JP5595273B2 - 磁性キャリア及び二成分系現像剤 - Google Patents
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Description
このように、二成分現像剤の安定性や耐ストレス性を向上のための方法が検討されているが、現像性、耐久安定性を満足し、画像欠陥のない高品質な画像を長期にわたり与える二成分系現像剤が待望されている。
走査型電子顕微鏡により撮影した加速電圧が2.0kV時の該磁性キャリア粒子の反射電子像において、
下式(1)から求められる面積割合S 1が、0.5面積%以上8.0面積%以下である磁性キャリア粒子の割合が、磁性キャリア中80個数%以上であり、
S1=(磁性キャリア粒子1粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積/その粒子の全投影面積)×100 (1)
磁性キャリアは、磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合Av1が、0.5面積%以上8.0面積%以下であり、
磁性キャリアは、下式(2)から求められる平均割合Av2が、10.0面積%以下であることを特徴とする磁性キャリアに関する。
Av 2=(磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分であって、ドメインの面積が6.672μm2以上である部分の総面積/磁性キャリア粒子の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積)×100 (2)
S1=(磁性キャリア粒子1粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積/その粒子の全投影面積)×100 (1)
磁性キャリアは、磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合Av1が、0.5面積%以上8.0面積%以下であり、磁性キャリアは、下式(2)から求められる平均割合Av2が、10.0面積%以下であることを特徴とする磁性キャリアである。
Av2=(磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分であって、ドメインの面積が6.672μm2以上である部分の総面積/磁性キャリア粒子の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積)×100 (2)
Av3=(磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分であって、ドメインの面積が2.780μm2以下である部分の総面積/磁性キャリア粒子の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積)×100 (3)
該面積割合Av3が、60面積%以上であるとき、上記の効果が特に顕著となる。
S1=(磁性キャリア粒子1粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積/その粒子の全投影面積)×100 (1)
で表される面積割合S1が0.5面積%以上8.0面積%以下である磁性キャリア粒子の割合が80個数%以上である。
Av2=(磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分であって、ドメインの面積が6.672μm2以上である部分の総面積/磁性キャリア粒子の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積)×100 (2)
から求められる平均割合Av2が、10.0面積%以下である。Av2の値がこの範囲内にあるような磁性キャリアは、高温高湿環境下で長期使用された後に放置された場合であっても、摩擦帯電量の低下を抑えることができる。磁性キャリア粒子表面において、広いドメインで存在する金属酸化物に由来する輝度の高い部分を少なくすることで、トナー−キャリア間の摩擦帯電の緩和を抑制できる。そのため、高温高湿環境下で長期使用され、放置された際におこる摩擦帯電量の低下を抑えることができたと考えられる。このことからも、6.672μm2以上の金属酸化物に由来する部分は存在しないことが最も好ましい。
Av3=(磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分であって、ドメインの面積が2.780μm2以下である部分の総面積/磁性キャリア粒子の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積)×100 (3)
から求められる平均割合Av3が、60.0面積%以上であることが好ましい。上記Av3が60面積%以上の場合(つまり、狭いドメインで存在する金属酸化物に由来する輝度の高い部分の面積割合を多くする)、現像性に優れ、画像濃度の変動が少なく、白抜けやキャリア付着といった画像欠陥のない画像を得ることができる。2.780μm2以下の金属酸化物に由来する輝度の高い部分が100面積%であることが最も好ましい。
1.00≦Av4/Av1≦1.30 (4)
の関係を満たすことが好ましい。式(4)を満たす場合には、長期使用による帯電量変動がより小さくなる。
(M12O)u(M2O)v(M32O3)w(M4O2)x(M52O5)y(Fe2O3)z
(式中、M1は1価、M2は2価、M3は3価、M4は4価、M5は5価の金属であり、u+v+w+x+y+z=1.0とした時に、u、v、w、x及びyは、それぞれ0≦(u,v,w,x,y)≦0.8であり、zは、0.2<z<1.0である。)
フェライトの原料を、秤量し、混合する。フェライト原料としては、例えば以下のものが挙げられる。Li、Fe、Zn、Ni、Mn、Mg、Co、Cu、Sr、Caから選択される金属元素の粒子、金属元素の酸化物、金属元素の水酸化物、金属元素のシュウ酸塩、金属元素の炭酸塩。混合する装置としては、ボールミル、遊星ミル、ジオットミル、振動ミル。特にボールミルが混合性の観点から好ましい。
粉砕・混合したフェライト原料を、大気中で焼成温度700℃以上1000℃以下の範囲で、0.5時間以上5.0時間以下仮焼成し、フェライト化する。焼成には、例えば以下の炉が用いられる。バーナー式焼却炉、ロータリー式焼却炉、電気炉。
工程2で作製した仮焼フェライトを粉砕機で粉砕する。粉砕機としては、クラッシャーやハンマーミル、ボールミル、ビーズミル、遊星ミル、ジオットミルがあげられる。
仮焼フェライト微粉砕品の体積基準の50%粒径(D50)は、0.5μm以上5.0μm以下とすることが好ましい。フェライト微粉砕品を上記の粒径にするために、例えば、ボールミルやビーズミルでは用いるボールやビーズの素材、粒径、運転時間を制御することが好ましい。ボールやビーズの粒径は、所望の粒径・分布が得られれば、特に限定されない。例えば、ボールとしては、直径5mm以上60mmのものが好適に用いられる。また、ビーズとしては直径0.03mm以上5mm未満のものが好適に用いられる。
また、ボールミルやビーズミルは、乾式より湿式のほうが、粉砕品がミルの中で舞い上がることがなく粉砕効率が高い。このため、乾式より湿式の方がより好ましい。
仮焼フェライトの粉砕品に対し、水、バインダーと、必要に応じて、空隙調整剤としての発泡剤や樹脂粒子、炭酸ナトリウムを加える。バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコールが用いられる。
得られたフェライトスラリーを、噴霧乾燥機を用い、100℃以上200℃以下の加温雰囲気下で、乾燥・造粒する。噴霧乾燥機としては、所望の多孔質磁性コア粒子の粒径が得られれば特に限定されない。例えば、スプレードライヤーが使用できる。
次に、造粒品を800℃以上1400℃以下で1時間以上24時間以下焼成する。
多孔質磁性コア粒子の内部の空隙容積は、焼成温度や焼成時間の設定によって、調整することができる。焼成温度を上げたり、焼成時間を長くすることで、焼成が進み、その結果、多孔質磁性コア粒子内部の空隙容積は少なくなる。また、焼成する雰囲気をコントロールすることで、磁性キャリアコア粒子の比抵抗を好ましい範囲に調整することができる。例えば、酸素濃度を低くしたり、還元雰囲気(水素存在下)にすることで、多孔質磁性コア粒子の比抵抗を下げることができる。
以上の様に焼成した粒子を解砕した後に、必要に応じて、分級や篩で篩分して粗大粒子や微粒子を除去してもよい。
本発明の磁性キャリア粒子表面上の金属酸化物に由来する部分の面積%は、走査電子顕微鏡による反射電子像の観察と、続く画像処理により求めることができる。
本発明に用いられる磁性キャリア粒子表面の金属酸化物に由来する部分の面積割合の測定は、走査電子顕微鏡(SEM)、S−4800(日立製作所社製)を用いて行った。金属酸化物に由来する部分の面積割合は、加速電圧2.0kVのときの、主に反射電子を可視化した像の画像処理から算出される。
SignalName=SE(U,LA80)
AcceleratingVoltage=2000Volt
EmissionCurrent=10000nA
WorkingDistance=6000um
LensMode=High
Condencer1=5
ScanSpeed=Slow4(40秒)
Magnification=600
DataSize=1280×960
ColorMode=Grayscale
反射電子像は、走査電子顕微鏡S−4800の制御ソフト上で’コントラスト5、ブライトネス−5’に明るさを調整し、キャプチャスピード/積算枚数’Slow4を40秒’、画像サイズ1280×960pixelsの8bitの256階調グレースケール画像として磁性キャリアの投影像を得た(図9)。画像上のスケールから、1pixelの長さは0.1667μm、1pixelの面積は0.0278μm2となる。
Av1=(Ma/Ja)×100
金属酸化物に由来する部分の総面積に対する金属酸化物に由来する部分の面積分布は、走査電子顕微鏡による反射電子像の観察と画像処理、続く統計処理により求めることができる。金属酸化物に由来する部分の面積%を求めるのと同様にして、磁性キャリア粒子50個について観察を行い、画像から磁性キャリア中の金属酸化物に由来する部分の抽出を行った。50個分について抽出された金属酸化物に由来する部分の各ドメインの大きさを求め、20pixel毎のチャンネルに振り分けた。尚、1pixelの面積は0.0278μm2である。各チャンネルの中心値を代表値とし、6.672μm2以上に分布する平均割合Av2(面積%)と2.780μm2以下に分布する平均割合Av3(面積%)とを算出した。
上記Maを磁性キャリア50個中のドメインの総数で除することにより、金属酸化物に由来する部分の平均面積を計算した。
走査型電子顕微鏡の加速電圧が4.0kVで撮影された反射電子像の磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合Av4は、上記のAv1の測定において加速電圧のみ4.0kVに変える以外は同様にして算出した。
そして、加速条件差による金属酸化物に由来する部分の面積変化率は、下式より算出する。
加速条件差による金属酸化物に由来する部分の面積変化率=Av4/Av1
磁性キャリア及び多孔質磁性コアのブレークダウンする寸前の電界強度及び比抵抗は、図7Aおよび図7Bに記載される測定装置を用いて測定される。なお、多孔質磁性コアの測定には、樹脂充填や樹脂被覆する前の試料を用いて測定する。
d=d2−d1
この時、試料の厚みが0.95mm以上1.04mmとなるように試料の充填量を適宜変えることが重要である。
比抵抗(Ω・cm)=(印加電圧(V)/測定電流(A))×S(cm2)/d(cm)
電界強度(V/cm)=印加電圧(V)/d(cm)
粒度分布測定は、レーザー回折・散乱方式の粒度分布測定装置「マイクロトラックMT3300EX」(日機装社製)にて測定を行った。
磁性キャリア粒子及び磁性コア粒子の体積分布基準50%粒径(D50)の測定には、乾式測定用の試料供給機「ワンショットドライ型サンプルコンディショナーTurbotrac」(日機装社製)を装着して行った。Turbotracの供給条件として、真空源として集塵機を用い、風量約33リットル/sec、圧力約17kPaとした。制御は、ソフトウエア上で自動的に行う。粒径は体積基準の累積値である50%粒径(D50)を求める。制御及び解析は付属ソフト(バージョン10.3.3−202D)を用いて行う。
測定条件は、SetZero時間10秒、測定時間10秒、測定回数1回、粒子屈折率は、1.81、粒子形状を非球形、測定上限1408μm、測定下限0.243μmとする。測定は、常温常湿(23℃、50%RH)環境下で行う。
上記トナーの平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定・解析条件で測定した。
上記トナーの円相当径0.500μm以上1.985μm以下である粒子(小粒子)の割合は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定・解析条件で測定した。
フロー式粒子像測定装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は、1視野が512画素×512画素であり、1画素あたり0.37μm×0.37μmの画像処理解像度で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積や周囲長等が計測される。
トナーの重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出した。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに該電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに該電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に該コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)該(2)のビーカーを該超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)該(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ該電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した該(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した該(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の該専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
樹脂の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
室温で24時間かけて、樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、ワックスを約10mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30乃至200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。尚、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30乃至200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークを、本発明のワックスの最大吸熱ピークとする。
また、トナー及び結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、ワックス測定時と同様に、結着樹脂を約10mgを精秤し測定を行う。すると、温度40℃乃至100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、結着樹脂のガラス転移温度Tgとする。
無機微粒子の個数分布基準の粒径は、以下の手順で測定した。
トナーを、走査型電子顕微鏡S−4800(日立製作所社製)を用いて、未蒸着の状態で、加速電圧2.0kVにて反射電子像の観察を行う。反射電子像を50,000倍で観察する。反射電子の放出量は試料を構成する物質の原子番号に依存することから無機微粒子とトナー粒子母体など有機系物質とのコントラストができる。トナー粒子母体よりハイライト(白いもの)成分の粒子をもって、無機微粒子と判断できる。そして、粒径が5nm以上の微粒子をランダムに500個抽出する。抽出された粒子の長軸と短軸をデジタイザにより測定し、長軸と短軸の平均値を微粒子の粒径とする。抽出された500個の粒子の粒径分布(カラム幅を5乃至15nm,15乃至25nm,25乃至35nm,・・・のように10nm毎に区切ったカラムのヒストグラムを用いる)において、カラムの中心値の粒径をもって、ヒストグラムを描き、平均粒径を算出する。50nm以上300nm以下の範囲で極大になる粒径を極大値とする。
測定は走査型電子顕微鏡S−4700(日立製作所製)を用いて行う。撮影倍率は5万倍とし、さらに撮影された写真を2倍に引き伸ばした後、FE−SEM写真像から測長する。球状粒子に関してはその直径、楕円形球状粒子に関しては最大径(長軸径)をもって当該粒子の粒径とする。100個の無機微粒子を測長し、その平均の値を求め個数平均粒径を算出した。
磁性キャリア及び磁性キャリアコアの磁化の強さは、振動磁場型磁気特性測定装置(Vibrating sample magnetometer)や直流磁化特性記録装置(B−Hトレーサー)で求めることが可能である。後述の実施例においては、振動磁場型磁気特性測定装置BHV−30(理研電子(株)製)を用いて以下の手順で測定する。
円筒状のプラスチック容器に磁性キャリア又は磁性コアを十分に密に充填したものを試料とする。該容器に充填した試料の実際の質量を測定する。その後、瞬間接着剤により試料が動かないようにプラスチック容器内の試料を接着する。
標準試料を用いて、5000/4π(kA/m)での外部磁場軸及び磁化モーメント軸の校正を行う。
スイープ速度5min/roopとし、1000/4π(kA/m)の外部磁場を印加した磁化モーメントのループから磁化の強さを測定した。これらより、試料質量で除して、磁性キャリア及び磁性コアの磁化の強さ(Am2/kg)を求める。
磁性キャリア及び多孔質磁性コアの真密度は、乾式自動密度計アキュピック1330(島津製作所社製)を用い測定する。まず、23℃50%RHの環境に24時間放置したサンプル試料を5g精秤し、測定用セル(10cm3)に入れ、本体試料室に挿入する。測定は、試料サンプル質量を本体に入力し測定をスタートさせることにより自動測定できる。
自動測定の測定条件は、20.000psig(2.392×102kPa)で調整されたヘリウムガスを用い、試料室内に10回パージした後、試料室内の圧力変化が0.005psig/min(3.447×10−2kPa/min)になる状態を平衡状態とし、平衡状態になるまで繰り返しヘリウムガスをパージする。平衡状態の時の本体試料室の圧力を測定する。その平衡状態に達した時の圧力変化により試料サンプル体積が算出できる(ボイルの法則)。試料サンプル体積が算出できることにより、以下の式で試料サンプルの真比重が計算できる。
試料サンプルの真比重(g/cm3)=試料サンプル質量(g)/試料サンプル体積(cm3)
この自動測定により5回繰り返し測定した値の平均値を磁性キャリア及び磁性コアの真比重(g/cm3)とする。
JIS−Z2504(金属粉の見かけ密度試験方法)に準じ、金属粉に代えて磁性キャリア及び磁性コアを用いることにより、磁性キャリア及び磁性コアの見かけ密度を求める。
以下、実施例を参照して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
工程1(秤量・混合工程):
Fe2O3 60.1質量%
MnCO3 34.5質量%
Mg(OH)2 4.5質量%
SrCO3 0.9質量%
上記フェライト原材料を秤量した。その後、ジルコニアのボール(直径10mm)を用いた乾式ボールミルで2時間粉砕・混合した。
工程2(仮焼成工程):
粉砕・混合した後、バーナー式焼成炉を用い大気中で温度950℃で2時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。
工程3(粉砕工程):
クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、ジルコニア直径1.0mmのビーズを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ビーズミルで4時間粉砕し、フェライトスラリーを得た。
工程4(造粒工程):
フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100質量部に対してポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、球状粒子に造粒した。
工程5(本焼成工程):
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度0.02体積%)で、温度1050℃で4時間焼成した。
工程6(選別工程):
凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、多孔質磁性コア粒子1を得た。多孔質磁性コア粒子1の物性を表1に示す。
多孔質磁性コア粒子1の製造例の工程5(本焼成工程)において、酸素濃度0.10体積%で、1100℃で4時間焼成した以外は、多孔質磁性コア粒子1の製造例と同様にして多孔質磁性コア粒子2を製造した。多孔質磁性コア粒子2の物性を表1に示す。
多孔質磁性コア粒子1の製造例の工程5(本焼成工程)において、酸素濃度0.02体積%で、温度1100℃で4時間焼成した以外は、多孔質磁性コア粒子1の製造例と同様にして多孔質磁性コア粒子3を製造した。多孔質磁性コア粒子3の物性を表1に示す。
多孔質磁性コア粒子1の製造例の工程5(本焼成工程)において、温度1150℃で4時間焼成した以外は、多孔質磁性コア粒子1の製造例と同様にして多孔質磁性コア粒子4を製造した。多孔質磁性コア粒子4の物性を表1に示す。
多孔質磁性コア粒子1の製造例の工程1(秤量・混合工程)で、
Fe2O3 68.0質量%
MnCO3 29.9質量%
Mg(OH)2 2.1質量%
となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、ジルコニアのボール(直径10mm)を用いた乾式ボールミルで2時間粉砕・混合した。
また、工程5(本焼成工程)において、酸素濃度0.01体積%未満で、温度1100℃で4時間焼成した以外は、多孔質磁性コア粒子1製造例と同様にして多孔質磁性コア粒子5を製造した。多孔質磁性コア粒子5の物性を表1に示す。
多孔質磁性コア粒子1の製造例の工程5(本焼成工程)において、酸素濃度0.3体積%で、温度1150℃で4時間焼成した以外は、多孔質磁性コア粒子1製造例と同様にして多孔質磁性コア粒子6を製造した。多孔質磁性コア粒子6の物性を表1に示す。
工程1:
Fe2O3 70.8質量%
CuO 16.0質量%
ZuO 13.2質量%
上記フェライト原材料を秤量した。その後、ジルコニアのボール(直径10mm)を用いた乾式ボールミルで2時間粉砕・混合した。
工程2:
粉砕・混合した後、大気中で950℃で2時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。
工程3:
クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、ステンレスのボール(直径10mm)を用い、仮焼フェライト100質量部に対し水を30質量部加え、湿式ボールミルで2時間粉砕した。そのスラリーを、ステンレスビーズ(直径1.0mm)を用いた湿式ビーズミルでさらに4時間粉砕しフェライトスラリーを得た。
工程4:
フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100質量部に対しポリビニルアルコール0.5質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で球状粒子に造粒した。
工程5:
大気中で温度1300℃で4時間焼成した。
工程6:
凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、磁性コア粒子7を得た。磁性コア粒子7の物性を、表1に示す。
マグネタイト微粒子(個数平均粒径0.3μm)と、ヘマタイト微粒子(個数平均粒径0.6μm)に対して、それぞれ4.0質量%のシラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を加え、容器内で温度100℃以上で高速混合撹拌し、それぞれの微粒子を親油化処理した。
フェノール 10質量部
ホルムアルデヒド溶液(ホルムアルデヒド37質量%水溶液) 6質量部
上記処理したマグネタイト微粒子 76質量部
上記処理したヘマタイト微粒子 8質量部
上記材料と、28質量%アンモニア水5質量部、水10質量部をフラスコに入れ、撹拌、混合しながら30分間で温度85℃まで昇温・保持し、4時間重合反応させて硬化させた。その後、温度30℃まで冷却し、更に水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5hPa以下)、温度60℃の温度で乾燥して、磁性微粒子が分散された状態の磁性体分散型コア粒子8を得た。磁性体分散型コア粒子8の物性を表1に示す。
磁性コア粒子7の製造例の工程3において、ステンレスのボール(直径10mm)を用いた粉砕時間を1時間に変更し、続いて、ステンレスのビーズ(直径1.0mm)を用いた湿式ビーズミルによる粉砕時間を6時間に変更した以外は、磁性コア粒子7の製造例と同様にして磁性コア粒子9を製造した。磁性コア粒子9の物性を表1に示す。
多孔質磁性コア粒子5の製造例の工程4(造粒工程)において、ポリビニルアルコール0.3質量部に変更し、工程5の焼成温度を1300℃、酸素濃度0.01%未満に変更した以外は、多孔質磁性コア粒子5の製造例と同様にして、磁性コア粒子10を製造した。磁性コア粒子10の物性を表1に示す。
磁性コア粒子7の製造例の工程3において、クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、仮焼フェライト100質量部に対し水を30質量部加え、ステンレス直径1.0mmのビーズ(直径1.0mm)を用いた湿式ビーズミルでさらに4時間粉砕しフェライトスラリーを得た以外は、磁性コア粒子7の製造例と同様にして磁性コア粒子11を製造した。磁性コア粒子11の物性を表1に示す。
工程1(秤量・混合工程):
Fe2O3 61.6質量%
MnCO3 31.6質量%
Mg(OH)2 5.7質量%
SrCO3 0.7質量%
上記フェライト原材料を秤量した。その後、ジルコニアのボール(直径10mm)を用いた湿式ボールミルで5時間粉砕・混合した。その後スプレードライヤーで乾燥し、球状粒子を得た。
工程2(仮焼成工程):
球状粒子を、バーナー式焼成炉を用い大気中で温度950℃で2時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。
工程3(粉砕工程):
クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、ステンレスのビーズ(直径
3mm)を用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え湿式ボールミルで1時間粉砕した。そのスラリーを、ステンレスビーズ(直径1.0mm)を用いた湿式ビーズミルで4時間粉砕しフェライトスラリーを得た。
工程4(造粒工程):
フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100質量部に対してポリビニルアルコール1.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、35μmの球状粒子に造粒した。
工程5(本焼成工程):
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて酸素濃度0.5体積%で、温度1100℃で4時間焼成した。
工程6(選別工程):
凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、多孔質磁性コア粒子12を得た。多孔質磁性コア粒子12の物性を表1に示す。
工程1:
Fe2O3 70.8質量%
CuO 12.8質量%
ZuO 16.4質量%
上記フェライト原材料を秤量した。その後、ジルコニアのボール(直径10mm)を用いた乾式ボールミルで2時間粉砕・混合した。
工程2:
粉砕・混合した後、大気中で温度950℃で2時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。
工程3:
クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、ステンレスのボール(直径10mm)を用い、仮焼フェライト100質量部に対し水を30質量部加え、湿式ボールミルで2時間粉砕した。そのスラリーを、ステンレスのビーズ(直径1.0mm)を用いた湿式ビーズミルでさらに4時間粉砕しフェライトスラリーを得た。
工程4:
フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100質量部に対しポリビニルアルコール0.5質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で80μmの球状粒子に造粒した。
工程5:
大気中で温度1300℃で4時間焼成した。
工程6:
凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、磁性コア粒子13を得た。磁性コア粒子13の物性を、表1に示す。
表2に記載の材料を混合し、樹脂溶液A乃至Eを得た。
表2に記載の各材料を、3mmのガラスビーズをメディア粒子として用いたサンドミルにて1時間分散した。その後、フルイを用いてビーズを分離して、樹脂溶液Fとした。
多孔質磁性コア粒子1の100質量部を混合撹拌機(ダルトン社製万能撹拌混合機NDMV型)に入れ、減圧下、温度50℃に加熱した。多孔質磁性コア粒子1の100質量部に対して充填樹脂成分として15質量部に相当する樹脂溶液Bを2時間かけて滴下し、さらに温度50℃で1時間撹拌を行った。その後、温度80℃まで昇温して溶剤を除去した。得られた試料を回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下に温度180℃で2時間熱処理して、目開き70μmのメッシュで分級して充填コア粒子1を得た(樹脂充填量15.0質量部)。
多孔質磁性コア粒子4の100質量部を混合撹拌機(ダルトン社製万能撹拌混合機NDMV型)に入れ、温度70℃に加熱した。多孔質磁性コア粒子4の100質量部に対して充填樹脂成分として10質量部に相当する樹脂溶液Aを加え、溶媒を除去しながら温度70℃にて3時間撹拌を行った。得られた試料を回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下に温度180℃で2時間熱処理して、目開き70μmのメッシュで分級して充填コア粒子2を得た(樹脂充填量10質量部)。
表3に従い、所定の多孔質磁性コア粒子、樹脂溶液を用い、充填コア粒子1の製造例と同様にして、充填コア粒子3〜6、8を製造した。
表3に従い、多孔質磁性コア粒子6を用いた以外は、充填コア粒子2の製造例と同様にして、充填コア粒子7を製造した。
多孔質磁性コア粒子12の100質量部を乾燥機(ホソカワミクロン社製の一軸式間接加熱型乾燥機ソリッドエアー)に入れ、温度75℃に保持し撹拌しながらして充填樹脂成分として13質量部に相当する樹脂液Cを滴下した。その後、温度200℃まで昇温し、2時間保持した。目開き70μmのメッシュで分級して充填コア粒子9を得た。
充填コア粒子1の100質量部を混合機(ホソカワミクロン社製のナウターミキサーVN型)に投入し、スクリューの回転速度100min-1、自転速度が3.5min-1の条件で撹拌しながら減圧下で温度70℃に調整した。樹脂溶液Cを固形分濃度が10質量%になるようにトルエンで希釈し、充填コア粒子1の100質量部に対して被覆樹脂成分として0.5質量部になるように樹脂溶液を投入した。2時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。その後、温度180℃まで昇温し、2時間撹拌を続けた後、温度70℃まで降温した。試料を混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌混合機NDMV型)に移し、原料の充填コア粒子1の100質量部に対して、樹脂溶液Cを用いて被覆樹脂成分が0.5質量部になるよう樹脂溶液を投入し、2時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。得られた試料は、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下、温度180℃で4時間熱処理した後、開口70μmのメッシュで分級して磁性キャリア1を得た。得られた磁性キャリア1の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
混合機(ホソカワミクロン社製のナウターミキサーVN型)を用いた第一段目の被覆工程において、固形分濃度が10質量%になるようにトルエンで希釈し樹脂溶液Cを、充填コア粒子1の100質量部に対して被覆樹脂成分として1.5質量部になるように投入した。混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌混合機NDMV型)を用いた第二段目の被覆工程において、樹脂溶液Cを充填コア粒子1の100質量部に対して被覆樹脂成分として1.0質量部となるよう投入した以外は、磁性キャリア1と同様にして磁性キャリア2を得た。磁性キャリア2の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
充填コア粒子として、充填コア粒子2を用い、混合機(ホソカワミクロン社製のナウターミキサーVN型)を用いた第一段目の被覆工程において、固形分濃度が10質量%になるようにトルエンで希釈し樹脂溶液Bを、充填コア粒子2の100質量部に対して被覆樹脂成分として1.5質量部になるように投入した。混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌混合機NDMV型)を用いた第二段目の被覆工程において、樹脂溶液Bを充填コア粒子2 100質量部に対して被覆樹脂成分として1.5質量部となるよう投入した以外は、磁性キャリア1と同様にして磁性キャリア3を得た。磁性キャリア3の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
充填コア粒子として、充填コア粒子3を用い、混合機(ホソカワミクロン社製のナウターミキサーVN型)を用いた第一段目の被覆工程において、スクリューの回転速度70min-1、自転速度が1.5min-1の条件で撹拌し、固形分濃度が15質量%になるようにトルエンで希釈し樹脂溶液Cを、充填コア粒子3の100質量部に対して被覆樹脂成分として0.5質量部になるように投入した。混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌混合機NDMV型)を用いた第二段目の被覆工程において、樹脂溶液Cを充填コア粒子3の100質量部に対して被覆樹脂成分として0.5質量部となるよう投入し、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)で、窒素雰囲気下、温度200℃で6時間熱処理した後、以外は、磁性キャリア1と同様にして磁性キャリア4を得た。磁性キャリア4の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
充填コア粒子4の100質量部を混合機(ホソカワミクロン社製のナウターミキサーVN型)に投入し、スクリューの回転速度100min-1、自転速度が3.5min-1の条件で撹拌しながら減圧下で温度70℃に調整した。樹脂溶液Cを固形分濃度が10質量%になるようにトルエンで希釈し、充填コア粒子4の100質量部に対して被覆樹脂成分として0.5質量部になるように樹脂溶液を投入した。2時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。試料を混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌混合機NDMV型)に移し、原料の充填コア粒子4の100質量部に対して、樹脂溶液Cを用いて被覆樹脂成分が0.25質量部になるよう樹脂溶液を投入し、2時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。さらに、原料の充填コア粒子4の100質量部に対して、樹脂溶液Cを用いて被覆樹脂成分が0.25質量部になるよう樹脂溶液を混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌混合機NDMV型)に投入し、同様に、2時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。得られた試料は、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下、温度180℃で4時間熱処理した後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア5を得た。磁性キャリア5の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
充填コア粒子5乃至7を用い、樹脂被覆操作は行わず、スクリューの回転速度80min-1、自転速度が3.5min-1の条件で混合機(ホソカワミクロン社製のナウターミキサーVN型)で室温にて4時間撹拌し、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア6乃至8を得た。磁性キャリア6乃至8の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
充填コア粒子8の100質量部を混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌混合機NDMV型)に減圧下で温度70℃に加熱した。続いて、樹脂溶液Cを固形分濃度が5質量%になるようにトルエンで希釈し、充填コア粒子8 100質量部に対して被覆樹脂成分として0.5質量部になるように、6時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。得られた試料は、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下、温度180℃で4時間熱処理した後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア9を得た。得られた磁性キャリア9の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
磁性コア粒子10の100質量部を混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌混合機NDMV型)に入れ、減圧下で温度70℃に加熱した。続いて、樹脂溶液Cを固形分濃度が30質量%になるように濃縮し後、磁性コア粒子10の100質量部に対して被覆樹脂成分として1.0質量部になるように、6時間かけて滴下し、溶媒除去及び塗布操作を行った。得られた試料は、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下、温度180℃で12時間熱処理した後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア10を得た。得られた磁性キャリア10の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
磁性体分散型コア粒子8の100質量部を混合機(ホソカワミクロン社製のナウターミキサーVN型)に投入し、スクリューの回転速度100min-1、自転速度が2.0min-1の条件で減圧下で温度70℃に加熱した。続いて、樹脂溶Bを固形分濃度が5質量%になるように希釈し、磁性体分散型コア粒子8の100質量部に対して被覆樹脂成分として0.5質量部になるように加え、6時間で滴下し、溶媒除去及び塗布操作を行った。続いて、得られた試料を、混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌混合機NDMV型)に移し、原料の磁性体分散型コア粒子8の100質量部に対して、樹脂溶液Bを用いて被覆樹脂成分が0.3質量部になるよう樹脂溶液を投入し、2時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。得られた試料は、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下、温度180℃で4時間熱処理した後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア11を得た。得られた磁性キャリア11の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
磁性コア粒子11の100質量部を混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌混合機NDMV型)に入れ、減圧下で温度70℃に加熱撹拌した。続いて、樹脂溶液Bを磁性コア粒子11の100質量部に対して被覆樹脂成分として0.5質量部になるように樹脂溶液を滴下した。6時間かけて滴下し、溶媒除去及び塗布操作を行った。得られた試料は、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下、温度180℃で8時間熱処理した後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア12を得た。得られた磁性キャリア12の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
磁性コア粒子9の100質量部を混合機(ホソカワミクロン社製のナウターミキサーVN型)に投入し、スクリューの自転速度100min-1、スクリューの公転速度が1.0min-1の条件で撹拌しながら70℃に加熱した。続いて、固形分濃度30質量%になるよう濃縮した樹脂溶液Dを磁性コア粒子9の100質量部に対して、被覆樹脂成分として1.0質量部になるように樹脂溶液を滴下し、2時間撹拌し、溶媒除去及び塗布操作を行った。得られた試料は、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下、温度180℃で2時間熱処理した後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア13を得た。得られた磁性キャリア13の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
磁性コア粒子7の100質量部を混合機(ホソカワミクロン社製のナウターミキサーVN型)に投入し、スクリューの自転速度100min-1、スクリューの公転速度が1.0min-1の条件で撹拌しながら温度70℃に加熱した。続いて樹脂溶液Dを、磁性コア粒子7の100質量部に対して、被覆樹脂成分として0.8質量部になるよう加え、2時間撹拌し、溶媒除去及び塗布操作を行った。得られた試料は、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下、温度180℃で2時間熱処理した後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア14を得た。得られた磁性キャリア14の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
磁性コア粒子7の100質量部を混合機(ホソカワミクロン社製のナウターミキサーVN型)に投入し、スクリューの自転速度100min-1、スクリューの公転速度が3.5min-1の条件で撹拌しながら温度70℃に加熱した。続いて樹脂溶液Eを、磁性コア粒子7の100質量部に対して、被覆樹脂成分として0.5質量部になるよう滴下し、2時間で溶媒除去及び塗布操作を行った。得られた試料は、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下、温度180℃で8時間熱処理した後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア15を得た。得られた磁性キャリア15の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
充填コア粒子9の100質量部に対して、被覆樹脂成分が1.3質量%となるように、樹脂溶液Fを用いて、温度80℃に加熱した流動床で塗布操作及び溶媒除去を行った。温度200℃で2時間の熱処理を行った後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア16を得た。得られた磁性キャリア16の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
磁性コア粒子13の100質量部に対して、被覆樹脂成分が1.0質量%となるように、樹脂溶液Aを用いて、温度80℃に加熱した流動床で塗布操作及び溶媒除去を行った。塗布溶媒除去を行った後温度80℃で2時間撹拌を続け、さらに磁性コア粒子13の100質量部に対して、被覆樹脂成分が0.5質量%となるように、樹脂溶液Aを用いて、流動床で塗布操作及び溶媒除去を行った。温度200℃で2時間の熱処理を行った後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア17を得た。得られた磁性キャリア17の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
スチレン1.9mol、2−エチルヘキシルアクリレート0.21mol、フマル酸0.15mol、α−メチルスチレンの2量体0.03mol、ジクミルパーオキサイド0.05molを滴下ロートに入れた。また、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン7.0mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.0mol、テレフタル酸3.0mol、無水トリメリット酸2.0mol、フマル酸5.0mol及び酸化ジブチル錫0.2gをガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、145℃の温度で撹拌しつつ、先の滴下ロートよりビニル系樹脂のモノマー及び重合開始剤を5時間かけて滴下した。次いで200℃に昇温し、200℃で4.0時間反応させてハイブリッド樹脂(樹脂A)を得た。この樹脂AのGPCによる分子量は、重量平均分子量(Mw)64000,数平均分子量(Mn)4500、ピーク分子量(Mp)7000であった。
メタノール、水、アンモニア水存在下、温度35℃に加温し、撹拌しながら、テトラメトキシシランを滴下し、シリカ微粒子の懸濁液を得た。溶媒置換を行い、得られた分散液に疎水化処理剤としてヘキサメチルジシラザンを室温で添加し、その後、温度130℃まで加熱して反応させ、シリカ微粒子表面の疎水化処理を行った。湿式で篩いを通過させ、粗大粒子を除去した後、溶媒を除去し、乾燥して、無機微粒子A(ゾルゲルシリカ微粒子)を得た。前記無機粒子Aの1次粒子の個数平均粒径は110nmであった。同様に、反応温度と撹拌速度を適宜変更することによって1次粒子の個数平均粒径が43nm、50nm、280nm、330nmの無機微粒子(ゾルゲルシリカ微粒子)B〜Eをそれぞれ製造した。
<マゼンタマスターバッチの製造>
・樹脂A 60質量部
・マゼンタ顔料(PigmentRed 57) 20質量部
・マゼンタ顔料(PigmentRed 122) 20質量部
上記の材料をニーダーミキサーにより溶融混練し、マゼンタマスターバッチを作製した。
・樹脂A 88.3質量部
・精製パラフィンワックス(最大吸熱ピーク:70℃、Mw=450、Mn=320)
5.0質量部
・上記マゼンタマスターバッチ(着色剤分40質量%) 19.5質量部
・3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミニウム化合物(負荷電制御剤)
0.9質量部
上記処方をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合した後、温度160℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。ホソカワミクロン社製の粒子設計装置(製品名:ファカルティ)を用いて、分級を行った。さらに、熱球形化処理を行い、得られたマゼンタトナー粒子100質量部に、無機微粒子A(ゾルゲルシリカ微粒子)1.0質量部、ヘキサメチルジシラザン20質量%で表面処理した一次粒子の個数平均径16nmの疎水性シリカ微粒子1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合して、トナーAを得た。得られたトナーAの円相当径0.500μm以上1.985μm未満である粒子(小粒子)は、2個数%であった。また、円相当径1.985μm以上39.69μm未満の粒子の平均円形度は0.978、重量平均粒子径(D4)は7.2μmであった。
また、トナーの電子顕微鏡による観察と画像処理から、個数分布基準で110nmに極大値をひとつ有することを確認した。確認された極大値が、無機微粒子Aに由来するものであることを確認した。
トナーAの製造例において、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)による微粉砕工程を二回繰返して微粉砕したこと、及び、熱球形化処理を行わなかった以外は同様にして、トナーBを得た。トナーBの円相当径0.500μm以上1.985μm未満である粒子(小粒子)は、10個数%であった。また、円相当径1.985μm以上39.69μm未満の粒子の平均円形度は0.943、重量平均粒子径(D4)は5.6μmであった。
トナーAの製造例において、熱球形化処理を行わなかった以外は、トナーA製造例と同様にしてトナーCを得た。トナーCの円相当径0.500μm以上1.985μm未満である粒子(小粒子)は、6個数%であった。また、円相当径1.985μm以上39.69μm未満の粒子の平均円形度は0.936、重量平均粒子径(D4)は6.2μmであった。
磁性キャリア1の92質量部に対し、トナー1を8質量部加え、V型混合機により10分間振とうさせて、二成分系現像剤を調製した。この二成分系現像剤を用いて以下の評価を行った。評価結果を表6に記載する。
画像形成装置として、キヤノン製デジタル複写機iRC3580改造機を用い、シアン位置の現像器に上記現像剤を入れ、常温常湿(温度23℃、湿度50%RH)環境下で画像形成を行った。現像スリーブには、周波数2.0kHz、Vpp1.3kVの交流電圧と直流電圧VDCを印加した。直流電圧VDCは、Vbackを150Vに固定した条件で500Vに調整した。転写材としては、カラーレーザーコピアペーパー(A4、81.4g/m2、キヤノン社製)を用いた。上記の条件で、以下の評価項目について評価を行った。
カラーレーザーコピアペーパー上に、FFH画像(ベタ画像)を形成し、コントラスト電位300Vを基準とし、反射濃度で1.30以上1.60以下の画像濃度を得るために必要なVppと、得られた反射濃度から現像性を評価した。反射濃度は、分光濃度計500シリーズ(X−Rite社製)を用いて測定した。この評価においては、1.3kVppでFFH画像(ベタ画像)の反射濃度が1.30に到達しなかった場合には、Vppを大きくしてトナーの現像量を上げていった。尚、FFH画像とは、256階調を16進数で表示した値であり、00Hを1階調目(白地部)、FFHを256階調目(ベタ部)とする。
(評価基準)
(A)Vpp1.3kVで、画像濃度1.30以上1.60以下
(B)Vpp1.5kVで、画像濃度1.30以上1.60以下
(C)Vpp1.8kVで、画像濃度1.30以上1.60以下
(D)Vpp1.8kVで、画像濃度1.30未満
次いで、画像割合が5%の画像を用いて10万枚の画出し試験を行った。画出し試験後、現像剤をサンプリングし、現像剤中のトナー濃度を確認した。初期のトナー濃度8%から変動のあった現像剤については、現像器にトナーを補給するか、トナーの補給を止めて画出しを行うなどしてトナーを消費させ、画出し後のトナー濃度が8%となるよう調整した。画出し試験の初期と、濃度調整後の再画出しの初期において、以下の項目について評価を行った。
転写紙の搬送方向に対して、ハーフトーン横帯(30H 幅10mm)とベタ画像横帯(FFH 幅10mm)を交互に並べたチャートを出力する(即ち、感光体の長手方向全域に幅10mmのハーフトーン画像を形成し、次いで、長手方向全域に幅10mmのベタ画像を形成し、それを繰り返して得られる画像。)。その画像をスキャナ(600dpi)で読み取り、二値化処理を行い、搬送方向における輝度分布(256階調)を測定する。なお、30H画像とは、256階調を16進数で表示した値であり、00Hを画像無しの状態とし、FFHをベタ画像とするときのハーフトーン画像である。二値化画像の得られた輝度分布において、ハーフトーン(30H)の輝度よりも白い領域(00Hから30Hの領域)の面積(ドット数)を、白抜け度とする。耐久開始時および10万枚後の白抜けレベルを評価した。
(評価基準)
A:50以下
B:51以上150以下
C:151以上300以下
D:301以上
ハーフトーン画像(30H)をA4で1枚印刷し、耐久開始時および10万枚後の画像を目視にて観察した。
(評価基準)
ハーフトーン画像のガサツキを目視で評価した。
A:ガサツキなし
B:わずかにガサツキあり
C:ガサツキがあるが許容レベル
D:ひどいガサツキ
耐久開始時および10万枚後に00H画像を印刷し、感光ドラム上の部分を透明な粘着テープを密着させてサンプリングし、1cm×1cm中の感光ドラム上に付着していた磁性キャリア粒子の個数を光学顕微鏡で数えた。
(評価基準)
A:3個以下
B:4個以上10個以下
C:11個以上20個以下
D:21個以上
初期のリークの試験には、耐久に用いる現像剤と別にトナー濃度4%の現像剤を同様にして調製する。耐久後に関しては、耐久後の評価を終えた現像剤を用いて、トナー補給を止めて、トナー濃度が4%になるまで、トナーを消費させてから、以下の方法で試験を行った。
A4普通紙上にベタ(FFH)画像を5枚連続して出力して、画像上において直径が1mm以上の白く抜けている点の個数をカウントする。5枚の合計個数から評価を行う。
(評価基準)
A:0個
B:1個以上10個未満
C:10個以上20個未満
D:20個以上100個未満
X−Riteカラー反射濃度計(500シリーズ:X−Rite社製)を使用し、画像濃度、カブリを測定した。耐久開始時および10万枚後の画像濃度の差を以下の基準で評価とした。
(評価基準)
A:0.00以上0.05未満
B:0.05以上0.10未満
C:0.10以上0.20未満
D:0.20以上
次に、10万枚の画出し試験を行ったマシンを高温高湿(温度30℃、湿度80%RH)環境に移動し、画像割合が30%の画像を用いてさらに5万枚の画出し試験を行った。5万枚の画出し試験後、現像剤担持体上から現像剤約1gをサンプリングした。次に、現像器を機内に戻し3晩そのままの状態に放置した。3晩放置後、現像器から同様に現像剤約1gをサンプリングした。その後、現像器を機内に戻して後述のカブリ試験を行った。
高温高湿(温度30℃、湿度80%RH)環境下での5万枚の画出し試験直後にサンプリングした現像剤の帯電量(Q1)及び3晩放置後にサンプリングした現像剤の帯電量(Q2)を測定し、Q1とQ2の帯電量の差(帯電量の低下量)で評価を行った。
帯電量は、高温高湿(温度30℃、湿度80%RH)環境下に設置した吸引分離式帯電量測定器セパソフト STC−1−C1型(三協パイオテク製)を用いて測定した。サンプルフォルダー(ファラデーゲージ)底に目開き20μmのメッシュ(金網)を設置し、その上に、サンプリングした現像剤を0.10g入れフタをする。この時のサンプルフォルダー全体の質量を秤りW1(g)とする。次にサンプルフォルダーを本体に設置し風量調節弁を調整して吸引圧力を2kPaとする。この状態で2分間吸引しトナーを吸引除去する。この時の電流Q(μC)とする。また、吸引後のサンプルフォルダー全体の質量を秤りW2(g)とする。この時、求まるQは、キャリアの電荷を計測しているため、トナーの摩擦帯電量としては、その逆極性になる。この現像剤の摩擦帯電量(mC/kg)の絶対値は下式の如く算出される。
摩擦帯電量(mC/kg)=Q/(W1−W2)
(評価基準)
A:5.0mC/kg未満
B:5.0mC/kg以上10.0mC/kg未満
C:10.0mC/kg以上15.0mC/kg未満
D:15.0mC/kg以上
耐久開始時および10万枚後の画像出力後に、Vback 150Vに設定し、ベタ白画像を1枚印刷した。
リフレクトメータ(東京電色株式会社製の「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって、画像形成前の紙の平均反射率Dr(%)、ベタ白画像の反射率Ds(%)を測定した。
カブリ(%)=Dr(%)−Ds(%)
を算出した。
(評価基準)
A:0.5%未満
B:0.5以上1.0%未満
C:1.0以上2.0%未満
D:2.0%以上
高温高湿(温度30℃、湿度80%RH)環境下での5万枚の画出し後に、高温高湿にそのまま3晩放置し、Vback 150Vに設定し、ベタ白画像を1枚印刷した。(8)耐久によるカブリ変動の評価と同様の手順及び評価基準にて評価を行った。
表5に示す磁性キャリアとトナーとを組み合わせて、それぞれ二成分系現像剤を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。それぞれの評価結果を表6に示す。
Claims (11)
- 多孔質磁性フェライトコア粒子と、該多孔質磁性フェライトコア粒子の表面に存在する樹脂とを少なくとも有する磁性キャリア粒子を有する磁性キャリアであって、
走査型電子顕微鏡により撮影した加速電圧が2.0kV時の該磁性キャリア粒子の反射電子像において、
下式(1)から求められる面積割合S1が、0.5面積%以上8.0面積%以下である磁性キャリア粒子の割合が、磁性キャリア中80個数%以上であり、
S1=(磁性キャリア粒子1粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積/その粒子の全投影面積)×100 (1)
磁性キャリアは、磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合Av1が、0.5面積%以上8.0面積%以下であり、
磁性キャリアは、下式(2)から求められる平均割合Av2が、10.0面積%以下であることを特徴とする磁性キャリア。
Av2=(磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分であって、ドメインの面積が6.672μm2以上である部分の総面積/磁性キャリア粒子の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積)×100 (2)。 - 磁性キャリアは、下式(3)から求められる平均割合Av3が、60.0面積%以上であることを特徴とする請求項1に記載の磁性キャリア。
Av3=(磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分であって、ドメインの面積が2.780μm2以下である部分の総面積/磁性キャリア粒子の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積)×100 (3)。 - 該磁性キャリア粒子は、該金属酸化物に由来する輝度の高い部分の各ドメインの面積を平均した平均値が、0.45μm2以上1.40μm2以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性キャリア。
- 磁性キャリアは、走査型電子顕微鏡の加速電圧が2.0kVで撮影された反射電子像の磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合Av1と、走査型電子顕微鏡の加速電圧が4.0kVで撮影された反射電子像の磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合Av4とが、下記式(4)
1.00≦Av4/Av1≦1.30 (4)
の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁性キャリア。 - 該多孔質磁性フェライトコア粒子は、電界強度300V/cmにおける比抵抗が、1.0×106Ω・cm以上5.0×108Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の磁性キャリア。
- 該磁性キャリア粒子は、該多孔質磁性フェライトコア粒子の孔に、樹脂が充填されている粒子であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の磁性キャリア。
- 該磁性キャリア粒子は、該多孔質磁性フェライトコア粒子の孔に樹脂が充填されている粒子の表面をさらに樹脂で被覆した粒子であることを特徴とする請求項6に記載の磁性キャリア。
- 磁性キャリアとトナーを少なくとも含有する二成分系現像剤であり、該磁性キャリアは、請求項1乃至7のいずれかに記載の磁性キャリアであることを特徴とする二成分系現像剤。
- 該トナーは、平均円形度が0.940以上1.000以下であることを特徴とする請求項8に記載の二成分系現像剤。
- 該トナーは、円相当径0.500μm以上1.985μm以下である粒子が30個数%以下であることを特徴とする請求項8又は9に記載の二成分系現像剤。
- 該トナーは、トナー粒子と、個数分布基準の50nm以上300nm以下の範囲に粒径分布の極大値を少なくとも一つ以上有する無機微粒子とを有することを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の二成分系現像剤。
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