JP4164332B2 - 現像装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法において、電子写真感光体或いは静電記録誘電体の如き潜像保持体に形成された静電潜像を現像して顕像化する際に用いられる現像剤担持体が用いられている現像装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナー(現像剤)で現像を行なって可視像とし、必要に応じて紙等の転写材にトナー像を転写した後、熱・圧力等により転写材上にトナー画像を定着して複写物を得るものである。
【0003】
一般にかかる静電潜像をトナーを用いて現像する方法としては大別してトナーとキャリアとを混合した二成分系現像剤を用いる方法と、キャリアを用いることなくトナー単独で潜像を現像する所謂一成分系現像剤を用いる方法とがある。
【0004】
ところで、電子写真法は、文書複写としては一応満足できるレベルに達しているものの、コンピュータの発達やハイビジョンの発達等により、フルカラー画像の出力画像に対しては、デジタル画像処理、現像時に交番電界印加等の種々の手法により、高画質化及び高品位化が計られている。更に今後も更なる高画質化及び高品位化が望まれる。
【0005】
一般に静電荷像をトナーを用いて現像する方法のうち、トナーとキャリアとを混合した二成分系現像剤が高画質を要求されるフルカラー複写機又はプリンタには好適に用いられている。この現像方法においては、上記キャリアは摩擦帯電により適当量の正又は負の帯電をトナーに付与し、また、該摩擦帯電の静電引力により、その表面にトナーを担持する。
【0006】
トナーとキャリアとを有する現像剤は、磁石を内包する現像スリーブ上に現像剤層厚規制部材により所定の層厚にコートされ、磁気力を利用することによって、静電荷像担持体(感光体)と上記現像スリーブとの間に形成される現像領域に搬送される。感光体と現像スリーブとの間には、ある所定の現像バイアスが印加されており、上記トナーによって、該現像領域において上記感光体上の静電潜像が現像される。
【0007】
一般にかかる二成分系現像剤を構成するキャリアは、鉄粉に代表される導電性キャリアと、鉄粉、ニッケル、フェライトの如き磁性粒子の表面を絶縁性樹脂により被覆した所謂絶縁性キャリアに大別される。高画質化を計るために交番電界を印加する場合、キャリアの抵抗が低いと潜像電位をキャリアがリークし、良好な現像画像を得られなくなるため、キャリアとしてはある程度以上の抵抗が必要である。キャリアコアが導電性の場合、キャリアコアをコートして用いるのが好ましい。また、抵抗がある程度高いフェライト、磁性体分散型樹脂粒子等がコア材として好ましく用いられている。
【0008】
一般に、鉄粉は、高磁気力のため、現像剤中のトナーが潜像を現像する現像領域において、現像剤の磁気ブラシが硬くなるために、画像にはき目を生じたり、ガサツキ等を生じたりするために高画質な現像画像を得ることが困難である。そこで、キャリアの磁気力を低くして高画質化を計るためにもフェライトや磁性体分散型樹脂キャリアが好ましく用いられている。
【0009】
更に、磁性体分散型樹脂キャリアの場合、比重が鉄粉やフェライトよりも小さいため、単位体積あたりの磁化の強さがより小さくなることに加え、トナーに対するシェアも少ないので、高画質化に加えて高現像剤耐久性が達成できる。よって、抵抗がある程度高い磁性体分散型樹脂微粒子がキャリアとして好ましく用いられている。
【0010】
一方、上述したような従来の二成分現像方式に用いられる現像剤担持体は、例えば、金属、合金又は金属化合物を円筒状に成型し、その表面を電解、ブラスト、ヤスリ等で所定の表面粗度になるようにして現像剤担持体に凹凸を付与し、現像剤の搬送性を向上するための処理を施したものが用いられている。そのうち、現像剤担持体としてはアルミの材質を用いたスリーブが、加工性及び安価なコストの点から好ましく用いられる。
【0011】
しかし、加工性の良い金属、合金又は金属化合物を使用した場合、ブラスト時にスリーブが変形し易く、画像ムラが生じ易くなる。更に多数枚複写した場合に、現像剤を前記現像剤層厚規制部材で現像スリーブ上に所定の層厚にコートする際、現像剤との摺擦によりスリーブ表面の凹凸の凸部が摩耗するとともに、トナーの微粉や外添剤が静電気的・熱的に徐々にスリーブ表面上へ付着して、特に表面の凹部への汚染が発生し出すため、現像スリーブの表面粗さが実質上小さくなり、現像剤の搬送性が低下してしまう。
【0012】
また、耐摩耗性に優れているステンレス鋼からなる材料を用いて表面に凹凸を付与したスリーブでも、多数枚複写によるトナーの微粉や外添剤によるスリーブ表面への汚染は、現像剤の搬送性の低下を十分に満足できる状態にまで軽減できていない。このように現像スリーブ上の現像剤を所望の単位面積当たりの質量(以下M/Sと称す)に安定して現像スリーブ上にコートすることは、従来の現像スリーブでは困難であった。しかし、現像スリーブ上のM/Sの量は、画像濃度等の画像品質に密接に関係しており、所望のM/Sを長期にわたり安定に得ることが高品質な画質を長く維持するために重要になっている。
【0013】
そして近年、更なる転写性の向上及び画質の向上を目的として、トナーの形状をほぼ球形化したものが開発されている。このトナーはその形状因子により、感光ドラムとの離型性が良く、その結果高い転写効率が得られ、特に高濃度の大面積画像が高品位となる。一方、このトナーを用いて二成分現像を行うと、トナーの形状が球形に近いためにスリーブと現像剤との摩擦係数μが低くなってしまい、従来の現像スリーブでは現像剤の搬送性が不十分である。更に球形トナーはトナーの外添剤が遊離し易くなるので、遊離した外添剤や外添剤の付着が少ないトナー粒子がスリーブ表面に汚染し易くなり、従来の現像スリーブではより一層、現像スリーブ上のM/Sを安定にコートすることが困難になってきている。
【0014】
上記のようなトナーによる現像スリーブの汚染は、前記した磁性微粒子分散型樹脂キャリアを用いると、キャリアの低比重化、キャリア粒子形状に歪みが少ない球状化が容易であるので、現像剤を前記現像剤層規制部材で現像スリーブ上に所定の層厚にする際に現像剤及び現像剤担持体にかかる負荷が軽減し、スリーブ表面のトナー汚染や摩耗はある程度軽減されるものの、現像剤の搬送性の低下を十分に満足できる状態にまで軽減できておらず、更なる改良が望まれている。
【0015】
一方、現像剤担持体としては、現像剤の静電気的な強固な付着から発生するトナー汚染を防止するため、摩擦帯電可能な樹脂中にカーボンブラックやグラファイトの如き導電性物質や固体潤滑剤を分散させた樹脂被覆層を上記現像剤担持体基体上に形成する方法が特許文献1等に開示されている。
【0016】
しかしながら、上記の様に、カーボンブラックやグラファイトを添加した樹脂被覆層を設けたスリーブを二成分現像装置に用いた場合、トナーによるスリーブ表面の汚染は軽減されるものの、現像スリーブ上の樹脂被覆層の耐磨耗性が不十分であるため、多数枚画出しにおいて樹脂被覆層表面の摩耗による表面粗さの低下が発生し易く、現像スリーブ上のトナー搬送性を安定して維持し難くなっている。
【0017】
【特許文献1】
特開平01−277265号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、磁性キャリアと非磁性トナーとからなる二成分系現像剤を用いる現像装置において、多数枚の画出しにおいても現像剤担持体表面でのトナー搬送性が変化しにくく、且つトナー汚染も発生しにくい現像装置、該現像装置を用いた画像形成装置及び該現像装置を用いたプロセスカートリッジを提供することにある。
【0019】
即ち、本発明の目的は、現像剤担持体上の現像剤が、繰り返しの画出しにおいても、安定且つ適正な電荷を有し、均一で画像にスジやムラがなく、画像濃度低下やゴーストの発生のない、高品位の画像を得ることのできる現像装置、該現像装置を用いた画像形成装置及び該現像装置を用いたプロセスカートリッジを提供することにある。
【0020】
更に、本発明の目的は、加工性が良く低コストな現像剤担持体基体を用いた場合でも、耐磨耗性に優れ、あらゆる環境下においける長期耐久においても、安定な画像が得られる現像装置、該現像装置を用いた画像形成装置及び該現像装置を用いたプロセスカートリッジを提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明の構成によって達成される。
【0022】
即ち、本発明は、磁性キャリアと非磁性トナーとからなる二成分系現像剤を収容している現像剤容器を有し、該現像剤容器に収容されている二成分系現像剤を現像剤担持体により静電潜像保持体と対向する現像領域へ担持搬送し、該潜像保持体に形成された潜像を可視像化するための現像装置において、
該磁性キャリアは、重量平均粒径が15〜60μm、真比重が1.5以上5.0以下であって、
該現像剤担持体は、少なくとも基体及び該基体表面に形成された樹脂被覆層を有し、
該樹脂被覆層は、少なくとも熱或いは光硬化性樹脂からなる結着樹脂、及び該樹脂被覆層表面に凹凸を形成するための固体粒子を含有し、体積抵抗率が10 4 Ω・cm以下であり、
該固体粒子は、カーボンブラック分散スチレン−アクリル樹脂またはポリメチルメタクリレートからなる樹脂粒子または無機粒子であって、個数平均粒径が、3.3μm以上19.8μm以下であり、かつ、下記式(1)で計算された値の平均値である平均円形度が0.64以上を満たし、
円形度=(4×A)/{(ML)2×π} (1)
[式中、MLは粒子投影像のピタゴラス法最大長を表し、Aは粒子像の投影面積を表す。]且つ
共焦点光学系レーザーを用いて測定した該樹脂被覆層の表面形状において、測定全領域における凹凸を有する被覆層の凹部の底部から凸部の頂点までの高さの平均値を基準高さとし、その基準高さから0.1×r(r:該磁性キャリアの重量平均粒径(μm))を超える凸部分が占める表面積の割合をS(%)とした場合、下記条件
S≧5.0
を満足し、更に
該樹脂被覆層表面の十点平均粗さをRz(μm)、平均線高さをRp(μm)及び平均線深さをRv(μm)とした場合、下記条件
Rp/Rv≧1.2、Rz/Rv≧2.0及びr/Rp≦6.0
を満足することを特徴とする現像装置に関する。
【0023】
また、本発明は、(i)静電荷潜像を保持するための静電潜像保持体、及び(ii)該静電荷潜像を現像領域で現像剤によって現像し、現像画像を形成するための現像装置を少なくとも有する画像形成装置において、
上記現像装置は、上記構成の現像装置であることを特徴とする画像形成装置を提供する。
【0024】
また、本発明は、画像形成装置本体に脱着可能なプロセスカートリッジにおいて、
該プロセスカートリッジは、該静電潜像を現像領域で現像剤によって現像し、現像画像を形成するための現像装置を少なくとも有しており、
上記現像装置が上記構成の現像装置であることを特徴とするプロセスカートリッジを提供する。
【0025】
本発明者らは、前記の課題について鋭意検討を行った結果、磁性キャリアと非磁性トナーとからなる二成分系現像剤を用いた現像装置において、現像剤担持体表面の樹脂被覆層を、凹凸を付与する固体粒子を結着樹脂中に分散させ、且つ前記条件を満足するような構成にすることにより、従来の現像装置より格段に現像剤担持体上のトナー搬送性を安定化する効果を見出したのである。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施態様を挙げて本発明を更に詳しく説明する。先ず、本発明の現像剤担持体を構成する基体表面に被覆された樹脂被覆層に用いられる固体粒子について説明する。現像剤担持体表面に被覆された樹脂被覆層に、ある程度の粒径を持った固体粒子を添加することにより、キャリアに対して樹脂被覆層表面に均一な凹凸を形成保持させるとともに、被覆層表面の凹凸に比べ大きな粒径を持つキャリア粒子を安定に搬送することができる。
【0027】
本発明においては樹脂被覆層に導電性を持たせる場合、カーボンブラックや固体潤滑剤として兼用させるグラファイト粒子等を添加する場合があり、これらの粒子の添加においても微小な凹凸は初期においては形成されるが、キャリア若しくは現像剤に含まれる磁性体や研磨剤等の外添剤等の影響によって粒子の削れ・脱落が起こり易く、耐久においてこれらの表面凹凸を維持することは不可能である。本発明において表面形状は耐久においても維持されていなければならず、従って添加される固体粒子は上記の削れに耐え得るものでなくてはならない。
【0028】
前記本発明の構成により、現像剤担持体上のキャリアやトナーに含まれる磁性体や研磨剤等の外添剤、更には現像剤層厚規制部材等からの力を受け、被覆樹脂分等が削れたとしても、又はその影響で粒子自身が脱落したとしても樹脂層中から粒子が再度突出或いは露出してくることで表面の凹凸形状の変化を小さく抑えることができる。
【0029】
本発明に用いられる固体粒子としてはポリメチルメタクリレートまたはカーボンブラック分散スチレン−アクリル樹脂からなる樹脂粒子、炭素系粒子、金属粒子、酸化セリウム、酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の金属酸化物粒子、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化チタン等の窒化物、炭化珪素、炭化チタン、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化バナジウム、炭化ジルコニウム等の炭化物、ホウ化ジルコニウム、ホウ化チタン、ホウ化珪素、ホウ化タングステン等のホウ化物、シリカ、アルミナ等の無機粒子を用いる。これらの表面粗さを安定化させるために用いる粒子の添加量は、結着樹脂100質量部に対して1〜100質量部の範囲とすることが好ましい。
【0030】
更に、本発明に用いられる固体粒子は、下記(1)式より求められる平均円形度が0.64以上であることが好ましい。平均円形度が0.64未満である場合には、被覆層中への固体粒子の分散性が低下すると共に、被覆層への凹凸が付けにくくなり、被覆層表面粗さが不均一化になりやすく、トナーの迅速且つ均一な帯電化及び導電性被覆層の耐磨耗性や強度の点で好ましくない。
【0031】
本発明において、黒鉛化粒子の平均円形度は下記(1)式
円形度=(4×A)/{(ML)2×π} (1)
[式中、MLは粒子投影像のピタゴラス法最大長を表し、Aは粒子像の投影面積を表す。]
で計算された値の平均値を意味する。
【0032】
本発明において、上述した平均円形度を求めるための具体的な手法としては、光学系により拡大された固体粒子投影像を画像解析装置に取り込み、個々の粒子についての円形度の値を算出し、これらを平均することにより求められる。
【0033】
なお、本発明においては、平均値として信頼性が得られ、また、樹脂被覆層への特性に与える影響が大きい円相当径2μm以上の粒子範囲に限定して円形度を測定している。また、これらの値の信頼性を得るために測定粒子数は3000個程度以上、好ましくは5000個以上を測定する。
【0034】
このように多数の固体粒子の円形度の解析を効率的に行うことが可能な具体的な測定装置としては、マルチイメージアナライザー(ベックマン・コールター社製)がある。
【0035】
マルチイメージアナライザーは、電気抵抗法による粒度分布測定装置に、CCDカメラにより粒子像を撮影する機能と撮影された粒子像を画像解析する機能を組み合わせたものである。詳細には、電解質溶液中に超音波等により均一に分散した測定粒子を、電気抵抗法による粒度分布測定装置であるマルチサイザーのアパーチャーを粒子が通過する際の電気抵抗変化で検知し、これに同期してストロボを発光してCCDカメラで粒子像を撮影する。この粒子像をパソコンに取り込み、2値化後、画像解析するものである。
【0036】
本発明に用いられる球状粒子は、公知の球状粒子が使用可能である。例えば、球状の樹脂粒子、球状の金属酸化物粒子、球状の炭素化物粒子等がある。球状の粒子としては、例えば、懸濁重合、分散重合法等による球状の樹脂粒子等が用いられる。
【0037】
球状の樹脂粒子は、より少ない添加量で好適な表面粗さが得られ、更に均一な表面形状が得られ易い。この様な球状粒子としては、ポリアクリレート、ポリメタクリレート等のアクリル系樹脂粒子、ナイロン等のポリアミド系樹脂粒子、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂粒子、シリコン系樹脂粒子、フェノール系樹脂粒子、ポリウレタン系樹脂粒子、スチレン系樹脂粒子、ベンゾグアナミン粒子等々が挙げられる。粉砕法により得られた樹脂粒子を熱的に或いは物理的な球形化処理を行ってから用いてもよい。
【0038】
図1は、基体105上に凹凸を形成するための固体粒子110が結着樹脂107中に分散され表面樹脂被覆層106を形成している様子を示す断面の模式図の一例である。109は樹脂被覆層に導電性を与えるために添加された導電性微粉末であり、ここでは実質的な凹凸形成には寄与していない。110の固体粒子によって樹脂被覆層表面に比較的大きな凹凸を与えており、108は別の固体粒子を示し微小な凹凸付与と共に摩擦帯電電荷を付与する役割も果たしている例である。特にこのような形態で用いる場合、これら凹凸を形成するための固体粒子の中では特に導電性の粒子を用いることが好ましい。
【0039】
即ち、粒子に導電性を持たせることによって、その導電性のゆえに粒子表面にチャージが蓄積しにくく、トナー付着の軽減やトナーの帯電付与性を向上させることができるからである。
【0040】
本発明において、粒子の導電性としては、体積抵抗値が106Ω・cm以下、より好ましくは10−3〜106Ω・cmの粒子であることが好ましい。このような粒子の体積抵抗が106Ω・cmを超えると、摩耗によって被覆層表面に露出した球状粒子を核としてトナーの汚染や融着を発生し易くなるとともに、迅速且つ均一な帯電が行われにくくなる。更には粒子の真密度としては3000kg/m3程度以下であることがより好ましい。
【0041】
導電性であっても、粒子の真密度が高すぎる場合、同じ粗さを形成するための添加量が増加してくることと、樹脂又は樹脂組成物と真密度差が大きくなるため、製造時の粒子の分散状態が非均一となり易く、従って形成された被覆層においても分散状態が不均一となり好ましくない。また、粒子が球状であると、圧接される現像剤規制部材等との接触面積が低減されるので、摩擦力によるスリーブ回転トルクの増加や、トナーの付着等を軽減することができるのでより好ましい。特に下記に示すような導電性の球状粒子を用いた場合には、より良い効果が得られる。
【0042】
即ち、特に好ましい導電性球状粒子を得る方法としては、例えば、樹脂系球状粒子やメソカーボンマイクロビーズを焼成して炭素化及び/又は黒鉛化して得た低密度且つ良導電性の球状炭素粒子を得る方法が挙げられる。そして、樹脂系球状粒子に用いられる樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリルが挙げられる。また、メソカーボンマイクロビーズは、通常、中ピッチを加熱焼成していく過程で生成する球状結晶を多量のタール、中油、キノリンの如き溶剤で洗浄することによって製造することができる。
【0043】
より好ましい導電性球状粒子を得る方法としては、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリルの如き球状樹脂粒子表面に、メカノケミカル法によってバルクメソフェーズピッチを被覆し、被覆された粒子を酸化性雰囲気化で熱処理した後に不活性雰囲気下又は真空下で焼成して炭素化及び/又は黒鉛化し、導電性球状炭素粒子を得る方法が挙げられる。この方法で得る球状炭素粒子は、黒鉛化すると得られる球状炭素粒子の被覆部の結晶化が進んだものとなるので導電性が向上し、より好ましい。
【0044】
上記した方法で得られる導電性の球状炭素粒子は、いずれの方法でも、焼成条件を変化させることによって、得られる球状炭素粒子の導電性を制御することが可能であり、本発明において好ましく使用される。また、上記の方法で得られる球状炭素粒子は、場合によっては、更に導電性を高めるために導電性球状粒子の真密度が大きくなりすぎない範囲で、導電性の金属及び/又は金属酸化物のメッキを施していてもよい。
【0045】
固体粒子の個数平均粒径は3.3〜19.8μmである。固体粒子の個数平均粒径が2μm未満の場合、樹脂被覆層に均一な凹凸を形成する効果が少なく樹脂被覆層の磨耗により、現像剤の搬送性の低下が起こり易いため好ましくない。個数平均粒径50μmを超える場合には、樹脂被覆層表面の凹凸が大きすぎるために、規制が不十分で現像剤の搬送が不均一となって、画像にスジ・濃度ムラ等が発生し易くなる。また、現像剤にかかる摺擦力が強くなり、耐久時の現像剤の劣化及び樹脂被覆層表面へのトナー汚染が発生し易くなるとともに、樹脂被覆層の機械的強度も低下してしまうため好ましくない。
【0046】
固体粒子の粒径測定はレーザー回折型粒度分布計のコールターLS−230型粒度分布計(ベックマンコールター社製)を用いて測定を行った。測定方法としては、水系モジュールを用い、測定溶媒としては純水を使用する。純水にて粒度分布計の測定系内を約5分間洗浄し、消泡剤として測定系内に亜硫酸ナトリウムを10〜25mg加えて、バックグラウンドファンクションを行う。次に純水10ml中に界面活性剤3〜4滴を加え、更に測定試料を5〜25mg加える。試料を懸濁した水溶液は超音波分散機で約1〜3分間分散処理を行なって試料液を得て、前記測定装置の測定系内に試料液を徐々に加えて、装置の画面上のPIDSが45〜55%になるように測定系内の試料濃度を調整して測定を行い、個数分布から算術した個数平均粒径を得た。
【0047】
樹脂被覆層表面の凹凸形状の測定は、超深度形状測定顕微鏡VK−8500(KEYENCE社製)を用いて行った。本装置は、光源から出たレーザーを対象物にあて、対象物から反射したレーザーを共焦点位置にある受光素子での反射受光量が最大となる対物レンズ位置情報により対象物の形状を測定するものである。
【0048】
測定条件としては、対物レンズを50倍、横方向295μm×縦方向221μmの測定範囲とし、高さ方向のレンズ移動量は0.1μmに設定した。その測定結果を画像解析ソフトVK−H1W(KEYENCE社製)によって解析を行った。測定部全領域での凹凸を有する被覆層の凹部の底部から凸部の頂点までの高さを平均することで、測定部凹凸の平均高さを算出し、その値を基準高さとし、基準高さから0.1×r(μm)を超える凸部分が占める表層面積の割合をS(%)とした。
【0049】
ここで占有面積割合Sは、キャリア粒径r×0.1(μm)の高さで基準面と平行な面によって切断された凸部分の表層面積をS1、測定領域の表層面積をS2とすると、S=S1/S2×100(%)で表わされる。本発明では、5.0≦Sを満足する。ここで、Sが3.0%未満である場合には、現像剤を搬送するのに充分な高さとはならず、搬送安定性を保つことができず、画像濃度の低下等の問題が発生する。
【0050】
樹脂被覆層表面のRz、Rp、Rv等の表面粗さパラメーターの測定は、小坂研究所製のサーフコーダーSE−3500を用いて、送りスピード0.5mm/sec、測定長さ8.0mm、粗さカットオフλc=0.8、オートレベリングオンの条件にて軸方向5点×周方向4点=20点測定し、その平均値をとった。ここで平均線高さRpとは、測定曲線を基準長さ毎に区切り、各基準長さにおいて平均線から最も高い山頂までの長さの最大値を平均したものを、また、平均線深さRvとは、各基準長さにおいて平均線から最も深い谷底までの長さの最大値を平均したものである。
【0051】
Rp/Rvが1.2未満、Rz/Rvが2.0未満及びr/Rpが6.0を超えると、充分な現像剤の搬送性が得られないため長期の画出しにおいて搬送安定性を保つことができず、また、キャリアやトナーとの接触による負荷が増大しトナー汚染・被覆層の削れ等が発生する場合があり、画像濃度の低下等の問題が発生する。
【0052】
現像剤担持体上の樹脂被覆層には、更に潤滑性粒子を併用して分散させて用いることができる。この潤滑性粒子としては、例えば、グラファイト、二硫化モリブデン、窒化硼素、雲母、フッ化グラファイト、銀−セレン化ニオブ、塩化カルシウム−グラファイト、滑石、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩等が挙げられる。
【0053】
これらの潤滑性粒子は、個数平均粒径が好ましくは0.2〜20μm程度、より好ましくは1〜15μmのものを使用する。潤滑性粒子の個数平均粒径が0.2μm未満の場合には、潤滑性が十分に得られ難く好ましくなく、個数平均粒径が20μmを越える場合には、樹脂被覆層の耐摩耗性の点で好ましくない。これらの潤滑性粒子粒径測定は、固体粒子と同様にしてレーザー回折型粒度分布計のコールターLS−230型粒度分布計(ベックマンコールター社製)を用いて測定を行った。
【0054】
表面被覆層を形成する塗料中には、更に被覆層のトナーへの帯電付与能を制御するため帯電制御剤を添加することも可能である。帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等)、高級脂肪酸の金属塩;ブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;チブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類;グアニジン類、イミダゾール化合物が挙げられる。
【0055】
本発明の現像剤担持体を構成する樹脂被覆層の結着樹脂材料としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂等の熱或いは光硬化性樹脂を使用する。なかでもフェノール樹脂のような機械的性質に優れたものがより好ましい。
【0056】
本発明において、現像剤担持体の樹脂被覆層の体積抵抗は、104Ωcm以下、より好ましくは103〜10−2Ωcmである。被覆層の体積抵抗が104Ωcmを越える場合には、トナーのチャージアップが発生し易くなり、樹脂被覆層へのトナー汚染を引き起こし易い。樹脂被覆層の体積抵抗は100μmの厚さのPETシート上に7〜20μmの厚さの被覆層を形成し、ローレスターAP(三菱油化社製)に4端子プローブを取付けて測定した。
【0057】
本発明においては、樹脂被覆層の体積抵抗を調整するため、樹脂被覆層中に上記の固体粒子と併用して、他の導電性微粒子を分散含有させてもよい。この導電性微粒子としては、個数平均粒径が、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.01〜0.8μmのものがよい。この樹脂被覆層中に固体粒子と併用して分散含有させる導電性微粒子の個数平均粒径が1μmを越える場合には、導電性被覆層の体積抵抗を低く制御しづらくなり、トナーのチャージアップ現象によるトナー汚染が発生し易くなる。
【0058】
本発明で使用することのできる導電性微粒子としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック;酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化モリブデン、チタン酸カリ、酸化アンチモン及び酸化インジウム等の金属酸化物等;アルミニウム、銅、銀、ニッケル等の金属、グラファイト、金属繊維、炭素繊維等の無機系充填剤等が挙げられる。
【0059】
ここで導電性微粒子の粒径測定は以下のように行った。電子顕微鏡を用いて、導電性微粒子の粒径を測定する。撮影倍率は6万倍とするが、難しい場合は低倍率で撮影した後に6万倍となるように写真を拡大プリントする。写真上で1次粒子の粒径を測る。この際、長軸と短軸を測り、平均した値を粒径とする。これを、100サンプルについて測定し、50%値をもって平均粒径とした。
【0060】
次に本発明の現像剤担持体について説明する。本発明の現像剤担持体は、主として基体である金属円筒管及びそれを取り巻いて被覆する樹脂層とから構成される。金属円筒管は主として、ステンレススチール及びアルミニウムが好適に用いられる。
【0061】
樹脂被覆層を構成する各成分の構成比について説明するが、これは本発明において特に好ましい範囲である。樹脂被覆層中に分散されている固体粒子の含有量としては、被覆樹脂100質量部に対して好ましくは2〜120質量部、より好ましくは2〜80質量部の範囲で特に好ましい結果を与える。固体粒子の含有量が2質量部未満の場合には固体粒子の添加効果が小さく、必要な凸部が形成されにくい、120質量部を越える場合には固体粒子と樹脂被覆層の密着性が低くなり過ぎて、耐磨耗性が悪化してしまう場合がある。
【0062】
樹脂被覆層中に潤滑性粒子を併用して含有させる場合には、潤滑性粒子の含有量は、被覆樹脂100質量部に対して好ましくは5〜120質量部、より好ましくは10〜100質量部の範囲で特に好ましい結果を与える。潤滑性粒子の含有量が120質量部を越える場合には、被膜強度の低下が認められ、5質量部未満では長期間使用した場合等、樹脂被覆層表面にトナーの汚染が発生し易くなる傾向がある。
【0063】
前記した、樹脂被覆層中に導電性微粒子を併用して分散含有させる場合の導電性微粒子の含有量としては、被覆樹脂100質量部に対して、好ましくは40質量部以下、より好ましくは2〜35質量部の範囲で使用すると特に好ましい結果が得られる。即ち、導電性微粒子の含有量が40質量部を越える場合には、被膜強度の低下が認められ好ましくない。
【0064】
樹脂被覆層中に荷電制御剤を併用して含有させる場合には、荷電制御剤の含有量は、被覆樹脂100質量部に対して1〜100質量部とすることが好ましい。1質量部未満では添加による帯電制御性の効果が見られず、100質量部を超えると被覆樹脂中への分散不良となり被膜強度の低下を招き易い。
【0065】
これらの分散には一般的に公知の分散装置、例えば、ペイントシェーカー、サンドミル、アトライター、ダイノミル、パールミル等のビーズを用いた分散機が好ましく用いられる。現像剤担持体への樹脂被覆層の形成方法としては、導電性支持体をスプレーガンの移動方向に平行に垂直に立てて、導電性支持体を回転させつつ、導電性支持体とスプレーガンのノズル先端との距離を一定に保ちスプレーガンを一定速度で上昇させながら上記材料を分散した塗料を用いてエアスプレー法により塗料を基体に塗布することで得られる。
【0066】
一般にエアスプレー法では塗料を安定して微粒子液滴化させることにより分散の良好な被覆層を得ることができる。これを高温乾燥機にて150℃/30分乾燥硬化させることにより樹脂被覆層を表面に有する現像剤担持体を得ることができる。
【0067】
上記したような構成の樹脂被覆層の層厚は、好ましくは25μm以下、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは4〜20μmであると均一な膜厚を得るために好ましいが、特にこの層厚に限定されるものではない。これらの層厚は、基体の外径・樹脂被覆層に使用する材料にもよるが、付着質量として、4000〜20000mg/m2程度にすれば得られる。
【0068】
次にキャリアについて説明する。本発明の現像装置に用いるキャリアとしては、例えば、表面酸化又は未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き酸性金属、それらの合金、それらの酸化物及びフェライトが使用できる。その製造方法として特別な制約はない。
【0069】
更に、帯電調整等の目的で上記キャリア粒子の表面を、樹脂を有する被覆材で被覆することも好ましい。その方法としては、樹脂を有する被覆材を溶剤中に溶解若しくは懸濁せしめて塗布し、キャリアに付着せしめる方法、又は単に粉体で混合する方法の如き従来公知の方法がいずれも適用できるが、被覆層の安定のためには、被覆材を溶剤中に溶解して塗布する方法が好ましい。
【0070】
上記キャリアの表面への被覆材としては、トナー材料により異なるが、例えば、アミノアクリレート樹脂、アクリル樹脂、或いはそれらの樹脂とスチレン系樹脂との共重合体、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデンが好適に使用されるが、必ずしもこれに制約されるものではない。これら化合物の被覆量は、キャリアの帯電付与特定が満足する様に適宜決定すればよいが、一般には総量でキャリアに対し、好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.3〜20質量%である。
【0071】
更に、本発明の現像装置に用いられるキャリアの材質としては、結着樹脂中に磁性微粒子を分散させた磁性微粒子分散型樹脂キャリアであることが、低比重及び低磁化に制御し易く、現像剤及び現像剤担持体表面への負荷を低減でき、現像剤担持体上の搬送量を安定に維持するため、より好ましく用いられる。
【0072】
本発明で用いる磁性体分散型樹脂キャリアの構成においてコア材に用いられる結着樹脂としては、ビニル系モノマーを重合して得られる全ての樹脂が挙げられる。ここで言うビニル系モノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン、等のスチレン誘導体と、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のエチレン及び不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレン等の不飽和ジオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類;メタクリル酸及びメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸及びアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類;マレイン酸、マレイン酸ハーフエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体;アクロレイン類等が挙げられ、これらの中から1種又は2種以上使用して重合させたものが用いられる。
【0073】
また、ビニル系モノマーから重合して得られる樹脂以外にポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等の非ビニル縮合系樹脂或いはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物を用いることができる。
【0074】
本発明で用いる磁性体分散型キャリアを構成する磁性体微粒子として、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属、フェライト、マグネタイト、ヘマタイト等、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性を示す元素を含む合金或いは化合物等が挙げられる。
【0075】
また、磁性体微粒子は一次平均粒子径が2.0μm以下であることが望ましい。2.0μmより大の場合、コア材の表面が緻密とならず、均一な被覆ができない。更にまた、本発明にかかわる磁性体微粒子の比抵抗は109Ω・cm以下であり、且つキャリア総量に対する含有量は30質量%以上、好ましくは50質量%以上であることが必要である。30質量%未満であると感光体への付着が起こり、また、キャリアの抵抗コントロールも難しくなる。
【0076】
磁性体微粒子の個数平均粒径は、日立製作所(株)製透過型電子顕微鏡H−800により5000〜20000倍に拡大した写真画像を用い、ランダムに粒径0.01μm以上の粒子を300個以上抽出し、ニレコ社(株)製の画像処理解析装置Luzex3により水平方向フェレ径をもって微粒子の粒径として測定し、平均化処理して個数平均粒径を算出した。
【0077】
また、比抵抗の測定は、セルに微粒子を充填し、サンプルとして充填された微粒子に接するように電極を配し、該電極間に電圧を印加し、そのとき流れる電流を測定することにより比抵抗を求める。微粒子の充填に際して電極が試料に対して均一に接触するように上部電極を左右に回転させつつ充填を行う。上記測定方法において比抵抗の測定条件は、充填された微粒子と電極との接触面積S=約2.3cm2、厚みd=約2mm、上部電極122の荷重180g、印加電圧100Vとした。
【0078】
キャリアとしては、キャリアの重量平均粒径が15〜60μm、好ましくは20〜60μm、より好ましくは20〜45μmである。キャリアの重量平均粒径が15μm未満であると、キャリアが感光体へ付着し易くなり、感光体に傷等が発生し、画像劣化の原因となる。また、60μmを超えると、ベタ画像の均一性及び微小ドットの再現性が低下する傾向にある。また、現像器内において現像剤担持体及び現像剤にかかるシェアが大となり、現像剤担持体上の樹脂被覆層の摩耗、トナー汚染、現像剤の劣化等を引き起こす原因となる。
【0079】
磁性キャリアの粒径は、光学顕微鏡(100〜5000倍)によりランダムに粒径0.1μm以上のキャリア粒子300個以上を抽出し、ニレコ社(株)製の画像処理解析装置Luzex3に磁性体微粒子の個数平均粒径と同様にして算出した。また、本発明に用いるキャリアの真比重は1.5〜5.0である。より好ましくは1.5〜4.5である。真比重5.0を超えると、現像器内において現像剤担持体上の樹脂被覆層の摩耗、トナー汚染、現像剤の劣化等を引き起こす原因となり、好ましくない。真比重1.5未満では感光体へのキャリア付着を抑制するに足る磁気力を得ることは現実的に無理である。
【0080】
本発明のキャリアの比抵抗は107〜1015Ω・cmの範囲が適当である。107Ω・cm未満では、バイアス電圧を印加する現像方法では現像領域において現像剤担持体から感光体表面へと電流がリークし、良好な画像が得られない。また、1015Ω・cmを超えると、低湿の如き条件下でチャージアップ現象を引き起こし、濃度ウス、転写不良、カブリ等の画像劣化の原因となる。
【0081】
本発明におけるキャリアの球形度(長軸/短軸)は2以下が望ましい。上記球形度が2を超えると、現像剤担持体表面及び現像剤にかかるシェアの軽減効果と、現像剤としての流動性向上の効果が低減する傾向があった。本発明に用いる磁性体分散型キャリアにおいて上記球形度2以下を達成する手段としては、コア材を加熱し表面を熱溶融させ球形化する方法、或いは、機械的に球形化する方法等がある。或いは、コア材の生成方法を、コア材に用いられる結着樹脂のモノマー溶液中に磁性体微粒子、重合開始剤、懸濁安定剤等を添加し、分散せしめた後、造粒重合してコア材を得る通常の懸濁重合法を用いれば、上記コア材に対する処理を施すことなく、上記キャリアの球形度2以下を達成することができる。
【0082】
上述のキャリアとトナー粒子の混合比率は、二成分系現像剤中のトナー濃度として2〜9質量%、好ましくは3〜8質量%にすると良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低く実用不可となり、9質量%を超えるとカブリや機内飛散が増加し、現像剤の耐用寿命が短くなる。
【0083】
本発明に用いられるトナーには、粉砕法又は重合法によって製造されたトナー粒子のどちらも用いることができるが、重合法、特には懸濁重合法によって製造されたトナー粒子が好ましく用いられる。また、一旦得られた重合粒子に更に単量体を吸着せしめた後、重合開始剤を用い重合せしめるシード重合方法も本発明に好適に利用することができる。
【0084】
粉砕法によるトナー粒子の製造では、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤等の構成材料をボールミルその他の混合機により十分混合した後、熱ロールニーダー、エクストルーダーの如き熱混錬機を用いてよく混錬し、冷却固化後、機械的に粉砕、分級することによってトナー粒子を得る。また、分級後、熱風処理や機械的衝撃を与えることによる球形化処理を施したトナー粒子がより好ましい。
【0085】
次に本発明に用いられる二成分現像装置の一例について説明例示する.図2は、二成分現像剤を用いるのに好適な現像装置の模式図を表す。第10図において、現像容器553の現像室564内に、矢印E方向に回転される静電潜像保持体551に対向して現像剤担持体としての非磁性現像スリーブ559を備えており、本発明においては基体としての円筒状の非磁性金属557の表面に樹脂被覆層558が設けられている。この現像スリーブ559内に磁界発生手段としての磁性ローラー556が不動に放置されており、現像ローラー560を形成している。磁性ローラー556はS1〜3、N1,2の5極構成に着磁されている。現像室564内には、トナーと磁性キャリアとを混合した二成分現像剤が収容されている。この現像剤は、現像室564上端開放の隔壁554の開口を通って現像容器553の攪拌室565内に送られると、トナー室555から攪拌室565内に供給されたトナーがトナー送り規制部材563を介して補給され、攪拌室565内の第1現像剤攪拌・搬送手段562によって混合される。攪拌室565で攪拌された現像剤は、隔壁554の図示しない他の開口を通って現像室564内に戻され、そこで現像室565内の第2現像剤攪拌・搬送手段561により、攪拌・搬送されながら現像スリーブ559に搬送される。現像スリーブ559に供給された現像剤は、上記の磁石ローラー556の磁力の作用により磁気的に拘束され、現像スリーブ559上に担持され、現像スリーブ559の下部設けられた現像剤規制部材ブレード552での規制によって現像スリーブ559上で現像剤の薄層に形成されながら、現像スリーブ559の矢印F方向への回転に伴い潜像保持体551と対向した現像部Gへと搬送され、そこで潜像保持体551上の静電潜像の現像に供される。現像に消費されなかった残余の現像剤は、現像スリーブ559の回転により現像容器564内に回収される。現像容器564内では同極のS2、S3間での反発磁界により現像スリーブ559上に磁気的に拘束されている現像残りの残余の現像剤を剥ぎ取るようになっている。現像スリーブ上方にはトナー飛散を防止するために飛散防止部材566が固定、設置されている。図2は、あくまでも模式的な例であり、容器の形状、攪拌部材の有無、磁極の配置、回転方向等に様々な形態があることは言うまでもない。
【0086】
次に、本発明に用いられる画像形成装置の一例を図により説明する。図3は本発明に従う画像形成装置例の概略構成模型図である。1は像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)である。この感光ドラム1は、図4の層構成模型図のように、アルミニウム製シリンダ(導電性ドラム基体)1aの表面に、光の干渉を抑え、上層の接着性を向上させる下引き層1bと、光電荷発生層1cと、電荷輪送層1dの3層を下から順に塗り重ねた構成をしている。
【0087】
2は、感光ドラム1の周面を一様に帯電処理する帯電手段としての接触帯電装置(接触帯電器)であり、本例は、帯電ローラー(ローラー帯電器)である。この帯電ローラー2は、芯金2aの両端部をそれぞれ不図示の軸受け部材により回転自在に保持させるとともに、押し圧ばね2eによって感光ドラム方向に付勢して感光ドラム1の表面に対して所定の押圧力をもって圧接させており、感光ドラム1の回転に従動して回転する。感光ドラム1と帯電ローラー2との圧接部が帯電部(帯電ニッブ部)aである。
【0088】
帯電ローラー2の芯金2aには、電源S1より所定の条件の帯電バイアス電圧が印加されることにより回転感光ドラム1の周面が所定の極性・電位に接触帯電処理される。本例において、帯電ローラー2に対する帯電バイアス電圧は直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。
【0089】
帯電ローラー2の長手長さは320mmであり、図3の層構成模式図のように、芯金(支持部材)2aの外回りに、下層2bと、中間層2cと、表層2dを下から順次に積層した3層構成である。下層2bは帯電音を低減するための発泡スポンジ層であり、中問層2cは帯電ローラー全体として均一な抵抗を得るための導電層であり、表層2dは感光ドラム1上にピンホール等の欠陥があってもリークが発生するのを防止するために設けている保護層である。
【0090】
図3において、2fは帯電ローラクリーニング部材であり、本例では可撓性を持つクリーニングフィルムである。このクリーニングフィルム2fは帯電ローラー2の長手方向に対し平行に配置され、且つ同長手方向に対し一定量の往復運動をする支持部材2gに一端を囲定され、自由端側近傍の面において帯電ローラー2と接触ニップを形成するよう配置されている。支持部材2gがプリンタの駆動モータ一によりギア列を介して長手方向に対し一定量の往復運動駆動されて帯電ローラー表層2dが、クリーニングフィルム2fで摺擦される。これにより帯電ローラー表屠2dの付着汚染物(微粉トナー、外添剤等)の除去がなされる。
【0091】
3は、帯電処理された感光ドラム1の面に静電潜像を形成する情報書き込み手段としての露光装置であり、本例はレーザビームスキャナである。不図示の画像読み取り装置等のホスト装置からプリンタ側に送られた画像信号に対応して変調されたレーザー光を出力して回転感光ドラム1の一様帯電処理面を露光位置bにおいてレーザー走査露光Lする。このレーザー走査露光Lにより感光ドラム1面のレーザー光で照射されたところの電位が低下することで、回転感光ドラム1面には走査露光した画像情報に対応した静電潜像が順次に形成されていく。
【0092】
4は、感光ドラム1上に静電潜像に現像剤(トナー)を供給し静電潜像を可視化する現像手段としての現像装置(現像器)であり、本例は二成分磁気ブラシ現像方式の反転現像装置である。
【0093】
4aは現像容器、4bは現像スリーブであり、通常、アルミニウム及びその合金、ステンレス鋼等の金属の円筒体からなっているが、金属は円筒体への成型加工が容易であればよく、特に限定されない。この現像スリーブ4bはその外周面の一部を外部に露呈させて現像容器4a内に回転可能に配設してある。4cは非回転に固定して現像スリーブ4b内に挿設したマグネットローラ、4dは現像剤コーティングブレード、4eは現像容器4aに収容した二成分現像剤、4fは現像容器4a内の底部側に配設した現像剤攪拌部材、4gはトナーホッパーであり、補給用トナーを収容させてある。現像容器4a内の二成分現像剤4eはトナーと磁性キャリアの混合物であり、現像剤攪拌材4fにより攪拌される。
【0094】
トナーは基本的には、現像剤攪拌材4fの攪拌によって、磁性キャリアとの摺擦により負極性に摩擦帯電される。また、現像スリーブ4bの近傍に存在するトナーは現像スリーブ4bとの摺擦によっても摩擦帯電される。現像スリーブ4bの表面には前記したような被覆層が形成されており、トナーは正規極性、本例では負極性に摩擦帯電される。
【0095】
現像スリーブ4bは感光ドラム1との最近接距離(S−Dgapと称する)を350μmに保たせて感光ドラム1に近接させて対向配設してある。この感光ドラム1と現橡スリーブ4aとの対向部が現像部cである。現像スリーブ4bは現像部cにおいて感光ドラム1の進行方向とは逆方向に回転駆動される。この現像スリーブ4bの外周面に該スリーブ内のマグネットローラ4cの磁力により現像容器4a内の二成分現像剤4eの一部が磁気ブラシ層として吸着保持され、該スリーブ回転に伴い回転搬送され、現像剤コーティングブレード4dにより所定の薄層に整層され、現像部cにおいて感光ドラム1の面に対して接触して感光ドラム面を適度に摺擦する。
【0096】
現像スリーブ4bには電源S2から所定の現像バイアスが印加される。本例において、現像スリーブ4bに対する現像バイアス電圧は直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。而して、回転する現像スリーブ4bの面に薄層としてコーティングされ、現像部cに搬送された現像剤中のトナー分が現像バイアスによる電界によって、感光ドラム1面に静電潜像に対応して選択的に付着することで、静電潜像がトナー画像として現像される。本例の場合は感光ドラム1面の露光明部にトナーが付着して静電潜像が反転現像される。
【0097】
現像部cを通過した現像スリーブ4b上の現像剤薄層は引き続く現像スリーブの回転に伴い、現像容器4a内の現像剤溜り部に戻される。現像容器4a内の二成分現像剤4eのトナー濃度を所定の略一定範囲内に維持させるために、現像容器4a内の二成分現像剤4eのトナー濃度が不図示の、例えば、光学式トナー濃度センザーによって検知され、その検知情報に応じてトナーホッパー4gが駆動制御されて、トナーホッパー内のトナーが現像容器4a内の二成分現像剤4eに補給される。二成分現像剤4eに補給されたトナーは攪拌部材4fにより攪拌される。
【0098】
5は、転写装置であり、本例は転写ローラーである。この転写ローラー5は感光ドラム1に所定の押圧力をもって圧接させてあり、その圧接ニップ部が転写部dである。この転写部dに不図示の給紙機構部から所定の制御タイミングにて転写材(被転写部材、記録材)Pが給送される。
【0099】
転写部dに給送された転写材Pは回転する感光ドラム1と転写ローラー5の間に挟持されて搬送され、その間、転写ローラー5に電源S3からトナーの正規帯電極性である負極性とは逆極性である正極性の転写バイアスが印加されることで、転写部dを挟持搬送されていく転写材Pの面に感光ドラム1面側のトナー画像が順次に静電転写されていく。
【0100】
転写部dを通ってトナー画像の転写を受けた転写材Pは回転感光ドラム1面から順次に分離されて、定着装置6(例えば、熱ローラ定着装置)ヘ搬送されてトナー画像の定着処理を受けて画像形成物(ブリント、コピー)として出力される。
【0101】
7は、トナー帯電制御手段であり、適度の導電性をもったブラシ形状部材で、ブラシ部を感光体ドラム1面上に接触させて配設してあり、負極性の電圧が電源S4より印加されている。eはブラシ部と感光体ドラム1面の接触部である。転写残トナーの帯電極性を正規極性である負極性に揃えることにより、更に下流に位置する帯電部aで該転写残トナーの上から感光体ドラム1面上を帯電処理する際に、感光体ドラム1への鏡映力を大きくし、転写残トナーの帯電ローラー2への付着を防止する。帯電ローラー2へのトナー付着は帯電不良画像を発生させる原因となってしまう。帯電ローラー2を通過し除電されたトナーは、感光体ドラム1への鏡映力が弱まり、現像部cにおいて、上述した磁気ブラシ層により吸着保持され、現像スリーブの回転に伴い回転搬送されて回収される。
上述の感光ドラムの如き静電潜像保持体や現像装置、帯電手段などの構成要素のうち、複数のものを装置ユニットとして一体に結合してプロセスカートリッジを構成し、このプロセスカートリッジを装置本体に対して着脱可能に構成しても良い。例えば、帯電手段及び現像装置を感光ドラムとともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成にしても良い。このとき、上記のプロセスカートリッジのほうにクリーニング手段を伴って構成しても良い。
【0102】
図5は本発明に従うプロセスカートリッジ例の概略構成模型図である。図5に示した実施形態では、現像手段としての現像装置60、ドラム状の像担持体(感光ドラム)50、一次帯電手段としての磁気ブラシ帯電器70を一体としたプロセスカートリッジ80が例示される。磁気ブラシ帯電器70は、帯電スリーブ72に内包されているマグネット71の磁力により帯電磁性粒子73が帯電スリーブ72に磁気拘束され磁気ブラシを形成して構成されている。本実施形態では、一次帯電手段としてこのように磁気ブラシを用いているが、帯電ブレード、帯電ローラーの如き帯電手段でもよく、更に、非接触のコロナ帯電手段でもよい。しかしながら、帯電によるオゾンの発生が少ない点で接触帯電手段のほうが好ましい。現像装置60は、磁性規制ブレード61と現像剤容器62内にトナー及び磁性キャリアを有する二成分系現像剤63を有し、該二成分系現像剤63のトナーを用い、現像時にはバイアス印加手段からの現像バイアス電圧により感光ドラム50と現像剤担持体としての現像スリーブ64との間に所定の電界が形成されて現像工程が実施される。
【0103】
この二成分系現像装置120の現像は、交番電界を印加しつつ、トナーと磁性キャリアとにより、構成される磁気ブラシを像担持体(例えば、感光体ドラム)119に接触している状態で現像を行なう。この磁気ブラシと像担持体とが接触することによって、転写後、像担持体上に担持されている転写残トナーは、磁気ブラシに取り込まれ現像室R1 に回収される。現像剤担持体(現像スリーブ)121と感光体ドラム119の距離(S−D間距離)Bは100〜1000μmであることがキャリア付着防止及びドット再現性の向上において良好である。100μmより狭いと現像剤の供給が不十分になりやすく、画像濃度が低くなり、1000μmを超えると磁石S1からの磁力線が広がり磁気ブラシの密度が低くなり、ドット再現性に劣り、キャリアを拘束する力が弱まりキャリア付着が生じやすくなる。
【0104】
交番電界のピーク間の電圧は500〜5000Vが好ましく、周波数は500〜10000Hz、好ましくは500〜3000Hzであり、それぞれプロセスに適宜選択して用いることができる。この場合、波形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはDuty比を変えた波形から選択して用いることができる。印加電圧が、500Vより低いと十分な画像濃度が得られにくく、非画像部のカブリトナーを良好に回収することができない場合がある。印加電圧が5000Vを超える場合には磁気ブラシを介して、静電像を乱してしまい、画質低下を招く場合がある。
【0105】
上記では、現像装置60、像担持体50及び一次帯電手段70の3つの構成要素を一体的にカートリッジ化した実施形態について説明したが、本発明においては、クリーニング手段等その他の構成要素を加えて一体的にカートリッジ化することも可能である。
【0106】
【実施例】
次に製造例、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、文中「部」又は「%」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
【0107】
(キャリアの製造例1)
水媒体中にフェノール/ホルムアルデヒドモノマー(50:50)を混合分散した後、モノマー100部に対して、チタンカップリング剤で表面処理した0.25μmのマグネタイト粒子600部、0.6μmのヘマタイト粒子400部を均一に分散させ、アンモニアを適宜添加しつつモノマーを重合させ、磁性粒子内包球状磁性樹脂キャリア芯材(平均粒径33μm、飽和磁化38Am2/kg)を得た。
【0108】
一方、トルエン20部、ブタノール20部、水20部、氷40部を四つ口フラスコにとり、撹拌しながらCH3SiCl3の15モルと(CH3)2SiCl2の10モルとの混合物40部を加え、更に30分間撹拌した後、60℃で1時間縮合反応を行った。その後シロキサンを水で十分に洗浄し、トルエン−メチルエチルケトン−ブタノール混合溶媒に溶解して固形分10%のシリコーンワニスを調製した。
【0109】
このシリコーンワニスに、シロキサン固形分100部に対して2.0部のイオン交換水及び2.0部の硬化剤、1.0部のアミノシランカップリング剤、及び5.0部のシランカップリング剤を同時添加し、キャリア被覆溶液を作製した。この溶液を塗布機(岡田精工社製:スピラコータ)により、前述のキャリア芯材100部に、樹脂コート量が1部となるように塗布し、コートキャリア1を得た。このコートキャリア1は体積抵抗値が4×1013Ωcmであり、重量平均粒径が33.8μmであった。
【0110】
(キャリアの製造例2)
前記キャリアの製造例1において、重合条件を代えること以外は製造例1と同様に行い、コートキャリア2を得た。このコートキャリア2は体積抵抗値が7×1013Ωcmであり、重量平均粒径が57.8μmであった。
【0111】
(キャリアの製造例3)
前記キャリアの製造例1において、重合条件を代えること以外は製造例1と同様に行い、コートキャリア3を得た。このコートキャリア3は体積抵抗値が8×1013Ωcmであり、重量平均粒径が18.2μmであった。
【0112】
(トナーの製造例)
高速撹拌装置TK−ホモミキサーを備えた2リットル用四つ口フラスコ中に、イオン交換水880部と0.1モル/リットル−Na3PO4水溶液450部を添加し、回転数を12,000rpmに調整し、58℃に加温せしめた。ここに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液68部を徐々に添加し、微小な難水溶性分散剤Ca3(PO4)2を含む分散媒系を調製した。
【0113】
一方、分散質系は、
・スチレンモノマー 170部
・n−ブチルアクリレートモノマー 30部
・C.I.ピグメンブルー15:3 14部
・ポリエステル樹脂(テレフタル酸とプロピレンオキサイド付加ビスフェノールAをモル比で50:50で混合し、縮重合して得られたもの) 8部
・サリチル酸クロム化合物(負帯電性荷電制御剤) 2部
・エステル系ワックス 20部
上記混合物をアトライターを用いて3時間分散させた後、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10部を添加し分散物を得た。これを上記分散媒中に投入し、回転数を維持しつつ12分間造粒した。その後高速撹拌器からプロペラ撹拌羽根に撹拌器を代え、内温を80℃に昇温させ50rpmで重合を10時間継続させた。重合終了後スラリーを冷却し、希塩酸を添加し分散剤を除去せしめた。更に洗浄及び乾燥してシアントナー粒子を得た。該シアントナーの重量平均粒径(D4)は8.3μmであった。
【0114】
このトナー粒子100部に対し、ヘキサメチルジシラザン処理を施した負帯電性疎水性シリカ微粉末(BET比表面積300m2/g)を1.3部、チタン酸ストロンチウム0.5部を加え、ヘンシェルミキサーにて混合した。そして、上記シアントナーとトナー濃度が8%となるようにキャリア1〜3を混合してそれぞれ現像剤1〜3とした。
【0115】
<実施例1>
・カーボンブラック 15部
・個数平均粒径3.2μm、平均円形度0.59の結晶性グラファイト 85部
・レゾール型フェノール樹脂(固形分50%) 600部
・固体粒子A−1 100部
・MEK 200部
固体粒子として、個数平均粒径12.1μmの球状フェノール樹脂粒子100部にライカイ機(自動乳鉢、石川工場製)を用いて個数平均粒径2μm以下の石炭系バルクメソフェーズピッチ粉末14部を均一に被覆し、空気中下280℃で熱安定化処理した後に窒素雰囲気下2000℃で焼成することにより黒鉛化し、更に分級して得られた個数平均径11.9μmの球状導電性炭素粒子(固体粒子A−1)を用いた。この固体粒子A−1の真密度は1.51g/cm3、体積抵抗は8.5×10−2Ω・cmであった。
【0116】
上記配合物をφ2mmのジルコニア粒子にて3時間サンドミル分散を行い、その後ジルコニア粒子を篩いで分離し、MEKで固形分を40%に調整し塗工液(C(カーボン)/GF(グラファイト)/B(フェノール樹脂)/R(球状粒子)=0.15/0.85/3/1.0(質量比))を得た。この塗料をスプレー法にてφ16mmのアルミ円筒基体上に厚み15μmの被膜を形成させ、次いで熱風乾燥器により150℃/30分間加熱・硬化させ、現像剤担持体(現像スリーブ)B−1を作製した。この現像スリーブB−1の物性を表2に示す。
【0117】
次に、市販の複写機CP2150(キヤノン製)の画像形成装置を図2に示す如く改造し、前記現像スリーブを使用し、帯電部材としては図3に示す帯電ローラーを用いて、直流/交流電界(−500V、1kHz/1.4kVpp)を重畳印加し、感光体を帯電させ、クリーニングユニットを取り外し、現像コントラスト350V、カブリとの反転コントラスト−150Vに設定し、非連続の交流電界を有する現像バイアスを印加し、前述のシアン二成分系現像剤1を使用し、23.5℃、10%RHの常温低湿(N/L)、及び30.0℃、80%RHの高温高湿(H/H)環境下にて、3万枚まで画像画出しを行って下記の評価を行なった。結果を後記表4に示す。
【0118】
(1)画像濃度
画像比率5.5%のテストチャート上でφ5黒丸の画像濃度を、反射濃度RD918(マクベス社製)で測定して、画像濃度の耐久について調べた。
【0119】
(2)現像スリーブ上トナー搬送量(M/S)
現像スリーブ上に担持されたトナーを、金属円筒管と円筒フィルターにより吸引捕集し、捕集されたトナー質量Mと、トナーを吸引した面積Sから、単位面積当たりのM/S(mg/cm2)を計算し、トナー搬送量(M/S)とした。
【0120】
(3)現像スリーブ表面のトナー汚染(耐汚染性)
耐久後の現像スリーブの表面をSEM観察にて下記評価基準の下に評価した。A:全く汚染が無い。
B:若干汚染があるものの実用上問題ないレベル。
C:現像スリーブ表面に汚染トナーが多く存在するが、画像には影響をほとんど及ぼさないレベル。
D:汚染がかなり多く、画像に影響を与え、実用上問題となるレベル。
E:汚染及び画像劣化が激しい。
【0121】
(4)現像スリーブ表面の削れ(耐磨耗性)
画出し前の現像スリーブの外径をレーザー測長器にて測定(10箇所の平均)しておき、耐久後の外径をレーザー測長器にて測定し、(画出し前の外径)−(耐久後の外径)を削れ量として、μm単位で表す。
【0122】
(5)耐久前後の表面粗さ(Ra、Rz)の測定
小坂研究所製サーフコーダーSE−3500にて、測定長さ4mmで軸方向5点×周方向2点=10点について各々測定し、その平均値をとった。結果を表4〜5に示す。良好な結果であった。
【0123】
<実施例2>
実施例1で用いた共重合体A−1の添加量を30部とした以外は実施例1と同様にして現像スリーブB−2を作成し、実施例1と同様の評価を行った。
【0124】
<実施例3>
実施例1で用いた共重合体A−1の添加量を180部とした以外は実施例1と同様にして現像スリーブB−3を作成し、実施例1と同様の評価を行った。
【0125】
<実施例4>
固体粒子として、3.4μmの球状フェノール樹脂100部にライカイ機(自動乳鉢、石川工場製)を用いて個数平均1.4μm以下の石炭系バルクメソフェーズピッチ粉末14部を均一に被覆し、空気中下280℃で熱安定化処理した後に窒素雰囲気下2000℃で焼成することにより黒鉛化し、更に分級して得られた個数平均粒径3.3μmの球状導電性炭素粒子A−2を用いた。
【0126】
次に、実施例1に用いた固体粒子A−1を100部添加する代わりに固体粒子A−2を140部添加する以外は、実施例1と同様にして現像スリーブB−4を作成し、実施例1と同様に画像画出しテストを行なった。
【0127】
<実施例5>
固体粒子として、20.1μmの球状フェノール樹脂100部にライカイ機(自動乳鉢、石川工場製)を用いて個数平均1.4μm以下の石炭系バルクメソフェーズピッチ粉末14部を均一に被覆し、空気中下280℃で熱安定化処理した後に窒素雰囲気下2000℃で焼成することにより黒鉛化し、更に分級して得られた個数平均粒径19.8μmの球状導電性炭素粒子A−3を用いた。
【0128】
次に、実施例1に用いた固体粒子A−1を100部添加する代わりに固体粒子A−3を140部添加する以外は、実施例1と同様にして現像スリーブB−5を作成し、実施例1と同様に画像画出しテストを行なった。
【0129】
<実施例6>
固体粒子として、10.9μmの球状フェノール樹脂100部にライカイ機(自動乳鉢、石川工場製)を用いて1.4μm以下の石炭系バルクメソフェーズピッチ粉末14部を均一に被覆し、空気中下280℃で熱安定化処理した後に窒素雰囲気下1000℃で焼成することにより炭化し、更に分級して得られた個数平均粒径7.5μmの球状導電性炭素粒子に、銅及び銀メッキした個数平均粒径12.2μmの金属被覆炭素粒子A−4を用いた。
【0130】
次に、実施例1に用いた固体粒子A−1を100部添加する代わりに固体粒子A−4を100部添加する以外は、実施例1と同様にして現像スリーブB−6を作成し、実施例1と同様に画像画出しテストを行なった。
【0131】
<実施例7>
固体粒子として、下記の材料を用い、混練、粉砕、及び分級を行なって、個数平均粒径10.9μmの導電性粒子を得た後、球形化処理としてその導電性粒子を温水中で無機分散剤とともに攪拌することによって得られた導電性球状樹脂粒子A−5を用いた。
・スチレン−アクリル樹脂 100部
・導電性カーボンブラック 25部
次に、実施例1に用いた固体粒子A−1を100部添加する代わりに固体粒子A−5を100部添加する以外は、実施例1と同様にして現像スリーブB−7を作成し、実施例1と同様に画像画出しテストを行なった。
【0132】
<実施例8>
固体粒子として、個数平均粒径14.3μmの導電性を有しない球状PMMA粒子A−6を用いた。次に、実施例1に用いた固体粒子A−1を100部添加する代わりに固体粒子A−6を100部添加する以外は、実施例1と同様にして現像スリーブB−8を作成し、実施例1と同様に画像画出しテストを行なった。
【0133】
<実施例9>
固体粒子として、個数平均粒径12.9μmの炭化ホウ素粒子A−7を用いた。次に、実施例1に用いた固体粒子A−1を100部添加する代わりに固体粒子A−7を100部添加する以外は、実施例1と同様にして現像スリーブB−9を作成し、実施例1と同様に画像画出しテストを行なった。
【0134】
<実施例10>
固体粒子として、個数平均粒径7.9μmの酸化チタン粒子A−8を用いた。次に、実施例1に用いた固体粒子A−1を100部添加する代わりに固体粒子A−8を100部添加する以外は、実施例1と同様にして現像スリーブB−10を作成し、実施例1と同様に画像画出しテストを行なった。
【0135】
<実施例11>
固体粒子として、個数平均粒径8.2μmの鉄粒子A−9を用いた。次に、実施例1に用いた固体粒子A−1を100部添加する代わりに固体粒子A−9を100部添加する以外は、実施例1と同様にして現像スリーブB−11を作成し、実施例1と同様に画像画出しテストを行なった。
【0136】
<実施例12>
固体粒子として、個数平均粒径11.6μmのホウ酸アルミニウム粒子A−10を用いた。次に、実施例1に用いた固体粒子A−1を100部添加する代わりに固体粒子A−10を100部添加する以外は、実施例1と同様にして現像スリーブB−12を作成し、実施例1と同様に画像画出しテストを行なった。
【0137】
<実施例13>
固体粒子として、個数平均粒径13.8μmの結晶シリカ粒子A−11を用いた。次に、実施例1に用いた固体粒子A−1を100部添加する代わりに固体粒子A−11を100部添加する以外は、実施例1と同様にして現像スリーブB−13を作成し、実施例1と同様に画像画出しテストを行なった。
【0138】
<実施例14>
・カーボンブラック 15部
個数平均粒径3.2μm、平均円形度0.59の結晶性グラファイト 85部
・メチルメタクリレート−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(固形分40%)(モル比90:10、Mw=10200、Mn=4500、Mw/Mn=2.3) 720部
・固体粒子A−1 100部
・MEK 200部
上記材料を実施例1と同様に分散して塗料を作成し、該塗料を用いて実施例1と同様にして現像スリーブB−14を作成し、実施例1と同様に画像画出しテストを行なった。
【0139】
<実施例15>
・カーボンブラック 15部
個数平均粒径3.2μm、平均円形度0.59の結晶性グラファイト 85部
・ポリエステル樹脂(固形分50%) 300部
・固体粒子A−1 80部
・下記のイミダゾール化合物粒子(荷電制御粒子)C−1 30部
・MEK 200部
【外1】
【0140】
上記材料を実施例1と同様に分散して塗料を作成し、該塗料を用いて実施例1と同様にして現像スリーブB−15を作成し、実施例1と同様に画像画出しテストを行なった。
【0141】
<実施例16>
実施例15の塗工液に用いたポリエステル樹脂をアクリル変性シリコーン樹脂に代えること以外は、実施例15と同様にして現像スリーブB−16を作製し、実施例1と同様に画像画出しテストを行なった。
【0142】
<実施例17>
実施例15の塗工液に用いたポリエステル樹脂をレゾール型フェノール樹脂に代えること以外は、実施例15と同様にして現像スリーブB−17を作製し、実施例1と同様に画像画出しテストを行なった。
【0143】
<実施例18>
荷電制御粒子として、下記式C−2で示される個数平均径9.6μmのイミダゾール化合物粒子を用いた。
【0144】
【外2】
【0145】
次に、実施例17に用いたC−1をC−2に代えること以外は、実施例17と同様にして現像スリーブB−18を作成し、実施例1と同様に画像画出しテストを行なった。
【0146】
<実施例19>
・カーボンブラック 15部
個数平均粒径3.2μm、平均円形度0.59の結晶性グラファイト 85部
・レゾール型フェノール樹脂(固形分50%) 600部
・メチルメタクリレート−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(固形分40%)(モル比90:10、Mw=10200、Mn=4500、Mw/Mn=2.3) 120部
・固体粒子A−1 100部
・MEK 200部
上記材料を実施例1と同様に分散して塗料を作成し、該塗料を用いて実施例1と同様にして現像スリーブB−19を作成し、実施例1と同様に画像画出しテストを行なった。
【0147】
<参考例1>
実施例4に用いた固体粒子A−2を140部添加する代わりに20部添加する以外は、実施例4と同様に現像スリーブB−20を作成し、実施例1と同様に画像画出しテストを行なった。
【0148】
<実施例20>
実施例3において使用する現像剤1を現像剤2に代えたことを除いては実施例3と同様に画像画出しテストを行なった。
【0149】
<実施例21>
実施例13において使用する現像剤1を現像剤2に代えたことを除いては実施例13と同様に画像画出しテストを行なった。
【0150】
<実施例22>
実施例2において使用する現像剤1を現像剤3に代えたことを除いては実施例2と同様に画像画出しテストを行なった。
【0151】
<実施例23>
実施例11において使用する現像剤1を現像剤3に代えたことを除いては実施例11と同様に画像画出しテストを行なった。
【0152】
(比較例1)
実施例1に用いた固体粒子A−1を除くこと以外は実施例1と同様に現像スリーブD−1を作成し、実施例1と同様に画像画出しテストを行なった。
【0153】
(比較例2)
スリーブ基体に、φ16mmのアルミ円筒基体表面にサンドブラストで処理したものを使用した。それ以外は、比較例1と同様の処方でスプレー塗工を行い、現像スリーブD−2を作成し、比較例1と同様に画像画出しテストを行なった。
【0154】
(比較例3)
スリーブ基体に、φ16mmのアルミ円筒基体表面にサンドブラストで処理したものを使用した。固体粒子を実施例1のA−1から、個数平均粒径9.8μm、平均円形度が0.57である結晶性グラファイト粒子A−12に代えること以外は、比較例1と同様の処方でスプレー塗工を行い、現像スリーブD−3を作成し、比較例1と同様に画像画出しテストを行なった。
【0155】
(比較例4)
比較例1において使用する現像剤1を現像剤2に代えたことを除いては比較例1と同様に画像画出しテストを行なった。
【0156】
(比較例5)
比較例2において使用する現像剤1を現像剤2に代えたことを除いては比較例2と同様に画像画出しテストを行なった。
【0157】
(比較例6)
実施例4に用いた固体粒子A−2を140部添加する代わりに20部添加する以外は、実施例4と同様に現像スリーブD−4を作成し、使用する現像剤1を現像剤2に代え比較例2と同様に画像画出しテストを行なった。
【0158】
以上の製造例、実施例、参考例及び比較例において使用した固体粒子の内容を表1に示す。また、以上の製造例、実施例、参考例及び比較例において使用した現像スリーブの構成を表2に示す。また、以上の製造例、実施例、参考例及び比較例において使用した現像剤スリーブの被覆層の構成を表3に示す。また、以上の実施例、参考例及び比較例において行なった評価結果を表4に示す。
【0159】
【表1】
【0160】
【表2】
【0161】
【表3】
【0162】
【表4】
【0163】
【表5】
【0164】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、磁性キャリアと非磁性トナーとからなる二成分系現像剤を用いた現像装置において、多数枚の画出しにおいても現像スリーブ表面でのトナー搬送性が変化しにくく、且つ耐汚染性に優れているため、長期の繰り返し使用に対しても、良好な画像を提供し続けることができる。また、現像スリーブ上の現像剤が、繰り返しの画出しにおいても、安定且つ適正な電荷を有し、均一でスジやムラがなく、画像濃度低下やゴーストの発生のない、高品位の画像を得ることができる。
【0165】
更に、本発明によれば、加工性が良く低コストな現像スリーブ基体を用いた場合でも、耐磨耗性に優れ、あらゆる環境下における長期耐久においても、安定な画像が得られる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像スリーブ表層の構成の一例を示す模式図。
【図2】本発明の現像装置の一例を示す概略図。
【図3】本発明の画像形成装置の一例を示す概略図。
【図4】感光ドラムと帯電ローラーの層構成の模式図。
【図5】本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略図。
【符号の説明】
1 感光ドラム(像担持体)
2 帯電ローラー
3 レーザビームスキャナ
4 現像装置
5 転写ローラー
6 定着装置
7 トナー帯電量制御手段(現像剤帯電量制御手段)
8 転写残トナー均一化手段
S1〜S4 バイアス電圧印加電源
Claims (8)
- 磁性キャリアと非磁性トナーとからなる二成分系現像剤を収容している現像剤容器を有し、該現像剤容器に収容されている二成分系現像剤を現像剤担持体により静電潜像保持体と対向する現像領域へ担持搬送し、該潜像保持体に形成された潜像を可視像化するための現像装置において、
該磁性キャリアは、重量平均粒径が15〜60μm、真比重が1.5以上5.0以下であって、
該現像剤担持体は、少なくとも基体及び該基体表面に形成された樹脂被覆層を有し、
該樹脂被覆層は、少なくとも熱或いは光硬化性樹脂からなる結着樹脂、及び該樹脂被覆層表面に凹凸を形成するための固体粒子を含有し、体積抵抗率が10 4 Ω・cm以下であり、
該固体粒子は、カーボンブラック分散スチレン−アクリル樹脂またはポリメチルメタクリレートからなる樹脂粒子または無機粒子であって、個数平均粒径が、3.3μm以上19.8μm以下であり、かつ、下記式(1)で計算された値の平均値である平均円形度が0.64以上を満たし、
円形度=(4×A)/{(ML)2×π} (1)
[式中、MLは粒子投影像のピタゴラス法最大長を表し、Aは粒子像の投影面積を表す。]且つ
共焦点光学系レーザーを用いて測定した該樹脂被覆層の表面形状において、測定全領域における凹凸を有する被覆層の凹部の底部から凸部の頂点までの高さの平均値を基準高さとし、その基準高さから0.1×r(r:該磁性キャリアの重量平均粒径(μm))を超える凸部分が占める表面積の割合をS(%)とした場合、下記条件
S≧5.0
を満足し、更に
該樹脂被覆層表面の十点平均粗さをRz(μm)、平均線高さをRp(μm)及び平均線深さをRv(μm)とした場合、下記の3つの条件
Rp/Rv≧1.2、Rz/Rv≧2.0及びr/Rp≦6.0
を満足することを特徴とする現像装置。 - 更に前記樹脂被覆層表面は、下記条件
r/Rp≦5.0
を満足する請求項1に記載の現像装置。 - 前記樹脂被覆層は、導電剤を含有することにより導電性を付与されてなり、該導電剤が、個数平均粒径が0.01〜0.8μmの導電性微粒子である請求項1又は2に記載の現像装置。
- 前記磁性キャリアが、結着樹脂中に磁性微粒子を分散させた磁性微粒子分散型樹脂キャリアである請求項1乃至3の何れか1項に記載の現像装置。
- 前記無機粒子が、炭素粒子、炭化ホウ素粒子、酸化チタン粒子、鉄粒子、ホウ酸アルミ粒子及び結晶シリカ粒子から選ばれる何れかである請求項1乃至4のいずれかに記載の現像装置。
- 前記樹脂被覆層の結着樹脂材料が、フェノール樹脂である請求項1乃至5の何れかに記載の現像装置。
- (i)静電荷潜像を保持するための静電潜像保持体、及び(ii)該静電荷潜像を現像領域で現像剤によって現像し、現像画像を形成するための現像装置を少なくとも有する画像形成装置において、
該現像装置が請求項1乃至6の何れかに記載の現像装置であることを特徴とする画像形成装置。 - 画像形成装置本体に脱着可能なプロセスカートリッジにおいて、該プロセスカートリッジは、静電潜像を現像領域で現像剤によって現像し、現像画像を形成するための現像装置を少なくとも有しており、該現像装置が、請求項1乃至6の何れかに記載の現像装置であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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