JP5438681B2 - 磁性キャリア、二成分系現像剤及び画像形成方法 - Google Patents

磁性キャリア、二成分系現像剤及び画像形成方法 Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法及び静電記録法に用いられる現像剤に含有される磁性キャリア、及びこの磁性キャリアとトナーとを有する二成分系現像剤、さらに二成分系現像剤を用いた画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真法において静電荷像を現像する工程は、帯電させたトナー粒子を静電荷像の静電相互作用を利用して静電荷像上に付着させて画像形成を行うものである。静電荷像を現像するための現像剤には、磁性体を樹脂中に分散してなる磁性トナーを用いる一成分系現像剤と、非磁性トナーを磁性キャリアと混合して用いる二成分系現像剤とがある。特に高画質を要求されるフルカラー複写機又はフルカラープリンタの如きフルカラー画像形成装置では、後者が好適に用いられている。また、近年ではPOD(プリント・オン・デマンド)分野への電子写真法の展開により、高速の印刷能力、イメージ画像印刷が望まれ、その結果、印刷画質もより高精細なものに加え、画像欠陥のない高品質な成果物が望まれるようになってきた。
【0003】
高精細、高画質化への取り組みとして、トナーの小粒径化とともにキャリア粒径の小粒径化や低比重化、低磁気力化がなされている。特開2000−330342号公報では、従来の鉄粉キャリアや重金属系フェライトに変わり、Mn−Mg系フェライトを用いて、画質の向上と耐久性を改良している。しかし、上述したようなPOD印刷市場における画質を十分に満足しているとは言えず、更なる画質向上や耐久安定性が要求される。そこで、より低比重化、低磁気力化を進めるために磁性体を樹脂中に分散させた磁性体分散型樹脂キャリアが提案されている。特開平8−160671号公報には、キャリアの電気抵抗が高く、低磁気力の磁性体分散型樹脂キャリアの提案がなされている。しかしながら、上記のようなキャリアはより低比重、低磁気力になると十分な高画質化や高精細化、より耐久性の向上は図れるものの現像性が低下する場合がある。現像性低下の要因は、キャリアが高抵抗化することにより電極効果が低下することによる。その結果、ハーフトーン画像部とベタ画像部の境界でハーフトーン部後端のトナーが掻き取られ白いスジとなり、ベタ画像部のエッジが強調される画像欠陥(以下、白抜けと称する)が発生する場合がある。
【0004】
また、磁性体分散型樹脂キャリアに変わるものとして、特開2006−337579号公報には、空隙率が10乃至60%であり、その空隙に樹脂を充填してなる樹脂充填型フェライトキャリアが提案されている。さらに、特開2007−57943号公報には、多孔質フェライト芯材の空隙に樹脂を充填し、その構造を規定したキャリアが提案されている。これらは、低比重となり、機械的ストレスに優れ、画像濃度が十分に出せ、現像性に優れ、長期間安定した性能が得られる。しかし、より高画質が求められるPOD分野においては、高い現像性、耐久性のみならず、1枚1枚の画像における画像欠陥をより少なくすることが求められる。また、後述するようにトナー載り量低減化の際、十分な現像性を得るには上記キャリアにおいても更なる改良が必要である。
【0005】
また、特開2007−218955号公報には、多孔質部分を樹脂で充填したキャリアであり、その細孔の総容積を規定し、さらに印加電圧500Vにおける電気抵抗を105Ω・cm以上としたキャリア芯材を用いたキャリアが提案されている。特開2007−218955号公報は、高電圧印加によるブレークダウンを改善し、高抵抗なキャリアを提案するものである。しかしながら、前述したとおり、高抵抗化したキャリアを用いると現像性に劣ったり、その結果、白抜けの如き画像欠陥を生じる場合がある。
【0006】
また、明瞭な黒ベタ印字とキャリア付着を防止し得るキャリアとして、特公平7−120086号公報には、1000V/cmの電界強度を境にして、可逆的で且つ10Ω・cm以上の急激な電気抵抗変化をするキャリアが提案されている。比較的電気抵抗の低いキャリアコア粒子に薄層のコートを施しているもので、高電界強度で電気抵抗が低くなり現像性を高め、一方で、低電界強度においては、キャリアの電気抵抗を高めることができ、キャリア付着を防止し得るというものである。しかし、1000V/cmの電界強度を境に抵抗値が急激な変化をするキャリアを交番電界が印加される現像装置に適用すると、電荷注入がおこり、ハーフトーン部のガサツキが生じたり、リークを防止できず、白ポチを生じる場合がある。
【0007】
一方、電子写真方式による画像形成方法のPOD分野への適用を考えた場合には、高速、高画質、低ランニングコストという3つの要素を達成する必要がある。トナーに望まれる性能としては、色域再現範囲を狭めることなく、従来以上に高画質、高精細画像を達成し、トナー消費量を低減することが必須である。さらに、定着エネルギーの低減、種々の転写材へ対応する必要がある。
【0008】
特開2005−195674号公報には、トナー載り量を0.35mg/cm2以下にし、トナー消費量を低減しながら、定着時におけるブリスターの如き不具合(ブリスターなど)の発生を抑制し、安定して広い色域再現範囲を有する高画質・高品位のカラー画像を形成するという提案がなされている。この提案によれば、画像荒れが少なく、定着性に優れ、安定して広色再現範囲を有する高画質・高品位のカラー画像の形成が可能とされている。着色剤の量を増やしたトナー粒子を有するトナーを従来の電子写真システムに使用すると、定着特性については一定の効果が期待できるが、画像の彩度の低下や色域が狭くなることがある。この原因は、着色剤の量を増やした結果、トナー粒子内の着色剤の分散状態が悪化し、色相が変化し、画像の彩度が低下し色域が狭くなるためと推察される。
【0009】
前述の通り、トナー粒子に含有される着色剤の量を増やすと、長期使用時に濃度安定性や階調性が低下しやすい。従来トナーは、横軸に電位、縦軸に画像濃度をとっている図3の曲線Aのようなγ特性を有している。従来トナーにおいて着色剤の含有量を増加させると、より少ないトナーの載り量で転写材上に所定濃度が出せるようになり、狭い現像コントラストの電位で階調性を出さなければならなくなる(特開2005−195674号公報参照)。この場合、図3の曲線Bのようなγ特性となり、γ特性の傾きが急となり、高い階調性を得ることが困難になる場合がある。また、γ特性の傾きが急であるために、電位の変動による画像濃度の変化が従来トナーに比較して大きくなり、階調性が低下することもある。
【0010】
POD市場では、幅広い階調性が得られること、色味が安定性していることが重要であり、少ないトナーの載り量であってもγ特性が緩やかな傾きになるようにして現像する方が好ましい。着色剤の含有量を上げたトナーを用いて、従来と同じ現像コントラストの電位で階調を形成するには、トナーの摩擦帯電量を上げる方法がある。特開2005−195674号公報では、トナーの摩擦帯電量には言及していない。
【0011】
トナーの摩擦帯電量を高めていくと、キャリアや感光体の表面との静電的付着力が大きくなるため、現像性や転写性が低下し、画像濃度の低下が起こることがある。また、前述の通り、白抜けの如き画像欠陥の原因ともなる。特開2006−195079号公報は、トナーの摩擦帯電量と、トナーとキャリアとの付着力の関係を記載している。
【0012】
特開2006−195079号公報においては、トナーの摩擦帯電量と付着力を所定の範囲にすることで、画像不良のない高画質な画像形成が可能とされている。しかし、トナーの消費量を低減することが可能なトナー粒子中の着色剤の含有量を多くし、トナーの消費量を低減するために、トナーの摩擦帯電量を調整することは記載されておらず、キャリアとトナーの付着力が依然として強く、充分な画像濃度が得られないことがある。
【0013】
このため、従来よりも少ないトナーの載り量で画像形成するには、着色剤の含有量が多く、着色剤の分散性が高く着色力の高いトナーを用いて、高摩擦帯電量のトナーを効率よく現像できるキャリアが必要となる。
【発明の開示】
本発明の目的は、上記の課題を解決した磁性キャリア、二成分系現像剤及び画像形成方法を提供することにある。
【0014】
また、本発明の目的は、現像性に優れ、高画質な画像形成を行うことができる磁性キャリア、二成分系現像剤及び画像形成方法を提供することにある。
【0015】
更に、本発明の目的は、リングマークを発生させないような低現像電界で効率よく現像できる現像性に優れ、低電界強度でも画像濃度が十分に得られ、カブリ、白抜けの如き画像欠陥を生じることなく、長期にわたって安定して高品質な画像を得ることができる磁性キャリア、二成分系現像剤及び画像形成方法を提供することにある。
【0016】
更に、本発明の目的は、トナー消費量が低減でき、飛び散りがなく、細線再現性に優れ、階調性、色域再現性に優れ、色味安定性に優れる画像形成方法を提供することにある。
【0017】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、磁性キャリアのブレークダウンする寸前の電界強度が、1300V/cm以上5000V/cm以下である磁性キャリアを使用すると、現像性に優れ、高画質な画像形成を行うことができることを見出した。
【0018】
すなわち、本発明は、多孔質磁性コア粒子と樹脂とを少なくとも有する磁性キャリア粒子を有する磁性キャリアであって、該磁性キャリアのブレークダウンする寸前の電界強度が、1300V/cm以上5000V/cm以下であることを特徴とする磁性キャリアに関する。
【0019】
更に、本発明は、磁性キャリアとトナーとを少なくとも含有する二成分系現像剤であり、該磁性キャリアは、多孔質磁性コア粒子と樹脂とを少なくとも有する磁性キャリア粒子を有する磁性キャリアであって、該磁性キャリアのブレークダウンする寸前の電界強度が、1300V/cm以上5000V/cm以下であることを特徴とする二成分系現像剤に関する。
【0020】
更に、本発明は、静電潜像担持体を帯電手段により帯電する帯電工程、帯電された該静電潜像担持体を露光して静電潜像を形成する露光工程、磁性キャリアとトナーとを少なくとも含有する二成分系現像剤で現像剤担持体上に磁気ブラシを形成し、磁気ブラシを接触させた状態で該静電潜像担持体と該現像剤担持体との間に現像バイアスを印加して該静電潜像担持体と該現像剤担持体との間に電界を形成しながら該静電潜像をトナーにより現像して該静電潜像担持体上にトナー像を形成する現像工程、該静電潜像担持体から中間転写体を介して、あるいは介さずに該トナー像を転写材上へ転写する転写工程、該転写材上の該トナー像を熱及び/または圧力により定着する定着工程を有する画像形成方法であり、該二成分系現像剤は、磁性キャリアとトナーとを少なくとも含有する二成分系現像剤であり、該磁性キャリアは、多孔質磁性コア粒子と樹脂とを少なくとも有する磁性キャリア粒子を有する磁性キャリアであって、該磁性キャリアのブレークダウンする寸前の電界強度が、1300V/cm以上5000V/cm以下である磁性キャリアであり、該現像バイアスは、直流電界に交番電界を重畳したバイアスであることを特徴とする画像形成方法に関する。
【0021】
本発明の磁性キャリアは、摩擦帯電量の高いトナーを用いて、トナーの載り量が、従来に比して少ないときにおいても、画像濃度が十分に得られるような現像性に優れ、また、階調性も良好で、細線再現性が良好で、飛び散りのない高画質な画像を得ることができる。また、カブリや白抜け等の画像欠陥を生じることなく、画像品質性能に優れた画像を得ることができる。さらに、長期にわたって安定した画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1A】 図1Aは、本発明の磁性キャリア、磁性コア等の比抵抗を測定する装置の概略的断面図であり、試料を入れる前のブランクの状態での図である。
【図1B】 図1Bは、本発明の磁性キャリア、磁性コア等の比抵抗を測定する装置の概略的断面図であり、試料を入れたときの状態を示す図である。
【図2】 図2は、図1A、1Bで示す装置により測定した比抵抗の測定結果を示すグラフの一例である。実施例1の磁性キャリア1及びそれに用いた多孔質磁性コア1の測定をした結果を示す。
【図3】 図3は、トナーのγ特性を示すである。
【図4】 図4は、トナーにおける、コントラスト電位と(飽和)画像濃度の関係を示す図である。
【図5】 図5は、トナーにおける、コントラスト電位と(飽和)画像濃度の関係を説明するための図である。
【図6】 図6は、トナーのγ特性の変更を説明するための図である。
【図7】 図7は、CIELABのa*b*平面における、従来のトナーと着色力の高いトナーの色相のプロファイルを示した図である。
【図8】 図8は、フルカラー画像形成装置の一つの実施形態である概略構成図である。
【図9】 図9は、フルカラー画像形成装置におけるクリーナーレスシステムの一つの実施形態である概略構成図である。
【図10】 図10は、現像領域の一例を示す概略図である。
【図11】 図11は、転写材上のトナー載り量を測定する装置の概略図である。
【図12】 図12は、比抵抗の測定結果を示すグラフの一例である。実施例12の磁性キャリア16及びそれに用いた多孔質磁性コア10の測定をした結果を示す。
【図13】 図13は、比抵抗の測定結果を示すグラフの一例である。比較例9、10、11に用いた磁性コア(多孔質磁性コア16、磁性コア17、磁性コア18)の測定をした結果を示す。
【図14】 図14は、比抵抗の測定結果を示すグラフの一例である。比較例5、6に用いた多孔質磁性コア9及び磁性キャリア(磁性キャリア14、磁性キャリア15)の測定をした結果を示す。
【図15A】図15Aは、多孔質磁性コアの水銀圧入法により測定した細孔径分布の結果を示すグラフの一例である。実施例12に用いた多孔質磁性コアの測定した結果を示す。図15Aは、全測定領域を示すグラフである。
【図15B】図15Bは、多孔質磁性コアの水銀圧入法により測定した細孔径分布の結果を示すグラフの一例である。実施例12に用いた多孔質磁性コアの測定した結果を示す。図15Bは、0.1μm以上10.0μm以下の範囲を切り取り、拡大したグラフである。
【図16】図16は、実施例1で用いた多孔質磁性コア1の走査電子顕微鏡写真の一例を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0024】
磁性キャリアについて説明する。
本発明においては、磁性キャリアの後述する比抵抗測定法において、ブレークダウンする寸前の電界強度が、1300V/cm以上5000V/cm以下あると、高い現像性が得られることを見出した。実際の現像領域における条件は、図10に模式図を示すとおり、静電潜像担持体と現像剤担持体とのギャップ(S−Dギャップと称す)は、250μm乃至500μmmである。現像剤担持体上にトナーと磁性キャリアを有する二成分系現像剤を25mg/cm2乃至50mg/cm2担持させる。そのとき、二成分系現像剤の磁気ブラシ(図示しない)は、静電潜像担持体に接触した状態となる。接触ニップ幅は、1mm乃至7mmであり、S−Dギャップの調整や磁性キャリアの磁気力により、接触ニップ幅は、変化する。
【0025】
静電潜像担持体には、静電潜像が帯電および露光により形成され、現像剤担持体には、直流電圧に交番電界を重畳した電圧が印加される。交番電界を印加する目的は、トナーの静電潜像担持体上での再配列を行い、ドット再現性を良化するためである。静電潜像担持体の帯電電位(VD)は、用いる感光体の種類や感光層の膜厚によるが、有機感光体で感光層の膜厚が30μmの場合は、絶対値で500V乃至700Vである。現像剤担持体に印加される直流電圧(VDC)は、コントラスト電位と露光した部分の電位(VL)、帯電電位(VD)により適宜決められる。コントラスト電位としては、良好な階調性を得るために200V以上450V以下であることが好ましい。また、環境変動や耐久によるトナー帯電量の変化やトナーと磁性キャリアの離型性の変化などでコントラスト電位がこの範囲内であることが、POD分野においては、特に安定した画像出力を行うために重要である。
【0026】
交番電界は、ピーク間電圧(Vpp)が0.5kV以上2.0kV以下、周波数が1.0kHz以上3.0kHz以下が、高画質化のために好ましい。Vppは、できる限り下げたほうが好ましいが、下げた場合には、現像性が低下する。Vppを高くした場合には、現像性は十分なものが得られる反面、電界強度が高くなりすぎることによる放電現象が起こり、転写材上にリング状又はスポット状の模様が生じる現象が発生する場合がある(リングマークと称す)。リングマークは、Vppを低下させ、放電現象を回避できると防止可能である。したがって、リングマークが発生しないより低いVppで現像することが好ましい。交番電界のピーク間電圧(Vpp)は、好ましくは1.5kV以下であり、より好ましくは1.3kVである。このような現像性が不利な状況において、磁性キャリアの高電圧がかかったときにブレークダウンする特性を利用し、この特性と現像条件であるVppとの最適化を図ることで、高画質な画像を得る同時に高い現像性を得ることができる。
【0027】
ブレークダウンについて説明する。図1A及び図1Bに概略的に示される装置を用いた比抵抗測定において、電極面積を2.4cm2とし、磁性キャリアの厚みを約1.0mmとして、エレクトロメーター(例えば、ケスレー6517A ケスレー社製)を用いる。最大印加電圧を1000Vとし、エレクトロメーターの自動レンジ機能を利用し、1V(2V)、2V(2V)、4V(2V)、8V(2V)、16V(2V)、32V(2V)、64V(2V)、128V(2V)、256V(2V)、512V(2V)、1000V(≒210V)の電圧を1秒間ずつ印加するスクリーニングを行う。その際に、最大1000Vまで印加可能かどうかをエレクトロメーターが判断し、過電流が流れる場合、「VOLTAGE SOURCE OPERATE」が点滅する。「VOLTAGE SOURCE OPERATE」が点滅した場合、印加電圧を下げて、印加可能な電圧をスクリーニングし、印加電圧の最大値をエレクトロメーターが自動的に決める。印加電圧の最大値が決定後、ブレークダウン直前の電圧の測定と、ブレークダウン直前の電界強度の測定を行う。決定された印加電圧の最大値を5分割し、各電圧を30秒間印加し、測定された電流値から抵抗値を測定する。
【0028】
後述の実施例1に用いられる磁性キャリアを例に説明する。表1Aには、多孔質磁性コアの測定及び磁性キャリアを測定した結果を示す。
【0029】
実施例1に用いられる磁性キャリアの場合には、スクリーニング時には、1V(2V)、2V(2V)、4V(2V)、8V(2V)、16V(2V)、32V(2V)、64V(2V)、128V(2V)、256V(2V)、512V(2V)、1000Vの直流電圧を1秒間ずつ磁性キャリアに印加し、「VOLTAGE SOURCE OPERATE」の表示が512Vまでは、点灯し、1000Vで「VOLTAGE SOURCE OPERATE」の表示が点滅した。次に直流電圧724V(≒29.5V)では点灯し、直流電圧891V(≒29.80V)で点滅、直流電圧831V(29.7V)で点滅、直流電圧776V(29.6V)では点灯した。さらに、直流電圧792V(29.63V)で点灯し、直流電圧803V(≒29.65V)点滅し、最大印加可能な電圧を収束させて、その結果、最大印加電圧が797V(≒29.64V)となった。797Vの1/5の値の159V(第1ステップ)、797Vの2/5の値の319V(第2ステップ)、797Vの3/5の値の478V(第3ステップ)、797Vの4/5の値の638V(第4ステップ)、797Vの5/5の値の797V(第5ステップ)、5/5の値の797V(第6ステップ)、797Vの4/5の値の638V(第7ステップ)、797Vの3/5の値の478V(第8ステップ)、797Vの2/5の値の319V(第9ステップ)、797Vの1/5の値の159V(第10ステップ)の順で直流電圧を印加する。そこで得られる電流値をコンピュータにより処理することで、試料厚み1.02mmと、電極面積とから電界強度及び比抵抗を算出して、グラフにプロットする。その場合、最大印加電圧から電圧を下げていく5点(表1中の第6ステップから第10ステップまで)をプロットする。
【0030】
表1A中、印加電圧(V)、印加電圧を試料厚みdで除した電界強度(V/cm)、そのときの比抵抗(Ω・cm)を示してある。表1A中の第6ステップ以降を電界強度に対して、比抵抗をプロットしたものが、図2に示すグラフとなる。図2のグラフ中、磁性キャリアに直流電圧319Vを30秒間印加したときの電界強度3130V/cmの点をもって、ブレークダウンする寸前の電界強度とする。スクリーニング時には、直流電圧797V、直流電圧638V、直流電圧478Vが1秒間印加できたが、印加時間を30秒とすると、478V以上の直流電圧では過電流が流れ、抵抗測定値が0になる。その現象を「ブレークダウン」と定義する。また、ブレークダウンする寸前の電界強度の定義は、「VOLTAGE SOURCE OPERATE」が点滅する直流電圧の電界強度値、あるいは、比抵抗の値がプロットできる電界強度の最大値をもって、ブレークダウンする寸前の電界強度とする。
【0031】
本発明者等は、厚さ1mmの磁性キャリアにブレークダウンする寸前の電界強度である直流電圧を30秒間印加することと、実際の現像における印加バイアスとに相関があることを見出した。実際の画像形成装置における現像領域における感光ドラム(静電潜像担持体)と現像スリーブ(現像剤担持体)間に印加されるコントラスト電圧とVppの1/2の値との和、約1000V(コントラスト電圧:350V、1/2Vppの1/2の値:650V)が瞬間的に磁気ブラシに印加されることと、厚さ1mmの磁性キャリアにブレークダウンする寸前の電界強度である直流電圧を30秒間印加することとが相関することを見出した。現像領域における電界強度は、感光ドラムと現像スリーブとの最近接距離(S−D間の距離)を400μmとすると、現像領域における電界強度は、25000V/cmであるのに対し、磁性キャリアの比抵抗を測定する時の厚さ1mmの磁性キャリアには、直流電圧1000V(最大電界強度10000V/cm)が30秒間印加されることになる。
【0032】
また、実際の現像領域の間隙に近い厚さ1mmで磁性キャリアの印加電圧と抵抗値との相関を見ることができるため、実際に使用する際の磁性キャリアとの相関が取れると考えられる。すなわち、磁性キャリアの現像性は、比抵抗よりもある電界強度の範囲において、磁性キャリアがブレークダウンするか否かがより相関する。ブレークダウンする寸前の電界強度が低い場合には、より低いVppで高い現像性が得られるが、ブレークダウンする寸前の電界強度が1300V/cm未満であると、現像領域でリークが発生し、その結果、白ポチを生じてしまう場合がある。電界強度が5000V/cmを超えると、高画像濃度を得るためにはVppが1.5kV以上必要になったり、高い摩擦帯電量を有するトナーの場合には、より高いVppが必要になる。その結果、リングマークの如き画像欠陥を引き起こしやすくなる。即ち、磁性キャリアの現像性を高めるためには、よりブレークダウンする寸前の電界強度が低くなるのが好ましいが、低すぎるとリークする場合があり、高くなりすぎると現像性が低下し、より高いVppが必要となり、リングマークの如き弊害を生じる場合がある。そのバランスがとれる範囲は、ブレークダウンする寸前の電界強度が1300V/cm以上5000V/cm以下である。磁性キャリアのブレークダウンする寸前の電界強度が1300V/cm以上5000V/cm以下の範囲にあると、高い現像性が得られる理由は、ブレークダウンする電界強度の現像電界が印加されたときに磁気ブラシが低抵抗化し、磁気ブラシの低抵抗化による電極効果に加え、磁性キャリア粒子の表面からのトナーの飛翔後の磁性キャリアにおけるカウンターチャージの急激な減衰による。トナーが磁性キャリア粒子の表面から離れた後、磁性キャリア粒子の表面上にカウンターチャージが残存すると、トナーに働く電界の力が弱くなり、次に飛翔しようとするトナーが飛翔できなくなることになるため、二成分系現像剤の現像性は低下する。
【0033】
通常、ブレークダウンするような磁性キャリアを用いると、リークの原因となり、白ポチが発生したり、感光体に穴を開けて、黒ポチの原因となる場合があった。本発明の磁性キャリアを使用する画像形成方法においては、磁性キャリアのブレークダウンする寸前の電界強度のポイントと現像条件であるVppの大きさを調整することで、リークを発生させず、高現像性を満足できるようになる。
【0034】
本発明においては、電界強度1300V/cmまではブレークダウンしなく、電界強度5000V/cmを越える電界強度ではブレークダウンすることが、上述の通り、リークに起因による黒ポチや白ポチといった問題を起こすことなく、高画質を保ち、一方で、リングマークを起こすような高Vppを印加することなく、現像性に優れ、白抜けの如き画像欠陥も防止できるのでより好ましい。
【0035】
磁性キャリアは、電界強度1000V/cmにおける比抵抗が、1.0×106Ω・cm以上1.0×1011Ω・cm以下であることが好ましい。比抵抗測定における電界強度1000V/cmの値は、交番電界が印加されたときの、トナーの引き戻し電圧に相関するような電界強度であり、そのときの比抵抗の値が、静電潜像担持体への電荷注入に相関している。したがって、電荷注入に起因するカブリを抑制し、また、二成分系現像剤の現像性を維持するために前述の比抵抗範囲であることが好ましい。より好ましくは、磁性キャリアは、電界強度1000V/cmにおける比抵抗が、1.0×107Ω・cm以上1.0×1010Ω・cm以下である。本発明の実施例1に用いられる磁性キャリアの電界強度1000V/cmにおける比抵抗値としては、図2のグラフ上電界強度1000V/cmにおける比抵抗をグラフから読み取る。本発明の実施例1に用いられる磁性キャリアの場合は、交点が存在しないので、1560V/cmの値と3130V/cmの値とを結ぶ直線を外挿し(図中、破線で示す)、電界強度1000V/cmの縦線との交点をもって、電界強度1000V/cmの比抵抗値とする。従って、本発明の実施例1に用いられる磁性キャリアの場合は、電界強度1000V/cmの比抵抗値は、4.0×107Ω・cmとなる。
【0036】
また、現像性を高く維持するために、磁性キャリアは、電界強度2000V/cmにおける比抵抗が、1.0×106Ω・cm以上5.0×1010Ω・cm以下であることが、より好ましい。1.0×106Ω・cm以上5.0×1010Ω・cm以下であることで、画像濃度が十分であり、かつ白抜けや電荷注入に起因するカブリの如き弊害を抑制できるために好ましい。
【0037】
本発明の磁性キャリアのブレークダウンする寸前の電界強度を1300V/cm以上5000V/cm以下にするためには、磁性キャリア粒子の表面における樹脂の存在のさせ方とコア粒子の部分的な露出の状態をコントロールすることが重要である。磁性キャリア粒子の表面において、樹脂部分の層厚が適度に厚い部分と薄い部分を混在させることで、比抵抗をある程度以上に保ちつつ、電界強度が高くなった際に急に磁性キャリアに過電流が流れるようできる。
【0038】
さらに、多孔質磁性コア粒子内部の孔のつながり状態(コア粒子の内部構造)をコントロールし、孔の部分に樹脂を充填することで、低抵抗であるコア部分と高抵抗である樹脂部分とをコントロールすることにより、磁性キャリアのブレークダウンする寸前の電界強度をコントロールできる。
【0039】
本発明において、「多孔質磁性コア」とは、多数の多孔質磁性コア粒子の集合体を意味している。
【0040】
多孔質磁性コア粒子としては、好ましくは、多孔質磁性フェライトコア粒子をコア粒子として用いるのが良い。多孔質磁性フェライトコア粒子の場合は、コア粒子の内部に樹脂を存在させ、磁性キャリア粒子の表面の樹脂とコア粒子の部分的な露出とのバランスに加え、低電界強度では抵抗値を高く保ちつつも、高電界強度になるとブレークダウンするようにコントロールができる。
【0041】
最終的に磁性キャリア粒子の表面状態を製造過程でコントロールすることでブレークダウンする電界強度を調整できる。すなわち、多孔質磁性コア粒子に樹脂を充填する過程、樹脂が充填された磁性キャリアコア粒子を更に樹脂でコートする過程において、各過程で使用する装置における各粒子の撹拌や粒子同士による研磨を強化することにより、所望のブレークダウンする電界強度を有する磁性キャリアを形成できる。例えば、ナウターミキサー(ホソカワミクロン社製)をコート装置として用いる場合、粒子全体をゆっくり混合する公転の速度に対して、粒子同士による研磨を高める自転の速度を速めることで、キャリア粒子の表面において、樹脂被覆を研磨してコア粒子の表面が部分的に露出するようにすることができる。スクリュー状の撹拌羽根の公転の速度としては、装置の大きさにもよるが、1分間に3回転以上10回転以下であり、自転の速度は、1分間に60回転以上300回転以下であることが好ましい。他の装置においても混合の機能よりも撹拌・研磨機能を高めることができれば、同様な効果を得ることができる。
【0042】
更に、コート後に、磁性キャリア粒子の表面状態をコントロールする方法として、熱処理時にある程度のストレスをキャリア粒子にかける方法がある。具体的には、ドラムミキサー(杉山重工業株式社製)の如き、内部に撹拌羽根を有する回転容器を回転させながら樹脂被覆された磁性キャリア粒子を熱処理しながら、磁性キャリア粒子同士の研磨により、コア粒子の表面を部分的に露出させることができる。好ましくは、ドラムミキサーで100℃以上の温度で、0.5時間以上処理することが好ましい。
【0043】
磁性キャリア粒子の表面における樹脂部と磁性コア粒子の部分的な露出部のコントロールは、被覆樹脂量や、被覆方法を調整することで可能である。また、後述する多孔質磁性コア粒子は、多孔質磁性フェライト粒子であることが、磁性コア粒子の露出部をコントロールしやすく、磁性キャリアのブレークダウンの電界強度をコントロールしやすく、好ましい。
【0044】
本発明の磁性キャリアは、体積分布基準50%粒径(D50)が20.0μm以上70.0μm以下であることがキャリア付着を抑制し、トナースペントを抑制し、長期間の使用においても安定して用いることができ、好ましい。
【0045】
本発明の磁性キャリアは、1000/4π(kA/m)における磁化の強さが、40Am2/kg以上65Am2/kg以下であることが、ハーフトーンの画質を決定するドットの再現性を向上させ、キャリア付着を防止し、また、トナースペントを防止して安定した画像を得るために好ましい。
【0046】
本発明の磁性キャリアは、真比重が3.2g/cm3以上5.0g/cm3以下であることが、トナースペントを防止して安定した画像を長期にわたり維持できるために好ましい。より好ましくは、磁性キャリアは、真比重が3.4g/cm3以上4.2g/cm3以下であると、キャリア付着がより防止され、耐久性がより向上する。
【0047】
本発明においては、磁性キャリア粒子は、多孔質磁性コア粒子に樹脂を充填した粒子を更に樹脂で被覆することが好ましい。その場合、多孔質磁性コア粒子の露出度合いをより好ましくコントロールすることが、磁性キャリアのブレークダウンする寸前の電界強度を最適化しやすい。充填する樹脂とキャリア粒子の表面を被覆する樹脂は同一であっても異なっていてもよい。また、熱可塑性の樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよい。
【0048】
充填用樹脂として、シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂が、多孔質磁性フェライトコア粒子に対する親和性が高いため好ましい。
市販品として、以下のものが挙げられる。シリコーン樹脂としては、信越化学社製のKR271、KR255、KR152、東レ・ダウコーニング社製のSR2400、SR2405、SR2410、SR2411が挙げられる。変性シリコーン樹脂としては、信越化学社製のKR206(アルキッド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性)、東レ・ダウコーニング社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキッド変性)が挙げられる。
【0049】
多孔質磁性コア粒子の孔への樹脂の充填のみで、磁性キャリアとして用いることも可能である。その場合には、トナーへの摩擦帯電付与性を高めるために、予め、樹脂溶液中に荷電制御剤、荷電制御樹脂、又は、カップリング剤を含有した状態で充填することが好ましい。
【0050】
樹脂を多孔質磁性コア粒子に充填した後は、熱可塑性樹脂の場合は、ガラス転移点(Tg)の温度以上(Tgの温度+20℃)以下の温度で、0.5時間以上2時間以下の時間キュアすることが好ましい。また、熱硬化性樹脂の場合には、120℃以上250℃以下の温度で、0.5時間以上2時間以下の時間キュアすることが好ましく使用できる。または、キュア後にさらにコートを施す場合、コート樹脂溶液に充填した樹脂が溶け出しにくくなり、好ましくコートができる。
【0051】
また、被覆層を形成する樹脂としては、シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂が、多孔質磁性フェライト粒子の孔に樹脂が充填されている粒子に対する親和性が高く、離型性が高いためにトナースペント防止の目的に好ましく用いることができる。
【0052】
上述した樹脂の中でもシリコーン樹脂が特に好ましい。シリコーン樹脂としては、従来から知られているシリコーン樹脂を使用することができる。
【0053】
市販品として、以下のものが挙げられる。シリコーン樹脂としては、信越化学社製のKR271、KR255、KR152、東レ・ダウコーニング社製のSR2400、SR2405、SR2410、SR2411が挙げられる。変性シリコーン樹脂としては、信越化学社製のKR206(アルキッド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性)、東レ・ダウコーニング社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキッド変性)が挙げられる。
【0054】
被覆樹脂は、単独でも使用できるが、夫々を混合して使用してもよい。又、熱可塑性樹脂に硬化剤を混合し硬化させて使用することもできる。特に、より離型性の高い樹脂を用いることが好適である。
【0055】
さらに、被覆樹脂は、導電性を有する粒子や荷電制御性を有する粒子や荷電制御剤、荷電制御樹脂、カップリング剤を摩擦帯電性をコントロールするために含有していてもよい。
【0056】
導電性を有する粒子としては、カーボンブラック、マグネタイト、グラファイト、酸化亜鉛、又は、酸化錫が挙げられる。ただし、導電性の粒子を多用すると磁性キャリアの最適なブレークダウンする寸前の電界強度の範囲を逸脱し、低電界側でブレークダウンする場合には、リークが避けられず、白ポチ、または、感光体にピンホールを開ける場合がある。
【0057】
添加量としては、被覆樹脂100質量部に対し、0.1質量部以上10.0質量部以下であることが磁性キャリアの抵抗を調整するためには好ましい。
【0058】
荷電制御性を有する粒子としては、有機金属錯体の粒子、有機金属塩の粒子、キレート化合物の粒子、モノアゾ金属錯体の粒子、アセチルアセトン金属錯体の粒子、ヒドロキシカルボン酸金属錯体の粒子、ポリカルボン酸金属錯体の粒子、ポリオール金属錯体の粒子、ポリメチルメタクリレート樹脂の粒子、ポリスチレン樹脂の粒子、メラミン樹脂の粒子、フェノール樹脂の粒子、ナイロン樹脂の粒子、シリカの粒子、酸化チタンの粒子、アルミナの粒子が挙げられる。
【0059】
荷電制御性を有する粒子の添加量としては、被覆樹脂100質量部に対し、0.5質量部以上50.0質量部以下であることが摩擦帯電量を調整するためには好ましい。
【0060】
荷電制御剤としては、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体が挙げられる。
【0061】
上記荷電制御剤は、荷電制御樹脂と同様にネガ付与性を高めるためには、含チッ素化合物であることが好ましい。ポジ付与性のためには、含硫黄化合物であることが好ましい。
【0062】
荷電制御剤の添加量としては、被覆材100質量部に対し、0.5質量部以上50.0質量部以下であることが分散性を良好にし、摩擦帯電量を調整するためには好ましい。
【0063】
荷電制御樹脂の添加量としては、被覆材100質量部に対し、0.5質量部以上30.0質量部以下であることが被覆材の離型効果と帯電付与性を兼備する上で好ましい。
【0064】
また、上記カップリング剤としては、ネガ付与性を高めるためには、含チッ素系カップリング剤であることが好ましい。
【0065】
カップリング剤の添加量としては、被覆樹脂100質量部に対し、0.5質量部以上50.0質量部以下であることが摩擦帯電量を調整するためには好ましい。
【0066】
充填後の多孔質磁性コア粒子の表面を樹脂で被覆する方法としては、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、乾式法、及び流動床の如き塗布方法により被覆する方法が挙げられる。中でも、充填後の多孔質磁性コア粒子を適度に表面に露出させることができる浸漬法または乾式法が好ましい。
【0067】
被覆する樹脂の量としては、樹脂を充填した後の多孔質磁性コア粒子100質量部に対し、0.1質量部以上5.0質量部以下であることが、充填後の多孔質磁性コア粒子を表面に適度に露出させることができ、好ましい。
【0068】
次に、多孔質磁性コアについて説明する。
多孔質磁性コア粒子は、磁性コア粒子の表面から内部に続く孔を有することが重要である。孔に樹脂を充填することで、磁性キャリアは、高い現像性を得ることができる。
【0069】
また、比抵抗測定において、多孔質磁性コア粒子は、ブレークダウンする寸前の電界強度が、400V/cm以上1000V/cm以下であることが、磁性キャリア粒子の表面での磁性コア粒子の表面を部分的に露出をさせた場合に、磁性キャリアのブレークダウンする寸前の電界強度をコントロールしやすく好ましい。より好ましくは、多孔質磁性コア粒子は、ブレークダウンする寸前の電界強度が、500V/cm以上700V/cm以下である。多孔質磁性コア粒子のブレークダウンする寸前の電界強度が、1000V/cm以下であることで、磁性キャリアは、ブレークダウンする寸前の電界強度を所望の値にすることができる。ブレークダウンをより低い現像電界において起こすことにより、高現像性が得られるようになり、白抜けの如き画像欠陥を改善することができる。多孔質磁性コア粒子のブレークダウンする寸前の電界強度が、400V/cm以上であることで、より低電界強度の現像においてもリークを防止するために好ましい。
【0070】
本発明に用いられる多孔質磁性コア粒子は、電界強度300V/cmにおける比抵抗が、1.0×106Ω・cm以上5.0×107Ω・cm以下であることが好ましい。より好ましくは、電界強度300V/cmにおける比抵抗が、3.0×106Ω・cm以上3.0×107Ω・cm以下である。多孔質磁性コア粒子の比抵抗が1.0×106Ω・cm以上5.0×107Ω・cm以下であると、磁性キャリアは、現像リークが防止され、現像性が向上する。さらに、現像性の向上と共に、白抜けの如き画像欠陥を改善することができる。
【0071】
多孔質磁性コアの水銀圧入法による細孔径分布を測定した結果を図15A及び図15Bに示す。図15Aには、全測定領域を示してあり、孔径が96μmから0.003μmの範囲を測定する。測定条件は、後述する。孔径が10μmを越えるところにピークが存在するが、これは、多孔質磁性コア粒子の粒子間の空隙によるものである。図15Bに、図15Aから0.1μmから10μmの範囲を切り取ったグラフを示す。本発明においては、多孔質磁性コア粒子の内部の孔を示す領域として、0.1μm以上3.0μm以下の孔径の範囲を規定する。したがって、孔は、水銀圧入法における0.1μm以上3.0μm以下の孔径の範囲において、微分細孔容積が最大となる孔径が0.8μm以上1.5μm以下であることが好ましい。孔径が0.8μm以上1.5μm以下であることで、樹脂が内部に十分に充填されやすくなると同時に、多孔質磁性コア粒子の低抵抗な部分のつながりと高抵抗である樹脂の障壁が存在することで、磁性キャリアの現像性が向上する。孔の総容積としては、0.1μm以上3.0μm以下の孔径の範囲において、0.040ml/g以上0.120ml/g以下であることが現像性とカブリの抑制を両立する上で好ましい。さらに、磁性キャリアの強度が向上しトナースペントが抑制されるので好ましい。
【0072】
上記の如く、多孔質磁性コア粒子の材質としては、フェライトであることが好ましい。
フェライトとは次式で表される焼結体である。
【0073】
(M12O)x(M2O)y(Fe23z(式中、M1は1価、M2は2価の金属であり、x+y+z=1.0とした時、x及びyは、それぞれ0≦(x,y)≦0.8であり、zは、0.2<z<1.0である。)
該式中において、M1及びM2としては、Li、Fe、Mn、Mg、Sr、Cu、Zn、Ni、Co、Caからなる群から選ばれる1種類以上の金属原子を用いることが好ましい。
【0074】
磁性のLi系フェライト(例えば、(Li2O)a(Fe23b(0.0<a<0.4,0.6≦b<1.0、a+b=1)、(Li2O)a(SrO)b(Fe23c(0.0<a<0.4、0.0<b<0.2、0.4≦c<1.0、a+b+c=1));Mn系フェライト(例えば、(MnO)a(Fe23b(0.0<a<0.5、0.5≦b<1.0、a+b=1));Mn−Mg系フェライト(例えば、(MnO)a(MgO)b(Fe23c(0.0<a<0.5、0.0<b<0.5、0.5≦c<1.0、a+b+c=1));Mn−Mg−Sr系フェライト(例えば、(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe23d(0.0<a<0.5、0.0<b<0.5、0.0<c<0.5、0.5≦d<1.0、a+b+c+d=1);Cu−Zn系フェライト(例えば、(CuO)a(ZnO)b(Fe23c(0.0<a<0.5、0.0<b<0.5、0.5≦c<1.0、a+b+c=1)。上記フェライトは微量の他の金属を含有していてもよい。
【0075】
結晶の成長の速度を容易にコントロールでき、多孔質磁性コアの比抵抗を好適にコントロールでき、ブレークダウンする寸前の電界強度を容易にコントロールできることから、Mn元素を含有する、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Mn−Mg−Sr系フェライトがより好ましい。
【0076】
多孔質磁性コアの抵抗及びブレークダウンする寸前の電界強度をコントロールする方法としては、フェライトの組成、出発原料の粒径及び粒度分布、仮焼温度、仮焼後の粒径や粒度分布、本焼成温度、本焼成時の雰囲気、多孔質構造や粒界の制御が挙げられる。
【0077】
多孔質磁性コアの体積分布基準50%粒径(D50)は、18.0μm以上68.0μm以下であることが、キャリア付着防止や耐トナースペント性の観点から好ましい。このような粒径の多孔質磁性コア粒子に樹脂を充填し、樹脂をコートすると、磁性キャリアとして、体積分布基準50%粒径(D50)が20.0μm以上70.0μm以下のものが得やすい。
【0078】
多孔質磁性コアの1000/4π(kA/m)における磁化の強さは、最終的に磁性キャリアとしての性能を発揮するために、50Am2/kg以上75Am2/kg以下であることが好ましい。磁性キャリアとして、ハーフトーン部の画質を左右するドットの再現性を向上させ、キャリア付着を防止し、また、トナースペントを防止して安定した画像を得ることができる。
【0079】
多孔質磁性コアの真比重は、最終的に磁性キャリアとして好適な真比重となるようにするため、4.2g/cm3以上5.9g/cm3以下であることが好ましい。
【0080】
以下に、多孔質磁性コアの製造工程を説明する。
【0081】
工程1(秤量・混合工程):
フェライトの原料を、秤量し、混合する。
フェライト原料としては、磁性コアの比抵抗やブレークダウンする寸前の電界強度を所望の値にコントロールするために、以下のものが挙げられる。
Li、Fe、Mn、Mg、Sr、Cu、Zn、Ni、Co、Caから選択される金属の粒子、金属元素の酸化物、金属元素の水酸化物、金属元素のシュウ酸塩、金属元素の炭酸塩。
混合する装置としては、ボールミル、遊星ミル、ジオットミルが挙げられる。特に水に60質量%乃至80質量%の固形分濃度としたスラリーを用いる湿式のボールミルが混合性と多孔質構造を形成するためには好ましい。
【0082】
工程2(仮焼成工程):
混合したフェライト原料をスプレードライヤーを用いて、造粒・乾燥した後、大気中で温度700℃以上1000℃以下にして、0.5時間以上5.0時間以下で仮焼成し、原料をフェライトにする。温度1000℃を超えると焼結が進み、多孔質にするための粒径まで粉砕することができにくくなる場合がある。
【0083】
工程3(粉砕工程):
工程2で作製した仮焼フェライトを粉砕機で粉砕する。
粉砕機としては、クラッシャーやハンマーミル、ボールミル、ビーズミル、遊星ミル、ジオットミルが挙げられる。
【0084】
仮焼フェライトの粉砕粉の体積基準の50%粒径(D50)は、0.5μm以上3.0μm以下にすることが好ましい。こうすることで、形状が略球形のキャリア粒子を得ることができ、多孔質磁性コア粒子の孔径の大きさを容易にコントロールすることができる。
【0085】
また、仮焼フェライトの粉砕粉の体積基準の90%粒子径(D90)は2.0μm以上5.0μm以下とすることが好ましい。こうすることで、所望の多孔質構造が形成でき、孔径がコントロールしやすく、磁性キャリアとして、良好な抵抗値が得られ、ブレークダウンする寸前の電界強度を所望の値に容易にコントロールすることができる。
【0086】
仮焼フェライトの粉砕粉を上記の粒径にするために、ボールミルやビーズミルでは用いるボールやビーズの素材、運転時間を制御することが好ましい。具体的には、仮焼フェライトの粒径を小さくするためには、比重の重いボールを用い、粉砕時間を長くすればよい。ボールやビーズの素材としては、所望の粒径が得られれば、特に限定されない。また、粒度分布を広くするために粉砕粒度の異なる粉砕粉を混合して用いることもできる。
【0087】
ボールやビーズの素材としては、以下のものが挙げられる。ソーダガラス(比重2.5g/cm3)、ソーダレスガラス(比重2.6g/cm3)、高比重ガラス(比重2.7g/cm3)等のガラスや、石英(比重2.2g/cm3)、チタニア(比重3.9g/cm3)、窒化ケイ素(比重3.2g/cm3)、アルミナ(比重3.6g/cm3)、ジルコニア(比重6.0g/cm3)、スチール(比重7.9g/cm3)、ステンレス(比重8.0g/cm3)。中でも、アルミナ、ジルコニア、ステンレスは、耐磨耗性に優れているために好ましい。
【0088】
ボールやビーズの粒径は、所望の粉砕粒径が得られれば、特に限定されない。例えば、ボールとしては、直径(φ)5mm以上φ20mmのものが好適に用いられる。また、ビーズとしてはφ0.1mm以上φ5mm未満のものが好適に用いられる。
【0089】
また、ボールミルやビーズミルは、粉砕効率が高く仮焼フェライトの粉砕品の粒度分布のコントロールが容易になるため、乾式より水を用いたスラリーの如き、湿式の方がより好ましい。
【0090】
工程4(造粒工程):
仮焼フェライトの粉砕品に対し、水、バインダーと、必要に応じて孔調整剤としての発泡剤や有機微粒子、Na2CO3を加える。
バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコールが好適に用いられる。
工程3において、湿式で粉砕した場合は、フェライトスラリー中に含まれている水も考慮し、バインダーと必要に応じて、孔調整剤を加えることが好ましい。多孔質の程度をコントロールするため、スラリーの固形分濃度を50質量%以上80質量%以下にして、造粒することが好ましい。
得られたフェライトスラリーを、噴霧乾燥機を用い、100℃以上200℃以下の加温雰囲気下で、造粒し乾燥する。
噴霧乾燥機としては、スプレードライヤーが多孔質磁性コア粒径を所望のところにできるために好適に使用できる。多孔質磁性コア粒径は、スプレードライヤーに用いられるディスクの回転数、噴霧量を適宜選択して、コントロールできる。
【0091】
工程5(本焼成工程):
次に、造粒品を温度800℃以上1200℃以下で1時間以上24時間以下で焼成する。さらに上記範囲内で焼成温度や焼成時間を制御することが好ましい。
焼成温度を上げ、焼成時間を長くすることで、多孔質磁性コアの焼成が進み、その結果、孔の径は小さく、かつ、孔の容積も減る。また、焼成する雰囲気を制御することで、多孔質磁性コアの比抵抗やブレークダウンする寸前の電界強度を好ましい範囲にコントロールすることができる。好ましくは、酸素濃度が0.1体積%以下、より好ましくは、0.01体積%以下とすることで、磁性コアの比抵抗を所望の範囲にすることができる。さらに、還元雰囲気下での焼成を行うことでより低抵抗化ができる。多孔質の構造と比抵抗の関係は、導電パスの関係上密接に相関するため、焼成温度と焼成雰囲気のコントロールは、非常に重要であり、上述の通り、温度コントロールと焼成時間、雰囲気調整を振れ幅が小さくなるよう制御することが重要である。
【0092】
工程6(選別工程):
以上の様に焼成した粒子を解砕した後に、必要に応じて、分級や篩で篩分して粗大粒子や微粒子を除去してもよい。
【0093】
多孔質磁性コアは、以下のようにして、その孔への樹脂の充填を行う。
多孔質磁性コア粒子内の孔に樹脂を充填させる方法としては、樹脂を溶剤に希釈し、これを多孔質磁性コア粒子内の孔に添加する方法がある。ここで用いられる溶剤は、樹脂を溶解できるものであればよい。有機溶剤に可溶な樹脂である場合は、有機溶剤として、トルエン、キシレン、セルソルブブチルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、又は、メタノールが挙げられる。また、水溶性の樹脂またはエマルジョンタイプの樹脂である場合には、溶剤として水を用いればよい。多孔質磁性コア粒子の孔に、樹脂を充填する方法としては、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、及び流動床の如き塗布方法により多孔質磁性コア粒子を樹脂溶液に含浸させ、その後、溶剤を揮発させる方法が挙げられる。
【0094】
上記樹脂溶液における樹脂固形分の量は、好ましくは1質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは1質量%以上30質量%以下である。50質量%以下であることで粘度がほどよくなり、多孔質磁性コア粒子の孔に樹脂溶液が均一に浸透しやすい。また、1質量%以上であると溶媒を除去するのに時間がかからず、充填の均一性が良好となる。
【0095】
また、固形分濃度のコントロールと、充填を行う際の溶媒を揮発させる速度をコントロールすることで、磁性キャリア粒子の表面における多孔質磁性コア粒子の露出度合いを制御できる。制御の結果、磁性キャリアとしての所望の比抵抗及びブレークダウンする寸前の所望の電界強度特性を得ることができる。用いる溶媒としては、揮発速度をコントロールしやすいトルエンが好ましい。
【0096】
次に、磁性キャリアと共に使用されるトナーについて説明する。
トナーは、平均円形度が0.940以上1.000以下であることが好ましい。トナーの平均円形度が上記の範囲内にある場合には、磁性キャリアとトナーとの離型性が良好となる。また、平均円形度が0.940以上0.965以下の範囲では、良好なクリーニング性が得られやすい。または、平均円形度が0.960以上1.000以下の範囲では、クリーナーレスのシステムに適応しやすい。平均円形度が0.940未満であると、現像性がやや劣るようになり、Vppを上げざるを得なくなるとリングマークが生じる場合がある。平均円形度は、一視野が512画素×512画素(1画素あたり0.37μm×0.37μm)のフロー式粒子像測定装置によって計測された円形度を、0.200以上1.000以下の円形度範囲に800分割し解析され、円相当径1.985以上39.69μm未満の範囲の円形度分布に基づくものである。
【0097】
平均円形度が上記範囲であるトナーと、本発明の磁性キャリアとを併用することにより、二成分系現像剤としての流動性を適度にコントロールできる。その結果、現像剤担持体上における二成分系現像剤の搬送性が良好となり、また、磁性キャリアからのトナー離れが良好となり、優れた現像性が得られるようになる。トナー粒径が大きく、円形度の高いトナーと用いた場合には、トナーと磁性キャリア間の離型性が高くなりすぎるために、現像剤担持体上で現像剤がスリップして、搬送不良をおこしやすくなる場合がある。また、トナー粒径が小さく、円形度の低いトナーと用いた場合には、トナーと磁性キャリアとの付着力が高すぎるために現像性が低下する場合がある。
【0098】
トナーは、トナーと磁性キャリアとをトナー濃度8質量%となるように混合して摩擦帯電量測定用現像剤を調製し、二成分法により該摩擦帯電量測定用現像剤の摩擦帯電量を測定した時、摩擦帯電量の絶対値が、40.0mC/kg以上80.0mC/kg以下であることが好ましい。トナーの摩擦帯電量の絶対値が40.0mC/kg以上のトナーを用いた二成分系現像剤では、本発明に好ましく用いられる着色力の高いトナーを用いた場合において、γ特性が急峻にならず、十分な階調性が取れ、長期使用によって濃度の変動が小さくなり、安定性がある。一方、上記トナーの摩擦帯電量の絶対値が80.0mC/kg以下であることで、十分な画像濃度や転写効率を高く維持できる。このことは、磁性キャリアや感光体表面との静電的付着力が適度になり、静電潜像にしっかり追従でき、さらに現像性が高い状態で維持できるようになったためと考えられる。上記トナーの摩擦帯電量の範囲にあることで、現像性とカブリや白抜けといった画像欠陥との両立を図る上でも好ましい。
【0099】
上記トナーの摩擦帯電量の絶対値を上記範囲に調整するためには、トナーからのアプローチとして、外添剤の種類、表面処理剤の種類、粒径、外添剤によるトナー粒子の被覆率を制御して用いる。磁性キャリアからのアプローチとして、磁性キャリアの充填する樹脂種やコート樹脂種、充填量やコート量を最適化したり、充填する樹脂やコート樹脂中に摩擦帯電付与性の粒子や荷電制御剤成分、荷電制御樹脂を添加する方法がある。
【0100】
本発明に好ましく用いられる着色力の高いトナーを用いた場合、上記のように高い摩擦帯電量のトナーが必要となる理由は次のように説明される。
【0101】
従来のトナーで、飽和画像濃度を得るためには、例えば、従来のトナーの摩擦帯電量の絶対値が30mC/kg、Vcont=400Vで、転写材上のトナーの載り量が0.60mg/cm2となる現像剤とシステムを仮定する。横軸にコントラスト電位、縦軸に画像濃度をとると、従来のトナーは、図3の曲線Aのようなγ特性となる。コントラスト電位を、トナーの電荷とトナー粒子で埋めることで現像を行っている。図4のa点は、従来のトナーによって飽和濃度が得られるポイントである。
【0102】
一方、本発明に好ましく用いられるトナーのような着色力が高いトナーを使った場合には、仮に着色力が従来のトナーに対して2倍となっているとすると、従来のトナーの半分の載り量0.30mg/cm2で飽和画像濃度が得られることになる。このため、Vcont=200Vである図4のb地点で、必要なトナーが現像されることになる。b地点から、さらにVcontを大きくしていくと、トナー載り量は増加していくが、画像濃度は飽和しており、それ以上濃度が上がることはない(図5のa2地点)。Vcont=400Vにするとトナーの載り量が0.60mg/cm2となり、a地点に至る。a地点では、着色力の高いトナーが過剰となり、暗く沈んだ画像となり、色相が大きく変化する。
【0103】
図7には、シアントナーのCIELABのa*b*平面の従来のトナーと着色力の高いトナーの色相のプロファイルを示した。実線が従来のトナー、点線が着色力の高いトナーであり、着色力の高いトナーで図5におけるb地点を超え、a2地点まで現像したときの色相のプロファイルである。a2地点にまで至ると、図7のa*軸側に曲線が曲がりこみ、色相が変化する(点線で示す)。明度の低下も同時に起こってしまう。そのため、画像濃度が飽和する最低量のトナー量で飽和画像濃度を出力すればよい。しかし、載り量0.30mg/cm2、Vcont=200Vで飽和する高着色力のトナーを現像するシステムを考えると、従来の半分のVcont(=200V)で階調を形成せざるを得ず、電位の変動に対する濃度変動が大きくなり、画像の安定性において課題が残る。
【0104】
載り量を半減させたまま、従来のトナーと同等のVcont(=400V)で階調を得る、つまり、図6の曲線C(破線)を横軸方向に拡大したような曲線A2(点線)にして、γ特性を従来のトナーのような緩やかな傾きにすることができれば、着色力の高いトナーが過剰に存在することによって引き起こされる色相の変化を抑制し、同時に電位変動に対する色相の安定性を向上させることができる。そのためには、従来のトナーの半分のトナー量で従来のトナーと同等のコントラスト電位Vcont(=400V)を埋めるために、トナーの摩擦帯電量を上げることが必要となる。本発明の着色力を高めたトナーを用いて、トナー載り量0.30mg/cm2、Vcont=400Vのコントラスト電位で、飽和画像濃度を得るためには、摩擦帯電量を従来のトナーの2倍である、摩擦帯電量の絶対値が60mC/kgのトナーとして、効率よく現像すれば、従来のトナーと同様のγ特性で階調を形成することが可能となる。着色力を高めたトナーで、転写材上のトナー載り量を減らしながら、高い諧調性を維持し、濃度変動を抑えるためには、高摩擦帯電量のトナーとして、効率よく現像することが必要になる。
【0105】
また、トナーは、重量平均粒径(D4)が3.0μm以上8.0μm以下であることが高画質及び耐久性を両立するために好ましい。重量平均粒径(D4)が上記の範囲内にある場合には、トナーの流動性が良好であり、十分な摩擦帯電量を得やすく、また、良好な解像度を得やすい。
【0106】
また、トナーは、結着樹脂と着色剤を含有するトナー粒子を有するものが用いられる。
【0107】
本発明に用いることが出来る結着樹脂は、トナーの保存性と低温定着性を両立するために、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布のピーク分子量(Mp)が2,000以上50,000以下、数平均分子量(Mn)が1,500以上30,000以下、重量平均分子量(Mw)が2,000以上1,000,000以下、ガラス転移点(Tg)が40℃以上80℃以下であることが好ましい。
【0108】
ワックスは、結着樹脂100質量部あたり0.5質量部以上20質量部以下使用されることが好ましく、より好ましくは2質量部以上15質量部以下である。また、ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度としては45℃以上140℃以下であることが好ましい。トナーの保存性とホットオフセット性を両立でき好ましい。
【0109】
ワックスとしては、以下のものが挙げられる。パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ベヘン酸ベヘニルエステルワックス、モンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。
【0110】
着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1乃至30質量部であり、より好ましくは0.5乃至20質量部であり、最も好ましくは3乃至18質量部である。特に、高着色力のブラックトナーにおいては、8乃至15質量部である。高着色力のマゼンタトナーにおいては、8乃至18質量部である。高着色力のシアントナーにおいては、6乃至12質量部である。高着色力のイエロートナーにおいては、8乃至17質量部である。着色剤の分散性や発色性の観点から上記の範囲で用いるのが好ましい。
【0111】
トナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。トナーに含有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの摩擦帯電スピードが速く且つ一定の摩擦帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。
【0112】
ネガ系荷電制御剤としては、サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ダイカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、スルホン酸塩或いはスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、カルボン酸塩或いはカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンが挙げられる。ポジ系荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、前記四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。荷電制御剤はトナー粒子に対して内添しても良いし外添しても良い。荷電制御剤の添加量は結着樹脂100質量部に対し0.2質量部以上10質量部以下が好ましい。
【0113】
トナーには、トナーとキャリアとの離型性を高めるためのスペーサー粒子として、個数分布基準の粒度分布における80nm以上200nm以下の範囲に極大値を少なくとも1つ以上有する無機粒子が外添されることが好ましい。
【0114】
更に、流動性や転写性の向上を狙って、トナー粒子にその他の無機粒子が添加されていてもよい。上記のトナー粒子表面に外添される無機粒子は、酸化チタン、アルミナ、シリカを含むことが好ましい。その粒径は、個数分布基準の粒度分布における10nm以上50nm以下の範囲に極大値を少なくとも1つ以上有する無機粒子を含有させることが好ましく、上記スペーサー粒子と共に併用することも好ましい形態である。
【0115】
該外添剤の総含有量は、トナー粒子100質量部に対して、0.3質量部以上5.0質量部以下であることが好ましく、0.8質量部以上4.0質量部以下であることがより好ましい。その中で個数分布基準の粒度分布における80nm以上200nm以下の範囲に極大値を少なくとも1つ以上有する無機粒子の含有量は、0.1質量部以上2.5質量部以下、より好ましくは、0.5質量部以上2.0質量部以下である。この範囲内であれば、スペーサー粒子として効果がより顕著となる。
【0116】
また、外添剤として用いられる無機粒子の表面は、疎水化処理をされていることが好ましい。
【0117】
疎水化処理された外添剤は、疎水化度が60以上92以下であることが好ましい。疎水化度とは、試料の水/メタノール濃度における濡れ性であり、疎水性の指標である。
【0118】
トナー粒子を製造する方法としては、少なくとも結着樹脂及び着色剤、その他の内添物を溶融混練し、混練物を冷却後、粉砕及び分級する粉砕方法;懸濁重合方法を用いて直接トナー粒子を生成する方法;少なくとも結着樹脂と着色剤とを溶剤中に溶解/膨潤/分散させた溶液をしかるべき粒径に分散させ、該溶剤を除去することによってトナー粒子を得る懸濁造粒方法;モノマーでは可溶であるが、重合体を形成すると不溶となるモノマーと水系有機溶媒を用いて直接トナー粒子を生成するモノマーには可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接トナー粒子を生成する分散重合方法;水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナー粒子を生成するソープフリー重合方法に代表される乳化重合方法を用いトナー粒子を製造する方法;少なくとも重合体微粒子及び着色剤微粒子を凝集して微粒子凝集体を形成する工程と該微粒子凝集体中の微粒子間の融着を起こさせる熟成工程を経て得られる乳化凝集法;がある。
【0119】
本発明において、もっとも良好に高着色力のトナーを製造できる粉砕法でのトナー製造手順について説明する。
【0120】
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、少なくとも結着樹脂、着色剤及びワックス、必要に応じて荷電制御剤等の他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサがある。
【0121】
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中に着色剤等を分散させる。その溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が好ましい。例えば、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出機、東芝機械社製TEM型2軸押出機、池貝鉄工製PCM混練機、ケイ・シー・ケイ社製2軸押出機、ブス社製コ・ニーダーが使用できる。
【0122】
より着色剤の分散を良好にするために、着色剤と結着樹脂とを着色剤のコンテンツを高めた状態で予め混練させたマスターバッチを用いて、さらに上述の混練(希釈混練)をすることができる。その着色剤マスターバッチを作る方法として着色剤合成後に、乾燥することなく含水状態(ペースト着色剤)で樹脂と加熱混合後、乾燥ペレット化する。混練装置としては、加熱ニーダー、一軸押し出し機、二軸押し出し機、ニーダーが挙げられ、特に好ましくは加熱ニーダーが挙げられる。マスターバッチにおける着色剤量は、20質量%以上50質量%以下であることが、希釈時のピグメントショック抑制や分散性を高める上で好ましい。
【0123】
更に、溶融混練することによって得られる着色された樹脂組成物は、2本ロールで圧延され、冷却工程で水によって冷却される。
【0124】
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。
【0125】
その後、必要に応じて慣性分級方式の日鉄鉱業社製エルボージェット、遠心力分級方式のホソカワミクロン社製ターボプレックスの如き分級機や篩分機を用いて分級し、トナー粒子を得る。
【0126】
また、必要に応じて、粉砕後に、奈良機械製作所製のハイブリタイゼーションシステム又はホソカワミクロン社製のメカノフージョンシステム、ファカルティ等を用いて、球形化処理の如きトナー粒子の表面改質処理を行うこともできる。
【0127】
また、重合法によりトナー粒子を生成する場合には、使用するモノマーとしては、ビニル系樹脂に用いられるモノマーが挙げられる。
【0128】
重合開始剤として、アゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤が用いられる。
【0129】
重合開始剤の添加量は、目的とする重合度により変化するが、一般的にはモノマーに対し0.5〜20質量%添加され用いられる。重合開始剤は、重合方法により若干異なるが、10時間半減期温度を参考に、単独又は混合し利用される。重合度を制御するための公知の架橋剤、連鎖移動剤、重合禁止剤を更に添加し用いることも可能である。
【0130】
トナーの製造方法として懸濁重合を利用する場合には、分散剤を用いてもよい。用いる分散剤としては、無機系酸化物化合物や有機系化合物が挙げられる。
【0131】
これら分散剤は水相に分散させて使用される。これら分散剤の好ましい配合量は、モノマー100質量部に対して0.2乃至10.0質量部である。
【0132】
これら分散剤は、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい均一な粒度を有する分散粒子を得るために、分散媒中に、高速撹拌下にて該無機化合物を生成させることも出来る。例えば、リン酸三カルシウムの場合、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を高速撹拌下において混合することで懸濁重合により好ましい分散剤を得ることが出来る。
【0133】
また、モノマー100質量部に対して0.001乃至0.1質量部の界面活性剤を併用しても良い。
【0134】
トナーと磁性キャリアとをトナー濃度8質量%として二成分法により測定した摩擦帯電量は、トナー濃度が8質量%となるように調製した現像剤をV型混合機により0.63S-1で10分間振とうさせる。10分間混合した際の摩擦帯電量の絶対値をもって摩擦帯電量とする。さらに、耐久を行った現像剤に関しては、トナー濃度が8質量%になるまで、画出しをする。その場合、トナー濃度を高める場合には、印字比率1%で、補給量を消費するトナーの1.01倍にする。トナー濃度を低める場合には、印字比率20%で無補給とする。上記の範囲であれば、高画質な画像を得やすく、カブリのない画像を得えられやすい。さらに、高着色力のトナーにおいては、Vcontを十分にとることができ、階調性に優れた画像を出力できる。
【0135】
本発明においては、補給されるトナーは、トナーのみを補給してもよいが、トナーに少量の磁性キャリアを予め混合して補給用現像剤として用いることが好ましい。より高摩擦帯電量にするため、トナーの摩擦帯電を促進できるために好ましい。トナーに対する磁性キャリアの割合は、トナー/磁性キャリアが、質量比で2/1乃至50/1であることが、摩擦帯電の促進のために好ましい。
【0136】
本発明における画像形成方法について説明する。
【0137】
図8は、本発明の画像形成方法をフルカラー画像形成装置に適用した概略図の一例を示す。
図中のK、Y、C、Mなどの画像形成ユニットの並びや回転方向を示す矢印は何らこれに限定されるものではない。ちなみにKはブラック、Yはイエロー、Cはシアン、Mはマゼンタを意味している。図8において、静電潜像担持体である感光体41K、41Y、41C、41Mは図中矢印方向に回転する。各感光体は帯電手段である帯電装置42K、42Y、42C、42Mにより帯電され、帯電した各電子写真感光体表面には、静電潜像形成手段である露光装置43K、43Y、43C、43Mによりレーザー光を投射し、静電潜像を形成する。その後、現像手段である現像装置44K、44Y、44C、44Mに具備される現像剤担持体57K、57Y、57C、57M上に担持された二成分系現像剤(図示しない)により静電潜像はトナー像として可視像化され、転写手段である転写装置45K、45Y、45C、45Mにより中間転写体46に転写される。さらに転写手段である転写装置47により、転写材Pに転写され、転写材Pは、定着手段である定着装置48により加熱圧力定着され、画像として出力される。そして51は転写ベルトのクリーニング部材であり、転写残トナーなどを回収する。
【0138】
また、図9には、本発明の画像形成方法をフルカラー画像形成装置に適用した概略図を示す。この装置においては、感光体上に残存した転写残トナーを回収し貯蔵するための独立したクリーニング手段を有さず、現像手段がトナー像を転写材上に転写した後に像担持体に残留したトナーを回収する現像同時クリーニング方法を行っている。
【0139】
フルカラー画像形成装置本体には、第1画像形成ユニットPa、第2画像形成ユニットPb、第3画像形成ユニットPc及び第4画像形成ユニットPdが併設され、各々異なった色の画像が潜像形成、現像、転写のプロセスを経て転写材上に形成される。
【0140】
画像形成装置に併設される各画像形成ユニットの構成について第1の画像形成ユニットPaを例に挙げて説明する。
【0141】
第1の画像形成ユニットPaは、像担持体(静電潜像担持体)としての直径60mmの感光体61aを具備し、この感光体61aは矢印a方向へ回転移動される。帯電手段としての一次帯電器の如き帯電ローラー62aは、直径16mmのスリーブの表面に形成された帯電用磁気ブラシが感光体61aの表面に接触するように配置されている。露光光67aは、帯電ローラー62aにより表面が均一に帯電されている感光体61aに静電潜像を形成するために、図示されていない露光装置により照射される。感光体61a上に担持されている静電潜像を現像してカラートナー像を形成するための現像手段としての現像器63aは、カラートナーを保持している。転写手段としての転写ブレード64aは、感光体61aの表面に形成されたカラートナー像をベルト状の転写材担持体68によって搬送されて来る転写材(記録材)の面に転写する。この転写ブレード64aは、転写材担持体68の裏面に当接して転写バイアスを印加し得るものである。
【0142】
第1の画像形成ユニットPaは、帯電ローラー62aによって感光体61aを均一に一次帯電した後、露光装置からの露光光67aにより感光体に静電潜像を形成し、現像器63aで静電潜像を、カラートナーを用いて現像する。この現像されたトナー像を第1の転写部(感光体と転写材の当接位置)で転写材を担持搬送するベルト状の転写材担持体68の裏面側に当接する転写ブレード64aから転写バイアスを印加することによって転写材の表面に転写する。
【0143】
現像によりトナーが消費され、T/C(トナー/磁性キャリア)比が低下すると、その低下をコイルのインダクタンスを利用して現像剤の透磁率の変化を測定するトナー濃度検知センサー85で検知し、消費されたトナー量に応じて補給用現像剤容器65aから補給用現像剤を補給する。なお、トナー濃度検知センサー85は図示されないコイルを内部に有している。
【0144】
本画像形成装置は、第1の画像形成ユニットPaと同様の構成で、現像装置に保有されるカラートナーの色の異なる第2の画像形成ユニットPb、第3の画像形成ユニットPc、第4の画像形成ユニットPdの4つの画像形成ユニットを併設するものである。例えば、第1の画像形成ユニットPaにイエロートナー、第2の画像形成ユニットPbにマゼンタトナー、第3の画像形成ユニットPcにシアントナー、及び第4の画像形成ユニットPdにブラックトナーをそれぞれ用いる。それより、各画像形成ユニットの転写部で各カラートナーの転写材上への転写が順次行なわれる。この工程で、レジストレーションを合わせつつ、同一転写材上に一回の転写材の移動で各カラートナーは重ね合わせられ、終了すると分離帯電器69によって転写材担持体68上から転写材が分離される。その後、搬送ベルトの如き搬送手段によって定着装置70に送られ、ただ一回の定着によって最終のフルカラー画像が得られる。
【0145】
定着装置70は、一対の直径80mmの定着ローラー71と直径60mmの加圧ローラー72を有し、定着ローラー71は、内部に加熱手段75及び76を有している。
【0146】
転写材上に転写された未定着のカラートナー像は、この定着装置70の定着ローラー71と加圧ローラー72との圧接部を通過することにより、熱及び圧力の作用により転写材上に定着される。定着装置に用いられる部材としては、上ローラーと下ローラーの組合せ、上ベルトと下ローラーの組合せ、上ローラーと下ベルトの組合せ、上ベルトと下ベルトの組合せのいずれの組合せであってもよい。
【0147】
図9において、転写材担持体68は、無端のベルト状部材であり、このベルト状部材は、駆動ローラー80によって矢印e方向に移動するものである。他に、転写ベルトクリーニング装置79、ベルト従動ローラー81、ベルト除電器82を有し、一対のレジストローラー83は転写材ホルダー内の転写材を転写材担持体68に搬送するためのものである。
【0148】
転写手段としては、転写材担持体68の裏面側に当接する転写ブレード64aに代えて、ローラー状の転写ローラーを転写材担持体68の裏面側に当接して転写バイアスを直接印加可能とした接触転写手段を用いることも可能である。
【0149】
さらに、上記の接触転写手段に代えて一般的に用いられている転写材担持体68の裏面側に非接触で配置されているから転写バイアスを印加して転写を行う非接触の転写手段を用いることも可能である。しかしながら、転写バイアス印加時のオゾンの発生量を制御できる点で接触転写手段を用いることが、より好ましい。
【0150】
本発明においては、転写材に形成される単色ベタ画像部分のトナーの載り量が0.30mg/cm2のとき、定着後の画像濃度が1.30以上1.60以下であることが好ましい。トナーの載り量が、0.30mg/cm2と従来よりも少ない状態で、高い画像濃度が得られることで、例えば、画像に偏りがあり、その同一画像が多数枚装置から排出される場合など、積載性が良好になる。さらには、ベタ画像を出力した場合に紙のカールが軽減できるなど好ましい。また、転写工程において、トナーの載り量が多い場合に比べ、飛び散りに非常に効果があるため好ましい。しかし、高い着色力を持つトナーは、カブリにおいては、1粒の濃度が濃いために目立ちやすい。また、ドットの再現性が乱れたときのガサツキなども目立ちやすい。したがって、トナー帯電量が高いトナーによりカブリを防止し、その場合でも現像性が十分となる本発明の磁性キャリアを用いることにより、システムとして成り立つ。
【0151】
磁性キャリアとして、低比重であり、低磁気力となる多孔質磁性コアに樹脂を充填したものを用いることで、現像部において、磁気ブラシが柔軟になり、ドット再現性が良好となる。また、トナーの摩擦帯電量を高くすることで、カブリの発生を抑制できる。
【0152】
本発明における現像工程は、現像剤担持体上に本発明の二成分系現像剤で磁気ブラシを形成し、該静電潜像担持体と該現像剤担持体との間(S−Dギャップ)に、磁気ブラシを接触させた状態で現像バイアスを印加して電界を形成し、該静電潜像をトナーにより現像する。
【0153】
具体的には、現像剤担持体(現像スリーブ)の内部に現像極が800ガウス以上1500ガウス以下の磁石を内包し、現像剤層厚規制部材により所定の層厚にコートし、該現像剤担持体表面に二成分系現像剤の磁気ブラシを形成させる。その後、静電現像担持体に対向する現像領域へと搬送し、該静電潜像担持体と該現像剤担持体との間(S−Dギャップ)に、該磁気ブラシを接触させた状態で直流電界に交番電界を重畳してなる現像バイアス印加して電界を形成し、該静電潜像の現像を行う。
【0154】
S−Dギャップは、100μm以上500μm以下の間隔、通常は約300μm離した空間を設けて配置することが現像性やキャリア付着を防止するためには好ましい。
【0155】
交番電界条件としては、周波数が500Hz以上、3000Hz以下、ピーク間電圧(Vpp)が500V以上1800V以下であり、好ましくは、700V以上1500V以下である。直流電界条件としては、絶対値が200V以上550V以下である。これらを重畳した現像バイアスが、現像性、画質の向上やキャリア付着防止の観点で好ましい。
【0156】
Vppは、できる限り下げたほうがキャリア付着の観点では好ましいが、下げた場合には、現像性が著しく低下し、ハーフトーン部の画質も低下する。Vppを高くした場合には、現像性は十分なものが得られる反面、転写材(記録紙)上にリング状又はスポット状の模様が生じる現象が発生する場合がある。
【0157】
<磁性キャリア及び多孔質磁性コアのブレークダウンする寸前の電界強度及び比抵抗の測定>
磁性キャリア及び多孔質磁性コアのブレークダウンする寸前の電界強度及び比抵抗は、図1A及び図1Bに概略される測定装置を用いて測定される。多孔質磁性コアの測定には、樹脂充填や樹脂被覆する前の試料を用いて測定する。
【0158】
抵抗測定セルAは、断面積2.4cm2の穴の開いた円筒状のPTFE樹脂容器1、下部電極(ステンレス製)2、支持台座(PTFE樹脂製)3、上部電極(ステンレス製)4から構成される。支持台座3上に円筒状のPTFE樹脂容器1を載せ、試料(磁性キャリア或いは多孔質磁性コア)5を厚さ約1mmになるように充填し、充填された試料5に上部電極4を載せ、試料の厚みを測定する。図1Aに示す如く、試料のないときの間隙をd1とし、図1Bに示す如く、厚さ約1mmになるように試料を充填したときの間隙d2とすると、試料の厚みdは下記式で算出される。
d=d2−d1
この時、試料の厚みが0.95mm以上1.04mmとなるように試料の質量を適宜変えることが重要である。
【0159】
電極間に直流電圧を印加し、そのときに流れる電流を測定することによって磁性キャリア及び多孔質磁性コアのブレークダウンする寸前の電界強度及び比抵抗を求めることができる。測定には、エレクトロメーター6(ケスレー6517A ケスレー社製)及び制御用にコンピュータ7を用いる。
【0160】
制御用コンピュータにナショナルインスツルメンツ社製の制御系と制御ソフトウエア(LabVEIW ナショナルインスツルメンツ社製)を用いたソフトウエアにより行う。測定条件として、試料と電極との接触面積S=2.4cm2、試料の厚み0.95mm以上1.04mm以下になるように実測した値dを入力する。また、上部電極の荷重120g、最大印加電圧1000Vとする。
【0161】
電圧の印加条件は、制御用コンピュータとエレクトロメーター間の制御にIEEE−488インターフェースを用いて、エレクトロメーターの自動レンジ機能を利用し、1V(2V)、2V(2V)、4V(2V)、8V(2V)、16V(2V)、32V(2V)、64V(2V)、128V(2V)、256V(2V)、512V(2V)、1000Vの電圧を1秒間ずつ印加するスクリーニングを行う。その際に最大1000V(例えば、1.00mmの試料厚みの場合は、電界強度としては、10000V/cm)まで印加可能かどうかをエレクトロメーターが判断し、過電流が流れる場合、「VOLTAGE SOURCE OPERATE」が点滅する。すると印加電圧を下げて、印加可能な電圧をさらにスクリーニングし、印加電圧の最大値を自動的に決める。その後、本測定を行う。その最大電圧値を5分割した電圧を各ステップとして30秒間保持させた後の電流値から抵抗値を測定する。例えば、最大印加電圧が1000Vの場合には、200V(第1ステップ)、400V(第2ステップ)、600V(第3ステップ)、800V(第4ステップ)、1000V(第5ステップ)、1000V(第6ステップ)、800V(第7ステップ)、600V(第8ステップ)、400V(第9ステップ)、200V(第10ステップ)と最大印加電圧の1/5である200V刻みで電圧を上げた後下げていくような順で印加し、それぞれのステップで30秒保持後の電流値から抵抗値を測定する。
【0162】
実施例1に用いられる多孔質磁性コアの場合には、スクリーニング時には、1V(2V)、2V(2V)、4V(2V)、8V(2V)、16V(2V)、32V(2V)、64V(2V)、128V(2V)の電圧を1秒間ずつ印加され、「VOLTAGE SOURCE OPERATE」の表示が64Vまでは、点灯し、128Vで「VOLTAGE SOURCE OPERATE」の表示が点滅した。次に90.5V(26.5V)では点滅し、68.6V(26.1V)で点灯、73.5V(26.2V)で点滅、というように最大印加可能な電圧を収束させて、その結果、最大印加電圧が69.8Vとなる。69.8Vの1/5の値の14.0V(第1ステップ)、2/5の値の27.9V(第2ステップ)、3/5の値の41.9V(第3ステップ)、4/5の値の55.8V(第4ステップ)、5/5の値の69.8V(第5ステップ)、69.8V(第6ステップ)、55.8V(第7ステップ)、41.9V(第8ステップ)、27.9V(第9ステップ)、14.0V(第10ステップ)の順で印加する。そこで得られる電流値をコンピュータにより処理することで、試料厚み0.97mm、電極面積から電界強度及び比抵抗を算出して、グラフにプロットする。その場合、最大印加電圧から電圧を下げていく5点(表1A中の第6ステップから第10ステップまで)をプロットする。なお、各ステップでの測定において、「VOLTAGE SOURCE OPERATE」が点滅し、過電流が流れた場合には、測定上、抵抗値が0と表示される。この現象をブレークダウンすると定義する。この「VOLTAGE SOURCE OPERATE」が点滅する現象をもって、ブレークダウンする寸前の電界強度と定義する。したがって、「VOLTAGE SOURCE OPERATE」が点滅し、かつ、上述したプロファイルの最大電界強度のプロットされる点をもって、ブレークダウンする寸前の電界強度と定義する。最大印加電圧がかかった場合に「VOLTAGE SOURCE OPERATE」が点滅した場合、抵抗値が0とならず、プロットができる場合には、その点をもって、ブレークダウンする寸前の電界強度とする。表1Aに示す実施例1の多孔質磁性コアの場合には、55.8Vであり、電界強度として5.76×10V/cmとなる。また、磁性キャリアの場合には、319Vであり、電界強度として3.13×103V/cmとなる。尚、比抵抗、電界強度は、下記式にて求められる。
比抵抗(Ω・cm)=(印加電圧(V)/測定電流(A))×S(cm2)/d(cm)
電界強度(V/cm)=印加電圧(V)/d(cm)
【0163】
図2に実施例1に用いられる磁性キャリア及び多孔質磁性コアに関して、プロットを行った結果を示す。
図2では、磁性キャリアの電界強度1000V/cmにおける比抵抗は、グラフ上電界強度1000V/cmにおける比抵抗をグラフから読み取る。本発明の実施例1に用いられる磁性キャリアの場合は、交点が存在しないので、1560V/cmの値と3130V/cmの値とを結ぶ直線を外挿し(図中、破線で示す)電界強度1000V/cmの縦線との交点をもって、電界強度1000V/cmの比抵抗値とする。従って、本発明の実施例1に用いられる磁性キャリアの場合は、電界強度1000V/cmの比抵抗値は、4.0×107Ω・cmとなる。同様に、電界強度2000V/cmの縦線との交点をもって、電界強度2000V/cmの比抵抗値とする。また、交点が存在しない場合には、外挿する側2点を直線で結ぶ外挿を行い、電界強度2000V/cmの縦線との交点をもって、電界強度2000V/cmの比抵抗値とする。ブレークダウンする寸前の電界強度は、プロファイルの最大電界強度の点をグラフから読み取る。
【0164】
多孔質磁性コアを測定する場合は、磁性キャリアと同様にして、電界強度300V/cmにおける比抵抗及びブレークダウンする寸前の電界強度をグラフ上から読み取ることで、求めることができる。
【0165】
表1B及び図12に実施例12に用いられる磁性キャリア16及び多孔質磁性コア10に関して、実測した結果及びプロットを行った結果を示す。
【0166】
図13には、比較例9、10、11に用いる多孔質磁性コア16、17、18の比抵抗グラフを示す。図中、点線で示すようにいずれの多孔質磁性コアも電界強度300V/cmにおけるプロットが存在しないため、電界強度3850V/cmの点と電界強度1920V/cmの点から外挿(比較例9)、電界強度4080V/cmの点と電界強度2040V/cmの点から外挿(比較例10)、電界強度4120V/cmの点と電界強度2060V/cmの点から外挿(比較例11)を行い、電界強度300V/cmの縦線(点線で示す)との交点をもって、電界強度300V/cmの比抵抗とする。
【0167】
図14には、比較例5、6に用いる多孔質磁性コア9、樹脂を充填した磁性キャリア14(比較例5)、樹脂を充填した粒子にさらに樹脂被覆した磁性キャリア15(比較例6)の比抵抗グラフを示す。いずれの磁性キャリアともに電界強度10000V/cmまでブレークダウンしなかった。電界強度1000V/cm及び2000V/cmにおける比抵抗値は、それぞれ、1.7×10Ω・cm、1.1×10Ω・cm(比較例6)、1.4×1011Ω・cm、5.6×1010Ω・cm(比較例5)であった。また、多孔質磁性コアのブレークダウンする寸前の電界強度は、5040V/cmであった。電界強度300V/cmにおけるプロットが存在しないため、2020V/cmの値と1010V/cmの値とを結ぶ直線を外挿し、電界強度300V/cmにおける比抵抗値とする。従って、電界強度300V/cmにおける比抵抗値は、5.2×1010Ω・cmとなる。
【0168】
【表1A】
【0169】
【表1B】
【0170】
<多孔質磁性コアの孔径および総孔容積の測定>
多孔質磁性コアの孔径分布(又は、「細孔径分布」と称す)は、水銀圧入法により測定される。測定原理は、以下の通りである。
【0171】
本測定では、水銀に加える圧力を変化させ、その際の孔中に進入した水銀の量を測定する。孔内に水銀が侵入し得る条件は、圧力P、孔直径D、水銀の接触角と表面張力をそれぞれθとσとすると、力の釣り合いからPD=−4σCOSθで表せる。接触角と表面張力を定数とすれば、圧力Pとそのとき水銀が侵入し得る孔直径Dは反比例することになる。このため、圧力Pとそのときに侵入する液量Vを、圧力を変えて測定し得られる、P−V曲線の横軸Pを、そのままこの式から孔直径に置き換え、孔分布を求めている。
【0172】
測定装置としては、ユアサアイオニクス社製 全自動多機能水銀ポロシメータPoreMasterシリーズ・PoreMaster−GTシリーズや、島津製作所社製 自動ポロシメータオートポアIV 9500 シリーズ等を用いて測定することができる。
【0173】
具体的には、株式会社 島津製作所のオートポアIV9520を用いて、下記条件・手順で測定を行った。
測定条件
測定環境 20℃
測定セル 試料体積 5cm3、圧入体積 1.1cm3、用途 粉体用
測定範囲 2.0psia(13.8kPa)以上59989.6psia(413.7Mpa)以下
測定ステップ 80ステップ
(孔径を対数で取ったときに等間隔になるようにステップを刻む)
圧入体積 25%以上70%以下になるように調節
低圧パラメーター 排気圧力 50μmHg
排気時間 5.0min
水銀注入圧力 2.0psia(13.8kPa)
平衡時間 5secs
高圧パラメーター 平衡時間 5secs
水銀パラメーター 前進接触角 130.0degrees
後退接触角 130.0degrees
表面張力 485.0mN/m(485.0dynes/cm)
水銀密度 13.5335g/mL
測定手順
(1)多孔質磁性コアを、約1.0g秤量し試料セルに入れる。
秤量値を入力する
(2)低圧部で2.0psia(13.8kPa)以上45.8psia(315.6kPa)以下の範囲を測定。
(3)高圧部で45.9psia(316.3kPa)以上59989.6psia(413.6Mpa)以下の範囲を測定。
(4)水銀注入圧力及び水銀注入量から、孔径分布を算出する。
(2)、(3)、(4)は、装置付属のソフトウエアにて、自動で行った。
【0174】
上記の様にして計測した孔径分布を図15A及び図15Bに示す。図15Aに、全測定領域の図を示し、図15Bに0.1μm以上10.0μm以下の範囲の部分を切り出した図を示す。図15Bより、0.1μm以上3.0μm以下の細孔径の範囲における微分孔容積が極大となる孔径を読み取り(点線で示す)、それをもって、微分孔容積が極大となる細孔径とする。
【0175】
また、0.1μm以上3.0μm以下の細孔径の範囲における総孔容積を付属のソフトウエアを用いて、算出した。
<磁性キャリア及び多孔質磁性コアの体積分布基準50%粒径(D50)の測定方法>
粒度分布測定は、レーザー回折・散乱方式の粒度分布測定装置「マイクロトラックMT3300EX」(日機装社製)にて測定を行った。測定には、乾式測定用の試料供給機「ワンショットドライ型サンプルコンディショナーTurbotrac」(日機装社製)を装着して行った。Turbotracの供給条件として、真空源として集塵機を用い、風量約33リットル/sec、圧力約17kPaとした。制御は、ソフトウエア上で自動的に行う。粒径は体積基準の累積値である50%粒径(D50)を求める。制御及び解析は付属ソフト(バージョン10.3.3−202D)を用いて行う。
【0176】
測定条件は、以下の通りである。
SetZero時間 :10秒
測定時間 :10秒
測定回数 :1回
粒子屈折率 :1.81
粒子形状 :非球形
測定上限 :1408μm
測定下限 :0.243μm
測定環境 :常温常湿環境(23℃50%RH)
【0177】
<仮焼フェライト微粉砕品の体積分布基準50%粒径(D50)、体積分布基準90%粒径(D90)の測定方法>
仮焼フェライト(フェライトスラリー)の体積分布基準の50%粒径(D50)、体積分布基準の90%粒径(D90)の測定では、レーザー回折・散乱方式の粒度分布測定装置「マイクロトラックMT3300EX」(日機装社製)を用いる。湿式用の試料循環器「Sample Delivery Control(SDC)」(日機装社製)を装着して行った。イオン交換水を循環させ、試料循環器にフェライトスラリーを測定濃度になるように滴下した。流速70%、超音波出力40W、超音波時間60秒とした。制御及びD50、D90の算出方法については、以下の条件で、ソフトウエア上で自動的に行う。粒径は体積基準の累積値である50%粒径(D50)、90%粒径(D90)を求める。測定条件は下記の通りである。
SetZero時間 :10秒
測定時間 :30秒
測定回数 :10回
溶媒屈性率 :1.33
粒子屈折率 :2.42
粒子形状 :非球形
測定上限 :1408μm
測定下限 :0.243μm
測定環境 :常温常湿環境(23℃50%RH)
【0178】
<磁性キャリア及び多孔質磁性コアの磁化の強さの測定方法>
磁性キャリア及び多孔質磁性コアの磁化の強さは、振動磁場型磁気特性測定装置(Vibrating sample magnetometer)や直流磁化特性記録装置(B−Hトレーサー)で求めることが可能である。後述の実施例においては、振動磁場型磁気特性測定装置BHV−30(理研電子(株)製)で以下の手順で測定する。
円筒状のプラスチック容器に磁性キャリア又は多孔質磁性コアを十分に密に充填したものを試料とする。該容器に充填した試料の実際の質量を測定する。その後、瞬間接着剤により試料が動かないようにプラスチック容器内の試料を接着固定する。
標準試料を用いて、5000/4π(kA/m)での外部磁場軸及び磁化モーメント軸の校正を行う。
スイープ速度5min/roopとし、1000/4π(kA/m)の外部磁場を印加した磁化モーメントのループから磁化の強さを測定した。これらより、試料重さで除して、磁性キャリア及び多孔質磁性コアの磁化の強さ(Am2/kg)を求める。
【0179】
<磁性キャリア及び多孔質磁性コアの真密度の測定方法>
磁性キャリア及び多孔質磁性コアの真比重は、乾式自動密度計アキュピック1330(島津製作所社製)を用い測定する。まず、23℃50%RHの環境に24時間放置した試料を5g精秤し、測定用セル(10cm3)に入れ、本体試料室に挿入する。測定は、試料重量を本体に入力し測定をスタートさせることにより自動測定できる。
自動測定の測定条件は、20.000psig(2.392×102kPa)で調整されたヘリウムガスを用い、試料室内に10回パージした後、試料室内の圧力変化が0.005psig/min(3.447×10-2kPa/min)になる状態を平衡状態とし、平衡状態になるまで繰り返しヘリウムガスをパージする。平衡状態の時の本体試料室の圧力を測定する。その平衡状態に達した時の圧力変化により試料体積が算出できる。(ボイルの法則)
試料体積が算出できることにより、以下の式で試料の真比重が計算できる。
試料の真比重(g/cm3)=試料重量(g)/試料体積(cm3
この自動測定により5回繰り返し測定した値の平均値を磁性キャリア及び多孔質磁性コアの真比重(g/cm3)とする。
【0180】
<トナー及びトナー粒子の重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナー及びトナー粒子の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出した。
【0181】
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
【0182】
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行った。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
【0183】
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフト(「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」)でグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
【0184】
<トナー及びトナー粒子の平均円形度の測定方法>
トナー及びトナー粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
【0185】
フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は512×512の画像処理解像度(一画素あたり0.37μm×0.37μm)で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積Sや周囲長L等が計測される。
【0186】
次に、上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円相当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度は、円相当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
円形度=2×(π×S)1/2/L
粒子像が円形の時に円形度は1になり、粒子像の外周の凹凸の程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、円形度0.200乃至1.000の範囲を800分割し、得られた円形度の相加平均値を算出し、その値を平均円形度とする。
【0187】
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
【0188】
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.985μm以上39.69μm未満の粒子に限定し、トナー粒子の平均円形度を求める。
【0189】
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
【0190】
なお、実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
【0191】
<ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度、結着樹脂のガラス転移温度Tg>
ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
【0192】
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
【0193】
具体的には、ワックスを約10mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30乃至200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。尚、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30乃至200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークを、本発明のワックスの最大吸熱ピークとする。
【0194】
また、結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、ワックス測定時と同様に、結着樹脂を約10mgを精秤し測定を行う。すると、温度40℃乃至100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、結着樹脂のガラス転移温度Tgとする。
【0195】
<無機粒子の個数分布基準の粒径の測定>
無機粒子の個数分布基準の粒径は、以下の手順で測定した。
トナーを、走査型電子顕微鏡S−4800(日立製作所社製)を用いて、未蒸着の状態で、加速電圧2.0kVにて行う。反射電子像を50,000倍で観察する。反射電子の放出量は試料を構成する物質の原子番号に依存することから無機粒子とトナー粒子母体など有機系物質とのコントラストができる。トナー粒子母体よりハイライト(白いもの)成分の粒子をもって、無機粒子と判断できる。そして、粒径が5nm以上の微粒子をランダムに500個抽出する。抽出された粒子の長軸と短軸をデジタイザにより測定し、長軸と短軸の平均値を微粒子の粒径とする。抽出された500個の粒子の粒径分布(カラム幅を5乃至15nm,15乃至25nm,25乃至35nm,・・・のように10nm毎に区切ったカラムのヒストグラムを用いる)において、カラムの中心値の粒径をもって、ヒストグラムを描く。ヒストグラムから、極大となる粒径が80nm以上200nm以下の範囲にあるかを判断する。ヒストグラム中、極大となる粒径は単独でも複数でもよく、80nm以上200nm以下の範囲におけるピークが最大値をとっても取らなくてもよい。
【0196】
<無機粒子の疎水化度の測定方法>
まず、メタノール50体積%と水50体積%とからなる含水メタノール液70mlを、直径5cm、厚さ1.75mmの円筒型ガラス容器中に入れ、気泡等を除去するために超音波分散器で5分間超音波を印加する。
次いで、試料0.06gを精秤して、上記含水メタノール液が入れられた容器の中に添加し、測定用サンプル液を調製する。
そして、測定用サンプル液を粉体濡れ性試験機「WET−100P」(レスカ社製)にセットする。この測定用サンプル液を、マグネティックスターラーを用いて、6.7s-1(400rpm)の速度で撹拌する。尚、マグネティックスターラーの回転子として、フッ素樹脂コーティングされた、長さ25mm、最大胴径8mmの紡錘型回転子を用いる。
次に、この測定用サンプル液中に、上記装置を通して、メタノールを1.3ml/minの滴下速度で連続的に添加しながら波長780nmの光で透過率を測定し、メタノール滴下透過率曲線を作成する。得られたメタノール滴下透過率曲線における透過率50%値をもって疎水化度とする。
【0197】
<二成分法によるトナーの摩擦帯電量の測定法>
磁性キャリア及びトナーをそれぞれ常温常湿環境下(温度23℃、湿度50%RH)に24時間調湿する。磁性キャリア92質量部(例えば、9.2kg)に対し、トナー8質量部(例えば、0.8kg)を秤量する。10リッターV型混合機により0.63S-1(38rpm)で10分間振とうさせる。10分間混合した際の帯電量の絶対値をもって初期の摩擦帯電量とする。実施例において、画像形成装置により耐久を行った現像剤に関しては、トナー濃度が8質量%になるまで、該画像形成装置により画出しをする。その場合、トナー濃度を高める場合には、印字比率1%で、補給量を消費するトナーの1.01倍にする。トナー濃度を低める場合には、印字比率20%で無補給とする。現像容器から二成分系現像剤を取り出し、それを測定することにより、耐久後の摩擦帯電量とする。
【0198】
摩擦帯電量を測定する装置として、吸引分離式帯電量測定器セパソフトSTC−1−C1型(三協パイオテク社製)を用いた。サンプルフォルダー(ファラデーゲージ)底に目開き20μmのメッシュ(金網)を設置し、その上に、現像剤0.10gを入れフタをする。この時のサンプルフォルダー全体の質量を秤り、W1(kg)とする。次にサンプルフォルダーを本体に設置し風量調節弁を調整して吸引圧力を2kPaとする。この状態で2分間吸引しトナーを吸引除去する。この時の電荷量Q(mC)とする。また、吸引後のサンプルフォルダー全体の質量を秤り、W2(kg)とする。この時求まるQは、キャリアの電荷を計測しているため、トナーの摩擦帯電量としては、その逆極性になる。この現像剤の摩擦帯電量(mC/kg)の絶対値は下式の如く算出される。尚、測定も、常温常湿環境下(23℃、50%RH)で実施した。
(式)・・・摩擦帯電量(mC/kg)=Q/(W1−W2)
【0199】
<トナーの載り量の測定法>
転写材上のトナーを金属円筒管と円筒フィルターを用いて吸引捕集することにより、トナー載り量を算出できる。
具体的には、図11は転写材上のトナー載り量及びトナー帯電量を測定する装置の説明図である。転写材上のトナーの摩擦帯電量及びトナー載り量は、例えば(図11に示すファラデー・ケージ(Faraday−Cage))によって測定することができる。ファラデー・ケージとは、同軸の2重筒のことで内筒22と外筒24は絶縁部材21及び25で絶縁されている。この内筒22の中に電荷量Qの帯電体を入れたとすると、静電誘導によりあたかも電荷量Qの金属円筒が存在するのと同様になる。実際には、吸い口26を転写材にあて、吸引機(図示しない)により、転写材上のトナーを吸引し、吸引されたトナーは、内筒22の内部に配設される円筒ろ紙(円筒フィルター)23により捕集される。この誘起された電荷量をエレクトロメーター(ケスレー6517A ケスレー社製)(図示しない)で測定し、内筒22中のトナー質量M(kg)で電荷量Q(mC)を割ったもの(Q/M)を帯電量とする。また、吸引した面積Aを測定することで、トナー質量Mを吸引した面積S(cm2)で除して、単位面積あたりのトナー載り量とする。トナーは画像を出力した後、定着器を通る前の状態で、マシンより取り出し、未定着の状態で、転写材上より直接、エアー吸引によりフィルター中にとり入れる。
トナーの載り量(mg/cm2)=M/S
トナーの摩擦帯電量(mC/kg)=Q/M
【0200】
実施例
以下、実施例を参照して本発明をより具体的に説明する。
(多孔質磁性コアの製造例1)
工程1(秤量・混合工程)
Fe23 68.3質量%
MnCO3 28.5質量%
Mg(OH)2 2.0質量%
SrCO3 1.2質量%
上記フェライト原材料を秤量し、フェライト原料80質量部に水20質量部を加え、その後、直径(φ)10mmのジルコニアを用いてボールミルで3時間湿式混合しスラリーを調製した。スラリーの固形分濃度は、80質量%とした。
工程2(仮焼成工程)
混合したスラリーをスプレードライヤー(大川原化工機社製)により乾燥した後、大気中で温度950℃で2時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。
工程3(粉砕工程)
仮焼フェライトをクラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、水を加え、スラリーを調製した。スラリーの固形分濃度を80質量%とした。φ1mmのジルコニアを用いて湿式ビーズミルで3時間粉砕し、第1の粉砕粉を含有するスラリーを得た。得られた第1の粉砕粉は、D50が、2.4μm、D90が4.3μmであった。第1の粉砕粉のスラリーを半分量を取り出し、第1の粉砕粉のスラリーを更に2時間粉砕して、第2の粉砕粉のスラリーを調製した。得られた第2の粉砕粉は、D50が、0.9μm、D90が1.9μmであった。第1の粉砕粉のスラリーと第2の粉砕粉のスラリーとを混合し、フェライトスラリーを得た。スラリー中の仮焼フェライトのD50とD90を測定した結果、それぞれ、1.3μm、4.0μmであった。
工程4(造粒工程)
上記フェライトスラリーに、仮焼フェライト100質量部に対してポリビニルアルコール2.0質量部の割合で添加し、さらに水を加え、スラリーの固形分濃度を70質量%に調整した後、スプレードライヤー(大川原化工機社製)で球状粒子に造粒した。
工程5(焼成工程)
電気炉にて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%以下)で、室温から焼成温度になるまでの時間を5時間とし、温度1050℃で4時間焼成した。その後、8時間をかけて、温度80℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
工程6(選別工程)
凝集した粒子を解砕した後に、目開き75μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、さらに風力分級を行い微粉カットし、多孔質磁性コア1を得た。得られた多孔質磁性コア1の多孔質磁性コア粒子は、多孔質状で孔を有していた。得られた多孔質磁性コアの比抵抗を測定した結果を表2Bに示す。その他物性についても表2Bに示す。また、この多孔質磁性コアの走査電子顕微鏡(SEM)写真を図16に示す。
【0201】
(多孔質磁性コアの製造例2乃至製造例4)
多孔質磁性コア製造例1のうち、製造条件を表2Aに示すように変更する以外、同様にして多孔質磁性コア2乃至4を作製した。得られた多孔質磁性コア2乃至4の物性を表2Bに示す。
【0202】
(磁性コアの製造例5)
多孔質磁性コア製造例1のうち、製造条件を表2Aに示すように変更する以外、同様にして磁性コア5を作製した。工程3の湿式ビーズミルの粉砕時間を5時間に変更し、途中でスラリーを抜き取ることはしなかった。得られた磁性コア5の物性を表2Bに示す。
【0203】
(多孔質磁性コアの製造例6)
多孔質磁性コア製造例1のうち、製造条件を表2Aに示すように変更する以外、同様にして多孔質磁性コア6を作製した。工程3の湿式ビーズミルの粉砕時間を4時間に変更し、途中でスラリーを抜き取ることはしなかった。得られた多孔質磁性コア6の物性を表2Bに示す。
【0204】
(磁性コアの製造例7)
多孔質磁性コア製造例1のうち、製造条件を表2Aに示すように変更する以外、同様にして磁性コア7を作製した。工程3の湿式ビーズミルの粉砕時間を5時間に変更した。途中で半量のスラリーを抜き取ることはしなかった。
得られた磁性コア粒子は、表面がなめらかな焼結体であった。得られた磁性コア7の物性を表2Bに示す。
【0205】
(磁性コアの製造例8)
マグネタイト微粒子(個数平均粒径0.3μm)と4.0質量%のシラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を加え、容器内で100℃以上で高速混合撹拌し、微粒子を表面処理した。ヘマタイト微粒子(個数平均粒径0.6μm)に対して、4.0質量%のシラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を加え、容器内で100℃以上で高速混合撹拌し、微粒子を表面処理した。
フェノール 10質量部
ホルムアルデヒド溶液(ホルムアルデヒド37質量%水溶液) 6質量部
上記処理したマグネタイト微粒子 59質量部
上記処理したヘマタイト微粒子 25質量部
上記材料と、28質量%アンモニア水5質量部、水10質量部をフラスコに入れ、撹拌、混合しながら30分間で温度85℃まで昇温・保持し、3時間重合反応させてフェノール樹脂を合成し粒子を調製した。その後、重合液を温度30℃まで冷却し、更に水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、得られた粒子を減圧下(数値を具体的に)、温度60℃の温度で乾燥して、磁性を有するマグネタイト微粒子及びヘマタイト微粒子が分散された磁性コア(磁性微粒子分散型樹脂コア)8を得た。
得られた磁性コア8の比抵抗を測定した結果、ブレークダウンする寸前の電界強度は、存在しなかった(ブレークダウンを起こさなかった)。電界強度300V/cmにおける比抵抗は、2.6×1012(Ω・cm)であった。また、体積基準の50%粒径(D50)は、35.4μmであった。1000/4π(kA/m)における磁化の強さは、41Am2/kgであった。また、真比重は、3.50g/cm3であった。
得られた磁性コア8の物性を表2Bに示す。
【0206】
(多孔質磁性コアの製造例9)
多孔質磁性コア製造例1のうち、製造条件を表2Aに示すように変更する以外、同様にして多孔質磁性コア9を作製した。工程3のビーズミルに代えて、1/8インチ径のステンレスビーズを用いて湿式ボールミルで1時間粉砕したのち、さらに1/16インチ径のステンレスビーズを用いて4時間粉砕した。途中でスラリーの半量を抜き取ることはしなかった。得られた多孔質磁性コア9の物性を表2Bに示す。
【0207】
【表2A】
【0208】
【表2B】
【0209】
(磁性キャリア1の製造例)
シリコーンワニス(SR2410 東レ・ダウコーニング社製) 85.0質量部
(固形分20質量%のトルエン溶液)
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 3.4質量部
トルエン 11.6質量部
以上を混合し、樹脂溶液1を得た。
【0210】
多孔質磁性コア1の100質量部を混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌機NDMV型)の撹拌容器内に入れ、撹拌容器内を減圧しながら窒素ガスを導入し、温度50℃に加熱しながら撹拌羽根を1分間に100回転で撹拌した。続いて、樹脂溶液1を撹拌容器内へ添加し、多孔質磁性コア1と樹脂溶液1とを混合し、70℃に温度を上げ、2時間加熱撹拌を続け、溶剤を除去して、多孔質磁性コア1のコア粒子内に樹脂溶液1から得られるシリコーン樹脂を有するシリコーン樹脂組成物を充填した。冷却後、得られた磁性キャリア粒子を回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、混合容器を1分間に2回転させて撹拌しながら、窒素雰囲気下に温度160℃で2時間熱処理した。得られた磁性キャリア粒子を開口70μmの篩で分級して、多孔質磁性コア1の100質量部に対して、樹脂充填量17.0質量部の磁性キャリアを得た。
【0211】
次いで、シリコーン樹脂組成物が充填されている磁性キャリア100質量部を遊星運動型混合機(ホソカワミクロン社製のナウタミキサVN型)に投入し、スクリュー状の撹拌羽根を公転を1分間に3.5回転させ、自転を1分間に100回転させながら撹拌し、窒素を流量0.1m3/minでフローさせ、減圧下(約0.01MPa)になるようトルエンをさらに除去するために温度70℃に加熱した。樹脂溶液1の固形分濃度が10質量%になるようにトルエンで希釈した樹脂溶液(樹脂溶液1の100質量部+トルエン70質量部)を磁性キャリアに対して1/3の量の樹脂溶液を投入し、20分間トルエン除去及び塗布操作を行った。次いで、さらに1/3の量の樹脂溶液を投入し、20分間トルエン除去及び塗布操作を行い、さらに1/3の量の樹脂溶液を投入し、20分間トルエン除去及び塗布操作を行った。磁性キャリア100質量部に対して、被覆量は、1.5質量部であった。その後、シリコーン樹脂で被覆された磁性キャリアを回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、混合容器を1分間に10回転させて撹拌しながら、窒素雰囲気下に温度160℃で2時間熱処理した。撹拌することにより、磁性キャリア粒子の表面のコア粒子の部分的な露出状態をコントロールした。この工程後では、樹脂被覆量が変化はほぼなかった。
得られた磁性キャリアを開口70μmの篩で分級して磁性キャリア1を得た。
得られた磁性キャリア1の物性を表3に示す。
【0212】
(磁性キャリア2、3、4の製造例)
磁性キャリア1の製造例のうち、多孔質磁性コア1に代えて、多孔質磁性コア2(磁性キャリア2用)、多孔質磁性コア3(磁性キャリア3用)、多孔質磁性コア4(磁性キャリア4用)それぞれ100質量部に対して充填する樹脂成分が、8.0質量部、16.0質量部、6.0質量部となるように樹脂溶液1を加えて、磁性キャリアを得た。さらに、それぞれ磁性キャリア100質量部に対して、希釈した樹脂溶液1(樹脂溶液1の100質量部+トルエン70質量部)を被覆量として1.5質量部、2.0質量部、1.0質量部となるよう、磁性キャリア1と同様にして、磁性キャリア2、3、4を得た。
得られた磁性キャリア2、3、4の物性を表3に示す。
【0213】
(磁性キャリア5の製造例)
多孔質磁性コア1の100質量部を間接加熱型乾燥機(ホソカワミクロン社製のソリッドエアーSJ型)に入れ、窒素ガスを風量0.1m3/minで導入し、温度70℃に加熱しながら、パドル羽根を1分間に100回転で撹拌する。樹脂溶液1を樹脂充填量18.0質量部になるまで樹脂溶液1を滴下し、1時間加熱撹拌を続け、トルエンを除去して、多孔質磁性コア1のコア粒子内に樹脂溶液1から得られるシリコーン樹脂を有するシリコーン樹脂組成物を充填した。冷却後、得られた磁性キャリア粒子を回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、混合容器を1分間に10回転させて撹拌しながら、窒素雰囲気下に温度160℃で2時間熱処理した。撹拌することにより、磁性キャリア粒子の表面のコア粒子の部分的な露出状態をコントロールした。得られた磁性キャリア粒子を開口70μmの篩で分級して、多孔質磁性コア1の100質量部に対して、樹脂充填量18.0質量部の磁性キャリア5を得た。
得られた磁性キャリア5の物性を表3に示す。
【0214】
(磁性キャリア6〔比較例〕の製造例)
磁性コア5の100質量部を遊星運動型混合機(ホソカワミクロン社製のナウタミキサVN型)に投入し、スクリュー状の撹拌羽根を公転を1分間に3.5回転させ、自転を1分間に100回転させながら撹拌し、窒素を流量0.1m3/minでフローさせ、減圧下(約0.01MPa)になるようトルエンをさらに除去するために温度70℃に加熱した。磁性キャリア1と同様にして、被覆量を1.0質量部にすること、スパイラル羽根を有する混合機の回転数を1分間に4回転させること以外、磁性キャリア1と同様にして、磁性キャリア6〔比較例〕を得た。スパイラル羽根を有する混合機の撹拌回転数を変えることにより、磁性キャリア粒子の表面のコア粒子の部分的な露出状態をコントロールした。
得られた磁性キャリア6の物性を表3に示す。
【0215】
(磁性キャリア7の製造例)
ポリメチルメタクリレート重合体(Mw=66,000) 15.0質量部
トルエン 85.0質量部
上記材料をビーズミルで溶解し、樹脂溶液2を得た。
多孔質磁性コア1の100質量部に対して、樹脂溶液2の樹脂組成物の充填量を15.0質量部になるようにする以外、磁性キャリア1と同様にしてポリメチルメタクリレート樹脂が充填されている磁性キャリアを得た。
シリコーンワニス(SR2410 東レ・ダウコーニング社製) 85.0質量部
(固形分20質量%のトルエン溶液)
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 1.5質量部
トルエン 13.5質量部
上記材料を混合し、樹脂溶液3を得た。
さらに、ポリメチルメタクリレート樹脂が充填されている磁性キャリアの100質量部に対して、被覆樹脂成分として樹脂溶液3の樹脂組成物が1.5質量部となるようにする以外、磁性キャリア1と同様にして、被覆し、磁性キャリア7を得た。
得られた磁性キャリア7の物性を表3に示す。
【0216】
(磁性キャリア8の製造例)
多孔質磁性コア4の100質量部を遊星運動型混合機(ホソカワミクロン社製のナウタミキサVN型)に投入し、スクリュー状の撹拌羽根を公転を1分間に3.5回転させ、自転を1分間に100回転させながら撹拌し、窒素を流量0.1m3/minでフローさせ、減圧下(約0.01MPa)になるようトルエンをさらに除去するために温度70℃に加熱した。樹脂溶液1の固形分濃度が10質量%になるようにトルエンで希釈した樹脂溶液(樹脂溶液1の100質量部+トルエン70質量部)を多孔質磁性コア100質量部に対して5質量部の樹脂溶液を投入し、1時間トルエン除去及び充填操作を行った。得られた磁性キャリアの充填量は、0.5質量部であった。
次いで、樹脂溶液1の固形分濃度が10質量%になるようにトルエンで希釈した樹脂溶液(樹脂溶液1の100質量部+トルエン70質量部)を磁性キャリアに対して1/3の量の樹脂溶液を投入し、20分間トルエン除去及び塗布操作を行った。次いで、さらに1/3の量の樹脂溶液を投入し、20分間トルエン除去及び塗布操作を行い、さらに1/3の量の樹脂溶液を投入し、20分間トルエン除去及び塗布操作を行った。磁性キャリア100質量部に対して、被覆量は、2.0質量部であった。
さらに、スパイラル羽根を有する混合機の回転数を1分間に4回転させること以外、磁性キャリア1と同様にして、磁性キャリア8を得た。スパイラル羽根を有する混合機の撹拌回転数を変えることにより、磁性キャリア粒子の表面のコア粒子の部分的な露出状態をコントロールした。
得られた磁性キャリア8の物性を表3に示す。
【0217】
(磁性キャリア9〔比較例〕の製造例)
多孔質磁性コア2の100質量部に対して、樹脂溶液1を充填量8.0質量部にし、コート工程を行わない以外、磁性キャリア1と同様にして、磁性キャリア9〔比較例〕を得た。
得られた磁性キャリア9の物性を表3に示す。
【0218】
(磁性キャリア10〔比較例〕の製造例)
多孔質磁性コア6の100質量部に対して、樹脂溶液1を充填量8.0質量部にする以外、磁性キャリア1と同様にして、磁性キャリア得た。
ついで、シリコーン樹脂組成物が充填されている磁性キャリア100質量部を流動層コーティング装置(フロイント産業社製のスパイラフローSFC型)に入れ、給気風量0.8m3/minとした窒素を導入し、給気温度を温度75℃とした。回転ローターの回転数を1分間に1000回転とし、品温が温度50℃になった後、樹脂溶液1の固形分濃度が10質量%になるようにトルエンで希釈した樹脂溶液(樹脂溶液1の100質量部+トルエン70質量部)を用いてスプレーを開始した。スプレー速度3.5g/minとした。被覆樹脂量が1.0質量部となるまで、被覆を行った。
さらに、スパイラル羽根を有する混合機の回転数を1分間に1.5回転させること以外、磁性キャリア1と同様にして、磁性キャリア10〔比較例〕を得た。スパイラル羽根を有する混合機の撹拌回転数を変えることにより、磁性キャリア粒子の表面にコア粒子の表面は露出させなかった。
得られた磁性キャリア10の物性を表3に示す。
【0219】
(磁性キャリア11〔比較例〕、磁性キャリア12〔比較例〕の製造例)
磁性コア7(磁性キャリア11用)及び8(磁性キャリア12用)それぞれの100質量部を用いる以外、磁性キャリア1と同様にして、磁性キャリア11〔比較例〕及び磁性キャリア12〔比較例〕を得た。
得られた磁性キャリア11、12の物性を表3に示す。
【0220】
(磁性キャリア13〔比較例〕の製造例)
磁性コア6の100質量部を用い、磁性キャリア10と同様にして、シリコーン樹脂組成物が充填されている磁性キャリアを得た。
ついで、樹脂溶液1を樹脂溶液3に代える以外、磁性キャリア10と同様にして、磁性キャリア13〔比較例〕を得た。
得られた磁性キャリア13の物性を表3に示す。
【0221】
(磁性キャリア14〔比較例〕の製造例)
樹脂溶液4として、
シリコーンワニス(SR2411 東レ・ダウコーニング社製) 100.0質量部
(固形分20質量%のトルエン溶液)
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 2.0質量部
トルエン 1000.0質量部
以上を混合し、樹脂溶液4を得た。
多孔質磁性コア1を多孔質磁性コア9に代え、間接加熱型乾燥機の温度70℃を75℃に代え、多孔質磁性コア粒子の内部に充填する樹脂溶液を樹脂溶液1から樹脂溶液4に代え、樹脂充填量18.0質量部を20.0質量部になるように代え、トルエンの除去及び充填後の熱処理温度を200℃に代える以外は、磁性キャリア5と同様にして、磁性キャリア14〔比較例〕を得た。
得られた磁性キャリア14の物性を表3に示す。
【0222】
(磁性キャリア15〔比較例〕の製造例)
シリコーンワニス(SR2411 東レ・ダウコーニング社製) 100.0質量部
(固形分20質量%のトルエン溶液)
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 2.0質量部
導電性カーボン
トルエン 1000.0質量部
上記材料を混合し、樹脂溶液5を得た。
多孔質磁性コア1を多孔質磁性コア9に代え、間接加熱型乾燥機の温度70℃を75℃に代え、多孔質磁性コア粒子の内部に充填する樹脂溶液を樹脂溶液1から樹脂溶液4に代え、樹脂充填量18.0質量部を13.0質量部になるように代え、トルエンの除去及び充填後の熱処理温度を200℃に代える以外は、磁性キャリア5と同様にして、シリコーン樹脂組成物が充填されている磁性キャリアを得た。
次いで、シリコーン樹脂組成物が充填されている磁性キャリアの100質量部に対し、樹脂溶液1を樹脂溶液5に代え、被覆樹脂量が1.0質量部を2.0質量部になるように代え、さらに、被覆後の熱処理を真空乾燥機に代え、窒素を流量0.01m3/minでフローさせつつ、減圧下(約0.01MPa)において温度220℃で2時間処理する以外は、磁性キャリア10と同様にして、磁性キャリア15〔比較例〕を得た。
【0223】
得られた磁性キャリア15の物性を表3に示す。
【0224】
【表3】
【0225】
(シアントナーの製造例1)
ビニル系共重合体ユニットを得るための材料として、スチレン10質量部、2−エチルヘキシルアクリレート5質量部、フマル酸2質量部、α−メチルスチレンの2量体5質量部、ジクミルパーオキサイド5質量部を滴下ロートに入れた。また、ポリエステル重合体ユニットを得るための材料として、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン25質量部、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン15質量部、テレフタル酸9質量部、無水トリメリット酸5質量部、フマル酸24質量部及び2−エチルヘキサン酸錫0.2質量部をガラス製4リットルの四つ口フラスコに入れた。この四つ口フラスコに温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけ、マントルヒーター内に設置した。次に四つ口フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、温度130℃の温度で撹拌しつつ、先の滴下ロートより、ビニル系モノマー及び重合開始剤を約4時間かけて滴下した。次いで、温度を200℃まで昇温し、4時間反応させ、重量平均分子量78,000、数平均分子量3800、Tg62℃のハイブリッド樹脂Aを得た。
【0226】
<シアンマスターバッチの製造>
・ハイブリッド樹脂A 60.0質量部
・シアン顔料(PigmentBlue15:3) 40.0質量部
上記の原材料をニーダー型ミキサーに仕込み、混合しながら非加圧下で昇温した。温度90乃至110℃で30分間加熱溶融混練した後、冷却し、ピンミル粉砕で約1mm程度に粉砕してシアンマスターバッチを作製した。
【0227】
<シアントナーの製造>
・ハイブリッド樹脂A 92.6質量部
・精製パラフィンワックス(最大吸熱ピーク:70℃) 5.3質量部
・シアンマスターバッチ(着色剤分40質量%) 24.1質量部
・ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミニウム化合物 1.1質量部
上記の材料をヘンシェルミキサーにより予備混合し、二軸押出し混練機で混練物温度が150℃(装置の出口温度設定120℃)になるように溶融混練し、冷却後、ハンマーミルを用いて約1乃至2mm程度に粗粉砕した。その後、ハンマー形状を変更し、メッシュを細かくしたハンマーミルを用いて約0.3mm程度の粗粉砕物を作製した。次に、ターボ工業社製のターボ・ミル(RSローター/SNBライナー)を用いて11μm程度の中粉砕物を作った。さらに、ターボ工業社製のターボ・ミル(RSSローター/SNNBライナー)を用いて6μm程度に粉砕後、再度ターボ・ミル(RSSローター/SNNBライナー)を用いて5μm程度の微粉砕物を作製した。その後、ハンマー形状と数を改良したホソカワミクロン社製の粒子設計装置(製品名:ファカルティ)を用いて、分級と同時に球形化を行うことで重量平均粒径(D4)5.8μm、平均円形度0.964のシアントナー粒子を得た。
【0228】
得られたシアントナー粒子100質量部に、個数分布基準平均粒径110nmであり、ヘキサメチルジシラザンで処理された疎水化度85%のシリカ粒子を1.0質量部、個数分布基準平均粒径50nmであり、疎水化度68%の酸化チタン粒子を0.9質量部、個数分布基準平均粒径20nmであり、疎水化度90%のジメチルシリコーンオイル処理シリカ粒子を0.5質量部添加した。そして、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機製)で混合して、重量平均粒径5.8μm、平均円形度0.963のシアントナー1を得た。
【0229】
得られたシアントナー1の物性を表4Bに示す。
【0230】
(マゼンタトナーの製造例1)
<マゼンタマスターバッチの製造>
・ハイブリッド樹脂A 60質量部
・マゼンタ顔料(PigmentRed−57) 20質量部
・マゼンタ顔料(PigmentRed−122) 20質量部
上記の材料をニーダーミキサーにより溶融混練し、シアンマスターバッチと同様にしてマゼンタマスターバッチを作製した。
【0231】
<マゼンタトナーの製造>
シアントナー1の製造例において、マゼンタトナー1の処方を表4Aに示すように変更する以外、シアントナー1と同様にして、マゼンタトナー1を作製した。
得られたマゼンタトナー1の物性を表4Bに示す。
【0232】
(イエロートナーの製造例1)
<イエローマスターバッチの製造>
・ハイブリッド樹脂A 60質量部
・イエロー顔料(PigmentYellow−74) 40質量部
上記の材料をニーダーミキサーにより溶融混練し、シアンマスターバッチと同様にしてイエローマスターバッチを作製した。
【0233】
<イエロートナーの製造>
シアントナー1の製造例において、イエロートナー1の処方を表4Aに示すように変更する以外、シアントナー1と同様にして、イエロートナー1を作製した。
得られたイエロートナー1の物性を表4Bに示す。
【0234】
(ブラックトナーの製造例1)
<ブラックマスターバッチの製造>
・ハイブリッド樹脂A 60質量部
・カーボンブラック顔料(Printex35 デグサ社製) 40質量部
上記の材料をニーダーミキサーにより溶融混練し、シアンマスターバッチと同様にしてブラックマスターバッチを作製した。
【0235】
<ブラックトナーの製造>
シアントナー1の製造例において、ブラックトナー1の処方を表4Aに示すように変更する以外、シアントナー1と同様にして、ブラックトナー1を作製した。
得られたブラックトナー1の物性を表4Bに示す。
【0236】
(シアントナーの製造例2)
<シアントナーの製造>
シアントナー1の製造例において、シアントナー2の処方を表4Aに示すように変更する以外、シアントナー1と同様にして、シアントナー2を作製した。
得られたシアントナー2の物性を表4Bに示す。
【0237】
(シアントナーの製造例3)
イオン交換水500質量部に、0.12モル/リットル−Na3PO4水溶液600質量部を投入し、温度60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、11,000rpmにて撹拌した。これに1.2モル/リットル−CaCl2水溶液93質量部を徐々に添加し、Ca3(PO42を含む水系媒体を得た。
・スチレン 162.0質量部
・n−ブチルアクリレート 38.0質量部
・エステルワックス(ベヘン酸ベヘニル:最大吸熱ピーク温度78℃)20.0質量部
・ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミニウム化合物 1.0質量部
・飽和ポリエステル(テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA、酸価15mgKOH/g、ピーク分子量6000) 10.0質量部
・シアン顔料(PigmentBlue15:3) 13.0質量部
上記材料を温度60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、10,000rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)8質量部を溶解し、モノマー組成物を調製した。
【0238】
上記水系媒体中に上記モノマー組成物を投入し、温度60℃で窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて15,000rpmで10分間撹拌し、モノマー組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、温度80℃に昇温し、10時間反応させた。重合反応終了後、減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、塩酸を加えてCa3(PO42を溶解した後、ろ過、水洗、乾燥を行い、重量平均粒径(D4)3.2μm、平均円形度0.982のシアントナー粒子を得た。重量平均分子量65,000、数平均分子量23,000、Tg58℃であった。
【0239】
得られたシアントナー粒子100質量部に、個数分布基準の平均粒径90nmでありヘキサメチルジシラザンで処理された疎水化度80のシリカ粒子を1.5質量部、個数分布基準の平均粒径40nmであり疎水化度60%の酸化チタン粒子を0.8質量部、個数分布基準の最大ピーク粒径30nmであり疎水化度85%のジメチルシリコーンオイル処理シリカ粒子を1.3質量部添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機製)で混合して、重量平均粒径(D4)3.2μm、平均円形度0.981のシアントナー3を得た。個数分布基準の粒径分布において、90nmに極大値を1つ有していた。
【0240】
(シアントナーの製造例4)
<シアンマスターバッチの製造>
・ハイブリッド樹脂A 60.0質量部
・シアン顔料(PigmentBlue15:3) 40.0質量部
上記の処方でニーダーミキサーにより溶融混練し、同様にしてシアンマスターバッチを作製した。
【0241】
<シアントナーの製造>
シアントナー1の製造例において、シアントナー2の処方を表4Aに示すように変更し、粉砕粒度を変更する以外、シアントナー1と同様にして、シアントナー4を作製した。
得られたシアントナー4の物性を表4Bに示す。
【0242】
【表4A】
【0243】
【表4B】
【0244】
〔実施例1〕
磁性キャリア1及びシアントナー1をそれぞれ常温常湿環境下(温度23℃、湿度50%RH)に24時間調湿する。磁性キャリア1の92質量部に対し、シアントナー1の8質量部を秤量する。10リッターV型混合機により0.63S-1で10分間振とうさせ、二成分系現像剤を調製した。10分間混合した際の摩擦帯電量の絶対値をもって初期の摩擦帯電量とする。また、この二成分系現像剤を用いて以下の評価を行った結果を表5に記載する。
【0245】
画像形成装置として、デジタルフルカラープリンター(キヤノン製デジタル商業印刷用プリンターimagePRESSC7000VP改造機)(改造の内容は後述)を用い、シアン位置の現像器に上記現像剤を入れ、常温常湿(温度23℃、湿度50%RH)環境下で画像形成を行った。改造点は、現像容器を図10に示すような配置にし、現像スリーブと感光体の現像極での間隔(S−D間)を300μmとし、現像スリーブと感光ドラムを現像領域において順方向で回転させ、感光ドラムに対する現像スリーブ周速を1.5倍となるように改造した。また、補給用トナーとして、ホッパーにトナーのみを供給できるように改造し、現像容器の現像剤排出口を密閉する構造とした。そして、現像スリーブには、周波数2.0kHz、Vppを0.7kVから0.1kV刻みで1.8kVまで変えた交流電圧と直流電圧VDCを印加して現像領域に電界を形成した。た。トナー載り量が0.3mg/cm2となるVppを決定し、この条件で、初期評価並びに画像割合が5%の画像を用いて50000枚の画出し試験を行い、以下の評価を行った。
【0246】
転写材(紙:レーザービームプリンター用紙CS−814(A4、81.4g/m2)キヤノンマーケティングジャパン株式会社)上に、単色ベタ画像を形成し、トナー載り量が0.3mg/cm2になるときの画像濃度(反射濃度)を求めた。反射濃度は、分光濃度計500シリーズ(X−Rite社製)を用いて測定した。コントラスト電位300Vを基準とした。
【0247】
(1)現像性
上記の条件で、Vpp、トナー載り量、画像濃度により判定する。
(現像性の評価基準)
(A)Vpp1.3kV以下で、0.3mg/cm2であり、1.30以上1.60以下(非常に良好)
(B)Vpp1.5kV以下で、0.3mg/cm2であり、1.30以上1.60以下(良好)
(C)Vpp1.8kV以下で、0.3mg/cm2であり、1.30以上1.60以下(本発明において許容レベル)
(D)Vpp1.8kVを超えても、0.3mg/cm2未達(本発明において不可レベル)
【0248】
(2)画像欠陥(白抜け)評価
転写紙の搬送方向に対して、ハーフトーン横帯(30H 幅10mm)とベタ黒横帯(FFH 幅10mm)を交互に並べたチャートを出力する(即ち、感光体の長手方向全域に幅10mmのハーフトーン画像を形成し、次いで、長手方向全域に幅10mmのベタ画像を形成し、それを繰り返して得られる画像)。その画像をスキャナ(600dpi)で読み取り、搬送方向における輝度分布(256階調)を測定する。得られた輝度分布において、ハーフトーン(30H)画像領域における、ハーフトーン(30H)の輝度よりも高い輝度の総和を白抜けとし、以下の基準に基づき評価した。
(白抜けの評価基準)
A:50以下(非常に良好)
B:51以上150以下(良好)
C:151以上300以下(本発明において許容レベル)
D:301以上(本発明において不可レベル)
【0249】
(3)画質(ガサツキ)
ハーフトーン画像(30H)をA4で1枚印刷し、デジタルマイクロスコープVHX−500(レンズワイドレンジズームレンズVH−Z100 キーエンス社製)を用い、ドット1000個の面積を測定した。ドット面積の個数平均(S)とドット面積の標準偏差(σ)を算出し、ドット再現性指数を下記式により算出した。
(ガサツキの評価基準)
ハーフトーン画像のガサツキをドット再現性指数で評価した。
ドット再現性指数(I)=σ/S×100
A:Iが4.0未満(非常に良好)
B:Iが4.0以上6.0未満(良好)
C:Iが6.0以上8.0未満(本発明において許容レベル)
D:Iが8.0以上(本発明において不可レベル)
【0250】
(4)カブリ
ベタ白画像をA4で1枚印刷した。(Vback 150Vに設定)
紙の平均反射率Dr(%)をリフレクトメータ(東京電色株式会社製の「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって測定した。
ベタ白画像の反射率Ds(%)を測定した。
下記式を用いてカブリ率(%)を算出した。得られたカブリを下記の評価基準に従って評価した。
(カブリの評価基準)
カブリ率(%)=Dr(%)−Ds(%)
A:0.5%未満(非常に良好)
B:0.5以上1.0%未満(良好)
C:1.0以上2.0%未満(本発明において許容レベル)
D:2.0%以上(本発明において不可レベル)
【0251】
(5)キャリア付着
00H画像を印刷し、感光ドラム上の部分を透明な粘着テープを密着させてサンプリングし、1cm×1cm中の感光ドラム上に付着していた磁性キャリア粒子の個数をカウントし、1cm2当りの付着キャリア粒子の個数を光学顕微鏡で数えた。
(キャリア付着の評価基準)
A:3個以下(非常に良好)
B:4個以上10個以下(良好)
C:11個以上20個以下(本発明において許容レベル)
D:21個以上(本発明において不可レベル)
【0252】
(6)リーク試験(白ポチ)
初期のリークの試験は、耐久に用いる現像剤と別に同様のものを用意し、トナー補給を止めて、トナー濃度が初期値の半分になるまで初期に設定したコントラスト電位、Vppでベタ画像(トナー載り量0.30mg/cm2)を出力した後、以下の方法で試験を行う。また、耐久後に関しては、耐久後の評価を終えた現像剤を用いて、トナー補給を止めて、トナー濃度が初期値の半分になるようにして、以下の方法で試験を行う。
A4普通紙上にベタ(FFH)画像を5枚連続して出力して、画像に直径が1mm以上の白く抜けている点の個数をカウントして、5枚中のその合計個数から評価を行う。
(リークの評価基準)
A:0個(非常に良好)
B:1個以上10個未満(良好)
C:10個以上20個未満(本発明において許容レベル)
D:20個以上(本発明において不可レベル)
【0253】
(7)耐久前後の色味変動の評価
耐久試験前に、紙上のベタ定着画像で反射濃度が1.5となるトナー量が紙上に載るようとなるようにコントラスト電位を調整した。ベタ画像(3cm×3cm)を400線で出力し、定着画像を得た。次いで、5万枚の耐久画像出力試験後に、耐久試験前と同じ現像電圧で、同様定着ベタ画像を出力した。
耐久試験前後の色度測定を行った。色度測定には、色度計(Spectrolino、GRETAGMACBETH社製)を用い、観測光源はD50、観測視野は2°にて行い、ΔEを算出し評価を行った。
色味変動は、1976年に国際照明委員会(CIE)で規格された表色系の定義に基づき、耐久前後のベタ画像の色差(ΔE)を以下の通り定量的に評価し、以下の評価基準に基づいて評価した。尚、本測定においては、ブラックトナーの評価はできない。
ΔE={(L1*−L2*2+(a1*−a2*2+(b1*−b2*21/2L1*: 耐久前の画像の明度
a1*,b1*: 耐久前の画像の色相と彩度を示す色度
L2*: 耐久後の画像の明度
a2*,b2*: 耐久後の画像の色相と彩度を示す色度
(ΔEの評価基準)
A:色差をかすかに感じられる。0.0以上1.5未満(非常に良好)
B:色差をわずかに感じられる。1.5以上3.0未満(良好)
C:色差をかなり感じられる。3.0以上6.0未満(本発明において許容レベル)
D:色差を目立って感じられる。6.0以上(本発明において不可レベル)
【0254】
(8)階調性の評価
転写材(紙:イメージコートグロス128(A4、128g/m2)キヤノンマーケティングジャパン株式会社)上に、17階調画像(00H、10H、20H、30H、40H、50H、60H、70H、80H、90H、A0H、B0H、C0H、D0H、E0H、F0H、FFH)を形成し、単色ベタ画像の反射濃度が1.60となるようにトナー載り量となるよう現像電圧(コントラスト電位)を調整し、低画像濃度部から高画像濃度部の画像がバランスよく配合されたグラフィック画像を出力し、低画像濃度部から高画像濃度部での階調性について評価した。
A:非常に階調性に優れる(非常に良好)
B:階調性に優れる(良好)
C:低画像濃度部は再現するが、高画像濃度部での階調性に劣る(やや良好)
D:低画像濃度部、高画像濃度部ともにやや階調性に劣る(本発明において許容レベル)
E:低画像濃度部が飛び、高画像濃度部の階調が取れない(本発明において不可レベル)
【0255】
(9)消費量の評価
転写材(紙:レーザービームプリンター用紙CS−814(A4、81.4g/m2)キヤノンマーケティングジャパン株式会社)上に、単色ベタ画像を形成し、画像濃度が1.50となるようにVppをコントロールし、画像濃度を一定に保つようにして、画像印字率(duty)10%の画像を50000枚画出し、補給用容器内のトナー量の変化から消費量を求め、評価した。
A:850g以上1050g未満(非常に良好)
B:1050g以上1350g未満(良好)
C:1350g以上1650g未満(やや良好)
D:1650g以上1950g未満(本発明において許容レベル)
E:1950g以上(本発明において不可レベル)
【0256】
〔比較例1乃至6〕
磁性キャリア9乃至15の92質量部に対し、シアントナー1を8質量部加え、二成分系現像剤を調製した。この二成分系現像剤を用いて、実施例1と同様に評価を行った。結果を表5に記載する。
【0257】
〔実施例2乃至4〕
磁性キャリア2乃至4の92質量部に対し、シアントナー1を8質量部加え、二成分系現像剤を調製した。この二成分系現像剤を用いて、実施例1と同様に評価を行った。結果を表5に記載する。
【0258】
〔実施例5、6〕
磁性キャリア1の92質量部に対し、シアントナー3、4を8質量部加え、二成分系現像剤を調製した。この二成分系現像剤を用いて、実施例1と同様に評価を行った。結果を表5に記載する。
【0259】
参考例7〕
磁性キャリア5の92質量部に対し、シアントナー1を8質量部加え、二成分系現像剤を調製した。この二成分系現像剤を用いて、実施例1と同様に評価を行った。結果を表5に記載する。
【0260】
〔比較例7〕
磁性キャリア6の92質量部に対し、シアントナー1を8質量部加え、二成分系現像剤を調製した。この二成分系現像剤を用いて、実施例1と同様に評価を行った。結果を表5に記載する。
【0261】
【表5−1】
【0262】
【表5−2】
【0263】
〔実施例9〕
磁性キャリア7の92質量部に対し、シアントナー2を8質量部加え、二成分系現像剤を調製した。この二成分系現像剤を用いて、画像形成装置として、キヤノン製デジタル商業印刷用プリンターimagePRESSC7000VP改造機(改造点は、実施例1と同様)を用い、現像スリーブには、周波数2.0kHz、Vppを0.7kVから0.1kV刻みで1.8kVまで変えた交流電圧と直流電圧VDCを印加して現像領域に電界を形成した。トナー載り量が0.6mg/cm2となるVppを決定し、この条件で、初期評価並びに耐久試験を行った。コントラスト電位を300Vと固定する。それ以外の評価は、実施例1と同様に行った。
【0264】
(8)現像性
上記の条件で、Vpp、トナー載り量、画像濃度により判定する。
(A)Vpp1.3kV以下で、0.60mg/cm2であり、1.30以上1.60以下(非常に良好)
(B)Vpp1.5kV以下で、0.60mg/cm2であり、1.30以上1.60以下(良好)
(C)Vpp1.8kV以下で、0.60mg/cm2であり、1.30以上1.60以下(本発明において許容レベル)
(D)Vpp1.8kVを超えても、0.60mg/cm2未達(本発明において不可レベル)
結果を表6に記載する。
【0265】
〔比較例5〕
磁性キャリア13の92質量部に対し、シアントナー2を8質量部加え、二成分系現像剤を調製した。この二成分系現像剤を用いて、実施例9と同様に評価を行った。結果を表6に記載する。
【0266】
【表6】
【0267】
〔実施例10〕
磁性キャリア8の92質量部に対し、シアントナー1を8質量部加え、二成分系現像剤を調製した。この二成分系現像剤を用いて、実施例1と同様に評価を行った。結果を表5に記載する。
【0268】
〔実施例11〕
磁性キャリア1の92質量部に対し、シアントナー1、マゼンタトナー1、イエロートナー1、ブラックトナー1をそれぞれ、8質量部加え、4色の二成分系現像剤を調製した。さらに、各色トナー95質量部に対し、磁性キャリア5質量部を混合した補給用現像剤を準備した。
【0269】
これらの二成分系現像剤を用いて、画像形成装置として、デジタルフルカラープリンター(キヤノン製デジタル商業印刷用プリンターimagePRESSC7000VP改造機)を用い、常温常湿(23℃、50%RH)、常温低湿(23℃、5%RH)、高温高湿(30℃、80%RH)環境下でそれぞれ画像形成を行った。改造点は、実施例1と同様で、現像スリーブと感光体を現像領域において順方向で回転させ、感光体に対する現像スリーブ周速を1.5倍となるように改造した。そして、現像スリーブには、周波数2.0kHz、Vppを0.7kVから0.1kV刻みで1.8kVまで変えた交流電圧と直流電圧VDCを印加した。各トナーのトナー載り量が0.3mg/cm2となるVppを決定し、この条件で、初期評価並びに耐久試験を行った。コントラスト電位を300Vと固定する。各画像割合がフルカラー画像を用いてそれぞれ50000枚の画出し試験を行った結果、表7に示すように、いずれの環境においても、十分な画像濃度が得られ、白抜けやカブリも問題なく、良好な結果が得られた。耐久後の色味変動も殆どなく、良好であった。
【0270】
【表7−1】
【0271】
【表7−2】
【0272】
(多孔質磁性コアの製造例10)
工程1(秤量・混合工程)
Fe23 59.5質量%
MnCO3 35.0質量%
Mg(OH)2 4.4質量%
SrCO3 1.1質量%
となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、水を加えて直径(φ)10mmのジルコニアを用いてボールミルで3時間湿式混合した。スラリーの固形分濃度は、80質量%とした。
工程2(仮焼成工程)
混合したスラリーをスプレードライヤー(大川原化工機社製)により乾燥した後、大気中で950℃で2時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。
工程3(粉砕工程)
クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、水を加え、スラリーの固形分濃度を80質量%とした。細孔径の大きさをコントロールするために、ボールやビーズの大きさ及びその粉砕時間をコントロールした。φ10mmのジルコニアを用いた湿式ボールミルで2時間粉砕した。そのスラリーを、φ1mmのジルコニアに代えて、更に湿式ビーズミルで2時間粉砕し、第1の粉砕粉のスラリーを得た。得られた第1の粉砕粉は、D50が、2.5μm、D90が3.4μmであった。第1の粉砕粉のスラリーの半分量を取り出し、さらに第1のスラリーの粉砕粉を2時間粉砕して、第2の粉砕粉のスラリーを調製した。得られた第2の粉砕粉は、D50が、0.9μm、D90が1.8μmであった。途中で取り出した第1の粉砕粉のスラリーと第2の粉砕粉のスラリーとを混合し、フェライトスラリーを得た。スラリー中の仮焼フェライトのD50とD90を測定した結果、それぞれ、1.3μm、2.3μmであった。
工程4(造粒工程)
多孔質磁性コア粒子の多孔質の構造をコントロールするため、上記フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100質量部に対してポリビニルアルコール0.7質量部を添加した。さらに水を加え、スラリーの固形分濃度を70質量%に調整した後、スプレードライヤー(大川原化工機社製)で球状粒子に造粒した。
工程5(焼成工程)
多孔質磁性コアの比抵抗を所望にするため、焼成雰囲気をコントロールした。また、多孔質の構造をコントロールするために、焼成温度をコントロールした。電気炉にて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%以下)で、室温から焼成温度になるまでの時間を5時間とし、温度1150℃で4時間焼成した。その後、8時間をかけて、温度80℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
工程6(選別工程)
凝集した粒子を解砕した後に、目開き75μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、さらに風力分級を行い微粉カットし、多孔質磁性コア10を得た。得られた多孔質磁性コア粒子は、多孔質状であった。得られた多孔質磁性コアの比抵抗を測定した結果を表9Bに示す。その他物性についても表9Bに示す。
【0273】
(多孔質磁性コアの製造例11乃至17)
多孔質磁性コア製造例10のうち、製造条件を表9Aに示すように変更する以外、同様にして多孔質磁性コア11乃至17を作製した。得られた多孔質磁性コア11の物性を表9Bに示す。
得られた磁性コアは、表面がなめらかな焼結体であった。孔は、検出できなかった。
【0274】
(磁性コアの製造例18)
マグネタイト微粒子(個数平均粒径0.3μm)と、ヘマタイト微粒子(個数平均粒径0.6μm)に対して、それぞれ4.0質量%、4.0質量%のシラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を加え、容器内で温度100℃以上で高速混合撹拌し、それぞれの微粒子を表面処理した。
フェノール 10質量部
ホルムアルデヒド溶液(ホルムアルデヒド37質量%水溶液) 6質量部
上記処理したマグネタイト微粒子 59質量部
上記処理したヘマタイト微粒子 25質量部
上記材料と、28質量%アンモニア水5質量部、水10質量部をフラスコに入れ、撹拌、混合しながら30分間で温度85℃まで昇温・保持し、3時間重合反応させて硬化させた。その後、30℃まで冷却し、更に水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5hPa以下)、60℃の温度で乾燥して、磁性微粒子が分散された状態の磁性コア(磁性微粒子分散樹脂コア)18を得た。
孔は、検出できなかった。得られた磁性コア18の物性を表9Bに示す。
【0275】
(多孔質磁性コアの製造例19)
多孔質磁性コア製造例10のうち、製造条件を表9Aに示すように変更する以外、同様にして多孔質磁性コア19を作製した。後処理として、焼成後、さらに抵抗調整のために、電気炉にて、水素気流中で、温度400℃にして0.5時間焼成し、表面の還元を行った。得られた多孔質磁性コア19の物性を表9Bに示す。
【0276】
【表9A−1】
【0277】
【表9A−2】
【0278】
【表9B−1】
【0279】
【表9B−2】
【0280】
(磁性キャリア16の製造例)
シリコーンワニス(KR255 信越化学社製) 40.0質量部
(固形分20質量%)
N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン 0.8質量部
トルエン 59.2質量部
上記材料を混合し、樹脂溶液6を得た。
【0281】
多孔質磁性コア10の100質量部を混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌機NDMV型)の撹拌容器内に入れ、撹拌容器内を減圧しながら窒素ガスを導入し、温度50℃に加熱しながら撹拌羽根を1分間に100回転で撹拌した。続いて、樹脂溶液6を撹拌容器内へ添加し、多孔質磁性コア10と樹脂溶液6とを混合し、70℃に温度を上げ、2時間加熱撹拌を続け、溶剤を除去して、多孔質磁性コア10のコア粒子内に樹脂溶液6から得られるシリコーン樹脂を有するシリコーン樹脂組成物を充填した。冷却後、得られた磁性キャリア粒子を回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、混合容器を1分間に2回転させて撹拌しながら、窒素雰囲気下に温度200℃で2時間熱処理した。得られた磁性キャリア粒子を開口70μmの篩で分級して、多孔質磁性コア10の100質量部に対して、樹脂充填量8.0質量部の磁性キャリアを得た。
シリコーンワニス(KR255 信越化学社製) 5.0質量部
(固形分20質量%)
N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン 0.2質量部
トルエン 10.0質量部
上記材料を混合し、樹脂溶液7を得た。
【0282】
次いで、シリコーン樹脂組成物が充填されている磁性キャリア100質量部を遊星運動型混合機(ホソカワミクロン社製のナウタミキサVN型)に投入し、スクリュー状の撹拌羽根を公転を1分間に3.5回転させ、自転を1分間に100回転させながら撹拌し、窒素を流量0.1m3/minでフローさせ、減圧下(約0.01MPa)になるようトルエンをさらに除去するために温度70℃に加熱した。樹脂溶液7を磁性キャリアに対して1/3の質量の樹脂溶液を投入し、20分間トルエン除去及び塗布操作を行った。次いで、さらに1/3の質量の樹脂溶液を投入し、20分間トルエン除去及び塗布操作を行い、さらに1/3の質量の樹脂溶液を投入し、20分間トルエン除去及び塗布操作を行った。磁性キャリア100質量部に対して、被覆量は、1.0質量部であった。その後、得られた磁性キャリアを回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、混合容器を1分間に10回転させて撹拌しながら、窒素雰囲気下に温度200℃で2時間熱処理した。撹拌することにより、磁性キャリア粒子の表面のコア粒子の部分的な露出状態をコントロールした。この工程後では、樹脂被覆量が変化は、ほぼ無かった。
得られた磁性キャリアを開口70μmの篩で分級して磁性キャリア16を得た。
得られた磁性キャリア16の物性を表10に示す。
【0283】
(磁性キャリア17、磁性キャリア18、磁性キャリア22、磁性キャリア28〔比較例〕の製造例)
磁性キャリア16の製造例のうち、多孔質磁性コア10に代えて、多孔質磁性コア11(磁性キャリア17用)、多孔質磁性コア12(磁性キャリア18用)、多孔質磁性コア14(磁性キャリア22用)、多孔質磁性コア19(磁性キャリア28用)それぞれ100質量部に対して充填する樹脂成分が、16.0質量部、17.0質量部、5.0質量部、8.0質量部となるように樹脂溶液6を加えて、樹脂充填粒子を得た。さらに、それぞれ樹脂充填粒子100質量部に対して、樹脂溶液7を被覆樹脂成分として1.0質量部、1.0質量部、0.5質量部、1.0質量部となるよう、磁性キャリア16と同様にして、被覆を行い、磁性キャリア17、磁性キャリア18、磁性キャリア22、磁性キャリア28〔比較例〕を得た。
得られた磁性キャリア17、18、22、28の物性を表10に示す。
【0284】
(磁性キャリア19の製造例)
磁性キャリア16で作製したシリコーン樹脂組成物が充填されている磁性キャリア100質量部を流動層コーティング装置(フロイント産業社製のスパイラフローSFC型)に入れ、給気風量0.8m3/minとした窒素ガスを導入し、窒素ガスの温度を温度75℃とした。回転ローターの回転数を1分間に1000回転とし、磁性キャリアの温度が温度50℃になった後、樹脂溶液7を用いてスプレーを開始した。スプレー速度3.5g/minとした。被覆樹脂量が0.5質量部となるまで、被覆を行った。
さらに、スパイラル羽根を有する混合機の回転数を1分間に10回転させること以外、磁性キャリア16と同様にして、磁性キャリア19を得た。スパイラル羽根を有する混合機の撹拌回転数を変えることにより、磁性キャリア粒子の表面のコア粒子の部分的な露出状態をコントロールした。
得られた磁性キャリア19の物性を表10に示す。
【0285】
(磁性キャリア20の製造例)
シリコーンワニス(KR255 信越化学社製) 40.0質量部
(固形分20質量%)
N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン 1.6質量部
トルエン 58.4質量部
上記材料を混合し、樹脂溶液8を得た。
多孔質磁性コア10の100質量部を間接加熱型乾燥機(ホソカワミクロン社製のソリッドエアーSJ型)に入れ、窒素ガスを風量0.1m3/minで導入し、温度70℃に加熱しながら、パドル羽根を1分間に100回転で撹拌する。樹脂溶液8を樹脂充填量7.0質量部になるまで樹脂溶液8を滴下し、1時間加熱撹拌を続け、トルエンを除去して、多孔質磁性コア10のコア粒子内に樹脂溶液8から得られるシリコーン樹脂を有するシリコーン樹脂組成物を充填した。冷却後、得られた磁性キャリアを回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、混合容器を1分間に10回転させて撹拌しながら、窒素雰囲気下に温度200℃で2時間熱処理した。撹拌することにより、磁性キャリア粒子の表面のコア粒子の部分的な露出状態をコントロールした。得られた磁性キャリア粒子を開口70μmの篩で分級して、多孔質磁性コア10の100質量部に対して、樹脂充填量7.0質量部の磁性キャリア20を得た。
得られた磁性キャリア20の物性を表10に示す。
【0286】
(磁性キャリア21の製造例)
シリコーンワニス(KR5208 信越化学社製) 90.0質量部
(固形分20質量%)
トルエン 180.0質量部
上記材料を混合し、樹脂溶液9を得た。
磁性キャリア16の製造例のうち、多孔質磁性コア10に代え、多孔質磁性コア13を用い、樹脂溶液6に代え、樹脂溶液9を樹脂充填量が18.0質量部になるよう磁性キャリア16の製造例と同様にして、充填を行った。
シリコーンワニス(KR5208 信越化学社製) 5.0質量部
(固形分20質量%)
N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン 0.2質量部
トルエン 10.0質量部
上記材料を混合し、樹脂溶液10を得た。得られた充填粒子に磁性キャリア16の製造例と同様にして、被覆量1.0質量部の被覆を行い、磁性キャリア21を得た。
得られた磁性キャリア21の物性を表10に示す。
【0287】
(磁性キャリア23の製造例)
ポリメチルメタクリレート共重合体(Mw=68,000) 7.0質量部
トルエン 140.0質量部
上記材料を混合し、樹脂溶液11を得た。
磁性キャリア16の製造例のうち、多孔質磁性コア10に代え、多孔質磁性コア15を用い、樹脂溶液6に代え、樹脂溶液11を樹脂充填量が7.0質量部になるよう磁性キャリア16と同様にして、充填を行った。
ポリメチルメタクリレート共重合体(Mw=68,000) 1.0質量部
ボントロンP−51(オリエント化学社製) 0.1質量部
トルエン 10.0質量部
上記材料を混合溶解し、樹脂溶液12を得た。得られた充填粒子に磁性キャリア16の製造例と同様にして、被覆量1.0質量部の被覆を行い、磁性キャリア23を得た。
得られた磁性キャリア23の物性を表10に示す。
【0288】
(磁性キャリア24の製造例)
磁性キャリア16の製造例のうち、磁性キャリア16と同様にして、充填を行った。
シリコーンワニス(KR255 信越化学社製) 5.0質量部
(固形分20質量%)
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン 0.2質量部
トルエン 10.0質量部
上記材料を混合し、樹脂溶液13を得た。
シリコーン樹脂組成物が充填されている磁性キャリア100質量部に対して、樹脂溶液13を被覆量1.0質量部の被覆を磁性キャリア16と同様にして、被覆を行い、磁性キャリア24を得た。
得られた磁性キャリア24の物性を表10に示す。
【0289】
(磁性キャリア25〔比較例〕の製造例)
磁性キャリア16の製造例のうち、多孔質磁性コア10に代え、多孔質磁性コア16の100質量部に対して充填する樹脂成分が、8.0質量部となるように樹脂溶液6を加えて、シリコーン樹脂組成物が充填されている磁性キャリアを得た。シリコーン樹脂組成物が充填されている磁性キャリア100質量部を流動層コーティング装置(フロイント産業社製のスパイラフローSFC型)に入れ、給気風量0.8m3/minとした窒素を導入し、給気温度を温度75℃とした。回転ローターの回転数を1分間に1000回転とし、品温が温度50℃になった後、樹脂溶液7を用いてスプレーを開始した。スプレー速度3.5g/minとした。被覆樹脂量が1.0質量部となるまで、被覆を行った。
さらに、スパイラル羽根を有する混合機の回転数を1分間に1.5回転させること以外、磁性キャリア10と同様にして、磁性キャリア25〔比較例〕を得た。スパイラル羽根を有する混合機の撹拌回転数を変えることにより、磁性キャリア粒子の表面のコア粒子の露出をさせなかった。得られた磁性キャリア25の物性を表10に示す。
【0289】
(磁性キャリア26〔比較例〕、磁性キャリア27〔比較例〕の製造例)
多孔質磁性コア10に代えて、磁性コア17(磁性キャリア26用)、17(磁性キャリア27用)に代えて、充填工程を行わず、樹脂溶液7を用いて、磁性キャリア16の製造例と同様にして、それぞれ、被覆量0.5質量部、0.5質量部の被覆を行い、磁性キャリア26、27を得た。
得られた磁性キャリア26〔比較例〕、27〔比較例〕の物性を表10に示す。
【0290】
(磁性キャリア29〔比較例〕の製造例)
磁性キャリア25の製造例のうち、磁性キャリア25と同様にして、充填を行った(充填量8.0質量部)。
次いで、シリコーン樹脂組成物が充填されている磁性キャリア100質量部に対して樹脂溶液7に代えて、樹脂溶液13を用い、磁性キャリア25と同様にして、被覆量1.0質量部となるように被覆を行った。
さらに、スパイラル羽根を有する混合機の回転数を1分間に1.5回転させること以外、磁性キャリア16と同様にして、磁性キャリア29〔比較例〕を得た。スパイラル羽根を有する混合機の撹拌回転数を変えることにより、磁性キャリア粒子の表面のコア粒子の露出をさせなかった。
得られた磁性キャリア29の物性を表10に示す。
【0291】
【表10】
【0292】
(シアントナー5の製造例)
ビニル系共重合体ユニットを得るための材料として、スチレン10質量部、2−エチルヘキシルアクリレート5質量部、フマル酸2質量部、α−メチルスチレンの2量体5質量部、ジクミルパーオキサイド5質量部を滴下ロートに入れた。また、ポリエステル重合体ユニットを得るための材料として、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン25質量部、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン15質量部、テレフタル酸9質量部、無水トリメリット酸5質量部、フマル酸24質量部及び2−エチルヘキサン酸錫0.2質量部をガラス製4リットルの四つ口フラスコに入れた。この四つ口フラスコに温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけ、マントルヒーター内に設置した。次に四つ口フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、温度130℃の温度で撹拌しつつ、先の滴下ロートより、ビニル系モノマー及び重合開始剤を約4時間かけて滴下した。次いで、温度を200℃まで昇温し、4時間反応させ、重量平均分子量76,000、数平均分子量3900、Tg61℃のハイブリッド樹脂Bを得た。
【0293】
<シアンマスターバッチの製造>
・ハイブリッド樹脂B 60.0質量部
・シアン顔料(PigmentBlue15:3) 40.0質量部
上記の原材料をまずニーダー型ミキサーに仕込み、混合しながら非加圧下で昇温した。30分間90乃至110℃で加熱溶融混練させた後冷却し、ピンミル粉砕で約1mm程度に粉砕して、シアンマスターバッチを作製した。
【0294】
<シアントナーの製造>
・ハイブリッド樹脂B 92.6質量部
・精製パラフィンワックス(最大吸熱ピーク:70℃) 5.3質量部
・シアンマスターバッチ(着色剤分40質量%) 24.1質量部
・ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミニウム化合物 1.1質量部
上記材料をヘンシェルミキサーにより予備混合し、二軸押出し混練機で混練物温度が150℃(装置の出口温度設定120℃)になるように溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1乃至2mm程度に粗粉砕した。その後、ハンマー形状を変更し、メッシュを細かくしたハンマーミルを用いて約0.3mm程度の粗粉砕物を作製した。次に、ターボ工業社製のターボ・ミル(RSローター/SNBライナー)を用いて11μm程度の中粉砕物を作った。さらに、ターボ工業社製のターボ・ミル(RSSローター/SNNBライナー)を用いて7μm程度に粉砕後、再度ターボ・ミル(RSSローター/SNNBライナー)を用いて5μm程度の微粉砕物を作製した。その後、ハンマー形状と数を改良したホソカワミクロン社製の粒子設計装置(製品名:ファカルティ)を用いて、分級と同時に球形化を行うことで重量平均粒径(D4)5.9μm、平均円形度0.961のシアントナー粒子を得た。
【0295】
得られたシアントナー粒子100質量部に、個数分布基準平均粒径110nmでありヘキサメチルジシラザンで処理された疎水化度85%のシリカ粒子を1.0質量部、個数分布基準平均粒径50nmであり疎水化度68%の酸化チタン粒子を0.9質量部、個数分布基準平均粒径20nmであり疎水化度90%のジメチルシリコーンオイル処理シリカ粒子を0.5質量部添加した。そして、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機製)で混合して、重量平均粒径6.0μm、平均円形度0.960のシアントナー5を得た。個数分布基準の粒径分布において、110nmに極大値を1つ有していた。得られたシアントナー5の物性を表11Bに示す。
【0296】
(マゼンタトナー2の製造例)
<マゼンタマスターバッチの製造>
・ハイブリッド樹脂B 60.0質量部
・マゼンタ顔料(PigmentRed−57) 20.0質量部
・マゼンタ顔料(PigmentRed−122) 20.0質量部
上記材料をニーダーミキサーにより溶融混練し、シアンマスターバッチと同様にしてマゼンタマスターバッチを作製した。
【0297】
<マゼンタトナーの製造>
シアントナー5の製造例において、マゼンタトナー2の処方を表11Aに示すように変更する以外、シアントナー5と同様にして、マゼンタトナー2を作製した。
得られたマゼンタトナー2の物性を表11Bに示す。
【0298】
(イエロートナー2の製造例)
<イエローマスターバッチの製造>
・ハイブリッド樹脂B 60.0質量部
・イエロー顔料(PigmentYellow−155) 40.0質量部
上記材料をニーダーミキサーにより溶融混練し、シアンマスターバッチと同様にしてイエローマスターバッチを作製した。
【0299】
<イエロートナーの製造>
シアントナー5の製造例において、イエロートナー2の処方を表11Aに示すように変更する以外、シアントナー5と同様にして、イエロートナー2を作製した。
得られたイエロートナー2の物性を表11Bに示す。
【0300】
(ブラックトナー2の製造例)
<ブラックマスターバッチの製造>
・ハイブリッド樹脂B 60.0質量部
・カーボンブラック顔料(Printex35 デグサ社製) 40.0質量部
上記の材料をニーダーミキサーにより溶融混練し、シアンマスターバッチと同様にしてブラックマスターバッチを作製した。
【0301】
<ブラックトナーの製造>
シアントナー5の製造例において、ブラックトナー2の処方を表11Aに示すように変更する以外、シアントナー5と同様にして、ブラックトナー2を作製した。
得られたブラックトナー2の物性を表11Bに示す。
【0302】
(シアントナー6の製造例)
<シアントナーの製造>
シアントナー5の製造例において、シアントナー6の処方を表11Aに示すように変更する以外、シアントナー5と同様にして、シアントナー6を作製した。
得られたシアントナー6の物性を表11Bに示す。
【0303】
(シアントナー7の製造例)
イオン交換水500質量部に、0.10モル/リットル−Na3PO4水溶液600質量部を投入し、温度60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、10,000m-1にて撹拌した。これに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液93質量部を徐々に添加し、Ca3(PO42を含む水系媒体を得た。
・スチレン 162.0質量部
・n−ブチルアクリレート 38.0質量部
・エステルワックス(ベヘン酸ベヘニル:最大吸熱ピーク温度78℃) 20.0質量部
・ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミニウム化合物 1.0質量部
・飽和ポリエステル(テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA、酸価15mgKOH/g、ピーク分子量6000) 10.0質量部
・シアン顔料(PigmentBlue15:3) 13.0質量部
上記材料を温度60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、10,000rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)8質量部を溶解し、モノマー組成物を調製した。
【0304】
上記水系媒体中に上記モノマー組成物を投入し、温度60℃で窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて12,000rpmで10分間撹拌し、モノマー組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、温度80℃に昇温し、10時間反応させた。重合反応終了後、減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、塩酸を加えてCa3(PO42を溶解した後、ろ過、水洗、乾燥を行い、重量平均粒径(D4)5.7μm、平均円形度0.982のシアントナー粒子を得た。重量平均分子量62,000、数平均分子量20,000、Tg58℃であった。
【0305】
得られたシアントナー粒子100質量部に、個数分布基準の平均粒径90nmでありヘキサメチルジシラザンで処理された疎水化度80のシリカ粒子を1.5質量部、個数分布基準の平均粒径40nmであり疎水化度60%の酸化チタン粒子を0.8質量部、個数分布基準の最大ピーク粒径30nmであり疎水化度85%のジメチルシリコーンオイル処理シリカ粒子を1.3質量部添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機製)で混合して、重量平均粒径(D4)5.8μm、平均円形度0.980のシアントナー7を得た。個数分布基準の粒径分布において、90nmに極大値を1つ有していた。得られたシアントナー7の物性を表11Bに示す。
【0306】
【表11A】
【0307】
【表11B】
【0308】
〔実施例12〕
磁性キャリア16の92質量部に対し、シアントナー5を8質量部加え、V型混合機により10分間振とうさせて、二成分系現像剤を調製した。この二成分系現像剤を用いて以下の評価を行った結果を表12に記載する。
【0309】
画像形成装置として、デジタルフルカラープリンター(キヤノン製デジタル商業印刷用プリンターimagePRESS C7000VP改造機)を用い、シアン位置の現像器に上記現像剤を入れ、常温常湿(23℃、50%RH)環境下で画像形成を行った。改造点は、感光ドラムに対する現像スリーブ周速を1.5倍となるように改造し、また、補給用現像剤の排出口を塞ぎ、補給はトナーのみとした。そして、現像スリーブには、周波数2.0kHz、Vppを0.7kVから0.1kV刻みで1.8kVまで変えた交流電圧と直流電圧VDCを印加し現像領域に電界を形成した。トナー載り量が0.3mg/cm2となるVppを決定し、この条件で、初期評価並びに画像割合が5%の画像を用いて50000枚の画出し試験を行い、前記と同様な評価を行った。
【0310】
〔比較例9乃至14〕
実施例12において、磁性キャリア16を表2に示すものに替えた以外は、実施例12と同様にして、二成分系現像剤を調製した。この二成分系現像剤を用いて、実施例12と同様に評価を行った。結果を表12に記載する。
【0311】
〔実施例13乃至15及び17乃至19、並びに参考例16
実施例12において、磁性キャリア16を表2に示すものに替えた以外は、実施例12と同様にして、二成分系現像剤を調製した。この二成分系現像剤を用いて、実施例12と同様に評価を行った。結果を表12に記載する。
【0312】
【表12−1】
【0313】
【表12−2】
【0314】
【表12−3】
【0315】
〔実施例20〕
実施例12において、磁性キャリア16を磁性キャリア24に代えて、92質量部に対し、シアントナー5をシアントナー6に代え、8質量部加え、二成分系現像剤を調製した。この二成分系現像剤を用いて、画像形成装置として、デジタルフルカラープリンター(キヤノン製デジタル商業印刷用プリンターimagePRESS C7000VP改造機)を用いた。改造点は、実施例12と同様にした。現像スリーブには、周波数2.0kHz、Vppを0.7kVから0.1kV刻みで1.8kVまで変えた交流電圧と直流電圧VDCを印加して現像領域に電界を形成した。トナー載り量が0.6mg/cm2となるVppを決定し、この条件で、初期評価並びに耐久試験を行った。コントラスト電位を300Vと固定し、それ以外の評価は、実施例12と同様に行った。
結果を表13に記載する。
【0316】
〔比較例15〕
実施例12において、磁性キャリア24を磁性キャリア29に代えて、92質量部に対し、シアントナー5をシアントナー6に代え、8質量部加え、二成分系現像剤を調製した。この二成分系現像剤を用いて、実施例20と同様に評価を行った。現像性は、問題ないレベルにあったが、白抜けを生じた。結果を表13に記載する。
【0317】
【表13】
【0318】
〔実施例21〕
磁性キャリア16を92質量部に対し、シアントナー5、マゼンタトナー2、イエロートナー2、ブラックトナー2をそれぞれ、8質量部加え、4色の二成分系現像剤を調製した。さらに、各色トナー95質量部に対し、磁性キャリア5質量部を混合した補給用現像剤を準備した。これらの二成分系現像剤を用いて、画像形成装置として、デジタルフルカラープリンター(キヤノン製デジタル商業印刷用プリンターimagePRESS C7000VP改造機)を用い、常温常湿(23℃、50%RH)環境下で画像形成を行った。改造点は、感光体に対する現像スリーブ周速を1.5倍となるように改造した。そして、現像スリーブには、周波数2.0kHz、Vppを0.7kVから0.1kV刻みで1.8kVまで変えた交流電圧と直流電圧VDCを印加した。各トナーのトナー載り量が0.3mg/cm2となるVppを決定し、この条件で、初期評価並びに耐久試験を行った。コントラスト電位を300Vと固定した。各画像割合が各30%dutyのフルカラー画像を用いてそれぞれ50000枚の画出し試験を行った結果、十分な画像濃度が得られ、画質、飛び散りも良好であり、白抜けやカブリも問題なく、キャリア付着もなく、良好な結果が得られた。耐久後の色味変動も殆どなく、良好であった。結果を表14に記載する。
【0319】
【表14】
【0320】
この出願は2008年8月4日に出願された日本国特許出願番号第2008−201075号、2008−201076号からの優先権を主張するものであり、その内容を引用してこの出願の一部とするものである。
【符号の説明】
【0321】
1 樹脂容器
2 下部電極
3 支持台座
4 上部電極
5 試料
6 エレクトロンメーター
7 処理コンピュータ
A 抵抗測定セル
d サンプル高さ
d1(ブランク) サンプルがない状態の高さ
d2(試料) サンプルが入った状態の高さ
21、25 絶縁部材
22 内筒
23 トナー補集用ろ紙(フィルター)
24 外筒
26 吸い口

Claims (13)

  1. 多孔質磁性コア粒子と樹脂とを少なくとも有する磁性キャリア粒子を有する磁性キャリアであって、
    該磁性キャリアは、ブレークダウンする寸前の電界強度が、1300V/cm以上5000V/cm以下であり、
    該多孔質磁性コア粒子は、多孔質磁性フェライト粒子であり、
    該磁性キャリア粒子は、該多孔質磁性フェライト粒子の孔に樹脂が充填された粒子の表面をさらに樹脂で被覆した粒子であることを特徴とする磁性キャリア。
  2. 該磁性キャリアは、電界強度1300V/cmまではブレークダウンせず、電界強度5000V/cmを越える電界強度ではブレークダウンすることを特徴とする請求項1に記載の磁性キャリア。
  3. 該多孔質磁性コア粒子は、電界強度300V/cmにおける比抵抗が、1.0×10Ω・cm以上5.0×10Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性キャリア。
  4. 該多孔質磁性コア粒子は、水銀圧入法における0.1μm以上3.0μm以下の細孔径の範囲において、微分細孔容積が最大となる細孔径が0.8μm以上1.5μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の磁性キャリア。
  5. 該多孔質磁性フェライト粒子の孔にシリコーン樹脂が充填されていることを特徴とする請求項に記載の磁性キャリア。
  6. 該多孔質磁性コア粒子の表面が部分的に露出していることを特徴とする請求項に記載の磁性キャリア。
  7. 該多孔質磁性コア粒子は、ブレークダウンする寸前の電界強度が、400V/cm以上1000V/cm以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の磁性キャリア。
  8. 該多孔質磁性コア粒子は、電界強度400V/cmまではブレークダウンせず、電界強度1000V/cmを超える電界強度ではブレークダウンすることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の磁性キャリア。
  9. 該磁性キャリアは、電界強度2000V/cmにおける比抵抗が、1.0×10Ω・cm以上5.0×1010Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の磁性キャリア。
  10. 磁性キャリアとトナーとを少なくとも含有する二成分系現像剤であり、
    該磁性キャリアは、請求項1乃至のいずれか1項に記載の磁性キャリアであることを特徴とする二成分系現像剤。
  11. 該トナーと該磁性キャリアとをトナー濃度が8質量%となるように混合して摩擦帯電量測定用現像剤を調製し、二成分法により該摩擦帯電量測定用現像剤の摩擦帯電量を測定した時、摩擦帯電量の絶対値が、40.0mC/kg以上80.0mC/kg以下であることを特徴とする請求項10に記載の二成分系現像剤。
  12. 静電潜像担持体を帯電手段により帯電する帯電工程、
    帯電された該静電潜像担持体を露光して静電潜像を形成する露光工程、
    磁性キャリアとトナーとを少なくとも含有する二成分系現像剤で現像剤担持体上に磁気ブラシを形成し、磁気ブラシを接触させた状態で該静電潜像担持体と該現像剤担持体との間に現像バイアスを印加して該静電潜像担持体と該現像剤担持体との間に電界を形成しながら該静電潜像を該トナーにより現像して該静電潜像担持体上にトナー像を形成する現像工程、
    該静電潜像担持体から中間転写体を介して、あるいは介さずに該トナー像を転写材上へ転写する転写工程、
    該転写材上の該トナー像を熱及び/または圧力により定着する定着工程を有する画像形成方法であり、
    該二成分系現像剤は、請求項10又は11に記載の二成分系現像剤であり、該現像バイアスは、直流電界に交番電界を重畳したバイアスであることを特徴とする画像形成方法。
  13. 該転写材にトナーの載り量が0.30mg/cmの単色ベタ画像部分を有するトナー画像が転写され、定着後の単色ベタ画像部分の画像濃度が1.30以上1.60以下であることを特徴とする請求項12に記載の画像形成方法。
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