JP4525520B2 - 静電荷像現像用現像剤、画像形成方法、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
このような電子写真法等に使用される乾式現像剤は、結着樹脂に着色剤等を配合したトナーを単独で用いる一成分現像剤と、そのトナーにキャリアを混合した二成分現像剤とに大別される。さらに、一成分現像剤は、磁性粉を用い磁気力により現像剤担持体で搬送されて現像される磁性一成分現像剤と、磁性粉を用いず帯電ロール等の帯電付与により現像剤担持体で搬送され、現像される非磁性一成分現像剤とに分類することができる。
一方では小型化のための部品点数の抑制、低コスト化のための消耗品の延命化も要求され、現像剤への高機能化、高信頼性が命題である。さらに、高生産性を達成するために、潜像担持体の速度は高速化が進んでおり、安定的な高画質を得るためには、現像、転写、定着、クリーニングの各プロセスの改善が非常に重要となってきている。
確かにキャリア抵抗の高抵抗化は電界注入によるキャリア付着については効果があるかもしれないが、同時に現像剤抵抗を高抵抗してしまう。そのため現像領域における実効電界の潜像担持体への近接化や、トナー現像後にキャリアに残存するトナーと逆極の電荷が速やかに現像担持体へ逃げることができず、高濃度部と低濃度部の境目などの画質が悪化してしまい近年の高画質化には耐えられない。
これらは確かに初期的には潜像担持体へのキャリア付着を抑制できるが、その経時安定性については何ら言及されていない。2成分現像では安定画像を得る為に現像剤を安定帯電させるとともに追加されたトナーを速やかに帯電させるため、現像機は常に攪拌されているが、その攪拌ストレスは小さくはない。そのため長期間の攪拌ストレスにより、現像剤中のキャリア表面を被覆している樹脂は徐々に剥がれていってしまう。その結果キャリアは初期の抵抗を維持していることができなくなり、電荷注入が引き起こされる抵抗に近づいていき、最終的には初期発生しなかった注入によるキャリア付着が発生してしまう。これは特に両面複写やフルカラー画像で顕著である。つまり両面複写では片面を現像、転写、定着したのちに再度搬送し、裏面へ画像を形成する。この間常に現像機は攪拌されるため、通常よりも現像剤ストレスを与える時間が長くなる。またフルカラー画像、特にタンデム現像においては、例えば4色の現像剤を用いる画像形成方法で、1色は使わない或いはほとんど使用しないような画像を得る場合でも、その1色の現像機は他3色と同時間現像機は攪拌する。そのため、白黒画像よりも現像剤へのストレスは大きいのである。その結果キャリアの被覆樹脂の剥がれによる抵抗低下は顕著に発生する。
しかし当該文献に記載されている磨耗抑制はキャリア帯電能力が落ちない程度の耐磨耗性であり、潜像担持体へのキャリア付着については何ら言及されていない。キャリア被覆樹脂の剥がれは、まずキャリア抵抗を低下させるが、帯電量は残った被覆樹脂でもある程度の帯電能力があるので、キャリア抵抗はそれほど大きく低下しない。それゆえ、カブリやトナー飛散は、その時点ではまだ発生しない。しかし、抵抗低下によって、電荷注入が引き起こされる抵抗に近づいていき、電荷注入されやすい状態となりキャリア付着が発生してしまう。そのため、当該文献のキャリアにおいてもキャリア付着に対する耐磨耗性は十分でない。
<1> 静電荷像現像用トナーと静電荷像現像用キャリアとを含む静電荷像現像用現像剤であって、
前記静電荷像現像用トナーは、結着樹脂、及び着色剤を含有してなるトナー母粒子の平均形状係数SF1が140以下であり、
前記静電荷像現像用キャリアは、核体としての磁性体粒子と該磁性体粒子の表面を被覆する被覆層とを有し、かつ、パウダーレオメーターにおいて、回転翼の先端スピード100mm/secで、回転翼の進入角度−5°におけるキャリアの充填表面から深さ70mmまでのトータルエネルギー量が、1500〜3000mJであることを特徴とする静電荷像現像用現像剤である。
帯電した前記潜像担持体を露光して、該潜像担持体上に静電潜像を形成させる露光工程と、
現像剤を表面に担持する現像剤担持体によって前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像工程と、
前記トナー像を前記潜像担持体から被記録材に転写する転写工程と、を有する画像形成方法であって、
前記潜像担持体の周速が100〜600mm/secで、且つ、該潜像担持体の周速に対する前記現像剤担持体の周速の比が1.2〜2.0であり、
前記現像剤が、前記<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用現像剤を含むことを特徴とする画像形成方法である。
前記潜像担持体を帯電させる帯電手段と、
帯電した前記潜像担持体を露光して、該潜像担持体上に静電潜像を形成させる露光手段と、
現像剤を表面に担持する現像剤担持体によって前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、
前記トナー像を前記潜像担持体から被記録材に転写する転写手段と、を有する画像形成装置であって、
前記現像剤が、前記<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用現像剤を含むことを特徴とする画像形成装置である。
特に、トナー母粒子に外添剤が添加されている場合、トナー母粒子表面に存在する外添剤微粒子によって、トナーとキャリア間の接触点数が少なくなることでトナーとキャリアの付着力が抑制されること、及び外添剤自体がトナー表面を転がり移動することでいわゆる「ころ」のような効果により、現像剤が流動しやすくなることでストレスを受けなくなる。したがって、本発明において、外添剤が添加されているトナーであることは好適である。
まず、パウダーレオメーターによるキャリアの流動性測定について説明する。
粒子の流動性を測定する場合、液体や固体、或いは気体の流動性を測定する場合よりも、多くの要因から影響を受けるため、粒径や表面粗さ等の従来用いられているパラメータでは、正確な粒子の流動性を特定することが困難である。また、流動性を特定するための測定すべき因子(例えば、粒径等)を決定しても、実際にはその因子は流動性に与える影響が少ない場合や、他の因子との組み合わせによってのみその因子を測定する意義が発生する場合もあり、測定因子を決定することでさえ困難である。
更に、粉体の流動性は、外的環境要因によっても著しく異なる。例えば、液体であれば、測定環境が変動しても、流動性の変動幅は然程大きくはないが、粒子の流動性については、湿度や流動させる気体の状態等の外的環境要因によって大きく変動する。このような外的環境要因がいずれの測定因子に影響を与えるかは明確にはされていないため、厳密な測定条件下で測定しても、得られる測定値の再現性に乏しいのが実際である。
つまり、パウダーレオメーターによって得られる値で流動性を特定する方法は、従来の方法に比べて、簡便かつ正確で、信頼性も高い。
核体が磁性粉分散粒子であるキャリアにおいて、パウダーレオメーターの上記測定値が1000mJより低い場合、摩擦効果が低く、トナーを十分に帯電させることができない。一方、1500mJを超える値となる場合は、キャリアへのストレスが高くなることからキャリア表面被覆樹脂の剥がれを抑制できない。より好ましくは、上記測定値は、1100〜1400mJの範囲であり、更に好ましくは1200〜1300mJの範囲である。
それぞれの具体的なキャリアの構成については、後述する。
パウダーレオメーターは、充填した粒子中を回転翼が螺旋状に回転することによって得られる回転トルクと垂直荷重とを同時に測定して、流動性を直接的に求める流動性測定装置である。回転トルクと垂直荷重の両方を測定することで、粉体自身の特性や外部環境の影響を含めた流動性について、高感度に検出することができる。また、粒子の充填の状態を一定とした上で測定を行うため、再現性の良好なデータを得ることができる。
まず、測定するキャリアを容器に充填する。容器は、内径50mm、高さ88mmの160mL容器を用いる。この容器にキャリアを高さ88mmまで充填する。測定前のキャリアは、測定時の外的環境要因によって誤差が生じないよう、温度22℃、湿度50%RHの状態で、8時間以上放置される。
図1(A)のように、回転翼が、容器内に充填された粒子中を充填表面H1からH2まで、進入角度−5°で移動しながら回転翼の先端スピード100mm/sで回転するときの、回転トルクと垂直荷重を測定する。進入角度を−5°とするのは、キャリアの流動状態を測定するのにもっとも感度が高く精度も良いからである。
なお、進入角度とは、測定容器の軸と、回転翼の回転軸とのなす角度をいう。
また、本発明では、誤差による影響を少なくするため、この操作を5回行ったときの平均値を、本発明で定義するトータルエネルギー量(mJ)とする。
本発明のキャリアは、上記に該当するものであれば、特に限定されない。このような数値を実現するものとしては、キャリア粒子の粒径分布が充分小さいもの、或いは、キャリア核体表面の被覆層が低摩擦化可能な素材で形成されているもの、キャリアの形状が球形であるもの、キャリアの形状分布が小さいもの、凝集体が少ないもの、キャリアの密度が小さいもの、キャリア内部に空隙のあるもの等を挙げることができ、これらを単独で、或いは組み合わせて適用する。
第一の態様のキャリアにおいて、核体の材質としては、例えば、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、これらとマンガン、クロム、希土類元素等との合金(例えば、ニッケル−鉄合金、コバルト−鉄合金、アルミニウム−鉄合金等)、及びフェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等を挙げることができるが、現像方式として磁気ブラシ法を用いる観点からは磁性体粒子であることが望ましい。
第一の態様のキャリアにおける核体の体積平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を用いて測定された値をいう。得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとする。
特に、上記粒径分布を有するキャリア核体とするには、振動篩分機や風力分級機の方法を用いることが好ましく、この方法において多段の篩分や微粉/粗粉を同時に取り除く分級する方法ことが特に好ましい。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素樹脂としては、フッ化ポリオレフィン、フルオロアルキル(メタ)アクリレート重合体及び/又は共重合体、フッ化ビニリデン重合体及び/又は共重合体及びこれらの混合物等を挙げることができ、フッ素樹脂を形成するためのフッ素を含有する単量体としては、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ペンタフルオロメタクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、トリフルオロエチルメタクリレートなど、フッ素を含有するフルオロアルキルメタクリレート系単量体が好適である。但し、これらに限定されるものではない。
前記樹脂微粒子としては、例えば、熱可塑性樹脂粒子、熱硬化性樹脂粒子等が挙げられる。その中でも、硬度を上げることが比較的容易な熱硬化性樹脂が好適であり、また、トナーに負帯電性を付与するためには、窒素原子を含有する樹脂粒子を用いることが好ましい。なお、これらの樹脂粒子は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂微粒子は、乳化重合、懸濁重合等の重合を利用して粒状化された樹脂粒子を製造する方法や、モノマーもしくは、オリゴマーを溶媒中に分散して架橋反応を進行させながら粒状化して、樹脂粒子を製造する方法、低分子成分と、架橋剤とを溶融混錬等により混合反応させた後、風力、機械力等により、所定の粒度に粉砕して、樹脂粒子を製造する方法等によって製造することができる。
前記導電性微粉末子としては、例えば、金、銀、銅のような金属;カーボンブラック;更に酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、チタン酸カルシウム粉末等の金属酸化物;酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム粉末等の表面を、酸化錫、カーボンブラック、または金属で覆った微粉末;等を挙げることができる。これらは、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。導電性微粉末として金属酸化物を用いると、帯電性の環境依存性をより低減できるので好ましく、特に酸化チタンが好ましい。
さらに、得られたカップリング剤で処理された導電性微粉末から、凝集体を除去するために、必要に応じて、解砕機で解砕してもよい。解砕機としては、ピンミル、ディスクミル、ハンマーミル、遠心分級型ミル、ローラミル、ジェットミル等の公知の解砕機を使用でき、特に、ジェットミルが好ましい。用いられるカップリング剤としてはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤など公知のものを使用することができる。
中でも、シランカップリング剤、特にメチルトリメトキシシラン処理された導電性微粉末を用いると帯電の環境安定性に特に効果的である。
導電性微粉末の体積平均粒径が0.5μmを超えると、被覆樹脂層からの脱落が生じやすく、安定した帯電性が得られない場合があるため好ましくない。
常温常湿下で、導電性微粉末を2×10-4m2の断面積を有する容器に厚み約1mm程度になるように充填し、その後、充填した導電性微粉末上に、金属製部材により、1×104kg/m2の荷重をかける。該金属製部材と、容器の底面電極との間に106V/mの電界が生じる電圧を印加し、その際の電流値から算出した値を電気抵抗値とする。
形状係数SF(1)は100に近づくほど真球となる。キャリアの形状係数SF1が大きくなるほど、形状の歪によってキャリアどうしの衝突によって流動性が低くなる。そのため、形状係数SF(1)が130を超えると、上記トータルエネルギー量が、上限値を超えて大きくなる傾向にある。
式(1)中、MLはキャリア粒子の絶対最大長を表し、Aはキャリア粒子の投影面積を表す。
磁気特性の測定としての装置は振動試料型磁気測定装置VSMP10−15(東英工業社製)を用いる。測定試料は内径7mm、高さ5mmのセルに詰めて前記装置にセットする。測定は印加磁場を加え、最大1000エルステッドまで掃引する。ついで、印加磁場を減少させ、記録紙上にヒステリシスカーブを作製する。カーブのデータより、飽和磁化、残留磁化、保持力を求める。本発明においては、飽和磁化は1000エルステッドの磁場において測定された磁化を示す。
キャリア抵抗が1×1014Ωcmを超える場合、高抵抗になり、現像時に現像電極として働きにくくなるため、特にベタ画像部でエッジ効果が出るなど、ソリッド再現性が低下する。一方、1×108Ωcm未満の場合、低抵抗になるため、現像剤中のトナー濃度が低下した時に現像ロールからキャリアへ電荷が注入し、キャリア自体が現像されてしまう不具合が発生しやすい。
20cm2の電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象となるキャリアを1〜3mm程度の厚さになるように平坦に載せ、キャリア層を形成する。この上に前記同様の20cm2の電極板を載せキャリア層を挟み込む。キャリア間の空隙をなくすため、キャリア層上に載置した電極板の上に4kgの荷重をかけてからキャリア層の厚み(cm)を測定する。キャリア層上下の両電極には、エレクトロメーターおよび高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が103.8V/cmとなるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、キャリア抵抗(Ω・cm)を計算する。キャリア抵抗(Ω・cm)の計算式は、下式(2)に示す通りである。
第一の態様のキャリアにおいて、核体は、磁性粉が樹脂中に分散されてなる磁性粉分散粒子で構成される。
前記磁性粉としては、上記磁性体粒子で記載した磁性体を適用することができ、これらの中でも、酸化鉄が好ましい。前記磁性体微粒子が、酸化鉄微粒子であると、特性が安定しており、かつ毒性が少ない点で有利である。
これら磁性体は、単種で使用しても良く、2種以上併用してもよい。
前記磁性粉の磁性粉分散粒子中における含有量としては、30質量%〜95質量%であることが好ましく、45質量%〜95質量%であることがより好ましく、60質量%〜95質量%であることが更に好ましい。前記含有量が、30質量%未満であると、磁性体分散型キャリアの飛散等を招くことがあり、95質量%を越えると、磁性体分散キャリアの穂が固くなり、割れ易くなることがある。
前記溶融混練法、前記懸濁重合法、及び前記スプレードライ法はいずれも、磁性体粉末をあらかじめ何らかの手段により調製しておき、この磁性体粉末と樹脂溶液とを混合し、前記樹脂溶液中に前記磁性体粉末を分散させる工程を含む。
かかる核体の体積平均粒径の測定方法は、核体が磁性体粒子の場合と同様である。
磁気特性の測定方法は、第一の態様の場合と同様である。
キャリア抵抗が1×1014Ωcmを超える場合、高抵抗になり、現像時に現像電極として働きにくくなるため、特にベタ画像部でエッジ効果が出るなど、ソリッド再現性が低下する。一方、1×107Ωcm未満の場合、低抵抗になるため、現像剤中のトナー濃度が低下した時に現像ロールからキャリアへ電荷が注入し、キャリア自体が現像されてしまう不具合が発生しやすい。
次に、トナーについて説明する。
本発明の静電潜像現像用トナー(以下、単に「トナー」という場合がある)は、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子の平均形状係数SF1が140以下であり、更に好適には該母粒子に外添剤を一種添加してなるものである。
ここで、本発明における形状係数SF1とは、下記式(1)で表されるものと定義する。
上記式(2)中、SF1は形状係数を表し、MLは粒子の絶対最大長を表し、Aは粒子の投影面積を表す。なお、形状係数SF1は、真球の場合に100となり、歪みが大きくなるほどに100よりも大きな値となる。
なお、前記形状係数SF1の平均値は、250倍に拡大した50個以上のトナー像を光学顕微鏡から画像解析装置(LUZEX III、ニレコ社製)に取り込み、その最大長及び投影面積から、個々の粒子について前記SF1の値を求め平均したものである。
体積平均粒度分布指標GSDvが1.30を超える、あるいは数平均粒度分布指標GSDpが1.38を超えると画像の解像性が低下し、GSDv/GSDpが0.95未満の場合、帯電性の低下を発生させることがあると同時に飛び散り、カブリ等の画像欠陥の原因ともなり得る場合がある。
具体的な測定法としては、次の通りである。分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5質量%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加え、これを前記電解液100〜150ml中に添加する。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて粒度分布を測定して、前述のようにして体積平均粒径を求める。測定する粒子数は50,000とする。
以下に、本発明にかかるトナーを構成する物質について説明する。
トナーの結着樹脂としては特に制限されず、結晶性樹脂、あるいは、無定形樹脂(非結晶性樹脂)のいずれを用いても良く、両者を組合せて用いてもよい。
なお、両者を併用する場合の結晶性樹脂と、無定形樹脂(非結晶性樹脂)との混合割合は、用途や目的に応じて低温定着性や、カブリ、画像の保存性等の種々の特性のバランスが取れるように適宜選択することができる。また、両者を併用する場合、通常は、全結着樹脂に対する結晶性樹脂の割合を20〜60重量%の範囲内とすることが好ましい。さらに、結晶性樹脂を含むコア層と、コア層を被覆し、無定形樹脂を含むシェル層とからなるいわゆるコアシェル構造を有するトナーを作製することもできる。
非結晶性樹脂としては、特に限定されるわけではないが、公知の樹脂材料を用いることができる。例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸エチルヘキシル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニル基を有するエステル類;マレイン酸メチル、マレイン酸エチル、マレイン酸ブチル等の二重結合を有するカルボン酸類;エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン等のオレフィン類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の二重結合を有するカルボン酸類;などを単独で重合、またはこれらを2種類以上組み合わせて共重合したもの、さらにはこれらの混合物を挙げることができる。
ここで用いるラジカル重合用開始剤としては、特に制限はない。具体的には、過酸化水素、過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化tert−ブチル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒドロペルオキシド、1−フェニル−2−メチルプロピル−1−ヒドロペルオキシド、過トリフェニル酢酸tert−ブチルヒドロペルオキシド、過蟻酸tert−ブチル、過酢酸tert−ブチル、過安息香酸tert−ブチル、過フェニル酢酸tert−ブチル、過メトキシ酢酸tert−ブチル、過N−(3−トルイル)カルバミン酸tert−ブチル等の過酸化物類、2,2’−アゾビスプロパン、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスプロパン、1,1’−アゾ(メチルエチル)ジアセテート、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)硝酸塩、2,2’−アゾビスイソブタン、2,2’−アゾビスイソブチルアミド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオン酸メチル、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスブ
タン、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、1,1’−アゾビス(1−メチルブチロニトリル−3−スルホン酸ナトリウム)、2−(4−メチルフェニルアゾ)−2−メチルマロノジニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸、3,5−ジヒドロキシメチルフェニルアゾ−2−メチルマロノジニトリル、2−(4−ブロモフェニルアゾ)−2−アリルマロノジニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルバレロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸ジメチル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサンニトリル、2,2’−アゾビス−2−プロピルブチロニトリル、1,1’−アゾビス−1−クロロフェニルエタン、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、1,1’−アゾビス−1−シクロへプタンニトリル、1,1’−アゾビス−1−フェニルエタン、1,1’−アゾビスクメン、4−ニトロフェニルアゾベンジルシアノ酢酸エチル、フェニルアゾジフェニルメタン、フェニルアゾトリフェニルメタン、4−ニトロフェニルアゾトリフェニルメタン、1,1’−アゾビス−1,2−ジフェニルエタン、ポリ(ビスフェノールA−4,4’−アゾビス−4−シアノペンタノエート)、ポリ(テトラエチレングリコール−2,2’−アゾビスイソブチレート)等のアゾ化合物類、1,4−ビス(ペンタエチレン)−2−テトラゼン、1,4−ジメトキシカルボニル−1,4−ジフェニル−2−テトラゼン等が挙げられる。
結晶性樹脂としては、結晶性を有する樹脂であれば特に制限はなく、具体的には、結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ビニル系樹脂が挙げられるが、定着時の紙への定着性や帯電性、及び好ましい範囲での融点調整の観点から、結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。また、適度な融点をもつ直鎖脂肪族系の結晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。
なお、これらの重合体において使用される複数のエステル系モノマーの共重合体、エステル系モノマー及びこれと共重合可能な他のモノマーとの共重合体等も使用することができる。
結晶性樹脂の融点が40℃より低い場合は、トナーの保存時や使用時に、トナーがブロッキングを起こすおそれがある。また、結晶性樹脂の融点が100℃より高い場合は、低温定着性が達成されないおそれがある。
なお、上記分子量の測定は、非結晶性樹脂の分子量測定法と同様に行うことができる。
本発明における着色剤としては、公知の有機、もしくは、無機の顔料や染料、油溶性染料を使用することができる。
例えばC.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、ランプブラック(C.I.No.77266)、ローズベンガル(C.I.No.45432)、カーボンブラック、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、金属錯塩染料、金属錯塩染料の誘導体これらの混合物等を挙げることができる。
着色剤の含有量は、トナー粒径や現像量に依存するが、結着樹脂100質量部に対して1〜50質量部の範囲程度が適切である。特に、2〜25質量部の範囲が好ましい。
更に、これらの着色剤が乳化凝集法等に用いられる場合には、極性を有する界面活性剤を用い、前記ホモジナイザーによって水系に分散される。
本発明においては、転写性、流動性、クリーニング性及び帯電量の制御性、特に流動性を改善するため、トナーに外添剤を含有させることが好ましい。なお、外添剤とは、上記トナー母粒子表面に付着させる無機微粒子をいう。
無機微粒子としてはSiO2、TiO2、Ti(OH)2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n(nは1〜4の整数)、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等を使用することができる。これらのうち、特にシリカ微粒子、チタニア微粒子の場合には、流動性が良好となるため好ましい。
外添剤の体積平均粒径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして求めることができる。
本発明のトナーを構成する成分としては、既述したように、結晶性樹脂及び非晶性樹脂を含む結着樹脂と着色剤とを含有するものであれば特に限定されないが、必要に応じて、離型剤等の他の成分を含んでいてもよい。
例えば、ロウ類及びワックス類として、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等である。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックスも使用できる。
使用できる滑剤としては、例えば、エチレンビスステアリル酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩が挙げることができる。
トナーの製造方法については、上記形状係数SF1を満たすものが得られるのであれば特に制限されず、混練粉砕法、懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化重合凝集法などを適用することができるが、好適な形状係数や粒径を有するトナーを作製するためには湿式粒造法を用いることが好ましい。前記湿式造粒法としては、公知の溶融懸濁法、乳化凝集法、溶解懸濁法等の方法が挙げられ、本発明においては、これらの中でも乳化凝集法が好適に用いられる。
本発明において、混練粉砕の方法は、公知の方法を適宜適用することができる。また、分級には、重力式の分級機、遠心分離式の分級機、慣性方式の分級機、あるいは、篩による選別等を適宜適用することができる。熱処理には、流動層、スプレードライヤーなどを用いることができる。
また、溶解懸濁法とは、結着樹脂と着色剤、離型剤、の他添加物を含む溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する方法である。
乳化重合凝集法とは、乳化重合などにより作製した樹脂微粒子分散液と、溶媒に着色剤を分散させて作製した着色剤分散液とを混合して、トナー粒径に相当する凝集体を形成し、次いで、この凝集体を加熱することによって融合・合一させトナーを作製する方法である。すなわち、乳化重合凝集法は混練粉砕法に比較して、粒度分布を狭く保ちながらトナーの小径化を行うことが容易であるとともに、液中で融合合一化する条件を調整することによりトナー表面の平滑化や球形度制御を図ることができる。
本発明の画像形成方法は、潜像担持体を帯電させる帯電工程と、帯電した前記潜像担持体を露光して潜像担持体上に静電潜像を形成させる露光工程と、トナーとキャリアとを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像工程と、前記トナー像を前記潜像担持体から被記録材に転写する転写工程と、を有する画像形成方法であることが好ましい。なお、画像形成に用いるキャリアは、上述の静電荷像現像用キャリアを含む。
上記現像剤に含まれるトナーは、既述のトナーである。
潜像担持体の周速が100mm/sec未満である場合、近年における高速化の対応に適さず、あまり好ましくない。一方、600mm/secを超える場合、潜像坦持体は帯電後、露光によって光減衰し、潜像を形成するがその光減衰が十分に起こる前に現像工程にいってしまう。そのため十分なコントラストを得ることができずに、解像度の低い現像像となってしまうため好ましくない。
また、潜像担持体の周速に対する現像剤担持体の周速の比が1.2より小さいと、現像剤が潜像坦持体に現像する時間が短いために特に高像密度像の場合に現像するトナーが足りなくなり、低濃度となってしまうため好ましくなく、該比が2.0より大きいと、現像剤は潜像坦持体と十分に接触し現像するトナーとしても十分であるが、逆に現像剤坦持体の潜像坦持体に対する相対速度が速すぎることにより、潜像坦自体が現像剤にこすられ現像像が乱れてしまうため好ましくない。
本発明の画像形成装置は、潜像担持体と、前記潜像担持体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記潜像担持体を露光して潜像担持体上に静電潜像を形成させる露光手段と、現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を前記潜像担持体から被記録材に転写する転写手段と、を有する画像形成装置であることが好ましい。
これらの各構成部材、すなわち、電子写真感光体、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、更に、クリーニング装置および除電装置については、本発明において、特に制限されるものではなく、従来公知の如何なる構成のものも問題なく使用することができる。
また、上記現像手段は、上記現像剤を攪拌する攪拌手段と、現像剤を像担持体まで搬送する上記現像剤担持体(所謂マグロール)を有することが好ましい。
まず、実施例、比較例で用いたキャリア等の物性測定方法について説明する。
スライドグラス上に散布したトナー母粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラを通じて画像解析装置(LUZEXIII、ニレコ社製)に取り込み、50個について円相当径を測定して、最大長及び面積から、個々の粒子について上記式(1)からSF1を算出し、平均値を求めた。
測定装置としては、コールターカウンターTA−II型(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用した。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5質量%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加えた。これを前記電解液100〜150ml中に添加した。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて粒度分布を測定して、前述のようにして体積平均粒径を求めた。測定する粒子数は50000であった。
測定装置としては、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を使用した。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を10〜200mg加えた。これを純水100〜150ml中に添加した。試料を懸濁した液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記LS Particle Size Analyzer:LS13 320により、ポンプスピード80%で粒度分布を測定して、前述のようにして体積平均粒径、粗粉側粒度分布、微粉側粒度分布を求めた。
ガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量計(島津製作所社製:DSC−50)を用い、昇温速度3℃/分の条件下で測定することにより求めた。なお、ガラス転移点は吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度とした。
重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定した。GPCは、HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)を用い、カラムは、TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製、6.0mmID×15cm)を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度を0.5質量%、流速を0.6ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
樹脂酸価(AV)は以下のようにして測定した。基本操作はJIS K−0070−1992に準ずる。
試料は予め結着樹脂のTHF不溶成分を除去して使用するか、上記のTHF不溶分の測定で得られるソックスレー抽出器によるTHF溶媒によって抽出された可溶成分を試料として使用した。試料の粉砕品1.5gを精秤し、300mlのビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(4/1)の混合液100mlを加え溶解させた。自動滴定装置GT−100(ダイアインスツルメンツ社製)を用いて、0.1mol/lのKOHのエタノール溶液により電位差滴定を行った。この時のKOH溶液の使用量をA(ml)とし、同時にブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量をB(ml)とする。これらの値から、下記式により酸価を計算した。下記式中、wは精秤した試料量、fはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)={(A−B)×f×5.61}/w
(トナー粒子(1)の製造)
・ポリエステル樹脂(テレフタル酸/ビスフェノールA・エチレンオキシド付加物/シクロヘキサンジメタノールから得られた線状ポリエステル:Tg=60℃、Mn=3,600、Mw=28,000、酸価=15。) 85部
・植物系ワックス(カルナバワックス) 6部
・SiO2微粒子(R972;日本アエロジル製) 3部
・C.I.ピグメント・ブルー15:3 6部
得られたトナー母粒子(1)は、体積平均粒径6.0μmであって、4μm以下の粒径のトナー粒子数が5個数%、16μm以上の粒径のトナー粒子が1体積%であり、平均形状係数SF1が132であった。
この粒子100部と、外添剤として30nmの疎水性酸化チタン微粒子(商品名:STT30A、チタン工業社製)1.0部と40nmの疎水性シリカ微粒子(商品名:RX50、日本アエロジル社製)1.0部をヘンシェルミキサーにて混合してトナー粒子(1)を調製した。
実施例1のトナー粒子(1)の製造において、球形化処理時間を90分間となるように変更した以外は同様にして、トナー母粒子(2)を得た。
このトナー母粒子(2)に対して、実施例1と同様の方法で外添剤を添加し、トナー粒子(2)を調製した。
実施例1のトナー粒子(1)の製造において、球形化処理時間を30分間に変更した以外は同様にして、トナー母粒子(3)を得た。
このトナー母粒子(3)に対して、実施例1と同様の方法で外添剤を添加し、トナー粒子(3)を得た。
実施例1のトナー粒子(1)の製造において、球形化処理時間を5分間となるように変更した以外は同様にして、トナー母粒子(4)を得た。
このトナー母粒子(4)に対して、実施例1と同様の方法で外添剤を添加し、トナー粒子(4)を得た。
(キャリア(1)の製造)
フェライト粒子(Mn−Mg−Ferrite、真比重4.5g/cm3、体積平均粒径35μm、形状係数SF1125。)をエルボジェットにて微粉や粗粉を除き、被覆用核体粒子を形成した。具体的には、エルボジェット(日鉄鉱業社製、品番EJ−LABO)にて微粉や粗粉を除き、被覆用核体粒子を形成した。
得られた被覆用核体粒子の粒径分布は、粗粉側:1.18、微粉側:1.20であり、体積平均粒径37μm、形状係数SF1124であった。
続いて、コンディショニングによって充分脱気されたキャリア(1)を160ml容器上端で擦り切り、進入角−5.0°、回転翼の先端スピードを100mm/secで、容器下部から10mmまで回転翼を進入させ(進入距離70mm)、そのときのトルクの積算値をトータルエネルギー量として求めた。キャリア(1)のトータルエネルギー量は2400mJ(中心値)であった。
キャリア(1)の製造において、エルボジェットでの微粉/粗粉除去の操作を3回繰り返したところを、それぞれ2回、4回と変更した以外は同様にして、キャリア(2)〜(3)を作製した。キャリア(2)〜(3)のトータルエネルギー量は、表1に示す値であった。
フェライト粒子(Mn−Mg−Ferrite、真比重4.5g/cm3、体積平均粒径35μm、形状係数SF(1)125。)を分級せずそのまま使用した。前記フェライト粒子100部に対し、スチレンメタクリレート共重合体のトルエン溶液(固形分15重量%)を20部加え、ジャケットを備えた容量50Lの回分式ニーダー内で10分間混合し、攪拌しながら混合物の温度を上昇させ、120℃以上の温度で20分間攪拌した後、混合物の温度が60℃になるまで冷却攪拌を行い、被覆キャリアを取り出した。その後、75μm篩で粗粉を取り除き、比較のキャリア(7)を得た。
得られたキャリア(7)のトータルエネルギー量は3800mJであった。
キャリア(1)の製造において、エルボジェットでの微粉/粗粉除去の操作を3回繰り返したところを、6回に変更した以外は同様にして、比較のキャリア(8)を作製した。キャリア(8)のトータルエネルギー量は、表1に示す値であった。
キャリア(6)の製造において、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体(80/20)を15部、パーフルオロアクリレート共重合体:25部に変更した以外は、同様にしてキャリア(9)を作製した。キャリア(9)のトータルエネルギー量は、表1に示す値であった。
キャリア(4)の製造において、マグネタイト(EPT−1000、戸田工業社製)を120部に変更し、分級処理を3回に変更した以外は同様の方法で、比較のキャリア(10)を作製した。キャリア(10)のトータルエネルギー量は、表1に示す値であった。
特開平11−133672号公報の実施例1のキャリアを同公報に記載の方法で作製し、比較のキャリア(11)を得た。
キャリア(11)のトータルエネルギー量は3900であった。
(現像剤(1)の調製)
キャリア(1)100部と、トナー粒子(1)7部とを実効容積2LのV型混合機にて40rpmで20min混合し、現像剤(1)を調製した。
(現像剤(2)〜(3)の調製)
現像剤(1)の調製において、トナー粒子(1)を用いたところをトナー粒子(2)〜(3)のいずれかに変更した以外は同様にして、現像剤(2)〜(3)を調製した。
(現像剤(4)〜(5)の調製)
現像剤(1)の調製において、キャリア(1)を用いたところをキャリア(2)〜(3)に変更した以外は同様にして、現像剤(4)〜(5)の調製を行った。
(比較の現像剤(9)の調製)
現像剤(1)の調製において、トナー粒子(1)を用いたところをトナー粒子(4)に変更した以外は同様にして、比較の現像剤(9)を調製した。
(比較の現像剤(10)〜(14)の調製)
現像剤(1)の調製において、キャリア(1)を用いたところをキャリア(7)〜(11)のいずれかに変更した以外は同様にして、比較の現像剤(10)〜(14)を調製した。
得られた現像剤(1)〜(5)、(9)〜(14)を用いて、Fuji Xerox社製DocuPrintColorの改造機により、潜像担持体の周速420mm/sec、潜像担持体に対する現像剤担持対の周速比1.75にて下記コピーテストを行った。
かかるコピーテストは、低温低湿(10℃/15%RH)の環境下で、エリアカバレッジ80%で、20000枚をコピーすることにより行い、10枚コピー後(初期)および20,000枚コピー後に、下記評価方法により、画像濃度、かぶり、白点/色点の項目について評価を行った。
2cm×5cmのベタパッチを2箇所有する画像をコピーし、用紙への転写前に装置を強制停止させて、現像量(用紙への転写前のトナーの量)を測定した。具体的には、精秤したテープを2つ用意し、潜像担持体表面の2箇所の現像部分をそれぞれ前記テープに粘着性を利用し転写して、トナー採取後のテープを再度精秤し、トナー採取前のテープ重量をそれぞれ差し引いた後に平均化することにより現像量とした
判断基準は、以下の通りであり、◎、○を実用可能なレベルとする。
◎:現像量4.5±0.5g/m2
○:現像量4.5±0.6g/m2
△:現像量4.5±0.75g/m2
×:現像量4.5±0.75g/m2以上
上記(ベタ現像量)における、感光体表面からのテープによるトナー採取時に、前記ベタパッチからおよそ10mm離れた箇所の背景部について、現像量評価の場合と同様にテープに転写し、該テープにおける1cm2当たりのトナー個数をカウントする。
判断基準は、以下の通りであり、◎、○を実用可能なレベルとする。
◎:50個未満
○:50個以上100個未満
△:100個以上200個未満
×:200個以上
エリアカバレッジ30%の全面ハーフトーン画像をA3用紙に出力し、色点並びに白点の個数をカウントする。
判断基準は、以下の通りであり、◎、○を実用可能なレベルとする。
◎:色点/白点なし
○:トータル5個未満
△:トータル5個以上10個未満
×:トータル10個以上
Claims (4)
- 静電荷像現像用トナーと静電荷像現像用キャリアとを含む静電荷像現像用現像剤であって、
前記静電荷像現像用トナーは、結着樹脂、及び着色剤を含有してなるトナー母粒子の平均形状係数SF1が140以下であり、
前記静電荷像現像用キャリアは、核体としての磁性体粒子と該磁性体粒子の表面を被覆する被覆層とを有し、かつ、パウダーレオメーターにおいて、回転翼の先端スピード100mm/secで、回転翼の進入角度−5°におけるキャリアの充填表面から深さ70mmまでのトータルエネルギー量が、1500〜3000mJであることを特徴とする静電荷像現像用現像剤。 - 前記静電荷像現像用トナーは、前記トナー母粒子に外添剤を含有してなることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用現像剤。
- 潜像担持体を帯電させる帯電工程と、
帯電した前記潜像担持体を露光して、該潜像担持体上に静電潜像を形成させる露光工程と、
現像剤を表面に担持する現像剤担持体によって前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像工程と、
前記トナー像を前記潜像担持体から被記録材に転写する転写工程と、を有する画像形成方法であって、
前記潜像担持体の周速が100〜600mm/secで、且つ、該潜像担持体の周速に対する前記現像剤担持体の周速の比が1.2〜2.0であり、
前記現像剤が、請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用現像剤を含むことを特徴とする画像形成方法。 - 潜像担持体と、
前記潜像担持体を帯電させる帯電手段と、
帯電した前記潜像担持体を露光して、該潜像担持体上に静電潜像を形成させる露光手段と、
現像剤を表面に担持する現像剤担持体によって前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、
前記トナー像を前記潜像担持体から被記録材に転写する転写手段と、を有する画像形成装置であって、
前記現像剤が、請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用現像剤を含むことを特徴とする画像形成装置。
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