JP7214338B2 - 静電荷像現像用トナー、トナーセット、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、トナーセット、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、静電荷像現像用トナー、トナーセット、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
近年、電子写真プロセスは、情報化社会における機器の発達や通信網の充実により、複写機のみならず、オフィスのネットワークプリンター、パソコンのプリンター、オンデマンド印刷のプリンター等にも広く利用され、白黒、カラーを問わず、高画質、高速化、高信頼性、小型化、軽量化、省エネルギー性能がますます強く要求されてきている。
電子写真プロセスは、通常、光導電性物質を利用した感光体(像保持体)上に種々の手段により電気的に静電荷像を形成し、この静電荷像を、トナーを含む現像剤を用いて現像し、感光体上のトナー画像を、中間転写体を介して又は直接紙等の記録媒体に転写した後、この転写画像を記録媒体に定着する、という複数の工程を経て、定着画像を形成している。
ここで、帯電性に優れ、長寿命な静電荷像現像用トナーを提供するため、体積平均粒度分布指標(GSDv)が、大きくとも1.3であり、かつ、該体積平均粒度分布指標(GSDv)と数平均粒度分布指標(GSDp)との比(GSDv/GSDp)が、小さくとも0.95であることを特徴とする静電荷像現像用トナーが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、すぐれた現像、転写性能をもたらし、すぐれた性能安定性及び高画質高信頼性をもたらす静電荷像現像用トナーを提供するため、小径側粒度分布指標GSDpSが1.27以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー:GSDpS=D50p/D16p(式中、D50pは粒径の数分布における累積50%となる粒径値であり、D16pは粒径の数分布における小径側から累積16%となる粒径値である)が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平10-301323号公報 特開2001-255703号公報
カラートナー画像においては、マゼンタ、イエロー、シアン等の複数の色を重ねる2次色及び3次色が一般的に使用されている。特に、昨今の高画質化の中において、2次色ハーフトーン画像又は3次色ハーフトーン画像等の多次色ハーフトーン画像が形成されたときのトナー画像の階調性の差が視認されやすく、多次色ハーフトーン画像についての更なる階調性の向上が求められていた。
特許文献1及び2においては、トナーの粒度分布を制御することにより多次色画像の階調性が良好となっている。しかしながら、ハーフトーンのような薄い色を形成した場合においては、微妙な階調性の差が視認されやすいため、階調性の差に起因する多次色ハーフトーン画像の画像ムラの生ずることがあり、更なる改良の余地がある。
特に、気温が30℃以上で湿度が70%RH以上のような高温高湿環境下において高画像密度のトナー画像を連続して出力した場合、大粒径側のトナー粒子が主に消費される結果として現像器内におけるトナー粒子の流動性が悪化することがある。現像器内におけるトナー粒子の流動性が悪化することで、多次色ハーフトーン画像の階調性が悪化しやすく、多次色ハーフトーン画像の画像ムラが生じやすい。
なお、本発明において「多次色ハーフトーン画像の画像ムラ」は、多次色ハーフトーン領域を少なくとも一部に有するトナー画像(多次色ハーフトーン画像)における当該多次色ハーフトーン領域内での色差ΔEの大小により判断されるものであり、色差ΔEのバラツキが相対的に大きい多次色ハーフトーン画像について画像ムラが大きいと判断され、色差ΔEのバラツキが相対的に小さい多次色ハーフトーン画像について画像ムラが小さいと判断される。
また、トナー粒子に占める大粒径側のトナー粒子の比率が高ければ現像器内におけるトナー粒子の流動性が改善される傾向にはあるものの、多次色ハーフトーン画像の画像ムラの解消には未だ不十分であった。
本発明は上記従来の事情に鑑みてなされたものであり、多次色ハーフトーン画像の画像ムラが抑制される静電荷像現像用トナーを提供することを目的とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
即ち、に係る発明は、
大径側体積粒度分布指標(GSDv(90/50))が1.26以上であり、
小径側数粒度分布指標(GSDp(50/10))が1.28以下であり、
平均円形度が0.95以上1.00以下であり、
不定形側円形度分布指標(GSD(50/10))が1.03以下であるトナー粒子を含む静電荷像現像用トナー。
に係る発明は、
前記トナー粒子が、
大径側体積粒度分布指標(GSDv(90/50))が1.28以上であり、
小径側数粒度分布指標(GSDp(50/10))が1.28以下であり、
平均円形度が0.955以上0.985以下であり、
不定形側円形度分布指標(GSD(50/10))が1.03以下であるに記載の静電荷像現像用トナー。
に係る発明は、
パウダーレオメータを用いて回転翼の先端スピードを100mm/secとし回転翼の進入角度を-5°とし通気流量を0ml/minとする条件で測定された基本流動性エネルギーが、100mJ以上250mJ以下である又はに記載の静電荷像現像用トナー。
に係る発明は、
パウダーレオメータを用いて回転翼の先端スピードを100mm/secとし回転翼の進入角度を-5°とし通気流量を80ml/minとする条件で測定された通気流動性エネルギーが、40mJ以下であるに記載の静電荷像現像用トナー。
に係る発明は、
マゼンタ着色剤を含むマゼンタトナーであるか、又はシアン着色剤を含むシアントナーであるのいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
に係る発明は、
前記マゼンタ着色剤が、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド185及びC.I.ピグメントレッド238からなる群より選択される少なくとも1種を含むに記載の静電荷像現像用トナー。
に係る発明は、
前記シアン着色剤が、C.I.ピグメントブルー15:1、及びC.I.ピグメントブルー15:3からなる群より選択される少なくとも1種を含むに記載の静電荷像現像用トナー。
に係る発明は、
互いに異なる色を呈するn種(nは2以上の整数)の静電荷像現像用トナーを有し、
前記静電荷像現像用トナーの少なくとも1つが、大径側体積粒度分布指標(GSDv(90/50))が1.26以上であり、小径側数粒度分布指標(GSDp(50/10))が1.28以下であり、平均円形度が0.95以上1.00以下であり、不定形側円形度分布指標(GSD(50/10))が1.03以下であるトナー粒子を含むトナーセット。
に係る発明は、
前記静電荷像現像用トナーのいずれもが、大径側体積粒度分布指標(GSDv(90/50))が1.26以上であり、小径側数粒度分布指標(GSDp(50/10))が1.28以下であり、平均円形度が0.95以上1.00以下であり、不定形側円形度分布指標(GSD(50/10))が1.03以下であるトナー粒子を含むに記載のトナーセット。
10に係る発明は、
パウダーレオメータを用いて回転翼の先端スピードを100mm/secとし回転翼の進入角度を-5°とし通気流量を0ml/minとする条件で測定された前記静電荷像現像用トナーの各々についての基本流動性エネルギーの最大値と最小値との差が、50mJ以下であるに記載のトナーセット。
11に係る発明は、
のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
12に係る発明は、
のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
13に係る発明は、
11に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
14に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
11に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
15に係る発明は、
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
11に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
に係る発明によれば、トナー粒子のGSDv(90/50)が1.26未満であるか、GSDp(50/10)が1.28を超えるか、平均円形度が0.95未満であるか、又はGSD(50/10)が1.03を超える場合に比較して、多次色ハーフトーン画像の画像ムラが抑制される静電荷像現像用トナーが提供される。
に係る発明によれば、トナー粒子のGSDv(90/50)が1.28未満であるか、GSDp(50/10)が1.28を超えるか、平均円形度が0.955未満であるか若しくは0.985を超えるか、又はGSD(50/10)が1.03を超える場合に比較して、多次色ハーフトーン画像の画像ムラがさらに抑制される。
に係る発明によれば、基本流動性エネルギーが100mJ未満であるか又は250mJを超える場合に比較して、多次色ハーフトーン画像の画像ムラがさらに抑制される。
に係る発明によれば、通気流動性エネルギーが40mJを超える場合に比較して、多次色ハーフトーン画像の画像ムラがさらに抑制される。
に係る発明によれば、多次色ハーフトーン画像の画像ムラがさらに抑制される。
に係る発明によれば、n種の静電荷像現像用トナーのいずれもが、GSDv(90/50)が1.26未満であるか、GSDp(50/10)が1.28を超えるか、平均円形度が0.95未満であるか、又はGSD(50/10)が1.03を超えるトナー粒子を含む場合に比較して、多次色ハーフトーン画像の画像ムラが抑制されるトナーセットが提供される。
に係る発明によれば、n種の静電荷像現像用トナーのいずれかが、GSDv(90/50)が1.26未満であるか、GSDp(50/10)が1.28を超えるか、平均円形度が0.95未満であるか、又はGSD(50/10)が1.03を超えるトナー粒子を含む場合に比較して、多次色ハーフトーン画像の画像ムラがさらに抑制される。
10に係る発明によれば、静電荷像現像用トナーの各々についての基本流動性エネルギーの最大値と最小値との差が50mJを超える場合に比較して、多次色ハーフトーン画像の画像ムラがさらに抑制される。
11に係る発明によれば、トナー粒子のGSDv(90/50)が1.26未満であるか、GSDp(50/10)が1.28を超えるか、平均円形度が0.95未満であるか、又はGSD(50/10)が1.03を超える場合に比較して、多次色ハーフトーン画像の画像ムラが抑制される静電荷像現像剤が提供される。
12に係る発明によれば、トナー粒子のGSDv(90/50)が1.26未満であるか、GSDp(50/10)が1.28を超えるか、平均円形度が0.95未満であるか、又はGSD(50/10)が1.03を超える場合に比較して、多次色ハーフトーン画像の画像ムラが抑制される静電荷像現像用トナーを収容するトナーカートリッジが提供される。
13に係る発明によれば、トナー粒子のGSDv(90/50)が1.26未満であるか、GSDp(50/10)が1.28を超えるか、平均円形度が0.95未満であるか、又はGSD(50/10)が1.03を超える場合に比較して、多次色ハーフトーン画像の画像ムラが抑制される静電荷像現像剤を収容するプロセスカートリッジが提供される。
14に係る発明によれば、トナー粒子のGSDv(90/50)が1.26未満であるか、GSDp(50/10)が1.28を超えるか、平均円形度が0.95未満であるか、又はGSD(50/10)が1.03を超える場合に比較して、多次色ハーフトーン画像の画像ムラが抑制される静電荷像現像剤を用いた画像形成装置が提供される。
15に係る発明によれば、トナー粒子のGSDv(90/50)が1.26未満であるか、GSDp(50/10)が1.28を超えるか、平均円形度が0.95未満であるか、又はGSD(50/10)が1.03を超える場合に比較して、多次色ハーフトーン画像の画像ムラが抑制される静電荷像現像剤を用いた画像形成方法が提供される。
本実施形態に係るトナーの製造に用いるスクリュー押出機の一例について、スクリューの状態を説明する図である。 パウダーレオメータでの流動性エネルギー量の測定方法を説明するための図である。 パウダーレオメータで得られた、垂直荷重とエネルギー勾配との関係を示す図である。 パウダーレオメータで用いる回転翼の形状を説明するための模式図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の静電荷像現像用トナー、トナーセット、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法の実施形態について詳細に説明する。
<静電荷像現像用トナー>
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と称することがある。)は、大径側体積粒度分布指標(GSDv(90/50))が1.26以上であり、小径側数粒度分布指標(GSDp(50/10))が1.28以下であり、平均円形度が0.95以上1.00以下であり、不定形側円形度分布指標(GSD(50/10))が1.03以下であるトナー粒子を含む
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーによれば、多次色ハーフトーン画像の画像ムラが抑制される。その理由は明確ではないが、以下のように推察される。
多次色ハーフトーン画像は少なくとも2色のトナーが記録媒体上に薄いトナー層を形成して成り立っている。多次色ハーフトーン画像のバラツキを抑制するには、少なくとも2色のトナーが均一にまんべんなく記録媒体上で分散してトナー層を形成する必要がある。
本実施形態に係るトナーは、GSDv(90/50)が1.26以上であり、GSDp(50/10)が1.28以下であり、平均円形度が0.95以上1.00以下であり、GSD(50/10)が1.03以下であるトナー粒子を含むため、従来のトナー粒子に比較して体積平均粒径(D50v)よりも大粒径側のトナー粒子の分布が広大であるという粒度分布を呈する。また、従来のトナー粒子に比較して不定形側のトナー粒子の円形度の分布が狭い。このようなトナー粒子は現像器内での流動性が高く、特に高温高湿環境下で高画像密度のトナー画像を形成した後における流動性に優れる。現像器内でのトナー粒子の流動性が高いと、トナーが均一にまんべんなく記録媒体上に分散したトナー層が形成されやすい。その結果、多次色ハーフトーン画像の画像ムラが抑制されると推察される。本実施形態に係るトナーは、特に高温高湿環境下で高画像密度のトナー画像を形成した後に多次色ハーフトーン画像を形成した場合のトナー画像の画像ムラの抑制に優れる。
以下、本実施形態に係るトナーの詳細について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子と、必要に応じて、外添剤と、を含んで構成される。
(トナー粒子)
トナー粒子は、例えば、結着樹脂と、必要に応じて、着色剤と、離型剤と、その他添加剤と、を含んで構成される。
-結着樹脂-
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α-メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2-エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好適である。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知のポリエステル樹脂が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K-7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上1000000以下が好ましく、7000以上500000以下がより好ましい。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC-8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM-M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
ポリエステル樹脂は、周知の製造方法により得られる。具体的には、例えば、重合温度を180℃以上230℃以下とし、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる方法により得られる。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶媒を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
結着樹脂の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下がさらに好ましい。
-着色剤-
着色剤としては、トナーの色に対応した従来公知のものを用いてもよい。
多次色ハーフトーン画像のバラツキは、目視により視認されやすい色を呈するトナーが記録媒体上で偏在することにより悪化しやすい。そのため、本実施形態に係るトナーとしては、目視により視認されやすいマゼンタ色を呈するマゼンタトナーであるか、又はシアン色を呈するシアントナーであることが好ましい。マゼンタトナー又はシアントナーの記録媒体上での偏在を抑制することにより、多次色ハーフトーン画像の画像ムラが抑制されやすい。
シアン着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6、同16、同17、同23、同60、同65、同73、同83、同180、C.I.バットシアン1、同3、同20等や、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルーの部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCのシアン顔料、C.I.ソルベントシアン79、162等のシアン染料などを用いてもよい。
シアン着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:1、及びC.I.ピグメントブルー15:3からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
マゼンタ着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同8、同9、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同18、同19、同21、同22、同23、同30、同31、同32、同37、同38、同39、同40、同41、同48、同49、同50、同51、同52、同53、同54、同55、同57、同58、同60、同63、同64、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同112、同114、同122、同123、同146、同147、同150、同163、同176、同184、同185、同202、同206、同207、同209、同238、同269等、ピグメントバイオレット19のマゼンタ顔料や、C.I.ソルベントレッド1、同3、同8、同23、同24、同25、同27、同30、同49、同81、同82、同83、同84、同100、同109、同121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同12、同13、同14、同15、同17、同18、同22、同23、同24、同27、同29、同32、同34、同35、同36、同37、同38、同39、同40等のマゼンタ染料等、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ロータミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどを用いてもよい。
マゼンタ着色剤としては、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド185及びC.I.ピグメントレッド238からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
また、イエロー着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー2、同3、同15、同16、同17、同74、同97、同180、同185、同139等のイエロー顔料などを用いてもよい。
また、その他の着色剤としては、カーボンブラック(アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック)、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、チタンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト等のブラック着色剤、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化鉛、酸化亜鉛、チタン酸鉛、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、ジルコニア、三酸化アンチモン、鉛白、硫化亜鉛、炭酸バリウム等の白色着色剤などが挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。また、着色剤は、複数種を併用してもよい。
着色剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上15質量%以下がより好ましい。
-離型剤-
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K-7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
離型剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
-その他の添加剤-
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
-トナー粒子の特性等-
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
トナー粒子の体積平均粒径(D50v)としては、2μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上8μm以下がより好ましい。
本実施形態において、トナー粒子のGSDv(90/50)は1.26以上であり、1.28以上であることが好ましく、1.30以上であることがより好ましい。トナー粒子のGSDv(90/50)が1.26未満である場合、トナー粒子の流動性が悪化し多次色ハーフトーン画像の画像ムラが生ずることがある。なお、トナー粒子のGSDv(90/50)は1.45以下であってもよい。
本実施形態において、トナー粒子のGSDp(50/10)は1.28以下であり、1.26以下であることが好ましく、1.24以下であることがより好ましい。トナー粒子のGSDp(50/10)が1.28を超える場合、トナー粒子の流動性が悪化し多次色ハーフトーン画像の画像ムラが生ずることがある。なお、トナー粒子のGSDp(50/10)は1.10以上であってもよい。
なお、トナー粒子の各種平均粒径、及び各種粒度分布指標(GSDv(90/50)及びGSDp(50/10))は、コールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)を用い、電解液はISOTON-II(ベックマン・コールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積10%となる粒径を体積粒径D10v、数粒径D10p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、数平均粒径D50p、累積90%となる粒径を体積粒径D90v、数粒径D90pと定義する。
これらを用いて、大径側体積粒度分布指標(GSDv(90/50))はD90v/D50vとして、小径側数粒度分布指標(GSDp(50/10))はD50p/D10pとして算出される。
本実施形態において、大径側体積粒度分布指標を算出する際に、体積粒度分布指標(GSDv(84/16)の算出に用いられるD84v(累積84%となる粒径)に替えてD90vを用いる理由は、以下のような要因である。
トナーへの多次色ハーフトーンの階調性は非常に微量の粗粉粒子でも影響を受ける。そのためトナー粒子に含まれる粗粉(粒径の大きなトナー粒子)の量をより鋭敏に大径側体積粒度分布指標の値に反映させるためで、D90vと多次色ハーフトーンの階調性について詳細に確認したところ、D90vと多次色ハーフトーンに強い相関があったためである。
また、本実施形態において、小径側数粒度分布指標を算出する際に、数粒度分布指標(GSDp(84/16)の算出に用いられるD16p(累積16%となる粒径)に替えてD10pを用いる理由は、多次色ハーフトーンの階調性は微量の微粒子でも影響をうけることから、トナー粒子に含まれる微粉(粒径の小さなトナー粒子)の量をより鋭敏に小径側数粒度分布指標の値に反映させるためで、D10pと多次色ハーフトーンの階調性について詳細に確認したところ、D10pと多次色ハーフトーンに強い相関があったためである。
トナー粒子の平均円形度は0.95以上1.00以下であり、クリーニング性の向上の観点から0.95以上0.985以下であることが好ましく、0.955以上0.985以下であることがより好ましく、0.955以上0.980以下であることがさらに好ましい。トナー粒子の平均円形度が0.95未満であると、トナー粒子の流動性が悪化し多次色ハーフトーン画像の画像ムラが生ずることがある。
本実施形態において、不定形側円形度分布指標(GSD(50/10))とは、後述の方法で測定される各トナー粒子の円形度に基づき、円形度の小さい側からの累積分布を描いて以下のようにして算出される値をいう。
各トナー粒子の円形度の小さい側からの累積分布において、累積10%となる円形度をD10、累積50%となる円形度をD50と定義する。これらを用いて、不定形側円形度分布指標(GSD(50/10))はD50/D10として算出される。
トナー粒子のGSD(50/10)は1.03以下であり、1.025以下であることが好ましく、1.02以下であることがより好ましい。GSD(50/10)が1.03を超えると、トナー粒子の流動性が悪化し多次色ハーフトーン画像の画像ムラが生ずることがある。なお、トナー粒子のGSD(50/10)は1.00以上であってもよい。
各トナー粒子の円形度は、(円相当周囲長)/(周囲長)[(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)]により求められる。具体的には、次の方法で測定される値である。
まず、測定対象となるトナー粒子を吸引採取し、扁平な流れを形成させ、瞬時にストロボ発光させることにより静止画像として粒子像を取り込み、その粒子像を画像解析するフロー式粒子像解析装置(シスメックス社製のFPIA-3000)によって求める。そして、平均円形度を求める際のサンプリング数は3500個とする。
なお、トナーが外添剤を有する場合、界面活性剤を含む水中に、測定対象となるトナー(現像剤)を分散させた後、超音波処理をおこなって外添剤を除去したトナー粒子を得る。
本実施形態のトナー粒子は、大径側体積粒度分布指標(GSDv(90/50))が1.28以上であり、小径側数粒度分布指標(GSDp(50/10))が1.28以下であり、平均円形度が0.955以上0.985以下であり、不定形側円形度分布指標(GSD(50/10))が1.03以下であることが好ましい。
(外添剤)
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等が挙げられる。
外添剤としての無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
外添剤としては、樹脂粒子(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
外添剤の外添量としては、例えば、トナー粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
(トナーの製造方法)
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば、凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。トナー粒子の製法は、これらの製法に特に制限はなく、周知の製法が採用される。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
例えば、溶解懸濁法は、トナー粒子を構成する原料(結着樹脂、着色剤等)を、結着樹脂が溶解可能な有機溶媒中に溶解又は分散させた液を、粒子分散剤を含有する水系溶媒に分散させた後、有機溶媒を除去することでトナー粒子を造粒して得る方法である。
また、凝集合一法は、トナー粒子を構成する原料(樹脂粒子、着色剤等)の凝集体を形成する凝集工程と、凝集体を融合させる融合工程とを経て、トナー粒子を得る方法である。
これらの中でも、結着樹脂としてウレア変性ポリエステル樹脂を含むトナー粒子は、次に示す溶解懸濁法により得ることがよい。なお、次に示す溶解懸濁法の説明では、結着樹脂として未変性ポリエステル樹脂とウレア変性ポリエステル樹脂を含むトナー粒子を得る方法について示すが、トナー粒子は結着樹脂としてウレア変性ポリエステル樹脂のみを含んでもよい。
[油相液調製工程]
未変性ポリエステル樹脂、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、アミン化合物、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子材料を有機溶媒に溶解又は分散させた油相液を調製する(油相液調製工程)。この油相液調製工程は、トナー粒子材料を有機溶媒中に溶解又は分散させて、トナー材料の混合液を得る工程である。
油相液は、1)トナー材料を一括して有機溶媒に溶解又は分散して、調製する方法、2)予めトナー材料を混練した後、この混練物を有機溶媒に溶解又は分散して、調製する方法、3)未変性ポリエステル樹脂、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、アミン化合物を有機溶媒に溶解させた後、この有機溶媒に、着色剤及び離型剤を分散させて、調製する方法、4)着色剤及び離型剤を有機溶媒に分散させた後、この有機溶媒に、未変性ポリエステル樹脂、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、アミン化合物を溶解して、調製する方法、5)イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー及びアミン化合物以外のトナー粒子材料(未変性ポリエステル樹脂、着色剤及び離型剤)を有機溶媒に溶解又は分散させた後、この有機溶媒に、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー及びアミン化合物を溶解して調製する方法、6)イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー又はアミン化合物以外のトナー粒子材料(未変性ポリエステル樹脂、着色剤及び離型剤)を有機溶媒に溶解又は分散させた後、この有機溶媒に、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー又はアミン化合物を溶解して調製する方法等が挙げられる。なお、油相液の調製方法は、これらに限られるわけではない。
油相液の有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン等のケトン系溶媒;ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、結着樹脂を溶解するものであって、かつ、水に溶解する割合が0質量%以上30質量%以下程度のものであり、沸点が100℃以下であることが好ましい。これらの有機溶媒の中でも、酢酸エチルが好ましい。
[懸濁液調製工程]
次に、得られた油相液を水相液中に分散させて懸濁液を調製する(懸濁液調製工程)。
そして、懸濁液の調製と共に、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーとアミン化合物との反応を行う。そして、この反応によりウレア変性ポリエステル樹脂を生成する。なお、この反応は、分子鎖の架橋反応及び伸長反応の少なくとも一方の反応が伴う。なお、このイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーとアミン化合物との反応は、後述する溶媒除去工程と共に行ってもよい。
ここで、反応条件は、ポリエステルプレポリマーの有するイソシアネート基構造とアミン化合物との反応性により選択される。一例として、反応時間は、10分以上40時間以下が好ましく、2時間以上24時間以下が好ましい。反応温度は、0℃以上150℃が好ましく、40℃以上98℃以下が好ましい。なお、ウレア変性ポリエステル樹脂の生成には、必要に応じて公知の触媒(ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート等)を使用してもよい。つまり、油相液、又は懸濁液に、触媒を添加してもよい。
水相液は、有機粒子分散剤、無機粒子分散剤等の粒子分散剤を水系溶媒に分散させた水相液が挙げられる。また、水相液は、粒子分散剤を水系溶媒に分散させると共に、高分子分散剤を水系溶媒に溶解させた水相液も挙げられる。なお、水相液には、界面活性剤等の周知の添加剤を添加してもよい。
水系溶媒は、水(例えば、通常、イオン交換水、蒸留水、純水)が挙げられる。水系溶媒は、水と共に、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含む溶媒であってもよい。
有機粒子分散剤としては、親水性の有機粒子分散剤が挙げられる。有機粒子分散剤としては、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル樹脂(例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂)、ポリスチレン樹脂、ポリ(スチレン-アクリロニトリル)樹脂等の粒子が挙げられる。有機粒子分散剤としては、スチレンアクリル樹脂の粒子も挙げられる。
無機粒子分散剤としては、親水性の無機粒子分散剤が挙げられる。無機粒子分散剤としては、具体的には、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、粘土、珪藻土、ベントナイト等の粒子が挙げられ、炭酸カルシウムの粒子が好ましい。無機粒子分散剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
粒子分散剤は、その表面がカルボキシル基を有する重合体で表面処理されていてもよい。
上記カルボキシル基を有する重合体としては、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸またはα,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸のカルボキシル基がアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニア、アミン等により中和された塩(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等)から選ばれる少なくとも1種と、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸エステルとの共重合物が挙げられる。上記カルボキシル基を有する重合体としては、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸とα,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸エステルとの共重合物のカルボキシル基がアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニア、アミン等により中和された塩(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等)も挙げられる。上記カルボキシル基を有する重合体は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸の代表的なものとしては、α,β-不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等)、α,β-不飽和ジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等)などが挙げられる。また、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸エステルの代表的なものとしては、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル類、アルコキシ基を有する(メタ)アクリレート、シクロヘキシル基を有する(メタ)アクリレート、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
高分子分散剤としては、親水性の高分子分散剤が挙げられる。高分子分散剤としては、具体的には、カルボキシル基を有し、かつ親油基(ヒドロキシプロポキシ基、メトキシ基等)を有さない高分子分散剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等の水溶性のセルロースエーテル)が挙げられる。
目的とする粒度分布や円形度のトナーを得るために、懸濁液調製工程において撹拌時間や撹拌速度、反応温度、反応時間を変えてもよい。
[溶媒除去工程]
次に、得られた懸濁液から有機溶媒を除去してトナー粒子分散液を得る(溶媒除去工程)。この溶媒除去工程は、懸濁液に分散した水相液の液滴中に含まれる有機溶媒を除去してトナー粒子を生成する工程である。懸濁液からの有機溶媒除去は、懸濁液調製工程の直後に行ってもよいが、懸濁液調製工程終了後、1分以上経過した後に行ってもよい。
溶媒除去工程では、得られた懸濁液を例えば0℃以上100℃以下の範囲に冷却または加熱することにより、懸濁液から有機溶媒を除去することがよい。
有機溶媒除去の具体的な方法には、次の方法が挙げられる。
(1)懸濁液に気流を吹き付けて、懸濁液面上の気相を強制的に更新する方法。この場合には、懸濁液中に気体を吹き込んでもよい。
(2)圧力を減圧する方法。この場合には、気体の充填により懸濁液面上の気相を強制的に更新してもよいし、さらに懸濁液中に気体を吹き込んでもよい。
有機溶媒除去においては、懸濁液中に気体を吹き込むことで溶媒除去の促進と均一化が図られる点で望ましい。特に気体の吹き込み箇所を複数にしてもよい。
以上の工程を経て、トナー粒子が得られる。
ここで、溶媒除去工程終了後は、トナー粒子分散液中に形成されたトナー粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナー粒子として得る。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。
また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、気流乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
そして、本実施形態に係るトナーは、例えば、得られた乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。
混合は、例えば、Vブレンダー、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー等によって行うことがよい。
更に、必要に応じて、振動篩分機、風力篩分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
混練粉砕法は、着色剤等の各材料を混合した後、ニーダー、押し出し機などを用いて上記材料を溶融混練して、得られた溶融混練物を粗粉砕した後、ジェットミル等で粉砕し、風力分級機により、目的とする粒子径のトナー粒子を得る方法である。
混練粉砕法は、より詳細には、着色剤及び結着樹脂を含むトナー形成材料を混練する混練工程と、混練物を粉砕する粉砕工程とに分けられる。必要に応じて、混練工程により形成された混練物を冷却する冷却工程等、他の工程を有してもよい。
混練粉砕法に係る各工程について詳しく説明する。
-混練工程-
混練工程は、着色剤及び結着樹脂を含むトナー形成材料を混練する。
混練工程においては、トナー形成材料100質量部に対し、0.5質量部以上5質量部以下の水系媒体(例えば、蒸留水やイオン交換水等の水、アルコール類等)を添加することが望ましい。
混練工程に用いられる混練機としては、例えば、1軸押出し機、2軸押出し機等が挙げられる。以下、混練機の一例として、送りスクリュー部と2箇所のニーディング部とを有する混練機について図を用いて説明するが、これに限られるわけではない。
図1は、本実施形態に係るトナーの製造方法における混練工程で用いるスクリュー押出機の一例について、スクリューの状態を説明する図である。
スクリュー押出し機11は、スクリュー(図示せず)を備えたバレル12と、バレル12にトナーの原料であるトナー形成材料を注入する注入口14と、バレル12中のトナー形成材料に水系媒体を添加するための液体添加口16と、バレル12中でトナー形成材料が混練されて形成された混練物を排出する排出口18と、から構成されている。
バレル12は、注入口14に近いほうから順に、注入口14から注入されたトナー形成材料をニーディング部NAに輸送する送りスクリュー部SA、トナー形成材料を第1の混練工程により溶融混練するためのニーディング部NA、ニーディング部NAにおいて溶融混練されたトナー形成材料をニーディング部NBに輸送する送りスクリュー部SB、トナー形成材料を第2の混練工程により溶融混練し混練物を形成するニーディング部NB、及び形成された混練物を排出口18に輸送する送りスクリュー部SCに分かれている。
またバレル12の内部には、ブロックごとに異なる温度制御手段(図示せず)が備えられている。すなわち、ブロック12Aからブロック12Jまで、それぞれ異なる温度に制御してもよい構成となっている。なお図1は、ブロック12A及びブロック12Bの温度をt0℃に、ブロック12Cからブロック12Eの温度をt1℃に、ブロック12Fからブロック12Jの温度をt2℃に、それぞれ制御している状態を示している。そのため、ニーディング部NAのトナー形成材料はt1℃に加熱され、ニーディング部NBのトナー形成材料はt2℃に加熱される。
なお、上記の通り、ニーディング部NAにおける温度t1℃はTa-10℃以上Ta+10℃以下の範囲内であり、ニーディング部NBにおける温度t2℃はTm-10℃以上Tm+20℃以下の範囲内である。また、トナーをDSCで測定したときの吸熱ピークの温度をTaとし、同様にトナーをDSCで測定したときの溶融温度をTmとした。
結着樹脂、着色剤及び必要に応じて離型剤等を含むトナー形成材料を、注入口14からバレル12へ供給すると、送りスクリュー部SAによりニーディング部NAへトナー形成材料が送られる。このとき、ブロック12Cの温度がt1℃に設定されているため、トナー形成材料は加熱されて溶融状態へと変化した状態で、ニーディング部NAに送り込まれる。そして、ブロック12D及びブロック12Eの温度もt1℃に設定されているため、ニーディング部NAではt1℃の温度でトナー形成材料が溶融混練される。結着樹脂及び離型剤は、ニーディング部NAにおいて溶融状態となり、スクリューによりせん断を受ける。
次に、ニーディング部NAにおける混練を経たトナー形成材料は、送りスクリュー部SBによりニーディング部NBへと送られる。
ついで、送りスクリュー部SBにおいて、液体添加口16からバレル12に水系媒体を注入することにより、トナー形成材料に水系媒体を添加する。また図1では、送りスクリュー部SBにおいて水系媒体を注入する形態を示しているが、これに限られず、ニーディング部NBにおいて水系媒体が注入されてもよく、送りスクリュー部SB及びニーディング部NBの両方において水系媒体が注入されてもよい。すなわち、水系媒体を注入する位置及び注入箇所は、必要に応じて選択される。
上記のように、液体添加口16からバレル12に水系媒体が注入されることにより、バレル12中のトナー形成材料と水系媒体とが混合し、水系媒体の蒸発潜熱によりトナー形成材料が冷却され、トナー形成材料の温度が保たれる。
最後に、ニーディング部NBにより溶融混練されて形成された混練物は、送りスクリュー部SCにより排出口18に輸送され、排出口18から排出される。
以上のようにして、図1に示したスクリュー押出機11を用いた混練工程が行われる。
-冷却工程-
冷却工程は、上記混練工程において形成された混練物を冷却する工程であり、冷却工程では、混練工程終了の際における混練物の温度から4℃/sec以上の平均降温速度で40℃以下まで冷却することが好ましい。混練物の冷却速度が遅い場合、混練工程において結着樹脂中に細かく分散された混合物(着色剤と、必要に応じてトナー粒子内に内添される離型剤等の内添剤との混合物)が再結晶化し、分散径が大きくなる場合がある。一方、上記平均降温速度で急冷すると、混練工程終了直後の分散状態がそのまま保たれるため好ましい。なお上記平均降温速度とは、混練工程終了の際における混練物の温度(例えば図1のスクリュー押出し機11を用いた場合は、t2℃)から40℃まで降温させる速度の平均値をいう。
冷却工程における冷却方法としては、具体的には、例えば、冷水又はブラインを循環させた圧延ロール及び挟み込み式冷却ベルト等を用いる方法が挙げられる。なお、前記方法により冷却を行う場合、その冷却速度は、圧延ロールの速度、ブラインの流量、混練物の供給量、混練物の圧延時のスラブ厚等で決定される。スラブ厚は、1mm以上3mm以下の薄さであることが好ましい。
-粉砕工程-
冷却工程により冷却された混練物は、粉砕工程により粉砕され、粒子が形成される。粉砕工程では、例えば、機械式粉砕機、ジェット式粉砕機等が使用される。また、必要に応じて粒子を熱風等で加熱処理して球形化してもよい。
-分級工程-
粉砕工程により得られた粒子は、必要に応じて、目的とする範囲の粒度分布のトナー粒子を得るため、分級工程により分級を行ってもよい。分級工程においては、従来から使用されている遠心式分級機、慣性式分級機等が使用され、微粉(目的とする範囲の粒径よりも小さい粒子)及び粗粉(目的とする範囲の粒径よりも大きい粒子)が除去される。
-外添工程-
得られたトナー粒子は、帯電調整、流動性付与、電荷交換性付与等を目的として、シリカ、チタニア、酸化アルミに代表される無機粒子を添加付着してもよい。これらは、例えばV型ブレンダーやヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー等によって行われ、段階を分けて付着させてもよい。
-篩分工程-
上記外添工程の後に、必要に応じて篩分工程を設けてもよい。篩分方法としては、具体的には、例えば、ジャイロシフター、振動篩分機、風力篩分機等が挙げられる。篩分することにより、外添剤の粗粉等が取り除かれ、感光体上の筋の発生、装置内のぼた汚れなどが抑制される。
本実施形態においては、トナー粒子の形状やトナー粒子の粒子径を制御しやすく、コアシェル構造などトナー粒子構造の制御範囲も広い凝集合一法を用いてもよい。
以下、凝集合一法によるトナー粒子の製造方法について詳しく説明する。
具体的には、例えば、トナー粒子を凝集合一法により製造する場合、
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
以下、各工程の詳細について説明する。
なお、以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
-樹脂粒子分散液準備工程-
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
ここで、樹脂粒子分散液は、例えば、樹脂粒子を界面活性剤により分散媒中に分散させることにより調製する。
樹脂粒子分散液に用いる分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも特に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂粒子分散液において、樹脂粒子を分散媒に分散する方法としては、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミル等の一般的な分散方法が挙げられる。また、樹脂粒子の種類によっては、例えば転相乳化法を用いて樹脂粒子分散液中に樹脂粒子を分散させてもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶媒中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
樹脂粒子分散液中に分散する樹脂粒子の体積平均粒径としては、例えば0.01μm以上1μm以下が好ましく、0.08μm以上0.8μm以下がより好ましく、0.1μm以上0.6μm以下がさらに好ましい。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA-700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の含有量としては、例えば、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。
なお、樹脂粒子分散液と同様にして、例えば、着色剤粒子分散液、離型剤粒子分散液も調製される。つまり、樹脂粒子分散液における粒子の体積平均粒径、分散媒、分散方法、及び粒子の含有量に関しては、着色剤粒子分散液中に分散する着色剤粒子、及び離型剤粒子分散液中に分散する離型剤粒子についても同様である。
-凝集粒子形成工程-
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
具体的には、例えば、混合分散液に凝集剤を添加すると共に、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後、樹脂粒子のガラス転移温度(具体的には、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度-30℃以上ガラス転移温度-10℃以下)の温度に加熱し、混合分散液に分散された粒子を凝集させて、凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで撹拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤としては、例えば、混合分散液に添加される分散剤として用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩、2価以上の金属錯体が挙げられる。特に、凝集剤として金属錯体を用いた場合には、界面活性剤の使用量が低減され、帯電特性が向上する。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体等が挙げられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
本実施形態に係るトナー粒子は、上述のように従来のトナー粒子に比較して体積平均粒径(D50v)よりも大粒径側のトナー粒子の分布が広大であるという粒度分布を呈する。また、従来のトナー粒子に比較して不定形側のトナー粒子の円形度の分布が狭い。このような物性を呈するトナー粒子を1回の凝集粒子形成工程で形成することは困難な場合がある。本実施形態に係るトナー粒子を製造する場合、混合分散液の撹拌速度、混合分散液を加熱する際の温度上昇率(℃/分)などを異にする少なくとも2回の凝集粒子形成工程を経て複数種の凝集粒子を形成し、これを混合して後述の融合・合一工程に供してもよい。
例えば、混合分散液の撹拌速度を上げることにより、凝集粒子の円形度は高くなりやすい。混合分散液の撹拌速度を下げることにより、凝集粒子の円形度は低くなりやすい。混合分散液を加熱する際の温度上昇率を上げることにより、凝集粒子の円形度は低くなりやすい。混合分散液を加熱する際の温度上昇率を下げることにより、凝集粒子の円形度は高くなりやすい。したがって、混合分散液の撹拌速度や混合分散液を加熱する際の温度上昇率、凝集粒子の粒径を制御することで粒度分布と円形度が所望のトナーを得られる。
-融合・合一工程-
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
以上の工程を経て、トナー粒子が得られる。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
ここで、融合・合一工程終了後は、溶液中に形成されたトナー粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナー粒子を得る。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、気流乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
そして、本実施形態に係るトナーは、例えば、得られた乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。混合は、例えばVブレンダー、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー等によって行うことがよい。更に、必要に応じて、振動篩分機、風力篩分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
-通気流動性エネルギー-
本実施形態のトナーは、パウダーレオメータを用いて回転翼の先端スピードを100mm/secとし回転翼の進入角度を-5°とし通気流量を0ml/minとする条件で測定された基本流動性エネルギーが、100mJ以上250mJ以下であることが好ましく、110mJ以上230mJ以下であることがより好ましく、120mJ以上210mJ以下であることがさらに好ましい。通気流動性エネルギーが100mJ以上250mJ以下であると、トナーの流動性がより向上するため微細な転写が可能となる。その結果、多次色ハーフトーン画像の画像ムラがより抑制される。
本実施形態のトナーは、パウダーレオメータを用いて回転翼の先端スピードを100mm/secとし回転翼の進入角度を-5°とし通気流量を80ml/minとする条件で測定された通気流動性エネルギーが、40mJ以下であることが好ましく、35mJ以下であることがより好ましく、30mJ以下であることがさらに好ましい。通気流動性エネルギーが40mJ以下であることで、高画像密度のトナー画像を形成した後に多次色ハーフトーン画像を形成した場合の多次色ハーフトーン画像の画像ムラがさらに抑制される。
次に、パウダーレオメータによる流動性測定方法について説明する。
パウダーレオメータは、充填した粒子中を回転翼が螺旋状に回転することによって得られる回転トルクと垂直荷重とを同時に測定して、流動性を直接的に求める流動性測定装置である。回転トルクと垂直荷重の両方を測定することで、粉体自身の特性や外部環境の影響を含めた流動性について、高感度に検出する。また、粒子の充填の状態を一定とした上で測定を行うため、再現性の良好なデータを得られる。
パウダーレオメータとしてfreeman technology社製のFT4を用いて測定する。なお、測定前に温湿度の影響をなくすため、現像剤(又はトナー)は、温度25℃、湿度45%RHの状態で、8時間以上放置したものを用いる。
まず、現像剤(又はトナー)を内径25mmのスプリット容器(高さ61mmの25mL容器の上に高さ22mmの円筒を載せ、上下に分離できるようにしたもの)に、高さ61mmを越える量の現像剤(又はトナー)を充填する。
現像剤(又はトナー)を充填した後、充填された現像剤(又はトナー)を穏やかに撹拌することによりサンプルの均質化を行う操作を実施する。この操作を以下ではコンディショニングと呼ぶことにする。
コンディショニングでは、充填した状態で現像剤(又はトナー)にストレスを与えないようトナーからの抵抗を受けない回転方向で回転翼を緩やかに撹拌して、過剰の空気や部分的ストレスのほとんどを除去し、サンプルを均質な状態にする。具体的なコンディショニング条件は、容器内を底面からの高さ70mmから2mmまで、5°の進入角で、40mm/secの回転翼の先端スピードで撹拌を行う。
このとき、プロペラ型の回転翼が、回転と同時に下方向にも運動するので先端はらせんを描くことになり、このときのプロペラ先端が描くらせん経路の角度を進入角度と呼ぶ。
コンディショニング操作を4回繰り返した後、スプリット容器の容器上端部を静かに動かし、高さ61mmの位置において、ベッセル内部の現像剤(又はトナー)をすり切って、25mL容器を満たすトナーを得る。コンディショニング操作を実施するのは、流動性エネルギー量を安定して求めるためには、常に安定して体積一定の粉体を得ることが重要であるからである。
更にコンディショニング操作を1回行ったあとに、容器内を底面からの高さ55mmから2mmまで、進入角度-5°で移動しながら回転翼の先端スピード100mm/secで回転するときの、回転トルクと垂直荷重を測定する。このときのプロペラの回転方向は、コンディショニングと逆方向(上から見て右回り)である。
底面からの高さHに対する回転トルク又は垂直荷重の関係を図2(A)、図2(B)に示す。回転トルクと垂直荷重から、高さHに対してのエネルギー勾配(mJ/mm)を求めたものが、図3である。図3のエネルギー勾配を積分して得られた面積(図3の斜線部分)が、流動性エネルギー量(mJ)となる。底面からの高さ2mmから55mmの区間を積分して流動性エネルギー量を求める。
また、誤差による影響を少なくするため、このコンディショニングとエネルギー測定操作のサイクルを5回行って得られた平均値を、流動性エネルギー量(mJ)とする。
回転翼は、freeman technology社製の図4に示す2枚翼プロペラ型のφ23.5mm径である。
そして、上記回転翼の回転トルクと垂直荷重を測定する際、容器底部から目的とする通気流量(ml/min)で空気を流入しながら測定した流動性エネルギー量が、「通気流動性エネルギー量」であり、当該容器底部から通気せず、即ち通気流量0ml/minで測定した流動性エネルギー量が「基本流動性エネルギー量」である。なお、freeman technology社製のFT4では、通気量の流入状態は制御されている。
<トナーセット>
本実施形態に係るトナーセットは、互いに異なる色を呈するn種(nは2以上の整数)の静電荷像現像用トナーを有し、前記静電荷像現像用トナーの少なくとも1つが、大径側体積粒度分布指標(GSDv(90/50))が1.26以上であり、小径側数粒度分布指標(GSDp(50/10))が1.28以下であり、平均円形度が0.95以上1.00以下であり、不定形側円形度分布指標(GSD(50/10))が1.03以下であるトナー粒子を含む。つまり、本実施形態に係るトナーセットは、互いに異なる色を呈するn種(nは2以上の整数)の静電荷像現像用トナーを有し、前記静電荷像現像用トナーの少なくとも1つが、本実施形態に係るトナーである。
本実施形態に係るトナーセットは、静電荷像現像用トナーのいずれもが、本実施形態に係るトナーであることが好ましい。
本実施形態に係るトナーセットでは、静電荷像現像用トナーのいずれもが、本実施形態に係るトナーである場合、パウダーレオメータを用いて回転翼の先端スピードを100mm/secとし回転翼の進入角度を-5°とし通気流量を0ml/minとする条件で測定された静電荷像現像用トナーの各々についての基本流動性エネルギーの最大値と最小値との差(つまり、基本流動性エネルギーの値が最も大きいトナーについての基本流動性エネルギーと、基本流動性エネルギーの値が最も小さいトナーについての基本流動性エネルギーとの差の絶対値)が、50mJ以下であることが好ましく、40mJ以下であることがより好ましく、30mJ以下であることがさらに好ましい。基本流動性エネルギーの最大値と最小値との差が50mJ以下であると、多次色ハーフトーン画像の画像ムラがより抑制される。
<静電荷像現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に被覆樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。
なお、磁性粉分散型キャリア、及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
磁性粉としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられる。
被覆樹脂、及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
ここで、芯材の表面に被覆樹脂を被覆するには、被覆樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶媒を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
二成分現像剤における、トナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
<画像形成装置/画像形成方法>
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置では、像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、本実施形態に係る静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法(本実施形態に係る画像形成方法)が実施される。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体の表面に形成されたトナー画像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー画像の転写後、帯電前の像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー画像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、現像手段を含む部分が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容した現像手段を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図5は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
図5に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ロール22及び中間転写ベルト20内面に接する支持ロール24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。なお、支持ロール24は、図示しないバネ等により駆動ロール22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ロール22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーの供給がなされる。
第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。なお、第1のユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1のユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ロール(帯電手段の一例)2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yによって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段の一例)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段の一例)4Y、現像したトナー画像を中間転写ベルト20上に転写する一次転写ロール5Y(一次転写手段の一例)、及び一次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)6Yが順に配置されている。
なお、一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が-600V乃至-800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率:1×10-6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で撹拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体の一例)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー画像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー画像が予め定められた一次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー画像が一次転写へ搬送されると、一次転写ロール5Yに一次転写バイアスが印加され、感光体1Yから一次転写ロール5Yに向う静電気力がトナー画像に作用され、感光体1Y上のトナー画像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(-)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μAに制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2のユニット10M以降の一次転写ロール5M、5C、5Kに印加される一次転写バイアスも、第1のユニットに準じて制御されている。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー画像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト内面に接する支持ロール24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された二次転写ロール(二次転写手段の一例)26とから構成された二次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体の一例)Pが供給機構を介して二次転写ロール26と中間転写ベルト20とが接触した隙間に予め定められたタイミングで給紙され、二次転写バイアスが支持ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(-)と同極性の(-)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー画像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー画像が記録紙P上に転写される。なお、この際の二次転写バイアスは二次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段の一例)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれトナー画像が記録紙P上へ定着され、定着画像が形成される。
トナー画像を転写する記録紙Pとしては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙が挙げられる。記録媒体は記録紙P以外にも、OHPシート等も挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑が好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
<プロセスカートリッジ/トナーカートリッジ>
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
なお、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、上記構成に限られず、現像装置と、その他、必要に応じて、例えば、像保持体、帯電手段、静電荷像形成手段、及び転写手段等のその他手段から選択される少なくとも一つと、を備える構成であってもよい。
以下、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図6は、本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
図6に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図6中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
なお、図5に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」および「%」は質量基準である。
(ポリエステル樹脂分散液の調製)
・テレフタル酸 :30モル部
・フマル酸 :70モル部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物 :5モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物 :95モル部
撹拌装置、窒素導入管、温度センサ、及び精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに、上記の材料を仕込み、1時間を要して温度を220℃まで上げ、上記材料100部に対してチタンテトラエトキシド1部を投入した。生成する水を留去しながら0.5時間を要して230℃まで温度を上げ、該温度で1時間脱水縮合反応を継続した後、反応物を冷却した。こうして、重量平均分子量18,000、酸価15mgKOH/g、ガラス転移温度60℃のポリエステル樹脂を合成した。
温度調節手段及び窒素置換手段を備えた容器に、酢酸エチル40部及び2-ブタノール25部を投入し、混合溶媒とした後、ポリエステル樹脂100部を徐々に投入し溶解させ、ここに、10%アンモニア水溶液(樹脂の酸価に対してモル比で3倍量相当量)を入れて30分間撹拌した。
次いで、容器内を乾燥窒素で置換し、温度を40℃に保持して、混合液を撹拌しながらイオン交換水400部を2部/分の速度で滴下し、乳化を行った。滴下終了後、乳化液を室温(20℃乃至25℃)に戻し、体積平均粒径200nmの樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液を得た。該樹脂粒子分散液にイオン交換水を加え、固形分量を20%に調整して、ポリエステル樹脂分散液とした。
(シアン着色粒子分散液の調製)
・C.I.Pigment Blue 15:3: 50部
・イオン系界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬): 5部
・イオン交換水: 192.9部
上記成分を混合し、アルティマイザ(スギノマシン社製)により240MPaで10分処理し、シアン着色粒子分散液(固形分濃度:20%)を調製した。
(マゼンタ着色粒子分散液(1)の調製)
着色剤をC.I.Pigment Red 122に変更した以外はシアン着色粒子分散液の調製と同様にして、マゼンタ着色粒子分散液(1)(固形分濃度:20%)を調製した。
(イエロー着色粒子分散液の調製)
着色剤をC.I.Pigment Yellow74に変更した以外はシアン着色剤分散液の調製と同様にして、イエロー着色粒子分散液(固形分濃度:20%)を調製した。
(離型剤粒子分散液の調製)
・パラフィンワックス(日本精蝋(株)製 HNP-9) :100部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK) :1部
・イオン交換水 :350部
上記材料を混合して100℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径200nmの離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液(固形分量20%)を得た。
<マゼンタトナー1の作製>
<凝集粒子1の作製>
・イオン交換水: 107部
・ポリエステル樹脂分散液: 95部
・マゼンタ着色粒子分散液(1): 2.5部
・離型剤粒子分散液: 5部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、20%): 1.4部
上記成分を、温度計、pH計、撹拌機を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、撹拌回転数150rpmにて、30分間保持した。その後0.3N硝酸水溶液を添加し、凝集工程でのpHを3.0に調整した。
ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)で分散しながら、PAC(王子製紙(株)製:30%粉末品)0.35部をイオン交換水3.5部に溶解させたPAC水溶液を添加した。その後、0.4℃/分で50℃まで昇温し、コールターマルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径を5.0μmとした。
<凝集粒子2の作製>
・イオン交換水: 107部
・ポリエステル樹脂分散液: 95部
・マゼンタ着色粒子分散液(1): 2.5部
・離型剤粒子分散液: 5部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、20%): 1.4部
上記成分を、温度計、pH計、撹拌機を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、撹拌回転数180rpmにて、30分間保持した。その後0.3N硝酸水溶液を添加し、凝集工程でのpHを3.0に調整した。
ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)で分散しながら、PAC(王子製紙(株)製:30%粉末品)0.35部をイオン交換水3.5部に溶解させたPAC水溶液を添加した。その後、0.25℃/分で50℃まで昇温し、コールターマルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径を5.3μmとした。
<トナーの作製>
凝集粒子1に凝集粒子2を混合し、その後ポリエステル樹脂分散液93部を追添加し、凝集粒子の表面に樹脂粒子を付着(シェル構造)させた。
続いて、10%のNTA(ニトリロ三酢酸)金属塩水溶液(キレスト70:キレスト株式会社製)を20部加えた後、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、昇温速度を0.05℃/分にして90℃まで昇温し、90℃で3時間保持した後、冷却し、ろ過して粗トナー粒子を得た。これを更にイオン交換水にて再分散し、ろ過することを繰り返して、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。得られたトナー粒子の体積平均粒子径は6.1μmであった。
得られたトナー粒子100部に対して疎水性シリカ(日本アエロジル社製、RY50)を1.5部と疎水性酸化チタン(日本アエロジル社製、T805)を1.0部とを、サンプルミルを用いて10000rpmで30秒間混合した。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してマゼンタトナー1を調製した。
得られたトナー粒子及びマゼンタトナー1についての各種パラメータを表1にまとめて示す。
<マゼンタトナー2の作製>
凝集粒子2の作製において凝集粒子の体積平均粒径を5.1μmに変更した以外は、マゼンタトナー1と同様にしてマゼンタトナー2を作製した。
得られたトナー粒子及びマゼンタトナー2についての各種パラメータを表1にまとめて示す。
<マゼンタトナー3の作製>
凝集粒子1の作製において撹拌回転数を130rpm、温度上昇率を0.8℃/分に変更した以外は、マゼンタトナー1と同様にしてマゼンタトナー3を作製した。
得られたトナー粒子及びマゼンタトナー3についての各種パラメータを表1にまとめて示す。
<マゼンタトナー4の作製>
トナーの作製において90℃における保持時間を2時間に変更した以外は、マゼンタトナー1と同様にしてマゼンタトナー4を作製した。
得られたトナー粒子及びマゼンタトナー4についての各種パラメータを表1にまとめて示す。
<マゼンタトナー5の作製>
凝集粒子2の作製において撹拌回転数を160rpm、温度上昇率を0.35℃/分に変更した以外は、マゼンタトナー1と同様にしてマゼンタトナー5を作製した。
得られたトナー粒子及びマゼンタトナー5についての各種パラメータを表1にまとめて示す。
<マゼンタトナー6の作製>
トナーの作製において90℃における保持時間を4時間に変更した以外は、マゼンタトナー1と同様にしてマゼンタトナー6を作製した。
得られたトナー粒子及びマゼンタトナー6についての各種パラメータを表1にまとめて示す。
<マゼンタトナー7の作製>
凝集粒子1の作製において撹拌回転数を130rpm、温度上昇率を0.8℃/分に、トナーの作製において90℃における保持時間を2.5時間に変更した以外は、マゼンタトナー1と同様にしてマゼンタトナー7を作製した。
得られたトナー粒子及びマゼンタトナー7についての各種パラメータを表1にまとめて示す。
<マゼンタトナー8の作製>
凝集粒子1の作製において撹拌回転数を130rpm、温度上昇率を0.8℃/分に、凝集粒子2の作製において凝集粒子の体積平均粒径を5.1μmに、トナーの作製において90℃における保持時間を2.5時間に変更した以外は、マゼンタトナー1と同様にしてマゼンタトナー8を作製した。
得られたトナー粒子及びマゼンタトナー8についての各種パラメータを表1にまとめて示す。
<マゼンタトナー9の作製>
(ポリエステル樹脂の作製)
撹拌器、温度計、コンデンサー、及び窒素ガス導入管を備えた反応容器中に、シクロヘキサンジメタノール:72.1部と、テレフタル酸ジメチルエステル:67.9部と、イソフタル酸ジメチルエステル:87.3部と、シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステル:40.0部と、触媒としてチタンテトラブトキサイド:1.0部とを投入し、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、マントルヒーター中で加熱し、窒素ガス気流下、約190℃で約5時間撹拌反応させた。この後、室温まで冷却し、エチレングリコール124部とチタンテトラブトキサイド0.5部とを投入し、さらに窒素ガス気流下、約190℃で約5時間撹拌反応させた。撹拌を続けながら約100℃まで冷却し、シリカ薄層クロマトグラフィー(TLC)で酸成分モノマーが残留していないことを確認した後、反応容器内を約0.6mmHgまで減圧し、反応容器内温度を約10℃/5分の割合で約230℃まで上昇させ、そのまま230℃で約2時間反応させて、淡黄色透明なポリエステル樹脂を得た。
(トナーの作製)
ポリエステル樹脂:96部と、C.I.Pigment Red 122:2部とを、バンバリーミキサー型混練機で溶融混練し、混練から7分後にパラフィンワックス(日本精蝋(株)製 HNP-9):2部を加えてさらに8分間溶融混練した。混練物を圧延ロールで厚さ1cm程度の板状に成形し、フィッツミル型粉砕機で数ミリ程度まで粗粉砕し、IDS型粉砕機で加熱処理しながら微粉砕を行った。さらにエルボー型分級機で分級を行い、トナーを得た。
得られたトナー粒子及びマゼンタトナー9についての各種パラメータを表1にまとめて示す。
<マゼンタトナー10の作製>
(未変性ポリエステル樹脂(1)の作製)
・テレフタル酸 :1243部
・ビスフェノールA エチレンオキサイド付加物 :1830部
・ビスフェノールA プロピレンオキサイド付加物 :840部
上記成分を180℃で加熱混合した後、ジブチル錫オキサイド3部を加え、220℃で加熱しながら水を留去し、未変性ポリエステル樹脂を得た。得られた未変性ポリエステル樹脂のガラス転移温度Tgは60℃、酸価は3mgKOH/g、水酸基価は1mgKOH/gであった。
(ポリエステルプレポリマー(1)の作製)
・テレフタル酸 :1243部
・ビスフェノールA エチレンオキサイド付加物 :1830部
・ビスフェノールA プロピレンオキサイド付加物 :840部
上記成分を180℃で加熱混合した後、ジブチル錫オキサイド3部を加え、220℃で加熱しながら水を留去し、ポリエステルを得た。得られたポリエステル350部、トリレンジイソシアネート50部、酢酸エチル450部を容器に入れ、この混合物を130℃で3時間加熱して、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(1)(以下「イソシアネート変性ポリエステルプレポリマー(1)」)を得た。
(ケチミン化合物(1)の作製)
容器にメチルエチルケトン50部とヘキサメチレンジアミン150部を入れ、60℃で撹拌してケチミン化合物(1)を得た。
(マゼンタ着色剤分散液(2)の作製)
・C.I.Pigment Red 122:50部
・酢酸エチル :200部
上記成分を混合し、混合物を濾過して酢酸エチル200部と更に混合する操作を5回繰り返した後、乳化分散機キャビトロン(太平洋機工(株)製、CR1010)を用いて1時間ほど分散して、マゼンタ着色剤分散液(2)(固形分濃度:20%)を得た。
(離型剤分散液(1)の作製)
・パラフィンワックス(融解温度89℃) :30部
・酢酸エチル :270部
上記成分を10℃に冷却した状態で、マイクロビーズ型分散機(DCPミル)により湿式粉砕し、離型剤分散液(1)を得た。
(油相液(1)の作製)
・未変性ポリエステル樹脂(1) :136部
・マゼンタ着色剤分散液(2) :500部
・酢酸エチル :56部
上記成分を撹拌混合後、得られた混合物に離型剤分散液(1)75部を加え、撹拌して、油相液(1)を得た。
(スチレンアクリル樹脂粒子分散液(1)の作製)
・スチレン :2850部
・n-ブチルアクリレート :115部
・アクリル酸 : 4部
・ドデカンチオール :5部
・四臭化炭素 : 4部
上記成分を混合し、溶解した混合物を、非イオン性界面活性剤(三洋化成工業(株)製:ノニポール400)6部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)10部をイオン交換水560部に溶解した水溶液に、フラスコ中で乳化した後、10分間混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4部をイオン交換水50部に溶解した水溶液を投入し、窒素置換を行った後、前記フラスコ内を撹拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。こうして、平均粒子径が180nm、重量平均分子量(Mw)が25,500である樹脂粒子を分散させてなるスチレンアクリル樹脂粒子分散液(1)(樹脂粒子濃度:40%)を得た。なお、スチレンアクリル樹脂粒子のガラス転移温度は55℃であった。
(水相液(1)の作製)
・スチレンアクリル樹脂粒子分散液(1) :60部
・セロゲンBS-H(第一工業製薬(株))の2%水溶液 :200部
・イオン交換水 :200部
上記成分を撹拌混合し、水相液(1)を得た。
(トナー粒子(1)の作製)
・油相液(1) :300部
・イソシアネート変性ポリエステルプレポリマー(1) :25部
・ケチミン化合物(1) :0.5部
上記成分を容器に入れ、ホモジナイザー(ウルトラタラックス:IKA社製)により2分間撹拌して油相液(1P)を得た後、容器に水相液(1)1000部を加え、ホモジナイザーで10分間撹拌した。次に、室温(25℃)、常圧(1気圧)で48時間、プロペラ型撹拌機でこの混合液を撹拌し、イソシアネート変性ポリエステルプレポリマー(1)とケチミン化合物(1)とを反応させ、ウレア変性ポリエステル樹脂を生成すると共に、有機溶媒を除去し、粒状物を形成した。次に、粒状物を水洗、乾燥及び分級して、トナー粒子を得た。トナー粒子の体積平均粒径は6.1μmであった。
得られたトナー粒子及びマゼンタトナー10についての各種パラメータを表1にまとめて示す。
<マゼンタトナー11の作製>
凝集粒子2の作製において凝集粒子の体積平均粒径を5.0μmに変更した以外は、マゼンタトナー1と同様にしてマゼンタトナー11を作製した。
得られたトナー粒子及びマゼンタトナー11についての各種パラメータを表1にまとめて示す。
<マゼンタトナー12の作製>
凝集粒子1の作製において撹拌回転数を130rpm、温度上昇率を1.0℃/分に変更した以外は、マゼンタトナー1と同様にしてマゼンタトナー12を作製した。
得られたトナー粒子及びマゼンタトナー12についての各種パラメータを表1にまとめて示す。
<マゼンタトナー13の作製>
トナーの作製において90℃における保持時間を1.5時間に変更した以外は、マゼンタトナー1と同様にしてマゼンタトナー13を作製した。
得られたトナー粒子及びマゼンタトナー13についての各種パラメータを表1にまとめて示す。
<マゼンタトナー14の作製>
凝集粒子2の作製において撹拌回転数を150rpm、温度上昇率を0.4℃/分に変更した以外は、マゼンタトナー1と同様にしてマゼンタトナー14を作製した。
得られたトナー粒子及びマゼンタトナー14についての各種パラメータを表1にまとめて示す。
<マゼンタトナー15の作製>
トナーの作製において90℃における保持時間を4.5時間に変更した以外は、マゼンタトナー1と同様にしてマゼンタトナー15を作製した。
得られたトナー粒子及びマゼンタトナー15についての各種パラメータを表1にまとめて示す。
<マゼンタトナー16の作製>
凝集粒子1の作製において撹拌回転数を130rpm、温度上昇率を0.8℃/分に、トナーの作製において90℃を92℃に、保持時間を2時間に変更した以外は、マゼンタトナー1と同様にしてマゼンタトナー16を作製した。
得られたトナー粒子及びマゼンタトナー16についての各種パラメータを表1にまとめて示す。
<マゼンタトナー17の作製>
凝集粒子1の作製において撹拌回転数を130rpm、温度上昇率を0.8℃/分に、凝集粒子2の作製において凝集粒子の体積平均粒径を5.8μmに、トナーの作製において90℃を91℃に、保持時間を2.5時間に変更した以外は、マゼンタトナー1と同様にしてマゼンタトナー17を作製した。
得られたトナー粒子及びマゼンタトナー17についての各種パラメータを表1にまとめて示す。
<マゼンタトナー18の作製>
<トナーの作製>
・イオン交換水: 215部
・ポリエステル樹脂分散液: 190部
・マゼンタ着色粒子分散液: 5部
・離型剤粒子分散液: 10部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、20%): 2.8部
上記成分を、温度計、pH計、撹拌機を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、撹拌回転数130rpmにて、30分間保持した。その後0.3N硝酸水溶液を添加し、凝集工程でのpHを3.0に調整した。
ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)で分散しながら、PAC(王子製紙(株)製:30%粉末品)0.7部をイオン交換水7部に溶解させたPAC水溶液を添加した。その後、攪拌しながら1.0℃/分で50℃まで昇温し、コールターマルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径を5.0μmとした。その後ポリエステル樹脂分散液93部を追添加し、凝集粒子の表面に樹脂粒子を付着(シェル構造)させた。
続いて、10%のNTA(ニトリロ三酢酸)金属塩水溶液(キレスト70:キレスト株式会社製)を20部加えた後、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、昇温速度を0.05℃/分にして90℃まで昇温し、90℃で1.5時間保持した後、冷却し、ろ過して粗トナー粒子を得た。これを更にイオン交換水にて再分散し、ろ過することを繰り返して、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。得られたトナー粒子の体積平均粒子径は6.1μmであった。
得られたトナー粒子100部に対して疎水性シリカ(日本アエロジル社製、RY50)を1.5部と疎水性酸化チタン(日本アエロジル社製、T805)を1.0部とを、サンプルミルを用いて10000rpmで30秒間混合した。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してマゼンタトナー18を調製した。
得られたトナー粒子及びマゼンタトナー18についての各種パラメータを表1にまとめて示す。
<シアントナー1の作製>
凝集粒子1の作製および凝集粒子2の作製において、マゼンタ着色粒子分散液(1)をシアン着色粒子分散液に変更した以外は、マゼンタトナー1と同様にしてシアントナー1を作製した。
得られたトナー粒子及びシアントナー1についての各種パラメータを表1にまとめて示す。
<シアントナー2の作製>
トナーの作製において、マゼンタ着色粒子分散液(1)をシアン着色粒子分散液に変更した以外は、マゼンタトナー27と同様にしてシアントナー2を作製した。
得られたトナー粒子及びシアントナー2についての各種パラメータを表1にまとめて示す。
<イエロートナー1の作製>
凝集粒子1の作製および凝集粒子2の作製において、マゼンタ着色粒子分散液(1)をイエロー着色粒子分散液に変更した以外は、マゼンタトナー1と同様にしてイエロートナー1を作製した。
得られたトナー粒子及びイエロートナー1についての各種パラメータを表1にまとめて示す。
<イエロートナー2の作製>
トナーの作製において、マゼンタ着色粒子分散液(1)をイエロー着色粒子分散液に変更した以外は、マゼンタトナー27と同様にしてイエロートナー2を作製した。
得られたトナー粒子及びイエロートナー2についての各種パラメータを表1にまとめて示す。
上述のようにして得られた各トナーとキャリアとを、トナー:キャリア=5:95(質量比)の割合でVブレンダーに入れ、20分間撹拌し、各現像剤を得た。
なお、キャリアは次のように作製されたものを用いた。
・フェライト粒子(体積平均粒子径:50μm): 100部
・トルエン: 14部
・スチレン-メチルメタクリレート共重合体: 2部
(成分比:90/10、Mw=80000)
・カーボンブラック(R330:キャボット社製): 0.2部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて、分散した被覆液を調製し、次に、この被覆液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアを得た。
[評価]
上述のようにして得られた現像剤を、画像形成装置「富士ゼロックス(株)社製DocuCentre color 400」の現像器に充填した。この画像形成装置により、温度35℃、湿度85%RHの環境下で、画像密度が100%のベタ画像を10000枚出力した。その後、電子写真学会テストチャートNo.5-1を出力した。出力画像におけるW1-BKの+0.1の多次色ハーフトーン画像部分のうち10箇所について、エックスライト社製X-Rite939(アパーチャー径4mm)を用いてCIE1976L表色系の座標値(L値、a値及びb値)を求めた。得られた座標値を用いて、色差ΔEを算出した。得られたΔEに基づいて下記基準に従い画像ムラを評価した。評価結果を表2に示す。
なお、色差ΔEは、ΔE=((Δa)+(Δb)+(ΔL)1/2で定義される。
-評価基準-
A:10箇所のΔEの最大値と最小値の差が0.5未満である。
B:10箇所のΔEの最大値と最小値の差が0.5以上1.0未満である。
C:10箇所のΔEの最大値と最小値の差が1.0以上2.0未満である。
D:10箇所のΔEの最大値と最小値の差が2.0以上である。
Figure 0007214338000001
Figure 0007214338000002
1Y、1M、1C、1K、感光体(像保持体の一例)
2Y、2M、2C、2K、帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
117 筐体
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)

Claims (11)

  1. 互いに異なる色を呈するn種(nは2以上の整数)の静電荷像現像用トナーを有し、
    前記静電荷像現像用トナーの少なくとも2つが、大径側体積粒度分布指標(GSDv(90/50))が1.26以上であり、小径側数粒度分布指標(GSDp(50/10))が1.28以下であり、平均円形度が0.969以上0.980以下であり、不定形側円形度分布指標(GSD(50/10))が1.03以下であるトナー粒子を含むトナーセット。
  2. パウダーレオメータを用いて回転翼の先端スピードを100mm/secとし回転翼の進入角度を-5°とし通気流量を0ml/minとする条件で測定された前記少なくとも2つの静電荷像現像用トナーの各々の基本流動性エネルギーが、100mJ以上250mJ以下である請求項1に記載のトナーセット。
  3. パウダーレオメータを用いて回転翼の先端スピードを100mm/secとし回転翼の進入角度を-5°とし通気流量を80ml/minとする条件で測定された前記少なくとも2つの静電荷像現像用トナーの各々の通気流動性エネルギーが、40mJ以下である請求項2に記載のトナーセット。
  4. 前記少なくとも2つの静電荷像現像用トナーのうちのいずれか一方がマゼンタ着色剤を含むマゼンタトナーであるか、又はシアン着色剤を含むシアントナーである請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のトナーセット。
  5. 前記マゼンタ着色剤が、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド185及びC.I.ピグメントレッド238からなる群より選択される少なくとも1種を含む請求項4に記載のトナーセット。
  6. 前記シアン着色剤が、C.I.ピグメントブルー15:1、及びC.I.ピグメントブルー15:3からなる群より選択される少なくとも1種を含む請求項4に記載のトナーセット。
  7. 前記n種(nは2以上の整数)の静電荷像現像用トナーのいずれもが、大径側体積粒度分布指標(GSDv(90/50))が1.26以上であり、小径側数粒度分布指標(GSDp(50/10))が1.28以下であり、平均円形度が0.969以上0.980以下であり、不定形側円形度分布指標(GSD(50/10))が1.03以下であるトナー粒子を含む請求項1~請求項6のいずれか1項に記載のトナーセット。
  8. パウダーレオメータを用いて回転翼の先端スピードを100mm/secとし回転翼の進入角度を-5°とし通気流量を0ml/minとする条件で測定された前記静電荷像現像用トナーの各々についての基本流動性エネルギーの最大値と最小値との差が、50mJ以下である請求項7に記載のトナーセット。
  9. 請求項1~請求項8のいずれか1項に記載のトナーセットを収容し、前記トナーセットのうちの前記少なくとも2つの静電荷像現像用トナーにより、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  10. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    請求項1~請求項8のいずれか1項に記載のトナーセットを収容し、前記トナーセットのうちの前記少なくとも2つの静電荷像現像用トナーにより、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
    を備える画像形成装置。
  11. 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
    請求項1~請求項8のいずれか1項に記載のトナーセットのうちの前記少なくとも2つの静電荷像現像用トナーにより、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
    を有する画像形成方法。
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