JP2008304787A - 現像剤担持体及び現像装置 - Google Patents

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稔 伊藤
Masayoshi Shimamura
正良 嶋村
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恭尚 明石
Kazunori Saiki
一紀 齊木
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智 大竹
Takuma Matsuda
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Abstract

【課題】現像剤担持体表面に均一な表面形状を有する樹脂被覆層を形成し、樹脂被覆層が十分な耐久性を有し、削れや表面粗さ変化を抑制し、トナーのコート量を一定量に制御すると共に、トナーに適正な摩擦帯電量を与えることのできる現像剤担持体を提供する。
【解決手段】現像剤担持体37上に形成される樹脂被覆層36に含有される炭素粒子bが、電子顕微鏡で測定した算術平均粒子径dn2が20nm以上200nm以下であり、(式1)にて算出される形状係数SF2の平均が100超120未満であり、かつ、表面皮膜物性試験におけるユニバーサル硬さHMkの分布から求められる平均値A[N/mm2]が400以上900以下であること。
SF2={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4) (式1)
(式1)中、MXLNGは炭素粒子の投影図における最大長さ(nm)であり、AREAはその投影面積(nm2)を意味する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、プリンタの如き電子写真法を用いた画像形成装置において使用される現像剤担持体、及び前記現像剤担持体を有する現像装置に関する。
電子写真法は、一般には光導電性物質を利用し、静電潜像担持体(感光ドラム)上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像剤で現像して画像を形成し、転写材にトナー像を転写した後、熱・圧力によりトナー画像を定着して印画物を得るものである。電子写真法における現像方法は、通常、キャリアが不要な一成分現像方法とキャリアを有する二成分現像方法に分けられる。
一成分現像方法には、以下の方法がある。
・トナーを噴霧状態にして用いるパウダークラウド方法。
可撓性又は弾性を有する現像剤担持体上のトナーを直接的に静電潜像面に接触させて現像する接触現像方法。
・トナーを直接接触させずトナーを静電潜像と現像剤担持体間の電界の作用により静電潜像面に向けて飛翔させるジャンピング現像方法。
・磁性の導電性トナーを静電潜像面に接触させて現像するマグネドライ方法。
一般的には、接触現像方法、ジャンピング現像方法が用いられている。
一成分現像方法を用いた現像装置は、キャリアが不要なため、現像剤劣化による現像剤交換を少なくすることができると共に、現像装置にトナーとキャリアの濃度調整機構が不必要なため、現像装置自体を小型化・軽量化できるという利点がある。
このような現像方法に用いられるトナーとしては、従来、合成樹脂中に着色剤を分散させた微粉体が使用されている。スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂の如き結着樹脂中に各種顔料、染料、カーボンブラック、酸化鉄の如き着色粒子を分散し、微粒子化させたものがトナーとして用いられている。最近では、電子写真装置のデジタル化、更なる高画質化のために、トナーをさらに微粒子化する技術が要求されている。解像度や文字シャープ性を向上させ静電潜像を忠実に再現するためには、重量平均粒径が4μm乃至10μm程度のトナーを用いるのが一般的である。
また、エコロジーの観点から、装置の消費電力の削減、小型化・軽量化及び廃トナーの軽減が求められ、トナーの定着性を向上させる技術やトナーの転写効率を向上させる技術が要求されている。トナーの定着性を向上する技術としては、トナーの定着温度を下げることやトナーの耐オフセット性を向上させることが知られている。すなわち、トナーの定着温度を下げる材料選択として、結着樹脂のTg(ガラス転移点)や結着樹脂の分子量分布における低分子量成分を増加するといった方法がある。また、トナーの耐オフセット性を向上する材料選択として、結着樹脂の可塑性を高めるためにワックス類を添加する方法がある。トナーの転写効率向上には、平均粒径0.1μm乃至3μmの転写効率向上剤とBET比表面積50m2/g乃至300m2/gの疎水性シリカ微粉末を含有させる方法や、トナー自身を機械的衝撃力により球形化処理する方法がある。なお、トナーに転写効率向上剤と疎水性シリカ微粉末を含ませると、トナーの体積抵抗が低減し、感光ドラム上に転写効率向上剤の薄膜層が形成される。
このように、トナーの微粒子化、定着性の向上、転写効率の向上を達成するためには、上記したトナーの材料選択や製法があるが、これらのみを採用してしまうと、トナーの現像性、特に摩擦帯電特性(帯電性)に大きく影響し、良好な現像性を損なう場合がある。微粒子化及び球形化処理されたトナーは、特に低湿下において、トナーと現像剤担持体との摺擦、トナーと現像剤層厚規制部材との摺擦により過剰帯電し易く、チャージアップ現象が起き易くなり、適正に摩擦帯電されない場合がある。また、定着性の向上のため結着樹脂の改良やワックス添加を行ったトナーは、特に高温高湿下において、摩擦帯電量が不十分となり、さらに感光ドラムや帯電部材、現像剤担持体、現像剤層厚規制部材といった部材に融着し易くなる。
上記のようにトナーの摩擦帯電量をトナー自身で制御することが難しくなってきており、摩擦帯電付与部材として適切な材料を選択して、トナーの摩擦帯電量を適正化する方法が提案されてきている。
一成分現像方法を用いた現像装置においては、トナーが現像剤担持体と現像剤層厚規制部材との間を通過し薄層化される際に、現像剤担持体及び現像剤層厚規制部材に接触する。したがって、これらの部材がトナーの摩擦帯電量の適正化に大きく影響を与える。特に、磁性一成分現像方法を用いた現像装置では、トナーは現像剤担持体に内蔵された磁石の磁力の作用により現像剤担持体上を移動するので、トナーと現像剤担持体との摺擦機会が多く、現像剤担持体の表面材料選択が、トナーの摩擦帯電性に与える影響は大きい。
一般的に、一成分現像方法に用いられる現像剤担持体としては、接触現像方法においては、以下のものがある。
・金属製の主軸に、ウレタンゴム、EPDMゴム、シリコーンゴムの如き弾性体を円柱状に成型したもの。
・金属製の円筒部材の表面にエラストマーの層を形成したもの。
この場合、弾性体中には、可塑剤、加硫剤、離型剤、低分子量成分の如き不純物が含まれており、これらの物質がブリードして電子写真用部材に悪影響を及ぼすことを防止するために、弾性体層表面に、バリアー層及び保護層を設ける。さらに、最表面に、離型性の良好な材料やトナーに対して摩擦帯電付与性の良好な樹脂を用いて表面層を形成することもある。
一方、非接触系の一成分現像方法に用いられる現像剤担持体としては、従来、基体としては金属や合金を円柱状又は円筒状に形成し、その表面を電解或いは無電解メッキ、ブラスト、切削研磨、ヤスリ研磨で所定の表面粗さにしたものが用いられる。磁性一成分現像方法を用いる場合には、基体の円筒内に所定の磁力及び磁力構成を有する磁石が配置されている。しかし、上記のような現像剤担持体(以下、「現像スリーブ」とも称す)では、現像剤層厚規制部材(以下、「規制部材」とも称す)によって表面に形成されるトナーのコート層には以下のような現象が起きやすい。すなわち、低湿下においては、過剰摩擦帯電によるチャージアップ現象が、高温高湿下においては、トナーの摩擦帯電量が不十分となり易くなる。そのため、トナーの現像性を適正化することが難しくなり、十分な画像濃度が得られず、さらには画像上にカブリ、スジ・ムラを発生させる要因となってしまう場合がある。
この様な現象を解決する方法として、帯電付与性の良好な結着樹脂中に、カーボンブラック、グラファイトの如き導電性物質や固体潤滑剤を分散させた樹脂被覆層を現像スリーブ表面に形成する方法が提案されている(特許文献1、特許文献2)。この方法を用いることにより、上記した現象は大幅に改良される。しかしながら、これらの方法では、現像スリーブの表面形状が繰り返しの使用によって変化しやすく、トナーのコート量を安定化することが難しく、現像性に支障をきたす場合がある。すなわち、特許文献1及び特許文献2に記載される方法では、高耐久性が要求される場合には、樹脂被覆層の削れによる、現像スリーブの表面形状の変化が大きくなり、トナーのコート量も大きく変化しやすくなってしまう。このトナーのコート量変化は、同時にトナーと現像スリーブとの摺擦機会にも変化を与えるため、トナーの帯電性にも影響を及ぼすことになる。
また、現像スリーブ表面に凹凸を形成する材料として球状の微粒子を添加する方法が提案されている(特許文献3)。球状の粒子を添加する方法は、均一な表面形状を形成し、トナーのコート量を安定化させる手段としては良好である。しかしながら、長期に渡る繰り返し使用や現像スリーブ表面に強いストレスのかかる現像方法においては、樹脂粒子を用いた場合、耐久による削れが樹脂被覆層の表面粗さを低下させ、トナーのコート量が減少すると共に、トナーが融着する不具合も発生しやすい。
耐久性を向上させる球状粒子を添加させる技術として、真密度が3g/cm3以下の導電性球状粒子を添加する方法も提案されている(特許文献4)。この方法では、トナーのコート量が安定化され、添加粒子自身の耐摩耗性も良好であるため、現像スリーブ−規制部材間でのトナーによるストレスは緩和され、樹脂被覆層自体の耐久性は向上する。しかしながら、樹脂被覆層中に球状粒子が存在しない部分においては、長期に渡る繰り返し使用やトナーとの摺擦により、選択的に削れが進行してしまい、樹脂被覆層の表面粗さを変化させ、これまたトナーのコート量を変化させてしまう。
一方、結晶性が制御された高硬度の黒鉛化粒子を含有する樹脂被覆層を用いることで、均一な表面形状と潤滑性を有した耐摩耗性に優れた樹脂被覆層が形成される(特許文献5)。この現像剤担持体では、樹脂被覆層の摩耗による表面粗度の変化は小さくすることが可能である。しかし、前記したような効果を高めるために大量に樹脂被覆層中に添加すると、粒子の形状が十分に球形化されておらず、また粒度分布が均一でないためか、分散性が不十分となってしまう場合がある。このため、表面に局部的に強い摺擦力が加わると、その部分を起点として樹脂被覆層が現像剤担持体の基体部分から脱離し、周方向にスジ状の削れが発生することがある。
以上のように、一成分現像方法を用いた現像装置においては、トナーの微粒子化、定着性の向上、及び転写効率の向上と現像性の両立を達成するためには、改良の必要がある。特に繰り返し複写又は耐久的な使用による現像剤担持体の現像性の変化や現像剤担持体の表面の樹脂被覆層の耐久性が課題となっており、改善が望まれている。
特開平02−105181号公報 特開平03−036570号公報 特開平03−200986号公報 特開平08−240981号公報 特開2003−323041号公報
本発明の目的は、長期に渡る繰り返し使用しても、樹脂被覆層が十分な耐久性を有し、選択的な削れや周方向削れが生じず、表面粗さ変化が抑制され、トナーのコート量及び摩擦帯電量を適正にすることが可能な現像剤担持体を提供することである。
本発明は、潜像担持体に形成された静電潜像を現像剤により現像してトナー画像を形成する際に用いられる現像剤担持体であって、
該現像剤担持体は、少なくとも基体及びその表面に形成された樹脂被覆層からなり、
該樹脂被覆層は、少なくとも炭素粒子を含有しており、
樹脂被覆層に含まれる炭素粒子を、樹脂被覆層の裁断面を電子顕微鏡で観察した時に得られる算術平均粒子径dn2が20nm以上200nm以下であり、下記(式1)にて算出される形状係数SF2の平均が100超120未満であり、
かつ、該樹脂被覆層は、ユニバーサル硬さHMkの分布から求められる平均値Aが、400N/mm2以上900N/mm2以下である
ことを特徴とする現像剤担持体である。
SF2={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4) (式1)
(式1)中、MXLNGは炭素粒子の投影図における最大長さ(nm)であり、AREAはその投影面積(nm2)を意味する。
また、本発明は、前記炭素粒子が、前記算術平均粒子径dn2(nm)に対する、その標準偏差s2(nm)の比(s2/dn2)が0.1超0.3未満であることを特徴とする上記の現像剤担持体である。
さらに、本発明は、前記樹脂被覆層より抽出した炭素粒子で測定されるストークス径Dst2(nm)と前記算術平均粒子径dn2(nm)との比(Dst2/dn2)が1.00超1.20以下であることを特徴とする上記の現像剤担持体である。
さらにまた、本発明は、前記ユニバーサル硬さHMkの分布から求められる標準偏差σが、25N/mm2未満であることを特徴とする上記の現像剤担持体である。
そして、また、本発明は、少なくともトナーを有する現像剤を収容するための容器と該容器に貯蔵された現像剤を担持搬送するための現像剤担持体を有し、現像剤層厚規制部材により現像剤担持体上に現像剤層を形成しながら現像剤担持体上の現像剤を静電潜像担持体と対向する現像領域へと搬送し、前記静電潜像担持体の静電潜像を現像剤により現像し、トナー画像を形成する現像装置であって、
該現像剤担持体が、上記の現像剤担持体である
ことを特徴とする現像装置である。
本発明によれば、基体表面に積層された樹脂被覆層の硬度が高く均一であるため、樹脂被覆層の削れが抑制される。また、トナーの融着や現像剤担持体表面周方向のスジ(以下「周スジ」と称す)や摺擦キズの発生を抑制できる。また、長期に亘って高品位な画像を安定して与える現像剤担持体が提供される。
また、本発明によれば、樹脂被覆層に含有される炭素粒子の粒径と形状が均一であり、また分散性にも優れているため、異なる環境下における長期に渡る繰り返し使用によっても、画像濃度薄、カブリ、トナー汚染性及び周スジの如き問題点が発生のない現像剤担持体が提供される。
本発明の現像剤担持体についてさらに詳細に述べる。
図1に、本発明の現像剤担持体の一例(磁性一成分現像方式)の模式的断面図を示す。
本発明の現像剤担持体は、円筒状の基体35の表面上に導電性樹脂被覆層36が形成された現像スリーブ37があり、中には磁性ローラ34が収納されている。なお、非磁性一成分現像方式では磁性ローラは不要であるので、基体35は円筒状のスリーブ形式でも円柱状の中実のものでもよい。
現像剤担持体の基体35としては、現像方式に応じて、円筒状部材、円柱状部材、ベルト状部材がある。感光ドラムに非接触の現像方法においては、金属のような剛体の円筒管もしくは中実棒が好ましく用いられる。すなわち、基体35としてはアルミニウム、ステンレス鋼、真鍮の如き非磁性の金属又は合金を円筒状あるいは円柱状に成型し、研磨、研削を施したものが用いられる。これらの基体は画像の均一性を達成するために、高精度に成型あるいは加工されているものが好ましい。長手方向の真直度は30μm以下、好ましくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。また、現像剤担持体と感光ドラムとの間隙の振れ(垂直面に対し均一なスペーサーを介して突き当て、現像剤担持体を回転させた場合の垂直面との間隙の振れ)も30μm以下、好ましくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下とされている。なお、材料としては、コストや加工の容易さからアルミニウムが好ましい。
基体35の表面は、現像剤の搬送性を高めるためにブラスト処理、サンドペーパー処理を行っても良い。具体的には、球形ガラスビーズのブラスト材を用い、ブラストノズルから上記ガラスビーズを基体表面に所定の圧力で所定時間吹き付けて基体表面に多数の窪みを形成させる。あるいは、サンドペーパーで基体表面をこすって基体表面に凹凸を形成する。
本発明の現像剤担持体は、図1に示すように、炭素粒子bが結着樹脂aに分散された導電性樹脂被覆層36が円筒状の基体35の上に形成された現像スリーブ37があり、その現像スリーブ37にマグネットローラ5が収納されている。
導電性樹脂被覆層の導電性は結着樹脂aに分散された導電性粒子である炭素粒子bにより調整されている。また、前記被覆層36の表面の凹凸(粗さ)は炭素粒子bにより形成されている。
なお、前記被覆層表面の凹凸をコントロールするために、図1(b)に示すように、凹凸付与粒子cを、結着樹脂に分散させても良い。この凹凸付与粒子cとしては、樹脂被覆層36に対して、導電性、帯電性、潤滑性、耐摩耗性などを付与するものが好ましい。
本明細書では、炭素粒子の算術平均粒子径dn、算術平均粒子径の標準偏差s、ストークス径Dst及び形状係数SFについて、材料自体での測定値をそれぞれdn1、s1、Dst1、SF1と表す。また、現像剤担持体表面の樹脂被覆層に含有されている炭素粒子を、樹脂被覆層表面から円筒の中心方向に向かって裁断した裁断面から観察もしくは粒子自体を抽出することにより測定された測定値をそれぞれdn2、s2、Dst2、SF2と表す。
本発明の現像剤担持体は、少なくとも基体及び樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層は、少なくとも特殊な炭素粒子を含有することを特徴としている。ここで炭素粒子は、算術平均粒子径dn2が20nm以上200nm以下の範囲にあることが必要である。該樹脂被覆層が、含有する炭素粒子のdn2が20nm以上であることにより、樹脂被覆層の硬度が高まり、現像剤担持体の耐摩耗性が良好となる。また、含有する炭素粒子のdn2が200nm以下であることにより、炭素粒子が均一に分散しており、樹脂被覆層は全体の硬度が高まると共に均一な硬度を付与されており、耐摩耗性が向上し、摩耗前後で画像に差が発生しにくい。そのため、現像剤担持体自体におけるトナーのコート量変化も小さく、耐久後期においてもトナーを適正に均一帯電させることができる。dn2を20nm以上200nm以下の範囲に制御するためには、樹脂被覆層の形成に用いる原材料である炭素粒子として、dn1が25nm以上205nm以下であるものを用いることが好ましい。
また、現像剤担持体の裁断面を電子顕微鏡で炭素粒子を観察した時に、炭素粒子が、下記(式1)にて算出される形状係数SF2の平均が100超120未満であることが必要である。炭素粒子の形状係数SF2の平均が100であることは、すべての粒子が真球形状であることを意味するので、そのような粒子を得ることは実質的に不可能である。SF2が120以下では球形の炭素粒子が多いので、炭素粒子が樹脂被覆層中へ良好に分散性していると判断され、それにともない樹脂被覆層の硬度も高くて、かつ、均一な強度を達成している。そのため、樹脂被覆層の耐摩耗性も向上しており、より削れが少ない樹脂被覆層となる。SF2の平均を100超120未満になるように制御するためには、原材料としてSF1が100超122未満である炭素粒子を用いることが好ましい。
SF2={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4) (式1)
(式1)中、MXLNGは炭素粒子の投影図における最大長さ(nm)であり、AREAはその投影面積(nm2)を意味する。
さらに、該樹脂被覆層は、表面皮膜物性試験におけるユニバーサル硬さHMkの分布から求められる平均値Aが400N/mm2以上900N/mm2以下である。Aが400N/mm2以上の時には、樹脂被覆層の硬度を高く維持できることにより、耐摩耗性を向上させることが可能となり、削れをより少なくすることができる。また、Aが900以下であると、現像剤層厚規制部材(弾性規制ブレード)が現像スリーブにトナーを介して弾性的に圧接されるタイプの現像装置に用いる場合、耐久初期の段階で弾性規制ブレードの表面に摺擦キズをつける心配がない。さらに、トナーのコートムラの発生を抑制し、ベタ画像のスジ・ムラの画像劣化を防ぐことも可能である。
ユニバーサル硬さHMkの測定は、微小硬さ試験機「フィッシャースコープH100V」(商品名、株式会社フィッシャー・インストルメンツ製)を用いて行った。測定においては、対面角度が136°に規定されている四角錘のダイヤモンド圧子を使用し、測定荷重を段階的にかけて皮膜に押し込んでいった際の、荷重をかけた状態での押し込み深さh(mm)を電気的に検出して読み取る。そして、該皮膜の硬さは試験荷重F(N)をその試験荷重Fで生じた圧痕の面積で除した比率で表示される。すなわち、これら押し込み深さhと荷重Fから、ユニバーサル硬さ値HMkは、定数K(1/26.43)を用いて、下記(式2)により求められる。
ユニバーサル硬さ値HMk=K×F/h2 [N/mm2] (式2)
ユニバーサル硬さHMkの分布から求められる平均値Aが、400N/mm2以上900N/mm2以下の範囲に制御するためには、上記した炭素粒子を樹脂100質量部に対して10質量部以上100質量部以下含有させて用いることが好ましい。また、樹脂被覆層の均一性を損なわない程度に、高硬度微粒子のようなその他の粒子を添加しても良い。
ここで、本発明で使用する原料の炭素粒子の製造方法について説明する。
本発明の炭素粒子は、粒子が融着結合した凝集構造体が小さく、実質的に単一球である。この炭素粒子は炭化水素ガスを水素ガスと共に熱分解することにより容易に製造される。原料となる炭化水素は以下のようなものが挙げられる。
・メタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、ブタジエンの如き脂肪族炭化水素;
・ベンゼン、トルエン、キシレンの如き単環式芳香族炭化水素;
・ナフタレン、アントラセンの如き多環式芳香族炭化水素;
・これらの混合物や液化天然ガス(LNG)。
なお、原料炭化水素が常温で液体又は固体の場合には、その沸点以上の温度に加熱して気化させて、ガス状で熱分解炉に供給される。
炭化水素ガスは水素ガスをキャリアガスとして水素ガスと共に熱分解炉に供給される。そして、炭化水素ガスと水素ガスの混合ガスを比較的低温で、緩やかに熱分解させる。これにより、粒度分布がシャープで粒子凝集構造が小さく、実質的に単一な球状形態を有する粒子を製造することができる。
トルエンと水素との混合ガスを熱分解させた場合、トルエンガスは水素ガス中で下記(反応式1)の反応式により熱分解して炭素を生成するものと想定される。
65−CH3 → 6C+2H2+CH4 …(反応式1)
すなわち、(反応式1)よりトルエンガスの熱分解反応は水素ガスの存在により抑制されることになる。一方、熱分解反応により生成したメタンガスも熱分解するが、温度が低い場合には分解速度が遅く、トルエンガスの熱分解により生成した水素ガス、メタンガスは共にトルエンガスの熱分解反応を抑制する方向に機能することになる。その結果、トルエンガスは緩やかに熱分解して単一球状で粒度分布がシャープな炭素微小球の生成が可能となる。
また、炭化水素ガスの濃度を低く設定すると、分解反応の過程における炭素微小球の前駆体である中間生成粒子の濃度も低くなり、中間生成粒子の衝突機会が回避される結果、粒子間の結合が抑制され、粒子凝集体の形成が防止される。すなわち、単一球状で粒度分布もシャープな炭素微粒子の生成が可能となる。
さらに、炭化水素ガスと水素ガスの混合ガスの流速が遅く、層流状態で熱分解反応させると、分解反応過程における炭素微小球の前駆体である中間生成粒子相互間の衝突機会が減少する。これにより、粒子間の凝集が抑制され、粒度分布がシャープで単一球状形態の炭素微小球を生成することができる。
このような理由により炭素粒子の製造は、原料となる炭化水素ガスの濃度を0.01vol%乃至40vol%に、炭化水素ガスと水素ガスの混合ガスのレイノルズ数を1乃至20に、分解温度を1100℃乃至1300℃として熱分解反応を行うことが好ましい。
混合ガスのレイノルズ数Reは、物体の大きさL(cm)、流体の密度ρ(g/cm3)、流体の粘度η(Pa・s)、流れの速さU(cm/s)とすると下記(式3)と定義される。
Re=ρUL/η (式3)
混合ガスの混合比、流速を制御することにより、レイノルズ数を制御することができる。レイノルズ数が1000未満である低レイノルズ流体では、層流と呼ばれる規則的な流れが形成される。一方、レイノルズ数が1000以上である高レイノルズ流体は、乱流と呼ばれる不規則な流れが形成されやすい。乱流状態で混合ガスを熱分解反応すると、分解反応過程における炭素粒子の前駆体である中間粒子相互の衝突機会が不均一になり、粒子間で凝集が促進され、粒度分布がシャープで球形度の高い炭素粒子を生成することが難しくなる。また、レイノルズ数が1000未満である低レイノルズ流体であっても、そのレイノルズ数の値よって、流れが異なってくる。レイノルズ数が1未満では、まったく淀みのなく定常で対称な流れを形成する。レイノルズ数が1以上20以下では、炭素製造装置内の加熱帯の内壁や反応管においてレイノルズ数の大きさに依存する双子渦ができる。レイノルズ数が20超1000未満になると、双子渦が大きくなり、かつ振動し、カルマン渦列が形成される。本発明の炭素粒子の製造には、レイノルズ数が1以上20以下になるようにするのが望ましい。この理由は、前述した双子渦が形成される程度の淀みが炭素粒子を形成する上で必要であるからである。レイノルズ数が1未満では、淀みが形成し難く炭素粒子の生成効率が低下する。レイノルズ数が20超では、双子渦が大きくなりカルマン渦列が形成し、粒度分布がシャープで球形度の高い炭素粒子を生成することができないからである。
原料ガス中の炭化水素濃度〔(炭化水素ガス流量)/(炭化水素ガス流量+水素ガス流量)〕を0.01vol%以上40vol%以下に設定するのは、以下の理由による。すなわち、炭化水素濃度が40vol%を越える場合には微細な粒子径で、粒子凝集体の小さい炭素粒子を生成することが難しくなる。一方0.01vol%未満の低いガス濃度では炭素粒子の製造効率が低いばかりでなく、反応ガス中における炭化水素が少ないために炭素粒子の生成反応が円滑に進まず、粒子性状が不均一となり、球形度が低くかつ粒度分布もブロードとなる恐れがある。
炭素粒子を液状の炭化水素を用いて製造する製造装置の概要を図2に示す。
高純度水素ガスが充填されたガスボンベ7が流量計9、配管12を経て、液状の炭化水素を貯蔵する原料タンク11に接続されている。一方、他の高純度水素ガスが充填されたガスボンベ8が流量計10、配管13を経て、炭化水素を加熱分解する分解炉16に接続されている。原料タンク11からは、原料炭化水素がガスボンベ7から供給された水素により気化して水素と共に導出される配管14が結合しており、この配管14は分解炉16の手前で前記配管13と結合されている。なお、配管13には、配管14と結合し、分解炉16との間に、分解炉16内の反応圧力を測定するための圧力計15が取り付けられている。
分解炉16は、炉内が予熱帯域17と加熱分解帯域19に分けられている。炉外部に予熱帯域17の加熱用ヒータ18が設けられ、熱電対(不図示)でコントロールされている温度調節器22により調節できるようになっている。加熱分解帯域19には、反応ガスの流速を調製するための反応管(加熱分解管)20が設けられ、さらに炉外部に加熱分解帯域19の加熱用ヒータ21が設けられている。加熱分解帯域19の温度を測るために分解炉16の原料ガス導入側末端には放射温度計24が設けられ、この放射温度計24によりヒータ21がコントロールされている。なお、ヒータ18、21には電熱加熱方式や高周波誘導加熱方式が適用される。
分解炉16からは、反応後の炭素粒子を含む反応済ガスを冷却するための冷却管25を経て、炭素粒子を捕集する捕集室26へ繋がる配管が出ている。捕集室26には圧力調節弁27が取り付けられ、分解炉16の圧力を調節できるようになっている。圧力調節弁27の先には減圧ポンプ28が接続され、さらに反応済ガス中の顆粒を捕集するための水槽29が設けられ、反応済ガスが前記水層29中でバブリングするようになっている。水槽29から出た反応済ガスは焼却炉30にて燃やされて、排出される。
一方、捕集された炭素粒子は捕集室26から取り出される。得られた炭素球を無酸素雰囲気の加熱炉(不図示)で、600℃乃至2000℃で熱処理して、炭素球表面に残留したタール状の未分解炭素物質を除去し、冷却・補修して、本発明に用いる炭素粒子を得ることができる。
なお、本発明では、上記したように、基体表面に形成された樹脂被覆層に含まれる炭素粒子が特定であることが必要である。すなわち、樹脂被覆層に含まれる炭素粒子を電子顕微鏡で観察したときの算術平均粒子径dn2(nm)とその標準偏差s2(nm)の比(s2/dn2)が、0.1超0.3未満であることが好ましい。比(s2/dn2)が0.1超である粒子は、その原料炭素粒子を安定して製造することが可能であり、粒度分布をより均一にすることができる。また、比(s2/dn2)が0.3未満であると、炭素粒子の分布が広くなり過ぎず、樹脂被覆層中での分散性が向上しており、樹脂被覆層の硬度が均一に高くなる。この比(s2/dn2)を、0.1超0.3未満に制御するためには、原料炭素粒子として、原料炭素粒子で測定した算術平均粒子径dn1とその標準偏差s1の比(s1/dn1)が0.1超0.3未満である炭素粒子を用いることが好ましい。
また、樹脂被覆層中より抽出した炭素粒子で測定したストークス径Dst2(nm)と現像剤担持体の裁断面を電子顕微鏡で観察した炭素粒子で求めた算術平均粒子径dn2(nm)との比(Dst2/dn2)が1.00超1.20以下であることが好ましい。ストークス径Dstは、炭素粒子が凝集した凝集構造体の大きさを表すパラメータとなるもので、この値が大きくなると凝集した炭素粒子の個数が多くなることを意味する。したがって、Dstとdnとの比は単一の炭素粒子に対する凝集炭素粒子の大きさ、すなわち凝集体の大きさを示すことになる。炭素粒子の凝集が全くなく単一粒子のみとすれば、Dst=dnとなるから、Dst/dn=1であり、凝集した炭素粒子の数が多くなるにともないDst/dnの値は大きくなる。そして、本発明では、樹脂被覆層中の炭素粒子は球体相互の凝集が極めて少なく、比(Dst2/dn2)が1.20以下である粒子性状を備えており、単一粒子の存在比率が極めて高く、実質的に単一球状形態を有している点に特徴がある。
比(Dst2/dn2)が1.0であることは、すべての粒子が凝集をしていないということを意味するため、実質的に不可能である。比(Dst2/dn2)が1.20以下であることで、炭素粒子がストラクチャーを構成していたり、過剰な凝集状態にあったりすることが少ない。これにより、樹脂被覆層の硬度が均一に高くなっており、現像剤担持体の耐摩耗性が向上している。比(Dst2/dn2)を1.00超1.20以下に制御するためには、原料炭素粒子として、原料炭素粒子で測定したDst1とdn1から求めた比(Dst1/dn1)が1.00超1.19以下である炭素粒子を用いることが好ましい。
さらに、樹脂被覆層のユニバーサル硬さHMkの分布から求められる標準偏差σが、25N/mm2未満であることが好ましい。σが25N/mm2以上であると、樹脂被覆層表面が均一な硬さでないため、軟らかい部分から優先的に摩耗し、その結果、炭素粒子の脱落を招き、樹脂被覆層の耐摩耗性が悪化することがある。
樹脂被覆層中の炭素粒子の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して好ましくは2質量部乃至150質量部、より好ましくは4質量部乃至100質量部である。炭素粒子の含有量が2質量部以上の場合には、炭素粒子添加により樹脂被覆層の硬度が増す効果が発現し、現像剤担持体の耐摩耗性が向上する。また、炭素粒子の含有量が150質量部以下の場合には、樹脂被覆層の密着性が充分確保されて耐摩耗性を維持することができる。樹脂被覆層の標準偏差σを25N/mm2未満にするためには、原料炭素粒子として、粒径dn1が25nm以上205nm以下であり、形状係数SF1が100超122未満であり、かつ、比(s1/dn1)を0.1超0.3未満である炭素粒子を用いる。
本発明の樹脂被覆層に用いる結着樹脂(被覆樹脂)として、一般に現像剤担持体の導電性樹脂被覆層に使用されている公知の樹脂が使用可能である。例えば、以下の樹脂を挙げることができる。
・フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、スチレン樹脂、ビニル樹脂、セルロース樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂。
これらの樹脂は、有機溶剤に対して比較的溶解性が高く、黒鉛化カーボンや黒鉛化粒子、及び他の添加剤の分散性にも優れており、さらに薄層化も容易である。また、これらの樹脂は基体との密着性や耐摩耗性にも優れているばかりでなく、特に現像剤が負摩擦帯電性の場合、現像剤に対して適度な摩擦帯電を付与することができる。さらに、他の樹脂やプレポリマー、重合体と架橋反応させて変性することによって、耐摩耗性の更なる向上を図ることができ、耐溶剤性や柔軟性を改良することが可能である。また、十分な機械的強度を有するものであれば、熱可塑性樹脂でも、熱硬化性樹脂でも十分使用可能である。
本発明において、現像剤担持体上に形成される樹脂被覆層は、チャージアップによる現像剤の現像剤担持体上への固着や、現像剤のチャージアップに伴って生じる現像剤担持体の表面から現像剤への摩擦帯電付与不良を防ぐためには、導電性であることが望ましい。
また、樹脂被覆層の体積抵抗値としては、好ましくは104Ω・cm以下、より好ましくは103Ω・cm乃至10-3Ω・cmである。現像剤担持体表面の導電性被覆層の体積抵抗値が104Ω・cmを超えると、現像剤への摩擦帯電付与不良が発生しやすく、その結果、いわゆるブロッチが発生しやすい。
本発明の樹脂被覆層中に炭素粒子以外に、さらに、下記に挙げる導電性微粒子を含有させても良い。この導電性微粒子は、樹脂被覆層形成に用いる塗料の粘度調整、樹脂被覆層の導電性のコントロールをつかさどる。導電性微粒子の粒径は細かい方が望ましく、粒径1μm以下であることが好ましい。この際に使用される導電性物質としては、以下のものが挙げられる。
・アルミニウム、銅、ニッケル、銀の如き金属粉体、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズの如き金属酸化物;
・カーボンファイバー、カーボンブラック、グラファイトの如き炭素物。
本発明においては、これらのうち一次粒径が1μm以下と細かいカーボンブラックを好適に用いうる。とりわけ導電性のアモルファスカーボンは、特に電気伝導性に優れ、高分子材料に充填して導電性を付与し、その添加量をコントロールするだけで、ある程度任意の導電度を得ることができるために好ましい。
本発明の樹脂被覆層中に、表面に凹凸を形成するための球状粒子を併用することも可能であり、このような球状粒子を形成する材料として、以下のものが挙げられる。
・ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチルアクリレート、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンの如きビニル系重合体や共重合体;
・ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂;
・アルミナ、酸化亜鉛、シリコーン、酸化チタン、酸化錫の如き酸化物;
・イミダゾール化合物のような有機化合物。
なお、イミダゾール化合物を用いた場合は、トナーに摩擦帯電電荷を付与する役割も果たす。
この球状粒子の個数平均粒径は、0.3μm以上30μm以下であることが好ましく、0.5μm以上13.0μm以下であることがさらに好ましい。すなわち、球状粒子の粒径が0.3μm以上では樹脂被覆層に均一な凹凸を形成することが可能であり、必要な表面粗さを形成しようとする際には、配合量を過大にする必要がなく、樹脂被覆層が脆くならず、耐摩耗性を高く維持することができる。逆に球状粒子の粒径が30μm以下では、粒子が樹脂被覆層表面から突出し過ぎず、担持する現像剤の量(現像剤層厚み)が適度に保たれ、現像剤に適切な摩擦帯電を付与することが可能となる。さらに、バイアス電圧を負荷した際に感光ドラムへのリークポイントになる心配がない。
本発明においては、現像剤担持体の摩擦帯電性を調整するために、樹脂被覆層中に、炭素粒子、カーボンブラック、球状粒子と共に荷電制御剤を含有させてもよい。
ここで使用できる荷電制御剤として、以下のものが挙げられる。
・ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変性物;
・トリブチルベンジルアンモニウム 1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩;
・これらの類似体であるホスホニウム塩の如きオニウム塩;
・これらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物);
・高級脂肪酸の金属塩;グアニジン類;イミダゾール化合物。
これらの荷電制御剤の中でも、特に球形化度の高い負摩擦帯電性トナーを用いる場合は、荷電制御剤として鉄粉に対して正摩擦帯電性である第4級アンモニウム塩化合物を樹脂被覆層中に含有させることが、トナーへの摩擦帯電付与性を向上させる点で好ましい。
このとき、前記樹脂被覆層は、樹脂構造中にアミノ基、=NH基、又はNH−結合の少なくともいずれかを有することがさらに好ましい。
現像剤担持体上に上記の第4級アンモニウム塩化合物と特定の被覆樹脂を組み合わせた樹脂被覆層を設けたものを用いることで、球形化度の高い負摩擦帯電性トナーの過剰摩擦帯電を防ぐことが可能となる。また、負摩擦帯電性トナーへの適正な摩擦帯電することができる。これにより、現像剤担持体上でのトナーのチャージアップを防ぎ、樹脂被覆層表面にトナー融着が発生しにくくトナーの高い摩擦帯電安定性を保持でき、その結果、長期安定性を有する高精細画像を提供することが可能となる。
本発明において好適に使用される、上記した機能を有する第4級アンモニウム塩化合物としては、鉄粉に対して正摩擦帯電性を有するものであればいずれのものでもよく、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
〔式中、R1乃至R4は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、アルアルキル基を表し、X-は酸の陰イオンを表す。〕
一般式(1)においてX-で表されている酸の陰イオンとしては、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオン、有機リン酸イオン、モリブデン酸イオン、タングステン酸イオン、モリブデン原子或いはタングステン原子を含むヘテロポリ酸イオンが好ましい。
本発明に好適に用いられる、それ自身が鉄粉に対して正摩擦帯電性である第4級アンモニウム塩化合物として、下記表1乃至表3に記載するものが挙げられる。
これら4級アンモニウム塩との組合せで構造中にアミノ基、=NH又はNH−の少なくとも1つを含む好ましい樹脂として、以下のものが挙げられる。その製造工程において触媒として含窒素化合物を用いて製造されたフェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドを硬化剤として用いたエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、これらの樹脂を一部に含んだ共重合体。これら被覆樹脂との混合物の成膜時に第4級アンモニウム塩化合物が被覆樹脂の構造中に容易に取り込まれる。
現像剤担持体表面、すなわち樹脂被覆層表面の粗さは、その現像方式によって異なるが、一般的には、JIS B0601−2001に規定の算術平均粗さ(Ra)で0.15μm乃至3.00μmにあることが好ましい。同様に樹脂被覆層の膜厚に関しても、現像方式によって好適な膜厚は異なるものの、一般的には5.0μm乃至50.0μmにあることが好ましい。
図3に示されるような、磁性トナーを用い、現像剤層厚規制部材として現像剤担持体510と間隙をもって配置された磁性ブレード502を有するような現像装置では、Raが0.15μm乃至2.50μm程度であることが望ましい。0.15μm以上の場合には、現像剤が十分に搬送されることで、現像剤不足による画像濃度薄や、現像剤コート不均一化に伴う画像不良の発生がない。また、Raが2.50μm以下の場合には、トナーの摩擦帯電が均一となり、スジむらや、反転カブリ、摩擦帯電不足による画像濃度薄の発生が抑制される。
図4や図5に示されるような、弾性部材516(811)が現像剤担持体510(808)に圧接して用いられる現像装置の場合には、樹脂被覆層の表面粗さRaが、0.30μm乃至3.50μmにあることが好ましい。0.30μm以上の場合には、現像剤が十分に搬送されることで、現像剤不足による画像濃度薄や、現像剤コート不均一化に伴う画像不良が発生しにくく、現像剤担持体へのトナー融着も発生しにくい。また、3.50μm以下の場合には、トナーの摩擦帯電が均一に維持でき、スジむらや、反転カブリ、摩擦帯電不足による画像濃度薄が発生しにくくなる。
基体上へ樹脂被覆層の形成は、各成分を溶剤中に分散混合して塗料化して、又は粉体の塗料を用いて、前記基体上に塗工することにより可能である。各成分の分散混合には、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル、パールミルの如きビーズを利用した公知の分散装置や、衝突型微粒化法や薄膜旋回法を利用した公知のメディアレス分散装置が利用可能である。また塗工方法としては、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法、静電塗布法の如き公知の方法が適用可能である。
すなわち、樹脂被覆層の形成は、少なくとも結着樹脂と炭素粒子を含有する樹脂組成物を分散させる工程と、分散された樹脂組成物を基体表面に塗工する工程からなる。
次に、本発明の現像装置について説明する。
図3は、磁性一成分現像剤を使用する本発明の現像装置における実施形態の一例の構成を示す模式図である。現像剤を収容するための容器(現像容器503)には、該容器に貯蔵された現像剤(不図示)を担持搬送するための現像剤担持体510が備えられ、現像剤層厚規制部材(磁性ブレード)502が現像剤担持体510上の現像剤層を調節するために設けられている。磁性ブレードが現像剤層を現像剤担持体510上に形成する。形成された現像剤層を担持した現像剤担持体510は矢印A方向に回転して現像剤を静電潜像担持体501と対向する現像領域Dへと搬送する。この現像領域Dにおいて、静電潜像担持体501の静電潜像を現像剤により現像し、トナー像を形成する。このような現像装置において、本発明の現像剤担持体が現像剤担持体510として用いられていることが特徴である。
静電潜像担持体501は、公知のプロセスにより形成することができる。静電潜像を担持する静電潜像担持体(感光ドラム)501は、矢印B方向に回転する。現像剤担持体510は、現像容器503に収容された磁性トナー粒子を有する磁性一成分現像剤を担持して、矢印A方向に回転することによって、現像剤担持体510と感光ドラム501とが対向している現像領域Dに現像剤を搬送する。現像剤担持体510においては、磁性一成分現像剤を現像剤担持体510上に磁気的に吸引しかつ保持するため、現像スリーブ508内に磁石(マグネットローラ)509が配置されている。なお、現像スリーブ508は、基体506である金属円筒管上に導電性樹脂被覆層507及び導電性樹脂被覆層507上に表層(不図示)が被覆形成されている。
現像容器503内へ、現像剤補給容器(不図示)から現像剤供給部材512を経由して磁性一成分現像剤が送り込まれてくる。現像容器503は、第一室514と第二室515に分割されており、第一室514に送り込まれた磁性一成分現像剤は攪拌搬送部材505により現像容器503及び仕切り部材504により形成される隙間を通過して第二室515に送られる。磁性一成分現像剤はマグネットローラ509による磁力の作用により現像剤担持体510上に担持される。第二室515中には現像剤が滞留するのを防止するための攪拌部材511が設けられている。
磁性一成分現像剤は、磁性トナー粒子相互間及び現像剤担持体の表層との摩擦により、感光ドラム501上の静電潜像を現像することが可能な摩擦帯電電荷を得る。現像領域Dに搬送される現像剤の層厚を規制するために、現像剤層厚規制部材としての強磁性金属製の磁性ブレード(ドクターブレード)502が装着されている。磁性ブレード502は、通常、現像剤担持体510の表面から50μm以上500μm以下の間隙を有して現像剤担持体510に対向するように現像容器503に装着される。マグネットローラ509の磁極N1からの磁力線が磁性ブレード502に集中することにより、現像剤担持体510上に磁性一成分現像剤の薄層が形成される。なお、本発明においては、この磁性ブレード502に替えて非磁性の現像剤層厚規制部材を使用することもできる。
現像剤担持体510上に形成される磁性一成分現像剤の薄層の厚みは、現像領域Dにおける現像剤担持体510と感光ドラム501との間の最小間隙よりもさらに薄いものであることが好ましい。
本発明の現像剤担持体は、以上の様な磁性一成分現像剤の薄層により静電潜像を現像する方式の現像装置、すなわち非接触型現像装置に組み込むことが有効である。しかし、非磁性一成分現像剤を用いた非接触型現像装置や非磁性一成分接触型現像装置及び、二成分現像装置も本発明の現像剤担持体を使用することができる。
また、現像剤担持体510に担持された磁性トナーを有する磁性一成分現像剤を飛翔させるため、現像剤担持体510にはバイアス手段としての現像バイアス電源513により現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときは、静電潜像の画像部(現像剤が付着して可視化される領域)の電位と背景部の電位との間の値の電圧を現像剤担持体510に印加するのが好ましい。
現像された画像の濃度を高め、かつ階調性を向上させるためには、現像剤担持体510に交番バイアス電圧を印加し、現像領域Dに向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合には、上記した現像画像部の電位と背景部の電位との中間の値を有する直流電圧成分を重畳した交番バイアス電圧を現像剤担持体510に印加するのが好ましい。
この時、高電位部と低電位部を有する静電潜像の高電位部にトナーを付着させて可視化する、いわゆる正規現像の場合には、静電潜像の極性と逆極性に摩擦帯電する磁性一成分現像剤を使用する。高電位部と低電位部を有する静電潜像の低電位部にトナーを付着させて可視化する、いわゆる反転現像の場合には、静電潜像の極性と同極性に摩擦帯電する磁性一成分現像剤を使用する。この場合、高電位、低電位というのは、絶対値による表現である。これらいずれの場合にも、磁性一成分現像剤(磁性トナー粒子)は少なくとも現像剤担持体510の表層との摩擦により帯電する。
図3には、現像剤担持体510上の磁性一成分現像剤の層厚を規制する現像剤層厚規制部材として、現像剤担持体510から離間されて配置された磁性ブレード502を用いた例を示した。図4は、磁性一成分現像剤を使用する本発明の現像装置の実施形態の他の例の構成を示す模式図である。図4に示したように、本発明の現像装置は、ウレタンゴム、シリコーンゴムのようなゴム弾性を有する材料、あるいはリン青銅、ステンレス鋼のような金属弾性を有する材料の弾性板からなる弾性ブレード516を使用する実施形態としてもよい。この弾性ブレード516は、現像剤担持体510に対して、磁性一成分現像剤を介して接触あるいは圧接させても良い。本発明においては、特に、この形態を有する系においても、耐摩耗性及び摩擦帯電付与能の面で格段の効果を得ることができる。このような現像剤層厚規制部材を接触又は圧接させるタイプの現像装置では、現像剤層はさらに強い規制を受けながら現像剤担持体510上に薄い層を形成する。このため、現像剤担持体510上に、磁性ブレード502を使用した図3に示した実施形態の場合よりもさらに薄い現像剤層となるため、現像剤担持体510の表層への負荷が大きくなり、表層が摩耗し易くなる。本発明では、このような系においても表層の摩耗を軽減することができ、高耐久化を達成することができる。なお、現像剤担持体510に対する弾性ブレード516の当接圧力は、線圧0.049N/cm以上0.49N/cm以下であることが、磁性一成分現像剤の規制を安定化させ、磁性現像剤層の厚みを好適に規制できる点で好ましい。弾性ブレード516の当接圧力を線圧0.049N/cm以上とすると、磁性一成分現像剤の規制が充分となり、カブリや磁性一成分現像剤もれを防止することができる。また、線圧0.49N/cm以下とすると、磁性一成分現像剤の摺擦力が適度な大きさとなり、磁性一成分現像剤の劣化や現像剤担持体及び現像剤層厚規制部材への融着を防止することができる。
図5は、非磁性一成分現像剤を使用する本発明の現像装置の実施形態の一例の構成を示す模式図である。図5に示した実施形態において、公知のプロセスにより形成された静電潜像を担持する静電潜像担持体(感光ドラム)801は、矢印B方向に回転される。現像剤担持体としての現像スリーブ808は、基体(金属製円筒管)806とその表面に形成される導電性樹脂被覆層807と、導電性樹脂被覆層上に形成された表層(不図示)から構成されている。非磁性一成分現像剤を用いているので基体806の内部には磁石は内設されていない。基体806として金属製円筒管の替わりに円柱状部材を用いることもできる。
現像容器803内には非磁性一成分現像剤804を撹拌搬送するための撹拌搬送部材810が設けられている。
現像スリーブ808に現像剤804を供給し、かつ現像後の現像スリーブ808の表面に残存する現像剤804を剥ぎ取るための現像剤供給・剥ぎ取り部材813が現像スリーブ808に当接している。現像剤供給・剥ぎ取り部材(現像剤供給・剥ぎ取りローラ)813が現像スリーブ808と同じ方向に回転することにより、供給・剥ぎ取りローラ813の表面は、現像スリーブ808の表面とカウンター方向に移動する。これにより、現像容器803内で非磁性一成分現像剤804は、現像剤スリーブ808に供給される。現像スリーブ808は、供給された非磁性一成分現像剤を担持して、矢印A方向に回転することにより、現像スリーブ808と感光ドラム801とが対向した現像部Dに非磁性一成分現像剤を搬送する。現像スリーブ808に担持されている非磁性一成分現像剤は、現像スリーブ808の表面に対して現像剤層を介して圧接する現像剤層厚規制部材811によりその厚みが規定される。非磁性一成分現像剤804は現像スリーブ808との摩擦により、感光ドラム801上の静電潜像を現像するのに十分な摩擦帯電をする。なお、煩雑を避けるため、非接触型現像装置を例にとって、以下、説明を行う。
現像スリーブ808には、これに担持された非磁性一成分現像剤を飛翔させるために、電源809より現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときは、静電潜像の画像部(非磁性現像剤804が付着して可視化される領域)の電位と背景部の電位との間の値の電圧が現像スリーブ808に印加されることが好ましい。現像画像の濃度を高めたり、階調性を向上させたりするために、現像スリーブ808に交番バイアス電圧を印加して、現像部に向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合、上記画像部の電位と背景部の電位間の値を有する直流電圧成分が重畳された交番バイアス電圧を現像スリーブ808に印加することが好ましい。
高電位部と低電位部を有する静電潜像の高電位部にトナーを付着させて可視化するいわゆる正規現像では、静電潜像の極性と逆極性に摩擦帯電する非磁性一成分現像剤を使用する。静電潜像の低電位部にトナーを付着させて可視化するいわゆる反転現像では、静電潜像の極性と同極性に摩擦帯電する非磁性一成分現像剤を使用する。高電位と低電位というのは、絶対値による表現である。いずれにしても、非磁性一成分現像剤804は現像スリーブ808との摩擦により静電潜像を現像するための極性で摩擦帯電する。
現像剤供給・剥ぎ取り部材813としては、樹脂、ゴム、スポンジのような弾性ローラ部材が好ましい。現像剤供給・剥ぎ取り部材813として、弾性ローラに代えてベルト部材又はブラシ部材を用いることもできる。現像剤供給・剥ぎ取り部材として弾性ローラからなる現像剤供給・剥ぎ取りローラ813を用いる場合には、現像剤供給・剥ぎ取りローラ813の回転方向は現像スリーブに対して適宜同方向若しくはカウンター方向を選択することができる。通常、カウンター方向に回転することが、剥ぎ取り性及び供給性の点でより好ましい。
現像スリーブ808に対する現像剤供給・剥ぎ取り部材813の侵入量は、0.5mm以上2.5mm以下であることが、現像剤の供給及び剥ぎ取り性の点で好ましい。現像剤供給・剥ぎ取り部材813の侵入量を0.5mm以上とすると、剥ぎ取り性が向上し、ゴーストの発生を抑えることができる。侵入量を2.5mm以下とすると、トナーのダメージがなく、トナー劣化や融着やカブリを抑えることができる。
図5に示した現像装置では、ウレタンゴム、シリコーンゴムのようなゴム弾性を有する材料、あるいはリン青銅、ステンレス銅のような金属弾性を有する材料の弾性ブレード811を使用している。この弾性ブレード811は、現像スリーブ808の回転方向と逆の姿勢で現像スリーブ808に圧接されている。
この弾性ブレード811としては、特に安定した規制力とトナーへの安定した(負)摩擦帯電付与性のために、安定した加圧力の得られるリン青銅板表面にポリアミドエラストマー(PAE)を貼り付けた構造のものを用いることが好ましい。ポリアミドエラストマー(PAE)としては、ポリアミドとポリエーテルの共重合体が挙げられる。
現像スリーブ808に対する現像剤層厚規制部材811の当接圧は、本例においても磁性一成分現像剤を使用する図4に示したものと同様に、線圧0.049N/cm以上0.49N/cm以下であることが好ましい。このような当接圧とすると、現像剤の規制を安定化させ、現像剤層厚を好適にさせることができる点で好ましい。現像剤層厚規制部材811の当接圧力を線圧0.049N/cm以上とすると、現像剤の規制が適切なものとなり、カブリや非磁性一成分現像剤のもれを防止することができる。また、線圧0.49N/cm以下とすると、非磁性一成分現像剤へのダメージを軽減し、非磁性一成分現像剤の劣化やスリーブ及びブレードへの融着を防止することができる。
図6は、二成分現像剤を使用する本発明の現像装置の実施形態の一例の構成を示す模式図である。1は像担持体としての感光ドラムである。この感光ドラム1は、アルミニウム製シリンダ(導電性ドラム基体)の表面に、光の干渉を抑え上層の接着性を向上させる下引き層と、光電荷発生層と、電荷輪送層の3層から構成されている。
2は感光ドラム1の周面を一様に帯電処理する帯電装置であり、本例では磁気ブラシ型帯電装置である。マグネットローラ2aの有する磁力によって、帯電装置としての搬送スリーブ2の表面に磁性粒子2bよりなる磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシを感光ドラム1の表面に接触させ、感光ドラム1を帯電する。なお、搬送スリーブ2には、バイアス印加手段S1により帯電バイアスが印加されている。3は帯電処理された感光ドラム1の面に静電潜像を形成する情報書き込み手段としての露光装置であり、本例はレーザビームスキャナである。不図示の画像読み取り装置の如きホスト装置からプリンタ側に送られた画像信号に対応して変調されたレーザー光Lを出力して感光ドラム1の一様帯電処理面を、露光位置においてレーザー走査露光をする。このレーザー走査露光により、感光ドラム1面のレーザー光Lで照射されたところの電位が低下することで、感光ドラム1面には走査露光した画像情報に対応した静電潜像が順次に形成されていく。
現像装置(現像器)4は感光ドラム1上の静電潜像に現像剤を供給し静電潜像を可視化する現像手段としての現像装置(現像器)であり、本例は二成分磁気ブラシ現像方式の反転現像装置である。
4aは現像容器である。4bは現像剤担持体としての現像スリーブである。現像スリーブ4bは、基体と、前記基体上に導電性樹脂被覆層と、前記導電性樹脂被覆層上に表層を有する。基体は、通常、アルミニウム及びその合金、ステンレス鋼の如き金属の円筒体からなっているが、金属は円筒体への成型加工が容易であればよく、特に限定されない。この現像スリーブ4bはその外周面の一部を外部に露呈させて現像容器4a内に回転可能に配設してある。4cは非回転に固定して現像スリーブ4b内に挿設したマグネットローラである。また、4dは現像剤コーティングブレード、4eは現像容器4aに収容した二成分現像剤、4fは現像容器4a内の底部側に配設した現像剤攪拌部材、4gはトナーホッパーであり、補給用トナーを収容させてある。
現像容器4a内の二成分現像剤4eはトナーと磁性キャリアの混合物であり、現像剤攪拌材4fにより攪拌される。トナーは基本的には、現像剤攪拌材4fの攪拌によって、磁性キャリアとの摺擦により負極性に摩擦帯電される。また、現像スリーブ4bの近傍に存在するトナーは現像スリーブ4bとの摺擦によっても摩擦帯電される。現像スリーブ4bの表面には前記したような導電性樹脂被覆層と、表層が形成されており、本実施例においては、トナーは負極性に摩擦帯電される。
現像スリーブ4bは感光ドラム1との最近接距離(S−Dギャップと称する)を350μmに保たせて感光ドラム1に近接させて対向配設してある。
S−Dギャップは100μm以上1000μm以下であることが好ましい。S−Dギャップをこの範囲とすると、キャリアの付着を防止し、ドット再現性を向上することができる。また、S−Dギャップを100μm以上とすると現像剤の供給が充分に確保され画像濃度を高く保つことができる。またS−Dギャップを1000μm以下とすると磁極からの磁力線が広がりすぎることがなく磁気ブラシの磁力線の密度を高く保つことができる。これにより、ドット再現性の悪化を防ぎキャリアの拘束力を高く保ちキャリア付着を防ぐことができる。感光ドラム1と現像スリーブ4bとの対向部が現像部である。現像スリーブ4bは現像部において感光ドラム1の進行方向とは逆方向に回転駆動される。この現像スリーブ4bの外周面に前記スリーブ内のマグネットローラ4cの磁力により現像容器4a内の二成分現像剤4eの一部が磁気ブラシ層として吸着保持され、前記スリーブの回転に伴い回転搬送される。そして、現像剤コーティングブレード4dにより所定の薄層に整層され、現像部において感光ドラム1の面に対して接触して感光ドラム面を適度に摺擦する。
現像スリーブ4bには電源S2から所定の現像バイアスが印加される。本例において、現像スリーブ4bに対する現像バイアス電圧は直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。振動電圧のピーク間の電圧は300V乃至3000Vが好ましく、周波数は500Hz以上10000Hz以下、好ましくは1000Hz以上7000Hz以下であり、それぞれプロセスにより適宜選択して用いることができる。この場合、波形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはDuty比を変えた波形、断続的な交番重畳電界種々選択して用いることができる。回転する現像スリーブ4bにより現像部に搬送された現像剤中のトナー分が現像バイアスによる電界によって感光ドラム1面に静電潜像に対応して選択的に付着することで静電潜像がトナー画像として現像される。本例の場合は感光ドラム1面の露光明部にトナーが付着して静電潜像が反転現像される。
現像部を通過した現像スリーブ4b上の現像剤薄層は引き続く現像スリーブ4bの回転に伴い現像容器4a内の現像剤溜り部に戻される。現像容器4a内の二成分現像剤4eのトナー濃度を所定の略一定範囲内に維持させるために、トナー濃度がトナー濃度検知センサーによって検知され、その検知情報に応じてトナーが現像容器4a内の二成分現像剤4eに補給される。具体的には、現像容器4a内の二成分現像剤4eのトナー濃度は不図示のコイルのインダクタンスを利用して現像剤の透磁率の変化を測定するトナー濃度検知センサーによって検知される。その検知情報に応じてトナーホッパー4gが駆動制御されて、トナーホッパー4g内のトナーが現像容器4a内の二成分現像剤4eに補給される。二成分現像剤4eに補給されたトナーは攪拌部材4fにより攪拌される。
図3乃至図6は、本発明の現像剤担持体を用いた、本発明の現像装置の実施形態の例を模式的に例示したものである。実施形態としては、前記した現像剤層厚規制部材以外にも、現像容器503の形状、攪拌搬送部材505、511の有無、磁極の配置、現像剤供給部材512の形状、補給容器の有無がある。
次に、本発明の現像装置に好適に用いられる現像剤について説明する。
本発明に使用する現像剤は、現像剤用結着樹脂に着色剤、荷電制御剤、離型剤、無機微粒子を配合したもので、形式として、磁性材料を必須成分とする磁性一成分現像剤と磁性材料を含まない非磁性一成分現像剤がある。形式は現像装置に適応して適宜選択される。
また、本発明で使用する現像剤は、いずれの形式であっても、重量平均粒径が4μm乃至11μmの範囲にあることが好ましい。このようなものを使用すれば、現像剤の帯電量、画質及び画像濃度がバランスのとれたものとなる。
現像剤用の結着樹脂としては、一般に公知の樹脂が使用可能であり、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂が挙げられる。この中でもビニル系樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。
現像剤には帯電特性を向上させる目的で、荷電制御剤をトナー粒子に包含させる(内添)、又はトナー粒子と混合して用いる(外添)ことができる。これは、荷電制御剤によって、現像システムに応じた最適の荷電量コントロールが可能となるためである。
正の荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。ニグロシン、トリアミノトリフェニルメタン系染料及び脂肪酸金属塩による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム 1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩。これらを単独であるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
また、負の荷電制御剤としては、有機金属化合物、キレート化合物が有効である。その例としては、アルミニウムアセチルアセトナート、鉄(II)アセチルアセトナート、3,5−ジターシャリーブチルサリチル酸クロムがある。特にアセチルアセトン金属錯体、モノアゾ金属錯体、ナフトエ酸あるいはサリチル酸系の金属錯体又は塩が好ましい。
現像剤が、磁性現像剤である場合、磁性材料を配合する。
磁性材料の例としては、以下のものが挙げられる。
・マグネタイト、マグヘマイト、フェライトの如き酸化鉄系金属酸化物;
・Fe、Co、Niのような磁性金属、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Be、Bi、Cd、Ca、Mn、Se、Ti、W、Vのような金属との合金、及びこれらの混合物。
この際は、これら磁性材料を、着色剤としての役目を兼用させても構わない。
現像剤に配合する着色剤として、従来からこの分野で使用している顔料、染料を使用することが可能であり、適宜選択して使用すればよい。
現像剤には離型剤を配合することが好ましい。以下のものが挙げられる。
・低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス;
・カルナウバワックス、フィッシャートロプシュワックス、サゾールワックス、モンタンワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類。
さらに、現像剤には、環境安定性、帯電安定性、現像性、流動性、保存性向上及びクリーニング性向上のために、シリカ、酸化チタン、アルミナの如き無機微粉体を外添すること、すなわち現像剤表面近傍に存在させていることが好ましい。中でも、シリカ微粉体が好ましい。
無機微粉体以外の外添剤をさらに加えて用いても良い。無機粉体以外の外添剤として、ポリテトラフルオロエチレン、ステアリン酸亜鉛、ポリフッ化ビニリデンのような滑剤(中では、ポリフッ化ビニリデン)、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、ケイ酸ストロンチウムの如き研磨剤が挙げられる。
現像剤を作成するには、まず、結着樹脂、着色剤としての顔料又は染料、離型剤、必要に応じて磁性材料や荷電制御剤、その他の添加剤をヘンシェルミキサー、ボールミキサーの如き混合機により充分に混合する。次いで、これを加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融して樹脂類を互いに相溶せしめた中に離型剤、顔料、染料、磁性体を分散又は溶解せしめる。この溶融物を、冷却固化した後、粉砕及び分級を行ってトナー粒子を得る。さらに、必要に応じて所望の添加剤を加え、ヘンシェルミキサーの如き混合機により充分に混合して、現像剤とすることもできる。
このような現像剤は、種々の方法で、球形化処理、表面平滑化処理を施して用いると、転写性が良好となり好ましい。そのような方法としては、以下の方法が挙げられる。
・攪拌羽根又はブレード、及びライナー又はケーシングを有する装置で、現像剤をブレードとライナーの間の微小間隙を通過させる際に、機械的な力により表面を平滑化したり現像剤を球形化したりする方法;
・温水中にトナーを懸濁させ球形化する方法;
・熱気流中にトナーを曝し、球形化する方法。
また、球状の現像剤を直接作る方法としては、水中に現像剤結着樹脂となる単量体を主成分とする混合物を懸濁させ、重合してトナーとする方法がある。一般には、重合性単量体、着色剤、重合開始剤、さらに必要に応じて架橋剤、磁性材料、荷電制御剤、離形剤、その他の添加剤を均一に溶解又は分散せしめて単量体組成物とする。その後、この単量体組成物を分散安定剤含有の連続層、水相中に適当な攪拌機を用いて適度な粒滴に分散し、さらに重合反応を行わせ、所望の粒子径を有する現像剤を得る方法である。
トナー粒子表面に外添される外添剤としては、公知の外添剤を用いることができる。そのうちの一つが無機微粒子であり、少なくとも、酸化チタン、酸化アルミナ、シリカのうちいずれか一種類以上を用いることが好ましい。無機微粒子の粒径は個数分布基準のピーク値で80nm乃至200nm以下であることが、キャリアとのトナー離れを良化するためのスペーサー粒子として機能させる上で好ましい。また、前記外添剤には、平均粒径が個数分布基準のピーク値で50nm以下の微粒子を併用して用いることが、トナーの帯電性及び流動性を向上させる上で好ましい。さらには、上記無機微粒子に疎水化処理を行ったものがよい。疎水化処理を行う場合には、各種チタンカップリング剤、シランカップリング剤の如きカップリング剤やシリコーンオイルを用いることが好ましい。
疎水化処理を行うための表面処理剤の例としては、チタンカップリング剤として、以下のものが挙げられる。
・テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネート。
さらに、シランカップリング剤としては、以下のものが挙げられる。
・γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン。
脂肪酸及びその金属塩としては、以下のものが挙げられる。
・ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ドデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ステアリン酸、ヘプタデシル酸、アラキン酸、モンタン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸の如き長鎖脂肪酸;
・その金属塩としては亜鉛、鉄、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、リチウムの如き金属との塩。
さらに、シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイルの如き表面処理剤を挙げることができる。
これらの表面処理剤は、無機微粒子に対して1質量%乃至10質量%を添加し被覆することが良く、好ましくは、3質量%乃至7質量%である。また、これらの材料を組み合わせて使用することもできる。
この無機微粒子の添加量は、トナー中に0.1質量%乃至5.0質量%、好ましくは0.5質量%乃至4.0質量%である。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
二成分現像剤である場合、キャリアは個数平均粒径(Dv)が15.0μm乃至70.0μmであることが好ましい。上記範囲内に制御することによって、磁性キャリアの形状を略球形かつ均一な大きさに制御することができるため、良好な帯電付与性能を維持できる。個数平均粒径(Dv)が、20.0μm乃至50.0μmであることが高画質化と耐久安定性の面で優れるので、より好ましい。
本発明におけるキャリアは、真比重が3.0g/cm3乃至5.0g/cm3であるものが好ましく、より好ましくは、3.2g/cm3乃至4.0g/cm3である。真比重がこの範囲にあると、キャリアとトナーとの撹拌混合においてトナーへの負荷が少なく、キャリアへのトナースペントが抑制され、トナー離れを長期間良好に維持することができ、また感光ドラムへのキャリア付着が抑制されるので好ましい。
本発明においては、磁性キャリアは、少なくともその表面に樹脂成分を有するものが用いられる。このような磁性キャリアとしては、鉄、銅、ニッケル、コバルトの如き磁性金属、マグネタイト、フェライトの如き磁性酸化物の芯材に樹脂被覆層を有したもの、又は上述したような磁性微粒子を樹脂中に分散した磁性微粒子分散型キャリアが使用可能である。
特に本発明においては、所望の円形度を得るために、磁性微粒子を結着樹脂中に分散させたキャリアコアを用いた磁性微粒子分散型樹脂キャリアを用いることが好ましい。中でも、重合工程を経て直接製造されたキャリアコアを用いた、磁性微粒子分散型樹脂キャリアを使用することが平均円形度を上げ、円形度分布を狭くする上でも好ましい。用いる磁性微粒子の粒径は、個数分布基準でピーク値が80nm乃至800nm程度のものが磁性微粒子の脱離防止、キャリア強度を高めるため、さらにキャリア形状を概球形とするため、形状のばらつきを抑えるために好ましい。
磁性微粒子分散型樹脂キャリアに用いる磁性微粒子の量としては、前記キャリアに対して70質量%乃至95質量%(より好ましくは、80質量%乃至92質量%)含有することがキャリアの真比重を小さくし、機械的強度を十分に確保する上で好ましい。また、円形度の低い不定形のキャリアの存在量を抑えるためにも好ましい。さらに、キャリアの磁気特性を変えるために、磁性微粒子分散型コア粒子中には磁性微粒子に加えて非磁性無機化合物を配合してもよい。非磁性無機化合物の粒径は、個数分布基準でピーク値が100nm乃至1000nm程度のものが、キャリアの比抵抗をコントロールしやすいという点で好ましい。
非磁性無機化合物を磁性体と併用する場合、磁性微粒子及び非磁性無機化合物の総量に対して、磁性微粒子は50質量%以上含まれていることが、樹脂キャリアの磁化の強さを調整してキャリア付着を防止する上で好ましい。
磁性微粒子分散型樹脂キャリアにおいては、磁性微粒子がマグネタイト微粒子であるか、又は、鉄元素及びマグネシウム元素を少なくとも含む磁性フェライト微粒子であることが好ましい。また、非磁性無機化合物はヘマタイト(α−Fe23)の微粒子であることが、キャリアの磁気特性、真比重を調整する上で、より好ましい。
キャリアコアを形成する結着樹脂としては、ポリマー鎖中にメチレンユニットを有するビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース樹脂及びポリエーテル樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、混合して使用しても良い。
前記ビニル樹脂を形成するためのビニル系モノマーとして、以下のものが挙げられる。
・スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン誘導体;
・エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きオレフィン;
・ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ジオレフィン;
・塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル;
・酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル;
・メタクリル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;
・アクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル;
・マレイン酸、マレイン酸ハーフエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;
・ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン;
・N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;
・ビニルナフタリン;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体;
・アクロレイン。
これらの中から一種又は二種以上使用して重合させたものが、前記ビニル樹脂として用いられる。
磁性微粒子分散型樹脂キャリアコアを製造する好ましい方法としては、結着樹脂のモノマーと磁性微粒子を混合し、前記モノマーを重合して磁性微粒子分散型キャリアコア粒子を得る方法である。このとき、重合に用いられるモノマーとしては、前述したビニル系モノマーの他に、以下のものが挙げられる。
・エポキシ樹脂を形成するためのビスフェノール類とエピクロルヒドリン;
・フェノール樹脂を形成するためのフェノール類とアルデヒド類;
・尿素樹脂を形成するための尿素とアルデヒド類;
・メラミンとアルデヒド類。
硬化系フェノール樹脂を用いた磁性微粒子分散型コア粒子の製造方法としては、水性媒体に磁性微粒子を入れ、この水性媒体中でフェノール類とアルデヒド類を塩基性触媒の存在下で重合して磁性微粒子分散型キャリアコア粒子を得る方法がある。
フェノール樹脂を生成するためのフェノール類としては、以下のものが挙げられる。
・フェノール自体、m−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、o−プロピルフェノール、レゾルシノール、ビスフェノールAの如きアルキルフェノール類;
・ベンゼン核又はアルキル基の一部又は全部が塩素原子や臭素原子で置換されたハロゲン化フェノール類の如きフェノール性水酸基を有する化合物。
中でもフェノール(ヒドロキシベンゼン)が、より好ましい。
アルデヒド類としては、ホルマリン又はパラアルデヒドのいずれかの形態のホルムアルデヒド及びフルフラールが挙げられる。中でもホルムアルデヒドが特に好ましい。
アルデヒド類のフェノール類に対するモル比は、1.0乃至4.0が好ましく、1.2乃至3.0であることが、反応性最適化の観点から特に好ましい。
フェノール類とアルデヒド類とを縮重合させる際に使用する塩基性触媒としては、通常のレゾール型樹脂の製造に使用されているものが挙げられる。このような塩基性触媒としては、アンモニア水、ヘキサメチレンテトラミン及びジメチルアミン、ジエチルトリアミン、ポリエチレンイミンの如きアルキルアミンが挙げられる。これら塩基性触媒のフェノール類に対するモル比は、0.02乃至0.30とすることが好ましい。
本発明では、平均円形度が0.935以上、より好ましくは0.950以上の概球形のキャリアを得るために、また円形度のばらつきを小さくするための一つの手法として、重合開始時の溶存酸素量をコントロールすることが望ましい。特に、重合反応開始時の前記反応媒体中の溶存酸素量は5.0g/m3以下であることが好ましい。重合反応中に溶存酸素の脱気を目的として反応媒体中に導入する不活性ガスは工業的に見て、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスから選ばれる少なくとも1種類以上のものがよい。また、前記不活性ガスの導入量は、重合反応前には反応容器体積の5体積%/min乃至100体積%/minとすることが好ましい。重合反応中の反応媒体中へのガス導入量は1体積%/min以上20体積%/min以下とし、重合反応前に比べ重合反応中の導入量を少なくすることが好ましい。このようにすることにより、溶存酸素の置換効率を上げて微粒子の生成を防止し、さらに前記微粒子が通常粒子に取り込まれて異形化するのを防止することができる。
さらに、モノマーを重合して磁性微粒子分散型キャリアコア粒子を得るためには、撹拌翼周速を1.0m/sec乃至3.5m/secにコントロールすることが望ましい。上記範囲内に制御することによって、重合中の粒子の解砕力を一定にし、不定形の粒子生成を抑制することができる。
キャリアの表面コートをする樹脂としては、絶縁性の樹脂を用いることが好ましい。この場合に使用し得る絶縁性樹脂は、熱可塑性の樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよい。前記コート材を形成する樹脂としては、具体的には、熱可塑性の樹脂としては、以下のものが挙げられる。
・ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートやスチレン−アクリル酸共重合体の如きアクリル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン樹脂、フルオロカーボン樹脂、パーフロロカーボン樹脂、溶剤可溶性パーフロロカーボン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、石油樹脂、セルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースの如きセルロース誘導体、ノボラック樹脂、低分子量ポリエチレン、飽和アルキルポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレートといった芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂。
また、熱硬化性樹脂としては、以下のものが挙げられる。
・フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、或いは、無水マレイン酸とテレフタル酸と多価アルコールとの重縮合によって得られる不飽和ポリエステル、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素−メラミン樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−グアナミン樹脂、アセトグアナミン樹脂、グリプタール樹脂、フラン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂。
上述した樹脂は、単独でも使用できるが、夫々を混合して使用してもよい。また、熱可塑性樹脂に硬化剤を混合し硬化させて使用することもできる。特に好ましい形態は、トナーに対して摩擦帯電付与能力が高く、かつ、より離型性の高い樹脂コート材を用いることが好適である。
本発明においては、キャリアコアとの密着性、スペント防止、被覆層の強度の観点から、シリコーン樹脂が好ましく用いられる。シリコーン樹脂は、単独で用いることもできるが、被覆層の強度を高め、トナーの帯電状態を好ましく制御するために、カップリング剤と併用して用いることが好ましい。さらに、前述のカップリング剤は、その一部が、コート材で被覆される前に、キャリアコア表面に処理される、いわゆるプライマー剤として用いられることが好ましい。キャリアコア表面がカップリング剤により処理されることにより、その後コート材により形成される被覆層が、共有結合を伴った、より密着性の高い状態で形成することができる。
カップリング剤としては、アミノシランを用いると良い。その結果、ポジ帯電性を持ったアミノ基をキャリア表面に導入でき、良好にトナーに高い負帯電特性を付与できる。
また、コート樹脂をキャリア表面に被覆する際には、30℃乃至80℃において、減圧状態で被覆することが好ましい。
その理由は明確ではないが、下記に記載するものと予想される。
(1)被覆段階で適度の反応が進行し、キャリアコア表面にコート材が均一に、また平滑に被覆される。
(2)焼き付け工程において、少なくとも160℃以下での低温処理が可能となり、樹脂の過度な架橋を防止し、被覆層の耐久性を高められる。
さらに、前記コート樹脂中には、コート樹脂100質量部に対して1質量部乃至40質量部の割合で微粒子を含有することがキャリア表面の微小な凹凸をコントロールし、トナー離れを良好にするために好ましい。微粒子としては、有機、無機いずれの微粒子も用いることができるが、キャリアにコートを施す際に粒子の形状を保つことが必要であり、架橋樹脂粒子あるいは、無機の微粒子を好ましく用いることができる。具体的には、有機微粒子としては、架橋ポリメチルメタクリレート樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ナイロン樹脂を用いることができる。また、無機微粒子としては、シリカ、酸化チタン、及びアルミナを用いることができる。これらの有機又は無機微粒子は、単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。特に、架橋ポリメチルメタクリレート樹脂、メラミン樹脂を単独あるいは混合して用いることがトナーへの高い負帯電量付与とトナーとの離型性を両立するために好ましい。
前記有機又は無機微粒子の粒径は、個数分布基準でピーク値が100nm乃至500nm(より好ましくは150nm乃至400nm)であることが、コート量にも依存するがキャリア表面の微小な凹凸を形成し、トナー離れを良好にするため好ましい。
また、コート樹脂100質量部に対し、前記有機又は無機微粒子を1質量部乃至40質量部加え、さらに導電性粒子を1質量部乃至15質量部含有させて用いることが好ましい。キャリアの比抵抗を下げすぎず、かつキャリア表面の残留電荷を除去し、トナー離れを良好にするためである。
前記導電性粒子としては、比抵抗が1×108Ω・cm以下のものが好ましく、さらには、比抵抗が1×106Ω・cm以下のものがより好ましい。前記導電性粒子は、具体的には、カーボンブラック、マグネタイト、グラファイト、酸化亜鉛、及び酸化錫粒子から選ばれる粒子が好ましい。中でもカーボンブラックが、粒径が小さくキャリア表面の微粒子による凹凸を阻害することなく好ましく用いることができる。前記導電性粒子の粒径は、個数分布基準でピーク値が10nm乃至500nm(より好ましくは20nm乃至200nm)であることが、キャリア表面の残留電荷を良好に除去し、かつキャリアからの脱離を良好に防止するために好ましい。さらには現像剤担持体へのリークを抑制し、長期に渡り安定した磁気ブラシ形成を行うことができる。
キャリアコート樹脂のコート量は、キャリアコア粒子100質量部に対し0.3質量部乃至4.0質量部であることが、高い帯電量付与のため、さらに環境の変化による帯電量変化を小さくする上で好ましい。さらに好ましくは、現像剤担持体上での均一な穂形成及び融着防止の観点から、0.8質量部乃至3.5質量部であることが良い。
本発明に用いられるキャリアとトナーは、比表面積が合う形で混合して用いることが好ましい。トナー濃度としては、二成分系現像剤において、5質量%乃至20質量%であることが、摩擦帯電量付与、カブリ、画像濃度の観点から好ましい。
以下に本発明に関わる物性の測定方法について述べる。
(1)樹脂被覆層の体積抵抗
試料として、厚さ100μmのPETシート上に7μm乃至20μmの厚さの樹脂被覆層を形成したものを用いた。測定装置として、抵抗率計ロレスタAP又はハイレスタIP(ともに商品名、三菱油化株式会社(現 三菱化学株式会社)製)にて4端子プローブを用いて体積抵抗値を測定した。また、体積抵抗の測定は、測定環境を20℃乃至25℃、50%RH乃至60%RHとして行った。
(2)算術平均粒子径dn1、dn2及び標準偏差s1、s2
電子顕微鏡「H−7500」(商品名、株式会社日立製作所製)を用いて、倍率1万倍乃至10万倍の中から粒子形状が適宜測定しやすい倍率を選択し、写真撮影を行い、画像から100個の粒子径を測定した。なお、各炭素粒子の粒子径は、画像で短径と長径を測定し、その平均を取りその炭素粒子の粒子径とした。各炭素粒子の粒子径より、dn1及びs1を求めた。この時、10nm以上2μm以下の範囲にある炭素粒子のみを、測定対象とした。
また、樹脂被覆層内部に存在する炭素粒子のdn2及びs2の測定は、以下の通りである。
・集束イオンビーム「FB−2000C」(商品名、株式会社日立製作所製)を用いて上記樹脂被覆層を一定間隔毎に切断する。
・電子顕微鏡「H−7500」を用いて、倍率1万倍乃至10万倍の中から切断した各断面の粒子形状が適宜観察しやすい倍率を選択し、写真撮影を行う。その際、樹脂被覆層が有する炭素粒子の算術平均粒子系500nm未満のものは、断面を20nm毎に切断する。算術平均粒子径500nm以上1μm未満のものは、断面を50nm毎に切断する。また、算術平均粒子径1μm以上のものは、100nmごとに切断する。その複数枚の写真より各粒子において、長径と短径の和が最大となる写真の形状をその粒子の形状として、100個の粒子径を測定する。なお、各炭素粒子の粒子径は、画像で短径と長径を測定し、その平均を取り炭素粒子の粒子径とする。各炭素粒子の粒径よりdn2及びs2を求めた。この時、10nm以上2μm以下の範囲にある炭素粒子のみを、測定対象として測定する。
(3)樹脂被覆層の硬度(ユニバーサル硬さ)の平均値A及びその標準偏差σ
本発明における硬度は、下記(式2)で算出されるユニバーサル硬さHMkである。そして、測定は、微小硬さ試験機「フィッシャースコープH100V」(商品名、株式会社フィッシャー・インストルメンツ製)を用いた。また、測定圧子として、対面角度が136°に規定されている四角錘のダイヤモンド圧子を使用した。測定対象たる樹脂被覆層に、測定荷重を段階的にかけて押し込んでいった際に、荷重F(N)をかけた状態での押し込み深さh(mm)を電気的に検出して読み取った。その読みhと荷重Fからユニバーサル硬さ値HMkを算出した。なお、(式2)において、Kは定数で、1/26.43である。
ユニバーサル硬さ値HMk=K×F/h2 [N/mm2] (式2)
このユニバーサル硬さは、その他の硬度測定よりも微小な荷重で測定できると共に、弾性、塑性を有する材料に関しても、弾性変形及び塑性変形を含んだ値として硬度が得られるので、好ましい。
試験荷重及び圧子の最大押し込み深さは、樹脂被覆層表面の表面粗さの影響を受けず、かつ下地の基体の影響を受けない程度の範囲が好ましい。本発明においては、一度の測定において30秒の間に段階的に荷重をかけていき、圧子の最大押し込み深さが2μm程度になるよう試験荷重をかけて測定した。測定環境は23℃、50%とした。なお、測定は異なる測定点にて100回行い、その測定値の分布から求められる平均値A及びその標準偏差σを算出した。
(4)炭素粒子及び他の導電性粒子のストークス径Dst
JIS K6221(1982)5「乾燥試料の作り方」に基づいて乾燥した炭素粒子試料を、少量の界面活性剤を含む20容量%エタノール水溶液と混合して、炭素分散濃度0.1kg/m3の分散液を作成し、これを超音波で十分に分散させて試料とする。ディスク・セントリフュージ装置(英国Joyes Lobel社製)を100RPSに設定し、スピン液(2重量%グリセリン水溶液、25℃)0.015dm3を加えた後、バッファー液(20容量%エタノール水溶液、25℃)0.001dm3を注入する。次いで、温度25℃の炭素分散液0.0005dm3を注射器で加えた後、遠心沈降を開始し、同時に記録計を作動させて分布曲線(横軸;炭素分散液を注射器で加えてからの経過時間、縦軸;炭素試料の遠心沈降に伴い変化した特定点での吸光度)を作成する。この分布曲線より各時間Tを読み取り、下記(式4)に代入して各時間に対応するストークス相当径を算出する。
上記(式4)において、ηはスピン液の粘度(0.935×10-3Pa・s)、Nはディスク回転スピード(100RPS)、r1は炭素分散液注入点の半径(0.0456m)、r2は吸光度測定点までの半径(0.0482m)、ρCBは炭素の密度(kg/m3)、ρ1はスピン液の密度(1.00178kg/m3)である。
このようにして得られたストークス相当径と吸光度の分布曲線における最大頻度のストークス相当径をストークス径Dst(nm)とする。なお、Dst1は材料自体の測定よる測定値、Dst2は樹脂被覆層から粒子を取り出して、Dst1と同様の手法で測定した測定値である。
(5)炭素粒子の形状係数SF1、SF2
形状係数SF1は、電子顕微鏡「H−7500」(商品名)を使用して、倍率1万倍乃至10万倍の中から粒子形状が適宜測定しやすい倍率を選択し、写真撮影を行い、下記式1に従って炭素粒子100個から形状係数SF1を計算した。
SF1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4) (式1)
ここで、MXLNGとして、算術平均粒子径dn1を求めた各炭素粒子の長径を使用し、AREAはその写真から面積を求めて使用した。この時、10nm以上2μm以下の範囲にある炭素粒子のみを、測定対象とした。
樹脂被覆層に含有される炭素粒子のSF2の測定は、以下の通りである。
・樹脂被覆層から粒子を取り出してSF1と同様に測定する。もしくは、
・上記樹脂被覆層断面を集束イオンビーム「FB−2000C」(商品名)を用いて上記樹脂被覆層を一定間隔毎に切断する。電子顕微鏡「H−7500」(商品名)を用いて、倍率1万倍乃至10万倍の中から切断した各断面の粒子形状が適宜観察しやすい倍率を選択し、写真撮影を行う。その際、樹脂被覆層が有する炭素粒子の算術平均粒子系500nm未満のものは、断面を20nm毎に切断する。算術平均粒子径500nm以上1μm未満のものは、断面を50nm毎に切断する。算術平均粒子径1μm以上のものは、100nmごとに切断する。その複数枚の写真より各粒子において、長径と短径の和が最大となる写真の形状をその粒子の形状として、式1に従い炭素粒子100個から形状係数SF2を計算する。この時、10nm以上2μm以下の範囲にある炭素粒子のみを、測定対象とする。
(6)樹脂被覆層表面に凹凸を付与する付与する球状粒子及びトナーの粒径測定
測定装置として、コールターカウンターTA−II型、コールターマルチサイザーII又はコールターマルチサイザーIII(いずれもベックマン・コールター社製、商品名)を用いた。また、電解液として、塩化ナトリウム(試薬1級)を溶かして調製した約1質量%NaCl水溶液又はISOTON−II(ベックマン・コールター社製、商品名)を使用した。電解液100ml以上150ml以下中に、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩液)0.1ml以上5ml以下を加え、次いで、試料を2mg以上20mg以下加えた。これに、超音波分散器で約1分間以上3分間以下分散処理を行い、被験試料を調製した。上記測定装置の100μmアパーチャーあるいは30μmアパーチャーを用い、上記被験試料中の球状粒子又はトナー粒子の体積、個数を測定した。
この測定結果から体積分布と個数分布とを算出し、体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D4)及び個数分布から求めた個数基準の長さ平均粒径(D1)(共に各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求めた。
(7)現像剤担持体表面の表面粗さ(Ra:算術平均粗さ)
表面粗さ(JIS B0601−2001)に準拠する株式会社小坂研究所製の表面粗さ測定器「サーフコーダSE−3500」(商品名)にて、軸方向3箇所、周方向3箇所の計9箇所について測定し、その平均値を当該試料の表面粗さRaとする。なお、カットオフ0.8mm、測定距離8.0mm及び送り速度0.5mm/secとした。
(8)樹脂被覆層の膜厚及び削れ量
レーザー光にて円筒の外径を測定する寸法測定器「LS5000シリーズ」(商品名、株式会社キーエンス製)を用い、樹脂被覆層形成前のスリーブの外径(S0)、樹脂被覆層形成後の外径(S1)及び耐久使用後の外径(S2)をそれぞれ測定した。それらの値から、樹脂被覆層の厚み(S1−S0)及び樹脂被覆層の削れ量(膜削れ)(S1−S2)を算出した。
測定には、前記装置のコントローラLS−5500及びセンサーヘッドLS−5040Tを用いた。スリーブ固定治具及びスリーブ送り機構を取り付けた装置にセンサー部を別途固定し、スリーブ長手方向に対し30分割して30箇所、さらにスリーブを周方向に90°回転させた後さらに30箇所、合計60箇所についてスリーブの外径寸法を測定した。外径寸法はその平均値とした。
なお、耐久使用後のスリーブ外径の測定は、表面上に融着しているトナー融着物をメチルエチルケトン中で超音波洗浄により除去してから行った。
(9)トナー粒子の平均円形度
シスメックス社製フロー式粒子像分析装置FPIA―2100(商品名)を用いて23℃/60%RHの環境下で測定を行った。円相当径が0.60μm以上400μm以下の範囲内のトナー粒子について、投影像の面積及び周囲長を測定し、そこで測定されたトナー粒子の投影像の面積から、円相当径を求めた。また、円相当径が0.60μm以上400μm以下の範囲内のトナー粒子について円形度を下式により求めた。さらに円相当径3μm以上400μm以下のトナー粒子について、円形度の総和及び全粒子数を求めた。得られた円形度の総和を全粒子数で除した値を平均円形度と定義した。
円形度a=L0/L
(式中、L0はトナー粒子の投影像の面積と同じ面積を持つ円の周囲長を示し、Lは512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時のトナー粒子の投影像の周囲長を示す。)
円形度はトナー粒子の凹凸度合いの指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合1.00を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。
具体的な測定方法としては、予め不純物を除去した水200ml以上300ml以下中に分散剤として、アルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1ml以上0.5ml以下加え、さらに測定試料を0.1g以上0.5g以下程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波発信機で2分間分散し、トナー粒子濃度が0.2万個/μl以上1.0万個/μl以下の被験試料液を調製し、これを用いてトナー粒子の円形度分布を測定する。
超音波発信器としては、以下の装置を使用し、以下の分散条件を用いる。
装置:UH−150(商品名、株式会社エス・エム・テー製)
OUTPUT レベル:5
コンスタントモード
円形度の測定の概略は以下のとおりである。
被験試料液は、フラットで扁平なフローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って拡がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するように、ストロボとCCDカメラがフローセルに対して相互に反対側に装着されている。被験試料液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、それぞれの粒子はフローセルに平行な一定範囲を有する二次元の投影像として撮影される。それぞれの粒子の投影像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。また、円相当径0.60μm以上400μm以下のそれぞれの粒子の投影像の面積及び投影像の周囲長から上記の円形度算出式を用いて各粒子の円相当径を求める。さらに、得られた結果に基づき円相当径3μm以上400μm以下のトナー粒子における平均円形度(平均円形度と表すことがある)を算出する。
以下に、実施例をもって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。なお、以下の配合における部、%は、特にことわらない限り、それぞれ質量部、質量%を示す。
製造例1〜9(炭素粒子a−1〜a−8及び炭素粒子a−10の作製)
図2に示した装置を使用した。すなわち、原料タンク11にトルエンを入れ、高純度水素ガスボンベ7からステンレス製の配管12を経由して、水素ガスをトルエン中に吹き込み、トルエンをバブリングし、トルエンを水素ガスと共にステンレス製の配管14を経由して加熱炉16に導入した。
一方、高純度水素ガスボンベ8からステンレス製の配管13を経由して水素ガスを供給し、水素ガス流量を調整して、混合ガス中のトルエン濃度及び混合ガスの流速を制御した。
ここで、トルエンガス濃度、混合ガスのレイノルズ数及び反応温度を表4のように設定して2時間熱分解して、炭素粒子(未酸化処理品)を得た。
製造例10(炭素粒子a−11の作製)
原材料として、コークスとタールピッチの混合物を用い、この混合物をタールピッチの軟化点以上の温度で練り込み、押出し成型し、窒素雰囲気下において1000℃で一次焼成して炭化し、続いてコールタールピッチを含浸させた。その後、窒素雰囲気下において2800℃で二次焼成をして黒鉛化し、さらに粉砕及び分級して、個数平均粒径7.4μmの炭素粒子a−11を得た。
製造例11(炭素粒子a−12の作製)
石炭系重質油を熱処理して得たメソカーボンマイクロビーズを、洗浄・乾燥した後、アトマイザーミルで機械的に分散を行い、窒素雰囲気下において800℃で一次加熱処理を行い炭化させた。次いで、アトマイザーミルで二次分散を行った後、窒素雰囲気下において2800℃で熱処理し、さらに分級して個数平均粒径4.7μmの黒鉛化粒子を集め、炭素粒子a−12を得た。
上記で得られた炭素粒子の各種測定値を表5に、市販のカーボンブラック「トーカブラック#5500(商品名、東海カーボン株式会社製)(炭素粒子a−9)と共に示す。
凹凸付与粒子として、以下のものを用いた。
・凹凸付与粒子P−1:ガラス状カーボンからなる「ニカビーズICB−0520」(商品名、日本カーボン株式会社製)、平均粒径6.1μm。
・凹凸付与粒子P−2:ガラス状カーボンからなる「ニカビーズICB−1020」(商品名、日本カーボン株式会社製)、平均粒径10.9μm。
・高硬度粒子B:アルミナ粒子「AKP−3000」(商品名、住友化学株式会社製)、平均粒径0.5μm。
製造例12(トナーZ−1の製造)
[結着樹脂Aの調製]
下記原料を、下記mol比で、5リットル4口フラスコに仕込み、還流冷却器、水分離装置、N2ガス導入管、温度計及び撹拌装置を付し、フラスコ内にN2ガスを導入しながら180℃で縮重合反応を行った。反応終了後、濾過・水洗し、次いで、脱水・乾燥して、結着樹脂Aを得た。
・プロピレンオキサイド付加ビスフェノールA 68mol比
・エチレンオキサイド付加ビスフェノールA 35mol比
・テレフタル酸 28mol比
・トリメリット酸 30mol比
・アジピン酸 38mol比
[トナーZ−1の調製]
下記混合物をヘンシェルミキサーで前混合し、次いで、110℃に加熱した2軸エクストルーダーで溶融混練した後、冷却して固化した。この固化した混練物をハンマーミルで粗粉砕してトナー粗粉砕物を得た。得られた粗粉砕物を、機械式粉砕機ターボミル(ターボ工業株式会社製;回転子及び固定子は表面を炭化クロムを含有したクロム合金めっきでコーティングしてある(めっき厚150μm、表面硬さHV1050))にて、機械的に微粉砕した。得られた微粉砕物を、コアンダ効果を利用した多分割分級装置「エルボジェット分級機」(商品名、日鉄鉱業株式会社製)で微粉及び粗粉を同時に分級除去し、原料トナーを得た。得られた原料トナー粒子のコールターカウンター法で測定される重量平均粒径(D4)は6.5μm、平均円形度が0.967の負帯電性トナー粒子を得たであった。
・トナーの結着樹脂A 100部
・磁性体(平均粒径:0.25μm) 95部
・モノアゾ鉄錯体「T−77」(商品名、保土谷化学工業株式会社製) 2部
・ポリプロピレン(融点:145℃) 3.5部
このトナー粒子100部を、ヘキサメチルジシラザン処理し、次いでジメチルシリコーンオイル処理を行った疎水性シリカ微粉体1.2部とヘンシェルミキサーで混合して、負帯電性トナーZ−1を得た。
製造例13(トナーZ−2の製造)
[結着樹脂Bの調製]
下記混合物を還流(温度:146℃乃至156℃)しているクメン200部中に4時間かけて滴下し、クメン還流下で溶液重合を完了させ、減圧下で200℃まで昇温させながらクメンを除去して、スチレン−アクリル系共重合体を得た。
・スチレン 68部
・ブチルアクリレート 13部
・モノブチルマレート 9部
・ジ−tert−ブチルパーオキサイド 0.8部
ここで得られたスチレン−アクリル系共重合体30部を、下記の混合物中に溶解し混合溶液とした。
・スチレン 50部
・ブチルアクリレート 20部
・モノブチルマレート 2部
・ジビニルベンゼン 0.4部
・ベンゾイルパーオキサイド 0.8部
・tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 0.6部
上記混合溶液に、ポリビニルアルコール部分ケン化物0.15部を溶解した水170部を加え、激しく撹拌しながら懸濁分散液とした。さらに、水100部を加え、窒素雰囲気に置換した反応器に入れ、約80℃で8時間重合した。重合終了後、濾別し、充分に水洗した後、脱水乾燥し、結着樹脂Bを得た。なお、結着樹脂Bは、Tg 62.1℃、重量平均分子量 13000であった。
[トナーZ−2の調製]
下記混合物をヘンシェルミキサー「FM−75型」(商品名、三井三池化工機株式会社製)で前混合し、次いで、115℃に加熱した2軸エクストルーダーで溶融混練した後、冷却して固化した。固化した混練物をハンマーミルで粗粉砕してトナー粗粉砕物を得た。得られたトナー粗粉砕物を、機械式粉砕機ターボミルを用いて、機械的に微粉砕した。得られた微粉砕物を、コアンダ効果を利用した多分割分級装置「エルボジェット分級機」で微粉及び粗粉を同時に分級除去して、コールターカウンター法で測定される重量平均粒径(D4)6.7μm、平均円形度0.946の負帯電性トナー粒子を得た。
・トナーの結着樹脂B 100部
・磁性体(平均粒径:0.20μm) 95部
・モノアゾ鉄錯体「T−77」(商品名) 1.5部
・パラフィン(融点:76℃) 4部
このトナー粒子100質量部を、ヘキサメチルジシラザン処理し、次いでジメチルシリコーンオイル処理を行った疎水性シリカ微粉体1.2質量部とヘンシェルミキサーで混合して負帯電性トナーZ−2を得た。
製造例14(トナーZ−3の製造)
[重合法トナー母体粒子の作製]
60℃に加温したイオン交換水900部に、リン酸三カルシウム3部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)で、10,000rpmにて撹拌し、水系媒体を作成した。
一方、下記原料をホモジナイザー(日本精機株式会社製)に投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサーで、8,000rpmにて攪拌し、分散した。その後、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4―ジメチルバレロニトリル)5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
・スチレン 130部
・n−ブチルアクリレート 60部
・C.I.ピグメントブルー15:3 17部
・サリチル酸アルミニウム化合物 3部
・ポリエステル樹脂 15部
・ステアリン酸ステアリルワックス(DSCのメインピーク60℃) 40部
・ジビニルベンゼン 0.5部
注)サリチル酸アルミニウム化合物は、オリエント化学株式会社製の「ボントロンE−88」(商品名)である。また、ポリエステル樹脂は、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物で、Tg=65℃、Mw=10000、Mn=6000のものである。
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃、窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーを用いて8,000rpmで攪拌し、造粒した。その後、プロペラ式攪拌装置を備えた反応容器に移して攪拌しつつ、2時間かけて70℃に昇温し、さらに4時間後、昇温速度40℃/Hrで80℃まで昇温し、80℃で5時間反応を行い、重合体粒子を製造した。重合反応終了後、前記重合体粒子を含むスラリーを冷却し、スラリーの10倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級によって粒子径を調整してシアントナーの母体粒子(重量平均粒径6.5μm、平均円形度0.973)を得た。
[トナーZ−3の調製]
このトナー母体粒子100部に対し、下記の材料をヘンシェルミキサーで5分間乾式混合して、平均円形度0.973の非磁性一成分現像剤としてのトナーZ−3を得た。
・ヘキサメチレンジシラザンで表面処理された疎水性シリカ微粉体1.0部(平均一次粒径7nm);
・ルチル型酸化チタン微粉体0.18部(平均一次粒径45nm);
・ルチル型酸化チタン微粉体0.5部(平均一次粒径200nm)。
製造例14(トナーZ−4の製造)
[結着樹脂Cの調製]
ビニル系共重合体の材料として、スチレン10部、2−エチルヘキシルアクリレート5部、フマル酸2部及びα−メチルスチレンの2量体5部を用い、これとジクミルパーオキサイド5部を滴下ロートに入れた。また、ポリエステルユニットの材料として、下記材料をガラス製4リットルの四つ口フラスコに装入した。
・ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
25部
・ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
15部
・テレフタル酸 9部
・無水トリメリット酸 5部
・フマル酸 24部
・2−エチルヘキサン酸錫 0.3部
温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管をこの四つ口フラスコに取り付け、この四つ口フラスコをマントルヒーター内に設置した。次に四つ口フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、130℃の温度で攪拌しつつ、先の滴下ロートより、ビニル系共重合体の単量体及び重合開始剤を約5時間かけて滴下した。次いで200℃に昇温を行い、約5時間反応せしめて、重量平均分子量81000、数平均分子量4100の結着樹脂Cを得た。
[トナーZ−4の調製]
下記の材料をヘンシェルミキサーで混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機「PCM−30型」(商品名、池貝鉄工株式会社製)にて混練した。得られた混練物を冷却して固化し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、トナー粗砕物を得た。得られたトナー粗砕物を、高圧気体を用いた衝突式気流粉砕機を用いて微粉砕し、微粉砕物を得た。得られたトナー微粉物を、コアンダ効果を利用した多分割分級機により分級を行い、重量平均粒径6.8μm、平均円形度0.933のシアン粒子を得た。さらに、このシアン粒子をハイブリタイザー(株式会社奈良機械製作所製)により、回転数6600rpm、処理時間4分、処理回数2回で表面改質を行い、重量平均粒径6.1μm、平均円形度0.949のシアントナーZ−4を得た。
・結着樹脂C 100部
・精製ノルマルパラフィン 5部
(最大吸熱ピーク温度80℃、重量平均分子量800)
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.6部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5部
注)精製ノルマルパラフィンは、DSCにおいて最大吸熱ピーク温度が80℃で、重量平均分子量が800のものである。
実施例1
以下の材料を、サンドミル(直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として使用)で2時間分散した。
・メタノール40%含有のレゾール型フェノール樹脂溶液「J−325」(商品名、大日本インキ化学工業株式会社製):250部(固形分150部);
・炭素粒子a−1:100部;
・メタノール:200部。
その後、篩を用いてガラスビーズを分離し、分散液を得た。この分散液の固形分濃度が33%になる様にメタノールで希釈して、塗料R−1を得た。
基体として、上下端部にマスキングを施した外径24.5mm、算術平均粗さRa0.2μmの研削加工したアルミニウム製円筒管を準備した。この基体を垂直に立てて、一定速度で回転させ、前記塗料R−1を、スプレーガンを一定速度で下降させながら塗布した。続いて熱風乾燥炉中で150℃、30分間加熱して塗布層を乾燥硬化して基体上に導電性樹脂被覆層を形成し現像スリーブA−1を作製した。現像スリーブA−1の導電性樹脂被覆層の層厚は、21μmであった。表6に現像スリーブA−1の導電性樹脂被覆層の構成と物性を示す。また、樹脂被覆層中の炭素粒子の測定値を表7に示す。
得られた現像スリーブA−1にマグネットローラを挿入し、両端にフランジを取り付けて、これを静電潜像担持体がアモルファスシリコンドラム感光体であるデジタル複写機IR6570(商品名、キヤノン株式会社製)の現像器に組み込み、現像装置とした。なお、規制力を強めるため、マグネットローラは製品に用いているマグネットローラに比べて磁力を全て1割増加させた全極磁力アップマグネットロールとした。さらに、トナーコート形成手段(磁気ブレード)を強磁性体の鉄で形成したものを先端が、マグネットの磁極と対向するように配設した。なお、このトナーコート形成手段はトナー収容部に支持する部分を厚み1.6mmに、また、現像剤担持体に対向する部分の先端を厚み0.6mmとなるように傾斜をつけて形成したものである。連続モードで100万枚画出し(耐久)を行った。なお、この現像装置は、概略、図3に挙げたようなものである。
トナーZ−1を用い、画出し途中の100枚目(初期)と耐久100万枚時(耐久後)に評価用画像出力を行い、画像評価を行った。なお、画出し及び評価画像出力は、常温常湿度環境(23℃、60%RH;N/N)において実施した。
画像評価は、画像濃度、カブリ、トナー汚染性、周スジ、樹脂被覆層の表面粗さRa、樹脂被覆層の耐摩耗性であり、下記の評価方法及び評価基準によった。得られた評価結果を表8に示す。
(1)画像濃度
画像比率5.5%のテストチャートを画像出力して得られたコピー上のφ5mmベタ黒丸部のコピー画像濃度を、反射濃度計「RD918」(商品名、マクベス社製)により反射濃度測定を行い、その10点の平均値を画像濃度とし、以下の基準で評価した。
A:画像濃度1.40以上
B:画像濃度1.35以上1.40未満
C:画像濃度1.30以上1.35未満
D:画像濃度1.20以上1.30未満
E:画像濃度1.20未満
(2)カブリ
(1)で得たコピー上のベタ白部の反射率をランダムに10箇所測定し、その最悪値から未使用の転写紙の反射率(10箇所の平均値)を差し引いたものをカブリ濃度とした。そして、この値を下記の基準で評価した。なお、反射率は反射率計「TC−6DS」(商品名、東京電色株式会社製)によって測定した。
A:1.0%未満
B:1.0%以上2.0%未満
C:2.0%以上3.0%未満
D:3.0%以上4.0%未満
E:4.0%以上
(3)トナー汚染性
耐久後の現像剤担持体表面を超深度形状測定顕微鏡(株式会社キーエンス製)を用いて、約200倍で観察し、トナー汚染の程度を下記の基準にて評価した。
A:軽微な汚染しか観察されない。
B:やや汚染が観察される。
C:部分的に汚染が観察される。
D:部分的に融着が見られる。
E:全面的に融着が見られる。
(4)周スジ
耐久終了後の現像剤担持体表面を目視により観察し、下記基準にて評価した。
A:周スジが全く発生していない。
B:現像剤担持体表面の周方向スジ状に、色味の変化が見られる。その部分の削れ量は全体の削れ量と変わらない。
C:現像剤担持体表面が周方向スジ状に削れているが、画像には表れていない。
D:現像剤担持体表面が周方向スジ状に削れていて、スジに起因する白スジが画像に表れている。
E:現像剤担持体表面が周方向スジ状に削れていて、その部分の素管が見えている。
(5)樹脂被覆層の耐摩耗性
現像剤担持体の外径を測定し、使用前の値から耐久後の値を引いて、樹脂被覆層の削れ量とし、その平均値を全体の削れ量とした。下記基準にて評価した。なお、耐久後の測定に当たっては現像剤担持体の表面をイソプロパノールで洗浄した。また、周スジが発生したサンプルに関しては、周スジ部は測定対象外として、その他の部分の平均により削れ量を算出した。
A:削れ量が2μm未満。
B:削れ量が2μm以上4μm未満。
C:削れ量が4μm以上6μm未満。
D:削れ量が6μm以上8μm未満。
E:削れ量が8μm以上。
(6)樹脂被覆層の表面粗さRa
使用前と耐久後に現像剤担持体表面の算術平均粗さRaを測定した。
実施例2〜5、比較例1〜3
塗料の構成をそれぞれ表6に示したものとした以外は実施例1と同様にして現像剤担持体A−2〜A−8を作製した。また、得られた現像剤担持体について、実施例1と同様にして物性を測定し、その結果を表6にしめす。また、樹脂被覆層の炭素粒子の測定結果および画像評価の結果をそれぞれ表7、表8に示す。
実施例6
以下の材料にメタノール200部を加えた後、サンドミル(直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として使用)で2時間分散した。
・レゾール型フェノール樹脂溶液「J−325」(商品名):250部(固形分150部);
・炭素粒子a−3:20部;
・炭素粒子a−11:40部;
・凹凸付与粒子P−1:30部。
その後、篩を用いてガラスビーズを分離し、固形分濃度が33%になる様にメタノールで希釈して、塗料R−9を得た。
基体として、上下端部にマスキングを施した外径20.0mmφ、算術平均粗さRa0.2μmの研削加工したアルミニウム製円筒管を用い、前記塗料R−9を用い、以下実施例1と同様にして、導電性樹脂被覆層の層厚14μmの現像剤担持体A−9を作製した。表9に現像剤担持体A−9の樹脂被覆層の構成と物性を示す。また、表10に樹脂被覆層中の炭素粒子の測定値を示す。
得られた現像剤担持体A−9にマグネットローラを組み付け、市販のレーザービームプリンタ「LASER JET4300」(商品名、ヒューレットパッカード社製)用のカートリッジに組み込み、現像装置とした。1枚/10秒の間欠モードで2万枚の画出し(耐久)を行った。なお、この現像装置は、概略、図4に挙げたようなものである。
実施例6においては、トナーZ−2を使用した。画出し途中の100枚目(初期)と耐久2万枚時(耐久後)に評価用画像出力を行い、画像評価を行った。なお、画出し及び評価画像出力は、常温常湿度環境(23℃、60%RH;N/N)において実施した。画像評価は実施例1と同様に行った。得られた評価結果を表11に示す。
実施例7、比較例4
塗料の構成をそれぞれ表9に示したものとした以外は実施例6と同様にして現像剤担持体A−10及びA−11を作製し、実施例6と同様にして物性を測定し、評価を行った。得られた結果を表9乃至表11に示す。
実施例8
以下の材料に40%メタノール200部を加えた後、サンドミル(直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として使用)で2時間分散した。
・メタノール含有のレゾール型フェノール樹脂溶液J−325(商品名):250部(固形分150部);
・炭素粒子a−8:50部;
・第4級アンモニウム塩(表1の例示1):20部。
その後、篩を用いてガラスビーズを分離し、固形分濃度が33%になる様にメタノールで希釈して、塗料R−12を得た。
基体として、上下担部にマスキングを施した外径12.0mmφ、算術平均粗さRa0.2μmの研削加工したアルミニウム製円筒管を準備した。この基体を垂直に立てて、一定速度で回転させ、前記塗料R−12を、スプレーガンを一定速度で下降させながら塗布した。続いて熱風乾燥炉中で150℃、30分間加熱して塗布層を乾燥し硬化して基体上に導電性樹脂被覆層を形成し現像剤担持体A−12を作製した。現像剤担持体A−12の導電性樹脂被覆層の層厚は、12μmであった。表12に現像剤担持体A−12の導電性樹脂被覆層の構成と物性を示す。また、表13に樹脂被覆層中の炭素粒子の測定値を示す。
得られた現像剤担持体A−12を、市販のレーザービームプリンタ「レーザーショットLBP5000」(商品名、キヤノン株式会社製)のシアンカートリッジに組み込み、現像装置とした。この現像装置を前記市販のレーザービームプリンタ「レーザーショットLBP5000」に搭載し、1枚/10秒の間欠モードで3000枚の画出し(耐久)を行った。なお、この現像装置は、概略、図5に挙げたようなものである。
実施例8においては、トナーZ−3を用い、画出し途中の100枚目(初期)と耐久3000枚時(耐久後)に評価用画像出力を行い、画像評価を行った。なお、画出し及び評価画像出力は、常温常湿度環境(23℃、60%RH;N/N)において実施した。画像評価は実施例1と同様に行った。得られた評価結果を表14に示す。
比較例5
炭素粒子として、炭素粒子a−9を50部用いた以外は実施例8と実施例8と同様にして現像剤担持体A−13を作製し、実施例8と同様に物性の測定、画像評価を行った。得られた結果を表12乃至及び表14に示す。
実施例9
以下の材料にメタノール200部を加えた後、サンドミル(直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として使用)で2時間分散した。
・メタノール40%含有のレゾール型フェノール樹脂溶液J−325(商品名):250部(固形分150部);
・炭素粒子a−10:50部;
・凹凸付与粒子P−2:20部。
その後、篩を用いてガラスビーズを分離し、固形分濃度が33%になる様にメタノールで希釈して、塗料R−14を得た。
外径16.0mmφのアルミニウム製円筒管を図7に示すサンドブラスト装置に取り付け、砥粒106として#100の球状ガラスビーズを用いてブラスト処理し、これを基体K−1とした。ブラスト処理は、一般的なエアー方式のブラストマシンである「ニューマブラスタ」(商品名、株式会社不二製作所製)を用い、ブラスト条件として、エアーの圧力を4kg/cm2で行った。また、この時の処理時間は50秒とし、ワークを50rpmで回転させて行った。基体の算術平均粗さRaは、1.9μmであった。
上下担部にマスキングを施した上記基体K−1を垂直に立てて、一定速度で回転させ、前記塗料R−14を、スプレーガンを一定速度で下降させながら塗布した。続いて熱風乾燥炉中で150℃、30分間加熱して塗布層を乾燥硬化して基体上に導電性樹脂被覆層を形成し現像剤担持体A−14を作製した。現像剤担持体A−14の導電性樹脂被覆層の層厚は、22μmであった。表15に現像剤担持体A−12の導電性樹脂被覆層の構成と物性を示す。また、表16に樹脂被覆層中の炭素粒子の測定値を示す。
得られた現像剤担持体A−14にマグネットローラを組み付け、市販の複写機「IRC3200N」(商品名、キヤノン株式会社製)の現像器にそれぞれ組み込み、現像装置とした。この現像装置を前記市販の複写機「IRC3200N」に搭載し、トナーZ−4を用い、1枚/10秒の間欠モードで5万枚画出し(耐久)を行った。なお、この現像装置は、概略、図6に挙げたようなものである。
実施例9においては、画出し途中の100枚目(初期)と耐久5万枚時(耐久後)に評価用画像出力を行い、画像評価を行った。なお、画出し及び評価画像出力は、常温常湿度環境(23℃、60%RH;N/N)において実施した。画像評価は実施例1と同様に行った。得られた評価結果を表17に示す。
比較例6、7
炭素粒子として、炭素粒子a−11又はa−12を用いた以外は実施例9と同様にして現像剤担持体A−15又はA−16を作製した。得られた現像剤担持体A−15及びA−16を、実施例9と同様に物性の測定、画像評価を行った。得られた結果を表15乃至表17に示す。
本発明の現像剤担持体の模式的部分断面図である。 本発明の炭素粒子製造装置の一例を示す模式図である。 本発明の磁性一成分現像剤を使用する現像装置の一例の模式図である。 本発明の磁性一成分現像剤を使用する現像装置の他の例の模式図である。 本発明の非磁性一成分現像剤を使用する現像装置の一例の模式図である。 本発明の2成分現像剤を使用する現像装置の一例の模式図である。 実施例9にて使用したブラスト装置の模式図である。
符号の説明
1 静電潜像担持体(感光ドラム)
2 帯電装置
2a マグネットローラ
2b 磁性粒子
4 現像装置
4a 現像容器
4b 現像剤担持体(現像スリーブ)
4c マグネットローラ
4d 現像剤コーティングブレード
4e 二成分現像剤
4f 現像剤撹拌部材
4g トナーホッパー
5 転写ローラ
6 定着装置
L レーザー光
P 転写材
R レーザビームスキャナ
S1〜S3 バイアス電圧印加電源
7 高純度水素ガスボンベ
8 高純度水素ガスボンベ
9 流量計
10 流量計
11 原料タンク
12 配管
13 配管
14 配管
15 圧力計
16 分解炉
17 予熱帯域
18 予熱帯域加熱用ヒータ
19 加熱帯域
20 反応管
21 加熱帯域加熱用ヒータ
22 温度調節器
23 温度調節器
24 放射温度計
25 冷却管
26 捕集室
27 圧力調節弁
28 減圧ポンプ
29 水槽
30 焼却炉
31 予熱器
32 反応器
33 脱着器
34 多極性磁石(マグネットローラ)
35 基体(金属製円筒管)
36 導電性樹脂被覆層
37 現像剤担持体(現像スリーブ)
101 ブラストノズル
102 ノズルホルダー(支持体)
103 噴射ノズル(噴射手段)
104 砥粒流入口(研磨材の流入手段)
105 ネジ
106 砥粒(研磨材)
107 マスキング冶具
108 現像剤担持体(現像スリーブ)
109 ボールネジ
110 固定台
501 静電潜像担持体(感光ドラム)
502 現像剤層厚規制部材(磁性ブレード)
503 現像容器
504 仕切り部材
505 攪拌搬送部材
506 基体
507 樹脂被覆層
508 現像スリーブ
509 磁石(マグネットローラ)
510 現像剤担持体
511 攪拌搬送部材
512 現像剤供給部材
513 現像バイアス電源
514 第一室
515 第二室
516 現像剤層厚規制部材(弾性ブレード)
801 静電潜像担持体(感光ドラム)
803 現像容器
806 基体
807 樹脂被覆層
808 現像剤担持体(現像スリーブ)
809 現像バイアス電源
810 攪拌搬送部材
811 現像剤層厚規制部材(弾性ブレード)
813 現像剤供給・剥ぎ取り部材(現像剤供給・剥ぎ取りローラ)
a 結着樹脂
b 炭素粒子
c 凹凸付与粒子
N、S 磁極
A 現像スリーブ回転方向
B 静電潜像担持体(感光ドラム)回転方向
D 現像領域

Claims (5)

  1. 潜像担持体に形成された静電潜像を現像剤により現像してトナー画像を形成する際に用いられる現像剤担持体であって、
    該現像剤担持体は、少なくとも基体及びその表面に形成された樹脂被覆層からなり、
    該樹脂被覆層は、少なくとも炭素粒子を含有しており、
    樹脂被覆層に含まれる炭素粒子を、樹脂被覆層の裁断面を電子顕微鏡で観察した時に得られる算術平均粒子径dn2が20nm以上200nm以下であり、下記(式1)にて算出される形状係数SF2の平均が100超120未満であり、
    かつ、該樹脂被覆層は、ユニバーサル硬さHMkの分布から求められる平均値Aが、400N/mm2以上900N/mm2以下である
    ことを特徴とする現像剤担持体。
    SF2={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4) (式1)
    (式1)中、MXLNGは炭素粒子の投影図における最大長さ(nm)であり、AREAはその投影面積(nm2)を意味する。
  2. 前記炭素粒子が、前記算術平均粒子径dn2(nm)に対する、その標準偏差s2(nm)の比(s2/dn2)が0.1超0.3未満であることを特徴とする請求項1に記載の現像剤担持体。
  3. 前記樹脂被覆層より抽出した炭素粒子で測定されるストークス径Dst2(nm)と前記算術平均粒子径dn2(nm)との比(Dst2/dn2)が1.00超1.20以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像剤担持体。
  4. 前記ユニバーサル硬さHMkの分布から求められる標準偏差σが、25N/mm2未満であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像剤担持体。
  5. 少なくともトナーを有する現像剤を収容するための容器と該容器に貯蔵された現像剤を担持搬送するための現像剤担持体を有し、現像剤層厚規制部材により現像剤担持体上に現像剤層を形成しながら現像剤担持体上の現像剤を静電潜像担持体と対向する現像領域へと搬送し、前記静電潜像担持体の静電潜像を現像剤により現像し、トナー画像を形成する現像装置であって、
    該現像剤担持体が、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現像剤担持体である
    ことを特徴とする現像装置。
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