JP5104266B2 - 静電潜像現像用キャリア、静電潜像現像剤、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

静電潜像現像用キャリア、静電潜像現像剤、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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本発明は、静電潜像現像用キャリア、静電潜像現像剤、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
電子写真法では、帯電工程、露光工程により潜像保持体(感光体)に静電潜像を形成し、現像工程で現像し現像像を形成し、該現像像を転写体上に転写し、定着工程において加熱等により定着し画像を得る。この様な電子写真法で用いられる静電潜像現像剤は、結着樹脂中に着色剤を分散させたトナーを単独で用いる一成分現像剤と、トナーとキャリアからなる二成分現像剤とに大別することができる。
該二成分現像剤は、キャリアが比較的表面積が大きいことからトナーとの帯電が容易であり、かつ該キャリアに磁性粒子を用いることにより、マグロール等により搬送が容易である等の理由から、現在広く用いられている。
近年、現像剤の長寿命化が検討されており、その方向性としてはキャリア表面を球形化する方向と、キャリア表面に凹凸を形成する方向と、に大きく大別できる。
例えば、キャリアを球形化することで耐トナーへの負荷を低下するだけでなく、球形であることによりトナー成分によるキャリア汚染を抑制でき、キャリアの被覆層の磨耗にムラが無くトナー特性変化が少ないといった長所がある(例えば、特許文献1または2参照)。
一方、表面に凹凸を形成することで、キャリア間でスペーサーとして凸部が作用する為、トナー成分によるキャリア汚染の抑制が達成できる(例えば、特許文献3または4参照)。
特開2006−58639号公報 特開2005−352473号公報 特開2006−53201号公報 特開2006−18129号公報
静電潜像現像用キャリアにおいては、残留磁化が高くなると、画像濃度が高い画像を連続印刷した際に現像機搬送系由来の筋上濃度ムラが発生し、解決が望まれていた。該筋状濃度ムラは、現像剤保持体上の現像剤の入れ代り性が低下することにより発生するものと推察される。
本発明は、筋状濃度ムラの発生を効果的に防止することができる静電潜像現像用キャリア、および静電潜像現像剤を提供することを目的とする。
また、前記静電潜像現像剤の供給を容易にし上記特性の維持性を高めることができる現像剤カートリッジ、前記静電潜像現像剤の取り扱いを容易にし種々の構成の画像形成装置への適応性を高めることができるプロセスカートリッジ、並びに筋状濃度ムラの発生を効果的に防止し高品位な画像を得ることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の本発明により達成される。
すなわち本発明の請求項1に係る発明は、芯材と、該芯材を被覆し少なくとも表面に凸部を有する被覆層と、を有し該凸部は前記被覆層の厚みの差により形成されており、該凸部の長さ/幅の比が2.5倍以上である静電潜像現像用キャリアである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の凸部の高さが1μm以上5μm以下である静電潜像現像用キャリアである。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の凸部の長さが5μm以上35μm以下である静電潜像現像用キャリアである。
請求項4に係る発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の構成において、磁性を有する芯材の表面に、樹脂を含有する被覆層を形成してなり、キャリア全体における含水分率が0.1質量%以上1.0質量%以下である静電潜像現像用キャリアである。
請求項5に係る発明は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の構成において、円形度が0.975以上である静電潜像現像用キャリアである。
請求項6に係る発明は、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の構成において、真比重が3.2g/cm以上4.5g/cm以下である静電潜像現像用キャリアである。
請求項7に係る発明は、少なくともトナーと、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の静電潜像現像用キャリアと、を含有する静電潜像現像剤である。
請求項8に係る発明は、請求項7に記載のトナーが、平均粒子径0.5μm以上の添加剤を添加されている静電潜像現像剤である。
請求項9に係る発明は、静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段を少なくとも備えた画像形成装置に対して着脱可能であり、前記現像手段に供給するための現像剤として請求項7または請求項8に記載の静電潜像現像剤を収納する現像剤カートリッジである。
請求項10に係る発明は、静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段を少なくとも備え、且つ前記現像手段に供給するための現像剤として請求項7または請求項8に記載の静電潜像現像剤を収納するプロセスカートリッジである。
請求項11に係る発明は、潜像保持体と、該潜像保持体表面に形成された静電潜像を、請求項7または請求項8に記載の静電潜像現像剤を用いトナー像として現像する現像手段と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写手段と、被転写体表面に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、前記潜像保持体表面を清掃部材で摺擦し転写残留成分を清掃する清掃手段と、を有する画像形成装置である。
請求項1に係る発明によれば、前記凸部を有さない場合に比べ、筋状濃度ムラの発生を効果的に防止することができる。
請求項2に係る発明によれば、凸部の高さを考慮しない場合に比べ、良好な搬送性を保持しつつ、筋状濃度ムラの発生をより効果的に防止することができる。
請求項3に係る発明によれば、凸部の長さを考慮しない場合に比べ、良好な搬送性を保持しつつ、筋状濃度ムラの発生をより効果的に防止することができる。
請求項4に係る発明によれば、キャリア全体における含水分率を考慮しない場合に比べ、環境に依存しない良好な帯電性を得ることができる。
請求項5に係る発明によれば、円形度を考慮しない場合に比べ、キャリア同士の摩擦を低減でき、また長期間使用しても樹脂被覆層の剥がれが抑制され、良好な現像剤流動性が得られる。また、キャリア表面におけるトナー成分の凝集が抑制され、キャリア同士の凝集が抑制される。長期にわたり現像剤流動性および凝集性を維持することができ、筋状濃度ムラの発生をより効果的に防止することができる。
請求項6に係る発明によれば、真比重を考慮しない場合に比べ、トナーに対するストレスが低減され、現像機内での攪拌によるトナー表面への添加剤の埋没やキャリアへのトナースペントの加速が抑制され、良好な現像剤流動性および適度な凝集性が得られる。長期にわたり現像剤流動性および凝集性を維持することができ、筋状濃度ムラの発生をより効果的に防止することができる。
請求項7に係る発明によれば、前記凸部を有さない場合に比べ、筋状濃度ムラの発生を効果的に防止することができる。
請求項8に係る発明によれば、トナーへの添加剤の粒子径を考慮しない場合に比べ、現像剤の凝集を効果的に防止することができる。
請求項9に係る発明によれば、前記凸部を有さない場合に比べ、筋状濃度ムラの発生を効果的に防止し得る静電潜像現像剤の供給を容易にし、上記特性の維持性を高めることができる。
請求項10に係る発明によれば、前記凸部を有さない場合に比べ、筋状濃度ムラの発生を効果的に防止し得る静電潜像現像剤の取り扱いを容易にし、種々の構成の画像形成装置への適応性を高めることができる。
請求項11に係る発明によれば、前記凸部を有さない場合に比べ、筋状濃度ムラの発生を効果的に防止し、高品位な画像を得ることができる。
以下、本発明の静電潜像現像用キャリアの構成を実施形態により説明する。
<静電潜像現像用キャリア>
本実施形態における静電潜像現像用キャリア(以下単に「キャリア」と称することがある)は、芯材と、該芯材を被覆し少なくとも表面に凸部を有する被覆層と、を有する。尚、該凸部は前記被覆層の厚みの差により形成されている
ここで、上記「凸部」とは、図1(A)〜(C)に示されるように、キャリアを円形として捉えた場合にその円よりも盛り上がっている部分をさす。より具体的には、図1(A)に示す点線のように、円形として捉えたキャリアの該円形部分に線を引き、該線よりも盛り上がっている領域を凸部と定義する。
尚、図1(A)に示す点線から最も高い位置までの高さを「凸部の高さ(図1(A)におけるH)」と称する。また、図2(A)〜(C)および図3(A)〜(C)に示すように、凸部(盛り上がっている部分)の端から端までの長さのうち最も長い距離を「凸部の長さ(図2(A)等におけるL)」と、凸部を真上から見た場合に凸部の長さに対して直行する方向の長さのうち最も長い距離を「凸部の幅(図2(A)等におけるW)」と称する。
本実施形態におけるキャリアは、凸部の長さ/幅の比が2.5倍以上であることを必須の要件とする。更には5.0以上であることが好ましく、8.0以上であることが特に好ましい。尚、特に限定されるものではないが、上限としては15.0以下であることが好ましい。
本実施形態におけるキャリアは、凸部の高さが1μm以上5μm以下であることが好ましく、1μm以上4μm以下であることがより好ましく、1μm以上3μm以下であることが特に好ましい。
また、凸部の長さが5μm以上35μm以下であることが好ましく、5μm以上30μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
ここで、上記凸部の高さ、長さ、幅の測定方法について説明する。
測定装置として超深度カラー3D形状測定顕微鏡(VK−9500:キーエンス社製)を用い、キャリア表面を150倍標準レンズ、光学ズーム3倍、ピッチ0.02μmの視野にて観察することによって、表面の凸部の高さ、長さ、幅を測定することができる。尚、当該測定をキャリア50個について行い、平均値をとることで算出する。本明細書に記載の値は、上記の方法により測定したものである。
凸部の長さと幅との関係を上記範囲に制御し、また高さおよび長さを上記範囲に制御する方法としては、キャリアの作製において、被覆層形成の際の乾燥条件を調整することによって行うことができる。詳細については後述する。
−芯材−
本実施形態において、キャリアの芯材は、磁性粉が樹脂中に分散されてなることが好ましい。
前記磁性粉としては、例えば、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、これらとマンガン、クロム、希土類元素等との合金(例えば、ニッケル−鉄合金、コバルト−鉄合金、アルミニウム−鉄合金等)及びフェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が用いられる。これらの中でも、特性が安定しており、かつ毒性が少ない点で有利である点で、酸化鉄が好ましい。
これら磁性粉は、単種で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
磁性粉の体積平均粒径は、0.01μm以上1μm以下の範囲であることが好ましく、0.03μm以上0.5μm以下の範囲であることがより好ましく、0.05μm以上0.35μm以下の範囲であることが更に好ましい。
上記磁性粉の体積平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置により測定することができる。
また、磁性粉の芯材中における含有量としては、30質量%以上98質量%以下の範囲であることが好ましく、45質量%以上98質量%以下の範囲であることがより好ましく、60質量%以上98質量%以下の範囲であることが更に好ましい。
本実施形態におけるキャリアの芯材を構成する樹脂成分としては、架橋されたスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、フェノール系樹脂等を挙げることができる。
また、キャリアの芯材には、目的に応じて、更にその他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、帯電制御剤、フッ素含有粒子などが挙げられる。
前記キャリアの芯材の製造方法は、例えば、前記磁性粉とスチレンアクリル樹脂等の絶縁性樹脂とを、バンバリーミキサー、ニーダなどを用いて溶融混練し、冷却した後に粉砕し、分級する溶融混練法(特公昭59−24416号公報、特公平8−3679号公報等)や、結着樹脂のモノマー単位と磁性粉とを溶媒中に分散して懸濁液を調製し、この懸濁液を重合させる懸濁重合法(特開平5−100493号公報等)や、樹脂溶液中に磁性粉を混合分散した後、噴霧乾燥するスプレードライ法などが知られている。
上記の溶融混練法、懸濁重合法、及びスプレードライ法はいずれも、磁性粉をあらかじめ何らかの手段により調製しておき、この磁性粉と樹脂溶液とを混合し、樹脂溶液中に磁性粉を分散させる工程を含む。
−樹脂被覆層−
本実施形態におけるキャリアは、前記の芯材を被覆する被覆層として樹脂を含有することが好ましい。
この樹脂被覆層には、キャリア用の樹脂被覆層の材料として用いられているものであれば公知のマトリックス樹脂が利用でき、二種類以上の樹脂をブレンドして用いてもよい。樹脂被覆層を構成するマトリックス樹脂としては、大別すると、トナーに帯電性を付与するための帯電付与樹脂と、トナー成分のキャリアへの移行を防止するために用いられる表面エネルギーの低い樹脂とが挙げられる。
ここで、トナーに負帯電性を付与するための帯電付与樹脂としては、アミノ系樹脂、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、及びエポキシ樹脂等が挙げられ、更にポリビニル及びポリビニリデン系樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エチルセルロース樹脂等のセルロース系樹脂等が挙げられる。
また、トナーに正帯電性を付与するための帯電付与樹脂としては、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。
トナー成分のキャリアへの移行を防止するために用いられる表面エネルギーの低い樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、及びシリコーン樹脂等が挙げられる。
また、樹脂被覆層には、抵抗調整を目的として導電性粒子(導電粉)を添加することができる。導電性粒子としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が挙げられる。また、イオン性化合物も好適に用いることができ、例えば4級アンモニウム塩、ニグロシン等のアジン系染料、アゾ系金属化合物の如き含金属染料、フッ素系界面活性剤、サリチル酸金属錯体等が挙げられる。
これらの導電性粒子は体積平均粒径が1μm以下のものが好ましい。更に、必要に応じて、複数の導電性粒子を併用することができる。
樹脂被覆層における導電性粒子の含有量は、1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、3質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
更に、樹脂被覆層には、帯電制御を目的として樹脂粒子を含有してもよい。樹脂粒子を構成する樹脂としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が利用できる。
熱可塑性樹脂の場合、ポリオレフィン系樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン;ポリビニル及びポリビニリデン系樹脂、例えば、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル及びポリビニルケトン;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂又はその変性品;フッ素樹脂、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン;ポリエステル;ポリカーボネート等が挙げられる。
熱硬化性樹脂の例としては、フェノール樹脂;アミノ樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂;エポキシ樹脂などが挙げられる。
樹脂粒子の体積平均粒径は0.1μm以上1.5μm以下が好ましい。
次に、前記キャリアの製造方法について説明する。本実施形態におけるキャリアの製造方法としては、樹脂被覆層形成用溶液(溶剤中に、樹脂被覆層を形成するマトリックス樹脂の他に、導電性粒子(導電粉)、必要に応じて帯電制御の樹脂粒子等を含む溶液)を調製し、この樹脂被覆層形成用溶液中に芯材を浸漬する浸漬法、ニーダーコーター中で芯材と樹脂被覆層形成用溶液とを混合し、次いで、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられるが、特に、溶液を用いたものに限定されるものではない。例えば、キャリアの芯材の種類によっては、芯材と樹脂粉末とを共に加熱混合するパウダーコート法などを採用することもできる。更に、樹脂被覆層を形成した後に、電気炉やキルンなどの装置により加熱処理することもできる。
また、樹脂被覆層を形成するための樹脂被覆層形成用溶液に使用する溶剤としては、樹脂を溶解するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化物などを使用することができる。これらの中でも、凸部の高さ、長さ、幅を制御しやすいという観点から、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、特に沸点が90℃以上のものが好ましい。
また、前述の通り、凸部の高さ、長さ、幅の制御は、被覆層形成の際の乾燥条件を調整することによって行うことができる。より詳細には、高シェアの下、乾燥速度を速くすることで凸部が制御される。乾燥速度を速くする為には、乾燥時の芯材の温度及び装置内の真空度が重要となる。例えば、芯材と樹脂被覆層形成用溶液を混合する工程において、装置内の真空度をある程度下げ(即ち減圧し)、且つ、芯材温度をその真空度での沸点近くまで昇温させ、混合後に装置内を真空状態にすることで乾燥速度が速くなる。即ち、混合時の真空度及び温度さらには乾燥時のシェアを制御することにより前述の凸部を有するキャリアが作製される。また、上記条件を制御した工程において被覆層の粘度及び膜厚等を調整することでより緻密に凸部が制御される。
次いで、本実施形態におけるキャリアの物性について説明する。
本実施形態におけるキャリアは、そのキャリア全体における含水分率が0.1質量%以上1.0質量%以下の範囲であることが好ましく、0.1質量%以上0.8質量%以下の範囲であることがより好ましく、0.1質量%以上0.4質量%以下の範囲であることが特に好ましい。
ここで、前記含水分率は、下記の方法で測定した値を意味する。
キャリアをアルミ皿に20g秤量し、湿度85%、温度30℃の雰囲気下に24時間放置後、キャリア重量(W1)を測定する。その後、125℃に調整したチャンパー中に1時間放置しキャリア中の水分を除去した後のキャリア重量(W2)を測定し、下記式(1)に従いキャリア全体における含水分率とした。
式(1): キャリア全体における含水分率=(W1−W2)/W1×100
尚、上記キャリア全体における含水分率は、被覆層中のイオン性化合物量及びその分散径の調整によって制御することができる。
また、本実施形態におけるキャリアは、円形度が0.975以上の範囲であることが好ましく、0.980以上の範囲であることがより好ましく、0.985以上の範囲であることが特に好ましい。
ここで、前記キャリアの円形度は、下記の方法で測定した平均円形度を意味する。
測定サンプルとして、キャリア200mgをエチレングリコール水溶液30mlに添加・攪拌し、上澄み水溶液を除去した残渣中のキャリアを用いて、以下の方法で測定した。測定は、FPIA−3000(シスメックス社製)を使用し、撮影された少なくとも5000個以上各々のキャリア粒子に対して画像解析を行い、統計処理することによって、平均円形度を求めた。ここで、個々の円形度は下記式(2)に基づいて求めた。
式(2): 円形度=円相当径周囲長/周囲長=[2×(A×π)1/2]/PM
(上記式(2)において、Aはキャリア粒子の投影面積、PMはキャリア粒子の周囲長を表す。)
なお、測定はHPFモード(高分解能モード)、希釈倍率10倍で行った。また、データの解析に当たっては、測定ノイズ除去の目的で、個数粒径解析範囲を3μm以上80μm以下の範囲、円形度解析範囲を0.850以上1.000以下の範囲で実施した。
尚、上記円形度は、芯材の円形度、樹脂被覆層の層厚及び乾燥条件の調整によって制御することができる。
本実施形態におけるキャリアは、真比重が3.2g/cm以上4.5g/cm以下の範囲であることが好ましく、3.2g/cm以上4.0g/cm以下の範囲であることがより好ましく、3.5g/cm以上4.0g/cm以下の範囲であることが特に好ましい。
ここで、前記真比重は、下記の方法で測定した値を意味する。
ルシャトリエ比重瓶を用い、JIS−K−0061の5−2−1に準拠して、真比重を下記の作業にて測定した。
(1)ルシャトリエ比重瓶に約250mlのエチルアルコールを入れ、メニスカスが目盛の位置にくるように調整する。
(2)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2℃になったときに、メニスカスの位置を比重瓶の目盛で正確に読み取る(精度0.0025ml)。
(3)試料を約100g量り取る。
(4)量り取った試料を比重瓶に入れ泡を除く。
(5)比重瓶を恒温槽に浸し、液温が20.0±0.2℃になったときに、メニスカスの位置を比重瓶の目盛で正確に読み取る(精度0.0025ml)。
(6)次式(3−1)および式(3−2)により真比重を算出する。
式(3−1): D=W/(L2−L1)
式(3−2): S=D/0.9982
式中、Dは試料の密度(g/cm、20℃)、Sは試料の真比重(20℃)、Wは試料の見かけの質量(g)、L1は試料を比重瓶に入れる前のメニスカスの読み値(ml、20℃)、L2は試料を比重瓶に入れた後のメニスカスの読み値(ml、20℃)、0.9982は20℃における水の密度(g/cm)である。
尚、上記真比重は、磁性粉組成、磁性粉量及び樹脂被覆層量の調整によって制御することができる。
本実施形態におけるキャリアは、1kOe時の磁力が170emu/cm以上250emu/cm以下であることが好ましく、185emu/cm以上235emu/cm以下であることが好ましい。
ここで、キャリアの磁力は、振動試料型磁力計BHV−525(理研電子(株)製)を用い、VSM用常温サンプルケース粉末用(H−2902−151)に一定量サンプルを採り、正秤した後に1kOeの磁場中にて、測定した。
また、本実施形態におけるキャリアの体積平均粒径は、25μm以上100μm以下の範囲であることが好ましく、25μm以上80μm以下の範囲であることがより好ましく、25μm以上60μm以下の範囲であることが更に好ましい。
ここで、キャリアの体積平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を用いて測定された値をいう。得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、全核体に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとする。
本実施形態における現像剤の密度は、1.0g/cm以上3.0g/cm以下の範囲であることが好ましく、1.2g/cm以上2.5g/cm以下の範囲であることがより好ましく、1.2g/cm以上2.0g/cm以下の範囲であることが更に好ましい。
ここで、現像剤の密度の測定方法は、JIS−2504 金属粉体嵩密度測定法に準ずる方法にて測定した。尚、漏斗より現像剤が流れない場合は、漏斗に軽く衝撃を与え現像剤が流れ落ちるようにした。
さらに、本実施形態におけるキャリアの体積抵抗率は、1×10Ωcm以上1×1014Ωcm以下の範囲に制御されることが好ましく、1×10Ωcm以上1×1013Ωcm以下の範囲であることがより好ましく、1×10Ωcm以上1×1012Ωcm以下の範囲であることが更に好ましい。
ここで、キャリアの体積抵抗率(Ωcm)は以下のように測定する。なお、測定環境は、温度20℃、湿度50%RHとする。
20cmの電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象となるキャリアを1mm以上3mm以下程度の厚さになるように平坦に載せ、キャリア層を形成する。この上に前記の20cmの電極板を載せキャリア層を挟み込む。キャリア間の空隙をなくすため、キャリア層上に載せた電極板の上に4kgの荷重をかけてからキャリア層の厚み(cm)を測定する。キャリア層上下の両電極には、エレクトロメーター及び高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が6000V/cmとなるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、キャリアの体積電気抵抗(Ω・cm)を計算する。キャリアの体積抵抗率(Ω・cm)の計算式は、下記式(4)に示す通りである。
式(4): R=E×20/(I−I)/L
上記式(4)中、Rはキャリアの体積抵抗率(Ω・cm)、Eは印加電圧(V)、Iは電流値(A)、Iは印加電圧0Vにおける電流値(A)、Lはキャリア層の厚み(cm)をそれぞれ表す。また、20の係数は、電極板の面積(cm)を表す。
なお、後述する金属酸化物の体積抵抗率の測定も上記に準じて行った。
<静電潜像現像剤>
次に、本発明における静電潜像現像剤について、同じく実施形態により説明する。
(トナー)
本実施形態に係る静電潜像現像剤(以下単に「現像剤」と称することがある)におけるトナーは、結着樹脂及び着色剤を含み、必要に応じて、離型剤やその他の成分を含有することが好ましい。また、添加剤として平均粒子径0.5μm以上の添加剤を添加することが好ましい。以下、これらの成分についてより詳細に説明する。
−結着樹脂−
トナーに用いられる結着樹脂としては、公知のものを使用できる。
結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体及び共重合体を例示することができる。
代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。更に、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。
これらの中では、特に、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体が好ましい。
−着色剤−
トナーを構成する着色剤としては、特に制限はなく、染料及び顔料のどちらでもかまわないが、耐光性や耐水性の観点から顔料が好ましい。
好ましい顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロライド、フタロシアンブルー、マラカイトグリーンオキサート、ランプブラック、ローズベンガル、キナクリドン、ベンジジンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド185、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の公知の顔料が使用できる。
また、着色剤として磁性粉を使用することもできる。磁性粉としては、コバルト、鉄、ニッケルなどの強磁性金属、コバルト、鉄、ニッケル、アルミニウム、鉛、マグネシウム、亜鉛、マンガンなどの金属の合金や酸化物などの公知の磁性体が使用できる。
以上の着色剤は、単独で使用可能な他、2種類以上組み合わせて使用してもよい。なお、着色剤の種類を選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等の各色トナーが得られる。
本実施形態におけるトナー中に含まれる着色剤の含有量としては、トナー100質量部に対して、0.1質量部以上40質量部以下の範囲が好ましく、1質量部以上30質量部以下の範囲が更に好ましい。
−その他の成分−
本実施形態におけるトナーには、必要に応じて、離型剤や帯電制御剤などのその他の成分が内添されてもよい。
離型剤は、一般に離型性を向上させる目的で使用される。離型剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル、カルボン酸エステル等のエステル系ワックスなどが挙げられる。本発明において、これらの離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
離型剤の含有量としては、トナー100質量部に対し、1質量部以上20質量部以下の範囲が好ましく、2質量部以上15質量部以下の範囲がより好ましい。離型剤の融点としては50℃以上120℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。
また、トナーには、必要に応じて、帯電制御剤が添加されてもよい。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。
湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。
前記トナーの製造には、公知の湿式法や乾式法を利用することができ、例えば、結着樹脂、着色剤、及び必要に応じて離型剤、帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法;混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力又は熱エネルギーにて形状を変化させる方法;結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤を分散させた分散液、及び、必要に応じて利用される離型剤、帯電制御剤等の分散液と、を混合し、凝集、加熱融着させ、トナーを得る乳化重合凝集法;結着樹脂を得るための重合性単量体と、着色剤、及び必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の溶液と、を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法;結着樹脂と、着色剤、及び必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の溶液と、を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法;等が使用できる。
また、上記方法で得られたトナー母粒子をコア粒子にして、更に樹脂粒子を付着させた後、加熱融合してコアシェル構造を有するトナーを製造することもできる。
続いて、このようにして得られたトナーに、外添剤を添加することができる。なお、本実施形態においては、前記外添剤として平均粒子径0.5μm以上の添加剤を添加することが好ましい。
前記添加剤の具体例としては、シリカ、酸化チタン、メタチタン酸、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、アルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化クロム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム等の金属酸化物粒子が挙げられる。これらの中では、トナーの精密な帯電制御を行う観点から、シリカ、酸化チタン、メタチタン酸から選ばれるものを用いることが望ましい。
これらの金属酸化物粒子の表面は、予め疎水化処理されていることが望ましい。この疎水化処理によりトナーの粉体流動性が改善されるほか、帯電の環境依存性、及び耐キャリア汚染性に対しても有効である。疎水化処理は疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行うことができる。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でもシラン系カップリング剤が好適である。
上記金属酸化物粒子の平均粒子径は、前述の通り0.5μm以上であることが好ましく、0.5μm以上5.0μm以下の範囲であることがより好ましく、0.5μm以上3.0μm以下の範囲であることが特に好ましい。
ここで、前記平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(HORIBA LA−910)で測定した値を意味する。
また、前記金属酸化物の体積抵抗率は、前記キャリアの体積抵抗率より高いことが望ましい。トナーに添加する金属酸化物の体積抵抗率を前記キャリアの体積抵抗率より高いものとすることで、キャリアの帯電機能を損なわず長期にわたり階調性のある高画質を得ることができる。より好適には、金属酸化物の体積抵抗率はキャリアの体積抵抗率の1.0倍以上1.5倍以下である。
これらの金属酸化物粒子は単独で用いても、また複数種を混合して用いても良い。また、これらのトナーに対する添加量は特に制限はないが、0.1質量%以上10質量%以下の範囲で好ましく用いられる。より具体的には、0.2質量%以上6質量%以下の範囲である。
また、トナー母粒子への外添剤としては、ポリスチレン粒子、ポリメチルメタクリレート粒子、ポリフッ化ビニリデン粒子、小径不定形樹脂粒子、酸化セリウム、ステアリン酸亜鉛等のクリーニング助剤又は転写助剤等も使用することが可能である。
トナー母粒子と外添剤との混合は、公知の方法、例えば、Vブレンダーやヘンシュルミキサー、レディーゲミキサーなどによって行うことができる。
更に、必要に応じて、振動篩分機、風力篩分機などを使って、得られたトナー中の粗大粒子を取り除いてもよい。
さらに、本実施形態では、トナーに潤滑剤を添加すると前記金属酸化物のキャリアへの付着をより低減することができるため望ましい。
本実施形態で用いられる潤滑剤は、粉体として用いることができるものであれば限定されるものではなく、例えば、オレイン酸鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸銅、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸鉄、ステアリン酸銅、パルミチン酸鉄、パルミチン酸銅、ミリスチン酸亜鉛、などの脂肪酸金属塩や、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等が挙げられるが、特にステアリン酸亜鉛は潤滑性だけではなく、塗布性に優れており好ましい。
潤滑剤のトナーへの添加量は、トナー100質量部に対して0.1質量部以上5.0質量部以下の範囲とすることが望ましく、0.3質量部以上0.7質量部以下の範囲とすることがより望ましい。
なお、前記のように潤滑剤はトナーに添加してもよいが、現像剤中に含まれていればよく、トナーとキャリアとからなる現像剤を調製後に、現像剤中に添加してもよい。
上記のようにして得られたトナーの粒径は、小径であることが画質を向上させる目的で好ましい。ただし、あまり小径となると帯電、流動性の観点から、従来のシステムでは現像が困難となる。この観点から、トナーの体積平均粒径は2μm以上8μm以下の範囲であることが好ましく、更に4μm以上7μm以下の範囲であることがより好ましい。
また、粒度分布の指標である体積平均粒径/個数平均粒径の値としては、1.6以下が好ましく、1.5以下が更に好ましい。この値が1.6より大きいと粒度分布の広がりが大きくなるため、帯電量の分布も広くなってしまい、逆極性トナーや低帯電トナーが発生しやすくなる。
なお、前記トナーの体積平均粒径(累積体積平均粒径D50v)、個数平均粒径(累積数平均粒径D50P)や各種の粒度分布指標は、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用して測定することができる。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを電解液100〜150ml中に添加する。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
このようにして測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を累積体積平均粒径D16v、累積数平均粒径D16P、累積50%となる粒径を累積体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50P、累積84%となる粒径を累積体積平均粒径D84v、累積数平均粒径D84Pと定義する。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16V1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84P/D16P1/2として算出される。
さらに、本実施形態におけるトナーの形状係数SF1は120以上140以下の範囲にあることが好ましい。
ここで上記形状係数SF1は、下記式(5)により求められる。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(5)
上記式(5)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
前記SF1は、主に顕微鏡画像または走査電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、例えば、以下のようにして算出することができる。すなわち、スライドガラス表面に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個以上のトナー粒子の最大長と投影面積を求め、上記式(5)によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
本実施形態において、静電潜像現像剤におけるトナーとキャリアとの混合比としては特に制限はなく、目的に応じて選択することができる。
<画像形成装置>
次に、画像形成装置の好ましい実施形態について、図を参照しながら詳細に説明する。
図4は、画像形成装置の好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。図4に示す画像形成装置100は、電子写真感光体(潜像保持体)107と、電子写真感光体107を帯電させる帯電装置108と、帯電装置108に接続された電源109と、帯電装置108により帯電される電子写真感光体107を露光して静電潜像を形成する露光装置110と、露光装置110により形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置(現像手段)111と、現像装置111により形成されたトナー像を被転写体500に転写する転写装置(転写手段)112と、転写後に電子写真感光体107に残留しているトナーを除去するクリーニング装置113と、除電器114と、定着装置(定着手段)115とを備える。
本発明においては、除電器114が設けられていない画像形成装置であってもよい。また、図4の画像形成装置100では、帯電装置108が接触型の帯電器となっているが、非接触型の帯電器であってもよい。
次に、図5を用いて、現像装置111の構成について説明する。
図5において、現像装置111は、電子写真感光体107に隣接して配設され、現像剤を収容する現像剤ハウジング10と、現像剤ハウジング10の内部において、電子写真感光体107に隣接するように軸線の周りに回転可能に配設された現像ロール12とを備える。現像ハウジング10内には、前記トナーと前述の好ましい実施形態に係る磁性キャリアとで構成される二成分系現像剤Dが充填されており、攪拌パドル14、攪拌スクリュー16が回転駆動されることで、トナーと磁性キャリアとが攪拌されてトナーが磁性キャリアに静電吸着する。そして、磁性キャリアにトナーが付着した現像剤は、磁性を有する現像剤搬送ロール18に磁力で吸着されて現像ロール12へ搬送され、マグネットロールである現像ロール12に磁力で吸着される。そして、電子写真感光体107に面した現像ロール12に現像バイアスが印加されて、トナーが、現像ロール12から電子写真感光体107上のレーザーが照射された部分に転移する。
現像剤ハウジング10の図面上方には、トナー補給装置22が配設される。トナー補給装置22は、補給用トナーTを収容するトナーカートリッジ24と、トナーカートリッジ24と現像剤ハウジング10とを接続するとともに開閉可能に形成されたカートリッジ補給流路26とを備える。トナーカートリッジ24に収容されたトナーは、カートリッジ補給流路26を通って現像剤ハウジング10に補給される。
尚、トナー濃度制御手段は以下のように作用する。
現像剤ハウジング10の底面近傍における現像ロール12に対向する側には、前記現像剤の透磁率を測定して現像剤トナー濃度を求めるATCセンサー(透過率測定機構)20が配設されている。ATCセンサー20によって、現像剤ハウジング10内に収納された現像剤Dの透磁率を検出することにより、現像剤Dのトナー濃度(=[トナー/(トナー+キャリア)]×100)に対応する検出信号を画像形成装置の制御部(図示省略)へ出力する。
検出された検出値が現像剤トナー基準濃度よりも低いときには、前記トナー補給手段によって現像器にトナーを補給する。なお、一般的には、現像剤ハウジング10内で循環している現像剤Dは、そのトナー濃度が概ね5〜12質量%の範囲内で設定されている。
図6は画像形成装置の他の実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。図6に示す画像形成装置200は、中間転写方式のカラー画像を形成する画像形成装置である。
画像形成装置200は、ハウジング400内において4つの電子写真感光体(潜像保持体)401a〜401dが中間転写ベルト409に沿って相互に並列に配置されている。電子写真感光体401a〜401dは、例えば、電子写真感光体401aがイエロー、電子写真感光体401bがマゼンタ、電子写真感光体401cがシアン、電子写真感光体401dがブラックの色からなる画像をそれぞれ形成することが可能である。
電子写真感光体401a〜401dのそれぞれは所定の方向(紙面上は反時計回り)に回転可能であり、その回転方向に沿って帯電ロール402a〜402d、現像装置404a〜404d、1次転写ロール410a〜410d、クリーニングブレード415a〜415dが配置されている。現像装置(現像手段)404a〜404dのそれぞれにはトナーカートリッジ405a〜405dに収容されたブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーが供給可能であり、また、1次転写ロール(転写手段)410a〜410dはそれぞれ中間転写ベルト409を介して電子写真感光体401a〜401dに接触している。
さらに、ハウジング400内の所定の位置には露光装置403が配置されており、露光装置403から出射された光ビームを帯電後の電子写真感光体401a〜401dの表面に照射することが可能となっている。これにより、電子写真感光体401a〜401dの回転工程において帯電、露光、現像、1次転写、クリーニングの各工程が順次行われ、各色のトナー像が中間転写ベルト409上に重ねて転写される。
中間転写ベルト409は、駆動ロール406、バックアップロール408及びテンションロール407により所定の張力をもって支持されており、これらのロールの回転によりたわみを生じることなく回転可能となっている。また、2次転写ロール413は、中間転写ベルト409を介してバックアップロール408と接触するように配置されている。バックアップロール408と2次転写ロール413とで挟持される領域を通った中間転写ベルト409は、例えば駆動ロール406に接触して配置されたクリーニングブレード416により清浄面化された後、次の画像形成プロセスに繰り返し供される。
また、ハウジング400内の所定の位置には被転写体収容部411が設けられており、被転写体収容部411内の紙などの被転写体500が移送ロール412により中間転写ベルト409と2次転写ロール413とで挟持される領域、さらには相互に接触する2個の定着ロール414で挟持される領域に順次移送された後、ハウジング400の外部に排紙される。
図6に示す画像形成装置200においても、現像装置404a〜404dは図5に示す現像装置で構成され、現像剤ハウジング10内に、樹脂被覆層を有する磁性粉分散型キャリアを含む前述の二成分系現像剤を収容する。
<プロセスカートリッジ>
図7は、静電潜像現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ300は、感光体207とともに、帯電ローラ208、現像装置211、感光体クリーニング装置(クリーニング手段)213、露光のための開口部218、及び、除電露光のための開口部217を取り付けレール216を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。
そして、このプロセスカートリッジ300は、転写装置212と、定着装置215と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。なお、500は記録紙(被転写体)である。
図7で示すプロセスカートリッジでは、帯電装置208、現像装置211、クリーニング装置(クリーニング手段)213、露光のための開口部218、及び、除電露光のための開口部217を備えているが、これら装置は選択的に組み合わせることが可能である。上記プロセスカートリッジでは、現像装置211のほかには、感光体207、帯電装置208、クリーニング装置(クリーニング手段)213、露光のための開口部218、及び、除電露光のための開口部217から構成される群から選択される少なくとも1種を備える。
以下、実施例を用いてより詳細に説明するが、特にこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中において「部」及び「%」は、特に断りのない限り「質量部」及び「質量%」を意味する。
≪キャリア用芯材の作製≫
<芯材(1)の形成>
ヘンシェルミキサーに、0.3μm(体積平均粒径)の球状マグネタイト粒子粉末500部を投入し、攪拌した後、チタネート系カップリング剤2.0部を添加し、100℃まで昇温し30分間よく混合攪拌することによりチタネート系カップリング剤被覆された0.3μmの球状マグネタイト粒子(キャリア中の分散物)を得た。
次に、1Lの四つ口フラスコに、フェノール57部、40%ホルマリン70部、親油化処理された上記球状マグネタイト粒子500部、30%アンモニア水14部、及び水70部を攪拌混合した。次に、攪拌しながら60分間で85℃に上昇させ、同温度で120分間反応させた。その後、25℃まで冷却し、500部の水を添加した後、上澄み液を除去、沈殿物を水洗した。これを減圧下、160℃で乾燥して粒径36μmの芯材(1)を得た。
<芯材(2)の形成>
フェノール量を70部に、40%ホルマリン量を88部に、30%アンモニア水量を24部に、水量を98部に変更する以外は上記芯材(1)の形成に記載の製法にて中心粒径38μmの芯材(2)を得た。
<芯材(3)の形成>
球状マグネタイト粒子粉末を0.1μmのものに変更し、またフェノール量を80部に、40%ホルマリン量を110部に、30%アンモニア水量を37部に、水量を105部に変更する以外は上記芯材(1)の形成に記載の製法にて中心粒径38μmの芯材(3)を得た。
<芯材(4)の形成>
原料としてMnO29部、MgO2部、Fe65部を十分混合し、これら原料混合物を湿式ボールミルで10時間混合、粉砕後、ロータリーキルンを用いて原料を微細に粉砕、分散を行い、900℃で1時間保持し、仮焼成を行った。こうして得られた仮焼成物を湿式ボールミルで10時間粉砕し平均粒径0.9μmの酸化物スラリーを得た。得られたスラリーに分散剤及びポリビニルアルコールを適量(酸化物スラリー100%に対して0.3%)添加し、次いでスプレードライヤーにより造粒、乾燥をした後、ロータリー電気炉で温度1100℃、酸素濃度0.3%の条件で6時間保持し本焼成を行った。得られたフェライト粒子を磁力選鉱、混合し、中心粒径36μmの芯材(4)を得た。
<芯材(5)の形成>
焼成温度を1100℃から1300℃に変更する以外は上記芯材(4)の形成に記載の製法にて中心粒径36μmの芯材(5)を得た。
<芯材(6)の形成>
原料をCuO25部、MgO20部、Fe65部に変更する以外は上記芯材(5)の形成に記載の製法にて中心粒径37μmの芯材(6)を得た。
[実施例1]
(被覆層形成用原料溶液の調製)
下記成分を60分間スターラーにて攪拌/分散し、被覆層形成用原料溶液1を調製した。
トルエン 85部
スチレン−メタクリレート共重合体(成分比30:70) 15部
カーボンブラック 1.8部
(キャボット社製、商品名:R330)
(キャリアの製造)
被覆層形成原料溶液1を15部と芯材(1)100部とを真空脱気型ニーダに入れ、装置温度90℃にて10分攪拌した後、50kPaでコア温度が85℃になるまで攪拌し、30分間、96kPaにて脱気、乾燥させた。尚、装置の回転数は20rpmで実施した。更に目開き75μmのメッシュを通すことによりキャリアを作製した。
こうして、長さ;21.5μm、幅;2.3μm、高さ;2.5μmの凸部を有するキャリアを得た。
[実施例2]
(キャリアの製造)
被覆層形成原料溶液1の量を6部に変更する以外は実施例1に記載の製法にてキャリアを作製した。
こうして、長さ;16.1μm、幅;1.5μm、高さ;1.1μmの凸部を有するキャリアを得た。
[実施例3]
被覆層形成原料溶液1を18部と芯材(4)100部とを真空脱気型ニーダに入れ、装置温度90℃にて10分攪拌した後、50kPaでコア温度が85℃になるまで攪拌し、30分間、96kPaにて脱気、乾燥させた。尚、装置の回転数は40rpmで実施した。更に目開き75μmのメッシュを通すことによりキャリアを作製した。
こうして、長さ;25.4μm、幅;3.1μm、高さ;4.5μmの凸部を有するキャリアを得た。
[実施例4]
被覆層形成原料溶液1の量を9部に、芯材(4)を芯材(1)に、かつ装置の回転数を60rpmに変更する以外は実施例3に記載の製法にてキャリアを得た。
こうして、長さ;10μm、幅;3.7μm、高さ;2.0μmの凸部を有するキャリアを得た。
[実施例5]
(被覆層形成用原料溶液の調製)
下記成分を60分間スターラーにて攪拌/分散し、被覆層形成用原料溶液2を調製した。
トルエン 85部
スチレン−メタクリレート共重合体(成分比30:70) 15部
カーボンブラック 1.8部
(キャボット社製、商品名:R330)
四級アンモニウム含有化合物 0.005部
(オリエント化学工業社製 商品名:BONTORON P−51)
(キャリアの製造)
被覆層形成原料溶液2を18部と芯材(4)100部とを真空脱気型ニーダに入れ、装置温度90℃にて10分攪拌した後、50kPaでコア温度が85℃になるまで攪拌し、30分間、96kPaにて脱気、乾燥させた。尚、装置の回転数は40rpmで実施した。更に目開き75μmのメッシュを通すことによりキャリアを作製した。
こうして、長さ;28.3μm、幅;3.5μm、高さ;4.2μmの凸部を有するキャリアを得た。
[実施例6]
(被覆層形成用原料溶液の調製)
四級アンモニウム含有化合物量を0.010部に変更する以外は被覆層形成用原料溶液2に記載の調製法で被覆層形成用原料溶液3を調製した。
(キャリアの製造)
用いる被覆層形成原料溶液を、上記被覆層形成原料溶液3(15部)に変更する以外は実施例5に記載の製法にてキャリアを得た。
こうして、長さ;18.2μm、幅;2.6μm、高さ;3.2μmの凸部を有するキャリアを得た。
[実施例7]
芯材を芯材(2)に変更する以外は実施例1に記載の製法にてキャリアを得た。
長さ;17.3μm、幅;1.8μm、高さ;2.4μmの凸部を有するキャリアを得た。
[実施例8]
(キャリアの製造)
実施例1において、芯材に対する被覆層形成原料溶液1の含有量を18部に、芯材を芯材(4)に、装置の回転数を40rpmに、乾燥時間を60分に変更した以外は、実施例1に記載の方法によりキャリアを作製した。
こうして、長さ;14.1μm、幅;2.6μm、高さ;0.8μmの凸部を有するキャリアを得た。
[実施例9]
(被覆層形成用原料溶液の調製)
四級アンモニウム含有化合物量を0.040部に変更する以外は被覆層形成用原料溶液2に記載の調製法で被覆層形成用原料溶液4を調製した。
(キャリアの製造)
被覆層形成原料溶液4を18部と芯材(4)100部とを真空脱気型ニーダに入れ、装置温度85℃にて10分攪拌した後、50kPaでコア温度が74℃になるまで攪拌し、96kPaにて脱気、乾燥させた。尚、装置の回転数は10rpmで実施した。更に目開き75μmのメッシュを通すことによりキャリアを作製した。
こうして、長さ;36μm、幅;3.8μm、高さ;1.8μmの凸部を有するキャリアを得た。
[実施例10]
実施例1において、芯材に対する被覆層形成原料溶液1の含有量を18部に、芯材を芯材(5)に、装置の回転数を40rpmに変更した以外は、実施例1に記載の方法によりキャリアを作製した。
こうして、長さ;10.6μm、幅;4.2μm、高さ;5.3μmの凸部を有するキャリアを得た。
[実施例11]
実施例1において、芯材に対する被覆層形成原料溶液1の含有量を15部に、芯材を芯材(3)に、装置の回転数を10rpmに変更した以外は、実施例1に記載の方法によりキャリアを作製した。
こうして、長さ;35.0μm、幅;3.3μm、高さ;1.3μmの凸部を有するキャリアを得た。
[比較例1]
(キャリアの製造)
実施例1において、装置温度85℃にて10分攪拌した後、50kPaでコア温度が74℃になるまで攪拌し、30分間、96kPaにて脱気、乾燥させ、且つ回転数を60rpmとした以外は、実施例1に記載の方法によりキャリアを作製した。
こうして、長さ;7.8μm、幅;3.3μm、高さ;1.5μmの凸部を有するキャリアを得た
[比較例2]
比較例1において、芯材に対する被覆層形成原料溶液1の含有量を18部に、芯材を芯材(6)に変更した以外は、比較例1に記載の方法によりキャリアを作製した。
こうして、長さ;3.6μm、幅;3.4μm、高さ;0.8μmの凸部を有するキャリアを得た。
表1に実施例及び比較例の測定値を示した。

〔実機評価〕
(現像剤の製造)
トナーとしてスチレン−ブチルアクリレート共重合体(重量平均分子量Mw=150,000、共重合比80:20)100部、カーボンブラック(モーガルL:キャボット社製)5部、及びカルナウバワックス6部の混合物をエクストルーダで混練し、ジェットミルで粉砕後、温風による球形化処理をクリプトロン(川崎重工製)にて実施し、風力式分級機で分級して粒子径6.2μmのトナー粒子を得た。このトナー粒子100部に対してコロイダルシリカ(日本アエロジル社製R972)1.2部及び粒径0.6μmのコロイダルリシカ0.3部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して外添トナー粒子を得た。
前記実施例および比較例のキャリア100部に対し、該トナーを9部添加し、容積5LのV型ブレンダーに入れ回転数30rpmで20分間攪拌して、現像剤を得た。
Docu CenterColor400(富士ゼロックス社製)に現像剤を装填し、以下の試験を実施した。
低温低湿(15℃,15%RH)の環境下でA4用紙に 5cm×5cmパッチが画像密度5%となるプリントサンプルを用い、1000枚、2000枚、3500枚、5000枚の走行を行った。夫々のプリントサンプル後、A3の画像濃度50%の全面ハーフトーンを10枚走行させた。
〜筋状濃度ムラの評価〜
A3ハーフトーン10枚目の濃度を10箇所、画像濃度計(X−Rite404A:X−Rite社製)を用いて測定し画像濃度とした。夫々の測定値の最大値と最小値の差が、0.3未満を◎、0.3以上0.5未満を○、0.5以上0.8未満を△、0.8以上を×とした。

(A)〜(C)は、実施形態におけるキャリアの凸部を横方向から撮影した画像である。 (A)〜(C)は、実施形態におけるキャリアの凸部を真上方向から撮影した画像である。 (A)〜(C)は、実施形態におけるキャリアの凸部を真上方向から撮影した画像である。 実施形態における画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 実施形態における現像器の断面図である。 実施形態における画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 実施形態におけるプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
符号の説明
10 現像剤ハウジング
12 現像ロール
14 攪拌パドル
16 攪拌スクリュー
18 現像剤搬送ロール
20 ATCセンサー
100、200 画像形成装置
107、207、401a、401b、401c、401d 電子写真感光体(像保持体)
108、208、402a、402b、402c、402d 帯電装置
110、403 露光装置
111、211、404a、404b、404c、404d 現像装置(現像手段)
112、212 転写装置(転写手段)
115、215、414 定着装置(定着手段)
216 取り付けレール
217 除電露光のための開口部
218 露光のための開口部
300 プロセスカートリッジ
500 被転写体

Claims (11)

  1. 芯材と、該芯材を被覆し少なくとも表面に凸部を有する被覆層と、を有し該凸部は前記被覆層の厚みの差により形成されており、該凸部の長さ/幅の比が2.5倍以上であることを特徴とする静電潜像現像用キャリア。
  2. 前記凸部の高さが1μm以上5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用キャリア。
  3. 前記凸部の長さが5μm以上35μm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電潜像現像用キャリア。
  4. 磁性を有する芯材の表面に、樹脂を含有する被覆層を形成してなり、キャリア全体における含水分率が0.1質量%以上1.0質量%以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の静電潜像現像用キャリア。
  5. 円形度が0.975以上であることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の静電潜像現像用キャリア。
  6. 真比重が3.2g/cm以上4.5g/cm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の静電潜像現像用キャリア。
  7. 少なくともトナーと、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の静電潜像現像用キャリアと、を含有することを特徴とする静電潜像現像剤。
  8. 前記トナーが、平均粒子径0.5μm以上の添加剤を添加されていることを特徴とする請求項7に記載の静電潜像現像剤。
  9. 静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段を少なくとも備えた画像形成装置に対して着脱可能であり、前記現像手段に供給するための現像剤として請求項7または請求項8に記載の静電潜像現像剤を収納することを特徴とする現像剤カートリッジ。
  10. 静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段を少なくとも備え、且つ前記現像手段に供給するための現像剤として請求項7または請求項8に記載の静電潜像現像剤を収納することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  11. 潜像保持体と、該潜像保持体表面に形成された静電潜像を、請求項7または請求項8に記載の静電潜像現像剤を用いトナー像として現像する現像手段と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写手段と、被転写体表面に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、前記潜像保持体表面を清掃部材で摺擦し転写残留成分を清掃する清掃手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
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