JP6327177B2 - 静電潜像現像用二成分現像剤 - Google Patents

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本発明は、静電潜像現像用二成分現像剤に関する。特に、小径かつ高円形度であって、流動性及びクリーニング性を両立可能な静電潜像現像用トナーを含有する静電潜像現像用二成分現像剤に関する。
近年、電子写真複写機及びプリンターは、プリント速度の高速化により、従来のオフィス領域での使用に止まらずプロダクションプリント市場で使用される機会が増加している。
プロダクションプリント市場においては、オフセット印刷並みの高精細、高画質の画像品質が求められている。そのため、そこで用いられるトナーやキャリアは、小粒径化させる傾向にある。
しかしながら、小径化させたトナーでは流動性及びクリーニング性が悪化するという問題がある。
ここで、図1に示すように、感光体や中間ベルト等の被クリーニング部材101に付着したトナー粒子201をクリーニングする方法として、クリーニングブレード102を被クリーニング部材101に当接させて、トナー粒子201を掻き取る方法が挙げられる。
上記した小径化させたトナー粒子においては、流動性改善のためには高円形度化することが好ましいが、高円形度化させたトナー粒子201は転がりやすくなってクリーニングブレード102から矢印方向aにすり抜けやすくなってしまう。また、被クリーニング部材101とクリーニングブレード102とのニップ部103においてトナー粒子201の凝集物が生じて、クリーニングブレード102が被クリーニング部材101に当接する力bよりも、トナー粒子201の凝集物がニップ部103に突入する力cの方が大きくなってしまう。これらの現象により、高円形度化させた小径なトナー粒子ではクリーニング性が悪化することが考えられる。
トナーのクリーニング性を確保するためには、図1に示すように、ニップ部103においてトナー粒子201から脱離した外添剤202を最密充填させて静止層203を形成し、当該静止層203によってトナー粒子201をせき止めて掻き取る方法が採用されている。このような方法にあっては、トナー粒子201表面に大径の外添剤202を付与してスペーサー効果を得ることで、トナー粒子201と被クリーニング部材101の表面との付着性を低減し、静止層203を効果的に形成することが一般的に行われている。
また、大径の外添剤はトナー粒子から脱離しやすいため、その付着強度を向上させるために異形の大径外添剤を用いる技術も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
ここで、流動性とスペーサー効果とを両立させる手段として、粒度分布の広い外添剤を用いる技術が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。また、粒度分布の広い外添剤を用いる技術は、静止層の形成に関しても最密充填性に優れることから凝集状態が崩れにくく、ブレードと感光体等とのニップ部で静止層を形成する上で好適であることが示されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、粒度分布が広く最密充填しやすいものはクリーニングブレードで凝集物を形成し、その凝集物がブレードをすり抜けて感光体を摩耗させるという問題が考えられる。また、静止層が崩れた際に周囲の外添剤が再配置しにくく、耐久安定性を悪化させる。
特開2013−53027号公報 特開2004−102236号公報 特開2007−264142号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、小径かつ高円形度であって、流動性及びクリーニング性を両立可能な静電潜像現像用トナーを含有する静電潜像現像用二成分現像剤を提供することである。
本発明に係る上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討した結果、外添剤として、個数基準におけるメジアン径が70〜160nmの範囲内であるゾル・ゲル法で調製されたシリカ粒子を含有し、水中で超音波分散処理されて遊離する前記シリカ粒子の粒度分布におけるピークトップの粒径が下記式(1)を満たすことで、トナーから遊離して静止層を形成する外添剤に粒径が異なるものが存在し、外添剤が密に詰まることを抑制して、流動性及びクリーニング性を両立できることを見いだした。
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段により解決される。
1.トナー母体粒子と、前記トナー母体粒子表面に付着される外添剤とを備え、体積基準におけるメジアン径が3〜7μmの範囲内であり、平均円形度が0.945〜1.00の範囲内であるトナー粒子を含有する静電潜像現像用トナーと、キャリアと、を含有する静電潜像現像用二成分現像剤であって、
前記外添剤として、個数基準におけるメジアン径が70〜160nmの範囲内であるゾル・ゲル法で調製されたシリカ粒子を含有し、
前記シリカ粒子が、個数基準におけるメジアン径が異なる2種のシリカ粒子Aとシリカ粒子Bを含有し、
前記メジアン径が異なる2種のシリカ粒子Aとシリカ粒子Bのうち、メジアン径が大きいシリカ粒子をシリカ粒子Aとし、メジアン径の小さいシリカ粒子をシリカ粒子Bとし、
前記シリカ粒子Aは、個数基準におけるメジアン径が90〜180nmの範囲にあり、前記シリカ粒子Bは、個数基準におけるメジアン径が60〜110nmの範囲にあり、
前記トナー母体粒子に対して、前記シリカ粒子Aを0.03〜1.0質量%、前記シリカ粒子Bを0.5〜3.0質量%含有し、
水中で超音波強度100Wの条件下で分散処理されて遊離する前記シリカ粒子の粒度分布におけるピークトップの粒径が下記式(1)を満たす静電潜像現像用トナーと、キャリアと、を含有することを特徴とする静電潜像現像用二成分現像剤。
式(1):1.1≦S/S≦2.8
(式(1)中、Sは、超音波分散処理1分間で遊離した前記シリカ粒子の粒度分布におけるピークトップの粒径を表し、Sは、超音波分散処理3分間で遊離した前記シリカ粒子の粒度分布におけるピークトップの粒径を表す。)
本発明によれば、小径かつ高円形度であって、流動性及びクリーニング性を両立可能な静電潜像現像用トナーを含有する静電潜像現像用二成分現像剤を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
小径トナーを高円形度化することで、トナー粒子の流動性を改善できるとともに、トナー母体粒子と外添剤との付着強度を低減し、クリーニングブレードのニップ部に静止層を形成する遊離外添剤を発生させやすくすることができる。しかし、高円形度化したトナーは、転がりやすくなることでクリーニングブレードと被クリーニング部材とのニップ部からすり抜けやすくなったり、当該ニップ部で凝集物を形成してクリーニングブレードが感光体等に当接する力よりも凝集物が当該ニップ部に突入する力の方が大きくなったりすることでクリーニング性が悪化することも考えられる。それらを抑制するためには、外添剤により形成される静止層の構造が重要であり、本発明ではその静止層を形成する外添剤の粒度分布に着目したものである。
静止層の形成においては、トナーから遊離した粒径70〜160nmの大径の外添剤で構成されることが好ましく、70nm未満の小径の外添剤はクリーニングブレードからすり抜けてしまい、160nm超の大径の外添剤はクリーニング性には有利なもののトナーの流動性が低下するため好ましくない。
本発明のように、遊離外添剤の粒径が均一ではなく、粒度分布を持つことが、流動性とクリーニング性の両立には好ましい。遊離外添剤の粒径が均一なものは密に詰まりやすいため、クリーニングブレードのニップ部で外添剤の凝集物が生じてクリーニングブレードからのすり抜け及び感光体摩耗が生じてしまう。これに対し、本発明のように遊離外添剤が粒度分布を持つものは粒子間に空隙ができるため、密に詰まりにくく凝集物を形成しにくい。また、適度な空隙を持つことで静止層を形成する外添剤が流動化しやすく、静止層が崩れた際も周囲の外添剤粒子が流動化して再配置しやすく耐久安定性にも優れる。また、外添剤に粒度分布を持つものはトナーの状態においてもトナー粒子間に適度な空隙が生じるため、流動化しやすいと考えられる。
また、外添剤としては、トナーから遊離した際の帯電量変動への影響が小さいことから、シリカ粒子による静止層の形成が好ましい。
上記式(1)におけるS/Sは、トナー母体粒子から遊離して静止層を形成する外添剤の粒度分布を示しており、本発明に係る条件で水中での超音波分散処理を行うことによりクリーニング性に特に効果のある70〜160nmの大径の外添剤が主に遊離する。よって、S/Sの値を測定することにより、トナー母体粒子から外れてクリーニングブレードに溜まり、静止層を形成する外添剤の分布を知ることができる。1.1より小さい場合には遊離外添剤の粒径が均一であるため、静止層を形成する際に密に詰まりやすく、感光体の摩耗やクリーニング性の悪化が発生する。また、2.8より大きい場合は外添剤の粒子の隙間に小径外添剤が入り込み、より密に詰まってしまうため、上記の効果は得られない。また、外添剤が広い粒度分布を持つ場合においても、密に詰まりやすいため、上記の効果は得られない。
クリーニングの一例を説明する模式図 本発明に係るトナー粒子の構成の一例を示す模式図
本発明の静電潜像現像用トナーは、トナー母体粒子と、前記トナー母体粒子表面に付着される外添剤とを備え、体積基準におけるメジアン径が3〜7μmの範囲内であり、平均円形度が0.945〜1.00の範囲内であるトナー粒子を含有する静電潜像現像用トナーであって、前記外添剤として、個数基準におけるメジアン径が70〜160nmの範囲内であるゾル・ゲル法で調製されたシリカ粒子を含有し、水中で超音波分散処理されて遊離する前記シリカ粒子の粒度分布におけるピークトップの粒径が式(1)を満たすことを特徴とする。この特徴は、各請求項に共通する又は対応する技術的特徴である。
本発明においては、前記シリカ粒子が、個数基準におけるメジアン径が異なる2種のゾル・ゲル法で調製されたシリカ粒子を含有することが好ましい。これにより、外添剤に粒度分布を持たせることができ、外添剤の粒子間の空隙を適度に保つことができるため、より静止層が流動化しやすく本発明の上記効果を得る上で好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《静電潜像現像用トナーの概要》
本発明の静電潜像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)は、トナー母体粒子と、前記トナー母体粒子表面に付着される外添剤とを備え、体積基準におけるメジアン径が3〜7μmの範囲内であり、平均円形度が0.945〜1.00の範囲内であるトナー粒子を含有する静電潜像現像用トナーであって、前記外添剤として、個数基準におけるメジアン径が70〜160nmの範囲内であるゾル・ゲル法で調製されたシリカ粒子を含有し、水中で超音波分散処理されて遊離する前記シリカ粒子の粒度分布におけるピークトップの粒径が下記式(1)を満たすことを特徴とする。
[トナー粒子]
本発明に係るトナー粒子は、少なくとも、トナー母体粒子と外添剤とからなる。
図2に本発明に係るトナー粒子の構成の一例を示す。図2に示す例においては、水中で超音波分散処理された際に遊離する外添剤であって粒度分布におけるピークトップが異なるゾル・ゲル法で調製されたシリカ粒子A、Bが、トナー母体粒子301に付着し、トナー粒子300を構成している。
(トナー粒子の体積基準におけるメジアン径及び平均円形度)
本発明のトナーを構成するトナー粒子は、体積基準におけるメジアン径が3〜7μmの範囲内である。
体積基準のメジアン径が上記の範囲にあることにより、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドットなどの画質が向上する。
トナー粒子の体積基準のメジアン径は、「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にデータ処理用のコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した測定装置を用いて測定・算出される。
具体的には、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波で1分間分散させ、トナー粒子の分散液を調製し、このトナー粒子の分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が5〜10%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパチャー径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒径を体積基準のメジアン径とする。
本発明のトナーを構成するトナー粒子の平均円形度は、0.945〜1.00の範囲内である。
平均円形度は、「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて(HPF検出数を4000個)測定することができる。
[外添剤]
本発明に係る外添剤は、個数基準におけるメジアン径が70〜160nmの範囲内であるゾル・ゲル法で調製されたシリカ粒子を含有し、水中で超音波分散処理されて遊離するシリカ粒子の粒度分布におけるピークトップの粒径が下記式(1)を満たすことを特徴とする。
式(1):1.1≦S/S≦2.8
上記式(1)中、Sは、超音波分散処理1分間で遊離したシリカ粒子の粒度分布におけるピークトップの粒径を表し、Sは、超音波分散処理3分間で遊離したシリカ粒子の粒度分布におけるピークトップの粒径を表す。
ここで、本発明において、水中での超音波分散処理、並びに、上記式(1)中のS及びSの測定は、以下の手順で行うものとする。
50mLスクリュー管瓶にトナー3gをポリオキシエチルフェニルエーテルの0.2%水溶液40gに濡れさせ、よく撹拌する。その後、60mLディスポカップに移し、超音波式ホモジナイザーOS−1200にて、超音波変換機のチップφ36が3cm程度溶液に浸かるように調整する。その後、超音波エネルギーが100Wになるように調整し、1分間及び3分間それぞれ超音波を印加する。各分散液を15ml試験管に移し、遠心分離機CN−1040にて3000rpmで10分間遠心分離した後に上澄み液を回収する。回収した上澄み液を超音波洗浄機US−1にて80Wの出力で3分間超音波を印加し分散させた後に、動的光散乱式ナノトラック粒度分析計UPA−150にて粒度分布を測定する。その際、測定条件としては、粒子の屈折率1.51、比重2.0を設定値とする。超音波分散処理1分間及び3分間についてそれぞれ得られた粒度分布のうち、50〜190nmの範囲内におけるピークトップの粒径をそれぞれS、Sとする。
上記式(1)は、例えば、外添剤として含有されるシリカ粒子が、個数基準におけるメジアン径が異なる2種のゾル・ゲル法で調製されたシリカ粒子を含有することにより満たすことができる。個数基準におけるメジアン径が異なるゾル・ゲル法で調製されたシリカ粒子とは、個数基準におけるメジアン径が20nm以上異なるシリカ粒子を示す。
これにより、外添剤に粒度分布を持たせることができ、外添剤の粒子間の空隙を適度に保つことができるため、外添剤が密に詰まりにくく凝集物を形成しにくい。また、適度な空隙を持つことで静止層を形成する外添剤が流動化しやすく、静止層が崩れた際も周囲の外添剤が流動化して再配置しやすく耐久安定性にも優れる。このように、個数基準におけるメジアン径が異なる2種のシリカ粒子を用いることは、本発明の上記効果を得る上で好ましい。
本発明において、外添剤の個数基準におけるメジアン径は下記の方法で測定される。
走査型電子顕微鏡(SEM)「JEM−7401F」(日本電子社製)を用いて、3万倍に拡大したトナーのSEM写真を撮影し、当該SEM写真を観察してシリカ粒子の一次粒子の粒径(フェレー径)を測定し、その合計値を個数で割って平均粒径を求める。粒径の測定は、SEM画像において粒子の総数が100〜200個程度となるような領域を選択して行う。
(ゾル・ゲル法によるシリカ粒子の調製方法)
ゾル・ゲル法によるシリカ粒子の調製方法について説明する。ゾル・ゲル法により調製されたシリカ粒子は、一般的なヒュームドシリカに比べて形状が球形に近く、比較的大粒径でかつ粒度分布が均一であり、トナー表面に一次粒子として分散しやすい。そのため、静止層を形成する外添剤粒子の粒度分布を制御しやすい。
本発明に係るシリカ粒子は、公知のシリカ粒子製造方法が利用できるが、この場合、本発明に係るシリカ粒子は主として加水分解、縮重合、疎水化処理の三つの工程を経て作製され、必要に応じて乾燥等その他の工程を組み合わせて実施しても良い。
次に、ゾル・ゲル法による本発明に係るシリカ粒子の作製過程の概要を以下に説明する。まず、アルコキシシランを水、アルコールの存在下、触媒を加え温度をかけながら滴下、撹拌を行う。次に反応により得られたシリカゾル懸濁液の遠心分離を行い、湿潤シリカゲルとアルコールとアンモニア水に分離する。湿潤シリカゲルに溶剤を加え再度シリカゾルの状態にし、疎水化処理剤を加えシリカ表面の疎水化処理を行う。又は、ゾルを乾燥し乾燥ゾルとしとした後に疎水化処理剤を加え、シリカ表面の疎水化処理を行う。
疎水化処理剤としては、一般的なカップリング剤やシリコーンオイルや脂肪酸、脂肪酸金属塩などを用いることができる。次にこの疎水化処理シリカゾルから溶媒を除去、乾燥することにより本発明に係るシリカ粒子を得ることができる。また、このようにして得られたシリカ粒子に対して再度疎水化処理を行っても構わない。
例えば、気相中で浮遊させられた粒子に対して処理剤又は処理剤を含む溶液を噴霧するスプレードライ法等による乾式法や処理剤を含有する溶液中に粒子を浸漬し、乾燥する湿式法や処理剤と粒子を混合機により混合する混合法などで処理する工程などを追加しても良い。
疎水化処理剤として用いられるシラン化合物は、水溶性のものを使用することができる。このようなシラン化合物としては下記構造式(i)で示されるものが利用できる。
構造式(i):RSiX4−a
ここで、構造式(i)中、aは0〜3の整数であり、Rは水素原子、アルキル基又はアルケニル基等の有機基を表し、Xは塩素原子、メトキシ基又はエトキシ基等の加水分解性基を表す。
構造式(i)で表される化合物としては、例えば、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤等が挙げられる。具体的には、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシランを代表的なものとして例示することができる。
本発明に用いられる疎水化処理剤は、特に好ましくは、ジメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、メチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
シリコーンオイルの具体例としては、例えば、オルガノシロキサンオリゴマー、オクタメチルシクロテトラシロキサン、又はデカメチルシクロペンタシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサンなどの環状化合物や、直鎖状又は分岐状のオルガノシロキサンを挙げることができる。また、側鎖、又は片末端や両末端や側鎖片末端や側鎖両末端などに変性基を導入した反応性の高い、少なくとも末端を変性したシリコーンオイルを用いても良い。変性基の種類としては、アルコキシ、カルボキシル、カルビノール、高級脂肪酸変性、フェノール、エポキシ、メタクリル、アミノなどが挙げられるが特に限定されるものではない。また、例えば、アミノ/アルコキシ変性など数種の変性基を有するシリコーンオイルであっても良い。また、ジメチルシリコーンオイルとこれら変性シリコーンオイル、更には他の表面処理剤とを混合処理若しくは併用処理しても構わない。併用する処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、各種シリコーンオイル、脂肪酸、脂肪酸金属塩、そのエステル化物、ロジン酸等を例示することができる。
(シリカ粒子の体積平均一次粒径の測定)
シリカ粒子の体積平均一次粒径の測定は、「レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置LA−750」(堀場製作所製)を用い、以下のようにして行うことができる。
メタノールにシリカ粒子を質量比で1:0.005となるよう添加した後、超音波照射器により当該シリカ粒子をメタノール中に分散させる。このように処理したシリカ粒子の粒度分布を「レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置LA−750」(堀場製作所製)で測定することで、その体積平均一次粒径を求めることができる。
こうして求められた体積平均一次粒径が、本発明に係るシリカ粒子の体積平均粒径である。
なお、電子顕微鏡を用いて前記シリカ粒子の平均粒径を測定し、前記装置による測定結果から求めた体積平均粒径と比較して、それらの値が一致していることを確認し、更に当該シリカ粒子の凝集が生じていないことを確認することにより、当該体積平均粒径が一次粒子のものであると判断できる。体積平均粒径の標準偏差は「LA−750」の測定時に体積平均粒径と同時に求めることができる。
(シリカ粒子の添加量)
本発明のシリカ粒子の添加量は、トナー母体粒子に対して、0.7〜3.0質量%が好ましい。すなわち、0.7質量%以上であると、十分な現像・転写向上効果が得られ、3.0質量%以下であると、トナー粒子と感光体との付着力、又は、トナー粒子と中間転写体との付着力が弱くなりすぎず、粒状性が向上する。
また、シリカ粒子としては、個数基準におけるメジアン径が90〜180nmのゾル・ゲル法で調製されたシリカ粒子Aと、個数基準におけるメジアン径が60〜110nmのゾル・ゲル法で調製されたシリカ粒子Bと、を用いることが好ましい。この場合、トナー母体粒子に対して、シリカ粒子Aを0.03〜1.0質量%、シリカ粒子Bを0.5〜3.0質量%、添加することが好ましい。より大径又はより添加量が多いと、流動性の低下が生じ、より小径又はより添加量が少ないと、十分なスペーサー効果が得られない。
また、適度な空隙を持つ静止層を形成するためにシリカ粒子Aの添加量は、シリカ粒子Bの添加量よりも少ないことが好ましい。
(シリカ粒子の添加方法)
本発明に係るトナー母体粒子に対するシリカ粒子の外添混合処理としては、通常のトナー母体粒子への外添剤の添加混合方法が使用できる。例えば、シリカ粒子の添加方法としては、乾燥済みのトナー母体粒子にシリカ粒子を粉体で添加する乾式法が挙げられ、混合装置としては、例えば、ヘンシェルミキサー等のように処理される粒子にせん断力を付与できる混合装置を用いることができる。混合時間や撹拌羽根の回転周速は、トナー母体粒子やシリカ粒子の種類や物性に応じて適宜設定される。また、複数種類の外添剤を使用する場合、トナー粒子に対して全ての外添剤を一括で混合処理しても良いし、各外添剤に応じて複数回に分けて分割して混合処理しても良い。また、後述するように帯電性能や流動性を改善する目的で他の一般的な外添剤も同様にして添加することもできる。
[トナー母体粒子]
トナー母体粒子は、結晶性ポリエステル樹脂を含有していることが、トナー母体粒子の柔軟性が向上し、シリカ粒子を好適に固着しやすくなるため好ましく、また、低温定着性の観点からも好ましい。
また、本発明に係るトナー母体粒子は少なくとも結着樹脂と着色剤及び離型剤を含有することが好ましい。また、本発明に係るトナー母体粒子は、必要に応じて、荷電制御剤、離型剤などの内添剤、及び他の外添剤を含有することができる。
トナー母体粒子の製造方法としては、粉砕法、乳化重合凝集法、懸濁重合法、溶解懸濁法等が挙げられる。本発明に係るトナー母体粒子の製造方法としては、トナーの小粒径化かつ円形度の制御性の観点から、粉砕法よりも乳化重合凝集法等のビルドアップ型のトナー製造方法や、懸濁重合法などが好ましい。
また、本発明に係るトナー母体粒子はコア・シェル構造を有することが好ましい。
また、本発明に係るトナー母体粒子の粒径は、画質を向上させる目的で小径であることが好ましいが、トナー母体粒子の体積基準におけるメジアン径は3〜7μmの範囲であることが、帯電性、流動性、付着性を好適にでき、ひいては、現像、転写、クリーニングが困難とならず好ましい。なお、トナー母体粒子の体積基準におけるメジアン径は、4〜7μmの範囲であれば、上記観点から更に好ましい。
トナー母体粒子の体積基準におけるメジアン径は、上記したトナー粒子の体積基準におけるメジアン径と同様の方法により測定することができる。
トナー母体粒子の平均円形度は帯電の立ち上がりや流動性の観点からより球形に近い方が良い点から0.945以上が好ましい。トナー母体粒子の平均円形度は、上述したトナー粒子の平均円形度の測定方法と同様の方法で測定することができる。
(結着樹脂)
本発明に係るトナー母体粒子に含有される結着樹脂としては、例えばトナー母体粒子が粉砕法、溶解懸濁法、乳化凝集法などによって製造される場合には、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、オレフィン系樹脂などのビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、カーボネート樹脂、ポリエーテル、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスルフオン、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂などの公知の種々の樹脂を用いることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、トナー粒子の機械的強度や後述するワックスとの親和性の観点から、例えばスチレンアクリル樹脂やポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
また、例えばトナー母体粒子が懸濁重合法、乳化重合凝集法などによって製造される場合には、結着樹脂を得るための重合性単量体として、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなどのスチレン又はスチレン誘導体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのメタクリル酸エステル誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル誘導体;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル類;プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物類;ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどのビニル化合物類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸、又はメタクリル酸誘導体などのビニル系単量体を挙げることができる。これらのビニル系単量体は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、結着樹脂を得るための重合性単量体として、上記の重合性単量体にイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが好ましい。イオン性解離基を有する重合性単量体は、例えばカルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基などの置換基を構成基として有するものであって、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルホン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレートなどが挙げられる。
更に、重合性単量体として、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどの多官能性ビニル類を用いて架橋構造の結着樹脂を得ることもできる。
本発明のトナー母体粒子に好適に採用できる結着樹脂には、その構成成分として親水性極性基を有する結着樹脂を含有することが好ましく、親水性極性基としては、カルボキシ基が好ましい。
上記結着樹脂に用いられるカルボキシ基を有する重合性単量体としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等が挙げられる。
(着色剤)
本発明のトナーには着色剤を添加することができる。着色剤としては公知の着色剤が使用できる。
具体的には、イエロートナーに含有される着色剤としては、例えばC.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185などが挙げられる。これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも特にC.I.ピグメントイエロー74が好ましい。
イエロートナーに含有される着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量部である。
具体的には、マゼンタトナーに含有される着色剤としては、例えばC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222などが挙げられる。これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも特にC.I.ピグメントレッド122が好ましい。
マゼンタトナーに含有される着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量部である。
具体的には、シアントナーに含有される着色剤としては、例えばC.I.ピグメントブルー15:3などが挙げられる。
シアントナーに含有される着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量部である。
ブラックトナーに含有される着色剤としては、例えばカーボンブラック、磁性体、チタンブラックなどが挙げられる。カーボンブラックとしては、例えばチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどが挙げられる。磁性体としては、例えば鉄、ニッケル、コバルトなどの強磁性金属、これら強磁性金属を含む合金、フェライト、マグネタイトなどの強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理することにより強磁性を示す合金などが挙げられる。熱処理することにより強磁性を示す合金としては、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−スズなどのホイスラー合金、二酸化クロムなどが挙げられる。
ブラックトナーに含有される着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量部である。
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては、摩擦帯電により正又は負の帯電を与えることのできる物質であれば特に限定されず、公知の種々の正帯電制御剤及び負帯電制御剤を用いることができる。
荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.01〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量部である。
(離型剤)
離型剤としては、公知の種々のワックスを用いることができる。
ワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの分枝鎖状炭化水素ワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘネート、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
離型剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜10質量部である。
(その他の外添剤)
本発明のトナーには、上記したシリカ粒子の他に、流動性や帯電性を改善する目的でその他の外添剤を添加することもできる。その他の外添剤としては、例えばシリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子などの無機酸化物微粒子や、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子などの無機ステアリン酸化合物微粒子、又はチタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛などの無機チタン酸化合物微粒子などの無機微粒子が挙げられる。
これら無機微粒子は、耐熱保管性及び環境安定性の観点から、シランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって表面処理が行われたものであることが好ましい。
その他の外添剤の添加量は、トナー母体粒子100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部とされる。また、その他の外添剤としては種々のものを組み合わせて用いても良い。
《静電潜像現像用トナーの製造方法》
本発明に係るトナーの製造方法は、特に限定されず、公知の方法を採用できるが、乳化重合凝集法や乳化凝集法を好適に採用できる。
本発明に係るトナーの製造方法に好ましく用いられる乳化重合凝集法は、乳化重合法によって製造された結着樹脂の微粒子(以下、「結着樹脂微粒子」ともいう。)の分散液を、着色剤の微粒子(以下、「着色剤微粒子」ともいう。)分散液及びワックスなどの離型剤の分散液と混合し、トナー粒子が所望の粒径となるまで凝集させ、更に結着樹脂微粒子間の融着を行うことにより形状制御を行って、トナー粒子を製造する方法である。
また、本発明に係るトナーの製造方法として好ましく用いられる乳化凝集法は、溶媒に溶解した結着樹脂溶液を貧溶媒に滴下して樹脂粒子分散液とし、この樹脂粒子分散液と着色剤分散液及びワックスなどの離型剤分散液とを混合し、所望のトナー粒子の径となるまで凝集させ、更に結着樹脂微粒子間の融着を行うことにより形状制御を行って、トナー粒子を製造する方法である。
本発明のトナーにおいては、どちらの製造方法も適用可能である。
本発明のトナーの製造方法として、乳化重合凝集法を用いる場合の一例を以下に示す。
(1)水系媒体中に着色剤の微粒子が分散されてなる分散液を調製する工程
(2)水系媒体中に、必要に応じて内添剤を含有した結着樹脂微粒子が分散されてなる分散液を調製する工程
(3)乳化重合により、結着樹脂微粒子の分散液を調製する工程
(4)着色剤の微粒子の分散液と、結着樹脂微粒子の分散液とを混合して、着色剤の微粒子と結着樹脂微粒子とを凝集、会合、融着させてトナー母体粒子を形成する工程
(5)トナー母体粒子の分散系(水系媒体)からトナー母体粒子を濾別し、界面活性剤などを除去する工程
(6)トナー母体粒子を乾燥する工程
(7)トナー母体粒子に外添剤を添加する工程
乳化重合凝集法によってトナーを製造する場合においては、乳化重合法によって得られる結着樹脂微粒子は、組成の異なる結着樹脂よりなる2層以上の多層構造を有するものであっても良く、このような構成の結着樹脂微粒子は、例えば2層構造を有するものは、常法に従った乳化重合処理(第1段重合)によって樹脂粒子の分散液を調製し、この分散液に重合開始剤と重合性単量体とを添加し、この系を重合処理(第2段重合)する手法によって得ることができる。
また、乳化重合凝集法によってはコア・シェル構造を有するトナー粒子を得ることもでき、具体的にコア・シェル構造を有するトナー粒子は、まず、コア粒子用の結着樹脂微粒子と着色剤の微粒子を凝集、会合、融着させてコア粒子を作製し、次いで、コア粒子の分散液中にシェル層用の結着樹脂微粒子を添加してコア粒子表面にシェル層用の結着樹脂微粒子を凝集、融着させてコア粒子表面を被覆するシェル層を形成することにより得ることができる。
また、本発明のトナーの製造方法として、粉砕法を用いる場合の一例を以下に示す。
(1)結着樹脂、着色剤及び必要に応じて内添剤をヘンシェルミキサーなどにより混合する工程
(2)得られた混合物を押出混練機などにより加熱しながら混練する工程
(3)得られた混練物をハンマーミルなどにより粗粉砕処理した後、更にターボミル粉砕機などにより粉砕処理を行う工程
(4)得られた粉砕物を、例えばコアンダ効果を利用した気流分級機を用いて微粉分級処理しトナー母体粒子を形成する工程
(5)トナー母体粒子に外添剤を添加する工程
《静電荷像現像用二成分現像剤の概要》
本発明の静電潜像現像用トナーは、非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアを含有する静電荷像現像用二成分現像剤に好適に採用できる。
[キャリア]
キャリアは、磁性体により構成されるが、当該磁性体からなるキャリアコアの表面に樹脂被覆が施されてなる樹脂被覆型のキャリア粒子、又は、樹脂中に磁性体微粉末が分散されてなる樹脂分散型のキャリア粒子などにより構成することもできる。真比重を4.25〜5g/cm、空隙率を8%以下に制御する観点から樹脂被覆型のキャリア粒子により構成されることが好ましい。
なお、キャリア粒子には、必要に応じて抵抗調整剤などの内添剤が含有されていても良い。
(キャリアコア)
キャリア粒子を構成するキャリアコアは、例えば、鉄粉などの金属粉の他、各種フェライトなどから構成される。これらの中では、フェライトが好ましい。
フェライトとしては、銅、亜鉛、ニッケル、マンガンなどの重金属を含有するフェライトやアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有する軽金属フェライトが好ましい。
フェライトは、式:(MO)x(Fe)yで表される化合物で、フェライトを構成するFeのモル比yを30〜95モル%とすることが好ましい。組成比yが前記範囲の値となるフェライトは、所望の磁化を得やすいので、キャリア付着を起こしにくいキャリアを作製できるなどのメリットを有する。式中のMは、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、チタン(Ti)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、ジルコニウム(Zr)、ビスマス(Bi)、コバルト(Co)、リチウム(Li)などの金属原子で、これらを単独又は複数種類組み合わせて使用することが可能である。
(キャリア被覆用樹脂)
被覆用樹脂を得るための単量体として、疎水性の高い脂環式メタクリル酸エステル化合物を用いることにより、キャリア粒子の水分吸着量が低減され、帯電性の環境差が低減され、特に高温高湿環境下における帯電量の低下が抑制される。また、脂環式メタクリル酸エステル化合物を含む単量体を重合させて得られる樹脂は、適度な機械的強度を有し、被覆材として適度に膜摩耗されることにより、キャリア粒子表面がリフレッシュされる。
脂環式メタクリル酸エステル化合物としては、炭素数5〜8のシクロアルキル基を有するものが好ましく、具体的には、メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘプチル、メタクリル酸シクロオクチルなどが挙げられる。これらの中では、機械的強度及び帯電量の環境安定性の観点から、メタクリル酸シクロヘキシルが特に好ましい。
《画像形成方法》
本発明のトナーはブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーとともに一般的な電子写真方式による画像形成方法に好適に用いることできる。
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
《トナー母体粒子1の作製》
(着色剤微粒子分散液(A1)の調製)
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に撹拌、溶解させた溶液を撹拌させており、当該溶液中に銅フタロシアニン24.5質量部を徐々に添加した。次いで、撹拌装置「クレアミックスWモーション CLM−0.8」(エム・テクニック(株)製)を用いて分散処理を行うことにより、体積基準のメジアン径が126nmである「着色剤微粒子分散液(A1)」を調製した。
(コア用樹脂微粒子分散液〔B3〕の調製)
(1)第1段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム4g及びイオン交換水3000gを仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10gをイオン交換水200gに溶解させたものを添加し、液温75℃とし、
・スチレン 568g
・アクリル酸n−ブチル 164g
・メタクリル酸 68g
からなる単量体混合液を1時間かけて滴下後、75℃にて2時間加熱、撹拌することにより重合を行うことにより、樹脂粒子〔B1〕の分散液を調製した。
(2)第2段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム2gをイオン交換水3000gに溶解させた溶液を仕込み、80℃に加熱後、上記の樹脂粒子〔B1〕42g(固形分換算)、ワックス「HNP−0190」(日本精蝋社製)70gを、
・スチレン 195g
・アクリル酸n−ブチル 91g
・メタクリル酸 20g
・n−オクチルメルカプタン 3g
からなる単量体溶液に80℃にて溶解させた溶液を添加し、循環経路を有する機械式分散機「CLEARMIX」(エム・テクニック社製)により、1時間混合分散させることにより、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム5gをイオン交換水100gに溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて1時間にわたって加熱撹拌して重合を行うことにより、樹脂粒子〔B2〕の分散液を調製した。
(3)第3段重合
上記の樹脂粒子〔B2〕の分散液に、更に、過硫酸カリウム10gをイオン交換水200gに溶解させた溶液を添加し、80℃の温度条件下に、
・スチレン 298g
・アクリル酸n−ブチル 137g
・アクリル酸n−ステアリル 50g
・メタクリル酸 64g
・n−オクチルメルカプタン 6g
からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたって加熱撹拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却することにより、コア用樹脂微粒子分散液〔B3〕を得た。
(非晶性ポリエステル樹脂〔C1〕の合成)
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物360質量部、テレフタル酸80質量部、フマル酸55質量部、及び重縮合触媒としてチタンテトライソプロポキシド2質量部を10回に分割して入れ、200℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで13.3kPa(100mmHg)の減圧下に反応させ、軟化点が104℃になった時点で取り出し、非晶性ポリエステル樹脂〔C1〕を調製した。
(非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液〔C2〕の調製)
上記で得られた非晶性ポリエステル樹脂〔C1〕100質量部を酢酸エチル400質量部に溶解させた。次いで、5.0質量%の水酸化ナトリウム水溶液25質量部を添加して、樹脂溶液を調製した。この樹脂溶液を、撹拌装置を有する容器へ投入し、樹脂溶液を撹拌しながら、0.26質量%のラウリル硫酸ナトリウム水溶液638質量部を30分間かけて滴下混合した。ラウリル硫酸ナトリウム水溶液の滴下途中、反応容器内の液が白濁し、更に、ラウリル硫酸ナトリウム水溶液を全量滴下後、樹脂溶液粒子を均一に分散させた乳化液が調製された。次いで、上記乳化液を40℃に加熱し、ダイヤフラム式真空ポンプ「V−700」(BUCHI社製)を使用して、150hPaの減圧下で酢酸エチルを蒸留除去することにより、ポリエステル樹脂よりなる非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液〔C2〕を得た。
(結晶性ポリエステル樹脂〔D1〕の合成)
三ツ口フラスコに、1,9−ノナンジオール300gと、ドデカン二酸250gと、触媒Ti(OBu)(カルボン酸モノマーに対し、0.014質量%)とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧した。更に、窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて未反応のモノマー成分を除去し、220℃まで徐々に昇温を行って12時間撹拌を行った。粘稠な状態となったところで冷却することにより、結晶性ポリエステル樹脂〔D1〕を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂〔D1〕は、重量平均分子量(Mw)が19500であり、融点が75℃であった。
(結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液〔D2〕の調製)
上記で得られた結晶性ポリエステル樹脂〔D1〕を用いて、上記非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液〔C2〕の調製と同様にして、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液〔D2〕を得た。
(凝集・融着工程)
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた反応容器に、コア用樹脂微粒子分散液〔B3〕を固形分換算で300質量部、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液〔D2〕を固形分換算で60質量部、イオン交換水2000質量部を投入後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。その後、着色剤微粒子分散液(A1)を固形分換算で40質量部投入した。次いで、塩化マグネシウム60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃において10分間かけて添加した。その後、3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて80℃まで昇温し、80℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準におけるメジアン径(D50)が5.5μmになった時点で、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液〔C2〕を固形分換算で30質量部を30分間かけて投入し、反応液の上澄みが透明になった時点で、塩化ナトリウム190質量部をイオン交換水760質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。更に、昇温を行い、90℃の状態で加熱撹拌することにより、粒子の融着を進行させ、トナーの平均円形度の測定装置「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて(HPF検出数を4000個)平均円形度が0.965になった時点で30℃に冷却し、トナー母体粒子の分散液を調製した。
(洗浄・乾燥工程)
凝集・融着工程にて生成したトナー母体粒子の分散液を遠心分離機で固液分離し、トナー母体粒子のウェットケーキを形成した。該ウェットケーキを、前記遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで35℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥してトナー母体粒子1を作製した。
《トナー1の作製》
(ゾル・ゲル法で調製されたシリカ粒子1の調製)
(1)撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた3リットルの反応器にメタノール630質量部、水90質量部を添加して混合した。この溶液に、撹拌しながらテトラメトキシシラン950質量部を添加し、加水分解を行いシリカ粒子の懸濁液を得た。次いで60〜70℃に加熱しメタノール390質量部を留去し、シリカ粒子の水性懸濁液を得た。
(2)この水性懸濁液に室温でメチルトリメトキシシラン11.6質量部(テトラメトキシシランに対してモル比で0.1相当量)を滴下してシリカ粒子表面の疎水化処理を行った。
(3)こうして得られた分散液にメチルイソブチルケトン1400質量部を添加した後、80℃に加熱しメタノール水を留去した。得られた分散液に室温でヘキサメチルジシラザン280質量部を添加し120℃に加熱し3時間反応させ、シリカ粒子をトリメチルシリル化した。その後溶媒を減圧下で留去してシリカ粒子1を調製した。
上記の方法により得られたシリカ粒子1について、体積平均一次粒径及び分散度を測定したところ、体積平均一次粒径(D50)が85nm、標準偏差が14nmであった。
(ゾル・ゲル法で調製されたシリカ粒子2の調製)
上記シリカ粒子1の調製において、加水分解、重縮合工程のアルコキシシラン、アンモニア、アルコール、水の質量比、反応速度、撹拌速度、供給速度を制御することにより体積平均粒径を調整して、表1に記載のシリカ粒子2を調製した。
(外添剤添加工程)
上記のようにして作製した「トナー母体粒子1」に、外添剤として、表1に記載のシリカ粒子1及びシリカ粒子2を添加した。
更に、その他の外添剤として、疎水性酸化チタン(HMDS処理、疎水化度55%、個数平均一次粒子径=20nm)をトナー母体粒子1に対して0.5質量%添加し、ヘンシェルミキサー型式「FM20C/I」(日本コークス工業(株)製)に添加し、羽根先端周速が40m/sとなるようにして回転数を設定して15分間撹拌し、トナー粒子1からなる「トナー1」を作製した。
また、外添剤混合時の品温は40±1℃となるように設定し、41℃になった場合は、ヘンシェルミキサーの外浴に冷却水を5L/分の流量で流し、39℃になった場合は、1L/分の流量で冷却水を流すことで、ヘンシェルミキサー内部の温度制御を実施した。
得られたトナー1に含有されるトナー粒子は、体積基準におけるメジアン径(D50)が5.6μmであり、平均円形度が0.965であった。
《トナー2〜9の作製》
上記トナー1の作製において、ゾル・ゲル法で調製されたシリカ粒子1及びゾル・ゲル法で調製されたシリカ粒子2の個数基準におけるメジアン径及び作製方法を表1に記載のとおりに変更した以外は同様にして、トナー2〜9を作製した。
得られたトナー2〜9にそれぞれ含有されるトナー粒子は、体積基準におけるメジアン径(D50)及び平均円形度がいずれもトナー1に含有されるトナー粒子と同等であった。
《トナー1〜9の物性測定》
上記のようにして作製したトナー1〜9について、以下の物性測定を行った。各測定結果を表1に示す。
(超音波分散処理で遊離したシリカ粒子の粒径)
上記作製したトナー1〜9のそれぞれについて、下記のように水中での超音波分散処理を行い、本発明に係る式(1)中のS及びSの測定を行った。
すなわち、50mLスクリュー管瓶にトナー3gをポリオキシエチルフェニルエーテルの0.2%水溶液40gに濡れさせ、よく撹拌した。その後、60mLディスポカップに移し、超音波式ホモジナイザーOS−1200にて、超音波変換機のチップφ36が3cm程度溶液に浸かるように調整した。その後、超音波エネルギーが100Wになるように調整し、1分間及び3分間それぞれ超音波を印加した。各分散液を15ml試験管に移し、遠心分離機CN−1040にて3000rpmで10分間遠心分離した後に上澄み液を回収した。回収した上澄み液を超音波洗浄機US−1にて80Wの出力で3分間超音波を印加し分散させた後に、動的光散乱式ナノトラック粒度分析計UPA−150にて粒度分布を測定した。その際、測定条件としては、粒子の屈折率1.51、比重2.0を設定値とした。超音波分散処理1分間及び3分間についてそれぞれ得られた粒度分布のうち、70〜160nmの範囲内におけるピークトップの粒径をそれぞれS、Sとした。
各トナー1〜9のS、S及びS/Sの値を表1に示す。
《トナー1〜9の評価》
上記のようにして作製したトナー1〜9をそれぞれ、体積平均粒径30μmのフェライトキャリアに対してトナー濃度が7質量%となるようにして添加し、V型混合機を用いて30分間混合することで、現像剤1〜9を作製した。
作製した現像剤1〜9について、以下の評価を行った。各評価結果を表1に示す。
(1)クリーニング性
現像剤1〜9を装填した「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタ社製)を用いて、常温常湿環境(温度25℃、湿度50%RH)において画素率が5%の画像をA4版上質紙(64g/m)に10万枚プリントした後、ベタのテスト画像(グリット電圧450V、現像電位:350V)を出力し、このベタ画像及び感光体を目視で確認した。クリーニングブレードは、感光体とのなす角度が7.5°、当接圧力が0.039〜0.069MPaに可変できるように設置した。確認結果を下記基準に従って評価した。なお、クリーニングブレードの当接圧力が0.069MPa以下でテスト画像上にトナーすり抜けがなければ(下記基準で「◎」又は「○」の場合)実用上問題ないと判断される。
◎:当接圧力が0.039MPaでテスト画像上にトナーのすり抜けが視認されない
○:当接圧力が0.069MPaでテスト画像上にトナーのすり抜けが視認されない
×:当接圧力が0.069MPaでテスト画像上にトナーのすり抜けが視認される
(2)流動性
現像剤1〜9について、「川北式かさ密度測定機 IH2000型」(セイシン企業製)によりかさ密度を測定し、流動性の指標とした。具体的には、120メッシュの篩上に現像剤1〜9をそれぞれのせ、振動強度6で90秒間振動させた後、振動を停止し30秒間静置し、すり切りかさ密度(トナー質量/容積)を求めた。その結果を下記基準に従って評価した。なお、すり切りかさ密度が大きい程流動性が良好であり、具体的には0.35より大きい場合(下記基準で「○」の場合)を実用可能として評価した。
○:すり切りかさ密度が0.35より大きい
×:すり切りかさ密度が0.35以下
Figure 0006327177
(3)まとめ
表1の結果から明らかなように、比較例であるトナー7〜9は、流動性及びクリーニング性を両立できていないが、本発明のトナー1〜6は、流動性及びクリーニング性を両立できていることが分かる。
101 被クリーニング部材
102 クリーニングブレード
103 ニップ部
201 トナー粒子
202 外添剤
203 静止層
300 トナー粒子
301 トナー母体粒子
A、B ゾル・ゲル法で調製されたシリカ粒子

Claims (1)

  1. トナー母体粒子と、前記トナー母体粒子表面に付着される外添剤とを備え、体積基準におけるメジアン径が3〜7μmの範囲内であり、平均円形度が0.945〜1.00の範囲内であるトナー粒子を含有する静電潜像現像用トナーと、キャリアと、を含有する静電潜像現像用二成分現像剤であって、
    前記外添剤として、個数基準におけるメジアン径が70〜160nmの範囲内であるゾル・ゲル法で調製されたシリカ粒子を含有し、
    前記シリカ粒子が、個数基準におけるメジアン径が異なる2種のシリカ粒子Aとシリカ粒子Bを含有し、
    前記メジアン径が異なる2種のシリカ粒子Aとシリカ粒子Bのうち、メジアン径が大きいシリカ粒子をシリカ粒子Aとし、メジアン径の小さいシリカ粒子をシリカ粒子Bとし、
    前記シリカ粒子Aは、個数基準におけるメジアン径が90〜180nmの範囲にあり、前記シリカ粒子Bは、個数基準におけるメジアン径が60〜110nmの範囲にあり、
    前記トナー母体粒子に対して、前記シリカ粒子Aを0.03〜1.0質量%、前記シリカ粒子Bを0.5〜3.0質量%含有し、
    水中で超音波強度100Wの条件下で分散処理されて遊離する前記シリカ粒子の粒度分布におけるピークトップの粒径が下記式(1)を満たす静電潜像現像用トナーと、キャリアと、を含有することを特徴とする静電潜像現像用二成分現像剤。
    式(1):1.1≦S/S≦2.8
    (式(1)中、Sは、超音波分散処理1分間で遊離した前記シリカ粒子の粒度分布におけるピークトップの粒径を表し、Sは、超音波分散処理3分間で遊離した前記シリカ粒子の粒度分布におけるピークトップの粒径を表す。)
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