以下、本発明を実施するための形態詳細に説明する。まず、本発明の磁性キャリアについて説明する。
静電潜像担持体(感光ドラム)に現像剤磁気ブラシを接触させて現像を行う場合に、現像性を良化させるには、磁性キャリアの電極効果を増大させることが重要である。磁性キャリアの電極効果を増大させる手段としては、磁性キャリアに用いる粒子の抵抗率を下げたり、樹脂コートキャリアであれば、コート樹脂層中に導電剤を入れるなどで調整できる。
しかし、磁性粒子の抵抗率が低すぎる場合には、現像剤磁気ブラシを介して、静電潜像担持体表面への電荷注入が起こり、キャリア付着や、静電潜像を乱すことによるハーフトーンがさつきが発生する場合がある。一方、磁性粒子の抵抗率を大きくすれば、電荷注入は抑制することができるが、現像性が悪化することに加え、白抜けが悪化してしまう。
このように、従来の手法により磁性キャリアの電極効果を変化させるだけでは、現像性の良化と電荷注入の抑制の両立が困難であった。
しかし、前記の磁性キャリアの構成を用いることにより、現像性の良化と電荷注入の抑制の両立をさせることができた。更に長期にわたり画像濃度変動が少なく、ハーフトーンがさつきが少なく、白抜け、キャリア付着が少ない画像を得ることができることを見出した。
本発明の磁性キャリアがこのような優れた効果を発現する理由は明確ではないが、本発明者らは以下のように考えている。
本発明では、多孔質磁性粒子と樹脂を少なくとも含有する磁性キャリア粒子を有する磁性キャリアであって、少なくとも前記樹脂に低抵抗物質を含有し、前記低抵抗物質の抵抗率が、1.0×10-2Ω・cm以上1.0×106Ω・cm以下であり、
前記多孔質磁性粒子の電界強度1×103V/cmにおける抵抗率が、1.0×107Ω・cm以上1.0×1010Ω・cm以下であり、
交流インピーダンス測定により得られるインピーダンスZの周波数依存特性を、下記(1)式で表されるフィッティング関数により、フィッティングしたときのパラメータαが、電界強度1×103V/cmにおいて、0.85以上0.95以下であることを特徴とする。
ただし、
Re[Z(ω)]はインピーダンスの実部
Im[Z(ω)]はインピーダンスの虚部
iは、虚数単位
ωは、角周波数
Rs、R、T、αは、Cole−Coleの式によるフィッティングで算出されるパラメーター
である。
該パラメーターαは、磁性キャリアの交流インピーダンス測定により、複素インピーダンスの周波数特性を測定し、(2)式で表されるCole−Coleの式によるフィッティングから算出できる。
(ただし、Re[Z(ω)]は、インピーダンスの実部、Im[Z(ω)]はインピーダンスの虚数部、iは、虚数単位、ωは、測定時の角周波数)
本発明で用いるパラメータαは、磁性キャリアの導電の時定数の空間的な分布状態を示しており、この時定数分布の広がりの程度と、現像性との間に強い相関が存在し、時定数分布の広がりが大きい程、現像性が向上することを見出し、本発明に至った。
時定数分布の広がりは、交流インピーダンス測定により求まる、複素インピーダンスの周波数特性に現れる。このため、磁性キャリアの交流インピーダンス測定により、複素インピーダンスの周波数特性を測定し、更に、上記Cole−Coleの式によるフィッティングからαの値を求めることで、磁性キャリアの持つ時定数の広がりの程度を知ることができる。
本発明に係る磁性キャリアは、交流インピーダンス測定により得られるインピーダンスZの周波数依存特性Z(ω)を、下記(1)で書かれるフィッティング関数によりフィッティングしたときのパラメータαの値が、電界強度1×103V/cmにおいて、0.85以上0.95以下である。
ただし、
Re[Z(ω)]はインピーダンスの実部
Im[Z(ω)]はインピーダンスの虚部
iは、虚数単位
ωは、角周波数
Rs、R、T、αは、Cole−Coleの式によるフィッティングで算出されるパラメーター
である。
パラメータαは、磁性キャリアの電極効果における電流のパスのばらつきを変化させることにより本発明の範囲に制御することが可能である。
磁性キャリアにおける電流のパスのばらつきを変化させる手段としては、多孔質磁性粒子内での結晶粒子(グレイン)同士の繋がりの状態にばらつきを持たせたり、含有させる樹脂に低抵抗物質を含有させることによりその効果を増大させることができる。その結果、パラメータαを変化させることができる。
多孔質磁性粒子内での結晶粒子同士の繋がりの状態は、磁性粒子の焼成過程で粒子成長したグレイン同士の接触部において、界面の面積、焼結過程において界面に析出した物質の抵抗率、界面周辺の組成の分布を変化させることにより可能である。
このような結晶粒子同士の繋がりの状態が磁性粒子一粒子内部においてばらつくことは、磁性粒子内部において電荷移動の時定数に分布を持たせる要因となると考えられる。つまり、磁性粒子内部に極端に時定数が小さい界面から極端に時定数が大きい界面までが存在することで、外部電界が印加されたときに、磁性粒子内部の電気伝導が局部的に抑制され、大きな分極が形成される。
但し、磁性粒子の抵抗率が大きい場合には、上記ばらつきが小さくなることがあるため、本発明では含有する樹脂に低抵抗物質を含有させることによって、樹脂部でのパスを形成させ、磁性キャリア全体での電流のばらつきを変化させている。
このように、本発明では、現像注入の発生を防止しうる磁性粒子の電気抵抗を持たせながら、電界印加下においてキャリア内部に大きな分極を形成させることが可能となり、現像性の良化と電荷注入の抑制の両立が達成できていると考えている。
本発明の磁性キャリアは、パラメータαの値が、電界強度1×103V/cmにおいて、0.85以上0.95以下であることにより、現像性の良化と電荷注入の抑制の両立が達成できる。その結果、長期にわたり画像濃度変動が少なく、ハーフトーンがさつきが少なく、白抜け、キャリア付着が少ない画像を得ることができる。
パラメータαの値が0.85未満の場合には、磁性キャリア内部における分極が過剰になり、現像性は良化するが、電荷注入性が悪化する。パラメータαの値が0.95を超える場合には、電荷注入性は良化するが、現像性は悪化する。
本発明の磁性キャリアは、上記抵抗率の多孔質磁性粒子と低抵抗物質を含有する樹脂を少なくとも含有する磁性キャリア粒子を有するため、前述したパラメータαを制御することができる。
本発明で用いる前記樹脂に含有する低抵抗物質の抵抗率は1.0×10-2Ω・cm以上1.0×106Ω・cm以下であり、前記多孔質磁性粒子の電界強度1×103V/cmにおける抵抗率が1.0×107Ω・cm以上1.0×1010Ω・cm以下である。
前記多孔質磁性粒子の電界強度1×103V/cmにおける抵抗率が前記抵抗率の範囲である場合には、上記低抵抗物質を含有させることにより、磁性キャリア粒子内での分極をコントロールすることでき、キャリア付着や白抜けを抑制できる。
多孔質磁性粒子の電界強度1×103V/cmにおける抵抗率が1.0×107Ω・cm未満で上記低抵抗物質を含有させる場合には、キャリア付着が発生しやすくなる。また、多孔質磁性粒子の電界強度1×103V/cmにおける抵抗率が、1.0×1010Ω・cmを超える場合には、上記低抵抗物質を含有させても、磁性キャリア粒子内での分極が生成しずらくなり、現像性の低下や白抜けが発生しやすくなる。
前記樹脂に含有させる低抵抗物質の抵抗率は、前記抵抗率の範囲である場合に、磁性キャリア粒子内での分極をコントロールすることができる。
低抵抗物質の抵抗率が1.0×10-2Ω・cm未満の場合、樹脂部の抵抗が下がりすぎてしまうため、静電潜像を乱すことによるハーフトーンがさつきが発生してしまう。低抵抗物質の抵抗率が1.0×106Ω・cmを超える場合には、磁性キャリア自体の抵抗率が上昇してしまい、電極効果が発生しずらくなり、現像性が悪化して白抜けが発生してしまう。
前記樹脂に含有する低抵抗物質としては、前記抵抗率の範囲であれば使用できる。更に、カーボンブラック、SnO2、ZnO、TiO2、CeO2から選ばれる1種類以上であることが好ましい。
前記低抵抗物質の個数平均粒径としては、0.010μm乃至0.300μmが好ましく、前記範囲の場合、樹脂中への分散性が良好であるため好ましい。
低抵抗物質の添加量は、樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上30.0質量部以下であることが好ましい。更に好ましくは、1.0質量部以上20.0質量部以下である。
また、本発明で用いる多孔質磁性粒子は、細孔の数や大きさによっては物理的強度が低くなりやすく、壊れやすい場合がある。このため、多孔質磁性粒子の細孔の少なくとも一部に樹脂を充填させたり、及び/又は表面を樹脂で被覆することにより、磁性キャリアとしての強度をコントロールしている。
その際、多孔質磁性粒子の細孔に前記低抵抗物質を含有する樹脂が充填されている及び/又は前記低抵抗物質を含有する樹脂が表面に被覆している場合が、前記パラメータαを制御するために好ましい。
具体的には、下記1乃至5のパターンが好ましい。
1.多孔質磁性粒子の細孔に低抵抗物質を含有した樹脂を充填し、表面に低抵抗物質を含有した樹脂を被覆する。
2.多孔質磁性粒子の細孔に低抵抗物質を含有していない樹脂を充填し、表面に低抵抗物質を含有した樹脂を被覆する。
3.多孔質磁性粒子の細孔には樹脂を充填せず、表面に低抵抗物質を含有した樹脂を被覆する。
4.多孔質磁性粒子の細孔に低抵抗物質を含有した樹脂を充填し、表面に低抵抗物質を含有していない樹脂を被覆する。
5.多孔質磁性粒子の細孔に低抵抗物質を含有した樹脂を充填し、表面には樹脂を被覆せず。
特に好ましくは、多孔質磁性粒子の細孔に低抵抗物質を含有する樹脂が充填されている場合(上記1パターン、4パターン、5パターン)である。これは低抵抗物質を含有する樹脂を充填することにより、樹脂部でのパスを形成させることができ、キャリア粒子内部での分極をよりコントロールできるためであると考えている。
多孔質磁性粒子内の孔に樹脂を充填させる方法としては、樹脂を溶剤に希釈し、これを多孔質磁性粒子内の孔に添加する方法が採用できる。ここで用いられる溶剤は、樹脂を溶解できるものであればよい。有機溶剤に可溶な樹脂である場合は、有機溶剤として、トルエン、キシレン、セルソルブブチルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノールが挙げられる。また、水溶性の樹脂またはエマルジョンタイプの樹脂である場合には、溶剤として水を用いればよい。多孔質磁性粒子の細孔に、樹脂を充填する方法としては、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、及び流動床の如き塗布方法により多孔質磁性粒子を樹脂溶液に含浸させ、その後、溶剤を揮発させる方法が挙げられる。
上記樹脂溶液における樹脂固形分の量は、好ましくは1質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは1質量%以上30質量%以下である。50質量%以下であることで粘度がほどよくなり、多孔質磁性粒子の孔に樹脂溶液が均一に浸透しやすい。また、1質量%以上であると溶媒を除去するのに時間がかからず、充填の均一性が良好となる。用いる溶媒としては、揮発速度をコントロールしやすいトルエンが好ましい。
多孔質磁性粒子の細孔に充填する樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のどちらを用いてもかまわないが、多孔質磁性粒子に対する親和性が高いものであることが好ましい。
多孔質磁性粒子の細孔に充填させる樹脂として、熱可塑性樹脂としては、以下のものが挙げられる。ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−アクリル樹脂;スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン樹脂、フルオロカーボン樹脂、パーフルオロカーボン樹脂、ポリビニルピロリドン、石油樹脂、ノボラック樹脂、飽和アルキルポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂。
また、上記熱硬化性樹脂としては、以下のものが挙げられる。フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、無水マレイン酸とテレフタル酸と多価アルコールとの重縮合によって得られる不飽和ポリエステル、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素−メラミン樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−グアナミン樹脂、アセトグアナミン樹脂、グリプタール樹脂、フラン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂。
また、これらの樹脂を変性した樹脂を用いても良い。中でもポリフッ化ビニリデン樹脂、フルオロカーボン樹脂、パーフロロカーボン樹脂又は溶剤可溶性パーフロロカーボン樹脂等の含フッ素系樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂あるいはシリコーン樹脂は、多孔質磁性粒子に対する親和性が高いため好ましい。
市販品として、以下のものが挙げられる。シリコーン樹脂としては、信越化学社製のKR271、KR255、KR152、東レ・ダウコーニング社製のSR2400、SR2405、SR2410、SR2411が挙げられる。変性シリコーン樹脂としては、信越化学社製のKR206(アルキッド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性)、東レ・ダウコーニング社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキッド変性)が挙げられる。
多孔質磁性粒子を用いる場合は、細孔に樹脂を充填させた後に、更に表面を樹脂で被覆してもよく、また、細孔に樹脂を充填させずに表面を樹脂で被覆してもよい。多孔質磁性粒子に充填する樹脂と表面を被覆させる樹脂は、同じであっても、異なっていても良く、熱可塑性の樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよい。
表面を被覆させる樹脂は、単独でも使用できるが、夫々を混合して使用してもよい。また、熱可塑性樹脂に硬化剤等を混合し硬化させて使用することもできる。特により離型性の高い樹脂を用いることが好適である。
更に、充填させる樹脂及び被覆させる樹脂は、荷電制御性を有する粒子や荷電制御剤、荷電制御樹脂、カップリング剤を摩擦帯電性をコントロールするために含有しても良い。
該荷電制御性を有する粒子としては、有機金属錯体の粒子、有機金属塩の粒子、キレート化合物の粒子、モノアゾ金属錯体の粒子、アセチルアセトン金属錯体の粒子、ヒドロキシカルボン酸金属錯体の粒子、ポリカルボン酸金属錯体の粒子、ポリオール金属錯体の粒子、ポリメチルメタクリレート樹脂の粒子、ポリスチレン樹脂の粒子、メラミン樹脂の粒子、フェノール樹脂の粒子、ナイロン樹脂の粒子、シリカの粒子、酸化チタンの粒子、アルミナの粒子など挙げられる。
荷電制御性を有する粒子の添加量としては、樹脂100質量部に対し、0.5質量部以上50.0質量部以下であることが摩擦帯電量を制御するために好ましい。
カップリング剤としては、ネガ付与性を高めるために、含チッ素系化合物であることが好ましい。
磁性キャリア粒子の表面を樹脂で被覆する方法としては、特に限定されないが、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、及び流動床の如き塗布方法により被覆する方法が挙げられる。中でも浸漬法または乾式法が好ましい。
磁性キャリア粒子の表面を被覆する樹脂の量としては、磁性粒子100質量部に対し、0.1質量部以上5.0質量部以下であることが、トナーへの帯電付与性をコントロールするために好ましい。
また、走査型電子顕微鏡により撮影された該磁性キャリア粒子の断面の反射電子像において、該磁性キャリア粒子の全断面積に対して、該磁性粒子の面積比率が、50面積%以上95面積%以下であることが好ましい。更に好ましくは55面積%以上93面積%以下であり、特に好ましくは60面積%以上90面積%である。
該磁性粒子の面積比率が50面積%以上95面積%以下であることは、磁性キャリアを低比重化、低磁気力化でき、トナースペントを防止して安定した画像を長期にわたり維持できるために好ましい。
また、上記範囲を満たす磁性キャリア粒子は、磁性キャリア全体の60個数%以上存在することが好ましい。更に全体の80個数%以上であることがより好ましい。
多孔質磁性の材質としては、以下のものが挙げられる。
1)表面が酸化された鉄粉、2)未酸化の鉄粉、3)リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム及び希土類元素の如き金属粒子、4)鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム及び希土類元素の如き金属の合金粒子、又はこれらの元素を含む酸化物粒子、5)マグネタイト粒子又はフェライト粒子。
フェライトとは次式で表される焼結体である。
(M12O)u(M2O)v(M32O3)w(M4O2)x(M52O5)y(Fe2O3)z
(式中、M1は1価、M2は2価、M3は3価、M4は4価、M5は5価の金属であり、u+v+w+x+y+z=1.0とした時に、u、v、w、x及びyはそれぞれ0≦(u,v,w,x,y)≦0.8であり、zは0.2<z<1.0である。)
また、上記式中において、M1乃至M5としては、Li、Fe、Zn、Ni、Mn、Mg、Co、Cu、Ba、Sr、Ca、Si、V、Bi、In、Ta、Zr、B、Mo、Na、Sn、Ti、Cr、Al、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luからなる群から選ばれる1種類以上の金属元素を用いることが好ましい。
磁性のLi系フェライト(例えば、(Li2O)a(Fe2O3)b(0.0<a<0.4,0.6≦b<1.0、a+b=1));Mn系フェライト(例えば、(MnO)a(Fe2O3)b(0.0<a<0.5、0.5≦b<1.0、a+b=1));Mn−Mg系フェライト(例えば、(MnO)a(MgO)b(Fe2O3)c(0.0<a<0.5、0.0<b<0.5、0.5≦c<1.0、a+b+c=1));Mn−Mg−Sr系フェライト(例えば、(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe2O3)d(0.0<a<0.5、0.0<b<0.5、0.0<c<0.5、0.5≦d<1.0、a+b+c+d=1);Cu−Zn系フェライト(例えば、(CuO)a(ZnO)b(Fe2O3)c(0.0<a<0.5、0.0<b<0.5、0.5≦c<1.0、a+b+c=1)。なお、上記フェライトは微量の他の金属を含有していても良い。
結晶の成長速度のコントロールの容易性の観点から、多孔質磁性粒子の抵抗率を好適にする観点から、Mn元素を含有する、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Mn−Mg−Sr系フェライトがより好ましい。
以下に、多孔質磁性粒子の製造工程を説明する。
工程1(秤量・混合工程):
フェライトの原料を、秤量し、混合する。フェライトの原料としては、磁性の抵抗率、パラメータαをコントロールするために以下のものが挙げられる。
Li、Fe、Zn、Ni、Mn、Mg、Co、Cu、Ba、Sr、Y、Ca、Si、V、Bi、In、Ta、Zr、B、Mo、Na、Sn、Ti、Cr、Al、希土類金属の金属粒子、酸化物、水酸化物、シュウ酸塩、炭酸塩。
混合する装置としては、以下のものが挙げられる。ボールミル、遊星ミル、ジェットミル、振動ミル。特に水60質量%乃至80質量%の固形分濃度としたスラリーを用いる湿式のボールミルが混合性と多孔質構造を取るための観点から好ましい。
工程2(仮焼成工程):
混合したフェライト原料をスプレードライヤーを用いて、乾燥・造粒した後、大気中で温度700℃以上1000℃以下にして、0.5時間以上5.0時間以下仮焼成し、フェライト化する。1000℃を超えると焼結が進み、多孔質にするための粒径まで粉砕することが出来にくくなる場合がある。
工程3(粉砕工程):
工程2で作製した仮焼フェライトを粉砕機で粉砕する。粉砕機としては、以下のものがあげられる。クラッシャーやハンマーミル、ボールミル、ビーズミル、遊星ミル、ジェットミル。
仮焼フェライトの粉砕粉の体積基準の50%粒径(D50)は、0.5μm以上3.0μm以下とすることが好ましい。こうすることで、形状が略球形のキャリア粒子を得ることができ、細孔径の大きさをコントロールすることができる。
また、仮焼フェライトの粉砕粉の体積基準の90%粒径(D90)は2.0μm以上5.0μm以下とすることが好ましい。こうすることで、所望の多孔質の構造が可能になり、細孔径がコントロールされ、磁性キャリアとして、良好な抵抗を得たり、パラメータαを所望の値にコントロールすることができる。
仮焼フェライトの粉砕粉を上記の粒径にするために、ボールミルやビーズミルでは用いるボールやビーズの素材、運転時間を制御することが好ましい。具体的には、仮焼フェライトの粒径を小さくするためには、比重の重いボールを用い、粉砕時間を長くすればよい。ボールやビーズの素材としては、所望の粒径が得られれば、特に限定されない。また、粒度分布を広くするために粉砕粒度の異なる粉砕粉を混合して用いることもできる。
ボールやビーズの素材としては、以下のものが挙げられる。ソーダガラス(比重2.5g/cm3)、ソーダレスガラス(比重2.6g/cm3)、高比重ガラス(比重2.7g/cm3)等のガラスや、石英(比重2.2g/cm3)、チタニア(比重3.9g/cm3)、窒化ケイ素(比重3.2g/cm3)、アルミナ(比重3.6g/cm3)、ジルコニア(比重6.0g/cm3)、スチール(比重7.9g/cm3)、ステンレス(比重8.0g/cm3)。中でも、アルミナ、ジルコニア、ステンレスは、耐磨耗性に優れているために好ましい。
ボールとしては、φ5mm以上φ60mm未満のものが好適に用いられる。また、ビーズとしてはφ0.03mm以上φ5mm未満のものが好適に用いられる。
また、ボールミルやビーズミルは、湿式の方が、粉砕品がミルの中で舞い上がることがなく粉砕効率が高いため、好ましい。
工程4(造粒工程):
仮焼フェライト微粉砕品に対し、水、バインダーと、必要に応じて、細孔調整剤として発泡剤や有機微粒子、Na2CO3を加える。バインダーとしては、ポリビニルアルコールが好適に用いられる。
工程3において、湿式で粉砕した場合は、フェライトスラリー中に含まれている水も考慮し、バインダーと必要に応じて、細孔調整剤を加えることが好ましい。多孔質の程度をコントロールするため、スラリーの固形分濃度を50質量%以上80質量%以下にして、造粒することが好ましい。
得られたフェライトスラリーを、噴霧乾燥機を用い、100℃以上200℃以下の加温雰囲気下で、造粒し乾燥する。噴霧乾燥機としては、スプレードライヤーが磁性粒子粒径を所望の範囲に出来るため好適に使用できる。磁性粒子粒径は、スプレードライヤーに用いられるディスクの回転数、噴霧量を適宜選択して、コントロールできる。
工程5(本焼成工程):
次に、造粒品を800℃以上1400℃以下で、1時間以上24時間以下焼成する。更に上記範囲内で焼成温度や焼成時間を制御することが好ましい。
焼成温度を上げたり、焼成時間を長くすることで、多孔質磁性粒子の焼成が進み、その結果、孔の径は小さく、かつ、孔の容積も減る。また、焼成する雰囲気をコントロールすることで、多孔質磁性粒子の抵抗率やパラメータαを好ましい範囲にコントロールすることができる。多孔質の構造と抵抗率、パラメータαの関係は、導電パスの関係上密接に相関する。このため、焼成温度と焼成雰囲気のコントロールは、非常に重要であり、上述の通り、温度コントロールと焼成時間、雰囲気調整の振れ幅が小さくなるように制御が必要である。
工程6(選別工程):
以上の様に焼成した粒子を解砕した後に、必要に応じて、分級や篩で篩分して粗大粒子や微粒子を除去してもよい。
本発明の磁性キャリアは、体積分布基準50%粒径(D50)が20.0μm以上70.0μm以下であることが、キャリア付着を抑制したり、トナースペントを抑制し、長期間の使用においても安定して用いることができるため好ましい。
本発明の磁性キャリアは、1000/4π(kA/m)における磁化の強さが、40Am2/kg以上65Am2/kg以下であることが、ドットの再現性を向上させ、キャリア付着を防止し、また、トナースペントを防止して安定した画像を得るために好ましい。
本発明の磁性キャリアは、真比重が3.2g/cm3以上5.0g/cm3以下であることが、トナースペントを防止して安定した画像を長期にわたり維持できるために好ましい。より好ましくは3.4g/cm3以上4.2g/cm3以下であり、キャリア付着を防止し、耐久性により優れる。
本発明では、該磁性キャリアとトナーを少なくとも含有する二成分系現像剤を用いることが、高画質の画像を得ることができるため好ましい。
本発明の二成分系現像剤は、トナーと磁性キャリアの混合比率が磁性キャリア100質量部に対してトナーを2質量部以上35質量部以下とすることが好ましく、4質量部以上25質量部以下がより好ましい。上記範囲とすることで、高画像濃度を達成しトナーの飛散を低減することができる。
上述の如き磁性キャリアとトナーとを含有する二成分系現像剤は、トナー及び磁性キャリアを含有する補給用現像剤を現像器に補給し、且つ、少なくとも現像器内部で過剰になった磁性キャリアを現像器から排出する二成分現像方法にも使用することができ、該補給用現像剤として使用できる。
該補給用現像剤として用いる場合には、現像剤の耐久性を高めるという観点から、磁性キャリア1質量部に対してトナーを2質量部以上50質量部以下の配合割合が好ましい。
また、トナーの重量平均粒径(D4)は、3.0μm以上8.0μm以下が好ましい。トナーの重量平均粒径(D4)が、該範囲の場合、現像器内での流動性、現像剤担持体上へのコート性を長期にわたり維持することができるため好ましい。
トナーの保存性と低温定着性を両立するために、トナーのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布のピーク分子量(Mp)が2000以上50000以下、数平均分子量(Mn)が1500以上30000以下、重量平均分子量(Mw)が2000以上1000000以下であることが好ましい。
トナーのガラス転移点(Tg)は40℃以上80℃以下であることが好ましい。
トナーに用いるワックスは、結着樹脂100質量部あたり0.5質量部以上20質量部以下で使用されることが好ましい。また、ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度としては45℃以上140℃以下であることが好ましい。トナーの保存性と耐ホットオフセット性を両立できるため好ましい。
トナーに用いる着色剤は、イエロー系着色剤、マゼンタ系着色剤、シアン系着色剤、ブラック系着色剤が用いられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上30質量部以下で使用されることが好ましい。
トナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。トナーに含有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。荷電制御剤はトナー粒子に対して内添しても良いし外添しても良い。荷電制御剤の添加量は結着樹脂100質量部に対し0.2質量部以上10質量部以下が好ましい。
トナーには、流動性向上のため、外添剤が添加されていることが好ましい。外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムの如き無機微粉体が好ましい。無機微粉体は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物の如き疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。外添剤は、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上5.0質量部以下使用されることが好ましい。トナー粒子と外添剤との混合は、ヘンシェルミキサーの如き公知の混合機を用いることができる。
トナー粒子を製造する方法としては、例えば、結着樹脂及び着色剤を溶融混練し、混練物を冷却後、粉砕及び分級する粉砕法;結着樹脂と着色剤とを溶剤中に溶解または分散させた溶液を水系媒体中に導入し懸濁造粒させ、該溶剤を除去することによってトナー粒子を得る懸濁造粒法;モノマーに着色剤等を均一に溶解または分散したモノマー組成物を分散安定剤を含有する連続層(例えば水相)中に分散し、重合反応を行わせトナー粒子を作成する懸濁重合法;モノマーでは可溶であるが、重合体を形成すると不溶となるモノマーと水系有機溶媒を用いて直接トナー粒子を生成するモノマーには可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接トナー粒子を生成する分散重合法;水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナー粒子を生成する乳化重合法;少なくとも重合体微粒子及び着色剤微粒子を凝集して微粒子凝集体を形成する工程と該微粒子凝集体中の微粒子間の融着を起こさせる熟成工程を経て得られる乳化凝集法;がある。
粉砕法でのトナー製造手順について説明する。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、例えば、結着樹脂、着色剤及びワックス、必要に応じて荷電制御剤等の他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中に着色剤等を分散させる。その溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。更に、溶融混練することによって得られる着色された樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)の如き分級機や篩分機を用いて分級し、トナー粒子を得る。
また、必要に応じて、粉砕後に、ハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)、メテオレインボー MR Type(日本ニューマチック社製)を用いて、球形化処理の如きトナー粒子の表面改質処理を行うこともできる。
上記磁性キャリア及びトナーの各種物性の測定法について以下に説明する。
<磁性キャリアのパラメータαの測定方法>
(サンプルの秤量)
まず、測定するサンプルを、電極面積が4.9cm2である円筒型電極(直径2.5cm)を有するサンプルホルダに封入する。電極間に100Nの押し圧をかけたときに封入したサンプルの厚みLが0.95mm以上1.05mm以下の範囲となるように、サンプルを秤量した。
(測定回路の説明)
上記のサンプルホルダの電極間に図1に示すように配線を行い、サンプルホルダの電極間に100Nの押し圧をかけた状態において、サンプルホルダ内部に封入したキャリア、又はコア粒子の交流インピーダンス測定を行った。
尚、本測定では、所望の電界下におけるαを求めるために、直流電圧を印加した状態における交流インピーダンス測定を行う。このため、図1に示すように、正弦波電圧Vacに直流電圧Voを重畳した交番バイアスをサンプルホルダの電極間に印加する。更に、このときに電極間に流れる応答電流の交流成分のみを取り出し、解析することで、直流電界下におけるインピーダンスを測定した。
インピーダンス測定装置としては、Solartron社製1260型周波数応答解析装置(FRA)及び、同社製1296型誘電率測定インターフェイスを用いた。
上記交番バイアスに用いられる、直流電圧Voは、波形発振器から出力した直流電圧信号を、Trek社製PZD2000型高電圧電源で増幅して得た。また、正弦波電圧Vacは1296型誘電率測定インターフェイスのSAMPLE−HI端子より出力される。更に図4に示すように、測定系にコンデンサC1(66μF)及びツェナーダイオードZD1(5V)を配置することで、正弦波電圧Vacに直流電圧Voを重畳することで、上記交番バイアスを得た。
また、応答電流は、図1中の抵抗器R2(10kΩ)、コンデンサC2(33μF)、及びツェナーダイオードZD2(5V)を用いた分流回路を用いることで、直流成分と交流成分に分離することができる。このとき、コンデンサC2側に流れる交流成分のみを1260型インピーダンスアナライザのINPUT−V1−LO端子および、1296型誘電率測定インターフェイスのSAMPLE−LO端子に入力し、応答電流波形の解析を行い、インピーダンスを測定した。
尚、図1中の抵抗器R1(10kΩ)は保護抵抗であり、測定系に流れる最大電流量を制限する。
(複素インピーダンスの測定)
本実施例では、Solartron社製インピーダンス測定ソフトウェアSMaRTを用いて、インピーダンスの自動測定を行った。SMaRTでは、所定の周波数fの正弦波電圧と正弦波電圧に対する応答電流から、周波数fに対する複素インピーダンス
を測定することができる。ただし、Re〔Z〕はインピーダンスの実部、Im〔Z〕はインピーダンスの虚部である。また、ωは角周波数であり、周波数fとはω=2πfの関係がある。
インピーダンスの周波数特性を測定するために、上記正弦波電圧の周波数f(Hz)は、1Hzから1MHzまでの複数の周波数でインピーダンス測定を行った。具体的には、1.0、1.6、2.5、4.0、6.3、1.0×101、1.6×101、2.5×101、4.0×101、6.3×101、1.0×102、1.6×102、2.5×102、4.0×102、6.3×102、1.0×103、1.6×103、2.5×103、4.0×103、6.3×103、1.0×104、1.6×104、2.5×104、4.0×104、6.3×104、1.0×105、1.6×105、2.5×105、4.0×105、6.3×105、1.0×106Hzで測定を行なった。また、正弦波電圧の振幅は実効値で3Vとした。
上記のように、1.0Hzから1.0×106MHzの周波数範囲において複数の周波数で測定した複素インピーダンスZを複素平面状にプロットすることで、所謂Cole−Coleプロット(ナイキスト線図)を作成した。
(等価回路によるフィッティング)
次に、交流インピーダンス測定で得られた複素インピーダンス測定データからαを求めた方法について具体的に説明する。
作成したCole−Coleプロットは、Solartron社製解析ソフトウェアZView2のInstant Fit機能を使用する。図2に示した等価回路の複素インピーダンスと対応させてフィッティングを行い、インピーダンス測定データのフィッティングパラメータとしてαを求めた。
ここで、図2においてRs、Rは抵抗であり、CPEはConstant Phase Element(定相要素)と呼ばれる回路素子であり、CPEの複素インピーダンスZCPEの周波数特性は下記(3)式で表される。
ここで、ωはインピーダンス測定の角周波数、iは虚数単位である。又、αは0から1までの実数パラメータである。
フィッティング回路全体のインピーダンスは、下記(4)式で表される。
Z(ω)=Rs+(1/R+1/ZCFE)-1
=Rs+(1/R+1/((iω)αT)-1)-1
尚、Rsはフィッティングの精度を向上させるためにフィッティング回路に導入した仮想的な抵抗であるため、負の値をとってもよい。
図3は、図2の回路において、Rs=0Ω、R=1×105Ωとし、T=2×10-10Fα・Ωα-1、α=1.0、α=0.9、α=0.8、およびα=0.7におけるCole−Coleプロットを示している。Cole−Coleプロットの形状から解るように、上記(4)式におけるαはCole−Coleプロットの描く円弧の歪み対応したパラメータである。
(電界下におけるα)
本発明のパラメータαは以下のように求めた。
インピーダンスを測定する際に、サンプルに印加される平均の電界強度Esampleは、インピーダンス測定時に電極間のサンプルが分担する電圧の直流成分Vsampleと電極間距離Lを用いて、Vsample/Lで表される。Vsampleの値は、図1の回路図に示したa点における電位とb点における電位の差分により測定することができる。本測定では、Tktronix社製の高電圧プローブP6015Aを用いて、a点及びb点における電位を測定し、それらの電位の差分によりサンプルホルダの電極間の分担電圧Vsampleを測定した。また、Vsampleの値は、高電圧電源から出力される直流電圧Voの電圧を変化させることで調整した。
このようにして、複数の電界強度Eにおいてインピーダンス測定を行い、各電界強度下におけるαを求め、グラフにプロットすることで、103V/cmの電界下におけるキャリアαを得た。
<磁性粒子の比抵抗の測定>
磁性粒子の比抵抗は、図4に概略される測定装置を用いて測定される。なお、磁性粒子の測定には、樹脂を含有していない状態の試料を用いて測定する。
抵抗測定セルAは、断面積2.4cm2の穴の開いた円筒状のPTFE樹脂容器21、下部電極(ステンレス製)22、支持台座(PTFE樹脂製)23、上部電極(ステンレス製)24から構成される。支持台座23上に円筒状のPTFE樹脂容器1を載せ、試料(磁性粒子)25を0.5g乃至1.3g程度の範囲で充填し、充填された試料25に上部電極4を載せ、試料の厚みを測定する。予め試料のないときの厚みをd1(ブランク)、0.5g乃至1.3g程度の試料を充填したときの厚みd2(試料)とすると、実際の試料の厚みdは下記式で表せる。
d=d2(試料)−d1(ブランク)
この時、試料の厚みが0.95mm以上1.04mmとなるように試料の量を適宜変えることが重要である。
電極間に電圧を印加し、そのときに流れる電流を測定することによって磁性粒子の比抵抗を求めることができる。測定には、エレクトロメーター26(ケスレー6517Aケスレー社製)及び制御用にコンピュータ27を用いる。
制御用コンピュータにナショナルインスツルメンツ社製の制御系と制御ソフトウエア(LabVEIW ナショナルインスツルメンツ社製)を用いたソフトウエアにより行う。測定条件として、試料と電極との接触面積S=2.4cm2、試料の厚み0.95mm以上1.04mm以下になるように実測した値dを入力する。また、上部電極の荷重120g(1.18N)、最大印加電圧1000Vとする。
電圧の印加条件は、制御用コンピュータとエレクトロメーター間の制御にIEEE−488インターフェースを用いて、エレクトロメーターの自動レンジ機能を利用する。具体的には、1V、2V、4V、8V、16V、32V、64V、128V、256V、512V、1000Vの電圧を1秒間ずつ印加するスクリーニングを行う。その際に最大1000V(電界強度としては、約10000V/cm)まで印加可能かどうかをエレクトロメーターが判断し、過電流が流れる場合、「VOLTAGE SOURCE OPARATE」が点滅する。すると印加電圧を下げて、印加可能な電圧をさらにスクリーニングし、印加電圧の最大値を自動的に決める。その後、本測定を行う。その最大電圧値を5分割した電圧を各ステップとして30秒間保持させた後の電流値から抵抗値を測定する。例えば、最大印加電圧が1000Vの場合には、200V、400V、600V、800V、1000V、1000V、800V、600V、400V、200Vと200V刻みで電圧を上げた後下げていくような順で印加する。それぞれのステップで30秒保持後の電流値から抵抗値を測定する。また、例えば、最大印加電圧が66.0Vであり、13.2V、26.4V、39.6V、52.8V、66.0V、66.0V、52.8V、39.6V、26.4V、13.2Vの順で印加する。そこで得られる電流値をコンピュータにより処理することで、試料厚み、電極面積から電界強度及び比抵抗を算出して、グラフにプロットする。その場合、最大印加電圧から電圧を下げていく5点をプロットする。なお、各ステップでの測定において、「VOLTAGE SOURCE OPARATE」が点滅し、過電流が流れた場合には、測定上、抵抗値が0と表示される。この現象をブレークダウンすると定義する。尚、比抵抗、電界強度は、下記式にて求められる。
比抵抗(Ω・cm)=(印加電圧(V)/測定電流(A))×S(cm2)/d(c m)電界強度(V/cm)=印加電圧(V)/d(cm)
<磁性キャリア粒子の断面の反射電子像>
磁性キャリア粒子の断面加工には、集束イオンビーム加工観察装置(FIB)、FB−2100(日立製作所社製)を用いた。FIB用試料台上にカーボンペーストを塗り、その上に磁性キャリア粒子を1粒子ずつ独立して存在するように少量固着させ、導電膜として白金蒸着することで試料を作製する。試料をFIB装置にセットし、加速電圧40kV、Gaイオン源を用いて、粗加工し(ビーム電流39nA)、続いて仕上げ加工(ビーム電流7nA)を行い、試料断面を削り出す。
尚、試料とする磁性キャリア粒子は、各試料の最大径Dmaxとして、D50×0.9≦Dmax≦D50×1.1である磁性キャリアを対象とする。
さらに、各試料の固着面に対して平行な方向における、最大長を含む平面の位置を、固着面からの距離hとする。(例えば、半径rの完全な球体の場合、h=rとなる)固着面より垂直な方向に、固着面からの距離0.9×h以上1.1×h以下の範囲において、断面を削り出す。
断面加工した試料は、そのまま走査型電子顕微鏡(SEM)観察に適用することができる。反射電子の放出量は試料を構成する物質の原子番号に依存することから、磁性キャリア断面粒子の組成画像を得ることができる。本発明の磁性キャリア粒子の断面観察においては、走査型電子顕微鏡(SEM)、S−4800(日立製作所社製)を用いて、加速電圧2.0kVにて行った。
磁性キャリア粒子断面のグレースケールのSEM反射電子画像について、画像解析ソフトImage−ProPlus(Media Cybernetics社製)を用いて以下の手順で計算される。
磁性キャリア粒子の加工断面領域を画像上であらかじめ指定する。指定した断面領域について、256階調のグレースケール画像とする。階調値の下位より0乃至19階調を空隙部の領域、20乃至129階調を樹脂部の領域、130乃至254階調を磁性部領域として、3領域に画像上で分割する。255階調目は加工断面領域外の背景部分とする。磁性キャリア粒子の断面における磁性粒子部の面積比率の測定方法は、磁性キャリア粒子の加工断面領域を画像上であらかじめ指定し、磁性キャリア粒子の断面面積とする。磁性粒子部1が占める面積を磁性キャリア粒子の断面面積で除した値を、「磁性粒子部の面積比率(面積%)」とする。本発明においては、無作為に選択した20個の磁性キャリア粒子について同様の測定を行い、その平均値を用いる。
<磁性キャリア粒子の体積分布基準50%粒径(D50)の測定方法>
粒度分布測定は、レーザー回折・散乱方式の粒度分布測定装置「マイクロトラックMT3300EX」(日機装社製)にて測定を行った。
仮焼フェライト微粉砕品の体積分布基準の50%粒径(D50)の測定では、湿式用の試料循環器「Sample Delivery Control(SDC)」(日機装社製)を装着して行った。仮焼フェライト(フェライトスラリー)を測定濃度になるように試料循環器に滴下した。流速 70%、超音波出力 40W、超音波時間 60秒とした。
測定条件は下記の通りである。
SetZero時間 :10秒
測定時間 :30秒
測定回数 :10回
溶媒屈性率 :1.33
粒子屈折率 :2.42
粒子形状 :非球形
測定上限 :1408μm
測定下限 :0.243μm
測定環境 :約23℃/50%RH
磁性キャリア粒子の体積分布基準50%粒径(D50)の測定には、乾式測定用の試料供給機「ワンショットドライ型サンプルコンディショナーTurbotrac」(日機装社製)を装着して行った。Turbotracの供給条件として、真空源として集塵機を用い、風量約33リットル/sec、圧力約17kPaとした。制御は、ソフトウエア上で自動的に行う。粒径は体積基準の累積値である50%粒径(D50)を求める。制御及び解析は付属ソフト(バージョン10.3.3−202D)を用いて行う。
測定条件は下記の通りである。
SetZero時間 :10秒
測定時間 :10秒
測定回数 :1回
粒子屈折率 :1.81
粒子形状 :非球形
測定上限 :1408μm
測定下限 :0.243μm
測定環境 :約23℃/50%RH
<磁性キャリアの磁化の強さの測定方法>
磁性キャリアの磁化の強さは、振動磁場型磁気特性測定装置(Vibrating sample magnetometer)や直流磁化特性記録装置(B−Hトレーサー)で求めることが可能である。後述の実施例においては、振動磁場型磁気特性測定装置BHV−30(理研電子(株)製)で以下の手順で測定する。
円筒状のプラスチック容器にキャリアを十分に密に充填したものを試料とする。該容器に充填したキャリアの実際の質量を測定する。その後、瞬間接着剤により磁性キャリア粒子が動かないようにプラスチック容器内の磁性キャリア粒子を接着する。
標準試料を用いて、5000/4π(kA/m)での外部磁場軸及び磁化モーメント軸の校正を行う。
スイープ速度5min/roopとし、1000/4π(kA/m)の外部磁場を印加した磁化モーメントのループから磁化の強さを測定した。これらより、試料重さで除して、キャリアの磁化の強さ(Am2/kg)を求める。
<磁性キャリアの真比重の測定方法>
磁性キャリアの真比重は、乾式自動密度計アキュピック1330(島津製作所社製)を用い測定する。まず、23℃/50%RHの環境に24時間放置したサンプルを5g精秤し、測定用セル(10cm3)に入れ、本体試料室に挿入する。測定は、サンプル質量を本体に入力し測定をスタートさせることにより自動測定できる。
自動測定の測定条件は、20.000psig(2.392×102kPa)で調整されたヘリウムガスを用いる。試料室内に10回パージした後、試料室内の圧力変化が0.005psig/min(3.447×10-2kPa/min)になる状態を平衡状態とし、平衡状態になるまで繰り返しヘリウムガスをパージする。平衡状態の時の本体試料室の圧力を測定する。その平衡状態に達した時の圧力変化によりサンプル体積が算出できる(ボイルの法則)。
サンプル体積が算出できることにより、以下の式でサンプルの真比重が計算できる。
サンプルの真比重(g/cm3)=サンプル質量(g)/サンプル体積(cm3)
この自動測定により5回繰り返し測定した値の平均値を磁性キャリア及び磁性の真比重(g/cm3)とする。
<低抵抗物質の抵抗率の測定>
低抵抗率測定器ロレスタ(三菱油化製)と粉体抵抗測定冶具を用いて、23℃、50%RH下で抵抗率を測定した。測定条件は、100MPaの圧縮下、直流電圧を100V印加して測定し、低抵抗物質の抵抗率(Ω・cm)とした。
<低抵抗物質の個数平均粒径の測定方法>
本発明で用いられる低抵抗物質の個数平均粒径は電子顕微鏡により判定される。具体的な測定方法は、透過型電子顕微鏡(TEM)により20万倍で低抵抗物質像を撮影し、その拡大写真を測定対象として行う。任意の1000個の粒子の粒径を測定した平均値を個数平均粒径とする。
<トナーの重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出した。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行った。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<トナーのピーク分子量(Mp)、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)の測定方法>
ピーク分子量(Mp)、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。試料としては、樹脂、または、トナーを用いる。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置 :HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム :Shodex KF−801、802、803、804、805、80
6、807の7連(昭和電工社製)
溶離液 :テトラヒドロフラン(THF)
流速 :1.0ml/min
オーブン温度 :40.0℃
試料注入量 :0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度、結着樹脂またはトナーのガラス転移温度Tg>
ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、ワックスを約10mg精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30℃以上200℃以下の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。尚、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30℃以上200℃以下の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークを、本発明のワックスの最大吸熱ピークとする。
また、結着樹脂またはトナーのガラス転移温度(Tg)は、ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度測定と同様に、結着樹脂またはトナーを約10mg精秤し測定する。すると、温度40℃以上100℃以下の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化前と比熱変化後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、結着樹脂またはトナーのガラス転移温度Tgとする。
以下、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<磁性粒子製造例1>
工程1(秤量・混合工程):
Fe2O3 60.2質量%
MnCO3 33.9質量%
Mg(OH)2 4.8質量%
SrCO3 1.1質量%
となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、ジルコニア(φ10mm)のボールを用いた乾式ボールミルで2時間粉砕・混合した。
工程2(仮焼成工程):
粉砕・混合した後、バーナー式焼成炉を用い大気中で950℃で2時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。フェライトの組成は、下記の通り。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe2O3)d上記式において、a=0.39、b=0.11、c=0.01、d=0.50
工程3(粉砕工程):
クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、ジルコニア(φ10mm)のボールを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで2時間粉砕した。
そのスラリーを、ジルコニアのビーズ(φ1.0mm)を用いた湿式ビーズミルで3時間粉砕し、フェライトスラリーを得た。得られたフェライトスラリー中の仮焼フェライト粉砕粉の体積基準の50%粒径(D50)は1.5μmで、90%粒径(D90)は3.0μmであった。
工程4(造粒工程):
フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100質量部に対してポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、約36μmの球状粒子に造粒した。
工程5(本焼成工程):
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%以下)で、1150℃で4時間焼成した。
工程6(選別工程):
凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、多孔質の磁性粒子1を得た。
<磁性粒子の製造例2>
磁性粒子製造例1において、工程5の焼成温度を1150℃から1100℃に変更した以外は、磁性粒子製造例1と同様にして、多孔質の磁性粒子2を得た。
<磁性粒子製造例3>
磁性粒子の製造例1において、工程3の湿式ビーズミルの粉砕時間を2時間から3時間に変更し、工程5の焼成温度を1150℃から1050℃に変更した以外は、磁性粒子製造例1と同様にして、多孔質の磁性粒子3を得た。
<磁性粒子製造例4>
磁性粒子の製造例1において、工程3の湿式ボールミルのボールをジルコニアからステンレス(φ10mm)に変更し、2時間粉砕した。工程5の焼成温度を1150℃から1200℃に変更した。上記以外は、磁性粒子製造例1と同様にして、多孔質の磁性粒子4を得た。
<磁性粒子製造例5>
磁性粒子製造例1において、工程5の焼成温度を1150℃から1300℃に変更した。上記以外は、磁性粒子製造例1と同様にして、多孔質の磁性粒子5を得た。
<磁性粒子製造例6>
磁性粒子製造例1において、工程5の焼成雰囲気を酸素濃度0.50体積%に変更した。上記以外は、磁性粒子製造例1と同様にして、多孔質の磁性粒子6を得た。
<磁性粒子製造例7>
磁性粒子製造例1において、工程1の乾式ボールミルでの粉砕時間を2時間から5時間に変更した。工程3のクラッシャーでの粉砕粒度を0.5mm程度から0.3mm程度に変更し、湿式ボールミルのボールをアルミナからステンレス(φ10mm)、粉砕時間を3時間から4時間に変更した。工程4のポリビニルアルコールの添加量を2.0質量部から1.0質量部に変更した。工程5の焼成雰囲気を酸素濃度1.00体積%に変更し、焼成温度を1150℃から1100℃に変更した。
上記以外は、磁性粒子製造例1と同様にして、多孔質の磁性粒子7を得た。
<磁性粒子の製造例8>
磁性粒子製造例1において、工程5の焼成雰囲気を酸素濃度0.05体積%に変更し、焼成温度を1000℃から1300℃に変更した。上記以外は、磁性粒子製造例1と同様にして、バルク状の粒子8を得た。
<磁性粒子の製造例9>
磁性粒子製造例1において、工程5の焼成雰囲気を酸素濃度0.05体積%に変更した。上記以外は、磁性粒子製造例1と同様にして、多孔質の磁性粒子9を得た。
得られた磁性粒子1乃至9の物性を表1に示す。
<磁性キャリア製造例1>
樹脂液1:
ストレートシリコーン(SR2411 東レダウコーニング) 20.0質量%
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 0.5質量%
カーボンブラック(抵抗率1.0×102Ω・cm、個数平均粒径0.015μm)
2.0質量%
トルエン 79.5質量%
以上を混合し、樹脂液1を得た。
工程1(樹脂充填工程)
磁性粒子1 100質量部を万能攪拌混合機(ダルトン社製)に入れ、減圧下、80℃に加熱しながら撹拌する。続いて、樹脂液1を磁性粒子1に対し樹脂成分として10質量部になるように添加し2時間加熱を続け、溶剤を除去した。得られた試料をジュリアミキサー(徳寿工作所社製)に移し、窒素雰囲気下に200℃で2時間熱処理して、開口70μmのメッシュで分級して、充填コア粒子1を得た。
工程2(樹脂コート工程)
充填コア粒子1 100質量部をナウタミキサ(ホソカワミクロン社製)に投入し、さらに、樹脂液1を樹脂成分として1.0質量部になるようにナウタミキサに投入した。減圧下で70℃に加熱し、1.7s-1(100rpm)で混合し、4時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。その後、得られた試料をジュリアミキサー(徳寿工作所社製)に移し、窒素雰囲気下、温度200℃で2時間熱処理した後、開口70μmのメッシュで分級して磁性キャリア1を得た。得られた磁性キャリア1のパラメータαは0.88であり、体積基準の50%粒径(D50)は、36.5μmであった。
<磁性キャリア製造例2>
樹脂液2:
ストレートシリコーン(SR2411 東レダウコーニング) 20.0質量%
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 0.5質量%
トルエン 79.5質量%
以上を混合し、樹脂液2を得た。
磁性キャリア製造例1において、工程1(樹脂充填工程)の樹脂液1を樹脂液2に、磁性粒子2を変更する以外は同様にして、磁性キャリア2を得た。得られた磁性キャリア2のパラメータαは0.93であり、体積基準の50%粒径(D50)は、36.5μmであった。
<磁性キャリアの製造例3>
磁性キャリア製造例1において、工程1(樹脂充填工程)は実施せず、工程2(樹脂コート工程)では、磁性粒子2 100質量部ナウタミキサ(ホソカワミクロン社製)に投入した。さらに、樹脂液1を樹脂成分として2.0質量部になるようにナウタミキサに投入した。減圧下で70℃に加熱し、1.7s-1(100rpm)で混合し、4時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。その後、得られた試料をジュリアミキサー(徳寿工作所社製)に移し、窒素雰囲気下、温度200℃で2時間熱処理した後、開口70μmのメッシュで分級して磁性キャリア3を得た。得られた磁性キャリア3のパラメータαは0.94であり、体積基準の50%粒径(D50)は、36.5μmであった。
<磁性キャリアの製造例4>
磁性キャリア製造例1において、工程2で使用する樹脂液を、樹脂液1から樹脂2に変更し、それ以外は同様にして、磁性キャリア4を得た。得られた磁性キャリア4のパラメータαは0.90であり、体積基準の50%粒径(D50)は、36.5μmであった。
<磁性キャリアの製造例5>
磁性キャリア製造例1において、工程1(樹脂充填工程)のみ実施し、工程2(樹脂コート工程)は実施せず、磁性キャリア5を得た。得られた磁性キャリア5のパラメータαは0.90であり、体積基準の50%粒径(D50)は、36.2μmであった。
<磁性キャリアの製造例6>
樹脂液3:
ストレートシリコーン(SR2411 東レダウコーニング) 20.0質量%
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 0.5質量%
カーボンブラック(抵抗率1.0×102Ω・cm) 0.5質量%
TiO2(抵抗率1.0×105Ω・cm、個数平均粒径0.070μm) 1.5質量%
トルエン 79.5質量%
以上を混合し、樹脂液3を得た。
磁性キャリアの製造例5において、樹脂液1を樹脂液3に変更する以外は同様にして、磁性キャリア6を得た。得られた磁性キャリア6のパラメータαは0.91であり、体積基準の50%粒径(D50)は、36.2μmであった。
<磁性キャリアの製造例7>
樹脂液4:
ストレートシリコーン(SR2411 東レダウコーニング) 20.0質量%
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 0.5質量%
カーボンブラック(抵抗率1.0×102Ω・cm、個数平均粒径0.015μm)
0.5質量%
SnO2(抵抗率1.0×103Ω・cm、個数平均粒径0.030μm) 0.5質量%
トルエン 79.5質量%
以上を混合し、樹脂液4を得た。
磁性キャリアの製造例5において、樹脂液1を樹脂液4に変更する以外は同様にして、磁性キャリア7を得た。得られた磁性キャリア7のパラメータαは0.91であり、体積基準の50%粒径(D50)は、36.2μmであった。
<磁性キャリアの製造例8>
樹脂液5:
ストレートシリコーン(SR2411 東レダウコーニング) 20.0質量%
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 0.5質量%
ZnO2(抵抗率1.0×10-1Ω・cm、個数平均粒径0.060μm) 1.0質量%
トルエン 79.5質量%
以上を混合し、樹脂液5を得た。
磁性キャリアの製造例5において、樹脂液1を樹脂液5に変更する以外は同様にして、磁性キャリア8を得た。得られた磁性キャリア8のパラメータαは0.92であり、体積基準の50%粒径(D50)は、36.2μmであった。
<磁性キャリアの製造例9>
樹脂液6:
ストレートシリコーン(SR2411 東レダウコーニング) 20.0質量%
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 0.5質量%
TiO2(抵抗率1.0×105Ω・cm、個数平均粒径0.070μm) 4.0質量%
トルエン 79.5質量%
以上を混合し、樹脂液6を得た。
磁性キャリアの製造例5において、樹脂液1を樹脂液6に変更する以外は同様にして、磁性キャリア9を得た。得られた磁性キャリア9のパラメータαは0.92であり、体積基準の50%粒径(D50)は、36.2μmであった。
<磁性キャリアの製造例10>
樹脂液7:
ストレートシリコーン(SR2411 東レダウコーニング) 20.0質量%
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 0.5質量%
CeO2(抵抗率5.0×105Ω・cm、個数平均粒径0.150μm) 4.0質量%
トルエン 79.5質量%
以上を混合し、樹脂液7を得た。
磁性キャリアの製造例5において、樹脂液1を樹脂液7に変更する以外は同様にして、磁性キャリア10を得た。得られた磁性キャリア10のパラメータαは0.92であり、体積基準の50%粒径(D50)は、36.2μmであった。
<磁性キャリアの製造例11乃至22>
磁性キャリアの製造例1において、用いる磁性粒子の種類、充填工程で使用する樹脂液の種類/数量、コート工程で使用する樹脂液の種類/数量を表2に示すように変更する以外は同様にして、磁性キャリア11乃至22を得た。得られた磁性キャリア11乃至22の物性(α、D50)を表2に示す。
<磁性キャリア製造例23>
樹脂液8:
ストレートシリコーン(SR2411 東レダウコーニング) 20.0質量%
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 0.5質量%
Al2O3(抵抗率1.0×108Ω・cm、個数平均粒径0.100μm) 1.0質量%
トルエン 79.5質量%
以上を混合し、樹脂液8を得た。
磁性キャリアの製造例5において、樹脂液1を樹脂液8に変更する以外は同様にして、磁性キャリア23を得た。得られた磁性キャリア23のパラメータαは0.96であり、体積基準の50%粒径(D50)は、36.2μmであった。
<磁性キャリア製造例24、25>
磁性キャリアの製造例1において、用いる磁性粒子の種類、充填工程で使用する樹脂液の種類/数量、コート工程で使用する樹脂液の種類/数量を表2に示すように変更する以外は同様にして、磁性キャリア24、25を得た。得られた磁性キャリア24、25の物性(α、D50)を表2に示す。
得られた磁性キャリア1乃至25の物性を表2に示す。
(結着樹脂の製造例1)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン71.0質量部、テレフタル酸28.0質量部、無水トリメリット酸1.0質量部及びチタンテトラブトキシド0.5質量部をガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、3時間反応せしめて結着樹脂1−1を得た。この結着樹脂1−1のGPCによる分子量は、重量平均分子量(Mw)70000、数平均分子量(Mn)3000、ピーク分子量(Mp)4000であった。
また、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン70.0質量部、テレフタル酸20.0質量部、イソフタル酸3.0質量部、無水トリメリット酸7.0質量部及びチタンテトラブトキシド0.5質量部をガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、220℃の温度で撹拌しつつ、8時間反応せしめて結着樹脂1−2を得た。この結着樹脂1−2のGPCによる分子量は、重量平均分子量(Mw)150000,数平均分子量(Mn)4200、ピーク分子量(Mp)8500であった。
上記結着樹脂1−1 50質量部、結着樹脂1−2 50質量部をヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製)で予備混合した。次に、溶融混練機 PCM30(池貝鉄工所社製)にて回転数3.3s-1、混練樹脂温度180℃の条件で溶融ブレンドを行い結着樹脂1を得た。
(トナーの製造例1)
・結着樹脂1 100質量部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度105℃) 5質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5質量部
・C.I.ピグメンブルー15:3 8質量部
上記処方をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合した後、温度150℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)にて回転数3.3s-1で混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらに回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)を用い分級を行い、トナー粒子1を得た。得られたトナー粒子1は、重量平均粒径(D4)が5.8μmであった。
得られたトナー粒子1 100質量部に、イソブチルトリメトキシシラン15質量%で表面処理した一次平均粒子径50nmの酸化チタン微粒子1.0質量部、及びヘキサメチルジシラザン20質量%で表面処理した一次平均粒子径16nmの疎水性シリカ微粒子0.8質量部を添加した。そして、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合して、トナー1を得た。
<実施例1>
磁性キャリア1とトナー1を用い、上記、トナー1 10質量部と磁性キャリア1 90質量部をV型混合機により混合し、二成分系現像剤1を得た。
[現像性評価]
画像形成装置として、キヤノン製フルカラー複写機imagePress C1改造機を用い、上記二成分現像剤1を、シアン位置の現像器に上記現像剤を入れ、評価を行った。
現像条件としては、感光体に対する現像スリーブ周速を1.5倍となるように改造した。そして、現像スリーブには、周波数1.5kHz、ピーク間電圧(Vpp1.3kV)の交流電圧と直流電圧VDCを印加した。常温常湿環境下(23℃、50%RH)で耐久画出し評価(A4横、5%印字比率、5万枚)を行った。評価紙は、コピー用紙CS−814(A4、坪量81.4g/m2、キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)を用いた。
直流電圧VDCは、上記評価環境において、FFH画像(ベタ部)のトナーの紙上への載り量が0.4mg/cm2となるように調整した。FFH画像とは、256階調を16進数で表示した値であり、00Hを1階調目(白地部)、FFHを256階調目(ベタ部)とする。
耐久初期(1枚目)と5万枚通紙後の画出し評価の項目と評価基準を以下に示す。下記(1)乃至(4)の評価結果を表4に示す。
(1)耐久初期(1枚目)および5万枚後の画像濃度
画像のトナーの載り量を0.4mg/cm2となるように現像電圧を初期調整した。X−Riteカラー反射濃度計(500シリーズ:X−Rite社製)を使用し、画像濃度を測定した。耐久初期(1枚目)および5万枚後の画像濃度の差を以下の基準で評価とした。
(評価基準)
A:0.05未満 非常に優れている
B:0.05以上0.10未満 良好である
C:0.10以上0.20未満 本発明では問題ないレベルである
D:0.20以上 本発明では許容できない
(2)ドット再現性(耐久初期(1枚目)および5万枚後)
1画素を1ドットで形成するドット画像を作成した。即ち、紙状の1ドットあたりの面積が、20000μm2以上25000μm2以下となるように、上記改造器のレーザービームのスポット径を調整した。デジタルマイクロスコープVHX−500(レンズワイドレンジズームレンズVH−Z100・キーエンス社製)を用い、ドット1000個の面積を測定した。
ドット面積の個数平均(S)とドット面積の標準偏差(σ)を算出し、ドット再現性指数を下記式により算出した。
(式):ドット再現性指数(I)=σ/S×100
(評価基準)
A:4.0未満 非常に優れている
B:4.0以上6.0未満 良好である
C:6.0以上8.0未満 本発明では問題ないレベルである
D:8.0以上 本発明では許容できない
(3)白抜け評価
白抜けの評価は、白抜け指数を算出することにより行った。
「白抜け指数」の具体的な算出方法を以下に説明する。転写紙の搬送方向に対して、ハーフトーン横帯(30H 幅10mm)とベタ黒横帯(FFH 幅10mm)を交互に並べたチャートを出力する(即ち、感光体の長手方向全域に幅10mmのハーフトーン画像を形成し、次いで、長手方向全域に幅10mmのベタ画像を形成し、それを繰り返して得られる画像。)。その出力画像をスキャナーで読み取り、得られたスキャン画像を通紙方向と直交する方向に平均化し、図5のような1次元の輝度分布(256階調)を得る。得られた輝度分布において、ハーフトーンの画像濃度レベルと、エッジ部における白抜け領域の濃度レベルの輝度差を積算した値(図5における斜線部の面積)を白抜け指数とした。
尚、今回読み取りスキャナーとしは、Kodak社のEverSmart Spreme2スキャナーを用い、解像度は4800dpi、読み込みレンジは最低濃度0.08から最高濃度1.60、ガンマは明度リニアで読み取りを行った。このときの濃度の測定には、エックスライト社製の分光濃度計X−Rite530のステータスAのモードを用いた。
A:50未満 非常に優れている
B:50以上200未満 良好である
C:200以上400未満 本発明では問題ないレベルである
D:400以上 本発明では許容できない
(4)キャリア付着(耐久初期および5万枚後)
紙上にハーフトーン画像(30H)を形成し、そのハーフトーン画像上1cm2の領域内において、光学顕微鏡で、キャリアの存在個数をカウントする。
A:5個未満 非常に優れている
B:5個以上10個未満 良好である
C:10個以上20個未満 本発明では問題ないレベルである
D:20個以上 本発明では許容できない
<実施例2乃至17、及び比較例1乃至8>
実施例1において、下記表3に示す二成分系現像剤に変更し、それ以外は同様にして評価を行った。表4に評価結果を示す。