JP4335099B2 - 静電荷像現像用トナー製造方法 - Google Patents
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この問題を解決するために、結着樹脂中にガラス転移温度において固体状態から液体状態にまで急激に溶融粘度が低下するシャープメルト性を有する特定の非オレフィン系結晶性重合体を添加する試み(特許文献1)や、結晶性ポリエステルを用いる試み(特許文献2、特許文献3、特許文献4)があるが、結晶性樹脂を用いたトナーでは、結晶性樹脂と結晶性樹脂以外の結着樹脂成分との微分散混合化、溶融混練−粉砕工法での粉砕性向上など、製造性の面での最適化は不充分である。結晶性樹脂と結晶性樹脂以外の結着樹脂成分との微分散混合化については、原料として微粒子化した結晶性樹脂を用いることにより結晶性樹脂を結晶性樹脂以外の結着樹脂成分中に微分散させる試みも考えられるが(特許文献5)、結晶性を有する結晶性樹脂と非晶質の結着樹脂を熱的に安定に微分散化させる検討、溶融混練−粉砕分級工法での粉砕性向上などの検討が今後不可欠である。
(1)「少なくとも結着樹脂、着色剤を主原料とし、それらを混練機で溶融混練した後に冷却固化した被粉砕物を、微粉砕する工程を含むトナー製造方法において、該被粉砕物を45℃〜65℃、相対湿度80%以下で保管する工程を有し、該微粉砕品のコールターマルチサイザーで測定した重量平均粒径が3.0〜8.0μmであり、かつ該結着樹脂の少なくとも1種が結晶性を有するポリエステル樹脂(A)であることを特徴とする静電荷像現像用トナー製造方法。」
(2)「該微粉砕を、機械式粉砕機を用いて行なうことを特徴とする前記第(1)項に記載の静電荷像現像用トナー製造方法。」
(3)「該被粉砕物を45℃〜65℃の温度で6時間以上保管する工程を有することを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の静電荷像現像用トナー製造方法。」
(4)「該被粉砕物を45℃〜65℃の温度で保管する工程の保管時間が6時間〜7日間であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の静電荷像現像用トナー製造方法。」
(5)「該被粉砕物を45℃〜65℃の温度で保管する工程の保管時間が6時間〜24時間であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の静電荷像現像用トナー製造方法。」
(6)「該ポリエステル樹脂(A)がその分子主鎖中に下記一般式(1)
(式中、Rは炭素数2〜20の直鎖状不飽和脂肪族基を示し、nは2〜20の整数を示す)
で表わされるエステル結合を含有する結晶性ポリエステル樹脂(A)であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー製造方法。」
(7)「該ポリエステル樹脂(A)の軟化温度〔T(F1/2)〕が80〜130℃の範囲にあり、そのガラス転移温度(Tg)が80〜130℃の範囲にあることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー製造方法。」
(8)「該ポリエステル樹脂(A)の粉末X線回折パターンにおいて、少なくとも2θ=20〜25°の位置に回折ピークが存在することを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー製造方法。」
(9)「該結着樹脂における該ポリエステル樹脂(A)の含有率が1〜50重量%であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー製造方法。」
(10)「該ポリエステル樹脂(A)を構成するアルコール成分が1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールの中から選ばれる少なくとも1つからなり、一方、該ポリエステル樹脂(A)を構成する酸成分がマレイン酸およびフマル酸の中から選ばれる少なくとも1つからなることを特徴とする前記第(1)項乃至第(9)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー製造方法。」
(11)「該結着樹脂が、少なくともガラス転移温度(Tg)が40〜70℃であり、軟化温度〔T(F1/2)〕が120〜160℃である非結晶性ポリエステル樹脂(B)を含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(10)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー製造方法。」
(12)「該トナーが離型剤を含有する静電荷像現像用トナーであって、該離型剤が70〜90℃のガラス転移温度(Tg)を有するものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(11)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー製造方法。」
(13)「該離型剤が脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、モンタンワックスおよび酸化ライスワックスから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(12)項のいずれかに記載の画像形成用トナー製造方法。」
(14)「該ポリエステル樹脂(A)の粉末X線回折パターンにおいて、その2θが(i)19°〜20°、(ii)21°〜22°、(iii)23°〜25°および(iv)29°〜31°の位置に回折ピークが現れることを特徴とする前記第(1)項乃至第(13)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー製造方法。」
(15)「前記第(1)項乃至第(14)項のいずれかに記載のトナー製造方法により製造された静電荷像現像用トナー。」
(16)「少なくとも、感光体の表面に形成された静電潜像を静電潜像現像剤で現像する現像工程と、該感光体上に現像された画像を画像記録媒体に転写する転写工程と、感光体の表面に残存する現像剤を払拭するクリーニング工程とを含み、前記現像工程が前記第(15)項に記載の静電荷像現像用トナーを使用した現像剤を用いるものであることを特徴とする画像形成方法。」
(17)「少なくとも、感光体と、該感光体の表面を帯電させる帯電手段と、該感光体の表面に形成される静電潜像を静電潜像現像剤で現像する現像手段と、前記感光体の表面に残存する現像剤を払拭するクリーニング手段とを有し、該現像手段が前記第(15)項に記載の静電荷像現像用トナーを使用した現像剤を用いるものであることを特徴とする画像形成装置。」
(18)「現像手段と、帯電手段、クリーニング手段、静電荷像担持手段より選ばれる少なくとも1つの手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジであって、該現像手段が前記第(15)項に記載の静電荷像現像用トナーを保持することを特徴とするプロセスカートリッジ。」
(粉砕方法)
電子写真等における静電荷像を現像するためのトナーや着色樹脂粉体は少なくとも結着樹脂、着色剤で形成されている。通常、トナーや着色樹脂粉体は少なくとも前記材料を含む混合物を混練機で溶融混練した後、冷却固化し、この冷却物を粉砕・分級することで所定の粒度に調整される。現在では、所定の粒度に調整された後のトナーや着色樹脂粉体は流動性指数等の改良を目的に外添剤を添加する工程を設け、各種の特性値を改良している。前記冷却物の粉砕には、一般に機械式粉砕機や衝突式気流粉砕機を用いる。機械式粉砕機としてはターボミル(ターボ工業(株))、ファインミル(日本ニューマチック工業(株))、クリプトロン(川崎重工業(株))等がある。
本発明では、微粉砕品(微粉砕後のトナー)の重量平均粒径は3〜8μmであることが好ましい。この範囲では、微小な潜像ドットに対して、充分に小さい粒径のトナー粒子を有していることから、ドット再現性に優れるとともに、トナー1粒子の溶融に要するエネルギーが小さいため低温定着性に優れる。重量平均粒径3μm未満では、生産性の低下、ブレードクリーニング性の低下といった現象が発生しやすい。一方、重量平均粒径が8μmを超えると、トナー1粒子の溶融に要するエネルギーが大きいため低温定着性に劣るとともに、文字やラインの飛び散りを抑えることが難しい。
また、5μm以下のトナー粒子が60〜90個数%であることが好ましい。5μm以下のトナー粒子が60個数%未満の場合、微小な潜像ドットを忠実に再現する微細粒子が少ないため、再現性が劣るという問題が生ずる。さらに、トナー1粒子の溶融に要するエネルギーが大きいため低温定着性に劣る。
一方、5μm以下のトナー粒子が90個数%を越える場合、トナーの低温定着化には有利であるが、トナーの流動性が悪化し、均一な帯電をさせることが困難になり、地汚れ、トナー飛散を起こしやすい。
本発明において、トナー中の結晶性ポリエステル(A)と非結晶性ポリエステル樹脂(B)とを熱的に安定に微分散混合させるためには、トナー製造工程において、混練機で溶融混練した後に冷却固化した被粉砕物を45℃〜65℃の温度で6時間以上保管する工程を設けることが必要である。また、この処理により溶融混練-粉砕工法での粉砕性向上も達成される。被粉砕物を45℃〜65℃の温度で6時間以上保管することにより、被粉砕物中の結晶性ポリエステル(A)と非結晶性ポリエステル樹脂(B)とのドメイン界面で、一部非結晶性ポリエステル樹脂(B)に相溶し結晶化されずに存在する結晶性ポリエステル(A)由来の成分がアニーリング(結晶化)される。これにより非結晶性の状態では低融点、低ガラス転移温度な結晶性ポリエステル(A)由来の成分が、結晶化することにより、この成分のガラス転移温度が上昇し、トナーの耐熱保存性が向上する。また、結晶性ポリエステル(A)と非結晶性ポリエステル樹脂(B)とのドメイン界面が相分離することで粉砕界面が形成されやすくなり粉砕性が向上し、機械式粉砕機と衝突式気流粉砕機を比較した場合、機械式粉砕機での粉砕性向上が顕著である。
該トナーを45℃〜65℃の温度で保管する工程において相対湿度が80%以下であることが必要である。相対湿度が80%以上の高湿条件では被粉砕物表面に水分が吸着し被粉砕物粒子間の凝集力を高める等の現象により被粉砕物がブロッキングしやすくなる。
本発明のトナーは結晶性を有するポリエステル樹脂(A)はガラス転移温度(Tg)において結晶転移を起こすと同時に、固体状態から急激に溶融粘度が低下し、紙などの記録媒体への定着機能を発現する。ここで、「Tg」はDSCにおける吸熱点を意味する。樹脂を一定速度昇温していく過程で吸熱(温度低下していくときには発熱=内部潜熱の放出)点としてのガラス転移温度(Tg)と、発熱(温度低下モードでは吸熱)を示して流出する熔融温度(Tm)は同一ではなく、前者は絶対温度で後者の約2/3と云われているが、実際の示差熱分析では同一試料内の異なる部位でガラス転移と熔融が並存するので、測定結果としてはいずれか優勢な方が顕著に現れることになり、したがって本発明における「Tg」も、結果としての吸熱点を意味している。
一方、非晶性樹脂はTgから徐々に溶融粘度が低下し、定着機能を発現するまでには時間がかかる。したがって、この場合には、Tgを低くしたり、分子量を低くするなどして、低い温度で溶融粘度を下げる必要があるが、保存性や耐ホットオフセット性が不充分になりやすい。しかし、結晶性を有するポリエステル樹脂を含有させることにより、非晶性樹脂だけではできなかった、保存性や耐ホットオフセット性の悪化を伴なわない溶融粘度の低下を達成できる。
本発明における結晶性を有するポリエステル樹脂微粒子の含有量は、低温定着性への効果を発現するために、結着樹脂の総和を100重量部としたとき1重量部以上であることが必要であり、望ましくは5重量部以上である。この量が多くなると低温定着化への効果が大きいが、多すぎると結晶性を有する樹脂が耐ホットオフセット性が悪化する。したがって、多くても50重量%以下であることが好ましい。より好ましくは30重量%以下である。
結晶性を有する樹脂は、急激に溶融粘度が低下するので、その含有量だけでなく、TgとT(F1/2)によっても定着下限温度を制御することが可能である。本発明においては、耐熱保存性が悪化しない範囲で低いことが好ましく、結晶性を有するポリエステル樹脂のTgが80〜130℃の範囲、T(F1/2)が80〜130℃の範囲にあることが好ましい。TgおよびT(F1/2)が上記範囲より低くなると、シャープメルト性を有し、低温定着性に効果を発現しやすい結晶性ポリエステルは合成が困難であり、130℃より高い場合には、定着下限温度が高くなるため低温定着性が得られなくなる。
本発明のトナーに使用する離型剤のTg(上記のようにDSC分析における吸熱点)は70〜90℃が好ましい。70℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、90℃超では低温での離型性が発現されず、耐コールドオフセット性の悪化、定着機への紙の巻付きなどが発生する。
本発明のトナーは、該トナー中に実質上相互に非相溶性の結晶性ポリエステル樹脂(A)と非結晶性ポリエステル樹脂(B)とを含有させ、両者をトナー中に非相溶の相分離状態に存在させたことから、すぐれた耐ホットオフセット性と低温定着性を有する。すなわち、本発明のトナーでは、結晶性ポリエステル樹脂(A)、と非結晶性ポリエステル樹脂(B)は、相分離状態で存在することから、結晶性ポリエステル樹脂(A)、と非結晶性ポリエステル樹脂(B)はそれぞれの固有の特性を発現する。すなわち、高いT(F1/2)を有する非結晶性ポリエステル樹脂(B)はトナーの弾性を高め、耐ホットオフセット性を向上させ、一方、低いT(F1/2)を有する結晶性ポリエステル樹脂(A)は低温定着性を向上させる。
[1]トナーのDSC1回目の昇温による吸熱ピーク測定により相分離構造の形成の有無を確認できる。DSC吸熱ピーク測定において、少なくとも樹脂(B)、離型剤及びポリエステル樹脂(A)にそれぞれ帰属される3つの吸熱ピーク<A>、<B>、<C>が存在し、樹脂(B)に帰属される吸熱ピーク<A>が40〜70℃の範囲にピークトップを有するものであり、離型剤に帰属される吸熱ピーク<B>が70〜90℃の範囲にピークトップを有するものであり、ポリエステル樹脂Aに帰属される吸熱ピーク<C>が80〜130℃の範囲にピークトップを有するものである。
[2]トナーの粉末X線回折装置によるX線回折パターン測定により、相分離構造の形成の有無を確認できる。これは、本発明のトナーの場合、結晶性を有するポリエステル樹脂(A)が結晶性を保持した状態で非晶質のポリエステル樹脂(B)と相分離した状態でトナー中に存在することから、ポリエステル樹脂(A)に帰属される回折ピークが少なくとも2θ=20°〜25°の位置に存在する。相分離構造が形成されていない場合は、ポリエステル樹脂(A)の結晶構造が維持されずに非晶質のポリエステル樹脂(B)と相溶するためにポリエステル樹脂(A)に帰属する回折ピークが現れない。
軟化温度〔T(F1/2)〕は、島津製作所製 高架式フローテスターCF−500を使用し、ダイス径1mm、加圧10kgf/cm2、昇温速度3℃/minの条件下で1cm3の試料を溶融流出させた時のストロークが、流出開始点から流出終了点までのストローク変化量の1/2になるときの温度である。
本発明で用いる結晶性を有するポリエステル樹脂(A)は、その分子主鎖中に下記一般式(1)で表わされるエステル結合を含有する結晶性脂肪族ポリエステル樹脂からなることを特徴とする。
前記一般式(1)中、Rは直鎖状不飽和脂肪族2価カルボン酸残基を示し、炭素数2〜20、好ましくは2〜4の直鎖状不飽和脂肪族基である。nは2〜20、好ましくは2〜6の整数である。
一般式(1)の構造の存在は固体C13NMRにより確認することができる。
前記直鎖状不飽和脂肪族基の具体例としては、マレン酸、フマル酸、1,3−n−プロペンジカルボン酸、1,4−n−ブテンジカルボン酸等の直鎖状不飽和2価カルボン酸由来の直鎖状不飽和脂肪族基を挙げることができる。
ポリエステル樹脂Aは、(i)直鎖状不飽和脂肪族2価カルボン酸またはその反応性誘導体(酸無水物、炭素数1〜4の低級アルキルエステル、酸ハライド等)からなる多価カルボン酸成分と、(ii)直鎖状脂肪族ジオールからなる多価アルコール成分とを、常法により重縮合反応させることによって製造することができる。この場合、多価カルボン酸成分には、必要に応じ、少量の他の多価カルボン酸を添加することができる。この場合の多価カルボン酸には、(i)分岐鎖を有する不飽和脂肪族二価カルボン酸、(ii)飽和脂肪族2価カルボン酸や、飽和脂肪族3価カルボン酸等の飽和脂肪族多価カルボン酸の他、(iii)芳香族2価カルボン酸や芳香族3価カルボン酸等の芳香族多価カルボン酸等が包含される。これらの多価カルボン酸の添加量は、全カルボン酸に対して、通常、30モル%以下、好ましくは10モル%以下であり、得られるポリエステルが結晶性を有する範囲内で適宜添加される。
前記多価アルコール成分には、必要に応じ、少量の脂肪族系の分岐鎖2価アルコールや環状2価アルコールの他、3価以上の多価アルコールを添加することができる。その添加量は、全アルコールに対して、30モル%以下、好ましくは10モル%以下であり、得られるポリエステルが結晶性を有する範囲内で適宜添加される。
ポリエステル樹脂(A)において、その分子量分布は、低温定着性の点から、シャープであるのが好ましく、また、その分子量は、比較的低分子量であるのが好ましい。ポリエステル樹脂(A)の分子量は、そのo−ジクロルベンゼン可溶分のGPCによる分子量分布において、その重量平均分子量(Mw)が5500〜6500、その数平均分子量(Mn)が1300〜1500及びそのMw/Mn比が2〜5であることが好ましい。
ポリエステル樹脂(A)において、そのガラス転移温度(Tg)及び軟化温度〔T(F1/2)〕は、トナーの耐熱保存性が悪化しない範囲で低いことが望ましいが、一般的には、そのTgは80〜130℃、好ましくは80〜125℃であり、そのT(F1/2)は80〜130℃、好ましくは80〜125℃である。Tg及びT(F1/2)が前記範囲より高くなると、トナーの定着下限温度が高くなるため、トナーの低温定着性が悪化する。
粉末X線回折測定は理学電機RINT1100を用い、管球をCu、管電圧−電流を50kV−30mAの条件で広角ゴニオメーターを用いて測定した。
結晶性を有するポリエステル樹脂Aと併用する結着樹脂Bは非晶性(非結晶性)樹脂であり、これには従来公知の樹脂が使用可能である。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変成マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、石油系樹脂、水素添加された石油系樹脂などがある。これら中でも芳香族化合物を成分として含有するスチレン系樹脂やポリエステル樹脂が好ましい。特に好ましいものはポリエステル樹脂である。
本発明で用いるポリエステル樹脂(B)の分子量は、そのTHF可溶分のGPCによる分子量分布において、その重量平均分子量(Mw)が3000〜100000、その数平均分子量(Mn)が1500〜4000及びそのMw/Mn比が2〜50であることが好ましい。
ポリエステル樹脂(B)についての前記分子量分布は、横軸をlog(M:分子量)とし、縦軸を重量%とする分子量分布図に基づくものである。本発明で用いるポリエステル樹脂(B)の場合、この分子量分布図において、2.5〜4.5(重量%)の範囲に分子量ピークを有することが好ましい。
本発明においてトナーに使用される離型剤としては公知のものが使用できるが、特に脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、モンタンワックス及び酸化ライスワックスを単独または組み合わせて使用することができる。カルナウバワックスとしては、微結晶のものが良く、酸価が5以下であり、トナーバインダー中に分散したときの粒子径が1μm以下の粒径であるものが好ましい。モンタンワックスについては、一般に鉱物より精製されたモンタン系ワックスを指し、カルナウバワックス同様、微結晶であり、酸価が5〜14であることが好ましい。酸化ライスワックスは、米ぬかワックスを空気酸化したものであり、その酸価は10〜30が好ましい。
その他の離型剤としては、固形シリコーンワニス、高級脂肪酸高級アルコール、モンタン系エステルワックス、低分子量ポリプロピレンワックス等、従来公知のいかなる離型剤をも混合して使用できる。
これらの離型剤の使用量は、トナー樹脂成分に対し、1〜20重量部、好ましくは3〜10重量部である。
着色剤としては、例えばカーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、黒色化した低磁化の金属酸化物(Fe、Mn、Ti、Cu、Si、C類から選択された各元素の化合物、または、それらの酸化物、またはそれらの混合物)、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6Cレーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料等の染顔料など、従来公知のいかなる染顔料をも単独あるいは混合して使用し得、ブラックトナーとしてもフルカラートナーとしても使用できる。これらの着色剤の使用量はトナー樹脂成分に対して、通常1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%である。
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を配合することも可能である。帯電制御剤としては、ニグロシン染料、金属錯塩型染料、第四級アンモニウム塩等の従来公知のいかなる極性制御剤も、単独あるいは混合して使用できる。これらの帯電制御剤の使用量は、トナー樹脂成分に対し、0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部である。これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重量部に対し約15〜200重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対し20〜100重量部である。
本発明の母体粒子の製造は、母体粒子構成材料を溶融混練後、粉砕分級して得られるものが、従来の方法として一般的であるが、この方法に限らず、重合法なども含めてさまざまな方法が可能である。
本発明のトナーには、必要に応じて流動性改良剤を添加することも可能である。流動性改良剤としては、疎水性シリカ、酸化チタン、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム等、従来公知のいかなる流動性改良剤をも単独あるいは混合して使用できるが、特に疎水性シリカまたは酸化チタンが流動性向上、帯電安定化及び画質安定化の点で優れている。より好ましくは疎水性シリカと酸化チタンを組み合わせて用いる場合で、流動性と帯電性の安定した良好なトナーを得ることができる。これらの流動性改良剤の使用量は、トナー重量に対し、0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部である。流動性改良剤の添加は、結晶性を有する微粒子の外添と同様に、ミキサー類を用いて攪拌・混合する。この工程は、結晶性を有するポリエステル樹脂微粒子の外添後に行なってもよいし、同時に行なってもよい。
本発明のトナーは、一成分現像剤としても、キャリアと組み合わせてなる二成分現像剤としても用いることができる。本発明のトナーを、一成分現像剤あるいは二成分現像剤いずれで用いる場合においても、トナーは容器に充填され、トナーが充填された容器(トナー容器)は、画像形成装置とは別途に流通され、ユーザーが画像形成装置に装着して画像形成するのが、一般的である。
前記容器として用いられるものは限定的でなく、従来のボトル型あるいはカートリッジ型に限らず用いられる。
また、画像形成装置は電子写真法によって画像を形成するための装置であれば限定されず、例えば複写機とかプリンタが包含される。
図2に示すタンデム画像形成装置(120)は、タンデム型カラー画像形成装置である。タンデム画像形成装置(120)は、複写装置本体(150)と、給紙テーブル(200)と、スキャナ(300)と、原稿自動搬送装置(ADF)(400)とを備えている。複写装置本体(150)には、無端ベルト状の中間転写体(50)が中央部に設けられている。そして、中間転写体(50)は、支持ローラ(14)、(15)及び(16)に張架され、図2中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ(15)の近傍には、中間転写体(50)上の残留画像形成粒子を除去するための中間転写体クリーニング装置(17)が配置されている。支持ローラ(14)と支持ローラ(15)とにより張架された中間転写体(50)には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段(18)が対向して並置されたタンデム型現像手段(120)が配置されている。タンデム型現像手段(120)の近傍には、露光手段(21)が配置されている。中間転写体(50)における、タンデム型現像手段(120)が配置された側とは反対側には、二次転写手段(22)が配置されている。二次転写手段(22)においては、無端ベルトである二次転写ベルト(24)が一対のローラ(23)に張架されており、二次転写ベルト(24)上を搬送される転写紙と中間転写体(50)とは互いに接触可能である。二次転写手段(22)の近傍には定着手段(25)が配置されている。定着手段(25)は、無端ベルトである定着ベルト(26)と、これに押圧されて配置された加圧ローラ(27)とを備えている。
なお、タンデム画像形成装置(120)においては、二次転写手段(22)及び定着手段(25)の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置(28)が配置されている。
そして、中間転写体(50)上に各トナーの合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ(49)を回転させ、中間転写体(50)と二次転写手段(22)との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写手段(22)により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体(50)上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置(17)によりクリーニングされる。
図3において、(101)はプロセスカートリッジ全体を示し、(10)は感光体、(20)は帯電手段、(40)は現像手段、(60)はクリーニング手段を示す。
本発明においては、上述の感光体(10)、帯電手段(20)、現像手段(40)及びクリーニング手段(60)等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
結晶性ポリエステル樹脂A1 15部
非結晶性ポリエステル樹脂B1 85部
脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス(Tg:83℃) 5部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 10部
上記のトナー構成材料をヘンシェルミキサー中で充分撹拌混合した後、2軸押出し機にて溶融混練し、冷却後に混練物を相対湿度60%、温度45℃の条件下で6時間保管した。次に、この混練物をホソカワミクロン社製APパルペライザーを用いて粒経1mm以下に粗粉砕し、続いてターボ工業社製ターボミルを用いて微粉砕し重量平均粒径6.5μmのトナー母体を得た、得られたトナー母体を分級し、疎水性シリカ0.5重量%と酸化チタン0.3重量%を添加混合し、最終的なトナーとした。結晶性ポリエステル樹脂A1のDSCチャートを図4に、非結晶性ポリエステル樹脂B1のDSCチャートを図5にそれぞれ示す。
トナーの製造例1で溶融混練、冷却後の混練物の保管条件を相対湿度60%、温度45℃の条件下で24時間に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
トナーの製造例1で溶融混練、冷却後の混練物の保管条件を相対湿度60%、温度45℃の条件下で7日間に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
トナーの製造例1で溶融混練、冷却後の混練物の保管条件を相対湿度60%、温度65℃の条件下で6時間に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
トナーの製造例1で溶融混練、冷却後の混練物の保管条件を相対湿度60%、温度65℃の条件下で24時間に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
トナーの製造例1で溶融混練、冷却後の混練物の保管条件を相対湿度60%、温度65℃の条件下で7日間に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
トナーの製造例1で溶融混練、冷却後の混練物の保管条件を相対湿度60%、温度40℃の条件下で6時間に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
トナーの製造例1で溶融混練、冷却後の混練物の保管を行わずにすみやかに粒経1mm以下に粗粉砕した後に、粗粉砕品を相対湿度60%、温度70℃の条件下で6時間保管した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
トナーの製造例1で、溶融混練、冷却後の混練物の保管を行わずにすみやかに粒経1mm以下に粗粉砕した後に、粗粉砕品を相対湿度90%、温度65℃の条件下で6時間保管した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
トナーの製造例1で溶融混練、冷却後の混練物の保管を行わず、すみやかに粗粉砕、微粉砕、分級、添加剤混合を行った以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
トナーの製造例6でポリエステルA1を非結晶性ポリエステルA’2に変更した以外はトナーの製造例6と同様にトナーを作成した。
トナーの製造例6でポリエステルA1を結晶性ポリエステルA3に変更した以外はトナーの製造例6と同様にトナーを作成した。
トナーの製造例6でポリエステルA1を結晶性ポリエステルA4に変更した以外はトナーの製造例6と同様にトナーを作成した。
処方を下記のものに変更した以外はトナーの製造例6と同様にトナーを作成した。
ポリエステル樹脂A1 60部
ポリエステル樹脂B1 40部
脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス(Tg:83℃) 5部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 10部
処方を下記のものに変更した以外はトナーの製造例6と同様にトナーを作成した。
ポリエステル樹脂A1 0.5部
ポリエステル樹脂B1 90.5部
脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス(Tg83℃) 5部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 10部
トナーの製造例6でポリエステルB1を非結晶性ポリエステルB2に変更した以外はトナーの製造例6と同様にトナーを作成した。
トナーの製造例6でポリエステルB1を非結晶性ポリエステルB3に変更した以外はトナーの製造例6と同様にトナーを作成した。
トナーの製造例6の脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスを、ポリエチレンワックス(Tg110℃)に変更した以外は、トナーの製造例6と同様な方法によってトナーを得た。
トナーの製造例3の脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスをポリエチレンワックス(Tg58℃)に変更した以外は、トナーの製造例3と同様な方法によってトナーを得た。
トナーの製造例1で、微粉砕する装置をターボ工業社製ターボミルから日本ニューマチック工業社製I式ミルに変更して微粉砕を行った以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
トナーの製造例1で、微粉砕後のトナー母体の重量平均粒径を2.7μmとした以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
トナーの製造例1で、微粉砕後のトナー母体の重量平均粒径を9.0μmとした以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
ポリエステルA1〜A4は表1に示した組成物4000gとハイドロキノン4gを、温度計、攪拌器、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた容量5Lの4つ口丸底フラスコ内に入れ、このフラスコをマントルヒーターにセットし、窒素ガス導入管より窒素ガスを導入してフラスコ内を不活性雰囲気下に保った状態で昇温し160℃に保って5時間、続いて200℃で1時間反応させたのち、8.3kPaにて1時間反応させ各ポリエステルを得た。
表1に各ポリエステルA1〜A4の成分を示し、表2に各ポリエステルA1〜A4の物性値を示す。
なお、表1に示したBPA/EOは、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(2.2モル付加物)を示し、BPA/POは、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(2.2モル付加物)を示す。
ポリエステルB1〜B3は表3に示した組成物4000gを、温度計、攪拌器、コンデンサーを備えた容量5Lの4つ口丸底フラスコ内に入れ、このフラスコをマントルヒーターにセットし、4gのジブチルスズオキシドを加えて昇温し、温度を220℃に保って8時間反応させたのち、8.3kPaにて所定の軟化点に達するまで反応させ各ポリエステルを得た。
表3に各ポリエステルB1〜B3の成分を示し、表4に各ポリエステルB1〜B3の物性値を示す。
なお、表3に示したBPA/EOは、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(2.2モル付加物)を示し、BPA/POは、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(2.2モル付加物)を示す。
(i)芯材:Cu−Znフェライト粒子(体積平均径:45μm) 5000部
(ii)コート材
トルエン 450部
シリコーン樹脂SR2400
(東レ・ダウコーニング・シリコーン製、不揮発分50%) 450部
アミノシランSH6020
(東レ・ダウコーニング・シリコーン製) 10部
カーボンブラック 10部
上記コート材を10分間スターラーで分散してコート液を調製し、このコート液と芯材を流動床内に回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた、旋回流を形成させながらコートを行なうコーティング装置に投入して、当該コート液を芯材上に塗布した。
上記製造例1〜19のトナー2.5部と、上記製造例のキャリア97.5部をターブラーミキサーで混合し、トナー製造例1〜19に対応する各トナーに対応する現像剤(1)〜(19)を得た。
○定着性評価
リコー製複写機 Imagio Neo 350を改造して、本来の定着装置を取り外して別の定着装置を取り付けられるようにし、定着装置の設定温度を変えられるようにした。これに実施例に示すトナー、現像剤、定着装置、リコー製タイプ6200紙をセットし複写テストを行った。
評価に使用する定着装置は図1示す熱ローラ定着装置で、以下の構成のものである。
定着ローラの金属シリンダーがSUSで厚さ3.0mm
定着ローラのオフセット防止層がPTFEで厚さ20μm
加圧ローラの金属シリンダーがSUSで厚さ2mm
加圧ローラのオフセット防止層が厚さ4μmのシリコンゴムの上に厚さ50μmのPFA
面圧2.5×105Pa
線速180mm/sec
〔1〕低温定着性(5段階評価)
◎ ; 130℃未満
○ ; 130〜140℃
□ ; 140〜150℃
△ ; 150〜160℃
× ; 160℃以上
〔2〕ホットオフセット性(5段階評価)
◎ ; 201℃以上
○ ; 200〜191℃
□ : 190〜181℃
△ ; 180〜171℃
× ; 170℃以下
ガラス容器にトナーを充填し、60℃の恒温槽にて24時間放置する。このトナーを24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)にて針入度を測定する。この値が大きいトナー程、熱に対する保存性が優れている。この値が5mm以下の場合は、使用上問題が発生する可能性が高い。
針入度に基づく熱保存性の判定基準は次のとおりである。
○ ; 25mm以上
□ ; 15〜25mm
△ ; 5〜15mm
× ; 5mm未満
平均粒径1mm以下に粗粉砕されている混練物を、各実施例に記載した粉砕機で微粉砕したときの粉砕エネルギーから粉砕容易性を求めた。粉砕エネルギーが小さいほど粉砕が容易であり、トナーの生産性に優れる。粉砕容易性の判定基準は次のとおりである。
◎ ; 1.5 w./kg・h未満
○ ; 1.5〜2.0 kw.・h/kg・h
□ ; 2.0〜2.5 kw.・h/kg・h
△ ; 2.5〜3.0 kw.・h/kg・h
× ; 3.0 kw.・h/kg・h以上
(株)リコー製MF−2200に現像剤をセットし、常温/常湿の環境下において100,000枚の連続複写を行い、非画像部における地汚れの発生の程度を目視にて評価した。トナー飛散については前扉内側に添付した白紙の汚れをを目視にて評価した。
◎ : 非常に良好なレベル
○ : 良好なレベル
□ : 一般的なレベル
△ : 実用上は問題のないレベル
× : 実用上問題があるレベル
主走査、副走査方向ともに、600dot/inch、150line/inchの1ドット格子ライン画像を出力し、ライン画像の切れ、かすれを5段階で目視評価した
◎…大変良い
○…良い
□…普通
△…悪い
×…大変悪い
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子またはトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径、個数平均粒径を求めることができる。チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
<1>ポリエステルB1〜B3、ポリエステルA2のGPCによる分子量の測定
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。樹脂のTHF試料溶液は、樹脂濃度0.5重量%のTHF溶液を室温にてボールミルで24時間攪拌後、東洋濾紙(株)製0.2μm穴径メンブランフィルターにてろ過して作成したものである。測定機としてWaters製GPC−150C、カラムとしてShodex KF801〜807を用いることができる。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えばPressure Chemical Co.或いは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)は次のようにして測定される。
145℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶離液として0.3%BHT入りのo−ジクロロベンゼンを毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.3重量%に調製した樹脂の140℃ o−ジクロロベンゼン溶解液を50〜200μl注入して測定する。測定機としてWaters製150CV型、カラムとしてShodex AT−G+AT−806MS(2本)を用いることができる。
固体C13−NMR(日本電子製のFT−NMR SYSTEM JNM−α400)を用い、観測核C13、基準物質アダマンタン、積算回数8192回、パルス系列CPMAS。IRMOD:IRLEV、観測周波数100.4MHz、OBSET:134500Hz、POINT:4096、PD:7.0sec、SPIN6088Hzの条件で行い、分子構造推定はソフトウエアとしてChem Draw Pro Ver.4.5を用いて行った。
固体C13−NMRでの分子構造解析結果を裏つける測定として、次の二つの測定を併用した。
(A)フーリエ変換赤外線分光光度(FT−IR)透過法にて試料を測定し、標準スペクトル比較から構造を推定する。
測定機 :Nicolet Magna 850
測定範囲:4000〜400cm−1
標準試料:KBr
(B)熱分解ガスクロマトグラム質量分析計による熱分解性生物の構造推定
測定機 :島津製作所 GC−17A、島津 CR−4A
熱分解温度:日本分析工業 JHB−3S
熱分解温度:試料加熱温度×時間を590℃×4秒
カラム :DB−5(JアンドW Co.)L=30m、I.D=0.2
5mm、Film=0.25mm
カラム温度:50℃(保持時間1分)から10℃/分で300℃まで昇温
インジェクション温度:320℃
キャリアガス圧力:90kPr(保持時間2分)から2kPa/分で150
kPaまで昇圧
検出器 :FID
2 加圧ローラ
3 金属シリンダー
4 オフセット防止層
5 加熱ランプ
6 金属シリンダー
7 オフセット防止層
8 加熱ランプ
T トナー像
S 付着支持体
10 感光体
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写体クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電手段
21 露光手段
22 二次転写手段
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着手段
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像手段
49 レジストローラ
50 中間転写体
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
60 クリーニング手段
62 転写帯電器
101 プロセスカートリッジ
120 画像形成装置
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (18)
- 少なくとも結着樹脂、着色剤を主原料とし、それらを混練機で溶融混練した後に冷却固化した被粉砕物を、微粉砕する工程を含むトナー製造方法において、該被粉砕物を45℃〜65℃、相対湿度80%以下で保管する工程を有し、該微粉砕品のコールターマルチサイザーで測定した重量平均粒径が3.0〜8.0μmであり、かつ該結着樹脂の少なくとも1種が結晶性を有するポリエステル樹脂(A)であることを特徴とする静電荷像現像用トナー製造方法。
- 該微粉砕を、機械式粉砕機を用いて行なうことを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー製造方法。
- 該被粉砕物を45℃〜65℃の温度で6時間以上保管する工程を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー製造方法。
- 該被粉砕物を45℃〜65℃の温度で保管する工程の保管時間が6時間〜7日間であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー製造方法。
- 該被粉砕物を45℃〜65℃の温度で保管する工程の保管時間が6時間〜24時間であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー製造方法。
- 該ポリエステル樹脂(A)の軟化温度〔T(F1/2)〕が80〜130℃の範囲にあり、そのガラス転移温度(Tg)が80〜130℃の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー製造方法。
- 該ポリエステル樹脂(A)の粉末X線回折パターンにおいて、少なくとも2θ=20〜25°の位置に回折ピークが存在することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー製造方法。
- 該結着樹脂における該ポリエステル樹脂(A)の含有率が1〜50重量%であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー製造方法。
- 該ポリエステル樹脂(A)を構成するアルコール成分が1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールの中から選ばれる少なくとも1つからなり、一方、該ポリエステル樹脂(A)を構成する酸成分がマレイン酸およびフマル酸の中から選ばれる少なくとも1つからなることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー製造方法。
- 該結着樹脂が、少なくともガラス転移温度(Tg)が40〜70℃であり、軟化温度〔T(F1/2)〕が120〜160℃である非結晶性ポリエステル樹脂(B)を含有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー製造方法。
- 該トナーが離型剤を含有する静電荷像現像用トナーであって、該離型剤が70〜90℃のガラス転移温度(Tg)を有するものであることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー製造方法。
- 該離型剤が脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、モンタンワックスおよび酸化ライスワックスから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の画像形成用トナー製造方法。
- 該ポリエステル樹脂(A)の粉末X線回折パターンにおいて、その2θが(i)19°〜20°、(ii)21°〜22°、(iii)23°〜25°および(iv)29°〜31°の位置に回折ピークが現れることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー製造方法。
- 請求項1乃至14のいずれかに記載のトナー製造方法により製造された静電荷像現像用トナー。
- 少なくとも、感光体の表面に形成された静電潜像を静電潜像現像剤で現像する現像工程と、該感光体上に現像された画像を画像記録媒体に転写する転写工程と、感光体の表面に残存する現像剤を払拭するクリーニング工程とを含み、前記現像工程が請求項15に記載の静電荷像現像用トナーを使用した現像剤を用いるものであることを特徴とする画像形成方法。
- 少なくとも、感光体と、該感光体の表面を帯電させる帯電手段と、該感光体の表面に形成される静電潜像を静電潜像現像剤で現像する現像手段と、前記感光体の表面に残存する現像剤を払拭するクリーニング手段とを有し、該現像手段が請求項15に記載の静電荷像現像用トナーを使用した現像剤を用いるものであることを特徴とする画像形成装置。
- 現像手段と、帯電手段、クリーニング手段、静電荷像担持手段より選ばれる少なくとも1つの手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジであって、該現像手段が請求項15に記載の静電荷像現像用トナーを保持することを特徴とするプロセスカートリッジ。
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