JP5511416B2 - 磁性キャリア及び二成分系現像剤 - Google Patents

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本発明は、電子写真法を用いて静電荷像を顕像化するための画像形成方法に使用される磁性キャリア及び二成分系現像剤に関するものである。
従来、電子写真法においては、静電潜像担持体上に種々の手段を用いて静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーを付着させて、静電潜像を現像する方法が一般的に使用されている。この現像に際しては、磁性キャリアと呼ばれる担体粒子をトナーと混合し、摩擦帯電させて、トナーに適当量の正または負の電荷を付与し、その電荷をドライビングフォースとして現像させる二成分現像方式が広く採用されている。
二成分現像方式は、磁性キャリアに対して現像剤の攪拌、搬送、帯電などの機能を付与できるため、トナーとの機能分担が明確であり、このため現像剤性能の制御性が良いなどの利点がある。
一方、近年注目されているプリントオンデマンド(POD)市場への二成分系現像剤の適用を考えた場合は、画像出力された成果物に、画像欠陥がなく、高精細で、長期にわたり色調や濃度に変動のない画像を出力できるために、耐久性の向上は必要不可欠である。
そこで、磁性キャリアの比重を下げる試みがなされ、磁性体分散型磁性キャリアや、多孔質フェライトコア粒子の空隙に樹脂を充填した樹脂充填型フェライト磁性キャリアが提案されている(特許文献1)。低比重化によって、磁性キャリアの耐久性の向上と高画質化は図られるが、樹脂を多量に含有しているため、磁性キャリアが高抵抗化して現像性に劣る場合があった。その結果、現像性の低下により、画像の濃度が不足し、特にベタ画像出力時に、出力画像部先端から現像剤担持体周長以降で、濃度低下が顕在化する、いわゆるゴーストという問題が発生する場合があった。また、静電潜像担持体上に磁性キャリアが付着する、いわゆるキャリア付着が生じる場合があった。
現像性低下の要因は、磁性キャリアが高抵抗化することにより電極効果が低下することによる。
また、現像性の向上のため、磁性キャリアの抵抗を低くした磁性キャリアが提案されている(特許文献2)。低抵抗化によって、現像性の向上は図られるが、現像剤担持体より磁性キャリアを通じて静電像に電荷が注入され、静電像が乱されるリークの問題が発生する場合があった。また、高温高湿環境下において、磁性キャリア表面の被覆層の薄い部分が、環境中の水分を吸着し、その吸着水分を介在して発生電荷が気中放電するため、帯電付与能が著しく低下し、カブリが発生する場合があった。特に、コア粒子に被覆樹脂を被覆する際には、被覆装置の条件や、温度、湿度などの被覆環境の影響を受けないように厳密な管理が行っても、均一な被覆層を設けることは困難であるため、被覆層の薄い部分を有する磁性キャリアは混入する場合がある。
また、高温高湿環境下においても、帯電付与能の低下を抑制する目的で、被覆樹脂層を厚くする提案がなされている(例えば特許文献3参照)。
上記磁性キャリアにより、高温高湿環境下においても、帯電付与能の低下を抑制することが可能となった。しかしながら、被覆層が厚くなることで、磁性キャリアの抵抗は再度高抵抗化し、現像性が低下するため、濃度低下、濃度ムラが発生する場合があった。また、静電潜像担持体上に磁性キャリアが付着する、いわゆるキャリア付着が生じる場合がある。さらに、磁性キャリアの比重が大きいため、トナーへのストレスが強くなり、耐久性が低下する場合があった。
一方、近年高品位画質化への要求が高まり、特にカラー画像形成では、高精細な画像を実現するため、トナーの小径化が顕著である。しかし、粒径の小さいトナーを用いた場合、低比重化しトナーへのストレスを軽減した磁性キャリアであっても、磁性キャリアへのトナーのスペントが発生し、トナーへの帯電付与性が低下し、トナー飛散が発生する場合があった。
つまり、耐久性、帯電付与性、高画質性、高現像性、のすべてを満足する磁性キャリア及び二成分系現像剤の開発が急務である。
特許4001606号公報 特開平09−269613号公報 特開2004−109596号公報
本発明の目的は、上記の如き問題点を解決した磁性キャリア及び二成分系現像剤を提供するものであり、高精彩な画像を安定して形成できる。具体的には、帯電付与性に優れ、画像濃度低下、カブリ、トナー飛散の発生がない。さらに、長期使用においても、リーク、キャリア付着の発生がなく、長期放置を行っても、濃度ムラのない高画質な画像が得られる、磁性キャリア及び二成分系現像剤を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、下記磁性キャリア及び二成分系現像剤を用いることにより、帯電付与性に優れ、画像濃度低下、カブリ、トナー飛散の発生がない。さらに、長期使用においても、リーク、キャリア付着の発生がなく、長期放置を行っても、濃度ムラのない高画質な画像が得られる、磁性キャリア及び二成分系現像剤を得ることができることを見出した。
本発明は、多孔質磁性粒子の孔にアミノシランカップリング剤を含有する充填用樹脂を充填した充填コア粒子の表面に、アミノシランカップリング剤で処理することにより形成されたプライマー層と、アミノシランカップリング剤を含有する被覆用樹脂組成物を被覆して形成された被覆層とが存在する磁性キャリアであって、
該プライマー層の形成に用いる該アミノシランカップリング剤が、下記式(1)で表されるアミノシランカップリング剤であり、
該被覆層の形成に用いるアミノシランカップリング剤が、下記式(3)で表されるアミノシランカップリング剤又はN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランであることを特徴とする磁性キャリアに関する。
更に、本発明は、上記磁性キャリアとトナーとを有することを特徴とする二成分系現像剤に関する。
本発明の磁性キャリア及び二成分系現像剤を用いることにより、長期使用時においても高精彩な画像を安定して形成できる。具体的には、帯電付与性に優れ、長期使用においても、電荷のリーク、キャリア付着の発生が抑制された磁性キャリア及び二成分系現像剤を提供することができる。
また、本発明の磁性キャリア及び二成分系現像剤を用いることにより、長期放置を行っても、画像濃度低下、カブリ、トナー飛散の発生が抑制され、濃度ムラのない高画質な画像が得られる。
本発明の磁性キャリア、磁性コア粒子の比抵抗を測定する装置の概略的断面図である。(a)は、試料を入れる前のブランクの状態での図であり、(b)は、試料を入れたときの状態を示す図である。
一般的に、現像性を向上させるには、より多くのトナーを磁性キャリアから引き剥がし、現像させ、現像されたトナーを引き戻すことを極力抑えることが必要である。現像プロセスにおいて、トナーが磁性キャリア表面から飛翔すると、磁性キャリアにはトナーと反対の極性の電荷が発生する。これをカウンター電荷と呼ぶが、磁性キャリアが高抵抗化することによって、磁性キャリアに蓄積されたカウンター電荷が現像剤担持体側へ移動しにくくなる。そのため、磁性キャリアに残留するカウンター電荷とトナーの電荷が引き合い、大きな付着力となって、現像されたトナーが引き戻され、現像性が低下する。
よって、現像されたトナーを引き戻すことを抑える手段としては、磁性キャリアの抵抗を低くすることが挙げられる。これにより、磁性キャリアの電極効果の向上はもちろんのこと、トナーが現像された際に磁性キャリアに生じるトナーと逆極性のカウンター電荷が、磁性キャリアを介して現像剤担持体に放出されやすくなる。
本発明の磁性キャリアは、多孔質磁性粒子の孔に樹脂を充填するため、抵抗の高い樹脂組成物を多量に含有できる。そのため、抵抗を低くした多孔質磁性粒子の使いこなしが可能となる。その結果、上述した通り、カウンター電荷の緩和を、低抵抗なコア粒子の金属部分により良好にし、現像性を向上させつつ、高抵抗な樹脂の部分により静電潜像への電荷の注入を抑制することが可能となる。
多孔質磁性粒子の孔に充填する樹脂としては特に限定されず、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のどちらを用いてもかまわないが、含浸性の高い樹脂が好ましい。含浸性の高い樹脂を用いた場合には、多孔質磁性粒子の細孔への樹脂の充填時に、樹脂が充填されない孔が発生しにくくなる。また、多孔質磁性粒子の空隙容積値から充填樹脂量を決定できるため、現像性に影響するコアの露出度合いを制御しやすくなる。
含浸性の高い樹脂の中でも、シリコーン樹脂が磁性キャリア粒子とトナーの付着力を低減でき、現像性が向上するため好ましい。シリコーン樹脂としては、例えば、市販品として、以下のものが挙げられる。シリコーン樹脂では、信越化学社製のKR271、KR255、KR152、東レ・ダウコーニング社製のSR2400、SR2405、SR2410、SR2411。変性シリコーン樹脂では、信越化学社製のKR206(アルキッド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性)、東レ・ダウコーニング社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキッド変性)。
また、後述するが、充填される樹脂に、アミノシランカップリング剤を混合し、樹脂組成物として用いることが好ましい。シリコーン樹脂に対して、アミノシランカップリング剤は相溶性が良好であり、多孔質磁性粒子とシリコーン樹脂との架橋がより強靱になり、密着性が高まる。用いられるアミノシランカップリング剤としては特に限定されないが、後述の式(3)で表されるアミノシランカップリング剤が、カウンター電荷の緩和が良好になり、現像性の向上、キャリア付着の抑制ができるため好ましい。
磁性キャリアのコア粒子が、多孔質磁性粒子の孔に樹脂を充填した充填コア粒子でなく、バルク状のコア粒子や、磁性体分散型コア粒子である場合、現像性を高めるためには、磁性キャリアそのものの抵抗を下げるしかない。例えば、被覆層に導電剤を多量に含有させたり、コア粒子の抵抗を下げるなどが挙げられる。しかし、必要以上に磁性キャリアの抵抗を低くしすぎると、現像剤担持体より磁性キャリアを通じて静電像に電荷が注入され、静電像が乱されるリークの問題が発生する場合がある。
さらに、本発明の磁性キャリアは、多孔質磁性粒子の孔に樹脂を充填した充填コア粒子に、アミノシランカップリング剤で処理することにより形成されたプライマー層と、さらに樹脂組成物を被覆して形成された被覆層を有している。そのため、コアを露出させることなく、かつ、樹脂部の樹脂量の多い被覆層の厚い部分とコアの凸部の樹脂量の少ない被覆層の薄い部分を存続させることができるため、高温高湿環境下における良好な帯電付与ができ、かつ、現像性を高めることが両立できる。
高温高湿環境下においても、良好な帯電付与能の発現は、以下のように考えている。
アミノシランカップリング剤は、無機物と反応する部分と、有機物と反応する部分を有しており、一般的に、アルコキシ基が無機物と、アミノ基を有する官能基が有機物と反応すると考えられている。よって、アミノシランカップリング剤のアルコキシ基が、充填コア粒子の多孔質磁性粒子の部分と反応しているため、プライマー層の構造としては、アミノ基を有する官能基が、プライマー層表面に配向することとなる。さらに、充填コア粒子の樹脂の部分とは、反応が生じにくいため、局所的に多孔質磁性体粒子の部分にアミノシランカップリング剤の反応物が集中することとなる。
また、高温高湿環境下における帯電付与能の低下については、以下のように考えている。
被覆用に用いられる樹脂組成物は、それぞれ多少の水分吸着性や水分透過性を有する。そのため、高温高湿環境下においては、磁性キャリア表面の被覆層の薄い部分では、環境中の水分を吸着して、透過する。そして、その、その水分を介して抵抗の低いコア粒子との電荷の導通経路を作りやすくなる。そのため、磁性キャリアは発生電荷を放電しやすくなり、その結果、帯電付与能が低下してしまう。特に、本発明の磁性キャリアは、多孔質粒子を母体としているため、凹凸を有している。そのため、被覆層の薄い部分が存在していると考えられる。また、抵抗を低くした多孔質磁性コア粒子を用いている。以上のことから、本発明の磁性キャリアの構造は、高い現像性を可能にする一方で、発生電荷を放電しやすくなっていると考えられる。
しかし、本発明の磁性キャリアは、上述の通り、磁性キャリア表面の被覆層の薄い部分が、環境中の水分を吸着及び透過し、発生電荷を放電しやすくなっている一方で、アミノシランカップリング剤の反応物が局所的に集中しているため、アミノ基由来の電荷が発生しやすくなっている。この相反する作用をコントロールすることによって、磁性キャリアの現像性を損なうことなく、高温高湿環境下における良好な帯電付与能の発現を可能としている。つまり、アミノ基由来の電荷の発生が、発生電荷の放電より勝っていることが大切である。その発生電荷のコントロールする方法は、後述するがアミノシランカップリング剤の処理量や、加熱処理温度や加熱処理時間で調整することができる。
被覆層に用いられる被覆用樹脂組成物に含有される樹脂としては特に限定されず、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のどちらを用いてもかまわない。好ましくは、磁性キャリア表面からのトナーの離型性、磁性キャリア表面のトナーや外添剤の汚染性、トナーへの帯電付与能や磁性キャリア抵抗を制御しやすいことから、表面エネルギーの低いシリコーン樹脂が好ましい。シリコーン樹脂は、充填に使用するシリコーン樹脂と同じであっても、異なっていても良い。
さらに、本発明の磁性キャリアは、被覆層にもアミノシランカップリング剤が用いられており、このアミノシランカップリング剤は、プライマー層の形成に用いるものとは異なっていることが重要である。プライマー層と被覆層に用いるアミノシランカップリング剤が異なるために、長期放置を行っても、良好な帯電付与が可能となり、濃度ムラを抑制することができる。
長期放置を行っても、良好な帯電付与能の発現は、以下のように考えている。プライマー層と被覆層に用いるアミノシランカップリング剤が異なる場合、プライマー層と被覆層に大きな抵抗差が生ずる。よって、プライマー層はコンデンサーのように働き、静電容量の大きい電荷蓄積層となる。その結果、高温高湿環境下で現像剤を放置した場合でも、電荷のリークが起こりにくく、トナーの帯電量があまり変化しないため、濃度ムラ等の画像欠陥が抑制できる。
さらに、プライマー層及び被覆層に用いられるアミノシランカップリング剤としては特に限定されない。しかし、プライマー層に用いるアミノシランカップリング剤は、下記式(1)または下記式(2)で表されるアミノシランカップリング剤であることが好ましい。また、被覆層に用いるアミノシランカップリング剤は、上記式(3)で表されるアミノシランカップリング剤であるが好ましい。この場合、長期放置を行っても、さらに良好な帯電付与が可能となり、濃度ムラを抑制することができる。
アミノシランカップリング剤(1)の具体例としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランが挙げられるが、その中でも特に3−アミノプロピルトリメトキシシランが被覆性の観点から好ましい。
アミノシランカップリング剤(2)の具体例としては、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
アミノシランカップリング剤(3)の具体例としては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランが挙げられる。その中でも特にN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランが被覆性の観点から好ましい。
プライマー層に用いるアミノシランカップリング剤が、上記式(1)または上記式(2)で表されるアミノシランカップリング剤であり、被覆層に用いるアミノシランカップリング剤が、上記式(3)で表されるアミノシランカップリング剤である場合、磁性キャリア表面に、窒素元素を2つ有する官能基が配向するため、良好な帯電付与が可能となる。さらに、その発生電荷をプライマー層で電荷蓄積できるため、高温高湿環境下で現像剤を放置した場合でも、電荷のリークが起こりにくく、トナーの帯電量があまり変化しないため、濃度ムラ等の画像欠陥が抑制できる。
さらに、前述したように、充填される樹脂と共に用いられるアミノシランカップリング剤が、上記式(3)で表されるアミノシランカップリング剤である場合、磁性キャリア内部の中間に位置するプライマー層のみに抵抗の異なる電荷蓄積層が形成される。そのため、トナーが現像された際の、カウンター電荷の緩和も起こりやすい。そのため、良好な現像性の維持や、キャリア付着の抑制が可能となる。
さらに、本発明のキャリアは、走査型電子顕微鏡により撮影した加速電圧が2.0kV時の該磁性キャリア粒子の反射電子像において、下記式から求められる、磁性キャリアの全投影面積に対する多孔質磁性体粒子に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合Avが、0.5面積%以上10.0面積%以下であることが好ましい。この場合には、現像性と、高温高湿環境下における帯電付与性とがより良好に両立ができるようになる。
Av=(多孔質磁性粒子に由来する輝度の高い部分の総面積/磁性キャリアの全投影面積)×100
多孔質磁性粒子に由来する輝度の高い部分とは、走査型電子顕微鏡の所定の加速電圧下で、主に反射電子を可視化した像において、輝度の高い(画像上白く、明るく見える)部分であり、磁性キャリア粒子表面の樹脂厚さの薄い部分のことである。樹脂厚さが薄いために、樹脂部を透過し、多孔質磁性体粒子が観察されることにより、輝度が高くなっている。
本発明の多孔質磁性コア粒子は、以下のような工程で製造することができる。
多孔質磁性コア粒子の材質としては、マグネタイト又はフェライトが好ましい。さらに、多孔質磁性コア粒子の材質は、フェライトであることが多孔質磁性コア粒子の多孔質の構造を制御したり、抵抗を調整できるため、より好ましい。
フェライトは次の一般式で表される焼結体である。
(M1O)(M2O)(Fe
(式中、M1は1価、M2は2価の金属であり、x+y+z=1.0とした時、x及びyは、それぞれ0≦(x,y)≦0.8であり、zは、0.2<z<1.0である。)
式中において、M1及びM2としては、Li、Fe、Mn、Mg、Sr、Cu、Zn、Caからなる群から選ばれる1種類以上の金属原子を用いることが好ましい。
磁化量を適度に維持し、多孔質構造やコア表面の凹凸状態を好適にするためにフェライト結晶の成長の速度を容易にコントロールでき、多孔質磁性コアの比抵抗を好適にコントロールできる観点から、Mn元素を含有する、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Mn−Mg−Sr系フェライト、Li−Mn系フェライトがより好ましい。
以下に、多孔質磁性コアとしてフェライトを用いる場合の製造工程を詳細に説明する。
・工程1(秤量・混合工程):
フェライトの原料を、秤量し、混合する。フェライト原料としては、例えば以下のものが挙げられる。Li、Fe、Mn、Mg、Sr、Cu、Zn、Caの金属粒子、酸化物、水酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩。混合する装置としては、例えば以下のものが挙げられる。ボールミル、遊星ミル、ジオットミル、振動ミル。特にボールミルが混合性の観点から好ましい。具体的には、ボールミル中に、秤量したフェライト原料、ボールを入れ、0.1時間以上20.0時間以下、粉砕・混合する。
・工程2(仮焼成工程):
粉砕・混合したフェライト原料を、大気中で焼成温度700℃以上1000℃以下の範囲で、0.5時間以上5.0時間以下仮焼成し、原料をフェライトにする。焼成には、例えば以下の炉が用いられる。バーナー式焼成炉、ロータリー式焼成炉、電気炉。
・工程3(粉砕工程):
工程2で作製した仮焼フェライトを粉砕機で粉砕する。粉砕機としては、所望の粒径が得られれば特に限定されない。例えば以下のものが挙げられる。クラッシャーやハンマーミル、ボールミル、ビーズミル、遊星ミル、ジオットミル。仮焼フェライトの微粉砕品の粒径分布を制御することが、多孔質磁性粒子の細孔径分布の制御につながり、最終的に磁性キャリアの表面の凹凸度合いの制御につながるため重要である。仮焼フェライトの微粉砕品の粒径分布を制御するためには、例えば、ボールミルやビーズミルでは用いるボールやビーズの素材、運転時間を制御することが好ましい。具体的には、仮焼フェライトの粒径を小さくするためには、比重の重いボールを用いたり、粉砕時間を長くすればよい。また、仮焼フェライトの粒度分布を広くするためには、比重の重いボールを用い、粉砕時間を短くすることで得ることができる。また、粒径の異なる複数の仮焼フェライトを混合することでも分布の広い仮焼フェライトを得ることができる。ボールやビーズの素材としては、所望の粒径・分布が得られれば、特に限定されない。例えば、以下のものがあげられる。ソーダガラス(比重2.5g/cm)、ソーダレスガラス(比重2.6g/cm)、高比重ガラス(比重2.7g/cm)等のガラスや、石英(比重2.2g/cm)、チタニア(比重3.9g/cm)、窒化ケイ素(比重3.2g/cm)、アルミナ(比重3.6g/cm)、ジルコニア(比重6.0g/cm)、スチール(比重7.9g/cm)、ステンレス(比重8.0g/cm)。中でも、アルミナ、ジルコニア、ステンレスは、耐磨耗性に優れているために好ましい。ボールやビーズの粒径は、所望の粒径・分布が得られれば、特に限定されない。例えば、ボールとしては、直径5mm以上60mm以下のものが好適に用いられる。また、ビーズとしては直径0.03mm以上5mm以下のものが好適に用いられる。また、ボールミルやビーズミルは、乾式より湿式の方が、粉砕品がミルの中で舞い上がることがなく粉砕効率が高い。このため、乾式より湿式の方がより好ましい。
・工程4(造粒工程):
仮焼フェライトの微粉砕品に対し、分散剤、水、バインダーと、必要に応じて、孔調整剤を加えてもよい。孔調整剤としては、発泡剤や樹脂微粒子が挙げられる。バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコールが用いられる。工程3において、湿式で粉砕した場合は、フェライトスラリー中に含まれている水も考慮し、バインダーと必要に応じて孔調整剤を加えることが好ましい。
得られたフェライトスラリーを、噴霧乾燥機を用い、温度100℃以上200℃以下の加温雰囲気下で、乾燥・造粒する。噴霧乾燥機としては、所望の粒径が得られれば特に限定されない。例えば、スプレードライヤーが使用できる。
・工程5(本焼成工程):
次に、造粒品を温度800℃以上1300℃以下で1時間以上24時間以下焼成する。温度1000℃以上1200℃以下がより好ましい。昇温時間を短くし、降温時間を長くすることで、結晶成長の速度をコントロールし、所望の多孔質構造を得ることができる。焼成温度の保持時間は、3時間以上5時間以下であることが、所望の多孔質構造を得るために好ましい。焼成温度を上げたり、焼成時間を長くすることで、多孔質磁性コアの焼成が進み、その結果、磁性コア部領域の面積比率は大きくなる。
・工程6(選別工程):
焼成した粒子を解砕した後に、必要に応じて、磁力選鉱により低磁力品を分別し、分級や篩で篩分して粗大粒子や微粒子を除去してもよい。
多孔質磁性粒子の体積分布基準50%粒径(D50)は、18.0μm以上68.0μm以下であることが、トナーへの摩擦帯電付与性を良好にし、ハーフトーン部の画質を満足し、カブリの抑制と画像へのキャリア付着の防止のためより好ましい。
多孔質磁性粒子は、後述する比抵抗測定法において、電界強度300V/cmにおける比抵抗が、5.0×10Ω・cm以上5.0×10Ω・cm以下であることが、現像性を高くできることから好ましい。
多孔質磁性粒子の孔に樹脂を充填させる方法としては、樹脂を溶剤に希釈し、これを多孔質磁性コア粒子の孔に添加し、溶剤を除去する方法が採用できる。ここで用いられる溶剤は、樹脂を溶解できるものであればよい。有機溶剤に可溶な樹脂である場合は、有機溶剤として、トルエン、キシレン、セルソルブブチルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノールが挙げられる。また、水溶性の樹脂またはエマルジョンタイプの樹脂である場合には、溶剤として水を用いればよい。多孔質磁性コア粒子の孔に、樹脂を充填する方法としては、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、及び流動床の如き塗布方法により多孔質磁性コア粒子を樹脂溶液に含浸させ、その後、溶剤を揮発させる方法が挙げられる。
浸漬法としては、減圧状態で樹脂と溶剤を混合した樹脂溶液を多孔質磁性コア粒子の孔へ充填させ、脱気や加温により溶剤を除去する方法が好ましい。脱気の速度や加温の温度で、溶剤除去スピードを制御することで、磁性キャリア表面の樹脂の存在の仕方をコントロールすることができる。減圧の程度としては、10乃至700mmHgが好ましい。700mmHgを超えると減圧する効果がなく、10mmHg未満では、充填工程中に樹脂溶液が沸騰しやすくなるため、充填されない部分が残る場合がある。
上記樹脂を充填する工程は、複数回に分けて行うことが好ましい。1回の充填工程で樹脂を充填することは可能である。あえて複数回に分ける必要はない。しかし、樹脂の種類によっては、一度に多量の樹脂を充填しようとした場合、合一粒子が発生する場合がある。合一粒子は機械的強度が弱く、現像機内の混合攪拌により容易に被覆樹脂の剥離が生じ、コア粒子表面が露出するため、磁性キャリアの電気抵抗が低下し、現像時に印加するバイアス電圧のリークによる画像上の大きな問題点になり易い。このような場合には、複数回に分けて充填することによって、合一粒子を防ぎつつ、過不足なく充填が行える。
樹脂を充填させた後、必要に応じて各種の方式によって加熱し、充填した樹脂を多孔質磁性粒子に密着させる。加熱方式としては、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれでもよく、例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉でもよく、もしくはマイクロウェーブによる焼付けでも良い。温度は、充填する樹脂によって異なるが、融点又はガラス転移点以上の温度は必要であり、熱硬化性樹脂又は縮合架橋型樹脂等では、充分硬化が進む温度まで上げることにより、衝撃に対して強い磁性キャリアを得ることができる。酸化防止のため窒素など不活性ガス気流中で処理することが好ましい。
充填する樹脂量は、多孔質磁性粒子の孔容積に応じて充填できる。充填樹脂量としては、多孔質磁性粒子100質量部に対して、5.0乃至20.0質量部であることが好ましい。より好ましくは、7.0乃至15.0質量部であることが、低ストレスと被覆層の薄い部分の割合を制御するために好ましい。
該樹脂溶液における樹脂の量は、6質量%以上25質量%以下であることが、樹脂溶液の粘度のハンドリングが良いため、充填の均一性や、溶媒の除去時間の観点から好ましい。
充填コア粒子の表面をアミノシランカップリング剤で処理してプライマー層を形成する方法としては、特に限定されないが、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、乾式法、及び流動床の如き塗布方法により処理する方法が挙げられる。中でも、被覆率を向上させるためには、浸漬法がより好ましい。
処理するアミノシランカップリング剤の量としては、充填コア粒子100質量部に対し、0.01質量部以上1.0質量部以下であることが、良好な帯電付与性の観点から好ましい。プライマー層を形成後、加熱処理を施しても、施さなくてもよい。しかし、加熱処理を施すことで、アミノシランカップリング剤の縮合反応を調整し、帯電付与に大きく関与するアミノシランカップリング剤由来のシラノール基量が制御できるため、加熱処理を施す方が好ましい。加熱処理する方法は、充填工程と同様の方法が用いられる。また、加熱処理を施す場合、加熱時間も制御する必要がある。加熱処理時間を長くすると、アミノシランカップリング剤の縮合反応は進行し、シラノール量は少なくなるため、帯電付与性は低下するが、充填コア粒子との接着性は増し、キャリアの耐久安定性が増す。
プライマー層を形成した充填コア粒子の表面を樹脂で被覆する方法としては、特に限定されないが、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、乾式法、及び流動床の如き塗布方法により処理する方法が挙げられる。中でも、被覆層の薄い部分と厚い部分の割合を制御するには、浸漬法がより好ましい。
また、被覆樹脂に、導電性を有する粒子や荷電制御性を有する粒子や材料を含有させて用いてもよい。導電性を有する粒子としては、カーボンブラック、マグネタイト、グラファイト、酸化亜鉛、酸化錫が挙げられる。導電性を有する粒子の添加量としては、被覆樹脂100質量部に対し、0.1質量部以上10.0質量部以下であることが磁性キャリアの抵抗を調整するためには好ましい。荷電制御性を有する粒子としては、有機金属錯体の粒子、有機金属塩の粒子、キレート化合物の粒子、モノアゾ金属錯体の粒子、アセチルアセトン金属錯体の粒子、ヒドロキシカルボン酸金属錯体の粒子、ポリカルボン酸金属錯体の粒子、ポリオール金属錯体の粒子、ポリメチルメタクリレート樹脂の粒子、ポリスチレン樹脂の粒子、メラミン樹脂の粒子、フェノール樹脂の粒子、ナイロン樹脂の粒子、シリカの粒子、酸化チタンの粒子、アルミナの粒子など挙げられる。荷電制御性を有する粒子の添加量としては、被覆樹脂100質量部に対し、0.5質量部以上50.0質量部以下であることが摩擦帯電量を調整するためには好ましい。
被覆する樹脂溶液の調整としては、充填工程と同様の方法が用いられる。磁性キャリアのコアの露出度合いを調整する方法としては、被覆する樹脂溶液中の樹脂濃度の調整、被覆する装置内の温度、溶剤を除去する際の温度や減圧度、樹脂被覆工程の回数などが挙げられる。
被覆する樹脂量は、充填コア粒子の比表面積に応じて調整されるが、一般的には、被覆樹脂量としては、充填コア粒子100質量部に対して、0.1乃至3.0質量部であることが好ましい。より好ましくは、0.5乃至2.0質量部であることが、低ストレスと被覆層の薄い部分の割合を制御するために好ましい。
本発明の磁性キャリアは、体積分布基準50%粒径(D50)が20.0μm以上70.0μm以下であることが、キャリア付着を抑制したり、トナースペントを抑制し、長期間の使用においても安定して用いることができるため好ましい。
本発明の磁性キャリアは、後述する比抵抗測定法において、電界強度1000V/cmにおける比抵抗が、5.0×10Ω・cm以上5.0×10Ω・cm以下であることが、帯電付与性が安定していることから好ましい。
本発明の磁性キャリアは、1000/4π(kA/m)における磁化の強さが、35Am/kg以上75Am/kg以下であることが、キャリア付着を防止し、また、トナースペントを防止して安定した画像を得るために好ましい。
次に、二成分系現像剤に磁性キャリアと共に含有されるトナーについて説明する。
本発明におけるトナーのトナー粒子を製造する方法としては、例えば、結着樹脂及び着色剤を溶融混練し、混練物を冷却後、粉砕及び分級する粉砕法;結着樹脂と着色剤とを溶剤中に溶解または分散させた溶液を水系媒体中に導入し懸濁造粒させ、該溶剤を除去することによってトナー粒子を得る懸濁造粒法;モノマーに着色剤等を均一に溶解または分散したモノマー組成物を分散安定剤を含有する連続層(例えば水相)中に分散し、重合反応を行わせトナー粒子を作製する懸濁重合法;高分子分散剤を水系有機溶剤中に溶解し、モノマーが重合することで溶媒不溶の粒子を生成してトナー粒子を得る分散重合法;水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナー粒子を生成する乳化重合法;少なくとも重合体微粒子及び着色剤微粒子を凝集して微粒子凝集体を形成する工程と該微粒子凝集体中の微粒子間の融着を起こさせる熟成工程を経て得られる乳化凝集法;がある。特に、粉砕法によるトナーにおいては、粉砕後、あるいは粉砕・分級後に、トナーの表面を機械的、熱的な処理により改質することで小粒子の低減を行うことができる。
本発明におけるトナーは、画像処理解像度512×512画素(1画素あたり0.37μm×0.37μm)のフロー式粒子像測定装置によって計測された円相当径0.500μm以上、1.985μm以下である粒子が30個数%以下であると、磁性キャリアへのトナーのスペントが抑制できるため好ましい。
トナーに含有される結着樹脂としては、以下のものが挙げられる。ポリエステル、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン誘導体の重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂;脂肪族多価アルコール、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジアルコール類及びジフェノール類から選択されるモノマーを構造単位として有するポリエステル樹脂;ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油樹脂、ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂。
本発明に用いられる結着樹脂は、トナーの保存性と低温定着性を両立するために、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布のピーク分子量(Mp)が2000以上50000以下、数平均分子量(Mn)が1500以上30000以下、重量平均分子量(Mw)が2000以上1000000以下、ガラス転移点(Tg)が40℃以上80℃以下であることが好ましい。
ワックスは、結着樹脂100質量部あたり0.5質量部以上20.0質量部以下使用されることが好ましい。また、ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度としては45℃以上140℃以下であることが好ましい。トナーの保存性とホットオフセット性を両立でき好ましい。
ワックスとしては、例えば以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックス、ベヘン酸ベヘニルエステルワックス、モンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。
トナーに含有される着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;磁性体;イエロー着色剤とマゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。マゼンタ用着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。シアン用着色剤としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、7、15:2、15:3、15:4、16、17、60、62、66;C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチルを1乃至5個置換した銅フタロシアニン顔料が挙げられる。イエロー用着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物が挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
着色剤の使用量は、磁性体を用いる場合以外は、結着樹脂100質量部に対して好ましくは0.1質量部以上30質量部以下であり、より好ましくは0.5質量部以上20質量部以下である。
トナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。トナーに含有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して保持できるものが好ましい。本発明のキャリアは負帯電性トナーと組み合わせて好適に用いられるものであり、優れた負帯電性を有する芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。荷電制御剤はトナー粒子に対して内添しても良いし外添しても良い。荷電制御剤の添加量は結着樹脂100質量部に対し0.2質量部以上10質量部以下が好ましい。
トナーには、流動性向上のため、外添剤が添加されていることが好ましい。外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムの如き無機微粉体が好ましい。無機微粉体は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物の如き疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。外添剤は、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上5.0質量部以下使用されることが好ましい。トナー粒子と外添剤との混合は、ヘンシェルミキサーの如き公知の混合機を用いることができる。
粉砕法でのトナー製造手順について説明する。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、例えば、結着樹脂、着色剤及びワックス、必要に応じて荷電制御剤等の他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(三井鉱山社製)。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中に着色剤等を分散させる。その溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出機(東芝機械社製)、PCM混練機(池貝鉄工製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(三井鉱山社製)。
更に、溶融混練することによって得られる着色された樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルの如き粉砕機で粗粉砕した後、更に、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(ターボ工業製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)の如き分級機や篩分機を用いて分級し、トナー粒子を得る。
また、必要に応じて、粉砕後に、ハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)、メテオレインボー MR Type(日本ニューマチック社製)を用いて、球形化処理の如きトナー粒子の表面改質処理を行うこともできる。
二成分系現像剤としては、トナーと磁性キャリアの混合比率が磁性キャリア100質量部に対してトナーを2質量部以上15質量部以下とすることが好ましく、4質量部以上12質量部以下がより好ましい。上記範囲とすることで、トナーの飛散を低減し、長期に渡って摩擦帯電量が安定する。
本発明に係る各種物性の測定について以下に説明する。
<磁性キャリア、多孔質磁性粒子の体積分布基準50%粒径(D50)の測定方法>
粒度分布測定は、レーザー回折・散乱方式の粒度分布測定装置「マイクロトラックMT3300EX」(日機装社製)にて測定を行った。
磁性キャリア、多孔質磁性粒子の体積分布基準50%粒径(D50)の測定には、乾式測定用の試料供給機「ワンショットドライ型サンプルコンディショナーTurbotrac」(日機装社製)を装着して行った。Turbotracの供給条件として、真空源として集塵機を用い、風量約33リットル/sec、圧力約17kPaとした。制御は、ソフトウエア上で自動的に行う。粒径は体積基準の累積値である50%粒径(D50)を求める。制御及び解析は付属ソフト(バージョン10.3.3−202D)を用いて行う。測定条件は下記の通りである。
SetZero時間 :10秒
測定時間 :10秒
測定回数 :1回
粒子屈折率 :1.81
粒子形状 :非球形
測定上限 :1408μm
測定下限 :0.243μm
測定環境 :約23℃/50%RH
<磁性キャリアの電界強度1000V/cmにおける比抵抗、磁性コア粒子の電界強度300V/cmにおける比抵抗の測定>
磁性キャリアの電界強度1000V/cmにおける比抵抗、磁性コア粒子の電界強度300V/cmにおける比抵抗は、図1に概略される測定装置を用いて測定される。
抵抗測定セルAは、断面積2.4cmの穴の開いた円筒状のPTFE樹脂容器1、下部電極(ステンレス製)2、支持台座(PTFE樹脂製)3、上部電極(ステンレス製)4から構成される。支持台座3上に円筒状のPTFE樹脂容器1を載せ、試料(磁性キャリア、多孔質磁性粒子)5を厚さ約1mmになるように充填し、充填された試料5に上部電極4を載せ、試料の厚みを測定する。図1(a)に示す如く、試料のないときの間隙をd1とし、図1(b)に示す如く、厚さ約1mmになるように試料を充填したときの間隙d2とすると、試料の厚みdは下記式で算出される。
d=d2−d1
この時、試料の厚みが0.95mm以上1.04mmとなるように試料の質量を適宜変えることが重要である。
電極間に直流電圧を印加し、そのときに流れる電流を測定することによって磁性キャリア、多孔質磁性粒子の比抵抗を求めることができる。測定には、エレクトロメーター6(ケスレー6517A ケスレー社製)及び制御用にコンピュータ7を用いる。
制御用コンピュータにナショナルインスツルメンツ社製の制御系と制御ソフトウエア(LabVEIW ナショナルインスツルメンツ社製)を用いたソフトウエアにより行う。測定条件として、試料と電極との接触面積S=2.4cm、試料の厚み0.95mm以上1.04mm以下になるように実測した値dを入力する。また、上部電極の荷重270g、最大印加電圧1000Vとする。
電圧の印加条件は、制御用コンピュータとエレクトロメーター間の制御にIEEE−488インターフェースを用いて、エレクトロメーターの自動レンジ機能を利用し、1V(2V)、2V(2V)、4V(2V)、8V(2V)、16V(2V)、32V(2V)、64V(2V)、128V(2V)、256V(2V)、512V(2V)、1000Vの電圧を1秒間ずつ印加するスクリーニングを行う。その際に最大1000V(例えば、1.00mmの試料厚みの場合は、電界強度としては、10000V/cm)まで印加可能かどうかをエレクトロメーターが判断し、過電流が流れる場合、「VOLTAGE SOURCE OPERATE」が点滅する。すると印加電圧を下げて、印加可能な電圧をさらにスクリーニングし、印加電圧の最大値を自動的に決める。その後、本測定を行う。その最大電圧値を5分割した電圧を各ステップとして30秒間保持させた後の電流値から抵抗値を測定する。例えば、最大印加電圧が1000Vの場合には、200V(第1ステップ)、400V(第2ステップ)、600V(第3ステップ)、800V(第4ステップ)、1000V(第5ステップ)、1000V(第6ステップ)、800V(第7ステップ)、600V(第8ステップ)、400V(第9ステップ)、200V(第10ステップ)と最大印加電圧の1/5である200V刻みで電圧を上げた後下げていくような順で印加し、それぞれのステップで30秒保持後の電流値から抵抗値を測定する。
実施例1に用いられる磁性キャリアの場合には、スクリーニング時には、1V(2V)、2V(2V)、4V(2V)、8V(2V)、16V(2V)、32V(2V)、64V(2V)、128V(2V)、256V(2V)、512V(2V)の直流電圧を1秒間ずつ磁性キヤリアに印加し、「VOLTAGE SOURCE OPERATE」の表示が256Vまでは、点灯し、512Vで「VOLTAGE SOURCE OPERATE」の表示が点滅した。次に直流電圧362V(28.5V)では点滅し、直流電圧294V(≒28.2V)で点滅、さらに、最大印加可能な電圧を収束させて、直流電圧274V(28.1V)で点灯し、その結果、最大印加電圧が274V(28.1V)となった。274Vの1/5の値の54.8V(第1ステップ)、274Vの2/5の値の109.6V(第2ステップ)、274Vの3/5の値の164.4V(第3ステップ)、274Vの4/5の値の219.2V(第4ステップ)、274Vの5/5の値の274V(第5ステップ)、5/5の値の274V(第6ステップ)、274Vの4/5の値の219.2V(第7ステップ)、274Vの3/5の値の164.4V(第8ステップ)、274Vの2/5の値の109.6V(第9ステップ)、274Vの1/5の値の54.8V(第10ステップ)の順で直流電圧を印加する。そこで得られる電流値をコンピュータにより処理することで、試料厚み1.04mmと、電極面積とから電界強度及び比抵抗を算出して、グラフにプロットする。その場合、最大印加電圧から電圧を下げていく5点をプロットする。そして、電界強度1000V/cmあるいは電界強度300V/cmにおける比抵抗を読み取る。
尚、比抵抗、電界強度は、下記式にて求められる。
比抵抗(Ω・cm)=(印加電圧(V)/測定電流(A))×S(cm)/d(cm)
電界強度(V/cm)=印加電圧(V)/d(cm)
<磁性キャリアの磁化の強さの測定方法>
磁性キャリアの磁化の強さは、振動磁場型磁気特性装置VSM(Vibrating sample magnetometer)や直流磁化特性記録装置(B−Hトレーサー)で求めることが可能である。好ましくは、振動磁場型磁気特性装置で測定できる。振動磁場型磁気特性装置としては、理研電子(株)製の振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−30が挙げられる。
本発明では、この装置を用いて、以下の手順で測定した。円筒状のプラスチック容器に磁性キャリアまたは磁性コア粒子を十分に密に充填し、一方で1000/4π(kA/m)の外部磁場を作り、この状態で容器に充填されたキャリアの磁化モーメントを測定する。さらに、該容器に充填した磁性キャリアの実際の質量を測定して、磁性キャリアの磁化の強さ(Am/kg)を求める。
<磁性キャリア粒子表面上の多孔質磁性粒子に由来する部分の面積割合>
本発明の磁性キャリア粒子表面上の多孔質磁性粒子に由来する部分の面積%は、走査電子顕微鏡による反射電子像の観察と、続く画像処理により求めることができる。
本発明に用いられる磁性キャリア粒子表面の多孔質磁性粒子に由来する部分の面積割合の測定は、走査電子顕微鏡(SEM)、S−4800(日立製作所社製)を用いて行った。コアに由来する部分の面積割合は、加速電圧2.0kVのときの、主に反射電子を可視化した像の画像処理から算出される。
具体的には、電子顕微鏡観察用の試料台上にカーボンテープでキャリア粒子を一層になるように固定し、白金による蒸着は行わずに、以下の条件にて、走査電子顕微鏡S−4800(日立製作所社製)で観察した。フラッシング操作を行ってから観察を行う。
SignalName=SE(U,LA80)
AcceleratingVoltage=2000Volt
EmissionCurrent=10000nA
WorkingDistance=6000um
LensMode=High
Condencer1=5
ScanSpeed=Slow4(40秒)
Magnification=600
DataSize=1280×960
ColorMode=Grayscale
反射電子像は、走査電子顕微鏡S−4800の制御ソフト上で‘コントラスト5、ブライトネス−5’に明るさを調整し、キャプチャスピード/積算枚数‘Slow4を40秒’、画像サイズ1280×960pixelsの8bitの256階調グレースケール画像として磁性キャリアの投影像を得た。画像上のスケールから、1pixelの長さは0.1667μm、1pixelの面積は0.0278μmとなる。
続いて、得られた反射電子による投影像を用いて、磁性キャリア粒子50個について金属酸化物に由来する部分の面積割合(面積%)を算出した。解析する磁性キャリア粒子50個の選択方法の詳細は後述する。金属酸化物に由来する部分の面積%は、画像処理ソフトImage−Pro Plus5.1J(MediaCybernetics社製)を使用した。
まず、磁性キャリア粒子の部分を抽出し、抽出された磁性キャリア粒子部分のサイズをカウントした。具体的には、まず、解析する磁性キャリア粒子を抽出するため、磁性キャリア粒子と背景部分を分離する。Image−Pro Plus5.1Jの「測定」−「カウント/サイズ」を選択する。「カウント/サイズ」の「輝度レンジ選択」で、輝度レンジを50〜255の範囲に設定して、背景として写りこんでいる輝度の低いカーボンテープ部分を除外し、磁性キャリア粒子の抽出を行った。カーボンテープ以外の方法で磁性キャリア粒子を固定した際には、必ずしも背景が輝度の低い領域とならない、あるいは、部分的に磁性キャリア粒子と同じような輝度となる可能性は皆無ではない。しかし、磁性キャリア粒子と背景の境界については、反射電子観察像から容易に区別できる。抽出を行う際、「カウント/サイズ」の抽出オプションで、4連結を選択し、平滑度5を入力、穴埋めるにチェックを入れ、画像の全ての境界(外周)上に位置する粒子や他の粒子と重なっている粒子については、計算から除外するものとした。次に「カウント/サイズ」の測定項目で、面積とフェレ径(平均)を選択し、面積の選別レンジを最小300pixel、最大10000000pixelとした。また、フェレ径(平均)は、後述する磁性キャリアの体積分布基準50%粒径(D50)の測定値の±25%径の範囲になるよう選別レンジを設定し、画像解析する磁性キャリア粒子を抽出した。抽出された粒子群から一粒子を選択し、その粒子に由来する部分の大きさ(pixel数)を(ja)を求めた。
次に、Image−Pro Plus5.1Jの「カウント/サイズ」の「輝度レンジ選択」で、輝度レンジを140〜255の範囲に設定して、キャリア粒子上の輝度の高い部分の抽出を行った。面積の選別レンジを最小10pixel、最大10000pixelとした。
そして、jaを求める際に選択した粒子について、磁性キャリア粒子表面の金属酸化物に由来する部分の大きさ(pixel数)(ma)を求めた。各磁性キャリア粒子においては、金属酸化物に由来の抽出部分は、ある大きさをもって点在することになるが、maはその総面積である。この点在する部分のそれぞれを本発明においては“ドメイン”と呼ぶ。
そして、本発明に係る面積割合Sは、(ma/ja)×100で求められる。
次いで、抽出された粒子群の各粒子に対して、選択される磁性キャリア粒子の数が50となるまで同様の処理を行った。一視野中の粒子の数が50に満たない場合には、別視野の磁性キャリア粒子投影像について同様の操作を繰り返した。
本発明に係る平均割合Avは、50粒子に関して測定したmaの合計値Ma、50粒子に関して測定したjaの合計値Jaを用いて、下式より算出できる。測定した際の平均値である。
Av=(Ma/Ja)×100
<トナーの円相当径0.6μm以上、2.0μm以下である粒子(小粒子)の割合の測定>
上記トナーの円相当径0.6μm以上、2.0μm以下である粒子(小粒子)の割合は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定・解析条件で測定した。
フロー式粒子像測定装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は、1視野が512画素×512画素であり、1画素あたり0.37×0.37μmの画像処理解像度で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積や周囲長等が計測される。
次に、各粒子像の投影面積Sと周囲長Lを求める。上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円形当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度は、円形当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
円形度C=2×(π×S)1/2/L
粒子像が真円形の時に円形度は1.000になり、粒子像の外周の凹凸の程度が大きくなるほど円形度は小さい値になる。
各粒子の円形度を算出後、円形度0.2以上、1.0以下の範囲を800分割したチャンネルに振り分け、各チャンネルの中心値を代表値として平均値を計算し平均円形度の算出を行う。
具体的な測定方法としては、イオン交換水20mlに、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.02g加えた後、測定試料0.02gを加え、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散機(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製など)を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とした。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式粒子像測定装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測して、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を指定することにより、その範囲の粒子の個数割合(%)、平均円形度を算出することができる。円相当径0.60μm以上、2.00μm以下である粒子(小粒子)の割合は、円相当径の解析粒子径範囲を、0.60μm以上、2.00μm以下とし、その範囲に含まれる粒子の個数割合(%)を算出した。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えばDuke Scientific社製5200Aをイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像測定装置を使用し、解析粒子径を円相当径2.00μm以上、200.00μm以下に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
<結着樹脂の重量平均分子量(Mw)の測定方法>
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。試料としては、樹脂、または、トナーを用いる。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置 :HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム :Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液 :テトラヒドロフラン(THF)
流速 :1.0ml/min
オーブン温度 :40.0℃
試料注入量 :0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<多孔質磁性粒子の製造例1>
・工程1(秤量・混合工程):
Fe 61.5質量%
MnCO 34.6質量%
Mg(OH) 2.9質量%
SrCO 0.9質量%
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、直径10mmのジルコニアのボールを用いた乾式ボールミルで2時間粉砕・混合した。
・工程2(仮焼成工程):
粉砕・混合した後、バーナー式焼成炉を用い大気中、温度950℃で2時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。得られたフェライトの組成は、下記の通りである。
(MnO)(MgO)(SrO)(Fe
上記式において、a=0.405、b=0.068、c=0.009、d=0.519
・工程3(粉砕工程):
クラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、直径10mmのステンレスのボールを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。そのスラリーを、直径1.0mmのジルコニアのビーズを用いた湿式ビーズミルで1時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
・工程4(造粒工程):
フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100質量部に対してポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、球状粒子に造粒した。
・工程5(焼成工程):
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)で、室温から温度1150℃まで3時間で昇温し、その後、温度1150℃で4時間焼成した。その後、8時間をかけて、温度80℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
・工程6(選別工程):
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積分布基準の50%粒径(D50)36.0μmの多孔質磁性粒子1を得た。電界強度300V/cmにおける比抵抗を表1に示す。
<多孔質磁性粒子の製造例2>
多孔質磁性粒子の製造例1における工程6終了後に、以下の工程7(高抵抗化処理工程)を施した。
・工程7(高抵抗化処理工程):
工程6で得られた多孔質磁性粒子を、窒素雰囲気下(酸素濃度0.30体積%)500℃で1時間焼成し、酸化処理を行い、体積分布基準の50%粒径(D50)36.5μmの多孔質磁性粒子2を得た。電界強度300V/cmにおける比抵抗を表1に示す。
<多孔質磁性粒子の製造例3>
多孔質磁性粒子の製造例1において、工程1のフェライト原材料を下記組成比に変更した。
Fe 72.9質量%
MnCO 15.4質量%
Mg(OH) 10.6質量%
SrCO 1.1質量%
また、多孔質磁性粒子の製造例1における工程3の粉砕工程で用いるビーズを直径5.0mmのステンレスのビーズに変更した。それ以外は同様にして、体積分布基準の50%粒径(D50)60.2μmの多孔質磁性粒子3を得た。電界強度300V/cmにおける比抵抗を表1に示す。得られたフェライトの組成は、下記の通りである。
(MnO)(MgO)(SrO)(Fe
上記式において、a=0.171、b=0.236、c=0.010、d=0.583
<磁性体分散型粒子の製造例1>
個数平均粒径0.30μmのマグネタイトに対して、4.0質量部のシラン化合物(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を加え、容器内にて100℃以上で高速混合撹拌し、それぞれの微粒子を処理した。
フェノール 10質量%
ホルムアルデヒド溶液 6質量%
(ホルムアルデヒド40質量%、メタノール10質量%、水50質量%)
上記シラン化合物で処理したマグネタイト 84質量%
上記材料と、28質量%アンモニア水溶液5質量部、水20質量部をフラスコに入れ、攪拌、混合しながら30分間で85℃まで昇温・保持し、3時間重合反応させて、生成するフェノール樹脂を硬化させた。その後、硬化したフェノール樹脂を30℃まで冷却し、さらに水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)、60℃の温度で乾燥して、体積分布基準の50%粒径(D50)36.5μmの磁性体分散型の球状の磁性コア粒子1を得た。電界強度300V/cmにおける比抵抗を表1に示す。
<バルク状磁性粒子の製造例1>
多孔質磁性粒子の製造例1における工程5の焼成工程の酸素濃度を0.01体積%から3.00体積%に変更し、焼成温度を1150℃から1300℃に変更した。それ以外は同様にして、体積分布基準の50%粒径(D50)35.8μmのバルク状磁性粒子1を得た。電界強度300V/cmにおける比抵抗を表1に示す。
<アクリル樹脂ワニス1の調整>
シクロヘキシルメタクリレート 25.0質量%
メチルメタクリレート 10.0質量%
トルエン 90.0質量%
メチルエチルケトン 110.0質量%
アゾビスイソブチロニトリル 2.0質量%
上記材料のうち、シクロヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、トルエン、メチルエチルケトンを、還流冷却器、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコ(以下、単に「フラスコ」ともいう。)に添加し、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした後、80℃まで加温し、アゾビスイソブチロニトリルを添加して5時間還流し重合させた。重合反応終了後、洗浄を繰り返し、樹脂ワニス(固形分20質量%)を得た。この樹脂ワニスのゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による重量平均分子量は56,000であった。
<樹脂液1の調製>
シリコーンワニス(KR255 信越化学社製)(固形分20質量%) 50.0質量%
N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン 1.0質量%
トルエン 49.0質量%
を1時間混合し、樹脂液1を得た。
<樹脂液2〜13の調製>
樹脂液1の調製において、表2に示したように変更する以外、同様にして樹脂液2〜13を調製した。
<磁性キャリア1の製造>
・工程1(樹脂充填工程):
磁性コア粒子1の100.0質量部を混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌機NDMV型)の撹拌容器内に入れ、55℃に温度を保ちながら、200mmHg(特開2009−210896参照)まで減圧しながら窒素を導入し、樹脂液1を多孔質磁性粒子1に対し樹脂成分として9.0質量部となるように減圧下で滴下し、滴下終了後2時間そのまま撹拌を続けた。その後、70℃まで温度を上げ、減圧下で溶剤を除去して、多孔質磁性粒子1の粒子内に樹脂液1から得られるシリコーン樹脂を有するシリコーン樹脂組成物を充填した。冷却後、得られた充填コア粒子を回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気下、温度200℃で2時間熱処理した後、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口70μmの篩で分級して充填コア粒子1を得た。
・工程2(プライマー被覆工程):
充填コア粒子1の100.0質量部を遊星運動型混合機(ホソカワミクロン社製のナウタミキサVN型)に投入し、スクリュー状の撹拌羽根を公転を1分間に3.5回転させ、自転を1分間に100回転させながら撹拌し、窒素を流量0.1m/minでフローさせ、減圧下(75mmHg)になるよう調整した。温度70℃に加熱した後、樹脂液2を充填コア粒子に対してアミノシランカップリング剤成分として0.1質量部になるように投入した。20分間塗布操作を行い、磁性キャリア1aを得た。その後、磁性キャリア1aを回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、混合容器を1分間に10回転させて撹拌しながら、窒素雰囲気下に温度150℃で2時間熱処理した。
・工程3(樹脂被覆工程):
引き続き、減圧下(75mmHg)、温度70℃で維持されている遊星運動型混合機(ホソカワミクロン社製のナウタミキサVN型)に樹脂液3を磁性キャリア1aの100質量部に対して樹脂成分として1.0質量部になるように投入した。投入の仕方として、1/3の量の樹脂液を投入し、20分間トルエン除去及び塗布操作を行った。次いで、さらに1/3の量の樹脂液を投入し、20分間トルエン除去及び塗布操作を行い、さらに1/3の量の樹脂液を投入し、20分間トルエン除去及び塗布操作を行った。磁性キャリア1b 100質量部に対して、被覆量は、1.0質量部であった。その後、シリコーン樹脂で被覆された磁性キャリアを回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、混合容器を1分間に10回転させて撹拌しながら、窒素雰囲気下に温度200℃で2時間熱処理した。得られた磁性キャリアを、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、体積分布基準の50%粒径(D50)38.2μmの磁性キャリア1を得た。得られた磁性キャリアの物性を表4に示す。
<磁性キャリア2乃至14の製造>
磁性キャリア1製造例のうち、表3に示したように変更する以外、同様にして磁性キャリア2乃至14を作製した。得られた磁性キャリアの物性を表4に示す。
<非晶性ポリエステル樹脂1の製造例>
・テレフタル酸: 299質量部
・無水トリメリット酸: 19質量部
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン: 747質量部
・チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート): 1質量部
冷却管、攪拌機、及び、窒素導入管のついた反応槽中に、以下の材料を秤量した。その後、温度200℃に加熱し、窒素を導入しながら生成する水を除去しながら10時間反応させ、その後、10mmHgに減圧し1時間反応させ、重量平均分子量(Mw)6000である非晶性ポリエステル樹脂1を得た。
<非晶性ポリエステル樹脂2の製造例>
・テレフタル酸: 332質量部
・ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
996質量部
・チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート): 1質量部
冷却管、攪拌機、及び、窒素導入管のついた反応槽中に、以下の材料を秤量した。その後、220℃に加熱し、窒素を導入しながら生成する水を除去しながら10時間反応させた。さらに、無水トリメリット酸96質量部を加え、温度180℃に加熱し、2時間反応させ、重量平均分子量(Mw)84000である非晶性ポリエステル樹脂2を得た。
<トナーの製造例1>
・非晶性ポリエステル樹脂1: 50質量部
・非晶性ポリエステル樹脂2: 50質量部
・パラフィンワックス(HNP−9、日本精鑞製、融点:75℃): 5質量部
・シアン顔料(C.I.Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)、大日精化製): 5質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物: 1質量部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、高圧気体を用いた衝突式気流粉砕機を用いて微粉砕した。
次に、得られた微粉砕物を、コアンダ効果を利用した風力分級機(エルボジェットラボEJ−L3、日鉄鉱業社製)で分級しで微粉及び粗粉を同時に分級除去し、さらに機械的表面改質装置(ファカルティ F−100、ホソカワミクロン(株)社製)を用いて表面改質を行った。その際、分散ローターの回転数を7500rpm、分級ローターの回転数を9500rpmとし、分級品の投入量を1サイクルあたり250gとし、表面改質時間(=サイクルタイム、原料供給が終了してから排出弁が開くまでの時間)を30secとした。以上の表面改質処理を3回繰り返し、トナー粒子1を得た。
次いで、上記トナー粒子1 100部に、ルチル型酸化チタン(体積平均粒径:20nm、n−デシルトリメトキシシラン処理)1.0部、シリカA(気相酸化法により作製、体積平均粒径:40nm、シリコーンオイル処理)2.0部、シリカB(ゾルゲル法により作製、体積平均粒径:140nm、シリコーンオイル処理)2.0部を加え、5リットルヘンシェルミキサーを用い、周速30m/sで15分間ブレンドを行った。その後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー1を得た。得られたトナー1における2μm以下の小粒子の割合は12.8個数%であった。
<トナーの製造例2>
トナーの製造例1のうち、機械的表面改質装置の処理回数を3回から2回に変更した以外は同様の操作を行い、トナー2を得た。得られたトナー2における小粒子の割合は25.2個数%であった。
<トナーの製造例3>
トナーの製造例1のうち、機械的表面改質装置の処理回数を3回から1回に変更した以外は同様の操作を行い、トナー3を得た。得られたトナー3における小粒子の割合は32.8個数%であった。
次に、このように作製した磁性キャリアとトナーを表5の組み合わせで二成分系現像剤を作製した。二成分系現像剤は、磁性キャリア92.0質量%、トナー8.0質量%の配合割合とし、V型混合機で5分間混合した。
<実施例1>
画像形成装置として、キヤノン製デジタル商業印刷用プリンターimagePRESS C1改造機を用い、シアン位置の現像器に二成分系現像剤1を入れ、画像形成し、後述の評価を行った。尚、改造点は、現像器内部で過剰になった磁性キャリアを現像器から排出する機構を取り外し、現像剤担持体には周波数2.0kHz、Vpp1.3kVの交流電圧と直流電圧VDCを印加した。耐久画像出力評価時の直流電圧VDCは、FFh画像(ベタ画像)のトナーの紙上への載り量が0.6mg/cmとなるように調整した。FFhとは、256階調を16進数で表示した値であり、00hが256階調の1階調目(白地部)であり、FFhが256階調の256階調目(ベタ部)である。
耐久画像出力試験としては、画像比率5%、FFh画像のオリジナル原稿(A4)を用いて、100,000枚行った。
印刷環境 常温常湿環境:温度23℃/湿度50%RH(以下「N/N」)
低温常湿環境:温度23℃/湿度5%RH(以下「N/L」)
高温高湿環境:温度30℃/湿度80%RH(以下「H/H」)
紙 レーザービームプリンター用紙CS−814(81.4g/m
(キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)
以下の評価方法に基づいて評価し、その結果を表6〜8に示す。
[画像濃度]
耐久初期の画像濃度を評価した。印刷環境にあったVcon(N/N:300V、N/L:350V、H/H:250V)になるようにVDCを調整し、FFh画像を形成し、180℃で定着した。得られた定着画像の濃度を濃度計X−Rite500型を用いて6点測定し、その平均値をとって画像濃度とした。
A:1.50以上 (非常に良好)
B:1.35以上、1.50未満 (良好)
C:1.20以上、1.35未満 (本発明において許容レベル)
D:1.20未満 (本発明において許容できない)
[濃度ムラ]
耐久後の濃度ムラを評価した。現像器を機外に取り外し、30℃、80%RHの環境下に144時間放置し、再度現像器を機内に装着し、A4紙全面に90h画像を出力し、画像を評価に用いた。画像均一性の評価は、5箇所の画像濃度を測定し、最大値と最小値との差を求めた。画像濃度は、X−Riteカラー反射濃度計(Color reflection densitometer X−Rite 404A)で測定し、以下の基準により評価した。
A:0.04未満 (非常に良好)
B:0.04以上0.08未満 (良好)
C:0.08以上0.12未満 (本発明において許容レベル)
D:0.12以上 (本発明において許容できない)
[キャリア付着]
耐久後のキャリア付着を評価した。Vback100VになるようにVDCを調整し、00h画像を出力し、静電潜像担持体(感光ドラム)上を透明な粘着テープを密着させてサンプリングし、1cm×1cm中の静電荷潜像担持体上に付着していた磁性キャリア粒子の個数をカウントし、1cm当りの付着キャリア粒子の個数を算出し、以下の基準により評価した。
A:3個以下 (非常に良好)
B:4個以上10個以下 (良好)
C:11個以上20個以下 (本発明において許容レベル)
D:21個以上 (本発明において許容できない)
[リーク試験(白ポチ)]
耐久後のリークを評価した。A4普通紙上にベタ(FFh)画像を5枚連続して出力して、画像に直径が1mm以上の白く抜けている点の個数をカウントして、5枚中のその合計個数を算出し、以下の基準により評価した。
A:0個 (非常に良好)
B:1個以上10個未満 (良好)
C:10個以上20個未満 (本発明において許容レベル)
D:20個以上 (本発明において許容できない)
[トナー飛散]
耐久後のトナー飛散を評価した。現像器を機外に取り外し、現像剤担持体の真下を中心にA4の紙を置き、10分間現像剤担持体を本体と同じ周速で回転させる。紙上に落ちたトナーの質量を測定し、以下の基準により評価した。
A:3mg未満 (非常に良好)
B:3mg以上6mg未満 (良好)
C:6mg以上10mg未満 (本発明において許容レベル)
D:10mg以上 (本発明において許容できない)。
<実施例2乃至11、および比較例1乃至3>
二成分系現像剤2〜14を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表6〜8に示す。尚、実施例11は参考例として記載するものである。
1 樹脂容器
2 下部電極
3 支持台座
4 上部電極
5 試料
6 エレクトロンメーター
7 処理コンピュータ
A 抵抗測定セル
d サンプル高さ
d1 サンプルがない状態の高さ
d2 サンプルが入った状態の高さ

Claims (4)

  1. 多孔質磁性粒子の孔にアミノシランカップリング剤を含有する充填用樹脂を充填した充填コア粒子の表面に、アミノシランカップリング剤で処理することにより形成されたプライマー層と、アミノシランカップリング剤を含有する被覆用樹脂組成物を被覆して形成された被覆層とが存在する磁性キャリアであって、
    該プライマー層の形成に用いる該アミノシランカップリング剤が、下記式(1)で表されるアミノシランカップリング剤であり、
    該被覆層の形成に用いるアミノシランカップリング剤が、下記式(3)で表されるアミノシランカップリング剤又はN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランであることを特徴とする磁性キャリア。
  2. 該充填用樹脂に含有されるアミノシランカップリング剤が、下記式で表されるアミノシランカップリング剤であることを特徴とする請求項1に記載の磁性キャリア。
  3. 該磁性キャリアは、走査型電子顕微鏡により撮影した加速電圧が2.0kV時の該磁性キャリア粒子の反射電子像において、
    下式(1)から求められる、磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリアの多孔質磁性粒子に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合Avが、0.5面積%以上10.0面積%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性キャリア。
    Av=(磁性キャリアの多孔質磁性粒子に由来する輝度の高い部分の総面積/磁性キャリアの全投影面積)×100 (1)
  4. 磁性キャリアとトナーを含む二成分系現像剤であって、
    該磁性キャリアが、請求項1乃至3のいずれかに記載された磁性キャリアであることを特徴とする二成分系現像剤。
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