JP6470588B2 - 磁性キャリアおよび二成分系現像剤 - Google Patents
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Description
特許文献2には、磁性芯材粒子(磁性キャリアコア)の表面をカップリング剤で処理し、その表面上にシリコーン樹脂を被覆してなる磁性キャリア粒子が記載されている。
特許文献3には、磁性芯材粒子(磁性キャリアコア)の表面をアミノシランカップリング剤で処理し、その表面上にアミノシランカップリング剤と反応し得る官能基を有する樹脂からなる被覆層を設けてなる磁性キャリア粒子が記載されている。
磁性キャリアコアに樹脂を使用することで生じる課題として、低湿環境から高湿環境への環境変化に起因する出力画像の濃度や色味の変動が挙げられる。これは、樹脂の水分吸着性が要因であると考えられる。
本発明の目的は、高湿環境から低湿環境への環境変化および低湿環境から高湿環境への環境変化があっても、出力画像の濃度および色味が変動しにくい、軽量かつ高耐久性の磁性キャリア粒子を有する磁性キャリアを提供することにある。
また、本発明の目的は、上記磁性キャリアを有する二成分系現像剤を提供することにある。
磁性体および樹脂を含有する磁性キャリアコアと、
前記磁性キャリアコアの表面上に設けられた樹脂被覆層と、
を有する磁性キャリア粒子を含む磁性キャリアであって、
前記磁性キャリアコアに含有される樹脂が、ヒドロキシ基を有し、
前記磁性キャリアコアの表面部分が、下記式(1)で示される化合物
を含有し、
前記磁性キャリアを温度30℃/湿度80%RHの環境下に72時間放置した際の、前記磁性キャリアの水分吸着量が、0.40質量%以下であり、
前記磁性キャリアコアの前記表面部分に含有される前記式(1)で示される化合物の含有量が、前記磁性キャリアコア100質量部に対して0.3質量部以上4.0質量部以下である
ことを特徴とする磁性キャリアである。
また、本発明は、上記磁性キャリアおよびトナーを有する二成分系現像剤である。
また、本発明によれば、上記磁性キャリアを有する二成分系現像剤を提供することができる。
しかしながら、フェノール樹脂はヒドロキシ基を有するため、水分吸着性が高く、環境変動に対して、出力画像の濃度および色味が変動しやすい課題があった。
ヒドロキシ基を有さない炭素数が9以上の脂肪酸、
ヒドロキシ基を有さない炭素数が9以上の脂肪酸のエステル化合物、
ヒドロキシ基を有さない炭素数が9以上の脂肪酸の無水物、
ヒドロキシ基を有さない炭素数が9以上の脂肪酸の塩化物
などが挙げられる。これらの化合物は疎水性が高く、かつ、トナーへの帯電付与を穏やかに行う傾向がある。
磁性キャリアコアの表面部分に上記式(1)で示される化合物を含有させる方法としては、例えば、磁性キャリアコアと、上記式(1)で示される化合物とを加熱しながら攪拌する方法や、機械的せん断力を用いる方法などが挙げられる。
本発明の磁性キャリアに含まれる磁性キャリア粒子は、磁性体と、ヒドロキシ基を有する樹脂とを含有する磁性キャリアコアを有する。
磁性体と樹脂とを含有する磁性キャリアコアとしては、例えば、
樹脂中に磁性体が分散している磁性体分散型樹脂粒子、
多孔質磁性粒子の空孔に樹脂が充填されている樹脂充填型多孔質磁性粒子
などが挙げられる。
これらは、磁性キャリアコアの真密度を低くできるため、トナーへの負荷を軽減することができ、トナー粒子を壊すことが少ない。これにより、高速に連続的に長期間使用しても画質の劣化が少なくなり、また、トナーと磁性キャリアとを有する二成分系現像剤の交換頻度を減らすことが可能となる。
磁性体分散型樹脂粒子に使用する磁性体としては、例えば、
マグネタイト粒子、
マグヘマイト粒子、
マグネタイト粒子もしくはマグヘマイト粒子にケイ素の酸化物、ケイ素の水酸化物、アルミニウムの酸化物およびアルミニウムの水酸化物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する磁性鉄酸化物粒子、
バリウムおよびストロンチウムからなる群より選択される少なくとも1種を含有するマグネトプランバイト型フェライト粒子、
マンガン、ニッケル、亜鉛、リチウムおよびマグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種を含有するスピネル型フェライト粒子
などの磁性無機化合物粒子が挙げられる。これらの中でも、磁性鉄酸化物粒子が好ましい。
ヘマタイト粒子などの非磁性鉄酸化物粒子、
ゲータイト粒子などの非磁性含水酸化第二鉄粒子、
酸化チタン粒子、
シリカ粒子、
タルク粒子、
アルミナ粒子、
硫酸バリウム粒子、
炭酸バリウム粒子、
カドミウムイエロー粒子、
炭酸カルシウム粒子、
亜鉛華粒子
などの非磁性無機化合物粒子を併用することができる。
エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、有機酸基、エステル基、ケトン基、ハロゲン化アルキル基およびアルデヒド基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する有機化合物や、
それら有機化合物の混合物
などが挙げられる。
磁性体分散型樹脂粒子は、例えば、まず、磁性無機化合物粒子/非磁性無機化合物粒子および塩基性触媒の存在下で、水性媒体中にフェノール類とアルデヒド類とを入れ、撹拌する。その後、フェノール類とアルデヒド類とを反応させ、硬化させて、磁性無機化合物粒子/非磁性無機化合物粒子とフェノール樹脂とを含有する磁性体分散型樹脂粒子を製造することができる。
多孔質磁性粒子の材質としては、例えば、マグネタイト、フェライトなどが挙げられる。これらの中でも、多孔質構造の制御の容易性や、抵抗調整の容易性の観点から、フェライトが好ましい。
(M1 2O)x(M2O)y(Fe2O3)z ・・・(2)
(式(2)中、M1は、1価の金属原子を示す。M2は、2価の金属原子を示す。x+y+z=1.0である。xは、0≦x≦0.8である。yは、0≦y≦0.8である。zは、0.2<z<1.0である。xおよびyがともに0であることはない。)
多孔質磁性粒子の材質にフェライトを採用する場合、フェライト化反応の速度を容易に制御でき、多孔質磁性粒子の比抵抗と磁気力を適度に制御できることも求められる。以上の観点から、フェライトの中でも、Mnを含有するフェライトが好ましく、具体的には、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Mn−Mg−Sr系フェライト、Li−Mn系フェライトが好ましい。
フェライトの原料を秤量し、混合する。フェライトの原料としては、例えば、フェライトを構成する金属の粒子、金属の酸化物の粒子、金属の水酸化物の粒子、金属のシュウ酸塩の粒子、金属の炭酸塩の粒子などが挙げられる。
工程1で粉砕し、混合したフェライトの原料を、大気中で、焼成温度700℃以上1200℃以下の範囲で、0.5時間以上5.0時間以下の範囲で仮焼成し、フェライト化し、仮焼フェライトを得る。焼成に用いられる炉としては、例えば、バーナー式焼却炉、ロータリー式焼成炉、電気炉などが挙げられる。
工程2で得た仮焼フェライトを粉砕機で粉砕し、仮焼フェライト粉砕品を得る。
工程3で得た仮焼フェライト粉砕品に対し、水および結着材料と、必要に応じて、細孔調整剤を加える。
細孔調整剤としては、例えば、発泡剤、樹脂粒子などが挙げられる。
発泡剤として、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸アンモニウムなどが挙げられる。
樹脂粒子として、例えば、
ポリエステル、ポリスチレン、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン共重合体、
ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂;脂肪族多価アルコール、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジアルコール類およびジフェノール類から選択されるモノマーを構造単位として有するポリエステル、
ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油樹脂、ポリエステルユニットとビニル系ポリマーユニットを有しているハイブリッド樹脂
などの樹脂の粒子が挙げられる。
工程4で得た造粒品を、800℃以上1400℃以下の範囲で、1時間以上24時間以下の範囲で、焼成する。焼成温度を上げたり、焼成時間を長くしたりすることで、多孔質磁性粒子の焼成が進み、その結果、細孔径は小さくなり、細孔の数が減る傾向にある。
以上のように本焼成した粒子を解砕した後、必要に応じて、分級したり、篩分したりして、粗大粒子や微小粒子を除去してもよい。磁性キャリアコアの体積分布基準50%粒径(D50)は、出力画像へのキャリア付着や出力画像のガサツキを抑制する観点から、18.0μm以上68.0μm以下であることが好ましい。
トナーは、トナー粒子と、必要に応じて外添剤(無機微粒子)を有する。
トナー粒子に用いられる結着樹脂としては、例えば、ビニル系樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でも、帯電性や定着性の観点から、ビニル系樹脂、ポリエステルが好ましい。
ビニル系モノマーの単独重合体もしくは共重合体、
ポリエステル、
ポリウレタン、
エポキシ樹脂、
ポリビニルブチラール、
ロジン、
変性ロジン、
テルペン樹脂、
フェノール樹脂、
脂肪族もしくは脂環族炭化水素樹脂、
芳香族系石油樹脂
などを結着樹脂に混合して用いることができる。
結着樹脂の数平均分子量(Mn)は、2,500以上50,000以下であることが好ましい。
結着樹脂の重量平均分子量(Mw)は、10,000以上1,000,000以下であることが好ましい。
ポリエステルの数平均分子量(Mn)は、1,500以上50,000以下であることが好ましく、2,000以上20,000以下であることがより好ましくい。
ポリエステルの重量平均分子量(Mw)は、6,000以上100,000以下であることが好ましく、10,000以上90,000以下であることがより好ましい。
マグネタイト、マグヘマイト、フェライトなどの酸化鉄、または、他の金属酸化物を含む酸化鉄、
Fe,Co,Niなどの金属、または、これらの金属とAl,Co,Cu,Pb,Mg,Ni,Sn,Zn,Sb,Be,Bi,Cd,Ca,Mn,Se,Ti,W,Vなどの金属との合金、ならびに
これらの混合物
などが挙げられる。
四三酸化鉄(Fe3O4)、
三二酸化鉄(γ−Fe2O3)、
酸化鉄亜鉛(ZnFe2O4)、
酸化鉄イットリウム(Y3Fe5O12)、
酸化鉄カドミウム(CdFe2O4)、
酸化鉄ガドリニウム(Gd3Fe5O12)、
酸化鉄銅(CuFe2O4)、
酸化鉄鉛(PbFe12O19)、
酸化鉄ニッケル(NiFe2O4)、
酸化鉄ネオジム(NdFe2O3)、
酸化鉄バリウム(BaFe12O19)、
酸化鉄マグネシウム(MgFe2O4)、
酸化鉄マンガン(MnFe2O4)、
酸化鉄ランタン(LaFeO3)、
鉄(Fe)、
コバルト(Co)、
ニッケル(Ni)
などが挙げられる。
カーボンブラック、
イエロー着色剤、マゼンタ着色剤およびシアン着色剤を用いて黒色に調整したもの
などが挙げられる。
C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、150、163、166、169、177、184、185、202、206、207、209、220、221、238、254、269、
C.I.ピグメントバイオレット19、
C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35
などの顔料が挙げられる。
C.Iソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121、
C.I.ディスパースレッド9、
C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、
C.I.ディスパーバイオレット1
などの油溶染料や、
C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40、
C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28
などの塩基性染料なども挙げられる。
C.I.ピグメントブルー1、2、3、7、15:2、15:3、15:4、16、17、60、62、66、
C.I.バットブルー6、
C.I.アシッドブルー45、
フタロシアニン骨格にフタルイミドメチルを1個以上5個以下置換した銅フタロシアニン顔料
などの顔料が挙げられる。
縮合アゾ化合物、
イソインドリノン化合物、
アンスラキノン化合物、
アゾ金属化合物、
メチン化合物、
アリルアミド化合物
などの顔料が挙げられる。具体的には、
C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74,83、93、95、97,109、110、111、120、127、128、129、147、155、168、174、180、181、185、191、
C.I.バットイエロー1、3、20
などが挙げられる。
また、イエロートナー用着色剤として、例えば、
C.I.ダイレクトグリーン6、
C.I.ベーシックグリーン4、
C.I.ベーシックグリーン6、
C.I.ソルベントイエロー162
などの染料も挙げられる。
トナー粒子中の荷電制御剤の含有量は、トナー粒子中の結着樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましい。0.5質量部以上であれば、より十分な帯電特性が得られる。10質量部以下であれば、他材料との相溶性が悪化しづらく、低湿環境において帯電過剰になりにくい。
ニグロシンもしくはその脂肪酸金属塩などによる変性物、
トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、
テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩などのオニウム塩、
トリフェニルメタン染料、
これらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン酸、フェロシアン化合物など)、
ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキシドなどのジオルガノスズオキサイドやジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレート
などが挙げられる。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスなどが挙げられる。
また、離型剤としては、例えば、
酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物もしくはそれらのブロック共重合物、
カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、
脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したもの
なども挙げられる。
外添剤としては、例えば、フッ化ビニリデン粒子、ポリテトラフルオロエチレン粒子などのフッ素原子含有樹脂粒子、
湿式製法シリカ粒子、乾式製法シリカ粒子などのシリカ粒子、
酸化チタン粒子、アルミナ粒子
などの無機粒子が挙げられる。無機粒子は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルなどにより表面処理を施し、疎水化処理したものが好ましい。具体的には、メタノール滴定試験によって測定された疎水化度が、30以上80以下の範囲の値を示すように処理した無機酸化物粒子が好ましい。
図1において、静電潜像担持体である電子写真感光体1は、図1中の矢印方向に回転する。電子写真感光体1の表面は、帯電手段である帯電器2により帯電され、帯電した電子写真感光体1の表面には、像露光手段(静電潜像形成手段)である像露光器3により像露光光が照射され、静電潜像が形成される。現像手段である現像器4は、二成分系現像剤を収容する現像容器5を有する。現像器4中の現像剤担持体6は、回転可能な状態で配置される。現像剤担持体6は、その内部に磁界発生手段としてマグネット7を内包している。マグネット7の少なくとも1つは電子写真感光体1に対して対向の位置になるように設置されている。二成分系現像剤は、マグネット7の磁界により現像剤担持体6上に保持され、規制部材8により、二成分系現像剤量が規制され、電子写真感光体1と対向する現像部に搬送される。現像部においては、マグネット7の発生する磁界により磁気ブラシが形成される。その後、直流電界に交番電界を重畳してなる現像バイアスが現像剤担持体に印加されることにより、静電潜像はトナー像として現像(可視像化)される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段である転写帯電器11によって記録媒体(転写材)12に静電的に転写される。ここで、図2に示すように、トナー像は、電子写真感光体1から中間転写体9に一旦転写(一次転写)され、その後、記録媒体12へ静電的に転写(二次転写)されてもよい。その後、記録媒体12は、定着手段である定着器13に搬送され、ここで加熱・加圧されることにより、記録媒体12上にトナーが定着される。その後、記録媒体12は、出力画像として画像形成装置の外へ排出される。転写工程後、電子写真感光体1の表面に残留したトナー(転写残トナー)は、クリーニング手段であるクリーナー15により除去される。その後、クリーナー15により清掃された電子写真感光体1の表面には、前露光手段である前露光器16からの前露光光が照射されることにより、電気的に初期化され、上記画像形成動作が繰り返される。
図2中のKはブラック、Yはイエロー、Cはシアン、Mはマゼンタを意味している。図2において、電子写真感光体1K、1Y、1C、1Mは、図2中矢印方向に回転する。各色用の電子写真感光体1K、1Y、1C、1Mの表面は、それぞれ、帯電手段である帯電器2K、2Y、2C、2Mにより帯電される。帯電した各色用の電子写真感光体1K、1Y、1C、1Mの表面には、それぞれ、像露光手段(静電潜像形成手段)である像露光器3K、3Y、3C、3Mにより像露光光が照射され、静電潜像が形成される。その後、現像手段である現像器4K、4Y、4C、4Mに具備される現像剤担持体6K、6Y、6C、6M上に担持された二成分系現像剤により、それぞれの静電潜像はトナー像として現像(可視像化)される。トナー像は、一次転写手段である一次転写帯電器10K、10Y、10C、10Mにより中間転写体9に転写(一次転写)される。さらに、トナー像は、二次転写手段である二次転写帯電器21により、記録媒体12に転写(二次転写)される。その後、記録媒体12は、定着手段である定着器13に搬送され、加熱・加圧されることにより、記録媒体12上にトナーが定着される。その後、記録媒体12は、出力画像として画像形成装置の外へ排出される。二次転写工程後、中間転写体9のクリーニング手段である中間転写体クリーナー14は、転写残トナーなどを除去する。なお、一次転写工程後、電子写真感光体1K、1Y、1C、1Mの表面に残留したトナーは、クリーニング手段であるクリーナー15K、15Y、15C、15Mにより除去される。
粒度分布などは、レーザー回折・散乱方式の粒度分布測定装置(商品名:マイクロトラックMT3300EX、日機装(株)製)を用いて測定を行った。
Set Zero時間:10秒
測定時間:10秒
測定回数:1回
粒子屈折率:1.81%
粒子形状:非球形
測定上限:1408μm
測定下限:0.243μm
測定環境:温度23℃/湿度50%RH
トナーの重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、
100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置(商品名:コールター・カウンター Multisizer 3、ベックマン・コールター社製)、および、
測定条件設定および測定データ解析をするための付属の専用ソフト(商品名:ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51、ベックマン・コールター社製)
を用いた。実効測定チャンネル数は2万5千チャンネルとし、測定データの解析を行い、算出した。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回とし、Kd値を「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値に設定した。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定した。また、カレントを1600μAに設定し、ゲインを2に設定し、電解液を「ISOTON II」に設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れた。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に設定し、粒径ビンを256粒径ビンに設定し、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定した。
(1)「Multisizer 3」専用のガラス製250ml丸底ビーカーに上記電解水溶液200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで回転速度24回転/秒の条件にて行った。解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておいた。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに上記電解水溶液30mlを入れた。この中に分散剤(商品名:コンタミノンN、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で3倍(質量比)に希釈した希釈液を0.3ml加えた。「コンタミノンN」は、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液である。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器(商品名:Ultrasonic Dispersion System Tetra150、日科機バイオス(株)製)の水槽内にイオン交換水を入れた。この水槽中に「コンタミノンN」を2ml添加した。
(4)上記(2)のビーカーを上記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させた。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整した。
(5)上記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー10mgを少量ずつ上記電解水溶液に添加し、分散させた。そして、60秒間超音波分散処理を継続した。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となるように調節した。
(6)サンプルスタンド内に設置した上記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した上記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整した。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行った。
(7)測定データを装置付属の上記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を算出した。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が、重量平均粒径(D4)である。専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、分析/個数統計値(算術平均)画面の「平均径」が、個数平均粒径(D1)である。
トナー中の個数基準の微粉(微小粒子)量(個数%)は、以下のようにして算出した。
トナー中の4.0μm以下のトナー粒子の個数%は、上記「Multisizer 3」での測定を行った後、
(1)専用ソフトでグラフ/個数%に設定して測定結果のチャートを個数%表示とした。(2)書式/粒径/粒径統計画面における粒径設定部分の「<」にチェック、その下の粒径入力部に「4」を入力した。
(3)分析/個数統計値(算術平均)画面を表示したときの「<4μm」表示部の数値が、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%である。
〈粗粉量の算出方法〉
トナー中の体積基準の粗粉(粗大粒子)量(体積%)は、以下のようにして算出した。
トナー中の10.0μm以上の粒子の体積%は、上記「Multisizer 3」の測定を行った後、
(1)専用ソフトでグラフ/体積%に設定して測定結果のチャートを体積%表示とした。(2)書式/粒径/粒径統計画面における粒径設定部分の「>」にチェック、その下の粒径入力部に「10」を入力した。
(3)分析/体積統計値(算術平均)画面を表示したときの「>10μm」表示部の数値が、トナー中の10.0μm以上の粒子の体積%である。
磁性キャリアをステンレス皿に精密天秤で10g秤量し、温度30℃/湿度80%RHの雰囲気下に72時間放置した後の磁性キャリアの質量(W1)を測定した。その後、設定温度100℃で減圧した乾燥器内に磁性キャリアを6時間放置し、乾燥させて、乾燥後の磁性キャリア中の水分を除去した後の磁性キャリアの質量(W2)を測定した。
下記式(3)に従い、磁性キャリアの水分吸着量を算出した。
磁性キャリアの水分吸着量(%)=(W1−W2)/W1×100 ・・・(3)
個数平均粒径0.30μmのマグネタイト粒子と、個数平均粒径0.30μmのヘマタイト粒子に対して、それぞれ4.0質量%のシラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を加えた。そして、容器内にて100℃以上で高速で撹拌混合し、それぞれの粒子を処理した。
・フェノール:10質量部
・ホルムアルデヒド溶液(ホルムアルデヒド40%、メタノール10%、水50%):6質量部
・処理したマグネタイト:80質量部
・処理したヘマタイト:4質量部
上記材料と、28%アンモニア水5質量部および水20質量部とをフラスコに入れ、撹拌し、混合しながら、30分間で85℃まで昇温して保持し、3時間重合反応させて、生成するフェノール樹脂を硬化させた。その後、硬化したフェノール樹脂を30℃まで冷却し、水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)で180℃の温度で5時間乾燥させて、磁性体分散型樹脂粒子である磁性粒子1を得た。
工程1(秤量・混合工程)
・Fe2O3:68.3質量%
・MnCO3:28.5質量%
・Mg(OH)2:2.0質量%
・SrCO3:1.2質量%
上記フェライトの原料を秤量し、フェライトの原料80質量部に水20質量部を加えて粉砕し、スラリーを調製した。スラリーの固形分濃度は80質量%とした。
得られたスラリーをスプレードライヤー(大川原化工機(株)製)により乾燥させた。その後、バッチ式電気炉で、窒素雰囲気下(酸素濃度1.0体積%)で温度1050℃で3.0時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。
仮焼フェライトをクラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、水を加え、スラリーを調製した。スラリーの固形分濃度を70質量%とした。1/8インチのステンレス鋼製のビーズを用いた湿式ビーズミルで3時間粉砕し、スラリーを得た。このスラリーを直径1mmのジルコニアビーズを用いた湿式ビーズミルで4時間粉砕し、体積基準の50%粒子径(D50)が1.3μmである仮焼フェライトスラリーを得た。
上記仮焼フェライトスラリー100質量部に対して、分散剤としてのポリカルボン酸アンモニウム1.0質量部および結着材料としてのポリビニルアルコール1.5質量部の割合で添加した。その後、スプレードライヤー(大川原化工機(株)製)で球状粒子に造粒し、乾燥させた。得られた造粒物に対して、粒度の調整を行った後、ロータリー式電気炉を用いて700℃で2時間加熱し、分散剤や結着材料などの有機物を除去した。
窒素雰囲気下(酸素濃度1.0体積%)で、室温から焼成温度(1100℃)になるまでの時間を2時間とし、温度1100℃で4時間保持し、焼成した。その後、8時間をかけて温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
凝集した粒子を解砕した後に、目開き150μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、風力分級を行って微小粒子を除去し、さらに磁力選鉱により低磁力分を除去して、磁性粒子を得た。得られた磁性粒子は、多孔質状で空孔を有していた。
得られた磁性粒子100質量部を混合撹拌機(商品名:万能撹拌機NDMV型、ダルトン社製)の撹拌容器内に入れ、表1に示す樹脂溶液1と酸触媒を滴下した。
磁性粒子2の製造例の充填工程の樹脂溶液1を表1に示す樹脂溶液2に変更し、これを滴下し、滴下終了後2.5時間そのまま撹拌を続け、多孔質状の磁性粒子の空孔内に樹脂溶液2から得られる樹脂組成物を充填し、充填磁性粒子2を得た。充填量は、多孔質状の磁性粒子100質量部に対して、樹脂の量が4.0質量部となるように調整した。
100.0質量部の磁性粒子1を、220℃、減圧環境で6.0時間攪拌しながら乾燥させた。その後、減圧状態で常温まで冷却し、200.0質量部のo‐キシレンを加えた後、0℃で冷却攪拌しながら、ステアリン酸クロリド1.0質量部を2.0時間かけて滴下した。滴下後、濾過し、水酸化ナトリウムで中和し、水洗し、風乾し、減圧乾燥することにより、磁性キャリアコア1を得た。
100.0質量部の磁性粒子1を、220℃、減圧環境で、6.0時間攪拌しながら乾燥させた。その後、減圧状態で常温まで冷却し、100.0質量部の磁性粒子1に対して、オクタコサン酸2.0質量部を加え、触媒として濃硫酸を加えた後、100℃にて1時間、加熱攪拌した。その後、水酸化ナトリウムで中和し、水洗し、風乾し、減圧乾燥することにより、磁性キャリアコア2を得た。なお、得られた磁性キャリアコア2を、70℃のトルエンで洗浄し、未反応物を確認したところ、未反応物は1.0質量部で、オクタコサン酸であった。また、得られた磁性キャリアコア2は、赤外分光分析法により、ヒドロキシ基が存在することを確認した。
100.0質量部の磁性粒子1を、220℃、減圧環境で、6.0時間攪拌しながら乾燥させた。その後、減圧状態で常温まで冷却し、100.0質量部の磁性粒子1に対して、ラウリン酸無水物2.0質量部を加え、1分間あたり5℃の昇温速度で70℃まで加熱しながら攪拌した。その後、さらに1時間、加熱攪拌後、水洗し、風乾し、減圧乾燥することにより、磁性キャリアコア3を得た。なお、得られた磁性キャリアコア3を、70℃のトルエンで洗浄し、未反応物を確認したところ、未反応物は1.5質量部で、ラウリン酸であった。また、得られた磁性キャリアコア3は、赤外分光分析法により、ヒドロキシ基が存在することを確認した。
表2に示す磁性粒子100.0質量部に対して、220℃、減圧環境で、6.0時間攪拌しながら乾燥工程を経た後、表2に示す中間処理化合物を、表2に示す量加え、100℃にて1時間、加熱攪拌した。その後、常温まで冷却することで、磁性キャリアコア4〜7、10〜13、15および16を得た。
また、磁性粒子1に対し、上記乾燥工程を行わなかった以外は、磁性キャリアコア12と同様にして、磁性キャリアコア18を得た。
100.0質量部の磁性粒子1に対して、メタノールに溶解させたアミノ基を有するシランカップリング剤KBM−602(信越化学工業(株)製)1.0質量部を添加した、その後、70℃に加熱して攪拌混合し、1時間攪拌を続け、磁性キャリアコア14を得た。
磁性粒子1に対して何も処理しない状態のものを磁性キャリアコア17とした。
減圧下(1.5kPa)、温度60℃で維持されている遊星運動型混合機(商品名:ナウタミキサVN型、ホソカワミクロン(株)製)に、表1に示す樹脂溶液3を、100質量部の磁性キャリアコア1に対して、樹脂の量が2.0質量部になるように投入した。投入の仕方として、1/3の量の樹脂溶液を投入し、20分間溶媒除去および塗布を行った。次いで、さらに1/3の量の樹脂溶液を投入し、20分間溶媒除去および塗布を行い、さらに1/3の量の樹脂溶液を投入し、20分間溶媒除去および塗布を行った。
その後、被覆樹脂組成物で被覆された磁性キャリアを、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(商品名:ドラムミキサーUD−AT型、杉山重工(株)製)に移した。混合容器を1分間に10回転させて撹拌しながら、窒素雰囲気下に温度120℃で2時間熱処理した。得られた磁性キャリア1を、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口150μmの篩を通した後、風力分級器で分級した。体積分布基準の50%粒径(D50)39.5μmの磁性キャリア1を得た。
・結着樹脂(ポリエステル) 100質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 4.5質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5質量部
・ノルマルパラフィンワックス(融点:78℃) 6質量部
上記の処方の材料を、ヘンシェルミキサー(FM−75J型、三井鉱山(株)製)でよく混合した後、温度130℃に設定した2軸混練機(商品名:PCM−30型、池貝鉄鋼(株)製)にて10kg/hrのFeed量で混練(吐出時の混練物温度は150℃)した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗砕した後、機械式粉砕機(商品名:T−250、ターボ工業(株)製)にて15kg/hrのFeed量で微粉砕した。そして、重量平均粒径が5.5μmであり、粒径4.0μm以下の粒子を55.6個数%含有し、粒径10.0μm以上の粒子を0.8体積%含有する粒子を得た。
得られた粒子を回転式分級機(商品名:TTSP100、ホソカワミクロン(株)製)にて、微粉および粗粉をカットする分級を行った。重量平均粒径が6.4μmであり、粒径4.0μm以下の粒子の存在率が25.8個数%、かつ粒径10.0μm以上の粒子の存在率が2.5体積%であるシアントナー粒子1を得た。
・シアントナー粒子1:100質量部
・シリカ粒子(ゾルゲル法で作製したシリカ粒子にヘキサメチルジシラザン1.5質量%で表面処理した後、分級によって所望の粒度分布に調整したもの。):3.5質量部
・酸化チタン粒子(アナターゼ形の結晶性を有するメタチタン酸をオクチルシラン化合物で表面処理したもの。):0.5質量部
また、シアントナー粒子1のうち、C.I.ピグメントブルー15:3の4.5質量部に変えて、C.I.ピグメントイエロー74を7.0質量部、C.I.ピグメントレッド122を6.3質量部使用した以外はシアントナー粒子1と同様にして、それぞれ、イエロートナー粒子1およびマゼンタトナー粒子1を得た。
90質量部の磁性キャリア1に対して、各色トナー1を10質量部加え、振とう機(YS−8D型:(株)ヤヨイ製)にて振とうし、二成分系現像剤300gを調製した。振とう機の振幅条件は200rpm、2分間とした。
一方、10質量部の磁性キャリア1に対し、各色トナー1を90質量部加え、常温常湿の温度23℃/湿度50%RH(以下、「N/N」)環境において、V型混合機により5分間混合し、補給用現像剤を得た。
画像形成装置として、キヤノン(株)製のカラー複写機(商品名:imageRUNNER ADVANCE C9075 PRO)の改造機を用いた。
各色現像器に二成分系現像剤を入れ、各色補給用現像剤を入れた補給用現像剤容器をセットし、画像を形成し、各種評価を行った。
同様に、H/Hにて72時間以上、十分に調湿された環境から、N/Lに3時間かけて変更した。このとき環境状態を「N/La」とする。また、N/Laから、72時間N/L環境に調湿された環境状態を「N/Lb」とする。
条件:
紙:レーザービームプリンター用紙(商品名:CS−814(81.4g/m2、キヤノンマーケティングジャパン(株)製)
画像形成速度:A4サイズの紙をフルカラーで80枚/分で出力できるように改造した。
現像条件:現像コントラストを任意値で調整可能にし、本体による自動補正が作動しないように改造した。
交番電界のピーク間の電圧(Vpp)は、周波数2.0kHz、Vppが0.7kVから1.8kVまで0.1kV刻みで変えられるように改造した。
各色とも、単色で画像が出力できるように改造した。
N/N環境下で各パターンを以下に示す濃度に設定した画像を10枚出力した。また、各環境下で、同様の画像を10枚出力した。X−Riteカラー反射濃度計(Color reflection densitometer X−Rite 404A)により、各環境下で出力した10枚の画像の各パターンの平均値を算出した。
パターン1:0.10以上0.15以下
パターン2:0.25以上0.30以下
パターン3:0.45以上0.50以下
パターン4:0.65以上0.70以下
パターン5:0.85以上0.90以下
パターン6:1.05以上1.10以下
パターン7:1.25以上1.30以下
パターン8:1.45以上1.50以下
A:すべてのパターン画像が上記の濃度範囲を満足する
B:1つのパターン画像が上記の濃度範囲を外れる
C:2つのパターン画像が上記の濃度範囲を外れる
D:3つのパターン画像が上記の濃度範囲を外れる
A:濃度差0.06以上となるパターンが無い
B:濃度差0.06以上となるパターンが1個以上2個以下
C:濃度差0.06以上となるパターンが3個以上4個以下
D:濃度差0.06以上となるパターンが5個以上6個以下
イエローとマゼンタの混色である、レッドの色味変動を評価した。
N/Laで、各色単色の紙上のベタ画像反射濃度が1.50となるように、現像コントラストを調整し、レッドのベタ画像を10枚出力した。その後、N/Lb環境下で10枚出力し、N/LaおよびN/Lbの環境の違いにおける色味変動の度合いの確認評価を評価Wとした。
色味変動差はa*、b*をSpectroScan Transmission(GretagMacbeth社製)を用いて測定することによって求められる。以下に具体的な測定条件の一例を示す。
観測光源:D50
観測視野:2°
濃度:DIN NB
白色基準:Pap
フィルター:なし
一般に、a*、b*とは、色を数値化して表現するのに有用な手段であるL*a*b*表色系で用いられている値である。a*およびb*は、両者で色相を表す。色相とは、赤、黄、緑、青、紫など、色あいを尺度化したものである。a*およびb*のそれぞれは、色の方向を示しており、a*は赤−緑方向、b*は黄−青方向を表している。本発明において色味変動の差(ΔC)を下記式(4)のように定義した。
ΔC={(N/La、H/Haの画像のa*−N/Lb、H/Hbの画像のa*)2+(N/La、H/Haの画像のb*−N/Lb、H/Hbの画像のb*)2}1/2 ・・・(4)
A:0≦ΔC<1.50
B:1.50≦ΔC<2.50
C:2.50≦ΔC<3.50
D:3.50≦ΔC<5.00
H/Haの直後から連続で1000枚、画像面積比40%のA4ベタ画像を出力した。その後A4全面ベタ白画像を10枚出力し、白地部分の白色度をリフレクトメーター(東京電色社製)により測定した。その白色度と転写紙の白色度の差からカブリ濃度(%)を算出し、10枚の中で最もカブリ濃度の高いものを評価Yとした。評価基準は次のとおりである。
A:0.4%未満
B:0.4%以上0.8%未満
C:0.8%以上1.2%未満
D:1.2%以上1.6%未満
N/La直後、図3に示す画像(ライン数19本、ライン幅100μm、間隔300μm、ライン長さ1.0cm)を未定着画像で10枚出力し、100℃のオーブンに3分間放置して定着させた。
この画像のラインを、ルーペを用いて観察し、ライン部分以外に、トナーが付着している飛び散りの個数をカウントした。10枚のうち最も悪いものを評価Zとした。評価基準は次のとおりである。
A:飛び散りが19個以下
B:20個以上29個以下
C:30個以上39個以下
D:40個以上49個以下
上記評価Sから評価Zにおける評価ランクを数値化し(A=5、B=4、C=3、D=2、E=0)、合計値を以下の基準により判定を行った。
A:37以上40以下
B:32以上36以下
C:28以上31以下
D:20以上27以下
E:19以下
磁性キャリア2および3をそれぞれ使用して、実施例1と同様に、実施例1と同じトナーと磁性キャリアの比率で二成分系現像剤および補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。
実施例2および3は、実施例1に対して、磁性キャリアコアの表面のヒドロキシ基に反応させる化合物が異なるが、いずれも水分吸着量が少なく、非常に良好な結果であった。評価結果を表4〜6に示す。
磁性キャリア4を使用して、実施例1と同様に、実施例1と同じトナーと磁性キャリアの比率で二成分系現像剤および補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。
実施例4では、実施例1に対して、磁性キャリアコアの表面のヒドロキシ基にステアリン酸を反応させることなく、処理を施したものである。その結果、磁性キャリアの吸着水分量がわずかに高くなった。その影響で、環境変動に対する帯電安定性が若干低下した。
その結果、N/LからH/Hへの環境変化によって、色味変動や飛び散り性にわずかな影響が出たが、問題は無かった。また、それ以外は非常に良好な結果であった。評価結果を表4〜6に示す。
磁性キャリア5および6をそれぞれ使用して、実施例1と同様に、実施例1と同じトナーと磁性キャリアの比率で二成分系現像剤および補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。
実施例5および6では、実施例4に対して、磁性キャリアコア表面に処理を施す化合物の種類が異なる。水分吸着量や評価結果は、実施例4対して大きな差は無く、色味変動や飛び散り性はわずかに影響が出たが、問題無かった。また、それ以外は非常に良好な結果であった。評価結果を表4〜6に示す。
磁性キャリア7を使用して、実施例1と同様に、実施例1と同じトナーと磁性キャリアの比率で二成分系現像剤および補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。
実施例7も、実施例6と同様に、実施例4に対して、処理を施す化合物の種類が異なるが、実施例6に比べ、水分吸着量が多くなっている。このため、色味安定性も実施例6に比べて若干低下したが、問題は無かった。また、それ以外は非常に良好な結果であった。評価結果を表4〜6に示す。
磁性キャリア8をそれぞれ使用して、実施例1と同様に、実施例1と同じトナーと磁性キャリアの比率で二成分系現像剤および補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。
参考例8は、実施例2に対して、化合物の種類や量が異なり、水分吸着量がさらに多くなっている。その結果に準じて、画像の濃度安定性にも若干影響が出た。評価結果を表4〜6に示す。
磁性キャリア9〜11をそれぞれ使用して、実施例1と同様に、実施例1と同じトナーと磁性キャリアの比率で二成分系現像剤および補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。
実施例9〜10、および参考例11では、粒子の空孔部に、ヒドロキシ基を有する樹脂を充填した多孔質磁性粒子を使用している。
磁性キャリア12および18をそれぞれ使用して、実施例1と同様に、実施例1と同じトナーと磁性キャリアの比率で二成分系現像剤および補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。
磁性キャリア13を使用して、実施例1と同様に、実施例1と同じトナーと磁性キャリアの比率で二成分系現像剤および補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。
比較例1では、実施例12の処理量をさらに少なくしたため、水分吸着量も多くなっている。そのため、環境変動に対する帯電安定性が低下した。また、特にN/L環境からH/H環境へ変動した際、水分量の脱離が追い付かないためか、濃度や色味の変動差が大きく、目立つようになった。評価結果を表4〜6に示す。
磁性キャリア14を使用して、実施例1と同様に、実施例1と同じトナーと磁性キャリアの比率で二成分系現像剤および補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。
比較例2では、処理剤としてアミノシランカップリング剤を、樹脂のヒドロキシ基に反応させた磁性キャリアコアを使用している。これにより水分吸着性は改善されたが、処理剤の影響で、H/H環境からN/L環境に変動後の濃度や色味変動が、実施例1に対して目立つようになった。評価結果を表4〜6に示す。
磁性キャリア15を使用して、実施例1と同様に、実施例1と同じトナーと磁性キャリアの比率で二成分系現像剤および補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。
比較例3では、磁性キャリアコア樹脂のヒドロキシ基に短鎖脂肪酸を処理させている。比較例3の化合物では、十分な水分吸着量を抑制するには至らず、どちらの環境変動に対しても、特に色味変動が、実施例1に対して目立つようになった。評価結果を表4〜6に示す。
磁性キャリア16を使用して、実施例1と同様に、実施例1と同じトナーと磁性キャリアの比率で二成分系現像剤および補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。
比較例4では、ギ酸を反応させることなく、処理を施したものである。比較例4の化合物では、比較例3に比べてさらに水分吸着量が増え、特にN/L環境からH/H環境への変動に対して濃度や色味変動、カブリの悪化が目立つようになった。評価結果を表4〜6に示す。
磁性キャリア17を使用して、実施例1と同様に、実施例1と同じトナーと磁性キャリアの比率で二成分系現像剤および補給用現像剤を調製した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。
比較例5では、磁性キャリアコアの表面に何も処理を施さないものである。比較例5では、水分吸着量が多く、環境変動に対して出力画像の濃度、色味変動、カブリおよび飛び散りなど、様々な点が、実施例1に対して目立つようになった。評価結果を表4〜6に示す。
Claims (10)
- 磁性体および樹脂を含有する磁性キャリアコアと、
前記磁性キャリアコアの表面上に設けられた樹脂被覆層と
を有する磁性キャリア粒子を含む磁性キャリアであって、
前記磁性キャリアコアに含有される樹脂が、ヒドロキシ基を有し、
前記磁性キャリアコアの表面部分が、下記式(1)で示される化合物
を含有し、
前記磁性キャリアを温度30℃/湿度80%RHの環境下に72時間放置した際の、前記磁性キャリアの水分吸着量が、0.40質量%以下であり、
前記磁性キャリアコアの前記表面部分に含有される前記式(1)で示される化合物の含有量が、前記磁性キャリアコア100質量部に対して0.3質量部以上4.0質量部以下である
ことを特徴とする磁性キャリア。 - 前記磁性キャリアコアが、前記樹脂中に前記磁性体が分散している磁性キャリアコアである請求項1に記載の磁性キャリア。
- 前記磁性体が、磁性鉄酸化物粒子である請求項2に記載の磁性キャリア。
- 前記磁性体が、空孔を有する多孔質磁性粒子であり、
前記磁性キャリアコアが、前記多孔質磁性粒子の前記空孔に前記樹脂が充填されている磁性キャリアコアである
請求項1に記載の磁性キャリア。 - 前記多孔質磁性粒子の材質が、フェライトである請求項4に記載の磁性キャリア。
- 前記樹脂の前記ヒドロキシ基の一部が、前記式(1)で示される化合物の一部によってエステル化されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁性キャリア。
- 前記式(1)で示される化合物が、
ヒドロキシ基を有さない炭素数が9以上の脂肪酸、
ヒドロキシ基を有さない炭素数が9以上の脂肪酸のエステル化合物、
ヒドロキシ基を有さない炭素数が9以上の脂肪酸の無水物、および、
ヒドロキシ基を有さない炭素数が9以上の脂肪酸の塩化物
からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁性キャリア。 - 前記炭素数が9以上の脂肪酸が、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オクタコサン酸、テトラデカン酸、および、トリアコンタン酸からなる群より選択される少なくとも1種である請求項7に記載の磁性キャリア。
- 前記式(1)で示される化合物が、ステアリン酸ステアリル、および、ベヘン酸ベヘニルからなる群より選択される少なくとも1種である請求項7または8に記載の磁性キャリア。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の磁性キャリアと、
トナーと
を有する二成分系現像剤。
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