JP4373631B2 - 静電荷現像用トナー及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷現像用トナー及び画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電印刷法などに用いられるトナー及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法、静電印刷法、静電記録法等で形成される静電荷像は乾式法の場合、一般に金属粉等で形成されるキャリアにより摩擦帯電されたバインダー樹脂及び着色剤を主成分とする乾式トナーが電界により現像された後、コピー紙上に転写・定着される。このとき高画質な画像を得るためには、現像により感光体上に形成された潜像をどのような状況においても如何に忠実にトナーを用いて表現できるかが最重要な技術課題の一つであり、現在各種検討がなされている。
【0003】
この高画質を達成するために現像剤に求められる特性としては、保存性(耐ブロッキング性)、搬送性、現像性、転写性、帯電性、定着性が求められ、これらの特性のうち定着性以外の改善を目的として、トナーに添加剤を外添することがしばしば行なわれている。それら添加剤としては、例えば疎水性シリカ等を代表とする疎水性微紛末(特開昭52−30437号公報)、シリカ微粒子に酸化アルミニウムや酸化チタン微粒子等を混入したもの(特開昭60−238847号公報)、或いはアルミナ被覆チタニア微粒子(特開昭57−79961号公報)等を用いることが知られている。また、酸化チタンについては、アナターゼ型の結晶構造を有するもの(特開昭60−112052号公報)、酸化アルミニウム被覆酸化チタン(特開昭57−79961号公報)、さらに酸化チタン微粒子をカップリング剤で表面処理したもの(特開平4−40467公報、特開平3−348354号公報)が開示されている。
【0004】
一般的には流動性付与効果が最も高いシリカが用いられている。これらシリカ等の疎水性微粉末を使用することによって、保存性、搬送性、現像性、転写性はかなり改善されるが、これらの改善に充分な量を使用すると経時/環境等の帯電性に悪影響を及ぼすのみならず定着性も悪くなるという問題があった。すなわち、帯電性に関しては、帯電量、帯電の速度、帯電量分布、トナー混合性、及び環境安定性等の要求を満足することが求められるが、シリカ等を使用した場合には、帯電量については充分に得られるが、帯電の速度、帯電量分布、トナー混合性及び環境安定性に悪影響を及ぼし、場合によっては画像チリ等の現象も見られる。
【0005】
近年、この改良の目的で酸化チタンも用いられるようになってきた。特に、酸化チタンについては、アナターゼ型酸化チタンをトナーに外添した場合、トナーへの付着性及び分散性が極めて良好で、シリカに匹敵する流動性が得られ、また、トナーに付着した微粒子が離脱しにくく、キャリアのスペントが防止されるという特徴を有している。特にアナターゼ型の酸化チタンは、表面活性が高いことから、表面処理剤により高疎水化され易く、そのため高流動が得られ易い等のメリットがあった。しかし、アナターゼ型酸化チタンは、撹拌によるキャリアとトナーの衝突やトナーとブレード及びスリーブとの摩擦により、トナーに付着した酸化チタンがトナー内部に徐々に埋没し易く、帯電が不安定になるという問題点を有していた。また、アナターゼ型酸化チタンは、体積固有抵抗も低いため、高湿度下での帯電リークが早く、環境中での帯電安定性も、疎水性シリカよりは若干は改善されているものの、大きく優れたものではなかった。これに対してルチル型の酸化チタンを用いた場合は、その紡錘状という結晶構造の関係でアナターゼ型とは異なり、トナーに埋没し難く、経時/及び環境変化でも安定した帯電を得られ易いが、表面活性が低いため表面処理によっても充分な疎水性が得られず流動性の付与能力が低いという欠点があった。いずれの酸化チタンにせよ、単独での使用は難しく、他の外添剤との併用で用いられるのが一般的とされ、特にシリカ等との混合系で、流動性と帯電性をバランスを上手く取れるような比率で用いられてきたのが現実であった。
【0006】
これら疎水性シリカ、酸化チタン等の疎水性微粉末を使用することによって、保存性、搬送性、現像性、転写性はかなり改善されるが、これらの改善のために充分な量を使用すると、帯電性に悪影響を及ぼすのみならず定着性も悪くなるという問題があった。
【0007】
また更に最近では、トナーのオイルレス化に伴い、トナー中にワックス等の離型剤を含有させることが一般的となっており、モノクロタイプのトナーのみではなく、カラートナーにおいても、オイルレス化が進行している。トナーへの離型剤の含有は、トナー表面に離型剤が存在し、トナー母体着色粒子の流動性が低下し、また添加剤が埋め込まれ易く、前記の各種の副作用に対して、より余裕度が低下する方向であった。
【0008】
また近年、市場では高品質の画像の要求が高まり、従来のような体積平均粒径が10〜15μmのトナーでは充分な高画質が得られなくなってきており、さらに小粒径のトナーが求められている。トナーは小粒径になればなるほど、その比表面積が大きくなることから、母体の着色粒子の粉体流動性は低下し、流動性付与のために表面処理剤としての添加剤の多量の外添が必要とされ、所望の流動性を得るためには上記副作用がより顕著に見られる方向となっていた。
【0009】
また特に、近年環境への配慮からマシンより発生するオゾン量を低減するために、特開昭59−46664号公報の如き静電荷像保持体表面に形成したトナー像を紙を主とするシート上の転写材に静電的に転写する工程を含む画像形成装置において、回転円筒状、無端ベルト状などの静電荷保持体を使用し、バイアスを印加した転写装置をこれに圧接してこれら両者間に転写材を通過させることで、電界により静電荷保持体上のトナーを転写材に転写させる装置が既に提案されている。このような装置は、従来から使用されているコロナ放電を用いた転写装置に比べて、オゾンは低減され、転写材と静電荷支持体を圧接しながら転写するので、静電荷支持体と転写材の密着性がとりやすく、質のよい転写像が得られやすい。一方、当接圧が加えられた場合、静電荷上のトナー像にも圧力が加わり凝集が起こり、トナーと静電荷支持体との間でも密着が発生し、極端な場合には、密着が強固な部分が転写されない現象が起こる。この現象は特に、ライン画像で顕著に見られ、中心部が転写されない「中抜け現象」と呼ばれ、問題視されており、特に、最近の高画質化の要求に対しては、この問題が大きく取り上げられ、その解決が切望されている。このような問題に対して、特開平4−27443号公報に記載の磁性トナーは限定はされているが、トナーと静電荷像保持体との間にスペーサー粒子として働くような特定の樹脂微粒子を添加し、トナーの凝集による静電荷像保持体への密着を防ぐ方法が既に開示されているが、未だ充分ではない。一般にこの中抜け現象を改良するには、トナーと静電荷像保持体間の付着力を弱めてやればよく、簡単にはトナー添加剤として一般に使用されているシリカ等の添加剤を多量に添加し、トナーの流動性を大きくすることで改良が可能である。しかし、この方法では多量の添加剤により感光体を損傷する問題及び結着樹脂表面が多量の添加剤で覆われることによるトナー定着性の悪化等という問題があるため添加可能な量にも限度があり、また、シリカ等に充分な量を使用すると帯電性に悪影響を及ぼすという問題もある。すなわち、帯電性に関しては、帯電量、帯電の速度、帯電量分布、トナー混合性、及び環境安定性等の要求を満足することが求められるが、シリカ等を使用した場合には、帯電の速度、帯電量分布、トナー混合性及び環境安定性に悪影響を及ぼし、場合によっては画像チリ等の現象も見られる。また、定着性に関しては、結着樹脂のTgの変更により改良することは可能だが、高温高湿環境での保存性との兼ね合いでTgを下げることでの樹脂定着性の改良にも限度があった。一方、シリカ微粒子にアルミナや酸化チタン微粒子等を組み合わせて添加し、前述の問題を改良する方法では、シリカ以外の粒子を多く添加すると、環境安定性に改善は見られるが、帯電量が低下してしまい、流動性が得られないという問題があった。特に、低温定着実現のために使用される末端機に親水基を有するポリエステル樹脂との組み合わせにおいてはより顕著であった。
【0010】
また近年、コンピューター等の画像出力に用いられるプリンター等の画像においては、複写機画像よりも経時使用で安定した高濃度のものが求めれらており、前記オゾンを低減させた転写プロセスを有するマシンで使用されるトナー添加剤シリカを充分に添加したようなトナーの使用においては、シリカ自体の絶縁性が非常に高いため、チャージアップされ易く、Q/Mが異常に上昇し画像濃度が低下する等の問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、画像濃度が経時使用においても安定して得られ、初期画像の忠実な再現性が良好で、転写効率が高く、高寿命で、さらに規定したある特定のプロセスにおいても転写中抜けがなく、安定した定着性が得られる2成分トナーを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明の(1)「少なくともバインダー樹脂と着色剤からなる着色粒子と着色粒子に外添される添加剤よりなるトナーにおいて、該添加剤が疎水性シリカと疎水性酸化チタンからなり、該疎水性酸化チタンが、比表面積が20〜120g/m の微粒子ルチル型酸化チタン、アルカリ金属源及びオキシリン化合物を混合し、該混合物を、700〜1000℃で焼成する工程を経て得られた酸化チタンを疎水化処理したものであり、該疎水性酸化チタンの形状が短軸径0.03〜0.2μm及び長軸径0.2〜1.0μmの微粒子針状酸化チタンであることを特徴とする静電荷像現像用トナー」、(2)「該酸化チタンの疎水化処理剤がシランカップリング剤またはシリコーンオイルであることを特徴とする前記第(1)項に記載の静電荷像現像用トナー」、(3)「該酸化チタンの疎水化処理剤がさらにフルオロアルキルシランを含むことを特徴とする前記第(2)項に記載の静電荷像現像用トナー」()「該疎水性シリカの疎水化処理剤がシランカップリング剤またはシリコーンオイルであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項の何れか1に記載の静電荷像現像用トナー」、()「該酸化チタンのBET比表面積が70〜120g/mであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項の何れか1に記載の静電荷像現像用トナー」、()「該疎水性シリカのBET比表面積が100〜250g/mであることを特徴とする前記第(1)項乃至第()項の何れか1に記載の静電荷像現像用トナー」、()「該トナーが離型剤を含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項の何れか1に記載の静電荷像現像用トナー」、()「該トナーの体積平均粒径が2.5〜8.0μmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第()項の何れか1に記載の静電画像形成用トナー」により達成される。
【0013】
また、上記課題は、本発明の()「静電荷像保持体表面に形成したトナー像を紙を主とするシート上の転写材に静電的に転写する工程を含む画像形成装置において、該トナーが、回転円筒状、無端ベルト状などの静電荷保持体を使用しバイアスを印加した転写装置をこれに圧接してこれら両者間に転写材を通過させることで電界により静電荷保持体上から転写材に転写させる装置を有する電子写真プロセスで用いられ、かつ、該トナーが少なくともバインダー樹脂と着色剤からなる着色粒子と着色粒子に外添される添加剤よりなり、該添加剤が疎水性シリカと疎水性酸化チタンであり該疎水性酸化チタンが、比表面積が20〜120g/m の微粒子ルチル型酸化チタン、アルカリ金属源及びオキシリン化合物を混合し、該混合物を、700〜1000℃で焼成する工程を経て得られた酸化チタンを疎水化処理したものであり、該疎水性酸化チタンの形状が短軸径0.03〜0.2μm及び長軸径0.2〜1.0μmの微粒子針状酸化チタンであることを特徴とする特徴とする画像形成方法」、(10)「該酸化チタンの疎水化処理剤がシランカップリング剤またはシリコーンオイルであることを特徴とする前記第()項に記載の画像形成方法」、(11)「該酸化チタンの疎水化処理剤がさらにフルオロアルキルシランを含むことを特徴とする前記第(10)項に記載の画像形成方法」(12)「該疎水性シリカの疎水化処理剤がシランカップリング剤またはシリコーンオイルであることを特徴とする前記第(9)項乃至第(11)項の何れか1に記載の画像形成方法」、(13)「該酸化チタンのBET比表面積が70〜120g/mであることを特徴とする前記第(9)項乃至第(12)項の何れか1に記載の画像形成方法」、(14)「該疎水性シリカのBET比表面積が100〜250g/mであることを特徴とする前記第()項乃至第(13)項の何れか1に記載の画像形成方法」、(15)「該トナーが離型剤を含有することを特徴とする前記第()項乃至第(14)項の何れか1に記載の画像形成方法」、(16)「該トナーの体積平均粒径が2.5〜8.0μmであることを特徴とする前記第()項乃至第(15)項の何れか1に記載の画像形成方法」により達成される。
【0014】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、少なくともバインダー樹脂と着色剤からなる着色粒子と着色粒子に外添される添加剤よりなるトナーにおいて、該添加剤が疎水性シリカと疎水性酸化チタンからなり、該疎水性酸化チタンの形状が短軸径0.03〜0.2μm及び長軸径0.2〜1.0μmの微粒子針状酸化チタンであることにより、前記欠点を解消できることを見出した。従来の酸化チタンは、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンがあり、各々のメリット/デメリットについては、前記に示した通りであるが、アナターゼ型の持つ高流動性付与効果と、ルチル型の持つ帯電安定性の効果の両方を併せ持つものが最も優れたものと考えられるが、本発明の酸化チタンは、両方の良さを合わせ持つものである。従来のアナターゼ型の悪さは、その結晶構造が薄片状で電気抵抗等の低さに起因した問題であり、また、経時でのトナー表面での埋め込みに起因した問題であった。それに対してルチル型の悪さは、紡錘状というその形状の形から、凝集し易いことに起因した問題であった。本発明の酸化チタンは、上記範囲に規定した小粒径の針状結晶を有しており、アナターゼ型のように薄片状でないために帯電の不安定化を起こし難く、ルチル型のように分散し難いものではないために、トナーの流動性を低下させるようなものではなかった。ここで、微粒子針状酸化チタンの短軸径が0.03未満,長軸径が0.2未満のときは、比表面積が大きくなり酸化チタン自体が凝集し易くなり、トナーの帯電を不安定化させる等の不具合があった。また、短軸径が0.2μmより大きく,長軸径が1.0μmより大きいときは、トナーの分散性を低下させる等の不具合が見られた。
【0015】
また特に、該酸化チタンの疎水化処理剤がシランカップリング剤またはシリコーンオイルであることにより、より効果的にトナーの表面処理剤として機能することが判明した。
【0016】
また特に、該疎水性シリカの疎水化処理剤がシランカップリング剤またはシリコーンオイルであることにより、より効果的にトナーの表面処理剤として機能することが判明した。
【0017】
また更に、該疎水性酸化チタンのBET比表面積が70〜120g/mであることにより、トナーに良好な流動性を付与できることが判明した。ここで、70g/m未満のときは、流動性付与効果が小さく、120g/mより大きいときは、トナー中でのチタン粒子の凝集が大きくなり、トナーの流動性の付与効果の割には帯電安定性に不具合の発生が見られた。
【0018】
また更に、該疎水性シリカのBET比表面積が100〜250g/mであることによりトナーに良好な流動性を付与できることが判明した。ここで、100g/m未満のときは、流動性付与効果が小さく、250g/mより大きいときは、トナー中でのシリカ粒子の凝集が大きくなり、トナーの流動性の付与効果の割には帯電安定性に不具合の発生が見られた。
【0019】
また特に、該トナーが離型剤を含有することで、オイルレス化トナーであっても、前記の構成により充分な流動性と帯電安定性を確保でき、経時の使用においても外添剤の埋め込みがし難いため、オイルレストナーで高品質なトナーを提供することができる。
【0020】
また、本発明のトナーの粒径については特に限定的でないが、細線再現性等に優れた高画質を得るためには、体積平均粒径が2.5〜8.0μmであることが好ましい。
ここで、トナー体積平均粒径の測定は、種々の方法によって測定可能であるが、本発明では米国コールター・エレクトロニクス社製のコールターカウンターTAIIが用いられる。
【0021】
また更に、静電荷像保持体表面に形成したトナー像を紙を主とするシート上の転写材に静電的に転写する工程を含む画像形成装置において、回転円筒状、無端ベルト状などの静電荷保持体を使用し、バイアスを印加した転写装置をこれに圧接してこれら両者間に転写材を通過させることで、電界により静電荷保持体上のトナーを転写材に転写させる装置を有する電子写真プロセスを用いるトナーにおいて、少なくともバインダー樹脂と着色剤からなる着色粒子と着色粒子に外添される添加剤よりなり、該添加剤が疎水性シリカと疎水性酸化チタンで、該疎水性酸化チタンの形状が短軸径0.03〜0.2μm及び長軸径0.2〜1.0μmの微粒子針状酸化チタンであることにより前記欠点を解消できることを見出した。この理由については、前記内容と同様であり、本発明の疎水性酸化チタンの有する粉体流動性を阻害することなく帯電を安定化させる能力と、疎水性シリカの有する高い粉体流動付与能力を組み合わせることで、前記欠点は解消できる。
【0022】
疎水性シリカは、少量の添加によって流動性付与効果があることから、無機微粉末を多量に添加した場合に生じる帯電等への問題の解決に有効である。また疎水性シリカと疎水性酸化チタンを併用することにより、シリカのみの経時使用で見られる帯電量のQ/Mが上昇に伴う画像濃度の低下をチタンがシリカよりも抵抗が低いため、シリカによりチャージアップした電荷を逃がす役目をするため帯電がより安定化することが判明した。ここでチタンのみの使用では、本発明のチタンにおいても流動性は充分ではなく、シリカよりも多量の添加が必要になり、少量の添加では、従来の疎水性酸化チタンより改善はされているものの、転写中抜け等の発生が見られた。
【0023】
また特に、前記画像形成方法に用いられるトナーの酸化チタンの疎水化処理剤がシランカップリング剤またはシリコーンオイルであることにより、より効果的にトナーの表面処理剤として機能することが判明した。
【0024】
また特に、前記画像形成方法に用いられるトナーの疎水性シリカの疎水化処理剤がシランカップリング剤またはシリコーンオイルであることにより、より効果的にトナーの表面処理剤として機能することが判明した。
【0025】
また更に、前記画像形成方法に用いられるトナーの疎水性酸化チタンのBET比表面積が70〜120g/mであることにより、トナーに良好な流動性を付与できることが判明した。ここで、70g/m未満のときは、流動性付与効果が小さく、120g/mより大きいときは、トナー中でのチタン粒子の凝集が大きくなり、トナーの流動性の付与効果の割には帯電安定性に不具合の発生が見られた。
【0026】
また更に、前記画像形成方法に用いられるトナーの疎水性シリカのBET比表面積が100〜250g/mであることにより、トナーに良好な流動性を付与できることが判明した。ここで、100g/m未満のときは、流動性付与効果が小さく、250g/mより大きいときは、トナー中でのシリカ粒子の凝集が大きくなり、トナーの流動性の付与効果の割には帯電安定性に不具合の発生が見られた。
【0027】
また特に、前記画像形成方法に用いられるトナーが離型剤を含有することで、オイルレス化トナーであっても、前記の構成により充分な流動性と帯電安定性を確保でき、経時の使用においても外添剤の埋め込みがし難いため、オイルレストナーで高品質なトナーを提供することができる。
【0028】
また、本発明の前記画像形成方法に用いられるトナーの粒径については特に限定的でないが、細線再現性等に優れた高画質を得るためには、体積平均粒径が2.5〜8.0μmであることが好ましい。
【0029】
また、本発明のトナーは、粉砕法によって製造されたトナーでも、粉砕法以外の製造方法、例えば重合法によって製造されたトナーでもよく、また、それらの混合物でもよい。
【0030】
次に、本発明のトナーに用いられる材料について詳細に説明する。
本発明においてバインダーとして用いるポリエステル樹脂は、アルコールとカルボン酸との縮重合によって得られるが、用いられるアルコールとはポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等のジオール類、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリエキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のエーテル化ビスフェノル類、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価のアルコール単体、その他の2価のアルコール単体を挙げることができる。
【0031】
また、ポリエステル樹脂を得るために用いられるカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価の有機酸単量体、これらの酸無水物、低級アルキルエステルとリノレイン酸の2量体、その他の2価の有機酸単量体を挙げることができる。
【0032】
バインダー樹脂として用いるポリエステル樹脂を得るためには、以上の2官能性単量体のみによる重合体のみでなく、3官能以上の多官能性単量体による成分を含有する重合体を用いることも好適である。かかる多官能性単量体である3価以上の多価アルコール単量体としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−サルビタン、ペンタエスリトール、ジペンタエスリトール、トリペンタエスリトール、蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、その他を挙げることができる。
【0033】
また、3価以上の多価カルボン酸単量体としては、例えば1,2,4−べンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンボール3量体酸、これらの酸無水物、その他を挙げることができる。
【0034】
本発明に使用されるポリエステルと共に用いられる結着樹脂としては、公知のものが全て使用できる。例えば、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、 スチレン−アクリロニトリル共重合体、 スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレンーイソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体が挙げられる。また、下記の樹脂を混合して使用することもできる。ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。
【0035】
また、特に圧力定着用に好適な結着樹脂としては下記のものを挙げることができ、混合して使用できる。
ポリオレフィン(低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、酸化ポリエチレンポリ4弗化エチレンなど)、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体(モノマー比5〜30:95〜70)、オレフィン共重合体(エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂)、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、マレイン酸変性フェノール樹脂、フェノール変性テルペン樹脂など。
【0036】
また、本発明のトナーに含有される帯電制御剤としては、従来公知のものが全て使用できる。正帯電制御剤としては、ニグロシン、塩基性染料、塩基性染料のレーキ顔料、四級アンモニウム塩化合物他等が挙げられ、負帯電制御剤としては、モノアゾ染料の金属塩、サリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の金属錯体他等が挙げられる。本発明の極性制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、バインダー樹脂100重量部に対して0.01〜8重量部、好ましくは0.1〜2重量部の範囲で用いられる。0.01重量部未満では、環境変動時における帯電量Q/Mの変動に対しその効果が小さく、7重量部を超えると低温定着性が劣る結果となる。
【0037】
また、本発明においてトナーに使用される離型剤として公知のものが全て使用できるが、特に脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、モンタンワックス及び酸化ライスワックスを単独または組み合わせて使用することができる。カルナウバワックスとしては、微結晶のものが良く、酸価が5以下であり、トナーバインダー中に分散したときの粒子径が1μm以下の粒径であるものが好ましい。モンタンワックスについては、一般に鉱物より精製されたモンタン系ワックスを指し、カルナウバワックス同様、微結晶であり、酸価が5〜14であることが好ましい。酸化ライスワックスは、米ぬかワックスを空気酸化したものであり、その酸価は10〜30が好ましい。各ワックスの酸価が各々の範囲未満であった場合、低温定着温度が上昇し低温定着化が不充分となる。逆に酸価が各々の範囲をを超えた場合、コールドオフセット温度が上昇し低温定着化が不充分となる。ワックスの添加量としては、バインダー樹脂100重量部に対して1〜15重量部、好ましくは3〜10重量部の範囲で用いられる。1重量部未満では、その離型効果が薄く所望の効果が得られにくい。また、15重量部を超えた場合はキャリアへのスペントが顕著になる等の問題が生じた。
【0038】
更に本発明のトナーは更に磁性材料を含有させ、磁性トナーとしても使用し得る。本発明の磁性トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物などが挙げられる。これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重量部に対し約20〜200重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対し40〜150重量部である。
【0039】
着色剤としては、トナー用として公知のものがすべて使用できる。黒色の着色剤としては、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、ファーネスブラック、ランプブラック等が使用できる。シアンの着色剤としては、例えば、フタロシアニンブルー、メチレンブルー、ビクトリアブルー、メチルバイオレット、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー等が使用できる。マゼンタの着色剤としては、例えば、ローダミン6Gレーキ、ジメチルキナクリドン、ウォッチングレッド、ローズベンガル、ローダミンB、アリザリンレーキ等が使用できる。イエローの着色剤としては、例えば、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、ハンザイエロー、ナフトールイエロー、モリブデンオレンジ、キノリンイエロー、タートラジン等が使用できる。
【0040】
また本発明のトナーは、必要に応じて添加物を混合してもよい。添加物としては、例えばポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂、ステアリン酸亜鉛のごとき滑剤あるいは酸化セリウム、炭化ケイ素等の研磨剤、あるいは例えばコロイダルシリカ、酸化アルミニウムなどの流動性付与剤、ケーキング防止剤、あるいは例えばカーボンブラック、酸化スズ等の導電性付与剤、あるいは低分子量ポリオレフィンなどの定着助剤等がある。
【0041】
また、本発明の疎水性チタン/疎水性シリカで用いる表面処理剤としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の各種のシリコーンオイル、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、n−オクタデシルジメチル(3−(トリメトキシシリル)プロピル)アンモニウムクロライド等の各種のアルキルシラン、トリフルオロメチルエチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン等の各種のフルオロアルキルシラン、特にビニルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤に代表されるシラン系・チタン系・アルミ系・アルミナージルコニア系等の各金属系カップリング剤のいずれの処理剤も使用可能であり、これらを単独、若しくは二種以上を混合して用いても良い。特に以下の一般式で示されるシランカップリング剤が好ましい。
【0042】
【化1】
X−Si−(OR)
ここで、Xは有機質と反応する官能基で、Rは加水分解可能な基である。
【0043】
また更に、本発明で用いられる疎水性シリカは、アルキルハロゲノシランと接触させた後、水蒸気の存在下でヘキサメチルジシランと接触させることで得ることもできる。
また特に、本発明において用いられる小粒径の針状酸化チタン粒子の製造方法は、公知の方法によって得られ、例えば特開平7−242422号公報のごとき方法が挙げられる。この方法によると、粒度均整な微粒子針状酸化チタンは、従来から知られている、チタン源、アルカリ金属源及びオキシリン化合物を混合し、該混合物を、好ましくは700〜1000℃で、焼成する、いわゆるフラックス法において、チタン源として比表面積が20〜120g/mの微粒子ルチル型酸化チタンを用いることにより製造できる。
【0044】
チタン源として用いる比表面積20〜120g/mの微粒子ルチル型酸化チタンは、公知となっている種々の方法で得られたものを使用することができる。具体的には、硫酸法で得られたメタチタン酸を使用する方法、四塩化チタンやアルコキシドを加水分解する方法、或は四塩化チタンやアルコキシドを気相分解する方法などで製造されたものが使用できる。また、焼成により容易にルチル転移できる非晶質のものも使用できる。また、本発明の製造方法におけるチタン源の使用方法としては、湿式法で製造されたものはスラリーのままで使用してもよいし、一度乾燥工程を経たものでも、また、200〜900℃の温度で強制的に脱水或は焼成させたものであってもよい。アルカリ金属源としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の塩化物、炭酸塩或はオキシ酸などを用いることができる。オキシリン化合物としては、ナトリウム、カリウム、アンモニウムのリン酸塩やリン酸化物、オキシ酸などを用いることができる。チタン源、アルカリ金属源及びオキシリン化合物の混合方法は乾式、湿式のどちらでもよいが、湿式の場合には、組成の均一化のためスプレードライアーなどの噴霧乾燥が好ましい。上記混合物の混合割合は、チタン源をTiO基準、アルカリ金属源を重量基準、オキシリン化合物をP基準でいうと、チタン源100部に対し、アルカリ金属源を10〜200部、オキシリン化合物を0.01〜20部の範囲で混合することが好ましい。上記混合物を焼成する際の焼成温度は、700〜1000℃、好ましくは800〜900℃である。700℃より低い温度では針状になりにくく、また、1000℃以上の温度では焼結が進み好ましくない。
【0045】
得られた焼成物は、引き続き、水に分散させ洗浄するが、可溶性の塩を除き易くするため水溶液を加温するか、更には、酸やアルカリにより強制的に除去してもよい。更に分散性を向上させるために、公知の手法によりアルミニウム、ケイ素、亜鉛などの金属酸化物による被覆処理、或は、各種のカップリング剤、脂肪酸化合物などの有機物による被覆処理をすることができる。
【0046】
本発明は、一成分トナーとしても、二成分トナーとしても、またモノクロトナーとしても、フルカラートナーとしても用いることができる。
本発明を二成分現像剤のトナーとして用いる場合に使用し得るキャリアとしては、公知のものがすべて使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉のごとき磁性を有する粉体、ガラスビーズ等及びこれらの表面を樹脂などで処理したものなどが挙げられる。
【0047】
本発明におけるキャリアにコーティングし得る樹脂粉末としては、スチレン−アクリル共重合体、シリコーン樹脂、マレイン酸樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂エポキシ樹脂等がある。スチレン−アクリル共重合体の場合は、30〜90重量%のスチレン分を有するものが好ましい。この場合スチレン分が30重量%未満だと現像特性が低く、90重量%を越えるとコーティング膜が硬くなって剥離しやすくなり、キャリアの寿命が短くなるからである。
また本発明におけるキャリアの樹脂コーティングは、上記樹脂の他に接着付与剤、硬化剤、潤滑剤、導電材、荷電制御剤等を含有してもよい。
【0048】
また、本発明は核体粒子表面に導電性微粉末とシランカップリング剤を含有したシリコーン樹脂で被覆することにより、従来のシリコーン樹脂被覆キャリアの有している利点を同様に維持し、キャリアに導電性を付与することによりキャリアへの電荷の蓄積現象と被覆層の剥がれ・導電性微粉末の脱離を効果的に抑止するものである。
【0049】
本発明においてシリコーン樹脂で被覆するキャリア核体粒子としては、従来より公知のものでよく、例えば鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属;マグネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの合金や化合物;ガラスビーズ等が挙げられる。これら核体粒子の平均粒径は通常10〜1000μm、好ましくは30〜500μmである。なお、シリコーン樹脂の使用量としては、通常キャリア核体粒子に対して1〜10重量%である。
【0050】
また、本発明で用いられるシリコーン樹脂としては従来より知られるいずれのシリコーン樹脂であってもよく、例えば市販品として入手できる信越シリコーン社製のKR261、KR271、KR271、KR272、KR275、KR280、KR282、KR285、KR251、KR155、KR220、KR201、KR204、KR205、KR206、SA−4、ES1001、ES1001N、ES1002T、KR3093や東レシリコーン社製のSR2100、SR2101、SR2107、SR2110、SR2108、SR2109、SR2115、SR2400、SR2410、SR2411、SH805、SH806A、SH840等が用いられる。シリコーン樹脂層の形成法としては、従来と同様、キャリア核体粒子の表面に噴霧法、浸漬法等の手段でシリコーン樹脂を塗布すればよい。
【0051】
被覆層組成物は、シリコーン樹脂溶液中に導電性微粉末とシランカップリング剤を添加して適宜のミキサーで分散して調製される。
被覆層中に分散される導電性微粉末は、0.01〜5.0μm程度の粒径のものが好ましく、シリコーン樹脂100重量部に対して0.01〜30重量部添加されることが好ましく、さらには0.1〜20重量部が好ましい。導電性微粉末としては従来より公知のカーボンブラックでよく、コンタクトブラック、ファーネスブラック、サーマルブラックが挙げられる。
【0052】
シランカップリング剤としては、
【0053】
【化2】
X−Si−(OR)
なる式で表わされる化合物であり、Xは有機質と反応する官能基で、Rは加水分解可能な基である。特に、正帯電性用キャリアとしてはアミノ基を有するアミノシランカップリング剤が望ましく、シリコーン樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部添加するのが良い。
【0054】
本発明において使用されるアミノシランカップリング剤の具体的な例としては、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド等が挙げられる。
【0055】
【実施例】
以下、本発明を下記の実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、部数はすべて重量部である。
各トナー評価内容に関しては、(株)リコー製MF−530及びMF−530を改造し、転写部に転写ローラーを用いた実験機を用いて、各トナーについて画像品質評価を行なった。
【0056】
(疎水性シリカ製造例)
テトラクロロシランの火炎熱分解で得られた製造直後の比表面積300g/m親水性微細シリカ5kgを内容積300Lのミキサー中で攪拌混合し、窒素雰囲気に置換を行なった。反応温度170℃において、ヘキサメチレンジシラザンを200g/分、水蒸気を20g/分で70分供給して疎水化処理を行なった。反応後、毎分40Lで窒素を30分間供給し脱アンモニア処理を行ない疎水性シリカaを得た。
【0057】
(疎水性酸化チタン製造例)
硫酸法で得られたメタチタン酸に50%−NaOH水溶液をNaOHとしてTiOに対し4倍モル量添加し95℃で2時間加熱した。このものを充分洗浄した後、31%−HClをHCl/TiO=0.26になるよう添加し、沸点で1時間加熱した。冷却後、1N−NaOHでpH7まで中和した後、洗浄、乾燥して、微粒子ルチル型酸化チタンを製造した。得られた微粒子ルチル型酸化チタンの比表面積は115g/mであった。この微粒子ルチル型酸化チタン100部に対し、NaCl100部とNa・10HOを25部添加し、振動ボールミルで1時間混合し、該混合物を電気炉にて850℃で2時間焼成した。得られた焼成物を純水中に投入し、80℃で6時間加熱した後、洗浄して可溶塩を除去した。
乾燥して得られた粒子は全て、短軸径が0.03〜0.07μmの範囲内にあり、長軸径が0.4〜0.8μmの範囲の微粒子針状酸化チタンを得た。この基材各1000kgに対し、メチルトリメトキシシランとトリメトキシフルオロシラン各100gとトルエンを5kgをスラリー調製し、攪拌機でよく混合した後、さらに横型連続式サンドグライダーミルを用いて処理し、処理後のスラリーをニーダーに投入し、減圧乾燥により疎水性酸化チタンaを得た。
【0058】
次に、シリコーン樹脂を被覆層に有するキャリアの製造例を示す。これらは、公知の手段により行なうことができる。
(キャリア粒子の製造例)
シリコン樹脂溶液(SR2100 東レシリコーン社製) 100部
アミノシランカップリング剤 1部
カーボンブラック(#44 三菱化成工業社製) 4部
トルエン 100部
上記処方をホモミキサーで分散して被覆層形成液を調製した。この被覆層形成液をマグネタイト核体粒子(III)1000重量部の表面に流動床型塗布装置を用いて被覆層を形成しキャリアAを得た。
【0059】
次に、トナーの製造例を示す。これらは、公知の手段により行なうことができる。
(トナー製造例1)
ポリエステル樹脂(重量平均分子量25万) 80部
スチレン−メチルメタアクリレート共重合体 20部
カーボンブラック(三菱カーボン社製#44) 8部
ポリプロピレンワックス 5部
サリチル酸金属塩化合物 5部
上記組成の混合物をヘンシェルミキサー中で充分撹拌混合した後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物をジェットミルで粉砕分級し、5〜20μmの粒径のトナーaを得た。
【0060】
(トナー製造例2)
ポリエステル樹脂(重量平均分子量25万) 70部
スチレン−メチルメタアクリレート共重合体 30部
酸価ライスワックス(酸価15) 5部
カーボンブラック(三菱カーボン社製#44) 8部
含フッ素4級アンモニウム塩化合物(例示化合物3−1) 2部
上記組成の混合物をヘンシェルミキサー中で充分撹拌混合した後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物をジェットミルで粉砕分級し、5〜20μmの粒径のトナーbを得た。
【0061】
(トナー製造例3)
ポリエステル樹脂(重量平均分子量25万) 85部
スチレン−メチルメタアクリレート共重合体 15部
カルナウバワックス(酸価3) 5部
カーボンブラック(三菱カーボン社製#44) 8部
含金属アゾ染料(オリエント化学社製S−34) 2部
上記組成の混合物をヘンシェルミキサー中で充分撹拌混合した後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物をジェットミルで粉砕分級し、5〜20μmの粒径のトナーcを得た。
【0062】
(トナー製造例4)
ポリエステル樹脂(重量平均分子量25万) 90部
スチレン−メチルメタアクリレート共重合体 10部
カルナウバワックス(酸価3) 6部
カーボンブラック(三菱カーボン社製#44) 7部
含金属アゾ染料(オリエント化学社製S−34) 2部
含フッ素4級アンモニウム塩化合物(テトラブチル
アンモニウムテトラフルオロボレート) 1部
上記組成の混合物をヘンシェルミキサー中で充分撹拌混合した後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物をジェットミルで粉砕分級し、5〜20μmの粒径のトナーdを得た。
【0063】
(トナー製造例5)
ポリエステル樹脂(重量平均分子量25万) 90部
スチレン−メチルメタアクリレート共重合体 10部
カーボンブラック(三菱カーボン社製#44) 7部
含金属アゾ染料(オリエント化学社製S−34) 2部
含フッ素4級アンモニウム塩化合物(テトラブチル
アンモニウムテトラフルオロボレート) 1部
上記組成の混合物をヘンシェルミキサー中で充分撹拌混合した後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物をジェットミルで粉砕分級し、5〜20μmの粒径のトナーeを得た。
【0064】
添加剤混合:前記トナー100部に対し、添加剤を所定量添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌混合後メッシュを通して大粒径の粒子を削除し最終トナーを得た。
現像剤製造:前記トナー2.5部に対し、キャリア97.5部とをボールミルで混合し、現像剤を得た。
表1に各現像剤中の内容を示す。また、表2に各現像剤の評価結果を示す。
【0065】
評価:
(帯電立ち上がり性)
ボールミル攪拌機を用い、10秒後の帯電量A1と10分後の帯電量A2の値を比較し、帯電量の立ち上がり率とし、評価した。なお、符号は無視する。
【0066】
【数1】
帯電量立ち上がり率(wt%)=〔(A2−A1)/((A1+A2)/2)〕×100
◎:100〜90wt%、○:90〜80wt%、△:80〜70wt%、
×:70wt%<
(環境安定性)
10℃、20%の低温低湿環境と30℃、80%の高温高湿環境での帯電量をブローオフ法によって求め、そのときの値を以下の式に代入して環境変動率を算出し、、判定条件により評価した。
【0067】
【数2】
環境変動率(%)=〔(低温低湿帯電量−高温高湿帯電量)/低温低湿帯電量〕×100
◎:0〜5%、○:5〜10%、△:10〜30%、×:30%<
(転写中抜け)
転写中抜けの尺度としては、初期と20万枚後のコピー画像上の転写中抜けを次の5段階で評価し、その平均値とした。
◎:優、○:良、●:普通、△:悪、×:最悪
(スペント化率)
30万枚複写試験後の現像剤からブローオフ法によりトナーを除去し、残ったキャリア重量W1をトルエン中に入れ融着物を溶解、洗浄、乾燥し、そのときの融解物の重量W2からスペント化率を求め、評価した。
【0068】
【数3】
スペント化率(wt%)=〔(W1−W2)/W1〕×100
◎:0〜0.01wt%、○:0.01〜0.02wt%、
△:0.02〜0.05wt%、×:0.05wt%<
(現像剤寿命)
現像剤寿命の尺度としては、初期と20万枚画像出し後のコピー画像上の地肌汚れの変化を次の5段階で評価した。
◎:優、○:良、●:普通、△:悪、×:最悪
(細線再現性の評価)
各現像剤に関して、画像評価テストを行ない、細線再現性について以下の判定基準により5段階に評価した。
優:◎、良:○、□:普通、△:悪い、×:最悪
【0069】
【表1】
Figure 0004373631
【0070】
【表2】
Figure 0004373631
【0071】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明により画像濃度が経時使用においても安定して得られ、初期画像の忠実な再現性が良好で、転写効率が高く、転写中抜けがなく、高寿命が得られる2成分現像剤を提供することができ、また、トナーとキャリア間の摩擦帯電が安定で、温・湿度の変化に影響されない安定した画像を再現し、地汚れやトナー飛散がなく、画像品質の劣化がなく、連続使用時においてもキャリア被覆層の剥がれ・導電性微粉末の離脱がないため摩擦帯電が安定で、初期画像と同等の忠実度の高い画像の得られる2成分現像剤を提供することができるという極めて優れた効果を奏するものである。

Claims (16)

  1. 少なくともバインダー樹脂と着色剤からなる着色粒子と着色粒子に外添される添加剤よりなるトナーにおいて、該添加剤が疎水性シリカと疎水性酸化チタンからなり、該疎水性酸化チタンが、比表面積が20〜120g/m の微粒子ルチル型酸化チタン、アルカリ金属源及びオキシリン化合物を混合し、該混合物を、700〜1000℃で焼成する工程を経て得られた酸化チタンを疎水化処理したものであり、該疎水性酸化チタンの形状が短軸径0.03〜0.2μm及び長軸径0.2〜1.0μmの微粒子針状酸化チタンであることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 該酸化チタンの疎水化処理剤がシランカップリング剤またはシリコーンオイルであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 該酸化チタンの疎水化処理剤がさらにフルオロアルキルシランを含むことを特徴とする請求項2に記載の静電荷像現像用トナー
  4. 該疎水性シリカの疎水化処理剤がシランカップリング剤またはシリコーンオイルであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 該酸化チタンのBET比表面積が70〜120g/mであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 該疎水性シリカのBET比表面積が100〜250g/mであることを特徴とする請求項1乃至の何れか1に記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 該トナーが離型剤を含有することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1に記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 該トナーの体積平均粒径が2.5〜8.0μmであることを特徴とする請求項1乃至の何れか1に記載の静電画像形成用トナー。
  9. 静電荷像保持体表面に形成したトナー像を紙を主とするシート上の転写材に静電的に転写する工程を含む画像形成装置において、該トナーが、回転円筒状、無端ベルト状などの静電荷保持体を使用しバイアスを印加した転写装置をこれに圧接してこれら両者間に転写材を通過させることで電界により静電荷保持体上から転写材に転写させる装置を有する電子写真プロセスで用いられ、かつ、該トナーが少なくともバインダー樹脂と着色剤からなる着色粒子と着色粒子に外添される添加剤よりなり、該添加剤が疎水性シリカと疎水性酸化チタンであり該疎水性酸化チタンが、比表面積が20〜120g/m の微粒子ルチル型酸化チタン、アルカリ金属源及びオキシリン化合物を混合し、該混合物を、700〜1000℃で焼成する工程を経て得られた酸化チタンを疎水化処理したものであり、該疎水性酸化チタンの形状が短軸径0.03〜0.2μm及び長軸径0.2〜1.0μmの微粒子針状酸化チタンであることを特徴とする特徴とする画像形成方法。
  10. 該酸化チタンの疎水化処理剤がシランカップリング剤またはシリコーンオイルであることを特徴とする請求項に記載の画像形成方法。
  11. 該酸化チタンの疎水化処理剤がさらにフルオロアルキルシランを含むことを特徴とする請求項10に記載の画像形成方法
  12. 該疎水性シリカの疎水化処理剤がシランカップリング剤またはシリコーンオイルであることを特徴とする請求項9乃至11の何れか1に記載の画像形成方法。
  13. 該酸化チタンのBET比表面積が70〜120g/mであることを特徴とする請求項9乃至12の何れか1に記載の画像形成方法。
  14. 該疎水性シリカのBET比表面積が100〜250g/mであることを特徴とする請求項乃至13の何れか1に記載の画像形成方法。
  15. 該トナーが離型剤を含有することを特徴とする請求項乃至14の何れか1に記載の画像形成方法。
  16. 該トナーの体積平均粒径が2.5〜8.0μmであることを特徴とする請求項乃至15の何れか1に記載の画像形成方法。
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