JP2003345095A - 電子写真用部材の製造方法及び該方法により製造された電子写真用部材 - Google Patents

電子写真用部材の製造方法及び該方法により製造された電子写真用部材

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JP2003345095A
JP2003345095A JP2002157163A JP2002157163A JP2003345095A JP 2003345095 A JP2003345095 A JP 2003345095A JP 2002157163 A JP2002157163 A JP 2002157163A JP 2002157163 A JP2002157163 A JP 2002157163A JP 2003345095 A JP2003345095 A JP 2003345095A
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Satoshi Otake
智 大竹
Masayoshi Shimamura
正良 嶋村
Naoki Okamoto
直樹 岡本
Kazunori Saiki
一紀 齊木
Kenji Fujishima
健司 藤島
Yasuhisa Akashi
恭尚 明石
Yasuhide Goseki
康秀 後関
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗料中に金属粒子、炭素系粒子、セラミック
粒子或いは固体潤滑剤粒子のような分散媒体との比重差
が大きい粒子を添加する場合においても、被覆層中の微
粒子の再凝集や分離を起こさない均一な被覆層を形成す
る電子写真用部材の製造方法を提供すること。 【解決手段】 攪拌機構を有する塗料槽、先端部分にニ
ードル弁を有するスプレーガン、塗料槽〜スプレーガン
間において塗料が空気と遮断されている非開放系の循環
経路及び該塗料を循環経路内で定量的に加圧循環させる
循環ポンプを具備しており、該エアスプレー法は、霧化
エアーを放出することにより塗料を微粒子化し、前記基
体上に塗料を付着させることにより被覆層を形成するこ
とを特徴とする電子写真用部材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真用部材、
例えば、静電潜像を担持する潜像担持体に形成された潜
像を、現像剤担持体により担持搬送される現像剤にて現
像するのに用いられる電子写真用部材に関し、特に円筒
状若しくは円柱状の基体及び該基体上に形成された被覆
層を有する電子写真法に用いられる部材及びこれを製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては多数の方法が
知られている。一般には光導電性物質を利用し、種々の
手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜
像をトナー(現像剤)で現像を行って可視像とするもの
である。これらを必要に応じて紙等の転写材にトナー像
を転写した後、熱、圧力等により転写材上にトナー画像
を定着することで複写物を得ることができる。
【0003】これらの電子写真法の各プロセスにおいて
は、例えば、図11に示すように円筒状の部材若しくは
円柱状の部材が数多く使用されている。より具体的には
感光ドラム、帯電ローラ、現像スリーブ(現像剤担持
体)、転写ローラ、及び定着ローラ等がある。これらの
円筒状若しくは円柱状の部材は、それぞれ抵抗調整や帯
電付与等を目的として必要に応じて被覆層が形成されて
用いられている。例えば、現像剤担持体においてはトナ
ーへの帯電付与を適正化するため、基体表面に種々の樹
脂層を形成したものが提案されている。
【0004】一成分現像方法としては、現像領域におい
て現像剤担持体と、潜像が形成される感光体とが接触す
る或いは現像剤担持体上の現像剤層の厚みが、現像剤担
持体と潜像が形成される感光体との最小間隙以上である
接触現像方法と、現像剤担持体上の現像剤層の厚みが、
現像剤担持体と感光体との最小間隙以下で現像を行う非
接触現像(ジャンピング現像)方法が一般的である。現
像剤担持体が感光体に直接接触する方法においては、ゴ
ムローラが通常用いられており、現像剤担持体が感光体
に非接触の場合には、アルミニウムやSUS等の剛体ス
リーブ或いは樹脂スリーブ等を用いるのが一般的であ
る。これらのどちらを用いる場合にも、先に述べたよう
に表面被覆層を形成して用いる場合が多い。これら現像
剤担持体への表面被覆層形成の例として、特開平1−2
77265号公報及び特開平3−200986号公報に
は、現像剤担持体のトナーへの過剰帯電(チャージアッ
プ)を防止することを目的として、導電性基体上に導電
性微粒子を含有する樹脂被覆層が形成されたものが開示
されている。
【0005】また、帯電部材においては、従来、電子写
真感光体や静電記録誘電体等の潜像担持体を均一に帯電
処理するための帯電手段として、非接触系であるコロナ
帯電器が多用されていたが、このコロナ帯電は、オゾン
等のコロナ生成物の発生が多いこと、また、これを除去
するための付加手段や機構を必要とするため、装置全体
が大型化及び複雑化しがちであること等が問題点として
指摘されており、近年はエコロジーが注目されるにつれ
て、低オゾン及び低電力等の利点を有することから、接
触系の帯電装置であるゴムローラ、固定ブラシ、ファー
ブラシ、磁気ブラシ等を用いたものが実用化されてきて
いる。例えば、感光体に直接接触する部材、特に帯電用
ゴムローラにおいては、ゴム中に可塑剤、加硫剤、離型
剤、低分子量成分等の不純物が含まれており、これらの
成分がブリードして感光体やクリーニング部材の汚染、
或いはブレードや感光体のカケやワレを生じ、画像に悪
影響を及ぼす。これを防止する目的でローラー表面に表
面層或いは保護層と呼ばれる樹脂被覆層を形成して用い
られることが多い。例えば、特許第2864782号公
報には、弾性層中の可塑剤等の表面へのブリードを防止
する目的で被覆層を形成したものが開示されている。
【0006】また、磁気ブラシ帯電装置は、担持体に磁
性粒子を磁気力で拘束して磁気ブラシとして付着保持さ
せた部材を用いて、この磁気ブラシを被帯電体に接触さ
せ、電圧を印加して被帯電体の帯電を行うものであり、
例えば、特開平8−254880号公報には、磁気ブラ
シ帯電部材の磁気粒子担持体表面を、磁気粒子の搬送性
を安定させるために被覆層を形成したものが提案されて
いる。
【0007】また、定着ローラとしては、一般に熱ロー
ラ方式による定着装置が用いられ、この定着装置は、定
着ローラと、この定着ローラに回転可能に圧接されてい
る加圧ローラと、定着ローラ表面を所定の温度にまで加
熱するためのヒータと、定着ローラへの転写材の巻き付
けを防止する分離爪等から構成されている。画像の定着
は、転写材上の未定着トナー像の定着ローラと加圧ロー
ラからなるニップ部への通過によって加熱及び加圧さ
れ、転写材上に永久画像として得られるが、この際トナ
ーが定着ローラ表面に転移するオフセット現象の発生を
抑制するために、定着ローラとトナーとの離型性を向上
させることを目的として、例えば、特開平6−1868
81号公報には、PTFE等のフッ素樹脂からなる被覆
層を定着ローラ表面に形成したものが開示されている。
【0008】一般にこれらの被覆層を形成する手段とし
てはディッピング法、スプレー法、はけ塗り法等の方法
がある。これらの形成法の中でスプレー法は被覆層の均
一性、即ち、塗布ムラや塗布欠陥を抑え、密着性に富む
被覆層を形成するための安価で工業的に優れた生産技術
であるため広く用いられている。スプレー法により表面
被覆層を形成する方法としては、本出願人が開示した特
許第2886593号公報に記載されている方法があ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、昨今、
電子写真の高画質化や電子写真装置の高速化に伴って画
像品質に大きな影響を与える現像部材や帯電部材に要求
される表面物性や、耐久性への要求が一層高度なものに
なってきている。このために高画質化や高速化に耐える
性能を長期にわたり安定して得ることが必要とされ、よ
り均一に形成された被覆層が求められている。
【0010】これらの被覆層は、被覆層の導電性制御、
トナーに対する帯電付与能の最適化、トナーの付着防
止、被覆層の高耐久化及び表面凹凸形成等、その部材に
応じた種々の機能性を持たせるために、荷電制御樹脂、
カップリング剤、金属や金属酸化物粒子、炭素系粒子、
セラミック系粒子、固体潤滑剤粒子及び導電性粒子等、
様々な材料を添加している場合が一般的である。
【0011】しかしながら、例えば、溶媒又は溶媒に溶
解された樹脂と、添加する微粒子の比重差が大きいと被
覆層を形成した際に、従来方法では粒子の被覆層中での
分布が不均一となるために、局所的な体積抵抗の変動の
発生や、表面粗さの不均一化等の問題が生じた。これは
スプレーで噴霧塗布する場合に塗料の微粒子化が十分に
行われないために、微粒子の再凝集や分離が発生するた
めと考えられる。
【0012】また、高分子量の樹脂、カップリング剤或
いは荷電制御剤の添加、更にはカーボンブラック等の超
微粒子を多く添加した場合、塗料の粘度が上昇しやす
く、従来法では塗布する際の粘度調整幅が小さくなり、
被覆面に塗布ムラや素地見え等の問題が発生しやすい。
また、生産面においては、連続して複数本の塗工を行っ
ていく際は、これらの理由から1本ごとのばらつきが大
きくなってしまうという問題がある。
【0013】従って、本発明の目的は、電子写真用部材
を製造するにあたり上記問題点を解決し、塗料中に金属
粒子、炭素系粒子、セラミック粒子或いは固体潤滑剤粒
子のような分散媒体との比重差が大きい粒子を添加する
場合においても、被覆層中の微粒子の再凝集や分離を起
こさない均一な被覆層を形成する電子写真用部材の製造
方法を提供することである。
【0014】また、本発明の目的は、塗料中に導電性微
粒子等の小粒径粒子を添加した場合若しくは、高分子量
の樹脂、カップリング剤或いは荷電制御剤等を添加した
場合のような高粘性な塗料を用いた場合においても、塗
布ムラや素地見え等の発生しない均一な被覆層を形成す
る電子写真用部材の製造方法を提供することである。
【0015】更に本発明の目的は、被覆層が所望の表面
形状及び表面における微粒子の均一な分布を有する電子
写真用部材の製造方法を提供することである。更に本発
明の目的は、被覆層が磨耗、剥がれ或いは傷の発生に耐
え、繰り返しの使用に対する耐久性や耐摩耗性を有する
被覆層を形成する電子写真用部材の製造方法を提供する
ことである。更に本発明の目的は、現像剤搬送の不均一
性や現像剤への帯電付与の不均一性による画像の濃度ム
ラやスジ等の画像欠陥が発生しない現像剤担持体を提供
することである。
【0016】また、更に本発明の目的は、被覆層が所望
の表面形状及び表面における微粒子の均一な分布を有
し、現像剤層厚規制ブレードに傷が発生しにくく、画像
上にスジ等の欠陥の現れない現像剤担持体を提供するこ
とである。更に本発明の目的は、被覆層が磨耗、剥がれ
或いはキズの発生に耐え、繰り返しの使用に対する耐久
性や耐摩耗性を有し、長期にわたり安定して良好な画像
を得られる現像剤担持体を提供することである。更に本
発明の目的は、表面層の抵抗値が均一で、帯電体への電
荷付与を十分に行うことができ、濃度ムラや濃度低下等
の画像欠陥の発生しない磁性粒子搬送部材及び帯電装置
を提供することである。
【0017】また、更に本発明の目的は、被覆層が所望
の表面形状及び表面における微粒子の均一な分布を有
し、磁性粒子の搬送が安定且つ均一であり、帯電体への
電荷付与を均一に行うことのできる磁性粒子搬送部材及
び帯電装置を提供することである。更に本発明の目的
は、被覆層が磨耗、剥がれ或いは傷の発生に耐え、繰り
返しの使用に対する耐久性と耐摩耗性を有し、長期にわ
たり磁性粒子の搬送が安定且つ均一であり、帯電体への
電荷付与を均一に行うことのできる磁性粒子搬送部材及
び帯電装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、少なくとも基体
及び表面被覆層を有する電子写真法に用いられる部材の
製造方法であって、該部材は、円筒状若しくは円柱状の
基体上に塗料をエアスプレー法により塗布し被覆層を形
成したものであり、該塗料は、塗料循環システムによっ
てスプレーガンに供給され、該塗料循環システムは、攪
拌機構を有する塗料槽、先端部分にニードル弁を有する
スプレーガン、塗料槽〜スプレーガン間において塗料が
空気と遮断されている非開放系の循環経路及び該塗料を
循環経路内で定量的に加圧循環させる循環ポンプを具備
しており、該エアスプレー法は、霧化エアーを放出する
ことにより塗料を微粒子化し、前記基体上に塗料を付着
させることにより被覆層を形成することを特徴とする電
子写真用部材の製造方法を提供する。
【0019】上記本発明の方法においては、前記エアス
プレー法が、霧化エアーをノズル周囲の螺旋状の孔から
旋回流として放出することにより塗料を微粒子化するこ
と;前記スプレーガンの前記霧化エアー圧を、1000
〜30000kg/m3とすること;塗料が、少なくと
も溶媒に溶解及び/又は分散された樹脂及び固体粒子を
含有すること;前記塗料が、少なくともアルミニウム、
銅、ニッケル、銀等の金属粉体、酸化アンチモン、酸化
インジウム、酸化スズ等の金属酸化物、カーボンファイ
バー、カーボンブラック及びグラファイト等の炭素物か
らなる群から選ばれる導電性粒子の何れかを少なくとも
含有していることが好ましい。
【0020】また、上記本発明の方法においては、前記
塗料が、少なくとも二硫化モリブデン、窒化硼素、グラ
ファイト、フッ化グラファイト、銀−セレンニオブ、塩
化カルシウム−グラファイト及び滑石からなる群から選
ばれる潤滑性粒子の何れかを少なくとも含有しているこ
と;前記塗料が、少なくとも金属、金属酸化物、シリ
カ、炭化ホウ素、ホウ酸アルミ、ケイ酸アルミナ、アル
カリケイ酸アルミナ及びケイ酸塩からなる群から選ばれ
る無機粒子の何れかを少なくとも含有していること;前
記塗料が、少なくともニグロシン及びその脂肪酸金属塩
等による変性物、四級アンモニウム塩、及びこれらの類
似体であるオニウム塩、及びこれらのレーキ顔料、高級
脂肪酸の金属塩、ジオルガノスズオキサイド、ジオルガ
ノスズボレート類、グアニジン類及びイミダゾール化合
物からなる群から選ばれる荷電制御性粒子の何れかを少
なくとも含有していることが好ましい。
【0021】また、上記本発明の方法においては、前記
塗料が、前記被覆層表面に凹凸を付与するための個数平
均粒径3〜30μmの粒子を含有していること;前記被
覆層のJIS算術平均粗さ(Ra)を0.1〜3.5μ
mになるように前記被覆層を形成すること;前記塗料
が、メチルメタクリレート樹脂、フッ素樹脂、ナイロン
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ
スチレン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、フェノ
ール樹脂、ウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂及
びグアナミン樹脂からなる群から選択される樹脂を少な
くとも含有することが好ましい。
【0022】また、上記本発明の方法においては、前記
塗料が、結着樹脂中に分散された黒鉛化度P(002)
が0.20≦P(002)≦0.95である黒鉛化粒子
を少なくとも含有していること;電子写真用部材が、現
像剤を担持搬送する現像剤担持体であること;電子写真
用部材が、磁性粒子を担持搬送して磁気ブラシを形成
し、表面に静電潜像を形成する潜像保持体に接触させな
がら外部電源により電圧を印加し、該潜像保持体を帯電
させる帯電装置に用いられる磁性粒子搬送部材であるこ
とが好ましい。
【0023】また、上記本発明は、電子写真法に用いら
れる表面被覆層を有する円筒状若しくは円柱状の部材で
あって、該部材が、前記本発明の製造方法により製造さ
れたものであることを特徴とする電子写真用部材を提供
する。
【0024】上記本発明の製造方法により製造された電
子写真用部材、特に本発明の製造方法により製造された
現像剤担持体や磁性粒子搬送部材を用いることで本発明
の目的が達成される。即ち、本発明の方法は、前記特許
第2886593号公報に記載された被覆層形成方法で
は達成し得なかった、より高精度な膜の分散均一性及び
表面均一性を要求される被覆層の形成に適する。また、
従来スプレー塗布には使用し難かった塗料でも表面層が
形成可能な方法である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に好ましい実施の形態を挙げ
て本発明を更に詳細に説明する。次に本発明の被覆層の
形成方法について現像剤担持体を例にとり説明する。先
ず、図1に示すように、現像剤担持体の基体を用意す
る。図示した基体は中空円筒状の形態を有しているが、
勿論、円柱状の形態を有する基体であってもよい。完成
した円筒状若しくは円柱状の基体及び被覆層を有する部
材が現像剤担持体(「現像スリーブ」ともいう)である
場合、このスリーブを使用する現像装置が磁性現像剤を
用いる形式の装置であるときは、公知の如く上記スリー
ブは非磁性体が好ましく、ここでは基体として非磁性体
からなるものを用いる。
【0026】被覆層の形成方法としては、図1に示すよ
うに、基体をスプレーガンの移動方向(矢印で示す)に
平行に垂直に立てて、基体を回転させつつ、基体とスプ
レーガンのノズル先端との距離を一定に保ち、スプレー
ガンを一定速度で上昇させながら、例えば、後述の実施
例1の塗料を用いてエアスプレー法により塗料を基体に
塗布する。一般にエアスプレー法では、塗料を安定して
微粒子液滴化させることにより、分散の良好な被覆層を
得ることができる。
【0027】従来から用いられているスプレーガンは、
ノズル先端周囲の同心円上の孔からエアーを吹き出すタ
イプであり、塗料の供給はノズルのホース先端部にある
周囲の孔からエアーを放出することにより、ホースの他
端部から吸引される自給式タイプである。この場合、塗
料中の結着樹脂の分子量が高い場合や、添加粒子が多い
場合等の如く粘度が高い塗料のときには、塗料を十分に
微粒子化又は霧化できないために、塗布ムラや塗工面に
固体微粒子の再凝集によるブツ状の欠陥が発生した。更
に塗料の粘度が高い場合には、ノズル部でのエアーの放
出による塗料の吸引による供給ができず、塗工不可能で
あった。これを防止することを目的として溶媒を多量に
添加して塗料の粘度を低くした場合には、塗料の微粒子
化が十分しきれずに、塗工面はウェットな面となり、塗
工面にシワやムラが発生し、目的とする表面粗さを得る
ことが困難であった。更に塗料の微粒子化が不十分であ
るため、塗料中の固体微粒子の再凝集や分離による分散
不均一な層となった。十分な塗料の微粒子化を行うため
に、吐出量を押さえると所望の膜厚の被覆層は得ること
ができなかった。
【0028】図2は、このような従来のスプレーガンを
使用した場合における塗工システム例であるが、塗料槽
中で攪拌翼で攪拌されている塗料は、塗料槽よりエアポ
ンプ等のポンプ等によって、ガンステージ部の塗料溜に
送られた後、塗料の一部はスプレーガンに接続されたホ
ースへ吸引される。残りの塗料は自重で塗料槽に戻って
いく非強制循環方式である。
【0029】この場合、塗料溜は密閉されておらず、開
放系であるため、塗料が空気に触れる個所が多い。その
ため、特に塗料中への添加粒子が多い場合や樹脂や溶媒
への分散性が悪い粒子を添加している場合は、特にその
気液界面において、微粒子が再凝集して発生した凝集体
が、形成される被覆層にブツ状の欠陥として発生してい
るものもあった。また、塗料中の添加粒子の比重が大き
い場合には、循環経路の途中に添加粒子が滞留したり、
粒子の再凝集が起こったりすることで、塗布ムラやブツ
状欠陥の発生或いは被覆層の表面粗さ変化等の問題が発
生した。
【0030】これに対し、図3に示すような塗料循環塗
工システムでは、塗料槽からスプレーガン内の循環経路
において、塗料が空気と遮断されているため、塗料中に
添加された固体微粒子の再凝集が起こりにくい。よっ
て、基体への塗布時に被覆層上のブツ状欠陥の発生を抑
制することが可能である。特に、塗料中への添加粒子が
多い場合や、凝集性の高い固体微粒子を塗料中に分散し
ている場合にも効果的である。また、塗料は循環経路内
で循環ポンプによって定量的に加圧循環されているた
め、粘度が高い塗料であっても塗料の供給不足が起こる
ことなく、安定した塗料供給が可能となる。加えて、循
環経路の途中に粒子の滞留や再凝集が起こりにくくな
り、塗布ムラ、ブツの発生或いは表面粗さの変動が起こ
ることなく安定した塗工が実現できる。
【0031】更に図4に示すような螺旋状の孔から吐出
された旋回流のエアー流を用いて塗料を霧化すること
で、同心円上の孔から吐出するエアーを用いた場合と比
較して、比較的高粘度の塗料も微粒子化可能であり、ま
た、比較的塗料の粘度が低く吐出量が多い場合にも安定
して塗料の固体微粒子化が可能であり、塗工のラチチュ
ードが大幅に広がる。また、塗料中に凝集性の高い固体
微粒子を分散している場合にも、塗料の微粒子化条件の
ラチチュードが広いため、固体微粒子の再凝集が防止し
やすく、形成される被覆層中での固体微粒子の分散性が
高く、且つ基体との密着性の良い耐磨耗性に優れた樹脂
被膜を得ることができる。
【0032】この場合、塗料の吐出は主に塗料の送り量
によってなされる。霧化エアーを噴いている状態でニー
ドルを開けることによって塗料が吐出及び微粒子化さ
れ、ニードルを閉じるタイミングより霧化エアーがオフ
になるタイミングを遅らせることで、ノズル先端部に残
留する塗料をエアーで除去できるので、ノズル先端の塗
料による目詰まりが起こりにくく、安定した塗工が可能
である。
【0033】本発明の場合、加圧式で塗料を供給してい
るため、低圧での塗料の霧化が可能となる。好ましい霧
化圧は1000〜30000kg/m3であり、更に好
ましくは、2000〜20000kg/m3である。霧
化圧が1000kg/m3未満の場合には、塗料の微粒
子化が十分に行われずにウエットな塗工面となり、表面
にシワやムラが発生して、所望の表面粗さの被覆層を得
ることができなくなる。また、塗料中の微粒子の再凝集
や分離が起こり、分散不均一な被覆層が形成されてしま
う。霧化圧が30000kg/m3を超える場合は、塗
工環境内の風量がある程度必要となるため、塗料の飛散
や跳ね返りが多くなってしまい、塗工効率が低下してし
まう。また、ドライな塗工面が形成されるため、被覆層
が脆くなり、その耐久性の低下につながる。本発明の塗
布方法は、現像剤担持体のみばかりでなく、磁性粒子搬
送部材や帯電部材等、他の電子写真用部材の被覆層形成
にも同様に用いることができる。
【0034】次に本発明の被覆層の形成に用いる塗料に
ついて更に詳しく説明する。上記塗料に用いる結着樹脂
材料としては、メチルメタクリレート樹脂、フッ素樹
脂、ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレ
ン樹脂、ポリスチレン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル
樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ユリア樹脂、メ
ラミン樹脂、グアナミン樹脂をはじめ一般に公知の樹脂
が使用可能である。例えば、スチレン系樹脂、ビニル系
樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンオキ
サイド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、繊維素系樹
脂、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、
ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、尿素樹脂、ポリイ
ミド樹脂等の熱或いは光硬化性樹脂等を使用することが
できる。なかでもシリコーン樹脂、フッ素樹脂のような
離型性のあるもの、或いはポリエーテルスルホン系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンオキサイ
ド系樹脂、ポリアミド系樹脂、フェノール系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレン系樹
脂、アクリル系樹脂のような機械的性質に優れたものが
より好ましい。
【0035】バインダー樹脂を溶解するための溶剤とし
ては、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、メタノ
ール、キシレン、メチルセロソルブ、トルエン、クロロ
ベンゼン、ジクロロメタン、イソプロピルアルコール
(IPA)、ブタノール等、従来公知のものが何れも使
用が可能であり、特に限定されないが、添加粒子の分散
安定性、粘度、チキソ性、スプレー塗布時の塗工性、成
膜性等を考慮して選択することが好ましい。
【0036】また、この塗料中には被覆層の抵抗値の調
整やトナーの付着の軽減や表面粗さの安定化、更にトナ
ーへの帯電付与能の制御等、用いられる各部材の目的に
応じて、導電性粒子、潤滑物質(潤滑性粒子)、表面凹
凸形成用若しくは膜硬度付与用の固体微粒子及び帯電制
御剤(荷電制御性粒子)等を分散含有して用いられる。
これらの分散には一般的に公知の分散装置、例えば、ペ
イントシェーカー、サンドミル、アトライター、ダイノ
ミル、パールミル等のビーズを用いた分散機が好ましく
用いられる。
【0037】この被覆層の抵抗値を調整するためには、
下記に挙げる導電性粒子を塗料中に分散含有させること
が好ましい。この際に使用される導電性粒子としては、
例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、銀等の金属粉
体、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ等の金
属酸化物、カーボンファイバー、カーボンブラック、グ
ラファイト等の炭素物等が挙げられる。これらのうち、
カーボンブラック、とりわけ導電性のアモルファスカー
ボンは、特に電気伝導性に優れ、高分子材料に充填して
導電性を付与するとともに、その添加量をコントロール
するだけで、ある程度任意の導電度を得ることができる
ため好適に用いられる。また、これらの導電性粒子の添
加量は、結着樹脂100質量部に対して1〜100質量
部の範囲とすることが好ましい。
【0038】更に、被覆層を有する円筒状若しくは円柱
状の部材を現像剤担持体として用いる場合には、現像剤
担持体表面への現像剤の付着をより軽減化するため、被
覆層中に潤滑性粒子を混合させることもできる。この際
に使用し得る潤滑性粒子としては、例えば、二硫化モリ
ブデン、窒化硼素、グラファイト、フッ化グラファイ
ト、銀−セレンニオブ、塩化カルシウム−グラファイ
ト、滑石等が挙げられる。また、これらの潤滑性粒子の
添加量は、結着樹脂100質量部に対して1〜100質
量部の範囲とすることが好ましい。
【0039】塗料中には更に樹脂層のトナーへの帯電付
与能を制御するため荷電制御性粒子を添加することも可
能である。荷電制御性粒子としては、例えば、ニグロシ
ン及びその脂肪酸金属塩等による変性物、トリブチルベ
ンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスル
フォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロ
ボレート等の四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体
であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレー
キ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、り
んモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タン
ニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フ
ェロシアン化物等)、高級脂肪酸の金属塩;ブチルスズ
オキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキ
シルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;チ
ブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシク
ロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート
類;グアニジン類、イミダゾール化合物が挙げられる。
【0040】本発明では更に、塗料中に黒鉛化度P(0
02)が0.20≦P(002)≦0.95である黒鉛
化粒子を含有することも可能である。該黒鉛化粒子は、
現像剤担持体の被覆層表面に均一な表面粗度を保持させ
ると同時に、被覆層表面が摩耗した場合でも被覆層の表
面粗度の変化が少なく、且つトナー汚染やトナー融着を
発生し難くするために添加するものである。更に、必要
に応じて他の導電剤とともに被覆層に導電性を付与し、
また、更には該黒鉛化粒子はトナーへの帯電付与性を高
める効果もある。黒鉛化度P(002)とは、Franklin
のP値といわれるもので、黒鉛のX線回折図から得られ
る格子間隔d(002)を測定することで、d(00
2)=3.440−0.086(1−P2)で求められ
る。このP値は、炭素の六方網目平面積み重なりのう
ち、無秩序な部分の割合を示すもので、P値が小さいほ
ど黒鉛化度は大きい。
【0041】該黒鉛化粒子は、特開平2−105181
号公報及び特開平3−36570号公報等において現像
剤担持体表面の被覆層中に用いられていた、コークス等
の骨剤をタールピッチ等により固めて成形後1000〜
1300℃程度で焼成してから2500〜3000℃程
度で黒鉛化して得た人造黒鉛、或いは天然黒鉛からなる
結晶性のグラファイトとは、該黒鉛化粒子の原材料及び
製造工程が異なる。そのため、該黒鉛化粒子は従来用い
ていた結晶性グラファイトより黒鉛化度は若干低いもの
の、従来に用いられていた結晶性グラファイトと同様に
高い導電性や潤滑性を有しており、更に粒子の形状が従
来に用いられていた結晶性グラファイトの燐片状或いは
針状とは異なり、概略球状で、しかも粒子自身の硬度が
比較的高いのが特徴である。従って、上記のような特性
を有する黒鉛化粒子は被覆層中で均一に分散しやすくな
るため、均一な表面粗度と耐磨耗性を被覆層表面に与
え、且つ粒子自身の形状が変化しがたいために、結着樹
脂分等の削れ、又はその影響による粒子自身の脱落が生
じたとしても、樹脂層中から粒子が再度突出或いは露出
してくることもあり、表面形状の変化を小さく抑えるこ
とができる。
【0042】更に、現像剤担持体表面の被覆層中に上記
黒鉛化粒子を用いると、トナーのチャージアップを発生
させることなく、従来の結晶性グラファイトを用いた場
合よりもトナーへの摩擦帯電付与能を向上することが可
能となる。このような黒鉛化粒子は上記のように耐磨耗
性、導電性及び帯電付与性に優れているため、粒子の再
凝集や不均一化等による被覆層のブツ状欠陥及び異常突
起や黒鉛化粒子の偏在化が発生すると、例えば、現像剤
担持体ではブレード傷の発生やトナーへの不均一な摩擦
帯電付与による画像不良が、また、磁気ブラシ帯電部材
においては、感光体表面への電荷注入不良や磨耗性の低
下等の問題が発生しやすく、所望の性能が得られない場
合がある。本発明のような製造方法を用いることによ
り、上記のような問題が発生せず、安定して製造できる
ので、得られる電子写真用部材は十分な性能を発揮する
ことができる。
【0043】本発明で用いる黒鉛化粒子の黒鉛化度P
(002)は、0.20≦P(002)≦0.95であ
ることが好ましく、0.28≦P(002)≦0.75
であることがより好ましい。P(002)が0.95以
下であるほうが、被覆層の耐磨耗性に有利であり、導電
性や潤滑性の低下が少なく、トナーのチャージアップが
発生しにくく、スリーブゴースト、カブリ、画像濃度等
の画質が良好であり、更に弾性ブレードを使用した場合
にブレード傷が発生しにくく、画像にスジや濃度ムラ等
が起こりにくい。また、P(002)が0.20以上で
あるほうが、被覆層表面の耐磨耗性および被覆層の機械
的強度及びトナーへの帯電付与性の低下が起こりにく
い。
【0044】本発明で用いる黒鉛化粒子としては、個数
平均粒径が0.5〜25μm、好ましくは1〜20μm
である。黒鉛化粒子の個数平均粒径が0.5μm以上の
ほうが被覆層表面に均一な粗さを付与する効果と帯電性
能を高める効果がより発揮でき、現像剤への迅速且つ均
一な帯電が十分行われると共に、被覆層の磨耗によるト
ナーのチャージアップ、トナー汚染及びトナー融着が発
生しにくく、ゴーストの悪化や画像濃度低下を生じにく
いという点で好ましい。また、個数平均粒径が25μm
以下の方が、被覆層表面の粗さが大きくなり過ぎず、ト
ナーの帯電が十分に行なわれると共に、被覆層の機械的
強度の低下が抑えられ好ましい。
【0045】本発明で用いる黒鉛化粒子を得る方法とし
ては、以下に示すような方法が好ましいが、必ずしもこ
れらの方法に限定されるものではない。本発明で用いる
特に好ましい黒鉛化粒子を得る方法としては、原材料と
してメソカーボンマイクロビーズやバルクメソフェーズ
ピッチ等の光学的に異方性で、しかも単一の相からなる
粒子を用いて黒鉛化することが、該黒鉛化粒子の黒鉛化
度を高め且つ球状の形状を保持させるために好ましい。
【0046】上記の原材料の光学的異方性は、芳香族分
子の積層から生じるものであり、その秩序性が黒鉛化処
理で更に発達し、高度の黒鉛化度を有する黒鉛化粒子が
得られる。前記のバルクメソフェーズピッチを用いる場
合は、加熱下で軟化溶融するものを用いることが、球状
で黒鉛化度の高い黒鉛化粒子を得るために好ましい。
【0047】前記のバルクメソフェーズピッチを得る方
法として代表的なものは、例えば、コールタールピッチ
等から溶剤分別によりβ−レジンを抽出し、これを水素
添加及び重質化処理を行う方法である。また、前記重質
化処理後、微粉砕し、次いでベンゼン又はトルエン等に
より溶剤可溶分を除去することが好ましい。このバルク
メソフェーズピッチは、キノリン可溶分が95質量%以
上であることが好ましい。95質量%未満のものを用い
ると、粒子内部が液相炭化しにくく、固相炭化するため
粒子が破砕状のままとなり、球状のものが得られない。
【0048】次に前記のバルクメソフェーズピッチを黒
鉛化する方法としては、先ず、前記のバルクメソフェー
ズピッチを2〜25μmに微粉砕して、これを空気中で
約200〜350℃で熱処理することにより、軽度に酸
化処理する。この酸化処理によって、バルクメソフェー
ズピッチは表面のみ不融化され、次工程の黒鉛化熱処理
時の溶融及び融着が防止される。この酸化処理されたバ
ルクメソフェーズピッチは、酸素含有量が5〜15質量
%であることが好ましい。5質量%以上のほうが熱処理
時の粒子同士の融着が抑えられるという点で好ましく、
15質量%以下であれば粒子内部までの酸化が抑えら
れ、形状が破砕状のまま黒鉛化することが少なく、球状
のものが得られやすい。
【0049】次に上記の酸化処理したバルクメソフェー
ズピッチを窒素やアルゴン等の不活性雰囲気下にて、約
2000〜3500℃で熱処理することにより所望の黒
鉛化粒子が得られる。また、黒鉛化粒子を得るためのも
う一つの好ましい原材料であるメソカーボンマイクロビ
ーズを得る方法として代表的なものは、例えば、石炭系
重質油又は石油系重質油を300〜500℃の温度で熱
処理し、重縮合させて粗メソカーボンマイクロビーズを
生成し、反応生成物を濾過、静置沈降或いは遠心分離等
の処理に供することによりメソカーボンマイクロビーズ
を分離した後、ベンゼン、トルエン、キシレン等の溶剤
で洗浄し、更に乾燥する方法である。
【0050】前記のメソカーボンマイクロビーズを用い
て黒鉛化する方法としては、先ず乾燥を終えたメソカー
ボンマイクロビーズを破壊させない程度の温和な力で機
械的に一次分散させておくことが、黒鉛化後の粒子の合
一防止や均一な粒度を得るために好ましい。この一次分
散を終えたメソカーボンマイクロビーズは、不活性雰囲
気下において200〜1500℃の温度で一次加熱処理
され、炭化される。一次加熱処理を終えた炭化物は、や
はり炭化物を破壊させない程度の温和な力で炭化物を機
械的に分散させることが、黒鉛化後の粒子の合一防止や
均一な粒度を得るために好ましい。二次分散処理を終え
た炭化物は、不活性雰囲気下において約2000〜35
00℃で二次加熱処理することにより所望の黒鉛化粒子
が得られる。
【0051】また、前記の何れの原材料から得られた黒
鉛化粒子は、何れの製法にかかわらず、分級により粒度
分布をある程度均一にしておくことが、被覆層の表面形
状を均一にするために好ましい。また、何れの原材料を
用いた黒鉛化粒子の生成方法においても、黒鉛化粒子の
焼成温度は2000〜3500℃が好ましく、2300
〜3200℃がより好ましい。焼成温度が2000℃以
上であれば、粒子が十分に黒鉛化され、導電性や潤滑性
の低下が起こりにくく、被覆層表面のトナーのチャージ
アップが抑制され、スリーブゴースト、カブリ、画像濃
度等の画質が悪化しにくい。更に弾性ブレードを使用し
た場合にもブレード傷の発生が起こりにくく、画像スジ
や濃度ムラ等の画像欠陥が生じにくくなる。また、焼成
温度が3500℃以下であれば十分な被覆層表面の耐磨
耗性、被覆層の機械的強度が得られ、且つトナーへの帯
電付与性低下が起こりにくいという点で好ましい。
【0052】黒鉛化度P(002)の測定は、マックサ
イエンス社製の強力型全自動X線回折装置“MXP1
8”システムにより、黒鉛のX線回折スペクトルから得
られる格子間隔d(002)を測定することで、d(0
02)=3.440−0.086(1−P2)で求め
た。尚、格子間隔d(002)は、CuKαをX線源と
し、CuKβ線はニッケルフィルターにより除去してい
る。標準物質に高純度シリコンを使用し、C(002)
及びSi(111)回折パターンのピーク位置から算出
した。主な測定条件は以下の通りである。
【0053】 X線発生装置:18kw ゴニオメータ:横型ゴニオメータ モノクロメータ:使用 管電圧:30.0kV 管電流:10.0mA 測定法:連続法 スキャン軸:2θ/θ サンプリング間隔:0.020deg スキャン速度:6.000deg/min 発散スリット:0.50deg 散乱スリット:0.50deg 受光スリット:0.30mm
【0054】前記黒鉛化粒子は、被覆層中に均一に分散
されることで、その特性をより発揮でき、画質向上や耐
久安定性の向上に寄与できる。従って、本発明の塗工シ
ステムを用いて被覆層の形成を行うことで、該黒鉛化粒
子の性能をより発揮することが可能である。更にまた、
前述した添加物質に加えて、粒径が3〜30μmの固体
微粒子を被覆層中に分散させることで、被覆層の表面粗
さを安定化させ、現像剤担持体上のトナーコート量を最
適化することが可能である。該粒子は、現像剤担持体の
被覆層表面に均一な表面粗度を形成及び保持させると同
時に、被覆層表面が摩耗した場合でも被覆層の表面粗度
の変化が少なく、且つトナー汚染やトナー融着を発生し
にくくする効果がある。これらの粒子としては耐久によ
り摩耗や削れが少ないものが好ましく、例えば、フェノ
ール樹脂やアクリル樹脂等の機械的強度の高い樹脂粒
子、金属、金属酸化物、シリカ、炭化ホウ素、ホウ酸ア
ルミ、ケイ酸アルミナ、アルカリケイ酸アルミナ及びケ
イ酸塩等の無機粒子が用いられる。これらの表面粗さを
安定化させるために用いる粒子の添加量は、結着樹脂1
00質量部に対して1〜100質量部の範囲とすること
が好ましい。
【0055】上記の如き添加剤を含有する塗料を塗工す
る際の塗料の粘度は、1〜1000mPa・sが好まし
く、より好ましくは10〜500mPa・sである。従
来例の図3の装置を用いた場合、好ましい被覆層を得る
ためには塗料は好ましくは50〜100mPa・sの範
囲程度の粘度に制限されてしまったが、本発明の方法に
おいてはこれを広げることが可能となる。即ち、塗工条
件選定のラチチュードが広がると同時に、従来法では分
散均一性や表面均一性が達成し難かった塗料でも均一被
覆が可能である。
【0056】被覆層の表面粗さとしては、JIS算術平
均粗さ(Ra)で0.1〜3.5μmの範囲にあること
が好ましい。更に好ましくは、0.3〜2.5μmであ
る。即ち、Raが0.1μm未満では、現像剤担持体上
におけるトナーの帯電量が高くなり過ぎ現像性が不十分
となるし、また、現像領域への現像剤の搬送性に劣り、
十分な画像濃度が得られにくくなる。一方、Raが3.
5μmを超えると、現像剤担持体上に形成されるトナー
コート層にムラが生じ、画像上での濃度ムラの原因とな
りやすい。
【0057】前記の粒子の粒径は、以下の測定方法を用
いて求めた。装置としてはレーザー回折型粒度分布計の
コールターLS−230型粒度分布計(コールター社
製)を用いた。測定方法としては水系モジュールを用
い、測定溶媒としては純水を使用した。純水にて粒度分
布計の測定系内を約5分間洗浄し、消泡剤として測定系
内に亜硫酸ナトリウムを10〜25mg加えて、バック
グラウンドファンクションを実行し、次に純水10ml
中に界面活性剤3〜4滴を加え、更に測定試料を5〜2
5mg加えた。試料を懸濁した水溶液は超音波分散機で
約1〜3分間分散処理を行って試料液を得て、前記測定
装置の測定系内に試料液を徐々に加えて、装置の画面上
のPIDSが45〜55%になるように測定系内の試料
濃度を調整して測定を行い、個数平均粒径及び体積平均
粒径を求めた。
【0058】次に、上記したような本発明の現像剤担持
体が組み込まれる現像装置及び画像形成装置について説
明する。図5は、本発明の一実施形態である電子写真用
部材である現像剤担持体を用いた現像装置の模式図を示
す。図5において、公知のプロセスにより形成された静
電潜像を保持する静電潜像保持体、例えば、電子写真感
光ドラム1は、矢印B方向に回転される。現像剤担持体
8は、現像剤容器としてのホッパー3によって供給され
た磁性トナーを有する一成分系現像剤4を担持して、矢
印A方向に回転することによって、現像剤担持体8と感
光ドラム1とが対向している現像領域Dに現像剤4を搬
送する。図5に示すように、現像剤担持体8内には、現
像剤4を現像剤担持体8上に磁気的に吸引且つ保持する
ために、磁石が内接されているマグネットローラー5が
配置されている。
【0059】上記現像装置で用いられる現像剤担持体8
は、基体としての金属円筒管6上に被覆された導電性被
覆層7を有する。ホッパー3中には、現像剤4を撹拌す
るための撹拌翼10が設けられている。12は現像剤担
持体8とマゲネットローラー5とが非接触状態にあるこ
とを示す間隙である。
【0060】現像剤4は、磁性トナー相互間及び現像剤
担持体8上の導電性被覆層7との摩擦により、感光ドラ
ム1上の静電潜像を現像することが可能な摩擦帯電電荷
を得る。図5の例では、現像領域Dに搬送される現像剤
4の層厚を規制するために、現像剤層厚規制部材として
の強磁性金属製の磁性規制ブレード2が、現像剤担持体
8の表面から約50〜500μmのギャップ幅を持って
現像剤担持体8に臨むように、ホッパー3から垂下され
ている。マグネットローラー5の磁極N1からの磁力線
が磁性規制ブレード2に集中することにより、現像剤担
持体8上に現像剤4の薄層が形成される。本発明におい
ては、この磁性規制ブレード2に代えて非磁性ブレード
を使用することもできる。
【0061】このようにして、現像剤担持体8上に形成
される現像剤4の薄層の厚みは、現像領域Dにおける現
像剤担持体8と感光ドラム1との間の最小間隙よりも更
に薄いものであることが好ましい。本発明の現像剤担持
体は、以上のような現像剤の薄層により静電潜像を現像
する方式の現像装置、即ち、非接触型現像装置に組み込
むのが特に有効であるが、現像領域Dにおいて、現像剤
層の厚みが現像剤担持体8と感光ドラム1との間の最小
間隙以上の厚みである現像装置、即ち、接触型現像装置
にも本発明の現像剤担持体を適用することができる。
【0062】説明の煩雑を避けるため、以下の説明で
は、上記したような非接触型現像装置を例に採って行
う。上記現像剤担持体8に担持された磁性トナーを有す
る一成分系現像剤4を飛翔させるため、上記現像剤担持
体8にはバイアス手段としての現像バイアス電源9によ
り現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電
圧として直流電圧を使用するときに、静電潜像の画像部
(現像剤4が付着して可視化される領域)の電位と背景
部の電位との間の値の電圧を現像剤担持体8に印加する
のが好ましい。
【0063】現像された画像の濃度を高め、或いは階調
性を向上するためには、現像剤担持体8に交番バイアス
電圧を印加し、現像領域Dに向きが交互に反転する振動
電界を形成してもよい。この場合には、上記した現像画
像部の電位と背景部の電位の中間の値を有する直流電圧
成分を重畳した交番バイアス電圧を現像剤担持体8に印
加するのが好ましい。
【0064】高電位部と低電位部を有する静電潜像の高
電位部にトナーを付着させて可視化する、所謂、正規現
像の場合には、静電潜像の極性と逆極性に帯電するトナ
ーを使用する。高電位部と低電位部を有する静電潜像の
低電位部にトナーを付着させて可視化する、所謂、反転
現像の場合には、静電潜像の極性と同極性に帯電するト
ナーを使用する。高電位、低電位というのは、絶対値に
よる表現である。これら何れの場合にも、現像剤4は少
なくとも現像剤担持体8との摩擦により帯電する。
【0065】図6は、本発明の現像剤担持体を用いた現
像装置の他の実施形態を示す構成模式図、図7は、本発
明の現像剤担持体を用いた現像装置の更に他の実施形態
を示す構成模式図である。図6及び図7に示した現像装
置では、現像剤担持体8上の現像剤4の層厚を規制する
現像剤層厚規制部材として、ウレタンゴム、シリコーン
ゴムの如きゴム弾性を有する材料、或いはリン青銅、ス
テンレス鋼の如き金属弾性を有する材料の弾性板からな
る弾性規制ブレード11を使用し、この弾性規制ブレー
ド11を図6の現像装置では現像剤担持体8の回転方向
と逆方向の向きで圧接させており、図7の現像装置で
は、この弾性規制ブレード11を現像剤担持体8の回転
方向と順方向の向きで圧接させているのが特徴である。
【0066】これらの現像装置では、現像剤担持体8に
対して、現像剤層を介して現像剤層厚規制部材を弾性的
に圧接することによって、現像剤担持体上に現像剤の薄
層を形成することから、現像剤担持体8上に、上記した
図5の場合よりも更に薄い現像剤層を形成することがで
きる。図6及び7に示す現像装置の他の基本的構成は、
図5に示した現像装置と同じであり、同符号のものは、
基本的には同一の部材であることを示す。
【0067】図5〜図7はあくまでも本発明の現像剤担
持体を用いた現像装置を模式的に例示したものであり、
現像剤容器(ホッパー)3の形状、撹拌翼10の有無、
磁極の配置に様々な形態があることは言うまでもない。
勿論、これらの装置では、トナーとキャリアを含む二成
分系現像剤を用いる現像(図8)に使用することもでき
る。
【0068】次に本発明の磁気ブラシ帯電部材及びそれ
に用いられる磁性粒子搬送部材の説明をする。磁性粒子
搬送部材の被覆層の形成方法も現像剤担持体の場合と同
様に行うことができる。本発明の磁性粒子搬送部材の表
面樹脂層の形成に用いる塗料について説明する。
【0069】本発明の磁性粒子搬送部材の被覆層表面に
均一な粗さを付与し、且つ耐摩耗性を向上させる補強用
充填材として固体微粒子である、以下に例示する如き無
機粉体を塗料中に分散含有することが好ましい。Fe及
び、FeにC、Ni、Cr、Mo、Mn、Ti、SiA
l、V等を含んだ鉄合金;Al及び、AlにCu、S
i、Fe、Mn、Mg、Zn、Cr、Ti等を含んだア
ルミニウム合金;Mg及び、MgにAl、Zn、Mn、
Zr、Th等を含んだマグネシウム合金;Cu及び、C
uにAs、Te、O、Ag、Si、Sn、Pb、Be、
Cr、Co、Cd、Ni、Al、Zn、Mn、Fe、
P、Se、Te等を含んだ銅合金;
【0070】Ni及び、NiにC、Mn、Fe、S、S
i、Cu、Cr、Mo、Al、Ti、Co、P、W、
V、Ta、Nb等を含んだニッケル合金;Pb及び、P
bにSb、Te、As、Sn、Ca、Na、Fe、N
i、Ag、Bi、Zn、Si等を含んだ鉛合金;Sb及
び、SbにSn、Cu、Pb等を含んだアンチモン合
金;Sn及び、SnにBi、Sb、Pb、Ag、Zn、
Al、Mg、Co、Mn、Te等を含んだスズ合金;
【0071】Zn及び、ZnにZr、Mn、Al、C
u、Mg、Fe等を含んだ亜鉛合金;Cd及び、Cdに
Ni、Ag、Au、Cu、Zn等を含んだカドミウム合
金;Bi及び、BiにAl、Zn、Pb、Sn、Cd、
Li等を含んだビスマス合金;Ti及び、TiにAl、
Mn、Fe、Sn、Mo、V、Zn、Pb、Ta、Z
r、Pt、Pd等を含んだチタン合金;Zr及び、Zr
にMo、W、Ti、B、Al、Sn、Ge、Sb、P
b、TlP、In、Nb、Ta、V、U、Cr、Mn、
Fe、Co、Ni、Cu、Hf等を含んだジルコニウム
合金;Ta及び、TaにW、Fe、Ni、Co、Cr、
Nb、Zr等を含んだタンタル合金;
【0072】Nb及び、NbにTa、W、Cr、Ni、
Zr、Al、Ti、Mo、V、Hf、C、Y、Co等を
含んだニオブ合金;W及び、WにTi、Co、Cr、
V、C、Cu、Ni等を含んだタングステン合金;Cr
及び、CrにFe、Al、Mo、Ni、Co、W、Mo
等を含んだクロム合金;Mo及び、MoにTi、Co、
Cr、V、C、Cu、Ni、Nb、Ta、等を含んだモ
リブデン合金;Co及び、CoにCr、Ni、Mo、F
e、Si、W、N、Nb、C等を含んだコバルト合金;
【0073】V及び、VにFe、Ni、Mn、Mo、C
r等を含んだヴァナジウム合金;Ag及び、AgにC
u、Zn、Al、Sb、Mg、Mn、Hg、Pd、P
t、Tl、Sn、Si、Li、Se、Te、Ni、C
r、Fe、Mo、Ta、W、V、Co、Ir、Rh等を
含んだAg合金;Au及び、AuにAg、Cu、Pt、
Pd、Ni、Zn、Al等を含んだAu合金;Pt及
び、PtにRh、Ir、Ru、Ni、W、Pd等を含ん
だPt合金;Pd及び、PdにAg、Cu、Ru、Rh
等を含んだPd合金;Rh及び、RhにNi等を含んだ
Rh合金;Ir及び、IrにPt等を含んだIr合金;
Os及び、OsにPt等を含んだOs合金;
【0074】Ru及び、RuにPt、Pd等を含んだR
u合金;Cr3P、CrP、Au2P、MnP2、Mo
3P、MoP3、Ni3P、Ni2P、Rh2P、SiP、
TaP、TiP、WP、Zn32、ZrP2等のリンの
金属化合物;Ga;Ge及び、GeにAu等を含んだG
e合金;As及び、AsにPb、Cu、Ga、In等を
含んだAs合金;Se;Te;Li及び、LiにMg、
Al、Zn、Pb、Fe、Hg、Tl、Sn等を含んだ
Li合金;
【0075】Be及び、BeにCu、Co、Ni、A
l、Fe等を含んだBe合金;Mn及び、MnにCu、
Ni、Al、Fe等を含んだMn合金;In;Ce及
び、CeにLa、Nb、Fe、Mg、Al、Zn等を含
んだCe合金;或いはBeO、MgO、CaO、Ba
O、B23、Al23、MgAl24、BeAl24
Ga 23、In23、GeO2、SnO2、PbO、Pb
34、PbO2、Sb23、Bi23、SeO2、TeO
2、TiO2、Al2TiO5、ZrO2、Cr23、Cr
2、MnO2、α−Fe23、β−Fe23、Fe
34、CuO、ZnO、V 25、SiO2、Zn2SiO
4、ZrSiO4等の酸化物;
【0076】BN、AlN、Si34、TiN、Zr
N、TaN、NbN等の窒化物;SiC、ZrC、W
C、TiC、MoC、B4C、ダイヤモンド等の炭化
物;TiB2、AlB12、ZrB2、HfB2、VB2、N
bB2、TaB2、CrB2、Mo25、W25、Fe
2B、FeB、CoB、NiB、LaB6、EuB6、U
4、UB 12、CaB6、SiB6、B4C、β−B、BN
等のホウ化物;
【0077】TiSi2、ZrSi2、VSi2、NbS
2、TaSi2、CrSi2、MoSi2、WSi2等の
ケイ化物;例えば、Al23・2SiO2・2H2O、A
23・4SiO2・H2O、Al23・2SiO2、A
23・SiO2、3Al23・2SiO2、といったケ
イ酸アルミナ、例えばK2O・Al23・6SiO2、N
2O・Al23・6SiO2、K2O・3Al23・6
SiO2・3H2O、Na2O・2MgO・5Al23
24SiO2・(6+n)H2O、K2O・Al23・4
SiO2、といったアルカリケイ酸アルミナ、例えば2
MgO・SiO2・2Al23、3MgO・4SiO2
3MgO・4SiO2・H2O、3MgO・2SiO2
2H2O、2MgO・SiO2、といったケイ酸マグネシ
ウム等のケイ酸塩;硫化リン、ZnS等の硫化物等が挙
げられる。
【0078】これらは、単独でも、或いはこれらを主要
成分とした混晶物、複合物、又は混合物でもよい。ま
た、これら化合物の一部の原子を他の原子に置き換えた
化合物でもよい。無機粉体を複数種類含有する無機粉体
でもよい。更にはこれら無機粉体の表面に無機超微粒子
等をドーピングやプラズマ処理等をしたもの(例えばA
23粉体上にプラズマ化したNi超微粒子で被覆した
複合粉や、TiOにSnO2系を処理したものや、Sb
ドープをした粉体)を用いることができる。これらの粉
体の形状としては特に制限はなく一般に知られている球
状、角状、板状、針状、ウイスカー状、及び不定形状等
が使用される。また、これら補強用充填材を1種類だけ
でなく、数種類を添加してもよい。
【0079】これらの硬度としては、モース硬度3以
上、より好ましくは5以上が良い。モース硬度3未満で
は耐久で磁性粒子により被覆層の摩耗が促進され、磁性
粒子のコート量低下や磁性粒子による汚染及びトナー融
着を発生し、それに伴う感光体表面への電荷注入不良を
引き起こしてしまう。
【0080】これら固体微粒子の体積平均粒径は0.1
〜30μm、好ましくは0.2〜20μmを有するもの
がよい。固体微粒子の体積平均粒径が0.1μm未満で
は磁性粒子搬送部材表面に均一な粗さを付与する効果が
なく、被覆層の磨耗による磁性粒子のコート量低下や磁
性粒子による汚染及び融着を発生し、それに伴う感光体
表面への電荷注入不良を引き起こすため、好ましくな
い。一方、体積平均粒径が30μmを超えると被覆層表
面の粗さが大きくなり過ぎ、磁性粒子のコート量が増大
し過ぎ、同様に感光体表面への電荷注入不良を引き起こ
してしまうと共に、被覆層の機械的強度が低下してしま
うため、好ましくない。
【0081】被覆層の結着樹脂材料としては、現像剤担
持体で示したものと同様の公知の樹脂を用いることがで
きるが、特に機械的強度に優れているものが好ましい。
また、この被膜層の抵抗値を調整するためには、先に説
明した導電性粒子を用いることができる。これら導電性
粒子を塗料中に分散含有させて抵抗を調整することが好
ましい。
【0082】尚、本発明に使用する導電性のアモルファ
スカーボンの粒径は10〜80mμmのものが好まし
い。これらの分散には先に示した一般的に公知の分散装
置、例えば、ペイントシェーカー、サンドミル、アトラ
イター、ダイノミル、パールミル等のビーズを用いた分
散機が好ましく用いられる。
【0083】上記塗料を用いた場合、例えば、図3のス
プレーガンを用いた場合には塗料を十分に微粒子化及び
霧化できないために、微粒子の再凝集や分離により被覆
層の体積抵抗が不均一になることがあり、帯電体への帯
電ムラのような欠点が発生したが、本発明の方法を用い
ることで塗料を安定して微粒子化することができ、均一
な体積抵抗を有する被覆層を得ることができる。
【0084】次に磁性粒子搬送部材の説明を行う。磁性
粒子搬送部材は、担持体に磁性粒子を磁気力で拘束して
磁気ブラシとして付着保持させたもので、磁気ブラシを
被帯電体に接触させ、電圧を印加して被帯電体の帯電を
行うものである。より具体的には、 1)磁性粒子搬送部材が回転可能なスリーブであり、該
スリーブ内に配設した固定のマグネットロール(磁石)
の磁気力で磁性粒子がスリーブ外面に拘束されて磁気ブ
ラシとして付着保持されている形態のもの(スリーブ
型)、 2)磁性粒子搬送部材が回転可能なマグネットロールで
あり、該ロールの外面に直接に磁性粒子が磁気力で拘束
されて磁気ブラシとして付着保持されている形態のもの
(磁性ローラ型)等である。
【0085】図9は、上記1)のスリーブ型の磁性粒子
搬送部材2ないしは帯電装置の構成模型図である。21
は磁性粒子搬送部材としての、アルミニウム等の非磁性
の導電性スリーブ(電極スリーブ、導電スリーブ、帯電
スリーブ等と称される)である。22はスリーブ21内
に挿入配設した磁界発生手段としてのマグネットロール
である。N・Sは該ロールの着磁部である。このマグネ
ットロール22は非回転の固定部材であり、該マグネッ
トロール22の外周りをスリーブ21が同心に矢示の時
計方向bに不図示の駆動機構で所定の周速度にて回転駆
動される。
【0086】23は導電性の磁性粒子(以下、キャリア
と記す)であり、スリーブ21の外周面にスリーブ内部
のマグネットロール22の磁気力で拘束されて磁気ブラ
シ(導電磁気ブラシ)Bとして付着保持されている。キ
ャリア23は、マグネットロール22の磁気拘束力によ
りスリーブ21の外面上で磁気的な穂立ちを形成し、こ
れが集まってブラシ形状となっている。S1はスリーブ
21に対する帯電バイアス印加電源である。
【0087】1は被帯電体であり、例えば、矢示の時計
方向aに所定のプロセススピードをもって回転駆動され
るドラム型電子写真感光体である。磁性粒子搬送部材2
は、磁気ブラシBを被帯電体1の面に接触させて帯電ニ
ップ部(接触ニップ部)Dを形成させた状態にして配置
される。磁気ブラシBは、スリーブ21の回転に伴って
同じ方向に回転搬送され、帯電ニップ部Dにおいて回転
感光体1面を摺擦し、電源S1からスリーブ21を介し
て磁気ブラシBに印加された帯電バイアスにより、被帯
電体としての回転感光体1面が接触方式で帯電処理され
る。帯電ニップ部Dにおいて、スリーブ21の回転方
向、それに伴う磁気ブラシBの回転搬送方向は被帯電体
としての回転感光体1の回転方向に対してカウンター方
向としてある。
【0088】スリーブ21は、磁気ブラシBの担持機
能、搬送機能、帯電バイアス印加電極機能を担ってい
る。図10は、前記2)の磁性ローラ型の磁性粒子搬送
部材2ないしは帯電装置の構成模型図である。マグネッ
トロール22は、駆動及び給電を兼ねた中心芯金24を
中心に矢示の時計方向bに不図示の駆動機構にて所定の
周速度にて回転駆動される。マグネットロール22の外
周面は帯電バイアス印加電極(給電面)としての導電層
25で被覆してある。その導電層25の外周面にキャリ
ア23をマグネットロール22の磁気力で拘束して磁気
ブラシBとして付着保持させたものである。
【0089】磁気ブラシBは、マグネットロール22の
回転に伴って同方向に回転搬送され、帯電ニップ部Dに
おいて回転感光体1面を摺擦し、電源S1からマグネッ
トロール22の中心芯金24に印加された帯電バイアス
により、被帯電体としての回転感光体1面が接触帯電処
理される。マグネットロール22の外周面に設けた導電
層25は磁気ブラシBに帯電バイアスを安定して均一に
給電する役目をする。また、帯電ローラーや現像ローラ
ーとして用いられるゴムローラーにも同様の方法で表面
層を形成することが可能である。図11はその1例であ
る。
【0090】図12は、本発明の電子写真用部材を用い
た画像形成装置例の概略図である。本例の画像形成装置
は、プロセスカートリッジ着脱方式及び転写式電子写真
プロセス利用のレーザービームプリンタ(LBP)であ
る。また、像担持体として表面に電荷注入機能を有する
OPC感光体を用い、接触帯電部材として磁性粒子搬送
部材を用いて像担持体を注入帯電方式で一次帯電処理す
る構成のものである。
【0091】図12において、1は像担持体としての回
転ドラム型の電子写真感光体であり、本例では直径30
mmの、表面に電荷注入機能を有するOPC感光体であ
り、矢示の時計方向aに100mm/secのプロセス
スピード(周速度)をもって回転駆動される。2は感光
体1の周面を所定の極性及び電位に一様に帯電処理する
ための接触帯電部材であり、本例では、図9のスリーブ
タイプの磁性粒子搬送部材である。
【0092】この磁性粒子搬送部材2の導電性スリーブ
21は、少なくとも表面被覆層を有する円筒状若しくは
円柱状部材からなる。この磁性粒子搬送部材2のスリー
ブ21には帯電バイアス印加電源S1から−700Vの
DC帯電バイアスが印加されていて、電荷注入帯電によ
って回転感光体1の外周面がほぼ−700Vに一様に帯
電される。
【0093】この回転感光体1の帯電面に対してレーザ
ーダイオード・ポリゴンミラー等を含むレーザービーム
スキャナ7から出力される目的の画像情報の時系列電気
デジタル画素信号に対応して強度変調されたレーザービ
ームによる走査露光Lがなされ、回転感光体1の周面に
対して目的の画像情報に対応した静電潜像が形成され
る。
【0094】その静電潜像は磁性一成分絶縁トナー(ネ
ガトナー)を用いた反転現像装置3によりトナー像とし
て現像される場合について説明するが、非磁性二成分ト
ナー(ネガトナー)についても同様に用いることができ
る。3aはマグネット3bを内包する直径16mmの非
磁性現像スリーブであり、この現像スリーブ3aに上記
のネガトナーをコートし、感光体1表面とのギャップ
(離間距離)を300μmに固定した状態で、感光体1
と等速で回転させ、現像スリーブ3aに現像バイアス電
源S2より現像バイアス電圧を印加する。電圧は、−5
00VのDC電圧と、周波数1800Hz、ピーク間電
圧1600Vの矩形のAC電圧を重畳したものを用い、
現像スリーブ3aと感光体1の間でジャンピング現像を
行わせる。即ち、現像スリーブ3aで運ばれてくる負に
帯電されたトナーを潜像の画像部に電界により付着させ
て現像する。
【0095】一方、不図示の給紙部から記録材としての
転写材Pが供給されて、回転感光体1と、これに所定の
押圧力で当接させた接触転写手段としての、中抵抗の転
写ローラ4との圧接ニップ部(転写部)Tに所定のタイ
ミングにて導入される。転写ローラ4には転写バイアス
印加電源S3から所定の転写バイアス電圧が印加され
る。本例では転写ローラ4として、芯金に中抵抗発泡層
を形成した、抵抗値5×108Ωのものを用い、芯金に
+2000VのDC電圧を印加して転写材裏面を帯電し
て転写を行った。
【0096】転写部Tに導入された転写材Pはこの転写
部Tを挟持搬送されて、その表面側に回転感光体1の表
面に形成担持されているトナー画像が順次に静電気力と
押し圧力にて転写されていく。トナー画像の転写を受け
た転写材Pは、感光体1の面から分離されて熱定着方式
等の定着装置5へ導入されてトナー画像の定着を受け、
画像形成物(プリント、コピー)として装置外へ排出さ
れる。また、転写材Pに対するトナー画像転写後の感光
体面は、クリーニング装置6により残留トナー等の付着
汚染物の除去を受けて清掃され繰り返して作像に供され
る。
【0097】本例の画像形成装置においては、感光体
1、磁性粒子搬送部材2、現像装置3、クリーニング装
置6の4つのプロセス機器を一括して画像形成装置本体
に対して着脱交換自在のプロセスカートリッジ10とし
てある。9は上記4つのプロセス機器1、2、3及び6
を所定の配置で組み込んだカートリッジハウジングであ
る。8,8は画像形成装置本体側のプロセスカートリッ
ジ挿脱案内兼保持部である。
【0098】画像形成装置本体に対して該プロセスカー
トリッジ10を所定に装着した状態において、プロセス
カートリッジ10側と画像形成装置本体側とが機械的及
び電気的に相互カップリング状態となり、また、プロセ
スカートリッジ10側の感光体1の下面が画像形成装置
本体側の転写ローラ4に所定に当接した状態となり、画
像形成実行可能状態となる。
【0099】尚、プロセスカートリッジとは、帯電手
段、現像手段又はクリーニング手段と、電子写真感光体
とを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを画
像形成装置本体に対して着脱可能とするものであり、ま
たは帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくと
も一つと電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化し
て画像形成装置本体に着脱可能とするものである。更
に、少なくとも現像手段と電子写真感光体とを一体的に
カートリッジ化して装置本体に着脱可能とするものをい
う。
【0100】図13は、被帯電体としての感光体1の層
構成模型図である。感光体1は表面に電荷注入機能を有
する負帯電のOPC感光体であり、φ30mmのアルミ
ニウム製のドラム基体11上に下記の第1〜第5の5層
の機能層12〜16を下から順に設けたものである。
【0101】第1層は下引き層12であり、アルミニウ
ムドラム基体11の外周面の欠陥等をならすため、ま
た、レーザ露光の反射によるモアレの発生を防止するた
めに設けられている厚さ約20μmの導電層である。第
2層は正電荷注入防止層13であり、アルミニウム基体
11から注入された正電荷が感光体表面に帯電された負
電荷を打ち消すのを防止する役割を果たし、アミラン樹
脂とメトキシメチル化ナイロンによって106Ω・cm
程度に抵抗調整された厚さ約1μmの中抵抗層である。
【0102】第3層は電荷発生層14であり、ジスアゾ
系の顔料を樹脂に分散した厚さ約0.3μmの層であ
り、レーザ露光を受けることによって正負の電荷対を発
生する。第4層は電荷輸送層15であり、ポリカーボネ
ート樹脂にヒドラゾンを分散したものであり、P型半導
体である。従って、感光体表面に帯電された負電荷はこ
の層を移動することはできず、電荷発生層14で発生し
た正電荷のみを感光体表面に輸送することができる。
【0103】第5層は電荷注入層16であり、光硬化性
のアクリル樹脂に超微粒子の導電粒子(導電フィラー)
16aとしてSnO2を分散した材料の塗工層である。
具体的には、アンチモンをドーピングし、低抵抗化した
粒径約0.03μmのSnO 2粒子を樹脂に対して70
質量%分散した材料の塗工層である。このようにして調
合した塗工液をディッピング塗工法にて、厚さ約2μm
に塗工して電荷注入層とした。
【0104】これによって感光体1表面の抵抗は、電荷
輸送層単体の場合1×1015Ω・cmだったのに比べ、
1×1013Ω・cmにまで低下した。電荷注入層16
は、磁性粒子搬送部材2から電荷を直接注入することで
表面を均一に帯電するための注入サイトを意図的に作製
したものであるが、潜像の電荷が表面を流れないよう電
荷注入層16の抵抗は1×108Ω・cm以上である必
要がある。電荷注入層16の抵抗値は絶縁性シート上に
電荷注入層を塗布し、これをHP社製の高抵抗計432
9Aで印加電圧100Vにて表面抵抗を測定したもので
ある。
【0105】本例では電荷注入層16を独立した層とし
て形成したが、感光体表層が電子の授与可能な電子準位
をもつことが重要であり、独立して電荷注入層を有する
構成に限定するものではない。感光体表面に対する磁性
粒子搬送部材側のキャリア(磁性粒子)の付着を低減す
るために、感光体1は低表面エネルギーの特性を有する
ことが好ましく、感光体最表面は所望の滑剤を添加し一
定の滑性を得ている。
【0106】感光体の電荷注入帯電は、中抵抗の接触帯
電部材で、中抵抗の表面抵抗を持つ感光体表面に電荷注
入を行うものであり、感光体表面材質の持つトラップ電
位に電荷を注入するものではなく、電荷注入層16の導
電粒子16aに電荷を充電して帯電を行う方式である。
帯電時に磁性粒子搬送部材2に所望の電圧を印加するこ
とで電荷注入層16に電荷が注入されて被帯電体として
の感光体1表面は最終的に磁気ブラシBと同電位に帯電
(充電)される。
【0107】具体的には図14の(a)及び(b)の模
型図及び等価回路図に示すように、感光体1は、電荷輸
送層15を誘電体とし、アルミニウムドラム基体11と
電荷注入層16内の導電粒子16a(SnO2)を両電
極板とする微小なコンデンサーの並列集合体とみること
ができ、注入帯電は、その個々の微小なコンデンサーに
接触帯電部材2で電荷を充電する理論に基づくものであ
る。
【0108】導電粒子16aは互いに電気的には独立で
あり一種の微小なフロート電極を形成している。このた
め、マクロ的には感光体1表面は均一電位に充電又は帯
電されているように見えるが、実際には微小な無数の充
電された導電粒子16aが感光体表面を覆っているよう
な状況となっている。このため、レーザによって画像露
光Lを行ってもそれぞれの導電粒子16aは電気的に独
立なため、静電潜像を保持することが可能になる。
【0109】接触帯電部材として磁性粒子搬送部材2
は、前述のものと同様にスリーブ型のものである。即
ち、磁気ブラシBを構成するキャリア23を保持する担
持体を回転可能な非磁性の導電性スリーブ21(以下、
スリーブ又は電極スリーブと記す)とし、該スリーブ2
1内に配設した固定マグネットロール22の磁気力でキ
ャリア23をスリーブ21外面に拘束させて磁気ブラシ
Bとして付着保持させたものである。スリーブ21の材
質としては、アルミニウム、ステンレス、真鍮等の金
属、アルミニウム合金や酸化インジウム−酸化錫合金
等、これら金属や合金の被膜層を有するプラスチック、
導電性粒子を含侵させた紙やプラスチック、導電性ポリ
マーを有するプラスチック等の円筒状シリンダー及びフ
ィルム等、非磁性の材質であれば何れも使用可能であ
る。とりわけコスト及び加工性の観点から、アルミニウ
ムが最も好ましい。
【0110】このスリーブ21表面に、塗料を塗布及び
乾燥して被覆層を具備させる。スリーブ21上でのマグ
ネットロール22による磁束密度は8×10-2T(テス
ラ)であった。スリーブ21上のキャリア23は厚さ1
mmでコートして磁気ブラシBを形成保持させ、該磁気
ブラシBを感光体1との間に幅約5mmの帯電ニップ部
Dを形成させて接触させ、スリーブ21を回転感光体1
表面に対してカウンター方向に回転させる。また、磁気
ブラシBと感光体1との長手方向の接触幅は200mm
である。磁気ブラシBはスリーブ21が回転することに
より同方向に回転して磁気ブラシを構成するキャリア2
3が搬送され、キャリアが次々に感光体1表面に接触す
る。本例で磁気ブラシBのキャリア量は約10gで、帯
電ニップ部Dでの電極スリーブ21と感光体1とのギャ
ップは500μmである。
【0111】磁気ブラシBと感光体1との周速比は、以
下の式で定義する。 周速比%=(磁気ブラシ周速−感光体周速)/感光体周
速×100 *磁気ブラシの周速はカウンター回転の場合は負の値 周速比−100%は、磁気ブラシBが停止している状態
なので、磁気ブラシBの感光体表面に停止した形状がそ
のまま帯電不良となって画像に出てしまう。また、順方
向の回転は、磁気ブラシBが遅い速度で感光体1と接触
すると、磁気ブラシBのキャリア23が感光体1に付着
しやすくなり、カウンター方向と同じ周速比を得ようと
すると、磁気ブラシBの回転数が高くなってしまう。よ
って、周速比は−100%以下が好ましく、本実施例で
は−150%とした。
【0112】磁気ブラシBを構成させるキャリア23と
しては、 ・樹脂とマグネタイト等の磁性粉体を混練して粒子に成
型したもの、若しくはこれに抵抗値調節のために導電カ
ーボン等を混ぜたもの、 ・焼結したマグネタイト、フェライト、若しくはこれら
を還元又は酸化処理して抵抗値を調整したもの、 ・上記のキャリアを抵抗調整したコート材(フェノール
樹脂にカーボンを分散したもの等)でコート又はNi等
の金属でメッキ処理して抵抗値を適当な値にしたもの等
が考えられる。
【0113】これらキャリア23の体積抵抗値として
は、1×104〜1×1011Ω・cmであることが好ま
しい。1×104Ω・cm未満では感光体表面にピンホ
ールがあったとき、ピンホールに電流が集中して帯電電
圧が降下し感光体表面を帯電することができず、帯電ニ
ップ状の帯電不良となる。1×1011Ω・cmを超える
と感光体1に電荷が均一に注入できず、微小な帯電不良
によるカブリ画像となってしまう。
【0114】よってキャリア23の抵抗値としては、1
×104〜1×1011Ω・cmであることが好ましく、
特には1×104〜1×107Ω・cmであることが好ま
しい。キャリア23の抵抗値は、電圧が印加できる金属
セル(底面積228mm2)にキャリアを2g入れた後
加重し、上下から電圧を1〜1000V、例えば、10
0V印加して、この系に流れる測定電流から算出し正規
化したもので定義した。
【0115】また、複数種のキャリアを混合して用いる
ことで帯電性の向上を図ることも可能である。キャリア
23の粒径としては、あまり細かすぎると、磁気拘束力
が小さくなり、感光体1面へのキャリア付着を起こす。
また、大きすぎると、感光体1への接触面積が減り、帯
電不良が増える。よって、キャリアの平均粒径としては
5〜50μm程度が帯電性と磁気保持の点で望ましい。
【0116】キャリアの磁気特性としては、感光体への
キャリア付着を防止するために磁気拘束力を高くする方
がよく、飽和磁化が30A・m2/kg以上が望まし
い。実際に本実施例で用いたキャリア23は、平均粒径
が30μmで形状は不定形粒子、抵抗値が1×106Ω
・cm、飽和磁化が58A・m2/kgであった。
【0117】被覆層は電極層として兼用させるために、
樹脂分として導電性の良い材料或いは絶縁性の樹脂中に
導電剤を混合して導電性を持たせたものを使用する必要
がある。また、被覆層の抵抗値は電極としてキャリア2
3に十分な電流を供給できるように、キャリア23の抵
抗値より1桁以上低い抵抗値にすることが望ましい。
【0118】電極スリーブ21の表面に凹凸を形成する
ことにより、電極スリーブ21とキャリア23との接触
面積が広がり両者間の接触抵抗が低くなるため、良好な
帯電性を得ることが可能となる。また、スリーブ21と
キャリア23との間の摩擦力も上がるため、帯電ニップ
部Dにおける、磁気ブラシBを構成するキャリア23の
担持体としてのスリーブ21と、被帯電体としての感光
体1との対向ギャップ部での磁気ブラシBのキャリア2
3の搬送をスムーズに行わせることができ、帯電ニップ
部Dにおけるキャリア23の滞留による帯電性の低下も
防止することができる。
【0119】そのため、電極スリーブ21の最適な平均
表面粗さとしては、十点平均粗さRz1.0〜30.0
μmの範囲が望ましい。電極スリーブ21のRzが1.
0μmより小さいと、電極スリーブ21とキャリア23
との接点が少なくなり、接触抵抗が高くなってしまう。
逆に、電極スリーブ21のRzが30.0μmより大き
くなると、電極スリーブ21の表面にキャリア23が埋
め込まれて接触抵抗としてはこれ以上の変化がなくな
る。更にまた、被覆層の十点平均粗さRzは添加した固
体微粒子の体積平均粒径の1.5倍を超えると突出部に
電流が集中して突発的なリークが発生し帯電ムラとなり
やすい。また、被覆層の粗さが初期に急激に低下し、こ
れにより磁性粒子の搬送ムラや帯電ムラが起こりやす
い。
【0120】従って、電極スリーブ21の最適な平均表
面粗さとしては、十点平均粗さRzは補強用充填粒子の
体積平均粒径の1.5倍以下、且つ1.0〜30.0μ
mの範囲が良く、より好ましくは3.0〜15.0μm
の範囲がよい。尚、本実施例では、OPC感光体を用い
たLBPを用いて説明してきたが、OPC感光体或いは
アモルファスSi感光体を用いた複写機でも同様に用い
ることができる。
【0121】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明するが、これらは本発明を何ら限定するも
のではない。尚、以下の配合における部数は全て質量部
である。
【0122】荷電制御性粒子としては、下記式B−1で
示される個数平均粒径3μmのイミダゾール化合物粒子
を用いた。
【0123】黒鉛化粒子D−1として、コールタールピ
ッチから溶剤分別によりβ−レジンを抽出し、これを水
素添加及び重質化処理を行った後、次いでトルエンによ
り溶剤可溶分を除去することでメソフェーズピッチを得
た。そのバルクメソフェーズピッチ粉末を微粉砕し、そ
れを空気中において約300℃で酸化処理した後、窒素
雰囲気下にて3000℃で熱処理し、更に分級して得ら
れた体積平均粒径11.67μmの黒鉛化粒子を使用し
た。この黒鉛化粒子D−1の黒鉛化度P(002)は
0.43であった。
【0124】メディアにガラスビーズを用い上記材料を
サンドミルで分散した。分散終了後、ガラスビーズを分
離して、更にイソプロパノールを添加して固形分濃度を
約30%とした。室温にてこの塗料の粘度を測定したと
ころ90mPa・sであった。塗料粘度の測定方法とし
てはB型粘度計を使用し2号ロータ、回転数60rpm
とし測定時間30秒にて測定した。
【0125】この塗料(1−1)を図3に示した循環塗
工システム(装置Fとする)を用いて、外径20mmφ
のアルミニウム製の円筒管を回転台に立てて回転させ、
両端部をマスキングしながら、エアスプレーガンを一定
速度で上昇させ、円筒管表面に連続塗工を行った。エア
スプレーの霧化圧は、10000kg/m3、円筒管の
塗布表面とガンノズル先端との距離は30mmの条件で
行った。また、塗料の総量を5000ml、循環量は毎
分15mlで行った。
【0126】また、図2に示した循環塗工システム(装
置Gとする)を用いても同様に連続塗工を行った。この
際のエアスプレーの霧化圧は40000kg/m3、円
筒管の塗布表面とガンノズル先端との距離は、50mm
の条件で行った。両者とも連続塗工は300本行い1本
目、300本目の2サンプルを評価の対象とした。
【0127】塗工した円筒管は乾燥炉にて160℃で3
0分加熱乾燥させ現像剤担持体のサンプルとした。尚、
エアスプレーガンの上昇速度は、現像剤担持体上の乾燥
後の被覆層の付着質量が1.8×10-4〜2.0×10
-4kgになるように適宜調整した。
【0128】評価は次のように行った。 (1)塗布ムラの有無 (2)素地見えの有無 (3)表面粗さ(算術平均粗さRa) 算術平均粗さRaの測定は小坂研究所製SE−3400
を用い、測定条件としては、カットオフ0.8mm、規
定距離8.0mm、送り速度0.5mm/secにて1
2箇所の測定値の平均をとった。
【0129】(4)ブツ状欠陥の有無連続塗工のサンプ
ルに関して目視チェックを行い、ブツ状欠陥が見られる
サン プルを抽出し、顕微鏡でそのブツの大きさのチェックを
行った。 A:ブツ状欠陥の発生率が1%以下で、その大きさが5
0μm未満。 B:ブツ状欠陥の発生率が2〜9%。若しくは50μm
以上のブツ状欠陥の発生が見られたもの。 C:ブツ状欠陥の発生率が10〜19%。若しくは50
μm以上のブツ状欠陥の発生率が2〜9%。若しくは1
00μm以上のブツ状欠陥の発生が見られたもの。 D:ブツ状欠陥の発生率が20%以上、若しくは50μ
m以上のブツ状欠陥の発生率が10%以上、若しくは1
00μm以上のブツ状欠陥が2%以上みられたもの。
【0130】300本目のサンプルに関しては、画出し
を行い以下の評価を行った。 (5)耐久後の表面粗さ(算術平均粗さRa) (6)濃度一様性 濃度差0〜0.02:殆ど目立たず、問題ないレベル。 濃度差0.03〜0.04:やや目立つが、実用レベ
ル。 濃度差0.05〜:非常に目立ち、実用不可レベル。
【0131】(7)ブレード傷 ブレード傷A:軽微で画像には影響無し。 ブレード傷B:やや目立つが、画像には影響無し。 ブレード傷C:目立つ傷が数箇所に発生し、画像上軽微
な黒スジとして現れる。 ブレード傷D:非常に目立つ傷が多数発生し、画像上に
顕著な黒スジとして現れる。
【0132】(8)導電性被覆層の削れ量(膜削れ) 導電性被覆層の削れ量(膜削れ)の測定としては、KEYE
NCE社製レーザー寸法測定器を用いた。コントローラL
S−5500及びセンサーヘッドLS−5040Tを用
い、スリーブ固定治具及びスリーブ送り機構を取り付け
た装置にセンサー部を別途固定し、スリーブの外径寸法
の平均値から測定を行った。測定はスリーブ長手方向に
対し30分割して30箇所測定し、更にスリーブを周方
向に90°回転させた後更に30箇所、計60箇所の測
定を行い、その平均値をとった。表面被覆層塗布前のス
リーブの外径を予め測定しておき、表面被覆層形成後の
外径、更に耐久使用後の外径を測定し、その差分をコー
ト膜厚及び削れ量とした。
【0133】画像評価に用いたトナーとしては次のもの
を用いた。四つ口フラスコ内にキシレン300部を投入
し、攪拌しながら容器内を十分に窒素で置換した後、昇
温して還流させ、この還流下でスチレン68.8部、ア
クリル酸n−ブチル22部、マレイン酸モノブチル9.
2部、及びジ−tert−ブチルパーオキサイド1.8
部の混合液を4時間かけて滴下した後、2時間保持して
重合を完了し、脱溶剤して重合体L1を得た。この重合
体L1のGPC測定を行ったところ、ピーク分子量15
000であった。
【0134】次に、四つ口フラスコ内に脱気水180部
とポリビニルアルコールの2質量%水溶液20部を投入
した後、スチレン74.9部、アクリル酸n−ブチル2
0部、マレイン酸モノブチル5.0部、及び2,2−ビ
ス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘ
キシル)プロパン0.2部の混合液を加え、攪拌し懸濁
液とした。フラスコ内を十分に窒素で置換した後、90
℃まで昇温して重合を開始した。24時間同温度に保持
して重合を完了し、重合体H1を得た。その後重合体H
1を濾別し、乾燥した後、GPC測定を行ったところ、
ピーク分子量800000であった。重合体L1と重合
体H1を70:30の質量比にてキシレン溶液中で混合
して、結着樹脂1を得た。
【0135】上記結着樹脂1を100部、磁性酸化鉄を
90部、モノアゾ金属錯体(負荷電制御剤)を3部、パ
ラフィンワックスを3部と、ポリプロピレンワックスを
3部、予め均一に混合し、これを130℃に加熱された
二軸エクストルーダーで溶融混練した。得られた混練物
を冷却し、ハンマーミルにて粗粉砕して、トナー製造用
粉体原料である粉体原料A(粗粉砕物)を得た。粉体原
料Aを機械式粉砕機及び気流式分級機で粉砕・分級を行
い得られた分級品(中粉体)100部に対して、疎水性
シリカ微粉体(BET 120m2/g)1.0部をヘ
ンシェルミキサーにて外添添加して評価用トナーとし
た。
【0136】このトナーと前記サンプルを用い、市販の
レーザービームプリンターLaser Jet HP9000(ヒューレ
ットパッカード社製)で画出し評価を行った。HP90
00用カートリッジに前記スリーブを装着可能に加工し
取り付け、更に前記トナーを充填し、弾性規制ブレード
としては、シリコンゴム中にコロイダルシリカを分散し
たシリコンゴムをブレード用にカットし座金に貼り付け
て用いた。このカートリッジを用いて、N/N環境(2
3℃/60RH)で約30000枚の耐久画出しを行っ
た。
【0137】塗料(1−1)の組成及び物性を後記表1
−1〜表1−3に示す。また、装置Fを用いた実施例1
及び装置Gを用いた比較例1の結果を後記表2−1〜表
2−4に示す。実施例1は、塗布ムラ及び素地見えが無
く、連続塗工でのRaも安定しておりブツ発生率も1%
以下であった。また、耐久評価の結果も良好であった。
これに対して比較例1では、連続塗工でRaが上昇し3
00本目では塗布ムラが見られた。また、ブツの発生率
もやや多く耐久で軽微なブレード傷が見られた。
【0138】
【0139】黒鉛化粒子D−2として、コールタールピ
ッチから溶剤分別によりβ−レジンを抽出し、これを水
素添加及び重質化処理を行った後、次いでトルエンによ
り溶剤可溶分を除去することでメソフェーズピッチを得
た。そのバルクメソフェーズピッチ粉末を微粉砕し、そ
れを空気中において約300℃で酸化処理した後、窒素
雰囲気下にて3000℃で熱処理し、更に分級して得ら
れた体積平均粒径6.7μmの黒鉛化粒子を使用した。
この黒鉛化粒子D−2の黒鉛化度P(002)は0.4
3であった。
【0140】球状炭素粒子E−1として、体積平均粒径
11.5μmの球状フェノール樹脂粒子100部にライ
カイ機(自動乳鉢、石川工場製)を用いて個数平均粒径
2μm以下の石炭系バルクメソフェーズピッチ粉末14
部を均一に被覆し、空気中下280℃で熱安定化処理し
た後に窒素雰囲気下2000℃で焼成することにより黒
鉛化し、更に分級して得られた体積平均粒径10.7μ
mの球状導電性炭素粒子を用いた。
【0141】上記材料を用いて実施例1で用いた塗料
(1−1)と同様の分散により塗料(1−2)を作製
し、同様の方法にて塗工を行った。また、イソプロパノ
ールの添加量を増やして固形分濃度を下げた塗料(1−
3)も同様に作製し塗工を行った。後記表1−1〜表1
−3に塗料の組成及び物性を示す。そして、実施例1と
同様の評価を塗料(1−2)及び(1−3)について行
った。結果を後記表2−1〜表2−4に示す。
【0142】実施例2及び3では連続塗工評価、ブツの
発生率及び耐久評価のどれも良好であった。比較例2で
は、連続塗工初期から塗布ムラ及び素地見えが見られ、
塗工が進むに連れRaの上昇が顕著に見られた。これは
吐出の悪化によってスプレー時の霧化が不十分となった
ためで、ゆえにブツ状欠陥も大量に発生した。また、耐
久によるブレード傷も多く発生し、画像上に黒筋が顕著
に見られた。更に膜削れも悪かった。比較例3では、粘
度を下降させるため塗料の固形分を下げているためウエ
ットな塗工面となり、連続塗工の初期からシワ状の塗布
ムラが現われた。ブツ発生率及び耐久評価の結果もやや
悪かった。
【0143】<実施例4、比較例4>塗料(1−1)の
レゾール型フェノール樹脂A−1を、レゾール型フェノ
ール樹脂A−2(Mw=12000、Mn=2800)
に変えたこと以外は塗料(1−1)と同様の分散により
塗料(1−4)を作製した。実施例1と同様の評価を行
った。結果を後記表2−1〜表2−4に示す。実施例4
の評価は良好であったが、比較例4では高分子量で粘度
が高い故に、連続塗工によるRaの上昇及び塗布ムラの
発生が見られた。特にブツ発生率が悪く、100μm以
上の樹脂塊状欠陥が多く発生していた。
【0144】 <実施例5〜6、比較例5〜6> ・レゾール型フェノール樹脂A−1 200部 ・メチルメタクリレート−ジメチルアミノエチル メタクリレート共重合体(固形分50%) (モル比90:10、Mw=10200、 Mn=4500、Mw/Mn=2.3) 60部 ・カーボンブラック 40部 ・グラファイトC−1 60部 ・炭化ホウ素(体積平均粒径9.3μm、 真密度2.5) 30部 ・荷電制御性粒子B−1 30部 ・イソプロパノール 300部
【0145】実施例1で用いた塗料(1−1)と同様の
分散により上記材料を分散し塗料(1−5)とした。ま
た、荷電制御性粒子B−1の代わりにメチルメタクリレ
ート−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体
(MMA−DM)(固形分50%:モル比90:10、
Mw=10200、Mn=4500、Mw/Mn=2.
3)を60部添加して同様に分散し塗料(1−6)とし
た。後記表1−1〜表1−3に塗料の組成及び物性を示
す。実施例1と同様の評価を塗料(1−5)及び(1−
6)について行った。結果を後記表2−1〜表2−4に
示す。実施例5及び6の評価は良好であった。比較例5
及び6では連続塗工によって経路内での炭化ホウ素の沈
澱からRaが低下していき、耐久削れが悪化した。
【0146】 <実施例7〜8、比較例7〜8> ・シリコーン樹脂 300部 ・カーボンブラック 40部 ・荷電制御性粒子B−1 50部 ・黒鉛化粒子D−2 60部 ・球状炭素粒子E−1 25部 ・イソプロパノール 300部
【0147】上記の材料を塗料(1−1)と同様の分散
を行い塗料(1−7)とした。また、塗料(1−7)の
シリコーン樹脂をメチルメタクリレート−ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート共重合体(MMA−DM)(モ
ル比90:10、Mw=10200、Mn=4500、
Mw/Mn=2.3)に、荷電制御粒子B−1を添加し
ないことを以外は同様の分散を行い塗料(1−8)とし
た。後記表1−1〜表1−3に塗料の組成及び物性を示
す。実施例1と同様の評価を塗料(1−7)及び(1−
8)について行った。結果を後記表2−1〜表2−4に
示す。実施例7及び8の評価は良好であった。比較例7
及び8では、塗工初期から塗布ムラ及び素地見えが発生
し、耐久評価も悪かった。また、塗料の微粒子化が十分
に行われておらず、100μm以上の樹脂塊状欠陥が多
く発生していた。
【0148】
【0149】
【0150】
【0151】
【0152】
【0153】
【0154】
【0155】 <実施例9、比較例9> ・レゾール型フェノール樹脂A−1 300部 ・カーボンブラック 20部 ・グラファイトC−1 30部 ・炭化ホウ素(体積平均粒径9.3μm、 真密度2.5) 30部 ・黒鉛化粒子D−2 30部 ・荷電制御性粒子B−2 30部 ・イソプロパノール 300部
【0156】荷電制御性粒子B−2としては下記式の4
級アンモニウム塩を使用した。
【0157】実施例1と同様に塗料(2−1)を作製し
た。塗料(2−1)の組成及び物性を後記表3−1〜表
3−3に示す。基体は、アルミニウム円筒管を研削加工
し、外径32mmφ、表面粗さRa=0.2μm、振れ
5〜10μm程度とし、これに片側に現像スリーブ用フ
ランジを取り付けたものを使用した。そして、実施例1
と同様に各塗工システムを用いて現像剤担持体のサンプ
ルを作製した。両者とも連続塗工は300本行い、1本
目、300本目のサンプルを評価の対象とした。この現
像スリーブにマグネットを装着してステンレス製フラン
ジを嵌合し、キヤノン社製複写機IR6000を60枚
機から70枚機に改造し、その現像装置に装着可能とし
た。
【0158】トナーとしては、下記のものを用いた。 ・スチレン−アクリル系樹脂 100部 ・マグネタイト 90部 ・負帯電制御剤(アゾ系の鉄錯体) 2部 ・炭化水素系ワックス 3部
【0159】上記材料をヘンシェルミキサーにより混合
し、二軸式のエクストルーダーにより溶融混練分散を行
った。混練物を冷却後、ジェット気流を用いた粉砕機に
より微粉砕を行い、更に気流式分級機を用いて分級を行
い、重量平均粒径6.5μm、4μm以下の粒子の個数
割合が15.0%、10.1μm以上の粒子の質量割合
が3.5%の分布を有する分級品を得た。次に疎水性コ
ロイダルシリカを、上記分級品100部に対し、1.0
部ヘンシェルミキサーを用いて外添混合し、本実施例で
用いるトナーとした。上記磁性トナーを補給しながら、
24℃/55%の常温常湿(N/N)環境下にて50万
枚までの連続耐久を行った。評価項目は実施例1と同
様、(1)塗布ムラの有無、(2)素地見えの有無、
(3)表面粗さ(算術平均粗さRa)、(4)ブツ状欠
陥の有無、(5)耐久後の表面粗さ(算術平均粗さR
a)、(6)濃度一様性、(7)導電性被覆層の削れ量
(膜削れ)に加え、ベタ黒、ハーフトーン、ライン画像
等の各種画像を確認し、その際、現像スリーブ上のス
ジ、波状ムラ、スリーブ上でのトナーコート不良の目視
による観察を参考にして、評価結果を下記の指標で示し
た。
【0160】A:画像にもスリーブ上にも全く確認でき
ない。 B:ハーフトーン画像又はベタ黒画像で確認できる。実
用レベル下限。 C:ベタ黒画像全体で画像不良が確認できる。実用不可
レベル。
【0161】実施例9及び循環塗工システムを変更した
比較例9の結果を後記表4−1及び表4−2に示す。実
施例9の評価は良好であった。比較例9では、連続塗工
では経路内での炭化ホウ素の沈殿によるRaの低下が見
られた。加えて、黒鉛化粒子の凝集によって耐久性が悪
化しており、耐久での削れ及びRaの減少も大きかっ
た。
【0162】
【0163】球状炭素粒子E−2として、体積平均粒径
5.5μmの球状フェノール樹脂粒子100部にライカ
イ機(自動乳鉢、石川工場製)を用いて個数平均粒径2
μm以下の石炭系バルクメソフェーズピッチ粉末14部
を均一に被覆し、空気中下280℃で熱安定化処理した
後に窒素雰囲気下2000℃で焼成することにより黒鉛
化し、更に分級して得られた体積平均粒径5.3μmの
球状導電性炭素粒子を用いた。
【0164】上記の材料を塗料(2−1)と同様の分散
を行い塗料(2−2)とした。また、塗料(2−2)の
二硫化モリブデンを窒化ホウ素とした以外は同様の分散
を行い塗料(2−3)とした。後記表3−1〜表3−3
に塗料の組成及び物性を示す。実施例1と同様の評価を
塗料(2−2)及び(2−3)について行った。結果を
後記表4−1及び表4−2に示す。実施例10及び11
の評価は良好であった。比較例10及び11では、連続
塗工において粒子の凝集による塗布ムラ及びRaの上昇
が起こった。ブツの発生率も高めで画像評価結果も悪か
った。
【0165】 <実施例12〜13、比較例12〜13> ・ポリエステル樹脂 300部 ・カーボンブラック 20部 ・黒鉛化粒子D−2 70部 ・グラファイトC−1 30部 ・炭化ホウ素(体積平均粒径9.3μm、真密度 2.5) 30部 ・荷電制御性粒子B−1 50部 ・トルエン 300部
【0166】塗料(2−1)と同様の分散を行い塗料
(2−4)とした。また、塗料(2−4)におけるポリ
エステル樹脂をPMMA樹脂に代えたこと以外は塗料
(2−4)と同様の分散を行い塗料(2−5)とした。
下記表3−1〜表3−3に塗料の組成及び物性を示す。
実施例1と同様の評価を塗料(2−4)及び(2−5)
について行った。結果を下記表4−1及び表4−2に示
す。実施例12及び13の評価は良好であった。比較例
12及び13では、連続塗工後期で素地見えがみられ、
ブツ状欠陥が多発した。耐久評価の結果も悪かった。
【0167】
【0168】
【0169】
【0170】
【0171】
【0172】 <実施例14、比較例14> ・黒鉛化粒子D−2 100部 ・66ナイロンを主成分とするナイロンの共重合物 (固形分25%) 2500部 ・ホウ酸アルミニウム粒子(不定形、体積平均粒径 4.5μm、最大粒径7.4μm、モース硬度7) (9Al23・2B23) 350部 ・メタノール 70部
【0173】上記材料をφ2mmのジルコニア粒子にて
3時間サンドミルで分散を行い、その後ジルコニア粒子
を篩いで分離し、メタノールで固形分を約30%に調整
し塗料(3−1)を得た。後記表5−1及び表5−2に
塗料の組成及び物性を示す。この塗料(3−1)を装置
Fを用いて、外径16mmφのアルミニウム製の円筒管
を回転台に立てて回転させ、両端部をマスキングしなが
ら、エアスプレーガンを一定速度で上昇させ、円筒管表
面に連続塗工を行った。エアスプレーの霧化圧は、10
000kg/m3、円筒管の塗布表面とガンノズル先端
との距離は30mmの条件で行った。
【0174】また、装置Gを用いて同様に連続塗工を行
った。この際のエアスプレーの霧化圧は40000kg
/m3、円筒管の塗布表面とガンノズル先端との距離
は、50mmの条件で行った。両者とも連続塗工は30
0本行い、1本目、300本目のサンプルを評価の対象
とした。塗工した円筒管は乾燥炉にて160℃で30分
加熱乾燥させて帯電用磁性粒子担持体のサンプルとし
た。尚、エアスプレーガンの上昇速度は、現像剤担持体
上の乾燥後の被覆層の付着質量が1.5×10-4kg〜
1.7×10-4kgになるように適宜調整した。
【0175】評価項目は、(1)塗布ムラの有無、
(2)素地見えの有無、(3)表面粗さ(十点平均粗さ
Rz)、(4)ブツ状欠陥の有無、(5)耐久後の表面
粗さ(十点平均粗さRz)、(6)導電性被覆層の削れ
量(膜削れ)に加え、(7)体積固有抵抗を1本目及び
300本目においてサンプリングした。
【0176】抵抗測定サンプルとしては、これとは別の
丸棒にOHPシートを巻き付け同様に塗工し、これらの
シートを体積固有抵抗測定のサンプルとした。体積固有
抵抗値は三菱油化社製、ローレスターAPに4端子プロ
ーブを取り付けて測定した。帯電用磁性粒子担持体を前
述のような構成のプリンタに組み込んだ。また、現像ス
リーブとしては実施例1で作製したものを組み込んだ。
このプリンタを用い画像評価を行ったところ、−700
VのDC電圧をスリーブに印加して、感光体が接触ニッ
プを1回通過しただけで、始め0Vだった感光体表面電
位が−670Vにまで帯電され、良好な帯電性を得るこ
とができた。また、このとき感光体上にピンホールが生
じていてもリークは発生せず、また、帯電部材を構成し
ている導電粒子が感光体上に現像されることもなく、良
好なベタ黒及びベタ白画像が得られた。
【0177】このようにして2万枚の画像出し耐久試験
を行ったところ、初期と同様な帯電特性を示しており、
良好なベタ黒及びベタ白画像が得られた。尚、画像の評
価は目視にて行った。評価結果を後記表6−1及び表6
−2に示す。比較例のサンプルは膜削れ、初期のRz及
び耐久によるRzの変化が大きかった。また、スプレー
時の霧化が不十分であることと、粒子の凝集が起こって
いるために被覆層の表面の凹凸が大きく、ブツ状欠陥が
多く見られた。また、体積抵抗値が高く電荷注入性が悪
いため濃度が出なかった。
【0178】 <実施例15、比較例15> ・黒鉛化粒子D−2 100部 ・ウレタン樹脂(固形分40%) 2000部 ・ホウ酸アルミニウム粒子(不定形、体積平均粒径 4.8μm、最大粒径8.5μm、モース硬度7) (9Al23・2B23) 350部 ・メタノール 70部
【0179】上記材料を塗料(3−1)と同様に分散し
塗料(3−2)を得た。後記表5−1及び表5−2に塗
料組成及び物性を示す。この塗料を用いて(3−1)と
同様の方法で塗工を行った。実施例11と同様にして評
価を行ったところ、−700VのDC電圧をスリーブに
印加して、接触ニップを1回の通過で始め0Vだった感
光体表面電位が−660Vにまで帯電され、良好な帯電
性を得ることができた。また、このとき感光体上にピン
ホールが生じていてもリークは発生せず、また、帯電部
材を構成している導電粒子が感光体上に現像されること
もなく、良好なベタ黒及びベタ白画像が得られた。
【0180】このようにして2万枚の画像出し耐久試験
を行ったところ、初期と同様な帯電特性を示しており、
良好なベタ黒、ベタ白画像が得られた。評価結果を後記
表6−1及び表6−2に示す。比較例の帯電用磁性粒子
担持体サンプルでは素地見えが発生し膜削れが大きく、
被覆層の体積抵抗が高かった。
【0181】
【0182】
【0183】
【0184】
【0185】
【発明の効果】以上の如き本発明の方法を用いることに
より、塗料中に金属粒子、炭素系粒子、セラミック粒
子、固体潤滑剤粒子のような分散媒体との比重差が大き
い粒子を添加する場合においても、被覆層中の微粒子の
再凝集や分離を起こさない均一な被覆層を有する電子写
真用部材を提供することができる。また、塗料中に導電
性微粒子等の小粒径粒子を添加した場合若しくは、高分
子量の樹脂やカップリング剤或いは荷電制御剤等を添加
した場合のような高粘性な塗料を用いた場合において
も、塗布ムラや素地見え等の発生しない均一な被覆層を
有する電子写真用部材を提供することができる。
【0186】また、被覆層形成時の微粒子の再凝集や被
覆面に塗布ムラや素地見え等の発生による帯電付与の不
均一性からなる濃度ムラやスジ等の画像欠陥の発生しな
い被覆層を有する電子写真用部材を提供することができ
る。また、所望の表面形状及び微粒子の分散均一性、特
に黒鉛化粒子を有した塗料に対して被覆層に均一に分散
させることができるので、その特性をより発揮でき画質
及び耐久安定性の向上した被覆層を有する電子写真用部
材を提供することができる。
【0187】更には装置の高速化による被覆層の磨耗や
剥がれやキズの発生に耐え、繰り返しの使用に際しても
耐久性を有する被覆層を有する電子写真用部材を提供す
ることができる。また、本発明により上記被覆層を有す
る現像剤担持体、磁性粒子搬送部材及びこれを用いた帯
電装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スプレー法による被覆層の形成を示す模式図で
ある。
【図2】従来用いられている塗工システムの一例を示す
模式図である。
【図3】本発明で用いた循環塗工システムを示す模式図
である。
【図4】ノズル先端周囲の同心円上の孔からエアーを吹
き出すタイプのスプレーガンを示す模式図である。
【図5】本発明の一実施形態である現像装置の模式図を
示す。
【図6】本発明の現像装置の他の実施形態を示す構成模
式図である。
【図7】本発明の現像装置の更に他の実施形態を示す構
成模式図である。
【図8】本発明の現像装置の更に他の実施形態を示す構
成模式図である。
【図9】本発明の一実施形態である磁気ブラシ帯電部材
の模式図を示す。
【図10】本発明の他の実施形態である磁気ブラシ帯電
部材の模式図を示す。
【図11】本発明の被覆層を有するゴムローラーを示す
模式図である。
【図12】画像形成装置例の概略図である。
【図13】感光体の層構成模型図である。
【図14】感光体の層構成模型と等価回路を示す模式図
である。
【符号の説明】
1:感光ドラム(静電潜像保持体) 2:磁性規制ブレード 3:ホッパー(トナー容器) 4:現像剤(トナー) 5:マグネットローラー 6:金属円筒管 7:導電性被覆層 8:現像スリーブ(現像剤担持体) 9:現像バイアス電源 10:撹拌翼 11:弾性規制ブレード(現像剤層厚規制部材) 12:間隙 15:撹拌室 16:キャリア 17:現像室 18:トナー室 A:現像スリーブの回転方向 B:感光ドラムの回転方向 D:現像領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B05D 7/24 B05D 7/24 303E G03G 15/02 101 G03G 15/02 101 15/08 501 15/08 501D (72)発明者 岡本 直樹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 齊木 一紀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 藤島 健司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 明石 恭尚 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 後関 康秀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H077 AD06 DB14 FA13 FA14 2H171 FA30 GA15 PA05 XA02 2H200 FA13 HA03 HA28 HB12 HB45 HB46 HB47 MA04 MA12 MA13 MA20 MB01 MC06 4D075 AA02 AB41 CA02 CA13 CA22 CA48 DA15 DB07 DC16 DC18 EA10 EB13 EB14 EB16 EB22 EB32 EB38 EB39 EB42 EC02 EC07 EC53 EC54

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも基体及び表面被覆層を有する
    電子写真法に用いられる部材の製造方法であって、該部
    材は、円筒状若しくは円柱状の基体上に塗料をエアスプ
    レー法により塗布し被覆層を形成したものであり、該塗
    料は、塗料循環システムによってスプレーガンに供給さ
    れ、該塗料循環システムは、攪拌機構を有する塗料槽、
    先端部分にニードル弁を有するスプレーガン、塗料槽〜
    スプレーガン間において塗料が空気と遮断されている非
    開放系の循環経路及び該塗料を循環経路内で定量的に加
    圧循環させる循環ポンプを具備しており、該エアスプレ
    ー法は、霧化エアーを放出することにより塗料を微粒子
    化し、前記基体上に塗料を付着させることにより被覆層
    を形成することを特徴とする電子写真用部材の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記エアスプレー法は、霧化エアーをノ
    ズル周囲の螺旋状の孔から旋回流として放出することに
    より塗料を微粒子化する請求項1に記載の電子写真用部
    材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記スプレーガンの前記霧化エアー圧
    は、1000〜30000kg/m3である請求項1又
    は2に記載の電子写真用部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記塗料は、少なくとも溶媒に溶解及び
    /又は分散された樹脂及び固体粒子を含有する請求項1
    〜3の何れか1項に記載の電子写真用部材の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記塗料は、少なくともアルミニウム、
    銅、ニッケル、銀等の金属粉体、酸化アンチモン、酸化
    インジウム、酸化スズ等の金属酸化物、カーボンファイ
    バー、カーボンブラック及びグラファイト等の炭素物か
    らなる群から選ばれる導電性粒子の何れかを少なくとも
    含有している請求項1〜4の何れか1項に記載の電子写
    真用部材の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記塗料は、少なくとも二硫化モリブデ
    ン、窒化硼素、グラファイト、フッ化グラファイト、銀
    −セレンニオブ、塩化カルシウム−グラファイト及び滑
    石からなる群から選ばれる潤滑性粒子の何れかを少なく
    とも含有している請求項1〜5の何れか1項に記載の電
    子写真用部材の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記塗料は、少なくとも金属、金属酸化
    物、シリカ、炭化ホウ素、ホウ酸アルミ、ケイ酸アルミ
    ナ、アルカリケイ酸アルミナ及びケイ酸塩からなる群か
    ら選ばれる無機粒子の何れかを少なくとも含有している
    請求項1〜6の何れか1項に記載の電子写真用部材の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 前記塗料は、少なくともニグロシン及び
    その脂肪酸金属塩等による変性物、四級アンモニウム
    塩、及びこれらの類似体であるオニウム塩、及びこれら
    のレーキ顔料、高級脂肪酸の金属塩、ジオルガノスズオ
    キサイド、ジオルガノスズボレート類、グアニジン類及
    びイミダゾール化合物からなる群から選ばれる荷電制御
    性粒子の何れかを少なくとも含有している請求項1〜7
    の何れか1項に記載の電子写真用部材の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記塗料は、前記被覆層表面に凹凸を付
    与するための個数平均粒径3〜30μmの粒子を含有し
    ている請求項1〜8の何れか1項に記載の電子写真用部
    材の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記被覆層のJIS算術平均粗さ(R
    a)を0.1〜3.5μmになるように前記被覆層を形
    成する請求項1〜9の何れか1項に記載の電子写真用部
    材の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記塗料は、メチルメタクリレート樹
    脂、フッ素樹脂、ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹
    脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、シリコーン
    樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、
    ユリア樹脂、メラミン樹脂及びグアナミン樹脂からなる
    群から選択される樹脂を少なくとも含有する請求項1〜
    10の何れか1項に記載の電子写真用部材の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記塗料は、結着樹脂中に分散された
    黒鉛化度P(002)が0.20≦P(002)≦0.
    95である黒鉛化粒子を少なくとも含有している請求項
    1〜11の何れか1項に記載の電子写真用部材の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 電子写真用部材が、現像剤を担持搬送
    する現像剤担持体である請求項1〜12の何れか1項に
    記載の電子写真用部材の製造方法。
  14. 【請求項14】 電子写真用部材が、磁性粒子を担持搬
    送して磁気ブラシを形成し、表面に静電潜像を形成する
    潜像保持体に接触させながら外部電源により電圧を印加
    し、該潜像保持体を帯電させる帯電装置に用いられる磁
    性粒子搬送部材である請求項1〜13の何れか1項に記
    載の電子写真用部材の製造方法。
  15. 【請求項15】 電子写真法に用いられる表面被覆層を
    有する円筒状若しくは円柱状の部材であって、該部材
    が、請求項1〜14の何れか1項に記載の製造方法によ
    り製造されたものであることを特徴とする電子写真用部
    材。
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