JPWO2010016602A1 - 磁性キャリア及び二成分系現像剤 - Google Patents
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Abstract
Description
特開平4−93954号公報には、長期使用による濃度変動を抑えるため、球状フェライト粒子の表面の微細結晶粒子に基づく凹凸を有する磁性キャリアが提案されている。コアの凸部が露出するように樹脂コーティングした磁性キャリアで、環境依存性も小さく、長期使用によって、画像濃度の変動を小さくすることができる。しかし、磁性キャリアの見掛け密度が2.66g/cm3と大きく、PODに対応するような高速現像プロセスにおいては、キャリアが受けるストレスが大きくなる。また、被覆樹脂層が薄い設計になっていることから、被覆樹脂の削れによって磁性キャリアが低抵抗化することがあった。また、被覆樹脂が球状フェライトコアと直接結着しているため、被覆樹脂とコアの密着性が不足し、被覆樹脂の剥離が発生し、磁性キャリアが低抵抗化することがあった。そのような場合、特に、長期使用後、高温高湿環境下で二成分系現像剤を長期放置すると、カブリが発生したり、濃度変動がおおきくなることがあった。また、現像スリーブから磁性キャリアを介して、静電潜像担持体へ電荷の注入現象が発生し、静電潜像担持体の潜像が乱され、ハーフトーン部ががさついたりする場合があった。
そこで、より低比重化、低磁気力化を進めるために磁性体を樹脂中に分散させた磁性体分散型樹脂キャリアが提案されている。特開平8−160671号公報には、キャリアの電気抵抗が高く、低磁気力の磁性体分散型樹脂キャリアの提案がなされている。しかしながら、上記のようなキャリアはより低比重、低磁気力になると十分な高画質化や高精細化、より耐久性の向上は図れるものの現像性が低下する場合がある。現像性低下の要因は、キャリアが高抵抗化することにより電極効果が低下することによる。その結果、ハーフトーン画像部とベタ画像部の境界でハーフトーン部後端のトナーが掻き取られ白いスジとなり、ベタ画像部のエッジが強調される画像欠陥(以下、白抜けと称する)が発生する場合がある。
また、磁性体分散型樹脂キャリアに変わるものとして、特開2006−337578号公報(特許4001606号公報)には、空隙率が10乃至60%であり、その空隙に樹脂を充填してなる樹脂充填型フェライトキャリアが提案されている。さらに、特開2007−57943号公報には、多孔質フェライト芯材の空隙に樹脂を充填し、その構造を規定したキャリアが提案されている。
これらの提案では、多孔質フェライトコアの空隙に樹脂を充填し、低比重化と低磁気力化が達成されている。低比重、低磁気力化によって、磁性キャリアの耐久性の向上と高画質化は図られるが、現像性に劣る場合があった。現像性低下の要因は、磁性キャリアが高抵抗化することにより電極効果が低下することによる。その結果、ハーフトーン部とベタ部との境界で、ハーフトーン部後端のトナーが掻き取られ白スジとなり、ベタ部のエッジが強調される画像欠陥(以下、白抜けと称する)が発生することがある。また、現像性が不足することを補うために、交番バイアス電圧である現像バイアスのVpp(ピーク間電圧)を高く設定すると、不足する現像性を補うことができるが、この場合、記録紙上にリング状又はスポット状の模様が生じる画像不良現象が発生することがあった。また、一般に、現像プロセスにおいて、トナーが磁性キャリア表面から飛翔すると、磁性キャリア粒子表面にはトナーと反対の極性の電荷が発生する。これをカウンターチャージと呼ぶが、磁性キャリアが高抵抗化することによって、磁性キャリア粒子に蓄積されたカウンターチャージが現像剤担持体側へ移動しにくくなる。そのため、磁性キャリア粒子表面に残留するカウンターチャージとトナーの電荷が引き合い、大きな付着力となって、トナーが磁性キャリア粒子から飛翔しにくくなり、画像濃度が低くなることがあった。
このように、二成分現像剤の安定性や耐ストレス性を向上のための方法が検討されているが、現像性、耐久安定性を満足し、画像欠陥のない高品質な画像を長期にわたり与える二成分系現像剤が待望されている。
また、本発明の目的は、高品質な画像を長期にわたり得ることが可能な磁性キャリアおよび二成分系現像剤を提供することにある。
本発明の目的は、長期にわたり、安定した現像性が得られ、画像濃度の変動が少なく、また、白抜け、キャリア付着が抑制され、高温高湿下での長期保存後であってもカブリの発生が抑制された磁性キャリアおよび二成分系現像剤を提供することにある。
本発明は、多孔質磁性コア粒子と樹脂とを少なくとも有する磁性キャリア粒子を有する磁性キャリアであって、
走査型電子顕微鏡により撮影した加速電圧が2.0kV時の該磁性キャリア粒子の反射電子像において、
下式(1)から求められる面積割合S1が、0.5面積%以上8.0面積%以下である磁性キャリア粒子の割合が、磁性キャリア中80個数%以上であり、
S1=(磁性キャリア粒子1粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積/その粒子の全投影面積)×100 (1)
磁性キャリアは、磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合Av1が、0.5面積%以上8.0面積%以下であり、
磁性キャリアは、下式(2)から求められる平均割合Av2が、10.0面積%以下であることを特徴とする磁性キャリアに関する。
S2=(磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分であって、ドメインの面積が6.672μm2以上である部分の総面積/磁性キャリア粒子の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積)×100 (2)
また、本発明は、磁性キャリアとトナーを少なくとも含有する二成分系現像剤であり、該磁性キャリアが、上記の磁性キャリアであることを特徴とする二成分系現像剤に関する。
本発明の磁性キャリアおよび二成分系現像剤を用いることにより、画像欠陥の発生を抑制でき、高品質な画像を長期にわたり得ることができる。
図2は、図1の磁性キャリアの表面状態を説明するための模式図である。
図3は、図1の磁性キャリア粒子を画像処理して、磁性キャリア粒子を抽出した状態を示す一例である。
図4は、図1の磁性キャリア粒子を画像処理して、磁性キャリア粒子表面上の金属酸化物に由来する部分を抽出した状態を示す一例である。
図5は、加速電圧2.0kvの条件下に、本発明の磁性キャリア粒子から放出された主に反射電子を可視化した投影像を表す一例である。
図6は、加速電圧4.0kvの条件下に、本発明の磁性キャリア粒子から放出された主に反射電子を可視化した投影像を表す一例である。
図7Aおよび図7Bは、本発明の磁性キャリア、磁性コア等の比抵抗を測定する装置の概略的断面図である。図7Aは、試料を入れる前のブランクの状態での図であり、図7Bは、試料を入れたときの状態を示す図である。
図8は、本発明に適用できる表面改質装置の模式図である。
図9は、本発明の磁性キャリアの主に反射電子を600倍の倍率で可視化した投影図の一例である。
図10は、本発明の磁性キャリアの主に反射電子を可視化した投影図の画像処理の前処理後の様子を示す図の一例である。
図11は、本発明の磁性キャリアの主に反射電子を可視化した投影図から磁性キャリア粒子を抽出した状態を示す図の一例である。
図12は、本発明の磁性キャリアの主に反射電子を可視化した投影図から抽出した磁性キャリア粒子から、画像外周部のキャリア粒子を除外した状態を示す図の一例である。
図13は、図10で抽出された磁性キャリア粒子から、さらに粒径によって画像処理する粒子を絞り込んだ状態を示す図の一例である。
図14は、本発明の磁性キャリア粒子上の金属酸化物を抽出した状態を説明する図の一例である。
図15は、比抵抗の測定結果を示すグラフの一例である。実施例1の磁性キャリア及びそれに用いた磁性コアの測定をした結果を示す。
図16は、電界強度の外挿の仕方を表す図である。
図17は、「ブレークダウンする寸前の電界強度」を説明する図である。
本発明の磁性キャリアは、多孔質磁性コア粒子と樹脂とを少なくとも有する磁性キャリア粒子を有する磁性キャリアであって、走査型電子顕微鏡により撮影した加速電圧が2.0kV時の該磁性キャリア粒子の反射電子像において、下式(1)から求められる面積割合S1が、0.5面積%以上8.0面積%以下である磁性キャリア粒子の割合が、磁性キャリア中80個数%以上であり、
S1=(磁性キャリア粒子1粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積/その粒子の全投影面積)×100 (1)
磁性キャリアは、磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合Av1が、0.5面積%以上8.0面積%以下であり、磁性キャリアは、下式(2)から求められる平均割合Av2が、10.0面積%以下であることを特徴とする磁性キャリアである。
Av2=(磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分であって、ドメインの面積が6.672μm2以上である部分の総面積/磁性キャリア粒子の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積)×100 (2)
このような磁性キャリアは、長期にわたり、安定した現像性が得られ、画像濃度の変動が少なく、また、白抜け、キャリア付着が抑制され、高温高湿下での長期保存後であってもカブリの発生が抑制された画像を得ることができる。また、該磁性キャリアは、下式(3)から求められる平均割合Av3が、60.0面積%以上であることが好ましい。
Av3=(磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分であって、ドメインの面積が2.780μm2以下である部分の総面積/磁性キャリア粒子の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積)×100 (3)
該面積割合Av3が、60面積%以上であるとき、上記の効果が特に顕著となる。
本発明の磁性キャリアがこのような優れた効果を発揮する理由は定かではないが、本発明者らは、以下のように推察している。
本発明の磁性キャリアは、導電性の多孔質磁性コア粒子と樹脂とを少なくとも含有する磁性キャリア粒子表面に、導電性の金属酸化物に由来する輝度の高い部分を最適に分布させたものである。本発明における金属酸化物に由来する輝度の高い部分の面積とは、走査型電子顕微鏡の所定の加速電圧下で、主に反射電子を可視化した像(図1)において、輝度の高い(画像上白く、明るく見える)部分であり、磁性キャリア粒子表面に露出しているように観察される(即ち、露出しているか、或いは、極めて薄い被覆層で覆われている状態)多孔質磁性コア粒子部分を指す。本発明の磁性キャリアは、磁性キャリア粒子表面の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の面積が占める割合及び金属酸化物に由来する輝度の高い部分の面積分布、その頻度を規定することで上記目的を達成するものである。
本発明の磁性キャリアにおいては、下式(1)
S1=(磁性キャリア粒子1粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積/その粒子の全投影面積)×100 (1)
で表される面積割合S1が0.5面積%以上8.0面積%以下である磁性キャリア粒子の割合が80個数%以上である。
上記式(1)を満たす磁性キャリア粒子を用いた場合には、現像部位において、低抵抗化された磁気ブラシが電極として働くため(電極効果)によって、トナーに働く電界の力が大きくなる。その結果、トナーが飛翔しやすくなり、現像性が向上すると考えられる。また、金属酸化物に由来する輝度の高い部分の面積が適度にコントロールされているため、磁性キャリア粒子の表面におけるトナー飛翔後のカウンターチャージをすばやく減衰させることができ、さらに現像性が向上する。磁性キャリア中において、上記式(1)を満たす磁性キャリア粒子の割合が80個数%以上であれば、上記の効果が十分に得られる。
また、本発明の磁性キャリアは、磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合Av1が、0.5面積%以上8.0面積%以下であり、好ましくは2.0面積%以上5.5面積%以下である。平均割合Av1が、上記の範囲内にあることによって、カウンターチャージをすばやく減衰させることができ、現像性が向上する。
平均割合Av1が0.5面積%より小さい場合は、磁性キャリア粒子にカウンターチャージが蓄積し、トナーと磁性キャリア粒子間の静電的な付着力が大きくなるため、画像濃度が低下することがあった。
一方、平均割合Av1が、該磁性キャリア粒子投影面に対して、8.0面積%より大きい場合は、金属酸化物に由来する輝度の高い部分を介して、静電潜像担持体への電荷の注入によって、静電潜像が乱されハーフトーン部のガサついた画像となることがある。
また、本発明の磁性キャリアは、下式(2)
Av2=(磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分であって、ドメインの面積が6.672μm2以上である部分の総面積/磁性キャリア粒子の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積)×100 (2)
から求められる平均割合Av2が、10.0面積%以下である。Av2の値がこの範囲内にあるような磁性キャリアは、高温高湿環境下で長期使用された後に放置された場合であっても、摩擦帯電量の低下を抑えることができる。磁性キャリア粒子表面において、広いドメインで存在する金属酸化物に由来する輝度の高い部分を少なくすることで、トナー−キャリア間の摩擦帯電の緩和を抑制できる。そのため、高温高湿環境下で長期使用され、放置された際におこる摩擦帯電量の低下を抑えることができたと考えられる。このことからも、6.672μm2以上の金属酸化物に由来する部分は存在しないことが最も好ましい。
平均割合Av2が10面積%超のとき、高温高湿環境下で長期使用され放置されると、摩擦帯電量が低下し、カブリの如き画像不良が発生しやすくなる。
また、本発明の磁性キャリアは、下式(3)
Av3=(磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分であって、ドメインの面積が2.780μm2以下である部分の総面積/磁性キャリア粒子の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積)×100 (3)
から求められる平均割合Av3が、60.0面積%以上であることが好ましい。上記Av3が60面積%以上の場合(つまり、狭いドメインで存在する金属酸化物に由来する輝度の高い部分の面積割合を多くする)、現像性に優れ、画像濃度の変動が少なく、白抜けやキャリア付着といった画像欠陥のない画像を得ることができる。2.780μm2以下の金属酸化物に由来する輝度の高い部分が100面積%であることが最も好ましい。
平均割合Av3が60面積%以上である磁性キャリアにおいては、現像剤担持体上で磁気ブラシを形成する磁性キャリア粒子間で金属酸化物に由来する輝度の高い部分が確実に接触点を持つことができるようになる。低抵抗な金属酸化物に由来する輝度の高い部分で、磁性キャリア粒子同士が接点を持つことにより、静電潜像担持体側の磁性キャリア粒子表面から現像剤担持体への導通経路が磁気ブラシに形成される。そのため、現像中も、磁性キャリア粒子表面から現像剤担持体へ導通経路が確保され、磁性キャリア表面に発生したカウンターチャージを直ちに減衰させることができる。
また、加速電圧2.0kVの反射電子像の投影面上で金属酸化物に由来する輝度の高い部分の平均面積値が、0.45μm2以上1.40μm2以下であることが好ましく、より好ましくは、0.70μm2以上1.00μm2以下である。加速電圧2.0kVの反射電子像の投影面上で金属酸化物に由来する輝度の高い部分の平均面積値が、上記範囲内にある場合、磁性キャリア表面に発生したカウンターチャージを直ちに減衰させることができ、現像性がより向上する。
なお、走査型電子顕微鏡により所定の加速電圧下に撮影された反射電子像の投影面上で金属酸化物に由来する輝度の高い部分とは、主に反射電子を可視化した像(図1)において、輝度の高い(画像上白く、明るく見える)部分として観察される部分のことを指している。走査型電子顕微鏡は、加速した電子線を試料へ照射し、試料から放出されてくる二次電子や反射電子を検出することで、試料の表面や組成情報を可視化する装置である。走査型電子顕微鏡観察において、放出されてくる反射電子の量は、重元素ほど多いことが知られている。例えば、有機化合物と鉄が平面上に分布している試料であれば、鉄からの反射電子の放出量が多いため、鉄部分が画像上では明るく(輝度が高い、白く)見える。一方、軽元素から構成される有機化合物からの反射電子量は多くはないため、画像上では暗く(輝度が低く、黒く)見えることになる。
磁性キャリア粒子の表面には、有機化合物である樹脂部分と、金属酸化物に由来する輝度の高い部分が存在している。金属酸化物に由来する輝度の高い部分は、金属酸化物の表面が露出しているか、または金属酸化物が樹脂によって薄く被覆された状態にあって、磁性キャリア粒子の表面の低抵抗な部分である。本発明の磁性キャリア粒子の反射電子像においては、金属酸化物の表面が露出しているか、または金属酸化物が樹脂によって薄く被覆された状態にある部分が明るく、逆に、樹脂が厚く存在する部分は暗く、画像上で大きなコントラストの差をもった投影像として得られる。図2は、図1の磁性キャリア表面の金属酸化物の表面が露出しているか、または金属酸化物が樹脂によって薄く被覆された状態にある輝度が高い部分と樹脂が厚く存在する部分の分布を模式的に示したものである。白い部分が、金属酸化物の表面が露出しているか、または金属酸化物が樹脂によって薄く被覆された状態部分であり、黒い部分が、樹脂が厚く存在する部分に相当する。本発明においては、図1の磁性キャリアの投影像から磁性キャリア粒子を抽出し、磁性キャリア粒子の投影面積をもとめる。図3の白く抜けている部分が、図1の投影像から磁性キャリア粒子部分として抽出された部分を示している。続いて、図1の投影像から金属酸化物に由来する輝度の高い部分を抽出し(図4)する。図4において、白く抜けている箇所が金属酸化物に由来する輝度の高い部分を表している。磁性キャリア粒子の面積と金属酸化物に由来する輝度の高い部分の面積を画像処理によりそれぞれ求める。次に、磁性キャリア粒子投影面積に占める金属酸化物に由来する輝度の高い部分の面積の割合と、金属酸化物に由来する輝度の高い部分の面積分布を算出する。電子顕微鏡による観察条件、撮影条件、画像手順の詳細は、後述する。また、実際に、白く光る部分が金属酸化物に由来する輝度の高い部分が、金属酸化物の表面が露出しているか、または金属酸化物が樹脂によって薄く被覆された金属酸化物であることは、電子顕微鏡に付属の元素分析装置で確認することができる。
また、本発明の磁性キャリアは、走査型電子顕微鏡の加速電圧が2.0kVで撮影された反射電子像の磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合Av1と、走査型電子顕微鏡の加速電圧が4.0kVで撮影された反射電子像の磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合Av4とが、下記式(4)
1.00≦Av4/Av1≦1.30 (4)
の関係を満たすことが好ましい。式(4)を満たす場合には、長期使用による帯電量変動がより小さくなる。
走査型電子顕微鏡の加速電圧を2.0kVから4.0kVに変えることによって、観察対象の試料のより深い部分(内部)から放出されてくる反射電子も観察することができる。加速電圧2.0kVの主に反射電子を可視化した像(図5)と加速電圧4.0kVの主に反射電子を可視化した像(図6)を比較することで判るように、加速電圧の異なる条件で観察することによって、磁性キャリア粒子の深さ方向における樹脂で薄く覆われた金属酸化物部分の存在状態や分布、多孔質磁性コア粒子の形状の違いを捉えることができる。
式(4)を満たす場合、磁性キャリア粒子表面から内部にかけて、金属酸化物である多孔質磁性コア粒子の形状に変化が少ないことを意味する。この場合、加速電圧が4.0kVで加速された電子が到達する最深部付近まで、磁性キャリア粒子の表層を、削り取ったとしても、磁性キャリア粒子の金属酸化物の輝度の高い部分の面積や面積分布の変化は少ない。つまり、磁性キャリアが有する樹脂が多孔質磁性コアの中心方向のより深い部位にまで存在していることになり、樹脂と多孔質磁性コア粒子との接触面積が大きくなるため、樹脂の多孔質磁性コア粒子表面からの剥離が抑制される。そのため、長期使用によっても、磁性キャリア粒子の表面状態の変化が小さくなり、摩擦帯電付与能の変動を少なくすることができる。
また、本発明の磁性キャリアの多孔質磁性コアは、後述する比抵抗測定法において、ブレークダウンする寸前の電界強度が300V/cm以上1500V/cm以下である。該多孔質磁性コアのブレークダウンする寸前の電界強度が、300V/cm以上1500V/cm以下の場合、低Vppでの現像が可能な高い現像性を有する磁性キャリアとなり、同時に、白抜けといった画像欠陥を改善することが可能となった。
通常、現像時にトナーが磁性キャリア粒子から飛翔すると、カウンターチャージが磁性キャリア粒子表面に発生する。カウンターチャージが蓄積すると、トナーと磁性キャリア粒子との付着力が大きくなり、画像濃度が低下する。さらに、カウンターチャージは、静電潜像担持体上に一旦現像されたトナーを、磁性キャリア側へ引き戻す力として作用するため、白抜けを助長することがある。そのため、磁性キャリア粒子表面に発生したカウンターチャージは、すばやく減衰させる必要がある。
本発明の磁性キャリアの多孔質磁性コア粒子は、後述する比抵抗測定法において、ブレークダウンする寸前の電界強度が、300V/cm以上1500V/cm以下のとき、高い摩擦帯電量でありながら、より高い現像性が発現され、白抜け改善の効果がより顕著となる。本発明におけるブレークダウンについての詳細は後述するが、“ブレークダウン”とは、“ある一定以上の電界強度をかけた際に、過電流が流れること”と定義される。多孔質磁性コア粒子は、ある一定以上の電界強度が印加されることによって一気に低抵抗化したと考えられる。つまり、高い現像電界が印加される現像時においても、本発明の多孔質磁性コアからなる磁性キャリアが、現像時に一時的に過渡的に低抵抗化すると推察される。また、現像領域で現像を終え、多孔質磁性コアからなる磁性キャリアが現像領域から離れると、元の抵抗に戻るため、キャリア自体の帯電付与能が損なわれることもない。そのため、低抵抗化した磁性キャリア粒子を介して、現像剤担持体側へカウンターチャージをスムーズ漏洩させることができる。よって、キャリア自体のトナーに対する帯電付与能が損なわれることがなく、高い摩擦帯電量を有するトナーを利用しながら、高い現像性を有し、カウンターチャージをすばやい減衰させることができ、白抜けが改善したと考えられる。
また、本発明の磁性キャリアの多孔質磁性コアは、電界強度300V/cmまではブレークダウンしなく、電界強度が、1500V/cmを越える電界強度でブレークダウンすることが好ましい。この場合、現像性に優れ、白抜けの如き画像欠陥も防止できるのでより好ましい。
ブレークダウンについて説明する。図7Aおよび図7Bに概略的に示される装置を用いて、比抵抗測定を行う。装置としては、エレクトロメーター(例えば、ケスレー6517A ケスレー社製)を用いることができ、電極面積を2.4cm2とし、磁性キャリアの厚みを約1.0mmとする。最大印加電圧を1000Vとし、エレクトロメーターの自動レンジ機能を利用し、1V(20V)、2V(21V)、4V(22V)、8V(23V)、16V(24V)、32V(25V)、64V(26V)、128V(27V)、256V(28V)、512V(29V)、1000V(≒210V)の電圧を1秒間ずつ印加するスクリーニングを行う。その際に、最大1000Vまで印加可能かどうかをエレクトロメーターが判断し、過電流が流れる場合、「VOLTAGE SOURCE OPARATE」が点滅する。「VOLTAGE SOURCE OPARATE」が点滅した場合、印加電圧を下げて、印加可能な電圧をスクリーニングし、印加電圧の最大値をエレクトロメーターが自動的に決める。印加電圧の最大値が決定後、ブレークダウン直前の電圧の測定と、ブレークダウン直前の電界強度の測定を行う。決定された印加電圧の最大値を5分割し、各電圧を30秒間印加し、測定された電流値から抵抗値を測定する。測定方法の詳細は後述する。
また、本発明の磁性キャリアは、該多孔質磁性コア粒子の300V/cmにおける比抵抗が、1.0×106Ω・cm以上5.0×108Ω・cm以下であることが好ましい。多孔質磁性コア粒子の比抵抗が1.0×106Ω・cm以上5.0×108Ω・cm以下であることで、磁性キャリアとして、現像リークを防止し、かつ現像性を向上させることができる。さらに、現像性の向上と共に、白抜けといった画像欠陥をより良好に抑制することができる。
多孔質磁性コア粒子の比抵抗は、後述する多孔質磁性コア粒子の製造工程において、焼成条件、特に焼成雰囲気の酸素濃度を加減することで、調整することができる。
多孔質磁性コア粒子は、粒子表面から内部に続く孔を有するものであり、このようなコア粒子を用いる場合に、磁性キャリア粒子表面における樹脂と金属酸化物に由来する輝度の高い部分の存在状態をコントロールする方法としては、例えば、以下の方法をあげることができる。(1)多孔質磁性コア粒子の含有する樹脂の組成や充填量、充填方法、被覆樹脂の組成、被覆樹脂の量、被覆方法などを変えることによって調整する。(2)固形分濃度の異なる充填樹脂溶液や被覆樹脂溶液で複数回充填や被覆処理をする。(3)処理中の樹脂溶液の粘度を調整する。(4)各過程で使用する装置における各粒子の撹拌条件を調整し、粒子同士による研磨を制御する。また、これらの方法を組み合わせてもよい。
更に、被覆処理後に、磁性キヤリア粒子の表面に処理を施すことによっても、多孔質磁性コアの金属酸化物に由来する輝度の高い部分と樹脂の存在状態をコントロールすることもできる。例えば、ドラムミキサー(杉山重工業株式社製)の如き、内部に撹拌羽根を有する回転容器を回転させながら樹脂被覆された磁性キヤリア粒子を熱処理しながら、磁性キヤリア粒子同士の研磨により、コア粒子の表面を部分的に露出させることができる。好ましくは、ドラムミキサーで100℃以上の温度で、0.5時間以上処理することが好ましい。
多孔質磁性コア粒子は、磁性キャリア粒子表面の樹脂の存在状態のコントロールを構造的に行いやすい。多孔質磁性コア粒子のブレークダウン電圧を制御する方法としては、原料組成、原料粒径、前処理条件、焼成条件、後処理条件等によって内部構造を制御する方法が挙げられる。
多孔質磁性コア粒子としては、好ましくは、多孔質磁性フェライトコア粒子を用いるのが良い。
フェライト粒子とは次式で表される焼結体である。
(M12O)u(M2O)v(M32O3)w(M4O2)x(M52O5)y(Fe2O3)z
(式中、M1は1価、M2は2価、M3は3価、M4は4価、M5は5価の金属であり、u+v+w+x+y+z=1.0とした時に、u、v、w、x及びyは、それぞれ0≦(u,v,w,x,y)≦0.8であり、zは、0.2<z<1.0である。)
また、上記式中において、M1乃至M5としては、少なくともLi、Fe、Zn、Ni、Mn、Mg、Co、Cu、Ba、Sr、Ca、Si、V、Bi、In、Ta、Zr、B、Mo、Na、Sn、Ti、Cr、Al、Sc、Y、La、Ce、Pr、NdSm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luからなる群から選ばれる1種類以上の金属元素を表す。例えば、磁性のLi系フェライト(例えば、(Li2O)a(Fe2O3)b(0.0<a<0.4,0.6≦b<1.0、a+b=1))、Mn系フェライト(例えば、(MnO)a(Fe2O3)b(0.0<a<0.5、0.5≦b<1.0、a+b=1))、Mn−Mg系フェライト(例えば、(MnO)a(MgO)b(Fe2O3)c(0.0<a<0.5、0.0<b<0.5、0.5≦c<1.0、a+b+c=1))、Mn−Mg−Sr系フェライト(例えば、(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe2O3)d(0.0<a<0.5、0.0<b<0.5、0.0<c<0.5、0.5≦d<1.0、a+b+c+d=1)、Cu−Zn系フェライト(例えば、(CuO)a(ZnO)b(Fe2O3)c(0.0<a<0.5、0.0<b<0.5、0.5≦c<1.0、a+b+c=1)がある。なお、上記フェライトは主元素を示し、それ以外の微量金属を含有するものも含んでいる。
結晶の成長速度のコントロールの容易性の観点から、Mn元素を含有する、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Mn−Mg−Sr系フェライトが好ましい。
多孔質磁性コア粒子の体積分布基準の50%粒径(D50)は、18.0μm以上68.0μm以下であることが、キャリア付着防止や耐トナースペント性の観点から好ましい。このような粒径の多孔質磁性コア粒子に樹脂を充填し、樹脂をコートすると、体積分布基準の50%粒径(D50)が20.0μm以上70.0μm以下程度となる。
多孔質磁性コア粒子の1000/4π(kA/m)における磁化の強さは、最終的に磁性キャリアとしての性能を発揮するために、50Am2/kg以上75Am2/kg以下であることが好ましい。磁性キャリアとして、ハーフトーン部の画質を左右するドットの再現性を向上させ、キャリア付着を防止し、また、トナースペントを防止して安定した画像を得ることができる。
多孔質磁性コア粒子の真比重は、最終的に磁性キャリアとして好適な真比重となるようにするため、4.2g/cm3以上5.9g/cm3以下であることが好ましい。
以下に、多孔質磁性コア粒子としてフェライト粒子を用いる場合の製造工程を説明する。
工程1(秤量・混合工程):
フェライトの原料を、秤量し、混合する。フェライト原料としては、例えば以下のものが挙げられる。Li、Fe、Zn、Ni、Mn、Mg、Co、Cu、Sr、Caから選択される金属元素の粒子、金属元素の酸化物、金属元素の水酸化物、金属元素のシュウ酸塩、金属元素の炭酸塩。混合する装置としては、ボールミル、遊星ミル、ジオットミル、振動ミル。特にボールミルが混合性の観点から好ましい。
工程2(仮焼成工程):
粉砕・混合したフェライト原料を、大気中で焼成温度700℃以上1000℃以下の範囲で、0.5時間以上5.0時間以下仮焼成し、フェライト化する。焼成には、例えば以下の炉が用いられる。バーナー式焼却炉、ロータリー式焼却炉、電気炉。
工程3(粉砕工程):
工程2で作製した仮焼フェライトを粉砕機で粉砕する。粉砕機としては、クラッシャーやハンマーミル、ボールミル、ビーズミル、遊星ミル、ジオットミルがあげられる。
仮焼フェライト微粉砕品の体積基準の50%粒径(D50)は、0.5μm以上5.0μm以下とすることが好ましい。フェライト微粉砕品を上記の粒径にするために、例えば、ボールミルやビーズミルでは用いるボールやビーズの素材、粒径、運転時間を制御することが好ましい。ボールやビーズの粒径は、所望の粒径・分布が得られれば、特に限定されない。例えば、ボールとしては、直径5mm以上60mmのものが好適に用いられる。また、ビーズとしては直径0.03mm以上5mm未満のものが好適に用いられる。
また、ボールミルやビーズミルは、乾式より湿式のほうが、粉砕品がミルの中で舞い上がることがなく粉砕効率が高い。このため、乾式より湿式の方がより好ましい。
工程4(造粒工程):
仮焼フェライトの粉砕品に対し、水、バインダーと、必要に応じて、空隙調整剤としての発泡剤や樹脂粒子、炭酸ナトリウムを加える。バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコールが用いられる。
得られたフェライトスラリーを、噴霧乾燥機を用い、100℃以上200℃以下の加温雰囲気下で、乾燥・造粒する。噴霧乾燥機としては、所望の多孔質磁性コア粒子の粒径が得られれば特に限定されない。例えば、スプレードライヤーが使用できる。
工程5(本焼成工程):
次に、造粒品を800℃以上1400℃以下で1時間以上24時間以下焼成する。
多孔質磁性コア粒子の内部の空隙容積は、焼成温度や焼成時間の設定によって、調整することができる。焼成温度を上げたり、焼成時間を長くすることで、焼成が進み、その結果、多孔質磁性コア粒子内部の空隙容積は少なくなる。また、焼成する雰囲気をコントロールすることで、磁性キャリアコア粒子の比抵抗を好ましい範囲に調整することができる。例えば、酸素濃度を低くしたり、還元雰囲気(水素存在下)にすることで、多孔質磁性コア粒子の比抵抗を下げることができる。
工程6(選別工程):
以上の様に焼成した粒子を解砕した後に、必要に応じて、分級や篩で篩分して粗大粒子や微粒子を除去してもよい。
さらに、本発明の磁性キャリア粒子は、多孔質磁性コア粒子の空隙の少なくとも一部に、樹脂が充填された磁性キャリアであることが好ましい。
多孔質磁性コア粒子は、内部の空隙容積によっては物理的強度が低くなることがあり、磁性キャリア粒子としての物理的強度を高めるために、多孔質磁性コア粒子の空隙の少なくとも一部に樹脂の充填を行うことが好ましい。本発明の磁性キャリア粒子が充填される樹脂の量としては、多孔質磁性コア粒子に対して6質量%以上25質量%以下であることが好ましい。磁性キャリア粒子毎の樹脂含有量にバラつきが少なければ、内部空隙内の一部にのみ樹脂が充填されていても、多孔質磁性コア粒子の表面近傍の空隙にのみ樹脂が充填され内部に空隙が残っていても、内部空隙が完全に樹脂で充填されていてもよい。
具体的な充填方法は、特に限定されないが、多孔質磁性コア粒子の空隙に、樹脂を充填する方法としては、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法及び流動床の如き塗布方法により多孔質磁性コア粒子を樹脂溶液に含浸させ、その後、溶剤を揮発させる方法が挙げられる。好ましくは、多孔質磁性コア粒子の空隙に樹脂を充填させる方法としては、樹脂を溶剤に希釈し、これを多孔質磁性コア粒子の空隙に添加する方法が採用できる。ここで用いられる溶剤は、樹脂を溶解できるものであればよい。有機溶剤に可溶な樹脂である場合は、有機溶剤として、トルエン、キシレン、セルソルブブチルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノールが挙げられる。また、水溶性の樹脂またはエマルジョンタイプの樹脂である場合には、溶剤として水を用いればよい。
上記多孔質磁性コア粒子の空隙に充填する樹脂としては特に限定されず、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のどちらを用いてもかまわない。多孔質磁性コア粒子に対する親和性が高いものであることが好ましく、親和性が高い樹脂を用いた場合には、多孔質磁性コア粒子の空隙への樹脂の充填時に、同時に多孔質磁性コア粒子表面も樹脂で覆うことが容易になる。充填用樹脂として、シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂が、多孔質磁性コア粒子に対する親和性が高いため好ましい。
例えば、市販品として、以下のものが挙げられる。ストレートシリコーン樹脂では、信越化学社製のKR271、KR255、KR152、東レ・ダウコーニング社製のSR2400、SR2405、SR2410、SR2411。変性シリコーン樹脂では、信越化学社製のKR206(アルキッド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性)、東レ・ダウコーニング社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキッド変性)。
多孔質磁性コア粒子へ樹脂を充填しただけでも、磁性キャリアとして用いることも可能である。その場合には、トナーへの帯電付与性を高めるために、予め、樹脂溶液中に荷電制御剤、荷電制御樹脂等などを含有した状態で充填することが好ましい。
該荷電制御樹脂は、トナーに対し、ネガ付与性を高めるためには、含窒素樹脂であることが好ましい。ポジ付与性のためには、含硫黄樹脂であることが好ましい。該荷電制御剤は、荷電制御樹脂と同様にネガ付与性を高めるためには、含窒素化合物であることが好ましい。ポジ付与性のためには、含硫黄化合物であることが好ましい。該荷電制御樹脂、該荷電制御剤の添加量としては、被覆樹脂100質量部に対し、0.5質量部以上50.0質量部以下であることが帯電量を調整するためには好ましい。
また、本発明の磁性キャリアは、多孔質磁性コア粒子の空隙に樹脂を充填した後、磁性キャリア粒子の表面を樹脂で被覆したものであることが、磁性キャリア粒子表面に金属酸化物に由来する輝度の高い部分の面積や面積分布を調整するうえで、より好ましい。また、磁性キャリア粒子表面からのトナーの離型性、トナーや外添剤による磁性キャリア粒子表面への汚染性、トナーへの帯電付与能や磁性キャリア抵抗を制御する意味からも、表面を樹脂により被覆することが好ましい。
磁性キャリア粒子の表面を樹脂で被覆する方法としては、特に限定されないが、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、乾式法、及び流動床の如き塗布方法により被覆する方法が挙げられる。中でも、磁性コア粒子を適度に表面に露出させることができる浸漬法がより好ましい。
被覆する樹脂の量としては、被覆前粒子100質量部に対し、0.1質量部以上5.0質量部以下であることが、金属酸化物部分に由来する輝度の高い部分を表面に適度に存在させることができるため好ましい。被覆する樹脂は、1種類でも良いが、種々、混合して使用してもよい。被覆する樹脂は、充填に使用する樹脂と同じであっても、異なっていても良く、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよい。また、熱可塑性樹脂に硬化剤を混合し硬化させて使用することもできる。特に、離型性の高い樹脂を用いることが好ましい。
被覆に用いる樹脂としては、シリコーン樹脂が特に好ましい。シリコーン樹脂としては、従来、知られているシリコーン樹脂を使用することができる。例えば、市販品として、以下のものが挙げられる。ストレートシリコーン樹脂では、信越化学社製のKR271、KR255、KR152、東レ・ダウコーニング社製のSR2400、SR2405、SR2410、SR2411。変性シリコーン樹脂では、信越化学社製のKR206(アルキッド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性)、東レ・ダウコーニング社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキッド変性)。
さらに、被覆する樹脂には、導電性を有する粒子や荷電制御性を有する粒子や荷電制御剤、荷電制御樹脂、各種カップリング剤等を帯電性コントロールするために含有させてもよい。
該導電性を有する粒子としては、カーボンブラック、マグネタイト、グラファイト、酸化亜鉛、酸化錫が挙げられる。添加量としては、被覆樹脂100質量部に対し、0.1質量部以上10.0質量部以下であることが抵抗を調整するためには好ましい。該荷電制御性を有する粒子としては、有機金属錯体の粒子、有機金属塩の粒子、キレート化合物の粒子、モノアゾ金属錯体の粒子、アセチルアセトン金属錯体の粒子、ヒドロキシカルボン酸金属錯体の粒子、ポリカルボン酸金属錯体の粒子、ポリオール金属錯体の粒子、ポリメチルメタクリレート樹脂の粒子、ポリスチレン樹脂の粒子、メラミン樹脂の粒子、フェノール樹脂の粒子、ナイロン樹脂の粒子、シリカの粒子、酸化チタンの粒子、アルミナの粒子が挙げられる。荷電制御性を有する粒子の添加量としては、被覆樹脂100質量部に対し、0.5質量部以上50.0質量部以下であることが摩擦帯電量を調整するためには好ましい。該荷電制御剤としては、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体が挙げられる。該荷電制御剤は、ネガ付与性を高めるためには、含チッ素化合物であることが好ましい。ポジ付与性のためには、含硫黄化合物であることが好ましい。荷電制御剤の添加量としては、被覆樹脂100質量部に対し、0.5質量部以上50.0質量部以下であることが分散性を良好にし、帯電量を調整するためには好ましい。荷電制御樹脂としては、ネガ付与性として好ましいものは、アミノ基を含有する樹脂、四級アンモニウム基を導入した樹脂である。荷電制御樹脂の添加量としては、被覆樹脂100質量部に対し、0.5質量部以上30.0質量部以下であることが被覆樹脂の離型効果と帯電付与性を兼備する上で好ましい。また、カップリング剤としては、ネガ付与性を高めるためには、含チッ素系カップリング剤であることが好ましい。カップリング剤の添加量としては、被覆樹脂100質量部に対し、0.5質量部以上50.0質量部以下であることが帯電量を調整するためには好ましい。
本発明の磁性キャリアは、キャリア付着やトナースペントを抑制でき、長期間の使用においても安定して用いることができるという点で、体積分布基準の50%粒径(D50)が20.0μm以上70.0μm以下であることが好ましい。
本発明の磁性キャリアは、1000/4π(kA/m)における磁化の強さが、40Am2/kg以上65Am2/kg以下であることが、ドットの再現性を向上させ、キャリア付着を防止し、また、トナースペントを防止して安定した画像を得るために好ましい。
本発明の磁性キャリアは、真比重が3.2g/cm3以上5.0g/cm3以下であることが、トナースペントを防止して安定した画像を長期にわたり維持できるために好ましい。より好ましくは3.4g/cm3以上4.2g/cm3以下であり、キャリア付着を良好に抑制でき、耐久性をより高めることができる。
次に、本発明の二成分系現像剤において用いられるトナーに関して説明する。トナーは、平均円形度が0.940以上1.000以下であることが好ましい。トナーの平均円形度が上記の範囲内にある場合には、キャリアとトナーとの離型性が良好となる。尚、平均円形度は、一視野が画像処理解像度512×512画素(1画素あたり0.37μm×0.37μm)のフロー式粒子像測定装置によって計測された円形度を、0.200以上1.000以下の円形度範囲に800分割し解析され、円相当径1.985μm以上39.69μm未満の範囲の円形度分布に基づくものである。
平均円形度が上記範囲であるトナーと、本発明の磁性キャリアとを併用することにより、現像剤としての流動性をより良好にコントロールできる。その結果、トナーの帯電量の立ち上がり性が向上し、トナーが現像剤に補給された時にも、速やかにトナーが帯電し、長期使用後の補給時カブリなどを抑制することができる。また、流動性を適度にコントロールされた結果、現像剤担持体上における二成分系現像剤の搬送性が良好となり、磁性キャリアからのトナー離れが良好となり、トナーがより現像されやすくなる。
また、本発明に用いられるトナーは、画像処理解像度512×512画素(1画素あたり0.37μm×0.37μm)のフロー式粒子像測定装置によって計測された円相当径0.500μm以上、1.985μm以下である粒子(以下、小粒子トナーともいう)が30個数%以下であることが好ましい。小粒子トナーの割合は、好ましくは20個数%以下であり、更に好ましくは10個数%以下である。小粒子トナーの割合が30個数%以下の場合、現像器内での現像剤とトナーの混合性が良好であり、かつ小粒子トナーの磁性キャリア粒子への付着を少なくすることができるため、長期にわたりトナー補給時の帯電安定性を保持することが出来る。
本発明の磁性キャリアと併用することにより、現像器内でのトナーと磁性キャリア粒子間のストレスを大幅に少なくすることができるため、小粒子トナーの磁性キャリア粒子への付着をさらに抑制できる。そのため、長期にわたりトナー補給時の帯電安定性を保持することが可能となり、カブリなどの画像欠陥の発生をおさえることができる。
更に、本発明で用いるトナーの重量平均径(D4)は、3.0μm以上8.0μm以下が好ましい。トナーの重量平均径が8.0μmよりも大きい場合には、トナーと磁性キャリア間の離型性が高くなりすぎるために、現像剤担持体上で現像剤がスリップして、搬送不良をおこしやすくなる場合がある。また、トナーの重量平均径が3.0μm未満の場合には、トナーと磁性キャリア粒子との付着力が高過ぎるために現像性が低下する場合がある。
本発明のトナーは、結着樹脂と着色剤を含有するトナー粒子を有するものが用いられる。
本発明に用いられる結着樹脂は、トナーの保存性と低温定着性を両立するために、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布のピーク分子量(Mp)が2000以上50000以下、数平均分子量(Mn)が1500以上30000以下、重量平均分子量(Mw)が2000以上1000000以下であることが好ましい。ガラス転移点(Tg)が40℃以上80℃以下であることが好ましい。
トナーが含有する着色剤としては、公知のマゼンタトナー用着色顔料、マゼンタトナー用染料、シアントナー用着色顔料、シアン用着色染料、イエロー用着色顔料、イエロー用着色染料、黒色着色剤、イエロー着色剤とマゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものを利用できる。着色剤として、顔料を単独で使用しても構わないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して好ましくは0.1質量部以上30質量部以下であり、より好ましくは0.5質量部以上20質量部以下であり、最も好ましくは3質量部以上15質量部以下である。
トナーにはワックスを含有させてもよく、その使用量は、結着樹脂100質量部あたり0.5質量部以上20質量部以下であることがこのましい。好ましくは2質量部以上8質量部以下である。また、ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度としては45℃以上140℃以下であることが好ましい。トナーの保存性と耐ホットオフセット性を両立でき好ましい。
トナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。トナーに含有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。荷電制御剤の添加量は結着樹脂100質量部に対し0.2質量部以上10質量部以下が好ましい。
さらに、本発明に用いられるトナーは、トナーとキャリア粒子との離型性を高めるためのスペーサー粒子として、個数分布基準の50nm以上300nm以下の範囲に粒径分布の極大値を少なくとも一つ以上の無機粒子を外添剤として含有することが好ましい。スペーサー粒子として機能させつつ、トナーからの無機微粒子の脱離をより良好に抑制するためには、80nm以上150nmの範囲に極大値を少なくとも1つ以上有する無機微粒子が外添されることがより好ましい。
さらに、トナーには、流動性向上のため、上記の無機微粒子に加えて他の外添剤が添加されていてもよい。外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムの如き無機微粉体が好ましい。無機微粉体は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物の如き疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。該外添剤は、個数分布基準の粒度分布における20nm以上50nm以下の範囲に極大値を少なくとも一つ以上有するものであることが好ましい。
該無機微粒子とその他の外添剤の総含有量は、トナー粒子100質量部に対して、0.3質量部以上5.0質量部以下であることが好ましく、0.8質量部以上4.0質量部以下であることがより好ましい。その中で上記の無機微粒子の含有量は、0.1質量部以上2.5質量部以下、より好ましくは、0.5質量部以上2.0質量部以下であることが好ましい。この範囲内であれば、スペーサー粒子として効果がより顕著となる。
また、該無機微粒子及びその他の外添剤の表面は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物の如き疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
疎水化処理は、被処理粒子に対して1質量%以上30質量%以下(より好ましくは3質量%以上7質量%以下)の疎水化処理剤を被処理粒子に添加して、被処理粒子を被覆することにより行われることが好ましい。
疎水化処理された無機微粒子及び外添剤の疎水化の程度は特に限定されないが、例えば、処理後の疎水化度が40以上98以下であることが好ましい。疎水化度とは、試料のメタノールに対する濡れ性を示すものであり、疎水性の指標である。
トナー粒子と該無機微粒子及び外添剤との混合は、ヘンシェルミキサーの如き公知の混合機を用いることができる。
本発明のトナーは、混練粉砕法、溶解懸濁法、懸濁重合法、乳化凝集重合法又は会合重合法により得ることができ、その製造方法は特に限定されるものではない。
以下に粉砕法でのトナーの製造手順について説明する。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、例えば、結着樹脂、着色剤及びワックス、必要に応じて荷電制御剤等の他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(三井鉱山社製)。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中に着色剤等を分散させる。その溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出機(東芝機械社製)、PCM混練機(池貝鉄工製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(三井鉱山社製)。
更に、溶融混練することによって得られる着色された樹脂組成物は、2本ロールで圧延され、冷却工程で水などによって冷却する。
ついで、冷却された混練物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルの如き粉砕機で粗粉砕した後、更に、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(ターボ工業製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)の如き分級機や篩分機を用いて分級し、トナー粒子を得る。
また、必要に応じて、粉砕後に、ハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)又はメカノフージョンシステム(ホソカワミクロン社製)を用いて、球形化処理の如きトナー粒子の表面改質処理を行うこともできる。例えば、図8に示すような表面改質装置を用いることもできる。トナー粒子8はオートフィーダー9で供給ノズル10を通じて、一定量で表面改質装置内部11に供給される。表面改質装置内部11はブロワー16で吸引されているので、供給ノズル10から導入されたトナー粒子8は機内に分散する。機内に分散にされたトナー粒子8は、熱風導入口12から導入される熱風で、瞬間的に熱が加えられて表面改質される。本発明ではヒーターにより熱風を発生させているが、トナー粒子の表面改質に十分な熱風を発生させられるものであれば装置は特に限定されない。表面改質されたトナー粒子14は、冷風導入口13から導入される冷風で瞬時に冷却される。本発明では冷風には液体窒素を用いているが、表面改質されたトナー粒子14を瞬時に冷却することができれば、手段は特に限定されない。表面改質されたトナー粒子14はブロワー16で吸引されて、サイクロン15で捕集される。
二成分系現像剤は、初期現像剤として用いられてもよく、また、耐久後に現像器に供給される補給用現像剤として用いられてもよい。
初期現像剤として用いる場合には、トナーと磁性キャリアの混合比率が磁性キャリア100質量部に対してトナーを2質量部以上35質量部以下とすることが好ましく、4質量部以上25質量部以下がより好ましい。上記範囲とすることで、高画像濃度を達成しトナーの飛散を低減することができる。該補給用現像剤として用いる場合には、現像剤の耐久性を高めるという観点から、磁性キャリア1質量部に対してトナーを2質量部以上50質量部以下の配合割合が好ましい。
上記磁性キャリア及びトナーの各種物性の測定法について以下に説明する。
<磁性キャリア粒子表面上の金属酸化物に由来する部分の面積割合>
本発明の磁性キャリア粒子表面上の金属酸化物に由来する部分の面積%は、走査電子顕微鏡による反射電子像の観察と、続く画像処理により求めることができる。
本発明に用いられる磁性キャリア粒子表面の金属酸化物に由来する部分の面積割合の測定は、走査電子顕微鏡(SEM)、S−4800(日立製作所社製)を用いて行った。金属酸化物に由来する部分の面積割合は、加速電圧2.0kVのときの、主に反射電子を可視化した像の画像処理から算出される。
具体的には、電子顕微鏡観察用の試料台上にカーボンテープでキャリア粒子を一層になるように固定し、白金による蒸着は行わずに、以下の条件にて、走査電子顕微鏡S−4800(日立製作所社製)で観察した。フラッシング操作を行ってから観察を行う。
SignalName=SE(U,LA80)
AcceleratingVoltage=2000Volt
EmissionCurrent=10000nA
WorkingDistance=6000um
LensMode=High
Condencer1=5
ScanSpeed=Slow4(40秒)
Magnification=600
DataSize=1280×960
ColorMode=Grayscale
反射電子像は、走査電子顕微鏡S−4800の制御ソフト上で‘コントラスト5、ブライトネス−5’に明るさを調整し、キャプチャスピード/積算枚数‘Slow4を40秒’、画像サイズ1280×960pixelsの8bitの256階調グレースケール画像として磁性キャリアの投影像を得た(図9)。画像上のスケールから、1pixelの長さは0.1667μm、1pixelの面積は0.0278μm2となる。
続いて、得られた反射電子による投影像を用いて、磁性キャリア粒子50個について金属酸化物に由来する部分の面積割合(面積%)を算出した。解析する磁性キャリア粒子50個の選択方法の詳細は後述する。金属酸化物に由来する部分の面積%は、画像処理ソフトImage−Pro Plus5.1J(MediaCybernetics社製)を使用した。
まず、図9の画像下部の文字列は画像処理に不必要であり、不要な部分を削除し1280×895のサイズに切り出した(図10)。
次に、磁性キャリア粒子の部分を抽出し、抽出された磁性キャリア粒子部分のサイズをカウントした。具体的には、まず、解析する磁性キャリア粒子を抽出するため、磁性キャリア粒子と背景部分を分離する。Image−Pro Plus5.1Jの「測定」−「カウント/サイズ」を選択する。「カウント/サイズ」の「輝度レンジ選択」で、輝度レンジを50〜255の範囲に設定して、背景として写りこんでいる輝度の低いカーボンテープ部分を除外し、磁性キャリア粒子の抽出を行った(図11)。カーボンテープ以外の方法で磁性キャリア粒子を固定した際には、必ずしも背景が輝度の低い領域とならない、あるいは、部分的に磁性キャリア粒子と同じような輝度となる可能性は皆無ではない。しかし、磁性キャリア粒子と背景の境界については、反射電子観察像から容易に区別できる。抽出を行う際、「カウント/サイズ」の抽出オプションで、4連結を選択し、平滑度5を入力、穴埋めるにチェックを入れ、画像の全ての境界(外周)上に位置する粒子や他の粒子と重なっている粒子については、計算から除外するものとした。次に「カウント/サイズ」の測定項目で、面積とフェレ径(平均)を選択し、面積の選別レンジを最小300pixel、最大10000000pixelとした(図12)。また、フェレ径(平均)は、後述する磁性キャリアの体積分布基準50%粒径(D50)の測定値の±25%径の範囲になるよう選別レンジを設定し、画像解析する磁性キャリア粒子を抽出した(図13)。抽出された粒子群から一粒子を選択し、その粒子に由来する部分の大きさ(pixel数)を(ja)を求めた。
次に、Image−Pro Plus5.1Jの「カウント/サイズ」の「輝度レンジ選択」で、輝度レンジを140〜255の範囲に設定して、キャリア粒子上の輝度の高い部分の抽出を行った(図14)。面積の選別レンジを最小10pixel、最大10000pixelとした。
そして、jaを求める際に選択した粒子について、磁性キャリア粒子表面の金属酸化物に由来する部分の大きさ(pixel数)(ma)を求めた。各磁性キャリア粒子においては、金属酸化物に由来の抽出部分は、ある大きさをもって点在することになるが、maはその総面積である。この点在する部分のそれぞれを本発明においては“ドメイン”と呼ぶ。
そして、本発明に係る面積割合S1は、(ma/ja)×100で求められる。
次いで、抽出された粒子群の各粒子に対して、選択される磁性キャリア粒子の数が50となるまで同様の処理を行った。一視野中の粒子の数が50に満たない場合には、別視野の磁性キャリア粒子投影像について同様の操作を繰り返した。
本発明に係る平均割合Av1は、50粒子に関して測定したmaの合計値Ma、50粒子に関して測定したjaの合計値Jaを用いて、下式より算出できる。測定した際の平均値である。
Av1=(Ma/Ja)×100
<金属酸化物に由来する部分の総面積に対する面積分布>
金属酸化物に由来する部分の総面積に対する金属酸化物に由来する部分の面積分布は、走査電子顕微鏡による反射電子像の観察と画像処理、続く統計処理により求めることができる。金属酸化物に由来する部分の面積%を求めるのと同様にして、磁性キャリア粒子50個について観察を行い、画像から磁性キャリア中の金属酸化物に由来する部分の抽出を行った。50個分について抽出された金属酸化物に由来する部分の各ドメインの大きさを求め、20pixel毎のチャンネルに振り分けた。尚、1pixelの面積は0.0278μm2である。各チャンネルの中心値を代表値とし、6.672μm2以上に分布する平均割合Av2(面積%)と2.780μm2以下に分布する平均割合Av3(面積%)とを算出した。
<金属酸化物に由来する部分の平均面積>
上記Maを磁性キャリア50個中のドメインの総数で除することにより、金属酸化物に由来する部分の平均面積を計算した。
<加速条件差による金属酸化物に由来する部分の面積変化率>
走査型電子顕微鏡の加速電圧が4.0kVで撮影された反射電子像の磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合Av4は、上記のAv1の測定において加速電圧のみ4.0kVに変える以外は同様にして算出した。
そして、加速条件差による金属酸化物に由来する部分の面積変化率は、下式より算出する。
加速条件差による金属酸化物に由来する部分の面積変化率=Av4/Av1
<磁性キャリア及び多孔質磁性コアのブレークダウンする寸前の電界強度及び比抵抗の測定>
磁性キャリア及び多孔質磁性コアのブレークダウンする寸前の電界強度及び比抵抗は、図7Aおよび図7Bに記載される測定装置を用いて測定される。なお、多孔質磁性コアの測定には、樹脂充填や樹脂被覆する前の試料を用いて測定する。
抵抗測定セルAは、断面積2.4cm2の穴の開いた円筒状のPTFE樹脂容器1、下部電極(ステンレス製)2、支持台座(PTFE樹脂製)3、上部電極(ステンレス製)4から構成される。支持台座3上に円筒状のPTFE樹脂容器1を乗せて、試料(磁性キャリア或いは多孔質磁性コア)5を厚さ約1mmになるように充填し、充填された試料5に上部電極4を載せ、試料の厚みを測定する。図7Aに示す如く、試料のないときの間隙をd1とし、図7Bに示す如く、厚さ約1mmになるように試料を充填したときの間隙d2とすると、試料の厚みdは下記式で算出される。
d=d2−d1
この時、試料の厚みが0.95mm以上1.04mmとなるように試料の充填量を適宜変えることが重要である。
そして、電極間に直流電圧を印加し、そのときに流れる電流を測定することによって、磁性キャリア及び多孔質磁性コアのブレークダウンする寸前の電界強度及び比抵抗を求めることができる。測定には、エレクトロメーター6(ケスレー6517A ケスレー社製)及び制御用にコンピュータ7を用いる。
制御用コンピュータ7には、ナショナルインスツルメンツ社製のソフトウエア(LabVEIW ナショナルインスツルメンツ社製)が導入されており、前記ソフトウエアにより測定からデータ処理まで行う。測定条件として、試料と電極との接触面積S=2.4cm2、試料の厚み0.95mm以上1.04mm以下になるように実測した値dを入力する。また、上部電極の荷重120g、最大印加電圧1000Vとする。
電圧の印加条件は、制御用コンピュータとエレクトロメーター間の制御にIEEE−488インターフェースを用いて、エレクトロメーターの自動レンジ機能を利用し、1V(20V)、2V(21V)、4V(22V)、8V(23V)、16V(24V)、32V(25V)、64V(26V)、128V(27V)、256V(28V)、512V(29V)、1000Vの電圧を1秒間ずつ印加するスクリーニングを行う。その際に最大1000V(例えば、1.00mmの試料厚みの場合は、電界強度としては、10000V/cm)まで印加可能かどうかをエレクトロメーターが判断し、過電流が流れる場合、「VOLTAGE SOURCE OPARATE」が点滅する。その場合には、装置が印加電圧を下げて、印加可能な電圧をさらにスクリーニングし、印加電圧の最大値を自動的に決める。その後、本測定を行う。その最大電圧値を5分割した電圧を各ステップとして30秒間保持させた後の電流値から抵抗値を測定する。例えば、最大印加電圧が1000Vの場合には、200V(第1ステップ)、400V(第2ステップ)、600V(第3ステップ)、800V(第4ステップ)、1000V(第5ステップ)、1000V(第6ステップ)、800V(第7ステップ)、600V(第8ステップ)、400V(第9ステップ)、200V(第10ステップ)と最大印加電圧の1/5である200V刻みで電圧を上げた後下げていくような順で印加し、それぞれのステップで30秒保持後の電流値から抵抗値を測定する。
多孔質磁性コアの測定例について説明する。測定に際しては、先ずスクリーニングが行われ、1V(20V)、2V(21V)、4V(22V)、8V(23V)、16V(24V)、32V(25V)、64V(26V)、128V(27V)の電圧を1秒間ずつ印加したところ「VOLTAGE SOURCE OPARATE」の表示が64Vまでは、点灯し、128Vで「VOLTAGE SOURCE OPARATE」の表示が点滅した。次に90.5V(26.5V)では点滅し、68.6V(26.1V)で点灯、73.5V(26.2V)で点滅、というように最大印加可能な電圧を収束させて、その結果、最大印加電圧が69.8Vに決定された。次いで、69.8Vの1/5の値の14.0V(第1ステップ)、2/5の値の27.9V(第2ステップ)、3/5の値の41.9V(第3ステップ)、4/5の値の55.8V(第4ステップ)、5/5の値の69.8V(第5ステップ)、69.8V(第6ステップ)、55.8V(第7ステップ)、41.9V(第8ステップ)、27.9V(第9ステップ)、14.0V(第10ステップ)の順で電圧が印加される。そこで得られる電流値をコンピュータにより処理することで、試料厚み0.97mm、電極面積から電界強度及び比抵抗を算出して、グラフにプロットする。その場合、最大印加電圧から電圧を下げていく5点をプロットする。なお、各ステップでの測定において、「VOLTAGE SOURCE OPARATE」が点滅し、過電流が流れた場合には、測定上、抵抗値が0と表示される。この現象をブレークダウンすると定義する。この「VOLTAGE SOURCE OPARATE」が点滅する現象をもって、ブレークダウンする寸前の電界強度と定義する。したがって、「VOLTAGE SOURCE OPARATE」が点滅し、かつ、上述したプロファイルの最大電界強度のプロットされる点をもって、ブレークダウンする寸前の電界強度と定義する。但し、最大印加電圧がかかった場合に「VOLTAGE SOURCE OPARATE」が点滅しても、抵抗値が0とならず、プロットができる場合には、その点をもって、ブレークダウンする寸前の電界強度とする。
比抵抗(Ω・cm)=(印加電圧(V)/測定電流(A))×S(cm2)/d(cm)
電界強度(V/cm)=印加電圧(V)/d(cm)
多孔質磁性コアの電界強度300V/cmにおける比抵抗は、グラフ上電界強度300V/cmにおける比抵抗をグラフから読み取る。図15に本発明の実施例1に用いられる磁性キャリアのプロットを行った結果を示した。この多孔質磁性コアの測定においては、300V/cmの比抵抗を読み取ればよい。尚、本データにおけるブレークダウンする寸前の電界強度は、630V程度である。しかし、中には、300V/cmに交点が存在しない多孔質磁性コアも存在する。図16には、300V/cmに測定点を持たないコアの測定例を示した。測定点の中で、最も電界強度が小さい2点を選択し、その二点を結ぶ直線を外挿し(図中、破線で示す)電界強度300/cmの縦線との交点をもって、電界強度300V/cmの比抵抗値とする。従って、図16に示した測定例のコアについては、電界強度300V/cmの比抵抗値は2.0×108Ω・cmと読み取れる。
<磁性キャリア粒子及び磁性コア粒子の体積分布基準の50%粒径(D50)、の測定方法>
粒度分布測定は、レーザー回折・散乱方式の粒度分布測定装置「マイクロトラックMT3300EX」(日機装社製)にて測定を行った。
磁性キャリア粒子及び磁性コア粒子の体積分布基準50%粒径(D50)の測定には、乾式測定用の試料供給機「ワンショットドライ型サンプルコンディショナーTurbotrac」(日機装社製)を装着して行った。Turbotracの供給条件として、真空源として集塵機を用い、風量約33リットル/sec、圧力約17kPaとした。制御は、ソフトウエア上で自動的に行う。粒径は体積基準の累積値である50%粒径(D50)を求める。制御及び解析は付属ソフト(バージョン10.3.3−202D)を用いて行う。
測定条件は、SetZero時間10秒、測定時間10秒、測定回数1回、粒子屈折率は、1.81、粒子形状を非球形、測定上限1408μm、測定下限0.243μmとする。測定は、常温常湿(23℃、50%RH)環境下で行う。
<トナーの平均円形度の測定>
上記トナーの平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定・解析条件で測定した。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器く例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に該コンタミノンNを約2ml添加する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した該フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。該手順に従い調整した分散液を該フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.985μm以上39.69μm未満に限定し、トナー粒子の平均円形度を求める。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本件の実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
<トナーの円相当径0.500μm以上、1.985μm以下である粒子(小粒子)の割合の測定>
上記トナーの円相当径0.500μm以上1.985μm以下である粒子(小粒子)の割合は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定・解析条件で測定した。
フロー式粒子像測定装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は、1視野が512画素×512画素であり、1画素あたり0.37μm×0.37μmの画像処理解像度で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積や周囲長等が計測される。
次に、各粒子像の投影面積Sと周囲長Lを求める。上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径を求める。円相当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことである。
具体的な測定方法としては、イオン交換水20mlに、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.02g加えた後、測定試料0.02gを加え、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散機(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製など)を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とした。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。
測定には、標準対物レンズ(10倍 開口数0.40)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式粒子像測定装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測した。また、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を指定することにより、その範囲の粒子の個数割合(%)を算出することができる。円相当径0.500μm以上1.985μm以下である粒子(小粒子)の割合は、円相当径の解析粒子径範囲を、0.500μm以上1.985μm以下とし、その範囲に含まれる粒子の個数割合(%)を算出した。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えばDuke Scientific社製5200Aをイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本件の実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像測定装置を使用し、解析粒子径を0.500μm以上、1.985μm以下に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
<トナーの重量平均粒子径(D4)の測定>
トナーの重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出した。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように該専用ソフトの設定を行った。該専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに該電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに該電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に該コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)該(2)のビーカーを該超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)該(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ該電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した該(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した該(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の該専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<樹脂のピーク分子量(Mp)、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)の測定方法>
樹脂の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
室温で24時間かけて、樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソー社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度、結着樹脂のガラス転移温度Tg>
ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、ワックスを約10mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30乃至200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。尚、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30乃至200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークを、本発明のワックスの最大吸熱ピークとする。
また、トナー及び結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、ワックス測定時と同様に、結着樹脂を約10mgを精秤し測定を行う。すると、温度40℃乃至100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、結着樹脂のガラス転移温度Tgとする。
<無機微粒子の個数分布基準の粒径の極大値の測定>
無機微粒子の個数分布基準の粒径は、以下の手順で測定した。
トナーを、走査型電子顕微鏡S−4800(日立製作所社製)を用いて、未蒸着の状態で、加速電圧2.0kVにて反射電子像の観察を行う。反射電子像を50,000倍で観察する。反射電子の放出量は試料を構成する物質の原子番号に依存することから無機微粒子とトナー粒子母体など有機系物質とのコントラストができる。トナー粒子母体よりハイライト(白いもの)成分の粒子をもって、無機微粒子と判断できる。そして、粒径が5nm以上の微粒子をランダムに500個抽出する。抽出された粒子の長軸と短軸をデジタイザにより測定し、長軸と短軸の平均値を微粒子の粒径とする。抽出された500個の粒子の粒径分布(カラム幅を5乃至15nm,15乃至25nm,25乃至35nm,・・・のように10nm毎に区切ったカラムのヒストグラムを用いる)において、カラムの中心値の粒径をもって、ヒストグラムを描き、平均粒径を算出する。50nm以上300nm以下の範囲で極大になる粒径を極大値とする。
<外添剤(無機微粒子及びシリカ微粒子)の個数平均粒径の測定方法>
測定は走査型電子顕微鏡S−4700(日立製作所製)を用いて行う。撮影倍率は5万倍とし、さらに撮影された写真を2倍に引き伸ばした後、FE−SEM写真像から測長する。球状粒子に関してはその直径、楕円形球状粒子に関しては最大径(長軸径)をもって当該粒子の粒径とする。100個の無機微粒子を測長し、その平均の値を求め個数平均粒径を算出した。
<磁性キャリアの磁化の強さの測定方法>
磁性キャリア及び磁性キャリアコアの磁化の強さは、振動磁場型磁気特性測定装置(Vibrating sample magnetometer)や直流磁化特性記録装置(B−Hトレーサー)で求めることが可能である。後述の実施例においては、振動磁場型磁気特性測定装置BHV−30(理研電子(株)製)を用いて以下の手順で測定する。
円筒状のプラスチック容器に磁性キャリア又は磁性コアを十分に密に充填したものを試料とする。該容器に充填した試料の実際の質量を測定する。その後、瞬間接着剤により試料が動かないようにプラスチック容器内の試料を接着する。
標準試料を用いて、5000/4π(kA/m)での外部磁場軸及び磁化モーメント軸の校正を行う。
スイープ速度5min/roopとし、1000/4π(kA/m)の外部磁場を印加した磁化モーメントのループから磁化の強さを測定した。これらより、試料質量で除して、磁性キャリア及び磁性コアの磁化の強さ(Am2/kg)を求める。
<磁性キャリア及び磁性コアの真密度の測定方法>
磁性キャリア及び多孔質磁性コアの真密度は、乾式自動密度計アキュピック1330(島津製作所社製)を用い測定する。まず、23℃50%RHの環境に24時間放置したサンプル試料を5g精秤し、測定用セル(10cm3)に入れ、本体試料室に挿入する。測定は、試料サンプル質量を本体に入力し測定をスタートさせることにより自動測定できる。
自動測定の測定条件は、20.000psig(2.392×102kPa)で調整されたヘリウムガスを用い、試料室内に10回パージした後、試料室内の圧力変化が0.005psig/min(3.447×10−2kPa/min)になる状態を平衡状態とし、平衡状態になるまで繰り返しヘリウムガスをパージする。平衡状態の時の本体試料室の圧力を測定する。その平衡状態に達した時の圧力変化により試料サンプル体積が算出できる(ボイルの法則)。試料サンプル体積が算出できることにより、以下の式で試料サンプルの真比重が計算できる。
試料サンプルの真比重(g/cm3)=試料サンプル質量(g)/試料サンプル体積(cm3)
この自動測定により5回繰り返し測定した値の平均値を磁性キャリア及び磁性コアの真比重(g/cm3)とする。
<磁性キャリア及び磁性コアの見かけ密度の測定方法>
JIS−Z2504(金属粉の見かけ密度試験方法)に準じ、金属粉に代えて磁性キャリア及び磁性コアを用いることにより、磁性キャリア及び磁性コアの見かけ密度を求める。
<多孔質磁性コア粒子1の製造例>
工程1(秤量・混合工程):
Fe2O3 60.1質量%
MnCO3 34.5質量%
Mg(OH)2 4.5質量%
SrCO3 0.9質量%
上記フェライト原材料を秤量した。その後、ジルコニアのボール(直径10mm)を用いた乾式ボールミルで2時間粉砕・混合した。
工程2(仮焼成工程):
粉砕・混合した後、バーナー式焼成炉を用い大気中で温度950℃で2時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。
工程3(粉砕工程):
クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、ジルコニア直径1.0mmのビーズを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ビーズミルで4時間粉砕し、フェライトスラリーを得た。
工程4(造粒工程):
フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100質量部に対してポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、球状粒子に造粒した。
工程5(本焼成工程):
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度0.02体積%)で、温度1050℃で4時間焼成した。
工程6(選別工程):
凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、多孔質磁性コア粒子1を得た。多孔質磁性コア粒子1の物性を表1に示す。
<多孔質磁性コア粒子2の製造例>
多孔質磁性コア粒子1の製造例の工程5(本焼成工程)において、酸素濃度0.10体積%で、1100℃で4時間焼成した以外は、多孔質磁性コア粒子1の製造例と同様にして多孔質磁性コア粒子2を製造した。多孔質磁性コア粒子2の物性を表1に示す。
<多孔質磁性コア粒子3の製造例>
多孔質磁性コア粒子1の製造例の工程5(本焼成工程)において、酸素濃度0.02体積%で、温度1100℃で4時間焼成した以外は、多孔質磁性コア粒子1の製造例と同様にして多孔質磁性コア粒子3を製造した。多孔質磁性コア粒子3の物性を表1に示す。
<多孔質磁性コア粒子4の製造例>
多孔質磁性コア粒子1の製造例の工程5(本焼成工程)において、温度1150℃で4時間焼成した以外は、多孔質磁性コア粒子1の製造例と同様にして多孔質磁性コア粒子4を製造した。多孔質磁性コア粒子4の物性を表1に示す。
<多孔質磁性コア粒子5の製造例>
多孔質磁性コア粒子1の製造例の工程1(秤量・混合工程)で、
Fe2O3 68.0質量%
MnCO3 29.9質量%
Mg(OH)2 2.1質量%
となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、ジルコニアのボール(直径10mm)を用いた乾式ボールミルで2時間粉砕・混合した。
また、工程5(本焼成工程)において、酸素濃度0.01体積%未満で、温度1100℃で4時間焼成した以外は、多孔質磁性コア粒子1製造例と同様にして多孔質磁性コア粒子5を製造した。多孔質磁性コア粒子5の物性を表1に示す。
<多孔質磁性コア粒子6の製造例>
多孔質磁性コア粒子1の製造例の工程5(本焼成工程)において、酸素濃度0.3体積%で、温度1150℃で4時間焼成した以外は、多孔質磁性コア粒子1製造例と同様にして多孔質磁性コア粒子6を製造した。多孔質磁性コア粒子6の物性を表1に示す。
<磁性コア粒子7の製造例>
工程1:
Fe2O3 70.8質量%
CuO 16.0質量%
ZuO 13.2質量%
上記フェライト原材料を秤量した。その後、ジルコニアのボール(直径10mm)を用いた乾式ボールミルで2時間粉砕・混合した。
工程2:
粉砕・混合した後、大気中で950℃で2時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。
工程3:
クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、ステンレスのボール(直径10mm)を用い、仮焼フェライト100質量部に対し水を30質量部加え、湿式ボールミルで2時間粉砕した。そのスラリーを、ステンレスビーズ(直径1.0mm)を用いた湿式ビーズミルでさらに4時間粉砕しフェライトスラリーを得た。
工程4:
フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100質量部に対しポリビニルアルコール0.5質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で球状粒子に造粒した。
工程5:
大気中で温度1300℃で4時間焼成した。
工程6:
凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、磁性コア粒子7を得た。磁性コア粒子7の物性を、表1に示す。
<磁性体分散型コア粒子8の製造例>
マグネタイト微粒子(個数平均粒径0.3μm)と、ヘマタイト微粒子(個数平均粒径0.6μm)に対して、それぞれ4.0質量%のシラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を加え、容器内で温度100℃以上で高速混合撹拌し、それぞれの微粒子を親油化処理した。
フェノール 10質量部
ホルムアルデヒド溶液(ホルムアルデヒド37質量%水溶液) 6質量部
上記処理したマグネタイト微粒子 76質量部
上記処理したヘマタイト微粒子 8質量部
上記材料と、28質量%アンモニア水5質量部、水10質量部をフラスコに入れ、撹拌、混合しながら30分間で温度85℃まで昇温・保持し、4時間重合反応させて硬化させた。その後、温度30℃まで冷却し、更に水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5hPa以下)、温度60℃の温度で乾燥して、磁性微粒子が分散された状態の磁性体分散型コア粒子8を得た。磁性体分散型コア粒子8の物性を表1に示す。
<磁性コア粒子9の製造例>
磁性コア粒子7の製造例の工程3において、ステンレスのボール(直径10mm)を用いた粉砕時間を1時間に変更し、続いて、ステンレスのビーズ(直径1.0mm)を用いた湿式ビーズミルによる粉砕時間を6時間に変更した以外は、磁性コア粒子7の製造例と同様にして磁性コア粒子9を製造した。磁性コア粒子9の物性を表1に示す。
<磁性コア粒子10の製造例>
多孔質磁性コア粒子5の製造例の工程4(造粒工程)において、ポリビニルアルコール0.3質量部に変更し、工程5の焼成温度を1300℃、酸素濃度0.01%未満に変更した以外は、多孔質磁性コア粒子5の製造例と同様にして、磁性コア粒子10を製造した。磁性コア粒子10の物性を表1に示す。
<磁性コア粒子11の製造例>
磁性コア粒子7の製造例の工程3において、クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、仮焼フェライト100質量部に対し水を30質量部加え、ステンレス直径1.0mmのビーズ(直径1.0mm)を用いた湿式ビーズミルでさらに4時間粉砕しフェライトスラリーを得た以外は、磁性コア粒子7の製造例と同様にして磁性コア粒子11を製造した。磁性コア粒子11の物性を表1に示す。
<多孔質磁性コア粒子12の製造例>
工程1(秤量・混合工程):
Fe2O3 61.6質量%
MnCO3 31.6質量%
Mg(OH)2 5.7質量%
SrCO3 0.7質量%
上記フェライト原材料を秤量した。その後、ジルコニアのボール(直径10mm)を用いた湿式ボールミルで5時間粉砕・混合した。その後スプレードライヤーで乾燥し、球状粒子を得た。
工程2(仮焼成工程):
球状粒子を、バーナー式焼成炉を用い大気中で温度950℃で2時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。
工程3(粉砕工程):
クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、ステンレスのビーズ(直径3mm)を用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え湿式ボールミルで1時間粉砕した。そのスラリーを、ステンレスビーズ(直径1.0mm)を用いた湿式ビーズミルで4時間粉砕しフェライトスラリーを得た。
工程4(造粒工程):
フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100質量部に対してポリビニルアルコール1.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、35μmの球状粒子に造粒した。
工程5(本焼成工程):
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて酸素濃度0.5体積%で、温度1100℃で4時間焼成した。
工程6(選別工程):
凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、多孔質磁性コア粒子12を得た。多孔質磁性コア粒子12の物性を表1に示す。
<磁性コア粒子13の製造例>
工程1:
Fe2O3 70.8質量%
CuO 12.8質量%
ZuO 16.4質量%
上記フェライト原材料を秤量した。その後、ジルコニアのボール(直径10mm)を用いた乾式ボールミルで2時間粉砕・混合した。
工程2:
粉砕・混合した後、大気中で温度950℃で2時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。
工程3:
クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、ステンレスのボール(直径10mm)を用い、仮焼フェライト100質量部に対し水を30質量部加え、湿式ボールミルで2時間粉砕した。そのスラリーを、ステンレスのビーズ(直径1.0mm)を用いた湿式ビーズミルでさらに4時間粉砕しフェライトスラリーを得た。
工程4:
フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100質量部に対しポリビニルアルコール0.5質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で80μmの球状粒子に造粒した。
工程5:
大気中で温度1300℃で4時間焼成した。
工程6:
凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、磁性コア粒子13を得た。磁性コア粒子13の物性を、表1に示す。
表2に記載の材料を混合し、樹脂溶液A乃至Eを得た。
(樹脂溶液Fの調製)
表2に記載の各材料を、3mmのガラスビーズをメディア粒子として用いたサンドミルにて1時間分散した。その後、フルイを用いてビーズを分離して、樹脂溶液Fとした。
多孔質磁性コア粒子1の100質量部を混合撹拌機(ダルトン社製万能撹拌混合機NDMV型)に入れ、減圧下、温度50℃に加熱した。多孔質磁性コア粒子1の100質量部に対して充填樹脂成分として15質量部に相当する樹脂溶液Bを2時間かけて滴下し、さらに温度50℃で1時間撹拌を行った。その後、温度80℃まで昇温して溶剤を除去した。得られた試料を回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下に温度180℃で2時間熱処理して、目開き70μmのメッシュで分級して充填コア粒子1を得た(樹脂充填量15.0質量部)。
(充填コア粒子2の製造例)
多孔質磁性コア粒子4の100質量部を混合撹拌機(ダルトン社製万能撹拌混合機NDMV型)に入れ、温度70℃に加熱した。多孔質磁性コア粒子4の100質量部に対して充填樹脂成分として10質量部に相当する樹脂溶液Aを加え、溶媒を除去しながら温度70℃にて3時間撹拌を行った。得られた試料を回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下に温度180℃で2時間熱処理して、目開き70μmのメッシュで分級して充填コア粒子2を得た(樹脂充填量10質量部)。
(充填コア粒子3乃至6、8の製造例)
表3に従い、所定の多孔質磁性コア粒子、樹脂溶液を用い、充填コア粒子1の製造例と同様にして、充填コア粒子3〜6、8を製造した。
(充填コア粒子7の製造例)
表3に従い、多孔質磁性コア粒子6を用いた以外は、充填コア粒子2の製造例と同様にして、充填コア粒子7を製造した。
(充填コア粒子9の製造例)
多孔質磁性コア粒子12の100質量部を乾燥機(ホソカワミクロン社製の一軸式間接加熱型乾燥機ソリッドエアー)に入れ、温度75℃に保持し撹拌しながらして充填樹脂成分として13質量部に相当する樹脂液Cを滴下した。その後、温度200℃まで昇温し、2時間保持した。目開き70μmのメッシュで分級して充填コア粒子9を得た。
充填コア粒子1の100質量部を混合機(ホソカワミクロン社製のナウターミキサーVN型)に投入し、スクリューの回転速度100min−1、自転速度が3.5min−1の条件で撹拌しながら減圧下で温度70℃に調整した。樹脂溶液Cを固形分濃度が10質量%になるようにトルエンで希釈し、充填コア粒子1の100質量部に対して被覆樹脂成分として0.5質量部になるように樹脂溶液を投入した。2時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。その後、温度180℃まで昇温し、2時間撹拌を続けた後、温度70℃まで降温した。試料を混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌混合機NDMV型)に移し、原料の充填コア粒子1の100質量部に対して、樹脂溶液Cを用いて被覆樹脂成分が0.5質量部になるよう樹脂溶液を投入し、2時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。得られた試料は、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下、温度180℃で4時間熱処理した後、開口70μmのメッシュで分級して磁性キャリア1を得た。得られた磁性キャリア1の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
<磁性キャリア2の製造例>
混合機(ホソカワミクロン社製のナウターミキサーVN型)を用いた第一段目の被覆工程において、固形分濃度が10質量%になるようにトルエンで希釈し樹脂溶液Cを、充填コア粒子1の100質量部に対して被覆樹脂成分として1.5質量部になるように投入した。混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌混合機NDMV型)を用いた第二段目の被覆工程において、樹脂溶液Cを充填コア粒子1の100質量部に対して被覆樹脂成分として1.0質量部となるよう投入した以外は、磁性キャリア1と同様にして磁性キャリア2を得た。磁性キャリア2の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
<磁性キャリア3の製造例>
充填コア粒子として、充填コア粒子2を用い、混合機(ホソカワミクロン社製のナウターミキサーVN型)を用いた第一段目の被覆工程において、固形分濃度が10質量%になるようにトルエンで希釈し樹脂溶液Bを、充填コア粒子2の100質量部に対して被覆樹脂成分として1.5質量部になるように投入した。混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌混合機NDMV型)を用いた第二段目の被覆工程において、樹脂溶液Bを充填コア粒子2 100質量部に対して被覆樹脂成分として1.5質量部となるよう投入した以外は、磁性キャリア1と同様にして磁性キャリア3を得た。磁性キャリア3の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
<磁性キャリア4の製造例>
充填コア粒子として、充填コア粒子3を用い、混合機(ホソカワミクロン社製のナウターミキサーVN型)を用いた第一段目の被覆工程において、スクリューの回転速度70min−1、自転速度が1.5min−1の条件で撹拌し、固形分濃度が15質量%になるようにトルエンで希釈し樹脂溶液Cを、充填コア粒子3の100質量部に対して被覆樹脂成分として0.5質量部になるように投入した。混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌混合機NDMV型)を用いた第二段目の被覆工程において、樹脂溶液Cを充填コア粒子3の100質量部に対して被覆樹脂成分として0.5質量部となるよう投入し、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)で、窒素雰囲気下、温度200℃で6時間熱処理した後、以外は、磁性キャリア1と同様にして磁性キャリア4を得た。磁性キャリア4の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
<磁性キャリア5の製造例>
充填コア粒子4の100質量部を混合機(ホソカワミクロン社製のナウターミキサーVN型)に投入し、スクリューの回転速度100min−1、自転速度が3.5min−1の条件で撹拌しながら減圧下で温度70℃に調整した。樹脂溶液Cを固形分濃度が10質量%になるようにトルエンで希釈し、充填コア粒子4の100質量部に対して被覆樹脂成分として0.5質量部になるように樹脂溶液を投入した。2時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。試料を混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌混合機NDMV型)に移し、原料の充填コア粒子4の100質量部に対して、樹脂溶液Cを用いて被覆樹脂成分が0.25質量部になるよう樹脂溶液を投入し、2時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。さらに、原料の充填コア粒子4の100質量部に対して、樹脂溶液Cを用いて被覆樹脂成分が0.25質量部になるよう樹脂溶液を混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌混合機NDMV型)に投入し、同様に、2時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。得られた試料は、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下、温度180℃で4時間熱処理した後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア5を得た。磁性キャリア5の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
<磁性キャリア6乃至8の製造例>
充填コア粒子5乃至7を用い、樹脂被覆操作は行わず、スクリューの回転速度80min−1、自転速度が3.5min−1の条件で混合機(ホソカワミクロン社製のナウターミキサーVN型)で室温にて4時間撹拌し、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア6乃至8を得た。磁性キャリア6乃至8の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
<磁性キャリア9の製造例>
充填コア粒子8の100質量部を混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌混合機NDMV型)に減圧下で温度70℃に加熱した。続いて、樹脂溶液Cを固形分濃度が5質量%になるようにトルエンで希釈し、充填コア粒子8 100質量部に対して被覆樹脂成分として0.5質量部になるように、6時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。得られた試料は、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下、温度180℃で4時間熱処理した後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア9を得た。得られた磁性キャリア9の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
<磁性キャリア10の製造例>
磁性コア粒子10の100質量部を混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌混合機NDMV型)に入れ、減圧下で温度70℃に加熱した。続いて、樹脂溶液Cを固形分濃度が30質量%になるように濃縮し後、磁性コア粒子10の100質量部に対して被覆樹脂成分として1.0質量部になるように、6時間かけて滴下し、溶媒除去及び塗布操作を行った。得られた試料は、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下、温度180℃で12時間熱処理した後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア10を得た。得られた磁性キャリア10の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
<磁性キャリア11の製造例>
磁性体分散型コア粒子8の100質量部を混合機(ホソカワミクロン社製のナウターミキサーVN型)に投入し、スクリューの回転速度100min−1、自転速度が2.0min−1の条件で減圧下で温度70℃に加熱した。続いて、樹脂溶Bを固形分濃度が5質量%になるように希釈し、磁性体分散型コア粒子8の100質量部に対して被覆樹脂成分として0.5質量部になるように加え、6時間で滴下し、溶媒除去及び塗布操作を行った。続いて、得られた試料を、混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌混合機NDMV型)に移し、原料の磁性体分散型コア粒子8の100質量部に対して、樹脂溶液Bを用いて被覆樹脂成分が0.3質量部になるよう樹脂溶液を投入し、2時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。得られた試料は、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下、温度180℃で4時間熱処理した後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア11を得た。得られた磁性キャリア11の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
<磁性キャリア12の製造例>
磁性コア粒子11の100質量部を混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌混合機NDMV型)に入れ、減圧下で温度70℃に加熱撹拌した。続いて、樹脂溶液Bを磁性コア粒子11の100質量部に対して被覆樹脂成分として0.5質量部になるように樹脂溶液を滴下した。6時間かけて滴下し、溶媒除去及び塗布操作を行った。得られた試料は、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下、温度180℃で8時間熱処理した後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア12を得た。得られた磁性キャリア12の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
<磁性キャリア13の製造例>
磁性コア粒子9の100質量部を混合機(ホソカワミクロン社製のナウターミキサーVN型)に投入し、スクリューの自転速度100min−1、スクリューの公転速度が1.0min−1の条件で撹拌しながら70℃に加熱した。続いて、固形分濃度30質量%になるよう濃縮した樹脂溶液Dを磁性コア粒子9の100質量部に対して、被覆樹脂成分として1.0質量部になるように樹脂溶液を滴下し、2時間撹拌し、溶媒除去及び塗布操作を行った。得られた試料は、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下、温度180℃で2時間熱処理した後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア13を得た。得られた磁性キャリア13の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
<磁性キャリア14の製造例>
磁性コア粒子7の100質量部を混合機(ホソカワミクロン社製のナウターミキサーVN型)に投入し、スクリューの自転速度100min−1、スクリューの公転速度が1.0min−1の条件で撹拌しながら温度70℃に加熱した。続いて樹脂溶液Dを、磁性コア粒子7の100質量部に対して、被覆樹脂成分として0.8質量部になるよう加え、2時間撹拌し、溶媒除去及び塗布操作を行った。得られた試料は、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下、温度180℃で2時間熱処理した後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア14を得た。得られた磁性キャリア14の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
<磁性キャリア15の製造例>
磁性コア粒子7の100質量部を混合機(ホソカワミクロン社製のナウターミキサーVN型)に投入し、スクリューの自転速度100min−1、スクリューの公転速度が3.5min−1の条件で撹拌しながら温度70℃に加熱した。続いて樹脂溶液Eを、磁性コア粒子7の100質量部に対して、被覆樹脂成分として0.5質量部になるよう滴下し、2時間で溶媒除去及び塗布操作を行った。得られた試料は、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下、温度180℃で8時間熱処理した後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア15を得た。得られた磁性キャリア15の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
<磁性キャリア16の製造例>
充填コア粒子9の100質量部に対して、被覆樹脂成分が1.3質量%となるように、樹脂溶液Fを用いて、温度80℃に加熱した流動床で塗布操作及び溶媒除去を行った。温度200℃で2時間の熱処理を行った後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア16を得た。得られた磁性キャリア16の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
<磁性キャリア17の製造例>
磁性コア粒子13の100質量部に対して、被覆樹脂成分が1.0質量%となるように、樹脂溶液Aを用いて、温度80℃に加熱した流動床で塗布操作及び溶媒除去を行った。塗布溶媒除去を行った後温度80℃で2時間撹拌を続け、さらに磁性コア粒子13の100質量部に対して、被覆樹脂成分が0.5質量%となるように、樹脂溶液Aを用いて、流動床で塗布操作及び溶媒除去を行った。温度200℃で2時間の熱処理を行った後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア17を得た。得られた磁性キャリア17の製造条件を表4に、物性を表5に示す。
スチレン1.9mol、2−エチルヘキシルアクリレート0.21mol、フマル酸0.15mol、α−メチルスチレンの2量体0.03mol、ジクミルパーオキサイド0.05molを滴下ロートに入れた。また、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン7.0mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.0mol、テレフタル酸3.0mol、無水トリメリット酸2.0mol、フマル酸5.0mol及び酸化ジブチル錫0.2gをガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、145℃の温度で撹拌しつつ、先の滴下ロートよりビニル系樹脂のモノマー及び重合開始剤を5時間かけて滴下した。次いで200℃に昇温し、200℃で4.0時間反応させてハイブリッド樹脂(樹脂A)を得た。この樹脂AのGPCによる分子量は、重量平均分子量(Mw)64000,数平均分子量(Mn)4500、ピーク分子量(Mp)7000であった。
[無機微粒子(ゾルゲルシリカ微粒子)の製造例]
メタノール、水、アンモニア水存在下、温度35℃に加温し、撹拌しながら、テトラメトキシシランを滴下し、シリカ微粒子の懸濁液を得た。溶媒置換を行い、得られた分散液に疎水化処理剤としてヘキサメチルジシラザンを室温で添加し、その後、温度130℃まで加熱して反応させ、シリカ微粒子表面の疎水化処理を行った。湿式で篩いを通過させ、粗大粒子を除去した後、溶媒を除去し、乾燥して、無機微粒子A(ゾルゲルシリカ微粒子)を得た。前記無機粒子Aの1次粒子の個数平均粒径は110nmであった。同様に、反応温度と撹拌速度を適宜変更することによって1次粒子の個数平均粒径が43nm、50nm、280nm、330nmの無機微粒子(ゾルゲルシリカ微粒子)B〜Eをそれぞれ製造した。
(トナーの製造例1)
<マゼンタマスターバッチの製造>
・樹脂A 60質量部
・マゼンタ顔料(PigmentRed 57) 20質量部
・マゼンタ顔料(PigmentRed 122) 20質量部
上記の材料をニーダーミキサーにより溶融混練し、マゼンタマスターバッチを作製した。
<トナーAの製造例>
・樹脂A 88.3質量部
・精製パラフィンワックス(最大吸熱ピーク:70℃、Mw=450、Mn=
320) 5.0質量部
・上記マゼンタマスターバッチ(着色剤分40質量%) 19.5質量部
・3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミニウム化合物(負荷電
制御剤) 0.9質量部
上記処方をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合した後、温度160℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。ホソカワミクロン社製の粒子設計装置(製品名:ファカルティ)を用いて、分級を行った。さらに、熱球形化処理を行い、得られたマゼンタトナー粒子100質量部に、無機微粒子A(ゾルゲルシリカ微粒子)1.0質量部、ヘキサメチルジシラザン20質量%で表面処理した一次粒子の個数平均径16nmの疎水性シリカ微粒子1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合して、トナーAを得た。得られたトナーAの円相当径0.500μm以上1.985μm未満である粒子(小粒子)は、2個数%であった。また、円相当径1.985μm以上39.69μm未満の粒子の平均円形度は0.978、重量平均粒子径(D4)は7.2μmであった。
また、トナーの電子顕微鏡による観察と画像処理から、個数分布基準で110nmに極大値をひとつ有することを確認した。確認された極大値が、無機微粒子Aに由来するものであることを確認した。
<トナーBの製造例>
トナーAの製造例において、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)による微粉砕工程を二回繰返して微粉砕したこと、及び、熱球形化処理を行わなかった以外は同様にして、トナーBを得た。トナーBの円相当径0.500μm以上1.985μm未満である粒子(小粒子)は、10個数%であった。また、円相当径1.985μm以上39.69μm未満の粒子の平均円形度は0.943、重量平均粒子径(D4)は5.6μmであった。
<トナーCの製造例>
トナーAの製造例において、熱球形化処理を行わなかった以外は、トナーA製造例と同様にしてトナーCを得た。トナーCの円相当径0.500μm以上1.985μm未満である粒子(小粒子)は、6個数%であった。また、円相当径1.985μm以上39.69μm未満の粒子の平均円形度は0.936、重量平均粒子径(D4)は6.2μmであった。
〔実施例1〕
磁性キャリア1の92質量部に対し、トナー1を8質量部加え、V型混合機により10分間振とうさせて、二成分系現像剤を調製した。この二成分系現像剤を用いて以下の評価を行った。評価結果を表6に記載する。
画像形成装置として、キヤノン製デジタル複写機iRC3580改造機を用い、シアン位置の現像器に上記現像剤を入れ、常温常湿(温度23℃、湿度50%RH)環境下で画像形成を行った。現像スリーブには、周波数2.0kHz、Vpp1.3kVの交流電圧と直流電圧VDCを印加した。直流電圧VDCは、Vbackを150Vに固定した条件で500Vに調整した。転写材としては、カラーレーザーコピアペーパー(A4、81.4g/m2、キヤノン社製)を用いた。上記の条件で、以下の評価項目について評価を行った。
(1)現像性
カラーレーザーコピアペーパー上に、FFH画像(ベタ画像)を形成し、コントラスト電位300Vを基準とし、反射濃度で1.30以上1.60以下の画像濃度を得るために必要なVppと、得られた反射濃度から現像性を評価した。反射濃度は、分光濃度計500シリーズ(X−Rite社製)を用いて測定した。この評価においては、1.3kVppでFFH画像(ベタ画像)の反射濃度が1.30に到達しなかった場合には、Vppを大きくしてトナーの現像量を上げていった。尚、FFH画像とは、256階調を16進数で表示した値であり、00Hを1階調目(白地部)、FFHを256階調目(ベタ部)とする。
(評価基準)
(A)Vpp1.3kVで、画像濃度1.30以上1.60以下
(B)Vpp1.5kVで、画像濃度1.30以上1.60以下
(C)Vpp1.8kVで、画像濃度1.30以上1.60以下
(D)Vpp1.8kVで、画像濃度1.30未満
次いで、画像割合が5%の画像を用いて10万枚の画出し試験を行った。画出し試験後、現像剤をサンプリングし、現像剤中のトナー濃度を確認した。初期のトナー濃度8%から変動のあった現像剤については、現像器にトナーを補給するか、トナーの補給を止めて画出しを行うなどしてトナーを消費させ、画出し後のトナー濃度が8%となるよう調整した。画出し試験の初期と、濃度調整後の再画出しの初期において、以下の項目について評価を行った。
(2)画像欠陥(白抜け)評価
転写紙の搬送方向に対して、ハーフトーン横帯(30H 幅10mm)とベタ画像横帯(FFH 幅10mm)を交互に並べたチャートを出力する(即ち、感光体の長手方向全域に幅10mmのハーフトーン画像を形成し、次いで、長手方向全域に幅10mmのベタ画像を形成し、それを繰り返して得られる画像。)。その画像をスキャナ(600dpi)で読み取り、二値化処理を行い、搬送方向における輝度分布(256階調)を測定する。なお、30H画像とは、256階調を16進数で表示した値であり、00Hを画像無しの状態とし、FFHをベタ画像とするときのハーフトーン画像である。二値化画像の得られた輝度分布において、ハーフトーン(30H)の輝度よりも白い領域(00Hから30Hの領域)の面積(ドット数)を、白抜け度とする。耐久開始時および10万枚後の白抜けレベルを評価した。
(評価基準)
A:50以下
B:51以上150以下
C:151以上300以下
D:301以上
(3)画質(ガサツキ)
ハーフトーン画像(30H)をA4で1枚印刷し、耐久開始時および10万枚後の画像を目視にて観察した。
(評価基準)
ハーフトーン画像のガサツキを目視で評価した。
A:ガサツキなし
B:わずかにガサツキあり
C:ガサツキがあるが許容レベル
D:ひどいガサツキ
(4)キャリア付着
耐久開始時および10万枚後に00H画像を印刷し、感光ドラム上の部分を透明な粘着テープを密着させてサンプリングし、1cm×1cm中の感光ドラム上に付着していた磁性キャリア粒子の個数を光学顕微鏡で数えた。
(評価基準)
A:3個以下
B:4個以上10個以下
C:11個以上20個以下
D:21個以上
(5)リーク試験(白ポチ)
初期のリークの試験には、耐久に用いる現像剤と別にトナー濃度4%の現像剤を同様にして調製する。耐久後に関しては、耐久後の評価を終えた現像剤を用いて、トナー補給を止めて、トナー濃度が4%になるまで、トナーを消費させてから、以下の方法で試験を行った。
A4普通紙上にベタ(FFH)画像を5枚連続して出力して、画像上において直径が1mm以上の白く抜けている点の個数をカウントする。5枚の合計個数から評価を行う。
(評価基準)
A:0個
B:1個以上10個未満
C:10個以上20個未満
D:20個以上100個未満
(6)画像濃度変動
X−Riteカラー反射濃度計(500シリーズ:X−Rite社製)を使用し、画像濃度、カブリを測定した。耐久開始時および10万枚後の画像濃度の差を以下の基準で評価とした。
(評価基準)
A:0.00以上0.05未満
B:0.05以上0.10未満
C:0.10以上0.20未満
D:0.20以上
次に、10万枚の画出し試験を行ったマシンを高温高湿(温度30℃、湿度80%RH)環境に移動し、画像割合が30%の画像を用いてさらに5万枚の画出し試験を行った。5万枚の画出し試験後、現像剤担持体上から現像剤約1gをサンプリングした。次に、現像器を機内に戻し3晩そのままの状態に放置した。3晩放置後、現像器から同様に現像剤約1gをサンプリングした。その後、現像器を機内に戻して後述のカブリ試験を行った。
(7)高温高湿下の放置帯電量変動
高温高湿(温度30℃、湿度80%RH)環境下での5万枚の画出し試験直後にサンプリングした現像剤の帯電量(Q1)及び3晩放置後にサンプリングした現像剤の帯電量(Q2)を測定し、Q1とQ2の帯電量の差(帯電量の低下量)で評価を行った。
帯電量は、高温高湿(温度30℃、湿度80%RH)環境下に設置した吸引分離式帯電量測定器セパソフト STC−1−C1型(三協パイオテク製)を用いて測定した。サンプルフォルダー(ファラデーゲージ)底に目開き20μmのメッシュ(金網)を設置し、その上に、サンプリングした現像剤を0.10g入れフタをする。この時のサンプルフォルダー全体の質量を秤りW1(g)とする。次にサンプルフォルダーを本体に設置し風量調節弁を調整して吸引圧力を2kPaとする。この状態で2分間吸引しトナーを吸引除去する。この時の電流Q(μC)とする。また、吸引後のサンプルフォルダー全体の質量を秤りW2(g)とする。この時、求まるQは、キャリアの電荷を計測しているため、トナーの摩擦帯電量としては、その逆極性になる。この現像剤の摩擦帯電量(mC/kg)の絶対値は下式の如く算出される。
摩擦帯電量(mC/kg)=Q/(W1−W2)
(評価基準)
A:5.0mC/kg未満
B:5.0mC/kg以上10.0mC/kg未満
C:10.0mC/kg以上15.0mC/kg未満
D:15.0mC/kg以上
(8)カブリ
耐久開始時および10万枚後の画像出力後に、Vback 150Vに設定し、ベタ白画像を1枚印刷した。
リフレクトメータ(東京電色株式会社製の「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって、画像形成前の紙の平均反射率Dr(%)、ベタ白画像の反射率Ds(%)を測定した。
カブリ(%)=Dr(%)−Ds(%)
を算出した。
(評価基準)
A:0.5%未満
B:0.5以上1.0%未満
C:1.0以上2.0%未満
D:2.0%以上
(9)高温高湿下の放置後カブリ
高温高湿(温度30℃、湿度80%RH)環境下での5万枚の画出し後に、高温高湿にそのまま3晩放置し、Vback 150Vに設定し、ベタ白画像を1枚印刷した。(8)耐久によるカブリ変動の評価と同様の手順及び評価基準にて評価を行った。
〔実施例2乃至9、比較例1乃至8〕
表5に示す磁性キャリアとトナーとを組み合わせて、それぞれ二成分系現像剤を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。それぞれの評価結果を表6に示す。
工程1(秤量・混合工程):
Fe2O3 61.1質量%
MnCO3 33.5質量%
Mg(OH)2 4.5質量%
SrCO3 0.9質量%
上記フェライト原材料を秤量した。その後、ジルコニアのボール(直径10mm)を用いた乾式ボールミルで2時間粉砕・混合した。
工程2(仮焼成工程):
粉砕・混合した後、バーナー式焼成炉を用い大気中で温度950℃で2時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。
工程3(粉砕工程):
クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、ジルコニアのビーズ(直径1.0mm)を用い、仮焼フェライト100質量部に対し水を30質量部加え、湿式ビーズミルで4時間粉砕し、フェライトスラリーを得た。
工程4(造粒工程):
フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100質量部に対してポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、36μmの球状粒子に造粒した。
工程5(本焼成工程):
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度0.02体積%)で、温度1050℃で4時間焼成した。
工程6(選別工程):
凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、多孔質磁性コア粒子14を得た。多孔質磁性コア粒子14の物性を表7に示す。
<多孔質磁性コア粒子の製造例15>
工程1(秤量・混合工程):
Fe2O3 80.3質量%
MnCO3 28.3質量%
Mg(OH)2 1.4質量%
上記フェライト原材料を用いる以外は、多孔質磁性コア粒子の製造例14と同様にして、多孔質磁性コア粒子15を得た。多孔質磁性コア粒子15の物性を表7に示す。
<多孔質磁性コア粒子の製造例16>
工程5の焼成条件の窒素雰囲気を酸素濃度0.01体積%未満にした以外は、多孔質磁性コア粒子の製造例15と同様にして、多孔質磁性コア粒子16を得た。多孔質磁性コア粒子16の物性を表7に示す。
<多孔質磁性コア粒子の製造例17>
多孔質磁性コア粒子の製造例14の工程3におけるジルコニアのビーズ(直径1.0mm)による粉砕時間を3時間に変更した。また、工程5の焼成条件において、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%未満)とした。加えて、温度1100℃で4時間焼成した以外は、多孔質磁性コア粒子の製造例14と同様にして、多孔質磁性コア粒子17を得た。多孔質磁性コア粒子17の物性を表7に示す。
<多孔質磁性コア粒子の製造例18>
工程5の焼成条件において、雰囲気の酸素濃度を0.30体積%にした以外は、多孔質磁性コア粒子の製造例17と同様にして、多孔質磁性コア粒子18を得た。多孔質磁性コア粒子18の物性を表7に示す。
<多孔質磁性コア粒子の製造例19>
工程3のジルコニアのビーズ(直径1.0mm)による粉砕時間を2時間に変更し、工程5の焼成条件において、雰囲気の酸素濃度を0.05体積%とした以外は、多孔質磁性コア粒子の製造例17と同様にして、多孔質磁性コア粒子19を得た。多孔質磁性コア粒子19の物性を表7に示す。
<多孔質磁性コア粒子の製造例20>
工程5の焼成条件において、雰囲気の酸素濃度を0.20体積%とした以外は、多孔質磁性コア粒子の製造例19と同様にして、多孔質磁性コア粒子20を得た。多孔質磁性コア粒子20の物性を表7に示す。
<多孔質磁性コア粒子の製造例21>
工程5の焼成条件において、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%未満)として温度1150℃で4時間焼成した以外は、多孔質磁性コア粒子の製造例19と同様にして、多孔質磁性コア粒子21を得た。多孔質磁性コア粒子21の物性を表7に示す。
<多孔質磁性コア粒子の製造例22>
工程5の焼成条件において、雰囲気の酸素濃度を0.30体積%とした以外は、多孔質磁性コア粒子の製造例21と同様にして、多孔質磁性コア粒子22を得た。多孔質磁性コア粒子22の物性を表7に示す。
<多孔質磁性コア粒子の製造例23>
工程5の焼成条件において、雰囲気の酸素濃度を0.50体積%とした以外は、多孔質磁性コア粒子の製造例21と同様にして、多孔質磁性コア粒子23を得た。多孔質磁性コア粒子23の物性を表7に示す。
<多孔質磁性コア粒子の製造例24>
工程1(秤量・混合工程):
Fe2O3 61.6質量%
MnCO3 31.6質量%
Mg(OH)2 5.7質量%
SrCO3 0.7質量%
上記フェライト原材料を秤量した。その後、ジルコニアのボール(直径10mm)を用いた湿式ボールミルで5時間粉砕・混合した。その後スプレードライヤーで乾燥し、球状粒子を得た。
工程2(仮焼成工程):
球状粒子を、バーナー式焼成炉を用い大気中で温度950℃で2時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。
工程3(粉砕工程):
クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、ステンレスのビーズ(直径3mm)を用い、仮焼フェライト100質量部に対し水を30質量部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。そのスラリーを、ステンレスビーズ(直径1.0mm)を用いた湿式ビーズミルで4時間粉砕しフェライトスラリーを得た。
工程4(造粒工程):
フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100質量部に対してポリビニルアルコール1.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、35μmの球状粒子に造粒した。
工程5(本焼成工程):
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて酸素濃度0.5体積%で、温度1100℃で4時間焼成した。
工程6(選別工程):
凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、多孔質磁性コア粒子24を得た。多孔質磁性コア粒子24の物性を表7に示す。
<磁性コア粒子の製造例25>
工程1:
Fe2O3 70.8質量%
CuO 12.8質量%
ZuO 16.4質量%
上記フェライト原材料を秤量した。その後、ジルコニアのボール(直径10mm)を用いた乾式ボールミルで2時間粉砕・混合した。
工程2:
粉砕・混合した後、大気中で温度950℃で2時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。
工程3:
クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、ステンレスのボール(直径10mm)を用い、仮焼フェライト100質量部に対し水を30質量部加え、湿式ボールミルで2時間粉砕した。そのスラリーを、ステンレスビーズ(直径1.0mm)を用いた湿式ビーズミルでさらに4時間粉砕しフェライトスラリーを得た。
工程4:
フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100質量部に対しポリビニルアルコール0.5質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で75μmの球状粒子に造粒した。
工程5:
大気中で温度1300℃で4時間焼成した。
工程6:
凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、磁性コア粒子25を得た。磁性コア粒子25の物性を、表7に示す。
<磁性コア粒子の製造例26>
磁性コア粒子25の製造例において、工程3でクラッシャーによって0.5mm程度に粉砕した後、ステンレスのボール(直径10mm)を用いて湿式ボールミルで6時間粉砕を行った。さらに、工程4で、39μmの球状粒子に造粒した以外は、磁性コア粒子25と同様にして磁性コア粒子26を得た。磁性コア粒子26の物性を表7に示す。
多孔質磁性コア粒子14の100質量部を混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌混合機NDMV型)に入れ、温度80℃に加熱し、多孔質磁性コア粒子14の100質量部に対して充填樹脂成分として15質量部に相当する樹脂溶液Bを加え、揮発してくる有機溶剤を排気しながら撹拌した。2時間の間、温度80℃で加熱と撹拌を続け、溶剤を除去した。得られた試料をジュリアミキサー(徳寿工作所)に移し、窒素雰囲気下に温度200℃で2時間熱処理して、目開き70μmのメッシュで分級して充填コア粒子10を得た(樹脂充填量15.0質量部)。
(充填コア粒子11、12、16、18の製造例)
使用する磁性コアの種類、樹脂溶液の種類、及び、それぞれの磁性コア粒子に対する樹脂の充填量を表8に記載したように変更した以外は、充填コア粒子10の製造例と同様にして、充填コア粒子11、12、16、18を得た。
(充填コア粒子13の製造例)
多孔質磁性コア粒子18の100質量部を混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌混合機NDMV型)に入れ、減圧下、温度50℃に加熱した。多孔質磁性コア粒子18の100質量部に対して充填樹脂成分として11質量部に相当する樹脂溶液Bを加え、2時間の間、温度50℃を保持し、撹拌を続け、樹脂を含浸した。その後、温度80℃まで昇温して溶剤を除去した。得られた試料をジュリアミキサー(徳寿工作所)に移し、窒素雰囲気下に温度200℃で2時間熱処理して、目開き70μmのメッシュで分級して充填コア粒子13を得た。
(充填コア粒子14、15、17、20の製造例)
使用する磁性コアの種類、樹脂溶液の種類、及び、それぞれの磁性コア粒子に対する樹脂の充填量を表8に記載したように変更した以外は、充填コア粒子13の製造例と同様にして、充填コア粒子14、15、17、20を得た。
(充填コア粒子19の製造例)
多孔質磁性コア粒子24の100質量部を一軸式間接加熱型乾燥機に入れ、温度75℃に保持し撹拌しながらして充填樹脂成分として13質量部に相当する樹脂溶液Bを滴下した。その後、温度200℃まで昇温し、2時間保持した。目開き70μmのメッシュで分級して充填コア粒子19を得た。
充填コア粒子10の100質量部を混合機(ホソカワミクロン社製のナウターミキサーVN型)に投入し、スクリューの回転速度100min−1、自転速度が3.5min−1の条件で撹拌しながら減圧下で温度70℃に加熱した。続いて、樹脂溶液Cを固形分濃度が10質量%になるようにトルエンで希釈し、充填コア粒子10の100質量部に対して被覆樹脂成分として1.5質量部になるように樹脂溶液を投入した。2時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。その後、温度180℃まで昇温し、2時間撹拌を続けた後、温度70℃まで降温した。さらに、樹脂溶液Cを用いて、充填コア粒子10の100質量部に対して、被覆樹脂成分として1.0質量部になるよう樹脂溶液を投入し、2時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。得られた試料は、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下、温度180℃で4時間熱処理した後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア18を得た。得られた磁性キャリア18の製造条件を表9に、物性を表10に示す。
〔磁性キャリア19の製造例〕
充填コア粒子として、充填コア粒子11を用い、樹脂溶液Bを用いた以外は、磁性キャリア18と同様にして、磁性キャリア19を得た。磁性キャリア19の製造条件を表9に、物性を表10に示す。
〔磁性キャリア20の製造例〕
充填コア粒子12の100質量部を混合機(ホソカワミクロン社製のナウターミキサーVN型)に投入し、スクリューの自転速度100min−1、スクリューの公転速度が3.5min−1の条件で撹拌しながら減圧下で温度70℃に加熱した。続いて、樹脂溶液Bを固形分濃度が15質量%になるようにトルエンで希釈し、充填コア粒子12の100質量部に対して被覆樹脂成分として1.0質量部になるように樹脂溶液を投入した。2時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。その後、温度180℃まで昇温し、2時間撹拌を続けた後、温度70℃まで降温した。さらに、スクリューの自転速度70min−1、スクリューの公転速度が2.0min−1にして、充填コア粒子12の100質量部に対して、被覆樹脂成分として0.5質量部になるよう樹脂溶液Bを投入し、2時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。得られた試料は、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下、温度180℃で4時間熱処理した後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア20を得た。得られた磁性キャリア20の製造条件を表9に、物性を表10に示す。
〔磁性キャリア21の製造例〕
充填コア粒子13の100質量部を混合機(ホソカワミクロン社製のナウターミキサーVN型)に投入し、スクリューの自転速度100min−1、スクリューの公転速度が3.5min−1の条件で撹拌しながら減圧下で温度70℃に加熱した。続いて、樹脂溶液Bを固形分濃度が10質量%になるようにトルエンで希釈し、充填コア粒子13の100質量部に対して被覆樹脂成分として0.5質量部になるように樹脂溶液を投入した。2時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。その後、温度180℃まで昇温し、2時間撹拌を続けた後、温度70℃まで降温した。さらに、固形分濃度が15質量%になるよう希釈した樹脂溶液Bを投入し、充填コア粒子13の100質量部に対して、被覆樹脂成分として1.0質量部になるよう2時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。得られた試料は、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下、温度180℃で4時間熱処理した後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア21を得た。得られた磁性キャリア21の製造条件を表9に、物性を表10に示す。
〔磁性キャリア22の製造例〕
充填コア粒子14の100質量部を混合機(ホソカワミクロン社製のナウターミキサーVN型)に投入し、スクリューの回転速度100min−1、自転速度が3.5min−1の条件で撹拌しながら減圧下で温度70℃に加熱した。続いて、樹脂溶液Bを固形分濃度が15質量%になるようにトルエンで希釈し、充填コア粒子14の100質量部に対して被覆樹脂成分として0.5質量部になるように樹脂溶液を投入した。2時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。その後、温度180℃まで昇温し、2時間撹拌を続けた。さらに、温度70℃まで降温して、充填コア粒子14の100質量部に対して、被覆樹脂成分として0.5質量部になるよう固形分濃度が15質量%になるよう希釈した樹脂溶液Bを投入し、2時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。その後、温度180℃まで昇温し、2時間撹拌を続けた後、温度70℃まで降温した。さらに、充填コア粒子14の100質量部に対して、被覆樹脂成分として0.5質量部になるよう固形分濃度が10質量%になるよう希釈した樹脂溶液Bを投入し、2時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。得られた試料は、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下、温度180℃で4時間熱処理した後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア22を得た。得られた磁性キャリア22の製造条件を表9に、物性を表10に示す。
〔磁性キャリア23の製造例〕
充填コア粒子15に、樹脂被覆操作は行わず、そのまま磁性キャリア23として評価に用いた。磁性キャリア23の製造条件を表9に、物性を表10に示す。
〔磁性キャリア24の製造例〕
充填コア粒子14に、樹脂被覆操作は行わず、そのまま磁性キャリア24として評価に用いた。磁性キャリア24の製造条件を表9に、物性を表10に示す。
〔磁性キャリア25の製造例〕
充填コア粒子16の100質量部を混合機(ホソカワミクロン社製のナウターミキサーVN型)に投入し、スクリューの回転速度100min−1、自転速度が3.5min−1の条件で撹拌しながら減圧下で温度70℃に加熱した。続いて、樹脂溶液Cを固形分濃度が5質量%になるようにトルエンで希釈し、充填コア粒子16の100質量部に対して被覆樹脂成分として1.5質量部になるように固形分濃度が5質量%になるよう希釈した樹脂溶液を投入した。6時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。その後、温度180℃まで昇温し、2時間撹拌を続けた後、温度70℃まで降温した。充填コア粒子16の100質量部に対して、被覆樹脂成分として0.5質量部になるよう固形分濃度が10質量%になるよう希釈した樹脂溶液Bを投入し、6時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。得られた試料は、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下、温度180℃で4時間熱処理した後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア25を得た。得られた磁性キャリア25の製造条件を表9に、物性を表10に示す。
〔磁性キャリア26の製造例〕
充填コア粒子17に、樹脂被覆操作は行わず、そのまま磁性キャリア26として評価に用いた。磁性キャリア26の製造条件を表9に、物性を表10に示す。
〔磁性キャリア27の製造例〕
多孔質磁性コア23の100質量部を混合機(ホソカワミクロン社製のナウターミキサーVN型)に投入し、スクリューの自転速度50min−1、スクリューの公転速度が1.0min−1の条件で撹拌しながら温度70℃に加熱した。続いて、樹脂溶液Cを多孔質磁性コア23の100質量部に対して、被覆樹脂成分として1.5質量部になるように樹脂溶液を投入して、2時間撹拌した。減圧して、2時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。その後、温度180℃まで昇温し、2時間撹拌を続けた後、温度70℃まで降温した。多孔質磁性コア23の100質量部に対して、被覆樹脂成分として2.5質量部になるよう固形分濃度10%となるよう希釈した樹脂溶液Bを投入し、6時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。得られた試料は、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下、温度180℃で4時間熱処理した後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア27を得た。得られた磁性キャリア27の製造条件を表9に、物性を表10に示す。
〔磁性キャリア28の製造例〕
充填コア粒子18の100質量部を混合機(ホソカワミクロン社製のナウターミキサーVN型)に投入し、スクリューの自転速度100min−1、スクリューの公転速度が2.0min−1の条件で撹拌しながら減圧下で温度70℃に加熱した。続いて、樹脂溶液Cを充填コア粒子18の100質量部に対して被覆樹脂成分として0.7質量部になるように樹脂溶液を投入した。2時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。その後、温度180℃まで昇温し、2時間撹拌を続けた後、温度70℃まで降温した。充填コア粒子18の100質量部に対して、被覆樹脂成分として0.3質量部になるよう固形分濃度10%となるよう希釈した樹脂溶液Bを投入し、6時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。得られた試料は、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下、温度180℃で4時間熱処理した後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア28を得た。得られた磁性キャリア28の製造条件を表9に、物性を表10に示す。
〔磁性キャリア29の製造例〕
樹脂溶液Fを用いて、温度80℃に加熱した流動床を用いて撹拌しながら、充填コア粒子19に100質量部に対して、被覆樹脂成分が1.3質量%となるように塗布操作及び溶媒除去を行った。その後、温度220℃で2時間熱処理を行った後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア29を得た。得られた磁性キャリア29の製造条件を表9に、物性を表10に示す。
〔磁性キャリア30の製造例〕
磁性コア粒子25の100質量部に対して、被覆樹脂成分が0.5質量%となるように、樹脂溶液Aを用いて、温度80℃に加熱した流動床で塗布操作及び溶媒除去を行った。その後、温度220℃で2時間の熱処理を行った後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア30を得た。得られた磁性キャリア30の製造条件を表9に、物性を表10に示す。
〔磁性キャリア31の製造例〕
充填コア粒子20に、樹脂被覆操作は行わず、そのまま磁性キャリア31として評価に用いた。磁性キャリア31の製造条件を表9に、物性を表10に示す。
〔磁性キャリア32の製造例〕
磁性コア粒子26の100質量部に対して、被覆樹脂成分が1.0質量%となるように、樹脂溶液Bを用いて、温度80℃に加熱した流動床で塗布操作及び溶媒除去を行った。塗布溶媒除去を行った後、温度80℃で2時間撹拌を続け、さらに磁性コア粒子26の100質量部に対して、被覆樹脂成分が1.5質量%となるように、樹脂溶液Bを用いて、流動床で塗布操作及び溶媒除去を行った。温度200℃で2時間の熱処理を行った後、目開き70μmのメッシュで分級して磁性キャリア32を得た。得られた磁性キャリア32の製造条件を表9に、物性を表10に示す。
・樹脂A 88.3質量部
・精製パラフィンワックス(最大吸熱ピーク:70℃) 5.0質量部
・前記マゼンタマスターバッチ(着色剤分40質量%) 19.5質量部
・3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミニウム化合物(負荷電
制御剤) 0.9質量部
上記処方をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合した後、温度150℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。ホソカワミクロン社製の粒子設計装置(製品名:ファカルティ)を用いて、分級を行い、円相当径0.500μm以上1.985μm未満である粒子(小粒子)が5個数%になるように調整を行い、重量平均粒径(D4)6.2μmのトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部に、無機微粒子Aを1.0質量部、及びヘキサメチルジシラザン20質量%で表面処理した一次粒子の個数平均粒子径16nmの疎水性シリカ微粒子1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合して、トナーDを得た。得られたトナーの処方及び物性を表11に示す。
<トナーE〜Gの製造例>
トナーDの製造例において、外添する無機微粒子Aを無機微粒子C〜Eに変更した以外は同様にして、トナーE〜Gを得た。得られたトナーの処方及び物性を表11に示す。
<トナー製造例H>
トナーDの製造例において、ホソカワミクロン社製の粒子設計装置(製品名:ファカルティ)を用いて、分級を行い、円相当径0.500μm以上1.985μm未満である粒子(小粒子)が28個数%になるように調整を行う以外は同様にし、トナー粒子を得た。得られたトナー粒子は、重量平均粒径(D4)が5.6μmであった。また、無機微粒子Aに変えて無機微粒子Eを用いる以外は、トナーDの製造例と同様にして外添を行い、トナーHを得た。得られたトナーの処方及び物性を表11に示す。
<トナー製造例I>
トナーDの製造例において、ホソカワミクロン社製の粒子設計装置(製品名:ファカルティ)を用いて、分級を行い、円相当径0.500μm以上1.985μm未満である粒子(小粒子)が32個数%になるように調整を行う以外は同様にし、トナー粒子を得た。得られたトナー粒子は、重量平均粒径(D4)が5.4μmであった。また、無機微粒子Aを添加しない以外は、トナーDの製造例と同様にして外添を行い、トナーIを得た。得られたトナーの処方及び物性を表11に示す。
磁性キャリア18の92質量部に対し、トナーDを8質量部加え、V型混合機により10分間振とうさせて、二成分系現像剤を調製した。この二成分系現像剤を用いて以下の評価を行った結果を表12に記載する。
画像形成装置として、キヤノン製デジタル商業印刷用プリンターimagePRESS C7000VP改造機を用い、シアン位置の現像器に上記現像剤を入れ、常温常湿(温度23℃、湿度50%RH)環境下で画像形成を行った。改造点は、感光体に対する現像スリーブ周速を1.5倍となるように改造し、また、補給用現像剤の排出口を塞ぎ、補給はトナーのみとした。そして、現像スリーブには、周波数2.0kHz、Vpp1.3kVの交流電圧と直流電圧VDCを印加した。画出し試験は、カラーレーザーコピアペーパー(A4、81.4g/m2)上のトナー載り量が0.5mg/cm2になるようVback 150Vに固定した条件で、直流電圧VDCを50V刻みで調整し、(1)現像性、(2)画像欠陥(白抜け)評価(3)画質(ガサツキ)(4)カブリ(5)キャリア付着(7)リーク試験(白ポチ)(8)画像濃度変動以下について評価を行った。尚、評価方法、評価基準は前述したとおりである。評価結果を13に示す。
〔実施例11乃至19、比較例9乃至16〕
表12に示す磁性キャリアとトナーとの組み合わせで、それぞれ二成分系現像剤を調製した。調製された二成分系現像剤を用い、実施例10と同様にして評価を行った。それぞれの評価結果を表13に示した。
Claims (11)
- 多孔質磁性コア粒子と樹脂とを少なくとも有する磁性キャリア粒子を有する磁性キャリアであって、
走査型電子顕微鏡により撮影した加速電圧が2.0kV時の該磁性キャリア粒子の反射電子像において、
下式(1)から求められる面積割合S1が、0.5面積%以上8.0面積%以下である磁性キャリア粒子の割合が、磁性キャリア中80個数%以上であり、
S1=(磁性キャリア粒子1粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積/その粒子の全投影面積)×100 (1)
磁性キャリアは、磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合Av1が、0.5面積%以上8.0面積%以下であり、
磁性キャリアは、下式(2)から求められる平均割合Av2が、10.0面積%以下であることを特徴とする磁性キャリア。
Av2=(磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分であって、ドメインの面積が6.672μm2以上である部分の総面積/磁性キャリア粒子の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積)×100 (2)。 - 磁性キャリアは、下式(3)から求められる平均割合Av3が、60.0面積%以上であることを特徴とする請求項1に記載の磁性キャリア。
Av3=(磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分であって、ドメインの面積が2.780μm2以下である部分の総面積/磁性キャリア粒子の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積)×100 (3)。 - 該磁性キャリア粒子は、該金属酸化物に由来する輝度の高い部分の各ドメインの面積を平均した平均値が、0.45μm2以上1.40μm2以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性キャリア。
- 磁性キャリアは、走査型電子顕微鏡の加速電圧が2.0kVで撮影された反射電子像の磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合Av1と、走査型電子顕微鏡の加速電圧が4.0kVで撮影された反射電子像の磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合Av4とが、下記式(4)
1.00≦Av4/Av1≦1.30 (4)
の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁性キャリア。 - 該多孔質磁性コアは、電界強度300V/cmにおける比抵抗が、1.0×106Ω・cm以上5.0×108Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の磁性キャリア。
- 該磁性キャリア粒子は、該多孔質磁性コア粒子の孔に、樹脂が充填されている粒子であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の磁性キャリア。
- 該磁性キャリア粒子は、該多孔質磁性コア粒子の孔に樹脂が充填されている粒子の表面をさらに樹脂で被覆した粒子であることを特徴とする請求項6に記載の磁性キャリア。
- 磁性キャリアとトナーを少なくとも含有する二成分系現像剤であり、該磁性キャリアは、請求項1乃至7のいずれかに記載の磁性キャリアであることを特徴とする二成分系現像剤。
- 該トナーは、平均円形度が0.940以上1.000以下であることを特徴とする請求項8に記載の二成分系現像剤。
- 該トナーは、円相当径0.500μm以上1.985μm以下である粒子が30個数%以下であることを特徴とする請求項8又は9に記載の二成分系現像剤。
- 該トナーは、トナー粒子と、個数分布基準の50nm以上300nm以下の範囲に粒径分布の極大値を少なくとも一つ以上有する無機微粒子とを有することを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の二成分系現像剤。
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