JP3684074B2 - トナー、二成分系現像剤及び画像形成方法 - Google Patents

トナー、二成分系現像剤及び画像形成方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法,静電記録法,磁気記録法,トナージェット方式記録法などを利用した記録方法に用いられるトナーに関するものである。詳しくは、本発明は、予め静電潜像担持体上にトナー像を形成後、転写材上に転写させて画像形成する、複写機,プリンター,ファックスに用いられる静電荷像現像用トナー,該トナーを用いた二成分系現像剤及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、現像剤担持体の表面に顕画剤としての乾式現像剤を担持し、静電潜像を担持した潜像担持体の表面近傍に、この現像剤を搬送供給し、そして潜像担持体と現像剤担持体の間に交互(交番)電界を印加しながら静電潜像を現像剤のトナーにより現像して顕像化する方法が良く知られている。
【0003】
なお、上記現像剤担持体は、一般に現像スリーブが用いられる場合が多いので、以下の説明では「現像スリーブ」といい、また、潜像担持体は、一般に感光ドラムが用いられる場合が多いので、以下の説明では「感光ドラム」と称する。
【0004】
上記現像方法として、従来より、例えば二成分系組成(キャリア粒子とトナー粒子)からなる現像剤(二成分系現像剤)により、内部に磁石を配置した現像スリーブの表面に磁気ブラシを形成させ、微少な現像間隙を保持した対向させた感光ドラムにこの磁気ブラシを摺擦または近接させ、そして現像スリーブと感光ドラム間(S−D間)に連続的に交互電界を印加することによってトナー粒子の現像スリーブ側から感光ドラム側への転位及び逆転位を繰り返し行わせて現像を行う、所謂磁気ブラシ現像法が知られている(例えば、特開昭55−32060号公報、特開昭59−165082号公報参照)。
【0005】
このような二成分系現像剤を用いた磁気ブラシ現像法においては、トナー粒子は、キャリア粒子との混合によって摩擦帯電電荷が付与されるが、トナー粒子に比べてキャリア粒子は比重が高いことから、混合的にキャリア粒子との摺擦によってトナー粒子は高い機械的歪力を受けることになり、よって繰り返し現像操作を行っていくとトナー劣化が促進する傾向にある。
【0006】
上述したトナー劣化が生じた場合には、具体的には長期に渡る使用によって、定着画像の濃度が変化する;非画像部にトナー粒子の一部が付着するいわゆる「カブリ」が生じる;画像の精細再現性が悪化する;という現象が起こるものである。
【0007】
更に、電子写真プロセスにおいて、感光体上に形成されているトナー像を転写材に転写後、転写材上に転写されずに感光体上に残ったトナーはクリーニング工程でクリーニング手段により感光体上より除去、回収される。そのクリーニング手段としては、ブレードクリーニング、ファーブラシクリーニング又はローラクリーニングが用いられている。
【0008】
しかしながら、これらのクリーニング手段を用いて感光体上のトナーを除去回収する場合には、装置面からみると、係るクリーニング装置を具備する為に装置が必然的に大きくなり、装置のコンパクト化を目指す時のネックになっており、クリーニング装置のない画像形成装置が望まれる。
【0009】
更には、エコロジーの観点より、トナーの有効活用という意味で廃トナーの出ないクリーニングレスシステムやトナーリユースシステムが望まれている。
【0010】
このような技術として、感光体上の転写残トナーを現像時に現像装置で回収し、回収したトナーを再度現像に用いる現像同時クリーニングという技術が知られている。
【0011】
この現像同時クリーニング(又はクリーナーレス)と呼ばれる技術としては、例えば、特公平5−69427号公報に、感光体一回転につき一画像としており、転写残余のトナーの影響が同一画像に現われない様していることが開示されており、特開昭64−20587号公報、特開平2−259784号公報、特開平4−50886号公報及び特開平5−165378号公報に、転写残余のトナーを散らし部材により感光体上に散らし、非パターン化することで、一画像につき感光体同一表面が複数回利用される場合でも、画像上で顕在化しにくい構成が開示されている。
【0012】
特開平5−2287号公報には、感光体周りのトナー帯電量の関係を規定することで、画像上に転写残余のトナーの影響によるポジメモリ又はネガメモリが出ない構成にしたものが開示されているが、具体的にどの様な構成でトナー帯電量を制御するかが開示されていない。
【0013】
更には、クリーナーレスに関連する技術の開示をしている特開昭59−133573号公報、特開昭62−203182号公報、特開昭63−133179号公報、特開平2−302772号公報、特開平4−155361号公報、特開平5−2289号公報、特開平5−53482号及び特開平5−61383号公報においては、画像露光に関して、高強度の光を照射するか又は、露光波長の光を透過するトナーを用いる方法が提案されている。しかし、露光強度を単に強くするだけでは、潜像自体のドット形成に滲みが生じ孤立ドット再現性が充分でなく、画質の面で解像度が劣る。特にグラフィック画像で階調性のない画像となる。
【0014】
露光波長の光を透過する様なトナーを用いる手段については、なるほど平滑化し、粒界のない定着したトナーについては光透過の影響が大きいが、露光を遮るメカニズムとしてはトナー自体の着色よりは、トナー粒子表面での散乱が主たるものであり効果は薄い。更には、トナーの着色剤の選択の範囲が狭まり、加えてカラー化を目指した時に少なくとも3種類の波長の異なる露光手段が必要であり、現像同時クリーニングの特徴の一つである装置の簡素化に逆行する。
【0015】
接触帯電部材を用いて被帯電部材である感光体への電荷注入による一次帯電を行う接触帯電方式を用いた画像形成方法においては、帯電部材の汚れ(スペント)による帯電不良により画像欠陥を生じ、耐久性に問題が生じる傾向にあることから、帯電部材の汚れによる帯電不良の影響を抑制することが多数枚のプリントを可能にする為、急務であった。
【0016】
接触帯電方式をクリーナーレス、現像同時クリーニング方式の画像形成システムに適用した例としては、特開平4−234063号公報及び特開平6−230652号公報に、背面露光同時現像方式において感光体上の転写残余トナーのクリーニングをも同時に行う画像形成方法が開示されている。
【0017】
しかしながら、これらの提案は帯電電位及び現像印加バイアスを低電界とした画像形成方法に適用されるものであって、従来広く電子写真装置に適用されているより高電界な帯電電位及び現像印加バイアスでの画像形成では、リークによるスジ及びポチの如き画像欠陥を生じてしまう。更に、転写残余トナーの帯電部材への付着による悪影響を非画像形成時に帯電部材に付着したトナーを感光体に移行させることで防ぐ方法が提案されているが、感光体に移行したトナーの現像工程での回収性の向上、現像工程でのトナー回収による現像への影響については触れられていない。
【0018】
更に、現像時に転写残トナーのクリーニング効果が不十分であれば、転写残トナーの存在する感光体表面上に、トナーが現像される為、周囲よりも濃度が高く、ポジゴーストが発生すること;転写残余のトナーが多過ぎると、現像部分で回収し切れずに画像上にポジメモリを生じること;という問題点が生じるが、これらの問題点に対する本質的解決には至っていない。
【0019】
更に、転写残トナーによる遮光が特に問題となるのは、一枚の転写材に対し感光体表面が繰り返し使用される場合、つまり感光体一周分の長さが転写材の進行方向長さよりも短い場合である。転写残トナーが感光体上に存在する状態で帯電露光現像をしなければならないため、転写残トナーの存在する感光体表面部での電位が充分落ち切らず現像コントラストが不十分になるため、反転現像については周囲よりも濃度が低い、ネガゴーストとして画像上に現れること;静電転写を通過した感光体は概ねトナー帯電極性とは逆極性に帯電しており、繰り返し使用による感光体の電荷注入性の劣化によって、帯電部材中で正規の帯電極性に制御されない転写残余のトナーが、画像形成中に帯電部材から漏れて、露光を遮り、潜像を乱し所望の電位を得られず、画像上にネガメモリを発生させること;という問題点が生じるが、これらの問題点に対する本質的解決が求められている。
【0020】
上記電子写真プロセスを用いた複写機やレーザービームプリンターの如き出力機器は近年、低コスト化やデジタル技術の進歩により、多くの画像情報を用い、より原稿に忠実な高画質画像が要求されている。特に印画写真、カタログ、地図等といったものの複写においては、微細な部分に至るまで潰れたり、途切れたりすることなく、極めて微細且つ忠実に再現することが求められてくる。
【0021】
この様な技術の流れの中でトナーの特性としても、現像、転写、定着といったプロセスのもとで、潜像に対しトナーの飛び散りが少なく、トナー自身が高い帯電能を維持しつつ、更に現像後のトナーが100%に近い形で転写材上へ転写される様なものが望まれてくる。
【0022】
電子写真プロセスにおいて画質を向上させる手段としては、(i)現像剤担持体上における現像剤の穂立ちを密な状態に保ちながら、潜像担持体上の潜像像を該穂立ちで摺擦させる手法、(ii)現像剤担持体と潜像担持体との間にバイアス電界を印加させることにより、よりトナーが飛翔し易い形態をとる手法、(iii)現像器自身も器内の撹拌性を高めることで高い帯電能を永続的に維持させようとする手法が用いられており、更には、(iv)潜像のドットサイズ自身を微小にして解像度を向上させる手法も考えられる。
【0023】
この様な現像に係る手段は非常に効果的で、高画質を得る上では重要な技術の一端ではあるが、更なる画質改良といった点に省みると現像剤自身の特性が大きく影響することが考えられる。
【0024】
特にフルカラー画像を得る為の画像形成下においては単色トナーを多数回にわたり現像、転写することで潜像部位にトナーが多層に形成されると最表層に行くにつれ電位の低下を生じ易くなり、最下層と最上層のトナーの現像性が異なったりすることがある。
【0025】
加熱溶融後の混色性も貧弱になり忠実な色再現性を得られなくなるばかりでなく、転写性の低下や非潜像電位部へのトナー飛び散りといった弊害を招くことも多々ある。
【0026】
プロセス的な見地からトナー特性が画質向上に大きく影響することは上記の様に考えられるが、従来より、画質を向上させる目的の為に種々の現像剤が提案されている。例えば特開昭51−3244号公報では、粒度分布を規制して画質向上を意図した非磁性トナーが提案されている。該トナーにおいて、8〜12μmの粒径を有するトナーが主体であり、比較的粗く、この粒径では本発明者らの検討によると潜像への緊密なトナー飛翔は困難であり、且つ、5μm以下の粒径のトナー粒子が30個数%以下含有され、20μm以上の粒径のトナー粒子が5個数%以下含有されるという特性から、粒度分布はブロードであるという点も均一性を低下させる傾向がある。この様な粗めのトナー粒子であり、且つブロードな粒度分布を有するトナーを用いて鮮明なる画像を形成する為には、上記の様な多層構成下で各層のトナー粒子を厚く重ねることでトナー粒子間の間隙を埋め見かけの画像濃度を上げる必要があり、所定の画像濃度を出す為に必要なトナー消費量が増加するといった問題点も有している。
【0027】
特開昭58−129437号公報では平均粒径が6〜10μmであり、最多粒子が5〜8μmである非磁性トナーが提案されているが、5μm以下の粒径の粒子の含有量が15個数%以下と少なく、鮮鋭さの欠けた画像が形成される傾向がある。
【0028】
本発明者らの検討によれば、5μm以下の粒径のトナー粒子が、潜像の微小ドットを明確に再現し、且つ潜像全体へトナーが緻密に載る為の主要な機能であることが確認された。特に感光体上の静電荷潜像においては電気力線の集中の為、エッジ部は内部より電界強度が高く、この部分に集まるトナー粒子の質によって画質の鮮鋭さが左右される。本発明者らの検討によれば5μm以下の粒子の量がハイライト階調性を高めるのに有効であることが判明した。
【0029】
しかしながら、5μm以下の粒径のトナー粒子は、潜像担持体表面への付着力が特に強く、転写残トナーをクリーニングしにくくなる。更に、連続してプリントアウトを続けることにより、紙粉或いはオゾン付加物の如き低電気抵抗物やトナーが感光体上に固着してしまったりすることがある。
【0030】
該低電気抵抗物や固着したトナーを削り取る目的で、特開昭60−32060号公報或いは特開昭60−136752号公報において、窒素吸着によるBET比表面積が0.5〜30m2 /gの無機微粉体を研磨剤として添加することが提案されているが、トナー固着現象を回避するには有効であるものの、現像剤の帯電安定性が向上しなければ所望の研磨効果が得られにくく、結果的にクリーニングの安定化を達成するには不十分であった。
【0031】
更に、特開昭61−188546号公報、特開昭63−289559号公報、特開平7−261446号公報において、2種もしくは3種の無機微粒子がトナーに添加混合された提案がなされているが、流動性の付与及び感光体の固着物質を除去する目的ある研磨効果を主としたものであって、トナーの転写性を著しく高める効果は得られていない。同一種の無機微粒子(例えばシリカ)を用いた場合は、流動性付与の効果以外にトナーの帯電付与性が不安定になりトナー飛散やカブリを招く原因にもなりかねない。更に、平均粒子径のみの提案であり無機微粒子の粒度分布が不明であるが故、有する粒度分布次第によっては感光体へのトナー固着を引き起こす原因になる恐れもある。
【0032】
更なる高画質化を達成する目的で、特開平2−222966号公報にシリカ微粒子とアルミナ微粒子を併用した記載があるが、シリカ微粒子のBETは大きく、トナー間における顕著なスペーサー効果は得られ難い。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、長期に渡る使用においてもトナー劣化が生じることなく、画像濃度安定性、精細部再現性に優れ、カブリの生じない画像が得られるトナー、該トナーを用いた二成分系現像剤及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【0034】
本発明は、トナーが100%に近い形で転写材上へ転写されるトナー、該トナーを用いた二成分系現像剤及び画像形成方法を提供することである。
【0035】
本発明の目的は、長期間使用によるトナー劣化、トナー担持体表面劣化、像担持体表面劣化及び摩耗がいずれも生じ難く、特に感光体表面へのトナーの固着を抑制できるトナー、該トナーを用いた二成分系現像剤及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【0036】
本発明は、帯電特性に優れた帯電部材を用いた画像形成方法を提供することを目的とする。
【0037】
更に、本発明の目的は、本質的にクリーニング装置を用いない耐久特性に優れた画像形成方法を提供することを目的とする。
【0038】
更に、本発明は、画像形成装置自体の簡素化が可能な画像形成方法を提供することを目的とする。
【0039】
本発明は、スペーサー粒子を有する帯電付与特性に優れたトナー、該トナーと良好な帯電特性を維持出来る帯電部材とを用いた画像形成方法を提供することを目的とする。
【0040】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明の構成によって達成される。
【0041】
本発明は、少なくともトナー粒子及び外添剤を有するトナーにおいて、該トナーは、(a)フロー式粒子像分析装置によって測定される粒子の円形度分布において、0.920乃至0.995の平均円形度を有し、且つ円形度0.950未満の粒子を2乃至40個数%含有しており、且つ(b)コールター法によって測定される重量平均粒径2.0乃至9.0μmを有しており、該外添剤は、該トナー粒子上で、一次粒子又は二次粒子の状態で存在している平均長径が10mμm乃至400mμm及び形状係数SF−1が100乃至130の無機微粉体(A)と、粒子が複数合一することにより生成された形状係数SF−1が150より大きい非球形状無機微粉体(B)とを少なくとも有していることを特徴とするトナーに関する。
【0042】
本発明は、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有するトナー粒子及び外添剤粒子を有するトナーとキャリアとを有する二成分系現像剤において、該トナーは、(a)フロー式粒子像分析装置によって測定される粒子の円形度分布において、0.920乃至0.995の平均円形度を有し、且つ円形度0.950未満の粒子を2乃至40個数%含有しており、且つ(b)コールター法によって測定される重量平均粒径2.0乃至9.0μmを有しており、該外添剤は、該トナー粒子上で、一次粒子又は二次粒子の状態で存在している平均長径が10mμm乃至400mμm及び形状係数SF−1が100乃至130の無機微粉体(A)と、粒子が複数合一することにより生成された形状係数SF−1が150より大きい非球形状無機微粉体(B)とを少なくとも有していることを特徴とする二成分系現像剤に関する。
【0043】
本発明は、(I)静電潜像を担持するための潜像担持体を帯電する帯電工程;(II)帯電された潜像担持体に静電潜像を形成する潜像形成工程;(III)該潜像担持体の静電潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成する現像工程;及び(IV)該潜像担持体上に形成されたカラートナー画像を転写材に転写する転写工程;を有する画像形成方法において、該トナーは、(a)フロー式粒子像分析装置によって測定される粒子の円形度分布において、0.920乃至0.995の平均円形度を有し、且つ円形度0.950未満の粒子を2乃至40個数%含有しており、且つ(b)コールター法によって測定される重量平均粒径2.0乃至9.0μmを有しており、該外添剤は、該トナー粒子上で、一次粒子又は二次粒子の状態で存在している平均長径が10mμm乃至400mμm及び形状係数SF−1が100乃至130の無機微粉体(A)と、粒子が複数合一することにより生成された形状係数SF−1が150より大きい非球形状無機微粉体(B)とを少なくとも有していることを特徴とする画像形成方法に関する。
【0044】
【発明の実施の形態】
本発明によれば、長期に渡る使用においても現像剤が劣化することなく、画像濃度安定性、精細部再現性に優れ、カブリの生じない画像が得られるトナーを提供することができる。
【0045】
トナー劣化の生じる原因は、トナー粒子の凸部破損及び微粒子化;外添剤のトナー粒子表面への埋没;及びトナー粒子の帯電特性の不均一化の3点にある。
【0046】
本発明においては、特定の形状及び円形度分布を有するトナー粒子、及び形状,粒径の異なる外添剤微粒子を少なくとも2種用いることによって、長期に渡る使用においてもトナーが劣化することなく、画像濃度安定性及び精細部再現性に優れ、カブリの生じない画像が得られる。
【0047】
本発明の形態について、以下に更に詳細に述べる。
【0048】
本発明のトナーは、フロー式粒子像測定装置による測定で、平均円形度が0.920乃至0.995、好ましくは0.950〜0.995、より好ましくは0.960〜0.995であることが良い。ここにフロー式粒子像測定装置とは粒子撮像の画像解析を統計的に行う装置であり、平均円形度は該装置を用い次式によって求められた円形度の相加平均によって算出される。
【0049】
【外1】
Figure 0003684074
【0050】
上式において、粒子投影像の周囲長とは、二値化された粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さであり、相当円の周囲長とは、二値化された粒子像と同じ面積を有する円の外周の長さである。
【0051】
トナーの平均円形度が0.920未満の場合には、トナー表面上で外添剤が偏在しやすくなり、結果として、画像濃度が不安定になり易く、トナーの平均円形度が0.995を超える場合には、トナー表面上に外添剤が保持されにくくなり、結果として帯電が不均一となりカブリが発生しやすくなる。
【0052】
トナーは、円形度の0.950未満の粒子を2〜40個数%、好ましくは、3〜30個数%含有している。
【0053】
円形度0.950未満の粒子の含有量が2個数%未満の場合には、トナーが最密充填され易くなり、結果として帯電が不均一となりカブリ等が発生しやすくなる。
【0054】
円形度0.950未満の粒子の含有量が40個数%を超える場合には、トナーの流動性が低下し、細線再現性の低下の如き画像劣化を生じやすくなる。
【0055】
本発明において、上記の特定の平均円形度及び特定の円形度分布を有するトナーを製造する方法は、後述する粉砕法で製造したトナー粒子を、水中に分散させ加熱する湯浴法、熱気流中を通過させる熱処理法又は機械的エネルギーを付与して処理する機械的衝撃法を用いて球形化処理することが挙げられる。本発明においては、機械的衝撃法において処理温度をトナー粒子のガラス転移点Tg付近の温度(Tg±10℃)を加える熱機械的衝撃が、凝集防止、生産性の観点から好ましい。更に好ましくは、トナーのガラス転移点Tg±5℃の範囲の温度を行うことが、トナー粒子表面の10mμm以上の半径の細孔を減じ、外添剤粒子を有効に働かせ、転写効率を向上させるのに特に有効である。
【0056】
粉砕法でトナー粒子を製造する方法としては、結着樹脂、及び着色剤、更に必要により離型剤及び電荷制御剤の如きトナー構成材料をヘンシェルミキサー及びメディア分散機の如き混合機を用い均一に分散混合せしめた後、混合物を加圧ニーダー及びエクストルーダーの如き混練機を用いて混練し混練物を冷却後、ハンマーミルの如き粉砕機を用いて粗粉砕し、粗粉砕物を機械的又はジェット気流下でターゲットに衝突させ、所望のトナー粒子粒径に微粉砕化せしめた後、更に分級工程を経て粒度分布をシャープ化せしめてトナー粒子を得る方法である。
【0057】
更に、本発明においては、上記の粉砕法で製造したトナー粒子を球形化処理する方法の他に、上記の特定の平均円形度及び特定の円形度分布を有するトナーを製造する方法としては、特公昭56−13945号公報等に記載のディスク又は多流体ノズルを用い溶融混合物を空気中に霧化し球状トナー粒子を得る方法;特公昭36−10231号公報,特開昭59−53856号公報及び特開昭59−61842号公報に述べられている懸濁重合方法を用いて重合トナー粒子を生成する方法;単量体には可溶で得られる重合体が低溶解性の水系有機溶剤を用い重合トナー粒子を生成する分散重合方法;及び水溶性極性重合開始剤存在下で重合しトナー粒子を生成するソープフリー重合方法に代表される乳化重合方法を用いることができる。
【0058】
本発明においては、特に懸濁重合方法が製造されるトナー粒子の粒度分布がシャープになり、且つ離型剤としてのワックスを多量にトナー粒子中に含有させることができることから好ましい。更に一旦得られた重合トナー粒子に更に単量体を吸着せしめた後、重合開始剤を用い重合せしめるシード重合方法も本発明に好適に利用することができる。
【0059】
本発明のトナーは、重合方法を用いて製造されたトナー粒子を含有する場合においては、以下の如き製造方法によって具体的にトナー粒子を製造することが可能である。単量体中に低軟化物質からなる離型剤、着色剤、荷電制御剤及び重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモジナイザー、超音波分散機によって均一に溶解又は分散せしめた単量体系を、分散安定剤を含有する水相中に通常の撹拌機またはホモミキサー及びホモジナイザーの如き分散器により分散せしめる。好ましくは単量体液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度及び撹拌時間を調整し、造粒する。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行う。
【0060】
このとき、分散安定剤の種類や量、撹拌能力、水相のpH及び重合温度により、円形度分布をコントロールすることができる。
【0061】
本発明において、トナーの円相当径の円形度分布は、フロー式粒子像分布装置FPIA−1000(東亜医用電子社製)を用いて以下の通り測定される。
【0062】
測定は、フィルターを通して微細なごみを取り除き、その結果として10-3cm3 の水中に測定範囲(例えば、円相当径0.60μm以上159.21μm未満)の粒子数が20個以下のイオン交換水に界面活性剤(好ましくは和光純薬製コンタミノン)を0.1〜0.5重量%加えて調製した溶液約10ml(20℃)に測定試料を約0.02g加えて均一に分散させて調製した。分散させる手段としては、株式会社エスエムテー社製の超音波分散機UH−50(振動子は5φのチタン合金チップ)を用いた。分散時間は5分間以上とし、その際、分散媒の温度が40℃以上にならないように適宜冷却した。上記フロー式粒子像測定装置を用い、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布及び円形度分布を測定する。
【0063】
測定の概略は、東亜医用電子社(株)発行のFPIA−1000のカタログ(1995年6月版)、測定装置の操作マニアル及び特開平8−136439号公報に記載されているが、以下の通りである。
【0064】
試料分散液は、フラットで扁平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するように、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れいる粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。更にそれぞれの粒子の2次元画像と同一面積を持つ円(相当円)の周囲長をそれぞれの粒子の2次元画像の周囲長で割って、それぞれの粒子の円形度を算出する。
【0065】
結果(頻度%及び累積%)は、表1に示す通り、0.06〜400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに対して30チャンネルに分割)に分割して得ることができる。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行う。
【0066】
【表1】
Figure 0003684074
【0067】
更に、本発明のトナーが有するトナー粒子は、形状係数SF−1が好ましくは100〜150、より好ましくは100〜130であることが、実用上の耐フィルミング性及び転写性/現像性を高める上で良い。
【0068】
上記の形状係数を有するトナー粒子を有するトナーは高画質化の為、より微小な潜像ドットを忠実に再現させるに必須なばかりでなく、現像器内における機械的高ストレスにも耐える事で現像剤劣化を低減させることが可能となる。更には、高速複写時等における転写性/現像性を十分確保することが出来る。 トナー粒子の形状係数SF−1が150よりも大きい場合には、球形より徐々に不定形となる為、均一な帯電特性が得られ難くなったり、流動性を損ねるといった弊害を生ずることに加えて、トナー粒子同士あるいはトナー粒子とキャリア粒子の如き電荷付与部材との摩擦が大きくなるため、トナー粒子の破損及び微粒子化が生じ、形成される画像にカブリが生じ易く、且つ精細性が低下する。
【0069】
本発明における形状係数を示すSF−1とは、日立製作所FE−SEM(S−800)を用い粒子像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェイスを介してニコレ社製画像解析装置(Luzex3)に導入し解析を行い、下式より算出した値を定義した。
【0070】
【外2】
Figure 0003684074
(式中、MXLNGは画像上測定粒子の絶対最大長を示し、AREAは測定粒子の投影面積を示す。)
【0071】
トナー粒子形状係数SF−1の測定においては、FE−SEMによる1万倍の拡大倍率で行う。
【0072】
本発明のトナーは、トナー粒子及び外添剤を有しており、外添剤は、トナー粒子上で、一次粒子又は二次粒子の状態で存在している無機微粉体(A)と、粒子が複数合一することにより生成された非球形状無機微粉体(B)とを少なくとも有していることにより、トナーの摩擦帯電分布がシャープになり、トナーの流動性が向上し、且つ耐久によるトナー劣化が抑制される。
【0073】
すなわち、無機微粉体(A)は、トナー粒子表面上を適度に移動することにより、トナー粒子表面の電荷を均一化させて、トナーの帯電量分布をシャープにし、且つトナーの流動性を向上させるよう作用し、非球形状無機微粉体(B)は、トナー粒子のスペーサーとして機能することにより、無機微粉体(A)のトナー粒子の埋設を抑制するように作用するものである。
【0074】
一般に、表面に凹凸が少なく球形に近いトナー粒子は、キャリア粒子の如きトナーに摩擦帯電電荷を付与するための部材と接触した場合に、トナー粒子表面に外添されている外添剤の逃げる場所が少なく、トナー粒子表面に埋設され易く、トナー劣化が生じ易い。
【0075】
しかしながら、本発明のトナーは、上述した通り平均円形度が0.920〜0.995であり、円形度0.95未満の粒子の含有量が2〜40個数%である球形に近いトナーであるが、外添剤として無機微粉体(A)と非球形状無機微粉体(B)とをトナー粒子上に有していることから、無機微粉体(A)のトナー粒子表面への埋没を有効に抑制するものである。
【0076】
無機微粉体(A)は、トナー粒子上での平均長径が10乃至400mμm、好ましくは15乃至200mμm、より好ましくは15乃至100mμmであり、かつトナー粒子上での形状係数SF−1が100乃至130、好ましくは100乃至125であることが良い。
【0077】
無機微粉体(A)の平均長径が10mμm未満の場合には、非球形状無機微粉体(B)の粒子と組合せても、トナー粒子の表面に埋め込まれやすくなりトナー劣化が生じてトナー濃度制御安定性が逆に低下しやすい。
【0078】
400mμmを超える場合には、トナーの流動性が充分に得られ難く、トナーの帯電が不均一になりやすく、結果としてトナー飛散やカブリが生じやすい。
【0079】
無機微粉体(A)の形状係数SF−1が130を超える場合には、トナー粒子表面上で無機微粉体(A)の移動が行われ難くなることから、トナーの流動性が低下し易くなる。無機微粉体(A)のトナー粒子上での形状係数SF−1の測定は、FE−SEMによる10万倍の拡大倍率で行う。
【0080】
更に無機微粉体(A)は、長径と短径との比が好ましくは1.5以下、より好ましくは1.3以下であることがトナー粒子の表面上での無機微粉体(A)の移動が行われ易く、トナーの流動性を高めることができる点で良い。
【0081】
無機微粉体(A)は、BET法での窒素吸着による表面積(BET比表面積)が、好ましくは、60乃至230m2 /g、より好ましくは70乃至180m2 /gであることが、トナーの帯電性、流動性が良好で高画質高画像濃度が達成できる点で良い。
【0082】
無機微粉体(A)のBET比表面積が60m2 /g未満の場合には、トナーの流動性が低下し、細線再現性に劣る画像になりやすく、230m2 /gを超える場合には、特に高湿下に長期放置した場合、トナーの帯電性が不安定になり、トナー飛散等の問題が生じやすくなる。
【0083】
本発明に用いられる非球形状無機微粉体(B)は、トナー粒子上の形状係数SF−1が150より大きく、好ましくは190より大きく、更に好ましくは200より大きいことが、無機微粉体(A)のトナー粒子表面への埋没抑制の点で良い。
【0084】
非球形状無機微粉体(B)の形状係数SF−1が150以下の場合には、トナー粒子表面に非球形状無機微粉体(B)自体が埋没し易くなることから、無機微粉体(A)の埋没抑制効果が低下する。
【0085】
非球形状無機微粉体(B)のトナー粒子上の形状係数SF−1の測定は、FE−SEMによる10万倍の拡大倍率で行う。
【0086】
更に非球形状無機微粉体(B)は、トナー粒子上での長径と短径との比が好ましくは、1.7以上、より好ましくは2.0以上、更に好ましくは3.0以上であることがトナー粒子表面への無機微粉体(A)の埋没抑制効果が高い点で良い。
【0087】
非球形状無機微粉体(B)は、平均長径が無機微粉体(A)の平均長径よりも長いことが好ましく、より好ましくは20mμm以上長いこと、更に好ましくは40mμm以上長いことが無機微粉体(A)のトナー粒子表面への埋没抑制の点で良い。
【0088】
非球形状無機微粉体(B)は、トナー粒子上の平均長径が好ましくは120乃至600mμm、より好ましくは130乃至500mμmであること良い。
【0089】
非球形状無機微粉体(B)の平均長径が120mμm未満の場合には、無機微粒子(A)のトナー表面への埋め込みを抑制するスペーサー効果が小さく、結果として、トナーの現像性/転写性が低下し画像濃度が低下しやすくなり、600mμmを超える場合には、上述のスペーサー効果は期待できるものの、トナー表面から遊離しやすくなり、結果として感光体の削れ、傷等が発生しやすくなる。
【0090】
本発明においては、トナーの電子顕微鏡拡大写真において、0.5μm×0.5μmの面積当たり、無機微粉体(A)が平均で好ましくは5個以上、より好ましくは7個以上、更に好ましくは10個以上、及び1.0μm×1.0μmの面積当たり、非球形状無機微粉体(B)が平均で好ましくは1乃至30個、より好ましくは1乃至25個、更に好ましくは5乃至25個、それぞれトナー粒子の表面上に存在していることが好ましい。尚、トナー粒子の表面上に存在する無機微粉体(A)の数は、一次粒子と二次粒子の総数を意味する。
【0091】
トナー粒子上に存在する無機微粉体(A)の数が平均で5個未満の場合には、トナーの流動性が不十分で結果として画像濃度の低下が生じやすくなる。
【0092】
トナー粒子上に存在する非球形状無機微粉体(B)の数が平均で1個未満の場合には、上述のスペーサー機能が維持できず30個を超える場合には、トナー表面から遊離しやすくなり、感光体の削れ、傷などの問題が生じやすくなる。
【0093】
外添剤の平均長径、長径と短径の比、トナー粒子表面における外添剤の存在数の測定は以下の通り行う。
【0094】
無機微粉体(A)の各数値の測定は、FE−SEM(日立製作所製S−800)により10万倍に拡大したトナー粒子表面の写真を撮影し、その拡大写真を用いて行った。
【0095】
まず無機微粉体(A)のトナー粒子上での平均長径は、拡大写真上においてトナー粒子上に存在している無機微粉体(A)の長径を10視野にわたり測定し、その平均値を平均長径とすることにより求めた。更に同様にして無機微粉体(A)の短径の平均値も求め、無機微粉体(A)の長径と短径の比を求めた。尚、無機微粉体(A)の輪郭に接するように引いた平行線のうち、その平行線間が最大となる平行線間の距離を長径とし、平行線間が最小となる平行線間の距離を短径とする。
【0096】
トナー粒子表面における無機微粉体(A)の存在数は、トナー粒子表面0.5μm×0.5μm(10万倍の拡大写真において50mm×50mm)の面積当りの無機微粉体(A)の数を、拡大写真10視野で数え、その平均値を算出することにより求めた。無機微粉体(A)の数をカウントする際には、拡大写真の中心部の0.5μm×0.5μmに相当する部分に存在する無機微粉体(A)を対象とし、一次粒子及び二次粒子の状態で存在している無機微粉体(A)の数を数えた。
【0097】
非球形状無機微粉体(B)の各数値の測定は、FE−SEM(日立製作所製 S−800)により3万倍に拡大したトナー粒子表面の写真を撮影し、その拡大写真を用いて行った。
【0098】
まず非球形状無機微粉体(B)の平均長径は、拡大写真上において無機微粉体(B)の長径を10視野にわたり測定し、その平均値を平均長径とすることにより求めた。更に同様にして短径の平均値も求め、無機微粉体(B)の長径と短径の比を求めた。尚、無機微粉体(B)の合一粒子の輪郭に接するように引いた平行線のうち、その平行線間が最大となる平行線間の距離を長径とし、平行線間が最小となる平行線間の距離を短径とする。
【0099】
トナー粒子表面における無機微粉体(B)の存在数は、トナー粒子表面1.0μm×1.0μm(3万倍の拡大写真において30mm×30mm)の面積当りの無機微粉体(B)の数を、拡大写真10視野で数え、その平均値を算出することにより求めた。無機微粉体(B)の数をカウントする際には、拡大写真の中心部の1.0μm×1.0μmに相当する部分に存在する無機微粉体(B)を対象とした。
【0100】
尚、電子顕微鏡拡大写真における無機微粉体(A)と非球形状無機微粉体(B)との識別は、無機微粉体の組成差がある場合には、FE−SEMにおいて無機微粉体の存在位置を確認し、X線マイクロアナライザーにより指定した特定の元素のみを検出する方法を用いて、無機微粉体(A)と非球形状無機微粉体(B)を別々に検出することにより判断する方法、又は無機微粉体の粒子形状が明確に差がある場合には、電子顕微鏡拡大写真における粒子形状の違いにより判断する方法を用いることができる。
【0101】
非球形状無機微粉体(B)は、BET法での窒素吸着による比表面積(BET比表面積)が、好ましくは20乃至90m2 /g、より好ましくは25乃至80m2 /gであることが、トナー表面へ均一に分級されやすく、かつスペーサー機能も長期にわたって維持できる点で良い。
【0102】
非球形状無機微粉体(B)のBET比表面積が、20m2 /g未満の場合には、感光体上で、トナーから遊離しやすくなり、感光体を削ったり傷をつけやすくなったりしやすい。
【0103】
90m2 /gを超える場合には、感光体上でスペーサー機能が低下し、特に低湿下での転写性の低下などが生じやすくなる。
【0104】
無機微粉体(A)及び非球形状無機微粉体(B)のBET比表面積の測定は、QUANTACHROME社製比表面積計オートソープ1を使用し以下の通り行う。
【0105】
測定サンプル約0.1gをセル中に秤取し温度40℃、真空度1.0×10-3mmHg以下で12時間以上脱気処理を行う。その後、液体窒素により冷却した状態で窒素ガスを吸着し多点法により値を求める。
【0106】
本発明に使用できるトナーの外添剤としては、前述のトナー上の分散状態を満足するものであれば何ら構わず、例えば、アルミナ,酸化チタン,シリカ,酸化ジルコニウム,酸化マグネシウムの如き酸化物の他に、炭化ケイ素,チッ化ケイ素,チッ化ホウ素,チッ化アルミニウム,炭酸マグネシウム,有機ケイ素化合物が挙げられる。
【0107】
この中で、無機微粉体(A)としては、アルミナ,酸化チタン,酸化ジルコニウム,酸化マグネシウムあるいはそれらのシリカ処理微粒子及びチッ化ケイ素,が、温湿度に左右されずトナーの帯電を安定化させるために好ましく、更に、アルミナ微粒子または酸化チタン微粒子あるいはそれらのシリカ表面処理微粒子がトナーの流動性を良好にするためには好ましい。
【0108】
その製法としては何ら制約はないが、ハロゲン化物あるいはアルコキシドを気相下で酸化する方法、あるいは水存在下で加水分解しながら生成する方法が使用できるが、その焼成温度は一次粒子が凝結しない程度の低温焼成が好ましい。
【0109】
本発明においては、特に球状でかつ一次粒子に単分散させやすい点で、低温下で焼成したアモルファスあるいはアナターゼ型酸化チタン、及びアモルファスあるいはγ型アルミナが好ましい。
【0110】
更に、上記無機微粉体(A)は疎水化処理されていることが、トナーの帯電量の温度や湿度の如き環境依存性を少なくするため及びトナー表面からの遊離を防止するために良い。この疎水化処理剤としては、例えばシランカップリング剤,チタンカップリング剤,アリミニウムカップリング剤の如きカップリング剤,シリコーンオイル,フッ素オイル,各種変性オイルの如きオイルが挙げられる。
【0111】
上記の疎水化処理剤の中でも特にカップリング剤が、無機微粉体上の残存基あるいは吸着水と反応し均一な処理が達成され、トナーの帯電の安定化、流動性付与の点で好ましい。
【0112】
よって、本発明に用いる無機微粉体(A)としては、特に好ましくは、シランカップリング剤を加水分解しながら表面処理を行ったアルミナ微粒子または酸化チタン微粒子が、帯電の安定化、流動性の付与の点で極めて有効である。
【0113】
上記の疎水化処理された無機微粉体(A)は、好ましくは20乃至80%、より好ましくは40乃至80%の疎水化度を有することが良い。
【0114】
無機微粉体(A)の疎水化度が20%より小さいと、高湿下での長期放置による帯電量低下が大きく、ハード側での帯電促進の機構が必要となり、装置の複雑化となり、疎水化度が80%を超えると無機微粉体自身の帯電コントロールが難しくなり、結果として低湿下でトナーがチャージアップしやすくなる。
【0115】
上記の疎水化処理された無機微粉体(A)は、400mμmの光長における光透過率が40%以上であることが好ましい。
【0116】
すなわち、本発明に使用される無機微粉体(A)は、一次粒子径が小さいものであっても、実際トナー中に含有させた場合、必ずしも一次粒子の状態で分散しているわけでなく、二次粒子で存在している場合もありうる。したがって、いくら一次粒子径が小さくても、二次粒子としての挙動する実効径が大きくては、本発明の効果は低減してしまう。しかるに、可視領域の下限波長である400mμmにおける光透過率が高いものほど、二次粒子径が小さく、流動性付与能,カラートナーの場合におけるOHPの投影像の鮮明さの点で良好な結果が期待できる。400mμmを選択した理由は紫外と可視の境界領域であり、光波長の1/2以下の粒径のものは透過するといわれていることからも、それ以上の波長の透過率は当然大きくなり、あまり意味のないものである。
【0117】
本発明において、無機微粉体(A)の疎水化処理をする方法としては、水存在下で無機微粉体(A)を機械的に一次粒径となるよう分散しながらカップリング剤を加水分解しながら表面処理することで、粒子同士が合一が生じにくく、更に処理による粒子間の帯電反発作用が働き、微粒子はほぼ一次粒子の状態で表面処理される方法が好適である。
【0118】
カップリング剤を水存在下で加水分解しながら表面を処理際に、微粒子を一次粒子に分散させるための機械的な力を加えるため、クロロシラン類や、シラザン類のようにガスを発生するようなカップリング剤を使用する必要もなく、更に、粒子同士が合一して使用できなかった高粘性のカップリング剤あるいはシリコーンオイルの併用もできるようになり、疎水化の効果は絶大である。
【0119】
前記カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤でも何でも良い。特に好ましく用いられるのはシランカップリング剤であり、下記一般式
m SiYn
R:アルコキシ基
m:1〜3の整数
Y:アルキル基又は
ビニル基、グリシドキシ基及びメタクリル基からなるグループから選択される基を含む炭化水素基
n:1〜3の整数
で表わされるものであり、例えばビニルトリメトキシシラン,ビニルトリエトキシシラン,γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン,ビニルトリアセトキシシラン,メチルトリメトキシシラン,メチルトリエトキシシラン,イソブチルトリメトキシシラン,ジメチルジメトキシシラン,ジメチルジエトキシシラン,トリメチルメトキシシラン,ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン,フェニルトリメトキシシラン,n−ヘキサデシルトリメトキシシラン及びn−オクタデシルトリメトキシシランを挙げることができる。
【0120】
より好ましくは、Ca2a+1−Si(OCb2b+13
a=4〜12、b=1〜3である。
【0121】
ここで、一般式におけるaが4より小さいと、処理は容易となるが疎水性が十分に達成できない。aが12より大きいと疎水性は十分になるが、粒子同士の合一が多くなり、流動性付与能が低下してしまう。
【0122】
bは3より大きいと反応性が低下して疎水化が十分に行われなくなってしまう。したがって上記一般式におけるaは4〜12、好ましくは4〜8、bは1〜3、好ましくは1〜2が良い。
【0123】
その処理量は無機微粉体(A)の100重量部に対して処理剤を1〜50重量部、粒子合一させずに均一に処理するために好ましくは3〜40重量部とすることが良く、疎水化度を20〜98%、好ましくは30〜90%、より好ましくは40〜80%にすれば良い。
【0124】
本発明において、非球形状無機微粉体(B)としては、帯電安定性,現像性,流動性,保存性向上のため、シリカ,アルミナ,チタニアあるいはその複酸化物の中から選ばれることが好ましい。なかでも、特にシリカが、出発材料あるいは酸化温度の如き酸化条件により、ある程度任意に、一次粒子の合一をコントロールできる点でより好ましい。例えば、かかるシリカは硅素ハロゲン化物やアルコキシドの蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ及びアルコキシド,水ガラスから製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能であるが、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、更にNa2 O,SO3 2- の如き製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム,塩化チタンの如き他の金属ハロゲン化合物を硅素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能でありそれらも包含する。
【0125】
更にその形状としては、単なる棒状あるいは塊状のような非球形状でなく、図10に示すような屈曲部を有する形状であることが、無機微粉体(A)のトナー表面への埋め込みを防止できると同時に、現像剤が最密充填されるのを妨げ、結果として現像剤のかさ密度変化が小さくなり、より好ましい。
【0126】
この様な非球状の無機酸化物微粒子は、特に以下のような製法で製造されることが好ましい。
【0127】
シリカ微粉体を例とした場合、ケイ素ハロゲン化合物を気相酸化することにより、シリカ微粉体を生成し、得られたシリカ微粉体を疎水化処理することにより非球状のシリカ微粉体を製造する。特に気相酸化の際、シリカの一次粒子が合一する程度の高温で焼成することが好ましい。
【0128】
このような非球形状無機微粉体(B)は、一次粒子同士が合一した合一粒子を分級により比較的粗い粒子を集め、トナー粒子上での存在状態における平均長径の条件を満たすように粒度分布を調整したものを用いることが特に好ましい。
【0129】
本発明において、トナーは、トナー100重量部中に無機微粉体(A)をトナーの帯電量安定化のために0.1〜2.0重量部、好ましくは流動性付与の点で0.2〜2.0重量部、より好ましくは定着性向上の点で0.2〜1.5重量部有していることが良く、且つ非球形状無機微粉体を現像剤のかさ密度安定化のために0.3〜3.0重量部、好ましくは感光体の削れ防止の点で0.3〜2.5重量部、より好ましくは高湿下での放置安定性のために、0.3〜2.0重量部、更にOHPの透過性のために0.3〜1.5重量部有していることが良い。
【0130】
トナーが有する無機微粉体(A)の量が0.1重量部未満の場合には、トナーの流動性が不十分で、画像濃度の低下が生じやすく、20重量部を超える場合には、特に高湿下での長期放置によってトナーの帯電が不安定になりやすく、結果として、トナー飛散が生じやすくなってしまう。
【0131】
トナーが有する非球形状無機微粉体(B)の量が0.3重量部未満の場合には、無機微粒子(A)のトナーへの埋め込み防止の効果が小さくなり、3.0重量部未満の場合には、感光体の傷が発生しやすくなり、結果として画像欠陥が生じやすくなってしまう。
【0132】
本発明においては、後述する重合法で製造された重合トナー粒子に外添する外添剤としては、少なくとも無機微粉体(A)としてのアルミナ微粒子及び非球形状無機微粉体(A)としてのシリカ微粒子を用いることが好ましい形態の1つである。
【0133】
外添するアルミナ微粒子は、粒度分布において、平均粒径の2倍径以上の粒子を0〜5個数%を有し、外添するシリカ微粒子は、合一粒子を構成する各粒子の粒度分布において、平均一次粒径の2倍乃至3倍の粒子を5〜15個数%有することが好ましい。
【0134】
本発明に係るアルミナ微粒子の粒度分布は非常にシャープな分布を有し、シリカ微粒子の合一粒子を構成する各粒子の粒度分布は比較的ブロードな粒度分布を持つことを特徴としている。アルミナ微粒子はその高流動性付与能と共に、トナーの帯電特性に対し多大な影響を与え、湿度依存に大きく関係する環境間での帯電格差を大幅に縮小させる機能を有している。本発明者らは前述の重合トナー粒子の形状係数、外添剤の粒径比に加えて、アルミナ微粒子の粒度分布をシャープなものにすることが帯電の高安定性が得られ且つ、トナー同士の摩擦によってトナー表面に生ずる電荷も均一に与えられ、環境間での帯電格差が縮まることを見出した。更に本発明において最も顕著な効果の一つとして、アルミナ微粒子の粒度分布をシャープなものにすることで高転写性が得られることを本発明者らは見出した。これらは後述するシリカ微粒子の合一粒子を構成する各粒子の粒子分布にも係るが、アルミナ微粒子が均一粒子で且つ細かな粒子径を有することでトナー間でスペーサー粒子的役割が効果的に作用されるからであると推察され、このことより、トナー表面に外添された後も合一粒子を作りずらいものと推察される。上記範囲での個数分布を逸脱すると、重合トナー粒子表面に外添された後、合一体や凝集体を作り易くなり、本発明に係る所望の効果は得られ難くなる。
【0135】
更にシリカ微粒子の合一粒子を構成する各粒子の粒度分布は比較的ブロードな粒度分布を持つことでトナーの粒度分布に対して、幅広く帯電付与能を与えるものと考えられる。トナーに対する電荷付与能はシリカ微粒子の方がアルミナ微粒子よりも高く、微粒子から比較的大きな粒子まで有するトナー粒子に対しては、いずれの粒子にも均等に電荷を分散付与でき、同時にアルミナ微粒子でも得られたスペーサー効果をも得られる。その範囲としては上記範囲を下限に逸脱すると感光体上へ付着し易くなり、その部位が核となってトナーフィルミングを生じ易くなる。上限に逸脱した場合には著しくトナーの流動性を損ねる結果となり、長時間に渡りコピー動作を繰り返すと現像剤劣化を引き起こし易くなる。このことからもシリカ微粒子としては、広い粒度分布において粒子の存在を有することがトナーに均一帯電でき、且つ流動性を維持できることを本発明者らは見出したのである。本発明に用いられるアルミナ微粒子とシリカ微粒子のBET比表面積としては、アルミナ微粒子が60〜150m2 /gで、シリカ微粒子が20〜70m2 /gであることが好ましい。各々の粒子にて上記範囲を逸脱すると前述の所望粒子径が得られず、画像品質を損ねる結果となる。
【0136】
本発明に係るアルミナ微粒子としては、アルミニウムアンモニウムカーボネートハイドロオキサイド1000〜1200℃の温度範囲内で熱分解して得られるアルミナ微粉体を出発原体として、その後、溶液中で疎水化処理したアルミナ微粉体が好ましい。
【0137】
アルミナ微粉体の原体は、特開昭61−146794号公報に記載のΓアルミナもしくは、より低温で焼成したアモルファスアルミナが好ましい。
【0138】
一般式NH4 AlO(OH)HCO3 又はNH4 AlCO3 (OH)2 で示されるアルミニウムアンモニウムカーボネートハイドロオキサイドを、例えば酸素雰囲気下で1000〜1200℃の温度範囲内で焼成しアルミナ微粉体を得るのが好ましい。即ち、
2NH4 AlCO3 (OH)2 →Al23 +2NH3 +3H2 O+2CO2
なる化学反応の後、得られるアルミナ微粉体が好ましい。ここで焼成温度として1000〜1200℃の範囲内の温度が選択されるのは、本発明で目的とする粒子径が得られるからである。
【0139】
焼成温度が1200℃よりも高い場合、生成されるアルミナ微粉体中にαアルミナの割合が急激に増す。当然粉体は構造成長し、一次粒径は大きくなり、BETで示される比表面積は低下する。加えて、粉体同士の凝結の程度が強まり、処理工程での原体の分散に多大なエネルギーが必要となるし、もはやこう言う状態の粉体では、いくら処理工程を最適化しても凝集粒子の少ない微粉体は望めなくなってしまう。
【0140】
焼成温度が1000℃よりも引い場合、目的とする粒子径よりも小さくなり、スペーサー効果としての役割が十分でなく、高転写性も得られ難くなる。
【0141】
本発明に用いられるアルミナ微粒子の表面疎水化処理剤としては表面改質の目的、例えば帯電特性のコントロール、更には高湿下での帯電の安定化及び反応性に応じて適宜選択すれば良い。例えばアルコキシシラン、シロキサン、シラン、シリコーンオイルの如きシラン系有機化合物であり、反応処理温度にて、それ自体が熱分解しないものが良い。
【0142】
特に好ましいものとしては、カップリング剤等の揮発性を有し、疎水性基及び反応性に富んだ結合基の双方を有しているアルキルアルコキシシランを用いるのが良い。
【0143】
本発明におけるアルミナ微粒子及びシリカ微粒子の合一粒子を構成する各粒子の平均一次粒径の算出については透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、エポキシ樹脂中で分散、包埋処理後、薄くスライスして粒子の写真像(倍率10,000〜100,000倍)を得た。この写真像を無作為に20〜50サンプル抽出した後、球状粒子に関してはその直径、偏平粒子に関してはその長径を持って当該粒子の直径とし、その相加平均を求め平均一次粒径を算出した。
【0144】
本発明においては、外添剤として、上記構成の無機微粉末(A)及び非球形状無機微粉体(B)に加えて、転写性及び/またはクリーニング性向上のために一次粒径50mμm以上(好ましくは比表面積が50m2 /g未満)の無機又は有機の球状に近い微粒子を更に添加することも好ましい形態の一つである。例えば、球状シリカ粒子、球状ポリメチルシルセスキオキサン粒子又は球状樹脂粒子が好ましく用いられる。
【0145】
本発明のトナーにおいては、実質的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤粒子を少量用いることができる。この外の添加剤粒子としては、例えばテフロン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末及びポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末及びチタン酸ストロンチウム粉末の如き研磨剤;例えば、酸化チタン粉末及び酸化アルミニウム粉末の如きケーキング防止剤;例えばカーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末及び酸化スズ粉末の如き導電性付与剤;例えば、逆極性の有機微粒子及び逆極性の無機微粒子の如き現像性向上剤が挙げられる。
【0146】
本発明において、高画質化を目的として、より微小な潜像ドットを忠実に現像する為に、トナーは、微小粒径であることが好ましく、具体的には、トナーは、コールター法により測定された重量平均粒径が2.0μm乃至9.0μm、好ましくは4.0μm乃至8.0μmであり、更にトナーの個数分布の変動係数が、好ましくは35%以下、より好ましくは5%乃至30%であることが良い。
【0147】
トナーの重量平均粒径が2μm未満のトナーにおいては、転写効率の低さから、感光体への転写残トナーが多く発生し、画像の不均一ムラが生じるだけでなく、ドラム融着が発生し易くなる。トナーの重量平均粒径が9μmを超える場合には、文字やライン画像の飛び散りの如き画質の低下が生じやすく、更に各種部材へのトナーの融着が起き易くなる。
【0148】
トナーの個数分布の変動係数が35%を超える場合には、トナーの帯電が不均一になりやすく結果としてカブリが生じやすくなる。
【0149】
本発明のトナーの粒度分布の測定はコールターカウンターTA−II型を用いて行うが、コールターマルチサイザー(コールター社製)を用いることができる。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。たとえば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、個数分布、体積分布を出力するインターフェィス(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピュータ−(NEC製)を接続し前記測定装置によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2.00μm以上のトナー体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。
【0150】
それから、本発明に係る体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D4 )(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)/及び個数分布の変動係数を求めた。
【0151】
尚、個数分布の変動係数は、下記式に基づいて算出される。
【0152】
変動係数(%)=(個数分布の標準偏差/個数平均粒径)×100
【0153】
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを用いる。
【0154】
本発明のトナーが有するトナー粒子は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含む。
【0155】
本発明に用いられる結着樹脂としては、ポリスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体及びスチレン−マレイン酸エステル共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート;ポリアクリレート及びポリメチルアクリレートの如きポリ(メタ)アクリル系樹脂;ポリ酢酸ビニル;ポリエチレン;ポリプロピレン;ポリビニルブチラール;ポリエステル樹脂;ロジン;変性ロジン;テルペン樹脂;フェノール樹脂;脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂;芳香族系石油樹脂;パラフィンワックス;カルナバワックスが挙げられる。これらは、単独あるいは混合して使用できる。
【0156】
本発明に係るトナー粒子には、必要に応じて低軟化点物質、いわゆるワックスを用いることができる。
【0157】
本発明に用いられる低軟化点物質としては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャトロピッシュワックスの如きポリメチレンワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックス、ペトロラタム、カルナバワックス、ケトン、硬化ヒマシ油、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス及びこれらのグラフト化合物、ブロック化合物の如き誘導体が挙げられ、これらは低分子量成分が除去されたDSC吸熱曲線の最大吸熱ピークがシャープなものが好ましい。
【0158】
好ましく用いられるワックスとしては、炭素数15〜100個の直鎖状のアルキルアルコール、直鎖状脂肪酸、直鎖状酸アミド、直鎖状エステルあるいは、モンタン系誘導体が挙げられ、これらワックスから液状脂肪酸の如き不純物を予め除去してあるものも好ましい。
【0159】
更に、好ましく用いられるワックスは、アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触媒またはその他の触媒を用いて重合した低分子量のアルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー;アルキレンを重合する際に副生する低分子量アルキレンポリマーを分離精製したもの;一酸化炭素及び水素からなる合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素ポリマーの蒸留残分から、あるいは、蒸留残を水素添加して得られる合成炭化水素から、特定の成分を抽出分別したポリメチレンワックスが挙げられる。これらワックスには酸化防止剤が添加されていても良い。
【0160】
本発明においては、用いるワックスが、炭素数15〜45個の長鎖アルキルアルコールと、炭素数15〜45個の長鎖アルキルカルボン酸とのエステル化合物を主成分とするエステルワックスであることが、オーバーヘッドプロジェクターによる投影画像の光透過性が高く、良好なフルカラー投影画像が得られる点で特に好ましい。
【0161】
本発明において離型剤成分として機能する低軟化点物質は、重量平均分子量(Mw)が、好ましくは300乃至3,000、より好ましくは500乃至2500であることが良く、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が、好ましくは3.0以下、より好ましくは1.0〜2.0であることが良い。
【0162】
低軟化点物質のMwが300未満の場合には、トナーの耐ブロッキング性が低下する。低軟化点物質のMwが3000を超える場合には、結晶性が発現し透明性が低下する。低軟化点物質のMw/Mnが3.0を超える場合には、トナーの流動性が低下することにより、画像濃度ムラが生じやすく、帯電部材の汚染も生じやすくなる。低軟化点物質は、ASTM D3418−8に準拠し測定されたDSC測定による吸熱曲線において、吸熱メインピーク値が、好ましくは40〜120℃、より好ましくは40〜90℃、更に好ましくは45〜85℃であることが良い。吸熱メインピークが40℃未満であると低軟化点物質の自己凝集力が弱くなり、結果として耐高温オフセット性が弱くなり好ましくない。吸熱メインピークが120℃を超えると定着温度が高くなり、好ましくなく、特に、重合法でトナー粒子を製造する場合には、極大ピーク値の温度が高いと主に造粒中に低軟化点物質が析出してきて懸濁系を乱す為、好ましくない。
【0163】
本発明において、DSC測定には、例えばパーキンエレマー社製DSC−7を用いる。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウム融解熱を用いる。サンプルはアルミニウム製パンを用い対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/min.で20℃から200℃まで昇温し、測定を行った。
【0164】
本発明において、トナー粒子は、低融化点物質を1〜30重量%、好ましくは5〜30重量%トナー粒子の重量を基準にして含有していることが良い。トナー粒子の低軟化点物質の含有量が1重量%未満の場合には、オフセット防止効果が低下しやすく、30重量%を超える場合は、重合法によってトナー粒子を製造する場合においても造粒時にトナー粒子同士の合一が起きやすく、粒度分布の広いものが生成しやすい。
【0165】
本発明に用いられる荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、カラートナーの場合は、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。更に本発明に於いて重合法で製造したトナー粒子を用いる場合には、重合阻害性が無く水系への可溶化物の無い荷電制御剤が特に好ましい。
【0166】
ネガ系荷電制御剤としては、サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ダイカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリークスアレーンが利用できる。ポジ系荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物が利用できる。
【0167】
荷電制御剤は結着樹脂100重量部に対し0.5〜10重量部が好ましい。しかしながら本発明において荷電制御剤の添加は必須ではなく、二成分系現像方法を用いた場合においては、キャリアとの摩擦帯電を利用し、一成分系現像方法(非磁性一成分ブレードコーティング現像方法)を用いた場合に於いてもトナー層厚制御部材としてのブレード部材やトナー担持体としてのスリーブ部材との摩擦帯電を積極的に利用することでトナー中に必ずしも荷電制御剤を含む必要はない。
【0168】
本発明に使用される結着樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル;フェノール樹脂;天然変性フェノール樹脂;天然樹脂変性マレイン酸樹脂;アクリル系樹脂;メタクリル系樹脂;ポリ酢酸ビニール;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリウレタン;ポリアミド樹脂;フラン樹脂;エポキシ樹脂;キシレン樹脂;ポリビニルブチラール;テルペン樹脂;クマロンインデン樹脂;石油系樹脂が使用できる。更に、架橋されたスチレン系樹脂も好ましい結着樹脂である。
【0169】
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、ビニル系単量体が単独で又は複数組合わせて用いることができる。ビニル系単量体としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドのような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルのような二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体;例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル類;例えば、エチレン、プロピレン、ブチレンのようなエチレン系オレフィン類;例えば、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンのようなビニルケトン類;例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル類が挙げられる。
【0170】
本発明において、架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような芳香族ジビニル化合物;例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物;が単独もしくは混合物として使用できる。特に、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、飽和ポリエステル樹脂の如き極性樹脂を上記のスチレン系共重合体に加えて、更に添加するのが好ましい。
【0171】
圧力定着用に供されるトナー用の結着樹脂としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、高級脂肪酸、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられる。これらは単独又は混合して用いることが好ましい。特に、本発明において、直接重合法を用いる場合には、重合阻害性がなく、水系への可溶化物のないものが好ましい。
【0172】
本発明に用いられる着色剤は、黒色着色剤としてカーボンブラック、磁性体、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
【0173】
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、168、174、176、180、181、191等が好適に用いられる。
【0174】
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48;2、48;3、48;4、57;1、81;1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が特に好ましい。
【0175】
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が特に好適に利用できる。
【0176】
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性の点を考慮して選択される。該着色剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対し1〜20重量部添加して用いられる。
【0177】
黒色着色剤として磁性体を用いた場合には、他の着色剤と異なり結着樹脂100重量部に対し40〜150重量部添加して用いられる。
【0178】
本発明においては、トナー粒子の一部又は全体が重合法により形成された重合トナー粒子を用いることにより発明の効果を高めることが出来る。特に、トナー粒子の表面のかかる部分を重合法により形成されたトナーについては、分散媒中にプレトナー(モノマー組成物)粒子として存在させ必要な部分を重合反応により生成するため、表面性については、かなり平滑化されたものを得ることができる。
【0179】
本発明においては、シェル部分が重合により合成された重合体によって形成され、コア部が低軟化点物質で形成されたコア/シェル構造を有するトナー粒子であることが、トナーの耐ブロッキング性を低下させることなくトナーの定着性を向上させることができ、更にトナー粒子中からの残存モノマーの除去が容易に行うことができることから好ましい。
【0180】
すなわち、コアを有しないようなバルクとしての重合トナーに比較して、シェル部分のみを重合するほうが、重合工程の後の後処理工程において、残存モノマーの除去が容易に行われるからである。
【0181】
本発明においては、特に比較的容易に粒度分布がシャープであり、重量平均粒径が2.0〜9.0μm、より高画質化を目的として3.0〜8.0μmの微粒子トナー粒子が得られる常圧下での、または、加圧下での懸濁重合方法が低軟化点物質であるワックスをトナー粒子中に内包化したコア/シェル構造を容易に形成できることから特に好ましい。低軟化点物質を内包化せしめる具体的方法としては、水系媒体中での重合性単量体組成物中の主要単量体の極性より低軟化点物質の極性を小さく設定し、更に好ましくは少量の極性の大きな樹脂又は単量体を重合性単量体組成物中に添加せしめることで低軟化点物質によるコア部の表面を外殻樹脂によるシェル部で被覆した所謂コア/シェル構造を有するトナー粒子を得ることができる。トナー粒子の粒度分布制御や粒径の制御は、難水溶性の無機塩又は保護コロイド作用をする分散剤の種類又は添加量を変える方法、機械的装置条件例えばローター周速、パス回数及び攪拌羽根形状の如き撹拌条件、容器形状又は水溶液中での固形分濃度を制御する方法;により成し遂げることができる。
【0182】
本発明においてトナー粒子の断層面を測定する具体的方法としては、常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナー粒子を十分分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させ得られた硬化物を四三酸化ルテニウム、必要により四三酸化オスミウムを併用し染色を施した後、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い薄片状のサンプルを切り出し透過電子顕微鏡(TEM)を用いトナーの断層形態を測定した。本発明に於いては、用いるコア部を構成する低軟化点物質とシェル部を構成する樹脂との若干の結晶化度の違いを利用して材料間のコントラストを付けるため四三酸化ルテニウム染色法を用いることが好ましい。
【0183】
本発明において、トナー粒子を重合法によって製造する場合には、結着樹脂を合成するための重合性単量体として、スチレン、o−(m−、p−)−メチルスチレン、m(p−)−エチルスチレンの如きスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルの如き(メタ)アクリル酸エステル系単量体;及びブタジエン、イソプレン、シクロヘキセン、(メタ)アクリロニトリル、アクリル酸アミドの如きエン系単量体が好ましく用いられる。
【0184】
これらは、単独又は一般的には出版物ポリマーハンドブック第2版、p139〜192(JohnWiley&Sons社製)に記載の理論ガラス転移温度(Tg)が、40〜80℃を示す様に単量体を適宜混合し用いられる。理論ガラス転移温度が40℃未満の場合には、トナーの保存安定性や現像剤の耐久安定性の面から問題が生じ、一方80℃を超える場合には定着点の上昇をもたらし、特にフルカラートナーの場合においては各色トナーの混色が不十分となり色再現性に乏しく、更にOHP画像の透明性を著しく低下させ高画質の面から好ましくない。
【0185】
本発明においては、シェル部を構成する外殻樹脂の樹脂成分は、数平均分子量(Mn)が好ましくは、5000〜1000000、より好ましくは6000〜500000であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が、好ましくは2〜100、より好ましくは3〜70であることが良い。
【0186】
数平均分子量(Mn)が5000未満の場合には、低軟化点物質が表面に出やすくなり、トナーの耐ブロッキング性が低下しやすくなり、数平均分子量(Mn)が1000000を超える場合には、低温定着性が損なわれるようになってしまう。
【0187】
重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が2未満の場合には、低温定着性と耐ブロッキング性の両立が難しくなりMw/Mnが100を超える場合には、トナーの透明性が低下しカラーOHPの品位が低下してしまう。
【0188】
外殻樹脂の樹脂成分の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定される。具体的なGPCの測定方法としては、予めトナーをソックスレー抽出器を用いトルエン溶剤で20時間抽出を行った後、ロータリーエバポレーターでトルエンを留去せしめ、更に低軟化点物質は溶解するが外殻樹脂は溶解し得ない有機溶剤例えばクロロホルムを加え十分洗浄を行った後、THF(テトラヒドロフラン)に可溶した溶液をポア径が0.3μmの耐溶剤性メンブランフィルターでろ過したサンプルをウォーターズ社製150Cを用い、カラム構成は昭和電工製A−801,802,803,804,805,806,807を連結し標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い分子量分布を測定する。
【0189】
本発明においては、コア/シェル構造を有するトナー粒子を製造する場合、コア部の低軟化点物質のシェル部による内包化をより良好に行うため、シェル部に外殻樹脂の他に更に極性樹脂を添加せしめることが特に好ましい。本発明に用いられる極性樹脂としては、スチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体、マレイン酸共重合体、飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂が好ましく用いられる。該極性樹脂は、外殻樹脂又は単量体と反応しうる不飽和基を分子中に含まないものが特に好ましい。不飽和基を含まない極性樹脂を用いる場合においては、外殻樹脂層を形成する単量体との架橋反応が生じることがなく、特に、フルカラー用トナーとして用いる場合に、高分子量になりすぎることなく、四色トナーの混色性が低下することがなく好ましい。
【0190】
本発明においては、コア/シェル構造を有するトナー粒子の表面に更に最外殻樹脂層を設けても良い。
【0191】
該最外殻樹脂層のガラス転移温度は、耐ブロッキング性のさらなる向上のため外殻樹脂層のガラス転移温度以上に設計されること、更に定着性を損なわない程度に架橋されていることが好ましい。更に、該最外殻樹脂層には帯電性向上のため極性樹脂や荷電制御剤が含有されていることが好ましい。
【0192】
該最外殻層を設ける方法としては、特に限定されるものではないが例えば以下の▲1▼〜▲3▼の方法が挙げられる。
【0193】
▲1▼重合反応後半、または終了後、反応系中に必要に応じて、重合性単量体、極性樹脂、荷電制御剤及び架橋剤を溶解または分散した単量体組成物を添加し重合粒子に吸着させ、重合開始剤を添加し重合を行う方法。
【0194】
▲2▼必要に応じて、重合性単量体、極性樹脂、荷電制御剤及び架橋剤を含有した重合性単量体を重合することにより合成された乳化重合粒子またはソープフリー重合粒子を反応系中に添加し、重合粒子表面に凝集、必要に応じて熱等により固着させる方法。
【0195】
▲3▼必要に応じて、重合性単量体、極性樹脂、荷電制御剤、架橋剤を含有した重合性単量体を重合することによって合成された乳化重合粒子またはソープフリー重合粒子を乾式で機械的にトナー粒子表面に固着させる方法。
【0196】
本発明で重合法によりトナー粒子を製造する場合には、重合開始剤として、例えば、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドの如き過酸化物系重合開始剤が用いられる。該重合開始剤の添加量は、目的とする重合度により変化するが一般的には重量性単量体に対し0.5〜20重量%添加され用いられる。開始剤の種類は、重合方法により若干異なるが、十時間半減期温度を参考に、単独又は混合し利用される。
【0197】
本発明のトナーは、例えば、開始剤の量を低減させることで連鎖移動剤として働く開始剤を減らし、高分子成長反応が長時間持続する為、分子量2,000〜5,000の重合体が殆ど生成しないことが確認されている反応系に、分子量2,000〜5,000の間にトップピークを持つ重合体を造粒前に単量体組成物に適量添加することにより得ることが出来る。
【0198】
重合度を制御するため公知の架橋剤、連鎖移動剤、重合禁止剤を更に添加し用いることも可能である。
【0199】
本発明において、懸濁重合によりトナー粒子を製造する場合には、分散剤として、無機系化合物及び有機系化合物が用いられる無機系化合物としては、例えば、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ、磁性体、フェライトが挙げられる。有機系化合物としては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプンが挙げられる。これらの分散剤は水相に分散させて使用される。これら分散剤は、重合性単量体100重量部に対し0.2〜10.0重量部を使用することが好ましい。
【0200】
これら分散剤は、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい均一な粒度を有す分散粒子を得るため、分散媒中にて高速攪拌下にて該無機化合物を生成させることもできる。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高速攪拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合することで懸濁重合方法に好ましい分散剤を得ることができる。これら分散剤の微細化のため0.001〜0.1重量部の界面活性剤を併用しても良い。具体的には市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤が利用でき、例えばドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムが好ましく用いられる。
【0201】
トナー粒子を重合法によって製造する場合には、以下の如き製造方法によって具体的にトナー粒子を製造することが可能である。重合性単量体中に低軟化物質からなる離型剤、着色剤、荷電制御剤、重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモジナイザー又は超音波分散機の如き混合機によって均一に溶解または分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤を含有する水相中に公知の攪拌機又はホモミキサー,ホモジナイザーにより分散せしめる。好ましくは単量体組成物からなる液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように攪拌速度、攪拌時間を調製し、造粒する。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の攪拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、好ましくは50〜90℃の温度に設定して重合を行う。重合反応後半に昇温しても良く、更に、トナーの耐久特性向上の目的で、未反応の重合性単量体、副生成物を除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・ろ過により回収し、乾燥する。懸濁重合法においては、通常単量体系100重量部に対して水300〜3000重量部を分散媒として使用するのが好ましい。
【0202】
本発明に係るトナーは一成分系現像剤、二成分系現像剤のどちらの形態で用いられてもなんら構わないが、二成分系現像剤の場合はキャリアと称する現像用磁性粒子(以降キャリア粒子と表記)とトナーを混合調製し用いられる。
【0203】
キャリアとしては、重量平均粒径が15〜60μm、好ましくは20〜45μmであり、22μmより小さいキャリア粒子が20%以下、好ましくは0.05から15%、より好ましくは0.1から12%であり、16μmより小さいキャリア粒子が3%以下、好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下である。
【0204】
62μm以上のキャリアの粗粉量は、画像の鮮鋭性と密接に相関し0.2〜10%であることが必要である。キャリアの重量平均粒径が15μm未満の場合には、キャリアの流動性が低下し、トナーとの混合性が悪化し、カブリを生じやすくなり、60μmを超える場合には、トナーの担持能が低下し、トナー飛散が生じやすくなる。更に微粉が多くなれば、キャリア付着が生じやすく、粗粉が多くなれば、カブリ及び画像濃度低下が生じやすい。
【0205】
本発明に使用されるキャリア粒子としては、例えば、表面酸化又は未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き磁性金属及びそれらの合金又は酸化物;フェライト;磁性粉を分散した樹脂キャリアが挙げられる。
【0206】
キャリア表面を平滑にし、更に球状性を向上させるという点で、(i)下記式(I)で示されるフェライト、あるいは(ii)懸濁重合法によって製造されるマグネタイト含有重合法樹脂キャリアが好ましく、更に、キャリアを高抵抗化し、潜像電位を乱さない点でマグネタイト含有重合法樹脂キャリアが特に好ましい。
(Fe23x (A)y (B)z …式(I)
(式中、AはMgO,Ag2 Oまたはそれらの混合物を示し、BはLi2 O,MnO,CaO,SrO,Al23 ,SiO2 またはそれらの混合物を示し、x,y及びzは重量比を示し、かつ、下記条件を満足する。
0.2≦x≦0.95,0.005≦y≦0.3
0<z≦0.795,x+y+z≦1)
【0207】
重合法樹脂キャリアとしては、Fe34 のマグネタイトの他にFe23 ,Al23 ,SiO2 ,CaO,SrO,MgO,MnOまたはそれらの混合物を含有するのが好ましい。Fe34 量としては、すべての酸化物基準で0.2〜0.8であることが好ましい。
【0208】
上記式(I)において、xが0.2未満の場合及び重合法樹脂キャリアにおいてFe34 の量が0.2未満の場合には、磁気特性が低くなり、キャリアの飛散や感光体表面の傷を生じさせやすく、xが0.95を超える場合あるいはFe34 が0.8を超える場合には、キャリア芯材の抵抗が低くなりやすく、芯材表面に多量の樹脂等を被覆しなくてはならず、キャリア粒子の合一等が生じやすくなり、好ましくない。
【0209】
更にフェライトキャリアにおいては、yが0.005未満の場合には、適正な磁気特性が得られにくく、yが0.3を超える場合には、キャリア粒子表面に均質化と球状化が達成できなくなることがあり、かさ密度変化が大きくなり、インダクタンス検知と精度が劣ってくる。更にzが0の場合すなわち(B)が含まれない場合には、シャープな粒度分布のものが得にくくキャリアの超微粉による感光体表面の傷あるいは焼成時の合一が激しく、キャリア製造が難しくなる。zが0.795を超える場合には、磁気特性が低くなり、キャリアの飛散が悪化する。
【0210】
更に上記式(I)におけるBは、LiO2 ,MnO,CaO,SrO,Al23 ,SiO2 の中でも、高電圧印加時にも抵抗変化の小さい点でMnO,CaO,SiO2 及びAl23 が好ましく、特に補給トナーとのなじみやすさの点でMnO及びCaOがより好ましい。
【0211】
重合法樹脂キャリアとしては、その製法上、形状が球状になりやすく、かつ、シャープな粒度分布が達成できるのでそれ故、フェライトキャリアよりも小粒径化しても、キャリアの感光体への付着に対しては、有利であると同時に、かさ密度変化も小さくより好適である。
【0212】
本発明において用いられるキャリアは、鉄粉、フェライト、酸化鉄の如き磁性粉を樹脂中に分散した磁性粉分散型樹脂キャリアである。圧縮度変化が少ないという点で、重合法によって製造されるマグネタイト含有重合法樹脂キャリアがより好ましく、更に磁気特性を任意にコントロールできるという点で、非磁性金属酸化物及びマグネタイトを含有した重合法樹脂キャリアが特に好ましい。
【0213】
非磁性金属酸化物としては、Fe23 ,Al23 ,SiO2 ,CaO,SrO,MnOまたはそれらの混合物が好ましい。マグネタイト量としてはすべての金属酸化物基準で、20〜80wt%であることが好ましい。
【0214】
上述のマグネタイトは、必要に応じて、親油化処理することが好ましい。その際、疎水性を向上するためにシリカ、アルミナ、チタニアで、表面処理した後に、親油化処理しても良い。
【0215】
同様に、非磁性金属酸化物も、親油化処理されていることが好ましい。
【0216】
磁性粉を分散させる樹脂としては、スチレン(メタ)アクリル共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アシド樹脂、メラミン樹脂が挙げられる。
【0217】
中でも、フェノール樹脂を含有していることが好ましい。フェノール樹脂を含有していると耐熱性、耐溶剤性に優れたものとなり、表面を樹脂コートする際、コートを良好に行うことができる。
【0218】
本発明において用いられているキャリアは、重合法によって製造されたキャリアであることが、現像剤の均一な搬送性のために好ましい。
【0219】
キャリア粒子は、磁性体微粒子が硬化したフェノールをマトリックスとして結着されているものが好ましい。キャリアの製造方法を説明する。
【0220】
水性媒体中でフェノール類とアルデヒド類を塩基性触媒の存在下、磁性粉、懸濁安定剤を共存させて反応させる。
【0221】
ここで使用されるフェノール類としては、フェノール、m−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、o−プロピルフェノール、レゾルシノール、ビスフェノールAの如きアルキルフェノール類、及びベンゼン核又はアルキル基の一部又は全部が塩素原子又は臭素原子で置換されたハロゲン化フェノール類の如きフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられるが、この中でフェノールが最も好ましい。フェノール類としてフェノール以外の化合物を用いた場合には、粒子が生成し難かったり、粒子が生成したとしても不定形状であったりすることがあるので、形状性を考慮すれば、フェノールが最も好ましい。
【0222】
また、用いられるアルデヒド類としては、ホルマリン又はパラホルムアルデヒドのいずれかの形態のホルムアルデヒド及びフルフラールが挙げられる。ホルムアルデヒドが特に好ましい。
【0223】
使用される塩基性触媒としては、通常のレゾール樹脂製造に使用される塩基性触媒が使用される、例えば、アンモニア水、ヘキサメチレンテトラミン及びジメチルアミン、ジエチルトリアミン、ポリエチレンイミンの如きアルキルアミンが挙げられる。これら塩基性触媒のフェノール類に対するモル比は、0.02〜0.3が好ましい。
【0224】
前記フェノール類とアルデヒド類を塩基性触媒の存在下で反応させるに際し、共存させる磁性粉としては、上述のごとき磁性粉が挙げられる。その量は、フェノール類に対して重量で0.5〜200倍が好ましい。更に、前述したごとく、キャリア粒子の飽和磁化値と粒子の強度を考慮すると、4〜100倍であることがより好ましい。
【0225】
磁性粉の粒子系は、0.01〜10μmであることが好ましく、微粒子の水性媒体中における分散と生成するキャリア粒子の強度を考慮すれば、0.05〜5μmであることが好ましい。
【0226】
懸濁安定剤としては、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールのような親水性有機化合物及びフッ化カルシウムのようなフッ素化合物、硫酸カルシウムの如き実質的に水に不溶性の無機塩類が挙げられる。
【0227】
懸濁安定剤を使用する場合は添加量は、フェノール類に対して、0.2〜10重量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜3.5重量%である。
【0228】
製造方法における反応は、水性媒体中で行われるが、この場合の水仕込み量は、例えばキャリアの固形分濃度が30〜95重量%になるようにすることが好ましく、特に、60〜90重量%となるようにすることが望ましい。
【0229】
反応は、撹拌下で昇温速度0.5〜1.5℃/min、好ましくは0.8〜1.2℃/minで温度を徐々に上昇させ、反応温度70〜90℃、好ましくは83〜87℃で60〜150分間、好ましくは80〜110分間反応させる。かかる反応において、反応と同時に硬化反応が進行し、硬化したフェノール樹脂のマトリックスが形成される。
【0230】
このようにして反応・硬化させた後、反応物を40℃以下に冷却すると、硬化したフェノール樹脂マトリックス中に、磁性体微粒子が均一に分散した球状粒子の水分散液が得られる。
【0231】
次に、この水分散液を濾過、遠心分離等の常法に従って固液を分離した後、洗浄して乾燥すると、フェノール樹脂マトリックス中に磁性粉が分散したキャリア粒子が得られる。
【0232】
本発明方法は連続法又はバツチ法のいずれでも行うことができるが、通常はバツチ法を採用する。
【0233】
キャリア粒子の表面は、荷電付与特性及びキャリアの抵抗特性のコントロールを目的として、樹脂を含む被覆物質で被覆することが好ましい。
【0234】
上記キャリア粒子の表面への被覆物質としては、トナー材料により異なるが、例えば、アミノ(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、それらの樹脂とスチレン系樹脂との共重合体、(メタ)アクリル系樹脂とフッ素樹脂との共重合体、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体及びポリフッ化ブニリデンが挙げられ、この中でも特にシリコーン樹脂、フッ素樹脂あるいはフッ素樹脂と好ましい。(メタ)アクリル系樹脂の共重合体または混合物が長期にわたって高帯電能が維持でき、これら被覆物質の被覆量は、キャリア粒子の帯電付与特性が満足する様に適宜決定すれば良いが、一般には総量でキャリア粒子に対し0.1〜30重量%、好ましくは0.3〜20重量%である。
【0235】
磁性キャリア芯材粒子表面に樹脂被覆層を形成する方法としては、樹脂組成物を適当な溶媒に溶解し、得られる溶液中に磁性キャリア芯材粒子を浸漬し、しかる後に、脱溶媒、乾燥、高温焼きつけする方法;あるいは磁性キャリア芯材粒子を流動化系中で浮遊させ、前記樹脂組成物の溶解した溶液を噴霧・塗付し、乾燥、高温焼きつけする方法;単に磁性キャリア芯材粒子と樹脂組成物の粉体あるいは水系エマルションとを混合する方法等がいずれも使用できる。
【0236】
本発明において好ましく用いられる方法は、ケトン類、アルコール類の如き極性溶媒を5重量%以上、好ましくは20重量%以上含む溶媒100重量部中に水を0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜3重量部含有させた混合溶媒を使用する方法が、反応性シリコーンレジンを磁性キャリア芯材粒子に強固に付着させるために好ましい。水が0.1重量未満では、反応性シリコーンレジンの加水分解反応が十分に行われず、磁性キャリア芯材粒子表面への薄層かつ均一な被覆が難しくなり、5重量部を超えると、反応制御が難しくなり、逆に被覆強度が低下してしまう。
【0237】
本発明は、キャリアとトナーとを混合して二成分系現像剤を調整するが、その混合比率は二成分系現像剤中のトナー濃度として、1〜15重量%、好ましくは3〜12重量%更に好ましくは5〜10重量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が1重量%未満では画像濃度が低くなり、15重量%を超えるとカブリや機内飛散を増加せしめ、二成分系現像剤の耐用寿命を短める。
【0238】
本発明の画像形成方法について説明する。本発明の画像形成方法は、(I)静電潜像を担持するための潜像担持体を帯電する帯電工程;(II)帯電された潜像担持体に静電潜像を形成する潜像形成工程;(III)該潜像担持体の静電潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成する現像工程;及び(IV)該潜像担持体上に形成されたトナー画像を転写材に転写する転写工程;を有するものであり、このトナーとして上記のトナーを用いるものである。
【0239】
帯電工程において、帯電部材としては、コロナ帯電器の如き潜像担持体の表面に非接触で帯電を行なう非接触帯電部材及びブレード、ローラ及びブラシの如き潜像担持体の表面に接触して帯電を行なう接触帯電部材のいずれを用いることができるが、帯電時のオゾンの発生を少なくできることから、接触帯電部材を用いることが好ましい。接触帯電部材の中でも特に繊維ブラシ及び磁気ブラシの如き導電性ブラシが潜像担持体表面との接触点が多く均一な帯電を行なうことができることから、ブレード及びローラの如き平滑な表面を潜像担持体の表面に接触させる部材に比べて好ましい。
【0240】
繊維ブラシを形成する繊維集合体として好ましく用いられるものとして、極細繊維発生型複合繊維からなる集合体;繊維が酸、アルカリ又は有機溶剤にて化学的処理のなされている集合体;起毛した繊維絡合体;及び静電植毛体が挙げられる。
【0241】
ブラシによる本質的な帯電機構は、帯電部材の導電性帯電層が感光体表面の電荷注入層に接触することで導電性帯電層から電荷注入層に電荷注入を行うと考えられる。従って、帯電部材として要請される特性は、電荷注入層表面に充分な密度と、電荷の移動に係る適正な抵抗を持つことである。
【0242】
従って、極細繊維発生型複合繊維を用い繊維密度を上げる方法、繊維の科学的エッチング処理によって繊維数を増加させる方法、繊維絡合体を起毛した部材或いは静電植毛体を用い表面に柔軟な繊維端を持たせる方法により、該電荷注入層への接触頻度を増加させる効果が得られ、一様で充分な帯電を可能とする。つまり、繊維密度を上げる、接触点を増加させる、繊維端が電荷注入層に接触する様な構成が本発明に好適に用いられる。
【0243】
極細繊維発生型複合繊維からなる集合体は、物理的或いは科学的に極細繊維を発生させていることが好ましく、起毛した繊維絡合体は該繊維絡合体が極細繊維発生型複合繊維であることが好ましく、該極細繊維発生型複合繊維は、物理的或いは化学的に極細繊維を発生して起毛されていることが更に好ましい。
【0244】
静電植毛体は、その構成繊維が酸、アルカリ又は有機溶剤にて化学的処理がなされている事が好ましい。静電植毛体のもう一つの好ましい形態は、構成繊維が、極細繊維発生型複合繊維であって物理的或いは化学的に極細繊維を発生させている形態で有る。
【0245】
構成としては、磁性粒子保持部材としての、マグネットロールの表面、又は内部にマグネットロールを持つ導電性スリーブの表面に磁性粒子を均一に磁気拘束したものが好適に用いられる。
【0246】
磁性粒子の平均粒径は5〜100μmが好ましい。5μmより小さいと、感光体への磁気ブラシの付着が生じ易く、また、100μmより大きいと、スリーブ上での磁気ブラシの穂立ちの密度を密に出来ず、感光体への注入帯電性が悪くなる傾向にある。更に好ましくは10〜80μmであり、この粒径範囲内で、感光体上の転写残余のトナーをより効率的に掻き取り、より効率的に磁気ブラシ内に静電的に取り込み、より確実にトナーの帯電を制御する為、一時的に磁気ブラシ内にトナーを保持することが出来る。更には、磁性粒子の平均粒径10〜50μmがより好ましい。
【0247】
磁性粒子の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置HEROS(日本電子製)を用いて、0.05μm〜200μmの範囲を32対数分割して測定し、50%平均粒径をもって平均粒径とする。
【0248】
これらの粒径を有する磁性粒子を接触帯電部材に用いれば、感光体との接触点数が格段に増加し、感光体により均一な帯電電位を与える上で有利である。更に、磁気ブラシの回転により感光体と直接接する磁性粒子に入れ代わりがあり、磁性粒子表面の汚れ等による電荷注入性の低下を大幅に低減出来る点でも有利である。
【0249】
磁性粒子は、体積抵抗値が、好ましくは1×104〜1×109Ωcm、より好ましくは1×107〜1×109Ωcmであることが良い。
【0250】
磁性粒子の体積抵抗値が1×104未満の場合には、磁性粒子が潜像担持体に付着し易くなり、磁性粒子の体積抵抗値が1×109を超える場合には、特に低湿下において、潜像担持体への摩擦帯電付与能が低下して、帯電不良が生じ易くなる。
【0251】
磁性粒子を保持する保持部材と感光体との間隙は0.2〜2.0mm、より好ましくは0.3〜2.0mm、更に好ましくは0.3〜1.0mm、最も好ましくは0.3〜0.7mmの範囲が好ましい。上記間隙が0.2mmより小さいと、磁性粒子がその間隙を通りにくくなり、スムーズに保持部材上を磁性粒子が搬送されずに帯電不良や、ニップ部に磁性粒子が過剰に溜まり、感光体への付着が生じ易くなり、更に印加電圧によっては、保持部材の導電性部分と感光体間にリークを生じ、感光体にダメージを与えることがある。上記間隙が、2mmを超えると、感光体と磁性粒子のニップ幅を広く形成し難いので好ましくない。
【0252】
磁気ブラシ内に静電的に取り込まれた転写残余のトナーは、一定のタイミング下で感光体表面へAC印加電圧をかけることで掃き出される。感光体表面に掃き出され保持された転写残余トナーは、そのまま感光体回転方向に移動し現像担持体と対向した点で、対向方向に回転するバイアス電界が印加された現像担持体によって掻き取られ、現像器内へと回収され、再度、現像用トナーとして用いられる。
【0253】
その場合、トナー粒子に保持されている外添剤粒子が、接触帯電部材内にてトナーから離脱しトナーが掃き出された後も残存するといった挙動を示す。本発明者らが鋭意検討した結果、接触帯電部材内に取り込まれた転写残余トナーを掃き出した後の帯電工程時に、磁気ブラシ中の存在する外添剤粒子が感光体表面に接触・摺擦することにより、オゾン生成物や紙粉等に見られる付着物及び付着生成物除去に対して多大な効果を呈することを見出した。更に、磁気ブラシが感光体表面に接触・摺擦した場合、外添剤粒子がスペーサー効果的な役割を果たすことで、感光体表面への摺擦傷を軽減させ感光体寿命が伸びるといった好適な結果も見出した。
【0254】
該帯電用磁気ブラシは、感光体表面の移動方向に対して、その接触部分において順方向または逆方向のいずれの方向に移動していても良いが、転写残りのトナーの取り込み性の観点からは逆方向に移動するのが好ましい。
【0255】
帯電用磁性粒子保持部材に保持される帯電用磁性粒子の量は、好ましくは50〜500mg/cm2 、更に好ましくは100〜300mg/cm2 で安定した帯電性を得ることができる。
【0256】
帯電部材に印加する帯電バイアスは、注入帯電法を用いる場合、直流成分のみでも構わないが、若干の交流成分を印加すると画質の向上が見られる。交流成分としては、装置のプロセススピードにもよるが、100Hz〜10kHz程度の周波数で、印加交流成分のピーク・ピーク間電圧は、1000V程度以下が好ましい。1000Vを超えると印加電圧に対して感光体電位を得るので、潜像面が電位的に波打ち、カブリや濃度うすを生じることがある。放電を用いる方法においては、交流成分としては、装置のプロセススピードにもよるが、100Hz〜10kHz程度の周波数で、印加交流成分のピーク・ピーク間電圧は、1000V程度以下で、放電開始電圧の2倍以上が好ましい。磁気ブラシと感光体表面において、十分な均し効果を得るためである。印加する交流成分の波形は、サイン波、矩形波、鋸波などが使用できる。
【0257】
帯電器内に余分の帯電用磁性粒子を保持し循環させてもよい。
【0258】
磁性粒子としては、磁気によって穂立ちさせて、この磁気ブラシを感光体に接触させて帯電させる為に、この材質としては例えば鉄、コバルト、ニッケルの如き強磁性を示す元素を含む合金あるいは化合物、または、酸化処理または還元処理を行って抵抗値を調整した例えば、組成調整したフェライト、水素還元処理したZn−Cuフェライト、Mn−Mgフェライト、Li−Mgフェライトが用いられる。フェライトの抵抗値を上述の様な印加電界以下の範囲において上述の様な範囲内に収めるには、金属の組成を調整することによっても達成され、一般に2価の鉄以外の金属が増すと抵抗は下がり、急激な抵抗低下を起こし易くなる。
【0259】
本発明に用いられる磁性粒子の摩擦帯電極性は、感光体の帯電極性と逆ではないことが好ましい。前述した様に摩擦帯電分による感光体帯電電位の低下が、磁性粒子の感光体への転移の方向の力となる為、磁性粒子の接触帯電部材への保持の条件がより厳しくなる。磁性粒子の摩擦帯電極性を制御する方法としては、磁性粒子表面コートによることが容易である。
【0260】
本発明に用いられる表面層を有する磁性粒子の形態は、該磁性粒子の表面を蒸着膜、導電性樹脂膜、導電性顔料分散樹脂膜の如きコート剤でコートしたもの、又は反応性化合物により表面処理が施されているものである。この表面層は必ずしも磁性粒子を完全に被覆する必要はなく、本発明の効果が得られる範囲で磁性粒子が露出していても良い。つまり表面層が不連続に形成されていても良い。
【0261】
生産性及び、コストの観点から導電性顔料分散樹脂膜をコートするのが好ましい。
【0262】
更に、抵抗値の電界依存性を抑制するという観点から、高抵抗の結着樹脂に電子伝導性の導電性顔料を分散した樹脂膜をコートするのが好ましい。
【0263】
当然のことながら、コート後の磁性粒子の抵抗は、上述の範囲に収める必要があり、更に高電界側での急激な抵抗低下、また、感光体上の傷の大きさ、深さによるリーク画像発生の許容範囲を広くするという観点から、母体の磁性粒子の抵抗も上述の範囲に納まっていることが好ましい。
【0264】
磁性粒子の被覆用に用いられる結着樹脂としては、スチレン及びクロルスチレンの如きスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン及びイソブチレンの如きモノオレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル及び酢酸ビニルの如きビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル及びメタクリル酸ドデシルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル及びビニルブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン及びビニルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類の単独重合体あるいは共重合体が挙げられる。特に代表的な結着樹脂としては、導電性微粒子の分散性やコート層としての成膜性、生産性という点から、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンが挙げられる。更にポリカーボネート、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリオレフィン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミドが挙げられる。特にトナー汚染防止という点から、臨界表面張力の小さい樹脂、例えばポリオレフィン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂を含んでいることがより望ましい。
【0265】
更に、高電界側の抵抗低下による、また、感光体上の傷によるリーク画像防止の許容範囲を広く保つ観点から、磁性粒子にコートする樹脂は耐高電圧性のあるシリコーン樹脂が好ましい。
【0266】
フッ素樹脂としては、例えばポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリクリロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレンと、他のモノマーが共重合した溶媒可溶の共重合体が挙げられる。
【0267】
シリコーン樹脂としては、例えば信越シリコーン社製KR271、KR282、KR311、KR255、KR155(ストレートシリコーンワニス)、KR211、KR212、KR216、KR213、KR217、KR9218(変性用シリコーンワニス)、SA−4、KR206、KR5206(シリコーンアルキッドワニス)、ES1001、ES1001N、ES1002T、ES1004(シリコーンエポキシワニス)、KR9706(シリコーンアクリルワニス)、KR5203、KR5221(シリコーンポリエステルワニス)や東レシリコーン社製のSR2100、SR2101、SR2107、SR2110、SR2108、SR2109、SR2400、SR2410、SR2411、SH805、SH806A、SH840等が用いられる。
【0268】
反応性化合物により表面処理を施す場合はカップリング反応物等が好適であるが、必ずしもこれに制約される範囲ではない。
【0269】
本発明に用いられる潜像担持体(感光体)の好ましい態様の例を以下に説明する。
【0270】
導電性基体としては、アルミニウムやステンレスなどの金属、アルミニウム合金や酸化インジウム−酸化錫合金、これら金属や合金の被膜層を有するプラスチック、導電性粒子を含侵させた紙またはプラスチック、導電性ポリマーを有するプラスチックの円筒状シリンダー及びフィルムが用いられる。
【0271】
これら導電性基体上には、感光層の接着性向上、塗工性改良、基体の保護、基体上に欠陥の被覆、基体からの電荷注入性改良及び感光層の電気的破壊に対する保護を目的として下引き層を設けても良い。下引き層を形成する材料としては、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリビニルブチラール、フェノール樹脂、カゼイン、ポリアミド、共重合ナイロン、ニカワ、ゼラチン、ポリウレタン及び酸化アルミニウムが挙げられる。その膜厚は通常0.1〜10μm、好ましくは0.1〜3μm程度である。
【0272】
電荷発生層は、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩類、チオピリウム塩類、トリフェニルメタン系色素及びセレンやアモルファスシリコンの如き無機の電荷発生物質を適当な結着樹脂に分散し塗工する。あるいは蒸着することなどにより形成される。結着樹脂としては、広範囲な結着樹脂から選択でき、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、及び酢酸ビニル樹脂が挙げられる。電荷発生層中に含有される結着樹脂の量は80重量%以下、好ましくは0〜40重量%であることが良い。電荷発生層の膜厚は5μm以下、特には0.05〜2μmが好ましい。
【0273】
電荷輸送層は、電界の存在下で電荷発生層から電荷キャリアを受け取り、これを輸送する機能を有している。電荷輸送層は電荷輸送物質を必要に応じて結着樹脂と共に溶剤中に溶解し、塗工することによって形成され、その膜厚は一般的には5〜40μmである。電荷輸送物質としては、主鎖または側鎖にビフェニレン、アントラセン、ピレンまたはフェナントレンの構造を有する多環芳香族化合物;インドール、カルバゾール、オキサジアゾール及びピラゾリンの如き含窒素環式化合物;ヒドラゾン化合物;スチリル化合物;セレン、セレン−テルル、非晶質シリコン、硫化カドニウムの如き無機化合物が挙げられる。
【0274】
これら電荷輸送物質を分散させる結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂の如き絶縁性樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾールやポリビニルアントラセンの如き有機光導電性ポリマーが挙げられる。
【0275】
本発明において用いられる感光体は、支持体より最も離れた層、即ち表面層として電荷注入層を有するのが好適である。この電荷注入層の体積抵抗値は、十分な帯電性が得られ、かつ、画像流れを起こしにくくするために、1×108 Ωcm〜1×1015Ωcmであることが好ましく、特には画像流れの点から1×1010Ωcm〜1×1015Ωcm、更に環境変動なども考慮すると、1×1010Ωcm〜1×1013Ωcmであることが好ましい。1×108 Ωcm未満では高湿環境で帯電電荷が表面方向に保持されないため画像流れを生じ易くなることがあり、1×1015Ωcmを超えると帯電部材からの帯電電荷を十分注入、保持できず、帯電不良を生じる傾向にある。このような機能層を感光体表面に設けることによって、帯電部材から注入された帯電電荷を保持する役割を果たし、更に光露光時にこの電荷を感光体支持に逃がす役割を果たし、残留電位を低減させる。本発明に係わる帯電部材と感光体を用いることでこのような構成をとることによって、帯電開始電圧Vthが小さく、感光体帯電電位を帯電部材に印加する電圧のほとんど90%以上に収束させることが可能になった。
【0276】
例えば、帯電部材の絶対値で100〜2000Vの直流電圧を1000mm/分以下のプロセススピードで印加したとき、本発明の電荷注入層を有する電子写真感光体の帯電電位を印加電圧の80%以上、更には90%以上にすることができる。これに対し、従来の放電を利用した帯電によって得られる感光体の帯電電位は、印加電圧が700Vの直流電圧であれば、約30%に過ぎない200V程度であった。
【0277】
この電荷注入層は金属蒸着膜などの無機の層あるいは導電性微粒子を結着樹脂中に分散させた導電性微粒子樹脂分散層などによって構成され、蒸着膜は蒸着、導電性微粒子樹脂分散膜はディッピング塗工法、スプレー塗工法、ロール塗工法及びビーム塗工法の如き適当な塗工法にて塗工することによって形成される。絶縁性の結着樹脂に光透過性の高いイオン導電性を持つ樹脂を混合、もしくは共重合させて構成するもの、または中抵抗で光導電性のある樹脂単体で構成するものでもよい。導電性微粒子分散膜の場合、導電性微粒子の添加量は結着樹脂に対して2〜250重量%、より好ましくは2〜190重量%であることが好ましい。2重量%未満の場合には、所望の体積抵抗値を得にくくなり、また250重量%を超える場合には膜強度が低下してしまい電荷注入層が削り取られ易くなり、感光体の寿命が短くなる傾向になるからであり、更に、抵抗が低くなってしまい、潜像電位が流れることによる画像不良を生じ易くなるからである。
【0278】
電荷注入層の結着樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、あるいはこれらの樹脂の硬化剤が単独あるいは2種以上組み合わされて用いられる。更に、多量の導電性微粒子を分散させる場合には、反応性モノマーや反応性オリゴマーを用い、導電性微粒子などを分散して、感光体表面に塗工した後、光や熱によって硬化させることが好ましい。感光層がアモルファスシリコンである場合は、電荷注入層はSiCであることが好ましい。
【0279】
電荷注入層の結着樹脂中に分散される導電性微粒子の例としては、金属や金属酸化物が挙げられ、好ましくは、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化スズ被覆酸化チタン、スズ被膜酸化インジウム、アンチモン被膜酸化スズ及び酸化ジルコニウムの如き超微粒子がある。これらは単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。一般的に電荷注入層に粒子を分散させる場合、分散粒子による入射光の散乱を防ぐために入射光の波長よりも粒子の粒径の方が小さいことが必要であり、本発明における表面層に分散される導電性、絶縁性粒子の粒径としては0.5μm以下であることが好ましい。
【0280】
本発明においては、電荷注入層が滑材粒子を含有することが好ましい。その理由は、帯電時に感光体と帯電部材の摩擦が低減されるために帯電ニップが拡大し、帯電特性が向上するためである。特に滑材粒子として臨界表面張力が低いフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂またはポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。更に好ましくは四フッ化エチレン樹脂(PTFE)が用いられる。この場合、滑材粒子の添加量は、結着樹脂に対して2〜50重量%、好ましくは5〜40重量%である。2重量%未満では、滑材粒子の量が十分ではないために、帯電特性の向上が十分ではなく、また50重量%を超えると、画像の分解能、感光体の感度が大きく低下してしまうからである。
【0281】
本発明における電荷注入層の膜厚は0.1〜10μmであることが好ましく、特には1〜7μmであることが好ましい。
【0282】
膜厚が、0.1μm未満であると微小な傷に対する耐性がなくなり、結果として注入不良による画像欠陥を生じ、10μmを超えると注入電荷の拡散により画像が乱れやすくなってしまう。
【0283】
本発明において、静電潜像担持体に用いられるフッ素原子含有樹脂微粒子はポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリジクロロジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、及びテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体から選ばれた1種または2種以上から構成されているものである。市販のフッ素原子含有樹脂微粒子をそのまま用いることが可能である。0.3万〜500万の分子量のものが使用可能であり、0.01〜10μm、好ましくは0.05〜2.0μmの粒径のものが使用可能である。
【0284】
前記のフッ素原子含有樹脂微粒子、電荷発生材料、電荷輸送材料を、それぞれ成膜性を有する結着樹脂中に分散、含有させて、各保護層、感光層を形成する場合が多い。その様な結着樹脂としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド−イミド、ナイロン、ポリサルフォン、ポリアリルエーテル、ポリアセタール及びブチラール樹脂が挙げられる。
【0285】
静電潜像担持体の導電性支持体は、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモン、インジウムの如き金属や合金、あるいは前記金属の酸化物、カーボン、導電性ポリマーが使用可能である。形状は円筒形、円柱形の如きドラム形状と、ベルト形状、シート状のものとがある。前記導電性材料は、そのまま成形加工される場合、塗料として用いられる場合、蒸着される場合や、エッチング、プラズマ処理により加工される場合もある。
【0286】
本発明において、中抵抗の接触帯電部材で、中抵抗の表面抵抗を持つ感光体表面に電荷注入を行うものであるが、好ましくは感光体表面材質の持つトラップ電位に電荷を注入するものではなく、光透過性で絶縁性のバインダーに導電性微粒子を分散した電荷注入層の導電性微粒子に電荷を充電して帯電を行う。
【0287】
具体的には、電荷輸送層を誘電体、アルミ基板と電荷注入層内の導電性微粒子を両電極板とする微小なコンデンサーに、接触帯電部材で電荷を充電する理論に基づくものである。この際、導電性微粒子は互いに電気的には独立であり、一種の微小フロート電極を形成している。この為、マクロ的には感光体表面は均一電位に充電、帯電されている様に見えるが、実際には微小な無数の充電された導電性微粒子が感光体表面を覆っている様な状況となっている。この為、レーザーによって画像露光を行ってもそれぞれの導電性微粒子は電気的に独立な為、静電潜像を保持することが可能になる。
【0288】
従って、従来の通常感光体表面に少ないながらも存在していたトラップ準位を導電性微粒子で代用することで、電荷注入性、電荷保持性が向上するのである。
【0289】
ここで電荷注入層の体積抵抗値の測定方法は、表面に導電膜を蒸着させたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に電荷注入層を作製し、これを体積抵抗測定装置(ヒューレットパッカード社製4140BpAMATER)にて、23℃、65%の環境で100Vの電圧を印加して測定するというものである。
【0290】
潜像形成工程において、画像露光手段としては、レーザー及びLEDの如き公知の手段を用いる。
【0291】
現像工程において、静電潜像を現像するための現像手段としては、トナーのみよりなる一成分系現像剤を用いる一成分系現像方式及びトナー及びキャリアよりなる二成分系現像剤を用いる二成分系現像方式を用いることができる。
【0292】
一成分系現像剤として、磁性体をトナー中に含有せしめた磁性トナーの場合に、現像スリーブ中に内蔵せしめたマグネットを利用し、磁性トナーを搬送及び帯電せしめる方法がある。更に、一成分系現像剤として、磁性体を含有しない非磁性トナーを用いる場合には、ブレード及びファーブラシを用い、現像スリーブにて強制的に摩擦帯電し現像スリーブ上にトナーを付着せしめることで搬送せしめる方法がある。
【0293】
次に上記二成分系現像剤を用いた二成分系現像方式について説明する。
【0294】
二成分系現像方式は、トナー及びキャリアを有する二成分系現像剤を現像剤担持体上で循環搬送し、潜像担持体とそれに対向する現像剤担持体の現像領域で潜像担持体に保持されている潜像を該現像剤担持体上の二成分系現像剤のトナーで現像するものである。
【0295】
キャリアの磁気特性は現像スリーブに内蔵されたマグネットローラによって影響され、現像剤の現像特性及び搬送性に大きく影響を及ぼすものである。
【0296】
本発明の画像形成方法においては、現像スリーブ(現像剤担持体)とこれに内蔵されたマグネットローラのうち、例えばマグネットローラを固定して現像スリーブを単体で回転し、二成分系現像剤を現像スリーブ上で循環搬送し、二成分系現像剤にて静電潜像担持体表面に保持された静電潜像を現像するものである。
【0297】
本発明の画像形成方法においては、▲1▼該マグネットローラが反発極を有する極構成とし、▲2▼現像領域における磁束密度が500〜1200ガウスであり、▲3▼キャリアの飽和磁化が20〜50Am2 /kgである場合には、画像の均一性や階調再現性にすぐれ好適である。
【0298】
本発明の画像形成方法においては、現像領域で現像バイアスを印加して静電潜像を二成分系現像剤のトナーで現像することが好ましい。
【0299】
特に好ましい現像バイアスについて以下に詳述する。
【0300】
本発明の画像形成装置においては、潜像担持体と現像剤担持体の間の現像領域に現像電界を形成するため、現像剤担持体に図7に示すような非連続の交流成分を有する現像電圧を印加することにより、潜像担持体に保持されている潜像を現像剤担持体上の二成分系現像剤のトナーで現像することが好ましい。この現像電圧は、具体的には、現像領域で潜像担持体から現像剤担持体にトナーを向かわせる第1電圧と、現像剤担持体から潜像担持体にトナーを向かわせる第2電圧と、該第1電圧と該第2電圧の間の第3電圧を現像剤担持体に印加し、潜像担持体と現像剤担持体との間に現像電界を形成する。
【0301】
更に、前述の潜像担持体から現像剤担持体にトナーを向かわせる第1電圧と現像剤担持体から潜像担持体にトナーを向かわせる第2電圧とを現像剤担持体に印加する合計時間、すなわち、交流成分の作用している時間(T1 )よりも、該第1電圧と該第2電圧との間の第3電圧を現像剤担持体に印加する時間、すなわち、交流成分の休止している時間(T2 )を長くすることが、潜像担持体上でトナーを再配列させ潜像に忠実に再現する目的で特に好ましい。
【0302】
具体的には、現像領域で潜像担持体と現像剤担持体との間に、潜像担持体から現像剤担持体にトナーが向かう電界と現像剤担持体から潜像担持体にトナーが向かう電界を少なくとも1回形成した後に、潜像担持体の画像部ではトナーが現像剤担持体から潜像担持体に向かい、潜像担持体の非画像部では、トナーが潜像担持体から現像剤担持体に向かう電界を所定時間形成することにより、潜像担持体に保持されている潜像を現像剤担持体に担持されている二成分系現像剤のトナーで現像するものであり、この潜像担持体から現像剤担持体にトナーが向かう電界と現像剤担持体から潜像担持体にトナーが向かう電界を形成する合計時間(T1 )より潜像担持体の画像部ではトナーが現像剤担持体から潜像担持体に向かい、潜像担持体の非画像部では、トナーが潜像担持体から現像剤担持体に向かう電界を形成する時間(T2 )の方を長くすることが好ましい。
【0303】
前述の特定の現像電界、すなわち交番電界を形成して現像する現像方法で、定期的に交番をオフする現像電界を用いて現像を行なった場合にキャリア付着がより発生しづらいものである。この理由は、いまだ明確ではないが以下のように考えられる。
【0304】
すなわち、従来の連続的な正弦波あるいは矩形波においては、高画質濃度を達成しようとして電界強度を強くすると、トナーとキャリアは一体となって潜像担持体と現像剤担持体の間を往復運動し、結果として潜像担持体にキャリアが強く摺擦し、キャリア付着が発生する。この傾向は微粉キャリアが多い程顕著である。
【0305】
しかるに、本発明の如き特定の交流電界を印加すると、1パルスではトナーあるいはキャリアが現像剤担持体と潜像担持体間を往復しきらない往復運動をするため、その後の潜像担持体の表面電位と現像バイアスの直流成分の電位差VcontがVcont<0の場合には、Vcontがキャリアを現像剤担持体から飛翔させるように働くが、キャリアの磁気特性とマグネットローラの現像領域での磁束密度をコントロールすることによって、キャリア付着は防止でき、Vcont>0の場合には、磁界の力及びVcontがキャリアを現像剤担持体側に引きつけるように働き、キャリア付着は発生しない。
【0306】
キャリアの磁気特性は現像スリーブに内蔵されたマグネットローラによって影響され、現像剤の現像特性及び搬送性に大きく影響を及ぼすものである。
【0307】
本発明においては、マグネットローラを内蔵した現像スリーブ上で、マグネットローラを固定して現像スリーブを単体で回転し、磁性粒子からなるキャリアと絶縁性カラートナーからなる二成分系現像剤を現像スリーブ上で循環搬送し、該二成分系現像剤にて静電潜像保持体表面に保持された静電潜像を現像するに際して、▲1▼該マグネットローラが反発極を有する極構成とし、▲2▼現像領域における磁束密度を500〜1200ガウスとし、▲3▼キャリアの飽和磁化が20〜70Am2 /kgのとき、カラー複写において画像の均一性や階調再現性にすぐれ好適である。
【0308】
飽和磁化が70Am2 /kg(3000エルステッドの印加磁場に対し)を超える場合であると、現像時に感光体上の静電潜像に対向した現像スリーブ上のキャリアとトナーにより構成されるブラシ状の穂立ちが固く締まった状態となり、階調性や中間調の再現が悪くなる。また、20Am2 /kg未満であると、トナー及びキャリアを現像スリーブ上に良好に保持することが困難になり、キャリア付着やトナー飛散が悪化するという問題点が発生しやすくなる。
【0309】
転写工程において、転写手段としては、コロナ帯電器、転写ローラまたはベルトが用いられる。更に、転写工程後に感光体上に存在する転写残りトナーを感光体表面を利用して、現像部分に搬送し回収再利用するに際しては、感光体帯電バイアスを変更することなくしても、実現可能であるが、実用上、転写紙ジャム時あるいは画像比率の高い画像を連続してとるなどした場合、過剰量がトナー帯電器に混入する場合が考えられる。
【0310】
この場合、電子写真装置の動作中、感光体上に画像を形成しない部分を利用して、帯電器から現像機へとトナーを移動させることが可能である。その画像形成部分とは、前回転時、後回転時、転写紙間などである。その場合、トナーが帯電器より感光体に移りやすいような帯電バイアスに変更することも好ましく用いられる。帯電器から出やすいバイアスとしては、交流成分のピーク・ピーク間電圧を小さ目にするあるいは直流成分とする。あるいは、ピーク・ピーク間電圧を同じにして、波形を変更して交流実効値をさげる方法などが挙げられる。
【0311】
転写工程において、転写材としては、(i)記録紙を用い、潜像担持体上に形成されているトナー像をこの記録材上に直接転写することに加えて、(ii)中間転写体を用い、潜像担持体上に形成されているトナー像をこの中間転写体上に一次転写し、中間転写体上に転写されたトナー像を中間転写体上から記録材上へ二次転写することも可能である。
【0312】
本発明のトナーは離型性が良く、転写性に優れているので、上述した潜像担持体上のトナー像を中間転写体を介して記録材に転写する画像形成方法に好ましく用いられる。
【0313】
潜像保持上あるいは中間転写体上に形成されたトナー像を記録材に転写する画像形成方法において、該潜像保持体上あるいは中間転写体上に複数のトナーにより形成された多重トナー像を記録材に一括転写する画像形成方法にも好ましく用いられる。
【0314】
本発明のトナーは非凝集性,均一帯電性に優れているので、微小潜像を忠実に再現することができ、デジタル潜像を美しく現像することができる。特にフルカラー画像においてはハイライト部の再現,微小な色差の再現に優れており、質感溢れた、なめらかで、みずみずしい、ピクトリアルなフルカラー画像が得られるので、グラフィック画像,ライン文字画像にも美しく得られることができ、デジタルフルカラー複写機・プリンターに好適に用いることができる。
【0315】
上記の中間転写体を用いて多重トナー像を記録材に一括転写する画像形成方法を図2をもとに説明する。
【0316】
潜像担持体としての感光体ドラム3に接触しながら回転する帯電ローラ2により感光ドラム3上に表面電位を持たせ露光手段1により静電潜像を形成する。静電潜像は第1現像器4,第2現像器5,第3現像器6,及び第4現像器7により順次現像されそれぞれトナー像が形成され、このトナー像は一色ごとに中間転写体11上に多重転写され、多重トナー像が形成される。中間転写体11はドラム状のものが用いられ、外周面に保持部材を張設したもの、基材上に導電付与部材、例えばカーボンブラック,酸化亜鉛,酸化錫,炭化珪素又は酸化チタンを十分分散させた弾性層(例えばニトリルブタジエンラバー)を有するものが用いられる。ベルト状の中間転写体を用いても良い。中間転写体の硬度は10〜50度(JIS K−6301)の弾性層から構成されることや、転写ベルトの場合では転写材(記録材)への転写部でこの硬度を有する弾性層を持つ支持部材で構成されていることが好ましい。感光体ドラム3から中間転写体11への転写は、電源13より中間転写体11の芯金9の上にバイアスを付与することで転写電流が得られトナー像の転写が行なわれる。保持部材、ベルトの背面からのコロナ放電やローラ帯電を利用しても良い。中間転写体11上の多重トナー像は転写帯電器14により転写材S上に一括転写される。転写帯電器はコロナ帯電器や転写ローラ、転写ベルトを用いた接触静電転写手段が用いられる。
【0317】
上記のいずれかの方法によって記録材上に転写されたトナー像は、定着工程において、加熱及び/又は加圧により記録材に定着される。
【0318】
本発明においては、転写工程で転写されずに潜像担持体の表面に存在している転写残トナーは、(i)潜像担持体の表面にクリーニング部材を当接させて転写残トナーを除去回収する現像前クリーニング方式及び(ii)現像時に現像装置が転写残トナーの回収を兼ねて行なう現像同時クリーニング方式のいずれを用いて回収することができるか、画像形成装置全体のコンパクト化及び潜像担持体の長寿命化の点で現像同時クリーニング方式が好ましい。
【0319】
現像同時クリーニング方式においては、潜像担持体の移動方向に対して、現像部、転写部及び帯電部の順を位置しており、転写部と帯電部との間及び帯電部と現像部との間に、潜像担持体の表面に当接して潜像担持体の表面に存在する転写残トナーを除去するためのクリーニング部材を有していない。
【0320】
現像同時クリーニング方式を用いた画像形成方法について、現像工程において、トナーの帯電極性と潜像担持体の静電潜像の帯電極性が同極性で現像を行なう反転現像を例に挙げて説明すると、マイナス帯電性の感光体及びマイナス帯電性のトナーを用いた場合、その転写工程において、プラス極性の転写部材によって可視化された像を転写材に転写することになるが、転写材の種類(厚み、抵抗、誘電率の違い)と画像面積の関係により、転写残余のトナーの帯電極性がプラスからマイナスまで変動する。しかし、マイナス帯電性の感光体を帯電する際のマイナス極性の帯電部材により、感光体表面と共に転写残余のトナーまでもが、転写工程においてプラス極性に振れていたとしても、一様にマイナス側へ帯電極性を揃えることが出来る。これゆえ、現像時に一様にマイナス極性に帯電したトナー粒子が感光体表面に存在していても、現像方法として反転現像を用いた場合、マイナスに帯電された転写残余のトナーは、トナーの現像されるべき明部電位部には残り、トナーの現像されるべきでない暗部電位には、現像電界の関係上現像剤担持体の方に引き寄せられ、残留しない。
【0321】
図1は、本発明の画像形成方法を実施可能な画像形成装置の概略図を示す。
【0322】
画像形成装置本体には、第1画像形成ユニットPa、第2画像形成ユニットPb、第3画像形成ユニットPc及び第4画像形成ユニットPbが併設され、各々異なった色の画像が潜像、現像、転写のプロセスを経て転写材上に形成される。
【0323】
画像形成装置に併設される各画像形成ユニットの構成について第1の画像形成ユニットPaを例に挙げて説明する。
【0324】
第1の画像形成ユニットPaは、潜像担持体としての30φの電子写真感光体ドラム61aを具備し、この感光体ドラム61aは矢印a方向へ回転移動される。62aは帯電手段としての一次帯電器であり、感光ドラム61aと接触の16φスリーブに担持されたキャリアブラシ帯電器が用いられている。67aは、一次帯電器62aにより表面が均一に帯電されている感光体ドラム61aに静電潜像を形成するための潜像形成手段としての露光装置である。63aは、感光体ドラム61a上に担持されている静電潜像を現像してカラートナー画像を形成するための現像手段としての現像器でありカラートナーを保持している。64aは感光体ドラム61aの表面に形成されたカラートナー画像をベルト状の転写材担持体68によって搬送されて来る転写材の表面に転写するための転写手段としての転写ブレードであり、この転写ブレード64aは、転写材担持体68の裏面に当接して転写バイアスを印加し得るものである。
【0325】
この第1の画像形成ユニットPaは、一次帯電器62aによって感光体ドラム61aの感光体を均一に一次帯電した後、露光装置67aにより感光体に静電潜像を形成し、現像器63aで静電潜像をカラートナーを用いて現像し、この現像されたトナー画像を第1の転写部(感光体と転写材の当接位置)で転写材を担持搬送するベルト状の転写材担持体68の裏面側に当接する転写ブレード64aから転写バイアスを印加することによって転写材の表面に転写する。
【0326】
この第1の画像形成ユニットPaは、感光体ドラムの表面に当接して、転写残トナーを感光体ドラムの表面から除去するためのクリーニング部材を転写部と帯電部との間及び帯電部と現像部との間に有しておらず、現像器が感光体上に存在する転写残トナーのクリーニングを兼ねる現像同時クリーニング方式を用いている。
【0327】
本画像形成装置は、第1の画像形成ユニットPaと同様の構成であり、現像器に保有されるカラートナーの色の異なる第2の画像形成ユニットPb、第3の画像形成ユニットPc及び第4の画像形成ユニットPdの4つの画像形成ユニットを併設するものである。例えば、第1の画像形成ユニットPaにイエロートナー、第2の画像形成ユニットPbにマゼンタトナー、第3の画像形成ユニットPcにシアントナー、及び第4の画像形成ユニットPdにブラックトナーをそれぞれ用い、各画像形成ユニットの転写部で各カラートナーの転写材上への転写が順次行なわれる。この工程で、レジストレーションを合わせつつ、同一転写材上に一回の転写材の移動で各カラートナーは重ね合わせられ、終了すると分離帯電器69によって転写材担持体68上から転写材が分離され、搬送ベルトの如き搬送手段によって定着器70に送られ、ただ一回の定着によって最終のフルカラー画像が得られる。
【0328】
定着器70は、一対の40φの定着ローラ71と30φの加圧ローラ72を有し、定着ローラ71は、内部に加熱手段75及び76を有している。73は、定着ローラ上の汚れを除去するウェッブである。
【0329】
転写材上に転写された未定着のカラートナー画像は、この定着器70の定着ローラ71と加圧ローラ72との圧接部を通過することにより、熱及び圧力の作用により転写材上に定着される。
【0330】
図1において、転写材担持体68は、無端のベルト状部材であり、このベルト状部材は、80の駆動ローラによって矢印e方向に移動するものである。79は、転写ベルトクリーニング装置であり、81はベルト従動ローラであり、82は、ベルト除電器である。83は転写材ホルダー内の転写材を転写材担持体68に搬送するための一対のレジストローラである。
【0331】
転写手段としては、転写材担持体の裏面側に当接する転写ブレードに代えてローラ状の転写ローラの如き転写材担持体の裏面側に当接して転写バイアスを直接印加可能な接触転写手段を用いることが可能である。
【0332】
更に、上記の接触転写手段に代えて一般的に用いられている転写材担持体の裏面側に非接触で配置されているコロナ帯電器から転写バイアスを印加して転写を行う非接触の転写手段を用いることも可能である。
【0333】
しかしながら、転写バイアス印加時のオゾンの発生量を制御できる点で接触転写手段を用いることがより好ましい。
【0334】
次に、複数画像形成部にて各色のトナー画像をそれぞれ形成し、これを同一転写材に順次重ねて転写するようにした画像形成方法を図3をもとに説明する。
【0335】
ここでは、第1,第2,第3及び第4の画像形成部29a ,29b ,29c ,29d が並設されており、各画像形成部はそれぞれ専用の静電潜像保持体、いわゆる感光ドラム19a ,19b ,19c 及び19d を具備している。
【0336】
感光ドラム19a 乃至19d はその外周側に潜像形成手段23a ,23b ,23c 及び23d ,現像部17a ,17b ,17c 及び17d 、転写用放電部24a,24b,24c 及び24d 、ならびにクリーニング部18a,18b,18c 及び19d が配置されている。
【0337】
このような構成にて、先ず、第1画像形成部29a の感光ドラム19a 上に潜像形成手段23a によって原稿画像における、例えばイエロー成分色の潜像が形成される。該潜像は現像手段17a のイエロートナーを有する現像剤で可視画像とされ、転写部24a にて、転写材としての記録材Sに転写される。
【0338】
上記のようにイエロー画像が転写材Sに転写されている間に、第2画像形成部29b ではマゼンタ成分色の潜像が感光ドラム19b 上に形成され、続いて現像手段17b のマゼンタトナーを有する現像剤で可視画像とされる。この可視画像(マゼンタトナー像)は、上記の第1画像形成部29a での転写が終了した転写材Sが転写部24b に搬入されたときに、該転写材Sの所定位置に重ねて転写される。
【0339】
以下、上記と同様な方法により第3,第4の画像形成部29c ,29d によってシアン色,ブラック色の画像形成が行われ、上記同一の転写材Sに、シアン色,ブラック色を重ねて転写するのである。このような画像形成プロセスが終了したならば、転写材Sは定着部22に搬送され、転写材S上の画像を定着する。これによって転写材S上には多色画像が得られるのである。転写が終了した各感光ドラム19a,19b,19c 及び19d はクリーニング部18a,18b,18c 及び18d により残留トナーを除去され、引き続き行なわれる次の潜像形成のために供せられる。
【0340】
なお、上記画像形成装置では、転写材としての記録材Sの搬送のために、搬送ベルト25が用いられており、図3において、転写材Sは右側から左側への搬送され、その搬送過程で、各画像形成部29a,29b,29c 及び29d における各転写部24a,24b,24c 及び24d を通過し、転写をうける。
【0341】
この画像形成方法において、転写材を搬送する搬送手段として加工の容易性及び耐久性の観点からテトロン繊維のメッシュを用いた搬送ベルト及びポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ウレタン系樹脂の如き薄い誘電体シートを用いた搬送ベルトが利用される。
【0342】
転写材Sが第4画像形成部29dを通過すると、AC電圧が除電器20に加えられ、転写材Sは除電され、ベルト25から分離され、その後、定着器22に入り、画像定着され、排出口26から排出される。
【0343】
なお、この画像形成方法では、その画像形成部にそれぞれ独立した静電潜像保持体を具備しており、転写材はベルト式の搬送手段で、順次、各静電潜像保持体の転写部へ送られるように構成してもよい。
【0344】
また、この画像形成方法では、その画像形成部に共通する静電潜像保持体を具備してなり、転写材は、ドラム式の搬送手段で、静電潜像保持体の転写部へ繰返し送られて、各色の転写をうけるように構成してもよい。
【0345】
しかしながら、この搬送ベルトでは、体積抵抗が高いため、カラー画像形成装置におけるように、数回の転写を繰返す過程で、搬送ベルトが帯電量を増加させて行く。このため、各転写の都度、転写電流を順次増加させないと、均一な転写を維持できない。
【0346】
本発明トナーは転写性が優れているので、転写を繰返す毎に搬送手段の帯電が増しても、同じ転写電流で各転写におけるトナーの転写性を均一化でき、良質な高品位画像が得られることになる。
【0347】
更に他の実施形態のフルカラー画像を形成するための画像形成方法を図4に基づいて説明する。
【0348】
感光ドラム33上に適当な手段で形成された静電潜像は、矢印の方向へ回転する回転現像ユニット39に取り付けられた現像手段としての現像器36中に第1のカラートナー及びキャリアを有する二成分系現像剤により可視化される。感光体ドラム33上のカラートナー画像は、グリッパー47によって転写ドラム48上に保持されている転写材としての記録材Sに、転写帯電器44により転写される。
【0349】
転写帯電器44には、コロナ帯電器又は接触帯電器が利用され、転写帯電器44にコロナ帯電器が使われる場合には、−10kV〜+10kVの電圧が印加され、転写電流は−500μA〜+500μAである。転写ドラム48の外周面には保持部材が張設され、この保持部材はポリフッ化ビニリデン樹脂フィルムやポリエチレンテレフタレートの如きフィルム状誘電体シートによって構成される。例えば、厚さ100μm〜200μm、体積抵抗1012〜1014Ω・cmのシートが用いられる。
【0350】
次に2色目として回転現像ユニットが回転し、現像器35が感光ドラム33に対向する。そして現像器35中の第2のカラートナー及びキャリアを有する二成分系現像剤により現像され、このカラートナー画像も前記と同一の転写材としての記録材S上に重ねて転写される。
【0351】
更に3色目、4色目も同様に行なわれる。このように転写ドラム48は転写材としての記録材Sを把持したまま所定回数だけ回転し所定色数のトナー像が多重転写される。静電転写するための転写電流は、一色目<二色目<三色目<四色目の順に高めることが感光ドラム上に残る転写残留トナーを少なくするために好ましい。
【0352】
一方、転写電流を高くすると、転写画像を乱すので好ましくない。ところが本発明のトナーは転写性に優れているので、多重転写する際の二色目、三色目、四色目もしっかりと転写することができる。したがって、何色目の画像もきちんと形成され、めりはりの利いた多色画像が得られる。更に、フルカラー画像においては、色再現に優れた美しい画像が得られる。しかも転写電流をそれほど高める必要もなくなるので転写工程における画像の乱れを少なくすることができる。また記録材Sを転写ドラム48から分離する際に、分離帯電器45により除電するが、転写電流が大きいと、記録材Sの転写ドラムへの静電吸着が大きくなり、分離する際の電流を大きくしないと分離できなくなる。そうすると、転写電流とは逆極性であるので、トナー像の乱れや転写材上からのトナーの飛散を生じ、画像形成装置機内を汚してしまう。本発明のトナーは転写が容易であるので、分離電流を大きくせずとも良く、分離を容易にすることができ、結果として分離時の画像の乱れや、トナー飛散を防止することができる。したがって本発明のトナーは、多重転写工程を有する多色画像、フルカラー画像を形成する画像形成方法に特に好ましく用いられる。
【0353】
多重転写された記録材Sは、分離帯電器45により転写ドラム48より分離され、シリコーンオイルを含浸しているウェッブを有する加熱加圧ローラ定着器32で定着され、定着時に加色混合されることにより、フルカラー複写画像となる。
【0354】
現像器34〜37に供給される補給トナーは各色ごとに具備した補給ホッパーより、補給信号に基づいた一定量をトナー搬送ケーブルを経由して、回転現像ユニットの中心にあるトナー補給筒に搬送され、各現像器に送られる。
【0355】
多重現像一括転写方法について、フルカラー画像形成装置を例にして図5に基づいて説明する。
【0356】
感光ドラム103上に帯電器102とレーザー光を用いた露光部101で形成された静電潜像は現像器、104,105,106,及び107により順次トナーを現像して可視化される。現像プロセスにおいては、非接触現像方法が好ましく用いられる。非接触現像方法によれば現像器中の現像剤層が像形成体の表面を擦ることがないので、2回目以降の現像工程において先行の現像工程で形成された像を乱すことなく現像を行なうこができる。現像する順は、多色の場合は黒以外の色で、明度,彩度の高い色から現像するのが好ましい。フルカラーの場合は、イエロー、ついでマゼンタあるいはシアンのどちらか、ついでマゼンタあるいはシアンの残った方、最後に黒の順で現像することが好ましい。
【0357】
感光ドラム103上に形成された多色多重画像,フルカラー画像は転写帯電器109により転写材としての記録材Sに転写される。転写工程においては、静電転写方法が好ましく用いられ、コロナ放電転写方法又は接触転写方法が利用される。コロナ放電転写方法とは、転写材としての記録材Sを介しコロナ放電を生じさせる転写帯電器109を像に対向するように配置し、転写材としての記録材Sの背面からコロナ放電を作用させ静電的に転写する方法である。接触転写方法とは、転写材としての記録材Sを介し、転写ローラ、転写ベルトを像形成体に接触させてローラにバイアスを印加させるか、ベルトの背面から静電的に転写する方法である。この静電転写方法により感光ドラム103の表面に担持された多色トナー像が一括して転写材としての記録材Sに転写される。このような一括転写方式では、転写するトナー量が多いので、転写残量が多くなり、転写ムラが発生しやすくなり、フルカラー画像においては色ムラを生じやすくなる。
【0358】
しかしながら本発明のトナーは転写性に優れており、多色画像においてはどの色もきちんと形成される。フルカラー画像において色再現性に優れた美しい画像が得られる。更に、低電流でも転写効率が良いので、転写時における画像の乱れを少なくすることができる。更に、分離も容易になるので、分離時の画像の乱れトナー飛散も低減できる。更に、離型性にも優れるので接触転写手段においても良好な転写性を示す。したがって、本発明のトナーは、多重現像一括転写工程を有する画像形成方法にも好ましく用いられる。
【0359】
多色トナー像が一括転写された記録材Sは、感光ドラム103から分離され熱ローラ定着器112で定着されることにより多色画像となる。
【0360】
上記の図1乃至図5に示す画像形成装置の現像装置としては、図6に示す本発明の二成分系現像剤を用いて現像を行なう二成分系の現像装置を用いることができる。
【0361】
図6において、潜像担持体としての感光ドラム120の静電潜像を現像するための現像装置133は、現像容器126の内部が、隔壁127によって現像室(第1室)R1 と撹拌室(第2室)R2 とに区画され、撹拌室R2 の上方には隔壁127を隔ててトナー貯蔵室R3 が形成されている。現像室R1 及び撹拌室R2 内には現像剤129が収容されており、トナー貯蔵室R3 内には補給用トナー(非磁性トナー)128が収容されている。なお、トナー貯蔵室R3 には補給口130が設けられ、補給口130を経て消費されたトナーに見合った量の補給用トナー128が撹拌室R2 内に落下補給される。
【0362】
現像室R1 内には搬送スクリュー123が設けられており、この搬送スクリュー123の回転駆動によって現像室R1 内の現像剤129は、現像スリーブ121の長手方向に向けて搬送される。同様に、貯蔵室R2 内には搬送スクリュー124が設けられ、搬送スクリュー124の回転によって、補給口130から撹拌室R2 内に落下したトナーを現像スリーブ121の長手方向に沿って搬送する。
【0363】
現像剤129は、非磁性トナー129aと磁性キャリア129bとを有した二成分系現像剤である。
【0364】
現像容器126の感光ドラム120に近接する部位には開口部が設けられ、該開口部から現像スリーブ121が外部に突出し、現像スリーブ121と感光ドラム120との間には間隙が設けられている。非磁性材にて形成される現像スリーブ121には、図示されないバイアスを現像時に印加するためのバイアス印加手段が配置されている。
【0365】
現像スリーブ121内に固定された磁界発生手段としてのマグネットローラ、即ち磁石122は、上述したように、現像磁極Nとその下流に位置する磁極Sと、現像剤129を搬送するための磁極N、S、Sとを有する。磁石122は、現像磁極Sが感光ドラム120に対向するように現像スリーブ121内に配置されている。現像磁極Sは、現像スリーブ121と感光ドラム120との間の現像部の近傍に磁界を形成し、該磁界によって磁気ブラシが形成される。
【0366】
現像スリーブ121の下方には、現像スリーブ121上の現像剤129の層厚を規制するためのアルミニウム、SUS316の如き非磁性材料で作製される非磁性ブレード125が配置される。この規制部材としての非磁性ブレード125の端部と現像スリーブ121表面との距離は300〜1000μm、好ましくは400〜900μmである。この距離が300μmより小さいと、磁性キャリアがこの間に詰まり現像剤層にムラを生じやすいと共に、良好な現像を行うのに必要な現像剤を塗布することが出来ず、濃度の薄いムラの多い現像画像しか得られないという問題点がある。現像剤中に混在している不用粒子による不均一塗布(いわゆるブレードづまり)を防止するためには400μm以上が好ましい。1000μmより大きい現像スリーブ121上へ塗布される現像剤量が増加し所定の現像剤層厚の規制が行えず、感光ドラム120への磁性キャリア粒子の付着が多くなると共に現像剤の循環,非磁性ブレード125による現像規制が弱まりトナーのトリボが不足しカブリやすくなるという問題点がある。
【0367】
この磁性キャリア粒子層は、スリーブ121が矢印方向に回転駆動されても磁気力,重力に基づく拘束力とスリーブ121の移動方向への搬送力との釣合いによってスリーブ表面から離れるに従って動きが遅くなる。もちろん重力の影響により落下するものもある。
【0368】
従って磁極NとNの配設位置と磁性キャリア粒子の流動性及び磁気特性を適宜選択する事により磁性キャリア粒子層はスリーブに近い程磁極N方向に搬送し移動層を形成する。この磁性キャリア粒子の移動により現像スリーブ121の回転に伴なって現像領域へ現像剤は搬送され現像に供される。
【0369】
尚、図6において、感光ドラム120を一次帯電するための帯電手段としては、内部にマグネットロールを有する非磁性の導電性スリーブ131により磁性粒子132が磁気拘束された磁気ブラシ帯電器である。
【0370】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はなんらこれに限定されるものではない。「部」は「重量部」を示す。
【0371】
(実施例1)
イオン交換水710部に、0.1M−Na3 PO4 水溶液450部を投入し、60℃に加温した後、クレアミキサー(Mテクニック社製)を用いて、12000rpmにて撹拌した。これに、1.0M−CaCl2 水溶液68部を徐々に添加し、リン酸カルシウム塩化合物を含む水系媒体を得た。
【0372】
Figure 0003684074
上記材料をボールミルにより微分散した後、下記材料を加え、60℃に加温したTK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて均一に溶解,分散し、次いで、重合開始剤として、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0373】
(荷電制御剤) サリチル酸金属化合物 3部
(極性レジン) 飽和ポリエテル樹脂 10部
(離型剤) エステルワックス(融点70℃) 50部
【0374】
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃,N2 雰囲気下において、クレアミキサーにて12000rpmで10分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、反応容器に移しパドル撹拌翼で撹拌しつつ、80℃に昇温し、10時間反応させた。重合反応終了後、減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、塩酸を加えリン酸カルシウムを溶解させた後、ろ過,水洗,乾燥をして、重量平均粒径6.1μmのシャープな着色懸濁粒子(トナー粒子)を得た。
【0375】
得られたトナー粒子100部に対して、水媒体中でイソブチルトリメトキシシラン10部で処理したBET比表面積が10m2 /gのアナターゼ型疎水性酸化チタン微粉体(1)(体積抵抗値:7×109 Ωcm)1.0部及びBET比表面積が43m2 /g非球形状のシリカ微粉体(1)1.0部を外添し、懸濁重合シアントナー1を得た。
【0376】
上記シリカ微粉末(1)は、市販のシリカ微粒子アエロジル#50(日本アエロジル社製)100部に対して、ヘキサメチルジララザン10部で表面処理を行なった後、風力分級機を用いて、比較的に粗い粒子を採取して粒度分布を調整したものである。シリカ微粉体(1)は、透過型電子顕微鏡(TEM)による10万倍の拡大写真及び走査型電子顕微鏡(SEM)による3万倍の拡大写真において、平均一次粒径40mμmの一次粒子が複数合一した粒子であることが確認された。
【0377】
上記の懸濁重合シアントナー1のトナー粒子上に存在する酸化チタン微粉末(1)の形状係数SF−1は120であり、同様のシリカ微粉末(1)の形状係数SF−1は195であった。
【0378】
更に、上記の懸濁重合シアントナー1の走査型電子顕微鏡による10万倍の拡大写真において、酸化チタン微粉末(1)は、平均長径が50mμmであり、長径/短径が1.1であり、0.5μm×0.5μmの面積当たり25個存在していることが確認され、懸濁重合シアントナーの走査型電子顕微鏡による3万倍の拡大写真において、シリカ微粉末(1)は、平均長径が168mμmであり、長径/短径が2.8であり、1.0μm×1.0mμmの面積当たり17個存在していることが確認された。この拡大写真から確認されたシリカ微粉末(1)の粒子形状を図10に示す。
【0379】
この懸濁重合シアントナー1のコールターカウンターによる重量平均粒径は6.1μmであり、フロー式粒子像分析装置による円形度分布において、平均円形度は0.983であり、円形度0.95未満のトナー粒子が11個数%であった。
【0380】
上記懸濁重合シアントナー1と下記の現像用キャリアIとをトナー濃度8%で混合して二成分系シアン現像剤(1)(見掛密度1.45、圧縮度12%)を作製した。
【0381】
尚、二成分系現像剤(1)の見掛密度及び圧縮度は、以下の測定法に基づいて求めた値である。
【0382】
見掛密度の測定
パウダーテスターを用い、目開き75μmの篩を、振幅1mmで振動させ通過させた状態で見掛密度Aを測定した。
【0383】
圧縮度の測定
パウダーテスターを使用し、上下往復180回後のタップ密度Pを測定し、下記式により、二成分系現像剤の圧縮度を算出する。
【0384】
【外3】
Figure 0003684074
〔式中、Aは二成分系現像剤の見掛密度を示し、Pは圧縮度を示す。〕
【0385】
(現像用キャリアIの製造)
水媒体中にフェノール/ホルムアルデヒドモノマー(50:50)を混合分散した後、モノマー重量に対して、イソプロポキシトリイソステアロイルチターネートで表面処理した0.25μmのマグネタイト粒子600部、0.6μmのヘマタイト粒子400部を均一に分散させ、アンモニアを適宜添加しつつ、モノマーを重合させ、磁性粒子内包球状磁性樹脂キャリア芯材(平均粒径33μm,飽和磁化38Am2 /kg)を得た。
【0386】
トルエン20部,ブタノール20部,水20部及び氷40部を四つ口フラスコにとり、撹拌しながらCH3 SiCl3 15モルと(CH32 SiCl2 10モルとの混合物40部及び触媒を加え、更に30分間撹拌した後、60℃で1時間縮合反応を行った。その後シロキサンを水で十分に洗浄し、トルエン−メチルエチルケトン−ブタノール混合溶媒に溶解して固型分10%のシリコーンワニスを調製した。
【0387】
このシリコーンワニスに、シロキサン固型分100部に対してイオン交換水2.0部、下記式(1)で示す硬化剤2.0部、下記式(2)で示されるアミノシランカップリング剤1.0部、下記式(3)で示されるシランカップリング剤5.0部を同時添加し、キャリア被覆溶液Iを作製した。
【0388】
【外4】
Figure 0003684074
【0389】
このキャリア被覆溶液Iを塗布機(岡田精工社製:スピラコーター)により、前述のキャリア芯材100部に、樹脂コート量が1部となるように塗布し、コートキャリアI(現像用キャリアI)を得た。
【0390】
この現像用キャリアIは、以下の測定法による体積の抵抗値が4×1013Ωcmであり、保磁力が55エルステッドであった。
【0391】
体積抵抗値の測定
体積抵抗値は、図9に示すセルを用いて測定した。すなわち、セルAにサンプル143を充填し、該充填サンプル143に接するように下部電極141及び上部電極142を配し、該電極間に1000Vの直流電圧を印加し、その時流れる電流を電流計で測定することにより求めた。尚、144は絶縁物である。測定条件は、充填されたサンプル143のセルとの接触面積S=2cm2 ,厚みd=3mm,上部電極の荷重15kg重とする。
【0392】
磁気特性の測定
装置は、BHU−60型磁化測定装置(理研測定製)を用いる。測定試料は約1.0g秤量し内径7mmφ、高さ10mmのセルにつめ、前記の装置にセットする。測定は印加磁場を徐々に加え最大1,000エルステッドまで変化させる。次いで印加磁場を減少せしめ、最終的に記録紙上に試料のヒステリシスカーブを得る。これより、飽和磁化,残留磁化,保磁力を求める。
【0393】
上記の二成分系現像剤(1)を図1に示す画像形成装置の第1の画像形成ユニットPaにおける現像器63aに投入し、懸濁重合シアントナー1をトナーホッパー65aに投入して、現像器63a中の二成分系現像剤(1)のトナー濃度が7%〜9%を維持するように図示されないパッチ濃度検知手段を用いてトナー濃度をコントロールし、トナーホッパー65aからトナー送り部材66aを介して現像器63aに懸濁重合トナー1を補給しながら、23℃/65%Rh下、30℃/80%Rh下及び20℃/10%Rh下でシアン単色での3万枚の連続複写を行なった。
【0394】
上記の画像形成装置の第1の画像形成ユニットPaにおいて、感光ドラム61aとしては、下記の感光体No.1を用い、一次帯電器62aとしては、下記の磁気ブラシ帯電器No.1を用い、感光ドラム61a移動方向に対して、磁気ブラシ帯電器をカウンター方向に120%でのスピードで回転させて、−700Vの直流成分に1KHz、1.2KVppの交流電圧を重畳させた帯電バイアス電圧を印加しながら感光体ドラム61aを−700Vに一次帯電する構成とした。
【0395】
更に、第1の画像形成ユニットPaは、転写部と帯電部との間及び帯電部と現像部との間に感光ドラム61aの表面に当接して、転写工程後に感光ドラム61aの表面上に存在する転写残トナーを除去回収するためのクリーニングユニットを有しておらず、転写工程後に感光ドラム61aの表面上に存在する転写残トナーを現像器63aが現像時に二成分系現像剤の磁気ブラシを用いて除去回収する現像同時クリーニング方式を行なう構成をした。現像器63aにおける現像時には、現像コントラスト250V、カブリとり反転コントラスト−150Vに設定し、図7に示す非連続の交流電圧を現像スリーブに印加しながら現像を行なった。
【0396】
(感光体No.1)
感光体No.1は負帯電用の有機光導電物質を用いたOPC感光体であり、φ30mmのアルミニウム製のシリンダー上に下記の機能層を5層設ける。
【0397】
第1層は導電層であり、アルミニウムシリンダーの欠陥をならすため、またレーザ露光の反射によるモアレの発生を防止するために設けられている厚さ約20μmの導電性粒子分散樹脂層である。
【0398】
第2層は正電荷注入防止層(下引き層)であり、アルミニウム基体から注入された正電荷が感光体表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割を果し、6−66−610−12−ナイロンとメトキシメチル化ナイロンによって106 Ωcm程度に抵抗調整された厚さ約1μmの中抵抗層である。
【0399】
第3層は電荷発生層であり、ジスアゾ系の顔料を樹脂に分散した厚さ約0.3μmの層であり、レーザ露光を受けることによって正負の電荷対を発生する。
【0400】
第4層は電荷輸送層であり、ポリカーボネート樹脂にヒドラゾンを分散したものであり、P型半導体である。従って、感光体表面に帯電された負電荷はこの層を移動することはできず、電荷発生層で発生した正電荷のみを感光体表面に輸送することができる。
【0401】
第5層は電荷注入層であり、光硬化性のアクリル樹脂にSnO2 超微粒子、更に帯電部材と感光体との接触時間を増加させて、均一な帯電を行うために粒径約0.25μmの4フッ化エチレン樹脂粒子を分散したものである。具体的には、酸素欠損型の低抵抗化した粒径約0.03μmのSnO2 粒子を樹脂に対して160重量%、更に4フッ化エチレン樹脂粒子を30重量%、分散剤を1.2重量%分散したものである。
【0402】
これによって感光体No.1の表面層の体積抵抗値は、電荷輸送層単体の場合5×1015Ωcmだったのに比べ、6×1011Ωcmにまで低下している。
【0403】
(磁気ブラシ帯電器No.1)
MgO5部,MnO8部,SrO4部,Fe23 83部をそれぞれ微粒化し、水を添加混合して造粒し、1300℃にて焼成し、粒度を調整し、平均粒径28μmのフェライトキャリア芯材(飽和磁化が63Am2 /kg,保磁力が55エルステッド)を得た。
【0404】
上記キャリア芯材に、イソプロポキシトリイソステアロイルチタネート10部をヘキサン99部/水1部に混合させたものを、0.1部となるように表面処理して、磁性粒子aを得た。
【0405】
現像用キャリアIの体積抵抗値と同じ方法で測定したこの磁性粒子の体積抵抗値は、3×107 Ωcmであり、加熱減量は0.1部であった。
【0406】
磁気ブラシ帯電器No.1は、上記磁性粒子aを内部にマグネットロールを内包する導電性非磁性スリーブの表面に磁気拘束させて磁気ブラシを形成させたものであり、帯電時には、マグネットロールが固定で導電性非磁性スリーブが回転する構成である。
【0407】
上記の3万枚の連続複写試験において、初期画像のベタ均一性、3万枚耐久後のカブリ、初期画像と3万枚耐久後画像との画像濃度差による耐久性、初期及び3万枚耐久後における転写性について評価した。更に、低湿下(20℃/10%Rh)と高湿下(30℃/80%Rh)とのトナーの摩擦帯電量差によるトナーの環境安定性について評価した。
【0408】
評価結果は、表3に示す通り、画像濃度も安定で、カブリ、転写性も問題なく非常に良好な結果が得られた。
【0409】
ベタ均一性
反射濃度計RD918(マクベス社製)で測定される画像濃度が1.5である直径20mmの円を5箇所設けたオリジナル原稿を複写し、画像部の画像濃度を反射濃度計RD918で測定し、その際の最大値と最小値との差を求めた。
【0410】
画像濃度
反射濃度計RD918(マクベス社製)で測定される画像濃度が1.5である直径20mmの円を設けたオリジナル原稿を複写し、画像部の画像濃度を反射濃度計RD918で測定した。
【0411】
カブリ量
画像形成後の非画像部(白地部)を10点測定した反射濃度の最悪値(Ds)から画像形成前の用紙を10点測定した反射濃度の平均値(Dr)を引いた値(Dr−Ds)をカブリ量とする。
【0412】
反射濃度の測定は、反射式濃度計(TOKYO DENSHOKU CO,LTD社製REFLECTOMETER MODEL TC−6DS)を用いた。
【0413】
カブリ量1.2%以下は実質的にカブリの無い良好な画像であり、カブリ量が2.0%を超えるとカブリの目立つ不鮮明な画像である。
【0414】
転写性
感光体ドラム上にベタ画像を現像させ、転写途中でマシーンを止め、感光体ドラム上のトナーをマイラーテープで採取し、前述の転写紙上の白地部分に固定する。更に、転写紙上のトナーもマイラーテープで固定し、以下の如く転写性を算出する。
転写性(%)=(転写紙上マクベス濃度/ドラム上マクベス濃度)×100
【0415】
トナーの摩擦帯電量
図8に示す摩擦帯電量測定装置を用いて、以下の手段でトナーの摩擦帯電量を測定した。
【0416】
先ず、底に500メッシュのスクリーン53のある金属製の測定容器52に摩擦帯電量を測定しようとするトナーを磁性粒子と重量比1:19の割合で混合した混合物(50〜100ml容器のポリエチレン製の瓶に入れ、約10〜40秒間手で振とうしたもの)約0.5〜1.5gを入れ金属製の蓋54をする。この時の測定容器52全体の重量をw1 (g)とする。次に吸引機51(測定容器52と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口57から吸引し風量調節弁56を調製して真空計55の圧力を250mmAqとする。この状態で充分、好ましくは2分間吸引を行いトナーを吸引除去する。この時の電位計59の電位をV(ボルト)とする。ここで58はコンデンサーであり容量をC(mF)とし、吸引後の測定容器全体の質量をw2 (g)とする。このトナーの摩擦帯電量(mC/kg)は下式の如く算出される。
【0417】
トナーの摩擦帯電量(mC/kg)=C×V/(w1 −w2
(但し、測定条件は低湿=20℃/10%、高湿30℃/80%とする。)
測定に用いる磁性粒子は、トナーと共に二成分系現像剤を構成するキャリアを用いた。
【0418】
(実施例2)
実施例1で用いたシリカ微粉体(1)に代えて、BET比表面積が40m2 /gであり、平均一次粒径60mμmの一次粒子が複数合一した合一粒子であるシリカ微粉体(2)を用いることを除いては、実施例1と同様にして表2に示す物性を有する懸濁重合シアントナー2を製造した。
【0419】
上記懸濁重合シアントナー2を用いて、実施例1と同様にして二成分系現像剤(2)(見掛密度1.49、圧縮度13%)を製造し、実施例1と同様にして評価を行なった。
【0420】
評価結果は、表3に示す通り、3万枚後の転写性が若干低下したものの良好な結果であった。
【0421】
(比較例1)
・プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸及びトリメリット酸を縮合して得られたポリエステル樹脂 100部
・フタロシアニン顔料 4部
・ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミ化合物 4部
・低分子量ポリプロピレン 4部
【0422】
上記原料をヘンシェルミキサーにより、予備混合を行い、二軸押出し式混錬機により溶融混錬し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。更に得られた微粉砕物を分級し、重量平均粒径6.0μmの青色粉体(トナー粒子)を得、製造例2と同様にして、酸化チタン微粉体(1)及びシリカ微粉体(2)を外添し、表2に示す物性を有する粉砕シアントナー3を得た。
【0423】
上記球状化処理シアントナー3を用いて、実施例1と同様にして二成分系現像剤(3)(見掛密度1.37、圧縮度21%)を製造し、実施例1と同様にして評価を行なった。
【0424】
評価結果は、表3に示す通り、転写性,カブリ,画像濃度ともに満足のいくものではなかった。
【0425】
(実施例3)
・プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸及びトリメリット酸を縮合して得られたポリエステル樹脂 100部
・フタロシアニン顔料 4部
・ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミ化合物 4部
・低分子量ポリプロピレン 4部
【0426】
上記原料をヘンシェルミキサーにより、予備混合を行い、二軸押出し式混錬機により溶融混錬し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。更に得られた微粉砕物を分級した後、機械的衝撃により球状化処理をし、重量平均粒径6.0μmの青色粉体(トナー粒子)を得、製造例2と同様にして、酸化チタン微粉体(1)及びシリカ微粉体(2)を外添し、表2に示す物性を有する球状化処理シアントナー4を得た。
【0427】
上記球状化処理シアントナー4を用いて、実施例1と同様にして二成分系現像剤(4)(見掛密度1.41、圧縮度19%)を製造し、実施例1と同様にして評価を行なった。
【0428】
評価結果は、表3に示す通り、転写性が若干低下したものの良好な結果が得られた。
【0429】
(実施例4)
・プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸及びトリメリット酸を縮合して得られたポリエステル樹脂 100部
・フタロシアニン顔料 4部
・ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミ化合物 4部
・低分子量ポリプロピレン 4部
【0430】
上記原料をヘンシェルミキサーにより、予備混合を行い、二軸押出し式混錬機により溶融混錬し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。更に得られた微粉砕物を分級した後、熱風処理により球状化処理を行い、重量平均粒径6.0μmの青色粉体(トナー粒子)を得、製造例2と同様にして、酸化チタン微粉体(1)及びシリカ微粉体(2)を外添し、表2に示す物性を有する球状化処理シアントナー5を得た。
【0431】
上記球状化処理シアントナー5を用いて、実施例1と同様にして二成分系現像剤(5)(見掛密度1.43、圧縮度17%)を製造し、実施例1と同様にして評価を行なった。
【0432】
評価結果は、表3に示す通り、環境特性が若干悪化したものの良好な結果が得られた。
【0433】
(比較例2)
・プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸及びトリメリット酸を縮合して得られたポリエステル樹脂 100部
・フタロシアニン顔料 4部
・ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミ化合物 4部
・低分子量ポリプロピレン 4部
【0434】
上記原料をヘンシェルミキサーにより、予備混合を行い、二軸押出し式混錬機により溶融混錬し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。更に得られた微粉砕物を分級した後、湯浴下で球状化処理を行い、重量平均粒径6.0μmの青色粉体(トナー粒子)を得、製造例2と同様にして、酸化チタン微粉体(1)及びシリカ微粉体(2)を外添し、表2に示す物性を有する球状化処理シアントナー6を得た。
【0435】
上記球状化処理シアントナー6を用いて、実施例1と同様にして二成分系現像剤(6)(見掛密度1.89、圧縮度9%)を製造し、実施例1と同様にして評価を行なった。
【0436】
評価結果は、表3に示す通り、カブリ、画像濃度ともに低下した。
【0437】
(比較例3)
実施例1で用いたシリカ微粉体(1)を使用せず、酸化チタン微粉体(1)2部のみをトナー粒子100部に対して外添し、表2に示す物性を有する懸濁重合シアントナー7を得た。
【0438】
上記懸濁重合シアントナー7を用いて、実施例1と同様にして二成分系現像剤(7)(見掛密度1.47、圧縮度13%)を製造し、実施例1と同様にして評価を行った。
【0439】
評価結果は、表3に示す通り。
【0440】
転写性、画像濃度ともに低下した。
【0441】
(比較例4)
実施例1において、クレアミキサーの回転数を6000rpmに保ちつつ0.1M−Na3 PO4 水溶液及び1.0M−CaCl2 水溶液を加え、リン酸カルシウム塩化合物を生成する以外は同様にして行ったところ、重量平均粒径7.1μmのブロードな着色懸濁粒子を得た。この粒子を分級し、重量平均粒径が6.5μmのシャープな懸濁粒子(トナー粒子)を得、製造例2と同様にして酸化チタン微粉体(1)及びシリカ微粉体(2)を外添し、表2に示す物性を有する懸濁重合シアントナー8を得た。
【0442】
上記懸濁重合シアントナー8を用いて、実施例1と同様にして二成分系現像剤(8)(見掛密度1.40、圧縮度21%)を製造し、実施例1と同様にして評価を行った。
【0443】
評価結果は、表3に示す通り、比較例1と同様の結果になった。これは、トナーの製造方法は異なるものの、トナーの円形度/分布がほぼ同じであったためと推測される。
【0444】
(実施例5)
実施例2で用いた酸化チタン微粉体(1)に代えて、ヘンシェルミキサーを使用して、乾式下で50センチポイズのジメチルシリコーンオイル10部で処理したアナターゼ型酸化チタン微粉体(2)(体積抵抗値:2×1010Ωcm,BET比表面積:92m2 /g)を用いることを除いては同様にして、表2に示す物性を有する懸濁重合シアントナー9を製造した。
【0445】
上記懸濁重合シアントナー9を用いて、実施例1と同様にして二成分系現像剤(9)(見掛密度1.43,圧縮度14%)を製造し、実施例1と同様にして評価を行った。
【0446】
評価結果は、表3に示す通り、酸化チタン微粉体の形状係数SF−1が大きくなったためと推測されるが、実施例2に比較してベタ濃度ムラが若干低下したものの、良好な結果が得られた。
【0447】
(比較例5)
実施例1で用いた、シリカ微粉体(1)に代えてヘキサメチルジシラザン10部及び50センチポイズのジメチルシリコーンオイル10部で処理したBET比表面積が26m2 /gであり、平均一次粒径70mμmの一次粒子が複数合一した合一粒子であるシリカ微粉体(3)を用いることを除いては、実施例1と同様にして、表2に示す物性を有する懸濁重合シアントナー10を製造した。
【0448】
上記懸濁重合シアントナー10を用いて、実施例1と同様にして二成分系現像剤(10)(見掛密度1.40,圧縮度21%)を製造し、実施例1と同様にして評価を行った。
【0449】
評価結果は、表3に示す通り、シリカ微粉体の形状係数SF−1が小さくなったためと推測されるが、実施例1に比較して画像濃度、カブリともに悪化した。
【0450】
(実施例6)
実施例1で用いた外添剤の添加量を酸化チタン微粉体(1)0.02部及びシリカ微粉体(1)1.0部に変更することを除いては、実施例1と同様にして、表2に示す物性を有する懸濁重合シアントナー11を製造した。
【0451】
上記懸濁重合シアントナー11を用いて、実施例1と同様にして二成分系現像剤(11)(見掛密度1.40,圧縮度22%)を製造し、実施例1と同様にして評価を行った。
【0452】
評価結果は、表3に示す通り、環境特性、カブリ、画像濃度ともに低下したものの実用上問題のないレベルであった。
【0453】
(実施例7)
実施例1で用いた外添剤の添加量を酸化チタン微粉体(1)1.0部及びシリカ微粉体(1)2.0部に変更することを除いては、実施例1と同様にして、表2に示す物性を有する懸濁重合シアントナー12を製造した。
【0454】
上記懸濁重合シアントナー12を用いて、実施例1と同様にして二成分系現像剤(12)(見掛密度1.49,圧縮度13%)を製造し、実施例1と同様にして評価を行った。
【0455】
評価結果は、表3に示す通り、カブリ、環境特性が若干低下したものの良好な結果が得られた。
【0456】
(実施例8)
実施例1で用いたシリカ微粉体(1)に代えて、シリカ微粉体(1)の分級条件を比較的に細かい粒子を採取するように変更して粒度分布を調整したシリカ微粉体(4)を用いることを除いては、実施例1と同様にして表2に示す物性を有する懸濁重合シアントナー13を製造した。
【0457】
上記懸濁重合シアントナー13を用いて、実施例1と同様にして二成分系現像剤(13)(見掛密度1.52,圧縮度17%)を製造し、実施例1と同様にして評価を行った。
【0458】
評価結果は、表3に示す通り、カブリが若干低下したものの良好な結果が得られた。
【0459】
(実施例9)
実施例1で用いたシリカ微粉体(1)に代えて、シリカ微粉体(1)の分級条件をより粗い粒子のみを採取できるように複数回分級をくり返すように変更して粒度分布を調整したシリカ微粉体(5)を用いることを除いては、実施例1と同様にして表2に示す物性を有する懸濁重合シアントナー14を製造した。
【0460】
上記懸濁重合シアントナー14を用いて、実施例1と同様にして二成分系現像剤(14)(見掛密度1.41,圧縮度12%)を製造し、実施例1と同様にして評価を行った。
【0461】
評価結果は、表3に示す通り、ベタ均一性が低下し、転写性も低下したものの良好な結果が得られた。
【0462】
(比較例6)
実施例1で用いた酸化チタン微粉体(1)は使用せず、シリカ微粉体(1)2部のみをトナー粒子100部に対して外添し、表2に示す物性を有する懸濁重合シアントナー15を得た。
【0463】
上記懸濁重合シアントナー15を用いて実施例1と同様にして二成分系現像剤(15)(見掛密度1.41,圧縮度12%)を製造し、実施例1と同様にして評価を行った。
【0464】
評価結果は、表3に示す通り、カブリ、画像濃度、環境特性ともに満足のいくものではなかった。
【0465】
【表2】
Figure 0003684074
【0466】
【表3】
Figure 0003684074
【0467】
(実施例10)
実施例2で用いた現像用キャリアIに代えて、下記の現像用キャリアIIを用いたことを除いては、実施例1と同様にして二成分系現像剤(16)(見掛密度1.88,圧縮度11%)を製造し、実施例1と同様にして評価を行ったところ、若干カブリが多かったものの良好な結果が得られた。
【0468】
これは、キャリア材質がフェライトになったため、その自重で若干補給トナーの混合性が低下したためと推測される。
【0469】
(現像用キャリアIIの製造)
Mg0.8部、Mn0.5部、Fe23 87部を使用し、それぞれ0.1μm以下に微粒化した後、水を添加し均一に混合し、スプレードライ法により、中心粒径35μmになるように造粒した後、1200℃で焼成し、粗粉、微粉をセットし、フェライトキャリア芯材を製造した。キャリア製造例1で用いた磁性粒子内包球状磁性樹脂キャリア芯材に代えて、得られたフェライトキャリア芯材を用いキャリア製造例Iと同様に表面コートし、体積抵抗2×1012Ωcm、飽和磁化37Am2 /kg、保持力5エルステッドの現像用キャリアIIを得た。
【0470】
(実施例11)
実施例2で用いた現像用キャリアIに代えて、下記の現像用キャリアIIIを用いたことを除いては、実施例1と同様にして二成分系現像剤(17)(見掛密度1.51,圧縮度14%)を製造し、実施例1と同様にして評価を行ったところ、3万枚の時点で若干ベタの均一性が低下したものの、問題のないレベルであった。これは、現像キャリアの磁気特性が高いために、若干現像領域におけるトナーへのダメージが大きく、現像性に影響したものと推測される。
【0471】
(現像用キャリアIIIの製造)
現像用キャリアIの製造において、マグネタイト粒子の使用量を600部から100部に変更する以外は同様にして、現像用キャリアIIIを製造した。
【0472】
この現像用キャリアIIIの体積抵抗値は8×1011Ωcm、飽和磁化が65Am2 /kg、保持力が78エルステッドであった。
【0473】
(実施例12)
実施例2において、現像スリーブをドラムと同一方向に回転させる以外は同様にして行ったところ、ベタ濃度ムラが若干悪化したものの、良好な結果が得られた。
【0474】
これは、現像スリーブ回転を変えたことで、現像後の現像剤のはぎとりと、フレッシュな現像剤の面コートのバランスがとりにくくなったためと、トナー濃度制御が若干不安定になったためと推測される。
【0475】
(実施例13)
実施例1で用いた懸濁重合シアントナー1において、C.I.ピグメントブルー15:3に代えて、C.I.ピグメントイエロー93を用いて懸濁重合イエロートナー16をキナクリドン顔料を用いて懸濁重合マゼンタトナー17を、カーボンブラックを用いて懸濁重合ブラックトナー18をそれぞれ製造した。
【0476】
上記の懸濁重合イエロートナー16、懸濁重合マゼンタトナー17及び懸濁重合ブラックトナー18を用いて、実施例2と同様にして二成分系イエロー現像剤(18)、二成分系マゼンタ現像剤(19)及び二成分系ブラック現像剤(20)をそれぞれ製造した。
【0477】
上記3色の二成分系現像剤と実施例1で用いた二成分系現像剤(1)との4色の二成分系現像剤を図1に示す構成の画像形成装置に用いて、クリーニングユニットを使用せず、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色順で画像形成を行い転写材としての記録材上に順次多重転写してフルカラー画像の形成を30000枚連続して行ったところ、画像濃度変化も小さく、カブリもない良好な結果が得られた。
【0478】
(合成例1)
・スチレン 125部
・メチルメタクリレート 35部
・n−ブチルアクリレート 40部
・銅フタロシアニン顔料 14部
・ジターシャリブチルサリチル酸Al化合物 3部
・飽和ポリエステル 10部
(酸価10、ピーク分子量9,100)
・エステルワックス 40部
(Mw:450、Mn:400、Mw/Mn:1.13、融点68℃、粘度:6.1mPa・s、ビッカース硬度:1.2、SP値:8.3)
【0479】
上記処方を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用い、10,000rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0480】
別途イオン交換水710gに、0.1M−Na3 PO4 水溶液450部を投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用い、1,300rpmにて攪拌した。これに1.0M−CaCl2 水溶液68部を徐々に添加し、Ca3 (PO42 を含む水系媒体を得た。
【0481】
この水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、更にポリエチレンを2部添加し、60℃,N2 雰囲気下において、クレアミキサーにて12,000rpmで10分間攪拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、水系媒体をパドル攪拌翼で攪拌しつつ、80℃で昇温し、8時間の重合反応を行った。
【0482】
重合反応終了後、冷却し、塩酸を加えリン酸カルシウムを溶解させた後、濾過、水洗、乾燥をして、重合粒子(重合トナー粒子)Aを得た。得られた重合トナー粒子Aの形状係数SF−1は、115であった。
【0483】
(合成例2)
・スチレン 170部
・2−エチルヘキシルアクリレート 30部
・キナクリドン顔料 15部
・ジターシャリブチルサリチル酸Cr化合物 3部
・飽和ポリエステル 10部
(酸価10、ピーク分子量9,100)
・エステルワックス 40部
(Mw:450、Mn:400、Mw/Mn:1.25、融点70℃、粘度:6.5mPa・s、ビッカース硬度:1.1、SP値:8.6)
【0484】
上記処方を合成例1と同様にして重合性単量体組成物を調製し、合成例1で調製した水系媒体中に投入し、以下同様の工程を経て重合粒子(重合トナー粒子)Bを得た。
【0485】
(合成例3)
・スチレン 170部
・2−エチルヘキシルアクリレート 30部
・カーボンブラック 15部
・ジターシャリブチルサリチル酸Cr化合物 3部
・飽和ポリエステル 10部
(酸価10、ピーク分子量9,100)
・エステルワックス 40部
(Mw:500、Mn:400、Mw/Mn:1.25、融点70℃、粘度:6.5mPa・s、ビッカース硬度:1.1、SP値:8.6)
【0486】
上記処方を合成例1と同様にして重合性単量体組成物を調製し、合成例1で調製した水系媒体中に投入し、以下同様の工程を経て重合粒子(重合トナー粒子)Cを得た。
【0487】
(合成例4)
・スチレン 170部
・n−ブチルアクリレート 30部
・C.I.ピグメントイエロー93 15部
・ジターシャリブチルサリチル酸Cr化合物 3部
・飽和ポリエステル 10部
(酸価10、ピーク分子量9,100)
・ジエステルワックス 30部
(Mw:480、Mn:410、Mw/Mn:1.17、融点73℃、粘度:10.5mPa・s、ビッカース硬度:1.0、SP値:9.1)
【0488】
上記処方を合成例1と同様にして重合性単量体組成物を調製し、その後、合成例1で調製した水系媒体中に投入し、60℃、N2 雰囲気下において、クレアミキサーにて12,000rpmで10分間攪拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、水系媒体をパドル攪拌翼で攪拌しつつ、80℃で昇温し、10時間の重合反応を行った。
【0489】
重合反応終了後、冷却し、塩酸を加えリン酸カルシウムを溶解させた後、濾過、水洗、乾燥をして、重合粒子(重合トナー粒子)Dを得た。
【0490】
(合成例5)
・スチレン 170部
・n−ブチルアクリレート 30部
・キナクリドン顔料 15部
・ジターシャリブチルサリチル酸Cr化合物 3部
・飽和ポリエステル 10部
(酸価10、ピーク分子量9,100)
・パラフィンワックス 30部
(Mw:3390、Mn:2254、Mw/Mn:1.50、融点72℃、粘度:6.3mPa・s、ビッカース硬度:6.8、SP値:8.7)
【0491】
上記処方を合成例1と同様にして重合性単量体組成物を調製し、合成例1で調製した水系媒体中に投入し、以下同様の工程を経て重合粒子(重合トナー粒子)Eを得た。
【0492】
(合成例6)
・スチレン 170部
・2−エチルヘキシルアクリレート 30部
・カーボンブラック 15部
・モノアゾ系Fe錯体 3部
・飽和ポリエステル 10部
(酸価10、ピーク分子量9,100)
・パラフィンワックス 30部
(Mw:570、Mn:380、Mw/Mn:1.50、融点69℃、粘度:6.8mPa・s、ビッカース硬度:0.7、SP値:8.3)
【0493】
上記処方を合成例1と同様にして重合性単量体組成物を調製し、合成例1で調製した水系媒体中に投入し、ポリエチレンを添加しないこと以外は、以下同様の工程を経て重合粒子(重合トナー粒子)Fを得た。
【0494】
(合成例7)
合成例1において、極性樹脂である飽和ポリエステルを用いないこと以外は同様に重合性単量体組成物を調製し、重合粒子(重合トナー粒子)Gを得た。
【0495】
(合成例8)
・ポリエステル樹脂 100部
・銅フタロシアニン顔料 4部
・ジターシャリブチルサリチル酸Al化合物 5部
・パラフィンワックス 5部
(Mw:3390、Mn:2254、Mw/Mn:1.5、融点72℃、粘度:6.3mPa・s、ビッカース硬度:6.8、SP値:8.7)
【0496】
上記原料をヘンシェルミキサーにより、予備混合を行い、二軸押出し式混練機により溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。更に得られた微粉砕物を分級し、粉砕トナー粒子Hを得た。
【0497】
上記の合成例1〜8の重合トナー粒子A〜G及び粉砕トナー粒子Hの形状係数SF−1の値を表4に示す。
【0498】
(実施例14)
実施例1で得られた重合トナーA100部に対して、イソブチルトリメトキシシラン15部で処理したBET比表面積が145m2 /gのアルミナ微粉体(A)1.0部、及びBET比表面積が68m2 /gの非球形状のシリカ微粉体(A)1.0部を外添し、重量平均粒径6.8μmの懸濁重合トナー(A)を得た。
【0499】
上記シリカ微粉体(A)は、市販のシリカ微粒子アエロジル#50(日本アエロジル社製)100部に対して、ヘキサメチルジシラザン10部で表面処理を行った後、風力分級機を用いて、比較的に粗い粒子を採取して粒度分布を調製したものである。シリカ微粉体(A)は、透過型電子顕微鏡(TEM)による10万倍の拡大写真及び走査電子顕微鏡(SEM)による3万倍の拡大写真において、平均一次粒径38mμmの一次粒子が複数合一した粒子であることが確認された。
【0500】
上記の懸濁重合トナー(A)のトナー粒子上に存在するアルミナ微粉体(A)の形状係数SF−1は118であり、同様のシリカ微粉体(A)の形状係数SF−1は155であった。
【0501】
更に上記の懸濁重合トナー(A)の走査型電子顕微鏡による10万倍の拡大写真において、アルミナ微粉体(A)は、平均長径が10mμmであり、長径/短径が1.1であり、0.5μm×0.5μmの面積当たり、90個存在していることが確認され、懸濁重合トナー(A)の走査型電子顕微鏡写真による3万倍の拡大写真において、シリカ微粉体(A)は、平均長径が150mμmであり、長径/短径が1.9であり、1.0μm×1.0μmの面積当たり、19個存在していることが確認された。
【0502】
上記懸濁重合トナー(A)とフェライトコートキャリア(Mg−Mn径フェライトコアの表面をシリコーン樹脂により層厚0.5μmコートしたものであり、重量平均粒径が35μmである)とを7:100の重量比率で混合することにより二成分系現像剤(A)を製造した。
【0503】
上記二成分系現像剤(A)を電子写真装置としてデジタル複写機(キヤノン製:GP55)を図6に示す二成分現像器及び磁気ブラシ帯電器が使用出来る様に改造を施した改造機の現像器を用いて、300dpiの2値の静電潜像を図7に示す非連続の交流電圧を直流電圧に重畳させた現像バイアスを印加しながら、二成分系現像剤(A)により現像して画像形成を行った。
【0504】
上記電子写真装置において、磁気ブラシ帯電器としては、平均粒径25μmを有する(Fe23 )2.3:(CuO)1:(ZnO)1で表される組成の、Cu−Zn−フェライトからなる磁性粒子を内部にマグネットロールを有する導電性非磁性スリーブによって磁気拘束して磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシを感光ドラム表面に接触させて、DC−700V、AC1KHz/1.2kVppの帯電バイアスを印加して一次帯電を行うものである。
【0505】
磁気ブラシ帯電器においては、磁気ブラシを固定の場合には、磁気ブラシ自体は物理的な復元力を持たない為、感光体の振れ、偏心等で磁気ブラシが押し退けられた場合、磁気ブラシのニップが確認出来なくなりやすく、帯電不良を起こすことがある。この為、常に新しい磁気ブラシの面を当てることが好ましいので、本実施例では感光体ドラムの周速に対して、2倍の速さで感光体ドラムの表面の移動方向に対して逆方向に回転させる様にした。
【0506】
画像形成は、23℃、65%Rh環境下で5万枚の連続耐久を行い、実施例1と同様にして、初期画像のベタ均一性、5万枚耐久後のカブリ、初期画像と5万枚耐久後画像との画像濃度差による耐久性、初期及び5万枚耐久後における転写性、及び低湿下(20℃/10%Rh)と高湿下(30℃/80%Rh)とのトナーの摩擦帯電量差による環境安定性について評価した。
【0507】
懸濁重合トナーの物性を表4に示し、評価結果を表5に示す。
【0508】
(比較例7)
実施例14で用いた懸濁重合トナー(A)に代えて、合成例8で製造した粉砕トナー粒子H100部に対して、表4に示す通り、BET比表面積が72m2 /gのシロキサン処理アルミナ微粉体(B)1.0部及びBET比表面積が66m2 /gのシリカ微粉体(B)1.0部を外添した重量平均粒径6.5μmの粉砕トナー(B)を用いることを除いては、実施例14と同様にして二成分系現像剤(B)を製造し、実施例14と同様にして評価を行った。
【0509】
粉砕トナー(B)の物性を表4に示し、評価結果を表5に示す。
【0510】
(実施例15)
実施例14で用いた懸濁重合トナー(A)に代えて、合成例2で製造した重合トナー粒子B100重量部に対して、表4に示す通り、BET比表面積が120m2 /gのアルキルアルコキシシラン処理アルミナ微粉体(C)1.0部及びBET比表面積が68m2 /gのシリカ微粉体(C)1.0部を外添した重量平均粒径が6.6μmの懸濁重合トナー(C)を用いることを除いては、実施例14と同様にして二成分系現像剤(C)を製造し、実施例14と同様にして評価を行った。
【0511】
懸濁重合トナー(C)の物性を表4に示し。評価結果を表5に示す。
【0512】
(実施例16)
実施例14で用いた懸濁重合トナー(A)に代えて、合成例3で製造した重合トナー粒子C100重量部に対して、表4に示す通り、BET比表面積が140m2 /gのアルキルアルコキシシラン処理アルミナ微粉体(D)1.0部及びBET比表面積が22m2 /gのシリカ微粉体(D)1.0部を外添した重量平均粒径が6.6μmの懸濁重合トナー(D)を用いることを除いては、実施例14と同様にして二成分系現像剤(D)を製造し、実施例14と同様にして評価を行った。
【0513】
懸濁重合トナー(D)の物性を表4に示し。評価結果を表5に示す。
【0514】
(実施例17)
実施例14で用いた懸濁重合トナー(A)に代えて、合成例4で製造した重合トナー粒子D100重量部に対して、表4に示す通り、BET比表面積が66m2 /gのシリコーンオイル処理アルミナ微粉体(E)1.0部及びBET比表面積が23m2 /gのシリカ微粉体(E)1.0部を外添した重量平均粒径が7.1μmの懸濁重合トナー(E)を用いることを除いては、実施例14と同様にして二成分系現像剤(E)を製造し、実施例14と同様にして評価を行った。
【0515】
懸濁重合トナー(E)の物性を表4に示し。評価結果を表5に示す。
【0516】
(実施例18)
実施例14で用いた懸濁重合トナー(A)に代えて、合成例4で製造した重合トナー粒子D100重量部に対して、表4に示す通り、BET比表面積が68m2 /gのシリコーンオイル処理アルミナ微粉体(F)1.0部及びBET比表面積が71m2 /gのシリカ微粉体(F)1.0部を外添した重量平均粒径が6.8μmの懸濁重合トナー(F)を用いることを除いては、実施例14と同様にして二成分系現像剤(F)を製造し、実施例14と同様にして評価を行った。
【0517】
懸濁重合トナー(F)の物性を表4に示し。評価結果を表5に示す。
【0518】
(比較例8)
実施例14で用いた懸濁重合トナー(A)に代えて、合成例3で製造した重合トナー粒子C100重量部に対して、表4に示す通り、BET比表面積が210m2 /gのアルキルアルコキシシラン処理アルミナ微粉体(G)1.0部及びBET比表面積が25m2 /gのシリカ微粉体(G)1.0部を外添した重量平均粒径が7.2μmの懸濁重合トナー(G)を用いることを除いては、実施例14と同様にして二成分系現像剤(G)を製造し、実施例14と同様にして評価を行った。
【0519】
懸濁重合トナー(G)の物性を表4に示し。評価結果を表5に示す。
【0520】
(比較例9)
実施例14で用いた懸濁重合トナー(A)に代えて、合成例3で製造した重合トナー粒子C100重量部に対して、表4に示す通り、BET比表面積が147m2 /gのアルキルアルコキシシラン処理アルミナ微粉体(H)1.0部及びBET比表面積が13m2 /gのシリカ微粉体(H)1.0部を外添した重量平均粒径が7.0μmの懸濁重合トナー(H)を用いることを除いては、実施例14と同様にして二成分系現像剤(H)を製造し、実施例14と同様にして評価を行った。
【0521】
懸濁重合トナー(H)の物性を表4に示し。評価結果を表5に示す。
【0522】
(比較例10)
実施例14で用いた懸濁重合トナー(A)に代えて、合成例2で製造した重合トナー粒子B100重量部に対して、表4に示す通り、BET比表面積が151m2 /gのシリカ微粉体(I)1.5部のみを外添した重量平均粒径が6.1μmの懸濁重合トナー(I)を用いることを除いては、実施例14と同様にして二成分系現像剤(I)を製造し、実施例14と同様にして評価を行った。
【0523】
懸濁重合トナー(I)の物性を表4に示し。評価結果を表5に示す。
【0524】
(比較例11)
実施例14で用いた懸濁重合トナー(A)に代えて、合成例2で製造した重合トナー粒子B100重量部に対して、表4に示す通り、BET比表面積が150m2 /gのシリコーンオイル処理アルミナ微粉体(I)1.5部のみを外添した重量平均粒径が6.1μmの懸濁重合トナー(J)を用いることを除いては、実施例14と同様にして二成分系現像剤(J)を製造し、実施例14と同様にして評価を行った。
【0525】
懸濁重合トナー(J)の物性を表4に示し。評価結果を表5に示す。
【0526】
(実施例19)
実施例14で用いた懸濁重合トナー(A)に代えて、合成例5で製造した重合トナー粒子E100重量部に対して、表4に示す通り、BET比表面積が122m2 /gのシロキサン処理アルミナ微粉体(J)1.0部及びBET比表面積が22m2 /gのシリカ微粉体(J)1.0部を外添した重量平均粒径が6.7μmの懸濁重合トナー(K)を用いることを除いては、実施例14と同様にして二成分系現像剤(K)を製造し、実施例14と同様にして評価を行った。
【0527】
懸濁重合トナー(K)の物性を表4に示し。評価結果を表5に示す。
【0528】
(実施例20)
実施例14で用いた懸濁重合トナー(A)に代えて、合成例7で製造した重合トナー粒子G100重量部に対して、表4に示す通り、実施例14で用いたのと同じBET比表面積が145m2 /gのアルコキシシラン処理アルミナ微粉体(A)1.0部及びBET比表面積が68m2 /gのシリカ微粉体(A)1.0部を外添した重量平均粒径が6.4μmの懸濁重合トナー(L)を用いることを除いては、実施例14と同様にして二成分系現像剤(L)を製造し、実施例14と同様にして評価を行った。
【0529】
懸濁重合トナー(L)の物性を表4に示し。評価結果を表5に示す。
【0530】
(実施例21)
実施例14で用いた懸濁重合トナー(A)に代えて、合成例6で製造した重合トナー粒子F100重量部に対して、表4に示す通り、BET比表面積が74m2 /gの疎水化処理をしていない親水性アルミナ微粉体(K)1.0部及びBET比表面積が67m2 /gのシリカ微粉体(K)1.0部を外添した重量平均粒径が6.4μmの懸濁重合トナー(M)を用いることを除いては、実施例14と同様にして二成分系現像剤(M)を製造し、実施例14と同様にして評価を行った。
【0531】
懸濁重合トナー(M)の物性を表4に示し。評価結果を表5に示す。
【0532】
【表4】
Figure 0003684074
【0533】
【表5】
Figure 0003684074
【0534】
(実施例22)
実施例15で製造した懸濁重合トナー(C)を有する二成分系現像剤(C)を図4に示す画像形成装置の現像器36に用いて、マゼンタ単色での5万枚の連続画像を形成し、実施例14と同様の評価を行った。
【0535】
評価結果を表6に示す。
【0536】
(実施例23)
実施例16で製造した懸濁重合トナー(D)を有する二成分系現像剤(D)を図5に示す画像形成装置の現像器107に用いて、ブラック単色での5万枚の連続画像を形成し、実施例14と同様の評価を行った。
【0537】
評価結果を表6に示す。
【0538】
(実施例24)
実施例17で製造した懸濁重合トナー(E)を有する二成分系現像剤(E)を図3に示す画像形成装置の現像器29dに用いて、イエロー単色での5万枚の連続画像を形成し、実施例14と同様の評価を行った。
【0539】
評価結果を表6に示す。
【0540】
(実施例25)
実施例18で製造した懸濁重合トナー(F)を有する二成分系現像剤(F)を図4に示す画像形成装置の現像器34に用いて、イエロー単色での5万枚の連続画像を形成し、実施例14と同様の評価を行った。
【0541】
評価結果を表6に示す。
【0542】
(比較例12)
比較例8で製造した懸濁重合トナー(G)を有する二成分系現像剤(G)を図4に示す画像形成装置の現像器37に用いて、ブラック単色での5万枚の連続画像を形成し、実施例14と同様の評価を行った。
【0543】
評価結果を表6に示す。
【0544】
(比較例13)
比較例10で製造した懸濁重合トナー(I)を有する二成分系現像剤(I)を図5に示す画像形成装置の現像器105に用いて、マゼンタ単色での5万枚の連続画像を形成し、実施例14と同様の評価を行った。
【0545】
評価結果を表6に示す。
【0546】
(比較例14)
比較例11で製造した懸濁重合トナー(J)を有する二成分系現像剤(J)を図3に示す画像形成装置の現像器17bに用いて、マゼンタ単色での5万枚の連続画像を形成し、実施例14と同様の評価を行った。
【0547】
評価結果を表6に示す。
【0548】
(実施例26)
実施例19で製造した懸濁重合トナー(K)を有する二成分系現像剤(K)を図4に示す画像形成装置の現像器36に用いて、マゼンタ単色での5万枚の連続画像を形成し、実施例14と同様の評価を行った。
【0549】
評価結果を表6に示す。
【0550】
(実施例27)
実施例20で製造した懸濁重合トナー(L)を有する二成分系現像剤(L)を図3に示す画像形成装置の現像手段17cに用いて、シアン単色での5万枚の連続画像を形成し、実施例14と同様の評価を行った。
【0551】
評価結果を表6に示す。
【0552】
【表6】
Figure 0003684074
【0553】
(実施例28)
実施例14で用いた磁気ブラシ帯電器の磁性粒子の平均粒径を150μmに変更することを除いては、実施例14と同様にして評価を行ったところ、実施例14に比較して、ベタ画像の均一性が若干低下した。
【0554】
(実施例29)
合成例1で製造した重合トナー粒子A、合成例2で製造した重合トナー粒子B、合成例3で製造した重合トナー粒子C及び合成例4で製造した重合トナー粒子Dを用い、各重合トナー粒子100重量部に対して、表4に示した、BET比表面積が66m2 /gのシリコーンオイル処理アルミナ微粉体(E)1.0部及びBET比表面積が23m2 /gのシリカ微粉体(E)1.0部をそれぞれ外添して懸濁重合シアントナー(N)、懸濁重合マゼンタトナー(O)、懸濁重合ブラックトナー(P)及び懸濁重合イエロートナー(Q)を製造した。
【0555】
上記の4色の各トナーを実施例14で用いたフェライトコートキャリアと7:100の重量比率でそれぞれ混合して二成分系現像剤(N)〜(Q)を製造し、図2に示す画像形成装置の現像器4〜7に、各二成分系現像剤をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色順に現像されるように用いて、単色画像及びフルカラー画像を形成した。
【0556】
フルカラー画像の形成に関しては、多層のトナー層によって形成されるフルカラー画像は、十分な混色性及び優れた彩度を有し、高い画像品質を有していた。更に、各単色画像の形成に関しては、実施例14と同様にして評価を行ったところ、表7に示す通り良好な結果が得られた。
【0557】
【表7】
Figure 0003684074
【0558】
【発明の効果】
上述した如く、本発明のトナーは、特定の円形度分布及び特定の重量平均粒径を有しており、更に、トナーが有する外添剤が特定の平均長径及び形状係数を有する無機微粉体(A)と粒子同上が合一することにより生成された特定の形状係数を有する非球形状無機微粉体(B)とをトナー粒子上で有することから、より微小な潜像ドットを忠実に再現させ高画質化を達成するばかりでなく、現像器内における機械的高ストレスにも耐えることで、トナー劣化を低減させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法を実施し得る好適な画像形成装置の例を示す概略図である。
【図2】本発明の画像形成方法を実施し得る画像形成装置の他の例を示す概略図である。
【図3】本発明の画像形成方法を実施し得る画像形成装置の他の例を示す概略図である。
【図4】本発明の画像形成方法を実施し得る画像形成装置の他の例を示す概略図である。
【図5】本発明の画像形成方法を実施し得る画像形成装置の他の例を示す概略図である。
【図6】本発明の画像形成方法について説明するための好適な画像形成装置の概略図を示す。
【図7】実施例1で用いる交番電界を示す図である。
【図8】摩擦帯電量を測定するのに用いる装置の説明図である。
【図9】体積抵抗値を測定するのに用いる装置の説明図である。
【図10】非球形上無機微粉体(B)の粒子形状を示す模式図である。
【符号の説明】
1 露光手段
2 帯電ローラ
3 感光ドラム
4 現像器
5 現像器
6 現像器
7 現像器
8 感光ドラムクリーナー
9 芯金
10 保持部材
11 中間転写体
12 中間転写体クリーナー
13 電源
14 転写帯電器
15 分離除電器
16 帯電器
17 現像器
18 感光ドラムクリーナー
19 感光ドラム
20 分離除電器
22 定着器
23 潜像形成部
24 転写放電部
25 搬送ベルト
26 排出部
27 吸着帯電器
28 分離除電放電部
29 画像形成部
31 露光手段
32 定着器
33 感光ドラム
34 現像器
35 現像器
36 現像器
37 現像器
38 感光ドラムクリーナー
39 回転現像ユニット
40
44 転写帯電器
45 分離帯電器
46 帯電器
47 グリッパー
48 転写ドラム
49 分離爪
60a 転写バイアス印加手段(接地していても良い)
61a 感光体ドラム
62a 一次帯電器
63a 現像器
64a 転写ブレード
65a トナーホッパー
66a 補給ローラ
67a 露光装置
68 転写材担持体
69 分離帯電器
70 定着器
71 定着ローラ
72 加圧ローラ
73 ウェッブ
75,76 加熱手段
78 温度検知手段
79 転写ベルトクリーニング装置
80 駆動ローラ
81 ベルト従動ローラ
82 ベルト除電器
83 レジストローラ
84 給紙ローラ
101 露光手段
102 帯電手段
103 感光ドラム
104 現像器
105 現像器
106 現像器
107 現像器
108 感光ドラムクリーナー
109 転写帯電器
110 分離除電器
111 除電器
112 定着器
120 潜像担持体(感光ドラム)
121 現像スリーブ(現像剤担持体)
122 マグネットローラ
128 補給用トナー
129 現像剤
129a トナー
129b キャリア
131 磁気ブラシ帯電器用搬送スリーブ
132 磁性粒子

Claims (127)

  1. 少なくともトナー粒子及び外添剤を有するトナーにおいて、
    該トナーは、
    (a)フロー式粒子像分析装置によって測定される粒子の円形度分布において、0.920乃至0.995の平均円形度を有し、且つ円形度0.950未満の粒子を2乃至40個数%含有しており、且つ
    (b)コールター法によって測定される重量平均粒径2.0乃至9.0μmを有しており、
    該外添剤は、該トナー粒子上で、一次粒子又は二次粒子の状態で存在している平均長径が10mμm乃至400mμm及び形状係数SF−1が100乃至130の無機微粉体(A)と、粒子が複数合一することにより生成された形状係数SF−1が150より大きい非球形状無機微粉体(B)とを少なくとも有していることを特徴とするトナー。
  2. 該トナーは、フロー式粒子像分析装置によって測定される粒子の円形度分布において、0.950乃至0.995の平均円形度を有していることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 該トナーは、フロー式粒子像分析装置によって測定される粒子の円形度分布において、0.960乃至0.995の平均円形度を有していることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  4. 該トナーは、フロー式粒子像分析装置によって測定される粒子の円形度分布において、円形度0.950未満の粒子を3乃至30個数%含有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
  5. 該トナーは、100乃至150の形状係数SF−1を有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー。
  6. 該無機微粉体(A)は、該トナー粒子上で、15mμm乃至200mμmの平均長径を有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  7. 該無機微粉体(A)は、該トナー粒子上で、15mμm乃至100mμmの平均長径を有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  8. 非球形状無機微粉体(B)は、該トナー粒子上で、130mμm乃至500mμmの平均長径を有していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のトナー。
  9. 非球形状無機微粉体(B)の該トナー粒子上での平均長径は、該無機微粉体(A)の該トナー粒子上での平均長径よりも長いことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のトナー。
  10. 該無機微粉体(A)は、該トナー粒子上で、15mμm乃至100mμmの平均長径を有しており、非球形状無機微粉体(B)は、該トナー粒子上で、120mμm乃至600mμmの平均長径を有していることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のトナー。
  11. 該無機微粉体(A)は、60乃至230m2 /gのBET法での窒素吸着による比表面積を有していることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のトナー。
  12. 該非球形状無機微粉体(B)は、20乃至90m2 /gのBET法での窒素吸着による比表面積を有していることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のトナー。
  13. 該無機微粉体(A)は、該トナー粒子上で、100乃至125の形状係数SF−1を有していることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のトナー。
  14. 該非球形状無機微粉体(B)は、該トナー粒子上で、190より大きい形状係数SF−1を有していることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載のトナー。
  15. 該非球形状無機微粉体(B)がは、該トナー粒子上で、200より大きい形状係数SF−1を有していることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載のトナー。
  16. 該トナーの電子顕微鏡拡大写真において、0.5μm×0.5μmの面積当たり該無機微粉体(A)が平均で5個以上、及び1.0μm×1.0μmの面積当たり該非球形状無機微粉体(B)が平均で1乃至30個、それぞれ該トナー粒子の表面上に存在していることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のトナー。
  17. 該トナーの電子顕微鏡拡大写真において、0.5μm×0.5μmの面積当たり該無機微粉体(A)が平均で7個以上、及び1.0μm×1.0μmの面積当たり該非球形状無機微粉体(B)が平均で1乃至25個、それぞれ該トナー粒子の表面上に存在していることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のトナー。
  18. 該トナーは、
    (a)フロー式粒子像分析装置によって測定される粒子の円形度分布において、0.950乃至0.995の平均円形度を有し、且つ円形度0.950未満の粒子を2乃至40個数%含有しており、且つ
    (b)コールター法によって測定される重量平均粒径2.0乃至9.0μmを有しており、
    該外添剤は、該トナー粒子上で、一次粒子又は二次粒子の状態で存在している平均長径が10mμm乃至100mμm及び形状係数SF−1が100乃至130の無機微粉体(A)と、粒子が複数合一することにより生成された平均長径が120mμm乃至600mμm及び形状係数SF−1が150より大きい非球形状無機微粉体(B)とを少なくとも有しており、
    該トナーの電子顕微鏡拡大写真において、0.5μm×0.5μmの面積当たり該無機微粉体(A)が平均で5個以上、及び1.0μm×1.0μmの面積当たり該非球形状無機微粉体(B)が平均で1乃至30個、それぞれ該トナー粒子の表面上に存在していることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  19. 該トナーは、該トナー100重量部中に該無機微粉体(A)を0.1乃至2.0重量部有していることを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載のトナー。
  20. 該トナーは、該トナー100重量部中に該非球形状無機微粉体(B)を0.3乃至3.0重量部有していることを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載のトナー。
  21. 該無機微粉体(A)は、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子、酸化ジルコニウム微粒子、酸化マグネシウム微粒子、それらのシリカ処理微粒子及びチッ化ケイ素微粒子からなるグループから選択される微粒子を有していることを特徴とする請求項1乃至20のいずれかに記載のトナー。
  22. 該無機微粉体(A)は、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子及びそれらのシリカ処理微粒子からなるグループから選択される微粒子を有していることを特徴とする請求項1乃至20のいずれかに記載のトナー。
  23. 該非球形状無機微粉体(B)は、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、チタニア微粒子及びそれらの複酸化物微粒子からなるグループから選択される微粒子を有していることを特徴とする請求項1乃至20のいずれかに記載のトナー。
  24. 該非球形状無機微粉体(B)は、シリカ微粒子を有していることを特徴とする請求項1乃至20のいずれかに記載のトナー。
  25. 該無機微粉体(A)は、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子及びそれらのシリカ処理微粒子からなるグループから選択される微粒子を有しており、該非球形状無機微粉体(B)は、シリカ微粒子を有していることを特徴とする請求項1乃至20のいずれかに記載のトナー。
  26. 該無機微粉体(A)は、アルミナ微粒子を有しており、該非球形状無機微粉体(B)は、シリカ微粒子を有していることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  27. 該アルミナ微粒子は、平均粒径の2倍以上の粒子を0〜5個数%有する粒度分布を有しており、該非球形状無機微粉体(B)は、平均粒径の2倍乃至3倍の粒子を5〜15個数%有する粒度分布を有していることを特徴とする請求項26に記載のトナー。
  28. 該アルミナ微粒子は、60乃至150m2 /gのBET法での窒素吸着による比表面積を有しており、該非球形状無機微粉体(B)は、20乃至70m2 /gのBET法での窒素吸着により比表面積を有していることを特徴とする請求項26又は27に記載のトナー。
  29. 該アルミナ微粒子は、疎水化処理されていることを特徴とする請求項26乃至28のいずれかに記載のトナー。
  30. 該トナー粒子は、結着樹脂、着色剤及び離型剤を少なくとも含有しており、該離型剤は、300乃至3000の重量平均分子量を有していることを特徴とする請求項26乃至29のいずれかに記載のトナー。
  31. 該トナー粒子は、重合性モノマー及び着色剤を少なくとも含有する重合性モノマー組成物を重合開始剤の存在下で、液媒体中で重合する重合法によって製造されたものであることを特徴とする請求項1乃至30のいずれかに記載のトナー。
  32. 該トナー粒子は、重合性モノマー及び着色剤を少なくとも含有する重合性モノマー組成物を重合開始剤の存在下で、水系媒体中で懸濁重合する重合法によって製造されたものであることを特徴とする請求項1乃至30のいずれかに記載のトナー。
  33. 該トナー粒子は、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有する混合物を溶融混練する工程、及び得られた混練物を粉砕する工程、を含む粉砕法によって製造された粒子を球形化処理することによって製造されたものであることを特徴とする請求項1乃至30のいずれかに記載のトナー。
  34. 結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有するトナー粒子及び外添剤粒子を有するトナーとキャリアとを有する二成分系現像剤において、
    該トナーは、
    (a)フロー式粒子像分析装置によって測定される粒子の円形度分布において、0.920乃至0.995の平均円形度を有し、且つ円形度0.950未満の粒子を2乃至40個数%含有しており、且つ
    (b)コールター法によって測定される重量平均粒径2.0乃至9.0μmを有しており、該外添剤は、該トナー粒子上で、一次粒子又は二次粒子の状態で存在している平均長径が10mμm乃至400mμm及び形状係数SF−1が100乃至130の無機微粉体(A)と、粒子が複数合一することにより生成された形状係数SF−1が150より大きい非球形状無機微粉体(B)とを少なくとも有していることを特徴とする二成分系現像剤。
  35. 該トナーは、フロー式粒子像分析装置によって測定される粒子の円形度分布において、0.950乃至0.995の平均円形度を有していることを特徴とする請求項34に記載の二成分系現像剤。
  36. 該トナーは、フロー式粒子像分析装置によって測定される粒子の円形度分布において、0.960乃至0.995の平均円形度を有していることを特徴とする請求項34に記載の二成分系現像剤。
  37. 該トナーは、フロー式粒子像分析装置によって測定される粒子の円形度分布において、円形度0.950未満の粒子を3乃至30個数%含有していることを特徴とする請求項34乃至36のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  38. 該トナーは、100乃至150の形状係数SF−1を有していることを特徴とする請求項34乃至37のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  39. 該無機微粉体(A)は、該トナー粒子上で、15mμm乃至200mμmの平均長径を有していることを特徴とする請求項34乃至38のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  40. 該無機微粉体(A)は、該トナー粒子上で、15mμm乃至100mμmの平均長径を有していることを特徴とする請求項34乃至38のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  41. 非球形状無機微粉体(B)は、該トナー粒子上で、130mμm乃至500mμmの平均長径を有していることを特徴とする請求項34乃至40のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  42. 非球形状無機微粉体(B)の該トナー粒子上での平均長径は、該無機微粉体(A)の該トナー粒子上での平均長径よりも長いことを特徴とする請求項34乃至41のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  43. 該無機微粉体(A)は、該トナー粒子上で、15mμm乃至100mμmの平均長径を有しており、非球形状無機微粉体(B)は、該トナー粒子上で、120mμm乃至600mμmの平均長径を有していることを特徴とする請求項34乃至41のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  44. 該無機微粉体(A)は、60乃至230m2 /gのBET法での窒素吸着による比表面積を有していることを特徴とする請求項34乃至43のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  45. 該非球形状無機微粉体(B)は、20乃至90m2 /gのBET法での窒素吸着による比表面積を有していることを特徴とする請求項34乃至44のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  46. 該無機微粉体(A)は、該トナー粒子上で、100乃至125の形状係数SF−1を有していることを特徴とする請求項34乃至45のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  47. 該非球形状無機微粉体(B)は、該トナー粒子上で、190より大きい形状係数SF−1を有していることを特徴とする請求項34乃至46のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  48. 該非球形状無機微粉体(B)は、該トナー粒子上で、200より大きい形状係数SF−1を有していることを特徴とする請求項34乃至46のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  49. 該トナーの電子顕微鏡拡大写真において、0.5μm×0.5μmの面積当たり該無機微粉体(A)が平均で5個以上、及び1.0μm×1.0μmの面積当たり該非球形状無機微粉体(B)が平均で1乃至30個、それぞれ該トナー粒子の表面上に存在していることを特徴とする請求項34乃至48のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  50. 該トナーの電子顕微鏡拡大写真において、0.5μm×0.5μmの面積当たり該無機微粉体(A)が平均で7個以上、及び1.0μm×1.0μmの面積当たり該非球形状無機微粉体(B)が平均で1乃至25個、それぞれ該トナー粒子の表面上に存在していることを特徴とする請求項34乃至49のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  51. 該トナーは、
    (a)フロー式粒子像分析装置によって測定される粒子の円形度分布において、0.950乃至0.995の平均円形度を有し、且つ円形度0.950未満の粒子を2乃至40個数%含有しており、且つ
    (b)コールター法によって測定される重量平均粒径2.0乃至9.0μmを有しており、
    該外添剤は、該トナー粒子上で、一次粒子又は二次粒子の状態で存在している平均長径が10mμm乃至100mμm及び形状係数SF−1が100乃至130の無機微粉体(A)と、粒子が複数合一することにより生成された平均長径が120mμm乃至600mμm及び形状係数SF−1が150より大きい非球形状無機微粉体(B)とを少なくとも有しており、
    該トナーの電子顕微鏡拡大写真において、0.5μm×0.5μmの面積当たり該無機微粉体(A)が平均で5個以上、及び1.0μm×1.0μmの面積当たり該非球形状無機微粉体(B)が平均で1乃至30個、それぞれ該トナー粒子の表面上に存在していることを特徴とする請求項34に記載の二成分系現像剤。
  52. 該トナーは、該トナー100重量部中に該無機微粉体(A)を0.1乃至2.0重量部有していることを特徴とする請求項34乃至51のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  53. 該トナーは、該トナー100重量部中に該非球形状無機微粉体(B)を0.3乃至3.0重量部有していることを特徴とする請求項34乃至52のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  54. 該無機微粉体(A)は、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子、酸化ジルコニウム微粒子、酸化マグネシウム微粒子、それらのシリカ処理微粒子及びチッ化ケイ素微粒子からなるグループから選択される微粒子を有していることを特徴とする請求項34乃至53のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  55. 該無機微粉体(A)は、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子及びそれらのシリカ処理微粒子からなるグループから選択される微粒子を有していることを特徴とする請求項34乃至53のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  56. 該非球形状無機微粉体(B)は、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、チタニア微粒子及びそれらの複酸化物微粒子からなるグループから選択される微粒子を有していることを特徴とする請求項34乃至53のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  57. 該非球形状無機微粉体(B)は、シリカ微粒子を有していることを特徴とする請求項34乃至53のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  58. 該無機微粉体(A)は、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子及びそれらのシリカ処理微粒子からなるグループから選択される微粒子を有しており、該非球形状無機微粉体(B)は、シリカ微粒子を有していることを特徴とする請求項34乃至53のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  59. 該無機微粉体(A)は、アルミナ微粒子を有しており、該非球形状無機微粉体(B)は、シリカ微粒子を有していることを特徴とする請求項34に記載の二成分系現像剤。
  60. 該アルミナ微粒子は、平均粒径の2倍以上の粒子を0〜5個数%有する粒度分布を有しており、該非球形状無機微粉体(B)は、平均粒径の2倍乃至3倍の粒子を5〜15個数%有する粒度分布を有していることを特徴とする請求項59に記載の二成分系現像剤。
  61. 該アルミナ微粒子は、60乃至150m2 /gのBET法での窒素吸着による比表面積を有しており、該非球形状無機微粉体(B)は、20乃至70m2 /gのBET法での窒素吸着による比表面積を有していることを特徴とする請求項59又は60に記載の二成分系現像剤。
  62. 該アルミナ微粒子は、疎水化処理されていることを特徴とする請求項59乃至61のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  63. 該トナー粒子は、結着樹脂、着色剤及び離型剤を少なくとも含有しており、該離型剤は、300乃至3000の重量平均分子量を有していることを特徴とする請求項59乃至62のいずれかに記載の二成分現像剤。
  64. 該トナー粒子は、重合性モノマー及び着色剤を少なくとも含有する重合性モノマー組成物を重合開始剤の存在下で、液媒体中で重合する重合法によって製造されたものであることを特徴とする請求項34乃至63のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  65. 該トナー粒子は、重合性モノマー及び着色剤を少なくとも含有する重合性モノマー組成物を重合開始剤の存在下で、水系媒体中で懸濁重合する重合法によって製造されたものであることを特徴とする請求項34乃至63のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  66. 該トナー粒子は、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有する混合物を溶融混練する工程、及び得られた混練物を粉砕する工程、を含む粉砕法によって製造された粒子を球形化処理することによって製造されたものであることを特徴とする請求項34乃至63のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  67. 該二成分現像剤は、1.2乃至2.0g/cm3 の見掛密度を有していることを特徴とする請求項34乃至66のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  68. 該二成分現像剤は、1.2乃至1.8g/cm3 の見掛密度を有していることを特徴とする請求項34乃至66のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  69. 該二成分現像剤は、5乃至19%の圧縮度を有していることを特徴とする請求項34乃至68のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  70. 該二成分現像剤は、5乃至15%の圧縮度を有していることを特徴とする請求項34乃至68のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  71. 該キャリアは、少なくとも樹脂及び磁性金属酸化物を含有する磁性樹脂キャリアを有していることを特徴とする請求項34乃至70のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  72. 該キャリアは、少なくとも樹脂、磁性粉及び非磁性金属酸化物を含有する磁性樹脂キャリアを有していることを特徴とする請求項34乃至70のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  73. 該磁性樹脂キャリアは、重合法によって製造されたものであることを特徴とする請求項71又は72に記載の二成分系現像剤。
  74. 該磁性樹脂キャリアは、フェノール樹脂をバインダーとして含有していることを特徴とする請求項71乃至73のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  75. 該キャリアは、15乃至60μmの重量平均粒径を有していることを特徴とする請求項34乃至74のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  76. 該キャリアは、20乃至45μmの重量平均粒径を有していることを特徴とする請求項34乃至74のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  77. (I)静電潜像を担持するための潜像担持体を帯電する帯電工程;(II)帯電された潜像担持体に静電潜像を形成する潜像形成工程;(III)該潜像担持体の静電潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成する現像工程;及び(IV)該潜像担持体上に形成されたカラートナー画像を転写材に転写する転写工程;を有する画像形成方法において、
    該トナーは、
    (a)フロー式粒子像分析装置によって測定される粒子の円形度分布において、0.920乃至0.995の平均円形度を有し、且つ円形度0.950未満の粒子を2乃至40個数%含有しており、且つ
    (b)コールター法によって測定される重量平均粒径2.0乃至9.0μmを有しており、
    該外添剤は、該トナー粒子上で、一次粒子又は二次粒子の状態で存在している平均長径が10mμm乃至400mμm及び形状係数SF−1が100乃至130の無機微粉体(A)と、粒子が複数合一することにより生成された形状係数SF−1が150より大きい非球形状無機微粉体(B)とを少なくとも有していることを特徴とする画像形成方法。
  78. 該トナーは、フロー式粒子像分析装置によって測定される粒子の円形度分布において、0.950乃至0.995の平均円形度を有していることを特徴とする請求項77に記載の画像形成方法。
  79. 該トナーは、フロー式粒子像分析装置によって測定される粒子の円形度分布において、0.960乃至0.995の平均円形度を有していることを特徴とする請求項77に記載の画像形成方法。
  80. 該トナーは、フロー式粒子像分析装置によって測定される粒子の円形度分布において、円形度0.950未満の粒子を3乃至30個数%含有していることを特徴とする請求項77乃至79のいずれかに記載の画像形成方法。
  81. 該トナーは、100乃至150の形状係数SF−1を有していることを特徴とする請求項77乃至80のいずれかに記載の画像形成方法。
  82. 該無機微粉体(A)は、該トナー粒子上で、15mμm乃至200mμmの平均長径を有していることを特徴とする請求項77乃至81のいずれかに記載の画像形成方法。
  83. 該無機微粉体(A)は、該トナー粒子上で、15mμm乃至100mμmの平均長径を有していることを特徴とする請求項77乃至81のいずれかに記載の画像形成方法。
  84. 非球形状無機微粉体(B)は、該トナー粒子上で、130mμm乃至500mμmの平均長径を有していることを特徴とする請求項77乃至83のいずれかに記載の画像形成方法。
  85. 非球形状無機微粉体(B)の該トナー粒子上での平均長径は、該無機微粉体(A)の該トナー粒子上での平均長径よりも長いことを特徴とする請求項77乃至84のいずれかに記載の画像形成方法。
  86. 該無機微粉体(A)は、該トナー粒子上で、15mμm乃至100mμmの平均長径を有しており、非球形状無機微粉体(B)は、該トナー粒子上で、120mμm乃至600mμmの平均長径を有していることを特徴とする請求項77乃至84のいずれかに記載の画像形成方法。
  87. 該無機微粉体(A)は、60乃至230m2 /gのBET法での窒素吸着による比表面積を有していることを特徴とする請求項77乃至86のいずれかに記載の画像形成方法。
  88. 該非球形状無機微粉体(B)は、20乃至90m2 /gのBET法での窒素吸着による比表面積を有していることを特徴とする請求項77乃至87のいずれかに記載の画像形成方法。
  89. 該無機微粉体(A)は、該トナー粒子上で、100乃至125の形状係数SF−1を有していることを特徴とする請求項77乃至88のいずれかに記載の画像形成方法。
  90. 該非球形状無機微粉体(B)は、該トナー粒子上で、190より大きい形状係数SF−1を有していることを特徴とする請求項77乃至89のいずれかに記載の画像形成方法。
  91. 該非球形状無機微粉体(B)は、該トナー粒子上で、200より大きい形状係数SF−1を有していることを特徴とする請求項77乃至89のいずれかに記載の画像形成方法。
  92. 該トナーの電子顕微鏡拡大写真において、0.5μm×0.5μmの面積当たり該無機微粉体(A)が平均で5個以上、及び1.0μm×1.0μmの面積当たり該非球形状微粉体(B)が平均で1乃至30個、それぞれ該トナー粒子の表面上に存在していることを特徴とする請求項77乃至91のいずれかに記載の画像形成方法。
  93. 該トナーの電子顕微鏡拡大写真において、0.5μm×0.5μmの面積当たり該無機微粉体(A)が平均で7個以上、及び1.0μm×1.0μmの面積当たり該非球形状無機微粉体(B)が平均で1乃至25個、それぞれ該トナー粒子の表面上に存在していることを特徴とする請求項77乃至92のいずれかに記載の画像形成方法。
  94. 該トナーは、
    (a)フロー式粒子像分析装置によって測定される粒子の円形度分布において、0.950乃至0.995の平均円形度を有し、且つ円形度0.950未満の粒子を2乃至40個数%含有しており、且つ
    (b)コールター法によって測定される重量平均粒径2.0乃至9.0μmを有しており、
    該外添剤は、該トナー粒子上で、一次粒子又は二次粒子の状態で存在している平均長径が10mμm乃至100mμm及び形状係数SF−1が100乃至130の無機微粉体(A)と、粒子が複数合一することにより生成された平均長径が120mμm乃至600mμm及び形状係数SF−1が150より大きい非球形状無機微粉体(B)とを少なくとも有しており、
    該トナーの電子顕微鏡拡大写真において、0.5μm×0.5μmの面積当たり該無機微粉体(A)が平均で5個以上、及び1.0μm×1.0μmの面積当たり該非球形状無機微粉体(B)が平均で1乃至30個、それぞれ該トナー粒子の表面上に存在していることを特徴とする請求項77に記載の画像形成方法。
  95. 該トナーは、該トナー100重量部中に該無機微粉体(A)を0.1乃至2.0重量部有していることを特徴とする請求項77乃至94のいずれかに記載の画像形成方法。
  96. 該トナーは、該トナー100重量部中に該非球形状無機微粉体(B)を0.3乃至3.0重量部有していることを特徴とする請求項77乃至95のいずれかに記載の画像形成方法。
  97. 該無機微粉体(A)は、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子、酸化ジルコニウム微粒子、酸化マグネシウム微粒子、それらのシリカ処理微粒子及びチッ化ケイ素微粒子からなるグループから選択される微粒子を有していることを特徴とする請求項77乃至96のいずれかに記載の画像形成方法。
  98. 該無機微粉体(A)は、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子及びそれらのシリカ処理微粒子からなるグループから選択される微粒子を有していることを特徴とする請求項77乃至96のいずれかに記載の画像形成方法。
  99. 該非球形状無機微粉体(B)は、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、チタニア微粒子及びそれらの複酸化物微粒子からなるグループから選択される微粒子を有していることを特徴とする請求項77乃至96のいずれかに記載の画像形成方法。
  100. 該非球形状無機微粉体(B)は、シリカ微粒子を有していることを特徴とする請求項77乃至96のいずれかに記載の画像形成方法。
  101. 該無機微粉体(A)は、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子及びそれらのシリカ処理微粒子からなるグループから選択される微粒子を有しており、該非球形状無機微粉体(B)は、シリカ微粒子を有していることを特徴とする請求項77乃至96のいずれかに記載の画像形成方法。
  102. 該無機微粉体(A)は、アルミナ微粒子を有しており、該非球形状無機微粉体(B)は、シリカ微粒子を有していることを特徴とする請求項77に記載の画像形成方法。
  103. 該アルミナ微粒子は、平均粒径の2倍以上の粒子を0〜5個数%有する粒度分布を有しており、該非球形状無機微粉体(B)は、平均粒径の2倍乃至3倍の粒子を5〜15個数%有する粒度分布を有していることを特徴とする請求項102に記載の画像形成方法。
  104. 該アルミナ微粒子は、60乃至150m2 /gのBET法での窒素吸着による比表面積を有しており、該非球形状無機微粉体(B)は、20乃至70m2 /gのBET法での窒素吸着による比表面積を有していることを特徴とする請求項102又は103に記載の画像形成方法。
  105. 該アルミナ微粒子は、疎水化処理されていることを特徴とする請求項102乃至104のいずれかに記載の画像形成方法。
  106. 該トナー粒子は、結着樹脂、着色剤及び離型剤を少なくとも含有しており、該離型剤は、300乃至3000の重量平均分子量を有していることを特徴とする請求項102乃至105のいずれかに記載の画像形成方法。
  107. 該トナー粒子は、重合性モノマー及び着色剤を少なくとも含有する重合性モノマー組成物を重合開始剤の存在下で、液媒体中で重合する重合法によって製造されたものであることを特徴とする請求項77乃至106のいずれかに記載の画像形成方法。
  108. 該トナー粒子は、重合性モノマー及び着色剤を少なくとも含有する重合性モノマー組成物を重合開始剤の存在下で、水系媒体中で懸濁重合する重合法によって製造されたものであることを特徴とする請求項77乃至106のいずれかに記載の画像形成方法。
  109. 該トナー粒子は、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有する混合物を溶融混練する工程、及び得られた混練物を粉砕する工程、を含む粉砕法によって製造された粒子を球形化処理することによって製造されたものであることを特徴とする請求項77乃至106のいずれかに記載の画像形成方法。
  110. 該トナーは、現像工程においてキャリアと混合されて二成分系現像剤として用いられ、該二成分現像剤は、1.2乃至2.0g/cm3 の見掛密度を有していることを特徴とする請求項77乃至109のいずれかに記載の画像形成方法。
  111. 該二成分現像剤は、1.2乃至1.8g/cm3 の見掛密度を有していることを特徴とする請求項110に記載の画像形成方法。
  112. 該二成分現像剤は、5乃至19%の圧縮度を有していることを特徴とする請求項110に記載の画像形成方法。
  113. 該二成分現像剤は、5乃至15%の圧縮度を有していることを特徴とする請求項110に記載の画像形成方法。
  114. 該キャリアは、少なくとも樹脂及び磁性金属酸化物を含有する磁性樹脂キャリアを有していることを特徴とする請求項110乃至113に記載の画像形成方法。
  115. 該キャリアは、少なくとも樹脂、磁性粉及び非磁性金属酸化物を含有する磁性樹脂キャリアを有していることを特徴とする請求項110乃至113のいずれかに記載の画像形成方法。
  116. 該磁性樹脂キャリアは、重合法によって製造されたものであることを特徴とする請求項114又は115に記載の画像形成方法。
  117. 該磁性樹脂キャリアは、フェノール樹脂をバインダーとして含有していることを特徴とする請求項114乃至116のいずれかに記載の画像形成方法。
  118. 該キャリアは、15乃至60μmの重量平均粒径を有していることを特徴とする請求項110乃至117のいずれかに記載の画像形成方法。
  119. 該キャリアは、20乃至45μmの重量平均粒径を有していることを特徴とする請求項110乃至117のいずれかに記載の画像形成方法。
  120. 該転写材は、記録材であり、該潜像担持体上に形成されているトナー画像は、該記録材に直接転写され、該記録材上に転写されたトナー画像は、該記録材に定着されることを特徴とする請求項77乃至119のいずれかに記載の画像形成方法。
  121. 該転写材は、中間転写体であり、該潜像担持体上に形成されているトナー画像は、該中間転写体に一次転写され、該中間転写体上に一次転写されたトナー画像は、記録材に二次転写され、該記録材上に二次転写されたトナー画像は、該記録材に定着されることを特徴とする請求項77乃至119のいずれかに記載の画像形成方法。
  122. 該画像形成方法は、
    (i)静電潜像を担持するための潜像担持体を帯電する帯電工程;
    (ii)帯電された潜像担持体に静電潜像を形成する潜像形成工程;
    (iii)該潜像担持体の静電潜像をシアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーからなるグループから選択されるカラートナーにより現像してカラートナー画像を形成する現像工程;及び
    (iv)該潜像担持体上に形成されたカラートナー画像を転写材に転写する転写工程;を有しており、上記(i)乃至(iv)の工程を2回以上順次他の色のカラートナーを用いて繰返し、該転写材上に多色のカラートナー画像を形成するマルチカラー又はフルカラー画像形成方法であって、
    該シアントナーは、少なくとも結着樹脂とシアン着色剤とを含有するシアントナー粒子及び該外添剤微粒子を有しており、
    該マゼンタトナーは、少なくとも結着樹脂とマゼンタ着色剤とを含有するマゼンタトナー粒子及び該外添剤微粒子を有しており、
    該イエロートナーは、少なくとも結着樹脂とイエロー着色剤とを含有するイエロートナー粒子該外添剤微粒子を有していることを特徴とする請求項77乃至121のいずれかに記載の画像形成方法。
  123. 該シアントナー、該マゼンタトナー、該イエロートナーに加えて、ブラックトナーの4色のトナーを用い、上記(i)乃至(iv)の工程を4回順次他の色のトナーを用いて繰返し、該転写材上に4色のカラートナー画像を形成するフルカラー画像形成方法であって、
    該ブラックトナーは、少なくとも結着樹脂とブラック着色剤とを含有するブックトナー粒子及び該外添剤微粒子を有することを特徴とする請求項122に記載の画像形成方法。
  124. 該画像形成方法は、転写工程後に、該潜像担持体の表面に残存しているトナーを回収するためのクリーニング工程を更に有していることを特徴とする請求項77乃至123のいずれかに記載の画像形成方法。
  125. 該クリーニング工程は、転写工程後であり且つ現像工程前に、該潜像担持体表面に当接するクリーニング部材によって該潜像担持体表面のクリーニングが行われる現像前クリーニング方式が用いられることを特徴とする請求項124に記載の画像形成方法。
  126. 該現像前クリーニング方式において、該クリーニング工程は、転写工程後であり且つ帯電工程前に行われることを特徴とする請求項125に記載の画像形成方法。
  127. 該転写工程での転写部、該帯電工程での帯電部及び該現像工程での現像部は、該潜像担持体の移動方向に沿って、該転写部、該帯電部及び該現像部の順に配置されており、該転写部と該帯電部との間及び該帯電部と該現像部との間には、いずれも該潜像担持体表面に当接して該潜像担持体表面に残存するトナーを回収するためのクリーニング部材が存在しておらず、
    該クリーニング工程は、現像工程時に、該トナーを保有している現像装置が該潜像担持体に担持させれている静電潜像を該トナーにより現像すると共に、該潜像担持体表面に残存しているトナーを該現像装置が回収することによって該潜像担持体表面のクリーニングが行われる現像同時クリーニング方式が用いられることを特徴とする請求項124に記載の画像形成方法。
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