤は、トナーの摩擦帯電量を制御し、その摩擦帯電量を維持する働きをする。
今日知られている荷電制御剤のうち、負帯電用の荷電制御剤としては、モノアゾ染料、サリチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸の金属塩・金属錯塩、ジアゾ化合物、ホウ素による錯化合物などが挙げられ、また正帯電性の代表的な帯電制御剤 としては、四級アンモニウム塩化合物、イミダゾール化合物、ニグロシン、アジン系染料などが挙げられる。
しかし、これらの帯電制御剤は、有色のものが多く、これらは色相をかえてしまうため、フルカラートナー用帯電制御剤としては使用できない問題がある。
上記非磁性一成分方式において、透明性の良いトナーを使用し、フルカラー化に対応できる利点を生かすためには、色相に影響を与えない無色、白色あるいは淡色の帯電制御剤とすることが必要である。
帯電性が低下した状態のトナーを含む現像剤中に、帯電性の良好なトナーを新たに補給すると、初期トナーと補給用トナーとの間の帯電性能の差異が大きくなり、現像剤としての帯電量差が大きくなる。
現像剤中に、弱帯電/逆帯電トナーと強帯電トナーとが混在した状態となると、強帯電部分は通常の現像に持っていかれ、弱帯電/逆帯電トナーは現像されるべきでないところに持っていかれることとなり、得られる画像には地汚れが発生する。
しかしながら、特許文献2に記載の発明では、上記のように、補給するトナーの帯電量を、初期トナーの劣化に応じて変化させている。即ち、この劣化したトナーの帯電量に対応したトナーを補給する構成としているため、現像剤の帯電量は経時で弱帯電側に移行し、帯電性能の劣化が進行する。
上記製造方法では、外添剤の種類及び/又は外添量を、初期現像剤用トナーと補給用トナーとで変え、初期現像剤に用いるトナー帯電量と補給に用いるトナーの帯電量を違えることにより、現像剤の帯電量推移を適度なレベルに調整することができる。
しかしながら、上記方法では、現像剤に用いるトナー帯電量が、トナー補給に伴って推移し、安定した帯電性能を得ることができない。
本発明は、トナー 補給機構を有する画像形成装置 において、現像剤中トナー と補給トナーとの帯電量差 によるカブリの発生がなく、経時での地汚れを抑制できる画像形成方法、を提供することを課題とする。
1.本発明の画像形成方法は、像担持体上に静電潜像を形成する工程と、静電潜像を静電荷像現像用トナーを含む現像剤で現像してトナー画像を形成する工程と、トナー画像を被転写体上に転写する工程と、被転写体上のトナー画像を定着する工程と、トナー補給装置から新たな補給用トナーを補給する工程と、を含む画像形成方法であって、前記現像工程は、初期に充填するトナーとして、使用前の帯電量特性値q/d11が、1.3≦|q/d11|<4.0(fC(フェムトクーロン)/10×μm)であり、かつ帯電制御剤としてスルホン酸系樹脂を含むトナーを使用し、前記補給用トナーとして、A.使用前における帯電量特性値q/d21が1.2≦|q/d21|<|q/d11|であり、B.前記補給用トナー単独で、前記初期トナーの使用後の帯電量特性値|q/d12|が1.0(fC(フェムトクーロン)/10×μm)未満となる使用条件と同一条件で使用した後の、該補給用トナーの帯電量特性値q/d22が、|q/d12|<|q/d22|<|q/d11|であり、かつC.帯電制御剤としてサリチル酸またはサリチル酸誘導体の金属塩を含むトナーを用いることを特徴とする。(ただし、帯電量特性値q/dは帯電量分布のピーク値を示す)
4.また、本発明の画像形成方法は、2.に記載の発明において、前記トナーは、正帯電トナーであり、前記外添剤は、正帯電チタン酸ストロンチウムであることを特徴とする。
なお、ここで言う初期充填トナーの劣化後とは、その帯電量特性値が1.0fC/10×μm未満となり、トナー補給装置から現像装置内に新たにトナー補給を行う状態となった時点を指し、また補給用トナーの劣化後とは、この補給用トナーを単独で使用し、前記初期トナーの帯電量特性値を1.0fC/10×μm未満とさせたのと同一条件経過させた後の、該補給用トナーの帯電量特性値を指す。
トナーの帯電性能を変化させる手段としては、種々の方法により行うことができるが、本発明においては、初期トナー及び補給用トナーに異なる帯電制御剤を使用して行うことが好ましい。
このようにすることで、帯電性能以外のトナー特性を大きく変化させることなく、初期トナーと補給用トナーの帯電特性の制御を行うことができる。
また更に、初回のトナー補給動作後、初回のトナー補給時点と同量の現像装置内の現像剤残量となった時点で、現像装置内に残存しているトナーの帯電量特性値についても、上記と同様に、初期充填トナーの劣化後の帯電量特性値より高く、使用前の帯電量特性値より低いことが好ましい。
なお、本発明の画像形成方法では、現像工程において初期に充填するトナーに、使用前の帯電量特性値が、1.0fC/10×μm以上、4.0fC/10×μm未満の範囲にあるトナーを使用する。
即ち、本発明における補給用トナーは、その使用前の状態では、初期トナーの使用前の状態のものと比較して、弱帯電側の帯電特性値を有している。一方、これらトナーを単独で使用し、同一の作像プロセスを経過させた後の帯電量特性値は、補給用トナーの方が、初期トナーより大きい値を示す。
このようなトナーを補給用トナーに使用することで、トナー充填時における、初期トナーと補給用トナーとの帯電特性の差を小さくすることができ、現像剤中で弱帯電/逆帯電トナーと、強帯電トナーとが混在した状態となることを防止することができる。
またさらに、本発明の補給用トナーは、初期トナーより帯電特性の劣化が抑制されているため、経時での使用により、現像剤としての帯電特性を安定化させることができる。
なお、本発明におけるトナーの帯電量測定は、以下のようにして行われる。
<トナー帯電特性の測定>
帯電特性値q/dは現像剤の帯電量分布図から求めた。帯電量分布の測定には、ホソカワミクロン社製E−SPART ANALYZER EST−IIに一成分フィーダーを用いて現像剤担持体上のトナー帯電量分布を測定した。帯電量分布測定は、予め現像ユニットを所定条件下で空回しして現像剤担持体上のトナー層を帯電させた後に行った。空回しには、(株)リコー製「IMAIO NEO C320」の現像部を再現した簡易評価機(空回し機)を用い、現像ユニットを装着して、215rpmの速さで180秒間回転させた。E−SPART ANALYZERの測定条件としては、窒素ガス流量を0.3Nl/min、ガス圧0.3気圧とした。得られた帯電量分布図(X軸:q/d(femto−C/10micro−m、Y軸:Number of Particles(個))においてピークトップに位置するX座標をトナーの帯電特性値とした。なお、本測定は二成分現像剤を用いて測定しても良い。その場合には、シリコーン樹脂により0.3μmの平均厚さでコーティングされた平均粒径50μmのフェライトキャリアを用いる。
トナー及びキャリアを調製した現像剤2gを、直径2.5cm、高さ3.0cmの円柱状のステンレス容器に入れ、ボールミルで250rpmの速度で30秒間攪拌する。この時の現像剤中のトナー濃度(TC)は4質量%とする。この現像剤中のトナー帯電量分布を二成分フィーダーを用いて測定する。測定条件は一成分の時と同様である。
本発明は、初期に装置本体内に充填されるトナーに、以下[1]、[2]で示されるスルホン酸基含有樹脂で構成される樹脂帯電制御剤を使用する。
[1]ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、パーフルオロアルキル基からなる群から選ばれる1種以上の電子吸引基Xにより置換された芳香環を有する重合性単量体(1)およびスルホ基含有重合性単量体(2)を構成単位として含有する共重合体(A)からなることを特徴とする荷電制御剤。
[2]上記[1]記載の該共重合体(A)と同じ構成の重合体部分(a)に、スチレン系重合体部分(b1)およびポリエステル系重合体部分(b2)からなる群より選ばれる重合体部分(b)がグラフト状またはブロック状に結合した共重合体(AB)からなる荷電制御剤。
<1>(a)の幹ポリマーに(b)の枝ポリマーがグラフトしたグラフト共重合体
<2>(b)の幹ポリマーに(a)の枝ポリマーがグラフトしたグラフト共重合体
<3>(a)と(b)のブロック共重合体
(1)ニトロフェニルマレイミド/パーフルオロアルキル(C8〜C12の混合物)エチルメタクリレート/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(51/41/8)共重合体
(2)クロロフェニルマレイミド/パーフルオロアルキル(C8〜C12の混合物)エチルアクリレート/スチレンスルホン酸ナトリウム(50/45/5)共重合体
(3)ジクロロフェニルマレイミド/スチレンスルホン酸ナトリウム塩(96/4)共重合体
(4)ジクロロフェニルマレイミド/パーフルオロアルキル(C8〜C12の混合物)エチルメタクリレート/スチレンスルホン酸ナトリウム塩(46/50/4)共重合体
(5)ジクロロフェニルマレイミド/パーフルオロアルキル(C8〜C12の混合物)エチルメタクリレート/スチレンスルホン酸トリブチルアミン塩(45/50/5)共重合体
(6)ジクロロフェニルイタコンイミド/パーフルオロアルキル(C8〜C12の混合物)エチルアクリレート/スチレンスルホン酸マグネシウム塩(65/30/5)共重合体
(7)ジクロロフェニルイタコンイミド/パーフルオロアルキル(C8〜C12の混合物)エチルアクリレート/スルホフェニルマレイミドナトリウム塩(56/40/4)共重合体
(8)ジクロロフェニルマレイミド/モノパーフルオロアルキル(C8〜C12の混合物)エチルマレエート/スルホフェニルマレイミドナトリウム塩/メチルビニルエーテル(39/42/5/14)共重合体
(1)スチレンの単独重合体部分
(2)スチレン/ブチルアクリレート(95/5)共重合体部分
(3)スチレン/ブチルアクリレート(87/13)共重合体部分
(4)スチレン/メタアクリル酸ブチル(75/25)共重合体部分
(5)スチレン/アクリロニトリル(85/15)共重合体部分
(6)スチレン/ブタジエン(90/10)共重合体部分
(7)ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物/イソフタル酸重縮合物部分(8)ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物/テレフタル酸重縮合物部分(9)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/マレイン酸重縮合物部分
(10)ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物/マレイン酸重縮合物部分(11)ビスフェノールAエチレンオキサイド3モル付加物/テレフタル酸重縮合物部分
<1>スチレン系またはポリエステル系重合体部分(b)の末端に重合可能な官能基(例えばアリル基)を持たせたものと、共重合体部分(a)となる前の(a)を構成する単量体を共重合させてグラフト共重合体を得るマクロマー法。
<2>スチレン系またはポリエステル系重合体部分(b)の末端に共重合体部分(a)と反応可能な官能基(例えばアミノ基、水酸基)を持たせたものと、共重合体部分(a)の側鎖の官能基(例えばカルボキシル基、酸無水物基)とを反応させ共重合体を得るポリマー反応法。
<3>スチレン系またはポリエステル系重合体部分(b)の側鎖に重合開始基(例えば、パーオキサイド基)を持たせたものと、共重合体部分(a)となる前の(a)を構成する単量体とを反応させるか、あるいは、共重合体部分(a)の側鎖に重合開始基を持たせたものと、スチレンおよび必要により共重合可能な他の単量体とを反応させることによりグラフト共重合体を得る主鎖開始重合法。
また本発明は、補給トナーの帯電制御剤として、サリチル酸金属塩及びサリチル酸誘導体の金属塩を使用する。
このサリチル酸またはサリチル酸誘導体の金属塩は、下記の一般式(I)によって表されるものである。
このように、本発明では、初期トナーと補給トナーに異なる帯電制御剤を付与する。
帯電制御剤としてスルホン酸系樹脂を使用したトナーは、帯電立ち上がり性能が良好であり、また使用初期はシャープな帯電量分布を有するが、一方で経時での使用後の帯電性の劣化が顕著であり、その帯電量分布はブロードとなる。
これに対し、帯電制御剤にサリチル酸金属塩を使用したトナーは、上記スルホン酸系樹脂を添加したトナーと比較して、使用前において、帯電量分布が弱帯電側に位置しており、またその分布形状はブロードである。
即ち、補給トナーの帯電特性が、トナー補給時における初期充填トナーの帯電特性に近い状態のものとすることで、現像剤中で弱帯電/逆帯電トナーと強帯電トナーが混在した状態となることが回避され、地汚れ等の不具合が発生するのを防止できる。
またさらに、帯電制御剤にサリチル酸金属塩を使用したトナーは、経時での使用後において、帯電量分布の変化が少なく、帯電性の劣化が抑制されている。このようなトナーを補給トナーとして使用することで、現像剤としての帯電特性は一定のレベルで収束し、ある状態で安定する。このため、本発明の現像剤は、経時での使用により帯電性が安定する。
なお、本発明で使用するトナーの帯電制御剤は、上記のものに限られるものではなく、初期トナーと補給トナーの帯電量が前述の規定を満たすものであれば、公知のものを使用することができる。
この帯電制御剤としては、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられる。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
なお、帯電制御剤にスルホン酸基含有樹脂を使用した場合に、帯電特性が著しく低下する原因としては、トナー表面に添加される外添剤が埋没又は遊離し、外添剤に由来の帯電能が失われるという事が、その一つとして挙げられる。
帯電制御剤にサリチル酸金属塩を使用したトナーは、その詳細な機構は不明であるが、トナー表面の外添剤が埋没/遊離する現象が抑制されるため、スルホン酸基含有樹脂を使用した場合より、トナーの帯電劣化が抑制される。
なお、上記外添剤は、トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するために用いられるものであり、無機微粒子が好ましく用いられる。
この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
なお、本発明において、負帯電トナーを使用した場合には、外添剤として負帯電シリカを使用することが好ましく、また、正帯電トナーを使用した場合には、外添剤として、Mg、Ca、Sr等の2価金属及び3価金属からなる金属水酸化物を使用することが好ましい。この中でも、特にチタン酸ストロンチウムを使用することが好ましい。
結着樹脂としては、フルカラートナー用結着樹脂として発色性、画像強度の点から好適なポリエステル樹脂やポリオール樹脂が用いられる。カラー画像は、数種のトナー層が幾重にも重ねられるため、トナー層が厚くなってしまい、トナー層の強度不足による画像の亀裂や欠陥が生じたり、適度な光沢が失われたりする。このことから適度な光沢や優れた強度を保持させるためポリエステル樹脂やポリオール樹脂が用いられる。
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得ることが可能な公知の顔料や染料が使用できる。例えば、黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキが挙げられる。また、橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGKが挙げられる。赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bが挙げられる。紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCが挙げられる。緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、等がある。黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。これらは、1種または2種以上を使用することができる。
本発明のトナーは、トナー画像定着時に定着部材からの離型性を向上させる目的で、ワックスを含有することが好ましい。本発明者らの検討によって、樹脂成分Aが有機スズ(IV)化合物を触媒として含有するポリエステル樹脂の場合と、無機スズ(II)化合物を触媒として含有するポリエステル樹脂の場合とで、添加されたワックスのトナー中での分散性が異なることが明らかとなった。製造されたトナーの断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した結果、無機スズ(II)化合物を触媒として含有するポリエステル樹脂を用いた方が、ワックスの分散径が小さくなっていることを確認した。これにより、定着工程におけるトナーの離型効果が得られやすく、また、結着樹脂よりも低分子量成分であるワックスがトナー中によりよく分散することで、トナー低温定着性を一層良好にするものと考えられる。
このようなワックスとしては、カルナウバワックス及び/又はライスワックス及び/又はエステルワックスを含有することが好ましい。カルナウバワックスはカルナウバヤシの葉から得られる天然のワックスであるが、特に遊離脂肪酸脱離した低酸価タイプのものが結着樹脂中に均一分散が可能であるので好ましい。ライスワックスは米糠から抽出される米糠油を精製する際に、脱ろうまたはウィンタリング工程で製出される粗ろうを精製して得られる天然ワックスである。エステルワックスは単官能直鎖脂肪酸と単官能直鎖アルコールからエステル反応で合成される。
また、この他のワックス成分、例えば、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス等のポリオレフィンワックス等も使用することができる。
これらのワックス成分は単独または併用して使用される。
本発明のトナーは、感光体上のトナーのクリーニング性向上、フィルミングの防止等を目的として潤滑剤を含有することが好ましい。潤滑剤としては、例えば、オレイン酸鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸銅、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸鉄、ステアリン酸銅、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、リノレイン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類が挙げられる。この中でも、ステアリン酸亜鉛が好ましい。潤滑剤は、結着樹脂、着色剤等のトナー組成物を溶融混練、粉砕により粒子状に形成した後に外添することができる。
トナーが潤滑剤を含有することにより、転写工程後にトナーが感光体上に残存しても、潤滑剤の効果により、感光体表面との間に働く付着力が低減され、クリーニングブレードによるクリーニング性を向上させることができる。また、感光体上にトナーの構成成分が固着するフィルミングを発生させることもない。
ここで、本発明におけるガラス転移点(Tg)とは、具体的に次のような手順で決定される。測定装置として島津製作所製TA−60WS、及びDSC−60を用い、次に示す測定条件で測定した。
<測定条件>
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量50mL/min.)
温度条件
開始温度:20℃
昇温速度:10℃/min.
終了温度:150℃
保持時間:なし
降温温度:10℃/min.
終了温度:20℃
保持時間:なし
昇温速度:10℃/min.
終了温度:150℃
測定した結果は前記島津製作所製データ解析ソフト(TA−60、バージョン1.52)を用いて解析を行った。解析方法は2度目の昇温のDSC微分曲線であるDrDSC曲線のもっとも低温側に最大ピークを示す点を中心として±5℃の範囲を指定し、解析ソフトのピーク解析機能を用いてピーク温度を求める。次にDSC曲線で前記ピーク温度+5℃、及び−5℃の範囲で解析ソフトのピーク解析機能をもちいてDSC曲線の最大吸熱温度を求める。ここで示された温度が樹脂のTgに相当する。
本発明における分子量測定とは、具体的に次のような手順で決定される。測定装置として東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィ;GPC−8220GPC、東ソー社製カラム:TSKgel SuperHZM―H 15cm 3連を用い、次に示す測定条件で測定した。
<測定条件>
温度:40℃
溶媒:THF
流速:0.35mL/min.
試料:0.15%の試料を0.4mL注入
試料の前処理:樹脂をテトラヒドロフランTHF(安定剤含有 和光純薬製)に0.15wt%で溶解後0.2μmフィルターで濾過し、その濾液を試料として用いる。前記THF試料溶液を100μL注入して測定する。
試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDのStd.No. S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580、トルエンを用いた。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
本発明における酸価(AV)とは、具体的に次のような手順で決定される。
測定装置:電位差自動滴定装置 DL-53 Titrator(メトラー・トレド社製)
使用電極:DG113−SC (メトラー・トレド社製)
解析ソフト:LabX Light Version 1.00.000
装置の校正:トルエン120mLとエタノール30mLの混合溶媒を使用する。
測定温度 :23℃
測定条件は以下のとおりである。
<測定条件>
Stir
Speed[%] 25
Time[s] 15
EQP titration
Titrant/Sensor
Titrant CH3ONa
Concentration[mol/L] 0.1
Sensor DG115
Unit of measurement mV
Predispensing to volume
Volume[mL] 1.0
Wait time[s] 0
Titrant addition Dynamic
dE(set)[mV] 8.0
dV(min)[mL] 0.03
dV(max)[mL] 0.5
Measure mode Equilibrium controlled
dE[mV] 0.5
dt[s] 1.0
t(min)[s] 2.0
t(max)[s] 20.0
Recognition
Threshold 100.0
Steepest jump only No
Range No
Tendency None
Termination
at maximum volume[mL] 10.0
at potential No
at slope No
after number EQPs Yes
n = 1
comb. termination conditions No
Evaluation
Procedure Standard
Potential 1 No
Potential 2 No
Stop for reevaluation No
JIS K0070−1992に記載の測定方法に準拠して以下の条件で測定を行う。
試料調整:樹脂0.5g(酢酸エチル可溶成分では0.3g)をトルエン120mLに添加して室温(23℃)で約10時間撹拌して溶解する。更にエタノール30mLを添加して試料溶液とする。測定は上記記載の装置にて計算することが出来るが、具体的には次のように計算する。
あらかじめ標定されたN/10苛性カリ〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量から次の計算で酸価を求める。
酸価=KOH(mL数)×N×56.1/試料重量
(ただしNはN/10KOHのファクター)
本発明における重量平均粒径測定とは、具体的に次のような手順で決定される。コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150mL中に分散剤として界面活性剤(好ましくはポリオキシエチレンアルキルエーテル)を0.1〜5mL加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径を求めることができる。チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
本発明のトナーの製造方法は、従来公知の方法でよく、結着樹脂、ワックス成分、着色剤、その他場合によっては帯電制御剤等をミキサー等で混合し、熱ロール、エクストルーダー等の混練機を用いて混練した後、冷却固化し、これをジェットミル等で粉砕し、その後分級すれば得られる。
上記トナーに潤滑剤、あるいは無機微粒子を添加するにはスーパーミキサー、ヘンシェルミキサーなどの混合機を用いる。
例えば、重合性単量体及び/又はバインダ樹脂成分、及び窒素化合物を少なくとも含むトナー組成物を有機溶媒中に溶解及び/又は分散させて得られる溶解又は分散液を、水系媒体中に分散させて造粒させることにより得られるトナーは、小粒径かつ球形に近く、高画質高精細の画像を出力させる事が可能である。なお、上記トナー組成物とは、重合性単量体、バインダ樹脂成分、及び窒素化合物以外に、着色剤、離型剤、帯電制御剤等のトナー構成成分を含んでもよい。
本発明の画像形成用トナーを現像剤として用いる画像形成装置について説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図中符号100は複写装置本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取り付けるスキャナ、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。
複写装置本体100には、潜像担持体としての感光体40の周囲に帯電、現像、クリーニング等の電子写真プロセスを実行する各手段を備えた画像形成手段18を、4つ並列にしたタンデム型画像形成装置20が備えられている。タンデム型画像形成装置20の上部には、画像情報に基づいて感光体40をレーザー光により露光し潜像を形成する露光装置21が設けられている。また、タンデム型画像形成装置20の各感光体40と対向する位置には、無端状のベルト部材からなる中間転写ベルト10が設けられている。中間転写ベルト10を介して感光体40と相対する位置には、感光体40上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト10に転写する一次転写手段62が配置されている。
また、中間転写ベルト10の下方には、中間転写ベルト10上に重ね合わされたトナー像を、給紙テーブル200より搬送されてくる転写紙に一括転写する二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22は、2つのローラ23間に、無端ベルトである二次転写ベルト24を掛け渡して構成され、中間転写ベルト10を介して支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写ベルト10上のトナー像を転写紙に転写する。二次転写装置22の脇には、転写紙上の画像を定着する定着装置25が設けられている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。
上述した二次転写装置22は、画像転写後の転写紙をこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えている。もちろん、二次転写装置22として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
なお、図示例では、二次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、転写紙の両面に画像を記録すべく転写紙を反転する反転装置28を備える。
初めに、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする、または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第一走行体33および第二走行体34を走行する。そして、第一走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第二走行体34に向け、第二走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
そして、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルト10と二次転写装置22との間にシートを送り込み、二次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。
一方、画像転写後の中間転写ベルト10は、中間転写ベルトクリーニング装置17で、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
<ポリエステル樹脂aの合成>
攪拌装置、温度計、窒素導入口、流下式コンデンサー、冷却管付き4つ口セパラブルフラスコに、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン740g、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン300g、テレフタル酸ジメチル466g、イソドデセニル無水コハク酸80g、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリn−ブチル114gをエステル化触媒とともに加えた。
次いで、窒素雰囲気下、210℃で8時間反応させ、その後、210℃減圧にて攪拌しつつ5時間反応させた。これによりガラス転移温度(Tg)62℃、Mw/Mn比5.1、酸価2.3KOHmg/gのポリエステル樹脂aを合成した。
<ポリエステル樹脂bの合成>
合成例1において、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン650g、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン650g、イソフタル酸515g、イソオクテニルコハク酸70g、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸80gをエステル化触媒とともにフラスコに加えた以外は、合成例1と同様の装置、同様の処方にて反応させたが、反応時間をそれぞれ短縮して、ポリエステル樹脂bを合成した。
得られたポリエステル樹脂bは、ガラス転移温度(Tg)61℃、Mw/Mn比2.7、酸価9.0KOHmg/gであった。
<ポリエステル樹脂cの合成>
合成例2と同様な処方で、合成例1と同様の方法により、ポリエステル樹脂cを合成した。
得られたポリエステル樹脂cはガラス転移温度(Tg)67℃、Mw/Mn比4.6、酸価15.0KOHmg/gであった。
<帯電制御剤aの合成>
3,4−ジクロロフェニルマレイミド600質量部及びパーフルオロオクタンスルホン酸100質量部をジメチルフルムアルデヒド(DMF)中沸点下、ジタ−シャリ−ブチルパーオキサイドを開始剤として8時間共重合した。次いでアクリル酸n−ブチルを300質量部加え、ジタ−シャリ−ブチルパーオキサイドを開始剤として4時間グラフト重合した後、DMFを減圧乾燥機により留去し、数平均分子量10000、見掛け粘度が104ポイズとなる温度が95℃の帯電制御剤aを得た。
<帯電制御剤bの合成>
m−ニトロフェニルマレイミド600質量部及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸100質量部をジメチルホルムアルデヒド(DMF)中沸点下、ジタ−シャリ−ブチルパーオキサイドを開始剤として8時間共重合した。次いでアクリル酸2−エチルヘキシルを250質量部加え、ジタ−シャリ−ブチルパーオキサイドを開始剤として4時間グラフト重合した後、DMFを減圧乾燥機により留去し、数平均分子量1500、見掛け粘度が104ポイズとなる温度が85℃の帯電制御剤bを得た。
<帯電制御剤cの合成>
3,4−ジクロロフェニルマレイミド500質量部及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸150質量部をジメチルホルムアルデヒド(DMF)中沸点下、ジタ−シャリ−ブチルパーオキサイドを開始剤として8時間共重合した。次いでアクリル酸n−ブチルを350質量部加え、ジタ−シャリ−ブチルパーオキサイドを開始剤として4時間グラフト重合した後、DMFを減圧乾燥機により留去し、数平均分子量98500、見掛け粘度が104ポイズとなる温度が110℃の帯電制御剤cを得た。
<帯電制御剤dの合成>
3,4−ジクロロフェニルマレイミド500質量部及びパーフルオロオクタンスルホン酸200質量部をジメチルフルムアルデヒド(DMF)中沸点下、ジタ−シャリ−ブチルパーオキサイドを開始剤として8時間共重合した。次いでアクリル酸n−ブチルを300質量部加え、ジタ−シャリ−ブチルパーオキサイドを開始剤として4時間グラフト重合した後、DMFを減圧乾燥機により留去し、数平均分子量12000、見掛け粘度が104ポイズとなる温度が102℃の帯電制御剤cを得た。
[母体トナーaの作製]
原料組成
結着樹脂:ポリエステル樹脂a・・・100質量部
着色剤:C.I.Pigment Blue15−3・・・5質量部
帯電制御剤:帯電制御剤a・・・3質量部
上記トナー材料をヘンシェルミキサー(三井三池社製)を用いて混合した後、ロール表面を100℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行った。その後、圧延冷却、粗粉砕後、ジェットミル方式の粉砕機(I−2式ミル:日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級機:日本ニューマチック工業社製)を行い、重量平均粒径が7.0μmのブルーの着色粒子を得た。
[母体トナーb〜母体トナーgの作製]
製造例1において、処方については表1に示す結着樹脂、帯電制御剤を用いた以外は、製造例1と同様にして、母体トナーb〜母体トナーgを作製した。
なお、帯電制御剤e,f,gとしては以下のものを用いた。
・帯電制御剤e(E−84、オリエント科学工業社製)
・帯電制御剤f(TN−105、保土谷化学工業社製)
・帯電制御剤g(X−11、オリエント科学工業社製)
[初期充填トナーAの作製]
母体トナーa100質量部に対し、添加剤として疎水性シリカH2000(クラリアントジャパン社製)を1.8質量部、及びRX−50(日本アエロジル社製)を1.2質量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合して初期充填トナーAを作製した。
母体トナーe100質量部に対し、添加剤として疎水性シリカH2000(クラリアントジャパン社製)を1.8質量部、及びRX−50(日本アエロジル社製)を1.2質量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合して補給用トナーaを作製した。
−初期充填トナーB〜Jの作製−
−補給用トナーb〜jの作製−
実施例1において、処方については表2に示す母体トナー、添加剤を用いた以外は、実施例1と同様にして初期充填トナーB〜J及び補給用トナーb〜jを作製した。
なお、添加剤としては以下のものを用いた。
・シリカ(H−2000、クラリアントジャパン社製)
・シリカ(RX−50、日本アエロジル社製)
・シリカ(TG−820F、CABOT社製)
帯電特性値q/dは現像剤の帯電量分布図から求めた。帯電量分布の測定には、ホソカワミクロン社製E−SPART ANALYZER EST−IIに一成分フィーダーを用いて現像剤担持体上のトナー帯電量分布を測定した。帯電量分布測定は、予め現像ユニットを所定条件下で空回しして現像剤担持体上のトナー層を帯電させた後に行った。空回しには、(株)リコー製「IMAIO NEO C320」の現像部を再現した簡易評価機(空回し機)を用い、現像ユニットを装着して、215rpmの速さで180秒間回転させた。E−SPART ANALYZERの測定条件としては、窒素ガス流量を0.3Nl/min、ガス圧0.3気圧とした。得られた帯電量分布図(X軸:q/d(femto−C/10micro−m、Y軸:Number of Particles(個))においてピークトップに位置するX座標をトナーの帯電特性値q/d11、q/d12、q/d21、q/d22、q/d3とした。なお、本測定は二成分現像剤を用いて測定しても良い。その場合には、シリコーン樹脂により0.3μmの平均厚さでコーティングされた平均粒径50μmのフェライトキャリアを用いる。
トナー及びキャリアを調製した現像剤2gを、直径2.5cm、高さ3.0cmの円柱状のステンレス容器に入れ、ボールミルで250rpmの速度で30秒間攪拌する。この時の現像剤中のトナー濃度(TC)は3〜7質量%とする。この現像剤中のトナー帯電量分布を二成分フィーダーを用いて測定する。測定条件は一成分の時と同様である。
実施例、比較例で得られた現像剤について、(株)リコー製「IMAIO NEO C320」を用いてコピーテストを実施し、以下の項目について評価を行った。コピーテストは、トナー補給を6回繰り返し、10万枚フルカラーモードで実施した。コピーテスト開始直後の初期充填トナーの現像剤担持体上での帯電特性値(q/d11)及び得られた画像の画質、1回目トナーエンド時の初期充填トナーの帯電特性値(q/d12)及び得られた画像の画質、補給用トナーの帯電特性値(q/d21)、補給用トナー単独で使用し、初期トナーを1回目トナーエンド時の状態にさせたのと同一条件経過させた後の、該補給用トナーの帯電量特性値(q/d22)、2回目トナーエンド時(初回のトナー補給動作後、初回のトナー補給時点と同量の現像装置内の現像剤残量となった時点)に現像装置内に残存しているトナーの帯電量特性値(q/d3)を測定した。得られた画像の画質は、地肌汚れ、白スジ画像等の有無を目視で評価した。
いずれの項目も3%画像面積の画像チャートを10万枚まで連続でランニングした後、以下に述べる評価を行った。
(1)地肌汚れ
白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差を938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)により測定した。
(2)白スジ、薄層形成性
コピーテスト開始直後と5万枚コピー実施後、10万枚コピー実施後における現像剤担持体上トナーの薄層形成および白スジ画像の有無について、下記基準により評価した。
[評価基準]
○:均一で良好な状態である。
△ :0.3mm未満幅の白スジが若干見られるが画像にはスジがはっきり出ない状態である。
× :0.3mm以上幅の白スジが発生し、画像にも白スジとしてはっきり画像が抜けている状態である。
(3)フィルミング
現像スリーブまたは感光体上のトナーフィルミング発生状況の有無を観察し、下記基準により評価した。
[評価基準]
○:フィルミングがない。
△ :スジ状のフィルミングが見られる
× :全体的にフィルミングがある。
これらトナーは、経時の使用においても画像上に地汚れや白スジ等の不具合が生じることなく、またフィルミングの発生も抑制され、良好な画像を得ることができる。
一方、比較例1ないし5に示すトナーは、補給用トナーの帯電量|q/d21|、|q/d22|が上記の規定を満たしておらず、いずれも2回目トナーエンド時においては、地汚れや白スジ等の画像上の問題が発生した。特に、初期トナー及び補給用トナーに対して同種の帯電制御剤を使用した比較例3、4では、1回目トナーエンド時から白スジや地汚れ等の画像上の問題が発生した。
10 中間転写ベルト(中間転写体)
18 画像形成手段
21 露光装置
25 定着装置
40 感光体(潜像担持体)
22 二次転写装置
62 一次転写手段
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置
Claims (6)
- 像担持体上に静電潜像を形成する工程と、静電潜像を静電荷像現像用トナーを含む現像剤で現像してトナー画像を形成する工程と、トナー画像を被転写体上に転写する工程と、被転写体上のトナー画像を定着する工程と、トナー補給装置から新たな補給用トナーを補給する工程と、を含む画像形成方法であって、
前記現像工程は、初期に充填するトナーとして、使用前の帯電量特性値q/d11が、1.3≦|q/d11|<4.0(fC(フェムトクーロン)/10×μm)であり、かつ帯電制御剤としてスルホン酸系樹脂を含むトナーを使用し、
前記補給用トナーとして、
A.使用前における帯電量特性値q/d21が1.2≦|q/d21|<|q/d11|であり、
B.前記補給用トナー単独で、前記初期トナーの使用後の帯電量特性値|q/d12|が1.0(fC(フェムトクーロン)/10×μm)未満となる使用条件と同一条件で使用した後の、該補給用トナーの帯電量特性値q/d22が、|q/d12|<|q/d22|<|q/d11|であり、かつ
C.帯電制御剤としてサリチル酸またはサリチル酸誘導体の金属塩を含むトナーを用いる
ことを特徴とする画像形成方法。
(ただし、帯電量特性値q/dは帯電量分布のピーク値を示す) - 請求項1に記載の画像形成方法において、
前記画像形成方法は、トナーに外添剤を添加して使用する
ことを特徴とする画像形成方法。 - 請求項2に記載の画像形成方法において、
前記トナーは、負帯電トナーであり、
前記外添剤は、負帯電シリカである
ことを特徴とする画像形成方法。 - 請求項2に記載の画像形成方法において、
前記トナーは、正帯電トナーであり、
前記外添剤は、正帯電チタン酸ストロンチウムである
ことを特徴とする画像形成方法。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成方法において、
前記画像形成方法は、非磁性一成分トナーを使用する
ことを特徴とする画像形成方法。 - 静電潜像を形成する像担持体と
像担持体上の潜像を、トナーによって顕像化する現像装置と、
該現像装置が消費するトナーを、現像装置に新たな補給用トナーを補給するトナー補給装置と、を有する画像形成装置であって、
該現像装置に初期に充填されるトナーとして、使用前の帯電量特性値q/d 11 が、1.3≦|q/d 11 |<4.0(fC(フェムトクーロン)/10×μm)であり、かつ帯電制御剤としてスルホン酸系樹脂を含むトナーを使用し、
前記補給用トナーとして、
A.使用前における帯電量特性値q/d 21 が、1.2≦|q/d 21 |<|q/d 11 |であり、
B.前記補給用トナー単独で、前記初期トナーの使用後の帯電量特性値|q/d 12 |が1.0(fC(フェムトクーロン)/10×μm)未満となる使用条件と同一条件で使用した後の、該補給用トナーの帯電量特性値q/d 22 が、|q/d 12 |<|q/d 22 |<|q/d 11 |であり、かつ
C.帯電制御剤としてサリチル酸またはサリチル酸誘導体の金属塩を含むトナーを用いる
ことを特徴とする画像形成装置。
(ただし、帯電量特性値q/dは帯電量分布のピーク値を示す)
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